JP2020075214A - 湿式ガス状物質処理装置及び湿式ガス状物質処理方法 - Google Patents

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JP2020075214A JP2018210008A JP2018210008A JP2020075214A JP 2020075214 A JP2020075214 A JP 2020075214A JP 2018210008 A JP2018210008 A JP 2018210008A JP 2018210008 A JP2018210008 A JP 2018210008A JP 2020075214 A JP2020075214 A JP 2020075214A
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Abstract

【課題】環境に影響を与えるガス状物質に含まれる空気を効率良く浄化するとともに、それに含まれる油水を分離回収することができるようにした油水分離機構付き湿式ガス状物質処理装置及び湿式ガス状物質処理方法を提供する。【解決手段】処理室と、ガス状物質吸入口と、ガス状物質排出口と、貯水槽と、垂設仕切板と、波状多孔質奔流発生板と、少なくとも一つの多孔質邪魔板と、傾斜規制板と、を有し、前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理機構と、前記処理室の壁面に設けられ、前記奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分が通り抜けるための油分通路と、前記油分通路から通り抜けた前記油分含有泡から油分と水分とを分離回収するための油水分離回収機構と、を含む、湿式ガス状物質処理装置とした。【選択図】図1

Description

本発明は、飲食店を含む店舗、製造工場や化学工場、プラントなどから排出される排ガス、灯油や重油等の燃焼から発生するカーボン系超微粒子及び塗料粉塵などの微細粉塵、黒煙などの環境に影響を与えるガス状物質や悪臭などのガス状物質に含まれる空気を効率良く浄化するとともに、それに含まれる油水を分離回収することができるようにした油水分離機構付き湿式ガス状物質処理装置及び湿式ガス状物質処理方法に関する。
従来、水を使った湿式の排ガス処理装置として、スクラバー装置が知られている。従来のスクラバー装置としては、水や脱臭剤液を排ガスに噴霧するタイプの装置や、排ガスと水を吸上げて滝のように逆流させ排ガスを水に当てて通過させるタイプの装置や、噴霧ノズルにより噴霧水層を作り、排ガスを噴霧水層とフィルター層とに交互に通すタイプの装置などがある。また、ロックウール、不織布、金網等に水を散布させながら、排ガスを通過させて粉塵や水溶性気体を水中に取り込む方式なども採用されているが、排ガス中に霧状の水分が排出されていて環境上の点からも好ましくないものであった。
上記のような従来の装置では、装置が複雑となるため故障し易いという問題などがあった。また、フィルターを使うタイプの装置ではフィルターを交換する必要があるし、また、上記のような従来の水を使う装置では、スプレーや送水ポンプなどの個々の装置が必要となり、メンテナンスにも手間がかかるという問題があった。また、上記のような従来の水を使う装置では、水を大量に使用する必要があった。そこで、本願出願人は、特許文献1に示す湿式ガス状物質処理装置を提案し、好評を得ている。
特許文献1に示す湿式ガス状物質処理装置においては、処理室内の貯水槽の水面に奔流を発生せしめ、前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化される。しかしながら、特許文献1に示す湿式ガス状物質処理装置においては、ガス状物質に含まれる空気を効率良く浄化するはできるものの、それに含まれる油水を分離回収することはできなかった。
飲食店を含む店舗、製造工場や化学工場、プラントなどから排出される排ガスには、油分を含むものも多く、前記貯水槽の水や前記貯水槽の壁面を汚す原因となっていた。
特開2017−104843 特許第5384563号公報 特許第5384564号公報 特許第5685152号公報
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、環境に影響を与えるガス状物質に含まれる空気を効率良く浄化するとともに、それに含まれる油水を分離回収することができるようにした油水分離機構付き湿式ガス状物質処理装置及び湿式ガス状物質処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の湿式ガス状物質処理装置は、処理室と、前記処理室に形成され前記処理室内にガス状物質を吸入させるためのガス状物質吸入口と、前記処理室に形成され前記処理室内に吸入されたガス状物質を前記処理室外に排出させるガス状物質排出口と、前記処理室内に設けられた貯水槽と、前記ガス状物質吸入口から吸入されるガス状物質と前記ガス状物質排出口から排出されるガス状物質とを前記処理室内で仕切るように、前記貯水槽の静止水面の上方に垂設せしめられてなる垂設仕切板と、前記ガス状物質排出口側の前記貯水槽の静止水面と平行して、前記貯水槽の静止水面の上方に設置され、前記貯水槽の水面に奔流を発生せしめるための波状多孔質奔流発生板と、前記波状多孔質奔流発生板の上方に設置され、前記奔流により生じる飛沫を受けるための少なくとも一つの多孔質邪魔板と、前記垂設仕切板に、下端に行くに従って前記垂設仕切板から離間するように傾斜して設けられ、且つ前記垂設仕切板よりも下方に延出せしめられた傾斜規制板と、を有し、前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理機構と、前記処理室の壁面に設けられ、前記奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分が通り抜けるための油分通路が通り抜けるための油分通路と、前記油分通路から通り抜けた前記油分含有泡から油分と水分とを分離回収するための油水分離回収機構とを含む、湿式ガス状物質処理装置である。
前記油水分離回収機構が、油水回収機構と、前記油水回収機構に回収された油水を、油分と水分とに分離させる油水分離機構とを含むのが好適である。
前記油水回収機構が、前記油水回収機構に回収された油水を前記油水分離機構に送るための送出パイプを有し、前記油水分離機構が、貯水部を有する油水分離槽を有し、前記送出パイプの先端が、前記油水分離槽の水中に沈められてなり、前記送出パイプから送り出された油水のうち、油分が前記油水分離槽の水面に浮くようにされてなるのが好適である。
前記送出パイプの胴部が送出パイプ屈曲部を有し、前記送出パイプ屈曲部が逆流を防ぐ封水トラップとされてなるのが好適である。
前記貯水槽に所定の水面高さを超える水が排水されるオーバーフロー管が設けられ、前記オーバーフロー管がオーバーフロー管屈曲部を有し、前記オーバーフロー管屈曲部が、逆流を防ぐ封水トラップとされてなるのが好適である。
本発明の湿式ガス状物質処理方法は、前記湿式ガス状物質処理装置を用いて、前記ガス状物質を浄化し、前記油分含有泡から油分と水分とを分離回収するようにした、湿式ガス状物質処理方法である。
また、前記ガス状物質が浄化された後の前記貯水槽からの排水及び前記油水分離回収機構によって分離された水分の排水を加熱することにより、前記排水中の界面活性剤を熱分解せしめるようにするのが好適である。
本明細書において、ガス状物質には、排ガス、塗料粉塵、黒煙、有毒ガスなどの環境に影響を与えるガス状物質や悪臭などが含まれ、灯油、重油等の燃焼から発生するカーボン系超微粒子及び塗装などの微細粉塵のほか、切削液などを含んだガス状物質なども含まれる。
本発明によれば、環境に影響を与えるガス状物質に含まれる空気を効率良く浄化するとともに、それに含まれる油水を分離回収することができるようにした油水分離機構付き湿式ガス状物質処理装置及び湿式ガス状物質処理方法を提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明に係る湿式ガス状物質処理装置の一つの実施の形態を示す一部透視正面図である。 図1の湿式ガス状物質処理装置の一部透視側面図である。 図1の湿式ガス状物質処理装置の斜視図である。 図1の湿式ガス状物質処理装置を別の方向からみた斜視図である。 油水分離回収機構の一つの実施の形態を示す一部透視正面図である。 図1の湿式ガス状物質処理装置の模式的説明図である。 図6の要部拡大模式的説明図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1〜図7に本発明に係る湿式ガス状物質処理装置の一つの実施の形態を示す。
図1〜図4において、符号10は本発明の湿式ガス状物質処理装置である。
湿式ガス状物質処理装置10は、処理室12と、前記処理室12に形成され前記処理室12内にガス状物質Gを吸入させるためのガス状物質吸入口14と、前記処理室12内に吸入されたガス状物質Gを、前記処理室12外に排出させるガス状物質排出口16と、前記処理室12内に設けられた貯水槽18と、前記ガス状物質吸入口14から吸入されるガス状物質Gと前記ガス状物質排出口16から排出されるガス状物質Gとを前記処理室12内で仕切るように、前記貯水槽18の静止水面の上方に垂設せしめられてなる垂設仕切板20と、前記ガス状物質排出口16側の前記貯水槽18の静止水面と平行して、前記貯水槽18の静止水面の上方に設置され、前記貯水槽18の水面に奔流を発生せしめるための波状多孔質奔流発生板22と、前記波状多孔質奔流発生板22の上方に設置され、前記奔流により生じる飛沫を受けるための少なくとも一つの多孔質邪魔板24a,24b,24cと、前記垂設仕切板20に、下端に行くに従って前記垂設仕切板20から離間するように傾斜して設けられ、且つ前記垂設仕切板20よりも下方に延出せしめられた傾斜規制板26と、を有し、前記処理室12内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽18の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理機構28と、前記処理室12の壁面30に設けられ、前記奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分が通り抜けるための油分通路32と、前記油分通路32から通り抜けた前記油分含有泡から油分と水分とを分離回収するための油水分離回収機構36と、を含む、湿式ガス状物質処理装置である。
このように、湿式ガス状物質処理装置10は、湿式ガス状物質処理機構28と、油水分離回収機構36と、とから構成されている。垂設仕切板20は、前記ガス状物質吸入口14から吸入されるガス状物質Gと前記ガス状物質排出口16から排出されるガス状物質Gとを前記処理室12内で仕切るように、前記貯水槽18の静止水面の上方に垂設されているが、前記貯水槽18の静止水面の上方に設けられているだけなので、処理室12内部を完全に仕切っているわけではない。
また、多孔質邪魔板は少なくとも一つ設ければよいが、複数枚設けるのが好適である。前記多孔質邪魔板は、多孔質邪魔板24a,24b,24cとして、3枚設けた例を示した。多孔質邪魔板24a,24bは等間隔で設置してあり、その上方には防水フィルターとして不織布を備えた多孔質邪魔板24cが設置されている。このような、防水フィルターを備えた多孔質邪魔板を少なくとも一つ設けると、吸引能力を低下させることなく、水を遮ることができる。特に、防水フィルターを備えた多孔質邪魔板を45°の角度で設置すると、通気性は低下させることなく、水を遮ることができる。
また、前記多孔質邪魔板24a,24b,24cは、図1によく示される如く、前記貯水槽18の静止水面に対して傾斜して設けられている。例えば、貯水槽18の水面と前記多孔質邪魔板24a,24b,24cとの間の角度は、45°〜25°が好ましく、45°が最も好ましい。また、図示例では、波状多孔質奔流発生板22及び多孔質邪魔板24a,24b,24cは、パンチングメタルで作製した例を示した。波状多孔質奔流発生板22は、波状とされており、多数の孔が開穿されている。図示例では波状多孔質奔流発生板22は、SUS製のパンチングメタルを使用した例を示した。例えば、孔の直径が3mm〜5mm程度、開口率が50%〜60%程度、波高が10mm〜20mm程度のパンチングメタルが好適に使用できる。但し、波状多孔質奔流発生板22は、処理する風量、集塵されるゴミ種類や大きさなどによって、孔の直径を変えたり、波高或いは、折数(波の周期数)を変化させる。
図示例では、静止水面の水位は、図1に示すようにT1の位置である。
また、傾斜規制板26は、前記垂設仕切板20に対して傾斜して設けられているが、15°〜40°傾斜して設けるのが好適である。図示例では、図1及び図7に示すように傾斜規制板26の傾斜角度θは30°とされている。また、傾斜規制板26は垂設仕切板20に支持プレート34によっても支持されている。
符号38は、吸引口40が付いた電動送風機であり、電源ボックスのモータ42によって駆動せしめられる。電動送風機38の設置位置は、吸入されたガス状物質Gが貯水槽18を通った後の位置に設けた例を示したが、吸入されたガス状物質Gが貯水槽18を通る前の位置に設けるようにしてもよい。電動送風機38の設置位置は、吸入されたガス状物質Gが貯水槽18を通った後の位置に設けると、電動送風機38が汚れないという利点がある。また、処理室12の上部には、脱臭装置44が設けられている。脱臭装置44は、第一脱臭装置46と第二脱臭装置48とから構成されている。
第一脱臭装置46は、図示した例では2つの加熱用シーズヒータが平面視波状に設けられており、その周りには粒状の多孔質発熱体が室内に詰まるように配置されている。前記加熱用シーズヒータに通電すると、前記多孔質発熱体が発熱し、加熱する。前記多孔質発熱体は、例えば、通電による抵抗発熱性を有する多孔質発熱体であり、酸化金属を含み、パラジウム触媒を担持してなる。そのため高温になった多孔質発熱体は、触媒による酸化燃焼効果を発揮してガス状物質G中に含まれるタンパク質、アミノ酸などの有機成分を炭酸ガスと水とに分解して、滅菌と同時に脱臭する。
かかる通電による抵抗発熱性を有する多孔質発熱体としては、例えば特許文献2〜4に記載された多孔質焼結体などの多孔質発熱体を使用できる。例えば特許文献2〜4に記載された多孔質焼結体などの多孔質発熱体は、金属(アルミニウム、鉄、金属シリコン)と粘土、黒鉛、木粉を合成糊バインダーで練り上げて押出し成形し、乾燥後に1100℃で焼結させることで得ることができる。また、かかる多孔質発熱体に電極を付けて通電する構成とすることができ、電極を付けて通電すると650℃まで発熱する。符号50は、過熱防止用サーモスタットである。
第一脱臭装置46では、ガス状物質Gに含まれる通常の悪臭を除去することができる。また、加熱により脱臭効果が増大する。さらに、多孔質発熱体は繰返して使用できるので、半永久的に使用が可能である。
第二脱臭装置48は、図示した例では活性炭層を内部に設けた。第二脱臭装置48では、揮発性の高い臭気が除去される。
貯水槽18には、自動で給水を行う自動給水弁52と、貯水槽18内の水を排水する排水弁54が設けられている。
前記貯水槽18には所定の水面高さを超えた場合に溢れ出る水が排水されるためのオーバーフロー管86が設けられている。前記オーバーフロー管86にはオーバーフロー管屈曲部88が形成されており、前記オーバーフロー管屈曲部88は、波状多孔質奔流発生板22によって奔流が発生した場合に、油分などの逆流を防ぐ封水トラップとなっている。オーバーフロー管屈曲部88の形状としては、例えば、S字クランク形状などのクランク形状などが好適である。
ガス状物質Gには、油分が含まれていることが多いが、前記波状多孔質奔流発生板22によって奔流が生じると、油分が水面に浮上してくる。これを、本明細書では、奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分と呼んでいる。
前記処理室12の壁面30には前記奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分が通り抜けるための油分通路32が、設けられている。油分通路32は、図示例ではスリットとした例を示した。即ち、処理室12の壁面30には、前記貯水槽18の静止水面よりも上方であり、且つ波状多孔質奔流発生板22の下方に、奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分が通り抜けるための油分通路32として、スリットが設けられている(図1〜図2,図6)。図示例ではスリットの例を示したが、浮上油成分が通り抜けることができれば良いものであるから、孔や網などでもよい。
湿式ガス状物質処理機構28に併設された油水分離回収機構36は、図5によく示される如く、油水回収機構56と、前記油水回収機構56に回収された油水OWを、油分Oと水分Wとに分離させる油水分離機構58とを含む構成とされている。
油水回収機構56は、上記した油分を含有する浮上油成分と水とが混ざったまま流れ込む回収槽57を備えている。前記油水回収機構56は、前記油水回収機構56に回収された油水OWを前記油水分離機構58に送るための送出パイプ60を有しており、前記油水分離機構58が貯水部62を有する油水分離槽64を有している。貯水部62には、予め水が貯められている。
前記送出パイプ60の先端は、前記貯水部62の水中に沈められてなり、前記送出パイプ60から送り出された油水OWのうち、油分Oが前記油水分離槽64の貯水部62の水面に浮くように構成されている。
前記送出パイプ60の胴部は送出パイプ屈曲部66を有しており、前記送出パイプ屈曲部66は、常に貯水部62の水が先端に入っているので、逆流を防ぐ封水トラップとなっている。
また、油水分離槽64の貯水部62の側壁68a,68bは、図5に示すように、高さが異なり、高低差のある側壁となっている。そして、貯水部62の中央には、貯水部62の上部を仕切る上部仕切壁70が形成されている。
低い方の側壁68aの高さは、貯水部62の水面の高さと一致する。一方、高い方の側壁68bは、貯水部62の水面の高さよりも高くなっているため、貯水部62の水面上に油分Oが浮く余地、即ち油浮上ゾーン94が形成されている。そして、上部仕切壁70があるので、貯水部62には、分離水分72と、その上に浮いている分離油分74とが形成されることとなる。
そしてこの貯水部62の分離水分72と分離油分74はそれぞれ、側壁68a,68bの高さを超えて溢れると、分離水分貯留部76と分離油分貯留部78とに、水分Wと油分Oとして貯留される。さらに、分離水分貯留部76と分離油分貯留部78とから溢れた水分Wと油分Oは、それぞれ水分出口80と油分出口82とから排出される。
なお、前記油水回収機構56は、把手の付いた蓋体84を有しており、蓋体84を開けて内部のメンテナンスが可能となっている。
なお、湿式ガス状物質処理装置10の下部には、キャスター90が取り付けられており、移動可能とされている。
次に、このように構成された湿式ガス状物質処理装置10の作用を特に図5〜図7に基づいて説明する。
湿式ガス状物質処理装置10の電源ボックスの電源を入れるとモータ42が稼働する。すると、電動送風機38の風圧によって、図6及び図7に示すように、処理室12内の貯水槽18のガス状物質吸入口14側の水位はT2の位置まで下降する一方、ガス状物質排出口16側の水位は、T3の位置まで上昇する。そして、波状多孔質奔流発生板22の孔にぶつかり、抜けようとして激しく奔流となる。この際に、気泡や飛沫も生じる。このように、吸気した汚れた空気を含むガス状物質の全てが水流に接触するようにされている。
発生した奔流により、飛沫が生じるが飛沫の水滴92は、水面の上方に設置された多孔質邪魔板24a,24b,24cに当たって跳ね返され、貯水槽18へと戻される。
このようにして、ガス状物質Gは、貯水槽18の水Wと接触することによって浄化される。外から吸引した空気に含まれる油煙・粉塵・悪臭等は、水Wに触れてトラップされて貯水槽18に落ちる。水より重い粉塵等は貯水槽18の水中に沈殿する。なお、貯水槽18は図示例では、沈殿物が一端に集まりやすいように、底が傾斜して設けられている。
波状多孔質奔流発生板22によって奔流が生じて、水滴92がランダムに巻き上がり、貯水槽18の水Wに触れて最初は取り切れなかった油煙・粉塵・悪臭等も、水Wに触れてトラップされて貯水槽18に落ちる。
また、奔流によって、油分を含有する油成分が泡となって軽くなり、水面に浮き上がってくる。この浮上油成分は、油分通路32を通って油水分離回収機構36に流れ込む。油分通路32は図示例ではスリットである。
浮上油成分は、水も含んでおり、油水OWとなって前記油水回収機構56に回収される。上記した油分を含有する浮上油成分と水とが混ざったまま、油水OWは回収槽57に流れ込む。そして、油水OWは送出パイプ60を通って、前記油水分離機構58の油水分離槽64の貯水部62に送られる。
貯水部62には、予め水が貯められており、側壁68a,68bの高さの違いと上部仕切壁70によって貯水部62の水面上に油分Oが浮くように、油浮上ゾーン94が形成されているので、油水OWは、その比重差によって、分離水分72と、その上に浮いている分離油分74とに分離される。
このようにして分離された、分離水分72と分離油分74はそれぞれ、側壁68a,68bの高さを超えて溢れると、分離水分貯留部76と分離油分貯留部78とに、水分Wと油分Oとして貯留される。そして、分離水分貯留部76と分離油分貯留部78とから溢れた水分Wと油分Oは、それぞれ水分出口80と油分出口82とから排出される。
湿式ガス状物質処理装置10は、脱臭装置44を備えているので、処理室12を通っても、取り切れなかった悪臭は、第一脱臭装置46及び第二脱臭装置48を通ることで、分解・吸着処理される。そして、脱臭装置44を通って浄化されたガス状物質はガス状物質排出口16から排出される。
本発明の湿式ガス状物質処理方法は、湿式ガス状物質処理装置10を用いて、ガス状物質Gを浄化し、前記浮上油成分から油分と水分とを分離回収することで実施される。
また、前記ガス状物質Gが浄化された後の前記貯水槽18からの排水及び前記油水分離回収機構56によって分離された水分Wの水分出口80からの排水には、界面活性剤が含まれていることがある。このため、本発明の湿式ガス状物質処理方法では、これらの排水を加熱して、前記排水中の界面活性剤を熱分解する工程をさらに実施するのが好適である。従って、排水に機械加工の際に用いられる切削液の成分などや種々の洗剤成分が含まれていても、浄化することが可能である。
このようにして、本発明の湿式ガス状物質処理装置及び湿式ガス状物質処理方法によれば、環境に影響を与えるガス状物質に含まれる空気を効率良く浄化するとともに、それに含まれる油水を分離回収することができる。
飲食店などの店舗の厨房に設置する場合には、本発明の湿式ガス状物質処理装置のサイズを小さくしたものを用いるようにし、製造工場や化学工場、プラントに設置する場合には、湿式ガス状物質処理装置のサイズを大きくしたものを用いるようにすればよい。飲食店などの店舗に設置する場合には、調理に伴い生じる排煙などを効果的に分離除去することができる。また、湿式ガス状物質処理装置のサイズを小さくすれば、飲食店でも或いは工場や施設でも、卓上に置いて卓上用としての使用も可能である。このように、本発明の湿式ガス状物質処理装置は、排煙や排ガスが生じる様々な場所に設置することで、浄化処理を行うことが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記形態は例示であり、本発の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、かつ同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10:湿式ガス状物質処理装置、12:処理室、14:ガス状物質吸入口、16:ガス状物質排出口、18:貯水槽、20:垂設仕切板、22:波状多孔質奔流発生板、24a,24b,24c:多孔質邪魔板、26:傾斜規制板、28:湿式ガス状物質処理機構、30:壁面、32:油分通路、34:支持プレート、36:油水分離回収機構、38:電動送風機、40:吸引口、42:モータ、44:脱臭装置、46:第一脱臭装置、48:第二脱臭装置、50:過熱防止用サーモスタット、52:自動給水弁、54:排水弁、56:油水回収機構、57:回収槽、58:油水分離機構、60:送出パイプ、62:貯水部、64:油水分離槽、66:送出パイプ屈曲部、68a,68b:側壁、70:上部仕切壁、72:分離水分、74:分離油分、76:分離水分貯留部、78:分離油分貯留部、80:水分出口、82:油分出口、84:蓋体、86:オーバーフロー管、88:オーバーフロー管屈曲部、90:キャスター、92:水滴、94:油浮上ゾーン、G:ガス状物質、OW:油水、O:油分、T1,T2,T3:水位、W:水分。

Claims (7)

  1. 処理室と、
    前記処理室に形成され前記処理室内にガス状物質を吸入させるためのガス状物質吸入口と、
    前記処理室に形成され前記処理室内に吸入されたガス状物質を前記処理室外に排出させるガス状物質排出口と、
    前記処理室内に設けられた貯水槽と、
    前記ガス状物質吸入口から吸入されるガス状物質と前記ガス状物質排出口から排出されるガス状物質とを前記処理室内で仕切るように、前記貯水槽の静止水面の上方に垂設せしめられてなる垂設仕切板と、
    前記ガス状物質排出口側の前記貯水槽の静止水面と平行して、前記貯水槽の静止水面の上方に設置され、前記貯水槽の水面に奔流を発生せしめるための波状多孔質奔流発生板と、
    前記波状多孔質奔流発生板の上方に設置され、前記奔流により生じる飛沫を受けるための少なくとも一つの多孔質邪魔板と、
    前記垂設仕切板に、下端に行くに従って前記垂設仕切板から離間するように傾斜して設けられ、且つ前記垂設仕切板よりも下方に延出せしめられた傾斜規制板と、
    を有し、前記処理室内に吸入されたガス状物質が前記貯水槽の水と接触することによって浄化されるようにした、湿式ガス状物質処理機構と、
    前記処理室の壁面に設けられ、前記奔流によって生じた、油分を含有する浮上油成分が通り抜けるための油分通路と、
    前記油分通路から通り抜けた前記油分含有泡から油分と水分とを分離回収するための油水分離回収機構と、
    を含む、
    湿式ガス状物質処理装置。
  2. 前記油水分離回収機構が、油水回収機構と、前記油水回収機構に回収された油水を、油分と水分とに分離させる油水分離機構とを含む、請求項1記載の湿式ガス状物質処理装置。
  3. 前記油水回収機構が、前記油水回収機構に回収された油水を前記油水分離機構に送るための送出パイプを有し、
    前記油水分離機構が、貯水部を有する油水分離槽を有し、
    前記送出パイプの先端が、前記油水分離槽の水中に沈められてなり、前記送出パイプから送り出された油水のうち、油分が前記油水分離槽の水面に浮くようにされてなる、請求項2記載の湿式ガス状物質処理装置。
  4. 前記送出パイプの胴部が送出パイプ屈曲部を有し、前記送出パイプ屈曲部が逆流を防ぐ封水トラップとされてなる、請求項3記載の湿式ガス状物質処理装置。
  5. 前記貯水槽に所定の水面高さを超える水が排水されるオーバーフロー管が設けられ、前記オーバーフロー管がオーバーフロー管屈曲部を有し、前記オーバーフロー管屈曲部が、逆流を防ぐ封水トラップとされてなる、請求項1〜3いずれか1項記載の湿式ガス状物質処理装置。
  6. 請求項1〜5いずれか1項記載の湿式ガス状物質処理装置を用いて、前記ガス状物質を浄化し、前記浮上油成分から油分と水分とを分離回収するようにした、湿式ガス状物質処理方法。
  7. 前記ガス状物質が浄化された後の前記貯水槽からの排水及び前記油水分離回収機構によって分離された水分の排水を加熱することにより、前記排水中の界面活性剤を熱分解せしめてなる、請求項6記載の湿式ガス状物質処理方法。
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