<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図9を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図3(a)はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘200,300や入賞口(入球口)63,64a,64b,65a等を有する遊技盤13(図3(a)参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット(図示せず)やその球発射ユニットから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図3(a)及び図3(b)において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13(図3(a)参照)の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。第1実施形態のパチンコ機10では、このガラスユニット16と遊技盤13の前面領域とで形成された空間(以下、「遊技領域」と称する場合がある)を球が流下可能に構成されている。即ち、球発射ユニット(図示せず)によって発射された球は、遊技盤13に植設された障害部材である後述する多数の遊技釘(後述する普通釘200およびミニヘッド釘300(図3(a)参照))、及び、ガラスユニット16と衝突を繰り返しながら遊技領域内を流下し、該遊技領域に設けられた障害部材としての機能も有する入賞口(入球口)63,64a,64b,65a(図3(a)参照)へ入球(入賞)可能に構成されている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット(図示せず)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3(a)参照)で表示される演出を変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
なお、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図3(a)参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の第1始動口64a又は第2始動口64b(図3(a)参照))へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出が選択変更されたり、演出が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や変動演出の演出時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や変動演出の演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは変動演出の実行中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3(a)参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット(図示せず)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「玉箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す。)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ(図示せず)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ(図示せず)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図3を参照して遊技盤13の具体的構成の詳細な構成について説明する。図3(a)は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3(b)は、図3(a)における第4誘導釘エリアの拡大正面図である。まず、図3(a)に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に成形加工した透明樹脂製のベース板60に、球案内用の多数の遊技釘(普通釘200及びミニヘッド釘300)や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第3図柄の大当たりが発生した場合に開放される可変入賞装置65、第3図柄の抽選契機となる第1始動口64a及び第2始動口64b並びに普通電役64c等を有した入賞口ユニット64、第2図柄の抽選契機となるスルーゲート67、第3図柄表示装置81及び第2図柄表示装置83等を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、入賞口ユニット64、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成されたルータ孔に配設され、各部品63等のフランジ部が上記各ルータ孔の孔縁から3ミリメートルから10ミリメートル形成され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。この各フランジ部によって、各部品63等が遊技盤13の盤面と面接触することで、遊技盤13に各部品63等を正確に取り付けることが可能となる。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット(図示せず)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3(a)の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
外レール62の先端部(図3(a)の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、第1始動口64a、第2始動口64b及び可変入賞装置65へ球が入球し得る一方、スルーゲート67に球が入球し難い(しない)ように構成されている。また、右打ちの遊技において、第2始動口64b、可変入賞装置65、スルーゲート67へ球が入球し得る一方、第1始動口64aに球が入球し難い(しない)ように構成されている。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3(a)の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された第1LED群37aと第2LED群37bとが設けられた第1図柄表示装置37(以下、第1図柄表示装置37に関し、説明の便宜上、「特別図柄表示装置37」と称する場合がある)が配設されている。特別図柄表示装置37は、主制御装置110(図2参照)で行われる各制御に応じた第1特別図柄および第2特別図柄の各変動表示(以下、両特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
第1LED群37aは、後述する第1始動口64a又は第2始動口64bに入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する第1LED群37aの点灯状態により示される。なお、第1LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する可変入賞装置65の大入賞口65aを開閉する大入賞口開閉板(図示せず)が開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65aが開放開始されてから「30秒」経過するか、若しくは、大入賞口65aの開放中に球が10個入賞することで、1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
第2LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、第1始動口64aへの球の入球に基づいて実行される第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が動的表示される。また、下方LED群37b2は、第2始動口64bへの球の入球に基づいて実行される第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が動的表示される。
具体的には、上方LED群37b1には、入賞口ユニット64の上部に設けられた第1始動口64aへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、上方LED群37b1の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群37b2には、入賞口ユニット64の下部に設けられた第2始動口64bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、下方LED群37b2の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群37b1,37b2においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
本パチンコ機10では、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、各当否判定において大当たりと判定された場合は、入賞した入賞口64a,64bに応じてその大当たり種別の判定も行う。
次いで、遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。
また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64aへの入球又は第2始動口64bへの入球(以下、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)をトリガとして、特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される第2図柄表示装置83(以下、第2図柄表示装置83に関し、説明の便宜上、「普通図柄表示装置83」と称する場合がある)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図2参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(図示せず)が表示される。
各図柄列(図示せず)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図2参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
可変表示装置ユニット80の正面視右側には、スルーゲート67が設けられている。このスルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。このスルーゲート67を球が通過すると、貫通孔に設けられた普通図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110(図2参照)で普通図柄の当たり抽選が行われる。なお、このスルーゲート67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64a及び第2始動口64b並びに普通電役64cを有する入賞口ユニット64が配設されている。この入賞口ユニット64に設けられた第1始動口64aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図2参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた動的表示が特別図柄表示装置37の第2LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に基づく変動演出が実行される。なお、第1始動口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
また、入賞口ユニット64には、普通電役64cが開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口64bが配設されている。この第2始動口64bへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図2参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の第2LED群37bの下方LED群37b2で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に基づく変動演出が実行される。なお、第2始動口64bは、球が入球すると2個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
さらに、入賞口ユニット64には、上述したように、普通電役64cが配設されている。この普通電役64cは、主に、回動板と、該回動板を開閉駆動する回動ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
第1実施形態の主制御装置110(図2参照)は、通常時、普通電役64cの回動板を直立状態に維持して、第2始動口64bの正面視左右両側を覆うことで、第2始動口64bへの球の流入を防止している。そして、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記回動用ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、普通電役64cの回動板を所定時間の間、回動板を直立状態から左右両側に所定角度(例えば、45度)傾倒した開放状態(傾倒状態)に駆動させて、第2始動口64bへの球の流入を可能に構成して、左打ち遊技されて入賞口ユニット64の正面視左側若しくは正面視右側、又は、右打ち遊技されて入賞口ユニット64の正面視右側を流下する球が第2始動口64bへ入賞し易い状態、即ち、入賞補助状態となるように構成されている。
普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第2始動口64bの左右両側に設けられた普通電役64cが所定時間だけ作動状態となり、所定図柄以外(第1実施形態においては「×」の図柄)で停止した場合には普通電役64cが非作動状態となる(閉鎖状態が維持される)よう構成されている。
入賞口ユニット64の正面視下方には可変入賞装置65の略中央部分に横長矩形状の大入賞口65aが設けられている。第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図2参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の第2LED群37bを点灯表示させると共に、第3図柄表示装置81にその大当たりに対応した停止図柄(例えば、同一図柄の3つ揃い(「777」等))を表示させて、大当たり遊技の発生が示される。その後、大当たり遊技において、可変入賞装置65に設けられた大入賞口開閉板(図示せず)が開放されて、球が大入賞口65a内に入賞し易い特別遊技状態(大当たり遊技)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大入賞口65aが、所定条件が成立するまで(例えば、大入賞口65aが開放されてから「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この大入賞口65aは、開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該大入賞口65aに入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64a,64b,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。
また、遊技盤13には、遊技領域の各領域を流下する球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の普通釘200及びミニヘッド釘300が植設(立設)されているとともに、障害部材としての風車71等の各種部材(役物)が配設されている。風車71は、遊技盤13盤面に回動自在に軸支(植設)されており、球が後述する案内板(図示せず)と衝突した場合に、案内板の前面側に設けられた回転板が時計回り又は反時計回りのいずれかに回動する。そして、風車71が時計回りに回動している場合には、遊技盤13正面視右側方向に球を振り分け易くする一方、風車71が反時計回りに回動している場合には、遊技盤13の正面視左側方向に球を振り分け易くするように構成されている。また、この風車71の背面側には、該風車71に衝突した球を遊技盤13の盤面方向へと誘導する(跳ね返らせる)案内板が設けられており、該案内板に衝突した球は、遊技盤13の盤面側へと跳ね返ることで、遊技領域を流下する球が遊技盤13の盤面上に沿って流下し易くなるように構成されている。なお、風車71を遊技盤13に取り付けるための風車釘(図示せず)には、後述する普通釘200等のようなネジ部205が設けられていない。このため、風車71を遊技盤13側から引き抜いた場合であっても、遊技盤13の釘穴13aが損傷せず、再度、該釘穴13aに対して風車釘を打ち込むことが可能に構成されている。
遊技盤13の盤面には、上述したように、普通釘200とミニヘッド釘300との2種類の釘が遊技領域の各エリア(領域)ごとに植設され、主に、球発射ユニット(図示せず)から発射された球が遊技領域に流入した際に最初に衝突し得る第1誘導釘エリアYK1(所謂、天釘植設領域)と、可変表示装置ユニット80の正面視左側を流下する際に衝突し得る第2誘導釘エリアYK2(所謂、寄り釘植設領域)と、風車71に向けて球を流下させ得る第3誘導釘エリアYK3(所謂、ハカマ釘植設領域)と、風車71によって遊技盤13の正面視左側に誘導された球を入賞口ユニット64に向けて誘導し得る第4誘導釘エリアYK4(所謂、道釘植設領域)と、可変表示装置ユニット80と入賞口ユニット64(第1始動口64a)との間であって第1始動口64aに向けて球を誘導し得る第5誘導釘エリアYK5(所謂、命(ヘソ)釘植設領域)と、一般入賞口63に向けて球を誘導し得る第6誘導釘エリアYK6と、が形成され、各エリアYK1〜YK6に流下した球を適宜分散させるために各エリアYK1〜YK6毎にそれぞれ普通釘200又はミニヘッド釘300が植設されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1誘導釘エリアYK1、第2誘導釘エリアYK2、第3誘導釘エリアYK3、第5誘導釘エリアYK5及び第6誘導釘エリアYK6には、普通釘200がそれぞれ植設される一方、第4誘導釘エリアYK4には、ミニヘッド釘300が植設されるように構成されている。
ここで、図4を参照して、普通釘200とミニヘッド釘300との詳細について説明する。図4(a)は、普通釘200の正面図および側面図を示した図であり、図4(b)は、ミニヘッド釘300の正面図および側面図を示した図である。
まず、図4(a)で示すように、普通釘200は、その全長が約33ミリメートル(以下、ミリメートルを、「mm」と略す)で形成される。また普通釘200は、金属の硬さを示すビッカース硬度が、150ハードネス・ビッカース(Hardness Vickers。以下、「Hv」と略す。)Hv〜230Hvの硬度を有する真鍮材又は同等の硬度を有する金属からなり、容易に錆びず、かつ、球の衝撃によって容易に折れない(破損しない)ように構成されている。
この普通釘200は、主に、普通頭部(釘傘)201、普通軸部202、普通小径部203、普通第1平行部204、普通ネジ部205、普通第2平行部206および普通先鋭部207から構成され、上記各部位201〜207が連続的に形成されるとともに、各部位201〜207毎に直径(遊技盤13側面視における断面幅。以下、同様。)が異なるように構成されている。
普通頭部201は、普通釘200の自由端側の部位であって、その直径φ1が約4.3mmであって、後述する普通軸部202の直径φ2の約2.324倍となるように構成されている。この普通頭部201には、球面状に形成された普通傘表部201aと、普通釘200が遊技盤13に植設された場合に遊技盤13側に位置し得る普通傘裏部201bとを有している。普通傘表部201aには、その球面形状の中心である普通傘頂部201a1と、その普通傘表部201aの外周部分であって普通傘裏部201bと連続する部位である普通傘先端部201a2とが形成されている。なお、普通傘先端部201a2は、所定の面取り加工(例えば、R形状であって、R0.2mm)が施されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、例えば、所謂ゴト師等によって、不正に普通釘200(後述するミニヘッド釘300も同様)の立設状態(傾斜状態)が変形(所謂、釘曲げゴト)された場合、ホール関係者によってこの普通頭部201(ミニヘッド頭部301)の普通傘表部201a(ミニヘッド傘表部301a)をハンマー等で叩くことで、普通釘200全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、変形された普通釘200(ミニヘッド釘300)の立設状態を修正可能(修正し易く)に構成されている。
この普通頭部201は、その普通頭部201の高さ幅D1が約1.0mmとなるように構成されている。また、後述する普通軸部202の直径φ2が約1.85mmで構成されることから、普通軸部202の外周部分から普通頭部201の普通傘先端部201a2までの距離D2は、約1.225mmとなるように構成されている。換言すると、普通傘先端部201a2は、普通軸部202から距離D2(即ち、約1.225mm)分、外周方向に突出していることとなる。
普通軸部202は、上述したように、その直径φ2が約1.85mmで形成されるとともに、その長さ(即ち、普通頭部201との接続部から普通小径部203との接続部までの距離)が約17.5mmとなるように構成されている。
この普通軸部202には、普通頭部201と連続する部位に普通テーパ部202aが形成されている。この普通テーパ部202aは、普通傘裏部201bから普通軸部202まで所定の先細り形状(所謂、テーパ形状。例えば、普通傘裏部201b側直径約2.05mm、普通軸部202側直径約1.85mm、テーパ長さ0.3mm、テーパ角約33.7度で直径が徐々に細くなる。)に形成されている。
この普通軸部202は、遊技盤13に形成された後述する釘穴13a(図5参照)に普通釘200が植設された場合に、遊技盤13の盤表側から突出(露出)する部位であり、遊技領域を流下する球と衝突し得るように構成される。
普通小径部203は、普通釘200の固定端側の部位であって、該普通小径部203の幅方向中心部分の直径が約1.75mmとなるように該普通小径部203の外周全体がR形状となるように形成されるとともに、その長さ(即ち、普通軸部202との接続部から普通第1平行部204との接続部までの距離)が約2.0mmとなるように構成されている。
具体的には、普通小径部203の普通軸部202側の直径(φ2)が約1.85mm、普通小径部203の幅方向中心部分の直径が約1.75mm、普通小径部203の普通第1平行部204側の直径が約1.85mmとなるように、R10mmのR形状に形成されている。即ち、この普通小径部203は、普通軸部202等より直径が小さく形成されているため、普通釘200に加えられる応力に対して普通釘200の他の部位(例えば、普通軸部202等)より脆弱な構造となっている。
よって、万一、普通釘200への球の衝突により生じる応力によって、普通釘200が破断し(せん断され)てしまう場合、この普通小径部203の部位で破断し易く、その破断面(破断部)が遊技盤13の釘穴13a(図5参照)内部に形成され易いように構成されている。換言すれば、普通釘200が破断してしまう場合に、普通軸部202等の部位が破断し難く構成され、破断面が遊技盤13の前面領域側へ突出した状態で形成され難いように構成されている。
このように構成することで、普通釘200が破断した場合に、遊技盤13に保持され続けている普通釘200の残存部分を専用治具によって遊技盤13(釘穴13a(図5参照))の前面側から背面側から押し出すとき、専用治具の先端部を、遊技盤13の釘穴13aの内部に挿入して破断面と当接させた状態で破断した普通釘200の残存部分を遊技盤13の背面側へ押し出すことが可能となる。これにより、破断した普通釘200の残存部分を専用治具によって遊技盤13の前面側から背面側へ押し出す場合に、釘穴13aの孔縁によって専用治具の先端部が普通釘200の残存部分側の破断面からズレることなく該残存部分を押し出し易くすることができ、破断した普通釘200の残存部分を遊技盤13の背面側から抜き易くすることができる。また、破断した普通釘200の残存部分が遊技盤13の盤面より突出した状態の場合、専用治具の先端部が該残存部分の破断面からズレることで遊技盤13の盤面と接触して該盤面を破損してしまうおそれがあるが、残存部分の破断面を釘穴13aの内部に形成され易くすることで、専用治具の先端部による遊技盤13の盤面の破損を抑制することができる。
普通第1平行部204は、普通釘200の固定端側の部位であって、普通小径部203から連続して形成され、その直径が、普通軸部202と同様、約1.85mmで構成されるとともに、その長さ(即ち、普通小径部203との接続部から普通ネジ部205との接続部までの距離)が約2.5mmとなるように構成されている。
普通ネジ部205は、普通釘200の固定端側の部位であって、普通第1平行部204から連続して形成され、該普通ネジ部205全体に亘ってネジ溝が形成されている。また、普通ネジ部205では、ネジ溝の外径が直径約2.0mmで形成されるとともに、その長さ(即ち、普通第1平行部204との接続部から普通第2平行部206との接続部までの距離)が約5.0mmとなるように構成されている。即ち、普通ネジ部205の外形は、遊技盤13の釘穴13a(図5参照)の孔径(約1.85mm)より若干大きく構成されている。よって、釘穴13a内に普通釘200を打ち込んだ場合、釘穴13a内に挿入された普通ネジ部205と釘穴13aの内周面との間に生じる摩擦力により固定され、普通釘200が遊技盤13から抜け落ちることが防止される。
普通第2平行部206は、普通釘200の固定端側の部位であって、普通ネジ部205から連続して形成され、その直径が、普通軸部202及び普通第1平行部204と同様、約1.85mmで構成されるとともに、その長さ(即ち、普通ネジ部205との接続部から普通先鋭部207との接続部までの距離)が約1.9mmとなるように構成されている。
普通先鋭部207は、普通釘200の固定端側の部位であって、普通第2平行部206から連続して形成され、その長さ(即ち、普通第2平行部206との接続部から該普通先鋭部207における先端部までの距離)が約3.1mmとなるように構成されている。また、普通先鋭部207は、普通第2平行部206との接続部の直径約1.85mmから普通釘200の先端側(即ち、非普通頭部201側)にテーパ状に漸次細径化する逆円錐形状に形成され、その先端は尖鋭形状に形成されている。よって、釘穴13a(図5参照)に普通釘200を打設(植設)する場合に、この普通先鋭部207をスムースに釘穴13aに挿入することができ、釘穴13aに普通釘200を打設し易くすることができる。
次いで、図4(b)で示すように、ミニヘッド釘300は、普通釘200と同様、その全長が約33mmで形成される。また、ミニヘッド釘300は、普通釘200と同様、金属の硬さを示すビッカース硬度が、150Hv〜230Hvの硬度を有する真鍮材又は同等の硬度を有する金属からなり、容易に錆びず、かつ、球の衝撃によって容易に折れない(破損しない)ように構成されている。
このミニヘッド釘300は、主に、ミニヘッド頭部(釘傘)301、ミニヘッド軸部302、ミニヘッド小径部303、ミニヘッド第1平行部304、ミニヘッドネジ部305、ミニヘッド第2平行部306およびミニヘッド先鋭部307から構成され、上記各部位301〜307が連続的に形成されるとともに、各部位301〜307毎に直径が異なるように構成されている。
ミニヘッド頭部301は、ミニヘッド釘300の自由端側の部位であって、その直径φ3が約2.775mmであり、後述するミニヘッド軸部302の直径φ4の約1.5倍の直径となるように構成されている。また、ミニヘッド頭部301には、球面状に形成されたミニヘッド傘表部301aと、ミニヘッド釘300が遊技盤13に植設された場合に遊技盤13側に位置し得るミニヘッド傘裏部301bとを有している。ミニヘッド傘表部301aには、その球面形状の中心であるミニヘッド傘頂部301a1と、そのミニヘッド傘表部301aの外周部分であってミニヘッド傘裏部301bと連続する部位であるミニヘッド傘先端部301a2とが形成されている。なお、ミニヘッド傘先端部301a2は、所定の面取り加工(例えば、R形状であって、R0.05mm)が施されている。
このミニヘッド頭部301は、そのミニヘッド頭部301の高さ幅D3が、普通頭部201の半分の約0.5mmとなるように構成されている。即ち、ミニヘッド頭部301の高さ幅D3と、普通頭部201の高さ幅D1との差D5は、約0.5mmとなるように構成されている。
また、後述するミニヘッド軸部302の直径φ4が約1.85mmで構成されることから、ミニヘッド軸部302の外周部分からミニヘッド頭部301のミニヘッド傘先端部301a2までの距離D4は、約0.463mmとなるように構成されている。換言すると、ミニヘッド傘先端部301a2は、ミニヘッド軸部302から距離D4(即ち、約0.463mm)分、外周方向に突出していることとなる。即ち、普通軸部202からの普通頭部201の突出量D2と、ミニヘッド軸部302からのミニヘッド頭部301の突出量D4との差D6は、約0.762mmとなる。よって、ミニヘッド釘300は、普通釘200より、その軸部302からの突出量が少なく(ミニヘッド釘300における突出量=0.463mm<普通釘200における突出量=1.225mm)なるように構成されている。
このように、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301の直径φ3を普通釘200の普通頭部201の直径φ1より小さく構成することで、遊技盤13の正面視において、普通釘200を植設した場合よりミニヘッド釘300を植設した場合の方が、遊技盤13の盤面上を視認可能な領域が増加する。よって、ミニヘッド釘300を植設した領域において、遊技盤13の盤面を視認し易くなり、遊技盤13の盤面にデザインを施した場合には該デザインを遊技者に視認し易くして装飾性を良好にすることができる。また、ミニヘッド釘300の植設領域であって透明樹脂製の遊技盤13の背面に役物や表示装置を配置した場合には、該役物又は表示装置を視認し易くすることができ、役物の可動態様や表示装置における表示内容を遊技者に的確に伝達することができ、遊技盤13全体による迫力ある演出を見易くすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
ミニヘッド軸部302は、普通釘200の普通軸部202と同様、その直径φ4が約1.85mmで形成される一方、その長さ(即ち、ミニヘッド頭部301との接続部からミニヘッド小径部303との接続部までの距離)が、普通軸部202より約0.5mm長い約18.0mmとなるように構成されている。
このミニヘッド軸部302には、ミニヘッド頭部301と連続する部位にミニヘッドテーパ部302aが形成されている。このミニヘッドテーパ部302aは、普通テーパ部202aと同様、ミニヘッド傘裏部301bからミニヘッド軸部302まで所定の先細り形状(所謂、テーパ形状。例えば、ミニヘッド傘裏部301b側の直径2.05mm、ミニヘッド軸部302側の直径1.85mm、テーパ長さ0.3mm、テーパ角約33.7度で直径が徐々に細くなる。)に形成されている。
このミニヘッド軸部302は、遊技盤13に形成された後述する釘穴13a(図5参照)にミニヘッド釘300が植設された場合に、遊技盤13の盤表側から突出(露出)する部位であり、遊技領域を流下する球と衝突し得るように構成される。
ミニヘッド小径部303は、ミニヘッド釘300の固定端側の部位であって、普通釘200の普通小径部203と同様の構成であり、該ミニヘッド小径部303の幅方向中心部分の直径が約1.75mmとなるように該ミニヘッド小径部303の外周全体がR形状となるように形成されるとともに、その長さ(即ち、ミニヘッド軸部302との接続部からミニヘッド第1平行部304との接続部までの距離)が約2.0mmとなるように構成されている。
具体的には、ミニヘッド小径部303のミニヘッド軸部302側の直径(φ4)が約1.85mm、ミニヘッド小径部303の幅方向中心部分の直径が約1.75mm、ミニヘッド小径部303のミニヘッド第1平行部304側の直径が約1.85mmとなるように、R10mmのR形状に形成されている。即ち、このミニヘッド小径部303は、ミニヘッド軸部302等より直径が小さく形成されているため、ミニヘッド釘300に加えられる応力に対してミニヘッド釘300の他の部位(例えば、ミニヘッド軸部302等)より脆弱な構造となっている。
よって、普通釘200同様、万一、ミニヘッド釘300への球の衝突により生じる応力によって、ミニヘッド釘300が破断し(せん断され)てしまう場合、このミニヘッド小径部303の部位で破断し易く、その破断面(破断部)が遊技盤13の釘穴13a(図5参照)内部に形成され易いように構成されている。換言すれば、ミニヘッド釘300が破断してしまう場合に、ミニヘッド軸部302等の部位が破断し難く構成され、破断面が遊技盤13の前面領域側へ突出した状態で形成され難いように構成されている。
このように構成することで、ミニヘッド釘300が破断した場合に、遊技盤13に保持され続けている破断したミニヘッド釘300の残存部分を専用治具によって遊技盤13(釘穴13a(図5参照))の前面側から背面側から押し出すとき、専用治具の先端部を、遊技盤13の釘穴13aの内部に挿入して残存部分の破断面と当接させた状態で破断したミニヘッド釘300の残存部分を遊技盤13の背面側に押し出すことが可能となる。これにより、破断したミニヘッド釘300の残存部分を専用治具によって遊技盤13の前面側から背面側へ押し出す場合に、釘穴13aの孔縁によって専用治具の先端部がミニヘッド釘300の残存部分の破断面からズレることなくミニヘッド釘300の残存部分を押出し易くすることができ、破断したミニヘッド釘300を遊技盤13の背面側から抜き易くすることができる。また、破断したミニヘッド釘300の残存部分が遊技盤13の盤面より突出した状態の場合、専用治具の先端部が残存部分の破断面からズレることで遊技盤13の盤面と接触して該盤面を破損してしまうおそれがあるが、残存部分の破断面を釘穴13aの内部に形成され易くすることで、専用治具の先端部による遊技盤13の盤面の破損を抑制することができる。
ミニヘッド第1平行部304は、ミニヘッド釘300の固定端側の部位であって、普通釘の普通第1平行部204と同様の構成であり、ミニヘッド小径部303から連続して形成され、その直径が、ミニヘッド軸部302と同様、約1.85mmで構成されるとともに、その長さ(即ち、ミニヘッド小径部303との接続部からミニヘッドネジ部305との接続部までの距離)が約2.5mmとなるように構成されている。
ミニヘッドネジ部305は、ミニヘッド釘300の固定端側の部位であって、普通釘200の普通ネジ部205と同様の構成であり、ミニヘッド第1平行部304から連続して形成されている。また、このミニヘッドネジ部305全体に亘ってネジ溝が形成され、該ネジ溝の外径が直径約2.0mmで形成されるとともに、その長さ(即ち、ミニヘッド第1平行部304との接続部からミニヘッド第2平行部306との接続部までの距離)が約5.0mmとなるように構成されている。即ち、ミニヘッドネジ部305の外形は、遊技盤13の釘穴13a(図5参照)の孔径(約1.85mm)より若干大きく構成されている。よって、釘穴13a内にミニヘッド釘300を打ち込んだ場合、釘穴13a内に挿入されたミニヘッドネジ部305と釘穴13aの内周面との間に生じる摩擦力により固定され、ミニヘッド釘300が遊技盤13から抜け落ちることが防止される。
ミニヘッド第2平行部306は、ミニヘッド釘300の固定端側の部位であって、普通釘200の普通第2平行部206と同様の構成であり、ミニヘッドネジ部305から連続して形成され、その直径が、ミニヘッド軸部302及びミニヘッド第1平行部304と同様、約1.85mmで構成されるとともに、その長さ(即ち、ミニヘッドネジ部305との接続部からミニヘッド先鋭部307との接続部までの距離)が約1.9mmとなるように構成されている。
ミニヘッド先鋭部307は、ミニヘッド釘300の固定端側の部位であって、普通釘200の普通先鋭部207と同様の構成であり、ミニヘッド第2平行部306から連続して形成され、その長さ(即ち、ミニヘッド第2平行部306との接続部から該ミニヘッド先鋭部307における先端部までの距離)が約3.1mmとなるように構成されている。また、ミニヘッド先鋭部307は、ミニヘッド第2平行部306との接続部の直径約1.85mmからミニヘッド釘300の先端側(即ち、非ミニヘッド頭部301側)にテーパ状に漸次細径化する逆円錐形状に形成され、その先端は尖鋭形状に形成されている。よって、釘穴13a(図5参照)にミニヘッド釘300を打設(植設)する場合に、このミニヘッド先鋭部307をスムースに釘穴13aに挿入することができ、釘穴13aにミニヘッド釘300を打設し易くすることができる。
このように、ミニヘッド釘300のミニヘッド小径部303、ミニヘッド第1平行部304、ミニヘッドネジ部305、ミニヘッド第2平行部306及びミニヘッド先鋭部307を、普通釘200の普通小径部203、普通第1平行部204、普通ネジ部205、普通第2平行部206及び普通先鋭部207と同等の構成とすることで、遊技盤13の釘穴13a(図5参照)を同一形状に形成することが可能となる。よって、複数種類の遊技釘200,300を用いる場合であっても、遊技盤13における釘穴13a生成時における工程を簡略化することができ、遊技盤13の製造コストを削減することができる。
次に、図5から図8を参照して、遊技盤13に植設された普通釘200及びミニヘッド釘300に対する球の衝突態様について説明する。図5は、図3(b)のV−V線における遊技盤13(釘穴13a)、ミニヘッド釘300及びガラスユニット16、並びに、ミニヘッド釘300及びガラスユニット16に衝突した状態の球の模式的断面図である。また、図6は、球の側面図である。さらに、図7は、ガラスユニット16及び普通釘200の普通頭部201、又は、普通頭部201及び普通軸部202と衝突するそれぞれの球を示した模式的側面図である。また、図8は、ガラスユニット16及びミニヘッド釘300のミニヘッド軸部302と衝突する球を示した模式的側面図である。
まず、図5で示すように、遊技盤13には、その孔径が約1.85mmの貫通孔である釘穴13aが設けられている。この釘穴13aは、上述したように、普通釘200及びミニヘッド釘300のいずれであっても同一の形状に形成され、釘穴13aの貫通孔が遊技盤13の盤面垂直方向から下方に5度(図5においてθ1)傾けて盤面表側から盤面裏側まで穿設形成されている。よって、該釘穴13aに対して普通釘200及びミニヘッド釘300が植設された場合、遊技盤13盤面から垂直方向(即ち、パチンコ機10の正面方向)から上方に5度(図5においてθ1)傾けて植設されることとなる。このように構成することで、普通釘200の普通軸部202及びミニヘッド釘300のミニヘッド軸部302と衝突した球は、遊技盤13の盤面側に跳ね返り易くなる一方、ガラスユニット16側に跳ね返り難くすることができる。その結果、遊技領域を流下する球がガラスユニット16と衝突した場合、衝突音が発生してしまうことを抑制できるとともに、球の衝突によってガラスユニット16が破損してしまうことを抑制できる。
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13及びガラスユニット16が共に内枠12(図1参照)に取り付けられた場合、該遊技盤13の盤面表面から距離D7(第1実施形態では、約19.9mm)パチンコ機10正面側に離間した位置にガラスユニット16の後側面が配置されるように構成されている。
また、球Tは、その直径が約11mmで形成されているので、その半径は約5.5mmとなる。即ち、球Tがガラスユニット16と衝突した場合における衝突点と球Tの中心点までの距離D8は、球Tの半径=約5.5mmとなる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、ガラスユニット16が取り付けられた前面枠14(図1参照)が内枠12に対して閉められた場合、ガラスユニット16の後面とミニヘッド釘300及び普通釘200等とが接触しないように、ミニヘッド釘300及び普通釘200の先端側(図5の左側)からガラスユニット16までの距離D9が約1.4mmとなるようにクリアランスが設けられ、該クリアランスを有するようにミニヘッド釘300及び普通釘200が遊技盤13の釘穴13aに対して植設される。なお、以降の説明において、説明及び計算の便宜上、ミニヘッド釘300及び普通釘200の植設角度θ1(即ち、5度)を考慮せずに説明する。即ち、普通釘200及びミニヘッド釘300が遊技盤13に対して垂直に植設されたものと仮定して説明する。
ここで、図6で示すように、球Tは、上述したように、直径11mmで形成されているため、その半径(距離)D8は約5.5mmとなる。即ち、球Tがガラスユニット16の後面と衝突した場合に、球Tとガラスユニット16の後面との接点T1から、球Tの中心T0(球Tの中心T0からの垂線が球Tの外周と交わる点T2も同様)までの距離はD8と同等(即ち、約5.5mm)となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、普通釘200及びミニヘッド釘300の先端は、ガラスユニット16から約1.4mm離れた位置(即ち、距離D9)となる。
普通釘200の普通頭部201(図4(a)参照)の高さ幅D1は、約1.0mmで形成されているため、遊技盤13に普通釘200を植設した場合、ガラスユニット16(図5参照)から普通頭部201の普通傘裏部201b及び普通傘先端部201a2(ともに図4(a)参照)が存在する位置までの距離は、D9+D1=約2.4mmとなる。そして、ガラスユニット16からD9+D1の位置において、点T2の接線上から、該点T2の接線からの垂線が球Tと交わる点T3までの垂直距離D10は、三平方の定理より、式{5.5×5.5=3.1×3.1+(5.5−D10)×(5.5−D10)}、から求めることができ、D10=約0.957mmとなる。
ここで、図7で示すように、普通釘200において、普通軸部202の外周からの普通頭部201の突出量は、距離D2=約1.225mmであるので、上述した垂直距離D10=約0.957mmより長い。即ち、普通頭部201の普通傘先端部201a2が上記垂直距離D10より突出しているため、球Taがガラスユニット16と衝突している場合は、普通頭部201の普通傘先端部201a2と衝突して普通軸部202とは衝突せず、また、球Taが普通軸部202と衝突している場合は、普通頭部201の普通傘先端部201a2と衝突してガラスユニット16とは衝突せず、ガラスユニット16と普通軸部202とに球が同時に接触することがない。
具体的には、ガラスユニット16と点Ta1で衝突する球Taは、点Ta1でガラスユニット16と接触している状態では普通軸部202と接触せず、普通頭部201の普通傘先端部201a2と点Ta2で接触する。また、普通軸部202と点Tb1で衝突する球Tbは、点Tb1で普通軸部202と接触している状態ではガラスユニット16と接触せず、普通頭部201の普通傘先端部201a2と点Tb2で接触する。
このため、遊技領域を流下する球は、普通釘200が植設されている場所(エリア)では、普通釘200の普通軸部202以外に普通頭部201の普通傘先端部201a2とも接触してしまう。普通軸部202と衝突する球は、普通釘200の植設角度に応じて遊技盤13の盤面側に跳ね返ることが予測可能であるが、普通傘先端部201a2と衝突する球は、普通傘先端部201a2に面取り加工(例えば、R形状であって、R0.2mm)が施されている影響で、普通傘先端部201a2との衝突の仕方によっては、ガラスユニット16側に跳ね返ってしまう場合や、普通軸部202側に跳ね返ってしまう場合、或いは、遊技盤13の盤面側に直接衝突するように跳ね返ってしまう場合等、その跳ね返り方向が予測困難である。従って、普通釘200を多く植設した場合、その分、遊技領域を流下する球の方向性がバラついて予測困難となり、入賞口64a等への入賞率を所望のものに安定させられなくなる事象(以下、該事象を「スランプ」と称する場合がある)が生じるおそれがある。
スランプが発生し易い遊技盤13のゲージ構成である場合、パチンコ機10の盤面設計時における遊技性能が設定困難となってしまうおそれがある。また、スランプが発生し易い遊技盤13のゲージ構成である場合、第三者機関(例えば、保安電子通信技術協会)による所謂型式試験を行う際に、上記スランプによって入賞口64a等への入賞が過剰又は不足してしまうことで、型式試験に落ちてしまうおそれがある。さらに、スランプが発生し易い遊技盤13のゲージ構成である場合、遊技者による遊技時に入賞口64a等に球が入賞しない期間が長くなってしまい、変動演出が停止しまうことによる不満が増加してしまうおそれがある。よって、パチンコ機10において、遊技領域を流下する球の挙動を安定させることが長年の課題であり、スランプが発生し難い遊技盤13のゲージ構成に関し、改良の余地がある。
また、片持ち梁状の普通釘200において、遊技盤13盤面から最も遠い自由端の先端側である普通頭部201と球Tが衝突することにより、先端に生じる衝撃荷重と、遊技盤13盤面から普通傘先端部201a2までの距離とを乗じることよって得られる固定端モーメントが、普通釘200と釘穴13aとの植設部分(即ち、普通小径部203)において比較的大きくなり易く、釘折れの原因となっている。
図6に戻って説明を続ける。ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301(図4(b)参照)の高さ幅D3は、約0.5mmで形成されているため、遊技盤13にミニヘッド釘300が植設された場合、ガラスユニット16(図5参照)からミニヘッド頭部301のミニヘッド傘裏部301b及びミニヘッド傘先端部301a2(ともに図4(b)参照)が存在する位置までの距離は、D9+D3=約1.9mmとなる。そして、ガラスユニット16からD9+D3の位置において、点T2の接線上から、該点T2の接線からの垂線が球Tと交わる点T4までの垂直距離D11は、三平方の定理より、式{5.5×5.5=3.6×3.6+(5.5−D11)×(5.5−D11)}、から求めることができ、D11=約1.342mmとなる。
ここで、図8で示すように、ミニヘッド釘300において、ミニヘッド軸部302の外周からのミニヘッド頭部301の突出量は、距離D4=約0.463mmであるので、上述した垂直距離D11=約1.342mmより短い。即ち、ミニヘッド頭部301のミニヘッド傘先端部301a2が上記垂直距離D11より突出していないため、球Tcがガラスユニット16と衝突している場合に、ミニヘッド軸部302と衝突してミニヘッド頭部301のミニヘッド傘先端部301a2と衝突せず、ガラスユニット16とミニヘッド軸部302とに球が同時に接触し得る。
具体的には、ガラスユニット16と点Tc1で衝突する球Tcは、点Tc1でガラスユニット16と接触している状態でミニヘッド軸部302の点Tc2で接触し得て、ミニヘッド頭部301のミニヘッド傘先端部301a2とは接触し得ない。
このため、遊技領域を流下する球は、ミニヘッド釘300が植設されている場所では、遊技盤13の盤面側ではなくガラスユニット16側に跳ね返った場合であっても、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301と接触せず、ミニヘッド釘300に関してはミニヘッド軸部302とのみ衝突する。このように構成することで、ミニヘッド釘300と衝突する球は、ミニヘッド釘300のミニヘッド軸部302の傾斜角度に応じて跳ね返るため、遊技盤13の盤面側に跳ね返り易くすることができ、その跳ね返り方向を予測し易くすることができる。よって、ミニヘッド釘300の植設エリア(即ち、第4誘導釘エリアYK4)では、スランプを発生し難くして球の流下方向を安定させることが可能となり、その遊技領域下流側に設けられた入賞口64a等への入賞率を所望のものに安定させ易くすることができる。その結果、スランプが発生し難い遊技盤13のゲージ構成を実現することができ、パチンコ機10の盤面設計時における遊技性能が設定し易くなる。また、第三者機関による型式試験においても入賞口64a等への入賞を安定させ、型式試験に落ち難くすることが可能となる。さらに、遊技領域を流下する球の挙動を安定させて、入賞口64a等へ球が長期間入賞しないといった事態を抑制でき、変動演出が停止してしまうことによる遊技者の不満が生じる事態を未然に防止することができる。
また、昨今のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の大型化や、多数の可動役物の設置によって、遊技盤13の盤面におけるスペースが縮小している。このため、遊技釘の植設領域及び植設数も少なくなり、遊技領域を流下する球を適宜分散させたい場合であっても遊技釘が少ない影響によって球を所望の通り分散できない場合がある。そこで、ミニヘッド釘300を用いることによって、少ない植設スペースであっても普通釘200を植設する場合より多くの遊技釘を植設することが可能となり、遊技領域を流下する球を分散させることができる。
また、片持ち梁状のミニヘッド釘300において、遊技盤13盤面から最も遠い自由端の先端側であるミニヘッド頭部301と球Tとが衝突せず、ミニヘッド頭部301より遊技盤13盤面に近いミニヘッド軸部302と球Tと衝突することにより、ミニヘッド釘300と釘穴13aとの植設部分(即ち、ミニヘッド小径部303)に生じる固定端モーメントを、普通釘200において球Tが普通頭部201に衝突した場合における固定端モーメントより小さくすることができる。よって、ミニヘッド釘300を普通釘200より折れ難く構成することで、遊技盤13のメンテナンス工数を削減することができる。
ここで、図9を参照して、第4誘導釘エリアYK4のように連続して釘を植設した場合における普通釘200とミニヘッド釘300との差について説明する。図9(a)は、遊技盤13に普通釘200を連続的に植設した場合を模式的に示した拡大正面図であり、図9(b)は、遊技盤13にミニヘッド釘300を連続的に植設した場合を模式的に示した拡大正面図である。
図9(a)で示すように、普通釘200は、普通頭部201の直径φ1が約4.3mmで形成されているとともに、普通軸部202の直径φ2が約1.85mmで形成されている。そして、その普通釘200を、該普通釘200の普通頭部201の間隔D12が約1.0mmとなるように横方向に5本植設する場合、左端の普通釘200の普通頭部201左端から、右端の普通釘200の普通頭部201右端までの距離は、約4.3mm×5+約1.0mm×4=約25.5mmとなる。
一方、図9(b)で示すように、ミニヘッド釘300は、ミニヘッド頭部301の直径φ3が約2.775mmで形成されているとともに、ミニヘッド軸部302の直径φ4が、普通軸部202と同様、約1.85mmで形成されている。よって、普通釘200を5本植設する場合の距離約25.5mmの範囲内にミニヘッド釘300が間隔D12(即ち、1.0mm間隔)となるように植設する際、ミニヘッド釘300を7本植設した場合でも、左端のミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301左端から、右端のミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301右端までの距離は、約2.775mm×7+約1.0mm×6=約25.425mmとなる。よって、普通釘200を5本連続して植設するスペースにおいて、ミニヘッド釘300を7本植設することが可能となる。
従って、遊技領域において、流下する球の流下方向を安定させたい部位、例えば、第4誘導エリアYK4では、ミニヘッド釘300を植設し、普通釘200を連続的に植設した場合より多くのミニヘッド釘300を連続的に植設することで、普通釘200を植設した場合より球の跳ね返り態様を安定させる。一方、流下する球の流下方向を散らせたい(バラけさせたい)部位、例えば、第1〜第3誘導釘エリアYK1〜YK3、第5・第6誘導釘エリアYK5,YK6には、普通釘200を植設して、球の跳ね返りを不規則にさせて、ミニヘッド釘300を植設した場合より球をランダムに分散させ易くする。このように、遊技領域の部位に応じて普通釘200及びミニヘッド釘300を植設することで、メリハリの利いたゲージ構成にすることが可能となる。
また、ミニヘッド釘300を連続的に植設する場合、普通釘200を連続的に植設する場合のスペースにより多くのミニヘッド釘300を植設することが可能となり、遊技領域を流下する球の流下態様をより安定させ易くすることができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第4誘導釘エリアYK4において、普通釘200より頭部の形状が小さいミニヘッド釘300を植設し、ミニヘッド釘300が植設されている場所では、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301と接触せず、ミニヘッド釘300に関してはミニヘッド軸部302とのみ衝突するように構成する。このように構成することで、ミニヘッド釘300と衝突する球は、遊技盤13の盤面側に跳ね返り易くすることができ、その跳ね返り方向を予測し易くすることができる。よって、ミニヘッド釘300の植設エリア(即ち、第4誘導釘エリアYK4)では、スランプを発生し難くして球の流下方向を安定させることが可能となり、入賞口64a等への入賞率を所望のものに安定させ易くすることができる。その結果、スランプが発生し難い遊技盤13のゲージ構成を実現することができ、パチンコ機10の盤面設計時における遊技性能が設定し易くなる。また、第三者機関による型式試験においても入賞口64a等への入賞を安定させ、型式試験に落ち難くすることが可能となる。さらに、遊技領域を流下する球の挙動を安定させて、入賞口64a等へ球が長期間入賞しないといった事態を抑制でき、変動演出が停止してしまうことによる遊技者の不満が生じる事態を未然に防止することができる。
また、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301の直径を普通釘200の普通頭部201の直径より小さく構成することで、遊技盤13の正面視において、普通釘200を植設した場合よりミニヘッド釘300を植設した場合の方が、遊技盤13の盤面上を視認可能な領域が増加する。よって、ミニヘッド釘300を植設した領域において、遊技盤13の盤面を視認し易くなり、遊技盤13の盤面にデザインを施した場合には該デザインを遊技者に視認し易くして装飾性を良好にすることができる。また、ミニヘッド釘300の植設領域であって透明樹脂製の遊技盤13の背面に役物や表示装置を配置した場合には、該役物又は表示装置を視認し易くすることができ、役物の可動態様や表示装置における表示内容を遊技者に的確に伝達することができ、迫力ある演出を見易くすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、遊技領域において、流下する球の流下方向を安定させたい部位、例えば、第4誘導エリアYK4では、ミニヘッド釘300を植設し、普通釘200を連続的に植設した場合より多くのミニヘッド釘300を連続的に植設することで、普通釘200を植設した場合より球の跳ね返り態様を安定させる。一方、流下する球の流下方向を散らせたい(バラけさせたい)部位、例えば、第1〜第3誘導釘エリアYK1〜YK3、第5・第6誘導釘エリアYK5,YK6には、普通釘200を植設して、球の跳ね返りを不規則にさせて、ミニヘッド釘300を植設した場合より球をランダムに分散させ易くする。このように、遊技領域の部位に応じて普通釘200及びミニヘッド釘300を植設することで、メリハリの利いたゲージ構成にすることが可能となる。
また、ミニヘッド釘300を連続的に植設する場合、普通釘200を連続的に植設する場合のスペースにより多くのミニヘッド釘300を植設することが可能となる。換言すれば、所定領域において、同一本数の遊技釘を植設する場合、ミニヘッド釘300を採用することで、省スペースで複数の遊技釘を植設することが可能となる。よって、該スペースにより多くのミニヘッド釘300を植設することで、球の流下態様をより安定させ易くすることができるとともに、遊技釘の植設領域を省スペース化して、遊技盤面の設計自由度を向上することができる。
さらに、ミニヘッド釘300のミニヘッド小径部303、ミニヘッド第1平行部304、ミニヘッドネジ部305、ミニヘッド第2平行部306及びミニヘッド先鋭部307を、普通釘200の普通小径部203、普通第1平行部204、普通ネジ部205、普通第2平行部206及び普通先鋭部207と同等の構成とすることで、遊技盤13の釘穴13a(図5参照)を同一形状に形成することが可能となる。よって、複数種類の釘200,300を用いる場合であっても、遊技盤13における釘穴13a生成時における工程を簡略化することができる。
また、ミニヘッド釘300を用いることによって、遊技盤13盤面上の少ない植設スペースであっても多くの遊技釘を植設することが可能となり、遊技領域を流下する球を分散させることができる。
<第2実施形態>
次に、図10を参照して、本発明を適用した第2実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、所謂道釘である第4誘導釘エリアYK4に植設される遊技釘をすべてミニヘッド釘300で構成していた。これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、第4誘導釘エリアYK4に植設される道釘の1つのユニットの両端部を普通釘200で構成し、残りの道釘をミニヘッド釘300で構成する。
以下、第2実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第2実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10(a)は、第2実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図10(b)は、図10(a)の第4誘導釘エリアの拡大正面図である。第2実施形態のパチンコ機10では、第4誘導釘エリアYK4において、約1.0mm間隔で連続して複数の遊技釘を植設して遊技釘ユニットを形成し、さらに、その遊技釘ユニットを複数設けて、遊技領域正面視左側を流下する球を遊技領域正面視中央に案内し得るように構成されている。なお、各遊技釘ユニットの間隔は、少なくとも球が1つ通過し得る間隔(即ち、約11.0mm以上)に配設される。
ここで、悪意ある遊技者の不正行為等によって遊技釘が曲げられてしまった場合、ホール関係者等によって曲げられた遊技釘の頭部をハンマー等で叩いて正常な植設角度まで戻す必要がある。しかしながら、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301は、普通釘200の普通頭部201より小径に形成されてため、曲げられたミニヘッド釘300を正常な植設角度に戻す場合、普通釘200よりその調整が難しく、所望の植設角度にすることが困難であった。特に、第4誘導釘エリアYK4に植設された道釘は、遊技領域正面視右側を流下する球を入賞口64a等が配設された遊技領域正面視中央側へと案内するため、該第4誘導釘エリアYK4に植設された道釘の両端部が不正に曲げられた場合、遊技結果に及ぼす影響が大きくなってしまう。
そこで、第2実施形態のパチンコ機10では、第4誘導釘エリアYK4の各遊技釘ユニットの両端部に、普通釘200をそれぞれ植設し、第4誘導釘エリアYK4のそれ以外の部位にはミニヘッド釘300をそれぞれ植設する。普通釘200は、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301よりその頭部(即ち、普通頭部201)が大径に形成されているため、不正に曲げられた場合であっても、その調整がミニヘッド釘300より容易となる。よって、第4誘導釘エリアYK4における遊技釘ユニットの両端部以外をミニヘッド釘300で構成して、流下する球の跳ね返り方向を安定させてスランプを発生し難いゲージ構成にしつつ、第4誘導釘エリアYK4における遊技釘ユニットの両端部を普通釘200で構成して、不正行為が行われた場合でも修正し易くすることができる。
そのほか、第1実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次に、図11を参照して、本発明を適用した第3実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、所謂道釘である第4誘導釘エリアYK4に植設される遊技釘をすべてミニヘッド釘300で構成していた。これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、第4誘導釘エリアYK4に植設される道釘において、普通釘200とミニヘッド釘300とを交互に植設する。
以下、第3実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第3実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態又は第2実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11(a)は、第3実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図11(b)は、図11(a)の第4誘導釘エリアの拡大正面図である。第3実施形態のパチンコ機10では、第4誘導釘エリアYK4において、複数の遊技釘ユニットを設け、各遊技釘ユニットの両端部を普通釘200で構成するとともに、残りの部分を、ミニヘッド釘300と普通釘200とが交互になるように構成する。このように構成することで、道釘を普通釘200のみで構成した場合より、多くの遊技釘を第4誘導釘エリアYK4に植設することが可能となり、遊技盤13盤面上の少ない植設スペースであっても多くの遊技釘を植設することが可能となり、遊技領域を流下する球を分散させることができる。
そのほか、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
次に、図12を参照して、本発明を適用した第4実施形態のパチンコ機10について説明する。第3実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の正面視左右方向に連続的に植設された所謂道釘である第4誘導釘エリアYK4の各遊技釘ユニットの両端部を普通釘200で構成し、該両端部以外の部分をミニヘッド釘300で構成していた。これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の正面視上下方向に連続的に植設された第3誘導釘エリアYK3の最上部を普通釘200で構成し、該最上部以外の部分をミニヘッド釘300で構成する。
以下、第4実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第4実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態乃至第3実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図12(a)は、第4実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図12(b)は、図12(a)の第4誘導釘エリアの拡大正面図である。第4実施形態のパチンコ機10では、第3誘導釘エリアYK3において、約1.0mm間隔で連続して複数の遊技釘を逆ハの字状に植設し、最上部にそれぞれ植設される遊技釘を普通釘200で構成し、該最上部以外の部位の遊技釘をミニヘッド釘300で植設する。
この第3誘導釘エリアYK3は、遊技領域上部から流下する球を下方(例えば、風車71上部)に誘導するために植設されているが、第3誘導釘エリアYK3の最上部の遊技釘には、鉛直上方から勢い良く落下してきた球が衝突し、また、第3図柄表示装置81の正面視左側上部に衝突したほとんどの球が落下してくるため、その積算された球の衝撃によって遊技釘の植設角度が変形してしまうおそれがある。
そこで、第4実施形態のパチンコ機10では、第3誘導釘エリアYK3の最上部に普通釘200をそれぞれ植設し、第3誘導釘エリアYK3の最上部以外の部位にはミニヘッド釘300をそれぞれ植設する。上述したように、普通釘200は、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301よりその頭部(即ち、普通頭部201)が大径に形成されているため、不正に曲げられた場合であっても、その調整がミニヘッド釘300より容易となる。よって、第3誘導釘エリアYK3において最も球の衝撃を受け易く変形し易い最上部を、調整容易な普通釘200で構成し、最上部以外の部位をミニヘッド釘300で構成して、流下する球の跳ね返り方向を安定させてスランプを発生し難いゲージ構成にしつつ、球の衝撃によって変形した場合であっても修正し易くすることができる。
そのほか、第1実施形態乃至第3実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
<第5実施形態>
次に、図13から図15を参照して、本発明を適用した第5実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、普通釘200として、普通頭部201と普通軸部202との軸心(円中心)が一致するように構成し、普通軸部202の全周(外周)方向に普通頭部201の普通傘先端部201a2が突出するように構成していた。また、ミニヘッド釘300として、ミニヘッド頭部301とミニヘッド軸部302との軸心(円中心)が一致するように構成し、ミニヘッド軸部302の全周(外周)方向にミニヘッド頭部301のミニヘッド傘先端部301a2が突出するように構成していた。これに対し、第5実施形態のパチンコ機10では、胴体部分(即ち、偏心軸部402)のいずれか一方にしかその頭部(即ち、偏心頭部401)が突出しない偏心釘400を用い、該偏心釘400を一般入賞口63の近傍である第6誘導釘エリアYK6に植設するように構成する。
以下、第5実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態乃至第4実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第5実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態乃至第4実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図13を参照して、第5実施形態の偏心釘400の構成について説明する。図13(a)は、普通釘200の正面図および側面図であり、図13(b)は、第5実施形態の偏心釘400の正面図および側面図である。なお、図13(a)に示す普通釘200は、第1実施形態等と同一の構成であるため、その説明を省略する。
図13(b)で示すように、偏心釘400は、普通釘200及びミニヘッド釘300と同様、その全長が約33mmで形成される。また、偏心釘400は、普通釘200及びミニヘッド釘300と同様、金属の硬さを示すビッカース硬度が、150Hv〜230Hvの硬度を有する真鍮材又は同等の硬度を有する金属からなり、容易に錆びず、かつ、球の衝撃によって容易に折れない(破損しない)ように構成されている。
この偏心釘400は、主に、偏心頭部401、偏心軸部402、偏心小径部403、偏心第1平行部404、偏心ネジ部405、偏心第2平行部406及び偏心先鋭部407から構成され、上記各部401〜407が連続的に形成されるとともに、各部位401〜407毎に直径が異なるように構成されている。
偏心頭部401は、偏心釘400の自由端側の部位であって、ミニヘッド頭部301(図4(b)参照)と同様、その直径φ5が約2.775mmであり、後述する偏心軸部402の直径φ6の1.5倍の直径となるように構成されている。また、偏心等部401には、球面状に形成された偏心傘表部401aと、その偏心傘表部401aの遊技盤13側に位置し得る偏心傘裏部401bとで構成されている。偏心傘表部401aには、その球面形状の中心である偏心傘頂部401a1と、その偏心傘表部401aの外周部分であって偏心傘裏部401bと連続する部位である偏心傘先端部401a2とが形成されている。なお、偏心傘先端部401a2は、所定の面取り加工(例えば、R形状であって、R0.05mm)が施されている。
偏心頭部401の円中心である偏心傘頂部401a1は、後述する偏心軸部402の円中心から上方側(図13(b)上方側)に偏心した位置となるように偏心軸部402に対して形成されている。即ち、偏心頭部401の偏心傘先端部401a2は、該偏心釘400が遊技盤13に植設された場合、遊技盤13正面視上方側に位置(突出)し、遊技盤正面視下方側には偏心頭部401が突出しないように構成されている。よって、偏心釘400を遊技盤13に植設した場合、偏心軸部402の遊技盤13正面視下方側に突出する部分をなくすことができる。
この偏心頭部401は、その偏心頭部401の高さ幅D13が、普通頭部201の半分の約0.5mmとなるように構成されている。即ち、偏心頭部401の高さ幅D13と、普通頭部201の高さ幅D1との差D16は、約0.5mmとなるように構成されている。
また、後述する偏心軸部402の直径φ6が約1.85mmで構成されることから、偏心軸部402の外周上方部分(即ち、遊技盤13正面視上方側)から偏心頭部401の偏心傘先端部401a2までの距離D14は、約0.926mmとなるように構成されている。また、偏心軸部402に対する偏心頭部401の左右方向の突出量D15は、約0.463mmとなるように構成されている。換言すると、偏心頭部401は、偏心軸部402から距離D14(即ち、約0.926mm)分、遊技盤13正面視上方側の外周方向に突出しているとともに、偏心軸部402から距離D15(即ち、0.463mm)分、遊技盤13正面視左右方向の外周方向に突出していることとなる。即ち、普通軸部202からの普通頭部201の突出量D2と、偏心軸部402からの偏心頭部401の上方側への突出量D14との差は、約0.299mmとなるとともに、普通軸部202からの普通頭部201の突出量D2と、偏心軸部402からの偏心頭部401の左右側への突出量D15との差D17は、約0.762mmとなる。よって、偏心釘400は、普通釘200より、その軸部402からの突出量が少なく(偏心釘400における突出量=0.463mm〜0.926mm<普通釘200における突出量=1.225mm)なるように構成されている。
このように、偏心釘400の偏心頭部401の直径を普通釘200の普通頭部201の直径より小さく構成することで、遊技盤13の正面視において、普通釘200を植設した場合より偏心釘400を植設した場合の方が、遊技盤13の盤面上を視認可能な領域が増加する。よって、偏心釘400を植設した領域において、遊技盤13の盤面を視認し易くなり、遊技盤13の盤面にデザインを施した場合には該デザインを遊技者に視認し易くして装飾性を良好にすることができる。また、偏心釘400の植設領域であって透明樹脂製の遊技盤13の背面に役物や表示装置を配置した場合には、該役物又は表示装置を視認し易くすることができ、役物の可動態様や表示装置における表示内容を遊技者に的確に伝達することができ、遊技盤13全体による迫力ある演出を見易くすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
偏心軸部402は、普通釘200の普通軸部202と同様、その直径φ6が約1.85mmで形成される一方、その長さ(即ち、偏心頭部401との接続部から偏心小径部403との接続部までの距離)が、普通軸部202より約0.5mm長い約18.0mmとなるように構成されている。
この偏心軸部402には、偏心頭部401と連続する部位に偏心テーパ部402aが形成されている。この偏心テーパ部402aは、普通テーパ部202aと同様、偏心傘裏部401bから偏心軸部402まで所定の先細り形状(所謂、テーパ形状。例えば、偏心傘裏部401b側の直径2.05mm、偏心軸部402側の直径1.85mm、テーパ長さ0.3mm、テーパ角約33.7度で直径が徐々に細くなる。)に形成されている。
この偏心軸部402は、遊技盤13に形成された釘穴13a(図5参照)に偏心釘400が植設された場合に、遊技盤13の盤表側から突出(露出)する部位であり、遊技領域を流下する球と衝突し得るように構成される。
ここで、偏心釘400の偏心頭部401(図13(b)参照)の高さ幅D13は、約0.5mmで形成されているため、遊技盤13に偏心釘400が植設された場合、ガラスユニット16(図5参照)から偏心頭部401の偏心傘裏部401b及び偏心傘先端部401a2(ともに図13(b)参照)が存在する位置までの距離は、ミニヘッド釘300と同様、D9+D13=約1.9mm(図5参照)となる。そして、ガラスユニット16からD9+D13の位置において、点T2の接線上から、該点T2の接線からの垂線が球Tと交わる点T4までの垂直距離D11は、三平方の定理より、式{5.5×5.5=3.6×3.6+(5.5−D11)×(5.5−D11)}、から求めることができ、D11=約1.342mmとなる。
よって、偏心釘400において、偏心軸部402の外周からの偏心頭部401の上方側への突出量は、距離D14=約0.926mmであるので、上述した垂直距離D11=約1.342mmより短い。即ち、偏心頭部401の偏心傘先端部401a2が上記垂直距離D11より突出していないため、球Tcがガラスユニット16と衝突している場合に、偏心軸部402と衝突して偏心頭部401の偏心傘先端部401a2と衝突せず、ガラスユニット16と偏心軸部402とに球が同時に接触し得る。
具体的には、ガラスユニット16と点Tc1で衝突する球Tcは、点Tc1でガラスユニット16と接触している状態で偏心軸部402の点Tc2で接触し得て、偏心頭部401の偏心傘先端部401a2とは接触し得ない(図5参照)。
このため、遊技領域を流下する球は、偏心釘400が植設されている場所では、遊技盤13の盤面側ではなくガラスユニット16側に跳ね返った場合であっても、偏心釘400の偏心頭部401と接触せず、偏心釘400に関しては偏心軸部402とのみ衝突する。このように構成することで、偏心釘400と衝突する球は、ミニヘッド釘300と同様、遊技盤13の盤面側に跳ね返り易くすることができ、その跳ね返り方向を予測し易くすることができる。よって、偏心釘400の植設エリア(即ち、第6誘導釘エリアYK6(図14参照))では、スランプを発生し難くして球の流下方向を安定させることが可能となり、一般入賞口63への入賞率を所望のものに安定させ易くすることができる。その結果、スランプが発生し難い遊技盤13のゲージ構成を実現することができ、パチンコ機10の盤面設計時における遊技性能が設定し易くなる。また、第三者機関による型式試験においても一般入賞口63への入賞を安定させ、型式試験に落ち難くすることが可能となる。さらに、遊技領域を流下する球の挙動を安定させて、一般入賞口63へ球が長期間入賞しないといった事態を抑制でき、遊技者の不満が生じる事態を未然に防止することができる。
また、偏心釘400を用いることによって、少ない植設スペースであっても普通釘200を植設する場合より多くの遊技釘を植設することが可能となり、遊技領域を流下する球を分散させることができる。
さらに、ホール関係者によってこの偏心頭部401をハンマー等で叩くことで、変形された偏心釘400の立設状態を修正可能に構成されている。
なお、偏心釘400の固定端側の部位である、偏心釘400の偏心小径部403、偏心第1平行部404、偏心ネジ部405、偏心第2平行部406及び偏心先鋭部407は、普通釘200及びミニヘッド釘300の各小径部203,303、各第1平行部204,304、各ネジ部205,305、各第2平行部206,306及び各先鋭部207,307と同等の構成されている。このように構成することで、遊技盤13の釘穴13a(図5参照)を同一形状に形成することが可能となる。よって、複数種類の釘200,300,400を用いる場合であっても、遊技盤13における釘穴13a生成時における工程を簡略化することができ、遊技盤13の製造コストを削減することができる。
次に、図14及び図15を参照して、偏心釘400を遊技盤13に植設した場合について説明する。図14は、第5実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。また、図15は、図14のXV−XV線における模式的側面断面図である。
図14で示すように、一般入賞口63への入賞を左右する第6誘導釘エリアYK6には、一般入賞口63の正面視直上に、球が通過可能な間隔で2本の偏心釘400がそれぞれ植設されている。そして、図15で示すように、偏心釘400を遊技盤13の釘穴13aに対して植設した場合に、偏心頭部401の遊技盤13上方側への突出量D14は、0.926mmである。よって、球Tがガラスユニット16及び偏心軸部402と同時に接触した場合、偏心傘先端部401a2の位置が距離D11(1.342mm。図5参照。)の範囲内に収まっているため、偏心頭部401は、球Tと接触し得ない。
また、図15で示すように、偏心釘400を遊技盤13の釘穴13aに対して植設した場合に、偏心頭部401が偏心軸部402から遊技盤13下方側へは突出していない状態となっている。即ち、一般入賞口63の一般フランジ部63aの遊技盤13盤面垂直方向(パチンコ機10正面方向。図15において図面左側。)に偏心釘400の偏心軸部402から突出した部位が存在していない。また、ルータ孔に挿入される一般入賞口63の胴部(図15において一般フランジ部63aより図面右側の部分)が、偏心釘400の偏心軸部402の長さより長く形成される。
よって、パチンコ機10の製造時やメンテナンス作業等で一般入賞口63を遊技盤13に対して取着する場合、ルータ孔に沿って一般入賞口63が案内される間、一般入賞口63の一般フランジ部63aの盤面垂直方向に偏心頭部401が突出していない(存在していない)。従って、一般入賞口63を遊技盤13に対して取着する場合に、一般入賞口63(一般フランジ部63a)が偏心頭部401と衝突し難く構成することで、一般入賞口63(一般フランジ部63a)又は偏心釘400自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、一般入賞口63の取着作業を効率化することができる。
そのほか、第1実施形態乃至第4実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
<第6実施形態>
次に、図16及び図17を参照して、本発明を適用した第6実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、所謂道釘である第4誘導釘エリアYK4に植設される遊技釘をすべてミニヘッド釘300で構成していた。これに対し、第6実施形態のパチンコ機10では、第5誘導釘エリアYK5に植設される所謂命釘もそれぞれミニヘッド釘300で構成する。そして、入賞口ユニット64の入賞フランジ部64dの遊技盤13盤面垂直方向、及び、可変表示装置ユニット80の表示フランジ部80aの遊技盤13盤面垂直方向に、ミニヘッド釘300のミニヘッド軸部302から突出したミニヘッド頭部301のミニヘッド傘先端部301a2が位置しない(突出しない)ように構成する。
以下、第6実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態乃至第5実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第5実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態乃至第5実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図16は、第6実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。また、図17は、図16のXVII−XVII線における模式的側面断面図である。
図16で示すように、入賞口ユニット64の第1始動口64aへの入賞を左右する第5誘導釘エリアYK5には、該第1始動口64aの正面視直上に、球が通過可能な間隔で2本のミニヘッド釘300がそれぞれ所定角度(即ち、θ1)で植設されている。そして、図17で示すように、ミニヘッド釘300を遊技盤13の釘穴13aに対して植設した場合に、ミニヘッド頭部301がミニヘッド軸部302から突出量は上下方向ともに距離D4(即ち、0.463mm)となる。
従来、遊技盤13に取り付けられる入賞口ユニット64や可変表示装置ユニット80には、装飾性向上のためにメッキ処理等が施されていたり、多数の電子部品が搭載されており、比較的高価な部品に位置づけられる。よって、パチンコ機10の遊技盤13の製造時において、遊技釘の打設前に入賞口ユニット64や可変表示装置ユニット80(以下、「取付部品」と称する)を取り付けた後、遊技釘を打設した場合、何らかの異常(例えば、遊技盤13搬送時の位置ズレ等)によって取付部品に遊技釘を打ち込んでしまうと、該取付部品全体を交換せざるを得ず、製造ミスによる損失が大きい。そこで、昨今のパチンコ機10の製造工程では、遊技盤13に対して取付部品等を取り付ける前に遊技釘を打設し、遊技釘を打設後、取付部品等、高価な部品を取り付けるように製造されている。
また、昨今、可変表示装置ユニット80の大型化、及び、入賞口ユニット64の複雑化等によって、各取付部品の設置領域の大きさが求められている。そのため、可変表示装置ユニット80と入賞口ユニット64との間に形成される遊技盤13盤面の幅(即ち、可変表示装置ユニット80を取り付けるルータ孔と、入賞口ユニット64を取り付けるルータ孔との間に形成される部位)が小さく(細く)なり、その部分に植設される上記命釘の植設領域(即ち、第5誘導釘エリアYK5)が狭くなっている。ここで、上記命釘を植設するための釘穴13aは、ルータ孔の近くに形成してしまうと、遊技盤13の盤面割れやヒビが形成され易くなってしまうため、少なくともルータ孔から5mm程度離間した位置に形成する必要がある。従って、上記命釘の植設領域(即ち、第5誘導釘エリアYK5)は、各部品のフランジ部やルータ孔に対する釘穴13aの制約によって、設計自由度が低下している。
ここで、遊技盤13に遊技釘を打設後、遊技盤13に形成された各ルータ孔に対して取付部品を取り付ける場合、ルータ孔の孔縁の遊技盤13の盤面垂直方向(パチンコ機10の正面方向。図17において図面左側。)に遊技釘の自由端側に形成された頭部の傘先端部が存在してしまうとき、遊技釘の頭部と取付部品とが衝突し、遊技釘又は取付部品が破損してしまうおそれがある。特に、可変表示装置ユニット80と入賞口ユニット64との間に打設される所謂命釘は、遊技結果を左右する重要な釘であるため、衝突の衝撃によって変形してしまうと、遊技性能が顕著に変化してしまうおそれがある。また、遊技釘との衝突を回避させるために慎重に取付部品をルータ孔に取り付けなければならず、遊技盤13の製造効率若しくは歩留りが低下するおそれがある。
そこで、入賞口ユニット64の入賞フランジ部64dの遊技盤13盤面垂直方向(パチンコ機10の正面方向。図17において図面左側。)にミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301(ミニヘッド傘先端部301a2)が存在しないように構成する。また、可変表示装置ユニット80の表示フランジ部80aの遊技盤13盤面垂直方向(パチンコ機10の正面方向。図17において図面左側。)にもミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301(ミニヘッド傘先端部301a2)が存在しないように構成する。
よって、パチンコ機10の製造時やメンテナンス作業等で入賞口ユニット64又は可変表示装置ユニット80を遊技盤13から取り外す場合、ルータ孔に沿って入賞口ユニット64又は可変表示装置ユニット80が案内される間、入賞口ユニット64又は可変表示装置ユニット80の各フランジ部64d,80aの盤面垂直方向にミニヘッド頭部301が位置しない(重ならない)。従って、入賞口ユニット64又は可変表示装置ユニット80(入賞フランジ部64d又は表示フランジ部80a)がミニヘッド頭部301と衝突し難く構成することで、入賞口ユニット64又は可変表示装置ユニット80(入賞フランジ部64d又は表示フランジ部80a)又はミニヘッド釘300自体が破損してしまうことを防止して歩留りを高くすることができるとともに、入賞口ユニット64又は可変表示装置ユニット80(入賞フランジ部64d又は表示フランジ部80a)の取着作業を効率化することができる。
また、換言すると、普通釘200を植設した場合より、ミニヘッド釘300を植設した部位に対して、入賞口ユニット64及び可変表示装置ユニット80を近づけることが可能となる。よって、ミニヘッド釘300を採用した場合は、普通釘200を採用した場合より命釘の植設領域を縮小することができ、盤面設計の自由度を向上することができる。特に、可変表示装置ユニット80の正面視下端部に形成されて球が転動可能なステージ(図示せず)に設けられたワープ口(図示せず)から命釘(ミニヘッド釘300)までの距離を従来より短くすることができ、例えば、ワープ口の出口からミニヘッド釘300が植設された部位までの距離を球の直径未満に構成することで、ワープ口から排出された球が命釘に到達するまでに他の球によって弾かれて第1始動口64aに入賞しないといった事態を抑制することができる。
さらに、第5誘導釘エリアYK5に命釘としてミニヘッド釘300を植設することで、ミニヘッド頭部301同士の釘間の距離を、該第5誘導釘エリアYK5に命釘として普通釘200を植設した場合の普通頭部201同士の釘間の距離より大きくすることができる。即ち、命釘にミニヘッド釘300を採用した場合、普通釘200を採用した場合より第1始動口64aに球が入賞し易いように見える。よって、遊技者は、命釘が普通釘200で植設された他の機種より、命釘がミニヘッド釘300で植設されたパチンコ機10での遊技を好み、命釘にミニヘッド釘300を採用したパチンコ機10の稼働を促進することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、普通釘200の普通頭部201の直径φ1より小さい直径φ3又はφ5のミニヘッド釘300又は偏心釘400を遊技盤13に植設していた。これに対し、普通釘200の直径φ1より大きい直径の頭部を有するデカ遊技釘を遊技盤13に植設するように構成してもよい。この場合、遊技領域を流下する球は、普通釘200の普通頭部201と同様、デカ遊技釘の頭部と衝突し得るが、球を分散させたい領域(例えば、第1誘導釘エリアYK1等)に上記デカ遊技釘を用いることで、球を適宜分散させることが可能となる。
<変形例2>
上記実施形態では、普通釘200、ミニヘッド釘300及び偏心釘400の各頭部201,301,401を正面視真円形状に形成していた。これに対し、遊技釘の頭部の正面視真円形状以外の形状、例えば、三角形形状や四角形形状、その他多角形形状、或いは、台形形状や楕円形形状、非対称形状に構成してもよい。このように、遊技釘の正面視形状のバリエーションを豊富にすることで、遊技盤13の装飾性を向上することができる。
<変形例3>
上記実施形態では、各釘200,300,400にそれぞれ各頭部201,301,401を形成していた。これに対し、頭部が存在せず軸部のみの遊技釘を用いてもよい。このように構成することで、頭部によって遊技盤13の盤面側が覆われる領域を少なくすることができ、遊技盤13の盤面の視認性を向上することができる。
<変形例4>
上記実施形態では、各釘200,300,400を遊技盤13に打設(植設)する場合に、植設角度が遊技盤13盤面垂直方向に対して一律5度となるように構成していた。これに対し、釘の種類又は遊技領域の各領域毎に釘の植設角度を変更するように構成してもよい。例えば、第1誘導釘エリアYK1に植設される普通釘200は植設角度が7度となるように構成する一方、第2誘導釘エリアYK2に植設される普通釘200は、植設角度が3度となるように構成する。また、例えば、第4誘導釘エリアYK4に植設されるミニヘッド釘300は、植設角度が10度となるように構成する一方、第5誘導釘エリアYK5に植設されるミニヘッド釘300は、植設角度が0度となるように構成する。このように構成することで、釘の種類又は遊技領域の各領域毎に球の分散傾向を調節することが可能となり、球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。
<変形例5>
上記実施形態では、各釘200,300,400の各頭部201,301,401を球面形状に形成していた。これに対し、各頭部201,301,401を板状のフラット形状に形成してもよい。このように構成することで、各頭部201,301,401の高さ幅を薄く(短く)し、各頭部201,301,401が球と接触し難く(しないように)することができ、スランプを発生し難くして球の流下方向を安定させることができる。
<変形例6>
上記実施形態では、透明樹脂性の遊技盤13に対して各釘200等を打設していた。これに対し、木製のベニヤ板によって構成された木製遊技盤を用いて、該木製遊技盤に各釘200等を打設するように構成してもよい。
<変形例7>
上記実施形態では、各釘200,300,400の材質及び金属硬さを一律に構成していた。これに対し、釘の種類に応じて、材質及び金属硬さが異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、普通釘200のビッカース硬度を150Hvで構成し、ミニヘッド釘300のビッカース硬度を230Hvとなるように構成する。このように構成することで、各釘200等による球の跳ね返り傾向を異ならせることができ、釘の種類又は遊技領域の各領域毎に球の分散傾向を調節することが可能となり、球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。
<変形例8>
上記実施形態では、第6誘導釘エリアYK6の一般入賞口63正面視直上にそれぞれ偏心釘400を植設したり、第5誘導釘エリアYK5の第1始動口64a正面視直上にそれぞれミニヘッド釘を植設し、各入賞口63等の入り口部分に植設される遊技釘の種類を同一で構成していた。これに対し、各入賞口63等の入り口部分に植設される遊技釘の種類を異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、第1始動口64a正面視直上の左側部分を普通釘200で構成する一方、第1始動口64a正面視直上の右側部分を偏心釘400で構成する。このように構成することで、遊技盤13の正面側からの釘の打設間隔を把握し難く構成することができる。
<変形例9>
上記実施形態では、第6誘導釘エリアYK6における一般入賞口63正面視直上に偏心釘400を植設していた。これに対し、第4誘導釘エリアYK4における所謂道釘の両端部や、第5誘導釘エリアYK5における所謂命釘に偏心釘400を採用してもよい。この場合、パチンコ機10の正面側から偏心釘400をみたとき、偏心頭部401の円中心と偏心軸部402の軸心との位置が異なっているため、遊技盤13正面側からは偏心釘400の偏心軸部402に球が衝突した場合に跳ね返る方向が予測し難い。よって、遊技盤13の正面側からの釘の打設間隔を把握し難く構成することができる。
<変形例10>
上記実施形態では、普通釘200若しくはミニヘッド釘300、又は、普通釘200若しくは偏心釘400を遊技盤13に対して混在して植設するように構成していた。これに対し、ミニヘッド釘300のみ、又は、偏心釘400のみの1種類の遊技釘を遊技盤13に植設するように構成してもよい。このように構成することで、統一感のあるゲージ構成にすることができ、遊技盤13の装飾性向上を図ることができる。
<変形例11>
上記実施形態では、普通釘200の普通頭部201の直径φ1を約4.3mm、高さ幅D1を約1.0mmで構成し、ミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301の直径φ3を約2.775mm、高さ幅D3を約0.5mmで構成していた。これに対し、普通釘200と普通頭部201と直径は同一で高さ幅がミニヘッド釘300のミニヘッド頭部301と同一となるハイブリッド釘を用いてもよい。具体的には、ハイブリッド釘の頭部の直径を約4.3mmで構成する一方、高さ幅を約0.5mmで構成する。このように構成することで、ハイブリッド釘の頭部の軸部からの突出量は、約1.225mmであるものの、球がガラスユニット16と接触している状態でハイブリッド釘の頭部裏面位置における球までの垂直距離が約1.342mmであるので、ハイブリッド釘の頭部が球と接触することはない。よって、ハイブリッド釘と衝突する球は、遊技盤13の盤面側に跳ね返り易くすることができ、その跳ね返り方向を予測し易くすることができる。
<変形例12>
上記実施形態では、各釘200,300,400の軸部202,302,402の断面形状を真円の円筒形状に形成し、長さ以外同一となるように構成していた。これに対し、各釘200,300,400の軸部202,302,402の形状をそれぞれ異なるように形成してもよい。具体的には、例えば、普通釘200の普通軸部202は、断面真円円筒形状で形成し、ミニヘッド釘300のミニヘッド軸部302は、断面楕円円筒形状で形成し、偏心釘400の偏心軸部402は、断面四角の直方体形状で形成する。このように構成することで、遊技領域を流下する球の跳ね返り方のバリエーションを豊富にしつつ、球を適宜分散することが可能となる。
<変形例13>
上記実施形態では、偏心釘400の偏心頭部401が、偏心軸部402から遊技盤13の正面視上方側及び左右側に突出するように構成していた。これに対し、偏心頭部401が、偏心軸部402から遊技盤13の正面視下方側及び左右側に突出するように構成したり、偏心頭部401が、偏心軸部402から遊技盤13の正面視上方側、下側方向、左側方向または右側方向のみに突出するように構成してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロットマシンでは、所定期間中に払い出された遊技媒体(コイン、メダル)の総数に対する、ボーナス(役物)により払い出された遊技媒体の数の比率が役物比率となる。そこで、各役が成立した場合に払い出される遊技媒体の数を、賞球数テーブル202eに代えて主制御装置のROMに格納しておき、役物比率管理チップ又は役物比率管理チップと同等の機能を実行する制御装置にて、非ボーナスゲーム期間(通常期間)において成立した(有効ライン上に図柄が揃った)役の数、ボーナスゲーム期間中において成立した役の数、AT期間中において成立した役の数を計数して、役物比率や連続役物比率を管理してもよい。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。なお、以下に示す各種発明の概念は、それぞれ、他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分を、その発明の概念に追加し或いはその他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分と交換等することにより、その発明の概念を変形して構成するようにしても良い。
<A群:頭部が球と接触しない釘>
従来より、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機等の遊技機では、遊技者が操作可能な位置に設けられた発射装置を操作することで、透明部材と遊技部材等とによって形成された遊技領域に対して遊技球を発射し、該遊技領域を流下する遊技球が、該遊技領域に設けられた所定の入球手段に入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている。
このような遊技機では、遊技部材表面に多数の遊技釘が植設されており、遊技領域を流下する遊技球と上記遊技釘とを衝突させて該遊技球の流下方向を適宜分散させることで、遊技球が上記入球手段に入球するか否かが異なるように構成されている。このように構成することで、遊技結果に変化を与えて、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2018−145387号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技部材の構造を好適にする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適な構造の遊技部材を有する遊技機を提供することを目的とする。
遊技釘(例えば、ミニヘッド釘300)が植設された遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部材の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記遊技釘は、
該遊技釘が前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材に固定される固定部(例えば、ミニヘッドネジ部305)と、
遊技機の正面方向先端側に位置する釘頭部(例えば、ミニヘッド頭部301)と、
該釘頭部と前記固定部との間に形成され、前記遊技領域を流下する遊技球と接触し得る釘胴部(例えば、ミニヘッド軸部302)と、を少なくとも備え、
前記釘頭部は、
前記遊技部材に前記遊技釘が植設された場合に、前記遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、ベース枠が、遊技釘が植設された遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。そして、遊技釘が遊技部材に植設された場合に、固定部が遊技部材に固定され、遊技機の正面方向先端側に、遊技釘に設けられた釘頭部が位置し、同じく遊技釘に設けられた釘胴部が、釘頭部と固定部との間に形成され、遊技領域を流下する遊技球と接触し得るように構成される。ここで、遊技部材に遊技釘が植設された場合に、釘頭部が、遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される。これにより、遊技釘の釘頭部と遊技球が衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、釘頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記釘頭部は、
前記釘胴部の外縁から外方向に突出し、該釘胴部から最も離間した位置に形成された頭部先端部(例えば、ミニヘッド傘先端部301a2)、を有し、
前記頭部先端部は、
前記遊技球が前記透明部材および前記釘胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記釘胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、釘頭部に設けられた頭部先端部が、釘胴部の外縁から外方向に突出し、該釘胴部から最も離間した位置に形成される。そして、その頭部先端部が、遊技球が透明部材および釘胴部とともに当接している状態において、透明部材と釘胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される。これにより、遊技釘の頭部先端部と遊技球が衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、頭部先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記頭部先端部は、
所定のR形状で形成される
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、頭部先端部が、所定のR形状で形成されている。仮に頭部先端部と遊技球とが衝突した場合、R形状と球形状との衝突であるため、跳ね返る方向が多様となり、遊技球の跳ね返り方向を予測し難い。そこで、頭部先端部がR形状に形成された釘頭部と遊技球とを衝突しないように構成することで、頭部先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A0からA2のいずれかにおいて、
前記釘頭部は、
前記遊技釘が前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、
前記高さ幅は、
前記遊技球が前記透明部材および前記釘胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記釘胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A0からA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技釘が遊技部材に植設された場合に、釘頭部が、遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、その高さ幅が、遊技球が透明部材および釘胴部とともに当接している状態において、透明部材と釘胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される。これにより、遊技釘の釘頭部が遊技球と衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、釘頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技釘(例えば、ミニヘッド釘300)が植設された遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部材の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材板とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記遊技釘は、
該遊技釘が前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材に固定される固定部(例えば、ミニヘッドネジ部305)と、
遊技機の正面方向先端側に位置する釘頭部(例えば、ミニヘッド頭部301)と、
該釘頭部と前記固定部との間に形成され、前記遊技領域を流下する遊技球と接触し得る釘胴部(例えば、ミニヘッド軸部302)と、を少なくとも備え、
前記釘頭部は、
前記遊技部材に前記遊技釘が植設された場合に、前記遊技領域を流下する遊技球と接触しない位置に形成される
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、ベース部が、遊技釘が植設された遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。そして、遊技釘が遊技部材に植設された場合に、固定部が遊技部材に固定され、遊技機の正面方向先端側に、遊技釘に設けられた釘頭部が位置し、同じく遊技釘に設けられた釘胴部が、釘頭部と固定部との間に形成され、遊技領域を流下する遊技球と接触し得るように構成される。ここで、遊技部材に遊技釘が植設された場合に、釘頭部が、遊技領域を流下する遊技球と接触しない位置に形成される。これにより、遊技釘の釘頭部と遊技球が衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A4において、
前記釘頭部は、
前記釘胴部の外縁から外方向に突出し、該釘胴部から最も離間した位置に形成された頭部先端部(例えば、ミニヘッド傘先端部301a2)、を有し、
前記頭部先端部は、
前記遊技球が、前記透明部材および前記釘胴部と共に当接している場合に、前記透明部材と前記釘胴部とで形成される空間に収まる位置に形成される
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、釘頭部に設けられた頭部先端部が、釘胴部の外縁から外方向に突出し、該釘胴部から最も離間した位置に形成される。そして、その頭部先端部が、遊技球が透明部材および釘胴部とともに当接している状態において、透明部材と釘胴部とで形成される空間に収まる位置に形成される。これにより、遊技釘の頭部先端部と遊技球が衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、頭部先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A5において
前記頭部先端部は、
所定のR形状で形成される
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、頭部先端部が、所定のR形状で形成されている。仮に頭部先端部と遊技球とが衝突した場合、R形状と球形状との衝突であるため、跳ね返る方向が多様となり、遊技球の跳ね返り方向を予測し難い。そこで、頭部先端部がR形状に形成された釘頭部と遊技球とを衝突しないように構成することで、頭部先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、
前記釘頭部は、
前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、
前記高さ幅は、
前記遊技球が、前記透明部材および前記釘胴部と共に当接している場合に、前記透明部材と前記釘胴部とで形成される空間に収まるように形成される
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A4からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、釘頭部が、遊技部材に植設された場合に、遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、その高さ幅が、遊技球が透明部材および釘胴部とともに当接している状態において、透明部材と釘胴部とで形成される空間に収まるように形成される。これにより、遊技釘の釘頭部が遊技球と衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、釘頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A0からA7のいずれかにおいて、
前記遊技部材は、
所定領域(例えば、第4誘導釘エリアYK4)から遊技球が流下可能な下流側に、遊技球が入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)、を備え、
前記遊技釘は、
前記所定領域において、遊技球を通過させない間隔で複数植設される
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A0からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材における所定領域から遊技球が流下可能な下流側に、遊技球が入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与可能な入球手段が設けられ、遊技釘が、所定領域において、遊技球を通過させない間隔で複数植設される。これにより、入球手段へ遊技球を案内し得る所定領域において、釘頭部の大きさ(直径)が大きい従来の遊技釘を植設する場合より、本発明の遊技釘を植設することで、従来より多数の遊技釘を植設することが可能となる。換言すれば、所定領域において、同一本数の遊技釘を植設する場合、本発明の遊技釘を採用することで、省スペースで複数の遊技釘を植設することが可能となる。よって、該所定領域により多くの遊技釘を植設することで、遊技球の流下態様をより安定させ易くすることができるとともに、遊技釘の植設領域を省スペース化して、遊技板の盤面の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0からA8のいずれかにおいて、
前記遊技釘は、
前記遊技部材に対して、該遊技部材の表面垂直方向から所定角度傾倒して植設される
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A0からA8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技釘が、遊技部材に対して、該遊技部材の表面垂直方向から所定角度傾倒して植設される。これにより、遊技部材の表面垂直方向から所定角度傾倒して植設された遊技釘に関し、釘胴部とのみ遊技球が衝突するため、遊技球の跳ね返り方向に関して所定角度傾倒した釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで予測可能となり、遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機A0からA9のいずれかにおいて、
前記釘頭部は、
前記遊技部材の非表面側が球面形状に形成される
ことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A0からA9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、釘頭部が、遊技部の非表面側が球面形状に形成される。これにより、例えば、不正等によって遊技釘の植設角度が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された釘頭部をハンマー等で叩くことで、釘胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して釘胴部全体の傾倒角度を変更させることができる。よって、ハンマー等によって遊技釘の傾倒角度を調整する場合に、釘胴部又は釘頭部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、遊技釘の植設角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機A0からA10のいずれかにおいて、
前記遊技部材の遊技機背面側に、遊技結果を示唆可能な演出装置(例えば、可動役物)、を備え、
前記遊技部材は、
透光性を有し、前記演出装置を視認可能に構成される
ことを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A0からA10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材の遊技機背面側に設けられた演出装置により、遊技結果を示唆可能に構成され、透光性を有する遊技部材により、演出装置が視認可能に構成される。ここで、遊技釘の釘頭部が遊技機正面視の形状が大きい場合、遊技部材の背面側に設けられた演出装置の視認性が減退する。そこで、釘頭部の大きさ(直径)が大きい従来の遊技釘を植設する場合より、本発明の遊技釘を植設することで、遊技部材の背面側の視認性が向上することで、従来より演出装置の視認性を向上することができる、という効果がある。
<B群:複数の釘同士の関係>
従来より、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機等の遊技機では、遊技者が操作可能な位置に設けられた発射装置を操作することで、透明部材と遊技部材等とによって形成された遊技領域に対して遊技球を発射し、該遊技領域を流下する遊技球が、該遊技領域に設けられた所定の入球手段に入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている。
このような遊技機では、遊技部材表面に多数の遊技釘が植設されており、遊技領域を流下する遊技球と上記遊技釘とを衝突させて該遊技球の流下方向を適宜分散させることで、遊技球が上記入球手段に入球するか否かが異なるように構成されている。このように構成することで、遊技結果に変化を与えて、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2018−145387号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技部材の構造を好適にする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適な構造の遊技部材を有する遊技機を提供することを目的とする。
遊技釘が植設された遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部材の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記遊技釘は、
前記遊技部材に固定される第1固定部と、遊技機正面方向先端側に位置して所定の外形で形成された第1頭部(例えば、普通頭部201)と、該第1頭部と前記第1固定部との間に形成された第1胴部(例えば、普通軸部202)と、を有する第1釘(例えば、普通釘200)と、
前記遊技部材に固定される第2固定部と、遊技機正面方向先端側に位置して前記第1頭部より小さい外形で形成された第2頭部(例えば、ミニヘッド頭部301)と、該第2頭部と前記第2固定部との間に形成された第2胴部(例えば、ミニヘッド軸部302)と、を有する第2釘(例えば、ミニヘッド釘300)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、ベース部が、遊技釘が植設された遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。そして、遊技釘である第1釘に、遊技部材と固定される第1固定部と、遊技機正面方向先端側に位置して所定の外形で形成された第1頭部と、その第1頭部と第1固定部との間形成された第1胴部とが設けられる。また、遊技釘である第2釘に、遊技部材と固定される第2固定部と、遊技機正面方向先端側に位置して第1頭部より少ない外形で形成された第2頭部と、その第2頭部と第2固定部との間に形成された第2胴部とが設けられる。これにより、第2釘の第2頭部とは、第1釘の第1頭部より遊技球が衝突し難くなり、第2釘が植設された部位に関しては第2胴部と遊技球が衝突し易くなる。よって、第2釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第2頭部との衝突による跳ね返りを考慮する余地を少なくさせることで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、第1釘が植設された部位に関しては遊技球を適宜分散させることができるとともに、第2釘が植設された部位に関しては遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くすることができ、メリハリのあるゲージ性能を有しつつ、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
なお、「第1頭部より小さい外形で形成された第2頭部」とは、例えば、第1頭部より小さい体積で形成された第2頭部や、第1頭部より小さい容積で形成された第2頭部、第1頭部によって占められる空間の大きさより第2頭部によって占められる空間の大きさが小さい場合、或いは、第1頭部の所定部分の大きさより第2頭部の所定部分の大きさが小さい場合等が例示される。
遊技機B0において、
少なくとも、前記第2頭部は、
前記遊技部材に前記第2釘が植設された場合に、前記遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に第2釘が植設された場合に、少なくとも、第2頭部が、遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される。これにより、第2釘の第2頭部と遊技球が衝突せず、第2釘が植設された部位に関しては第2胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、第2釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第2頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、第2胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、第1釘が植設された部位に関しては遊技球を適宜分散させることができるとともに、第2釘が植設された部位に関しては遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くすることができ、メリハリのあるゲージ性能を有しつつ、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機B0又はB1において、
前記遊技部材は、
所定領域(例えば、第3誘導釘エリアYK3又は第4誘導釘エリアYK4)から遊技球が流下可能な下流側に、遊技球が入球することで所定の遊技価値を付与可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)、を備え、
前記第2釘は、
前記所定領域において、遊技球を通過させない間隔で複数植設される
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材における所定領域から遊技球が流下可能な下流側に、遊技球が入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与可能な入球手段が設けられ、第2釘が、所定領域において、遊技球を通過させない間隔で複数植設される。これにより、入球手段へ遊技球を案内し得る所定領域において第2釘を植設することで、第1釘を植設する場合より多くの第2釘を植設することが可能となる。換言すれば、所定領域において、同一本数の遊技釘を植設する場合、第2釘を採用することで、省スペースに複数の第2釘を植設することが可能となる。よって、該所定領域により多くの第2釘を植設することで、遊技球の流下態様をより安定させ易くすることができるとともに、遊技釘の植設領域を省スペース化して、遊技板の盤面の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB2のいずれかにおいて、
少なくとも、前記第1頭部は、
前記遊技部材の非表面側が球面形状に形成される
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B0からB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも、第1頭部が、遊技部材の非表面側が球面形状に形成される。これにより、例えば、不正等によって第1釘の植設角度が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された第1頭部をハンマー等で叩くことで、第1胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して第1胴部全体の傾倒角度を変更させることができる。よって、ハンマー等によって第1釘の傾倒角度を調整する場合に、第1胴部又は第1頭部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、第1釘の植設角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機B3において、
前記所定領域において、遊技球を通過させない間隔で前記第2釘を植設するとともに、遊技球を通過し得る間隔で前記第1釘を植設する
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定領域において、遊技球を通過させない間隔で第2釘が植設されるとともに、球を通過させ得る間隔で第1釘を植設する。これにより、例えば、遊技球が通過し得る間隔で植設された第1釘に対して不正等によって植設角度(間隔)が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された第1頭部をハンマー等で叩くことで、第1胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して第1胴部全体の傾倒角度を変更させることができる。よって、ハンマー等によって第1釘の傾倒角度を調整する場合に、第1胴部又は第1頭部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、第1釘の植設角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機B3において、
前記所定領域において、遊技球が流下し得る最上流側に前記第1釘を植設する
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定領域において、遊技球が流下し得る最上流側に第1釘が植設される。所定領域における遊技球が流下し得る最上流側に植設される遊技釘には、鉛直上方側から勢い良く落下した遊技球が衝突するため、その積算された遊技球の衝撃によって遊技釘の植設角度が変形してしまうおそれがある。そこで、所定領域において、遊技球の衝撃を受けやすい最上流側の部位に第1頭部が球面形状に形成された第1釘を植設する。これにより、例えば、遊技球の衝突による衝撃で第1釘の植設角度が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された第1頭部をハンマー等で叩くことで、第1胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して第1胴部全体の傾倒角度を変更させることができる。よって、遊技球の衝撃によって変形し易い所定領域の最上流側の部位に第1釘を植設し、仮に第1釘の植設角度が変形してしまった場合でも、ハンマー等によって第1釘の傾倒角度を調整するとき、第1胴部又は第1頭部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、第1釘の植設角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機B0からB5のいずれかにおいて、
前記第1釘は、
前記遊技部材に固定される第1固定部(例えば、普通ネジ部205)、を備え、
前記第2釘は、
前記遊技部材に固定される第2固定部(例えば、ミニヘッドネジ部305)、を備え、
前記第1固定部および前記第2固定部は、
同一形状に形成される
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B0からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1釘に設けられた第1固定部が、遊技部材に固定され、第2釘に設けられた第2固定部が、遊技部材に固定される。そして、第1固定部と第2固定部とが同一形状に形成される。これにより、第1釘および第2釘を遊技部材に植設する場合に、遊技部材に第1釘および第2釘を挿入し易くするための孔形状を同一にすることが可能となる。よって、複数種類の遊技釘を遊技部材に対して植設する場合であっても、遊技部材における孔生成時における工程を簡略化することができ、遊技板の製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機B0からB6のいずれかにおいて、
前記第2頭部は、
前記第2胴部の外縁から外方向に突出し、該第2胴部から最も離間した位置に形成された第2頭部先端部(例えば、ミニヘッド傘先端部301a2)、を有し、
前記第2頭部先端部は、
前記遊技球が前記透明部材および前記第2胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記第2胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B0からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2頭部に設けられた第2頭部先端部が、第2胴部の外縁から外方向に突出し、該第2胴部から最も離間した位置に形成される。そして、その第2頭部先端部が、遊技球が透明部材および第2胴部とともに当接している状態において、透明部材と第2胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される。これにより、第2釘の第2頭部先端部と遊技球が衝突せず、第2釘に関しては第2胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、第2釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第2頭部先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、第2胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、第2釘が植設される部位において、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機B0からB7のいずれかにおいて、
前記第2頭部は、
前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、
前記高さ幅は、
前記遊技球が前記透明部材および前記第2胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記第2胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2頭部が、遊技部材に植設された場合に、遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、その高さ幅が、遊技球が透明部材および第2胴部とともに当接している状態において、透明部材と第2胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される。これにより、第2釘の第2頭部が遊技球と衝突せず、第2釘に関しては第2胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、第2釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第2頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、第2胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、第2釘が植設される部位において、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機B0からB8のいずれかにおいて、
前記遊技釘は、
前記遊技部材に対して、該遊技部材の表面垂直方向から所定角度傾倒して植設され、
前記第1釘および前記第2釘は、
同一の植設角度で植設される
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B0からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技釘が、遊技部材に対して、該遊技部材の表面垂直方向から所定角度傾倒して植設され、第1釘と第2釘とが、同一の植設角度で植設される。これにより、遊技釘の種類毎に植設角度を変更する必要がなく、遊技部材に第1釘および第2釘を植設する工程を簡略化して、遊技部材の製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機B0からB9のいずれかにおいて、
少なくとも、前記第2釘が植設された前記遊技部材の遊技機背面側に、遊技結果を示唆可能な演出装置(例えば、可動役物)、を備え、
前記遊技部材は、
透光性を有し、前記演出装置を視認可能に構成される
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B0からB9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも、第2釘が植設された遊技部材の遊技機背面側に設けられた演出装置により、遊技結果を示唆可能に構成され、透光性を有する遊技部材により、演出装置が視認可能に構成される。ここで、遊技釘の釘頭部が遊技機正面視の形状が大きい場合、遊技部材の背面側に設けられた演出装置の視認性が減退する。そこで、遊技部材の遊技機背面側に演出装置が配置されている部位において、第1釘を植設する場合より、第1釘の第1頭部より小さい第2頭部を有する第2釘を植設することで、遊技部材の背面側の視認性が向上することで、第1釘を植設する場合より演出装置の視認性を向上することができる、という効果がある。
<C群:軸部からの頭部の突出量が異なる釘>
従来より、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機等の遊技機では、遊技者が操作可能な位置に設けられた発射装置を操作することで、透明部材と遊技部材等とによって形成された遊技領域に対して遊技球を発射し、該遊技領域を流下する遊技球が、該遊技領域に設けられた所定の入球手段に入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている。
このような遊技機では、遊技部材表面に多数の遊技釘が植設されており、遊技領域を流下する遊技球と上記遊技釘とを衝突させて該遊技球の流下方向を適宜分散させることで、遊技球が上記入球手段に入球するか否かが異なるように構成されている。このように構成することで、遊技結果に変化を与えて、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2018−145387号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技部材の構造を好適にする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適な構造の遊技部材を有する遊技機を提供することを目的とする。
遊技釘(例えば、偏心釘400)および所定の障害部材(例えば、一般入賞口63)が取り付けられた遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部材の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記遊技釘は、
該遊技釘が前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材に固定される固定部(例えば、偏心ネジ部405)と、
遊技機の正面方向先端側に位置する釘頭部(例えば、偏心頭部401)と、
該釘頭部と前記固定部との間に形成され、前記遊技領域を流下する遊技球と接触し得る釘胴部(例えば、偏心軸部402)と、を少なくとも備え、
前記釘頭部は、
前記釘胴部の外縁から外方向へ突出する頭部突出部(例えば、偏心傘先端部401a2)、を有し、
前記頭部突出部は、
前記障害部材側ではない非障害部材側における前記釘胴部の外縁から外方向への突出量より、前記障害部材側における前記釘胴部の外縁から外方向への突出量が少ない
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、ベース部が、遊技釘および所定の障害部材が取り付けられた遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。そして、遊技釘が遊技部材に植設された場合に、固定部が遊技部材に固定され、遊技機の正面方向先端側に、遊技釘に設けられた釘頭部が位置し、同じく遊技釘に設けられた釘胴部が、釘頭部と固定部との間に形成され、遊技領域を流下する遊技球と接触し得るように構成される。また、釘頭部には、釘胴部の外縁から外方向へ突出する頭部突出部が設けられる。ここで、頭部突出部は、障害部材側ではない非障害部材側における釘胴部の外縁から外方向への突出量より、障害部材側における釘胴部の外縁から外方向への突出量が少なく構成される。これにより、遊技部材に対して障害部材を取着する場合において、遊技釘における障害部材側の釘胴部からの釘頭部の突出量が、遊技釘における非障害部材側の釘胴部からの釘頭部の突出量が少ないことで、障害部材が釘頭部と衝突し難く構成することができる。よって、遊技部材に対して障害部材を取着する場合に、障害部材又は釘頭部自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、遊技部材に対する障害部材の取着作業を効率化することができる。従って、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記釘頭部は、
前記障害部材側における前記釘胴部の外縁から外方向へ突出せず、非障害部材側に前記頭部突出部を形成する
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、障害部材側における釘胴部の外縁から外方向へ釘頭部が突出せず、非障害部材側に頭部突出部が形成される。これにより、遊技部材に対して障害部材を取着する場合において、遊技釘における障害部材側の釘胴部からの釘頭部の突出量が無いことで、障害部材が釘頭部と衝突し難く構成することができる。よって、遊技部材に対して障害部材を取着する場合に、障害部材又は釘頭部自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、遊技部材に対する障害部材の取着作業を効率化することができる。従って、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記遊技部材は、
前記障害部材を取り付けるための貫通孔(例えば、ルータ孔)、を有し、
前記障害部材は、
前記貫通孔に対して前記障害部材を取り付けた場合に、前記遊技部材の表面と当接するフランジ部(例えば、一般フランジ部63a)、を備え、
前記頭部突出部は、
前記フランジ部の前記遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に設けられた貫通孔により、障害部材が取り付けられ、その貫通孔に対して障害部材を取り付けた場合に、障害部材に設けられたフランジ部が、遊技部材の表面と当接される。そして、頭部突出部が、フランジ部の遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される。これにより、フランジ部の遊技部材表面垂直方向に釘頭部の頭部突出部が突出していないことから、貫通孔に対して障害部材を取着する場合に、貫通孔に沿って障害部材を取り付けている間、フランジ部と頭部突出部とが衝突し難くすることができる。よって、遊技部材に対して障害部材を取着する場合に、障害部材のフランジ部又は釘頭部自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、遊技部材に対する障害部材の取着作業を効率化することができる。従って、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機C0からC2のいずれかにおいて、
前記釘頭部は、
前記遊技部材に前記遊技釘が植設された場合に、前記遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C0からC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に遊技釘が植設された場合に、釘頭部が、遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される。これにより、遊技釘の釘頭部と遊技球が衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、釘頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機C0からC3のいずれかにおいて、
前記頭部突出部は、
前記遊技球が前記透明部材および前記釘胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記釘胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C0からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、頭部突出部が、遊技球が透明部材および釘胴部とともに当接している状態において、透明部材と釘胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される。これにより、遊技釘の頭部突出部と遊技球が衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、頭部突出部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、
前記釘頭部は、
前記遊技部材に植設された場合に、前記遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、
前記高さ幅は、
前記遊技球が前記透明部材および前記釘胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記釘胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C0からC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、釘頭部が、遊技部材に植設された場合に、遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、その高さ幅が、遊技球が透明部材および釘胴部とともに当接している状態において、透明部材と釘胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される。これにより、遊技釘の釘頭部が遊技球と衝突せず、遊技釘に関しては釘胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、遊技釘に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、釘頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、釘胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記遊技釘と少なくとも前記釘頭部の態様が異なる所定釘(例えば、普通釘200)、を備え、
前記所定釘は、
前記遊技部材に固定される所定固定部(例えば、普通ネジ部205)、を備え、
前記遊技釘は、
前記遊技部材に固定される固定部(例えば、偏心ネジ部405)、を備え、
前記所定固定部および前記固定部は、
同一形状に形成される
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技釘と少なくとも釘頭部の態様が異なる所定釘が設けられ、所定釘に設けられた所定固定部が、遊技部材に固定され、遊技釘に設けられた固定部が、遊技部材に固定される。そして、所定固定部と固定部とが同一形状に形成される。これにより、所定釘および遊技釘を遊技部材に植設する場合に、遊技部材に所定釘および遊技釘を挿入し易くするための孔形状を同一にすることが可能となる。よって、複数種類の所定釘および遊技釘を遊技部材に対して植設する場合であっても、遊技部材における孔生成時における工程を簡略化することができ、遊技部材の製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機C6において、
前記所定釘および遊技釘は、
前記遊技部材に対して、該遊技部材の表面垂直方向から同一の所定角度で傾倒して植設される
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定釘および遊技釘が、遊技部材に対して、該遊技部材の表面垂直方向から同一の所定角度で傾倒して植設される。これにより、所定釘および遊技釘の種類毎に植設角度を変更する必要がなく、遊技部材に所定釘および遊技釘を植設する工程を簡略化して、遊技部材の製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機C0からC7のいずれかにおいて、
前記釘頭部は、
前記遊技部材の非表面側が球面形状に形成される
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C0からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、釘頭部が、遊技部材の非表面側が球面形状に形成される。これにより、例えば、不正等によって遊技釘の植設角度が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された釘頭部をハンマー等で叩くことで、釘胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して釘胴部全体の傾倒角度を変更させることができる。よって、ハンマー等によって遊技釘の傾倒角度を調整する場合に、釘胴部又は釘頭部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、遊技釘の植設角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機C0からC8のいずれかにおいて、
前記遊技部材の遊技機背面側に、遊技結果を示唆可能な演出装置(例えば、可動役物)、を備え、
前記遊技部材は、
透光性を有し、前記演出装置を視認可能に構成される
ことを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C0からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材の遊技機背面側に設けられた演出装置により、遊技結果を示唆可能に構成され、透光性を有する遊技部材により、演出装置が視認可能に構成される。ここで、遊技釘の釘頭部が遊技機正面視の形状が大きい場合、遊技部材の背面側に設けられた演出装置の視認性が減退する。そこで、釘頭部の大きさ(直径)が大きい従来の遊技釘を植設する場合より、本発明の遊技釘を植設することで、遊技部材の背面側の視認性が向上することで、従来より演出装置の視認性を向上することができる、という効果がある。
<D群:複数の遊技部材の間に植設された遊技釘の頭部と各遊技部材との関係>
従来より、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機等の遊技機では、遊技者が操作可能な位置に設けられた発射装置を操作することで、透明部材と遊技部材等とによって形成された遊技領域に対して遊技球を発射し、該遊技領域を流下する遊技球が、該遊技領域に設けられた所定の入球手段に入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている。
このような遊技機では、遊技部材表面に多数の障害部材が取り付けられており、遊技領域を流下する遊技球と上記障害部材とを衝突させて該遊技球の流下方向を適宜分散させることで、遊技球が上記入球手段に入球するか否かが異なるように構成されている。このように構成することで、遊技結果に変化を与えて、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2018−145387号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技部材の構造を好適にする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適な構造の遊技部材を有する遊技機を提供することを目的とする。
障害部材(例えば、ミニヘッド釘300)、並びに、所定の第1部材(例えば、可変表示装置ユニット80)及び第2部材(例えば、入賞口ユニット64)が取り付けられた遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部材の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記障害部材は、
該障害部材が前記遊技部材に取り付けられた場合に、自由端側に位置する障害部材先端部(例えば、ミニヘッド頭部301)と、
該障害部材先端部より固定端側に位置し、前記遊技領域を流下する遊技球と接触し得る障害部材胴部(例えば、ミニヘッド軸部302)と、を少なくとも備え、
前記遊技部材の正面視において、前記第1部材と前記第2部材との間に前記障害部材を取り付け、
前記障害部材先端部は、
前記第1部材および前記第2部材の前記遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、ベース部が、障害部材、並びに、所定の第1部材及び第2部材が取り付けられた遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。そして、障害部材が遊技部材に取り付けられた場合に、障害部材に設けられた障害部材先端部が自由端側に位置し、同じく障害部材に設けられた障害部材胴部が、障害部材先端部より固定端側に位置し、該障害部材胴部に遊技領域を流下する遊技球が接触し得る。また、遊技部材の正面視において、第1部材と第2部材との間に障害部材が植設される。ここで、障害部材先端部が、第1部材および第2部材の遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される。これにより、第1部材と第2部材との遊技部材表面垂直方向に障害部材先端部が存在しないことから、遊技部材に対して第1部材または第2部材のいずれを取着する場合であっても、第1部材又は第2部材と障害部材先端部とが衝突し難くすることができる。よって、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着する場合に、第1部材もしくは第2部材又は障害部材先端部自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、遊技部材に対する第1部材または第2部材を取着し易くすることができる。従って、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記遊技部材は、
前記第1部材および前記第2部材を取り付けるための1又は複数の貫通孔(例えば、ルータ孔)、を有し、
前記第1部材は、
前記貫通孔に対して前記第1部材を取り付けた場合に、前記遊技部材の表面と当接する第1フランジ部(例えば、表示フランジ部80a)、を備え、
前記第2部材は、
前記貫通孔に対して前記第2部材を取り付けた場合に、前記遊技部材の表面と当接する第2フランジ部(例えば、入賞フランジ部64d)、を備え、
前記障害部材先端部は、
前記第1フランジ部および前記第2フランジ部の前記遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に設けられた1又は複数の貫通孔により、第1部材および第2部材が取り付けられる。そして、その貫通孔に対して第1部材を取り付けた場合に、第1部材に設けられた第1フランジ部が、遊技部材の表面と当接される。また、貫通孔に対して第2部材を取り付けた場合に、第2部材に設けられた第2フランジ部が、遊技部材の表面と当接される。ここで、障害部材先端部が、第1フランジ部および第2フランジ部の遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される。これにより、第1フランジ部および第2フランジ部の遊技部材表面垂直方向に障害部材先端部が突出していないことから、貫通孔に対して第1部材または第2部材をそれぞれ取着する場合に、第1フランジ部または第2フランジ部のいずれも障害部材先端部と衝突し難くすることができる。よって、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着する場合に、第1部材の第1フランジ部若しくは第2部材の第2フランジ部、又は、障害部材先端部自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着し易くすることができる。従って、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
前記第1部材および/または前記第2部材は、
少なくとも一部にメッキ処理が施されている
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1部材および/または第2部材の少なくとも一部にメッキ処理が施されている。メッキ処理が施された第1部材または第2部材を遊技板に対して取着する場合、障害部材と衝突させてしまうと、該メッキ処理が剥がれてしまい、第1部品または第2部品自体を交換せざるを得ず、取着ミスによる損失が大きい。そこで、メッキ処理が施された第1部材または第2部材との遊技部材表面垂直方向に障害部材先端部が存在しないことから、遊技部材に対して第1部材または第2部材のいずれを取着する場合であっても、第1部材又は第2部材と障害部材先端部とが衝突し難くすることができる。よって、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着する場合に、第1部材もしくは第2部材と障害部材先端部とが衝突して、メッキ処理が剥げてしまうことを抑制することができ、製造ミスによる遊技板の歩留りを高くすることができる、という効果がある。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記第1部品および/または前記第2部品は、
電子部品を実装する
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1部材および/または第2部材に電子部品が実装される。電子部品を実装する第1部材または第2部材を遊技部材に対して取着する場合、障害部材と衝突させてしまうと、第1部品または第2部品全体を交換せざるを得ず、取着ミスによる損失が大きい。そこで、電子部品が実装された第1部材または第2部材との遊技部材表面垂直方向に障害部材先端部が存在しないことから、遊技部材に対して第1部材または第2部材のいずれを取着する場合であっても、第1部材又は第2部材と障害部材先端部とが衝突し難くすることができる。よって、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着する場合に、第1部材もしくは第2部材と障害部材先端部とが衝突して、第1部材または第2部材の破損を防止することができ、製造ミスによる遊技板の歩留りを高くすることができる、という効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、
前記第1部材および/または前記第2部材は、
前記貫通孔に挿入される部材胴部、を有し、
前記部材胴部は、
前記障害部材胴部の長手方向の長さより長く形成される
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1部材および/または第2部材に設けられた部材胴部が、貫通孔に挿入され、その部材胴部が、障害部材胴部の長手方向の長さより長く形成される。即ち、部材胴部が貫通孔に挿入されている間、障害部材先端部が、第1部材の第1フランジ部または第2部材の第2フランジ部の遊技部材表面垂直方向に位置しないように形成される。これにより、貫通孔に対して第1部材または第2部材の部材胴部を挿入を開始してから第1フランジ部または第2フランジ部が遊技部材の表面と当接するまでの間、第1フランジ部および第2フランジ部の遊技部材表面垂直方向に障害部材先端部が突出していないことから、第1フランジ部または第2フランジ部のいずれも障害部材先端部と衝突し難くすることができる。よって、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着する場合に、第1部材の第1フランジ部若しくは第2部材の第2フランジ部、又は、障害部材先端部自体が破損してしまうことを防止することができるとともに、遊技部材に対して第1部材または第2部材を取着し易くすることができる。従って、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機D0からD4のいずれかにおいて、
前記障害部材頭部は、
前記遊技部材に前記障害部材が取り付けられた場合に、前記遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D0からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に障害部材が取り付けられた場合に、障害部材頭部が、遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される。これにより、障害部材の障害部材頭部と遊技球が衝突せず、障害部材に関しては障害部材胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、障害部材に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、障害部材頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、障害部材胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機D0からD5のいずれかにおいて、
前記障害部材頭部は、
前記障害部材胴部の外縁から外方向に突出し、該障害部材胴部から最も離間した位置に形成された頭部先端部(例えば、ミニヘッド傘先端部301a2)、を有し、
前記頭部先端部は、
前記遊技球が前記透明部材および前記障害部材胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記障害部材胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D0からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、障害部材頭部に設けられた頭部先端部が、障害部材胴部の外縁から外方向に突出し、該障害部材胴部から最も離間した位置に形成される。そして、その頭部先端部が、遊技球が透明部材および障害部材胴部とともに当接している状態において、透明部材と障害部材胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される。これにより、障害部材の頭部先端部と遊技球が衝突せず、障害部材に関しては障害部材胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、障害部材に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、頭部先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、障害部材胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機D0からD6のいずれかにおいて、
前記障害部材頭部は、
前記障害部材が前記遊技部材に取り付けられた場合に、前記遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、
前記高さ幅は、
前記遊技球が前記透明部材および前記障害部材胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記障害部材胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D0からD6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、障害部材が遊技部材に取り付けられた場合に、障害部材頭部が、遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、その高さ幅が、遊技球が透明部材および障害部材胴部とともに当接している状態において、透明部材と障害部材胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される。これにより、障害部材の障害部材頭部が遊技球と衝突せず、障害部材に関しては障害部材胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、障害部材に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、障害部材頭部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、障害部材胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機D0からD7のいずれかにおいて、
前記障害部材頭部は、
前記遊技部材の非表面側が球面形状に形成される
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D0からD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、障害部材頭部が、遊技部材の非表面側が球面形状に形成される。これにより、例えば、不正等によって障害部材の取付角度が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された障害部材頭部をハンマー等で叩くことで、障害部材胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して障害部材胴部全体の取付角度を変更させることができる。よって、ハンマー等によって障害部材の取付角度を調整する場合に、障害部材胴部又は障害部材頭部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、障害部材の取付角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機D0からD8のいずれかにおいて、
前記遊技部材の遊技機背面側に、遊技結果を示唆可能な演出装置(例えば、可動役物)、を備え、
前記遊技部材は、
透光性を有し、前記演出装置を視認可能に構成される
ことを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D0からD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材の遊技機背面側に設けられた演出装置により、遊技結果を示唆可能に構成され、透光性を有する遊技部材により、演出装置が視認可能に構成される。ここで、障害部材の障害部材頭部が遊技機正面視の形状が大きい場合、遊技板の背面側に設けられた演出装置の視認性が減退する。そこで、障害部材頭部の大きさ(直径)が大きい従来の障害部材を取り付ける場合より、本発明の障害部材を取り付けることで、遊技板の背面側の視認性が向上することで、従来より演出装置の視認性を向上することができる、という効果がある。
<E群:複数の障害部材、自由端側に衝突する障害部材、衝突しない障害部材>
従来より、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機等の遊技機では、遊技者が操作可能な位置に設けられた発射装置を操作することで、透明部材と遊技部材等とによって形成された遊技領域に対して遊技球を発射し、該遊技領域を流下する遊技球が、該遊技領域に設けられた所定の入球手段に入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている。
このような遊技機では、遊技部材表面に多数の障害部材が取り付けられており、遊技領域を流下する遊技球と上記障害部材とを衝突させて該遊技球の流下方向を適宜分散させることで、遊技球が上記入球手段に入球するか否かが異なるように構成されている。このように構成することで、遊技結果に変化を与えて、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2018−145387号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技部材の構造を好適にする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適な構造の遊技部材を有する遊技機を提供することを目的とする。
第1障害部材(例えば、ミニヘッド釘300、偏心釘400、風車71、役物等)が取り付けられた遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材板とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記第1障害部材は、
前記遊技部材に固定される第1障害部材固定部(例えば、ミニヘッドネジ部305、偏心ネジ部405、風車71の釘部、役物の取付側等)と、
該第1障害部材固定部を前記遊技部材に取り付けた場合に、片持ち梁状の該第1障害部材の自由端側に位置する第1障害部材自由端部(例えば、ミニヘッド頭部301、偏心頭部401、風車71の回転板、役物の先端部等)と、
該第1障害部材自由端部より固定端側に位置する第1障害部材胴部(例えば、ミニヘッド軸部302、偏心頭部401、風車71の案内板、役物の胴体等)と、を備え、
前記遊技領域を流下する遊技球は、
前記第1障害部材の前記第1障害部材自由端部と接触せず、前記第1障害部材胴部と接触し得る
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、ベース部が、第1障害部材が取り付けられた遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。そして、第1障害部材に設けられた第1障害部材固定部が、遊技部材に固定され、その第1障害部材固定部を遊技部材に取り付けた場合に、同じく第1障害部材に設けられた第1障害部材自由端部が、片持ち梁状の第1障害部材自由端側に位置し、同じく第1障害部材に設けられた第1障害部材胴部が、第1障害部材自由端部より固定端側に位置する。ここで、遊技領域を流下する遊技球が、第1障害部材の第1障害部材自由端部と接触せず、第1障害部材胴部と接触し得るように構成される。即ち、片持ち梁状の第1障害部材において、遊技部材から最も遠い自由端側である第1障害部材自由端部と遊技球とが衝突せず、該第1障害部材自由端部より固定端側(即ち、遊技板側)に位置する第1障害部材胴部と遊技球とが衝突し得るように構成することで、第1障害部材の固定端である第1障害部材固定部に生じる固定端モーメントを、第1障害部材自由端部に遊技球が衝突した場合における固定端モーメントより小さくすることができる。よって、第1障害部材を破損し難く構成することで、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記遊技部材は、
前記第1障害部材の前記第1障害部材固定部を挿入可能な挿入孔(例えば、釘穴13a)、を備え、
前記第1障害部材固定部は、
少なくとも前記第1障害部材胴部より脆弱に形成された第1障害部材脆弱部(例えば、ミニヘッド小径部303、偏心小径部403等)、を備え、
前記第1障害部材脆弱部は、
前記第1障害部材が前記遊技部材に固定される場合に、少なくとも一部分が前記挿入孔内に位置する
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に設けられた挿入孔に、第1障害部材の第1障害部材固定部が挿入可能に構成され、第1障害部材固定部の第1障害部材脆弱部が、少なくとも第1障害部材胴部より脆弱に形成される。そして、第1障害部材が遊技部材に固定される場合に、第1障害部材脆弱部の少なくとも一部分が、挿入孔内に位置するように構成される。即ち、第1障害部材への遊技球の衝突により生じる応力によって、第1障害部材が破断し(せん断され)てしまう場合、第1障害部材胴部より脆弱に形成された第1障害部材脆弱部の部位で破断し易く、その破断面(破断部)が遊技部材の挿入孔内部に形成され易いように構成されている。換言すれば、第1障害部材が破断してしまう場合に、第1障害部材胴部等の部位が破断し難く構成され、破断面が遊技部材の表面前面側へ突出した状態で形成され難いように構成されている。これにより、第1障害部材が破断した場合に、遊技部材に固定され続けている第1障害部材の残存部分(即ち、第1障害部材固定部の残り部分)を専用治具によって遊技部材の前面側から背面側から押し出すとき、専用治具の先端部を、遊技部材の挿入孔の内部に挿入して破断面と当接させた状態で破断した第1障害部材の残存部分を遊技部材の背面側へ押し出すことが可能となる。よって、破断した第1障害部材の残存部分を専用治具によって遊技部材の前面側から背面側へ押し出す場合に、挿入孔の孔縁によって専用治具の先端部が第1障害部材の残存部分側の破断面からズレることなく該残存部分を押し出し易くすることができ、破断した第1障害部材の残存部分を遊技部材の背面側から抜き易くすることができる。また、破断した第1障害部材の残存部分が遊技部材の板面より突出した状態の場合、専用治具の先端部が該残存部分の破断面からズレることで遊技部材の表面と接触して該表面を破損してしまうおそれがあるが、残存部分の破断面を挿入孔の内部に形成され易くすることで、専用治具の先端部による遊技部材の表面の破損を抑制することができる。その結果、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記遊技部材に取り付けられた第2障害部材(例えば、普通釘200、風車71、役物等)、を備え、
前記第2障害部材は、
前記遊技部材に固定される第2障害部材固定部(例えば、普通ネジ部205、風車71の釘部、役物の取付側)と、
該第2障害部材固定部を前記遊技部材に取り付けた場合に、片持ち梁状の該第2障害部材の自由端側に位置する第2障害部材自由端部(例えば、普通頭部201、風車71の回転板、役物の先端部等)と、
該第2障害部材自由端部より固定端側に位置する第2障害部材胴部(例えば、普通軸部202、風車71の案内板、役物の胴体等)と、を備え、
前記遊技領域を流下する遊技球は、
前記第2障害部材の前記第2障害部材自由端部および前記第2障害部材胴部のいずれにも接触し得る
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2障害部材が、遊技部材に取り付けられる。そして、第2障害部材に設けられた第2障害部材固定部が遊技部材に固定され、第2障害部材固定部を遊技部材に取り付けた場合に、同じく第2障害部材に設けられた第2障害部材自由端部が、片持ち梁状の第2障害部材の自由端側に位置し、同じく第2障害部材に設けられた第2障害部材胴部が、第2障害部材自由端部より固定端側に位置する。ここで、遊技領域を流下する遊技球が、第2障害部材の第2障害部材自由端部および第2障害部材胴部のいずれにも接触し得るように構成される。即ち、第2障害部材と衝突する遊技球は、第2障害部材の第2障害部材自由端部および第2障害部材胴部とそれぞれ衝突し得て、その跳ね返り方向が分散され易くなる。よって、遊技球を分散させたい部位には第2障害部材を取り付けることで、メリハリのあるゲージ性能を有しつつ、その他の部位に第1障害部材を取り付け、該第1障害部材を破損し難く構成することで、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機E2において、
前記第1障害部材固定部および前記第2障害部材固定部は、
同一形状に形成される
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1障害部材固定部と第2障害部材固定部とが同一形状に形成される。これにより、第1障害部材および第2障害部材を遊技部材に取り付ける場合に、遊技部材に第1障害部材および第2障害部材を挿入し易くするための挿入孔の孔形状を同一にすることが可能となる。よって、複数種類の障害部材を遊技部材に対して取付ける場合であっても、遊技部材における挿入孔生成時における工程を簡略化することができ、遊技部材の製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機E0からE3のいずれかにおいて、
前記第1障害部材自由端部は、
前記遊技部材の非表面側が球面形状に形成される
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E0からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1障害部材自由端部が、遊技部材の非表面側が球面形状に形成される。これにより、例えば、不正等によって第1障害部材の取付角度が変更されてしまった場合であっても、球面形状に形成された第1障害部材自由端部をハンマー等で叩くことで、第1障害部材胴部全体にハンマー等の衝撃を伝達させ易く構成し、該ハンマー等の衝撃に対して第1障害部材胴部全体の取付角度を変更させることができる。よって、ハンマー等によって第1障害部材の取付角度を調整する場合に、第1障害部材胴部又は第1障害部材自由端部の一部分のみが変更されてしまう事態を抑制し、第1障害部材の取付角度を修正し易くすることができる、という効果がある。
遊技機E0からE4のいずれかにおいて、
前記第1障害部材自由端部は、
前記遊技部材に前記第1障害部材が取り付けられた場合に、前記遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E0からE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材に第1障害部材が取り付けられた場合に、第1障害部材自由端部が、遊技領域を流下する遊技球と接触しない大きさに形成される。これにより、第1障害部材の第1障害豊山自由端部と遊技球が衝突せず、第1障害部材に関しては第1障害部材胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、第1障害部材に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第1障害部材自由端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、第1障害部材胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機E5において、
前記第1障害部材自由端部は、
前記第1障害部材胴部の外縁から外方向に突出し、該第1障害部材胴部から最も離間した位置に形成された第1先端部(例えば、ミニヘッド傘先端部301a2)、を有し、
前記第1先端部は、
前記遊技球が前記透明部材および前記第1障害部材胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記第1障害部材胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1障害部材自由端部に設けられた第1先端部が、第1障害部材胴部の外縁から外方向に突出し、該第1障害部材胴部から最も離間した位置に形成される。そして、その第1先端部が、遊技球が透明部材および第1障害部材胴部とともに当接している状態において、透明部材と第1障害部材胴部とで形成される空間に収まる大きさに形成される。これにより、第1障害部材の第1先端部と遊技球が衝突せず、第1障害部材に関しては第1障害部材胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、第1障害部材に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第1先端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、第1障害部材胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機E5又はE6において、
前記第1障害部材自由端部は、
前記第1障害部材が前記遊技部材に取り付けられた場合に、前記遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、
前記高さ幅は、
前記遊技球が前記透明部材および前記第1障害部材胴部と共に当接している状態において、前記透明部材と前記第1障害部材胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1障害部材が遊技部材に取り付けられた場合に、第1障害部材自由端部が、遊技部材の厚み方向に所定の高さ幅を有するように形成され、その高さ幅が、遊技球が透明部材および第1障害部材胴部とともに当接している状態において、透明部材と第1障害部材胴部とで形成される空間に収まる幅に形成される。これにより、第1障害部材の第1障害部材自由端部が遊技球と衝突せず、第1障害部材に関しては第1障害部材胴部とのみ遊技球が衝突することとなる。よって、第1障害部材に対する遊技球の跳ね返り方向に関し、第1障害部材自由端部との衝突による跳ね返りを考慮する必要がなく、第1障害部材胴部との衝突による跳ね返りのみを考慮することで遊技球の跳ね返り方向を予測し易くすることができる。従って、遊技球の挙動を所望のものに安定させられなくなる事象(所謂、スランプ)を発生し難くして、遊技部材の構造を好適にすることができる、という効果がある。
遊技機E0からE7のいずれかにおいて、
前記遊技部材の遊技機背面側に、遊技結果を示唆可能な演出装置(例えば、可動役物)、を備え、
前記遊技部材は、
透光性を有し、前記演出装置を視認可能に構成される
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E0からE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技部材の遊技機背面側に設けられた演出装置により、遊技結果を示唆可能に構成され、透光性を有する遊技部材により、演出装置が視認可能に構成される。ここで、第1障害部材の第1障害部材自由端部が遊技機正面視の形状が大きい場合、遊技部材の背面側に設けられた演出装置の視認性が減退する。そこで、第1障害部材自由端部の大きさ(直径)が大きい従来の障害部材を取り付ける場合より、本発明の第1障害部材を取り付けることで、遊技部材の背面側の視認性が向上することで、従来より演出装置の視認性を向上することができる、という効果がある。
<F群:ステージワープ口から飛び出た球が弾かれ難い盤面構成>
従来より、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機等の遊技機では、遊技者が操作可能な位置に設けられた発射装置を操作することで、透明部材と遊技部材等とによって形成された遊技領域に対して遊技球を発射し、該遊技領域を流下する遊技球が、該遊技領域に設けられた所定の入球手段に入球することで遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている。
このような遊技機では、遊技部材表面に多数の遊技釘が植設されており、遊技領域を流下する遊技球と上記遊技釘とを衝突させて該遊技球の流下方向を適宜分散させることで、遊技球が上記入球手段に入球するか否かが異なるように構成されている。このように構成することで、遊技結果に変化を与えて、遊技の興趣向上を図っている(例えば、特許文献1(特開2018−145387号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、入球手段に入球しそうな遊技球が他の遊技球によって弾かれてしまった場合、遊技者が興醒めしてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技釘(例えば、ミニヘッド釘300)が植設された遊技部材(例えば、遊技盤13)を有するベース部(例えば、内枠12)と、
前記遊技部材の前面側を視認可能な透明部材(例えば、ガラスユニット16)を有する前部(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記ベース部と前記前部とが閉止された場合に、前記遊技部材と前記透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能な遊技機において、
前記遊技領域に設けられて遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
該入球手段より前記遊技領域の上流側に設けられて、遊技球を転動可能な転動手段(例えば、ステージ)と、
該転動手段を転動した遊技球を所定の排出部から排出して、前記入球手段へ導出させる導出手段(例えば、ワープ口)と、を備え、
前記遊技釘は、
少なくとも、前記排出部より前記遊技領域の下流側であって、前記入球手段より前記遊技領域の上流側に植設され、
前記排出部下端から前記遊技釘までの距離(例えば、表示フランジ部80a+ミニヘッド釘300の傾斜を考慮したミニヘッド頭部301の突出量)は、
遊技球の直径未満に形成される
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、ベース部が、遊技釘が植設された遊技部材を有し、前部が、遊技部材の前面側を視認可能な透明部材を有し、ベース部と前部とが閉止された場合に、遊技部材と透明部材とで形成される遊技領域を遊技球が流下可能に構成される。ここで、遊技領域に設けられた入球手段に遊技球が入球可能に構成され、その入球手段より遊技領域の上流側に設けられた転動手段により、遊技球が転動可能に構成される。そして、導出手段により、転動手段を転動した遊技球が所定の排出部から排出されて、入球手段へ導出される。ここで、遊技釘が、少なくとも、排出部より遊技領域の下流側であって、入球手段より遊技領域の上流側に植設され、排出部下端から遊技釘までの距離が、遊技球の直径未満に形成される。これにより、排出部から排出された遊技球が、入球手段の遊技領域上流側に植設された遊技球に到達するまでに、遊技領域を流下する他の遊技球によって弾かれて入球手段に入球しないといった事態を抑制することができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A11のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B10,C0〜C10,D0〜D9,E0〜E8,F0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機B0〜B10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A11,C0〜C10,D0〜D9,E0〜E8,F0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機C0〜C10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A11,B0〜B10,D0〜D9,E0〜E8,F0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機D0〜D9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A11,B0〜B10,C0〜C10,E0〜E8,F0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機E0〜E8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A11,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D9,F0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機F0のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A11,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D9,E0〜E8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA11、B0からB10、C0からC10、D0からD9、E0からE8、F0のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機X1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA11、B0からB10、C0からC10、D0からD9、E0からE8、F0のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機X2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA11、B0からB10、C0からC10、D0からD9、E0からE8、F0のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機X3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。