JP2020074860A - 内部構造推定装置、方法、及び、プログラム - Google Patents

内部構造推定装置、方法、及び、プログラム Download PDF

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知里 村上
泰昌 金田
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泰昌 金田
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Abstract

【課題】 生体の内部構造を推定する技術を提供することにある。【解決手段】 無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースと、台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付ける受付部と、前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせするマッピング部と、前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定する推定部と、前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力する出力部を、備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、生体の内部構造を推定する技術に関する。
複数の圧力検出器をマトリックス上に配設した多点型接触圧センサ(以下単に「接触圧センサ」という)を用いて、人体の状態を推定する技術が開発されている。例えば、接触圧センサの上に人間を寝かせ、この接触圧センサの出力値から人体の状態を推定している。
特許文献1は、寝具の表面に置いた接触圧センサの上に人間を寝かせ、接触圧センサの出力値に基づいて寝具使用者の姿勢(仰臥位、背臥位、側臥位、座位等)を判定する技術を開示している。
また、特許文献2は、台座の上に置いた接触圧センサの上に人間を寝かせ、接触圧センサからの圧力分布、及び、人体の弾性組織のばね定数を用い、対象部位の変形量を算出することで接触表面の三次元形状を作成する技術を開示している。
特許第5655176号公報 特開2015−217202号公報
しかしながら、特許文献1は皮膚表面から骨表面までの生体の軟部組織の厚み等を推定することができない。また、特許文献2は、台座側接触表面の外部状態を推定することはできるが、やはり軟部組織の厚み等を推定することができない。すなわち、特許文献1及び2では、生体の内部構造を推定することができない。
本発明は、このような課題に着目して鋭意研究され完成されたものであり、その目的は、生体の内部構造を推定する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースと、台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付ける受付部と、前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせするマッピング部と、前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定する推定部と、前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力する出力部を、備える内部構造推定装置である。
他の本発明は、無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースから、前記三次元モデルを取得し、台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付け、前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせし、前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定し、前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力する内部構造推定方法である。
他の本発明は、無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースから、前記三次元モデルを取得するステップと、台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付けるステップと、前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせするステップと、前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定するステップと、前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力するステップと、を備える内部構造推定プログラムである。
本発明によれば、生体の内部構造を推定する技術を提供する技術を提供することができる。
本発明の実施形態に係る生体の内部構造推定装置の全体概略図である。 本発明の実施形態に係るマッピング処理のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る座標定義及び特徴点を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る座位時の三次元モデル及び圧力分布の概略図である。 本発明の実施形態に係る骨盤周辺の骨形状の三次元モデルの斜視図である。 本発明の実施形態に係る座位時の皮膚表面形状のモデル図である。 本発明の実施形態に係る軟部組織のモデルを説明するための図である。 本発明の実施形態に係る内部構造推定結果を説明するための図である。 実施例2に係る組織厚み推定処理のフローチャートである。 実施例3に係る軟部組織のモデルを説明するための図である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
(生体の内部構造推定装置)
図1は、本発明の実施形態に係る生体の内部構造推定装置の全体概略図である。生体の内部構造推定装置(以下単に「内部構造推定装置」という)100は、接触圧センサ200が測定した生体の圧力分布から生体の内部構造を推定する装置である。ここで、生体とは、被験者のことであり、生体の内部構造を推定される人である。内部構造とは、力学特性(例えば、縦弾性率)が異なる層間の距離情報をいい、例えば、接触圧センサ200に接触している(あるいは面している)皮膚表面(あるいは衣服表面)から骨表面までの距離をいう。
内部構造推定装置100は、接触圧センサ200の出力データを解析するソフトウェア(内部構造推定プログラム)として構成することが可能である。内部構造推定プログラムをパーソナルコンピュータにインストールすることにより、内部構造推定装置100は実行可能な状態になる。
接触圧センサ200は、複数の圧力検出器(セル)をマトリックス(xy平面)上に配設した多点型接触圧センサである。接触圧センサ200は台座の上に配置されている。被験者が接触圧センサ200の上に座る、又は、寝ることによって、接触圧センサ200は二次元座標上での被験者の圧力分布データを取得することが可能になる。圧力分布データは、各セルの二次元座標(xy平面座標)及び圧力データを備える。なお、圧力分布の測定において、衣服はしわ等が発生しない種類が好ましい。
圧力分布データは、接触圧センサ200に接続されたUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの通信インターフェースを介して、内部構造推定プログラムがインストールされているパーソナルコンピュータのUSB端子などに入力される。このUSB端子などが内部構造推定装置100の受付部310に相当する。
入力部300は、パーソナルコンピュータのキーボード等の入力装置である。内部構造推定装置100の利用者は、被験者の姿勢条件を入力部300から入力することが可能である。例えば、被験者が座っている場合、座位と入力し、被験者が寝ている場合、単に臥位、又は仰臥位、背臥位、側臥位など詳細に入力することが可能である。
接触圧センサ200の大きさは、座位の状態の圧力を測る場合、台座は椅子であり、その椅子の座面程度の大きさであればよい。臥位の状態の圧力を測る場合、台座は寝具であり、接触圧センサ200は、寝具ほどの大きさであればよい。
内部構造推定装置100は、接触圧センサ200からの圧力分布データの平面座標情報と、人体の三次元座標データの平面座標情報を位置合わせするマッピング処理部110と、人体の内部組織厚みを推定する組織厚み推定部120と、推定した組織厚みをパーソナルコンピュータのディスプレイに表示するための出力処理部130と、座位、臥位などの様々な姿勢における人体の三次元モデルを格納するデータベース140を備える。
人体の三次元モデルは、無負荷状態での人体の形状を性別に分けて、三次元座標(xyz空間座標)で表される三次元データとして構成されている。また、三次元モデルは、骨形状の三次元データと、皮膚表面形状の三次元データに分かれている。なお、皮膚表面形状は衣服表面形状であってもよい。
三次元モデルは、STL(Standard Triangulated Language)データ等の三次元データ処理において汎用的な形式を取る。組織厚み推定部120では、三次元モデルを点群データとして取り扱う。
三次元モデルは、男性及び女性それぞれの標準的な体型データから、男性用及び女性用の三次元モデルを構築してもよい。また、CT(Computed Tomography)スキャンなどによる測定データから三次元モデルを構築してもよい。
内部構造推定装置100は、データベース140に格納されている人体の三次元モデルを修正するためのモデル修正部150を備えていてもよい。モデル修正部150は、入力部300から入力された身長や体重などのデータに基づいて、人体の三次元モデルを修正することが可能になる。ただし、被験者の身長や体重などが人体の三次元モデルに近い場合は修正しなくてもよい。モデル修正部150は、本実施形態に必須の構成要素ではない。
内部構造推定装置100を構成するマッピング処理部110、組織厚み推定部120、出力処理部130、データベース140、及び、モデル修正部150は、プログラムとして構成されており、パーソナルコンピュータにインストールすることにより、内部構造推定装置100は実行可能な状態になる。
また、内部構造推定装置100は、パーソナルコンピュータと有線又は無線の通信回線(インターネット回線など)に接続された専用サーバに、本実施形態に係る内部構造推定プログラムとして実装されていても良いし、いわゆるクラウドサービスを利用して実装されていてもよい。あるいは、データベース140などの一部が専用サーバやクラウドサービスに実装されていてもよい。
具体的には、内部構造推定装置100は、ウェブブラウザを起動しているパーソナルコンピュータであって、本実施形態に係る内部構造推定システムに関するウェブサイト画面を表示し、姿勢条件等に関する情報を入力し、推定された組織厚み等をウェブサイト画面に表示することによって実現可能である。また、本発明の実施形態に係る内部構造推定システム専用のコンピュータであってもよい。
(マッピング処理部)
図2はマッピング処理部110のフローチャートである。入力部300は、内部構造推定装置100の利用者が入力した被験者の姿勢条件をマッピング処理部110及びデータベース140へ送る(S100)。また、マッピング処理部110は、接触圧センサ200から受付部310を介して被験者の圧力分布データを受取る(S110)。S100とS110の処理は同時に行ってもよいし、前後してもよい。
マッピング処理部S110は、被験者の姿勢条件及び圧力分布データを受取った後に、特徴点を抽出する(S120)。図3は、本実施形態に係る座標定義及び特徴点を説明するための図である。
接触圧センサ200を構成するセルはマトリックス(xy平面)上に配設されている。被験者の圧力分布データは、各セルの二次元座標(xy平面座標)と、各座標点での圧力データで表されている。
一般的に、人体の圧力分布における高圧力値を持つセルは、三次元モデルにおける骨突出部に相当する傾向がある。そこで、高圧力値を持つセルをマッピングの手がかり(又は基準)となるセルとして圧力分布データから抽出し、抽出されたセルの二次元座標を特徴点に設定する(S120)。被験者の姿勢条件が座位の場合、左右の坐骨(2つ)と、1つの尾骨の計3つに相当するセルを抽出し、3つのセルの二次元座標を特徴点として設定する。
軟部組織の硬さによっては特徴点の抽出が困難な場合があり、閾値以上の圧力値を持つセルを領域として取り出し、重心計算等の手法で特徴点を抽出する。特徴点抽出方法は圧力分布の重心計算法やクラスタ分析法等を用いてよい。
次に、被験者が男性であり、姿勢条件が座位の場合、データベース140から男性かつ座位の三次元モデルが選択され、マッピング処理部110へ送られる(S130)。被験者の姿勢条件が座位の場合、三次元モデルにおける骨突出部は、左右の坐骨(2つ)と、1つの尾骨になる。
マッピング処理部110は、S120で特徴点に設定された3つのセルを、姿勢条件が座位である三次元モデルの骨突出部(2つの坐骨及び1つの尾骨)のxy座標に位置合わせする(S160)。すなわち、マッピング処理部110では、入力された姿勢条件に対応した三次元モデルの骨突出部と、抽出された特徴点が、内部構造推定プログラムによって自動的に位置合わせされる。また、内部構造推定プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータのディスプレイ上に位置合わせ結果が表示される。この位置合わせ(座位においては2つの坐骨及び1つの尾骨)によって、図3に示す通り、圧力分布の他の任意点が三次元モデルの他の推定点と位置合わせすることができる。
また、複数の特徴点の相対的な位置とその圧力値から皮膚表面の接触平面を定義し、この平面と平行関係を保つように三次元モデルの骨突出部の位置を決定するようにしてもよい。
図4は、本実施形態に係る座位時の三次元モデル及び圧力分布の概略図である。座位時の圧力分布には濃淡があるため、利用者は、圧力分布の最も高い2つのセルと左右の坐骨を位置合わせし、次に高い1つのセルと尾骨(仙骨の下部)を位置合わせすることができる。
実際の三次元モデルは、骨形状の三次元モデルと、皮膚表面形状の三次元モデルに分かれている。図5は、本実施形態に係る骨盤周辺の骨形状の三次元モデルの斜視図である。三次元モデルは点群データとして取り扱うことができ、骨形状を三次元座標で表すことが可能である。ここで、全ての点群が組織厚み推定部120で利用されるわけではない。
組織厚みを推定する際には、三次元モデルの点群データに対し、接触圧センサ200のセンサ間隔に応じてダウンサンプリングを行う。ダウンサンプリングは、位置合わせの前後どちらに行っても良いが、位置合わせの前にダウンサンプリングを行う方が三次元モデルを扱いやすくなり好ましい。そして、点群データのうち、接触圧センサ200を構成するセルの中から特徴点として抽出された複数のセルにより位置合わせが行われる。
図6は、本実施形態に係る座位時の臀部から太もも裏面にかけての皮膚表面形状のモデル図である。このモデルは、皮膚表面形状を三次元モデル化したものである。人体内部から見た図であり、皮膚表面の厚さ方向(皮膚表面の法線方向)は一層でモデル化しているため、皮膚表面の厚さは省略して図示している。
図5の骨形状の三次元モデル及び図6の皮膚表面形状の三次元モデルは実際にディスプレイに表示する際にはカラーで表示されるため、利用者は、S160で位置合わせされた三次元モデルの特徴点(座位においては2つの坐骨及び1つの尾骨)をディスプレイ上で見ることができる。
(体型が変わる場合)
三次元モデルは、骨形状の三次元データと、皮膚表面形状の三次元データに分けて構成されている。このため、被験者の体格データに応じて三次元モデルを修正することが可能である。
利用者は被験者の性別、身長、体重及びBMI(Body Mass Index)などの情報を体格データとして入力部300に入力する(S140)。モデル修正部150は被験者の体格データを入力部300から受け取り、また、男性かつ座位の三次元モデルをデータベース130から受け取る。モデル修正部150は、被験者の体格データに基づいて、三次元モデルの骨形状の三次元データ及び骨形状の三次元データを修正する(S150)。
例えば、被験者が3次元モデルよりも太っている場合、モデル修正部150は骨形状と皮膚表面形状の間の軟部組織の厚みが厚いと判断する。そして、皮膚表面形状の三次元データの座標点を骨形状の三次元データから離れるように動かすことによって、三次元モデルを修正することが可能になる。なお、モデル修正部150は、他の三次元データ処理ソフトウェアを用いて修正してもよい。
(組織厚み推定部)
次に、組織厚み推定部120が、皮膚表面から骨表面までの軟部組織の厚みを推定する方法について説明する。人体の内部構造は、骨形状と、皮膚表面と、軟部組織でモデル化することが可能である。図7は、本実施形態に係る軟部組織のモデルを説明するための図である。同図(a)は軟部組織を一層と仮定した場合のモデルである。同図(b)は皮膚表面が変形する前後をモデル化している。
同図(a)は、圧力分布の1セルの大きさの皮膚表面から骨表面までの間に、セルの法線方向に軟部組織が一層含まれていると仮定した場合のモデルである。同図(b)圧力分布の1セルに圧力Pが加わった場合の皮膚表面の変形を表している。変形前の皮膚表面から骨表面までの厚さをL0とし、変形後の皮膚表面から骨表面までの厚さをLとし、変形分の厚み(変形量)をΔLで表す。
変形量ΔLをセル毎に求めることによって、変形後の軟部組織の厚みLを推定することが可能になる。例えば、姿勢条件が座位の場合、変形後の臀部の軟部組織の厚みLを推定することが可能になる。以下では、変形後の軟部組織の厚みLを推定する2つの実施例を説明する。
(実施例1:数式モデルfを使用し、各セルの圧力Pから変形後の組織厚みLを推定)
セル法線方向における縦弾性率Eは式(1)から求めることができる。ここで、Fは力、Aは1つのセルの断面積、εは軟部組織のひずみを表す。F/Aは圧力であり、Pで表せる。
Figure 2020074860
人体におけるひずみεは解剖学的に求めることが可能である。また、ひずみεは、変形前の距離L0と変形量ΔLによって定義される物理量であり、変形量ΔLは変形後の距離Lによって式(2)のように定義される。
Figure 2020074860
式(1)に式(2)を適用すると、式(3)が得られる。
Figure 2020074860
それゆえ、補正項θを用いた数式モデルfを用いると、変形量ΔLの推定値は式(4)で求められる。ここで、ハットの記号は推定値であることを意味している。すなわち、各セルの変形量ΔLの推定値は、各セルの圧力P及び変形前の距離L0の関数として求めることができる。
Figure 2020074860
そして、全てのセルの変形後の組織厚みLの推定値は式(5)により求められる。
Figure 2020074860
出力処理部130は全てのセルの変形後の組織厚みLの推定値を組織厚み推定部120から受け取る。出力処理部130は、各セルの推定値を、数値データや、より可視的な三次元情報として、内部構造推定プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータのディスプレイ上に出力表示する。
図8は、本実施形態に係る内部構造推定結果を説明するための図である。ここでは、接触センサ200上に皮膚表面の形状及び骨の形状を表示し、さらに、変形後の組織厚みLのセル毎の推定値を表示している。このような表示を利用者が見ることによって、姿勢条件が座位の場合、尾骨は坐骨の次に圧力が高いが、三次元モデルを使って変形後の組織厚みLを推定すると、尾骨下部の内部組織は坐骨下部の内部組織より厚いことが分かる。
(効果)
実施例1によれば、人体の三次元モデルを用いることによって、被験者の姿勢状態に応じた二次元座標上での圧力分布データから、被験者の姿勢状態における内部構造を推定できる。すなわち、各セルの変形後の組織厚みLを推定し、推定した内部構造を三次元モデルによって可視的な三次元情報として表示することができる。
内部構造推定装置の利用者は、椅子の上の接触圧センサと被験者との間に置く補助クッションの位置に応じて、被験者の内部構造が変わることを視覚的に確認できる。また、姿勢条件が臥位であれば、ベッドの上の接触圧センサと被験者との間に置く補助枕や補助クッションの配置に応じて、被験者の内部構造の変化を視覚的に確認することができる。
また、軟部組織を一層と仮定することによって、変形量ΔLの推定値の計算負荷や計算時間が小さくなり、加えて、数式モデルを一つしか用いない、いわゆる一段推定であるため、推定誤差を小さくすることが可能である。
(実施例2:縦弾性率Eを媒介変数として、複数の数式モデルから各セルの圧力Pから変形後の組織厚みLを推定)
図9は、実施例2に係る組織厚み推定処理のフローチャートである。実施例2では、全てのセルについて、縦弾性率Eの推定(S210)と変形後の組織厚みLの推定(S220)の二段推定を行う。
縦弾性率Eの推定(S210)では、圧力値Pを用いてセルの法線方向における縦弾性率Eを推定する。次に、変形後の組織厚みLの推定(S220)では、圧力値P、三次元モデルの位置情報、及び、推定された縦弾性率Eから、組織厚みの変形量ΔLを推定し、変形前の皮膚表面から骨表面までの厚さL0と組織厚みの変形量ΔLの差分である変形後の組織厚みLを推定する。
まず、1セル毎に圧力値Pを読み込む(S200)。次に、セル面積Sと圧力値Pに対するセル法線方向の縦弾性率Eを式(6)より推定する。ここで、Pは任意セルの圧力値であり、θEは縦弾性率Eと圧力値Pを結び付ける関数(数式モデル)fEのパラメータである。
Figure 2020074860
関数fEの構造とパラメータθEは事前に設定され、これらを解く手法に限定はない。ただし、人間の縦弾性率Eは非線形性を持つことが一般的に知られているため、非線形モデル関数を選択することが好ましい。
変形後の組織厚みLの推定(S220)では、まず、座位、臥位などの体位により身体へ力がかかり組織が変形する前の状態(データベース140に格納されている三次元モデルの状態)からの変形量ΔLを推定する。変形量ΔLは、S210で推定された縦弾性率Eを媒介変数として、式(7)から推定される。ここで、Pは同様に任意セルの圧力値であり、L0は、体位により身体へ力がかかり組織が変形する前の状態におけるセル法線方向の組織厚みであり、三次元モデルの座標値(骨形状の三次元座標値及び皮膚表面形状の三次元座標値)から算出される値である。θLは変形量ΔLとこれらの変数を結びつける関数(数式モデル)fLのパラメータである。
Figure 2020074860
関数fLの構造とパラメータθLは事前に設定される。さらに、式(5)の差分を取ることで、組織の厚みLの推定値を算出できる。Lの推定値は座位、臥位などの体位により身体へ力がかかり組織が変形した後の状態におけるセル法線方向の組織厚みの推定値である。
(効果)
実施例2によれば、実施例1と同様、各セルの変形後の組織厚みLを推定することができる。また、軟部組織を二層以上(例えば、脂肪層や筋層)でモデル化する場合、実施例1のひずみεと同様に解剖学的には、脂肪層のひずみ、筋層のひずみを求めることができるが、非侵襲的には取得することができない。そこで、縦弾性率EをE=(E脂肪層、E筋層)等のようにベクトル化し、軟部組織の多層化への拡張が可能である。
(実施例3:軟部組織を二層以上でモデル化する場合)
図10は、本実施形態に係る軟部組織を三層でモデル化した場合を説明するための図である。圧力分布の1セルの大きさの皮膚表面から骨表面までの間に、セルの法線方向に軟部組織が三層含まれていると仮定した場合のモデルである。皮膚表面から骨表面に向けて、皮膚表層、脂肪層、筋層を設け、各層の縦弾性率をE皮膚表層、E脂肪層、E筋層と設定する。
これらの縦弾性率の値は反復計算等で求めてもよい。この場合、実験値や文献値を信頼性の指標として利用することが可能である。あるいは、代入してもよい。
(効果)
実施例3によれば、実施例2と同様、各セルの変形後の組織厚みLを推定することができる。さらに、変形後の各層の厚み、すなわち、L皮膚表層、L脂肪層、L筋層を独立して推定することができる。
以上、本発明の実施例(変形例を含む)について説明してきたが、これらのうち、2つ以上の実施例を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施例を部分的に実施しても構わない。さらには、これらのうち、2つ以上の実施例を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
また、本発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
生体の内部構造を推定する技術は、被験体は人間だけでなく、犬や猫などの他の生体にも適用することが可能である。
100 生体の内部構造推定装置
200 接触圧センサ
300 入力部

Claims (9)

  1. 無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースと、
    台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付ける受付部と、
    前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせするマッピング部と、
    前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定する推定部と、
    前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力する出力部を、
    備える内部構造推定装置。
  2. 前記マッピング部は、前記圧力分布データの平面座標のうち、圧力の高い前記セルを特徴点として抽出し、前記三次元モデルの空間座標のうち、骨突出部の平面座標と、前記特徴点の平面座標を位置合わせする請求項1に記載の内部構造推定装置。
  3. 前記推定部は、前記複数のセルの圧力データから、前記生体の軟部組織が変形した後の厚みを推定する請求項1に記載の内部構造推定装置。
  4. 前記推定部は、前記力学特性として、縦弾性率を用いる請求項1に記載の内部構造推定装置。
  5. 前記推定部は、前記軟部組織を複層に分け、各層の力学特性を設定する請求項1に記載の内部構造推定装置。
  6. 前記データベースは、少なくとも座位及び臥位の姿勢条件での前記三次元モデルを格納する請求項1に記載の内部構造推定装置。
  7. 被験者の体格データに応じて、前記無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標の座標点を動かすことによって、前記三次元モデルを修正するモデル修正部をさらに備える請求項1に記載の内部構造推定装置。
  8. 無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースから、前記三次元モデルを取得し、
    台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付け、
    前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせし、
    前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定し、
    前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力する内部構造推定方法。
  9. 無負荷状態での生体の骨の形状及び皮膚表面の形状の空間座標に関する三次元モデルを格納するデータベースから、前記三次元モデルを取得するステップと、
    台座と生体との間に配置され、複数のセルを有する接触圧センサから、前記複数のセルの平面座標及び圧力データを備える圧力分布データの入力を受付けるステップと、
    前記圧力分布データの平面座標と、前記三次元モデルの空間座標のうち、前記圧力分布データの平面座標に相当する座標を位置合わせするステップと、
    前記骨及び前記皮膚表面と力学特性が異なる、前記皮膚表面から前記骨の表面までの距離情報を、前記生体の軟部組織の厚みとして推定するステップと、
    前記皮膚表面の形状、前記生体の軟部組織の厚み、及び、前記骨の形状を前記生体の内部構造として出力するステップと、
    を備える内部構造推定プログラム。

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