JP2020074734A - ガス放出装置とその放出方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】害獣及び不審者を含むターゲットに対し低コストで効果的な威嚇を可能にする。【解決手段】ガス放出ユニット1を、筐体11内で、誘引物質を含むガスおよび威嚇物質を含むガスを超音波噴霧器161〜163により発生させて滞留させ、しかる後上記滞留したガスを送風ファン19により筐体11外へ短時間に強制的に放出するように構成する。また制御ユニット2において、赤外線カメラ30から出力された画像データからターゲット5となる動物が検出された場合に、ターゲット5の方位および距離を求める。そして、ターゲット5までの距離に応じて誘引物質と威嚇物質のいずれかを選択し、選択された物質を含むガスをガス放出ユニット1に発生させ、放出させるように制御する。【選択図】図2
Description
この発明は、例えば鳥獣害対策に用いる、ガス放出装置とその放出方法およびプログラムに関する。
従来、鳥獣害対策として、例えば、設置型忌避剤を用いるものや、威嚇のための警告を発生するもの、さらには電気柵を用いるものが知られている。このうち先ず設置型忌避剤を用いるものは、例えば保護対象領域にカプサイシンや大型肉食動物の体液の匂い成分を含む忌避剤を散布する装置を設置するか、または上記忌避剤を含浸した物体を設置するものである。一方、威嚇のための警告を発生するものは、例えば光の点灯や点滅、警告音の鳴動等を用いて警告を発するものであり、また電気柵を用いるものは、例えば保護対象領域の周辺に通電した金属柵を設置して害獣に電気ショックを与えるものである(例えば、非特許文献1、2、3または4を参照)。
Adrian Schlageter,Daniel Haag-Wackernagel,"Evaluation of an odor repellent for protecting crops",Journal of pest science 85.2 (2012): 209-215.
栗原詩織 外、「忌避成分を利用した野生害獣被害対策の研究」、法政大学大学院デザイン工学研究科紀要、Vol.4(2015年3月)
「イノシシ被害対策の進め方」、農林水産省生産局農産部農業環境対策課鳥獣災害対策室対策手法確立協議会、pp. 34-41、[2017年4月25日検索]、インターネット<URL: http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual2.html>
「野生イノシシに対する忌避資材の効果」、和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構ウェブサイト、[2017年4月25日検索]、インターネット<URL: https://www.naro.affrc.go.jp/org/warc/research_results/h21/02_kankyo/p93/27_228.html>
ところが、設置型忌避剤を用いるものは、風速や風向きの影響を強く受けるため、薬剤の到達範囲が比較的狭い範囲に限定されてしまう。そのため、広範囲まで到達させるためには多数の忌避剤の設置が必要となり、設置コストや管理コストの増加を招く。
一方、威嚇のための警告を発生するものは、一般に威嚇のための刺激手段である発光・点滅、鳴動動作が単独動作であり、動作自体が固定されていて変化がない。このため、害獣が時間経過とともに威嚇刺激に馴れてしまい、威嚇効果を維持できない。
電気柵を用いるものは、害獣の侵入を防ぐために広範囲に電気柵を設置する必要があるため、設置コストが非常に高くなる。また、雑草が電気柵に触れると漏電して電気刺激を発しなくなることがあるため、除草作業等の定期的なメンテナンスが必要となり、管理コストも高くなる。さらに、害獣以外の人であっても接触すると電気刺激を発してしまうため、人への安全性の確保が課題となる。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その主たる目的は、害獣および不審者を含むターゲットに対し、低コストで効果的な刺激を可能にする技術を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、害獣および不審者を含むターゲットに対し所定の影響を与える物質を含む少なくとも1種類のガスを発生するガス発生部と、発生された前記ガスを収容し保持するガス収容部と、前記ガス収容部に設けられたガス放出部と、前記ガス発生部および前記ガス放出部の動作を制御する制御部とを具備する。そして、前記制御部には、前記ターゲットの検出結果に応じ、前記ガス発生部により前記ガスを発生させて前記ガス収容部に収容保持させるガス発生制御手段と、前記ガス収容部に前記ガスが収容保持された後に、前記ガス放出部を制御して前記ガス収容部から前記ガスを強制的に放出させるガス放出制御手段とを備えるようにしたものである。
この発明の第2の態様は、前記制御部に、前記ターゲットの検出結果に基づいて前記ガス放出部から前記ターゲットまでの距離を表す情報を取得する距離情報取得手段をさらに備える。そして、前記制御部のガス発生制御手段により、取得された前記距離を表す情報に応じて、前記ガス発生部により発生するガスの種類および濃度の少なくとも一方を制御するようにしたものである。
この発明の第3の態様は、前記ガス発生部に、前記ターゲットに対する誘引効果を有する物質を含む第1のガスと、前記ターゲットに対する威嚇効果を有する物質を含む第2のガスとを選択的に発生する機能を設ける。そして、前記制御部のガス発生制御手段により、取得された前記距離を表す情報に基づいて、当該距離が第1の閾値以上でかつ第2の閾値未満の場合に前記ガス発生部により前記第1のガスを発生させ、前記距離が第1の閾値未満の場合に前記ガス発生部により前記第2のガスを発生させるようにしたものである。
この発明の第4の態様は、前記制御部のガス発生制御手段により、取得された前記距離を表す情報に基づいて、当該距離が遠くなるに従い前記ガスの濃度が高くなるように前記ガスにおける前記物質の含有量を制御するようにしたものである。
この発明の第5の態様は、前記制御部に、前記ガス放出部を含む所定範囲における環境条件を表す情報を取得する環境条件取得手段をさらに備える。そして、前記制御部のガス発生制御手段により、取得された前記環境条件を表す情報に基づいて、前記ガス発生部により発生するガスの濃度を制御するようにしたものである。
この発明の第6の態様は、前記環境条件取得手段により、前記環境条件を表す情報として、前記ガス放出部を含む所定範囲における風速の検出結果を表す情報を取得する。そして、前記制御部のガス発生制御手段により、取得された前記風速の検出結果を表す情報に基づいて、当該風速に応じて前記ガスにおける前記物質の含有量を制御するようにしたものである。
この発明の第7の態様は、前記環境条件取得手段により、前記環境条件を表す情報として、前記ガス放出部を含む所定範囲における風向きの検出結果を表す情報を取得する。そして、前記制御部のガス放出制御手段により、取得された前記風向きの検出結果を表す情報に基づいて、前記風向きが前記ガス放出部から前記ターゲットの方向である場合に、前記ガス収容部から前記ガスを放出させるようにしたものである。
この発明の第8の態様は、前記環境条件取得手段により、前記環境条件を表す情報として、前記ガス放出部を含む所定範囲における風速の検出結果を表す情報を取得する。そして、前記制御部のガス放出制御手段により、取得された前記風速の検出結果を表す情報に基づいて、前記ガス収容部から放出されるガスの放出濃度が前記風速に対応して設定される濃度に近づくように前記ガス放出部を制御するようにしたものである。
この発明の第9の態様は、前記制御部に、前記ターゲットの検出に応じ前記ガス放出部から見た前記ターゲットの方向を表す情報を取得する方向情報取得手段をさらに備える。そして、前記制御部のガス放出制御手段により、前記取得された前記ターゲットの方向を表す情報に基づいて、前記ガス収容部から放出されるガスが前記ターゲットの方向へ放出されるように前記ガス放出部を制御するようにしたものである。
この発明の第10の態様は、前記ガス放出部に、ファンを有するガス放出機構部を備える。そして、前記制御部のガス放出制御手段により、前記取得された前記ターゲットの方向を表す情報に基づいて、前記ガス収容部から放出されるガスが風向きとは無関係に前記ターゲットの方向へ強制的に放出されるように前記ガス放出部のガス放出機構部を動作させるようにしたものである。
この発明の第11の態様は、前記制御部に、前記ターゲットの検出結果に基づいて、当該ターゲットの種類および属性の少なくとも一方を表す情報を取得するターゲット情報取得手段をさらに備える。そして、前記制御部のガス発生制御手段により、取得された前記ターゲットの種類および属性の少なくとも一方を表す情報に基づいて、前記ガス発生部により発生するガスの種類および濃度の少なくとも一方を制御するようにしたものである。
この発明の第1の態様によれば、例えば害獣や不審者等のターゲットの検出に応じ、ガス発生部により発生されたガスがガス収容部に一旦収容保持され、しかる後、ガス収容部から前記ガスが強制的に放出される。従って、ガス収容部に滞留した濃度の高いガスが、ターゲットに向けて例えばパルス状に放出される。従って、ターゲットに対しガスを高い濃度で浴びせることが可能となり、これによりターゲットに対する高い刺激効果が期待できる。
この発明の第2の態様によれば、ターゲットまでの距離に応じて、ガス発生部により発生するガスの種類および濃度の少なくとも一方が選択される。このため、ターゲットに対し、その存在位置に応じて効果的な刺激を与えることが可能となる。
例えば、第3の態様によれば、距離を表す情報に基づいて、当該距離が第1の閾値以上でかつ第2の閾値未満の場合には誘引物質を含む第1のガスが発生され、上記距離が第1の閾値未満の場合には威嚇物質を含む第2のガスが発生される。すなわち、ターゲットがまだ遠いエリアに存在するときには誘引物質を含む第1のガスが放出され、一方ターゲットが威嚇可能なエリアまで引き寄せられたときには威嚇物質が含まれる第2のガスが放出される。従って、ターゲットを、先ず誘引物質を含むガスによりガス放出部の近くまで引き寄せた後、威嚇物質を含む匂いガスを放出することができ、これによりターゲットに対し威嚇物質を含む匂いガスをより効果的に浴びせることが可能なり、これによりさらに確実に高い威嚇効果が期待できる。
例えば、第4の態様によれば、距離を表す情報に基づいて、当該距離が遠くなるに従いいガスの濃度が高くなるようにガスにおける物質の含有量を制御される。従って、ターゲットがガス放出部から比較的近い位置に存在するときには濃度の低いガスを用いるだけでターゲットに刺激を与えることができ、一方ターゲットが比較的遠い位置に存在するときには濃度の高いガスを用いることでターゲットに対しより確実に刺激を与えることが可能となる。すなわち、ガスを発生させるために使用する物質の消費量を抑えた上で、ターゲットに対し効果的な刺激を与えることができる。
この発明の第5の態様によれば、ガス放出部周辺の環境条件を表す情報に基づいて、ガス発生部により発生するガスの濃度が制御される。このため、周囲環境に応じた最適な濃度のガスを放出することが可能となる。
例えば、第6の態様によれば、ガス放出部周辺の風速に応じてガスの濃度が制御される。このため、例えば風が比較的強いときにはガスは拡散されやすいので、ガス濃度を高くしてターゲットに対する刺激効果を維持し、一方風がないか又は弱いときにはガスは拡散されにくいのでガス濃度を低くして、ガスを発生させるために使用する物質の消費量を抑えることができる。
例えば、第7の態様によれば、風向きがガス放出部からターゲットの方向であるか否か、つまりターゲットが風下に位置するか否かが判定され、風下に位置する場合にのみガスの放出が行われる。この結果、ターゲットが風下に位置していない場合にはガスの放出が行われないようにすることができ、これによりガスの無駄な消費を抑えることができる。
この発明の第8の態様によれば、ガスの放出濃度がガス放出部周辺の風速に応じて設定された濃度となるように制御される。例えば、風が比較的強いときにはガスは弱い勢いで放出され、一方風が弱いときにはガスは勢いよく放出される。このようにすると、風速に依らずガスの放出濃度を一定に維持することが可能となる。
この発明の第9の態様によれば、ターゲットの検出方向に応じて、ガス収容部から放出されるガスがターゲットの方向へ放出されるようにガス放出部が制御される。例えば、複数設けられたガス放出部のうち、ターゲットの検出方向に対応するガス放出部が選択されてガスの放出が行われる。或いは、例えばガス放出部の放出方向を可変する機構が回動制御されてガスの放出方向が可変制御される。このようにすることで、ガスは常にターゲットが存在する方向に放出されることになり、これによりターゲットが存在する方向に依らず常に効果的なガス放出を行うことが可能となる。
この発明の第10の態様によれば、排気口にガス強制放出機構部を設けたことで、風向きとは無関係にターゲットに対しガスを強制的に放出することが可能となる。
この発明の第11の態様によれば、ターゲットの種類および属性の少なくとも一方に基づいて、ガス発生部により発生するガスの種類および濃度の少なくとも一方が制御される。例えば、ターゲットの種類やその大きさに応じて、それに適合する刺激物質が選択され、ガスが生成される。或いは、ガスの濃度が可変設定される。従って、ターゲットの種類や大きさに応じて常に最適な成分または濃度のガスを放出することが可能となり、これによりターゲットの種類や大きさに依らず常に効果的なガス放出を行うことができる。
すなわちこの発明の各態様によれば、低コストで効果的な威嚇を可能にする技術を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成例)
図1は、この発明の一実施形態に係るガス放出装置の全体構成を示すブロック図である。ガス放出装置は、ガス放出ユニット1と制御ユニット2とを備える。またガス放出装置には、センシングユニットとしての動物検知装置3および環境検知装置4が付属される。制御ユニット2に対し、ガス放出ユニット1、動物検知装置3および環境検知装置4は、信号ケーブルまたは無線により接続される。
[一実施形態]
(構成例)
図1は、この発明の一実施形態に係るガス放出装置の全体構成を示すブロック図である。ガス放出装置は、ガス放出ユニット1と制御ユニット2とを備える。またガス放出装置には、センシングユニットとしての動物検知装置3および環境検知装置4が付属される。制御ユニット2に対し、ガス放出ユニット1、動物検知装置3および環境検知装置4は、信号ケーブルまたは無線により接続される。
(1)動物検知装置3
動物検知装置3は、対象エリアに出現する可能性がある鳥獣等の動物(以後ターゲットとも称する)5を検知するために用いられるもので、ガス放出ユニット1の設置場所またはその近傍に配置される。動物検知装置3は、例えば赤外線カメラを有し、当該赤外線カメラにより上記対象エリアをリアルタイムまたは間欠的に撮像してその画像データを動物画像検知データとして制御ユニット2へ出力する。なお、ターゲットの検知対象エリアは全方位であっても、また予め設定された範囲であってもよい。
動物検知装置3は、対象エリアに出現する可能性がある鳥獣等の動物(以後ターゲットとも称する)5を検知するために用いられるもので、ガス放出ユニット1の設置場所またはその近傍に配置される。動物検知装置3は、例えば赤外線カメラを有し、当該赤外線カメラにより上記対象エリアをリアルタイムまたは間欠的に撮像してその画像データを動物画像検知データとして制御ユニット2へ出力する。なお、ターゲットの検知対象エリアは全方位であっても、また予め設定された範囲であってもよい。
(2)環境検知装置4
環境検知装置4は、上記対象エリアの環境を検知するために用いられるもので、ガス放出ユニット1の設置場所またはその近傍に配置される。環境検知装置4は、例えば風を検出するセンサを有し、この風センサにより風向および風速をリアルタイムまたは間欠的に検出し、その検出結果を環境検知データとして制御ユニット2へ出力する。なお、風速の代わりに風力を表す情報を出力するようにしてもよい。また、環境検知装置は、風向および風速を検出する以外に、例えば温度や気圧、湿度、降雨の有無等の他の環境要素を検出する機能を含んでいてもよい。
環境検知装置4は、上記対象エリアの環境を検知するために用いられるもので、ガス放出ユニット1の設置場所またはその近傍に配置される。環境検知装置4は、例えば風を検出するセンサを有し、この風センサにより風向および風速をリアルタイムまたは間欠的に検出し、その検出結果を環境検知データとして制御ユニット2へ出力する。なお、風速の代わりに風力を表す情報を出力するようにしてもよい。また、環境検知装置は、風向および風速を検出する以外に、例えば温度や気圧、湿度、降雨の有無等の他の環境要素を検出する機能を含んでいてもよい。
(3)ガス放出ユニット1
ガス放出ユニット1は、対象エリアに現れたターゲット5に対し、誘引物質を含有するガスおよび威嚇物質を含有するガスを選択的に発生し、放出するもので、例えば次のように構成される。図2はその構成の一例を示す断面図である。
ガス放出ユニット1は、対象エリアに現れたターゲット5に対し、誘引物質を含有するガスおよび威嚇物質を含有するガスを選択的に発生し、放出するもので、例えば次のように構成される。図2はその構成の一例を示す断面図である。
すなわち、ガス放出ユニット1は、例えば直方体、立方体或いは円筒体からなる筐体11を有している。筐体11の内部には、制御・通信ボックス14と、3個の液体容器151,152,153と、これらの液体容器151,152,153にそれぞれ取り付けられた超音波噴霧器161,162,163が収容されている。また筐体11の底面部には、吸気口17と、排気口18が設けられ、排気口18には送風ファン19が設置されている。
液体容器151,152,153のうち2個の液体容器151,152には、それぞれ例えばターゲット5に対し忌避効果(威嚇効果)を発揮する物質を含む溶液が収容されている。また残りの1個の液体容器153には、例えば上記ターゲット5に対し誘引効果を発揮する物質を含む溶液が収容されている。
具体的には、ターゲット5が例えばイノシシの場合には、威嚇物質としてカプサイシンや木酢液等の匂い成分を含む溶液が用いられる。また誘引物質としては、イノシシが好む餌(例えば米糠や酒粕等の混合物)や豚性フェロモン剤等の匂い成分を含む溶液が用いられる。なお、ターゲット5となる動物は、イノシシに限らず害をなす可能性がある動物であれば、その他の哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫類等、どのような動物であってもよく、威嚇物質および誘引物質の種類やその数はターゲット5となる動物の種類に応じて選択される。すなわち、液体容器151,152,153および超音波噴霧器161,162,163の数は、必要となる威嚇物質および誘引物質の数以上に設定される。
制御・通信ボックス14には、電源回路と、通信機能を備える制御回路が収容されている。制御回路は、後述する制御ユニット2から送信されるガス発生指示信号を受信する。そして、受信されたガス発生指示信号に従い、超音波噴霧器161,162,163を選択的に動作させて溶液を霧化させ、これにより筐体11内でガスGSを発生させる。また制御回路は、制御ユニット2から送信されるガス放出指示信号を受信する。そして、受信されたガス放出指示信号に従い送風ファン19を駆動し、上記筐体11内に滞留したガスGSを筐体11外へ放出させる。
なお、この例では排気口18と送風ファン19を筐体11の下面に設けた場合を例示したが、その理由は筐体11内への風雨および風雪の影響を軽減するためである。しかし、風雨および風雪の影響を無視できる場合、または別途風雨および風雪対策を講じることが可能な場合には、排気口18と送風ファン19を筐体11の上面または側面部に設けてもよい。このようにすると、放出されたガスをより広範囲に拡散させることが可能となる。
電源回路は、例えば商用電源またはソーラー電源をもとに、上記制御回路、超音波噴霧器161,162,163および送風ファン19を動作させるための電源電圧・電流を生成し供給する。
上記筐体11の下部には脚部12,13が設けられ、筐体11はこれらの脚部12,13を介して地面に立設される。このとき脚部12,13の長さは、例えば地面から筐体11下面までの高さが10〜15cmになるように設定される。この高さは、ターゲット5となる動物が例えばイノシシの場合、餌を探しているときの鼻の高さが一般に10〜15cmになることを考慮して定めた値である。
また、上記筐体11の寸法は、霧化する気体の量、つまり放出しようとするガスの体積に応じて決定される。例えば、ターゲット5がイノシシの場合には、筐体11の容積が20〜25リットル(L)程度となるように設定される。さらに、送風ファン19としては、例えば5〜50CMF の送風能力を備えるファンが使用される。このファンを上記筐体11に使用すると、筐体11内のガスを2.5〜25L/secで放出することが可能となる。
すなわち、一実施形態に係るガス放出ユニット1は、筐体11内で発生し滞留した匂いガスを数秒間のうちに一気に放出し、これにより周囲に高濃度の匂いガスを分布させる能力を備える。
(4)制御ユニット2
制御ユニット2は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、例えば家屋内に配置される。図3は、制御ユニット2の機能構成の一例を示すブロック図である。
制御ユニット2は、制御部21と、記憶部22と、入力インタフェース部23と、出力インタフェース部24とを備える。
制御ユニット2は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、例えば家屋内に配置される。図3は、制御ユニット2の機能構成の一例を示すブロック図である。
制御ユニット2は、制御部21と、記憶部22と、入力インタフェース部23と、出力インタフェース部24とを備える。
入力インタフェース部23は、動物検知装置3から出力された動物検知データ(例えば赤外線カメラ30の画像データ)と、環境検知装置4から出力された環境検知データ(例えば風センサ40から出力される風向きと風速を表す風検出データ)をそれぞれ受信する。出力インタフェース部24は、制御部21により生成されたガス発生指示信号およびガス放出指示信号をガス放出ユニット1へ送出する。
記憶部22は、記憶媒体として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。その記憶領域には、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とが設けられる。プログラム記憶領域には、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムが格納される。データ記憶領域には、制御部21が制御の過程で取得または生成した各種データを、一時的或いは制御履歴として記憶するために使用される。
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。そして、この発明の一実施形態を実現するための制御機能として、動物検知データ取得部211と、方位・距離算出部212と、放出制御部213とを備える。また放出制御部213を構成する制御機能として、環境検知データ取得部2131と、風向・風速算出部2132と、ガス種類・放出濃度決定部2133と、指示信号出力部2134とを有している。これらの制御機能部は、いずれも上記記憶部22のプログラム記憶領域に格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
動物検知データ取得部211は、動物検知装置3(例えば赤外線カメラ30)から出力された動物検知データ(例えば画像データ)を、入力インタフェース部23を介して取り込み、記憶部22のデータ記憶領域に一次記憶させる。
方位・距離算出部212は、上記記憶部22のデータ記憶領域から上記動物検知データ(例えば赤外線カメラ30の画像データ)を例えば所定フレームおきに読み込み、当該画像データからターゲット5となる動物の有無を判定する。そして、ターゲット5が検出された場合には、ガス放出ユニット1の設置位置を基準位置としたときの当該ターゲット5の方位と距離を算出する。
環境検知データ取得部2131は、上記環境検知装置4から出力された環境検知データ(風センサ40の検出データ)を、入力インタフェース部23を介して取り込み、記憶部22のデータ記憶領域に一時記憶させる。
風向・風速算出部2132は、上記方位・距離算出部212によりターゲット5となる動物が検出された場合に、その検出タイミングに対応する期間に検出された環境検知データを上記記憶部22のデータ記憶領域から読み込む。そして、読み込まれ環境検知データをもとに、上記ガス放出ユニット1の設置場所における風向および風速を算出する。
上記ガス種類・放出濃度決定部2133は、上記方位・距離算出部212により算出されたターゲット5までの距離に基づいて放出物質の種類を決定すると共に、上記風向・風速算出部2132により算出された風速または風量に基づいて匂いガスの放出物質の放出量を決定する。なお、この場合ガス種類・放出濃度決定部2133は、上記算出されたターゲット5までの距離も加味して匂いガスの放出物質の放出量を決定するようにしてもよい。
指示信号出力部2134は、上記決定された放出物質の種類および放出量を指定する情報を含むガス発生指示信号を生成し、当該ガス発生指示信号を出力インタフェース部24からガス放出ユニット1へ送信させる。
また指示信号出力部2134は、上記風向・風速算出部2132により判定された最新の風向きをもとに、ガス放出ユニット1から見てターゲット5となる動物が風下に存在するか風上に存在するかを判定する。そして、ターゲット5となる動物が風下に存在すると判定された場合に、ガス放出指示信号を生成して当該ガス放出指示信号を出力インタフェース部24からガス放出ユニット1へ送信させる。
(動作例)
次に、以上のように構成されたガス放出装置の動作を説明する。
図4は、制御ユニット2によるガス発生・放出制御の手順と制御内容を示すフローチャートである。
次に、以上のように構成されたガス放出装置の動作を説明する。
図4は、制御ユニット2によるガス発生・放出制御の手順と制御内容を示すフローチャートである。
(1)ターゲット5の監視
ガス放出装置の運用を開始すると、監視対象エリアがカメラ30によりリアルタイムまたは間欠的に撮像され、その画像データは制御ユニット2に送られる。制御ユニット2は、先ずステップS10において、動物検知データ取得部211の制御の下、上記画像データを入力インタフェース部23を介して制御部21内に取り込み、記憶部22内のデータ記憶領域に一旦記憶させる。
ガス放出装置の運用を開始すると、監視対象エリアがカメラ30によりリアルタイムまたは間欠的に撮像され、その画像データは制御ユニット2に送られる。制御ユニット2は、先ずステップS10において、動物検知データ取得部211の制御の下、上記画像データを入力インタフェース部23を介して制御部21内に取り込み、記憶部22内のデータ記憶領域に一旦記憶させる。
そして、上記画像データの取り込みを行いながら動物検知データ取得部211は、ステップS11において、上記記憶部22に格納された画像データを間欠的に読み出してターゲット5の有無を判定する。このターゲット5の有無の判定は、例えば、ターゲット5となる動物の基本画像パターンを予め記憶しておき、当該基本画像パターンと上記画像データとをマッチング処理することで可能となる。上記判定の結果、ターゲット5が見つからなければ、動物検知データ取得部211はステップS10に戻り、画像データの取得とターゲット5の検出処理を繰り返す。
(2)ターゲット5の位置の特定
上記ターゲット5の検出処理の結果、画像データ中からターゲット5に相当する画像が見つかったとする。この場合制御ユニット2は、方位・距離算出部212の制御の下、先ずステップS12において、上記画像データ中のターゲット5の画像をもとにターゲット5の方位とターゲットまでの距離を算出する。
上記ターゲット5の検出処理の結果、画像データ中からターゲット5に相当する画像が見つかったとする。この場合制御ユニット2は、方位・距離算出部212の制御の下、先ずステップS12において、上記画像データ中のターゲット5の画像をもとにターゲット5の方位とターゲットまでの距離を算出する。
そして方位・距離算出部212は、ステップS13により、上記算出された距離Xが予め設定された閾値X2 以上であるか否かを判定する。この判定の結果、ターゲット5までの距離Xが閾値X2 以上であれば、ターゲット5はまだ遠くに存在するため現時点での刺激動作は効果が低いと見なし、そのままステップS10に戻り、ターゲット5の監視を継続する。
これに対し、上記ステップS13による判定の結果、ターゲット5までの距離Xが上記閾値X2 未満だったとする。この場合方位・距離算出部212は、ステップS14において、上記算出された距離Xが予め設定された閾値X1 (X1 <X2 )以上であるか否かを判定する。この判定の結果、ターゲット5までの距離XがX1 ≦X<X2 であれば、ターゲット5が誘引対象範囲内に侵入したものと見なし、制御ユニット2はステップS15により放出物質として「誘引物質」を選択する。
一方、上記ステップS14において、ターゲット5までの距離XがX1 ≦X<X2 ではないと判定されたとする。この場合方位・距離算出部212は、ステップS17において、上記算出された距離Xが閾値X1 未満であるか否かを判定する。そして、この判定の結果X<X1 であれば、ターゲット5が威嚇可能範囲に侵入したと見なし、ステップS18により放出物質として「威嚇物質」を選択する。
(3)ガス放出制御
(3−1)誘引物質を含むガスの放出
上記ステップS15により放出物質として「誘引物質」が選択されると、制御ユニット2はステップS16に移行し、誘引ガスを放出するための制御を以下のように実行する。図5はその制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
(3−1)誘引物質を含むガスの放出
上記ステップS15により放出物質として「誘引物質」が選択されると、制御ユニット2はステップS16に移行し、誘引ガスを放出するための制御を以下のように実行する。図5はその制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
すなわち、風センサ40では、ガス放出ユニット1の周辺における風向および風速の検出動作がリアルタイムまたは間欠的に行われている。制御ユニット2は、ステップS20において、環境検知データ取得部2131の制御の下、上記風センサ40から出力される風検出データを入力インタフェース部23を介して取り込む。
制御ユニット2は、続いてステップS21において、風向・風速算出部2132の下、上記取り込まれた風検出データから風向きを判定すると共に、風速または風量を算出する。また制御ユニット2は、ステップS22において、ガス種類・放出濃度決定部2133の制御の下、筐体11の内容量と、上記算出された風速または風量に応じて、誘引物質の放出量を算出する。なお、上記誘引物質の放出量を算出する際には、先に算出されたターゲット5までの距離を加味してもよい。
制御ユニット2は、次にステップS23において、指示信号出力部2134により、上記選択された誘引物質の種類と上記算出された放出量を表す情報を含むガス発生指示信号を生成し、当該ガス発生指示信号を出力インタフェース部24からガス放出ユニット1へ送信させる。
上記ガス発生指示信号を受信するとガス放出ユニット1は、当該ガス発生指示信号に含まれる誘引物質の種類を表す情報に基づいて誘引物質用の液体容器153を選択し、当該液体容器153に装着された超音波噴霧器163を動作させる。この結果、選択された液体容器153に収容された誘引物質を含む溶液が超音波噴霧器163により霧化され、吸気口17から吸気された空気と混合されて匂いガスとなり、筐体11内に滞留する。このとき、上記誘引物質の放出量は、例えば、筐体11の内容量およびこのときの風速に応じた値に、或いはこれにさらにターゲット5までの距離を加味した値に設定されており、上記超音波噴霧器163の動作時間は上記放出量に対応する長さに設定される。このため、筐体11内には、誘引物質を含む匂いガスが、上記風速、或いはこれにさらにターゲット5までの距離を加味した濃度で滞留する。
上記超音波噴霧器163の動作時間、つまり筐体11内で匂いガスが所定の濃度に達するまでの時間が経過すると、制御ユニット2は、上記ステップS21で算出された風向きをもとに、ガス放出ユニット1から見てターゲット5が風下に存在するか否かをステップS24により判定する。この判定の結果、ターゲット5が風下に存在する場合には、ステップS25において、ガス種類・放出濃度決定部2133により現在の風速に適したガスの放出濃度を算出する。そして制御ユニット2は、ステップS26において、指示信号出力部2134により上記ガスの放出濃度を指定する情報を含むガス放出指示信号を生成し、当該ガス放出指示信号を出力インタフェース部24からガス放出ユニット1へ送信させる。
上記ガス放出指示信号を受信するとガス放出ユニット1は、送風ファン19を回転動作させ、筐体11内に滞留している誘引物質を含む匂いガスを筐体11外へ強制的に一気に放出する。このとき、上記送風ファン19は、上記ガス放出指示信号に含まれるガスの放出濃度に対応する回転速度で動作する。この結果、筐体11外へは、単位時間当たりのガス放出量がその時の風速に適した値となるように、つまり放出濃度が風速に適した値となるように、誘引物質を含む匂いガスがパルス状に放出される。
上記誘引物質を含む匂いガスが放出されると、誘引対象範囲に侵入したターゲット5に対し上記誘引物質が適切な濃度で効果的に影響を与えることになり、この結果ターゲット5は上記誘引物質に引き寄せられてガス放出ユニット1にさらに近づく。
(3−2)威嚇物質を含むガスの放出
上記誘引物質を含む匂いガスに引き寄せられて、ターゲット5が上記閾値X1 未満の威嚇可能範囲内に侵入したとする。そうすると、制御ユニット2は、上記ターゲット5の威嚇可能範囲内への侵入をステップS17で検出すると、ステップS18により放出物質として「威嚇物質」を選択し、ステップS19に移行して威嚇物質を含むガスの放出制御を行う。
上記誘引物質を含む匂いガスに引き寄せられて、ターゲット5が上記閾値X1 未満の威嚇可能範囲内に侵入したとする。そうすると、制御ユニット2は、上記ターゲット5の威嚇可能範囲内への侵入をステップS17で検出すると、ステップS18により放出物質として「威嚇物質」を選択し、ステップS19に移行して威嚇物質を含むガスの放出制御を行う。
すなわち、制御ユニット2は、先に説明した誘引物質を含む匂いガスの放出時と同様に、ステップS20において風検出データを取得し、ステップS21において上記風検出データをもとに風向きと風速を算出する。また制御ユニット2は、ステップS22において、筐体11の内容量およびこのときの風速に応じた値に基づいて、或いはこれにさらにターゲット5までの距離を加味して、威嚇物質の放出量を算出する。制御ユニット2は、次にステップS23において、上記選択された威嚇物質の種類と上記算出された放出量を表す情報を含むガス発生指示信号を生成し、当該ガス発生指示信号を出力インタフェース部24からガス放出ユニット1へ送信する。
上記ガス発生指示信号を受信するとガス放出ユニット1は、このガス発生指示信号に含まれる威嚇物質の種類を表す情報に基づいて威嚇物質用の液体容器151,152を選択する。このとき、威嚇物質用の液体容器151,152は、いずれか一方が選択されてもよいし、両方とも選択されてもよい。また、威嚇物質用の液体容器151,152は、例えばターゲット5として検知された動物の種類と、大きさ等の属性に応じて選択されてもよい。そして、ガス放出ユニット1は、上記選択した液体容器151,152に対応する超音波噴霧器161,162を動作させる。この結果、選択された液体容器151,152に収容された威嚇物質を含む溶液が超音波噴霧器161,162により霧化され、吸気口17から吸気された空気と混合されて筐体11内に滞留する。
このとき、上記筐体11の内容量に対応する威嚇物質の放出量は、先に述べた誘引物質の放出の場合と同様に、筐体11の内容量およびこのときの風速に応じた値に、或いはこれにさらにターゲット5までの距離を加味した値に設定されており、上記超音波噴霧器163の動作時間は上記放出量に対応する長さに設定される。このため、筐体11内には、威嚇物質を含む匂いガスが、筐体11の内容量およびこのときの風速に応じ、或いはこれにさらにターゲット5までの距離を加味した値に対応する濃度の状態で滞留する。
上記超音波噴霧器161,162の動作時間、つまり筐体11内に威嚇物質を含む匂いガスが上記所定の濃度となるまでに要する時間が経過すると、制御ユニット2は、上記ステップS21で算出された風向きをもとに、ガス放出ユニット1から見てターゲット5が風下に存在するか否かをステップS24により判定する。この判定の結果、ターゲット5が風下に存在する場合には、ステップS25において現在の風速に適したガスの放出濃度を算出する。そして制御ユニット2は、ステップS26において、上記ガスの放出濃度を指定する情報を含むガス放出指示信号を生成し、当該ガス放出指示信号を出力インタフェース部24からガス放出ユニット1へ送信する。
なお、この威嚇物質を放出しようとする場合にも、上記ステップS24によるターゲット5が風下に存在するか否かの判定は、ステップS21において風向きおよび風速の算出と共に行われてもよい。
上記ガス放出指示信号を受信するとガス放出ユニット1は、送風ファン19を回転動作させ、筐体11内に滞留している威嚇物質を含む匂いガスを筐体11外へ強制的に放出する。このとき、上記送風ファン19は、上記ガス放出指示信号に含まれるガスの放出濃度に対応する回転速度で動作する。この結果、筐体11外へは、単位時間当たりのガス放出量がこの場合の風速に適した値となるように、つまり放出濃度がこのときの風速に適した値となるように、威嚇物質を含む匂いガスがパルス状に放出される。
この結果、ガス放出ユニット1から距離X1 までの威嚇可能範囲内に引き寄せられたターゲット5に対し、威嚇物質を含む匂いガスが高濃度で浴びせられる。このため、ターゲット5となった動物に対し威嚇物質を含む匂いガスをより効果的に作用させることが可能なり、これにより高い威嚇効果が期待できる。
なお、以上述べた威嚇物質を含む匂いガスの放出動作は、ターゲット5となる動物までの距離がX1 ≦X<X2 と判定される前にX<X1 と判定された場合にも、つまり誘引物質を含む匂いガスを放出する前に、ターゲット5となる動物が急速に威嚇可能範囲内に進入した場合にも同様に実施される。
(4)ガス濃度の計算例
上記ステップS25によるガス放出濃度の算出方法には、例えば次の2つの方法が考えられる。
(4−1)ガスが半径5m の半球に一様に分布した場合
図6はこの場合のガス・プルームモデルを示したもので、匂い源から、単純に半径5m の半球状の体積に放出したガスが一様に分布した場合の濃度を計算したものである。
上記ステップS25によるガス放出濃度の算出方法には、例えば次の2つの方法が考えられる。
(4−1)ガスが半径5m の半球に一様に分布した場合
図6はこの場合のガス・プルームモデルを示したもので、匂い源から、単純に半径5m の半球状の体積に放出したガスが一様に分布した場合の濃度を計算したものである。
例えば、1回の放出で、20 [L] × 10000ppm × 1.293 [g/L] ≒ 0.26 [g] の物質をガスとして放出すると仮定した場合、20リットルのタンクを使用したとき、飽和時の濃度を10000ppm とすると10000 ×(20/262000)≒ 0.8 ppm の濃度となる。
(4−2)乱流拡散によるガウスプルームモデル
乱流拡散によるガウスプルームモデルは、点状の定常ガス放出源から放出されたガスの乱流拡散による広がりを表すモデルであり、屋外大気中において、例えば煙突から流れ出るガスプルームをモデル化するとき等において使われる。このモデルでは、風速や日照量から求められるパスキル大気安定度という指標が用いられる。パスキル大気安定度は、乱流によるガスの移動と攪拌をマクロに見て拡散現象に近似して扱うための指標である。近似処理は、例えば実測データに基づく変換表により行われ、この近似処理により地面と水平方向および垂直方向それぞれ異なる拡散係数が得られる。その後は通常の拡散モデルとしてガス濃度が計算される。ガス濃度は、地面に対し水平の方向および垂直の方向の各々についてガウス関数に従って計算される。なお、地面以下のガスの分布については、ガスは地面で完全に反射されて、地上のガス濃度に単純に加算されるものと仮定している。
乱流拡散によるガウスプルームモデルは、点状の定常ガス放出源から放出されたガスの乱流拡散による広がりを表すモデルであり、屋外大気中において、例えば煙突から流れ出るガスプルームをモデル化するとき等において使われる。このモデルでは、風速や日照量から求められるパスキル大気安定度という指標が用いられる。パスキル大気安定度は、乱流によるガスの移動と攪拌をマクロに見て拡散現象に近似して扱うための指標である。近似処理は、例えば実測データに基づく変換表により行われ、この近似処理により地面と水平方向および垂直方向それぞれ異なる拡散係数が得られる。その後は通常の拡散モデルとしてガス濃度が計算される。ガス濃度は、地面に対し水平の方向および垂直の方向の各々についてガウス関数に従って計算される。なお、地面以下のガスの分布については、ガスは地面で完全に反射されて、地上のガス濃度に単純に加算されるものと仮定している。
図7は、乱流拡散によるガウスプルームモデルを示す図である。同図において、x,y,zを計算点の三次元座標、Qp を点煙源強度(Nm3 /s)、uを風速(m/s)、He を有効煙突高(m)とし、σy ,σz を拡散パラメータ(m)とすると、上記計算点におけるガス濃度C(x,y,z)は、
と表される。
従って、大気安定度をAとして、風速2m/s 、風下中心線上5m の放出点と同じ高さである1m での濃度は、0.5g/s の物質放出速度のとき、53ppmとなる。
従って、大気安定度をAとして、風速2m/s 、風下中心線上5m の放出点と同じ高さである1m での濃度は、0.5g/s の物質放出速度のとき、53ppmとなる。
なお、以上述べた各ガス・プルームモデルについては、例えば、“大気圏拡散シミュレーションモデル”、原子力百科事典(高度情報科学研究機構)、インターネット<URL.: http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=06-03-05-02>、および新良宏一郎、“拡散計算式と拡散パラメータ”、環境技術, Vol.4, 9 (1975): 643-650.に詳しく記載されている。
(実施形態の効果)
以上詳述したように一実施形態では、以下のような効果が奏せられる。
(1)ガス放出ユニット1において、筐体11内で、誘引物質および威嚇物質を超音波噴霧器161,162,163により選択的に噴霧させ空気と混合させることにより、誘引物質を含む匂いガスおよび威嚇物質を含む匂いガスを発生させて筐体11内に滞留させ、しかる後上記筐体11内に滞留した匂いガスを送風ファン19により筐体11外へ強制的に一気に放出するようにしている。このため、誘引物質を含む匂いガスおよび威嚇物質を含む匂いガスを、ターゲット5となる動物に向けて一気にいわゆるパルス状に放出することが可能となる。従って、ターゲット5となる動物に対し匂いガスを高い濃度で浴びせることができ、これにより高い誘引効果および威嚇効果が期待できる。またその際、複数種類の威嚇物質をそれぞれ霧化させてその混合ガスを発生・放出することができるので、ターゲット5となる動物に対しより効果的な威嚇を行うことが可能となる。
以上詳述したように一実施形態では、以下のような効果が奏せられる。
(1)ガス放出ユニット1において、筐体11内で、誘引物質および威嚇物質を超音波噴霧器161,162,163により選択的に噴霧させ空気と混合させることにより、誘引物質を含む匂いガスおよび威嚇物質を含む匂いガスを発生させて筐体11内に滞留させ、しかる後上記筐体11内に滞留した匂いガスを送風ファン19により筐体11外へ強制的に一気に放出するようにしている。このため、誘引物質を含む匂いガスおよび威嚇物質を含む匂いガスを、ターゲット5となる動物に向けて一気にいわゆるパルス状に放出することが可能となる。従って、ターゲット5となる動物に対し匂いガスを高い濃度で浴びせることができ、これにより高い誘引効果および威嚇効果が期待できる。またその際、複数種類の威嚇物質をそれぞれ霧化させてその混合ガスを発生・放出することができるので、ターゲット5となる動物に対しより効果的な威嚇を行うことが可能となる。
(2)また、吸気口17および匂いガスの排気口18を筐体11の下面に設けたことにより、筐体11内への風雨雪の侵入を軽減できると共に、匂いガスを地表面に沿って拡散させることができる。その結果、例えばイノシシのように鼻で地表面近傍を嗅ぎ回る習性がある動物に対し、高濃度のガスをより効果的に浴びせることが可能となる。
(3)さらに、排気口18に、逆止弁機能を有する蓋体を設けるか、或いは制御ユニット2の制御により開閉動作するシャッタを設けると、筐体11からの匂いガスの漏れを抑制して匂いガスをより高濃度の状態で効率良く放出することが可能となる。加えて、排気口18に匂いガスの放出方向を制御するための整流板を設けると、ターゲット5となる動物に向けてさらに効率良くガスを放出することが可能となる。またこの場合、整流板のフィンを電動タイプとし、フィンの方向をターゲット5が存在する方向に向くように制御ユニット2により制御すると、ターゲット5となる動物がどの方向から近づいたとしても、当該動物に向けてさらに効果的に匂いガスを浴びせることが可能となる。
(4)制御ユニット2において、赤外線カメラ30から出力された画像データからターゲット5となる動物が検出された場合に、ガス放出ユニット1から見たときのターゲット5の方位およびターゲット5までの距離Xを求める。そして、ターゲット5までの距離XがX1 ≦X<X2 であれば、ターゲット5が誘引対象範囲内に侵入したものと見なして、誘引物質を含む匂いガスをガス放出ユニット1から発生・放出させ、しかる後距離XがX<X1 になったところで、ターゲット5が威嚇可能範囲に侵入したと見なして威嚇物質を含む匂いガスをガス放出ユニット1から発生・放出させるようにしている。
従って、ターゲット5となる動物を、先ず誘引物質を含む匂いガスによりガス放出ユニット1の近くまで引き寄せた後、威嚇物質を含む匂いガスを放出することができ、これによりターゲット5となる動物に対し威嚇物質を含む匂いガスをより効果的に浴びせることが可能なり、これにより高い威嚇効果が期待できる。
(5)また、制御ユニット2において、風センサ40から出力される風検出データをもとにガス放出ユニット1の周辺の風向と風速を検出し、風速に応じたガス濃度を算出して、当該ガス濃度の匂いガスを放出するようにしている。このため、風速に応じた効果的な濃度の匂いガスを放出することができる。
(6)さらに、上記風の検出データから検出された風向きが、ターゲット5にとって風下となる方向か否かを制御ユニット2で判定し、風下と判定された場合にガス放出ユニット1からガスを発生させるようにしている。このため、ターゲット5となる動物がガス放出ユニット1の風上側に存在する場合には、ガスが放出されないようにすることができ、これによりガスの無駄な放出を低減して運用コストを低下させることが可能となる。
[他の実施形態]
(1)例えば、ターゲット5が誘引対象範囲内に侵入したと判定された場合、およびターゲット5が威嚇可能範囲に侵入したと判定された場合において、それぞれガス放出ユニット1からターゲット5までの距離を検出し、検出された距離に応じて、当該距離が遠いほどガス濃度が高くなるように誘引物質および威嚇物質の放出量を可変するようにしてもよい。このようにすると、ターゲット5までの距離に応じて適切な濃度の匂いガスを放出することが可能となる。
(1)例えば、ターゲット5が誘引対象範囲内に侵入したと判定された場合、およびターゲット5が威嚇可能範囲に侵入したと判定された場合において、それぞれガス放出ユニット1からターゲット5までの距離を検出し、検出された距離に応じて、当該距離が遠いほどガス濃度が高くなるように誘引物質および威嚇物質の放出量を可変するようにしてもよい。このようにすると、ターゲット5までの距離に応じて適切な濃度の匂いガスを放出することが可能となる。
(2)ガス放出ユニット1において、吸気口17および排気口18に、それぞれ例えば逆止弁機能を有する蓋体を設けるか、或いは例えば制御回路の制御により開閉動作するシャッタを設けてもよく、また排気口18に例えばガスの放出方向を制御するための整流板等を設けてもよい。
(3)さらに、例えば、筐体11の周面に互いに異なる方向を向く複数の排気口を設け、かつこれらの排気口にそれぞれシャッタを設け、動物検知装置3から取得した検知データをもとにターゲット5となる動物が存在する方向を検出し、当該ターゲット5が存在する方向に対応する排気口のみを開口させてガスを放出させるようにしてもよい。
また、ガス放出ユニット1に、例えば、排気口の方向を全方位または予め設定された角度の範囲で可変制御する機構を設け、上記ターゲット5が存在する方向の検出結果に基づいて前記機構を制御することで、前記排気口が常に上記ターゲット5が存在する方向に向くようにしてもよい。このようにすると、要因物質を含むガスおよび威嚇物質を含むガスを、常にターゲット5が存在する方向に放出することが可能となる。
さらに、排気口にファン等を用いた強制的にガスを放出するためのガス放出機構部を設け、この機構部を駆動することで、たとえターゲットの方向が風上であっても、風向きに関係なくターゲットに向けてガスを放出するように構成してもよい。この場合、ガス放出機構部の排気能力は、害獣が行動可能な環境条件における最大風速に抵抗してガスを放出可能な値に設定される。
(4)上記一実施形態では、威嚇対象となるターゲット5が1種類の場合を例にとって説明したが、ターゲット5が複数種類の場合にもこの発明は適用可能である。この場合、ガス放出ユニット1には、例えば、ターゲット5となる複数種類の動物に対応する誘引物質および威嚇物質を含む溶液が用意される。そして制御ユニット2は、例えば、動物検知データからターゲット5の有無に加えてその種類を判定し、判定されたターゲット5の種類に対応する誘引物質および威嚇物質を選択し、選択された誘引物質および威嚇物質を含むガスを発生・放出させるようにガス放出ユニット1に対し指示する。このようにすることで、複数種類のターゲット5に対しそれぞれ最適な誘引動作および威嚇動作を行うことが可能となる。
(5)上記一実施形態では、匂いガスの放出濃度を、筐体11の内容量と周囲の風速をもとに算出する場合を例にとって説明したが、環境情報として風速に加え周囲の温度や気圧等も加味して決定するようにしてもよい。例えば、温度が高くなったり気圧が低くなると、一般にガスなどの気体は拡散し易くなる。そこで、温度および気圧の検出値の少なくとも一方に応じて放出物質の放出量を制御する。このようにすると、例えば温度が高くなったり気圧が低くなった場合には、それに応じて匂いガスの濃度が高くなるように調整することが可能となり、これにより環境条件に応じて常に適切な濃度の匂いガスを放出させることが可能となる。
(6)上記一実施形態では、ターゲットが風上に存在する場合、つまり周囲の風向きがターゲット5に対し逆風の場合には、ガスの放出を行わないようにした。しかし、それに限らず以下のような制御を行ってもよい。すなわち、風向きの影響で上記ガスの放出を見送った場合には、引き続き風向きおよび風速の監視を行い、例えば風向きが逆風から順風に変化した状態、または風速が閾値未満に低下した状態が検出された時点で、ガスの放出を行う。
或いは、例えば上記ガスの放出を見送った後、引き続き風速を監視して、当該風速の検出値をもとに適切なガス放出濃度を計算し直す。そして、その計算の結果、さらに放出濃度の高いガスが必要と判定した場合には筐体内で追加のガスを発生させて放出させ、一方放出濃度の低いガスでもよいと判定した場合には放出量を減らすように制御してもよい。以上のようにすると、風向きが時々刻々と変化する環境条件の場合でもガスを効果的に放出することができる。
(7)上記一実施形態では、ガス放出ユニット1と制御ユニット2とを別体として構成した場合を例にとって説明したが、制御ユニット2はガス放出ユニット1内の制御・通信ボックス14内に設けられてもよい。また、動物検知装置3および環境検知装置4は、ガス放出ユニット1の筐体上面部または側面部に設置されるようにしてもよい。
(8)上記一実施形態では、ガス放出ユニットの筐体11内に匂いガスを滞留させ、この匂いガスを送風ファン19により筐体11外部へ放出させる場合を例にとって説明した。しかし、この構成に限らず、例えば、筐体自体を伸縮性を有する袋状体により構成するか、または筐体11内に伸縮性を有する袋状体を収容し、この袋状体内にポンプ等を用いてガスを充満させた後、適切なタイミングで当該袋状体の放出口を開放させて袋状体の収縮作用を利用してガスを外部に放出させるように構成してもよい。
(9)上記一実施形態では、1台のガス放出ユニット1を1台の制御ユニット2により制御する場合を例にとって説明した。しかし、それに限るものではなく、例えば、対象エリアに複数台のガス放出ユニットを分散配置し、これらのガス放出ユニットを1台の制御ユニットにより統括的に制御するようにしてもよい。この場合も、動物検知装置および環境検知装置は、各ガス放出ユニットが設置された場所にそれぞれ配置され、当該各場所において動物の有無および環境の状況を検出する。制御ユニットは、上記各場所において検出された動物および環境の検知データをそれぞれ収集し、当該収集された検知データに基づいて上記各ガス放出ユニットによる匂いガスの発生および放出動作を制御する。このようにすると、広範囲の対象エリアを1台の制御ユニットにより統括制御することができるので、装置のコストダウンを図ることが可能となる。
(10)上記一実施形態では、匂いガスのパルス状の放出によりターゲット5を効果的に威嚇する場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、例えば、匂いガスのパルス状の放出と、発光や鳴音等の他の刺激の少なくとも一つとを適宜組み合わせることで、ターゲット5を威嚇するようにしてもよい。この場合、その組み合わせや動作順序、動作タイミング、動作回数等の動作ルールは、ターゲット5の種類や出現頻度、ターゲット5までの距離等に基づいて適宜設定される。
(11)上記一実施形態では、誘引物質を含む匂いガスおよび威嚇物質を含む匂いガスを放出することでターゲット5に対し効果的に刺激を与えて退散させる場合を例にとって説明した。しかし、例えば、威嚇物質の代わりに麻酔物質を含むガスを放出することにより、ターゲット5を捕獲するようにしてもよい。この場合も、この発明に係るガス放出装置を用いることで、ターゲット5に対し高濃度の麻酔ガスを効果的に浴びせることが可能となる。
(12)その他、ガス放出装置の構造、制御装置の構成や制御手順および制御内容、誘引物質および威嚇物質の種類や放出量、ターゲットとする動物の種類(例えば犯罪目的で敷地内に侵入しようとする不審者も含む)等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…ガス放出ユニット、2…制御ユニット、3…動物検知装置、4…環境検知装置、5…ターゲット、11…筐体、12,13…脚部、14…制御・通信ボックス、151〜153…液体容器、161〜163…超音波噴霧器、17…吸気口、18…排気口、19…送風ファン、21…制御部、22…記憶部、23…入力インタフェース部、24…出力インタフェース部、30…カメラ、40…風センサ、211…動物検知データ取得部、212…方位・距離算出部、213…放出制御部、2131…環境検知データ取得部、2132…風向・風速算出部、2133…ガス種類・放出濃度決定部、2134…指示信号出力部。
Claims (13)
- 害獣及び不審者を含むターゲットに対し所定の影響を与える物質を含む少なくとも1種類のガスを発生するガス発生部と、
発生された前記ガスを収容し保持するガス収容部と、
前記ガス収容部に設けられたガス放出部と、
前記ガス発生部および前記ガス放出部の動作を制御する制御部と
を具備し、
前記制御部は、
前記ターゲットの検出結果に応じ、前記ガス発生部により前記ガスを発生させて前記ガス収容部に収容保持させるガス発生制御手段と、
前記ガス収容部に前記ガスが収容保持された後、前記ガス放出部を制御して前記ガス収容部から前記ガスを強制的に放出させるガス放出制御手段と
を備えるガス放出装置。 - 前記制御部は、
前記ターゲットの検出結果に基づいて、前記ガス放出部から前記ターゲットまでの距離を表す情報を取得する距離情報取得手段を、
さらに備え、
前記制御部のガス発生制御手段は、取得された前記距離を表す情報に応じて、前記ガス発生部により発生するガスの種類および濃度の少なくとも一方を制御する、請求項1に記載のガス放出装置。 - 前記ガス発生部は、
前記ターゲットに対する誘引効果を有する物質を含む第1のガスと、前記ターゲットに対する威嚇効果を有する物質を含む第2のガスとを選択的に発生し、
前記制御部のガス発生制御手段は、取得された前記距離を表す情報に基づいて、当該距離が第1の閾値以上でかつ第2の閾値未満の場合に前記ガス発生部により前記第1のガスを発生させ、前記距離が第1の閾値未満の場合に前記ガス発生部により前記第2のガスを発生させる、請求項2に記載のガス放出装置。 - 前記制御部のガス発生制御手段は、取得された前記距離を表す情報に基づいて、当該距離が遠くなるに従い前記ガスの濃度が高くなるように前記ガスにおける前記物質の含有量を制御する、請求項2又は3に記載のガス放出装置。
- 前記制御部は、
前記ガス放出部を含む所定範囲における環境条件を表す情報を取得する環境条件取得手段を、
さらに備え、
前記制御部のガス発生制御手段は、取得された前記環境条件を表す情報に基づいて、前記ガス発生部により発生するガスの濃度を制御する、請求項1に記載のガス放出装置。 - 前記環境条件取得手段は、前記環境条件を表す情報として、前記ガス放出部を含む所定範囲における風速の検出結果を表す情報を取得し、
前記制御部のガス発生制御手段は、取得された前記風速の検出結果を表す情報に基づいて、当該風速に応じて前記ガスにおける前記物質の含有量を制御する、請求項5に記載のガス放出装置。 - 前記環境条件取得手段は、前記環境条件を表す情報として、前記ガス放出部を含む所定範囲における風向きの検出結果を表す情報を取得し、
前記制御部のガス放出制御手段は、取得された前記風向きの検出結果を表す情報に基づいて、前記風向きが前記ガス放出部から前記ターゲットの方向である場合に、前記ガス収容部から前記ガスを放出させる、請求項5に記載のガス放出装置。 - 前記環境条件取得手段は、前記環境条件を表す情報として、前記ガス放出部を含む所定範囲における風速の検出結果を表す情報を取得し、
前記制御部のガス放出制御手段は、取得された前記風速の検出結果を表す情報に基づいて、前記ガス収容部から放出されるガスの放出濃度が前記風速に対応して設定される濃度に近づくように前記ガス放出部を制御する、請求項5に記載のガス放出装置。 - 前記制御部は、
前記ターゲットの検出に応じ前記ガス放出部から見た前記ターゲットの方向を表す情報を取得する方向情報取得手段を、
さらに備え、
前記制御部のガス放出制御手段は、前記取得された前記ターゲットの方向を表す情報に基づいて、前記ガス収容部から放出されるガスが前記ターゲットの方向へ放出されるように前記ガス放出部を制御する、請求項1に記載のガス放出装置。 - 前記ガス放出部は、ファンを有するガス放出機構部を備え、
前記制御部のガス放出制御手段は、前記取得された前記ターゲットの方向を表す情報に基づいて、前記ガス収容部から放出されるガスが風向きとは無関係に前記ターゲットの方向へ強制的に放出されるように前記ガス放出部のガス放出機構部を動作させる、請求項9に記載のガス放出装置。 - 前記制御部は、
前記ターゲットの検出結果に基づいて、当該ターゲットの種類および属性の少なくとも一方を表す情報を取得するターゲット情報取得手段を、
さらに備え、
前記制御部のガス発生制御手段は、取得された前記ターゲットの種類および属性の少なくとも一方を表す情報に基づいて、前記ガス発生部により発生するガスの種類および濃度の少なくとも一方を制御する、請求項1に記載のガス放出装置。 - 害獣及び不審者を含むターゲットの検出結果に応じ、当該ターゲットに対し所定の影響を与える物質を含む少なくとも1種類のガスを発生させて、ガス収容部に収容保持させる過程と、
前記ガス収容部に前記ガスが収容保持された後に、前記ガス収容部から前記ガスを強制的に放出させる過程と
を備えるガス放出方法。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載のガス放出装置の前記制御部が備える各手段による処理を、前記制御部が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018211668A JP2020074734A (ja) | 2018-11-09 | 2018-11-09 | ガス放出装置とその放出方法およびプログラム |
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ID=70723006
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7515809B2 (ja) | 2021-09-21 | 2024-07-16 | 日本電信電話株式会社 | 噴霧制御装置、噴霧制御方法、及び噴霧制御プログラム |
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2018
- 2018-11-09 JP JP2018211668A patent/JP2020074734A/ja active Pending
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