JP2020073026A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理の実行に際して扱うデータの容量を抑えることが可能な遊技機を提供する。【解決手段】主制御装置70のCPU71では、メダルがベットされている状況でスタートレバー51が操作されたことに基づき抽選処理を実行し、さらにリールの回転を開始させる。この場合に、抽選処理の処理結果に対応した組合せテーブルが読み出され、当該組合せテーブを利用してリールの停止制御が実行される。組合せテーブルとしては、可変長データである第3組合せテーブルが存在している。第3組合せテーブルは複数存在しており、複数の第3組合せテーブルはROM72において連続するように配列されている。当該構成において、各第3組合せテーブルには自身のデータ容量を示すヘッダデータが設定されており、当該ヘッダデータを参照することで、一の第3組合せテーブルの次の順番で設定されている第3組合せテーブルの開始アドレスを特定することが可能となる。【選択図】 図6

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、プログラムやデータを記憶した記憶手段を有しているとともに、当該記憶手段に記憶されたプログラムやデータを利用して各種処理を実行する制御手段を有しており、当該制御手段において各種処理が実行されることにより遊技の進行が制御される。
スロットマシンのように絵柄の変動表示の開始操作及び停止操作が遊技者により行われる遊技機では、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。この場合、例えばプログラムに従って抽選処理が実行されるとともに、その抽選処理に際して当選役を示すデータが参照される(例えば特許文献1参照)。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。この場合、例えばプログラムに従って回転開始制御や回転停止制御が実行されるとともに、回転停止制御に際して当該停止制御用のデータが参照される。
パチンコ機では、所定の入球部に遊技球が入球することにより制御手段にて抽選処理が実行されるが、当該抽選処理に際してプログラム及びデータが用いられる。また、抽選処理が実行された場合には表示装置にて絵柄の変動表示が実行されるが、当該絵柄の変動表示を制御する際にプログラム及びデータが用いられる(例えば特許文献2参照)。
特開2003−180936号公報 特開2011−030898号公報
ここで、上記のような遊技機においては、処理を実行するために扱うデータの容量は小さいことが好ましい。しかしながら、遊技の興趣向上を図る上では、例えば抽選結果の多様化や、絵柄の変動表示態様又は絵柄の停止結果の多様化を図ることが好ましく、この場合、処理の実行に際して扱うデータの容量が増大化することが懸念される。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、処理の実行に際して扱うデータの容量を抑えることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、特定データを予め複数記憶する特定記憶手段と、
当該特定記憶手段から特定データを読み出し、当該特定データに対応した特定処理を実行する特定処理実行手段と、
を備え、
前記特定記憶手段には、複数の前記特定データが所定の順序で設定されており、
複数の前記特定データのうち少なくとも所定の特定データは、前記特定記憶手段において自身の次の順番に設定されている特定データのアドレスを特定可能とするように、自身が有するデータ量に対応した次指定用データを有しており、
前記特定データとして、規定データ量となる固定長データを複数有し、前記特定記憶手段において隣り合う順番の特定データ間でデータ量が相違する可変長データを複数有し、
前記特定記憶手段における前記特定データの設定順序において、複数の前記可変長データ間に前記固定長データが入り込まないように、それら可変長データ及び固定長データは集約して設定されており、
前記所定の特定データは、前記可変長データであり、
前記固定長データは、前記次指定用データを有していないことを特徴とする。
本発明によれば、処理の実行に際して扱うデータの容量を抑えることが可能となる。
第1の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 スロットマシンの電気的構成図である。 主制御装置にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される通常処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される抽選処理を示すフローチャートである。 (a)通常遊技状態用の抽選テーブルの一例を示す図であり、(b)BB状態用の抽選テーブルの一例を示す図である。 主制御装置にて実行されるリール回転処理を示すフローチャートである。 (a)優先順位情報用バッファを説明するための説明図であり、(b)判定値算出情報用バッファを説明するための説明図である。 主制御装置にて実行される優先順位情報作成処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される判定値算出情報作成処理を示すフローチャートである。 判定値算出情報作成処理の概略を説明するための説明図である。 主制御装置にて実行される引込ビット情報設定処理を示すフローチャートである。 引込ビット情報検索用バッファを説明するための説明図である。 引込ビットテーブルの一例を示す図である。 主制御装置にて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される払出枚数取得処理を示すフローチャートである。 (a)〜(d)制限枚数データが設定されていることによる作用を説明するための説明図である。 主制御装置にて実行される引込ビット情報検索処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行されるリール停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行されるスベリ数取得処理を示すフローチャートである。 (a),(b)スベリ数取得処理の概略を説明するための説明図である。 (a)〜(d)組合せテーブルを説明するための説明図である。 ROMの組合せテーブル記憶エリアにおけるデータ構成を説明するための説明図である。 (a)主制御装置にて実行される抽選結果対応処理を示すフローチャートであり、(b)参照用データ及びジャンプ回数のデータを説明するための説明図であり、(c)対応テーブルを説明するための説明図である。 主制御装置にて実行される組合せテーブルの第1設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される組合せテーブルの第2設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される組合せテーブルの第3設定処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップボタンの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 リールの停止制御を説明するための説明図である。 第1RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップボタンの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 第2RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップボタンの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 第3RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップボタンの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 第4RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップボタンの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 第5RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップボタンの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 遊技状態の移行を説明するための説明図である。 当選ビットデータに関する主制御装置のROM及びRAMの構成を説明するための説明図である。 展開用エリアの構成を説明するための説明図である。 (a)は第5RT状態におけるIV=9の場合の当選ビットデータを説明するための説明図であり、(b)は第5RT状態におけるIV=15の場合の当選ビットデータを説明するための説明図であり、(c)は第5RT状態におけるIV=30の場合の当選ビットデータを説明するための説明図であり、(a1),(b1),(c1)は対応する当選ビットデータを展開用エリアに展開した状態を示し、(a2),(b2),(c2)は対応する当選ビットデータのデータ構成を示す。 ROMの当選ビットデータ記憶エリアにおけるデータ構成を説明するための説明図である。 主制御装置にて実行される当選ビットデータの取得処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態の変形例における当選ビットデータ記憶エリアのデータ構成を説明するための説明図である。 主制御装置にて実行される当選ビットデータの取得処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 (a)〜(j)図柄表示装置にて変動表示される図柄を個々に示す図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面を示す図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置のMPUにて各種抽選を行うための電気的な構成を説明するための説明図である。 振分テーブル記憶エリアを説明するための説明図である。 主制御装置にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置にて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 (a)変動用コマンドのデータ構成を説明するための説明図であり、(b)コマンド用テーブルを説明するための説明図である。 音声発光制御装置にて実行される遊技回開始設定処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14に対する所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図3には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「赤7」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト16番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト11番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト10番目)、「白7」図柄(例えば、左ベルト2番目)の8種類がある。そして、図3に示すように、各リール32L,32M,32Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図4に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第4ラインL4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの下段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第5ラインL5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図5には、入賞となる前記所定の図柄及び前記所定の図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,第3スイカ入賞,第4スイカ入賞,ベル入賞,チェリー入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「リプレイ」図柄と中リール32Mの「リプレイ」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「リプレイ」図柄と中リール32Mの「スイカ」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第3スイカ入賞として9枚のメダル払出が行われる。左リール32Lの「リプレイ」図柄と中リール32Mの「スイカ」図柄と右リール32Rの「赤7」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第4スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として8枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。したがって、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。具体的には、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。一方、左リール32Lにおいて一の有効ラインのみが存在する位置(具体的には中段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、チェリー入賞として設定されている分のメダル払出が行われる。具体的には、本実施形態では2枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,第3BB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には第2BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には第3BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、各リール32L,32M,32Rの「ラッキー」図柄、及び中リール32Mと右リール32Rの「チェリー」図柄は、入賞と一切関与していない。このように、各リール32L,32M,32Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「ラッキー」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。
図1の説明に戻り、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー51が設けられている。メダルが投入されているときにこのスタートレバー51が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー51の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン52,53,54が設けられている。各ストップボタン52,53,54は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン52,53,54は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口55が設けられている。メダル投入口55から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ61によって、投入可能時であればホッパ装置64へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれる。なお、ホッパ装置64は、上記有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口17を通じてメダル受け皿18に払い出す機能を有している。
メダル投入口55の下方には、図1に示すように、メダル投入口55に投入されたメダルがセレクタ61内に詰まった際に押される返却ボタン56が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入ボタン57と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン58と、仮想メダルを一度に3枚投入するための第3クレジット投入ボタン59とが設けられている。
スタートレバー51の左側には、ボタン状の精算ボタン60が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン60を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口17から払い出されるようになっている。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ22と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ23と、遊技者に各種情報を与える液晶表示器などの補助表示部24とが設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置64の左方には、図2に示すように、電源装置65が設けられている。電源装置65には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ66と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン67と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔68と、を備えている。
リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70には、演算処理手段であるCPU71を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU71には、電源装置65の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路74や、入出力ポート75などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置70は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置70の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー51の操作を検出するスタート検出センサ51a、各ストップボタン52,53,54の操作を個別に検出するストップ検出センサ52a,53a,54a、メダル投入口55から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ55a、各クレジット投入ボタン57,58,59の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ57a,58a,59a、精算ボタン60の操作を検出する精算検出センサ60a、ホッパ装置64から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ64a、リセットボタン67の操作を検出するリセット検出センサ67a、設定キー挿入孔68に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ68a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート75を介してCPU71へ入力されるようになっている。
また、主制御装置70の入力側には、入出力ポート75を介して電源装置65に設けられた停電監視回路65bが接続されている。電源装置65には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部65aや、停電監視回路65bなどが搭載されている。
停電監視回路65bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ66による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路65bは、電源部65aから出力されるこの例では直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU71に供給され、CPU71ではこの停電信号を認識することにより停電時処理が実行される。
主制御装置70の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置64、表示制御装置80等が入出力ポート75を介して接続されている。
表示制御装置80は、上部ランプ22やスピーカ23、補助表示部24を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置70からの信号を受け取った上で、表示制御装置80が独自に上部ランプ22、スピーカ23及び補助表示部24を駆動制御する。
上述したCPU71には、このCPU71によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM72と、このROM72内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM73のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。
RAM73は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置65からバックアップ電圧が供給されてデータを保持できる構成となっており、RAM73には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU71のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路65bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
<主制御装置70のCPU71により実行される処理>
次に、主制御装置70内のCPU71により実行される各制御処理を説明する。
かかるCPU71の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU71内の全レジスタの値をRAM73のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
停電フラグは、電源装置65の停電監視回路65bからの停電信号がNMI端子を介してCPU71に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU71のスタックポインタの値をRAM73のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート75における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM73のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU71自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート75に接続された各種センサ(図6参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを表示制御装置80へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、入出力ポート75からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU71内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について図8のフローチャートに基づき説明する。
ステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置80等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置80等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM73に格納された各種遊技情報等のデータをクリアする。この場合、一のゲームにおいて使用するRAM73の各エリアを初期化するための処理を実行する。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。前回の遊技で再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、精算ボタン60が操作されたか否かを判定し、精算ボタン60が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン60が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン57〜59の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン57〜59の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻る。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー51が操作されたか否かを判定する。スタートレバー51が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻る。
一方、スタートレバー51が操作された場合には、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第5ラインL5の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてセレクタ61を制御することによりベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール回転処理、ステップS211のリール停止処理、ステップS212のメダル払出処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
ステップS209〜ステップS213の処理のうち、ステップS212のメダル払出処理及びステップS213のBB状態処理について先に説明する。
ステップS212のメダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算する。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置64からメダル受け皿18へ払い出す。なお、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数データの値から払出数を減算する処理を行う。
ステップS213のBB状態処理では、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データがセットされている状況で、その当選データに対応した入賞が成立しているか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立した場合には、RAM73にBB設定フラグをセットすることで遊技状態をBB状態に移行させる。また、この際、RAM73に、BB状態中に払出可能な残りのメダル数を示す残払出数データとして「442」をセットする。
遊技状態がBB状態となることで、後述する抽選処理ではBB状態用抽選テーブルを選択する。また、BB状態においては、リール32L,32M,32Rの回転が停止され入賞が発生する毎に、その入賞分の数がRAM73の残払出数データから減算される。そして、残払出数データが「0」となった場合に、BB設定フラグがクリアされて、BB状態が終了する。
<抽選処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS209の抽選処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー51が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU71は、スタートレバー51の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM73に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー51が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー51が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態及びBB状態の2種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、RAM73に設けられた遊技状態フラグの内容に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。
例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。この場合に、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔68に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、通常遊技状態において、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。一方、BB状態では、当選確率は「設定1」から「設定6」にて共通となっている。
なお、当選確率についての構成は上記のものに限定されることはなく、通常遊技状態において少なくとも一部の役が設定値に依存することなく共通であってもよい。例えば、BB状態といった特別遊技状態への当選確率は「設定1」から「設定6」で相違する一方、他の役(小役、再遊技役)の一部又は全部についての当選確率が設定値に依存することなく共通である構成としてもよい。また、BB状態において所定の小役又は全部の小役の当選確率が「設定1」から「設定6」で相違する構成としてもよい。
抽選テーブルについて、図10を参照しながら説明する。図10(a)は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用の抽選テーブルであり、図10(b)は、BB状態で選択されるBB状態用の抽選テーブルである。図10(a)及び図10(b)に示すように、抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
通常遊技状態用の抽選テーブルについて詳細には、図10(a)に示すように、IV=1〜3、12〜18にはそれぞれ、第1BB役、第2BB役、第3BB役、チェリー役、第1スイカ役、第2スイカ役、第3スイカ役、第4スイカ役、ベル役、再遊技役のうちのいずれか1つの抽選役が設定されており、各インデックス値IVにおいて抽選役はそれぞれ異なっている。
一方、IV=4〜11には、複数の抽選役が設定されている。例えば、IV=4では、抽選役として第2スイカ役、チェリー役、第1BB役の3種類の抽選役が設定されており、IV=4において当選となった場合には、これら3種類の役のいずれか1つのみの入賞、又はこれら3種類の役のうち所定の組合せでの同時入賞が発生する。このように3種類の抽選役が設定されているのは、IV=5及びIV=6の場合においても同様である。但し、IV=4〜6において、それぞれ設定されている抽選役の組合せは異なっている。
また、IV=7では、抽選役としてチェリー役、第2BB役の2種類の抽選役が設定されており、IV=7において当選となった場合には、これら2種類の役のいずれか1つのみの入賞、又はこれら2種類の役の同時入賞が発生する。このように2種類の抽選役が設定されているのは、IV=8〜11の場合においても同様である。但し、IV=7〜11において、それぞれ設定されている抽選役の組合せは異なっている。
上記10種類の抽選役において、単独当選となる場合及び重複当選となる場合の両方を含めた当選確率は、ベル役>再遊技役>チェリー役>第2スイカ役>第1スイカ役=第3スイカ役=第4スイカ役>第1BB役=第2BB役=第3BB役となっている。つまり、各BB役の当選確率が最も低く設定されている。この場合に、各BB役は、1回の抽選処理にて単独で当選となる場合と、1回の抽選処理にて他の所定役とともに同時に当選となる場合とがある。これにより、例えば、上記所定役の入賞が成立した場合であっても、BB役の当選を遊技者に期待させることが可能となる。その一方、BB役が単独で当選する場合もあるため、入賞が一切成立していない状況であってもBB役当選を遊技者に期待させることが可能となる。
BB状態用の抽選テーブルについて詳細には、図10(b)に示すように、通常遊技状態用の抽選テーブルにおいて、IV=11〜17が、IV=1〜7としてそれぞれ設定されている。当該インデックス値はいずれも、抽選役として小役のみが設定されている。つまり、BB状態においては、第1BB役〜第3BB役及び再遊技役が抽選役として設定されていない。
BB状態においては、小役の当選確率が通常遊技状態の場合よりも高く設定されている。また、IV=2〜7には、チェリー役、第1スイカ役、第2スイカ役、第3スイカ役、第4スイカ役、ベル役のうちのいずれか1つの抽選役が設定されているのに対して、IV=1には、第2スイカ役及びチェリー役が抽選役として設定されている。また、当選確率は、ベル役が最も高く、第2スイカ役及びチェリー役の同時当選が次に高く、チェリー役、第1〜第4スイカ役の各単独当選が最も低くなるように設定されている。
抽選処理(図9)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後は、ステップS303にてインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータをRAM73にセットする。例えば、IV=4のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、第2スイカ役とチェリー役と第1BB役に当選したことを示すデータをRAM73にセットし、IV=12のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリー役に当選したことを示すデータをRAM73にセットする。
ちなみに、セットされた当選のデータが第1BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第1BB当選データ」と言う。)、第2BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第2BB当選データ」と言う。)、又は第3BBに当選したことを示す当選データ(以下、「第3BB当選データ」と言う。)でない場合、RAM73にセットされた当選であることを示すデータは該当選データがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。
一方、当選データが第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データである場合、これら当選データは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選データ、第2BB当選データ及び第3BB当選データは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。
また、通常遊技状態において第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データを持ち越した場合のステップS306では、現在のインデックス値IVが1〜3であれば対応する当選データをセットしない構成であり、現在のインデックス値IVが4〜10であればBB当選データ以外の当選データをセットする構成であり、現在のインデックス値が1〜10以外であればインデックス値IVと対応する当選データをセットする。つまり、第1BB当選データ、第2BB当選データ又は第3BB当選データが持ち越されているゲームでは、第1BB役、第2BB役及び第3BB役以外の役に当選した場合には対応する当選データをセットする一方、第1BB役、第2BB役又は第3BB役に当選した場合には対応する当選データをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS306にて当選データをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果対応処理を実行した後に、本抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理では、リール32L,32M,32Rの停止制御を行う上で必要なデータであって現状の遊技状況(通常遊技状態であるかBB状態であるかといった状況や、通常遊技状態においてBB当選データが設定されているか否かといった状況)及び抽選結果に対応したデータをROM72から読み出し、RAM73に書き込む処理を実行する。この場合に読み出されるデータは、制限枚数データ及び組合せテーブルのデータである。これら制限枚数データ及び組合せテーブルのデータの詳細については後述する。
<リール回転処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS210のリール回転処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では始動用割り込み処理を許可する。始動用割込み処理は、上述したタイマ割込み処理(図7)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にて実行される。始動用割込み処理では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるとともに、所定の加速期間を経て定速回転するように、各リール32L,32M,32Rに対して加速制御を実行する。
続くステップS402では、優先順位情報作成処理を実行する。優先順位情報作成処理では、第1停止時において左リール32L、中リール32M又は右リール32Rが停止操作される場合を想定して予め各リール32L,32M,32Rに関して停止情報群を作成しておくための処理である。当該処理の詳細については後に説明する。
その後、ステップS403にて各リール32L,32M,32Rが定速回転となったか否かを判定し、定速回転となっていない場合にはステップS403の処理を繰り返す。定速回転となりステップS403にて肯定判定をした場合には、ステップS404にて、始動用割込み処理の実行を禁止した後に、本リール回転処理を終了する。
<優先順位情報作成処理>
次に、ステップS402の優先順位情報作成処理について説明する。
当該処理では、リール32L,32M,32Rのうち停止指令が発生していないリールを停止させる場合の停止位置に関して優先順位を定めるための優先順位情報を作成する。
優先順位情報は、対応するリールに関して基点位置(本実施の形態では、表示窓部の下段)に停止させる図柄番号の優先順位を決定するための停止情報群であり、ストップボタンが押された際に基点位置に到達している到達図柄番号と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄番号との関係が定められたスベリテーブルとは情報の性質が異なる。また、優先順位情報は、既に停止操作が実行されたリールの停止位置、スロットマシン10の遊技状況、及び抽選処理における抽選結果等に基づいて作成される。この優先順位情報の作成に際しては、RAM73における各バッファが使用されるが、それらバッファのうち優先順位情報用バッファ73aが特に重要となるため、この優先順位情報用バッファ73aについて説明する。図12は優先順位情報用バッファ73aを説明するための説明図である。
優先順位情報用バッファ73aは、図12(a)に示すように、多数の判定値算出情報用バッファBから構成されている。判定値算出情報用バッファBは、各リール32L,32M,32Rの各図柄と1対1で対応させて設けられている。また、各リール32L,32M,32Rの各図柄にはそれぞれ図柄番号が設定されているため、判定値算出情報用バッファBは各図柄番号と1対1で対応させて設けられているとも言える。判定値算出情報用バッファBは各リール32L,32M,32Rにそれぞれ21個ずつ割り当てられているため、優先順位情報用バッファ73aは合計で63個の判定値算出情報用バッファBを有する。
各判定値算出情報用バッファBは、図12(b)に示すように、上位情報用バッファとしての第1バッファB1と下位情報用バッファとしての第2バッファB2とから構成されている。第1バッファB1及び第2バッファB2は、それぞれ1バイトで構成されている。したがって、各判定値算出情報用バッファBはそれぞれ2バイトで構成されており、優先順位情報用バッファ73aは合計126バイトで構成されている。
第1バッファB1及び第2バッファB2の各ビットは、個別に又は所定の組合せで、特有の判定用情報を格納するための機能を有する。詳細には、第1バッファB1については、第7ビットは不当入賞判定用情報を格納するための不当入賞判定ビットとしての機能を有し、第6ビットは再遊技情報を格納するための再遊技ビットとしての機能を有し、第5ビットはBB役情報を格納するためのBB役ビットとしての機能を有し、第4ビットは小役情報を格納するための小役ビットとしての機能を有し、第3〜第0ビットは獲得枚数ビットとしての機能を有する。
第2バッファB2については、第7ビットは獲得枚数ビットとしての機能を有し、第6ビットは蹴飛ばし判定情報を格納するための蹴飛ばし判定ビットとしての機能を有し、第5ビットは第1優先ライン情報を格納するための第1優先ラインビットとしての機能を有し、第2〜第1ビットは引込ビット情報を格納するための引込ビットとしての機能を有し、第0ビットは第2優先ライン情報を格納するための第2優先ラインビットとしての機能を有する。
なお、第2バッファB2の第4〜第3ビットはブランクとなっている。また、獲得枚数ビットは、トータルで5ビットが割り当てられており、獲得枚数のデータとして、10進数で表した場合に0〜31の値を格納することが可能となっている。
これら第1バッファB1及び第2バッファB2の各ビットに基づいて判定値算出情報用バッファの集計値が算出され、その集計値が上述した図柄を停止させる場合の優先順位となる。この場合に、第1バッファB1の第7ビットを最上位、第2バッファB2の第0ビットを最下位とし、さらに第2バッファB2の第0ビットに向かうほど下位側のビットとした場合に、上位側のビットに「1」が設定されているほど集計値が高くなる。そして、集計値が高い図柄番号ほど優先順位が高く、集計値が低い図柄番号ほど優先順位が低い。上記各ビットのうち、不当入賞判定ビットと蹴飛ばし判定ビットとは初期値が「1」となっており、その他のビットは初期値が「0」となっている。
図13は、優先順位情報作成処理を示すフローチャートである。
まずステップS501では、今回の優先順位情報作成処理で優先順位情報の作成を行う対象リール数の情報をRAM73に書き込むとともに、対象リール情報として左リール32Lの情報を当該RAM73に書き込む。例えば、全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生していない状況である場合には、対象リール数は「3」となり、左リール32Lに対してのみ停止指令が発生している状況であれば、対象リール数は「2」となる。
続くステップS502では、対象リール情報が既に停止指令が発生しているリールの情報か否かを判定する。既に停止指令が発生しているリールの情報でない場合には、ステップS503にて判定値算出情報作成処理を実行した後にステップS504に進む。一方、既に停止指令が発生しているリールの情報である場合には、そのままステップS504に進む。
ステップS504では、対象リール数の値が「0」か否かを判定し、「0」である場合にはそのまま優先順位情報作成処理を終了する。「0」でない場合には、ステップS505にて、対象リール情報を更新するとともに、対象リール数の値を1減算した後に、ステップS502に戻る。この対象リール情報の更新は、既に格納されている対象リール情報が左リール32Lの情報である場合には中リール32Mの対象リール情報に更新し、既に格納されている対象リール情報が中リール32Mの情報である場合には右リール32Rの対象リール情報に更新する。対象リール情報がまだ停止指令が発生していないリールの情報に更新されることにより、ステップS502にて肯定判定をし、ステップS503にて判定値算出情報作成処理を実行する。
<判定値算出情報作成処理>
ステップS503の判定値算出情報作成処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
詳細な説明に先立って概略を説明すると、判定値算出情報作成処理では、対象リール情報に対応したリール(以下、対象リールという)において各図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、その想定した対象図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して、種々の状態を考慮して「0」又は「1」の情報を格納する処理を行う。例えば、左リール32Lにおける下段に18番の「赤7」図柄が停止している状況において対象図柄番号が中リール32Mの0番である場合には、図15(a)に示す状況を想定して判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して情報を格納する。また、判定値算出情報作成処理では、対象図柄番号を1つずつ更新し、各図柄番号に対して判定値算出情報用バッファBの作成を行う。したがって、中リール32Mの0番の図柄番号に対して判定値算出情報用バッファBの作成を行った後は、対象図柄番号が1番となり、図15(b)に示す状況を想定して判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して情報を格納する。
図14に示すように、判定値算出情報作成処理では、まずステップS601にて、対象リールに対応した判定値算出情報用バッファのアドレスを取得する。続くステップS602では、RAM73における対象図柄の情報を初期化する。これにより、現状の対象リールにおける0番が対象図柄番号となる。その後、ステップS603の引込ビット情報設定処理、及びステップS604の入賞判定処理を実行することにより、対象図柄番号の判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して「0」又は「1」の情報を格納し、判定値算出情報を作成する。
続くステップS605では、対象図柄番号を現在設定されている図柄番号よりも1つ上の図柄番号に設定する。その後、ステップS606にて、対象リールにおける全判定値算出情報を作成済みか否かを判定する。作成済みでない場合には、ステップS603に戻る。これにより、対象リールにおける全判定値算出情報が作成されるまで、ステップS603〜ステップS605の処理が繰り返される。そして、全判定値算出情報が作成されることで、ステップS606にて肯定判定をし、判定値算出情報作成処理を終了する。
ステップS603の引込ビット情報設定処理、及びステップS604の入賞判定処理について詳細に説明する。
<引込ビット情報設定処理>
まず、ステップS603の引込ビット情報設定処理について説明する。
ここで、引込ビットとは、上述したように判定値算出情報用バッファBにおける第2バッファB2の一部を構成する。かかる引込ビットに引込ビット情報を格納することにより、抽選処理にて何ら当選しなかった場合において図柄の停止態様の多様化を図ることができる。また、抽選処理にて何らかの役に当選した場合において、いわゆる取りこぼしが発生する場合には、それに対応した図柄の停止態様とすることが可能となる。また、抽選処理にて複数の役に同時に当選した場合において、それら当選役のうち複数の当選役の入賞を同時に発生させるか、又はそれら当選役のうち一の当選役の入賞のみを発生させるかといったことを指示することが可能となる。特に、BB当選状況においては、いわゆるリーチ目(BB当選状況を教示可能な図柄の停止態様のことをいう)を好適に出現させることができる。このリーチ目としては、例えば、有効ラインL1〜L5のいずれかに、「赤7」図柄,「白7」図柄,「青年」図柄,「ラッキー」図柄が任意の並び順及び組合せで並ぶ態様がある。引込ビット情報設定処理では、かかる引込ビットの値を入賞判定処理にて取得するための準備を行う。
図16は、引込ビット情報設定処理を示すフローチャートである。
ステップS701では展開前準備処理を実行する。展開前準備処理では、RAM73の情報検索用バッファ92を初期化する。図17は情報検索用バッファ92を説明するための説明図である。
情報検索用バッファ92とは、引込ビット情報を取得するために用意されたバッファであり、図17(a)に示すように、左リール用バッファ93、中リール用バッファ94、及び右リール用バッファ95を有し、さらに各リール用バッファ93,94,95はそれぞれ上段用バッファ93a,94a,95a、中段用バッファ93b,94b,95b、及び下段用バッファ93c,94c,95cを有する。つまり、情報検索用バッファ92は、9つのバッファ93a〜93c,94a〜94c,95a〜95cから構成されている。そして、これら9つの各バッファ93a〜93c,94a〜94c,95a〜95cは1バイト構成となっている。情報検索用バッファ92を初期化した状態では、図17(b)に示すように、各バッファ93a〜93c,94a〜94c,95a〜95cに「FF」が格納されている。
その後、既に停止指令が発生しているリールに対応したリール用バッファについて、優先ライン上にない2つのバッファの全ビットをクリアする。ここで、優先ラインとは、複数存在する有効ラインL1〜L5のうち当選役に対応した図柄の組合せ等を優先して停止させるラインのことである。優先ラインの情報は、抽選処理(図9)の結果に応じてステップS309の抽選結果対応処理にて最初に取得され、その後、リールが停止される毎にその停止位置に応じて変更される。例えば左リール32Lに対して既に停止指令が発生している状況では、左リール用バッファ93の各バッファ93a〜93cが対象となる。そして、優先ラインをメインラインL5と仮定すると、図17(c)に示す状態となる。
展開前準備処理を実行した後は、ステップS702にて引込ビットテーブル取得処理を実行する。引込ビットテーブル取得処理では、抽選処理(図9)の抽選結果対応処理(ステップS309)にて既に取得している組合せテーブルを参照することで、今回の判定値算出情報作成処理に対応した引込ビットテーブルをROM72から読み出し、RAM73に書き込む。
図18は引込ビットテーブルの一例を説明するための説明図である。
引込ビットテーブルは、6バイトで構成されており、1バイト目に0番〜3番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、2バイト目に4番〜7番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、3バイト目に8番〜11番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、4バイト目に12番〜15番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、5バイト目に16番〜19番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、6バイト目に20番の図柄番号の引込ビット情報が格納されている。これら引込ビットテーブルに格納される引込ビット情報は、「00」,「01」,「10」,「11」のいずれかであり、「00」→「01」→「10」→「11」の順で値が大きい引込ビット情報ということになる。この場合、引込ビットテーブルにおいては、該当する状況において優先度の高い図柄番号ほど大きい値の引込ビット情報が格納されている。例えば、リーチ目を出現させる場合の状況に関しては、優先度の低いリーチ目を出現させる図柄番号に対して優先度の高いリーチ目を出現させる図柄番号の引込ビット情報は大きな値となっている。そして、この優先度は、上記のように引込ビット情報が複数種用意されているため、複数段階設定することができる。
続くステップS703では、引込ビット情報取得処理を実行する。引込ビット情報取得処理では、ステップS702にて取得した引込ビットテーブルから対象図柄番号の引込ビット情報(以下、下段用引込ビット情報)、対象図柄番号に対して図柄番号が1つ上の図柄番号の引込ビット情報(以下、中段用引込ビット情報)、及び対象図柄番号に対して図柄番号が2つ上の図柄番号の引込ビット情報(以下、上段用引込ビット情報)をそれぞれ取得する。
続くステップS704では、引込ビット情報取得処理にて取得した各引込ビット情報を、該当する情報検索用バッファ92に格納する。中リール32Mに対する引込ビット情報設定処理においては、中リール用バッファ94における下段用バッファ94cに下段用引込ビット情報を格納し、中段用バッファ94bに中段用引込ビット情報を格納し、上段用バッファ94aに上段用引込ビット情報を格納する。例えば、下段用引込ビット情報が「11」であり、中段用引込ビット情報が「00」であり、上段用引込ビット情報が「01」である場合には、情報検索用バッファ92は図17(d)に示す状態となる。その後、引込ビット情報設定処理を終了する。
<入賞判定処理>
次に、ステップS604の入賞判定処理について説明する。
入賞判定処理では、設定されている対象図柄番号に対して各有効ラインについて役の入賞判定及び情報検索用バッファ92に格納した引込ビット情報の合成値判定を実行し、その判定結果に基づいて判定値算出情報用バッファBの各ビットに情報を格納する処理を順次実行する。
図19及び図20は、入賞判定処理を示すフローチャートである。まずステップS801では、初期化処理を実行する。初期化処理では、RAM73における該当する判定値算出情報用バッファBの初期化を実行する。また、RAM73において検索ラインを特定するためのエリアの初期化を実行する。これにより、最初の検索対象が第1ラインL1となる。
続くステップS802では、ライン判定処理を実行する。ライン判定処理では、既に停止指令が発生しているリールが存在している場合には、そのリールについて検索ライン上の図柄番号を特定する。また、今回の対象リールについて検索ライン上の図柄番号を特定する。そして、上記のように特定した図柄番号を利用して、現状の検索ライン上にどのような図柄又は図柄の組合せが存在しているかを把握する。
続くステップS803では、停止指令が発生しているリールが2つか否かを判定する。2つの場合には、ステップS805〜S807の不当入賞用処理を実行する。2つでない場合には、ステップS804に進み、今回の対象リールが左リール32Lであり、且つ左リール32Lにおける今回の検索ライン上に「チェリー」図柄が存在しているか否かを判定する。その結果、肯定判定をした場合には、ステップS805〜ステップS807の不当入賞用処理を実行する。
不当入賞用処理では、まずステップS805にて、今回の対象図柄番号を基準位置に停止させた場合には、当選となっていない抽選役の入賞が現状の検索ライン上において成立してしまうか否かを判定する不当入賞判定処理を実行する。その結果、不当入賞が発生すると判定した場合には、ステップS806にて肯定判定をして、ステップS807に進む。ステップS807では、今回の対象図柄番号における判定値算出情報用バッファBの全ビットを「0」クリアする。その後、本入賞判定処理を終了する。
上述したように、判定値算出情報用バッファBにおける不当入賞判定ビットは初期値で「1」が格納されている。これに対して、不当入賞が発生すると判定した場合、不当入賞判定ビットを含めた全ビットを「0」クリアする。したがって、不当入賞が発生しない対象図柄番号の優先順位判定値に対して不当入賞が発生してしまう対象図柄番号の優先順位判定値を小さくすることができ、不当入賞が発生してしまう図柄番号がそのリールにおける基点位置に停止することが防止され、不当入賞の発生を防止することができる。
ステップS803及びステップS804の両方にて否定判定をした場合、又はステップS806にて否定判定をした場合には、ステップS808に進む。ステップS808では、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、ステップS809〜ステップS820の処理を行うことなくステップS821に進む。いずれかの役に当選している場合には、ステップS809に進む。
ステップS809では、当選図柄成立判定処理を実行する。現状の検索ライン上に成立している図柄又は図柄の組合せが現状の当選役と一致しているか否かを判定する。その結果、一致していない場合、すなわち入賞が成立しない又は入賞の可能性がない場合には、ステップS810にて否定判定をし、ステップS811〜ステップS820の処理を行うことなくステップS821に進む。
一方、ステップS810にて肯定判定をした場合には、ステップS811にて、再遊技役に当選しているか否かを判定する。再遊技役に当選している場合にはステップS812にて、いずれかのBB役に当選しているか否かを判定する。BB役に当選している場合には、ステップS813〜ステップS820の処理を行うことなくステップS821に進む。これは、ストップボタン52〜54の停止順序や停止操作タイミングがいかなる場合であったとしても、再遊技役に当選している状況下では当該再遊技入賞を最優先させるためである。
ステップS811にて否定判定をした場合、又はステップS812にて否定判定をした場合には、ステップS813にて、払出枚数取得処理を実行する。ここで、払出枚数取得処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
<払出枚数取得処理>
払出枚数取得処理では、ステップS901にて、上記ステップS809の処理結果に基づき、入賞の可能性がある役の種類を把握する。続くステップS902では、ROM72から払出枚数テーブルを読み出す。続くステップS903では、上記ステップS901にて把握した役に対応した払出枚数を、ステップS902にて読み出した払出枚数テーブルから特定し、その特定した払出枚数を獲得枚数情報として判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットに加算する。但し、チェリー役の入賞に関して中リール32M及び右リール32Rの停止出目は任意であるため、左リール32Lに停止指令が発生している状況において中リール32M及び右リール32Rのいずれかが対象リールである場合、左リール32Lの検索ライン上にチェリー図柄が停止していると判断したとしても、それに対する獲得枚数の加算は行わない。
続くステップS904では、制限枚数データを読み出す。当該制限枚数データは、遊技状況及び抽選結果に応じて異なっており、制限枚数データを指定しない「指定無し」のデータと、2枚を制限枚数とする「2枚」のデータと、4枚を制限枚数とする「4枚」のデータと、7枚を制限枚数とする「7枚」のデータと、15枚を制限枚数とする「15枚」のデータとの5種類が設定されている。各ゲームにおいては、これら5種類の制限枚数データのうち1種類のデータが選択される。
続くステップS905では、現状の対象リール及び対象図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBから獲得枚数の情報を読み出し、その読み出した獲得枚数が、ステップS904にて読み出した制限枚数よりも大きい値か否かを判定する。なお、「指定無し」の制限枚数データが設定されている場合には、獲得枚数がいずれの値であったとしても、ステップS905にて否定判定をする。
ステップS905にて否定判定をした場合には、ステップS906の処理を実行することなく、本払出枚数取得処理を終了する。ステップS905にて肯定判定をした場合には、ステップS906にて、現状の対象リール及び対象図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBにおける獲得枚数ビットに、ステップS904にて読み出した制限枚数データを書き込む。その後、本払出枚数取得処理を終了する。
上記のように制限枚数データが設定されていることにより、獲得枚数が制限枚数以上となる停止出目については、当該獲得枚数という観点からの優先度では同一のものとして扱うことが可能となる。これにより、上記獲得枚数が多い停止出目の出現が常に優先されてしまうことを防止することが可能となる。かかる制限枚数データが設定されていることによる作用について、図22(a)〜(d)を参照しながら説明する。図22(a)〜(d)は、制限枚数データが設定されていることによる作用を説明するための説明図である。
まず、図22(a1)及び図22(a2)を参照しながら、制限枚数データとして、「指定無し」のデータと、「2枚」のデータとが設定されていることの作用を説明する。既に説明したとおり、抽選役としてチェリー役が設定されており、当該チェリー役は左リール32Lのチェリー図柄が第1ラインL1〜第5ラインL5のいずれかのライン上で停止すれば入賞となり、中リール32M及び右リール32Rの停止出目は任意である。
そうすると、左リール32Lのチェリー図柄が、図22(a1)に示すように、上段に停止した場合には、第1ラインL1及び第2ラインL2の両方においてチェリー役入賞が成立することとなり、その際の獲得枚数はチェリー役入賞時の払出枚数(「2枚」)×入賞ライン数(「2」)となる(すなわち4枚)。一方、左リール32Lのチェリー図柄が、図22(a2)に示すように、中段に停止した場合には、第3ラインL3のみにおいてチェリー役入賞が成立することとなり、その際の獲得枚数はチェリー役入賞時の払出枚数となる(すなわち2枚)。
このような事情において、制限枚数データが「指定無し」のデータである場合、図22(a1)のように、左リール32Lのチェリー図柄が上段(又は下段)に停止する場合の方が、図22(a2)のように、中段に停止する場合よりも、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値が大きくなる。そうすると、当該バッファBの各ビットについて獲得枚数ビットよりも上位側のビットの条件が同一であれば、左リール32Lの各図柄番号において、図22(a1)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、図22(a2)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、チェリー役の複数ラインでの入賞が発生することとなる。
一方、制限枚数データが「2枚」のデータである場合、図22(a1)のように、左リール32Lのチェリー図柄が上段(又は下段)に停止する場合であっても、図22(a2)のように中段に停止する場合と同様に、獲得枚数ビットの値は「2」に制限される。したがって、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値を、図22(a1)のような停止出目と、図22(a2)のような停止出目とで同一とすることが可能となる。この場合に、左リール32Lのチェリー図柄が中段に停止する場合の優先度が、上段又は下段に停止する場合の優先度よりも高くなるように、引込ビットの値を設定しておくことで、左リール32Lの各図柄番号において、前者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、後者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、チェリー役の一ラインでの入賞が発生することとなる。
チェリー役に関して、制限枚数データとして「2枚」のデータが設定される状況とは、通常遊技状態においていずれかのBB役について当選データが設定されている場合であり、BB役の当選データが設定されていない状況及びBB状態では、制限枚数データとして「指定無し」のデータが設定される。かかる構成とすることにより、左リール32Lにおいてチェリー図柄を中段に停止させることを通じて、BB役に当選していることを遊技者に認識させることが可能となる。また、BB状態においては、チェリー役に当選した場合には払出枚数が多くなる入賞を積極的に発生させることが可能となる。
次に、図22(b1)及び図22(b2)を参照しながら、制限枚数データとして、「指定無し」のデータと、「15枚」のデータとが設定されていることの作用を説明する。既に説明したとおり、通常遊技状態用の抽選テーブルが選択されている場合、IV=4の場合やIV=11の場合には、第2スイカ役とチェリー役とが同時当選する。この場合、図22(b1)に示すように、左リール32Lにおいてチェリー図柄が上段に停止した場合、さらに第2スイカ役が同時に入賞することがあり、その際の獲得枚数は第2スイカ役入賞時の払出枚数(「15枚」)+チェリー役入賞時の払出枚数(「2枚」)×入賞ライン数(「2」)となる(すなわち19枚)。なお、当該入賞に際して実際に払い出される枚数は15枚である。一方、図22(b2)に示すように第2スイカの入賞が第3ラインL3において成立した場合には、チェリー役入賞が発生することはなく、その際の獲得枚数は第2スイカ役入賞時の払出枚数となる(すなわち15枚)。
なお、これ以外にも、入賞の態様としては、チェリー役のみの入賞が発生する場合があるが、この際の払出枚数は2枚又は4枚となるため、15枚の制限枚数よりも小さい値となる。
このような事情において、制限枚数データが「指定無し」のデータである場合、図22(b1)のように、第2スイカ役とチェリー役とが同時に入賞する場合の方が、図22(b2)のように、第2スイカ役のみが入賞する場合よりも、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値が大きくなる。そうすると、当該バッファBの各ビットについて獲得枚数ビットよりも上位側のビットの条件が同一であれば、図22(b1)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、図22(b2)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、第2スイカ役とチェリー役との同時入賞が発生することとなる。
一方、制限枚数データが「15枚」のデータである場合、図22(b1)のように、第2スイカ役とチェリー役との同時入賞が発生する場合であっても、図22(b2)のように第2スイカ役のみの入賞が発生する場合と同様に、獲得枚数ビットの値は「15」に制限される。したがって、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値を、図22(b1)のような停止出目と、図22(b2)のような停止出目とで同一とすることが可能となる。この場合に、第2スイカ役のみの入賞が発生する場合の優先度が、第2スイカ役及びチェリー役の同時入賞が発生する場合の優先度よりも高くなるように、引込ビットの値を設定しておくことで、前者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、後者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、第2スイカ役のみの入賞が発生することとなる。
第2スイカ役及びチェリー役に関して、制限枚数データとして「指定無し」のデータが設定される状況とは、通常遊技状態においていずれかのBB役についての当選データが設定されている場合、又はBB状態の場合であり、これらの状況でない場合には「15枚」のデータが設定される。かかる構成とすることにより、通常遊技状態においては、第2スイカ役及びチェリー役の同時入賞が発生していることを通じて、BB役に当選していることを遊技者に認識させることが可能となる。特に、第2スイカ役は払出枚数が最大払出可能枚数である15枚に設定されており、チェリー役入賞が同時に発生する場合及び発生しない場合のいずれにおいても実際の払出枚数は15枚で同一であるため、遊技者に払い出されるメダルの枚数は同一としながら、停止出目における入賞役の数によってBB役当選を報知することが可能となる。また、BB状態においては、通常遊技状態にて発生しづらい第2スイカ役及びチェリー役の同時入賞に対応した停止出目を積極的に発生させることが可能となる。
次に、図22(c1)及び図22(c2)を参照しながら、制限枚数データとして、「指定無し」のデータと、「7枚」のデータとが設定されていることの作用を説明する。既に説明したとおり、通常遊技状態用の抽選テーブルが選択されている場合、IV=5の場合には、第1BB役とともに、第2スイカ役とチェリー役とが同時当選する。この場合、図22(c1)に示すように、左リール32Lにおいてチェリー図柄が上段に停止した場合、さらに第3スイカ役が同時に入賞することがあり、その際の獲得枚数は第3スイカ役入賞時の払出枚数(「9枚」)+チェリー役入賞時の払出枚数(「2枚」)×入賞ライン数(「2」)となる(すなわち13枚)。一方、図22(c2)に示すように、第3スイカの入賞が第3ラインL3において成立した場合には、チェリー役入賞が発生することはなく、その際の獲得枚数は第3スイカ役入賞時の払出枚数となる(すなわち9枚)。
なお、これ以外にも、入賞の態様としては、チェリー役のみの入賞が発生する場合があるが、この際の払出枚数は2枚又は4枚となるため、7枚の制限枚数よりも小さい値となる。
このような事情において、制限枚数データが「指定無し」のデータである場合、図22(c1)のように、第3スイカ役とチェリー役とが同時に入賞する場合の方が、図22(c2)のように、第3スイカ役のみが入賞する場合よりも、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値が大きくなる。そうすると、当該バッファBの各ビットについて獲得枚数ビットよりも上位側のビットの条件が同一であれば、図22(c1)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、図22(c2)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、第3スイカ役とチェリー役との同時入賞が発生することとなる。
一方、制限枚数データが「7枚」のデータである場合、図22(c1)のように、第3スイカ役とチェリー役との同時入賞が発生する場合、及び図22(c2)のように第3スイカ役のみの入賞が発生する場合のいずれにおいても、獲得枚数ビットの値は「7」に制限される。したがって、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値を、図22(c1)のような停止出目と、図22(c2)のような停止出目とで同一とすることが可能となる。この場合に、第3スイカ役のみの入賞が発生する場合の優先度が、第3スイカ役及びチェリー役の同時入賞が発生する場合の優先度よりも高くなるように、引込ビットの値を設定しておくことで、前者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、後者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、第3スイカ役のみの入賞が発生することとなる。
第3スイカ役及びチェリー役に関して、制限枚数データとして「指定無し」のデータが設定される状況とは、通常遊技状態においていずれかのBB役についての当選データが設定されている場合であり、これらの状況でない場合には「7枚」のデータが設定される。かかる構成とすることにより、通常遊技状態においては、第3スイカ役及びチェリー役の同時入賞が発生していることを通じて、BB役に当選していることを遊技者に認識させることが可能となる。
次に、図22(d1)及び図22(d2)を参照しながら、制限枚数データとして、「指定無し」のデータと、「4枚」のデータとが設定されていることの作用を説明する。既に説明したとおり、通常遊技状態用の抽選テーブルが選択されている場合、IV=6の場合には、第1BB役とともに、第4スイカ役とチェリー役とが同時当選する。この場合、図22(d1)に示すように、左リール32Lにおいてチェリー図柄が上段に停止した場合、さらに第4スイカ役が同時に入賞することがあり、その際の獲得枚数は第4スイカ役入賞時の払出枚数(「1枚」)+チェリー役入賞時の払出枚数(「2枚」)×入賞ライン数(「2」)となる(すなわち5枚)。一方、図22(d2)に示すように、左リール32Lにおいてチェリー図柄が上段に停止するものの、第4スイカ役の入賞が発生しない場合には、獲得枚数はチェリー役入賞時の払出枚数(「2枚」)×入賞ライン数(「2」)となる(すなわち4枚)。
なお、これ以外にも、入賞の態様としては、第4スイカ役のみの入賞が発生する場合があり、さらにチェリー役の入賞が第3ラインL3においてのみ発生する場合があるが、これらの払出枚数は前者が1枚、後者が2枚となるため、4枚の制限枚数よりも小さい値となる。
このような事情において、制限枚数データが「指定無し」のデータである場合、図22(d1)のように、第4スイカ役とチェリー役とが同時に入賞する場合の方が、図22(d2)のように、チェリー役の複数ライン入賞のみが発生する場合よりも、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値が大きくなる。そうすると、当該バッファBの各ビットについて獲得枚数ビットよりも上位側のビットの条件が同一であれば、図22(d1)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、図22(d2)のような停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、第4スイカ役とチェリー役との同時入賞が発生することとなる。
一方、制限枚数データが「4枚」のデータである場合、図22(d1)のように、第4スイカ役とチェリー役との同時入賞が発生する場合であっても、図22(d2)のようにチェリー役の複数ライン入賞のみが発生する場合と同様に、獲得枚数ビットの値は「4」に制限される。したがって、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットの値を、図22(d1)のような停止出目と、図22(d2)のような停止出目とで同一とすることが可能となる。この場合に、チェリー役の複数ライン入賞のみが発生する場合の優先度が、第4スイカ役及びチェリー役の同時入賞が発生する場合の優先度よりも高くなるように、引込ビットの値を設定しておくことで、前者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号の方が、後者の停止出目を出現させることを可能とする図柄番号よりも、停止に際しての優先度が高くなる。したがって、チェリー役の複数ライン入賞のみが発生することとなる。
第4スイカ役及びチェリー役に関して、制限枚数データとして「指定無し」のデータが設定される状況とは、通常遊技状態においていずれかのBB役についての当選データが設定されている場合であり、これらの状況でない場合には「4枚」のデータが設定される。かかる構成とすることにより、通常遊技状態においては、第4スイカ役及びチェリー役の同時入賞が発生していることを通じて、BB役に当選していることを遊技者に認識させることが可能となる。
入賞判定処理(図19)の説明に戻り、払出枚数取得処理を実行した後はステップS814にて、再遊技役の入賞が成立するか又は成立する可能性があるか否かを判定する。ステップS814にて肯定判定をした場合には、ステップS815にて判定値算出情報用バッファBの再遊技ビットに「1」を格納した後に、ステップS819に進む。ステップS814にて否定判定をした場合には、ステップS816に進む。
ステップS816では、いずれかのBB役の入賞が成立するか又は成立する可能性があるか否かを判定する。ステップS816にて肯定判定をした場合には、ステップS817にて判定値算出情報用バッファBのBB役ビットに「1」を格納した後に、ステップS819に進む。ステップS816にて否定判定をした場合には、ステップS818に進む。ステップS818では、判定値算出情報用バッファBの小役ビットに「1」を格納した後に、ステップS819に進む。
ステップS819では、今回の検索ラインが優先ラインと一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS820にて判定値算出情報用バッファBの第1優先ラインビットに「1」を格納した後に、ステップS821に進む。一致しない場合には、そのままステップS821に進む。ステップS821では、停止指令が発生しているリールが2つか否かを判定する。2つの場合には、ステップS822〜ステップS824の蹴飛ばし用処理を実行する。
蹴飛ばし用処理では、まずステップS822にて、今回の対象図柄番号を基準位置に停止させた場合には、蹴飛ばし目が出現してしまうか否かを判定する蹴飛ばし目出現判定処理を実行する。蹴飛ばし目とは、不当入賞を構成しない停止出目(図柄の組合せ又は図柄の停止態様)ではあるが、役の当選状況や遊技状態に関連して出現させると遊技者を混乱させるおそれのある停止出目のことをいう。本スロットマシン10において具体的には、BB非当選状況におけるリーチ目が蹴飛ばし目として設定されている。その結果、蹴飛ばし目が出現すると判定した場合には、ステップS823にて肯定判定をし、ステップS824に進む。ステップS824では、対象図柄番号における判定値算出情報用バッファBの蹴飛ばし判定ビットを「0」クリアした後に、ステップS826に進む。
ここで、上述したように、判定値算出情報用バッファBにおける蹴飛ばし判定ビットは初期値で「1」が格納されている。これに対して、蹴飛ばし目が出現してしまうと判定した場合には、蹴飛ばし判定ビットを「0」クリアする。したがって、判定値算出情報用バッファBの第1バッファB1の態様が同一の対象図柄番号については、蹴飛ばし目が出現しない対象図柄番号の優先順位判定値に対して、蹴飛ばし目が出現してしまう対象図柄番号の優先順位判定値を小さくすることができ、蹴飛ばし目が出現してしまう図柄番号がそのリールにおける基点位置に停止することが極力回避され、蹴飛ばし目の出現を極力回避することができる。
ステップS821にて否定判定をした場合、又はステップS823にて否定判定をした場合には、ステップS825にて引込ビット情報検索処理を実行する。ここで、引込ビット情報検索処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
<引込ビット情報検索処理>
引込ビット情報検索処理では、ステップS1001にて、情報検索用バッファ92の合成処理を実行する。かかる合成処理では、上述した引込ビット情報設定処理にて引込ビット情報が設定されている情報検索用バッファ92に関して今回の検索ライン上にある各バッファの引込ビット情報をAND処理する。
図17(e)を用いて具体的に説明すると、検索ラインが第1ラインL1である場合には、左から「00」,「00」,「FF」となる。したがって、これらをAND処理すると、引込ビット情報合成値は「00」となる。一方、検索ラインが第4ラインL4である場合には、左から「FF」,「11」,「FF」となる。したがって、これらをAND処理すると、引込ビット情報合成値は「11」となる。
続くステップS1002では、ステップS1001にて取得した引込ビット情報合成値が「00」か否かを判定する。引込ビット情報合成値が「00」の場合には、そのまま引込ビット情報検索処理を終了する。引込ビット情報合成値が「00」でない場合には、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、今回の引込ビット情報合成値が前回までの結果と同じか否かを判定する。前回までの結果と同じ場合には、ステップS1004及びステップS1005の処理を実行することなくステップS1006に進む。一方、前回までの結果と同じでない場合にはステップS1004に進む。
ステップS1004では、今回の引込ビット情報合成値が前回までの結果よりも大きいか否かを判定する。前回までの結果よりも小さい場合には、そのまま引込ビット情報検索処理を終了する。前回までの結果よりも大きい場合には、ステップS1005にて、判定値算出情報用バッファBの引込ビットに引込ビット情報合成値を格納する。ここで、引込ビット情報合成値が大きい場合というのは、今回の検索ラインにおいて、例えば、取りこぼし時に対応した図柄の停止態様であって、より優先度の高い図柄の停止態様を構成している場合が考えられる。また、BB当選状況においては、今回の検索ラインにおいてより優先度の高いリーチ目を構成している場合が考えられる。その後、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、今回の検索ラインが優先ラインと一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS1007にて判定値算出情報用バッファBの第2優先ラインビットに「1」を格納した後に、引込ビット情報検索処理を終了する。一致しない場合には、そのまま引込ビット情報検索処理を終了する。
入賞判定処理(図20)の説明に戻り、引込ビット情報検索処理を実行した後は、ステップS826に進む。ステップS826では、全ての検索ラインに対してステップS802〜S825の処理を実行したか否かを判定する。詳細には、ステップS802〜S825の処理は、第1〜第5ラインL1〜L5の全5ラインに対して実行され、さらにその順番は第1ラインL1が最初で第5ラインL5が最後となっている。したがって、ステップS826では、検索ラインが第5ラインL5であるか否かを判定する。
検索ラインが第5ラインL5である場合には、入賞判定処理を終了する。検索ラインが第5ラインL5でない場合には、ステップS827(図19)に進む。ステップS827では検索ラインの更新を実行する。その後、その検索ラインに対してステップS802〜S825の処理を実行する。上記入賞判定処理が実行されることにより、今回の対象図柄番号に対応した判定値算出情報が作成される。
<リール停止処理>
次に、通常処理(図8)におけるステップS211のリール停止処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、ストップボタン52〜54のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。ここで、本実施の形態では、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから所定の速度で定常回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップボタン52〜54が操作されても、それに対するストップ検出センサ52a〜54aからのON信号を無効化する。
停止指令が発生した場合には、ステップS1102にて、スベリ数取得処理を実行する。図25は、スベリ数取得処理を示すフローチャートである。
当該スベリ数取得処理では、まずステップS1201にて、今回の停止指令に対応したリールを特定する。続くステップS1202では、停止指令を受信した際における停止対象のリールの到達図柄番号を取得する。その後、ステップS1203にて、RAM73のスベリ数カウンタに「0」を格納した後にステップS1204に進む。
ステップS1204では、到達図柄番号にスベリ数カウンタの値を加算することにより、判定用図柄番号を取得する。なお、スベリ数カウンタの値が「0」の場合には、判定用図柄番号=到達図柄番号となる。続くステップS1205では、判定用図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBを取得する。そして、ステップS1206では、取得した判定値算出情報用バッファBの優先順位判定値を算出する。
ここで優先順位判定値とは、判定値算出情報用バッファBの各ビットを上位側から並べて16桁の2進数として仮定した数値を16進数に変換することにより算出される判定値であり、「0〜9」及び「A〜F」の16進数(0が一番小さく、Fが一番大きい)によって4桁で表される。したがって、第2バッファB2よりも第1バッファB1に「1」が多く格納されているほど優先順位判定値は大きくなり、さらに各第1,第2バッファB1,B2において上位ビットに「1」が格納されているほど優先順位判定値は大きくなる。
続くステップS1207では、ステップS1206にて算出した優先順位判定値が前回算出した優先順位判定値よりも大きいか否かを判定する。今回の方が大きい場合には、ステップS1208にてRAM73の設定スベリ数用バッファに現在のスベリ数カウンタの値を格納した後に、ステップS1209に進む。一方、前回の方が大きい場合又は同一の場合には、そのままステップS1209に進む。
ステップS1209では、スベリ数カウンタを1加算した後にステップS1210に進む。ステップS1210では、スベリ数カウンタが「5」か否かを判定する。スベリ数カウンタが「5」でない場合には、ステップS1204に戻る。一方、スベリ数カウンタが「5」である場合には、本スベリ数取得処理を終了する。
つまり、スベリ数取得処理では、到達図柄番号から当該到達図柄番号よりも図柄番号が4つ上の図柄番号までの5つの優先順位判定値を算出するとともに比較し、それらのうち最も優先順位判定値が大きい図柄番号の図柄が基点位置の停止図柄となるようにスベリ数を特定する。ここで、到達図柄番号から当該到達図柄番号よりも図柄番号が4つ上の図柄までの優先順位判定値を算出するのは、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とするためであり、これにより当選した役と対応する図柄又は図柄の組合せが有効ライン上に停止しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させることが可能となるとともに、役の抽選に当選していないにも関わらず入賞図柄の組合せが有効ライン上に停止する不具合を回避することが可能となる。
到達図柄番号が中リール32Mにおける0番であり、各優先順位判定値が到達図柄番号側から順に「8008」,「800E」,「8008」,「800F」,「A008」である図26(a)の場合について説明すると、優先順位判定値は4番の「スイカ」図柄である「A008」が最大となるため、スベリ数は「4」であると特定する。これにより、中リール32Mの停止に際しては到達図柄に対して4図柄分滑らせて停止され、図26(b)に示すように、中リール32Mにおける下段には4番の「スイカ」図柄が停止する。
リール停止処理(図24)の説明に戻り、ステップS1102にてスベリ数取得処理を実行した後は、ステップS1103にて停止位置設定処理を実行する。停止位置設定処理では、設定スベリ数用バッファを参照することでスベリ数を取得する。そして、そのスベリ数を上記到達図柄番号に加算することで、停止図柄番号を算出し、この算出した停止図柄番号の情報を停止位置情報としてRAM73の停止位置用バッファに格納する。
続くステップS1104では、停止用割込み処理を許可する。停止用割込み処理は、上述したタイマ割込み処理(図7)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にて実行される。停止用割込み処理では、基点位置(本実施の形態では下段)に先の停止位置設定処理にて設定した停止図柄番号の図柄が到達しているか否かを判定し、当該図柄が到達している場合には、減速処理を開始して、当該図柄が基点位置に停止されるようにする。なお、停止用割込み処理は、タイマ割込み処理の一部として実行されるため、図柄が基点位置に停止されるまでに、当該停止用割込み処理が複数回実行される。
続くステップS1105では、今回の停止指令が最後のリールを停止させるためのものであるか否かを判定する。今回の停止指令が、最初の停止指令又はその次の停止指令である場合には、ステップS1106にて、優先ライン変更処理を実行する。優先ライン変更処理では、停止指令が発生しているリールにおける図柄の停止態様に対応させて優先ラインが変更される。この場合に、いずれの役にも当選していない場合、及び既に設定されている優先ライン上において当選役に対応した図柄の組合せが成立する可能性がある場合には、優先ラインの変更は行われない。一方、既に設定されている優先ラインではない有効ライン上において当選役に対応した図柄の組合せが成立する可能性がある場合には、優先ラインがその有効ラインに変更される。具体的には、既に設定されている有効ラインが第5ラインL5でありスイカ役が当選している状況において、下段に「スイカ」図柄が並んだ場合には、優先ラインが第5ラインL5から第4ラインL4に変更される。
続くステップS1107では、優先順位情報作成処理を実行する。優先順位情報作成処理の処理内容は、既に説明したとおりである(図13参照)。
ステップS1105にて肯定判定をした場合、又はステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108にて、今回の停止指令に対応したリールの停止が完了しているか否かを判定する。完了していない場合には、ステップS1108にて待機する。完了している場合には、ステップS1109にて停止用割込み処理を禁止する。
続くステップS1110では、全リール32L,32M,32Rの回転が停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rの回転が停止していない場合にはステップS1101に戻り、回転が停止している場合には続くステップS1111にて払出判定処理を行った後、本リール停止処理を終了する。
払出判定処理では、抽選の対象となっている役に対応した図柄又は図柄の組合せが有効ライン上に成立しているか否かを判定し、成立していないときにはRAM73の払出予定数格納エリアを「0」にクリアし、成立しているときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときにはエラー報知を行うとともに払出予定数格納エリアを「0」にクリアする。一致しているときには、抽選の対象となっている役であって当選となっている役に入賞したことを意味するため、払出予定数格納エリアにその入賞役と対応する払出数を格納する。
<抽選結果対応処理>
次に、抽選処理(図9)のステップS309にて実行される抽選結果対応処理について説明する。
抽選結果対応処理では、既に説明したとおり、リール32L,32M,32Rの停止制御を行う上で必要なデータであって現状の遊技状況(通常遊技状態であるかBB状態であるかといった状況や、通常遊技状態においてBB当選データが設定されているか否かといった状況)及び抽選結果の組合せに1対1で対応したデータをROM72から読み出し、RAM73に書き込む処理を実行する。この場合に読み出されるデータは、制限枚数データ及び組合せテーブルのデータである。
これらのうち、制限枚数データの内容については既に説明したとおりであるため、組合せテーブルについて説明する。図27(a)〜(d)は組合せテーブルを説明するための説明図である。
組合せテーブルは、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに1対1で対応させて設定されている。組合せテーブルには、引込ビットテーブルのアドレスデータが複数設定されている。ここで、引込ビットテーブルは、既に説明したとおり、各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設定されており、対象となるリールの全図柄番号についての引込ビット情報を定めるように複数バイト(具体的には6バイト)で構成されている。また、引込ビットテーブルは、現状の遊技状況、抽選結果、最初に停止対象となるリールの種類、及び左リール32Lが最初に停止操作された場合の停止位置のそれぞれに対応させて設定されている。引込ビット情報は、既に説明したとおり停止出目を多様化させるために各図柄番号に対して設定されるデータであるため、このような引込ビット情報が設定された引込ビットテーブルが多数用意されていることにより、様々な状況に応じて、停止出目の多様化が図られる。
組合せテーブルでは、参照すべき引込ビットテーブルのアドレスデータが、少なくとも最初に停止対象となるリールの種類に応じて設定されている。かかる条件のみに対応させてアドレスデータが設定された組合せテーブルとして、図27(a)に示すように、第1組合せテーブルT1が存在している。
第1組合せテーブルT1は、1バイトのデータ容量となるデータ群セットを第0番目〜第5番目の6個有しており、6バイトのデータ容量となっている。第0番目には、左リール32Lが最初の停止対象となる場合において、当該左リール32Lの判定値算出情報を作成する場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。第1番目には、中リール32Mが最初の停止対象となる場合において、当該中リール32Mの判定値算出情報を作成する場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。第2番目には、右リール32Rが最初の停止対象となる場合において、当該右リール32Rの判定値算出情報を作成する場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。これら第0番目〜第2番目のデータ群セットでは、上位4ビットが使用されておらず、下位4ビットを利用してアドレスデータが設定されている。
第3番目には、中リール32Mが最初の停止対象となった場合において、その後に左リール32Lが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータ、及びその後に右リール32Rが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。第4番目には、右リール32Rが最初の停止対象となった場合において、その後に左リール32Lが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータ、及びその後に中リール32Mが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。第5番目には、左リール32Lが最初の停止対象となった場合において、その後に中リール32Mが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータ、及びその後に右リール32Rが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。これら第3番目〜第5番目のデータ群セットでは、上位4ビットにおいて左リール32L又は中リール32Mについてのアドレスデータが設定されており、下位4ビットにおいて中リール32M又は右リール32Rについてのアドレスデータが設定されている。
第1組合せテーブルT1を参照して引込ビットテーブルが読み出される場合というのは、停止出目の多様化を比較的行う必要がない場合である。具体的には、通常遊技状態において当選役が1種類のみであって、その当選役が所謂取りこぼしが発生しない役である場合が含まれるとともに、通常遊技状態においていずれの役にも当選していない場合が含まれ、さらにはBB状態においていずれかの役に当選している場合が含まれる。このような場合は、2種類以上存在し、具体的には10種類存在している。これら10種類の第1組合せテーブルT1はいずれも、第1のデータ量(具体的には6バイト)で同一となる固定長となっている。
組合せテーブルにおいて、最初に停止対象となるリールの種類という条件以外にも、左リール32Lが最初に停止操作された場合の停止位置という条件に対応させて引込ビットテーブルのアドレスが設定されたものとして、図27(b)に示す第2組合せテーブルT2と、図27(c),(d)に示す第3組合せテーブルT3とが設定されている。
第2組合せテーブルT2は、図27(b)に示すように、1バイトのデータ容量となるデータ群セットを、第1組合せテーブルT1よりも多く有しており、具体的には、データ群セットを第0番目〜第25番目の26個有し、26バイトのデータ容量となっている。第2組合せテーブルT2において第0番目〜第4番目のデータ群セットについては、それに設定されているアドレスデータと当該アドレスデータが参照される場合の条件との関係が第1組合せテーブルT1の場合と同一である。
第5番目〜第25番目には、左リール32Lが最初の停止対象となった場合において、その後に中リール32Mが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータ、及びその後に右リール32Rが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。但し、第1組合せテーブルT1と異なり、これらアドレスデータの組合せが、左リール32Lにおいて基点位置に到達している図柄番号と1対1で対応させて設定されている。これら第5番目〜第25番目のデータ群セットでは、上位4ビットにおいて中リール32Mについてのアドレスデータが設定されており、下位4ビットにおいて右リール32Rについてのアドレスデータが設定されている。
第2組合せテーブルT2を参照して引込ビットテーブルが読み出される場合というのは、左リール32Lが最初に操作された場合においてその停止位置に応じて停止出目を細かく制御する必要がある場合である。具体的には、通常遊技状態においてBB役に当選している場合であって当該BB役以外に複数の役に当選している場合が含まれる。かかる場合には、BB役以外に当選となっている複数の役の同時入賞を優先させながら、それが不可となる場合にはそれら各役の入賞を次に優先させ、さらにいずれの入賞も不可となる場合にはリーチ目を生じさせる必要があり、左リール32Lの停止位置に応じた多様な停止出目を出現させる必要があるからである。このような場合は、2種類以上存在し、具体的には5種類存在している。これら5種類の第2組合せテーブルT2はいずれも、第2のデータ量(具体的には26バイト)で同一となる固定長となっている。
第3組合せテーブルT3は、図27(c),(d)に示すように、1バイトのデータ容量となるデータ群セットを、第1組合せテーブルT1よりも多く有しているものの、当該データ群セットの数は第2組合せテーブルT2よりも少ない数となっている。また、第3組合せテーブルT3は複数用意されているが、それら各第3組合せテーブルT3は第1組合せテーブルT1及び第2組合せテーブルT2と異なり可変長となっている。
当該データ構成について詳細には、第3組合せテーブルT3において第1番目〜第5番目のデータ群セットは、それに設定されているアドレスデータと当該アドレスデータが参照される場合の条件との関係が第1組合せテーブルT1及び第2組合せテーブルT2の場合における第0番目〜第4番目のデータ群セットと同一である。第6番目以降は、左リール32Lが最初の停止対象となった場合において、その後に中リール32Mが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータ、及びその後に右リール32Rが停止対象となる場合に利用される引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。この場合、これらアドレスデータの組合せは、左リール32Lにおいて基点位置に到達している図柄番号と対応させて設定されている。但し、当該図柄番号との対応関係は1対1ではなく、複数の図柄番号に対して共通のアドレスデータが設定されている。
データの指定の仕方として、第6番目以降の偶数番目のデータ群セットには当該偶数番目のデータ群セットに対して連番となるデータ群セットにおいて指定されている引込ビットテーブルの使用対象となる図柄番号が指定されており、奇数番目のデータ群セットには当該図柄番号に対応した引込ビットテーブルのアドレスデータが設定されている。この場合、図柄番号指定用の偶数番目のデータ群セットは1バイト構成であるため、8ビットの範囲内で図柄番号指定を行う必要がある。具体的には、21個の図柄番号を0〜5番、6〜11番、12〜17番、18〜20番の4種類に区分し、図柄番号指定用の偶数番目のデータ群セットでは上位2ビットにおいていずれの区分であるのかを指定し、下位6ビットにおいて当該区分のうちいずれの図柄番号が、連番のデータ群セットにおいて指定されているアドレスデータに対応しているのかを指定する構成となっている。
例えば、図27(c)に示す第3組合せテーブルT3では、第6番目、第8番目、第10番目、第12番目のそれぞれにて図柄番号が指定されており、第7番目、第9番目、第11番目、第13番目のそれぞれにてアドレスデータが設定されている。また、図27(d)に示す第3組合せテーブルT3では、図27(c)の場合よりも図柄番号の指定が細かく行われており、第6番目、第8番目、第10番目、第12番目、第14番目、第16番目、第18番目、第20番目、第22番目のそれぞれにて図柄番号が指定されており、第7番目、第9番目、第11番目、第13番目、第15番目、第17番目、第19番目、第21番目、第23番目のそれぞれにてアドレスデータが設定されている。
図27(c)及び図27(d)からも明らかなように、第3組合せテーブルT3は、第6番目以降のデータ群セットにおける図柄番号の指定態様に応じてバイト数が変化する。この場合、第3組合せテーブルT3として、最小のバイト数は図27(c)に示すような14バイトであり、最大のバイト数は図27(d)に示すような24バイトである。なお、上記のようなデータ設定の仕方の場合、24バイトよりも多くのバイトを利用して、より細かなアドレスデータの指定を行うことが可能であるが、この場合、第2組合せテーブルT2のバイト数以上となってしまい、第2組合せテーブルT2として設定した方がデータ設定又はデータ量の点で好ましいものとなる。
第3組合せテーブルT3が可変長として設定されていることに対応させて、当該第3組合せテーブルT3には第0番目のデータ群セットとして、ROM72において自身の次に設定されているデータの開始アドレスをデータ読み出しの処理に際して特定可能とするヘッダデータが設定されている。当該ヘッダデータとして具体的には、自身の第3組合せテーブルT3に含まれるデータ量、詳細にはバイト数が設定されている。但し、これに限定されることはなく、自身の第3組合せテーブルT3においてヘッダデータを除いた分のバイト数が設定されている構成としてもよい。
第3組合せテーブルT3を参照して引込ビットテーブルが読み出される場合というのは、左リール32Lが最初に操作された場合においてその停止位置に応じた停止出目を出現させる必要がある場合であって、第2組合せテーブルT2が参照される場合ほどの細かな制御を必要としない場合である。具体的には、通常遊技状態においてBB役に当選している場合であって他の役に当選していない場合及びBB役以外に所謂取りこぼしが発生し得る役に1種類のみ当選している場合が含まれるとともに、通常遊技状態においてBB役に非当選の場合であって所謂取りこぼしが発生し得る役に当選している場合が含まれる。かかる場合には、取りこぼしに際しての代替目や、BB当選の場合にはリーチ目を生じさせる必要がある一方、第2組合せテーブルT2が参照される場合とは異なり停止出目の優先度を複雑に設定する必要がないからである。このような場合は、2種類以上存在し、具体的には24種類存在している。
なお、第1〜第3組合せテーブルT1〜T3のうち第3組合せテーブルT3の数が最も多い構成であるが、これに限定されることはなく、第3組合せテーブルT3の数が最も少ない構成としてもよく、各組合せテーブルT1,T2,T3の数が同一又は略同一である構成としてもよい。
次に、図28を参照しながら、ROM72の組合せテーブル記憶エリア72aにおけるデータ構成を説明する。
組合せテーブル記憶エリア72aには、第1組合せテーブルT1の全てを含む第1のテーブル群TG1が、第2組合せテーブルT2及び第3組合せテーブルよりも先側のアドレスとして設定されており、当該第1のテーブル群TG1の次に、第2組合せテーブルT2の全てを含む第2のテーブル群TG2が設定されており、当該第2のテーブル群TG2の次に、第3組合せテーブルT3の全てを含む第3のテーブル群TG3が設定されている。
第1のテーブル群TG1においては、複数の第1組合せテーブルT1が順次配列されている。この場合、所定の第1組合せテーブルT1の開始アドレスが、第1のテーブル群TG1の開始アドレス、さらに言うと、組合せテーブル記憶エリア72aの開始アドレスとなるように、当該所定の第1組合せテーブルT1の格納エリアが設定されている。ちなみに、ROM72においては、アドレスの設定がバイト単位で行われている。これは第2のテーブル群TG2及び第3のテーブル群TG3においても同様である。
第1のテーブル群TG1において、一の第1組合せテーブルT1の最終アドレスに連続させるようにして、次の第1組合せテーブルT1が格納されていることで、第1のテーブル群TG1には各第1組合せテーブルT1が順次配列されている。この場合、既に説明したとおり、各第1組合せテーブルT1は固定長となっているため、第1のテーブル群TG1においては、一の第1組合せテーブルT1の開始アドレスから次の第1組合せテーブルT1の開始アドレスまでに存在するデータ量(バイト数)は同一となっている。
第2のテーブル群TG2においては、複数の第2組合せテーブルT2が順次格納されている。この場合、所定の第2組合せテーブルT2の開始アドレスが第1のテーブル群TG1の最終アドレスに連続するように、当該所定の第2組合せテーブルT2の格納エリアが設定されており、当該開始アドレスが第2のテーブル群TG2の開始アドレスとなっている。
第2のテーブル群TG2において、一の第2組合せテーブルT2の最終アドレスに連続させるようにして、次の第2組合せテーブルT2が格納されていることで、第2のテーブル群TG2には各第2組合せテーブルT2が順次配列されている。この場合、既に説明したとおり、各第2組合せテーブルT2は固定長となっているため、第2のテーブル群TG2においては、一の第2組合せテーブルT2の開始アドレスから次の第2組合せテーブルT2の開始アドレスまでに存在するデータ量(バイト数)は同一となっている。
第3のテーブル群TG3においては、複数の第3組合せテーブルT3が順次格納されている。この場合、所定の第3組合せテーブルT3の開始アドレスが第2のテーブル群TG2の最終アドレスに連続するように、当該所定の第3組合せテーブルT3の格納エリアが設定されており、当該開始アドレスが第3のテーブル群TG3の開始アドレスとなっている。
第3のテーブル群TG3において、一の第3組合せテーブルT3の最終アドレスに連続させるようにして、次の第3組合せテーブルT3が格納されていることで、第3のテーブル群TG3には各第3組合せテーブルT3が順次配列されている。この場合、既に説明したとおり、各第3組合せテーブルT3は可変長となっているため、第3のテーブル群TG3においては、一の第3組合せテーブルT3の開始アドレスから次の第3組合せテーブルT3の開始アドレスまでに存在するデータ量(バイト数)は同一となっていない。
次に、図29(a)のフローチャートを参照しながら、抽選結果対応処理について説明する。
まずステップS1301では、現状の遊技状況(通常遊技状態であるかBB状態であるかといった状況や、通常遊技状態においてBB当選データが設定されているか否かといった状況)と抽選結果とに対応した参照用データ及びジャンプ回数のデータをROM72から読み出す。参照用データ及びジャンプ回数のデータの組合せは、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せの種類に対して1対1で対応させて設定されており、各組合せの参照用データ及びジャンプ回数のデータは図29(b)に示すように、1バイトに収められている。この場合、参照用データは当該1バイトのデータのうち上位4ビットに設定されており、ジャンプ回数のデータは当該1バイトのデータのうち下位4ビットに設定されている。
参照用データとは、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した制限枚数データをCPU71において特定するためのデータであって、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した組合せテーブルが第1のテーブル群TG1〜第3のテーブル群TG3のうちいずれに設定されているのかをCPU71において特定するためのデータである。また、ジャンプ回数のデータとは、第1のテーブル群TG1〜第3のテーブル群TG3のうち対応するテーブル群において、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した組合せテーブルが何番目に設定されているのかをCPU71において特定するためのデータである。
ここで、参照用データは4ビットのデータ量として設定されているのに対して、制限枚数データは「指定無し」,「2枚」,「4枚」,「7枚」,「15枚」の5種類設定されているとともに、テーブル群は第1のテーブル群TG1,第2のテーブル群TG2,第3のテーブル群TG3の3種類設定されている。そうすると、4ビットのデータのうち一部のビットを、制限枚数データの種類を特定するためのビットとして設定し、残りのビットを、テーブル群の種類を特定するためのビットとして設定しようとしても、それが不可となる。例えば、制限枚数データを特定するためのビットとして2ビットを割り当て、テーブル群を特定するためのビットとして2ビットを割り当てた場合、テーブル群を特定するためのビットでは3種類以上のデータを指定可能な一方、制限枚数データを特定するためのビットでは4種類のデータしか指定することができない。また、例えば、制限枚数データを特定するためのビットとして3ビットを割り当て、テーブル群を特定するためのビットとして1ビットを割り当てた場合、制限枚数データを特定するためのビットでは5種類以上のデータを指定可能な一方、テーブル群を特定するためのビットでは2種類のデータしか指定することができない。
これに対して、本スロットマシン10では、4ビットの参照用データを10進数の集計値(「15」が最大値)として扱い、その集計値を、制限枚数データの種類数及びテーブル群の種類数のうち多い側の種類数に1加算した特定数(具体的には「5」)で除算した場合の商によってテーブル群の種類を特定し、余りによって制限枚数データの種類を特定するようにしている。つまり、集計値が「15」であり、且つ特定数が「5」である場合、商としては、少なくとも「0」,「1」,「2」の3種類が存在し、これら各商の全てに対応した余りとして、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の5種類が存在する。したがって、商のデータの種類によってテーブル群の種類を特定するようにし、余りのデータの種類によって制限枚数データの種類を特定するようにしている。
かかるデータ特定を行うための処理について具体的には、図29(a)に示すように、ステップS1302では、ステップS1301にて読み出した参照用データの除算処理を実行する。当該除算処理では、まず参照用データの4ビットのデータから10進数の値を集計値として特定し、その特定した10進数の値を特定数である「5」で除算する処理を実行する。続くステップS1303では、当該除算処理を行うことにより導出された余りのデータと商のデータとを把握する。この把握された各データは、RAM73に書き込まれる。これにより、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した制限枚数データの種類及びテーブル群の種類をCPU71において特定することが可能となる。
なお、図29(c)に示すように、ROM72には、余りデータと制限枚数データとを1対1で対応させた対応テーブルCTが設定されている。既に説明したように、払出枚数取得処理(図21)にて制限枚数データは使用されることとなるが、当該払出枚数取得処理のステップS904にて、上記余りデータと対応テーブルCTの比較対象データとの比較判定処理が行われ、上記余りデータに対応した制限枚数データが読み出される。
続くステップS1304では、ステップS1303にて把握した商データが「0」であるか否かを比較判定する。商データが「0」である場合には、ステップS1305にて組合せテーブルの第1設定処理を実行した後に、本抽選結果対応処理を終了する。商データが「0」ではない場合には、ステップS1306に進み、ステップS1303にて把握した商データが「1」であるか否かを比較判定する。商データが「1」である場合には、ステップS1307にて組合せテーブルの第2設定処理を実行した後に、本抽選結果対応処理を終了する。商データが「1」ではない場合には、商データが「2」であることを意味する。この場合、ステップS1308にて組合せテーブルの第3設定処理を実行した後に、本抽選結果対応処理を終了する。
以下、組合せテーブルの第1設定処理、組合せテーブルの第2設定処理、及び組合せテーブルの第3設定処理について説明する。まず、組合せテーブルの第1設定処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、ステップS1301にて読み出したジャンプ回数のデータを、RAM73に設けられた検索用カウンタに設定する。検索用カウンタは、対象となるテーブル群において読み出し対象となっている組合せテーブルの配列順序をCPU71にて特定するためのカウンタである。
続くステップS1402では、第1のテーブル群TG1の開始アドレスを指定する。これにより、ROM72におけるデータの読み出し対象が、第1のテーブル群TG1において最初の順番として格納されている第1組合せテーブルT1となる。続くステップS1403では、検索用カウンタの値を1減算し、ステップS1404では、その減算後の値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1404にて否定判定をした場合には、ステップS1405にて、第1のテーブル群TG1において次の第1組合せテーブルT1が読み出し対象となるように、当該読み出し対象となるアドレスを第1特定バイト分ジャンプさせる。この第1特定バイトは、第1組合せテーブルT1の固定長のデータ量に対応しており、具体的には、6バイトとなっている。その後、ステップS1403に戻る。
一方、ステップS1404にて肯定判定をした場合には、ステップS1406にて、現状のアドレスに対応した第1組合せテーブルT1をROM72から読み出し、RAM73に書き込む。これにより、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した組合せテーブルの読み出しが完了する。その後、本第1設定処理を終了する。
次に、組合せテーブルの第2設定処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、ステップS1301にて読み出したジャンプ回数のデータを、RAM73の検索用カウンタに設定する。続くステップS1502では、第2のテーブル群TG2の開始アドレスを指定する。これにより、ROM72におけるデータの読み出し対象が、第2のテーブル群TG2において最初の順番として格納されている第2組合せテーブルT2となる。続くステップS1503では、検索用カウンタの値を1減算し、ステップS1504では、その減算後の値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1504にて否定判定をした場合には、ステップS1505にて、第2のテーブル群TG2において次の第2組合せテーブルT2が読み出し対象となるように、当該読み出し対象となるアドレスを第2特定バイト分ジャンプさせる。この第2特定バイトは、第2組合せテーブルT2の固定長のデータ量に対応しており、具体的には、26バイトとなっている。その後、ステップS1503に戻る。一方、ステップS1504にて肯定判定をした場合には、ステップS1506にて、現状のアドレスに対応した第2組合せテーブルT2をROM72から読み出し、RAM73に書き込む。これにより、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した組合せテーブルの読み出しが完了する。その後、本第2設定処理を終了する。
次に、組合せテーブルの第3設定処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1601では、ステップS1301にて読み出したジャンプ回数のデータを、RAM73の検索用カウンタに設定する。続くステップS1602では、第3のテーブル群TG3の開始アドレスを指定する。これにより、ROM72におけるデータの読み出し対象が、第3のテーブル群TG3において最初の順番として格納されている第3組合せテーブルT3となる。続くステップS1603では、検索用カウンタの値を1減算し、ステップS1604では、その減算後の値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1604にて否定判定をした場合には、現状の検索用カウンタの値に対応した第3組合せテーブルT3からヘッダデータを読み出し、当該第3組合せテーブルT3が何バイトであるかを把握する。続くステップS1606では、ステップS1605にて把握した結果に基づいて、現状の読み出し対象となっている第3組合せテーブルT3の次に配列されている第3組合せテーブルT3の開始アドレスを把握して、当該開始アドレスの第3組合せテーブルT3を次の読み出し対象に設定する。その後、ステップS1603に戻る。
一方、ステップS1604にて肯定判定をした場合には、ステップS1607にて、現状のアドレスに対応した第3組合せテーブルT3をROM72から読み出し、RAM73に書き込む。これにより、現状の遊技状況及び抽選結果の組合せに対応した組合せテーブルの読み出しが完了する。その後、本第3設定処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
参照用データから除算用の集計値を算出するとともに、その集計値を特定数で除算することで商データ及び余りデータを算出し、商データを利用して、第1のテーブル群〜第3のテーブル群のうち読み出し対象の組合せテーブルが含まれるテーブル群を特定し、余りデータを利用して、制限枚数データを特定する構成である。これにより、テーブル群を特定するためのデータと制限枚数データを特定するためのデータとが個別に記憶された構成に比べて、上記各特定を行う上で必要なデータ容量の削減が図られる。
また、除算用の集計値を特定数で除算した場合の商データと余りデータとがテーブル群を特定するためのデータ及び制限枚数データを特定するためのデータのそれぞれに対応している構成であるため、上記各特定を行うための各処理のそれぞれにおいて参照用データの全ビットを利用した処理を実行する必要がない。よって、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
参照用データは、全ての種類の余りデータをとり得る範囲で商データが存在するように設定されている。これにより、テーブル群を特定するためのデータと制限枚数データを特定するためのデータとの組合せを参照用データ側において細かく調整しなくても、これら各データの任意の組合せを参照用データから導出することが可能となる。
ちなみに、商データの種類数及び余りデータの種類数が2のn乗ではない構成において、4ビット以上のデータを有する参照用データの2進数の値から10進数の値である集計値を算出し、さらにその集計値を特定数で除算した場合の商データと余りデータとをテーブル群を特定するためのデータと制限枚数データとしたことにより、テーブル群を特定するためのデータと制限枚数データとのそれぞれを個別に2進数のデータとして設定する構成に比べて、少なくとも1ビット分のデータ容量の削減が図られる。そして、テーブル群を特定するためのデータと制限枚数データとの組合せは、遊技状況と抽選結果との組合せに対して1対1で対応させて用意する必要があるため、少なくとも当該組合せ数ビット分のデータ容量の削減が図られる。
停止制御に際して利用される複数種類の組合せテーブルT1〜T3のうち同一のデータ容量(すなわちバイト数)となる組合せテーブルの数が基準となる数(例えば2個)以下である可変長の組合せテーブルとして、第3組合せテーブルT3が複数種類設定された構成において、当該第3組合せテーブルT3には、ROM72の組合せテーブル記憶エリア72aにて自身の次の順番に設定されている第3組合せテーブルT3のアドレスを特定可能とするように、自身が有するデータ量に対応したヘッダデータが設定されている。これにより、第3組合せテーブルT3に含まれるヘッダデータを利用して、当該第3組合せテーブルT3に対して次の順番に設定されている第3組合せテーブルT3のアドレスを特定することが可能であり、さらにそのヘッダデータはアドレスそのものを示すのではなく、第3組合せテーブルT3が有するデータ量に対応したデータである。したがって、各第3組合せテーブルT3のアドレス自体を直接示すデータを用意する必要がない。さらに、第3組合せテーブルT3自身に上記のようなヘッダデータが含まれているため、読み出し対象となる第3組合せテーブルT3よりも先側の順番に設定されている各第3組合せテーブルT3についてのデータ容量を示すデータを、第3組合せテーブルT3とは別に設定する必要もない。よって、データ容量の削減を図ることが可能となる。
第3組合せテーブルT3はバイト単位でデータが設定されており、上記ヘッダデータは、当該ヘッダデータを含む第3組合せテーブルT3の開始アドレスと、当該第3組合せテーブルT3に対して次の順番に設定されている第3組合せテーブルT3の開始アドレスとのバイト単位でのオフセット数を示すデータとして設定されている。これにより、ヘッダデータを設定するのに必要なデータ容量の削減が図られる。
第3組合せテーブルT3を読み出す場合には、その読み出し対象となる第3組合せテーブルT3に辿り着くのに必要な順序データとしてジャンプ回数のデータが提供され、そのジャンプ回数分に亘って、先側の順番に設定されている第3組合せテーブルT3の上記ヘッダデータを利用した次の順番の第3組合せテーブルT3への読み出し対象の遷移が行われる。これにより、上記ヘッダデータを利用して第3組合せテーブルT3を読み出す場合の処理の簡素化が図られる。
組合せテーブルとして第3組合せテーブルT3以外に、上記可変長の定義に当てはまらない固定長のデータとして、第1組合せテーブルT1が複数種類設定されているとともに、第2組合せテーブルT2が複数種類設定された構成において、これら第1組合せテーブルT1及び第2組合せテーブルT2については、次の順番に設定されている組合せテーブルの開始アドレスを示すデータが上記のようにヘッダデータとして組合せテーブル自身に設定されているのではなく、プログラム上において別途指定される構成である。このように固定長データについてはそのデータ容量を示すデータをプログラム上において示すことで、固定長データのデータ容量の削減が図られ、結果的にROM72において必要なデータ容量の削減が図られる。
また、各第1組合せテーブルT1は組合せテーブル記憶エリア72aにて順番を連続させて第1のテーブル群TG1に集約され、各第2組合せテーブルT2は組合せテーブル記憶エリア72aにて順番を連続させて第2のテーブル群TG2に集約され、各第3組合せテーブルT3は組合せテーブル記憶エリア72aにて順番を連続させて第3のテーブル群TG3に集約された構成において、組合せテーブルの読み出しに際して、その読み出し対象の組合せテーブルが含まれるテーブル群の開始アドレスと、そのテーブル群において読み出し対象の組合せテーブルが何番目に設定されているかのデータとが提供される。これにより、可変長データである第3組合せテーブルT3と、固定長データである第1組合せテーブルT1及び第2組合せテーブルT2とで、上記のように次の順番に設定されている組合せテーブルのアドレスの特定の仕方が違ったとしても、組合せテーブルの読み出しを一定の規則に従って行うことが可能となり、処理負荷の簡素化が図られる。
<第1の実施形態の変形例>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)参照用データに集約するデータは、テーブル群を特定するためのデータ及び制限枚数データを特定するためのデータの組合せに限定されることはなく、例えばスベリテーブルを特定するためのデータ及び制限枚数データを特定するためのデータの組合せであってもよい。
(2)参照用データは4ビットに限定されることはなく、5ビット、6ビット、7ビット又は8ビット以上であってもよい。この場合であっても、全ての種類の余りデータをとり得る範囲で商データが存在するように参照用データを設定するとともに、商データの種類数及び余りデータの種類数が「2のn乗(nは0以上の整数)」とならないように設定することで、少なくとも1ビットのデータ容量の削減を図ることが可能となる。
(3)参照用データに対して除算処理を実行する場合の特定数は「5」に限定されることはなく、3以上であれば任意であり、必要となる商データの種類数及び余りデータの種類数との関係で定められる。
(4)固定長データである第1組合せテーブルT1及び第2組合せテーブルT2も、次の順番に設定されている組合せテーブルの開始アドレスを特定可能とするヘッダデータを有する構成としてもよい。この場合、第1組合せテーブルT1、第2組合せテーブルT2及び第3組合せテーブルT3のいずれにおいても、次の順番に設定されている組合せテーブルの開始アドレスを特定するためのデータをプログラム側で指定する必要がない。また、本構成であれば、ROM72において種類毎に集約されるように組合せテーブルを配列する必要がないため、組合せテーブルの配列順序を設定する上での自由度が高められる。
(5)上記実施形態では参照用データに対して除算処理を実行した結果の商データをそのまま利用してテーブル群の特定を行う一方、余りデータに対応した制限枚数データを対応テーブルCTから読み出す構成としたが、これに代えて、商データをそのまま利用してテーブル群の特定を行うとともに、余りデータをそのまま遊技結果のデータとして利用する構成としてもよく、商データに対応したテーブル群特定用のデータを所定のテーブルから読み出すとともに、余りデータに対応した制限枚数データを対応テーブルCTから読み出す構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、スロットマシン10について本発明を具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態とは遊技状態の種類、及び抽選役の種類が異なっており、遊技性が大きく相違している。但し、当該遊技性を実現するために利用されるデータの読み出しの仕方が、上記第1の実施形態における組合せテーブルの読み出しの仕方と一部共通している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図33は、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列を示す説明図である。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図33に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図34は、有効ラインの設定態様を説明するための説明図である。
本実施形態では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図34に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図35は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との関係を説明するための説明図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,第3スイカ入賞,第4スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。
中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。
各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「赤7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「スイカ」図柄と右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第4スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2〜第4スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。
各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,第3BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。
有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
第6再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態は移行しない。但し、第7再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、特定役入賞として報知抽選処理を行う。
図36は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルを説明するための説明図である。
通常遊技状態用抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。そして、抽選処理(図9)では、上記第1の実施形態と同様に、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行い、判定値DVが65535を超えた場合には、上記第1の実施形態におけるステップS306の処理に代えて、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータをRAM73にセットするための当選ビットデータの取得処理を実行する。当該取得処理の詳細な内容については後述するが、当該処理内容を簡単に説明すると、例えば、IV=9のときに判定値DVが65535を超えた場合、チェリーと第1BBに当選したことを示すデータをRAM73にセットする。
図37は、IV=15〜26の際にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=19と対応する当選ビットデータがセットされている場合には、左ストップボタン52が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップボタン53が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップボタン54が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップボタン52〜54の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本実施形態では、リール32L,32M,32Rをストップボタン52〜54の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップボタン52,54の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップボタン53の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップボタン52〜54を操作する必要がある。
IV=19の際に当選となり、左ストップボタン52→中ストップボタン53→右ストップボタン54の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップボタン52が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップボタン52が操作された場合には、図38(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップボタン53の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン53が操作された場合、図38(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン53が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップボタン53が操作された場合には、図38(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップボタン54の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、図38(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、図38(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図35参照)が停止する。
IV=19の際に当選となった場合に限られず、IV=19〜26の際に当選となった場合であって左ストップボタン52が最初に操作された場合、すなわち第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合に、それぞれの特殊ベルを成立させることができないタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合には、有効ライン上に移行出目が停止する。
次に、IV=15の際に当選となり、左ストップボタン52→中ストップボタン53→右ストップボタン54の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップボタン52が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップボタン53が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップボタン54が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合には、IV=15〜26のいずれで当選となった場合であっても、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
IV=15〜26の際に当選となった場合には、6通りのストップボタン52〜54の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン52〜54の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。
IV=15〜26の際に当選となった場合であって第5特殊ベル〜第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップボタン53又は右ストップボタン54が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップボタン52〜54が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップボタン52〜54が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。この場合、メダルの払い出しを行わず、且つ遊技状態も移行させない。
移行出目は、IV=19〜26の際に当選となった場合であって、左ストップボタン52が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞を成立させることができない場合に、有効ライン上に停止する。この場合、メダルの払い出しを行わない一方で、遊技状態が第1RT状態に移行する。
また、これらストップボタン52〜54の操作順序は、図37に示す通り、最初に操作されるストップボタンによって成立する役が異なるように設定されている。つまり、ストップボタン52〜54のうち、左ストップボタン52が最初に操作されるか、中ストップボタン53が最初に操作されるか、右ストップボタン54が最初に操作されるか、により、成立する役が異なるように設定されており、2番目、3番目に操作されるストップボタンがそれぞれ逆の順序になったとしても、入賞する役は変化しない。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップボタン53と右ストップボタン54を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=14の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
図39は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RT状態用抽選テーブルには、33個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図36参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜33には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=28〜33の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ここで、図36に示すように、通常遊技状態では、IV=27の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=27の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=27の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=28の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=29の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=30の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=31の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=32の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=33の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=27〜33のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=28〜33の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図40は、第1RT状態下でIV=27〜33の際に当選となった場合にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、少なくとも第1再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞又は第1再遊技入賞が成立するように設定されている。左リール32Lには、「BAR」図柄、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されており、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合に限って成立する。当該所定のタイミング以外のタイミングでストップボタン52〜54が操作された場合には、第1再遊技入賞が成立する。より詳細には、第1再遊技入賞又は第10再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン52の操作タイミングによって、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「BAR」図柄を停止させ、「BAR」図柄を停止させることができない場合には「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン53及び右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず中リール32M及び右リール32Rに「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第11再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン52の操作タイミングによって、「赤ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤ベル」図柄を停止させ、「赤ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン53及び右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン52の操作タイミングによって、「白ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「白ベル」図柄を停止させ、「白ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン53及び右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。
IV=28〜33には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=28〜33のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
図41は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、32個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図36参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜32には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27〜32の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=27〜32の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図42は、第2RT状態下でIV=27〜32の際に当選となった場合にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=27〜32には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=27〜32のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
図43は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、32個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図36参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜32には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27〜32の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=27〜32の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図44は、第3RT状態下でIV=27〜32の際に当選となった場合にセットされる当選データと、ストップボタン52〜54の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=27〜32には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=27〜32のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
図45は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、32個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図36参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜32には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27〜32の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第4RT状態下では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=27〜32の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図46は、第4RT状態下でIV=27〜32の際に当選となった場合にセットされる当選データと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=27〜32には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=27〜32のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
図47は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、36個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜26には、通常遊技状態用抽選テーブル(図36参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=27〜36には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜26の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=27の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=28の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=29の際に当選となる確率は約655分の1、IV=30の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=31〜36の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第5RT状態下では、上述したIV=15〜26の際に当選となった場合に加えてIV=28〜36の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン52〜54の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図48は、第5RT状態下でIV=27〜36の際に当選となった場合にセットされる当選データと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、少なくとも第6再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン52〜54の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立するように設定されている。各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップボタン52〜54が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。但し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立可能なタイミングで各ストップボタン52〜54が操作された場合には、第6再遊技入賞ではなく、それぞれ第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞を成立させることができないタイミングで各ストップボタン52〜54が操作された場合には、第6再遊技入賞が成立する。
より詳細には、第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン52の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップボタン53が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32L及び中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合は右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞、第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立するように設定された場合には、まず、左リール32L及び中リール32Mについては第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合と同様である。右リール32Rは、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であっても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができないタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止していない場合は、右ストップボタン54の操作タイミングによらず「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン52の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させる。この場合、右リール32Rの下段には「リプレイ」図柄が停止しており(図33参照)、第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞のいずれもが成立可能な余地を残す。一方、左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であっても、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで右ストップボタン54が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄を停止させる。この場合、有効ライン上に「BAR」図柄は停止しない(図33参照)。また、左リール32Lに「赤7」図柄が停止していない場合には右ストップボタン54の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは、左リール32Lに「赤7」図柄が停止し右リール32Rの上段に「BAR」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止している場合、又は右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄が停止している場合には中ストップボタン53の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。IV=31〜36には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていないゲームでは、IV=31〜36のいずれかの当選ビットデータがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
次に、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図49を用いて説明する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=19〜26の際に当選となり、左ストップボタン52を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=19〜26のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップボタン53及び右ストップボタン54を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、通常遊技状態において、再遊技当選となる確率は約7.3分の1である。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=28〜33のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=27の際に当選となった場合には、ストップボタン52〜54の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=27の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第1RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第2再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約7.3分の1であり、通常遊技状態と同じ確率である。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=27〜32の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=27〜32のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第2RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第3再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約4.00分の1であり、通常遊技状態及び第1RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=27〜32の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=27〜32のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第3RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第4再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり、第2RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=27〜32の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=27〜32のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。また、第4RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第5再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり第3RT状態と同じ確率である。
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=31〜36の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=31〜36のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップボタン52〜54の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。また、第5RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、第9再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約1.47分の1であり、第3RT状態及び第4RT状態と同じ確率である。
ここで、本実施形態では、例えばBB状態の終了後といったように所定の設定契機となった場合に、RAM73の待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値がセットされる。当該値は、1回のゲームが終了する度に1減算され、減算の結果、待機ゲーム数カウンタの値が「0」となった場合には報知フラグがセットされる。これにより、補助表示部24においてストップボタン52〜54の操作順序の報知が、所定のゲーム数(例えば50ゲーム)に亘って行われる。この操作順序の報知として具体的には、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンのみの操作順序の報知が行われ、転落再遊技に当選している場合には、全てのストップボタン52〜54の操作順序の報知が行われる。これは、既に説明したとおり、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンがストップボタン52〜54のうちいずれであるかによって、ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されており、転落再遊技に当選している場合には、6通りの操作順序のうち1通りのみが転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序として設定されていることによるものである。
待機ゲーム数カウンタの値が「0」となっていない場合であっても、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第3スイカ,第4スイカ,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技といった特定役に当選している場合には、報知抽選を行い、報知抽選に当選した場合には報知フラグがセットされる。これにより、上記操作順序の報知が、所定のゲーム数(例えば50ゲーム)に亘って行われる。また、第5RT状態に移行した場合には、待機ゲーム数カウンタの値や報知抽選の結果に関係なく報知フラグがセットされる。これにより、上記操作順序の報知が、所定のゲーム数(例えば50ゲーム)に亘って行われる。
なお、報知フラグがセットされていない状況で左ストップボタン52が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。そして、罰則ゲーム数カウンタの値が「0」ではない状況では、待機ゲーム数カウンタの値の減算が実行されないとともに、特定役に当選したとしても報知抽選が実行されない。
<当選ビットデータWD>
次に、当選ビットデータWDについて説明する。
図50は、当選ビットデータWDに関する主制御装置70のROM72及びRAM73の構成を説明するための説明図である。当選ビットデータWDは、既に説明したとおり、抽選処理において所定のインデックス値IVにて当選となった場合に、いずれの抽選役が当選役となったのかを主制御装置70のCPU71にて特定するためのデータである。
当選ビットデータWDは、主制御装置70のROM72における当選ビットデータ記憶エリア72bに予め記憶されている。当選ビットデータWDは、設定されている当選役の種類が異なるインデックス値IVの数分用意されている。具体的には、既に説明したとおり、IV=1〜26は、通常遊技状態、第1RT状態、第2RT状態、第3RT状態、第4RT状態及び第5RT状態のそれぞれにおいて共通のインデックス値であり、それらインデックス値にそれぞれ設定されている当選役は各遊技状態に依存することなく共通となっている。したがって、これらIV=1〜26に対応している当選ビットデータWDは、遊技状態の区別なく1種類ずつROM72に記憶されており、各遊技状態間において共通して使用される。なお、BB状態の場合には、IV=4〜8,14の中から抽選が行われるため、各遊技状態において使用される当選ビットデータをそのまま使用可能である。
IV=27以降は、各遊技状態間で対応する当選役の種類が異なっている。具体的には、通常遊技状態ではIV=27以降のインデックス値としてIV=27が設定されているが、当該インデックス値IV=27に設定されている当選役は第6再遊技であり、第5RT状態とは共通しているものの、第1RT状態〜第4RT状態とは相違している。また、第1RT状態におけるIV=27〜33に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第2RT状態におけるIV=27〜32に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第3RT状態におけるIV=27〜32に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第4RT状態におけるIV=27〜32に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通しておらず、第5RT状態におけるIV=27〜36に設定されている当選役は他の遊技状態とは共通していない。したがって、これら各インデックス値IVに対応した当選ビットデータWDは、それぞれ個別にROM72に記憶されており、対応する遊技状態においてのみ使用される。
上記のように当選ビットデータWDは、2以上の複数の遊技状態間で共通して使用される複数の当選ビットデータWDと、各遊技状態において専用として使用される複数の当選ビットデータWDとからなり、具体的には、61個の当選ビットデータWDがROM72の当選ビットデータ記憶エリア72bに記憶されている。この当選ビットデータ記憶エリア72bに記憶されている当選ビットデータWDは、抽選処理の結果に基づいて読み出され、主制御装置70のRAM73に設けられた展開用エリア73bに展開されてCPU71により使用される。
図51は展開用エリア73bの構成を説明するための説明図である。図51に示すように、展開用エリア73bには、各当選役に1対1で対応するように展開側単位エリアTUDが割り当てられている。
具体的には、既に説明したとおり当選役として、ベル,第1特殊ベル,第2特殊ベル,第3特殊ベル,第4特殊ベル,第5特殊ベル,第6特殊ベル,第7特殊ベル,第8特殊ベル,第9特殊ベル,第10特殊ベル,第11特殊ベル,第12特殊ベル,移行出目,第1再遊技,第2再遊技,第3再遊技,第4再遊技,第5再遊技,第6再遊技,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技,第10再遊技,第11再遊技,第12再遊技,第1BB,第2BB,第3BB,第1スイカ,第2スイカ,第3スイカ,第4スイカ,チェリーの34種類が設定されている。展開用エリア73bには、これら当選役に1対1で対応させて展開側単位エリアTUDが割り当てられている。
展開側単位エリアTUDを構成するビット数は任意であるが、本実施形態では1ビットとして設定されている。したがって、CPU71において当選役を把握するための当選データを設定するためのエリアとして、RAM73には少なくとも34ビットが確保されている。但し、CPU71では、データの内容を特定する際に、データ群セットごとに、詳細には1バイト単位でのアドレス指定を行うため、上記複数の展開側単位エリアTUDも当該データ群セットとして設定されている。
データ群セットとして、RAM73において所定のアドレスとなるように設定された第1データ群セットDG1と、当該第1データ群セットDG1に対してアドレスが連続するように設定された第2データ群セットDG2と、当該第2データ群セットDG2に対してアドレスが連続するように設定された第3データ群セットDG3と、当該第3データ群セットDG3に対してアドレスが連続するように設定された第4データ群セットDG4と、当該第4データ群セットDG4に対してアドレスが連続するように設定された第5データ群セットDG5とが設定されている。これら各データ群セットDG1〜DG5はそれぞれ1バイトとなっているため、展開用エリア73bは5バイトのデータ量を有することとなる。また、第1データ群セットDG1が上位側のアドレスに設定されており、第2データ群セットDG2、第3データ群セットDG3、第4データ群セットDG4、第5データ群セットDG5の順で下位側のアドレスに設定されている。
各データ群セットDG1〜DG5に対する各単位エリアの割り当ては、同一のインデックス値IVに設定され得る当選役、換言すれば、1回の抽選処理にて同時に当選役となり得る役同士が同一のデータ群セット又はアドレスが連続するデータ群セットに集約されるように行われている。当選ビットデータWDとの関係で説明すると、2個以上の当選ビットデータWDから構成される特別データ群は、当該特別データ群に含まれる一の当選ビットデータWDにおいて当選データが設定される展開側単位エリアTUDの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の当選ビットデータWDと共通する関係であり、当該関係を生じさせる特別データ群に含まれる各当選ビットデータWDにおいて当選データが設定される全ての展開側単位エリアTUDは、同一のデータ群セット又はアドレスが連続するデータ群セットに集約されている。
詳細には、ベル,第1特殊ベル,第2特殊ベル,第3特殊ベル,第4特殊ベル,第5特殊ベル,第6特殊ベル,第7特殊ベル,第8特殊ベル,第9特殊ベル,第10特殊ベル,第11特殊ベル,第12特殊ベル,移行出目は、所定の組合せで1回の抽選処理にて同時に当選役となり得るのに対して、これらベル群は、当該ベル群以外の役とは1回の抽選処理にて同時に当選役とならない。その一方、当該ベル群は、一のデータ群セットのデータ量、すなわち8ビットよりも多くの数の展開側単位エリアTUDを割り当てる必要がある。したがって、ベル群を構成する各当選役は、第1データ群セットDG1と第2データ群セットDG2とに割り当てられている。この場合に、ベル群は14種類存在しているため、第1データ群セットDG1の全ビットを使用した場合には、第2データ群セットDG2の2ビット分はベル群の展開側単位エリアTUDとして割り当てられない余り分となる。当該余り分のビットは、いずれの当選役も設定されないブランクとなっている。
第1再遊技,第2再遊技,第3再遊技,第4再遊技,第5再遊技,第6再遊技,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技,第10再遊技,第11再遊技,第12再遊技は、所定の組合せで1回の抽選処理にて同時に当選役となり得るのに対して、これら再遊技群は、当該再遊技群以外の役とは1回の抽選処理にて同時に当選役とならない。その一方、当該再遊技群は、一のデータ群セットのデータ量、すなわち8ビットよりも多くの数の展開側単位エリアTUDを割り当てる必要がある。したがって、再遊技群を構成する各当選役は、第3データ群セットDG3と第4データ群セットDG4とに割り当てられている。この場合に、再遊技群は12種類存在しているため、第3データ群セットDG3の全ビットを使用した場合には、第4データ群セットDG4の4ビット分は再遊技群の展開側単位エリアTUDとして割り当てられない余り分となる。当該余り分のビットは、いずれの当選役も設定されないブランクとなっている。
第1BB,第2BB,第3BB,第1スイカ,第2スイカ,第3スイカ,第4スイカ,チェリーは、所定の組合せで1回の抽選処理にて同時に当選役となり得るのに対して、これら他の抽選役群は、当該他の抽選役群以外の役とは1回の抽選処理にて同時に当選役とならない。また、当該他の抽選役群は、一のデータ群セットのデータ量、すなわち8ビットと同一の数の展開側単位エリアTUDを割り当てる必要がある。したがって、他の抽選役群を構成する各当選役は、第5データ群セットDG5のみに割り当てられており、当該第5データ群セットDG5の全ビットが展開側単位エリアTUDとして割り当てられている。
各当選ビットデータWDには、対応する当選役に対してのみ当選データが設定されており、対応しない当選役には非当選データが設定されている。展開側単位エリアTUDが1ビットの場合について詳細には、当選データとして2値のうち一方である「1」が設定されており、非当選データとして2値のうち他方である「0」が設定されている。したがって、一の当選ビットデータWDを展開用エリア73bに展開した場合には、当該当選ビットデータWDにおいて当選データが設定されているエリアに対応した展開側単位エリアTUDに当選データが設定され、対応しない展開側単位エリアTUDには非当選データが設定される。
ちなみに、展開用エリア73bの各展開側単位エリアTUDは初期値として非当選データ(具体的には「0」)が設定されているため、展開用エリア73bの展開に際しては、当選役に対応する展開側単位エリアTUDに対して非当選データから当選データの書き換えが行われる。
上記のように設定された展開用エリア73bに抽選処理の結果に対応した当選ビットデータWDが展開され、その展開されたデータを利用してCPU71において各種処理が実行される。この場合に、各当選ビットデータWDは、展開用エリア73bとして割り当てられたデータ量よりも少ないデータ量となるように設定されている。かかるデータ構成について、図51に加えて図52を参照しながら説明する。
図52(a)は第5RT状態におけるIV=9の場合の当選ビットデータWDを説明するための説明図であり、図52(b)は第5RT状態におけるIV=15の場合の当選ビットデータWDを説明するための説明図であり、図52(c)は第5RT状態におけるIV=30の場合の当選ビットデータWDを説明するための説明図である。また、図52(a1),図52(b1),図52(c1)は対応する当選ビットデータWDを展開用エリア73bに展開した状態を示し、図52(a2),図52(b2),図52(c2)は対応する当選ビットデータWDのデータ構成を示す。
第5RT状態におけるIV=9には、チェリー及び第1BBが当選役として設定されている。かかる当選ビットデータWDが展開用エリア73bに展開された場合、図52(a1)に示すように、第5データ群セットDG5における最上位である1番目の展開側単位エリアTUD及び最下位である8番目の展開側単位エリアTUDにのみ当選データ(具体的には「1」)が設定され、第1データ群セットDG1〜第4データ群セットDG4の各展開側単位エリアTUD、及び第5データ群セットDG5の他の展開側単位エリアTUDには非当選データ(具体的には「0」)が設定されることとなる。
このようなデータ構成においては、第1データ群セットDG1〜第4データ群セットDG4については全ての展開側単位エリアTUDに非当選データが設定されているため、当該データ構成であることを明示するデータを設定すれば、これらデータ群セット分のデータ量を当選ビットデータWDにおいて保持する必要がなくなる。その一方、第5データ群セットDG5については、2個の展開側単位エリアTUDにのみ当選データが設定されており、残りの6個の展開側単位エリアTUDには非当選データが設定されているが、CPU71ではアドレス指定などのデータの扱いがデータ群セットの単位、すなわち1バイト単位で行われ、さらにビット単位でアドレス指定を行おうとすると、そのアドレス指定のためのデータが当該1バイトのデータ量を超えてしまう可能性が高い。したがって、当選データと非当選データとが混在しているデータ群セットについては、そのままのデータ構成を当選ビットデータWDにおいて保持することが好ましい。
第5RT状態におけるIV=15の場合も同様であり、当該インデックス値の場合、ベル、第5特殊ベル、及び第9特殊ベルが当選役として設定されている。かかる当選ビットデータWDが展開用エリア73bに展開された場合、図52(b1)に示すように、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2の一部の展開側単位エリアTUDに当選データが設定され、第3データ群セットDG3〜第5データ群セットDG5の各展開側単位エリアTUDには非当選データが設定されることとなる。
このようなデータ構成においては、第3データ群セットDG3〜第5データ群セットDG5については当選ビットデータWDにおいて保持する必要がなくなる。その一方、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2については当選データと非当選データとが混在しているため、CPU71におけるデータの扱いの観点から、当該データ群セットについてはそのままのデータ構成を当選ビットデータWDにおいて保持することが好ましい。
第5RT状態におけるIV=30の場合も同様であり、当該インデックス値の場合、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、及び第9再遊技が当選役として設定されている。かかる当選ビットデータWDが展開用エリア73bに展開された場合、図52(c1)に示すように、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4の一部の展開側単位エリアTUDに当選データが設定され、第1データ群セットDG1、第2データ群セットDG2及び第5データ群セットDG5の各展開側単位エリアTUDには非当選データが設定されることとなる。
このようなデータ構成においては、第1データ群セットDG1、第2データ群セットDG2及び第5データ群セットDG5については当選ビットデータWDにおいて保持する必要がなくなる。その一方、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4については当選データと非当選データとが混在しているため、CPU71におけるデータの扱いの観点から、当該データ群セットについてはそのままのデータ構成を当選ビットデータWDにおいて保持することが好ましい。
かかる事情により、当選ビットデータWDには、第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5の全てのデータが保持されているのではなく、図52(a2),図52(b2),図52(c2)に示すように、当選データと非当選データとが混在しているデータ群セットが実データRDとして保持され、さらに当該データ群セットが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のいずれに対応しているのかを示す対応データCDが付属して設定されている。
図52(a2)の場合、第5データ群セットDG5に対応した実データRDと、当該実データRDが第5データ群セットDG5に対応していることを示すデータが書き込まれた対応データCDとを有している。図52(b2)の場合、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2のそれぞれに対応した複数の実データRDと、これら実データRDが第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2に対応していることを示すデータが書き込まれた対応データCDとを有している。図52(c2)の場合、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4のそれぞれに対応した複数の実データRDと、これら実データRDが第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4に対応していることを示すデータが書き込まれた対応データCDとを有している。
対応データCDは、いずれの当選ビットデータWDであっても、一のデータ群セットと同一のデータ量、すなわち1バイトのデータ量として設定されている。対応データCDと実データRDとが設定されていることにより、非当選データのみが設定されることとなるデータ群セットを当選ビットデータWDにおいて保持しなくても、対応データCDと実データRDとを利用して当該当選ビットデータWDを展開用エリア73bに展開することで、図52(a1),図52(b1),図52(c1)に示すように、各インデックス値に対応する当選データをCPU71において特定することが可能となる。
対応データCDの具体的なデータの内容は任意であるが、少なくとも自身が対応データCDであることを示すデータと、自身が含まれる当選ビットデータWDに設定された実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係を特定可能なデータとが存在していればよい。但し、実データRDを複数有する当選ビットデータWDも存在するため、設定され得る最大数分の実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係をそれぞれ特定可能とする必要がある。
例えば、対応データCDの1バイトに含まれる8ビットのうち上位2ビットを自身が対応データCDであることを示すデータを設定するビットとし、中間3ビットを一の実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係を示すデータを設定するビットとし、下位3ビットを他の実データRDとデータ群セットDG1〜DG5との対応関係を示すデータを設定するビットとする構成が考えられる。この場合、第5データ群セットDG5のみに対応した実データRDを有する当選ビットデータWDの場合には「10000101」というデータが設定され、第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2に対応した実データRDを有する当選ビットデータWDの場合には「10001010」というデータが設定され、第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4に対応した実データRDを有する当選ビットデータWDの場合には「10011100」というデータが設定されることとなる。これにより、いずれの当選ビットデータWDであっても対応データCDを1バイトとすることが可能となる。
上記のように対応データCDを利用して当選ビットデータWDを圧縮させた場合、図52(a2),図52(b2),図52(c2)に示すように、各当選ビットデータWDのデータ容量は一定とならず、可変長となる。したがって、当選ビットデータWDをROM72から読み出すための構成を、可変長であることを考慮に入れて設計する必要がある。
具体的には、当選ビットデータWDには、上記対応データCD及び実データRDの他にも、ROM72のアドレス上において、自身の当選ビットデータWDの次の当選ビットデータWDに読み出し対象を移動させるためのデータとして容量データVDが設定されている。ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72bには各当選ビットデータWDが、一の当選ビットデータWDの最後のアドレスに対して次の当選ビットデータWDの開始アドレスが連続するように設定されている。この場合に、容量データVDには、自身の当選ビットデータWDのデータ容量が何バイトであるかが設定されている。これにより、ROM72からデータの読み出しを行う場合、容量データVDを確認することで、当該容量データVDが含まれる当選ビットデータWDの次の当選ビットデータWDの開始アドレスを特定することが可能となる。
詳細には、容量データVDは、いずれの当選ビットデータWDであっても、一のデータ群セットと同一のデータ量、すなわち1バイトのデータ量として設定されている。また、既に説明したとおり、対応データCD及び実データRDも1バイトのデータ量として設定されている。したがって、各当選ビットデータWDは、容量データVDの1バイト分と、対応データCDの1バイト分と、実データRDの数のバイト分との和のデータ容量となっている。例えば、図52(a2)の場合、実データRDが1個であるため、当選ビットデータWDのデータ容量は3バイトとなっており、図52(b2)の場合及び図52(c2)の場合、それぞれ実データRDが2個であるため、当選ビットデータWDのデータ容量は4バイトとなっている。
容量データVDの具体的なデータの内容は任意であるが、少なくとも自身が容量データVDであることを示すデータと、自身が含まれる当選ビットデータWDのデータ容量を示すデータとが存在していればよい。例えば、容量データVDの1バイトに含まれる8ビットのうち上位2ビットを自身が容量データVDであることを示すデータを設定するビットとし、下位6ビットを当選ビットデータWDのデータ容量を示すデータを設定するビットとする構成が考えられる。この場合、データ容量が3バイトとなる当選ビットデータWDの容量データVDには「11000010」というデータが設定され、データ容量が4バイトとなる当選ビットデータWDの容量データVDには「11000011」というデータが設定されることとなる。これにより、いずれの当選ビットデータWDであっても容量データVDを1バイトとすることが可能となる。
図53は、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72bにおけるデータ構成を説明するための説明図である。図53に示すように、当選ビットデータ記憶エリア72bには、IV=1に対応した当選ビットデータWDが初期アドレスとして設定されており、当該当選ビットデータWDに続けて残りの当選ビットデータWDが順次配列されている。CPU71では、抽選処理の結果、対応する当選ビットデータWDの配列順序を特定する。そして、CPU71は、初期アドレスに設定されている当選ビットデータWDから検索を開始して、各当選ビットデータWDの容量データVDを確認して次の順番の当選ビットデータWDに検索対象を移動させることを上記配列順序に対応した回数分行うことで、対象となる当選ビットデータWDを特定する。
ちなみに、各当選ビットデータWDにおいて各データの配列順序は定められており、具体的には容量データVDが最初のアドレスに設定され、対応データCDが次のアドレスに設定され、実データRDが次のアドレスに設定されている。また、実データRDが複数設定されている場合には、第1データ群セットDG1を最上位とし、第2データ群セットDG2、第3データ群セットDG3、第4データ群セットDG4及び第5データ群セットDG5の順序で下位側とした場合に、上位側のデータ群セットに対応した実データRDが先のアドレスとして設定され、下位側のデータ群セットに対応した実データRDがそれよりも後側のアドレスとして設定されている。
当選ビットデータWDを特定し、さらにその当選ビットデータWDをRAM73の展開用エリア73bに展開する処理は、抽選処理における当選ビットデータの取得処理にて実行される。当該当選ビットデータ取得処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701では、現状の遊技状態及びインデックス値IVに対応した当選ビットデータWDの順番NをROM72から読み出す。続くステップS1702では、RAM73の検索用カウンタMに「1」をセットする。検索用カウンタMは、当選ビットデータ記憶エリア72bにおいて読み出し対象となっている当選ビットデータWDの配列順序をCPU71にて特定するためのカウンタである。
続くステップS1703では、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致しているか否かを判定する。ステップS1703にて否定判定をした場合には、現状の検索用カウンタMの値に対応した当選ビットデータWDから容量データVDを読み出し、当該当選ビットデータWDが何バイトであるかを把握する。続くステップS1705では、ステップS1704にて把握した結果に基づいて、現状の読み出し対象となっている当選ビットデータWDの次に配列されている当選ビットデータWDの開始アドレスを把握して、当該開始アドレスの当選ビットデータWDを次の読み出し対象に設定する。その後、ステップS1706にて、検索用カウンタMの値を1加算した後に、ステップS1703に戻る。
ステップS1703〜ステップS1706の処理は、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致するまで繰り返す。その結果、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致した場合には、ステップS1703にて肯定判定をしてステップS1707に進む。
ステップS1707では、読み出し対象となっている当選ビットデータWDの対応データCDを読み出す。続くステップS1708では、ステップS1707にて読み出した対応データCDと、読み出し対象となっている当選ビットデータWDの実データRDとを利用して、RAM73の展開用エリア73bに今回の当選ビットデータWDを展開することで展開データを作成する。
具体的には、対応データCDに示されている内容から、当該当選ビットデータWDの実データRDが展開用エリア73bの第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかを把握する。いずれの実データRDにも対応していないデータ群セットについては、通常処理のステップS203にて「0」クリアされた状態をそのまま維持させる。この際、RAM73におけるアドレス指定はバイト単位で行われるため、実データRDに対応していないデータ群セットについては、データを設定するための処理がバイト単位でスキップされる。これにより、展開用エリア73bにデータを設定する処理の簡素化が図られる。
一方、実データRDに対応したデータ群セットに対しては、データ群セットの各展開側単位エリアTUDに対して、それに対応する実データRDの各単位データを書き込む。データ群セットの各展開側単位エリアTUDと実データRDの各単位データとは1対1で対応しているため、対応関係はプログラム上、一義的に定められ、それに従って書き込みが実行される。この際、実データRDの各単位エリアに当選データ及び非当選データのいずれが設定されている場合であっても、その単位エリアに設定されているデータが対応する展開側単位エリアTUDに書き込まれる。したがって、実データRDにおいて「1」が設定されている単位エリアに対応した展開側単位エリアTUDに対しては「0」から「1」へのデータの書き換えが行われ、実データRDにおいて「0」が設定されている単位エリアに対応した展開側単位エリアTUDに対しては「0」のデータの書き込みが再度行われる。これにより、CPU71はデータの書き込みに際して、実データRDの単位エリアに「1」が設定されているか否かの判定を行う必要がないため、展開用エリア73bにデータを設定する処理の簡素化が図られる。
上記のように展開データが作成されることで、今回の抽選処理に対応した当選データ及び非当選データが全抽選役について示されたデータをCPU71において利用することが可能となる。例えば、不当入賞判定を行う場合や、蹴飛ばし判定を行う場合に利用することが可能であり、また優先順位情報を作成する場合において当選役を特定する場合に利用することが可能である。
その後、ステップS1709にて、持ち越し役の書き込み処理を実行した後に、本処理を終了する。既に説明したとおり、第1BB、第2BB及び第3BBは、当選となったゲームで入賞が成立しなかったとしても、入賞が成立するまで次のゲームに持ち越される役である。したがって、第1BB、第2BB及び第3BB以外の役は当選となったゲームが終了した場合に入賞の有無に関係なく当選データが展開用エリア73bから単にクリアされるのに対して、第1BB、第2BB及び第3BBについては入賞が成立しなかった場合にはRAM73の展開用エリア73bとは別のエリアに、それに対応したデータが記憶保持される。ステップS1709では、当該別のエリアに、持ち越しが発生していることに対応したデータが記憶保持されているか否かを判定し、当該データが記憶保持されている場合には、第1BB、第2BB及び第3BBのうち、当該記憶保持されているデータに対応した役の展開側単位エリアTUDに当選データを書き込む。展開用エリア73bに作成された展開データは、一のゲームにおいて複数回に亘ってCPU71により利用される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
展開用エリア73bに展開した場合に当選データと非当選データとが混在することなく非当選データのみが設定されることとなるデータ群セットに対応したデータについては、対応データCDを設定する代わりに当選ビットデータWDにおいて保持しない構成となっている。これにより、展開用エリア73bに展開された場合のデータよりも当選ビットデータWDを圧縮することが可能となる。よって、ROM72に予め記憶される当選ビットデータWDのデータ容量を抑えることが可能となり、抽選役の多様化を図ることで遊技の興趣向上を図った構成において、データ容量の増大化を抑制することが可能となる。
1回の抽選処理にて同時に当選役となり得る役の組合せが、展開用エリア73bにおいて同一のデータ群セットに集約されている。また、当該同時に当選役となり得る役の組合せの数が、1個のデータ群セット分(すなわち1バイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも多く且つ2個のデータ群セット分(すなわち2バイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも少ない場合、それら役の組合せが、2個のデータ群セット(すなわち2バイト)の範囲内で集約されている。これにより、展開用エリア73bに展開した場合に当選データと非当選データとが混在することなく非当選データのみが設定されることとなるデータ群セットを生じさせることが可能となり、上記のような当選ビットデータWDの圧縮を行うことが可能となる。
また、上記のように同時に当選役となり得る役の組合せが所定のデータ群セットの範囲内で集約されていることにより、当選ビットデータWDを展開用エリア73bに展開する場合に非当選データのみが設定されるデータ群セットについては、データを設定するための処理をバイト単位でスキップすることが可能となる。よって、かかるデータを設定するための処理の簡素化が図られる。
1回の抽選処理にて同時に当選役となり得る役の組合せの数が、一のデータ群セットの展開側単位エリアTUDの数よりも多い場合、これら役の組合せは、連続するアドレスのデータ群セットに対して集約して設定されている。これにより、一の当選ビットデータWDに複数の実データRDが設定されている場合、それら複数の実データRDはアドレスが連続することとなる。したがって、展開用エリア73bへの展開に際しては、一の実データRDを対応するデータ群セットに書き込んだ場合、次の実データRDを書き込む対象のデータ群セットは先のデータ群セットの次のアドレスに対応したものとなるため、当該データ群セットの特定の容易化が図られる。
各当選ビットデータWDにはヘッダデータとして、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72bにおいて一の当選ビットデータWDの次に配列されている当選ビットデータWDの開始アドレスを特定可能とする容量データVDが設定されている。これにより、当選ビットデータWDを圧縮したことで各当選ビットデータWDが可変長となった構成であっても、当選ビットデータWDに含まれる容量データVDを利用して、当該当選ビットデータWDに対して次の順番に設定されている当選ビットデータWDのアドレスを特定することが可能となり、さらにその容量データVDはアドレスそのものを示すのではなく、当選ビットデータWDが有するデータ量に対応したデータである。したがって、各当選ビットデータWDのアドレス自体を直接示すデータを用意する必要がない。さらに、当選ビットデータWD自身に上記のような容量データVDが含まれているため、読み出し対象となる当選ビットデータWDよりも先側の順番に設定されている各当選ビットデータWDについてのデータ容量を示すデータを、当選ビットデータWDとは別に設定する必要もない。よって、データ容量の削減を図ることが可能となる。
当選ビットデータWDはバイト単位でデータが設定されており、上記容量データVDは、当該容量データVDを含む当選ビットデータWDの開始アドレスと、当該当選ビットデータWDに対して次の順番に設定されている当選ビットデータWDの開始アドレスとのバイト単位でのオフセット数を示すデータとして設定されている。これにより、ヘッダデータを設定するのに必要なデータ容量の削減が図られる。
当選ビットデータWDを読み出す場合には、その読み出し対象となる当選ビットデータWDに辿り着くのに必要な順序データが提供され、その順序データに従って、先側の順番に設定されている当選ビットデータWDの上記容量データVDを利用して次の順番の当選ビットデータWDへの読み出し対象の遷移が行われる。これにより、上記容量データVDを利用して当選ビットデータWDを読み出す場合の処理の簡素化が図られる。
抽選処理を実行し、所定のインデックス値IVにて当選となった場合には、当該インデックス値IVに対応した当選ビットデータWDを展開用エリア73bに展開して展開データを作成し、当該抽選処理に対応したゲームでは、当該展開データを参照することで各種処理が実行される。これにより、各種処理を実行する度に当選ビットデータWDを展開する処理を実行する必要がなくなり、処理負荷の軽減が図られる。
<第2の実施形態についての変形例>
本変形例では、各当選ビットデータWDのヘッダデータの構成が異なっている。以下、かかる相違する構成について説明する。なお、上記第2の実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図55は、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72bにおけるデータ構成を説明するための説明図である。
図55に示すように、当選ビットデータWDには、上記第2の実施形態における当選ビットデータWDの容量データVD及び対応データCDの代わりに、一のデータ群セットと同一のデータ容量である、すなわち1バイトのデータ容量であるヘッダデータHDが設定されている。ヘッダデータHDには、当該当選ビットデータWDに設定されている実データRDの連続数と、開始セットのデータとが設定されている。開始セットのデータには、実データRDが1個のみ設定されている場合には当該実データRDが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかを示すデータが設定されており、実データRDが複数個設定されている場合にはこれら実データRDのうち当選ビットデータWDにおいて先側のアドレスに設定されている実データRDが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかを示すデータが設定されている。
展開用エリア73bには、上記第2の実施形態と同様に、第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5が設定されており、1回の抽選処理にて同時に当選役となり得る役同士は同一のデータ群セットに集約されている。また、同時に当選役となり得る役の数が一のデータ群セットの展開側単位エリアTUDの数を超える場合には、アドレスが連続するデータ群セットに集約されている。詳細には、ベル群は第1データ群セットDG1及び第2データ群セットDG2に集約されており、再遊技群は第3データ群セットDG3及び第4データ群セットDG4に集約されており、残りの役群は第5データ群セットDG5に集約されている。
また、当選ビットデータWDには、上記第2の実施形態と同様に、展開用エリア73bに展開した場合に当選データと非当選データとが混在することなく非当選データのみが設定されるデータ群セットについては実データRDとして保持されずに、当選データと非当選データとが混在することとなるデータ群セットのみが実データRDとして保持される。また、実データRDが複数存在している場合には、当選ビットデータWDにおいて、上位側のデータ群セットに対応した実データRDが先のアドレスとして設定され、下位側のデータ群セットに対応した実データRDが後側のアドレスとして設定されている。
上記構成において、ヘッダデータHDとして、実データRDの連続数と開始セットのデータとが設定されていることにより、当選ビットデータWDに設定されている実データRDが第1データ群セットDG1〜第5データ群セットDG5のうちいずれに対応しているのかをCPU71にて特定可能となる。また、各当選ビットデータWDが可変長である構成において、各当選ビットデータWDのデータ容量をCPU71にて特定可能となる。よって、上記第2の実施形態と同様に、当選ビットデータWDに記憶されているデータを利用して、ROM72の当選ビットデータ記憶エリア72bにおいて一の当選ビットデータWDが読み出し対象となっている場合に次の当選ビットデータWDの開始アドレスを把握することが可能となる。
ヘッダデータHDの具体的なデータの内容としては、例えばヘッダデータHDの1バイトに含まれる8ビットのうち上位2ビットを自身がヘッダデータHDであることを示すデータを設定するビットとし、中間3ビットを実データRDの連続数を示すデータを設定するビットとし、下位3ビットを開始セットの内容を示すデータを設定するビットとする構成が考えられる。この場合、ベル群に対応した当選ビットデータWDの場合には「01010001」というデータが設定され、再遊技群に対応した当選ビットデータWDの場合には「01010011」というデータが設定され、その他の役に対応した当選ビットデータWDの場合には「01001101」というデータが設定されることとなる。これにより、いずれの当選ビットデータWDであってもヘッダデータHDを1バイトとすることが可能となる。
図56は、本実施形態における当選ビットデータの取得処理を示すフローチャートである。
ステップS1801では、現状の遊技状態及びインデックス値IVに対応した当選ビットデータWDの順番NをROM72から読み出す。続くステップS1802では、RAM73の検索用カウンタMに「1」をセットする。
続くステップS1803では、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致しているか否かを判定する。ステップS1803にて否定判定をした場合には、現状の検索用カウンタMの値に対応した当選ビットデータWDからヘッダデータHDを読み出し、連続数を把握することで、当該当選ビットデータWDが何バイトであるかを把握する。続くステップS1805では、ステップS1804にて把握した結果に基づいて、現状の読み出し対象となっている当選ビットデータWDの次に配列されている当選ビットデータWDの開始アドレスを把握して、当該開始アドレスの当選ビットデータWDを次の読み出し対象に設定する。その後、ステップS1806にて、検索用カウンタMの値を1加算した後に、ステップS1803に戻る。
ステップS1803〜ステップS1806の処理は、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致するまで繰り返す。その結果、順番Nと検索用カウンタMの値とが一致した場合には、ステップS1803にて肯定判定をしてステップS1807に進む。
ステップS1807では、読み出し対象となっている当選ビットデータWDのヘッダデータHDを読み出す。続くステップS1808では、ステップS1807にて読み出したヘッダデータHDと、読み出し対象となっている当選ビットデータWDの実データRDとを利用して、RAM73の展開用エリア73bに今回の当選ビットデータWDを展開することで展開データを作成する。その後、ステップS1809にて、持ち越し役の書き込み処理を実行した後に、本処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、各当選ビットデータWDには、各1バイトの容量データVD及び対応データCDの代わりに、1バイトのヘッダデータHDが設定されている構成であるため、各当選ビットデータWDのデータ容量を削減することが可能となる。よって、さらなるデータ容量の削減が可能となる。
<第2の実施形態についての他の変形例>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)同時に当選役となり得る役の組合せにより構成される特定役群として、当該特定役群に含まれる抽選役の数が、2個のデータ群セット分の展開側単位エリアTUDの数以下である特定役群のみが存在している構成に限定されることはなく、2個のデータ群セット分の展開側単位エリアTUDの数よりも多い数の抽選役を含む特定役群が存在している構成としてもよい。当該構成の場合であっても、上記各実施形態の場合と同様に、一の特定役群に含まれる抽選役の数が、k個のデータ群セット分(すなわちkバイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも多く且つk+1個のデータ群セット分(すなわちk+1バイト分)の展開側単位エリアTUDの数(すなわちビット数)よりも少ない場合、それら抽選役が、k+1個のデータ群セット(すなわち2バイト)の範囲内で集約されている構成(kは自然数)とすることが好ましい。これにより、展開用エリア73bに展開した場合に、当選データと非当選データとが混在しない非当選データのみが設定されたデータ群セットを生じさせることが可能となり、当選ビットデータWDを圧縮することが可能となる。
(2)ベル群や再遊技群といったように同時に当選役となり得る役の組合せにより構成される特定役群に一のデータ群セット分の展開側単位エリアTUDの数よりも多い抽選役の数が設定されている場合に、当該特定役群の抽選役が、アドレスが連続するデータ群セットに集約されている構成に代えて、アドレスが非連続となるデータ群セットに集約されている構成としてもよい。例えば、ベル群を、第1データ群セットDG1と第2データ群セットDG2とに集約する構成に代えて、第1データ群セットDG1と第3データ群セットDG3とに集約する構成としてもよい。この場合であっても、当選ビットデータWDに対応データCDを設定することで、当選ビットデータWDの圧縮を行うことが可能となる。例えば、ベル群を、第1データ群セットDG1と第3データ群セットDG3とに集約した場合、当該ベル群に対応する当選ビットデータWDでは、これらデータ群セットに対応した複数の実データRDを設定するとともに、対応データCDとして第1データ群セットDG1と第3データ群セットDG3とに対応していることを示すデータを設定することで、当選ビットデータWDの圧縮を行うことが可能となる。
(3)当選ビットデータWDに対応データCDが設定されている場合、当該対応データCDに含まれるデータ群セットの種類を示すデータから実データRDの数をプログラム上、特定可能とすることで、容量データVDを不要とすることが可能となる。つまり、実データRDがいずれのデータ群セットに対応しているのかを示すデータから実データRDの数を特定可能な構成とすることで、当選ビットデータWDにおけるヘッダデータのデータ容量を削減することが可能となり、それに伴って当選ビットデータWDのデータ容量を削減することが可能となる。
(4)ベル群に対応したデータ群セットとして第1データ群セットDG1と第2データ群セットDG2とが設定された構成において、第2データ群セットDG2においてベル群を構成する各当選役を超える数分のビットは、当該ベル群以外の当選役を割り当てることなくブランクとする構成としたが、当該ビットに対してベル群以外の当選役を割り当てるようにしてもよい。この場合、展開用エリア73bに展開した場合において当選データと非当選データとが混在しない非当選データのみが設定されたデータ群セットの数を極力多く設定する上では、ベル群以外の当選役として、1回の抽選処理にて他の役と同時に当選役とならない役を設定することが好ましい。また、他の役と同時に当選役となり得る役を設定する場合には、当該同時に当選役となり得る役の組合せにより構成される特定役群に含まれる抽選役が、当該抽選役の数を一のデータ群セットの展開側単位エリアTUDの数(すなわち1バイト分のビット数である8)で割った場合の商に対して1を加算した数のデータ群セットの範囲内で集約されている構成とすることが好ましい。なお、当該構成は、再遊技群に対応したデータ群セットに対して適用してもよく、他の役群に対応したデータ群セットに対して適用してもよい。
(5)展開用エリア73bに展開した場合に当選データのみが存在するデータ群セットが生じる構成においては、当該データ群セットは当選役のみが設定されることを示すデータを設定することで、当該データ群セットに対応した実データRDを当選ビットデータWDにおいて保持しない構成としてもよい。また、展開用エリア73bに展開した場合に当選データのみが存在するデータ群セットが生じるとともに、非当選データのみが存在するデータ群セットが生じる構成においては、これらデータ群セットが当選データのみのデータ群セット及び非当選データのみのデータ群セットのいずれであるかを特定可能な状態で、上記第2の実施形態であれば対応データCDを設定し、上記第2の実施形態の変形例であればヘッダデータHDを設定することで、当選ビットデータWDを圧縮することが可能となる。
(6)展開用エリア73bの各展開側単位エリアTUDのうち第1BB、第2BB及び第3BBに対応した展開側単位エリアTUDについては、対応するBB入賞が成立するまでは一のゲームが終了したとしてもクリアしない構成とし、且つ新たなゲームで取得された当選ビットデータWDを展開用エリア73bに書き込む場合に上記BBに対応した展開側単位エリアTUDについては書き込み対象から除外する構成としてもよい。
(7)当選役の種類が34種類である構成に限定されることはなく、34種類よりも少ない構成や、64種類といったように34種類よりも多い構成に対して、当選ビットデータWDの構成及びそれに関連する構成を適用してもよい。「展開用エリア73bに含まれるデータ群セットの数」×「当選ビットデータWDの数」よりも、「全当選ビットデータWDの実データRDの数」+「一の当選ビットデータWDに含まれるヘッダデータ(第2の実施形態であれば容量データVD及び対応データCDである「2」、第2の実施形態の変形例であればヘッダデータHDである「1」)の数」×「当選ビットデータWDの数」の方が小さいのであれば、データ容量削減の効果を得ることが可能となる。また、当選役の種類が多くなるほど、当選ビットデータWDの構成及びそれに関連する構成を適用した場合に、データ容量の削減効果が高められる。
(8)ビット単位でのアドレス指定が可能な構成においては、展開用エリア73bに展開した場合に当選データ及び非当選データのうち一方のデータが連続するビット群については、それを展開に際して特定可能なデータを持つ代わりに省略するようにしてもよい。
(9)全ての当選ビットデータWDが圧縮されている構成に代えて、一部の当選ビットデータWDのみが圧縮されている構成としてもよい。例えば、容量データVD及び対応データCDとの関係や、ヘッダデータHDとの関係で、圧縮するとかえってデータ容量が増加してしまう当選ビットデータWDが存在する場合には、当該当選ビットデータWDについては圧縮することなく記憶保持するようにし、他の当選ビットデータWDについては圧縮する構成としてもよい。
(10)展開用エリア73bを初期化するタイミングは、1ゲームにおいて展開用エリア73bを確認し得る処理のうち最後の処理順序となるように設定されている処理が実行されるタイミングよりも後であって、次のゲームにおいて抽選処理の結果に応じた当選ビットデータWDが展開用エリア73bに展開されるタイミングよりも前であればよい。
(11)当選データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約することで、展開用エリア73bに当選ビットデータWDを展開する場合の処理の簡素化が図られるという効果に着目した場合、当選ビットデータWDの圧縮が行われていない構成としてもよい。
(12)当選ビットデータWDのように所定データを圧縮する構成や、第1データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約する構成を、当選ビットデータ以外のデータに対して適用してもよい。例えば、リールの停止制御を実行する場合に参照される停止情報に対して、当該構成を適用してもよい。
(13)上記実施形態では、スロットマシン10について本発明を具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。すなわち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能を持たせた遊技機に、所定データを圧縮する構成や第1データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約する構成を適用してもよい。
また、パチンコ機に対して、所定データを圧縮する構成や第1データが同時に設定され得る単位エリアを特定のアドレス範囲に集約する構成を適用してもよい。パチンコ機においても抽選役の種類を多く設定することが考えられ、この場合に本発明を適用することで、データ容量の増大化や処理負荷の増加を抑制しながら、抽選役の種類の多様化を図ることが可能となる。
<第3の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図57はパチンコ機110の正面図である。
パチンコ機110は、図57に示すように、当該パチンコ機110の外殻を形成する外枠111と、この外枠111に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体112とを有する。遊技機本体112には遊技盤120が搭載されている。遊技盤120には前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口121,可変入賞装置122,上作動口123,下作動口124,スルーゲート125、可変表示ユニット126、特図表示部133及び普図表示部134等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口121、可変入賞装置122、上作動口123及び下作動口124への入球が発生すると、それが遊技盤120の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤120の最下部にはアウト口127が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口127を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤120には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘128が植設されていると共に、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口127への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置122、上作動口123、下作動口124又はスルーゲート125への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口123及び下作動口124は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤120に設置されている。上作動口123及び下作動口124は共に上向きに開放されている。また、上作動口123が上方となるようにして両作動口123,124は鉛直方向に並んでいる。下作動口124には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物124aが設けられている。電動役物124aの閉鎖状態では遊技球が下作動口124に入賞できず、電動役物124aが開放状態となることで下作動口124への入賞が可能となる。
可変入賞装置122は、遊技盤120の背面側へと通じる大入賞口122aを備えているとともに、当該大入賞口122aを開閉する開閉扉122bを備えている。開閉扉122bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、当否抽選において所定の抽選結果となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置122の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置122が繰り返し開放される態様がある。
特図表示部133及び普図表示部134は、遊技領域の下部側に設けられている。特図表示部133では、上作動口123又は下作動口124への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口123又は下作動口124への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機110では、上作動口123への入賞と下作動口124への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口123又は下作動口124への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域である特図表示部133にて明示される。そして、上作動口123又は下作動口124への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、特図表示部133にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、特図表示部133は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部133にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図表示部134では、スルーゲート125への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート125への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート125への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部134にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口124に設けられた電動役物124aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット126には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置131が設けられている。また、可変表示ユニット126には、図柄表示装置131を囲むようにしてセンターフレーム132が配設されている。このセンターフレーム132は、その上部がパチンコ機110前方に延出している。これにより、図柄表示装置131の表示面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置131は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置131は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置131では、上作動口123又は下作動口124への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部133において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置131において変動表示が行われる。そして、例えば、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置131では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
図柄表示装置131の表示内容について、図58及び図59を参照して詳細に説明する。図58は図柄表示装置131にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図59は図柄表示装置131の表示面Gを示す図である。
図58(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図59(a)に示すように、図柄表示装置131の表示面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図59(b)に示すように、表示面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する15R低確大当たり結果又は15R高確大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機110では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R高確大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、15R低確大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R高確大当たり結果又は非明示2R高確大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置131における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置131にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、いずれかの作動口123,124への入賞に基づいて、特図表示部133及び図柄表示装置131にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム132の前面側における左上部分には、特図表示部133及び図柄表示装置131に対応した第1保留発光部135が設けられている。遊技球が上作動口123又は下作動口124に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部135の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム132の右上部分には、普図表示部134に対応した第2保留発光部136が設けられている。遊技球がスルーゲート125を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留発光部136の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部135,136の機能が図柄表示装置131の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤120には、レール部137が取り付けられており、当該レール部137により誘導レールが構成され、内枠において遊技盤120の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、遊技機本体112の前面部に設けられた発射ハンドル141が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
遊技機本体112の前面部には、図57に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部142が形成されている。窓部142は、略楕円形状をなし、図示しない窓パネルが嵌め込まれている。窓パネルは、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部142の周囲には、発光手段が設けられている。当該発光手段の一部として表示発光部144が窓部142の上方に設けられている。また、表示発光部144の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部145が設けられている。
遊技機本体112の前面部における窓部142の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部146と下側膨出部147とが上下に並設されている。上側膨出部146内側には上方に開口した上皿146aが設けられており、下側膨出部147内側には同じく上方に開口した下皿147aが設けられている。上皿146aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿147aは、上皿146a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿146a及び下皿147aには、遊技機本体112の背面側に搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
遊技機本体112の背面側には、主制御装置と、音声発光制御装置と、表示制御装置と、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機110の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機110の電気的構成>
図60は、パチンコ機110の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置160は、遊技の主たる制御を司る主制御基板161と、電源を監視する停電監視基板165と、を具備している。なお、主制御装置160において主制御基板161などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板161には、MPU162が搭載されている。MPU162には、ROM163及びRWM164が内蔵されている。
ROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM163は、MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM164は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM164は、ROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU162又は主制御基板161には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU162に対してROM163及びRWM164が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置160以外の制御装置についても同様である。
MPU162には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU162の入力側には、主制御装置160に設けられた停電監視基板165及び払出制御装置170が接続されている。この場合に、停電監視基板165には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置180が接続されており、MPU162には停電監視基板165を介して電力が供給される。
また、MPU162の入力側には、各種入賞検知センサ167a〜167eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ167a〜167eには、一般入賞口121、可変入賞装置122、上作動口123、下作動口124及びスルーゲート125といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU162において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU162では上作動口123及び下作動口124への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU162の出力側には、停電監視基板165、払出制御装置170及び音声発光制御装置190が接続されている。払出制御装置170には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
音声発光制御装置190には、変動用コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドについては、後に説明する。ちなみに、音声発光制御装置190は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置160と電気的に接続されている。
また、MPU162の出力側には、可変入賞装置122の開閉扉122bを開閉動作させる可変入賞駆動部168、下作動口124の電動役物124aを開閉動作させる役物駆動部169、特図表示部133及び普図表示部134が接続されている。主制御基板161には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU162は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置122の大入賞口122aが開閉されるように、MPU162において可変入賞駆動部168の駆動制御が実行される。また、電動役物124aのサポート当選となった場合には、電動役物124aが開閉されるように、MPU162において役物駆動部169の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU162において特図表示部133の表示制御が実行される。また、電動役物124aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU162において普図表示部134の表示制御が実行される。
停電監視基板165は、主制御基板161と電源及び発射制御装置180とを中継し、また電源及び発射制御装置180から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置170は、主制御装置160から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置171により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置180は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板161や払出制御装置170等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置180にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機110の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置160のRWM164に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置180は遊技球発射機構181の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構181は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置190は、主制御装置160から受信したコマンドに基づき、表示発光部144やスピーカ部145を駆動制御するとともに、表示制御装置200にコマンドを送信する。表示制御装置200は、音声発光制御装置190から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置131の表示面Gにおける画像の表示を制御する。
なお、音声発光制御装置190に設けられた音声発光制御基板191には、MPU192が搭載されている。MPU192には、ROM193及びRWM194が内蔵されている。ROM193は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM193は、MPU192により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM194は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM193よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM194は、ROM193内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
<主制御装置160のMPU162にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置160のMPU162にて各種抽選を行うための電気的な構成について図61を用いて説明する。
MPU162は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部133の表示の設定、図柄表示装置131の図柄表示の設定、普図表示部134の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置131が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部133及び図柄表示装置131における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口124の電動役物124aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RWM164の抽選用カウンタエリア164bに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口123又は下作動口124への入賞が発生した場合に保留格納エリア164aに格納される。
保留格納エリア164aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口123又は下作動口124への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口123又は下作動口124への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口123又は下作動口124への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、特図表示部133の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口123又は下作動口124に入賞したタイミングで保留格納エリア164aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM163に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機110は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口123又は下作動口124に入賞したタイミングで保留格納エリア164aに格納される。
本パチンコ機110では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置122の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後における当否抽選の抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口124の電動役物124aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置122の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置122への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。
具体的には、高頻度入賞モードでは、ラウンド遊技が15回行われ、低頻度入賞モードでは、低頻度入賞用のラウンド遊技が高頻度入賞モードの場合よりも少ない回数として2回行われる。ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置122に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。
また、本パチンコ機110では、可変入賞装置122の1回の開放態様が、可変入賞装置122が開放されてから閉鎖されるまでの上限継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、上限継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、上限継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.8secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機110では、発射ハンドル141が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構181が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の上限継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期と同程度又は若干長い程度の上限継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置122の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置122に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置122の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置122への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による可変入賞装置122の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による可変入賞装置122の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置122の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する上限継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置122への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口124の電動役物124aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口124の電動役物124aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物124aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物124aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口124への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口124よりも上作動口123への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口123よりも下作動口124への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口124への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート125への入賞に基づき普図表示部134にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部134における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先はROM163に振分テーブルとして記憶されている。当該振分テーブルでは、図62に示すように、遊技結果の振分先として、15R低確大当たり結果と、非明示2R高確大当たり結果と、明示2R高確大当たり結果と、15R高確大当たり結果とが設定されている。
15R低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
非明示2R高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。
明示2R高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
15R高確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各モードとの関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、且つ当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が15R低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R高確大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R高確大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R高確大当たり結果に対応している。
なお、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口123又は下作動口124に入賞したタイミングで保留格納エリア164aに格納される。
ここで、本パチンコ機110には、図柄表示装置131における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置131を備え、可変入賞装置122の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置131における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置131の表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM163に記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部133における変動表示時間と、図柄表示装置131における図柄の変動表示時間とをMPU162において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、特図表示部133における変動表示の開始時及び図柄表示装置131による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM163の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート125に遊技球が入賞したタイミングでRWM164に設けられた電役保留エリア164cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物124aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御装置160のMPU162にて実行される処理>
次に、MPU162にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。図63はMPU162にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、定期的(例えば4msec)に起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS1901にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板165から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合にはRWM164の停電フラグに「1」をセットする。停電フラグに「1」がセットされることにより、今回のタイマ割込み処理の終了後に停電時処理を実行する。
続くステップS1902では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS1903では乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS1904にて変動用カウンタ更新処理を実行する。乱数初期値更新処理では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、変動用カウンタ更新処理では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。続くステップS1905では遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS1906では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS1907以降の処理を実行する。
ステップS1907では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部に行うための処理を実行する。
続くステップS1908では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS1909では、一般入賞口121、可変入賞装置122、上作動口123、下作動口124及びスルーゲート125に設けられた検知センサから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。また、ステップS1910では、RWM164に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。また、ステップS1911では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。
続くステップS1912では、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。当該出力設定処理では、上記入賞検知処理の結果、一般入賞口121、可変入賞装置122、上作動口123及び下作動口124のいずれかに遊技球が入球したことを特定した場合に、その入球が発生した箇所に対応した賞球コマンドを払出制御装置170に出力する。払出制御装置170ではその受信した賞球コマンドに対応した数の遊技球が上皿146a又は下皿147aに払い出されるように払出装置171を駆動制御する。
続くステップS1913では、入力状態監視処理として、ステップS1908の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサの断線確認、遊技機本体112の開放確認を行う。
続くステップS1914では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1915では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート125への入賞が発生している場合に後述する電動役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口124の電動役物124aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS1916では、直前のステップS1914及びステップS1915の処理結果に基づいて、特図表示部133の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部134の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS1917では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置131の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する。
続くステップS1918では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS1906にて肯定判定をした場合、又はステップS1907〜ステップS1918の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
図64は、特図特電制御処理(ステップS1914)を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、まずステップS2001にて保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口123又は下作動口124への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア164aにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップS1902にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口123及び下作動口124への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS2001にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS2002に進む。ステップS2002では、RWM164に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS2003にてROM163から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS2004にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS2002〜ステップS2004の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS2006)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS2007)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS2008)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS2009)と、可変入賞装置122の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップ2010)と、可変入賞装置122の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS2011)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS2012)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU162にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS2006)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS2007)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS2008)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS2009)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS2010)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS2011)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS2012)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
ステップS2004の処理を実行した後は、ステップS2005にて、ステップS2004において取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS2006の特図変動開始処理にジャンプする。特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、図柄表示装置131及び特図表示部133において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行する。その詳細については後に説明する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS2007の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば特図表示部133における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS2008の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置131にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置190に送信するとともに、特図表示部133における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS2009の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置190に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS2010の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS2011の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS2012の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置190に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
図65は、特図変動開始処理(ステップS2006)を示すフローチャートである。
特図変動開始処理では、まずステップS2101にて、保留数Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが「0」である場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了する。保留数Nが1以上である場合には、ステップS2102にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、まず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置190に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS2103では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合にはROM163に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合にはROM163に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS2104では、ステップS2103における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS2105にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、ROM163に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R低確大当たり結果、非明示2R高確大当たり結果、明示2R高確大当たり結果及び15R高確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS2106では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示部133に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM163に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM164に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図表示部133に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
続くステップS2107では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RWM164には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS2107では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS2105の振分判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
一方、ステップS2104にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS2108にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示部133に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM163に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRWM164に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS2107及びステップS2108のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2109にて、表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置131にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM163に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM163に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
続くステップS2110では、ステップS2109にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図63)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、特図表示部133における絵柄の変動表示と図柄表示装置131における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置131では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップS2109にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と換言することもできる。
続くステップS2111では、変動用コマンドの選択処理を実行する。ここで、変動用コマンドについて、図66を参照しながら説明する。図66(a)は変動用コマンドMCのデータ構成を説明するための説明図であり、図66(b)は主制御装置160のROM163に予め記憶されているコマンド用テーブルCMTを説明するための説明図である。
変動用コマンドMCは、音声発光制御装置190のMPU192に遊技回用の演出を開始すべきことを指示するとともに、当該遊技回用の演出における表示継続時間及び遊技結果の内容を認識させるために主制御装置160のMPU162から出力されるコマンドである。変動用コマンドMCは、複数バイト構成となっており、具体的には、図66(a)に示すように、自身が変動用コマンドMCであることを示すデータが設定された上位バイトMC1と、表示継続時間及び遊技結果の内容を示すデータが設定された下位バイトMC2とを有している。これら上位バイトMC1及び下位バイトMC2は、それぞれ1バイト(8ビット)のデータ量となっている。
変動用コマンドMCは複数種類存在しているが、それら複数種類の変動用コマンドMC間において上位バイトMC1のデータはいずれも共通しており、下位バイトMC2のデータが相違している。当該下位バイトMC2は、表示継続時間の種類と遊技結果の種類との組合せ数分、存在している。具体的には、表示継続時間が51種類設定されているとともに、遊技結果が5種類設定されていることに対応させて、51×5の255種類の下位バイトMC2が予め用意されている。
主制御装置160のMPU162において下位バイトMC2を特定する際には、ROM163に予め記憶されたコマンド用テーブルCMTが参照される。コマンド用テーブルCMTは、図66(b)に示すように、51種類の表示継続時間と5種類の遊技結果との任意の組合せに対して1対1で対応させて下位バイトMC2が一義的に定められたテーブルデータである。
特図変動開始処理(図65)における上記ステップS2111の変動用コマンドの選択処理では、まずROM163からコマンド用テーブルCMTを読み出し、ステップS2109にて把握した表示継続時間と、ステップS2103及びステップS2105にて把握した遊技結果との組合せに対応した下位バイトMC2のデータを当該コマンド用テーブルCMTから読み出す。
ちなみに、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、下位バイトMC2にリーチ発生の有無を示すデータが直接的に設定されていなかったとしても、音声発光制御装置190では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、下位バイトMC2には、リーチ発生の有無を示すデータが含まれているとも言える。
続くステップS2112では、ROM163から上位バイトMC1のデータを読み出し、その読み出した上位バイトMC1のデータと、上記ステップS2111にて読み出した下位バイトMC2のデータとの組合せからなる変動用コマンドMCを出力対象に設定する。これにより、変動用コマンドMCが音声発光制御装置190に送信される。
ステップS2112の処理を実行した後は、ステップS2113にて特図表示部133における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS2114では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS2114の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<音声発光制御装置190のMPU192にて実行される処理>
次に、音声発光制御装置190のMPU192にて実行される遊技回開始設定処理について、図67のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該遊技回開始設定処理は、MPU192において所定周期(例えば2msec)で実行されるコマンドの監視処理にてコマンドを受信したことを特定した場合に起動される。
まずステップS2201にて、受信したコマンドの上位バイトを読み出し、続くステップS2202にて、当該コマンドが変動用コマンドMCであるか否かを判定する。音声発光制御装置190のMPU192は、主制御装置160から複数種類のコマンドを受信する。例えば、遊技回用の演出を終了させるタイミングとなった場合には、最終停止コマンドを受信し、開閉実行モードを開始させるタイミングとなった場合には、オープニングコマンドを受信し、可変入賞装置122を開放させるタイミングとなった場合には、開放コマンドを受信し、可変入賞装置122を閉鎖させるタイミングとなった場合には、閉鎖コマンドを受信し、開閉実行モードを終了させるタイミングとなった場合には、エンディングコマンドを受信する。これら各コマンドはいずれも、上位バイトと下位バイトとからなる2バイト構成となっており、上位バイトには自身のコマンドの種類を示すデータが設定されている。したがって、上記のように上位バイトのデータを確認することで、変動用コマンドMCを受信したか否かを判定することができる。
ステップS2202にて否定判定をした場合にはそのまま本遊技回開始設定処理を終了し、ステップS2202にて肯定判定をした場合にはステップS2203〜ステップS2210にて遊技回用の演出を開始するための処理を実行する。
ステップS2203では、受信した変動用コマンドMCの下位バイトMC2を読み出す。当該下位バイトMC2には、既に説明したとおり、表示継続時間及び遊技結果の内容が設定されている。
ここで、下位バイトMC2は8ビットのデータ量として設定されているのに対して、表示継続時間は図66(b)に示すように「時間1」〜「時間51」の51種類設定されているとともに、遊技結果は「外れ結果」,「15R低確大当たり結果」,「非明示2R高確大当たり結果」,「明示2R高確大当たり結果」,「15R高確大当たり結果」の5種類設定されている。そうすると、8ビットのデータのうち一部のビットを、表示継続時間の種類を特定するためのビットとして設定し、残りのビットを、遊技結果の種類を特定するためのビットとして設定しようとしても、それが不可となる。例えば、表示継続時間を特定するためのビットとして6ビットを割り当て、遊技結果を特定するためのビットとして2ビットを割り当てた場合、表示継続時間を特定するためのビットでは51種類以上のデータを指定可能な一方、遊技結果を特定するためのビットでは4種類のデータしか指定することができない。また、例えば、遊技結果を特定するためのビットとして3ビットを割り当て、表示継続時間を特定するためのビットとして5ビットを割り当てた場合、遊技結果を特定するためのビットでは5種類以上のデータを指定可能な一方、表示継続時間を特定するためのビットでは32種類のデータしか指定することができない。
これに対して、本パチンコ機110では、8ビットの下位バイトMC2を10進数の集計値(「255」が最大値)として扱い、その集計値を、表示継続時間の種類数及び遊技結果の種類数のうち少ない側の種類数に1加算した特定数(具体的には「5」)で除算した場合の商によって表示継続時間の種類を特定し、余りによって遊技結果の種類を特定するようにしている。つまり、最大値が「255」であり、且つ特定数が「5」である場合、商としては、少なくとも「0」〜「50」の51種類が存在し、これら各商の全てに対応した余りとして、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の5種類が存在する。したがって、商のデータの種類によって表示継続時間の種類を特定するようにし、余りのデータの種類によって遊技結果の種類を特定するようにしている。
かかるデータ特定を行うための処理について具体的には、図67に示すように、ステップS2204では、下位バイトMC2の除算処理を実行する。当該除算処理では、まず下位バイトMC2の8ビットのデータから10進数の集計値を特定し、その特定した10進数の集計値を特定数である「5」で除算する処理を実行する。続くステップS2205では、当該除算処理を行うことにより導出された商のデータと余りのデータとを把握する。これにより、今回の遊技回用の演出に対応した表示継続時間の種類及び遊技結果の種類をMPU162において特定することが可能となる。
続くステップS2206では、ROM193に記憶された表示継続時間用のテーブルデータと上記商データとの比較判定処理を実行することにより、当該商データに対応した表示継続時間のデータを読み出す。そして、ステップS2207にて当該表示継続時間の計測を開始する。続くステップS2208では、上記余りデータに対応した予告演出の抽選処理を実行する。
予告演出とは、図柄表示装置131の全ての図柄列Z1〜Z2にて図柄の変動表示がされている状況で、大当たり結果となる期待度が高いか否かを遊技者に示唆するための演出であり、例えば図柄表示装置131において予告演出用のキャラクタ、背景画像又は動画を表示することにより行われる。また、予告演出は、大当たり結果となる期待度が相違するように複数種類設定されている。
予告演出の抽選処理では、予告演出の発生確率が外れ結果の場合に最も低くなり、15R高確大当たり結果の場合に最も高くなるようにして、予告演出の発生抽選を行い、当該発生抽選にて当選となった場合には、いずれの予告演出を実行するかを決定する予告演出の種類抽選を行う。なお、予告演出の抽選処理では、上記余りデータをそのまま利用して、遊技結果の種類の特定を行う。
続くステップS2209では、上記ステップS2203にて読み出した下位バイトMC2及び上記ステップS2208における予告演出の抽選処理の結果に対応したデータテーブルをROM193から読み出す。当該データテーブルは、遊技回用の演出における表示発光部144の発光態様及びスピーカ部145からの音声の出力態様が時系列で定められたテーブルであり、当該データテーブルに定められたデータに従ってMPU192により表示発光部144及びスピーカ部145が制御されることで、今回の表示継続時間、遊技結果及び予告演出の抽選結果に対応した発光演出及び音演出が実行される。
ここで、データテーブルの読み出しを、表示継続時間、遊技結果及び予告演出の抽選結果という3つのパラメータを参照して行うのではなく、下位バイトMC2及び予告演出の抽選結果という2つのパラメータを参照して行う構成としたことにより、データテーブルを特定するためのデータ構成及び処理構成の簡素化が図られる。また、このようにデータテーブルの読み出しを行ったとしても、下位バイトMC2は既に説明したとおり表示継続時間及び遊技結果の組合せに対して1対1で対応しているため、表示継続時間、遊技結果及び予告演出の抽選結果に対応したデータテーブルを読み出すことが可能となる。
その後、ステップS2210にて、サブ側変動用コマンドを表示制御装置200に出力した後に、本遊技回開始設定処理を終了する。サブ側変動用コマンドは、3バイトのデータ構成となっており、上位2バイトは、変動用コマンドMC2と同じデータ構成となっており、下位1バイトには、予告演出の抽選結果のデータが含まれる。表示制御装置200では、当該サブ側変動用コマンドを受信することで、今回の遊技回用の演出について、表示継続時間、遊技結果及び予告演出の抽選結果を把握し、その把握結果に対応した態様で図柄表示装置131の表示制御を実行する。
なお、表示制御装置200は、サブ側変動用コマンドから抽出した表示継続時間に亘って図柄の変動表示を行うとともに、サブ側変動用コマンドから抽出した遊技結果の種類に対応した停止態様を表示した状態で図柄の変動表示が終了されるようにする。また、表示制御装置200は、図柄の変動表示中における表示演出が、表示継続時間、遊技結果の種類及び予告演出の抽選結果に対応した態様で行われるようにする。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
音声発光制御装置190のMPU192において、変動用コマンドMCの下位バイトMC2から除算用の集計値を算出するとともに、その集計値を特定数で除算することで商データ及び余りデータを算出し、商データを利用して、遊技回用の演出における表示継続期間を特定し、余りデータを利用して、主制御装置160のMPU162における内部抽選の結果決定された遊技結果を特定する構成である。これにより、表示継続期間を特定するためのデータと遊技結果を特定するためのデータとが個別にコマンド送信される構成に比べ、上記各特定を行う上で必要なデータ容量の削減が図られる。
また、除算用の集計値を特定数で除算した場合の商データと余りデータとが表示継続期間を特定するためのデータ及び遊技結果を特定するためのデータのそれぞれに対応している構成であるため、上記各特定を行うための各処理のそれぞれにおいて下位バイトMC2の全ビットを利用した処理を実行する必要がない。よって、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
下位バイトMC2は、全ての種類の余りデータをとり得る範囲で商データが存在するように設定されている。これにより、表示継続期間を特定するためのデータと遊技結果を特定するためのデータとの組合せを下位バイトMC2側において細かく調整しなくても、これら各データの任意の組合せを下位バイトMC2から導出することが可能となる。
ちなみに、商データの種類数及び余りデータの種類数が2のn乗ではない構成において、4ビット以上のデータを有する下位バイトMC2の2進数の値から10進数の値である集計値を算出し、さらにその集計値を特定数で除算した場合の商データと余りデータとを表示継続期間を特定するためのデータと遊技結果を特定するためのデータとしたことにより、表示継続期間を特定するためのデータと遊技結果を特定するためのデータとのそれぞれを個別に2進数のデータとして設定する構成に比べて、少なくとも1ビット分のデータ容量の削減が図られる。そして、このように1ビット分のデータ容量の削減を図ることで、表示継続期間の種類数及び遊技結果の種類数を多く設定することを可能としながら、変動用コマンドMCの下位バイトMC2を1バイトに収めることが可能となる。
下位バイトMC2について除算処理を実行した結果の商データにより表示継続期間を特定し、余りデータにより遊技結果を特定する構成において、データテーブルの読み出しに際しては下位バイトMC2をそのまま参照する構成である。これにより、データテーブルを読み出すための処理の処理負荷の軽減が図られる。
<第3の実施形態についての変形例>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)変動用データMCに集約するデータは、表示継続時間を特定するためのデータ及び遊技結果を特定するためのデータの組合せに限定されることはなく、例えば図柄表示装置131の各図柄列Z1〜Z3のいずれかの図柄列にて図柄の変動表示を一旦停止させた後に再度、変動表示させて図柄の切り替えが生じ得るようにする滑り演出が行われる構成においては、当該滑り演出が行われるか否かのデータや滑り演出が行われる対象となる図柄列の種類を特定するためのデータが表示継続時間を特定するためのデータとともに下位バイトMC1に集約される構成としてもよい。この場合、遊技結果を特定するためのデータを、種別コマンドとして変動用コマンドとは別に送信する必要がある。
(2)下位バイトMC2は8ビットに限定されることはなく、4ビット、5ビット、7ビット又は9ビット以上であってもよい。この場合であっても、全ての種類の余りデータをとり得る範囲で商データが存在するように下位バイトMC2を設定するとともに、商データの種類数及び余りデータの種類数が「2のn乗(nは0以上の整数)」とならないように設定することで、少なくとも1ビットのデータ容量の削減を図ることが可能となる。
(3)下位バイトMC2に対して除算処理を実行する場合の特定数は「5」に限定されることはなく、3以上であれば任意であり、必要となる商データの種類数及び余りデータの種類数との関係で定められる。
(4)上記実施形態では下位バイトMC2に対して除算処理を実行した結果の商データに対応した表示継続時間を表示継続時間テーブルから読み出す一方、余りデータをそのまま遊技結果のデータとして利用する構成としたが、これに代えて、商データをそのまま表示継続時間のデータとして利用するとともに、余りデータをそのまま遊技結果のデータとして利用する構成としてもよく、商データに対応した表示継続時間を表示継続時間テーブルから読み出すとともに、余りデータに対応した遊技結果のデータを遊技結果テーブルから読み出す構成としてもよい。
<上記各実施形態から抽出される特徴について>
以下、上述した各実施形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.所定の処理(第1の実施形態ではCPU71における抽選処理、第3の実施形態ではMPU162における特図変動開始処理)が実行されることに基づき得られる第1データ(第1の実施形態ではテーブル群を特定するためのデータ、第3の実施形態では表示継続期間を特定するためのデータ)を利用して第1処理を実行する第1処理実行手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS1304〜ステップS1308の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU192におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
前記所定の処理が実行されることに基づき得られる第2データ(第1の実施形態では制限枚数データを特定するためのデータ、第3の実施形態では遊技結果を特定するためのデータ)を利用して第2処理を実行する第2処理実行手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS904の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU192におけるステップS2209の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の処理が実行されることに基づき得られる第1データは、前記第1処理の処理内容を異ならせるように複数種類存在する構成であり、
前記所定の処理が実行されることに基づき得られる第2データは、前記第2処理の処理内容を異ならせるように複数種類存在する構成であり、
当該遊技機は、
複数である規定数のビット分のデータ量を有する基準データ(第1の実施形態では参照用データ、第3の実施形態では下位バイトMC2)を前記所定の処理の結果に応じて導出する導出手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS1301の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU162におけるステップS2111の処理を実行する機能)と、
当該導出手段により導出された前記基準データから除算用の集計値を算出し、その集計値を特定数で除算した場合の商データと余りデータとを算出する算出手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS1302の処理を実行する機能、第3の実施形態ではMPU192におけるステップS2204の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1処理実行手段は、前記商データを前記第1データとして利用して、又は前記商データに対応した前記第1データを利用して、前記第1処理を実行するものであり、
前記第2処理実行手段は、前記余りデータを前記第2データとして利用して、又は前記余りデータに対応した前記第2データを利用して、前記第2処理を実行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1データ及び第2データが集約された基準データを導出し、当該基準データから抽出した第1データ及び第2データを利用して第1処理及び第2処理を実行する構成であることにより、第1データと第2データとが個別に導出される構成に比べて、第1処理及び第2処理を行う上で必要なデータ容量の削減が図られる。
また、除算用の集計値を特定数で除算した場合の商データと余りデータとが第1データ及び第2データのそれぞれに対応している構成であるため、第1処理及び第2処理のそれぞれにおいて基準データの全ビットを利用した処理を実行する必要がない。よって、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
なお、「前記第1処理実行手段は、前記第1処理として、少なくとも前記第1データと第1比較対象データとの比較判定処理(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS1304及びステップS1306、第3の実施形態ではMPU192における表示継続時間を導出するための処理)を実行する構成である」という構成としてもよく、「前記第2処理実行手段は、前記第2処理として、少なくとも前記第2データと第2比較対象データとの比較判定処理(第1の実施形態ではCPU71における制限枚数データを導出するための処理)を実行する構成である」という構成としてもよい。
かかる構成において、上記特徴A1の構成を採用することにより、第1処理又は第2処理における比較判定処理にて、基準データの全ビット分について比較対象となるデータとの比較判定処理を実行する必要はなく、基準データの全ビット数よりも少ない第1データ又は第2データのビット分について比較判定処理を実行するだけでよくなる。よって、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。さにまた、第1比較対象データ及び第2比較対象データについても基準データの全ビット数に対応させる必要がないため、これら比較対象データを予め記憶させておくのに必要な容量の削減が図られる。
また、「前記基準データは、前記所定の処理の結果を含めて複数のパラメータの組合せ(第1の実施形態では遊技状況と抽選結果との組合せ、第3の実施形態では表示継続時間と遊技結果との組合せ)に対応させて設定されている」という構成に対して、上記特徴A1の構成を採用するとより効果的である。
特徴A2.前記基準データは、全ての種類の余りデータをとり得る範囲で前記商データが存在するように設定されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1データと第2データとの組合せを基準データ側において細かく調整しなくても、第1データと第2データとの任意の組合せを基準データから導出することが可能となる。
特徴A3.前記特定数は、前記基準データからとり得る前記商データの種類数及び前記基準データからとり得る前記余りデータの種類数が「2のn乗(nは0以上の整数)」とならないように設定されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1データと第2データとを基準データとして集約した場合におけるデータの圧縮効果が高められる。
特徴A4.前記規定数のビットは、4ビット以上であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1データと第2データとを基準データとして集約した場合におけるデータの圧縮効果が高められる。
特徴A5.前記基準データを利用して前記第1データ及び前記第2データの両方の内容に対応した第3処理を実行する第3処理実行手段(第3の実施形態におけるMPU192のステップS2210の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1データ及び第2データの両方の内容に対応した第3処理を実行する場合には、第1データ及び第2データのそれぞれをパラメータとして第3処理を実行するのではなく、基準データそのままをパラメータとして第3処理を実行することで、当該第3処理の処理負荷の軽減が図られる。
特徴A6.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー51)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン52〜54)と、
前記絵柄の変動表示後の停止絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段(ホッパ装置64)と、
を備え、
前記第1処理実行手段及び前記第2処理実行手段は、前記絵柄の変動表示を停止制御するために必要な処理を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、絵柄の変動表示を停止制御するための処理に関して、上記特徴A1の作用効果として説明したような作用効果を奏することが可能となる。
特徴A7.前記所定の処理を実行する所定処理実行手段、及び前記導出手段を有する第1制御手段(主制御装置160)と、
当該第1制御手段が指令情報を送信することに基づき、制御対象装置(表示発光部144、スピーカ部145)の動作を制御するものであって、前記第1処理実行手段、前記第2処理実行手段及び前記算出手段を有する第2制御手段(音声発光制御装置190)と、を備え、
前記基準データは、所定の前記指令情報に含まれることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第1制御手段と第2制御手段との間で通信されるデータ量の削減を図りながら、上記特徴A1の作用効果として説明したような作用効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴A7に含まれる構成としては、以下の構成が考えられる。
「前記所定処理実行手段は、前記所定の処理として、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選処理を実行する抽選手段(MPU162におけるステップS2103の処理を実行する機能)を有し、
前記第2制御手段は、前記制御対象装置の動作を通じて特定演出を実行することで、前記抽選手段における抽選結果に対応した演出が遊技者に提供されるようにするものであり、
前記第1処理実行手段は、前記第1処理として、前記第1データを利用して、前記特定演出が実行される場合の演出継続期間を導出するものであり、
前記第2処理実行手段は、前記第2処理として、前記第2データを利用して、前記特定演出の実行態様を導出するものである。」
<特徴B群>
特徴B1.特定データ(第1の実施形態では組合せテーブルT1〜T3、第2の実施形態では当選ビットデータWD)を予め複数記憶する特定記憶手段(第1の実施形態ではROM72の組合せテーブル記憶エリア72a、第2の実施形態ではROM72の当選ビットデータ記憶エリア72b)と、
当該特定記憶手段から特定データを読み出し、当該特定データに対応した特定処理を実行する特定処理実行手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS702、ステップS1305、ステップS1307及びステップS1308の処理を実行する機能、第2の実施形態ではCPU71における当選ビットデータの取得処理及び当選ビットデータを利用した各種処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定記憶手段には、複数の前記特定データが所定の順序で設定されており、
複数の前記特定データのうち少なくとも所定の特定データ(第1の実施形態では第3組合せテーブルT3、第2の実施形態では当選ビットデータWD)には、前記特定記憶手段において自身の次の順番に設定されている特定データのアドレスを特定可能とするように、自身が有するデータ量に対応した次指定用データ(第1の実施形態ではヘッダデータ、第2の実施形態では容量データVD、対応データCD及びヘッダデータHD)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定の特定データに含まれる次指定用データを利用して、当該所定の特定データに対して次の順番に設定されている特定データのアドレスを特定することが可能であり、さらにその次指定用データはアドレスそのものを示すのではなく、所定の特定データが有するデータ量に対応したデータである。したがって、各特定データのアドレス自体を直接示すデータを用意する必要がない。さらに、所定の特定データ自身に次指定用データが含まれているため、読み出し対象となる特定データよりも先側の順番に設定されている各特定データについてのデータ量を示すデータを、特定データとは別に設定する必要もない。よって、データ容量の削減を図ることが可能となる。
特徴B2.前記特定データはバイト単位でデータが設定されており、
前記次指定用データは、当該次指定用データを含む前記所定の特定データの開始アドレスと、当該所定の特定データに対して次の順番に設定されている特定データの開始アドレスとのバイト単位でのオフセット数を示すデータであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、次指定用データではバイト単位でのオフセット数のみが設定されているため、次指定用データを設定するのに必要なデータ容量の削減が図られる。
特徴B3.前記特定データとして、前記特定記憶手段において隣り合う順番の特定データ間でデータ量が相違する可変長データを有しており、
前記所定の特定データは、前記可変長データであることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、可変長データを有する場合であっても、上記特徴B1の構成を備えていることによりアドレス指定を好適に行うことが可能となる。
特徴B4.前記特定処理実行手段は、特別処理(CPU71における抽選処理)の処理結果に対応した前記特定データを読み出すものであり、
前記特別処理の処理結果に対応した前記特定データの前記特定記憶手段における設定順序を示す順序データ(第1の実施形態ではジャンプ回数のデータ、第2の実施形態では順番Nのデータ)を提供する提供手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS1301の処理を実行する機能、第2の実施形態ではCPU71におけるステップS1701の処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記提供手段により提供された前記順序データと、前記次指定用データとを利用して、前記特別処理の処理結果に対応した特定データを読み出す手段(第1の実施形態ではCPU71におけるステップS1601〜ステップS1606の処理を実行する機能、第2の実施形態ではCPU71におけるステップS1702〜ステップS1706の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、順序データに対応した特定データとなるまでは、各特定データに含まれる次指定用データを利用して次の順番の特定データを順次読み出し対象とすればよい。これにより、次指定用データを利用して特定データを読み出す場合の処理の簡素化が図られる。
特徴B5.前記特定データとして、規定データ量となる固定長データ(第1組合せテーブルT1、第2組合せテーブルT2)を複数有し、前記特定記憶手段において隣り合う順番の特定データ間でデータ量が相違する可変長データ(第3組合せテーブルT3)を複数有し、
前記特定記憶手段における前記特定データの設定順序において、複数の前記可変長データ間に前記固定長データが入り込まないように、それら可変長データ及び固定長データは集約して設定されており、
前記所定の特定データは、前記可変長データであり、
前記固定長データは、前記次指定用データを有していないことを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、固定長データ群に含まれる特定データはデータ容量が一定となっているため、次指定用データを各固定長データにおいて個別に設定しなくても、プログラム上などにおいて別指定した方がデータ容量を削減することが可能となる。
特徴B6.前記特定処理実行手段は、特別処理(CPU71における抽選処理)の処理結果に対応した前記特定データを読み出すものであり、
前記可変長データ群及び前記固定長データ群のうち、前記特別処理の処理結果に対応した特定データが含まれる対象データ群の前記特定記憶手段における開始アドレスと、前記特別処理の処理結果に対応した特定データの前記対象データ群における設定順序を示す順序データを提供する提供手段(CPU71におけるステップS1401〜ステップS1402、ステップS1501〜ステップS1502及びステップS1601〜ステップS1602の処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記提供手段により提供された前記開始アドレス及び前記順序データと、前記規定データ量に対応したデータとを利用して、前記特別処理の処理結果に対応した特定データを前記固定長データ群から読み出す第1読み出し手段(CPU71におけるステップS1305及びステップS1307の処理を実行する機能)と、
前記提供手段により提供された前記開始アドレス及び前記順序データと、前記次指定用データとを利用して、前記特別処理の処理結果に対応した特定データを前記可変長データ群から読み出す第2読み出し手段(CPU71におけるステップS1308の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、可変長データについては、指定された開始アドレスの特定データから始めて、順序データに対応した特定データとなるまでは各特定データに含まれる次指定用データを利用して次の順番の特定データを順次読み出し対象とすればよい。これにより、次指定用データを利用して特定データを読み出す場合の処理の簡素化が図られる。また、固定長データについては、指定された開始アドレスの特定データから始めて、順序データに対応した特定データとなるまでは別指定された規定データ量のデータを利用して次の順番の特定データを順次読み出し対象とすればよい。これにより、固定長データについては次指定用データを個別に設定しないようにすることでデータ容量の削減を図った構成において、特定データを読み出す場合の処理の簡素化が図られる。
特徴B7.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー51)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン52〜54)と、
前記絵柄の変動表示後の停止絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段(ホッパ装置64)と、
を備え、
前記特定データは、前記絵柄の変動表示を停止制御するために必要なデータであることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、絵柄の変動表示を停止制御するためのデータに関して、上記特徴B1の作用効果として説明したような作用効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.第1単位データ及び第2単位データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
当該第2記憶手段に記憶されている所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた処理内容で、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における当選ビットデータWDを利用して各種処理を実行する機能)と、
を備え、
複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、前記複数の単位エリアへのデータ設定を行った場合に前記第1単位データ及び前記第2単位データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータについては、当該単位エリアと1対1で対応するデータを保持することに代えて、当該データ設定が行われることを前記書き込み手段において特定可能とするデータ(対応データCD又はヘッダデータHD)を有する構成であることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、複数の所定データのうち少なくとも一部については、全単位エリアと1対1で対応するデータを保持する必要がない。また、当該データの保持を省略する対象は、単位エリアへのデータ設定を行った場合に第1単位データ及び第2単位データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータであるため、上記省略したことを書き込み手段において特定可能とするデータのデータ容量を抑えることが可能となる。よって、複数の所定データを予め記憶しておくのに必要な容量を抑えることが可能となる。
特徴C2.第1単位データ及び第2単位データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
抽選処理を実行する抽選手段(CPU71における抽選処理を実行する機能)と、
当該抽選処理の抽選結果に対応した前記所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた範囲での特典の付与を可能とするように、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における当選ビットデータWDを利用して各種処理を実行する機能)と、
を備え、
複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、前記複数の単位エリアへのデータ設定を行った場合に前記第1単位データ及び前記第2単位データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータについては、当該単位エリアと1対1で対応するデータを保持することに代えて、当該データ設定が行われることを前記書き込み手段において特定可能とするデータ(対応データCD又はヘッダデータHD)を有する構成であることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、複数の所定データのうち少なくとも一部については、全単位エリアと1対1で対応するデータを保持する必要がない。また、当該データの保持を省略する対象は、単位エリアへのデータ設定を行った場合に第1単位データ及び第2単位データのうち一方のみが連続して設定される単位エリアに対応したデータであるため、上記省略したことを書き込み手段において特定可能とするデータのデータ容量を抑えることが可能となる。よって、抽選結果の態様を多様化することで遊技の興趣向上を図る場合において、複数の所定データを予め記憶しておくのに必要な容量を抑えることが可能となる。
特徴C3.前記処理実行手段は、前記第1単位データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3のように複数の当選役が同時に発生し得る構成においては、遊技の興趣向上を図ることができる反面、所定データを予め記憶しておくのに必要なデータ容量の極端な増加が懸念される。これに対して、上記特徴C2の構成を備えていることにより、当該データ容量の増加を抑えながら、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴C4.特定の所定データ(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記複数の単位エリアの一部であって所定の複数の単位エリアに前記第1単位データ及び前記第2単位データのうち一方が設定される構成であり、
前記所定の複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1単位データ及び第2単位データのうち一方が複数の単位エリアに亘って連続して設定される状況を積極的に生じさせることが可能となり、上記特徴C1や上記特徴C2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴C5.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記処理実行手段は、前記第1単位データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
1回の前記抽選処理により同時に当選となり得る役に対応した前記単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役は、対応する単位エリアに対して同時に第1単位データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1単位データが設定される機会はない。かかる構成において、同時に当選となり得る役に対応した単位エリアを第1記憶手段において所定のアドレス範囲には存在しないように集約することで、上記特徴C1や上記特徴C2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴C6.前記複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において、複数の単位エリアを一単位として設定された複数のデータ群セット(データ群セットDG1〜DG5)のいずれかに設定されており、
前記書き込み手段は、データの書き込みを行う場合、前記データ群セットの単位でアドレスの特定を行う構成であり、
複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、前記複数のデータ群セットのうち、前記第1単位データ及び前記第2単位データのうち一方のみが連続して設定されるデータ群セットについては、当該データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータを保持することに代えて、当該データ設定が行われることを前記書き込み手段において特定可能とするデータ(対応データCD又はヘッダデータHD)を有する構成であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、データ群セットの単位でデータを扱うことで、アドレス指定を利用した処理の簡素化が図られる。この場合に、所定データにおけるデータの圧縮をデータ群セットの単位で行うことで、アドレス指定を利用した処理の簡素化を行いながら、所定データのデータ容量を抑えることが可能となる。
特徴C7.複数の前記所定データのうち少なくとも一部は、
前記データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータを有する実データ(実データRD)を有するとともに、
前記特定可能とするデータとして、当該実データが複数の前記データ群セットのうちいずれのデータ群セットに対応していのかを示す対応用データ(対応データCD又はヘッダデータHD)を有していることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、実データと対応用データとがセットで設定されていることにより、圧縮された所定データを複数の単位データに展開する場合の処理の複雑化を抑えられる。
なお、実データには、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記第1単位データが設定される単位エリアと前記第2単位データが設定される単位エリアとが混在するデータ群セットについて、当該データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータが設定されることとなる。
特徴C8.2個以上の前記所定データから構成される特別データ群(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1単位データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1単位データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合には、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、データ群セットの単位でデータを扱う構成において、第1単位データ及び第2単位データのうち一方のみが設定されるデータ群セットを積極的に生じさせることが可能となり、上記特徴C1や上記特徴C2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴C9.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記各単位エリアは、抽選役と1対1で対応しており、
前記処理実行手段は、前記第1単位データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
特定の所定データは、当該複数の当選役が同時に発生する所定データであり、
前記特定の所定データを含む2個以上の前記所定データから構成される特別データ群(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1単位データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1単位データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
特徴C9によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役により構成される特定役群は、対応する単位エリアに対して同時に第1単位データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1単位データが設定される機会はない。かかる構成において、特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアを上記のように一のデータ群セット又はk+1個のデータ群セットに集約することで、上記特徴C1や上記特徴C2のように所定データを圧縮する場合にその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となる。
特徴C10.前記特定の単位エリア群を構成する単位エリアの数は、1個のデータ群セットの単位エリアの数よりも多い数であり、
当該特定の単位エリア群を構成する単位エリアが集約されるk+1個のデータ群セットは、前記第1記憶手段のアドレスにおいて連続するように設定されていることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、k+1個のデータ群セットは第1記憶手段のアドレスにおいて連続させて設定されているため、所定データを複数の単位データに展開する場合の処理の複雑化を抑えられる。
特徴C11.前記特別データ群に含まれる前記所定データは、
前記データ群セットに含まれる単位エリアと1対1で対応するデータを有する実データ(実データRD)を複数有するとともに、
前記特定可能とするデータとして、これら実データに対応するデータ群セットのうち前記第1記憶手段において先側のアドレスに設定されているデータ群セットの順番に対応したデータと、自身が有する実データの数に対応したデータ(ヘッダデータHD)とを有していることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、圧縮された所定データを複数の単位エリアに展開する場合に参照されるデータとして、先側のアドレスに設定されているデータ群セットの順番に対応したデータ、及び自身が有する実データの数に対応したデータのみを設定すればよいため、各データ群セットの順番に対応したデータを個別に設定する構成に比べて、当該参照用のデータのデータ容量を抑えることが可能となる。
上記特徴A群、上記特徴B群及び上記特徴C群の構成は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、プログラムやデータを記憶した記憶手段を有しているとともに、当該記憶手段に記憶されたプログラムやデータを利用して各種処理を実行する制御手段を有しており、当該制御手段において各種処理が実行されることにより遊技の進行が制御される。
スロットマシンのように絵柄の変動表示の開始操作及び停止操作が遊技者により行われる遊技機では、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。この場合、例えばプログラムに従って抽選処理が実行されるとともに、その抽選処理に際して当選役を示すデータが参照される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。この場合、例えばプログラムに従って回転開始制御や回転停止制御が実行されるとともに、回転停止制御に際して当該停止制御用のデータが参照される。
パチンコ機では、所定の入球部に遊技球が入球することにより制御手段にて抽選処理が実行されるが、当該抽選処理に際してプログラム及びデータが用いられる。また、抽選処理が実行された場合には表示装置にて絵柄の変動表示が実行されるが、当該絵柄の変動表示を制御する際にプログラム及びデータが用いられる。
ここで、上記のような遊技機においては、処理を実行するために扱うデータの容量は小さいことが好ましい。しかしながら、遊技の興趣向上を図る上では、例えば抽選結果の多様化や、絵柄の変動表示態様又は絵柄の停止結果の多様化を図ることが好ましく、この場合、処理の実行に際して扱うデータの容量が増大化することが懸念される。
<特徴D群>
特徴D1.第1単位データ及び第2単位データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
当該第2記憶手段に記憶されている所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた処理内容で、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における当選ビットデータWDを利用して各種処理を実行する機能)と、
を備え、
特定の所定データ(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記複数の単位エリアの一部であって所定の複数の単位エリアに前記第1単位データ及び前記第2単位データのうち一方が設定される構成であり、
前記所定の複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第1単位データ及び第2単位データのうち一方が複数の単位エリアに亘って連続して設定される状況を積極的に生じさせることが可能となる。これにより、各単位エリアと1対1で対応したデータを保有しないように所定データを圧縮したとしても、その圧縮した所定データを展開するのに使用するデータに必要なデータ容量を抑えることが可能となる。よって、所定データを圧縮することが可能となる。
また、所定データの圧縮を行わない場合であっても、所定データを複数の単位エリアに書き込む場合には、それら複数の単位エリアのうち一部であって複数の単位エリアに対するデータの設定をまとめて行うことが可能となる。この場合、所定データの設定に要する処理負荷の軽減が図られる。
以上より、所定データの設定に関する構成の好適化が図られる。
特徴D2.第1単位データ及び第2単位データのうちいずれかが設定される単位エリア(展開側単位エリアTUD)を複数有する第1記憶手段(RAM73)と、
これら複数の単位エリアに対するデータの設定を可能とする所定データ(当選ビットデータWD)を予め複数記憶する第2記憶手段(ROM72)と、
抽選処理を実行する抽選手段(CPU71における抽選処理を実行する機能)と、
当該抽選処理の抽選結果に対応した前記所定データを読み出して前記単位エリアに書き込む書き込み手段(CPU71における当選ビットデータの取得処理を実行する機能)と、
前記複数の単位エリアに設定されているデータの内容に応じた範囲での特典の付与を可能とするように、所定の処理を実行する処理実行手段(CPU71における当選ビットデータWDを利用して各種処理を実行する機能)と、
を備え、
特定の所定データ(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、前記書き込み手段によりデータの書き込みが行われた場合に前記複数の単位エリアの一部であって所定の複数の単位エリアに前記第1単位データ及び前記第2単位データのうち一方が設定される構成であり、
前記所定の複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第1単位データ及び第2単位データのうち一方が複数の単位エリアに亘って連続して設定される状況を積極的に生じさせることが可能となる。これにより、各単位エリアと1対1で対応したデータを保有しないように所定データを圧縮したとしても、その圧縮した所定データを展開するのに使用するデータに必要なデータ容量を抑えることが可能となる。よって、所定データを圧縮することが可能となる。
また、所定データの圧縮を行わない場合であっても、所定データを複数の単位エリアに書き込む場合には、それら複数の単位エリアのうち一部であって複数の単位エリアに対するデータの設定をまとめて行うことが可能となる。この場合、所定データの設定に要する処理負荷の軽減が図られる。
以上より、抽選結果の態様を多様化することで遊技の興趣向上を図る場合において、所定データの設定に関する構成の好適化が図られる。
特徴D3.前記処理実行手段は、前記第1単位データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3のように複数の当選役が同時に発生し得る構成においては、遊技の興趣向上を図ることができる反面、所定データを予め記憶しておくのに必要なデータ容量の極端な増加又はデータ設定に際しての処理負荷の極端な増加が懸念される。これに対して、上記特徴D2の構成を備えていることにより、当該データ容量の増加又は当該処理負荷の極端な増加を抑えながら、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D4.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記処理実行手段は、前記第1単位データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
前記特定の所定データは、1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生する場合に読み出されるデータであり、
1回の前記抽選処理により同時に当選となり得る役に対応した前記単位エリアは、前記第1記憶手段において前記単位エリアが設定されたアドレス範囲のうち所定のアドレス範囲には存在しないように集約されていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役は、対応する単位エリアに対して同時に第1単位データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1単位データが設定される機会はない。かかる構成において、同時に当選となり得る役に対応した単位エリアを第1記憶手段において所定のアドレス範囲には存在しないように集約することで、所定データを圧縮する場合においてはその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となり、所定データを圧縮しない場合であっても、データの設定をまとめて行う場合のデータ単位を大きくすることが可能となる。
特徴D5.前記複数の単位エリアは、前記第1記憶手段において、複数の単位エリアを一単位として設定された複数のデータ群セット(データ群セットDG1〜DG5)のいずれかに設定されており、
前記書き込み手段は、データの書き込みを行う場合、前記データ群セットの単位でアドレスの特定を行う構成であり、
前記特定の所定データを含む2個以上の前記所定データから構成される特別データ群は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1単位データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合には、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、データ群セットの単位でデータを扱うことで、アドレス指定を利用した処理の簡素化が図られる。この場合に、データ群セットの単位でデータを扱う構成において、第1単位データ及び第2単位データのうち一方のみが設定されるデータ群セットを積極的に生じさせることが可能となる。よって、所定データを圧縮する場合においてはその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となり、所定データを圧縮しない場合であっても、データの設定をまとめて行う場合のデータ単位をデータ群セットの単位とすることが可能となる。
特徴D6.前記所定データは、抽選処理の抽選結果に応じて前記単位エリアに設定されるデータであり、
前記各単位エリアは、抽選役と1対1で対応しており、
前記処理実行手段は、前記第1単位データが設定されている前記単位エリアの種類を把握することで当選役を把握し、当該当選役に応じた特典の付与を可能とするように、前記所定の処理を実行する構成であり、
1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生し得る構成であり、
前記特定の所定データは、1回の前記抽選処理により複数の当選役が同時に発生する場合に読み出されるデータであり、
前記特定の所定データを含む2個以上の前記所定データから構成される特別データ群(ベル群に対応した当選ビットデータWD、再遊技群に対応した当選ビットデータWD、その他の役群に対応した当選ビットデータWD)は、当該特別データ群に含まれる一の所定データにおいて前記第1単位データが設定される前記単位エリアの少なくとも1個が当該特別データ群に含まれる他の所定データと共通する関係であり、
当該関係を生じさせる前記特別データ群に含まれる各所定データにおいて前記第1単位データが設定される全ての前記単位エリアを特定の単位エリア群とした場合に、
当該特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアは、
・対象となる単位エリアの数が1個のデータ群セットの単位エリアの数以下である場合、一のデータ群セットに集約されており、
・対象となる単位エリアの数がk個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも多く且つk+1個のデータ群セット分の単位エリアの数よりも少ない場合、k+1個のデータ群セットに集約されている(kは自然数)
ことを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、複数の役が同時に当選となり得るため、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、これら同時に当選となり得る複数の役により構成される特定役群は、対応する単位エリアに対して同時に第1単位データが設定され得るのに対して、これら複数の役と他の役とは同時に第1単位データが設定される機会はない。かかる構成において、特定の単位エリア群を構成する複数の単位エリアを上記のように一のデータ群セット又はk+1個のデータ群セットに集約することで、所定データを圧縮する場合においてはその圧縮対象となるデータ量を多く確保することが可能となり、所定データを圧縮しない場合であっても、データの設定をまとめて行う場合のデータ単位をデータ群セットの単位とすることが可能となる。
特徴D7.前記特定の単位エリア群を構成する単位エリアの数は、1個のデータ群セットの単位エリアの数よりも多い数であり、
当該特定の単位エリア群を構成する単位エリアが集約されるk+1個のデータ群セットは、前記第1記憶手段のアドレスにおいて連続するように設定されていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、k+1個のデータ群セットは第1記憶手段のアドレスにおいて連続させて設定されているため、所定データを複数の単位データに設定する場合の処理の複雑化を抑えられる。
上記特徴D群の構成は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、プログラムやデータを記憶した記憶手段を有しているとともに、当該記憶手段に記憶されたプログラムやデータを利用して各種処理を実行する制御手段を有しており、当該制御手段において各種処理が実行されることにより遊技の進行が制御される。
スロットマシンのように絵柄の変動表示の開始操作及び停止操作が遊技者により行われる遊技機では、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。この場合、例えばプログラムに従って抽選処理が実行されるとともに、その抽選処理に際して当選役を示すデータが参照される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。この場合、例えばプログラムに従って回転開始制御や回転停止制御が実行されるとともに、回転停止制御に際して当該停止制御用のデータが参照される。
パチンコ機では、所定の入球部に遊技球が入球することにより制御手段にて抽選処理が実行されるが、当該抽選処理に際してプログラム及びデータが用いられる。また、抽選処理が実行された場合には表示装置にて絵柄の変動表示が実行されるが、当該絵柄の変動表示を制御する際にプログラム及びデータが用いられる。
ここで、上記のような遊技機においては、処理を実行するために扱うデータの容量の縮小化及び処理負荷の軽減のうち少なくとも一方を実現することが好ましい。しかしながら、遊技の興趣向上を図る上では、例えば抽選結果の多様化や、絵柄の変動表示態様又は絵柄の停止結果の多様化を図ることが好ましく、この場合、処理の実行に際して扱うデータの容量の極端な増大化及び処理負荷の極端な増加のうち少なくとも一方が発生してしまうことが懸念される。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…スロットマシン、31…リールユニット、51…スタートレバー、52〜54…ストップボタン、64…ホッパ装置、71…CPU、72…ROM、72a…組合せテーブル記憶エリア、72b…当選ビットデータ記憶エリア、160…主制御装置、162…MPU、190…音声発光制御装置、192…MPU、CD…対応データ、HD…ヘッダデータ、MC…変動用コマンド、MC1…上位バイト、MC2…下位バイト、T1…第1組合せテーブル、T2…第2組合せテーブル、T3…第3組合せテーブル、VD…容量データ、WD…当選ビットデータ。

Claims (1)

  1. 特定データを予め複数記憶する特定記憶手段と、
    当該特定記憶手段から特定データを読み出し、当該特定データに対応した特定処理を実行する特定処理実行手段と、
    を備え、
    前記特定記憶手段には、複数の前記特定データが所定の順序で設定されており、
    複数の前記特定データのうち少なくとも所定の特定データは、前記特定記憶手段において自身の次の順番に設定されている特定データのアドレスを特定可能とするように、自身が有するデータ量に対応した次指定用データを有しており、
    前記特定データとして、規定データ量となる固定長データを複数有し、前記特定記憶手段において隣り合う順番の特定データ間でデータ量が相違する可変長データを複数有し、
    前記特定記憶手段における前記特定データの設定順序において、複数の前記可変長データ間に前記固定長データが入り込まないように、それら可変長データ及び固定長データは集約して設定されており、
    前記所定の特定データは、前記可変長データであり、
    前記固定長データは、前記次指定用データを有していないことを特徴とする遊技機。
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