JP2020070349A - 塗料組成物及び塗膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗膜としたときの硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる塗料組成物、並びに、前記塗料組成物を硬化させてなる塗膜を提供する。【解決手段】塗料組成物は、セミカルバジド化合物と、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂と、を含む。塗膜は、前記塗料組成物を硬化させてなる。好ましくは、前記セミカルバジド化合物が、イソホロンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートから得られたポリイソシアネートとヒドラジンとの反応物である。【選択図】なし
Description
本発明は、塗料組成物及び塗膜に関する。
近年、大気汚染の観点から有機溶剤の使用に対して規制が行われつつあるため、有機溶剤を用いない水性塗料や粉体塗料に対する需要が高まっている。フッ素樹脂についてもそのための検討がなされており、水性塗料に使用可能なフッ素樹脂が乳化重合で製造できることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。フッ素樹脂を用いる場合において、特に、更なる長期の性能維持が求められており、塗膜硬度や撥水性の維持が望まれている。
架橋タイプの含フッ素共重合体の水性分散体としては、フルオロオレフィン、カルボニル基含有単量体及び親水性マクロモノマーを重合して得られる含フッ素共重合体と、ヒドラジド化合物とを含む含フッ素水性分散体(例えば、特許文献2参照)や、含フッ素共重合体及びアクリル系重合体を含み、アクリル系重合体中にカルボニル基含有単量体が共重合された複合重合体粒子の水性分散体と、ヒドラジド化合物とを含有する含フッ素水性分散体(例えば、特許文献3参照)が提案されている。また、カルボニル基を有する含フッ素共重合体と、3官能ヒドラジド化合物とを含む水性分散体(例えば、特許文献4参照)が提案されている。これらの技術を使用した場合、耐候性を満足できる塗膜が得られ、耐水性、密着性が向上する結果も得られている。
特許文献2〜4に開示された塗料組成物では、フッ素含有塗料樹脂を用いた際に得られる塗膜の硬度、硬度維持性及び長期撥水性を同時に達成させることが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、塗膜としたときの硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる塗料組成物、並びに、前記塗料組成物を硬化させてなる塗膜を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る塗料組成物は、セミカルバジド化合物と、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂と、を含む。
前記セミカルバジド化合物が、イソホロンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートから得られたポリイソシアネートとヒドラジンとの反応物であってもよい。
前記セミカルバジド化合物が、下記式(I)で示される化合物であってもよい。
本発明の第1態様に係る塗料組成物は、セミカルバジド化合物と、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂と、を含む。
前記セミカルバジド化合物が、イソホロンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートから得られたポリイソシアネートとヒドラジンとの反応物であってもよい。
前記セミカルバジド化合物が、下記式(I)で示される化合物であってもよい。
本発明の第2態様に係る塗膜は、上記第1態様に係る塗料組成物を硬化させてなる。
上記態様の塗料組成物によれば、硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる塗膜が得られる。上記態様の塗膜は、硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する場合がある)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
≪塗料組成物≫
本実施形態の塗料組成物は、硬化剤成分としてセミカルバジド化合物と、主剤成分としてフッ素及びカルボニル基を含有する樹脂と、を含む。
本実施形態の塗料組成物は、上記構成を有することで、硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる塗膜が得られる。
本実施形態の塗料組成物は、硬化剤成分としてセミカルバジド化合物と、主剤成分としてフッ素及びカルボニル基を含有する樹脂と、を含む。
本実施形態の塗料組成物は、上記構成を有することで、硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる塗膜が得られる。
<セミカルバジド化合物>
一般に、セミカルバジド化合物はヒドラジンとイソシアネート化合物とから誘導される化合物、すなわち、ヒドラジンとイソシアネート化合物との反応物である。また、セミカルバジド化合物は、アミノ基を2つ以上有していてもよく、セミカルバジド基を2つ以上有していてもよい。なお、「セミカルバジド基」とは、下記式(II)で表される基である。
一般に、セミカルバジド化合物はヒドラジンとイソシアネート化合物とから誘導される化合物、すなわち、ヒドラジンとイソシアネート化合物との反応物である。また、セミカルバジド化合物は、アミノ基を2つ以上有していてもよく、セミカルバジド基を2つ以上有していてもよい。なお、「セミカルバジド基」とは、下記式(II)で表される基である。
[イソシアネート化合物]
セミカルバジド化合物の製造に用いられるイソシアネート化合物としては、イソシアネートモノマーや、イソシアネートモノマーから得られるポリイソシアネートを用いることができる。
セミカルバジド化合物の製造に用いられるイソシアネート化合物としては、イソシアネートモノマーや、イソシアネートモノマーから得られるポリイソシアネートを用いることができる。
(イソシアネートモノマー)
イソシアネートモノマーとしては、炭素数4以上30以下のものが好ましい。このようなイソシアネートモノマーとして具体的には、例えば、以下のものが例示される。これらイソシアネートモノマーは単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
(1)ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(以下、「MDI」と称する場合がある)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」と称する場合がある)、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下、「TMXDI」と称する場合がある)等の芳香族ジイソシアネート;
(2)1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と称する場合がある)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート(MPDI)、リジンジイソシアネート(以下、「LDI」と称する場合がある)等の脂肪族ジイソシアネート;
(3)イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル) シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートノルボルナン、ジ(イソシアネートメチル)ノルボルナン等の脂環族ジイソシアネート;
(4)4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(以下、「NTI」と称する場合がある)、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する場合がある)、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する場合がある)、リジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する場合がある)等のトリイソシアネート
イソシアネートモノマーとしては、炭素数4以上30以下のものが好ましい。このようなイソシアネートモノマーとして具体的には、例えば、以下のものが例示される。これらイソシアネートモノマーは単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
(1)ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(以下、「MDI」と称する場合がある)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」と称する場合がある)、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下、「TMXDI」と称する場合がある)等の芳香族ジイソシアネート;
(2)1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と称する場合がある)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート(MPDI)、リジンジイソシアネート(以下、「LDI」と称する場合がある)等の脂肪族ジイソシアネート;
(3)イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル) シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアネートノルボルナン、ジ(イソシアネートメチル)ノルボルナン等の脂環族ジイソシアネート;
(4)4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(以下、「NTI」と称する場合がある)、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する場合がある)、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する場合がある)、リジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する場合がある)等のトリイソシアネート
中でも、得られる塗膜の耐候性の観点から、イソシアネートモノマーとしては、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群から選択される1種類以上のジイソシアネートであることが好ましい。また、イソシアネートモノマーとしては、工業的入手の容易さから、HDI又はIPDIであることがより好ましい。また、塗膜の耐水性及び硬度が良好となる観点から、IPDIであることがさらに好ましい。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートとしては、上記イソシアネートモノマーから得られるもの、すなわち、上記イソシアネートモノマーの重合体であり、例えば、イソシアヌレート基、アロファネート基、イミノジオキサジアジンジオン基、ビウレット基及びウレタン基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を含むことができる。
ポリイソシアネートとしては、上記イソシアネートモノマーから得られるもの、すなわち、上記イソシアネートモノマーの重合体であり、例えば、イソシアヌレート基、アロファネート基、イミノジオキサジアジンジオン基、ビウレット基及びウレタン基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を含むことができる。
なお、「イソシアヌレート基」とは、3つのイソシアネート基を反応させてなる官能基であり、下記式(III)で示される基である。
一般に、「アロファネート基」とは、アルコールの水酸基とイソシアネート基とを反応させてなる官能基であり、下記式(IV)で示される基である。
一般に、「イミノオキサジアジンジオン基」とは、3つのイソシアネート基を反応させてなる官能基であり、下記式(V)で示される基である。
一般に、「ビウレット基」とは、3つのイソシアネート基とビウレット化剤とを反応させてなる官能基であり、下記式(VI)で表される基である。
一般に、「ウレタン基」とは、1つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させてなる官能基であり、下記式(VII)で表される基である。
一般に、「アロファネート基」とは、アルコールの水酸基とイソシアネート基とを反応させてなる官能基であり、下記式(IV)で示される基である。
一般に、「イミノオキサジアジンジオン基」とは、3つのイソシアネート基を反応させてなる官能基であり、下記式(V)で示される基である。
一般に、「ビウレット基」とは、3つのイソシアネート基とビウレット化剤とを反応させてなる官能基であり、下記式(VI)で表される基である。
一般に、「ウレタン基」とは、1つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させてなる官能基であり、下記式(VII)で表される基である。
中でも、耐候性の観点からは、ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基及びイミノジオキサジアジンジオン基のうち少なくともいずれかの官能基を含むことが好ましい。また、塗膜の耐候性の観点から、ポリイソシアネートは、HDIから得られるポリイソシアネートが好ましく、塗膜硬度の観点からは、IPDIから得られるポリイソシアネートが好ましく、架橋性の観点からは、NTI又はLTIから得られるポリイソシアネートが好ましい。
[ヒドラジン]
セミカルバジド化合物の製造に用いられるヒドラジンとしては、例えば、ヒドラジン(NH2NH2)、モノアルキル置換ヒドラジン化合物、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等が挙げられる。モノアルキル置換ヒドラジン化合物としては、例えば、モノメチルヒドラジン、モノエチルヒドラジン、モノブチルヒドラジン等が挙げられる。中でも、生成されたセミカルバジド基と樹脂のカルボニル基との反応性が優れる観点から、ヒドラジン(NH2NH2)が好ましい。ヒドラジンは無水物及び一水和物のいずれも用いることができるが、製造上の安全性から、ヒドラジン一水和物(NH2NH2・H2O)を用いることが好ましい。
セミカルバジド化合物の製造に用いられるヒドラジンとしては、例えば、ヒドラジン(NH2NH2)、モノアルキル置換ヒドラジン化合物、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等が挙げられる。モノアルキル置換ヒドラジン化合物としては、例えば、モノメチルヒドラジン、モノエチルヒドラジン、モノブチルヒドラジン等が挙げられる。中でも、生成されたセミカルバジド基と樹脂のカルボニル基との反応性が優れる観点から、ヒドラジン(NH2NH2)が好ましい。ヒドラジンは無水物及び一水和物のいずれも用いることができるが、製造上の安全性から、ヒドラジン一水和物(NH2NH2・H2O)を用いることが好ましい。
中でも、セミカルバジド化合物としては、塗膜としたときの硬度を良好にする観点から、IPDI又はIPDIから得られたポリイソシアネートとヒドラジンとの反応物が好ましく、IPDIとヒドラジンとの反応物、すなわち、下記式(I)で示される化合物(以下、「セミカルバジド化合物(I)」と称する場合がある)であることがより好ましい。
さらに、セミカルバジド化合物には、上記セミカルバジド化合物(I)等の単量体以外に、例えば、下記式(VIII)で表される化合物(2量体)、下記式(IX)で表される化合物(3量体)等のセミカルバジド化合物の多量体が含まれてもよい。なお、多量体の構造としては、使用するイソシアネート化合物の種類や反応条件等によって異なり、これら化合物に限定されない。
本実施形態の塗料組成物は、前記セミカルバジド化合物に加えて、その他の架橋剤を含んでもよい。その他架橋剤としては、例えば、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、ブロックポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
カルボジイミド化合物としては、例えば、ポリイソシアネートのイソシアネート基同士を脱二酸化炭素反応させることで得られるもの等が挙げられる。
カルボジイミド化合物の市販品としては、例えば、カルボジライトV−02、カルボジライトV−02−L2、カルボジライトV−04、カルボジライトE−01、カルボジライトE−02(いずれも日清紡社製、商品名)等が挙げられる。
カルボジイミド化合物の市販品としては、例えば、カルボジライトV−02、カルボジライトV−02−L2、カルボジライトV−04、カルボジライトE−01、カルボジライトE−02(いずれも日清紡社製、商品名)等が挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、オキサゾリン基を側鎖に少なくとも2個有する重合体状の化合物、1分子中にオキサゾリン基を少なくとも2個有する単量体の化合物等が挙げられる。
オキサゾリン化合物の市販品としては、例えば、エポクロスWS−500(日本触媒製、標品名)等が挙げられる。
オキサゾリン化合物の市販品としては、例えば、エポクロスWS−500(日本触媒製、標品名)等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、1分子にエポキシ基を2個以上有する樹脂であればよい。エポキシ基含有化合物として具体的には、例えば、ビスフェノールにエポクロルヒドリンを付加させて得られるビスフェノール型エポキシ基含有化合物、フェノールノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを付加させて得られるノボラック型エポキシ基含有化合物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ基含有化合物は、必要に応じて水分散化した状態のものであってもよい。
メラミン化合物としては、例えば、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られる部分又は完全メチロール化メラミン樹脂等が挙げられる。
前記アルデヒドとしは、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
また、前記メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコールによって部分的に又は完全にエーテル化したものであってもよい。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
メラミン化合物の市販品としては、例えば、サイメル303、サイメル323、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル380、サイメル385、サイメル212、サイメル251、サイメル254、マイコート776(いずれもオルネクス社製、商品名)等を挙げることができる。
前記アルデヒドとしは、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
また、前記メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコールによって部分的に又は完全にエーテル化したものであってもよい。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
メラミン化合物の市販品としては、例えば、サイメル303、サイメル323、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル380、サイメル385、サイメル212、サイメル251、サイメル254、マイコート776(いずれもオルネクス社製、商品名)等を挙げることができる。
ブロックポリイソシアネート化合物としては、公知の活性メチレン系ブロック剤、公知のオキシム系ブロック剤、公知のアミン系ブロック剤及び公知のピラゾール系ブロック剤からなる群より選ばれる1種以上のブロック剤を用いてブロック化されたポリイソシアネート等が挙げられる。
<フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂>
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、(a)含フッ素単量体に基づく重合単位(以下、単に「重合単位(a)」と称する場合がある)と、(b)カルボニル基含有単量体に基づく重合単位(以下、単に「重合単位(b)」と称する場合がある)とを必須の構成単位として含有する。
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、(a)含フッ素単量体に基づく重合単位(以下、単に「重合単位(a)」と称する場合がある)と、(b)カルボニル基含有単量体に基づく重合単位(以下、単に「重合単位(b)」と称する場合がある)とを必須の構成単位として含有する。
[重合単位(a)]
重合単位(a)は、含フッ素単量体に基づく重合単位である。含フッ素単量体としては、フルオロオレフィンが好ましい。フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等、1分子中にフッ素原子が2個以上10個程度含有するフルオロオレフィンが好ましく、パーハロオレフインがより好ましい。また、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンが特に好ましい。
フルオロオレフィンに基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して20モル%以上80モル%以下が好ましく、30モル%以上70モル%以下がより好ましく、40モル%以上60モル%以下がさらに好ましい。フルオロオレフィンに基づく重合単位が上記範囲であることで、塗料組成物の水分散性及び塗膜としたときの耐候性が共により良好となる傾向にある。
重合単位(a)は、含フッ素単量体に基づく重合単位である。含フッ素単量体としては、フルオロオレフィンが好ましい。フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等、1分子中にフッ素原子が2個以上10個程度含有するフルオロオレフィンが好ましく、パーハロオレフインがより好ましい。また、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンが特に好ましい。
フルオロオレフィンに基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して20モル%以上80モル%以下が好ましく、30モル%以上70モル%以下がより好ましく、40モル%以上60モル%以下がさらに好ましい。フルオロオレフィンに基づく重合単位が上記範囲であることで、塗料組成物の水分散性及び塗膜としたときの耐候性が共により良好となる傾向にある。
[重合単位(b)]
重合単位(b)は、カルボニル基含有単量体に基づく重合単位である。カルボニル基含有単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート等が挙げられる。
また、これらカルボニル基含有単量体の1種又は複数種と、これら以外のエチレン性不飽和単量体とを含むエチレン性不飽和単量体混合物と、を重合することにより得られる、ポリカルボニル化合物も用いることができる。
但し、上記カルボニル基含有単量体において、カルボン酸及びエステル類の持つカルボニル基を含有するエチレン性不飽和単量体は除外される。
中でも、カルボニル基含有単量体としては、ジアセトンアクリルアミド又はアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボニル基含有単量体に基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して、1モル%以上30モル%以下が好ましく、3モル%以上20モル%以下がより好ましい。
重合単位(b)は、カルボニル基含有単量体に基づく重合単位である。カルボニル基含有単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート等が挙げられる。
また、これらカルボニル基含有単量体の1種又は複数種と、これら以外のエチレン性不飽和単量体とを含むエチレン性不飽和単量体混合物と、を重合することにより得られる、ポリカルボニル化合物も用いることができる。
但し、上記カルボニル基含有単量体において、カルボン酸及びエステル類の持つカルボニル基を含有するエチレン性不飽和単量体は除外される。
中でも、カルボニル基含有単量体としては、ジアセトンアクリルアミド又はアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボニル基含有単量体に基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して、1モル%以上30モル%以下が好ましく、3モル%以上20モル%以下がより好ましい。
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、重合単位(a)及び重合単位(b)に加えて、重合単位(a)及び重合単位(b)と共重合可能な炭化水素系単量体として、水酸基含有単量体に基づく重合単位をさらに含有することができる。水酸基含有単量体に基づく重合単位を含有することにより、塗膜としたときの基材への密着性が向上する。
水酸基含有単量体としては、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシアルキルアリルエーテル類、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ヒドロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエステル等が挙げられる。ヒドロキシアルキルビニルエーテル類としては、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアリルエーテル類としては、例えば、ヒドロキシエチルアリルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノアリルエーテル等が挙げられる。アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
水酸基含有単量体に基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して、0.1モル%以上25モル%以下が好ましい。
水酸基含有単量体としては、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシアルキルアリルエーテル類、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ヒドロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエステル等が挙げられる。ヒドロキシアルキルビニルエーテル類としては、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアリルエーテル類としては、例えば、ヒドロキシエチルアリルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノアリルエーテル等が挙げられる。アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
水酸基含有単量体に基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して、0.1モル%以上25モル%以下が好ましい。
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、重合単位(a)及び重合単位(b)に加えて、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の水性分散体の安定性を向上させるために、カルボン酸基又はポリオキシエチレン基を含有する単量体に基づく重合単位をさらに含有することができる。
カルボン酸基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。
ポリオキシエチレン基含有単量体としては、例えば、前記水酸基含有単量体へのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。ポリオキシエチレン基含有単量体におけるエチレンオキシド付加量は、ポリオキシエチレン基含有単量体1分子に対して2モル以上20モル以下が好ましい。好ましいポリオキシエチレン基含有単量体としては、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシアルキルビニルエステル類へのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。ヒドロキシアルキルビニルエーテル類としては、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。
カルボン酸基又はポリオキシエチレン基を含有する単量体に基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して、0.05モル%以上25モル%以下が好ましく、0.2モル%以上20モル%以下がより好ましい。
カルボン酸基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。
ポリオキシエチレン基含有単量体としては、例えば、前記水酸基含有単量体へのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。ポリオキシエチレン基含有単量体におけるエチレンオキシド付加量は、ポリオキシエチレン基含有単量体1分子に対して2モル以上20モル以下が好ましい。好ましいポリオキシエチレン基含有単量体としては、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシアルキルビニルエステル類へのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。ヒドロキシアルキルビニルエーテル類としては、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。
カルボン酸基又はポリオキシエチレン基を含有する単量体に基づく重合単位の含有量は、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の全構成単位のモル量に対して、0.05モル%以上25モル%以下が好ましく、0.2モル%以上20モル%以下がより好ましい。
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、重合単位(a)及び重合単位(b)に加えて、上記単量体と共重合可能な、その他炭化水素系単量体に基づく重合単位をさらに含有することができる。
その他炭化水素系単量体としては、例えば、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニル系化合物、アリルエーテル類、アリルエステル類、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、加水分解性シリル基含有単量体等が挙げられる。オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。ビニルエーテル類としては、例えば、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。ビニルエステル類としては、例えば、ブチルビニルエステル、オクチルビニルエステル等が挙げられる。ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。アリルエーテル類としては、例えば、エチルアリルエーテル等が挙げられる。アリルエステル類としては、例えば、ブチルアリルエステル等が挙げられる。アクリル酸のエステルとしては、例えば、アクリル酸ブチル等が挙げられる。メタクリル酸のエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。加水分解性シリル基含有単量体としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルビニルエーテル等が挙げられる。
中でも、その他炭化水素系単量体としては、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類又はアリルエステル類が好ましい。また、オレフィン類としては、炭素数2以上10以下程度のものが好ましく、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類及びアリルエステル類としては、炭素数2以上15以下程度の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を有するものが好ましい。また、ビニルエーテル類は、フルオロオレフィンとの交互共重合性に優れ、塗膜としたときの耐候性がより良好となるため、特に好ましい。
その他炭化水素系単量体としては、例えば、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニル系化合物、アリルエーテル類、アリルエステル類、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、加水分解性シリル基含有単量体等が挙げられる。オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。ビニルエーテル類としては、例えば、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。ビニルエステル類としては、例えば、ブチルビニルエステル、オクチルビニルエステル等が挙げられる。ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。アリルエーテル類としては、例えば、エチルアリルエーテル等が挙げられる。アリルエステル類としては、例えば、ブチルアリルエステル等が挙げられる。アクリル酸のエステルとしては、例えば、アクリル酸ブチル等が挙げられる。メタクリル酸のエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。加水分解性シリル基含有単量体としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルビニルエーテル等が挙げられる。
中でも、その他炭化水素系単量体としては、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類又はアリルエステル類が好ましい。また、オレフィン類としては、炭素数2以上10以下程度のものが好ましく、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類及びアリルエステル類としては、炭素数2以上15以下程度の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を有するものが好ましい。また、ビニルエーテル類は、フルオロオレフィンとの交互共重合性に優れ、塗膜としたときの耐候性がより良好となるため、特に好ましい。
[フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の製造方法]
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、上記含フッ素単量体、上記カルボニル基含有単量体、及び、必要に応じてその他の単量体を使用して、水性媒体中で乳化重合することにより製造することができる。この乳化重合においては、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及びそれらの組み合わせ、並びに、両性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩等の高級アルコール硫酸塩のエステルが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類、及びそれらの誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン等が挙げられる。
フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂は、上記含フッ素単量体、上記カルボニル基含有単量体、及び、必要に応じてその他の単量体を使用して、水性媒体中で乳化重合することにより製造することができる。この乳化重合においては、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及びそれらの組み合わせ、並びに、両性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩等の高級アルコール硫酸塩のエステルが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類、及びそれらの誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン等が挙げられる。
乳化重合を行う際に、重合系内のpHを上昇させる目的で、pH調整剤を用いることが好ましい。pH調整剤としては、無機塩基類であってもよく、有機塩基類であってもよく、無機塩基類と有機塩基類とを併用してもよい。無機塩基類としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。有機塩基類としては、例えば、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられる。pH調整剤の添加量は、重合速度が遅くならないように、重合系内のpHが6以上になるように添加されることが好ましい。
乳化重合の開始は、通常の乳化重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行われる。重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤を用いることができるが、水溶性重合開始剤が好ましい。水溶性重合開始剤として具体的には、例えば、過硫酸塩、過酸化水素、及びこれら酸化剤と還元剤との組み合わせからなるレドックス重合開始剤、並びに、これらに少量の金属を共存させた系の無機系重合開始剤、二塩基酸過酸化物、有機系重合開始剤等が挙げられる。過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム塩等が挙げられる。レドックス重合開始剤に用いられる還元剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。無機系重合開始剤に用いられる金属としては、例えば、鉄、第一鉄塩、硫酸銀等が挙げられる。二塩基酸過酸化物としては、例えば、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタール酸パーオキシド等が挙げられる。有機系重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩、アゾビスブチロニトリル等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、その種類及び乳化重合条件等に応じて適宜変更可能であるが、通常は、原料である単量体100質量部に対して、0.005質量部以上0.5質量部以下程度が好ましい。また、これらの重合開始剤は一括添加してもよく、必要に応じて分割添加してもよい。
重合開始剤の使用量は、その種類及び乳化重合条件等に応じて適宜変更可能であるが、通常は、原料である単量体100質量部に対して、0.005質量部以上0.5質量部以下程度が好ましい。また、これらの重合開始剤は一括添加してもよく、必要に応じて分割添加してもよい。
乳化重合開始温度は主に重合開始剤の種類に応じて適宜最適値が選定されるが、通常は、0℃以上100℃以下であり、20℃以上90℃以下程度が好ましい。また、反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、0.1MPa以上10MPa以下であり、0.2MPa以上5MPa以下程度が望ましい。
<その他成分>
本実施形態の塗料組成物は、上記セミカルバジド化合物及び上記フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂に加えて、塗料組成物に通常用いられる公知の添加剤を含有することができる。公知の添加剤としては、例えば、その他の樹脂、硬化促進用の触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態の塗料組成物は、上記セミカルバジド化合物及び上記フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂に加えて、塗料組成物に通常用いられる公知の添加剤を含有することができる。公知の添加剤としては、例えば、その他の樹脂、硬化促進用の触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。
<塗料組成物の製造方法>
本実施形態の塗料組成物は、以下の方法を用いて製造することができる。
例えば、まず、上記フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂又はその希釈物に、必要に応じて、その他の樹脂、硬化促進用の触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えて、上記セミカルバジド化合物を硬化剤として添加する。次いで、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、塗料組成物を得ることができる。
本実施形態の塗料組成物は、以下の方法を用いて製造することができる。
例えば、まず、上記フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂又はその希釈物に、必要に応じて、その他の樹脂、硬化促進用の触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えて、上記セミカルバジド化合物を硬化剤として添加する。次いで、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、塗料組成物を得ることができる。
<使用用途>
本実施形態の塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として利用することができる。また、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、繊維、不織布、紙、皮革、石、コンクリート、石膏、ガラス等の無機材料等の素材へのプライマーや上中塗り塗料として用いることができる。また、例えば、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車車体等に耐熱性、美粧性(表面平滑性、鮮鋭性)等を付与する塗料としても有用である。また、例えば、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等としても有用である。
本実施形態の塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として利用することができる。また、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、繊維、不織布、紙、皮革、石、コンクリート、石膏、ガラス等の無機材料等の素材へのプライマーや上中塗り塗料として用いることができる。また、例えば、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車車体等に耐熱性、美粧性(表面平滑性、鮮鋭性)等を付与する塗料としても有用である。また、例えば、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等としても有用である。
≪塗膜≫
本実施形態の塗膜は、上記実施形態に係る塗料組成物を硬化させてなる。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を含むことで、塗膜の硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を、例えば、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の塗装方法を用いて、被塗物上に塗装した後に硬化させることで製造することができる。
被塗物としては、上記「<使用用途>」において例示された素材と同様のものが挙げられる。
本実施形態の塗膜は、上記実施形態に係る塗料組成物を硬化させてなる。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を含むことで、塗膜の硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を、例えば、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の塗装方法を用いて、被塗物上に塗装した後に硬化させることで製造することができる。
被塗物としては、上記「<使用用途>」において例示された素材と同様のものが挙げられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<評価方法>
[評価1]塗膜の硬度
実施例及び比較例で得られた各塗料組成物をガラス板上に乾燥膜厚40μmになるように塗装した後、23℃、50%RH条件下で1週間硬化させて、試験塗板を得た。作製した試験塗板をケーニッヒ硬度計(BYK chemie社製)で測定し、塗膜の硬度を以下の評価基準に従い、評価した。
[評価1]塗膜の硬度
実施例及び比較例で得られた各塗料組成物をガラス板上に乾燥膜厚40μmになるように塗装した後、23℃、50%RH条件下で1週間硬化させて、試験塗板を得た。作製した試験塗板をケーニッヒ硬度計(BYK chemie社製)で測定し、塗膜の硬度を以下の評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
◎:測定回数が90回以上
○:測定回数が70回以上90回未満
△:測定回数が50回以上70回未満
×:測定回数が50回未満
◎:測定回数が90回以上
○:測定回数が70回以上90回未満
△:測定回数が50回以上70回未満
×:測定回数が50回未満
[評価2]塗膜の硬度維持性
予め、アルミ板に白色塗装した試験塗板を準備した。該試験塗板上に、実施例及び比較例で得られた各塗料組成物を乾燥膜厚40μmになるように塗装した後、23℃、50%RH条件下で1週間硬化させて、塗膜を得た。得られた塗膜を、サンシャインキセノンウェザーメーター(スガ試験機製)を用いて、以下の条件で、8000時間、試験を実施した。塗膜作製直後の塗膜及び8000時間後の塗膜について、「評価1」と同様の方法を用いて、硬度測定した。塗膜作製直後の塗膜の硬度に対する、8000h後の塗膜の硬度の割合を塗膜の硬度維持率として算出し、塗膜の硬度維持性を以下の評価基準に従い、評価した。
予め、アルミ板に白色塗装した試験塗板を準備した。該試験塗板上に、実施例及び比較例で得られた各塗料組成物を乾燥膜厚40μmになるように塗装した後、23℃、50%RH条件下で1週間硬化させて、塗膜を得た。得られた塗膜を、サンシャインキセノンウェザーメーター(スガ試験機製)を用いて、以下の条件で、8000時間、試験を実施した。塗膜作製直後の塗膜及び8000時間後の塗膜について、「評価1」と同様の方法を用いて、硬度測定した。塗膜作製直後の塗膜の硬度に対する、8000h後の塗膜の硬度の割合を塗膜の硬度維持率として算出し、塗膜の硬度維持性を以下の評価基準に従い、評価した。
(測定条件)
運転サイクル:乾燥時/スプレー時=102分/18分のサイクル運転
乾燥時ブラックパネル温度:63度
湿度条件:50%
スプレー時層内温度:28℃
光強度:180W/m2
運転サイクル:乾燥時/スプレー時=102分/18分のサイクル運転
乾燥時ブラックパネル温度:63度
湿度条件:50%
スプレー時層内温度:28℃
光強度:180W/m2
(評価基準)
◎:塗膜の硬度維持率が80%以上
○:塗膜の硬度維持率が60%以上80%未満
△:塗膜の硬度維持率が50%以上60%未満
×:塗膜の硬度維持率が50%未満
◎:塗膜の硬度維持率が80%以上
○:塗膜の硬度維持率が60%以上80%未満
△:塗膜の硬度維持率が50%以上60%未満
×:塗膜の硬度維持率が50%未満
[評価3]塗膜の長期撥水性
上記「評価2:塗膜の硬度維持性」と同様の方法を用いて、塗膜を作製した。作製直後の塗膜及び5000h後の塗膜の水接触角を、上記「評価2:塗膜の硬度維持性」と同様の測定条件で、5000時間、試験を実施した。塗膜作製直後の塗膜及び8000時間後の塗膜について、接触角計(FIBRO system ab製)を用いて、塗膜の水接触角を測定した。塗膜作製直後の塗膜の水接触角に対する、5000h後の塗膜の水接触角の割合を塗膜の水接触角維持率として算出し、長期撥水性を以下の評価基準に従い、評価した。
上記「評価2:塗膜の硬度維持性」と同様の方法を用いて、塗膜を作製した。作製直後の塗膜及び5000h後の塗膜の水接触角を、上記「評価2:塗膜の硬度維持性」と同様の測定条件で、5000時間、試験を実施した。塗膜作製直後の塗膜及び8000時間後の塗膜について、接触角計(FIBRO system ab製)を用いて、塗膜の水接触角を測定した。塗膜作製直後の塗膜の水接触角に対する、5000h後の塗膜の水接触角の割合を塗膜の水接触角維持率として算出し、長期撥水性を以下の評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
◎:塗膜の水接触角維持率が90%以上
○:塗膜の水接触角維持率が70%以上90%未満
×:塗膜の水接触角維持率が70%以上未満
◎:塗膜の水接触角維持率が90%以上
○:塗膜の水接触角維持率が70%以上90%未満
×:塗膜の水接触角維持率が70%以上未満
<セミカルバジド化合物の合成>
[合成例1]セミカルバジド化合物A−1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、イソプロパノール:238g、及び、ヒドラジン一水和物:60gを添加し、25℃にて30分間攪拌した。この溶液に、HDI:50gをテトラヒドロフラン:450gに溶解した溶液を、25℃にて攪拌しながら2時間かけて添加した。次いで、混合液を25℃にて1時間攪拌した。得られた反応液中のイソプロパノール、テトラヒドロフラン、過剰のヒドラジン一水和物、水等を加熱減圧下に留去することによりセミカルバジド化合物A−1を得た。
[合成例1]セミカルバジド化合物A−1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、イソプロパノール:238g、及び、ヒドラジン一水和物:60gを添加し、25℃にて30分間攪拌した。この溶液に、HDI:50gをテトラヒドロフラン:450gに溶解した溶液を、25℃にて攪拌しながら2時間かけて添加した。次いで、混合液を25℃にて1時間攪拌した。得られた反応液中のイソプロパノール、テトラヒドロフラン、過剰のヒドラジン一水和物、水等を加熱減圧下に留去することによりセミカルバジド化合物A−1を得た。
[合成例2]セミカルバジド化合物A−2〜A−5の合成
各原料の仕込み量を表1に記載のとおりとした以外は、合成例1と同様の方法を用いて、セミカルバジド化合物A−2〜A−5を得た。なお、表1中の化合物の略称は、それぞれ以下の化合物を示す。
各原料の仕込み量を表1に記載のとおりとした以外は、合成例1と同様の方法を用いて、セミカルバジド化合物A−2〜A−5を得た。なお、表1中の化合物の略称は、それぞれ以下の化合物を示す。
(化合物の略称)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
TPA−100:HDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート
(旭化成社製、商品名「デュラネートTPA−100」)
24A−100:HDIビウレット型ポリイソシアネート
(旭化成社製、商品名「デュラネート24A−100」)
T1890/100:IPDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(エボニック社製、商品名「VESTNAT T1890/100」)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
TPA−100:HDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート
(旭化成社製、商品名「デュラネートTPA−100」)
24A−100:HDIビウレット型ポリイソシアネート
(旭化成社製、商品名「デュラネート24A−100」)
T1890/100:IPDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(エボニック社製、商品名「VESTNAT T1890/100」)
<フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の合成>
[合成例6]フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の合成
攪拌機を取り付けたステンレス製オートクレーブに、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、及び、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルへのエチレンオキシド(EO)付加物(平均分子量800)を10:10:28:2(モル比)の割合で含有する単量体混合物:50g、イオン交換水:100g、乳化剤(日本乳化剤(株)製、商品名:Newcol 293):1g、乳化剤(日本乳化剤(株)製、商品名:Newcol 240):1g、炭酸カリウム:0.1g、並びに、過硫酸アンモニウム:0.1gを仕込んだ。次いで、オートクレーブを氷冷で冷却して、窒素の圧入、脱気を繰り返して溶存空気を除去した後、さらにクロロトリフルオロエチレン(CTFE):10gを仕込んだ後、60℃で反応を開始した。反応開始時のオートクレーブの圧力はゲージ圧で0.5MPaに設定し、反応が進行すると圧力が低下するため、圧力が一定(0.5MPa)になるように、さらにCTFE:40gを添加した。その後ゲージ圧がほぼ0MPaになるまで反応を行い、含フッ素単量体に基づく重合単位の水分散体を得た。次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ(反応器)内を窒素雰囲気にし、得られた水分散体:100g、及び、イオン交換水:10gを入れ、60℃に昇温した。一方で、メタクリル酸メチル:4g、メタクリル酸ブチル:3.5g、メタクリル酸ヒドロキシエチル:0.5g、メタクリル酸:0.5g、及び、ジアセトンアクリルアミド:1.5gの単量体混合物を作製した。撹拌下、反応器を60℃に保ったまま、反応器に上記単量体混合物を滴下した後、過流酸アンモニウム:0.01gを添加して、反応を開始した。反応開始から3時間、撹拌を続けた。上記操作の終了後、反応器を冷却し、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の水性分散体を得た。
[合成例6]フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の合成
攪拌機を取り付けたステンレス製オートクレーブに、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、及び、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルへのエチレンオキシド(EO)付加物(平均分子量800)を10:10:28:2(モル比)の割合で含有する単量体混合物:50g、イオン交換水:100g、乳化剤(日本乳化剤(株)製、商品名:Newcol 293):1g、乳化剤(日本乳化剤(株)製、商品名:Newcol 240):1g、炭酸カリウム:0.1g、並びに、過硫酸アンモニウム:0.1gを仕込んだ。次いで、オートクレーブを氷冷で冷却して、窒素の圧入、脱気を繰り返して溶存空気を除去した後、さらにクロロトリフルオロエチレン(CTFE):10gを仕込んだ後、60℃で反応を開始した。反応開始時のオートクレーブの圧力はゲージ圧で0.5MPaに設定し、反応が進行すると圧力が低下するため、圧力が一定(0.5MPa)になるように、さらにCTFE:40gを添加した。その後ゲージ圧がほぼ0MPaになるまで反応を行い、含フッ素単量体に基づく重合単位の水分散体を得た。次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ(反応器)内を窒素雰囲気にし、得られた水分散体:100g、及び、イオン交換水:10gを入れ、60℃に昇温した。一方で、メタクリル酸メチル:4g、メタクリル酸ブチル:3.5g、メタクリル酸ヒドロキシエチル:0.5g、メタクリル酸:0.5g、及び、ジアセトンアクリルアミド:1.5gの単量体混合物を作製した。撹拌下、反応器を60℃に保ったまま、反応器に上記単量体混合物を滴下した後、過流酸アンモニウム:0.01gを添加して、反応を開始した。反応開始から3時間、撹拌を続けた。上記操作の終了後、反応器を冷却し、フッ素及びカルボニル基を含有する樹脂の水性分散体を得た。
<塗料組成物の製造>
[実施例1]塗料組成物T−1aの製造
合成例1で得られたセミカルバジド化合物A−1:0.8gと、合成例6で得られたフッ素及びカルボニル基を含有する樹脂:100.2gとを混合し、イオン交換水:15.8gで塗料固形分35重量%となるよう調整して、塗料組成物T−1aを得た。
得られた塗料組成物を用いて、上記の評価方法により各種評価を行った結果、塗膜の硬度は○、硬度維持性は○、長期撥水性は○であった。評価結果を以下の表2にも示す。
[実施例1]塗料組成物T−1aの製造
合成例1で得られたセミカルバジド化合物A−1:0.8gと、合成例6で得られたフッ素及びカルボニル基を含有する樹脂:100.2gとを混合し、イオン交換水:15.8gで塗料固形分35重量%となるよう調整して、塗料組成物T−1aを得た。
得られた塗料組成物を用いて、上記の評価方法により各種評価を行った結果、塗膜の硬度は○、硬度維持性は○、長期撥水性は○であった。評価結果を以下の表2にも示す。
[実施例2〜5及び比較例1〜3]塗料組成物T−2a〜T−5a及びT−1b〜T−3bの製造
各原料の配合量を表2に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、各塗料組成物を製造した。得られた各塗料組成物を用いて、上記の評価方法により各種評価を行った。評価結果を以下の表2に示す。なお、表2中の化合物の略称は、それぞれ以下の化合物を示す。
各原料の配合量を表2に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、各塗料組成物を製造した。得られた各塗料組成物を用いて、上記の評価方法により各種評価を行った。評価結果を以下の表2に示す。なお、表2中の化合物の略称は、それぞれ以下の化合物を示す。
(化合物の略称)
BTH:1,2,4−ブタントリカルボン酸トリヒドラジド
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
BTH:1,2,4−ブタントリカルボン酸トリヒドラジド
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
表2から、セミカルバジド化合物を硬化剤成分として含有する塗料組成物T−1a〜T−5a(実施例1〜5)では、塗膜としたときの硬度、硬度維持性及び長期撥水性がいずれも良好であった。
また、イソシアネート化合物としてIPDI又はIPDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネートを用いたセミカルバジド化合物A−3又はA−5を含有する塗料組成物T−2a及びT−5a(実施例2及び5)では、塗膜の硬度が特に良好であった。
また、イソシアネート化合物としてポリイソシアネートを用いたセミカルバジド化合物A−3〜A−5を含有する塗料組成物T−3a〜T−5a(実施例3〜5)では、塗膜としたときの硬度維持性及び長期撥水性が特に良好であった。
また、イソシアネート化合物としてIPDI又はIPDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネートを用いたセミカルバジド化合物A−3又はA−5を含有する塗料組成物T−2a及びT−5a(実施例2及び5)では、塗膜の硬度が特に良好であった。
また、イソシアネート化合物としてポリイソシアネートを用いたセミカルバジド化合物A−3〜A−5を含有する塗料組成物T−3a〜T−5a(実施例3〜5)では、塗膜としたときの硬度維持性及び長期撥水性が特に良好であった。
一方で、硬化剤成分を含有しない塗料組成物T−1b(比較例1)では、塗膜としたときの硬度、硬度維持性及び長期撥水性がいずれも不良であった。
また、硬化剤成分としてセミカルバジド化合物以外の化合物(ヒドラジド化合物)を含有する塗料組成物T−2b及びT−3b(比較例2及び3)では、塗膜としたときの硬度は良好であったが、硬度維持性が塗料組成物T−1a〜T−5a(実施例1〜5)よりも劣り、長期撥水性が不良であった。
また、硬化剤成分としてセミカルバジド化合物以外の化合物(ヒドラジド化合物)を含有する塗料組成物T−2b及びT−3b(比較例2及び3)では、塗膜としたときの硬度は良好であったが、硬度維持性が塗料組成物T−1a〜T−5a(実施例1〜5)よりも劣り、長期撥水性が不良であった。
本実施形態の塗料組成物によれば、硬度、硬度維持性及び長期撥水性に優れる塗膜が得られる。本実施形態の塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等として有用である。
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JP2018205233A JP2020070349A (ja) | 2018-10-31 | 2018-10-31 | 塗料組成物及び塗膜 |
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