[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、図1(A),(B)に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤Cは、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは、施錠装置Hの操作によって、左端のヒンジを中心に開閉可能となる様に、中枠Bの前面側に組み付けられる。なお、前枠Dは、全体が中枠Bに対して開閉可能なもの、前枠上部と前枠下部とから構成され、前枠上部だけを独立して開閉する状態と、前枠上部及び前枠下部を共に開閉する状態とを施錠装置Hに対する鍵の操作で切り換える構成等とすることができる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿である。発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置である。
また、前枠の上部にはスピーカーSP,SPが備えられている。また、遊技盤Cの中央部には液晶表示装置LCDを備え、液晶表示装置LCDの前面へ出没する落下可動体KDdwn、振り子可動体KDswingが備えられると共に、遊技盤Cや前枠Dの各所にLEDを用いた発光装置も備えられている。これら液晶表示装置LCD等を用いて、表示演出、音声演出、発光演出、可動体演出を実行可能となっている。
遊技盤Cは、図1(A)に示す様に、多数の遊技釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター役物5が取り付けられ、センター役物5の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物5の右側には大入賞口15の開放時に右側から遊技球を入賞させるための右打ち通路35が備えられた構成となっている。遊技盤Cには、この他、誘導レール17、普通入賞口18a,18b、アウト口19等も設置されている。
センター役物5は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、左上部分には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。右打ち通路35の下方の右側遊技領域20には、多数の遊技釘11が植設されると共に、普通図柄抽選の契機を与えるゲート37、第2始動入賞装置27も設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを供えている。
遊技盤Cの裏面には、図1(B)に示す様に、液晶表示装置LCDを保持させる裏ユニットC2が取り付けられる。液晶表示装置LCDの表示内容は、遊技盤Cの中央部に設けられた開口窓C3を介して遊技者に視認させる。また、落下可動体KDdwn、振り子可動体KDswingは、遊技盤Cと裏ユニットC2との間に形成される空間部C4内において、液晶表示装置LCDの前面への出没動作を実行する様に、裏ユニットC2の前面に取り付けられている。
本実施例のパチンコ機P1は、図1(A),(B)に示す様に、遊技者による操作が可能なプッシュボタンPBと、操作レバーLVと、十字キーJKとを備えている。これらプッシュボタンPB及び操作レバーLVは、それぞれ振動発生装置VBVpb,VBRlvによって振動し得る様に構成されている。また、プッシュボタンPB及び操作レバーLVは、それぞれ発光装置LEDpb,LEDlvによって発光し、ソレノイドSOLpb,SOLlvによって突出位置と没入位置との間で出没動作し得る様にも構成されている。
[2 振動演出装置の概要]
振動発生装置VBRpb,VBRlvは、図2(A)に示す様に、振動体VR1を、第1の支持部材VR2,VR2と、第2の支持部材VR3とにより、筐体VR4内において2方向に振動可能な状態で支持した構造を有する。
振動体VR1は、図2(B)に示す様に、収納容器VR11内に、コイルVR12と、磁石VR13,VR14とを備えている。第1の支持部材VR2,VR2は、コイルVR12に対して第1の周波数f1の通電が行われたときに共振を生じる第1の固有振動数を有し、第2の支持部材VR3は、コイルVR12に対して第2の周波数f2の通電が行われたときに共振を生じる第2の固有振動数を有する。
振動発生装置VBRpb,VBRlvは、コイルVR12に対して第1の周波数f1の通電を行うことにより、第1の支持部材VR2,VR2の共振状態を発生させ、振動体VR1にB方向振動波形に示す様なB方向の振動を生じさせる。同じく、振動発生装置VBRpb,VBRlvは、コイルVR12に対して第2の周波数f2の通電を行うことにより、第2の支持部材VR3の共振状態を発生させ、振動体VR1にA方向振動波形に示す様なA方向の振動を生じさせる。
この結果、振動発生装置VBRpb,VBRlvは、図2(C)に示す様に、振周波数f1,f2の2つの共振点を有するものとなっている。また、共振現象を利用した振動であることから、小さな電力を短時間加えるだけであっても振動力はそれなりに大きくなる。さらに、図2(D)に示す様に、第1の周波数f1と第2の周波数f2とを組み合わせた通電を行うことにより、混合振動波形を生じさせることもできる。これも共振を利用して短時間の通電によって2つの共振点に対応する振動を発生し得ることによる。そして、図2(C)に示す様に、振動を感じさせる触感範囲を広くとることができる。
[3 制御装置]
[3.1 制御装置全体]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について図3に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW3、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞口18a,18bに備えられた入賞検知スイッチSW11,SW12からの検知信号、及び裏ユニットC2の所定位置に設けられた球排出通路に備えられた排出球検知スイッチSW41〜43からの検知信号が入力される様になっている。
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、払出制御基板330を介してホールコンピュータ400へと賞球払出数等のホール管理用のデータやエラー報知等も行うことができる様に構成されている。
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力する。また、演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、音声演出、発光演出、可動体演出を実行させるための指令信号を信号中継基板410へと出力する。信号中継基板410は、演出制御基板320からの指令信号を発光演出を実行するためのランプ制御基板420、音声演出を実行するための音声制御基板430、及び可動体演出を実行するためのモータ制御IC510、ソレノイド制御IC520へと出力する。可動体は、遊技盤Cと裏ユニットC2との間の空間C4において、液晶表示装置LCDの前面側で出没動作や回動動作等を実行する様に設置される。
演出制御基板320には、プッシュボタンPBの押下信号を出力するプッシュボタンスイッチSWPB、操作レバーLVの操作信号を出力する操作レバースイッチSWLV、十字キーJKによる上下左右選択信号を出力する十字キースイッチSWJKが接続され、各スイッチSWPB,SWLV,SWJKから押下信号、操作信号、上下左右選択信号が入力される様に構成されている。また、演出制御基板320は、振動発生装置VBRpb,VBRlvに振動を発生させるための振動体制御基板100へと信号を出力できる様に接続されている。なお、発光装置LEDpb,LEDlvはランプ制御基板420に、ソレノイドSOLpb,SOLlvはソレノイド制御IC520に、それぞれ接続されている。また、ランプ制御基板420及びソレノイド制御IC520は、演出制御基板320から直接、信号を入力される様にも接続されている。
[3.2 演出に係る制御装置の概要]
図4に示す様に、主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2からの始動入賞検知信号が入力されると、所定の抽選処理を実行して変動パターンを決定したら、特図表示器TKZを制御して特図変動表示を実行する。このとき、主制御基板310は、特図変動表示の開始タイミングに合わせて表示演出等を開始させ、特図変動表示の確定タイミングに合わせて表示演出を確定させるため、変動パターン及び変動指令信号を演出制御基板320に対して出力する。
主制御基板310から変動指令を入力された演出制御基板320は、表示演出指令信号を表示制御基板370に対して出力する。この表示演出指令信号は、表示制御基板370によって実行される液晶表示装置LCDにおける飾り図柄変動表示の開始タイミング及び確定タイミングを、特図表示器TKZにおける特図変動表示の開始タイミング及び確定タイミングと同期させる様に、主制御基板310からの変動指令信号に同期した信号として出力される。
主制御基板310から変動指令を入力された演出制御基板320はまた、音声演出指令信号、発光演出指令信号、及び可動体演出指令信号を信号中継基板410に対して出力する。可動体演出指令信号は、信号中継基板410からモータ制御IC、ソレノイド制御ICへと入力され、可動体を動作させる可動体演出を実行させる。
発光演出指令信号は、信号中継基板410からランプ制御基板420へと出力される。ランプ制御基板420は、この発光演出指令信号に対応するLED基板に発光・点滅等を実行させるための制御電流を出力する。この制御電流は、対応するLED基板へと入力され、発光演出が実行される。
音声演出指令信号は、信号中継基板410から音声制御基板430へと出力される。音声制御基板430は、この音声演出指令信号に対応する音声出力を実行させるための制御電流を出力する。この制御電流は、スピーカSPへと入力され、音声演出が実行される。
演出制御基板320は、さらに、操作部材(プッシュボタンPB,操作レバーLV)を用いた操作部材発光演出、操作部材出没演出、及び操作部材振動演出を実行するための操作部材演出指令信号を、ランプ制御基板420、ソレノイド制御IC520、及び振動体制御基板100に対して出力する様にも構成されている。この操作部材演出指令信号は、遊技者に操作部材の操作を促したり、操作部材の操作による演出実行態様の変化等を伴う演出用データが選択されたときに出力される。例えば、操作部材の操作を指令する内容を含んだ演出用データが選択されたとき、発光演出を内容とする操作部材演出指令信号がランプ制御基板420に出力され、プッシュボタンPBや操作レバーLVを発光・点滅等させる。このとき、当該操作部材演出指令信号に操作部材出没演出や操作部材振動演出も含まれ、プッシュボタンPBや操作レバーLVの出没動作や振動動作も実行して遊技者に対して操作部材の操作を強くアピールする場合もある。また、操作部材演出指令信号は、操作部材における発光演出や出没演出の後所定期間内にプッシュボタンスイッチSWPBや操作レバースイッチSWLVからの信号入力があったときに操作部材振動演出を実行する内容となっている場合もある。操作部材指令信号を受信した振動制御基板100は、この指令に基づいて、図2(B),(D)に示した様な「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、「混合振動波形」に対応する共振状態を振動体VR1に生じさせるためのパルス信号を出力するためのパルス信号発生回路110を備えている。
[4 制御基板の構成]
主制御基板310は、図5(A)に示す様に、主制御用CPU310a、主制御用ROM310b、及び主制御用RAM310cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路310dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路310dは、電源中継基板380を介して電源を入力すると共に、特図スイッチSW1,SW2、普図スイッチSW3、大入賞口の入賞検知スイッチSW7,普通入賞口の入賞検知スイッチSW11,12、球排出球検知スイッチSW41〜43からの信号を主制御用CPU310aに対して入力し、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置開閉用ソレノイドSOL27に対して、主制御用CPU310aから信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。なお、主制御基板310は、払出制御基板330、発射制御基板340との間では、信号入力もなされる様に接続されている。主制御用CPU310aは、前述の各種スイッチからの入力を受けて主制御用ROM310b及び主制御用RAM310cとの間で情報をやり取りしながら、賞球払出、特別図柄抽選等のパチンコ機の中枢となる各種の処理を実行する。
このため、主制御用ROM310bには、主制御用CPU310aが遊技に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部310e、このプログラムに基づいた演算処理の際に用いる「当たり判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部310fが備えられている。主制御用ROM310bには、さらに、特別図柄抽選によって選択され得る複数種類の変動パターンを記憶した変動パターン記憶部310gも備えられている。変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。本実施例における変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの変動時間(演出時間)、及び当該変動時間中の飾り図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)を特定できるものとなっている。
また、主制御用RAM310cには、主制御用CPU310aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部310hと共に、特に、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果を所定個数を限度として保留記憶しておく保留記憶部310iが備えられている。
演出制御基板320は、図5(B)に示す様に、演出制御用CPU320a、演出制御用ROM320b、及び演出制御用RAM320cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路320dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路320dは、主制御基板310、プッシュボタンスイッチSWPB、操作レバースイッチSWLV、十字キースイッチSWJKから演出制御用CPU320aに対して信号を入力し、振動体制御基板100、表示制御基板370、信号中継基板410に対して信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。演出制御用CPU320aは、主制御基板310から入力される信号に基づいて、遊技演出を実行するための処理を行う。また、プッシュボタンスイッチSWPB、操作レバースイッチSWLV、十字キースイッチSWJKからの入力信号に基づいて、遊技演出に変化を与える処理を行う。演出制御基板320は、発光装置LEDpb,LEDlvを用いた操作部材発光演出、ソレノイドSOLpb,SOLlvを用いた操作部材出没演出、振動発生装置VBRpb,VBRlvを用いた操作部材振動演出を実行する処理も行う様に構成されている。
このため、演出制御用ROM320bには、演出制御用CPU320aが遊技演出に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部320e、このプログラムを用いた演算処理において用いる「演出内容選択のための判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部320fが備えられている。主制御用ROM320bには、さらに、主制御基板310から入力された変動パターンに対応して選択される各種演出のための複数種類の演出データを記憶した演出データ記憶部320gも備えられている。また、演出制御用RAM320cには、演出制御用CPU320aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部320hと共に、特に、特別図柄抽選の結果を先読みによって記憶しておく先読み記憶部320iが備えられている。
本実施例においては、払出制御基板330、発射制御基板340、演出表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520等も、主制御基板310や演出制御基板320と同様にワンチップマイコンで構成する。振動体制御基板100にも、振動発生装置VBRpb,VBRlvの一方又は両方に、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、及び「混合振動波形」のいずれかの共振状態による振動を発生させるためのワンチップマイコンが備わっている。
本実施例のパチンコ機P1では、主制御基板310において、主制御用CPU310aが、入出力回路310dを介して信号が入力されることを契機として、主制御用ROM310bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、主制御用RAM310cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路310dを介して演出制御基板320等に対して信号を出力する処理を実行する。
本実施例のパチンコ機P1では、演出制御基板320において、演出制御用CPU320aが、入出力回路320dを介して信号が入力されることを契機として、演出制御用ROM320bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、演出制御用RAM320cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路320dを介して、演出表示制御基板370や信号中継基板410に対して信号を出力する処理を実行することにより、表示演出、音声演出、発光演出、及び可動体演出を統括的に制御する役割を担い、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、モータ制御IC510、及びソレノイド制御IC520が、具体的な演出を実行する関係にある。さらに、本実施例では、演出制御基板320は、上述の様な表示・音声・発光・可動体の各演出に加えて、発光装置LEDpb,LEDlvを用いた操作部材発光演出、ソレノイドSOLpb,SOLlvを用いた操作部材出没演出、振動発生装置VBRpb,VBRlvを用いた操作部材振動演出をも実行する。本発明との関係においては、演出制御基板320だけではなく、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、モータ制御IC510、及びソレノイド制御IC520に加えて、振動体制御基板100も、演出制御手段に相当し、液晶表示装置LCD、スピーカSP、LED基板、モータMT、ソレノイドSOL、及び振動部材演出に関与する発光装置LEDpb,LEDlv、ソレノイドSOLpb,SOLlv、及び振動発生装置VBRpb,VBRlvが各種演出を実行する演出手段に相当する。
[5 主制御基板の記憶部(特別図柄抽選)]
主制御基板310は、図6(A)に示す様に、特図1用スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特図1判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個、特図2用スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特図2判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個、それぞれ保留記憶しておくために、主制御用RAMの保留記憶部310i内の所定の記憶領域に、特図1保留記憶部311、及び特図2保留記憶部312を備えている。これら特図1保留記憶部311,特図2保留記憶部312には、それぞれ乱数取得順に従って始動保留情報が記憶される。
特図1判定用乱数及び特図2判定用乱数は、それぞれ、「大当たり判定用乱数(乱数1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3)」、及び「変動パターン振分判定用乱数(乱数4)」から構成される。大当たり判定用乱数(乱数1)は、大当たりかはずれかを決定するための乱数である。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分判定用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。
乱数1と比較する「大当たり判定値」は、主制御基板310のROMに記憶されている。本実施例においては、大当り判定値は、非確変(低確率)の状態と、確変(高確率)の状態とで、異なる確率となる様に設定されている。この大当たり確率は、特図1,特図2に対して共通である。
乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、特別遊技中の大入賞口開放ラウンド数が「2ラウンド(2R)」、「7ラウンド(7R)」、「15ラウンド(15R)」等に振り分けられる。
この他、乱数2による振り分けでは、「大当たり」のラウンド数が15回であっても、(1)30秒間に渡って大入賞口15を開放する「長時間開放動作」を1ラウンドとして15回実行する特別遊技の態様、(2)途中のラウンド(例えば、7ラウンド)までを「長時間開放動作」のラウンドで構成し、残りラウンドは大入賞口15を短時間(例えば、数秒あるいは1秒以下)だけ開閉する「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、(3)15ラウンドの全てを上述の「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、のいずれかへと振り分ける構成とすることもできる。
あるいは、規定回数の確変を付与する「STタイプ」としたり、全ての当たり図柄に確変を付与する一方で転落条件に当選した場合に「高確率」から「低確率(通常確率)」へと切り替わる「転落抽選タイプ」とすることもできる。この種の特別遊技において、さらに、特別遊技終了後の「時短ゲーム」における普通電動役物のサポート回数を20回、40回、60回、80回、100回と複数種類設定し、これらの中のいずれかへ振り分けるための「大当たり種別判定」を行う構成にすることもできる。
この様な乱数2によって振り分けられ得る大当たり種別(時短回数を含む)は、特図1と特図2とで異なる設定とすることができ、さらに、どの種類の大当たりへ振り分けられるかを定める「大当たり種別の振り分け確率」を、特図1と特図2とで異ならせておくこともできる。
本実施例においては、乱数1について、特図2で「大当たり」となった場合の方が、特図1で「大当たり」となった場合よりも、確変突入確率、時短の付与回数、ラウンド中の開放態様などがより有利となる様に振り分け確率が乱数2について設定されている。なお、乱数2は、乱数1が「はずれ」の場合には、実質的には意味のないものとなる。
乱数3は、乱数1が「はずれ」の場合に、後述の特図開始処理において「はずれリーチ」の有無を決定するのに用いられる。乱数1が「大当たり」の場合は、リーチ演出が実行されることとなっているので、この乱数3は、実質的には意味のないものとなる。
乱数4によって振り分けられる「変動パターン」は、「変動時間の長さ」を決定するものとなる。本実施例においては、この変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図6(B)に示す様に、通常遊技状態用の変動パターンテーブル313aと、時短状態(確変状態を含む)用の変動パターンテーブル313bが、主制用ROMの変動パターン記憶部310g内の所定の記憶領域に予め記憶されている。なお、図6(A)においては、乱数1〜乱数4をそれぞれ記憶している様に記載しているが、乱数1〜乱数4によって定まる特別図柄抽選の結果を表すフラグ情報やコード情報が記憶されるものであっても構わない。
[6 演出制御基板の記憶部(演出データ)]
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出のための演出データが、演出用制御用ROMの演出データ記憶部320gの所定領域に予め記憶されている。この演出データ記憶部320gには、図7(A)に示す様に、演出データとして、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDVと、デモ中に実行するデモ中演出データDMとが記憶されている。また、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZも記憶されている。
変動ゲーム中演出データDHnは、図7(B)に示す様に、背景表示用データ(DHn1)、キャラクタ表示用データ(DHn2)、発光演出用データ(DHn3)、音声演出用データ(DHn4)、可動体演出用データ(DHn5)、及び操作部材演出用データ(DHn6)の組み合わせとなっている。なお、変動ゲーム中演出データDHnにおいてDHn1〜DHn6の内、例えば、操作部材演出を行わない場合はDHn6がブランクデータとなる。
操作部材演出用データ(DHn6)は、図7(C)に示す様に、液晶表示装置LCDにおける操作誘導演出用データDHn6a、プッシュボタンPBにおける発光演出用データDHn6b1、出没演出用データDHn6b2、振動演出用データDHn6b3、操作レバーLVにおける発光演出用データDHn6c1、出没演出用データDHn6c2、振動演出用データDHn6c3から構成されている。操作部材演出用データ(DHn6)においても、例えば、操作誘導演出とプッシュボタンPBの発光演出だけを実行するデータではDHn6a,DHn6b1以外はブランクデータとなり、操作誘導演出と操作レバーLVを用いた操作部材演出のみを実行するデータではDHn6b1〜b3はいずれもブランクデータとなる。操作誘導演出用データDHn6aは、液晶表示装置LCDにおけるボタン表示,メッセージ表示,デカボタン表示などを実行するためのデータで、これらはキャラクタ表示用データDHn2と同等に扱われる。
大当たり中演出データDVは、大当たり種別に応じてDV1,DV2,…が備えられている。同様に、デモ中演出データDMは、デモ1用(DM1)、デモ2用(DM2)、…と複数パターンを備えている。
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、主制御基板310の通常状態用変動パターンテーブル313aに対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、主制御基板310の時短状態用変動パターンテーブル313bに対応する飾り図柄変動時間となる時短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶部320gに記憶されている。
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データDHn1に従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データDHn2が存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1と1対1の対応であるが、飾り図柄変動パターンについては、変動パターン1に対して飾図1a,飾図1b,…の様に、複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
[7 主制御基板における特図開始処理]
主制御基板310は、図8(A)に示す制御系統により、RAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して表示演出(背景、キャラクタ等)、音声演出、発光演出、可動体演出、及び操作部材演出を実行させる。
主制御基板310は、図8(B)のフローチャートに示す様な特図開始処理を、所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。この処理においては、まず、遊技演出(図柄変動または特別遊技)の実行中であるか否かを判定し(S210)、遊技演出実行中であるときは(S210:YES)、今回の処理を終了する。一方、遊技演出実行中でないときは(S210:NO)、RAM内の所定の記憶領域に始動保留情報が記憶されているか否かを判定する(S220)。始動保留情報が記憶されていない場合は(S220:NO)、デモ演出実行中か否かを判定し(S230)、デモ演出実行中であるならば処理を終了し(S230:YES)、デモ演出実行中でない場合は(S230:NO)、デモ演出開始を演出制御基板320に対して指令する(S240)。
始動保留情報の記憶がある場合は(S220:YES)、記憶順の一番早い始動保留情報が特図1始動保留情報であるか否かを判定する(S250)。特図1始動保留情報である場合は(S250:YES)、特図1記憶数N1をデクリメントし(S260)、記憶順の一番早い始動保留情報(乱数1〜乱数4)を読み出す(S270)。これにより、RAM内の記憶領域における始動保留情報の記憶順が更新され、特図表示器TKZや液晶表示装置LCDを介して実施されている保留表示も更新される。
こうして読み出した特図1始動保留情報中の乱数1が、主制御基板310のROMに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(S310)。この大当たり判定値は、非確変の時(低確率の時)の大当り確率と、確変状態の時(高確率の時)の大当り確率とが、予め設定されている。
大当り判定の判定結果が肯定の場合には(S310:YES)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(S320)。そして、主制御基板310は、乱数2の値に基づき、特図表示器TKZに確定停止表示させる「大当り図柄」を決定する(S330)。ここで、乱数2の値には、特図1始動保留情報に対する当たり種別の振り分け率に対応して大当り図柄が対応付けられている。従って、主制御基板310は、S330の処理においては、読み出した乱数2の値に対応付けられた大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、乱数4の値に基づいて複数個の「大当り演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S340)。
一方、S310の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、主制御基板310は、S270で読み出した特図1始動保留情報中の乱数3に基づいてリーチ演出を実行させるか否かを判定する(S350)。本実施例では、主制御基板310は、乱数3の値が、ROMに記憶してあるリーチ演出実行判定値と一致するか否かによりS315の判定を行う。S350の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定し(S335)、乱数4の値に基づいて複数個の「はずれリーチ演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S345)。
また、S350におけるリーチ判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定する(S338)。次に、主制御基板310は、乱数4の値に基づいて複数個の「はずれ演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S348)。
こうして変動パターン(変動時間)および最終停止図柄を決定した主制御基板310は、演出制御基板320に対し、所定の信号を所定のタイミングで出力する(S360)。具体的には、主制御基板310は、変動パターン及び飾り図柄変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器TKZを制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている変動時間に対応する図柄変動を行った後に、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
これに対し、記憶順の一番早い始動保留情報が特図1始動保留情報でない場合は(S250:NO)、特図2始動保留情報であるか否かを判定する(S255)。特図2始動保留情報である場合は(S255:YES)、特図2記憶数N2をデクリメントし(S265)、記憶順の一番早い始動保留情報を読み出す(S275)。その後は、特図2変動表示用処理(S400)を実行する。S400の特図2変動表示用処理は、S310〜S360と同様に構成されている。なお、S330に対応するステップでの乱数2に基づく大当たり種別の振り分け確率は、特図1始動保留情報よりも遊技者に有利な設定となっている。
この特図開始処理においては、記憶順の早いものから順番に記憶を消化していく。ここで、本実施例のパチンコ機Pは、通常遊技状態においては「普通図柄当選確率≒0」と設定され、大当たりとなったときの大当たり図柄の振り分けにより、特別遊技終了後に確変や時短が付与された場合には「普通図柄当選確率≒1」へと変更される。
この結果、通常遊技状態において右打ちをしても特図2始動保留情報を取得することが困難であることから、遊技者は左打ちで遊技を行い、特図1始動保留情報を蓄積しながら遊技を実行する。この結果、通常遊技状態においては、特図1始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行する。
一方、特図判定が大当たりとなり、大当たりに伴う特別遊技終了後の遊技状態について確変や時短が付与された場合は、いわゆる電チューサポートを利用して特図2始動保留情報を蓄積し易い状態となる。本実施例のパチンコ機Pは、大当たり中の特別遊技は右打ちすることによって大入賞口15に入賞させ易い状態となり、液晶表示装置LCD等に右打ち示唆のナビゲーション表示を実行する。この右打ちナビゲーション表示に従って、特別遊技の実行中は、遊技者は右打ちで遊技する。そして、確変や時短が付与された場合は、特別遊技終了後も右打ちを示唆するナビゲーション表示に従って、遊技者は右打ちを続行することにより特図2始動保留情報を蓄積しながら有利に遊技を実行することができる。この結果、確変や時短が付与された遊技状態においては、特別遊技の実行直前に保留されていた特図1始動保留情報が最初に消化された後、特図2始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行することとなる。
なお、確変や時短が付与された遊技状態を開始したときは、特図2始動保留情報を優先して消化する様に構成することもできる。この場合は、通常遊技状態に戻ったとき、特図2始動保留情報が存在しなくなってから特図1始動保留情報が消化される態様で特図開始処理が進行することとなる。
[8 演出制御基板による変動演出]
演出制御基板320による変動演出は、図9(A)に示す制御系統により、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって実行される。
変動演出処理は、図9(B)のフローチャートに示す様に、特別遊技中でなく、デモ表示状態でもない状態ときに実行される(S410:NO,S420:NO)。
変動コマンドを受信したら(S430:YES)、今回の表示演出に用いる飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定する(S440)。
ここで、本実施例においては、演出制御用ROMの演出データ記憶部320gには、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。S440の処理では、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDKZの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDKZを抽選によって決定する。
また、演出制御用ROMの演出データ記憶部320gには、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の変動ゲーム中演出データDHが記憶されている。S440の処理では、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDHの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDHを抽選によって決定する。
こうして決定したDH,DKZに対応するデータを演出データ記憶部320gから読み出し(S450)、変動演出を開始する(S490)。
変動ゲーム中演出データDHによる演出(S500)は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに(S510:YES)、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する(S520)。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器TKZへの特別図柄確定のタイミングと同期している。
なお、特別遊技中であるときは(S410:YES)、変動ゲーム中演出データDHではなく、大当たり中演出データDVを読み出して(S550)、大当たり中演出ルーチンを実行する(S560)。また、デモ表示タイミングであるときは(S420:YES)、デモ中演出データDMを読み出し(S570)、デモ中演出ルーチンを実行する(S580)。
[9 操作部材演出]
次に、本実施例において、操作部材(プッシュボタンPB、操作レバーLV、十字キーJK)の操作を関与させることによって演出の実行態様に変化を生じさせる操作部材演出について説明する。操作部材演出は、操作部材演出用データDHn6がブランクデータとなっていない変動ゲーム中演出データDHnが選択された場合に実行される演出である。
[9.1 台詞演出]
図10は、「台詞演出」の一種を例示している。図10(A),(B)に示す様に、演出制御基板320は、リーチ図柄が揃ったタイミングにおいて、操作誘導演出用データDHn6aに基づいて、液晶表示装置LCDの所定位置に操作誘導キャラクタ(第1のプッシュボタンキャラクタPBC1)を所定時間だけ表示させる処理を実行する。演出制御基板320は、操作誘導キャラクタ表示後の操作有効期間内にプッシュボタンスイッチSWPBから押下検出信号が入力されると、キャラクタ表示用データDHn2として設定されている「上の句メッセージ」と、操作誘導演出用データDHn6aに設定されている次の操作誘導キャラクタ(第2のプッシュボタンキャラクタPBC2)とを、液晶表示装置LCDの所定位置に所定時間だけ表示させる処理を実行する。これら操作誘導キャラクタの表示処理を実行するとき、演出制御基板320は、発光演出用データ(プッシュボタン)DHn6b1に従って、発光装置LEDpbによるプッシュボタン発光演出を実行する。このプッシュボタン発光演出は、操作有効期間であることを遊技者に知らせる意味も持っている。
こうして第2のプッシュボタンキャラクタPBC2が表示された後の操作有効期間内にプッシュボタンスイッチSWPBからの押下検出信号が入力されると、演出制御基板320は、キャラクタ表示用データDHn2として設定されている「下の句メッセージ」と「完成句メッセージ」とを、液晶表示装置LCDの所定位置に所定時間だけ表示させる処理を実行する。
ここで、図10(A)は、大当たりの場合の表示例を、図10(B)はリーチはずれの場合の表示例を示している。本実施例におては、大当たりの場合には、「上の句」に対して正しい「下の句」が表示され、完成した百人一首の句と詠み人とが表示され、その後、大当たりの変動図柄確定演出が実行される。これに対し、リーチはずれの場合は、「上の句」に対して間違った「下の句」が表示され、「詠み人あらず」と表示されると共にはずれの変動図柄確定演出が実行される。
本実施例では、操作誘導演出によるキャラクタ表示がなされても操作有効期間内に操作部材が操作されなかった場合は、百人一首の「上の句」「下の句」「完成句」の表示を行うことなく、変動演出を実行することをを基本としている。
一方、本実施例においては、こうした操作誘導演出に対する操作部材の操作の有無に関係なく、図10(A),(B)の例の様に変動演出を進行させる「オート操作」の設定が可能となっている。また、そもそも操作誘導演出を実行させない設定も可能であって、その場合は、図10(C)に示す様に、操作誘導演出におけるキャラクタ表示を行うことなく、百人一首の「上の句」「下の句」「完成句」の表示を行いつつ変動図柄確定演出を実行したり、図10(D)に示す様に、変動ゲーム中演出データDHnとして操作部材演出を行わない構成のデータを選択する設定とすることも可能となっている。
また、図10(A)に例示した操作部材演出が実行されるものの図柄確定において「はずれ」となるデータも存在している。これとは逆に、途中までは図10(B)に例示した操作部材演出が実行されても図柄確定において「大当たり」となるデータも存在している。図10(A)に例示した「上の句」に対して正しい「下の句」が表示される操作部材演出を行う様に構成されたデータは、抽選結果が「大当たり」や「特定はずれ(いわゆる「激熱はずれ」)」の場合に選択される確率が高く、図10(B)に例示した「上の句」に対して間違った「下の句」が表示される操作部材演出を行う様に構成されたデータは、抽選結果が「大当たり」や「特定はずれ(いわゆる「激熱はずれ」)」の場合に選択される確率が低く設定されている。
また、句を表示する枠についても、大当たり信頼度に応じて色が異なる設定となっていて、大当たり信頼度が低い場合に選択され易く大当たり信頼度が高い場合に選択され難い確率に設定されたデータでは青色枠、大当たり信頼度が高い場合に選択され易く大当たり信頼度が高い場合に選択され難い確率に設定されたデータでは虹色枠、といった具合にもなっている。
[9.2 分岐演出]
図11(A)は、「分岐演出」の一種を例示している。演出制御基板320は、リーチ図柄が揃ったタイミングにおいて、液晶表示装置LCDの所定位置に、キャラクタ表示用データDHn2に従って、一つの「上の句」及び複数の「下の句」を表示すると共に、操作誘導演出用データDHn6aに従って、操作誘導キャラクタ(十字キーキャラクタJKC,プッシュボタンキャラクタPBC)を所定時間だけ表示させる処理を実行する。複数の「下の句」は、デフォルトとして、例えば上側に表示されている方が分岐先として強調表示されている。演出制御基板320は、操作誘導キャラクタ表示後の操作有効期間内に十字キースイッチSWJKから操作信号が入力されると、複数の「下の句」の中で強調表示する分岐先の切換を実行する。また操作有効期間内にプッシュボタンスイッチSWから押下検出信号が入力されると、演出制御基板320は、分岐先に対応するキャラクタ表示用データDHn2に従って「完成句」を表示し、最後に変動図柄確定処理を実行する。ここでも、操作誘導キャラクタの表示処理を実行するとき、演出制御基板320は、発光演出用データ(プッシュボタン)DHn6b1に従って、発光装置LEDpbによるプッシュボタン発光演出を実行する。このプッシュボタン発光演出は、操作有効期間であることを遊技者に知らせる意味も持っている。
なお、抽選結果が「大当たり」の場合の分岐演出において、仮に間違った「下の句」が分岐先となっていた場合は、「詠み人あらず」の句を表示した後、正しい句の表示に切り換え、大当たり図柄の確定処理を実行する。逆に、抽選結果が「リーチはずれ」の場合の分岐演出においては、正しい「下の句」が分岐先となっていても「はずれ図柄」の確定処理を実行する。また、分岐演出においてプッシュボタンスイッチSWから押下検出信号が入力されなかった場合は、百人一首の「完成句」の表示を行うことなく、変動演出を実行することをを基本としている。
一方、本実施例においては、こうした操作誘導演出に対する操作部材の操作の有無に関係なく、図11(A)の例の様に変動演出を進行させる「オート操作」の設定が可能となっている。また、そもそも操作誘導演出を実行させない設定も可能であって、その場合は、図11(A)の2段目の図において操作誘導演出におけるキャラクタ表示を行うことなく、百人一首の「完成句」の表示を行いつつ変動図柄確定演出を実行したり、図10(D)に示した様に、変動ゲーム中演出データDHnとして操作部材演出を行わない構成のデータを選択する設定とすることも可能となっている。
[9.3 連打演出]
図11(B)は、「連打演出」の一種を例示している。演出制御基板320は、リーチ図柄が揃ったタイミングにおいて、液晶表示装置LCDの所定位置に、キャラクタ表示用データDHn2に従って、「上の句」だけを表示すると共に、操作誘導演出用データDHn6aに従って、操作誘導キャラクタ(プッシュボタンキャラクタPBC3)及び「連打!」を所定時間だけ表示させる処理を実行する。演出制御基板320は、操作誘導キャラクタ表示後の操作有効期間内にプッシュボタンスイッチSWから連打検出信号が入力されると、キャラクタ表示用データDHn2に従って、「下の句」を先頭から順次表示し、「大当たり」の場合は「完成句」を表示し、最後に変動図柄確定処理を実行する。ここでも、操作誘導キャラクタの表示処理を実行するとき、演出制御基板320は、発光演出用データ(プッシュボタン)DHn6b1に従って、発光装置LEDpbによるプッシュボタン発光演出を実行する。このプッシュボタン発光演出は、操作有効期間であることを遊技者に知らせる意味も持っている。
なお、抽選結果が「大当たり」の場合の連打演出において連打がなされなくても、正しい「完成句」を表示し、大当たり図柄の確定処理を実行する。逆に、抽選結果が「リーチはずれ」の場合の連打演出においては、所定の連打がなされたとしても「はずれ図柄」の確定処理を実行する。
一方、本実施例においては、こうした操作誘導演出に対する操作部材の操作の有無に関係なく、図11(B)の例の様に変動演出を進行させる「オート操作」の設定が可能となっている。また、「長押し」を連打とみなす「オート連打」の設定も可能となっている。さらに、そもそも操作誘導演出を実行させない設定も可能であって、その場合は、図11(B)の2段目の図において操作誘導演出におけるキャラクタ表示を行うことなく、百人一首の「完成句」の表示を行いつつ変動図柄確定演出を実行したり、図10(D)に示した様に、変動ゲーム中演出データDHnとして操作部材演出を行わない構成のデータを選択する設定とすることも可能となっている。
[9.4 一発告知演出(デカボタン)]
図11(C)は、「一発告知演出」の一種を例示している。演出制御基板320は、リーチ図柄が揃ったタイミングにおいて、液晶表示装置LCDの所定位置に、操作誘導演出用データDHn6aに従って、操作誘導キャラクタ(デカボタンキャラクタPBCB)及び「押せ!」を所定時間だけ表示させる処理を実行する。演出制御基板320は、操作誘導キャラクタ表示後の操作有効期間内にプッシュボタンスイッチSWPBから押下信号が入力されると、キャラクタ表示用データDHn2に従って、「大当たり」の場合は「完成句」を表示し、最後に変動図柄確定処理を実行する。この一発告知演出においては、デカボタンキャラクタPBCBを表示する処理を実行するとき、演出制御基板320は、発光演出用データ(プッシュボタン)DHn6b1、出没演出用データ(プッシュボタン)DHn6b2に従って、ソレノイドSOLpbによるプッシュボタン突出演出と、発光装置LEDpbによるプッシュボタン発光演出とを実行する。また、プッシュボタンスイッチSWPBから押下信号が入力されたとき、演出制御基板320は、振動演出用データ(プッシュボタン)DHn6b3に従ってプッシュボタン振動演出を実行する。
なお、抽選結果が「大当たり」の場合にボタン押下がなされなくても、正しい「完成句」を表示し、大当たり図柄の確定処理を実行する。逆に、抽選結果が「リーチはずれ」の場合は、ボタン押下がなされたとしても「はずれ図柄」の確定処理を実行する。
一方、本実施例においては、こうした操作誘導演出に対する操作部材の操作の有無に関係なく、図11(C)の例の様に変動演出を進行させる「オート操作」の設定が可能となっている。また、そもそも操作誘導演出を実行させない設定も可能であって、その場合は、図11(C)の2段目の図において操作誘導演出におけるキャラクタ表示を行うことなく、百人一首の「完成句」の表示を行いつつ変動図柄確定演出を実行したり、図10(D)に示した様に、変動ゲーム中演出データDHnとして操作部材演出を行わない構成のデータを選択する設定とすることも可能となっている。
[9.5 一発告知演出(操作レバー)]
図11(D)は、「一発告知演出」の一種を例示している。演出制御基板320は、リーチ図柄が揃ったタイミングにおいて、液晶表示装置LCDの所定位置に、操作誘導演出用データDHn6aに従って、操作誘導キャラクタ(操作レバーキャラクタLVC)及び「引け!」を所定時間だけ表示させる処理を実行する。演出制御基板320は、操作誘導キャラクタ表示後の操作有効期間内に操作レバースイッチSWLVから操作信号が入力されると、キャラクタ表示用データDHn2に従って、「大当たり」の場合は「完成句」を表示し、最後に変動図柄確定処理を実行する。この一発告知演出においては、操作レバーキャラクタLVCを表示する処理を実行するとき、演出制御基板320は、発光演出用データ(操作レバー)DHn6c1、出没演出用データ(操作レバー)DHn6c2に従って、ソレノイドSOLlvによる操作レバー突出演出と、発光装置LEDlvによる操作レバー発光演出とを実行する。また、操作レバースイッチSWLVから操作信号が入力されたとき、演出制御基板320は、振動演出用データ(操作レバー)DHn6c3に従って操作レバー振動演出を実行する。
なお、抽選結果が「大当たり」の場合にレバー操作がなされなくても、正しい「完成句」を表示し、大当たり図柄の確定処理を実行する。逆に、抽選結果が「リーチはずれ」の場合は、レバー操作がなされたとしても「はずれ図柄」の確定処理を実行する。
一方、本実施例においては、こうした操作誘導演出に対する操作部材の操作の有無に関係なく、図11(D)の例の様に変動演出を進行させる「オート操作」の設定が可能となっている。また、そもそも操作誘導演出を実行させない設定も可能であって、その場合は、図11(D)の2段目の図において操作誘導演出におけるキャラクタ表示を行うことなく、百人一首の「完成句」の表示を行いつつ変動図柄確定演出を実行したり、図10(D)に示した様に、変動ゲーム中演出データDHnとして操作部材演出を行わない構成のデータを選択する設定とすることも可能となっている。
[9.6 振動演出]
次に、振動体制御基板100を介して実行する振動演出について説明する。振動演出は、図12(A)に示す制御系統により、変動演出中に、振動発生装置VBRpb,VBRlvの一方又は両方に、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、及び「混合振動波形」のいずれかの共振状態による振動を発生させる演出として実行される。
演出制御基板320は、振動体制御基板110に変動演出中の振動演出を実施させるため、図12(B),(C)に示す「振動体制御信号出力ルーチンA」、又は「振動体制御信号出力ルーチンB」を実行する。
まず、「振動体制御信号出力ルーチンA」について説明する。このルーチンでは、演出制御基板320のマイコンは、主制御基板310からの変動指令に対応して読み出した変動ゲーム中演出データDHnが、振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含んでいるか否かを判定する(S810)。振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含んでいる場合は(S810:YES)、当該データに基づいて振動演出に用いる振動発生装置を決定する(S820)。この決定では、プッシュボタンPBを振動させるプッシュボタン用振動発生装置VBRpbと、操作レバーLVを振動させる操作レバー用振動発生装置VBRlvの内、一方、又は両方を、振動演出に用いる振動発生装置として決定する。いずれに決定するかは、振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含む変動指令が属する「信頼度グループ」による。
演出制御基板320のマイコンは、次に、発生させる振動パターンに対応する周波数を決定する(S830)。振動パターンは、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、及び「混合振動波形」の中から、いずれか一つの波形を決定する。ここでも、いずれの振動パターンに決定するかは、振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含む変動指令が属する「信頼度グループ」による。なお、周波数は、振動パターンを「A方向振動波形」とするときは「第1の周波数f1」、「B方向振動波形」とするときは「第2の周波数f2」、「混合振動波形」とするときは「第1の周波数f1」→「第2の周波数f2」と途中で周波数を変化させるパターンとなる。
演出制御基板320のマイコンは、次に、振動演出に用いる振動発生装置を備えた操作部材(プッシュボタンPB、操作レバーLV)のスイッチ(プッシュボタンスイッチSWPB、操作レバースイッチSWLV)からスイッチ信号が入力されたか否かを判定する(S840)。この判定は、設定時間がタイムオーバーとなるまで繰り返し実行される(S850)。
設定時間がタイムオーバーとなる前にスイッチ信号が入力された場合は(S840:YES)、振動体制御基板100に対する制御信号PULSCMNDを出力する(S860)。ここで、制御信号PULSCMNDは、振動させる装置と周波数とを特定する指令として構成されている。なお、今回の変動演出のために読み出した変動ゲーム中演出データDHnが、振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含んでいない場合は(S810:NO)、S820以下の処理をパスする。また、スイッチ信号が入力されることなくタイムオーバーとなった場合は(S850:YES)、制御信号PULSCMNDを出力することなく処理を終了する。
次に、「振動体制御信号出力ルーチンB」について説明する。このルーチンにおいても、演出制御基板320のマイコンは、主制御基板310からの変動指令に対応して読み出した変動ゲーム中演出データDHnが、振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含んでいるか否かを判定する(S910)。振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を含んでいる場合は(S910:YES)、当該データに基づいて振動演出に用いる振動発生装置を決定すると共に(S920)、発生させる振動パターンに対応する周波数を決定する(S930)。S920,S930の処理は、S820,S830と同様に構成されている。
このルーチンでは、S920,S930による決定がなされたら、直ちに、振動体制御基板100に対する制御信号PULSCMNDを出力する(S940)。なお、S910が「NO」のときは、S920以下の処理をパスする。
振動体制御基板100は、演出制御基板320からの制御信号PULSCMNDが入力されたら、当該制御信号によって特定される振動発生装置のコイルVR12に対して当該制御信号によって特定される周波数のパルス信号を通電する。これにより、対象となる振動発生装置の振動体VR1が「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」のいずれかの共振状態による振動を発生させる。
「振動体制御信号出力ルーチンA」が実行された場合は、プッシュボタンPB又は操作レバーLVが遊技者によって操作された状態で、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」による振動を発生させるから、遊技者は、自身が操作したプッシュボタンPB又は操作レバーLVを介して、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」による共振状態を手の平から体感することになる。
「振動体制御信号出力ルーチンB」が実行された場合は、プッシュボタンPB又は操作レバーLVの操作の有無に拘わらず、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」による振動を発生させるから、遊技者がプッシュボタンPB又は操作レバーLVを操作していなくても、プッシュボタンPB又は操作レバーLVの振動として視覚を通じて振動演出を体験することができる。なお、この場合にあっても、遊技者がプッシュボタンPB又は操作レバーLVに触れるなら、手の平からも振動演出を体験することができる。
本実施例においては、「振動体制御信号出力ルーチンA」と「振動体制御信号出力ルーチンB」のいずれが実行されるかは、主制御基板310から入力された変動指令が属する「信頼度グループ」によって定まる構成とする。例えば、遊技者が操作部材を操作しなくても振動を発生させる「振動体制御信号出力ルーチンB」は、信頼度が高い場合に選択され易く、信頼度が低い場合には選択され難い設定とする用に信頼度グループを構成しておくことができる。
また、各ルーチンにおいて、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」のいずれが選択されるかは、主制御基板310から入力された変動指令が属する「信頼度グループ」によって定まる構成とする。例えば、「混合振動波形」は、信頼度が高い場合に選択され易く、信頼度が低い場合には選択され難い設定とする用に信頼度グループを構成しておくことができる。
なお、「振動体制御信号出力ルーチンA」が実行される場合の変動演出においては、プッシュボタンPB又は操作レバーLVのキャラクタ画像を液晶表示装置LCDに出現させ、「押せ!」又は「引け!」といったメッセージを文字や音声で出力する構成となっている。
[10 操作部材演出カスタマイズ]
[10.1 操作部材演出オート設定画面]
次に、操作部材演出カスタマイズについて説明する。デモ画面から操作部材演出カスタマイズを開くと、演出制御基板320は、「操作部材演出オート設定画面」を液晶表示装置LCDに表示する。このとき、演出制御基板320は、「戻りボタン」も液晶表示装置LCDに表示する。
「操作部材演出オート設定画面」は、図13(A)に示す様に、リセットボタンBTN0、カスタマイズボタンBTN1,BTN2を選択肢として備えている。ボタンの選択は、十字キーJKで実行することができる。
遊技者がリセットボタンBTN0を選択してプッシュボタンPBで確定操作を実行すると、演出制御基板320は、操作部材演出カスタマイズ情報をリセットし、デモ画面に戻る。なお、遊技者が「戻りボタン」にカーソルを合わせてプッシュボタンPBを押下した場合は、演出制御基板320は、液晶表示装置LCDの表示内容をデモ画面に戻す。
「操作部材演出オート設定画面」において遊技者がカスタマイズボタンBTN1を選択してプッシュボタンPBで確定操作を実行すると、演出制御基板320は、「演出態様別オート設定画面」を液晶表示装置LCDに表示する。このとき、演出制御基板320は、「決定ボタン」、「戻りボタン」も液晶表示装置LCDに表示する。
「演出態様別オート設定画面」は、図13(B)に示す様に、「台詞演出」,「長押し演出」,「連打演出」,「分岐演出」,「一発告知演出」といった演出の態様ごとに、プッシュボタンオート,操作レバーオートのそれぞれについて、オ−トON/オートOFFを設定・変更することができる様に構成されている。
演出制御基板320は、十字キーJKの操作に応じてカーソル移動を行い、プッシュボタンPBが押下されるごとに「OFF→ON」、「ON→OFF」の表示を切り換える。本実施例では、操作レバーLVを用いる操作部材演出は一発告知演出のみとしている。また、全ての操作部材演出に対する「オールオート」の設定も可能となっている。
遊技者が「決定ボタン」にカーソルを合わせてプッシュボタンPBを押下すると、演出制御基板320は、表示内容に対応する様に、操作部材演出カスタマイズ情報を設定し、デモ画面に戻る。なお、遊技者が「戻りボタン」にカーソルを合わせてプッシュボタンPBを押下した場合は、演出制御基板320は、液晶表示装置LCDの表示内容を「操作部材演出オート設定画面」へと戻す。
「操作部材演出オート設定画面」において遊技者がカスタマイズボタンBTN2を選択してプッシュボタンPBで確定操作を実行すると、演出制御基板320は、「信頼度グループ別オート設定画面」を液晶表示装置LCDに表示する。このとき、演出制御基板320は、「決定ボタン」、「戻りボタン」も液晶表示装置LCDに表示する。
「信頼度グループ別オート設定画面」は、図13(C)に示す様に、A,B,C,D,Eといった信頼度グループごとに、「オールオート」、「プッシュボタンオート」、「操作レバーオート」を設定可能となっている。「プッシュボタンオート」については、「単発オート」,「長押しオート」,「オート連打」,「長押しオート連打」,「一発告知オート」といった操作誘導演出の態様ごとにON/OFF切り換えが可能となっている。「操作レバーオート」については「一発告知オート」についてON/OFF切り換えが可能となっている。「オールオート」は、各信頼度グループごとにプッシュボタンPB及び操作レバーLVの両方についてオート設定とするための欄となっている。
演出制御基板320は、十字キーJKの操作に応じてカーソル移動を行い、プッシュボタンPBが押下されるごとに「OFF→ON」、「ON→OFF」の表示を切り換える。
遊技者が「決定ボタン」にカーソルを合わせてプッシュボタンPBを押下すると、演出制御基板320は、表示内容に対応する様に、操作部材演出カスタマイズ情報を設定し、デモ画面に戻る。なお、遊技者が「戻りボタン」にカーソルを合わせてプッシュボタンPBを押下した場合は、演出制御基板320は、液晶表示装置LCDの表示内容を「操作部材演出オート設定画面」へと戻す。
[10.2 操作部材演出カスタマイズ情報設定処理]
演出制御基板320は、図14(A)に示す制御系統により、遊技者によるプッシュボタンPB及び十字キーJKの操作に従って「操作部材演出カスタマイズ情報設定処理」を実行する。
演出制御基板320は、デモ画面表示中に遊技者による「操作部材演出オート設定画面」の表示操作がなされると、図14(B)に示す様に、「設定メイン画面(図13(A)参照)」を液晶表示装置LCDに表示する(S1000)。「設定面画面」には、リセットボタンBTN0、カスタマイズボタンBTN1,BTN2、に加えて戻りボタンが表示されている。
遊技者が、十字キーJKを操作してカスタマイズボタンBTN1にカーソルを合わせ、プッシュボタンPBを押下すると、演出制御基板320は「S1010:YES」と判断し、「演出態様別オート設定画面(図13(B)参照)」を液晶表示装置LCDに表示する(S1020)。その後、演出制御基板320は、遊技者による十字キーJK及びプッシュボタンPBの操作に応じて、演出態様別に「オート操作:ON/OFF」の選択状況を一時記憶する(S1030)。この一時記憶処理は、遊技者による「戻りボタン」の押下(S1040:YES)、または「決定ボタン」の押下(S1050:YES)と判断するまで実行される。
遊技者による「戻りボタン」の押下があったときは(S1040:YES)、S1000に戻る。一方、遊技者による「決定ボタン」の押下があったときは(S1050:YES)、S1030で一時記憶したカスタマイズ情報をRAM320cの「演出態様別カスタマイズ情報記憶部」に設定し(S1060)、デモ画面表示へと復帰する(S1070)。
遊技者が、十字キーJKを操作してカスタマイズボタンBTN2にカーソルを合わせ、プッシュボタンPBを押下すると、演出制御基板320は「S1110:YES」と判断し、「信頼度グループ別オート設定画面(図13(C)参照)」を液晶表示装置LCDに表示する(S1120)。その後、演出制御基板320は、遊技者による十字キーJK及びプッシュボタンPBの操作に応じて、信頼度グループ別に「オート操作:ON/OFF」の選択状況を一時記憶する(S1130)。この一時記憶処理は、遊技者による「戻りボタン」の押下(S1140:YES)、または「決定ボタン」の押下(S1150:YES)と判断するまで実行される。
遊技者による「戻りボタン」の押下があったときは(S1140:YES)、S1000に戻る。一方、遊技者による「決定ボタン」の押下があったときは(S1150:YES)、S1030で一時記憶したカスタマイズ情報をRAM320cの「信頼度グループ別カスタマイズ情報記憶部」に設定し(S1160)、デモ画面表示へと復帰する(S1070)。
遊技者が、十字キーJKを操作してリセットボタンBTN0にカーソルを合わせ、プッシュボタンPBを押下すると、演出制御基板320は「S1210:YES」と判断し、RAM320cの演出カスタマイズ情報記憶部を初期設定状態に戻し(S1260)、s1000へと戻る。これにより、遊技者は、まず初期化してから、自身の好みの設定を行うことができる。
遊技者が、十字キーJKを操作して「戻りボタン」にカーソルを合わせ、プッシュボタンPBを押下すると、演出制御基板320は「S1310:YES」と判断し、デモ画面表示へと復帰する(S1070)。
なお、演出カスタマイズ情報は、「設定メイン画面」でのリセットボタンBTN0の押下による初期化のほかに、図14(C)に示す様に、主制御基板310においてRAMクリア信号の入力時(S1410:YES)、電源断検出時に(S1420:YES)、カスタマイズ情報初期化指令出力(S1430)が実行されたときは、遊技者の操作に関係なく、強制的に初期化される。
[10.3 オート操作演出制御処理]
演出制御基板320は、図15(A)に示す制御系統により、オート操作設定を反映した演出制御を実行する。このオート操作設定を反映した演出制御処理は、図9(B)で説明した変動演出ルーチンのS430に続けて15(B)に示すルーチンを実行することによってなされる。
演出制御基板320は、図15(B)に示す様に、主制御基板310から変動コマンドを受信した後、RAM320cの「演出カスタマイズ情報記憶部」の設定内容を参照し、オート設定の有無を判定する(S1510)。オート設定がなされていない場合は(S1510:NO)、図9(B)の変動演出制御ルーチンのS440の処理へと進む。
オート設定がなされている場合は(S1510:YES)、演出制御基板320は、オート設定の対象が「演出態様別カスタマイズ情報記憶部」に対する設定であるか否かを判定する(S1520)。
「演出態様別カスタマイズ情報記憶部」に対するオート設定である場合は(S1520:YES)、演出制御基板320は、「オールオート」の設定であるか否かを判定する(S1530)。
「オールオート」の設定である場合は(S1530:YES)、演出制御基板320は、変動ゲーム中演出データDHとして「オールオート演出用データ」を選択した上で(S1540)、S440の処理へと進む。ここで、「オールオート演出用データ」は、図10(D)に例示した様に、操作誘導演出も、後述する疑似操作信号の設定もすることなく実行する特定演出用のデータである。
「オールオート」でない場合は(S1530:NO)、S440の処理と同様の処理によって飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定し(S1550)、変動ゲーム中演出データDHが「操作部材演出」となっているか否かを判定する(S1560)。「操作部材演出」でない場合は(S1560:NO)、演出制御基板320は、S440の処理へと進む。
一方、「操作部材演出」である場合は(S1560:YES)、演出制御基板320は、さらに、「オート設定対象」となっている演出用データであるか否かを判定する(S1570)。「オート設定対象」となっている演出用データである場合は(S1570:YES)、演出制御基板320は、操作誘導演出用データDHn6をキャンセルし、疑似操作信号を設定した後(S1580)、S450の処理へと進む。
このS1580の処理が実行されると、図10(C)に例示した様に、操作誘導演出におけるキャラクタ表示を行うことなく、百人一首の「上の句」「下の句」「完成句」の表示を行いつつ変動図柄確定演出が実行されることになる。なお、「オート設定対象」となっていない演出用データである場合は(S1570:NO)、演出制御基板320は、S440の処理へと進み、操作誘導演出から実行する。
これに対し、「オート設定」が「演出態様別カスタマイズ情報記憶部」に対するものでない場合は(S1510:YES→S1520:NO)、演出制御基板320は、「信頼度グループ別カスタマイズ情報記憶部」において、全グループが「オールオート」に設定されているか否かを判定する(S1610)。全グループが「オールオート」に設定されている場合は(S1610:YES)、演出制御基板320は、S1540の処理へと進み、変動ゲーム中演出データDHとして「オールオート演出用データ」を選択した上でS440の処理へと進む。
これに対し、全グループが「オールオート」に設定されていない場合は(S1610:NO)、演出制御基板320は、S1550の処理へと進む。
[11 実施例1による作用・効果]
実施例1のパチンコ機P1によれば、プッシュボタンPB等の操作の関与に応じて演出の実行態様に変化を生じる特定演出を複数種類実行することができる(台詞演出、分岐演出等)。この様な特定演出は、抽選の結果に対応する演出実行期間の中で操作手段の操作の関与に応じて演出の実行態様に変化を生じさせる演出用データ(DHn6)に基づいて演出制御基板320が実行する。演出制御基板320は、操作部材演出カスタマイズ情報設定処理(図14)により、プッシュボタンPB等の操作と関与との関係を、遊技者が自分の趣味・趣向に応じて設定したり変更したりすることができる。しかも、このとき、遊技者は、プッシュボタンPB等の操作と関与との関係を演出態様別、信頼度グループ別といった具合に、特定演出ごとに設定・変更し、あるいは特定演出の性格ごとに設定・変更することができる。この結果、ある特定演出ではプッシュボタンPB等の操作を待たずに実行態様を変化させた演出を楽しみ、他の特定演出ではプッシュボタンPB等の操作に応じて実行態様が変化する演出を楽しむ、等といった具合に、遊技者の趣味・趣向に合わせた演出カスタマイズが可能となる。
そして、ある遊技者の趣味・趣向に基づいてなされた演出カスタマイズは、例えば、遊技ホールの閉店時や開店時における電源断やRAMクリアなどの所定条件が成立した場合に初期状態に戻される。このれにより、翌日、他の遊技者が遊技する際に、前日の遊技者による演出カスタマイズを押しつけられることがない。また、初期設定状態となっているから、翌日、他の遊技者が自分の好みに対応する様に演出カスタマイズを実行する際に、必要な箇所だけ初期設定から変更するだけでよい。この結果、演出カスタマイズの利便性がより一層向上する。
本実施例では、さらに、遊技者がカスタマイズを行う際に、リセットボタンBTN0を押下して初期状態にしてから設定を行うことが可能となっている。これにより、細かな設定ができる反面、既に誰かがオート/非オートを自分の趣味・趣向に合わせて設定した後に他の遊技者が自分の趣味・趣向に合わせた設定に変更したいといったとき、一旦すべてを非オートに戻すことで、設定操作における内容確認の煩わしさを軽減することが可能となっている。
また、プッシュボタンPBはオート、操作レバーLVは非オートといった具合に、操作手段の種類に応じた設定を、演出態様別、信頼度グループ別といった演出ごとに設定が可能である。そして、こうした演出ごとの設定にあたり、「演出態様別」「信頼度グループ別」といった関連性をもった演出群に対して設定できるから、細かな設定をするに当たっての遊技者の手間をなくすことも可能となっている。
さらに、「演出態様別設定」において「オールオート」としたり、「信頼度グループ別設定」において「全グループ」を「オールオート」とした場合は、疑似操作信号によることなく「オールオート演出用データ」を用いる構成としているから、違和感を与えることなく、遊技者の趣味・趣向に合わせた演出カスタマイズの結果を楽しませることができる。
本実施例によれば、遊技者の好みに応じた演出カスタマイズを容易に実行可能にすることができる。
[12 変形例]
[12.1 変形例1]
変形例1の遊技機は、実施例1の構成に加えて、変動表示演出用の液晶表示装置LCDとは別に「サブ液晶表示装置」を備えさせ、サブ液晶表示装置のタッチ操作によって「操作部材演出オート設定画面」をサブ液晶表示装置に表示し、「操作部材演出カスタマイズ情報」の設定・変更を行う様に構成する。変形例1の遊技機によれば、変動演出表示や大当たり演出表示が行われている状況下でもカスタマイズ情報の設定・変更が可能となり、遊技者によるカスタマイズの自由度を一層高めることができる。
[12.2 変形例2]
変形例2の遊技機は、実施例1のS1580の処理について、演出制御基板320は、操作誘導演出用データDHn6をキャンセルせずに、疑似操作信号を設定する構成とし、操作誘導表示を行った後の操作有効期間内に遊技者による操作がなされた場合は、その操作によって検出した操作信号に基づいて演出を実行する構成とする。変形例2の遊技機によれば、「オート操作=ON」が設定されていても操作誘導表示を行い、遊技者の操作があった場合は、当該操作を有効なものとして操作誘導演出を実行するから、一旦オート設定にしていても、遊技者がこの演出には参加したいと考えた場合は非オート設定の場合と同様の間隔で操作部材演出を楽しませることができる。また、演出制御基板320は、この処理を「演出カスタマイズ情報」を変更することなく実行する。従って、遊技者は、再度オート設定の作業を行わなくても、オート設定を基本とした操作部材演出をこの後も楽しむことができる。
[12.3 変形例3]
変形例3の遊技機は、実施例1の構成に加えて、遊技者によって「演出態様別:一発告知演出」について「プッシュボタン:オート操作=ON」、「操作レバー:オート操作=ON」が設定されていても、「信頼度グループ別:グループX(大当たり信頼度=極めて高い)」について「プッシュボタン/一発告知」や「操作レバー/一発告知」について「オート操作=OFF」にされているなら、信頼度グループ別の設定を優先してオート操作=OFFの操作部材演出を実行する構成とする。変形例3の遊技機によれば、大当たり信頼度が極めて高い場合については、操作部材演出におけるプッシュボタンPBや操作レバーLVの振動を遊技者に体感させ、当該遊技機に対する興趣を高めることができる。
[12.4 変形例4]
変形例4の遊技機は、実施例1の構成に加えて、遊技者が「演出態様別:一発告知演出」について「プッシュボタン:オート操作=ON」、「操作レバー:オート操作=ON」が設定されていても、大当たり確定状態の変動演出であるときに限って、「オート操作=OFF」の条件で操作部材演出を実行する構成とする。変形例4の遊技機によれば、大当たり確定状態におけるプッシュボタンPBや操作レバーLVの振動を遊技者に体感させることが可能となり、当該遊技機に対する興趣を高めることができる。
[12.5 変形例5]
変形例5の遊技機は、実施例1の構成に加えて、「大当たり確定時」の振動演出用データDHn6b3,DHn6c3を「混合振動波形」を生じさせるデータとして構成し、遊技者が「演出態様別」の「一発告知演出」、あるいは「信頼度グループ別」の「一発告知」について「オート操作=ON」が設定されていても、変動パターンに従って選択した「変動ゲーム中演出データDH」が「振動演出用データDHn6b3,DHn6c3=混合振動波形」を含んでいる場合は「オート操作=OFF」の条件で操作部材演出を実行し、「振動演出用データDHn6b3,DHn6c3=A方向振動波形又はB方向振動波形」を含んでいる場合は「オート操作=ON」の条件で操作部材演出を実行する構成とする。変形例5の遊技機によれば、大当たり確定状態においてはプッシュボタンPBや操作レバーLVの発光演出,突出演出と共に操作部材の操作に対応して複雑に変化する「混合振動波形」による振動を遊技者に体感させることが可能となり、いわゆるプレミアム演出を実感させ、当該遊技機に対する興趣を高めることができる。
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例及び変形例を説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
例えば、遊技者に演出への参加をさせるプッシュボタンや操作レバーを備えさせたスロットマシンに、本発明を適用することができる。