JP2020068449A - 超音波スピーカ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、特許文献1に開示された超音波スピーカでは、振動膜のうちの超音波を放射する部分が、円弧状に突き出した形状とされている。具体的には、振動膜が、複数の穴を有するスペーサで挟み込まれ、穴に空気圧又はグラスウールが充填されて圧力が加えられることで、円弧状に突き出した形状とされている。
また、特許文献2に開示された超音波スピーカでは、オーディオ信号を印加するための交流回路に加え、直流バイアスを印加するための電気回路が別途必要になる。
実施の形態1.
図1,2は実施の形態1に係る超音波スピーカ1の構成例を示す図であり、図3は実施の形態1における振動膜12の構成例を示す図であり、図4は実施の形態1における電極膜123〜125の接続例を示す図である。図1は超音波スピーカ1の組立て前の状態を示す図であり、図2は超音波スピーカ1の組立て後の状態を示す図である。また、図1〜3では、印加部13の図示を省略している。
超音波スピーカ1は、超音波を空気中に放射する。この超音波スピーカ1は、図1〜4に示すように、フレーム11、振動膜12及び印加部13を備えている。また、振動膜12は、圧電性膜(第1の圧電性膜)121、圧電性膜(第2の圧電性膜)122、電極膜(第1の電極膜)123、電極膜(第2の電極膜)124及び電極膜(第3の電極膜)125を有するバイモルフ構造の振動膜である。
図1,2では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、電極膜123の下辺がフレーム11の下辺に位置し、電極膜123の上辺が開口111の上辺よりも下側に位置するように、電極膜123の長さが設計されている。また、図1,2では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、スリット1231のうちのT字の縦棒部分が開口111内に位置し、T字の横棒部分が開口111の下辺に位置するように、電極膜123上でのスリット1231の位置が設計されている。
図1,2では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、電極膜124の上辺がフレーム11の上辺に位置し、電極膜124の下辺が開口111の下辺よりも上側に位置するように、電極膜124の長さが設計されている。また、図1,2では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、スリット1241のうちのT字の縦棒部分が開口111内に位置し、T字の横棒部分が開口111の上辺に位置するように、電極膜124上でのスリット1241の位置が設計されている。
図1,2では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、電極膜125の下辺がフレーム11の下辺に位置し、電極膜125の上辺が開口111の上辺よりも下側に位置するように、電極膜125の長さが設計されている。また、図1,2では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、スリット1251のうちのT字の縦棒部分が開口111内に位置し、T字の横棒部分が開口111の下辺に位置するように、電極膜125上でのスリット1251の位置が設計されている。
なお図1,2では、電極膜123〜125は全て同一(略同一の意味を含む)形状に構成されている。
また、振動膜12のうちの導電性パターンのない領域における圧電性膜121,122同士の接合は、接着又は圧着等により実施される。図3,4では、圧電性膜121,122間における接着剤の図示を省略している。
図4に示すように、電極の極性は、電極膜123及び電極膜125が同じ極性になる。図4において、(+)及び(−)は極性を示している。
まず、印加部13が、電極膜123,125を+極とし、電極膜124を−極とするように電気信号を印加した場合について説明する。この場合、図5に示すように、振動膜12の電極膜123〜125で挟まれた領域に生じた電界による圧電効果によって、上側の圧電性膜121は縮み、下側の圧電性膜122は伸びる。その結果、振動膜12は、フレーム11の開口111における一対の辺を固定点として中央に向かって上方向に反り曲り、略台形の断面形状で上方向に突き出る。
ΔL=(3/4)×(L/t)2×d31×V (1)
図7,8では、電極膜124には凸部1242,1243が構成されず、圧電性膜121,122のほぼ全面が電極とされている。この場合でも、振動膜12のうちの電極膜123〜125が対向する領域だけに電界が生じるため、上記と同様に、必要な領域だけに電界が生じることになる。
図9,10は実施の形態2に係る超音波スピーカ1の構成例を示す図である。図9,10に示す実施の形態2に係る超音波スピーカ1は、図1,2に示す実施の形態1に係る超音波スピーカ1に対し、圧電性膜121,122の形状を変更している。図9,10に示す実施の形態2に係る超音波スピーカ1のその他の構成は、図1,2に示す実施の形態1に係る超音波スピーカ1の構成と同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、スリット1211のうちのH字の横棒部分が開口111内に位置し、H字の一方の縦棒部分が開口111の下辺に位置し、H字の他方の縦棒部分が開口111の上辺に位置するように、圧電性膜121上でのスリット1211の位置が設計されている。
図9では、振動膜12がフレーム11に搭載された際に、スリット1221のうちのH字の横棒部分が開口111内に位置し、H字の一方の縦棒部分が開口111の下辺に位置し、H字の他方の縦棒部分が開口111の上辺に位置するように、圧電性膜122上でのスリット1221の位置が設計されている。
印加部13が、電極膜123,125を+極とし、電極膜124を−極とするように電気信号を印加すると、振動膜12の電極膜123〜125で挟まれた領域に生じた電界による圧電効果によって、上側の圧電性膜121は縮み、下側の圧電性膜122は伸びる。その結果、振動膜12は、フレーム11の開口111における一対の辺を固定点として中央に向かって上方向に反り曲り、略台形の断面形状で上方向に突き出る。この際、振動膜12における略台形の断面形状の上底部分(図10に示す符号1001部分)はスリット1211,1221により隙間があるため、実施の形態1では生じた張力が、実施の形態2では生じない。すなわち、実施の形態2に係る超音波スピーカ1では、振動膜12が上方向に曲がるのを抑制する力が発生しない。印加部13が、電極膜123,125を−極とし、電極膜124を+極とするように電気信号を印加した場合についても同様である。よって、実施の形態2に係る超音波スピーカ1では、実施の形態1に係る超音波スピーカ1に対し、振動膜12が振幅し易くなり、より高い音圧を得ることができる。
Claims (3)
- 振動膜と、
主面に開口を有し、主面に前記振動膜が搭載されたフレームと、
前記振動膜に電気信号を印加する印加部とを備え、
前記振動膜は、
分極した第1の圧電性膜と、
一面が前記第1の圧電性膜の一面に対向し、分極方向が当該第1の圧電性膜と同じ方向である第2の圧電性膜と、
前記第1の圧電性膜の他面に設けられた第1の電極膜と、
前記第1の圧電性膜の一面と前記第2の圧電性膜の一面との間に設けられた第2の電極膜と、
前記第2の圧電性膜の他面に設けられた第3の電極膜とを有し、
前記印加部は、前記第1の電極膜及び前記第3の電極膜と前記第2の電極膜との間に電気信号を印加し、
前記第1の電極膜、前記第2の電極膜及び前記第3の電極膜のうちの1つ以上の電極膜は、スリットを有することで前記開口における一対の辺から各々突出した凸部を有する形状に構成された
ことを特徴とする超音波スピーカ。 - 前記第1の圧電性膜は、スリットを有することで前記開口における一対の辺から各々突出した凸部を有する形状に構成され、
前記第2の圧電性膜は、スリットを有することで前記開口における一対の辺から各々突出した凸部を有する形状に構成された
ことを特徴とする請求項1記載の超音波スピーカ。 - 前記第1の圧電性膜及び前記第2の圧電性膜は、高分子樹脂圧電材又は複合物圧電材から構成された
ことを特徴する請求項1又は請求項2記載の超音波スピーカ。
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