JP2020067390A - 風車翼の品質評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層体からなる風車翼の品質を効果的且つ簡易的に評価する。【解決手段】積層体を含む外皮によって内部空間が囲まれた中空構造を有する風車翼の品質評価方法であって、風車よくの外皮の内壁面又は外壁面の少なくとも一部に走査ラインを設定し、超音波プローブを走査する。超音波プローブの位置及び反射エコーに基づいて走査ラインに対応する断面画像を作成し、エコーレベルが第1閾値より大きなインディケーションを検出する。そして基準ラインに対するインディケーションの傾きを第1パラメータとして求め、当該第1パラメータに基づいて前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する。【選択図】図6

Description

本開示は、積層体を含む風車翼の品質評価方法に関する。
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等の繊維強化プラスチックを含む積層体で形成される風車翼が知られている。この種の風車翼では、内部に積層体のうねりなどの発生や、こうした事象も原因となる欠陥として剥離(Delamination)などが生じ、風車翼の剛性等の品質に影響を与えることがある。そのため、製造時や運用中のメンテナンス時に風車翼を検査することにより、これらを検査する必要がある。例えば特許文献1には、積層体を含む風車翼をスキャンすることで積層体内部の状況を検出し、当該状況について長さや高さ等のパラメータを測定することにより、風車翼の強度を評価する方法が開示されている。
米国特許第8418560号明細書
上記特許文献1では、風車翼の外皮に存在する積層体内部の状況について、長さや高さ等の形状に関するパラメータを用いた強度評価を行っている。これは、外皮中の状況について局所的な評価を行っており、例えば、積層体のうねりや剥離のような広がりをもった要素の評価には馴染まない。また積層体に存在するうねりや剥離は、その形状を明確に特定することが難しい場合があり(例えば、正常領域との境界が不明瞭な場合があり)、上記特許文献1の技術では評価が難しい。またこのような状況に関する形状に基づく評価を精度よく行うためには、外皮に存在する形状的特徴を正確に把握する必要がある。しかしながら、このような形状的特徴を精度よく測定するためには、スキャン回数を多くする必要があり、検査にかかる時間やコストが増大してしまうおそれがある。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、積層体からなる風車翼の品質を効果的且つ簡易的に評価することが可能な風車翼の品質評価方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の品質評価方法は上記課題を解決するために、
積層体を含む外皮によって内部空間が囲まれた中空構造を有する風車翼の品質評価方法であって、
前記外皮の内壁面又は外壁面の少なくとも一部に設定された少なくとも一つの走査ラインに従って超音波プローブを走査する超音波プローブ走査工程と、
前記走査ライン上における前記超音波プローブの位置、及び、前記位置における反射エコーに基づいて、前記走査ラインに対応する前記外皮の断面画像を作成する断面画像作成工程と、
前記断面画像からエコーレベルが第1閾値より大きなインディケーションを検出するインディケーション検出工程と、
前記走査ライン又は前記断面画像に含まれる基準ラインに対する前記インディケーションの傾きを第1パラメータとして求める第1パラメータ算出工程と、
前記第1パラメータに基づいて前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する評価工程と、
を備える。
上記(1)の方法によれば、超音波プローブ走査によって得られた断面画像に含まれるインディケーションの傾きから、積層体からなる外皮に含まれるうねりを第1パラメータとして定量的に検出することで、風車翼の品質を効果的且つ簡易的に評価できる。
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の方法において、
前記断面画像からエコーレベルが前記第1閾値より大きく設定される第2閾値より大きなデラミネーションを検出するデラミネーション検出工程と、
前記デラミネーションの特徴量を第2パラメータとして求める第2パラメータ算出工程と、
を更に備え、
前記評価工程では、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する。
上記(2)の方法によれば、積層体からなる外皮に含まれるデラミネーションを第2パラメータとして定量的に検出し、前述のインディケーションのうねりに関する第1パラメータとともに評価指標として用いることで、風車翼の品質をより的確に評価できる。
(3)幾つかの実施形態では上記(2)の方法において、
前記第1パラメータ又は前記第2パラメータが大きくなるに従って前記風車翼の寿命が減少し、及び/又は、前記破損リスクが大きくなるように、前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する。
上記(3)の方法によれば、測定によって得られた第1パラメータ及び第2パラメータの大きさに基づいて、風車翼の寿命や破損リスクを定量的に評価できる。
(4)幾つかの実施形態では上記(2)又は(3)の方法において、
前記第2パラメータは、前記デラミネーションの前記走査ラインに沿った長さである。
上記(4)の方法によれば、第2パラメータとしてデラミネーションの翼長方向に沿った長さを採用することで、風車翼の寿命や破損リスクを的確に評価できる。
(5)幾つかの実施形態では上記(2)又は(3)の方法において、
前記デラミネーション検出工程で前記断面画像から前記デラミネーションが複数検出された場合、前記第2パラメータは、前記デラミネーションの各々の翼長方向に沿った合計長である。
上記(5)の方法によれば、単一の断面画像に複数のデラミネーションが検出された場合には、その合計長を第2パラメータとして採用することで、風車翼の寿命や破損リスクをより的確に評価できる。
(6)幾つかの実施形態では上記(2)から(5)のいずれか一方法において、
前記少なくとも一つの走査ラインは、互いに平行に延在する複数の走査ラインを含み、
前記複数の走査ラインのうち少なくとも2つの走査ラインで前記デラミネーションが検出された場合、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量の合計を前記第2パラメータとする。
上記(6)の方法によれば、第2パラメータとして、異なる走査ライン上で検出されたデラミネーションの特徴量の合計を用いることで、外皮における二次元的なデラミネーションの広がりを考慮した品質評価が可能となる。
(7)幾つかの実施形態では上記(6)の方法において、
前記第2パラメータは、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量を、前記デラミネーションの深さに従って大きく設定される重み付けで合計することにより求められる。
上記(7)の方法によれば、第2パラメータとして、異なる走査ライン上で検出されたデラミネーションの特徴量の合計を求める際に、各デラミネーションの深さに応じた重み付けがなされる。これにより、デラミネーションの深さ位置による外皮の寿命又は破損リスクへの影響を加味した品質評価ができる。
(8)幾つかの実施形態では上記(6)の方法において、
前記第2パラメータは、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量を、前記断面画像で検出された前記デラミネーションの数に従って設定される重み付け係数を用いて合計することで求められる。
上記(8)の方法によれば、第2パラメータとして、異なる走査ライン上で検出されたデラミネーションの特徴量の合計を求める際に、各走査ラインに対応する断層画像に含まれるデラミネーションの数に応じた重み付けがなされる。これにより、各走査ライン上に存在するデラミネーションの数による外皮の寿命又は破損リスクへの影響を加味した品質評価ができる。
(9)幾つかの実施形態では上記(2)から(8)のいずれか一方法において、
前記外皮は、前記風車翼の圧力側及び吸込側にそれぞれ対応する第1部材及び第2部材が互いに結合されることで構成されており、
前記複数の走査ラインは、前記第1部材及び前記第2部材の各々について、前記翼長方向に沿った中心線の両側に分布するように設定される。
上記(9)の方法によれば、風車翼を構成する第1部材及び第2部材の各々において、翼長方向に沿った中心線の両側に分布するように走査ラインを設定することで、翼強度への影響が大きく、また経験的に欠陥などが発生しやすい当該部分を重点的に品質評価できる。
(10)幾つかの実施形態では上記(9)の方法において、
前記第2パラメータは、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量を、前記走査ラインと前記中心線との距離が小さくなるに従って大きく設定される重み付け係数を用いて合計することで求められる。
上記(10)の方法によれば、中央線に近いデラミネーションほど風車翼の寿命及び/又は破損リスクに影響が大きいことを加味した、品質評価が可能となる。
(11)幾つかの実施形態では上記(1)から(10)のいずれか一方法において、
前記少なくとも一つの走査ラインは、翼長方向に沿って互いに平行に延在する複数の走査ラインを含む。
上記(11)の方法によれば、このように複数の走査ラインを設定することにより、外皮上の広範囲にわたって品質評価が可能となる。
(12)幾つかの実施形態では上記(11)の方法において、
前記複数の走査ラインのうち第1の走査ラインに対応する前記断面画像において異常が検出された場合、前記第1の走査ラインに隣接する第2走査ラインに対応する前記断面画像について品質評価を行う。
上記(12)の方法によれば、ある走査ラインで異常が検出された場合には、それに隣接する走査ラインで断面画像を作成して品質評価を行うことで、検出された異常が存在する領域を特定できる。
(13)幾つかの実施形態では上記(11)又は(12)の方法において、
前記複数の走査ラインは、互いに50−200mmの間隔で設定される。
上記(13)の方法によれば、このように複数の走査ラインを設定することにより、外皮上の広範囲にわたって品質評価が可能となる。
(14)幾つかの実施形態では上記(1)から(13)のいずれか一方法において、
前記断面画像に含まれる前記インディケーションのうち前記底面エコーより下層側に表示されるインディケーションを無視する。
上記(14)の方法によれば、余分なインディケーションを無視することで、的確な品質評価が可能となる。
(15)幾つかの実施形態では上記(1)から(14)のいずれか一方法において、
前記評価工程では、前記風車翼の寿命又は破損リスクに対応する評価パラメータを算出し、
前記評価パラメータに基づいて前記風車翼の補修方針を策定する補修方針策定工程を更に備える。
上記(15)の方法によれば、品質評価によって得られた定量的な評価パラメータに基づいて、補修方針を策定できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、積層体からなる風車翼の品質を効果的且つ簡易的に評価することが可能な風車翼の品質評価方法を提供できる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風車の全体構成を示す概略図である。 図1の風車翼の全体構造を示す概要図である。 図2のA−A線に沿った断面図である。 図2のB−B線に沿った部分断面図である。 図4の翼厚変化部の近傍における拡大断面図である。 本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼の検査方法を工程毎に示すフローチャートである。 図5の翼厚変化部に対するパテ材(又はFRP板など)の施工例である。 超音波プローブシステムが備える超音波プローブの一例を示す模式図である。 第1部材の内壁面上に設定された走査ラインの一例を示す模式図である。 図9の走査ラインの設定例を翼長方向から示す模式図である。 図6のステップS105で取得した断面画像の一例である。 図6のステップS106で実施される風車翼の品質評価方法を工程ごとに示すサブフローチャートである。 第1測定例に係る断面画像である。 第2測定例に係る断面画像である。 第3測定例に係る断面画像である。 第4測定例に係る断面画像である。 第5測定例に係る断面画像である。 第1パラメータ及び第2パラメータに対する評価パラメータの分布を二次元マップとして規定した例である。 変形例に係る風車翼の品質評価方法を工程毎に示すフローチャートである。 変形例における走査ラインの走査ラインの設定順を示す模式図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に
記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれ
に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、本発明において検査対象となる風車翼を備える風車1の構成について説明する。図1は、本発明の少なくとも一実施形態に係る風車1の全体構成を示す概略図である。尚、図1(A)は風車1を側面から見た図であり、図1(B)は風車1を正面から見た図である。
風車1は、少なくとも1枚の風車翼2と風車翼2が取り付けられるハブ4とを備える風車ロータ6と、ナセル8と、ナセル8を支持するタワー11と、を含む。図1の例では、風車1には、3枚の風車翼2がハブ4に取り付けられている。この風車1では、風が風車翼2に当たると、風車翼2及びハブ4を含む風車ロータ6が、風車ロータ6の回転軸の周りを回転する。
尚、図1に示す風車翼2は、ハブ4側の端部を構成する翼根部12と、その反対側を構成する翼先端部14と、を有する。翼根部12は、円筒形状を有しており、風車翼2からハブ4へ伝達される曲げモーメントを負担する。
風車1は風力発電装置であってもよい。この場合、ナセル8には、発電機及び風車ロータ6の回転を発電機に伝達するための動力伝達機構が収容され、風車1は、風車ロータ6から動力伝達機構により発電機に伝達された回転エネルギーが、発電機によって電気エネルギーに変換されるように構成されてもよい。
次に図2乃至図4を参照して、風車翼2の構成について説明する。図2は、図1の風車翼2の全体構造を示す概要図である。図3は図2のA−A線に沿った断面図であり、図4は図2のB−B線に沿った部分断面図である。
風車翼2は、中空構造を有する外皮によって構成される翼本体3と、翼本体3の内部において、風車翼2の翼長方向に延在する2本のシアウェブ36とを備える。風車翼2は、風車翼2の一方の端部である翼根端62においてボルト等を用いてハブ4に取り付けられる(図1参照)。
尚、風車翼2の翼根端62と反対側の端部は翼先端64である。
翼本体3を構成する外皮は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等の繊維強化プラスチックを含む積層体で形成される。この外皮は、図3及び図4に示すように、圧力側(背側)22を構成する第1部材32と、吸込側(腹側)24を構成する第2部材34とを含む。第1部材32と第2部材34とは、風車翼2の前縁26及び後縁28において、接着材38を介して貼り合わされ、内部空間9を囲むように形成される。また、シアウェブ36と風車翼2の内壁面5とは、風車翼2の圧力側22及び吸込側24において、接着剤39を介して貼り合わされている。
翼本体3を構成する外皮は、内壁面5及び外壁面7を有する。また外皮は、図4に示すように、翼長方向に沿って厚さが変化する翼厚変化部10を有する。翼厚変化部10は、外皮のうち第1部材32又は第2部材34の少なくとも一方に設けられていてもよい。また翼厚変化部10は、外皮の内壁面5又は外壁面7の少なくとも一方に設けられていてもよい。
本実施例の翼厚変化部10は、外壁面7が平坦である一方で、内壁面5が部分的に傾斜することで、翼厚が翼先端64から翼根端62に向けて大きくなるように形成されている。このような翼厚変化部10は、第1部材32又は第2部材34にわたって周方向に沿って延びる。また翼厚変化部10は、翼本体3のうち翼根部12に設けられることで、風車1の稼働時に負荷が集中しやすい翼根部12の剛性強化がなされている。
尚、翼根部12は、翼先端部14より翼根部12に近い領域であり、例えば、全翼長のうち翼根部12側の約10%以内の領域として規定される。
また外皮の内壁面5上には、翼本体3の内側に向けて突出する隔壁板46が設けられている。隔壁板46は外皮の内壁面5から内側に向けて略垂直に突出するように形成され、内壁面5に対して固定されている。この隔壁板46は、外皮の内壁面5のうち比較的平坦な領域に対して固定されている。
図5は図4の翼厚変化部10の近傍における拡大断面図である。翼本体3を構成する外皮は、複数の積層体が積層されることで構成されており、翼厚変化部10では、外皮を形成する積層体の積層数が、翼厚方向に沿って段階的に変化することでプライドロップ(Playdrop)部分が形成される。
続いて上記構成を有する風車翼2の検査方法について説明する。図6は本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼2の検査方法を工程毎に示すフローチャートである。
まず作業者は、検査対象となる風車翼2の特定を行う(ステップS100)。一般的に、上述の風車1は、所定の敷地内に複数の風車1が配備されたウィンドファームから選択される。具体的には、ウィンドファームを構成する複数の風車1から検査対象とすべき風車1を選択し、当該選択された風車1が備える少なくとも一つの風車翼2から検査対象とすべき風車翼2を選択する。このような風車翼2の特定は、例えば、ウィンドファームを構成する各風車1に付された識別番号や、各風車1が備える風車翼2に付された識別番号に基づいて特定される。
続いてステップS100で特定された風車翼2に対して、表面処理を実施する(ステップS101)。ステップS101の表面処理は、外皮上に設定される検査対象範囲に対して、その表面状態に応じて実施される。以下の説明では、風車翼2の外皮のうち、翼厚変化部10近傍における外皮を、内壁面5側から検査する場合について述べるが、特段の記載がない限りにおいて、外皮の他の領域を検査対象とした場合も同様である。
尚、風車翼2の表面状態によっては、当該表面処理は省略されてもよい。
例えば、風車翼2の表面に汚れや傷がある場合、表面処理として、これらを除去するためのクリーニング処理が実施されてもよい。また風車翼2の表面に測定の妨げとなる微小な凹凸(段差)が存在する場合には、表面処理として、サンディングのような平坦化処理を実施してもよい。このような表面処理を実施することで、良好な検査精度が得られる。
また本実施例のように検査対象として翼厚変化部10のような凹凸を有する表面を検査対象とする場合、表面処理として、当該翼厚変化部10に対するパテ材20(又はFRP板など)の施工を行ってもよい。後述するように、本検査では検査対象となる内壁面5に対して超音波プローブ50を接触させながら走査を行うが、翼厚変化部10のような凹凸が存在すると超音波プローブ50の測定面50aが外皮の表面に対して良好に接触せず、検査精度が低下するおそれがある。そのため、翼厚変化部10に対してパテ材20(又はFRP板)などを施工することで検査対象となる内壁面5を平坦化してもよい。これにより、内壁面5に対して超音波プローブ50を良好に接触させることが可能となり、良好な検査精度が得られる。
図7は、図5の翼厚変化部10に対するパテ材20(又はFRP板など)の施工例である。上述したように翼厚変化部10では、翼長方向に沿って翼厚が変化するため、そのまま超音波プローブ50を接触させようとすると、内壁面5上に存在する凹凸によって超音波プローブ50の測定面50aとの間に隙間が生じてしまい、測定精度が低下するおそれがある。そこで、図7に示すように、内壁面5上の凹凸を埋めるようにパテ材20(又はFRP板など)を施工することにより平坦化処理を行う。これにより、超音波プローブ50の測定面50aとの間に隙間が生じることがないため、良好な検査精度が得られる。
この例では、平坦なパテ材20(又はFRP板など)の表面に対して超音波プローブ50を直接接触させる場合が示されているが、パテ材20(又はFRP板など)上に平坦な表面を有する板材を載せ、当該板材を介して超音波プローブ50を接触させるようにしてもよい。この場合、パテ材20(又はFRP板など)の表面をきれいに平坦化しなくとも、パテ材20(又はFRP板など)上に板材を配置することで、超音波プローブ50に対する平坦な接触面が容易に得られる。
続いて、検査に用いる超音波プローブシステムの各種設定を行う(ステップS102)。超音波プローブシステムは、超音波プローブ50から送受信される超音波に基づいて断面画像を作成し、その断面画像をモニタ等の表示装置上に表示可能なシステムである。尚、超音波プローブシステムに関するハードウェア及びソフトウェアは公知であるため、ここでは詳述を省略することとする。
図8は超音波プローブシステムが備える超音波プローブ50の一例を示す模式図である。図8(a)は超音波プローブ50の外観を示す側面図であり、図8(b)は図8(a)のC−C線断面図である。
超音波プローブ50は、超音波の送受信を行うための測定面50aを有するプローブ本体52を備える。プローブ本体52の測定面50aには、超音波を送受信するための複数の素子(不図示)が所定のパターンで配列されている。測定面50aは略円形状を有し、その周縁に沿って略円筒形状の側面板54が取り付けられている。測定面50a上には縁部に沿って、所定の径を有するガイド部材56(例えばステンレスワイヤ)が設けられており、側面板54の測定面50a側の先端は、測定面50a上のガイド部材56の高さにそろうように、測定面50aより外部に向けて突出する。これにより、超音波プローブ50を測定対象である内壁面5に接触させた際に、測定面50aと内壁面5との間に、グリセリンのような接触媒体が介在するための隙間58が形成され、良好な検査精度が得られるようになっている。
また超音波プローブ50は、走査時に超音波プローブ50の位置を特定するためのエンコーダ60を備える。エンコーダ60は、プローブ本体52に対して回動可能なアーム65を介して取り付けられている。図8(a)の右図に示すように、超音波プローブ50の測定面50aが測定対象に接触していない場合、アーム65は不図示の付勢部材(バネ)によって斜め下方側を向いており、エンコーダ60は測定面50aより下方側にはみだす位置Aにある。一方、測定面50aが測定対象である内壁面5に接触すると、図中の矢印Fに示すようにアーム65は付勢部材の付勢力に抗してプローブ本体52を軸として回動し、位置Bに移動する。このとき、エンコーダ60は内壁面5に対して付勢部材の付勢力によって押し付けられるように接触し、超音波プローブ50の走査にともなって回転するので、エンコーダ60のカウントを検出することで、超音波プローブ50の移動距離を把握可能になっている。
尚、超音波プローブ50の走査は、作業者の手動で行われてもよいが、コンピュータ等の電子演算装置を利用して自動的に制御されてもよい。この場合、エンコーダ60のカウント値を制御装置に読み込むことで、超音波プローブ50の位置を検出し、検出結果に基づいて走査用の駆動装置(不図示)を制御することで、超音波プローブ50の走査の自動化を行うことができる。このような自動化は、作業負担の軽減に有効であり、大型の風車翼2に対しても少ない負担・コストで検査を効率的に実施することが可能となる。
ステップS102では、超音波プローブシステムに関する各種設定が行われる。この設定には、超音波プローブシステムを用いて適切な断面画像を取得するための種々の設定が含まれ、例えば、超音波プローブ50の各素子で受信した反射エコーに時間シフトを適用して補正されるウェッジディレイ(ウェッジの遅延時間)のキャリブレーション、エンコーダ60のキャリブレーション、及び、ゲインのキャリブレーション等が行われる。
このように超音波プローブシステムの各種設定が完了すると、改めて検査対象である内壁面5について表面状態の確認を行う(ステップS103)。例えば、内壁面5にパテ材20(又はFRP板など)を施工した場合には、その施工表面が十分滑らかになっているか、パテ材20の施工範囲が適切であるか、パテ材20(又はFRP板など)に欠けがないか、パテ材20(又はFRP板など)に気泡や異物等が混入していないかなどが確認される。
続いて超音波プローブ50を走査するための走査ライン80を検査対象に設定する(ステップS104)。走査ライン80の設定対象は、外皮の内壁面5又は外表面の少なくとも一部でよいが、上述のように本実施例では内壁面5上に設定する場合について述べる。走査ライン80は、風車翼2の翼長方向に沿うように設定される。ここで「翼長方向に沿う」とは、走査方向が少なからず翼長方向成分を有することを意味する(すなわち翼長方向と走査方向とがなす角度が90度ではないことを意味する)。本実施例の検査対象である外皮は翼長方向に沿って積層体の積層数が変化するプライドロップを含む翼厚変化部10を有するため、この翼厚変化部10において設計上想定した以上の積層体のうねりなどが粗譲と、設計上想定していない力が積層体に働き、デラミネーション(剥離)などに至る可能性のある状況が生じやすい傾向がある。そのため、このように翼長方向に沿った走査ライン80を設定することで、デラミネーション(剥離)などに至る可能性のある状況が生じやすい領域(翼厚変化部10)を重点的に検査することができる。
好ましくは、走査ライン80は、翼長方向となす角度が45度未満になるように設定されてもよい。より好ましくは、走査ライン80は、翼長方向となす角度がゼロ度になるように設定されてもよい。風車翼2では、翼長方向に沿って延在する欠陥などに比べて、翼長方向に交差する方向に延在する欠陥などが強度に対して大きな影響を有するが、このように走査ライン80を設定することで、超音波プローブ50を走査した際に、走査ライン80上に、翼長方向に交差する方向に延在する欠陥などが存在する可能性が大きくなるため、風車翼2の品質に影響が大きな積層体内部の状況をより効果的に検出できる。
図9は第1部材32の内壁面5上に設定された走査ライン80の一例を示す模式図であり、図10は図9の走査ライン80の設定例を翼長方向から示す模式図である。尚、図9では外皮のうち第1部材32の内壁面5上に設定された走査ライン80のみが示されているが、第2部材34の内壁面5上に設定された走査ライン80も同様である。
この設定例では、走査ライン80として、互いに平行に延在する複数の走査ライン80A、80B、80C、・・・80Fが設定される。各走査ライン80は、翼長方向に沿うように設定されており、特に、翼長方向Gとなす角度がゼロ度になるように設定されている。
また、これらの走査ライン80は、図10に示されるように、第1部材32及び第2部材34の各々にわたって設定される。特に、第1部材32及び第2部材34の各々では、翼長方向に沿った中心線Cの両側に分布するように走査ライン80が設定される。これにより、第1部材32及び第2部材34の広範囲にわたって効率的な検査が可能となる。
第1部材32及び第2部材34に設定された走査ライン80は、それぞれ80A、80B、80C、・・・80Fの順に走査されるように設定されてもよい。
尚、設定された走査ライン80における超音波プローブ50の走査方向は、翼根部12側から翼先端部14側に向かってもよいし、翼先端部14側から翼根部12側に向かってもよい。
尚、図9に示すように、ステップS101で内壁面5上に施工されるパテ材20(又はFRP板など)は、各走査ライン80の設定範囲を含むように規定される。この例では、各走査ライン80に対応するパテ材20(又はFRP板など)の施工範囲が独立的に規定されているが、一体的に規定されていてもよい。
尚、複数の走査ラインは、例えば、互いに50−200mmの間隔で設定される。
続いてステップS104で設定された走査ライン80に従って、超音波プローブ50を走査することにより断面画像を取得する(ステップS105)。このような断面画像の取得は、超音波プローブシステムにおいてBスキャンを実施することにより行われる。Bスキャンは、単一値によるBスキャンであり、超音波プローブの位置と深さの情報から反射源の縦断面画像を表示する機能である。本実施例では、超音波プローブ50を走査ライン80に従って走査しながら、エンコーダ60で得られた超音波プローブの位置と、プローブ本体52で得られた深さの情報とを取得し、これらを関連付けることによって外皮の断面画像が得られる。
図11は図6のステップS105で取得した断面画像の一例である。図11の横軸は走査ライン80に沿った超音波プローブの位置を示しており、図11の縦軸は各超音波プローブの位置における深さを示している。断面画像の各点は、超音波プローブ50から照射された超音波が測定対象である外皮を構成する積層体によって反射されることで生じる反射エコーが強度に応じて濃淡表示されており、外皮を構成する積層体に対応する縞模様がエコーレベル分布として得られている。
続いてステップS105で取得した断面画像を解析することにより、風車翼の品質評価を行う(ステップS106)。ここで図12は図6のステップS106で実施される風車翼の品質評価方法を工程ごとに示すサブフローチャートである。
尚、以下に示す断面画像の解析手法は、作業員によって行われてもよいし、コンピュータ等の電子演算装置を利用して行われてもよい。後者の場合、断面画像の解析手法を実行するためのプログラムをハードウェアである電子演算装置にインストールすることにより、画像解析装置を構成してもよい。この場合、プログラムはハードディスクやメモリ等の記憶媒体に予め記録しておき、所定の読取装置によって電子演算装置にダウンロードしてもよい。
断面画像の解析は、まず、評価対象となる断面画像100を取得することから始まる(ステップS200)。ここでは図11に示す断面画像を例に説明を進めることとする。この断面画像では、外皮の外表面(超音波プローブ50が接触される内表面とは反対側)に対応する反射エコーである底面エコー101が示されており、底面エコー101と内表面(深さゼロの位置)との間に、外皮を構成する積層体に対応する反射エコー102が縞状に現れている。
尚、断面画像を解析する際には、超音波プローブ50が位置する側の表面(内表面)から見て底面エコー101とは反対側にある反射エコー104は、二次以降の反射エコーであるため本解析では不要であるため、無視してもよい。
次にステップS200で取得した断面画像100からインディケーション110を検出する(ステップS201)。インディケーション110は、断面画像100に現れているエコー分布(底面エコーや二次以降の反射エコーは除く)から、エコーレベルが第1閾値E1より大きな領域として抽出される。この第1閾値E1は、絶対値であってもよいが、本実施例では、バックグランドのエコーレベルE0に対して相対的に規定される。これにより、バックグランドのエコーレベルが変化した場合(例えば断面画像が見易いように超音波プローブのゲインが可変調整された場合)であっても、所定割合の強度を有する反射エコーが現われている領域がインディケーション110として特定される。すなわち、図11の断面画像100では、濃淡表示がある程度以上の濃さを有する範囲がインディケーション110として特定される。
尚、インディケーション110は後述するデラミネーション120には至らない、超音波プローブ50で検出可能な積層体内部の状況を表現しており、例えばうねりなどは、積層体を構成する層が基準に対して所定の角度をもって傾いた状況を示すインディケーションとして扱われることができる。
続いてステップS201で検出されたインディケーション110から特徴的領域Rを選定し、当該特徴的領域Rにおけるインディケーション110の傾きを第1パラメータP1として求める(ステップS202)。特徴的領域Rの選定は、例えば、断面画像100中において基準ラインL1に対する傾きが所定範囲にわたって示される領域として選定される。図11の例では、特徴的領域Rが破線で囲まれて示されており、特徴的領域Rにおける部分拡大図が示されている。ここで基準ラインL1は、例えば、走査ライン80又は底面エコー101に平行なラインとして規定される。そして当該特徴的領域に含まれるインディケーション110に対してフィッティングを行うことにより、基準ラインL1に対するインディケーション110の傾きθが求められる。
続いてステップS200で取得した断面画像100からデラミネーション120を検出する(ステップS203)。デラミネーション120は、断面画像100に現れているエコー分布から、エコーレベルが第2閾値E2より大きな領域、又は、エコーレベルが第2閾値E2以下であってもステップS202で求められる傾きθが所定角度以上であるインディケーション110として抽出される。第2閾値E2は、インディケーション110を抽出する際に使用される第1閾値E1より大きく設定される。すなわち本願においてデラミネーション120として扱われる事象には2種類あり、一つは第2閾値E2以上のエコー強度が示される領域である。これは、インディケーション110より強力な反射エコーを生じさせる領域をデラミネーション120としてみなすものである。もう一つは、前者ほど大きな強度の反射エコーを生じさせるものではないが、大きな傾きθを有するインディケーション110は、積層体の大きなうねりを意味するため、将来的に破損を招く可能性が高く、デラミネーション120としてみなすべきものである。
続いてステップS203で検出されたデラミネーション120について特徴量を第2パラメータP2として求める(ステップS204)。この特徴量は、断面画像100に現れるデラミネーション120の形状に関する任意のパラメータであってよいが、本実施例では、その一例として、デラミネーション120の走査ライン80に沿った長さDが用いられる場合について述べる。
図11では、インディケーション110のうちエコーレベルが特に高い領域がデラミネーション120として検出されており、デラミネーション120の走査ライン80に沿った長さがDで示されている。
ここで、第1パラメータP1及び第2パラメータP2の評価例を、いくつかの断面画像を例に具体的に説明する。図13〜図17は断面画像の測定例である。
図13は第1測定例に係る断面画像100Aを示しており、この断面画像100Aには、デラミネーション120は存在しておらず、インディケーション110のみが表れている。断面画像Aのインディケーション110は基準ラインL1に対して平行であるため、傾きθがゼロである。そのため、第1パラメータP1及び第2パラメータP2ともにゼロであり、正常な状態であると評価できる。
図14は第2測定例に係る断面画像100Bを示しており、この断面画像100Bには、図11と同様にインディケーション110とデラミネーション120の両方が存在している。そのためインディケーション110に対しては基準ラインL1がフィッティングラインとなす傾きθが第1パラメータP1として特定され、デラミネーション120に対しては走査ライン80に沿った長さDが第2パラメータP2として特定される。
図15は第3測定例に係る断面画像100Cを示しており、この断面画像100Cには、インディケーション110は存在しておらず、デラミネーション120のみが表れている。このデラミネーション120は基準ラインL1がフィッティングラインとなす傾きθが第1パラメータP1として特定されるとともに、走査ライン80に沿った長さDが第2パラメータP2として特定される。
図16は第4測定例に係る断面画像100Dを示しており、この断面画像100Dには、インディケーション110は存在しておらず、複数のデラミネーション120a、120bが表れている。このように複数のデラミネーション120a、120bがひとつの断面画像100D中に存在する場合、これらのデラミネーション120の全体にわたった走査ライン80に沿った合計長Dtotal(=Da+Db)が第2パラメータP2として扱われる。このように合計長Dtotalを第2パラメータP2として採用することで、ひとつの断面画像100中に存在する複数のデラミネーション120a、120bを考慮した評価が可能となる。
尚、デラミネーション120bは基準ラインL1に対して傾斜しているため、その傾斜角度θは第1パラメータP1として特定される。
図17は第5測定例に係る断面画像100E1,100E2を示す。断面画像100E1,100E2は、互いに異なる走査ライン80上で取得された断面画像である(すなわち図9及び図10のように複数の走査ライン80が設定された場合に、別々の走査ライン80上で得られた断面画像である)。断面画像100E1には長さD1のデラミネーション120aが含まれており、断面画像100E2には長さD2のデラミネーション120bが含まれている。このような場合、第2パラメータとして各走査ライン80で検出されたデラミネーション120の合計長Dtotal(=D1+D2)を採用してもよい。これにより、複数の走査ライン80上で検出された複数のデラミネーション120a、120bを考慮した評価が可能となる。
この場合、各デラミネーション120の合計長Dtotalを求める際に、各デラミネーション120の深さに応じた重み付けを行ってもよい。図17の例では、断面画像120aにおけるデラミネーション120aの深さd1に対応する重み付け係数をα1、断面画像120bにおけるデラミネーション120bの深さd2に対応する重み付け係数をα2とすると、合計長は次式
total=D1×α1+D2×α2
により求めてもよい。この場合、重み付け係数α1、α2は、断面画像100に含まれるデラミネーション120の深さが外皮の中心部に近くなるほど大きくなるように設定されるとよい。これにより、デラミネーション120の深さによる外皮の寿命又は破損リスクへの影響を加味した品質評価ができる。
また各デラミネーション120の合計長Dtotalを求める際に、各断面画像100に含まれるデラミネーション120の数に応じた重み付けを行ってもよい。例えば、断面画像120aに含まれるデラミネーション120aの数N1に対応する重み付け係数をβ1、断面画像120bにおけるデラミネーション120bの数N2に対応する重み付け係数をβ2とすると、合計長は次式
total=D1×β1+D2×β2
により求めてもよい。この場合、重み付け係数β1、β2は、断面画像100に含まれるデラミネーション120の数Nが増えるほど大きくなるように設定されるとよい。これにより、各走査ライン80上におけるデラミネーション120の分布密度による外皮の寿命又は破損リスクへの影響を加味した品質評価ができる。
また各デラミネーション120の合計長Dtotalを求める際に、各断面画像100に対応する走査ライン80の中心線C(図9を参照)からの距離に応じた重み付けを行ってもよい。例えば、断面画像120aに対応する走査ライン80aの中心線Cからの距離R1に対応する重み付け係数をγ1、断面画像120bに対応する走査ライン80bの中心線Cからの距離R2に対応する重み付け係数をγ2、とすると、合計長は次式
total=D1×γ1+D2×γ2
により求めてもよい。この場合、重み付け係数γ1、γ2は、断面画像100に対応する走査ライン80の中心線Cからの距離Rが小さくなるほど大きくなるように設定されるとよい。これにより、中央線Cに近いデラミネーションほど風車翼の寿命及び/又は破損リスクに影響が大きいことを加味した、品質評価が可能となる。
続いてステップS202で求めた第1パラメータP1、又は、ステップS204で求めた第2パラメータP2の少なくとも一方に基づいて、風車翼2の寿命又は破損リスクを評価する(ステップS205)。第1パラメータP1に基づいた評価では、断面画像100に含まれるインディケーション110の傾きθから、積層体からなる外皮に含まれるうねりの観点から品質評価がなされる。一方で第2パラメータP2に基づいた評価では、積層体からなる外皮に含まれるデラミネーション120の観点から品質評価がなされる。本実施形態では、このような評価手法の一例として、第1パラメータP1及び第2パラメータP2の両方に基づいて風車翼2の寿命又は破損リスクを評価する場合について説明する。このように両者の観点から品質評価を行うことで、一方だけから品質評価を行う場合に比べて、より質の高い品質評価ができる。
ステップS205の評価では、第1パラメータP1及び第2パラメータP2に対して、風車翼2の寿命及び/又は破損リスクを定量的に示す評価パラメータP3が求められてもよい。このような評価パラメータP3は、第1パラメータP1又は第2パラメータP2が大きくなるに従って風車翼2の寿命が減少し、及び/又は、破損リスクが大きくなるように設定される。
図18は第1パラメータP1及び第2パラメータP2に対する評価パラメータP3の分布を二次元マップとして規定した例である。この例では、第1パラメータP1が大きくなるに従って風車翼2の寿命が減少し、及び/又は、破損リスクが大きくなるように評価パラメータP3が規定される。これは、インディケーション110の傾きθが大きくなることは、外皮中のうねりが大きいことを意味する。外皮中のうねりが大きくなると、新たにデラミネーション120が発生しやすくなり、また、すでに存在するデラミネーション120が進行することにより破損が生じやすくなるためである。また第2パラメータP2が大きくなるに従って風車翼2の寿命が減少し、及び/又は、破損リスクが大きくなるように規定される。これは、デラミネーション120の長さが大きくなると、デラミネーション120の範囲が拡大し、破損が生じやすくなるためである。
また図18に示すように、評価パラメータP3は、第1パラメータP1又は第2パラメータP2の大きさに基づいて段階的にランク分けされてもよい。この例では、後述する補修方針に対応する4種類のランクに分けられている。具体的には、症状が軽度なため補修方針が不要である第1ランクR1と、補修方針として例えば樹脂注入が必要となる第2ランクR2と、補修方針として補強対策が必要となる第3ランクR3と、補修方針として交換対策が必要となる第4ランクR4と、に分類されている。
続いてステップS106の評価結果に基づいて風車翼2の補修方針を策定する(ステップS107)。ここでは、ステップS205で求められた定量的指標である評価パラメータP3に基づいて、対応する補修方針が選定される。具体的には、図18を参照して前述したように、第1パラメータP1及び第2パラメータP2に対応する補修方針が選定される。
尚、本実施形態では図18を参照して評価パラメータP3の絶対値に基づいた評価を行う場合を例示したが、相対的な評価を行ってもよい。例えば、複数の風車翼2に対して同様の検査を実施し、これらの結果を評価パラメータP3が大きな順に整理した場合に、上位数パーセントの風車翼2に対して所定の補修が必要であると判断してもよい。
<変形例>
上記実施形態では、予め設定された走査ライン80に従って超音波プローブを走査することによって検査を行ったが、以下に説明する変形例のように、 超音波プローブ50の走査をしながら走査ライン80を順次設定しながら検査を進めるようにしてもよい。図19は変形例に係る風車翼の品質評価方法を工程毎に示すフローチャートであり、図20は変形例における走査ラインの走査ラインの設定順を示す模式図である。
尚、以下の説明では、検査における超音波プローブ50の走査と、走査ライン80の設定に焦点をあてて述べており、その他の検査に伴う各種作業に関しては前述の実施形態と同様であるため詳細は省略することとする。
まず翼長方向に沿った第1走査ライン80aを設定し(ステップS300)、当該第1走査ライン80aに沿って超音波プローブ50を走査することで断面画像100を取得して評価を行う(ステップS301)。ステップS301の評価の結果、第1走査ライン80a上に異常を示すインディケーション110又はデラミネーション120が検出されたか否かを判定する(ステップS302)。
ステップS302において異常を示すインディケーション110又はデラミネーション120が検出されなかった場合(ステップS302:NO)、処理をステップS300に戻し、第1走査ライン80aを異なる位置(例えば前回の第1走査ライン80aから翼幅方向に所定距離W(例えば50−200mm)だけ離れた位置)に設定しなおして上記作業が繰り返される。
ステップS302において異常を示すインディケーション110又はデラミネーション120が検出された場合(ステップS302:YES)、第1走査ライン80aから所定距離Wだけ離れた位置に、第2走査ライン80bを設定する(ステップS303)。第2走査ライン80bは、第1走査ライン80aと同様に翼長方向に沿って設定され、例えば、第1走査ライン80aと平行に設定される。そして第2走査ライン80bに沿って超音波プローブ50を走査することで断面画像100を取得して評価を行う(ステップS304)。ステップS304の評価の結果、第2走査ライン80b上に異常を示すインディケーション110又はデラミネーション120が検出されたか否かを判定する(ステップS305)。
ステップS305において異常を示すインディケーション110又はデラミネーション120が検出されなかった場合(ステップS305:NO)、処理をステップS303に戻し、第2走査ライン80bを異なる位置(例えば第1走査ライン80aから見て前回の第2走査ライン80bとは反対側の翼幅方向に所定距離W(例えば50−200mm)だけ離れた位置(図20の符号80b´を参照))に設定し直して上記作業が繰り返される。
一方、ステップS305において異常を示すインディケーション110又はデラミネーション120が検出された場合(ステップS305:YES)、更に当該インディケーション110又はデラミネーション120が、第1走査ライン80aで検出されたインディケーション110又はデラミネーション120に対応するか否かが判定される(ステップS306)。例えば、第2走査ライン80bで検出されたインディケーション110又はデラミネーション120が、第1走査ライン80aで検出されたインディケーション110又はデラミネーション120と似た傾向がある場合、両者が対応すると判定される。
ステップS306で両者が対応すると判定された場合(ステップS306:YES)、第1走査ライン80a及び第2走査ライン80bの間には共通のインディケーション110又はデラミネーション120が存在すると判断し、当該範囲(第1走査ライン80a及び第2走査ライン80bの間)を走査ライン80の設定対象外領域とする(ステップS307)。
この場合、第2走査ライン80bにおける評価が完了すると、第2走査ライン80bから更に所定距離Wだけ離れた位置に、第3走査ライン80cを設定する(ステップS308)。この第3走査ライン80cは、第2走査ライン80bから見て第1走査ライン80aとは反対側に設定されることで、ステップS307で特定された走査ライン80の設定対象外領域を回避した位置に設定される。そして第3走査ライン80cに沿って超音波プローブ50を走査し、同様の評価が行われる(ステップS309)。このような作業は、走査ライン80の設定位置を所定距離Wずつ移動させながら、対応するインディケーション110又はデラミネーション120が現れなくなるまで(あるいは、パテ材20(又はFRP板など)の施工範囲外に到達するまで)繰り返し実施されることで、共通のインディケーション110又はデラミネーション120が形成されている範囲を特定することができる。
このように対応するインディケーション110又はデラミネーション120が検出された2つの走査ライン80の間は、共通のインディケーション110又はデラミネーション120が存在するとみなして設定対象外領域とし、当該設定対象外領域を避けて新たな走査ライン80を設定する。これにより、風車翼2のように広い範囲を有する対象物においてもインディケーション110又はデラミネーション120の分布状況を効率的に検査することができる。
一方、ステップS306で両者が対応しないと判定された場合(ステップS306:NO)、第1走査ライン80a及び第2走査ライン80bの間に第3走査ライン80cを設定し(ステップS310)、当該第3走査ライン80cに沿って超音波プローブ50を走査し、同様の評価が繰り返される(ステップS311)。この場合、2つの走査ライン80で検出されたインディケーション110又はデラミネーション120は、互いに独立したインディケーション110又はデラミネーション120であるとみなされる。そして、2つの走査ライン80の間に新たな第3走査ライン80cを設定することで、当該範囲について、より詳細な検査が行われる。
そして以上の検査結果は、各走査ライン80の位置情報と評価内容とを関連付けて、所定の記憶装置に格納することで記憶する(ステップS312)。このとき検査対象となった範囲について、例えば写真のような画像データ等があれば、併せて関連付けて格納してもよい。
以上説明したように本変形例では、風車翼2の外皮に対して順次走査ライン80を上記パターンで設定することで、広範囲にわたってインディケーション110又はデラミネーション120を効率的に検出することができるため、高品質な評価が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態は、積層体を含む風車翼の品質評価方法に利用可能である。
1 風車
2 風車翼
3 翼本体
4 ハブ
5 内壁面
6 風車ロータ
7 外壁面
8 ナセル
10 翼厚変化部
11 タワー
12 翼根部
14 翼先端部
20 パテ材(又はFRPなど)
32 第1部材
34 第2部材
36 シアウェブ
46 隔壁板
50 超音波プローブ
52 プローブ本体
54 側面板
56 ガイド部材
60 エンコーダ
65 アーム
80 走査ライン

Claims (15)

  1. 積層体を含む外皮によって内部空間が囲まれた中空構造を有する風車翼の品質評価方法であって、
    前記外皮の内壁面又は外壁面の少なくとも一部に設定された少なくとも一つの走査ラインに従って超音波プローブを走査する超音波プローブ走査工程と、
    前記走査ライン上における前記超音波プローブの位置、及び、前記位置における反射エコーに基づいて、前記走査ラインに対応する前記外皮の断面画像を作成する断面画像作成工程と、
    前記断面画像からエコーレベルが第1閾値より大きなインディケーションを検出するインディケーション検出工程と、
    前記走査ライン又は前記断面画像に含まれる基準ラインに対する前記インディケーションの傾きを第1パラメータとして求める第1パラメータ算出工程と、
    前記第1パラメータに基づいて前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する評価工程と、
    を備える、風車翼の品質評価方法。
  2. 前記断面画像からエコーレベルが前記第1閾値より大きく設定される第2閾値より大きなデラミネーションを検出するデラミネーション検出工程と、
    前記デラミネーションの特徴量を第2パラメータとして求める第2パラメータ算出工程と、
    を更に備え、
    前記評価工程では、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する、請求項1に記載の風車翼の品質評価方法。
  3. 前記第1パラメータ又は前記第2パラメータが大きくなるに従って前記風車翼の寿命が減少し、及び/又は、前記破損リスクが大きくなるように、前記風車翼の寿命又は破損リスクを評価する、請求項2に記載の風車翼の品質評価方法。
  4. 前記第2パラメータは、前記デラミネーションの前記走査ラインに沿った長さである、請求項2又は3に記載の風車翼の品質評価方法。
  5. 前記デラミネーション検出工程で前記断面画像から前記デラミネーションが複数検出された場合、前記第2パラメータは、前記デラミネーションの各々の翼長方向に沿った合計長である、請求項2又は3に記載の風車翼の品質評価方法。
  6. 前記少なくとも一つの走査ラインは、互いに平行に延在する複数の走査ラインを含み、
    前記複数の走査ラインのうち少なくとも2つの走査ラインで前記デラミネーションが検出された場合、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量の合計を前記第2パラメータとする、請求項2から5のいずれか一項に記載の風車翼の品質評価方法。
  7. 前記第2パラメータは、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量を、前記デラミネーションの深さに従って大きく設定される重み付けで合計することにより求められる、請求項6に記載の風車翼の品質評価方法。
  8. 前記第2パラメータは、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量を、前記断面画像で検出された前記デラミネーションの数に従って設定される重み付け係数を用いて合計することで求められる、請求項6に記載の風車翼の品質評価方法。
  9. 前記外皮は、前記風車翼の圧力側及び吸込側にそれぞれ対応する第1部材及び第2部材が互いに結合されることで構成されており、
    前記複数の走査ラインは、前記第1部材及び前記第2部材の各々について、前記翼長方向に沿った中心線の両側に分布するように設定される、請求項2から8のいずれか一項に記載の風車翼の品質評価方法。
  10. 前記第2パラメータは、前記少なくとも2つの走査ラインの各々で検出された前記デラミネーションの特徴量を、前記走査ラインと前記中心線との距離が小さくなるに従って大きく設定される重み付け係数を用いて合計することで求められる、請求項9に記載の風車翼の品質評価方法。
  11. 前記少なくとも一つの走査ラインは、翼長方向に沿って互いに平行に延在する複数の走査ラインを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の風車翼の品質評価方法。
  12. 前記複数の走査ラインのうち第1の走査ラインに対応する前記断面画像において異常が検出された場合、前記第1の走査ラインに隣接する第2走査ラインに対応する前記断面画像について品質評価を行う、請求項11に記載の風車翼の品質評価方法。
  13. 前記複数の走査ラインは、互いに50−200mmの間隔で設定される、請求項11又は12に記載の風車翼の品質評価方法。
  14. 前記断面画像に含まれる前記インディケーションのうち前記底面エコーより下層側に表示されるインディケーションを無視する、請求項1から13のいずれか一項に記載の風車翼の品質評価方法。
  15. 前記評価工程では、前記風車翼の寿命又は破損リスクに対応する評価パラメータを算出し、
    前記評価パラメータに基づいて前記風車翼の補修方針を策定する補修方針策定工程を更に備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の風車翼の品質評価方法。
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