JP2020066674A - 遮光性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部材等の薄型化、軽量化が可能であり、且つ遮光層の耐熱性を保持し、加工性が良好で、カールを低減した遮光性が良好な遮光性フィルムを提供すること。【解決手段】繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤および黒色顔料を含有してなる遮光層を有する遮光性フィルムであって、前記繊維素系樹脂100質量部に対して、前記イソシアネート硬化剤5〜50質量部、前記黒色顔料2〜40質量部含有し、JIS K7127(1999)に準拠した引張試験において、前記遮光層の引張強さが20MPa以上であることを特徴とする遮光性フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、遮光性フィルムに関する。
遮光性フィルムは、例えば、レンズユニット等の光学部材の他、オプトデバイス部材、表示デバイス部材、機械部品、電気・電子部品等の各種用途において、所望の波長の光を散乱または/および吸収等によりその波長の光を遮光するための遮光層を有する部材である。例えば、高性能一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話用カメラのカメラモジュール等の光学用途では、小型化、薄型化、軽量化への要求により、金属材料により形成されていた光学機器の遮光性部材がプラスチック材料へと代わりつつある。
また、このようなプラスチック材料を用いた遮光層としては、遮光層形成用の塗液を光学部材に直接塗布して遮光層を形成する方法もあるが、光学部材に面した遮光層の表面状態の形状、光が透過する遮光層端面を、光学部材に適した形状に形成することが難しいことなどより、フィルム状の形態とした遮光性フィルムを用いて、光学部材に遮光層を形成する方法が検討されている。
市場では、耐熱性を保持しながら、加工性を考慮した遮光性フィルムが求められている。
しかし、遮光性フィルムの耐熱性を向上させるために、バインダー樹脂として耐熱性樹脂を用いることが考えられるが、耐熱性樹脂は塗膜を形成する過程で内部応力が大きく遮光層にカールが発生してしまう問題がある。さらに、耐熱性樹脂は硬くて脆いために、遮光層に張力を与えた際に破断する可能性や、遮光層を抜き加工する際にバリや割れが発生する可能性がある。また、遮光層のカールや硬さや脆さを低減させるために、バインダー樹脂に可塑性材料を添加する方法を用いることが考えられるが、耐熱性が低下してしまう問題があった。
例えば、特許文献1には、溶剤可溶性ポリイミド樹脂と、比表面積が100m2/g以上であるカーボンブラックとを必須成分とする遮光層を有する遮光性フィルムが開示されている。しかし、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を使用しているため、塗膜が硬く、遮光性フィルムの加工性に問題があった。
特開2012−017419号公報
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、光学部材等の薄型化、軽量化が可能であり、且つ遮光層の耐熱性を保持し、加工性が良好で、カールを低減した遮光性が良好な遮光性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の態様において本発明の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤および黒色顔料を含有してなる遮光層を有する遮光性フィルムであって、上記繊維素系樹脂100質量部に対して、上記イソシアネート硬化剤5〜50質量部、上記黒色顔料2〜40質量部含有し、JIS K7127(1999)に準拠した引張試験において、上記遮光層の引張強さが20MPa以上であることを特徴とする遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、上記イソシアネート硬化剤が、脂肪族系イソシアネートを含む上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、JIS K7127(1999)に準拠した引張試験において、上記遮光層の引張伸びが30%以下である上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験において、上記遮光層に割れが生じる際のマンドレル直径が10mm以下である上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、前記遮光層のカールが、±10mm以内である上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、上記遮光層のガラス転移温度が、100℃以上である上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、上記遮光層のガラス転移温度が100℃以上であり、上記遮光層の周波数1Hz、温度80℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、上記遮光層のみからなる上記遮光性フィルムに関する。
また、本発明は、光学部材用である上記遮光性フィルムに関する。
本発明によれば、光学部材等の薄型化、軽量化が可能であり、且つ遮光層の耐熱性を保持し、遮光層の強度を保持し、加工性が良好で、カールを低減した遮光性が良好な優れた効果を奏する遮光性フィルムを提供できるようになった。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。また、本明細書で特定する数値「A〜B」とは、数値Aと数値Bを含み、且つ数値Aより大きく数値Bと数値Bより小さい範囲をいう。また、本明細書における「フィルム」とは、JISにおいて定義される「フィルム」のみならず、「シート」も含むものとする。
《遮光層》
本実施形態の遮光性フィルムは、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤及び黒色顔料を含有してなる遮光層を有し、その遮光層の耐熱性を保持し、遮光層の強度を保持し、脆さを抑え、カールを低減することができる。それにより、耐久性に優れ、且つ加工性に優れた遮光性フィルムを提供できる。また、本実施形態の遮光性フィルムは、遮光層の引張強さが強く、引張伸びも低いため、基材を有しない、遮光層単層での構成により、遮光性フィルムとして用いることも可能である。遮光層における、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤及び黒色顔料の合計の含有量は、遮光層100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは65質量部以上、特に好ましくは80質量部以上の範囲である。
<繊維素系樹脂>
繊維素系樹脂としては、セルロース、またはセルロース誘導体等が挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、セルロースエステル、セルロースカーバメート、セルロースエーテル等が挙げられる。これらの繊維素系樹脂は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
セルロースエステルとしては、例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどのセルロースC3−5アシレート;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースアセテートC3−5アシレートなどのセルロースアシレートが挙げられる。
また、セルロースカーバメートとしては、例えば、セルロースフェニルカーバメートが挙げられる。
また、セルロースエーテルとしては、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキル−カルボキシアルキルセルロース、これらの誘導体[例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど]などが例示できる。
なお、加工時の材料取扱い性、使用時の耐久性の点から、溶剤可溶性の繊維素系樹脂がより好ましい。溶剤可溶性の繊維素系樹脂としては、セルロースエステル等が好適である。
さらに、繊維素系樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン換算で、好ましくは10,000以上、150,000以下、さらに好ましくは20,000以上、100,000以下である。数平均分子量が10,000以上であることにより、より充分な被膜強度を得ることができる。数平均分子量が150,000以下であることにより、遮光層形成用樹脂組成物にした時の粘度上昇を抑えることができる。
繊維素系樹脂は、イソシアネート硬化剤と反応可能な官能基を有していることが好ましい。イソシアネート硬化剤と反応させることで、遮光層の耐熱性と耐薬品性を向上させることができる。イソシアネート硬化剤と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙げられる。
<イソシアネート硬化剤>
イソシアネート硬化剤は、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物である。イソシアネート硬化剤は、例えば、芳香族系イソシアネート、脂肪族系イソシアネート、脂環族系イソシアネートなどのイソシアネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族系イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートがある。
脂環族系イソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)がある。
脂肪族系イソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートがある。
また、上記のイソシアネート化合物のアダクト変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体などのいわゆる変性ポリイソシアネート(イソシアネートの変性体)も、イソシアネート硬化剤として使用できる。
イソシアネート硬化剤は、好ましくは脂肪族系イソシアネートである。脂肪族系イソシアネートを使用することで遮光層の割れを抑えることができる。より好ましくは、脂肪族系イソシアネートの3量体である3官能以上に変性したポリイソシアネート(多官能変性ポリイソシアネート、変性体とも称する)である。多官能変性ポリイソシアネートを使用することで、塗膜の割れを抑え、耐熱性をあげることができる。さらに好ましくは、脂肪族系イソシアネートをイソシアヌレートに変性したポリイソシアネート(イソシアヌレート体)もしくは脂肪族系イソシアネートをビュレットに変性したポリイソシアネート(ビュレット体)である。イソシアヌレート体もしくはビュレット体を使用することで、耐熱性を高めるととともに、塗膜の割れも抑えることができる。
また、遮光性フィルム中の遮光層は、繊維素系樹脂100質量部に対して、イソシアネート硬化剤5〜50質量部の割合で含む。5質量部より少ないと遮光層のカールを抑えることが難しく、50質量部より多いと遮光層の引張強さの低下や塗膜が割れやすくなってしまう。さらに好ましくは、10〜40質量部である。
<黒色顔料>
黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等の公知の黒色顔料を挙げることができる。これらの黒色顔料は、1種類または2種類以上を任意に併用して用いることができる。
黒色顔料としては、顔料の分散性、低コスト化等の観点からカーボンブラックを用いることが好ましく、遮光層に帯電防止効果を付与する場合は、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックは、アグリゲート、アグロメレート等の凝集体であっても良い。
遮光層における、黒色顔料の含有量は、遮光性、および外観の深みの点から、繊維素系樹脂100質量部に対して、2質量部以上40質量部以下であり、好ましくは5質量部以上30質量部以下の範囲である。この範囲にあることで、遮光層の遮光性を保持しながら、遮光層の引張強さも保持することが可能となる。
黒色顔料の平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましい。この範囲にあることで、遮光層の遮光性、剛性力の向上や引張強度の低下を抑えることが可能となる。さらに、好ましい範囲は、一次平均粒子径が10nm以上50nm以下である。
なお、ここでいう、平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真や光学顕微鏡写真の拡大画像(例えば、千倍〜1万倍)から一次粒子の大きさを直接計測する一般的な方法で求めることができる。具体的には、50個〜100個の粒子をサンプリングして、その短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とする。
また、黒色顔料のBET比表面積(単に「比表面積」と略記することがある)は、30m2/g以上、1500m2/g以下であることが好ましい。より好ましくは50m2/g以上、500m2/g以下である。
また、黒色顔料のDBP(ジブチルフタレート)吸油量(単に「吸油量」と略記することがある)は、100ml/100g以上であることが好ましい。DBP(ジブチルフタレート)吸油量を100ml/100g以上にすることにより、繊維素系樹脂との親和性を向上させ、被膜強度をより効果的に高めることができる。より好ましくは500ml/100g以下である。
<無機顔料>
遮光層は、遮光層の表面を低光沢性にするために無機顔料を用いることができる。無機顔料としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、または酸化マグネシウムなどのいずれのものも用いることができる。尚、ここでいう無機顔料とは、上記黒色顔料を除いた無機顔料を指す。これらの無機顔料は、1種又は2種以上を混合して用いることもできる。これらの中でも、顔料の分散性、低コスト等の観点からシリカを用いることが好ましい。また、無機顔料は、一次粒子の凝集体からなり、一定の細孔を有する多孔質顔料がより好ましい。なかでも、多孔質体を形成しやすいゾル−ゲル法や沈降法等の湿式法で製造されるシリカがより好ましい。
無機顔料のBET比表面積は、500m2/g以下であることが好ましい。この範囲にあることで、繊維素系樹脂との親和性が良くなり、遮光層の引張強度を保持することが可能となる。より好ましい範囲は、400m2/g以下である。なお、好ましくは10m2/g以上である。この範囲にあることで、顔料が多孔質体を形成しやすくなるので、少量の添加で遮光層の低光沢化が可能となる。
無機顔料のDBP吸油量は、100ml/100g以上であることが好ましい。この範囲にあることで、低光沢性を保持することが可能となる。より好ましくは150ml/100g以上である。また、1000ml/100g以下であることが好ましい。この範囲にあることで、繊維素系樹脂との親和性を良くすることができる。
無機顔料の平均粒子径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。この範囲にあることで遮光層の引張強度と低光沢性を保持することが可能となる。より好ましくは2μm以上10μm以下である。なお、ここでいう平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定された値を指す。レーザー回折法により測定する場合、測定装置としては、例えばSALD2200(島津製作所社製)を使用することができる。
このような多孔質無機顔料を用いることで、遮光層に多量の黒色顔料や無機顔料を用いた場合にも、引張強さを保持することができる。
また、黒色顔料等の添加量を抑えた場合にも、無機顔料自体の遮光性で遮光層に充分な遮光性と低光沢性を満たすことが可能となり、引張強さとの両立が可能となる。
遮光層における、無機顔料の含有量は、引張強さ、低光沢性の点から、繊維素系樹脂100質量部に対して、好ましくは2質量部以上40質量部以下、より好ましくは5質量部以上30質量部以下である。この範囲にあることで、引張強さを保持しながら低光沢性を保持することが可能となる。
また、遮光層における、黒色顔料と無機顔料との含有量の合計量は、引張強さの点から、繊維素系樹脂100質量部に対して、好ましくは2質量部以上75質量部以下、より好ましくは5質量部以上50質量部以下、特に好ましくは10質量部以上40質量部以下の範囲である。この範囲にあることで、引張強さを保持することが可能となり、遮光性、低光沢性が良好となるために好ましい。
遮光層は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン/ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール等のポリオール系樹脂などを使用することができる。これらの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
遮光層は、例えば、可塑剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、難燃剤、難燃助剤、耐衝撃改良剤、充填剤(又は補強剤)、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤、滑剤などのその他添加剤を使用することができる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
<遮光層の製造方法>
次に、遮光層の製造方法の一例について説明する。但し、本発明の遮光層の製造方法は、以下の方法に限定されない。
遮光層は、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤および黒色顔料を含有してなる遮光層形成用樹脂組成物から形成することができる。遮光層は、遮光層形成用樹脂組成物を、一般的な方法でコーティングすることにより得ることが好ましい。また、目的とする遮光性フィルムの構造(構成)等に応じて、転写法により形成することもできる。
遮光層を形成するための遮光層形成用樹脂組成物は、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤および黒色顔料に、必要に応じてその他成分や溶剤等を加え、混合し、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて分散することにより製造できる。
遮光層は、遮光層を形成するための遮光層形成用樹脂組成物を、一般的な方法でコーティングすることにより得ることができる。例えば、ウエットコート法により層形成することができ、例えば、ディップコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート等の従来公知の塗布方法により基材上に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。転写法で形成する場合には、ロール転写法、型転写法等の公知の技術を用いることができる。
塗布方法、または転写法等により、剥離可能な基材上に、遮光層を形成し、基材を剥離することで遮光層単層が得られる。このような方法により得られた、遮光層の単層構造を、遮光性フィルムとして用いることができる。
[遮光層の引張強さ]
遮光性フィルムは、遮光層単独での引張強さは、遮光層の厚みが20μmの条件で、20MPa以上であり、好ましくは30MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。この範囲にあることで、加工時に発生する張力の影響で遮光層の破断を抑えることができる。また、引張強さの上限値は、好ましくは300MPa以下、より好ましくは250MPa以下である。この範囲にあることで、遮光層の硬さを抑え、加工性を向上させることができる。
[遮光層の引張伸び]
遮光性フィルムは、遮光層単独での引張伸びは、遮光層の厚みが20μmの条件で、30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。この範囲にあることで、加工時に発生する張力の影響で遮光層が伸びることを抑えることができ、伸びによる寸法変化を抑えることができる。 また、引張伸びの下限としては、0%以上である。遮光層の収縮による寸法変化も抑えることができる。
[遮光層の耐屈曲性]
遮光性フィルムは、遮光層単独での耐屈曲性は、遮光層の厚みが20μmの条件で、JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験において、遮光層に割れが生じる際のマンドレル直径が10mm以下であることが好ましい。より好ましくは2mmで割れないことである。この範囲にあることで、遮光性フィルムの抜き加工でバリや割れの発生を抑えることができる。さらに好ましくは、マンドレルを使用しない状態での耐屈曲試験(遮光層を180度に折り曲げた試験)において割れが生じないことである。
[遮光層のカール]
遮光性フィルムは、遮光層単独でのカールが、10cm×10cmの大きさの条件で±10mm以内であることが好ましい。この範囲にあることで、加工時にカールによる不具合を抑えることができ、光学部品への不具合も抑えることができる。
[遮光層のガラス転移温度および損失正接(tanδ)]
遮光層のガラス転移温度は、100℃以上が好ましい。より好ましくは110℃以上である。この範囲にあることで、耐熱性のある遮光性フィルムにすることができる。また、ガラス転移温度の上限としては、好ましくは450℃以下、より好ましくは300℃以下である。この範囲にあることで、遮光層の硬さを抑え、加工性を向上させることができる。また、遮光層の周波数1Hz、80℃における遮光層の損失正接(tanδ)は0.1以下であることが好ましい。この範囲にあることで、熱衝撃による遮光層の変形を抑えることができる。 また、下限としては0より大きい数値である。
遮光層の厚みは、要求される光学濃度、遮光性フィルムの構成により異なるが、0.5μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下とすることがより好ましい。特に好ましくは、2μm以上30μm以下である。0.5μm以上とすることにより、遮光層にピンホール等を生じにくくすることができ、充分な遮光性を得やすくできる。また、100μm以下とすることにより、生産性を確保することができ、薄膜化が可能となる。
但し、遮光層の厚みは、転写法で形成する場合、転写面の粗面化の算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601:2001)よりも大きくすることが好ましい。
遮光層の表面抵抗値は、1×1010Ω/□以下であることが好ましい。表面抵抗値を上記範囲にすることにより、遮光性フィルムどうしの貼りつきや加工時の加工機への貼りつき等を防止することができる。より好ましくは、1×108Ω/□以下である。
《遮光性フィルム》
本実施形態の遮光性フィルムは、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤および黒色顔料を含有してなる遮光層を有する。
[遮光性フィルムの引張強さ]
遮光性フィルムの引張強さは、遮光性フィルムの厚みが20μmの条件で、20MPa以上であることが好ましい。より好ましくは30MPa以上であり、さらに好ましくは40MPa以上である。この範囲にあることで、加工時に発生する張力の影響で遮光層の破断を抑えることができる。
また、引張強さの上限値は、好ましくは300MPa以下、より好ましくは250MPa以下である。この範囲にあることで、遮光性フィルムの硬さを抑え、加工性を向上させることができる。
[遮光性フィルムの引張伸び]
遮光性フィルムの引張伸びは、遮光性フィルムの厚みが20μmの条件で、150%以下であることが好ましく、より好ましくは100%以下である。この範囲にあることで、加工時に発生する張力の影響で遮光層が伸びることを抑えることができ、伸びによる寸法変化を抑えることができる。また、引張伸びの下限としては、0%以上である。遮光性フィルムの収縮による寸法変化も抑えることができる。
[遮光性フィルムの耐屈曲性]
遮光性フィルムの耐屈曲性は、遮光性フィルムの厚みが20μmの条件で、JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験において、遮光性フィルムに割れが生じる際のマンドレル直径が10mm以下であることが好ましい。より好ましくは2mmで割れないことである。この範囲にあることで、遮光性フィルムの抜き加工でバリや割れの発生を抑えることができる。さらに好ましくは、マンドレル径がない状態での耐屈曲試験(遮光性フィルムを180度に折り曲げた試験)において割れが生じないことである。
[遮光性フィルムのカール]
遮光性フィルムのカールは、遮光性フィルムの厚みが20μmで、10cm×10cmの大きさの条件で±10mm以内であることが好ましい。この範囲にあることで、加工時にカールによる不具合を抑えることができ、カールによる寸法変化を抑えることができ、カールによる光学部品への不具合も抑えることができる。遮光性フィルムのカールは、遮光層のカール測定と同様の方法で測定することができる。
遮光性フィルムの厚みは、要求される光学濃度、構成により異なるが、0.5μm以上200μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下とすることがより好ましい、特に好ましくは、5μm以上50μm以下である。0.5μm以上とすることにより、充分な遮光性が得やすくなる。また、100μm以下とすることにより、生産性を確保することができ、薄型化、軽量化も可能となる。
遮光性フィルムは、その形態に係わらず、少なくとも一方の表面の光沢度が10以下であることが好ましい。より好ましくは光沢度が5以下である。遮光性フィルムの光沢度が低い値である程、光の乱反射を抑えることができる。例えば、レンズユニットとして用いた場合にノイズとして誤作動の原因となるおそれを効果的に防止できる。より好ましくは、4以下であり、さらに好ましくは、3以下である。さらに両面とも光沢度が低い値であることが好ましい。光沢度は、日本電色工業社製 光沢計 VG−2000を用いて、測定角度(θ)60度で測定することで求めることができる。また、遮光性フィルムの表面は凹凸形状を有していることが好ましく、遮光性フィルムの表面の算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601:2001)は、0.1μm以上6μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上4μm以下である。この範囲にあることで、表面の光沢度を効率的に抑えることができる。
遮光性フィルムは、その形態に係わらず、光学濃度は3以上であることが好ましい。より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上である。遮光性フィルムの光学濃度がこの範囲にあることで、遮光性を効果的に高めることができる。光学濃度は、JIS K7651(1988)に準拠して光学濃度計(TD−904:グレタグマクベス社製)を用いて求めることができる。なお、測定はUVフィルター用いることで求めることができる。
本実施形態の遮光性フィルムは、遮光層の単層構造による遮光性フィルムとして用いることも可能である。このような遮光層の単層構造の遮光性フィルムは、剥離可能な基材上に遮光層を形成し、その後剥離可能な基材を遮光層から剥離することにより製造することができる。
なお、この場合の遮光層の単層構造とは、剥離可能な基材を有しないことを表しており、本発明の効果を損なわない範囲で、接着剤層、粘着剤層、または補強基材等の機能層を有する形態を排除するものではない。
このとき、遮光性フィルムの厚みも、例えば2μm以上40μm以下といった薄膜とすることが可能となり、薄膜でありながら、遮光性と取り扱い性、安定性および加工性に優れる。無論、用途に応じて基材と遮光層との積層体とすることもできる。
また、遮光性フィルムは、遮光層上に、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等に遮光層を接着させるための接着層を有してもよい。接着層は、アクリル系接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、シリコーン接着剤などの感圧接着剤、感熱接着剤などの各種接着剤から形成することができる。
接着層は、ディップコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート等の従来公知の塗布方法により基材上に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。
遮光性フィルムが補強基材を有する場合、補強基材としては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成樹脂フィルムが挙げられる。中でもポリエステルフィルムが好適に用いられ、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステルフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れる点で特に好ましい。また、耐熱用途への使用には、ポリイミドフィルムが好適に用いられる。遮光層と相乗して遮光性を高める観点から、補強基材には、必要に応じてカーボンブラック等の着色剤を含有させてもよい。
補強基材の膜厚は、遮光性フィルムの用途、および構成により異なるが、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上50μm以下とすることがより好ましい、特に好ましくは、4μm以上30μm以下である。1μm以上とすることにより、遮光性フィルムの生産性を確保することができる。また、100μm以下とすることにより、薄型化、軽量化を可能とすることができる。
<遮光性フィルムの製造方法>
遮光性フィルムの製造方法としては、上述した遮光層の形成方法により、剥離可能な基材上に遮光層形成用樹脂組成物からなる遮光層を形成し、その後剥離可能な基材を遮光層から剥離して、遮光層単層構造を有する遮光性フィルムとすることができる。
剥離可能な基材は、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成樹脂フィルム、合成紙、紙、金属板などが挙げられる。また、剥離可能な基材は転写面を粗面化していてもよい。表面が粗面化されてなる剥離可能な基材の粗面化面上に、遮光層を形成し、剥離可能な基材を剥離することで、表面に凹凸形状を有した遮光層を容易に得ることができる。基材表面を粗面化する方法は特に限定されない。例えば、バインダー樹脂とマット化剤とを含むマット層塗布液を基材の表面上に塗布、乾燥することにより粗面化することができる。その他、基材表面に細かい砂を高速で吹き付けるサンドブラスト加工、基材を金属彫刻ロールと弾性ロールとの間を通すことによってなされるエンボス加工、基材表面を化学薬品で処理するケミカルエッチング等により基材表面を粗面化することができる。基材と遮光層とは、剥離可能に構成されている。基材と遮光層とを剥離可能に構成するためには、基材の剥離面、若しくは遮光層に、離型効果に優れる材料を含有させたり、基材やマット層上に離型処理を施すことが好ましい。離型効果に優れる材料としては、アルキド系樹脂化合物、フッ素系化合物、シリコーン系化合物が挙げられる。
基材の粗面化の程度は、要求される光沢により異なるが、算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601:2001)は0.1μm以上6.0μm以下とすることが好ましく、0.3μm以上5.0μm以下とすることがより好ましく、0.5μm以上4.0μm以下とすることがさらに好ましい。Raを0.1μm以上とすることにより光沢を低く抑えやすくすることができ、6.0μm以下とすることにより、剥離可能な基材を遮光層から剥離しやすくすることができる。剥離可能な基材の厚みは特に限定されることはないが、剥離時の作業性を考慮して、25〜250μm程度とすることが好ましい。
本発明の遮光性部材は、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の各種用途に有効に用いることができる。なかでも、高性能一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、プロジェクタ等の光学機器のシャッター、絞り部材等の光学部材用に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。実施例で使用した材料を以下の表1〜4に示す。尚、表1の内、樹脂−1と樹脂−2が繊維素系樹脂であり、樹脂−3と樹脂−4が繊維素系樹脂ではない樹脂である。
[実施例1]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物1を得た。続いて、剥離可能な基材の剥離処理面上に、得られた遮光層形成用樹脂組成物1を塗布、乾燥し、乾燥後の厚み20μmの遮光層を形成し、基材を剥離することで、遮光層の単層からなる遮光性フィルムを得た。ここで、剥離可能な基材とは、厚み100μmのポリエステルフィルムにサンドブラスト加工を行い、算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601(2001))0.8に表面を粗面化し、その粗面化した面に離型剤(離型剤名 X:リンテック社製)で剥離処理したものである。
<遮光層形成用樹脂組成物1>
・樹脂−1:100部
・硬化剤−1:20部
・黒色顔料−1:25部
・希釈溶剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1(質量比)からなる混合溶剤):820部
[実施例2〜25、比較例1〜4]
材料の種類および配合量を表5のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ遮光層形成用樹脂組成物および遮光性フィルムを製造した。表中、特に断りのない限り、数値は部を表し、空欄は配合していないことを表す。
[遮光性フィルムの評価]
実施例、比較例で得られた遮光性フィルムについて、引張強さ、引張伸び、耐屈曲性、カール、ガラス転移温度、損失正接(tanδ)、熱衝撃性、光学濃度、光沢度を評価した。結果を表1に示す。
[評価項目]
1.引張強さ
引張強さは、JIS K7127(1999)に準拠して求めた。幅10mm、長さ100mmの遮光性フィルムを引張試験機(テスター産業社製)で速度300mm/分で長さ方向に引張り、遮光層が破断したときの強さを測定した。40MPa以上で破断したときを「◎」、40MPa未満30MPa以上で破断したときを「○」、30MPa未満20MPa以上で破断したときを「△」、20MPa未満で破断したときを「×」とした。
2.引張伸び
引張伸びは、JIS K7127(1999)に準拠して求めた。幅10mm、長さ50mmの遮光性フィルムを引張試験機(テスター産業社製)で速度300mm/分で長さ方向に引張り、遮光層が破断したときの伸び率を測定した。
伸び率は下記数式で求めた。
引張伸び(%)=(破断時のフィルムの長さ−試験前のフィルムの長さ)÷試験前のフィルム長さ×100
引張伸びが30%以下で破断したものを「○」、30%を超えて破断したものを「×」とした。
3.耐屈曲性
得られた遮光性フィルムについて、JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験を行った。マンドレルを使用して試験した際に、マンドレル径が2mmで遮光層が割れないものを「○」とし、2mmを超えて10mm以下で遮光層に割れが生じるものを「△」、10mmより大きい径で遮光層に割れが生じるものを「×」とした。さらに、マンドレルがない状態での耐屈曲試験(遮光性フィルムを180度に折り曲げた試験)において割れが生じないものを「◎」とした。
4.カール
剥離可能な基材を有する遮光性フィルムを10cm×10cmの大きさに切断したサンプルを作製し、水平で平滑な台上に、遮光性フィルムの剥離可能な基材の面側を下にした状態で、1時間静置させた。次いで、台上からの遮光層のカールを測定して、カールが±5mm以内を「◎」とし、カールが±5mmを超えて±10mm以内を「○」とし、カールが±10mmを超えた場合を「×」とした。なお、このときの測定環境はJIS Z8703に準じた標準状態の温度23℃,相対湿度50%で行った。
5.ガラス転移温度と損失正接(tanδ)
得られた遮光性フィルムについて、ガラス転移温度と損失正接(tanδ)を測定した。ガラス転移温度が100℃以上を「○」とし、100℃未満を「×」とした。また、周波数1Hz、80℃における損失正接(tanδ)が0.1以下を「○」とし、0.1より大きい場合を「×」とした。尚、損失正接(tanδ)は、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製)を用いて、振動周波数1Hz、昇温速度5℃/分で−20℃から200℃まで測定し、得られたデータからtanδを算出して求めた。また、ガラス転移温度は、求めたtanδのピーク温度とした。
6.熱衝撃性
得られた遮光フィルムについて、熱衝撃試験(ヒートショック試験)を行った。85℃で30分間保持し、−40℃で30分間保持する操作を1サイクルとして、これを合計100サイクル繰り返すことにより行った。試験後の遮光性フィルムの状態を目視で観察して、変形が認められないものを「○」、変形が認められるものを「×」とした。
7.光学濃度
得られた遮光フィルムについて、光学濃度を測定した。光学濃度は、JIS K7651(1988)に準拠して光学濃度計(TD−904:グレタグマクベス社製)を用いて求めた。光学濃度が5以上を「◎」とし、4以上5未満を「○」とし、3以上4未満を「△」とし、3未満を「×」とした。
8.光沢度
得られた遮光フィルムについて、光沢度を測定した。光沢度は、光沢計(VG−2000:日本電色工業社製)を用いて、測定角度(θ)60度で測定することで求めた。遮光性フィルムのどちらかの一方の面の光沢度が3以下を「◎◎」とし、3より大きく5以下を「◎」とし、5より大きく10以下を「○」とし、10より大きい場合を「×」とした。
表6に示すように、本実施形態の遮光性フィルムは、繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤及び黒色顔料を含有してなる遮光層を有しているものであって、繊維素系樹脂を使用することで、遮光層の引張強さ、引張伸び、耐熱性を保持し、イソシアネート硬化剤を使用することで遮光層の耐熱性を保持しながらカールを低減できるという、良好な結果を確認できた。
本発明の遮光性フィルムは、遮光層のみの単層でも耐熱性、引張強さ、引張伸び、カールに優れているため、小型化、薄型化および軽量化が可能である。また、遮光性フィルムが基材を有する場合にも、遮光層単層の場合と同様に評価することができる。これらの結果より、本発明の遮光性フィルムは、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の各種用途に好適に用いることが可能である。
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Claims (9)

  1. 繊維素系樹脂、イソシアネート硬化剤および黒色顔料を含有してなる遮光層を有する遮光性フィルムであって、前記繊維素系樹脂100質量部に対して、前記イソシアネート硬化剤5〜50質量部、前記黒色顔料2〜40質量部含有し、JIS K7127(1999)に準拠した引張試験において、前記遮光層の引張強さが20MPa以上であることを特徴とする遮光性フィルム。
  2. 前記イソシアネート硬化剤が、脂肪族系イソシアネートを含む、請求項1記載の遮光性フィルム。
  3. JIS K7127(1999)に準拠した引張試験において、前記遮光層の引張伸びが30%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の遮光性フィルム。
  4. JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験において、前記遮光層に割れが生じる際のマンドレル直径が10mm以下であることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の遮光性フィルム。
  5. 前記遮光層のカールが、±10mm以内であることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の遮光性フィルム。
  6. 前記遮光層のガラス転移温度が、100℃以上であることを特徴とする請求項1〜5何れか1項記載の遮光性フィルム。
  7. 前記遮光層のガラス転移温度が100℃以上であり、前記遮光層の周波数1Hz、温度80℃における損失正接(tanδ)が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜6何れか1項記載の遮光性フィルム。
  8. 前記遮光層のみからなる、請求項1〜7何れか1項記載の遮光性フィルム。
  9. 光学部材用である、請求項1〜8何れか1項記載の遮光性フィルム。
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