JP2020065579A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐこと。【解決手段】クロック信号と複数の異なる制御信号との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段、可動体の動作を伴う可動体演出の制御を行う演出制御手段、演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアル制御データを複数の異なる制御信号に変換して駆動制御手段に出力可能であるとともに、演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアルクロックデータをクロック信号に変換して駆動制御手段に出力可能な信号変換手段と、を備える。さらに、スーパーリーチAとなる場合には、味方キャラが表示されてリーチ演出が開始される。リーチ演出の導入部分が終了する等、リーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、スーパーリーチAのタイトルが表示されるとともに、リーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで、タイトルが報知される。【選択図】図6

Description

本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
従来、遊技機が備えるリールを回転動作させるための駆動モータの駆動制御を、リールによる可変表示演出を制御する演出制御装置(サブ基板)からの制御指示にもとづいて行う駆動制御回路となるドライバICにおいて、ドライバICに対応して個別に設けられた動作クロック発生回路にて生成された動作クロックをドライバICに入力し、該入力された動作クロックにもとづいてドライバICが駆動モータの駆動制御を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−100771号公報
しかしながら、特許文献1にあっては、動作クロック発生回路が生成した動作クロックにもとづいてドライバIC(駆動制御回路)が動作するため、該動作クロックを演出制御装置(サブ基板)が直接管理できないとともに、演出制御装置(サブ基板)が制御処理に使用しているクロックとドライバIC(駆動制御回路)の動作クロックとの周期が異なることによって、不適切な駆動制御が実行されて駆動モータが誤動作してしまう場合があるという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことのできる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の手段1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
動作可能に設けられた可動体(例えば、リール301L、301C、301R)と、
前記可動体を動作させるための駆動力を発生する駆動手段(例えば、リールステッピングモータ307L、307C、307R)と、
前記駆動手段の駆動制御を、クロック信号(例えば、制御用クロック信号)と複数の異なる制御信号(例えば、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号)との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段(例えば、モータ駆動回路85、86、87)と、
前記可動体の動作を伴う可動体演出(例えば、変動表示演出)の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御基板80)と、
前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアル制御データ(例えば、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データ)を複数の異なる制御信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能であるとともに、前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアルクロックデータ(例えば、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを制御用クロック信号)をクロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な信号変換手段(例えば、シリアル信号回路89)と、
さらに、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図45(D)、(F))、遊技機。
この特徴によれば、駆動制御手段に入力されるクロック信号を、演出制御手段がシリアルクロックデータによって直接管理することができ、個別のクロック信号発生回路からのシリアル信号に同期していない不適切なクロック信号が駆動制御手段に入力されることにより不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。さらに、いずれの示唆演出が実行されるかに注目させることができ、興趣が向上する。
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段(例えば、演出制御基板80)は、前記シリアルクロックデータに対応したクロックデータを記憶可能であって、該記憶しているクロックデータを読み出して前記シリアルクロックデータを送信可能である(例えば、最短周期の制御用クロック信号(A)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の倍周期の制御用クロック信号(B)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の3倍周期の制御用クロック信号(C)に対応する「000111000111…」のデータ列がROMに記憶されており、該データ列をROMから読み出してモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データとして送信する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、シリアルクロックデータの送信毎にクロックデータを生成する必要がないので、シリアルクロックデータの送信に伴う処理負荷を低減できる。
本発明の手段3の遊技機は、手段1または手段2に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、該演出制御手段が有する動作クロック発生回路にて生成される動作クロックにもとづいて前記シリアルクロックデータを生成して送信可能である(例えば、変形例にて示すクロック信号データ変換処理において、演出制御用CPUが、該演出制御用CPUに入力されるクロック信号にもとづいて、該クロック信号を演算によって、シリアル信号回路89から出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列に変換して送信する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、動作クロックにもとづいてシリアルクロックデータが生成されるので、演出制御手段とシリアルクロックにもとづくクロック信号との同期を保つことが容易となる。
本発明の手段4の遊技機は、手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記信号変換手段(例えば、シリアル信号回路89)から出力されるクロック信号(例えば、最短周期の制御用クロック信号(A))を、分周によって周期の異なる分周クロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な分周手段(例えば、図7に示すように、分周によって基準波、2分周波、3分周波、…n分周波に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能なパルスカウンタ90)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、演出制御手段の処理負荷の増大を抑えつつ、周期の異なる分周クロック信号を駆動制御手段に出力することができる。
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであってもよい。
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の手段5〜手段12に係る発明が含まれる。従来より遊技機において特開2016−101428号公報に示されているような遊技機において、演出効果を高めることが望まれる。
本発明の手段5の遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図45(D)、(F))。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
本発明の手段6の遊技機は、手段5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記示唆演出実行手段は、複数種類の前記示唆演出を実行可能であって、
複数種類の前記示唆演出において、前記所定期間内の演出の少なくとも一部は共通の態様で実行可能であるようにしてもよい(例えば図45(C))。
このような構成によれば、いずれの示唆演出が実行されるかに注目させることができ、興趣が向上する。
本発明の手段7の遊技機は、手段5〜手段6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記示唆演出実行中の複数の実行タイミングにおいて、前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出(例えば発展演出や予告演出)を実行可能であり、
前記所定期間中には前記特定演出の実行タイミングが設けられないようにしてもよい。
このような構成によれば、タイトルの報知後でも遊技者の期待感を維持することができる。
本発明の手段8の遊技機は、手段5〜手段7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として少なくとも第1示唆演出(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチBのリーチ演出)と第2示唆演出(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチEのリーチ演出)とを実行可能であり、
前記タイトル報知手段は、前記第2示唆演出では、当該第2示唆演出の開始時から当該第2示唆演出に対応したタイトルを報知するようにしてもよい。
このような構成によれば、示唆演出に応じたタイトルの報知を実行できるので演出効果が向上する。
本発明の手段9の遊技機は、手段5〜手段8のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2示唆演出が実行された場合よりも前記第1示唆演出が実行された場合の方が前記有利状態に制御される割合が高いようにしてもよい。
このような構成によれば、演出効果が向上する。
本発明の手段10の遊技機は、手段5〜手段9のいずれかに記載の遊技機であって、
前記示唆演出実行手段は、前記所定期間において報知されるタイトルに関連する演出態様で前記示唆演出を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、演出効果が向上する。
本発明の手段11の遊技機は、手段5〜手段10のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えばスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031B)と、
前記検出手段に対応した特定表示(例えば小ボタン画像31AK043、大ボタン画像31AK047、スティック画像31AK051)を行う特定表示実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、をさらに備え、
前記特定表示実行手段は、
前記特定表示として、第1特定表示(例えば小ボタン画像31AK043)と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって有利度が高い第2特定表示(例えば、大ボタン画像31AK047、スティック画像31AK051)を表示可能であり、
前記検出手段による検出の非有効期間において、前記第1特定表示を表示した後に当該第1特定表示を前記第2特定表示に変化させ(例えば図53(E)、図54(I))、
前記検出手段による検出の有効期間において、変化後の前記第2特定表示を用いた動作演出が実行されるようにしてもよい(例えば図54(J)、(K))。
このような構成によれば、演出効果が向上する。
本発明の手段12の遊技機は、手段5〜手段11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(図55(a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像31AK061による表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(図55(d)に示すリーチタイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像31AK062等)とを表示可能な表示手段(例えば画像表示装置905、演出制御用CPU90120)をさらに備え、
前記表示手段は、
態様の異なる複数種類の要素(図55(a)、(d)に示す要素E1(バナナ)、要素E2(メロン)、要素E3(リンゴ)、要素E4(スイカ)、要素E5(イチゴ)等)を含んで構成された特定画像(図55(a)、(d)に示すフルーツ柄等)を表示可能であり、
前記特定画像を含むパターンにて前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれにも含まれるように表示する(図55(a)、(d)に示すシャッター画像31AK061、リーチタイトル画像31AK062のいずれにも要素E1〜E5が含まれるように表示する等)ようにしてもよい。
このような構成によれば、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示することができる。これにより、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
実施例1における遊技機を示す斜視図である。 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。 電源基板と演出制御基板、リール駆動制御基板及び演出表示装置における回路構成の一例を示すブロック図である。 モータ駆動回路における回路構成の一例を示すブロック図である。 シリアル信号回路における接続状態と信号の入出力状態を示す説明図である。 シリアル信号回路における信号変換状況を示す説明図である。 パルスカウンタによる分周信号を使用する変形例を示す図である。 励磁モードの設定例を示す説明図である。 各励磁モードにおいて電気角信号がLowの場合の電流値及び電気角を示す説明図である。 励磁モード変更処理の一例を示すフローチャートである。 演出用変動表示ユニットを示す斜視図である。 演出用変動表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。 リールを斜め前から見た状態を示す斜視図である。 リールを示す分解斜視図である。 リール保持枠とリールステッピングモータの取付構造を示す図である。 各相における電流値の割合と回転角度を示す模式図である。 各相における電流値の割合を示す原理図である。 2相励磁設定における駆動を示す説明図である。 1−2相励磁(Aタイプ)設定における駆動を示す説明図である。 W1−2相励磁設定における駆動を示す説明図である。 2W1−2相励磁設定における駆動を示す説明図である。 各リールステッピングモータにおける駆動停止タイミング及び電流値を示すタイミングチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 第2初期化処理の一例を示すフローチャートである。 第2初期化処理の一例を示すフローチャートである。 非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作例を示す説明図である。 非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作速度例を示す説明図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。 リール変動処理の一例を示すフローチャートである。 リール変動処理の一例を示すフローチャートである。 リール変動処理の一例を示すフローチャートである。 励磁パターンの一例を示す図である。 リールの変動制御の一例を示すタイミングチャートである。 変形例1における非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作例を示す説明図である。 リールモータとしてDCブラシレスモータを使用した変形例を示す図である。 この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。 演出動作例を示す図である。 演出動作例を示す図である。 演出動作例を示す図である。 演出動作例を示す図である。 演出動作例を示す図である。 演出動作例を示す図である。 予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。 予告演出決定処理における決定割合を示す図である。 変形例の演出動作例を示す図である。 変形例の演出動作例を示す図である。 変形例の演出動作例を示す図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 パチンコ遊技機の背面斜視図である。 遊技機用枠を開放した状態のパチンコ遊技機の背面斜視図である。 表示結果判定テーブルを示す説明図である。 大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 ハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。 非リーチハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。 特徴部121IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。 特徴部121IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。 設定確認処理および設定変更処理を示すフローチャートである。 電源投入時に実行される処理を示す説明図である。 設定変更処理における表示モニタの表示態様を示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一部を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 初期出目決定テーブルを示す説明図である。 特徴部112AKにおける特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部112AKにおける右打ち指示報知処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部112AKにおける設定示唆の決定割合を示す図である。 特徴部112AKにおける右打ち指示報知の実行態様の決定割合を示す図である。 特徴部112AKにおける特定報知の演出動作例を示す図である。 特徴部113AKにおける先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部113AKにおける保留表示段階決定テーブルの具体例を示す説明図である。 特徴部113AKにおける表示段階変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。 特徴部113AKにおける表示段階変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。 特徴部113AKにおける表示段階変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。 特徴部113AKにおける表示段階変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。 特徴部113AKにおける作用演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部113AKにおける作用演出の決定割合を示す図である。 特徴部113AKにおける作用演出にて表示する画像の形状の決定割合を示す図である。 特徴部113AKにおける作用演出と先読み予告演出が実行された場合における演出動作例を示す図である。 特徴部114AKにおける可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部114AKにおける所定演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部114AKにおける共通演出の決定割合を示す図である。 特徴部114AKにおける共通演出の実行結果の決定割合を示す図である。 特徴部114AKにおける共通演出の種類の決定割合を示す図である。 特徴部114AKにおける設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部114AKにおける設定示唆の決定割合を示す図である。 特徴部114AKにおける設定示唆態様の決定割合を示す図である。 特徴部114AKにおける共通演出と設定示唆(示唆演出)の演出動作例を示す図である。 変形例における設定示唆態様の決定割合を示す図である。 特徴部115AKにおける可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部115AKにおける設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部115AKにおける設定示唆の決定割合を示す図である。 特徴部115AKにおける設定示唆態様の決定割合を示す図である。 特徴部115AKにおける設定示唆の演出動作例を示す図である。 特徴部115AKにおける可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部116AKにおける設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部116AKにおける設定示唆の決定割合を示す図である。 特徴部116AKにおける設定示唆態様の決定割合を示す図である。 特徴部116AKにおける設定示唆の演出動作例を示す図である。 特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部117AKにおける設定示唆モードの一例を示す説明図である。 特徴部117AKにおける設定示唆パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部117AKにおける設定示唆パターンの一例を示す説明図である。 特徴部117AKにおける設定示唆モード設定画面、設定示唆パターン設定画面の一例を示す説明図である。 特徴部118AKにおける可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部118AKにおける選択演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部118AKにおける選択肢のパターンの一例を示す説明図である。 特徴部118AKにおける設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部118AKにおける設定示唆の決定割合を示す図である。 特徴部118AKにおける設定示唆態様の決定割合を示す図である 。 特徴部118AKにおける可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部118AKにおける選択演出および設定示唆の演出動作例を示す図である。 変形例における選択演出および設定示唆の演出動作例を示す図である。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例にもとづいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された所定板厚を有するベニヤ板からなり、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等が一体的に組み付けられている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置9を構成する演出用変動表示ユニット300(図11参照)が設けられている。演出用変動表示ユニット300は、略水平に設けられた回動軸(図示略)を中心として回動可能に設けられ、該回動軸(図示略)の軸心方向(水平方向)に並設された複数のリール301L、301C、301R(左リール、中リール、右リールとも言う)からなる(図12参照)。各リールの外周(周面)には、各々が識別可能な複数種類の演出図柄(図1参照)が配列されており、図1に示すように、これらリールに配列された図柄のうち連続する3つの図柄がガラス扉枠102に設けられた透視窓102aを通して視認できるように配置されている。「左」、「中」、「右」のリール301L、301C、301Rは、互いに所定の隙間を隔てて並設され、ガラス扉枠102に形成された透視窓(図示略)を通して図柄を視認可能な変動表示部(図柄表示エリア)を有する。
このように演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中にリール301L、301C、301Rを回転させることにより、演出図柄の変動表示による変動表示演出を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の下方位置には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのLEDからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。本実施例では、上下のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のLEDが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のLEDが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のLEDが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30によって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
図1および図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LEDが設けられ、天枠LED28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLEDが設けられている。尚、賞球LEDおよび球切れLEDは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、変動時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
リール301L、301C、301Rでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、これらリール301L、301C、301Rを回転させることにより演出図柄の変動表示(可変表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてからリール301L、301C、301Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、リール301L、301C、301Rにおける一部(例えばリール301Lとリール301Rなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りのリール(例えばリール301Cなど)においては未だ演出図柄が変動している表示状態、あるいは、リール301L、301C、301Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
尚、本実施例のリール301L、301C、301Rは、演出図柄の変動表示において共に回転するとともに、演出図柄の変動表示が終了する際には、リール301L→リール301R→リール301Cの順に回転が停止する場合と、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止し、最後にリール301Cの回転が停止する場合がある。尚、演出図柄の変動表示においては、リール301Lとリール301Cとが同時に停止することは無い。
パチンコ遊技機1には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板31)、演出表示装置9等の演出装置を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80、音声制御基板70、LEDドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が搭載されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板82(図3参照)等が設けられている。電源基板82には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、本実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、本実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケースで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2に示すように、主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含み、該I/Oポート部57を介して払出制御基板37や演出制御基板80に対して各種コマンドを送信可能となっている。本実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。尚、払出制御基板37や演出制御基板80にも遊技制御用マイクロコンピュータ156から各種コマンドを受け付けるためのI/Oポート部が内蔵されているが、これらI/Oポート部は、払出制御基板37や演出制御基板80に外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板82において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、本実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板82からのリセット信号が入力される。電源基板82には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板82からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板82には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板82に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30、30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
尚、本実施例では、中継基板77を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述する中継基板77の機能を演出制御基板80や主基板31に設けるようにして、中継基板77を有しない構成としてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。また、演出制御基板80には電源基板82が接続されており(図3参照)、該電源基板82から供給される電力によって演出制御基板80に搭載されているRAMやROM、演出制御用CPU(図示略)等が動作可能となっている。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、所定の出力指示情報(シリアル信号)をリール駆動制御基板81に対して出力することによって、リール301L、301C、301Rの回転・停止やリールライト310a、310b、310cの点灯・消灯の制御を、リール駆動制御基板81に実行させることができるようになっている。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御基板80に搭載されている図示しないシリアル信号回路から、モータ駆動回路85、86、87に入力される駆動用高周波信号(クロック信号)や各種制御信号(図4、図5参照)や、リールライト駆動回路88に入力される信号であって、第1リールライト310a、第2リールライト310b及び第3リールライト310cの点灯・消灯を制御するためのリールライト制御信号に対応する出力指示情報(シリアル信号)をシリアル信号回路89に対して出力することにより、シリアル信号回路89からモータ駆動回路85、86、87に対して第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させるための各種信号や、第1リールライト310a、第2リールライト310b、第3リールライト310cを点灯・消灯させるためのリールライト制御信号がリールライト駆動回路88に出力される。
尚、演出制御用CPUが有する出力ポートからは、音声制御基板70に対して音番号データを出力する。音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
LEDドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がLEDドライバ基板35に搭載される。
ここで、リール駆動制御基板81及び演出表示装置9について、図3及び図4にもとづいて説明する。
演出表示装置9には、リール301Lを回転させるための第1リールステッピングモータ307L、リール301Cを回転させるための第2リールステッピングモータ307C、リール301Rを回転させるための第3リールステッピングモータ307Rが設けられている。また、演出表示装置9には、リール301Lを該リール301Lの内側から照らすための第1リールライト310a、リール301Cを該リール301Cの内側から照らすための第2リールライト310b、リール301Rを該リール301Rの内側から照らすための第3リールライト310cと、リール301Lの原点位置(初期位置)を検出するための第1リール原点検出センサ309a、309b、リール301Cの原点位置(初期位置)を検出するための第2リール原点検出センサ309c、309d、リール301Rの原点位置(初期位置)を検出するための第3リール原点検出センサ309e、309fがそれぞれ設けられている。
尚、本実施例における第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、それぞれが内部に回転子と該回転子を包囲する固定子A(以下、A相)と固定子B(以下、B相)を備え、回転子の回転方向の全周に亘って複数の磁極が配置されていることによって基本ステップ角度が1.8°に設定されている2相ステッピングモータである。尚、本実施例では、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rとして、基本ステップ角度が1.8°である2相ステッピングモータを使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rとして使用するステッピングモータは、5相ステッピングモータ等の2相以外のステッピングモータでもよいし、または、基本ステップ角度が1.8°以外のステッピングモータであってもよい。
リール駆動制御基板81には、モータ駆動用電源回路83(モータ駆動用電源回路1)、モータ駆動用電源回路84(モータ駆動用電源回路2)、モータ駆動回路85(モータ駆動回路1)、モータ駆動回路86(モータ駆動回路2)、モータ駆動回路87(モータ駆動回路3)、リールライト駆動回路88、シリアル信号回路89等が搭載されている。
このうちモータ駆動用電源回路83は、演出制御基板80、モータ駆動回路85及びモータ駆動回路86と接続されており、モータ駆動用電源回路84は、演出制御基板80及びモータ駆動回路87と接続されている。尚、モータ駆動用電源回路83及びモータ駆動用電源回路84は、図3に示すように、電源基板82から演出制御基板80を介して供給された電力にもとづいてモータ駆動回路85、86、87に供給するための電力を生成する(例えば、電源基板82からDC30Vの電力が供給される場合は、DC20Vの電力を生成する)ための電源回路であり、モータ駆動用電源回路83は、モータ駆動回路85とモータ駆動回路86とに接続されており、モータ駆動用電源回路84は、モータ駆動回路87に接続されている。そして、モータ駆動回路85は、モータ駆動用電源回路83にて生成された電圧の電力にて第1リールステッピングモータ307Lを駆動可能となっており、モータ駆動回路86は、モータ駆動用電源回路83にて生成された電圧の電力にて第2リールステッピングモータ307Cを駆動可能となっており、モータ駆動回路87は、モータ駆動用電源回路84にて生成された電圧の電力にて第3リールステッピングモータ307Rを駆動可能となっている。
つまり、前述したように、リール301L、301C、301Rは、演出図柄の変動表示が終了する際に、リール301L→リール301R→リール301Cの順に回転が停止する場合だけではなく、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止し、最後にリール301Cの回転が停止する場合があるので、本実施例では、同時に停止する可能性があるリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Rの第3リールステッピングモータ307Rを駆動するモータ駆動回路87とを異なる電源回路に接続し、同時に停止する可能性が少ないリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Cの第2リールステッピングモータ307Cを駆動するモータ駆動回路86とを同一のモータ駆動用電源回路83に接続している。
よって、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止する場合にあっては、第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rに供給される電力(電流)が大きく変化して、電源回路に大きな負担や過電流が流れる可能性があるが、本実施例では、リール301Lを回転させるための第1リールステッピングモータ307L及びモータ駆動回路85と、リール301Rを回転させるための第3リールステッピングモータ307R及びモータ駆動回路87に電力を供給する電源回路(モータ駆動用電源回路83とモータ駆動用電源回路84)を、上記したように、異なる電源回路としているので、モータ駆動回路85とモータ駆動回路87とが、同一の電源回路、例えば、モータ駆動用電源回路83に接続されている場合に比較して、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止した場合であっても1つの電源回路あたりの使用電力の変化量を小さく抑えることができるので、保護回路等を設ける必要がなく、保護回路等を設けるためのコスト増を抑えることができるようになっている。
尚、本実施例では、同時に停止する可能性があるリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Rの第3リールステッピングモータ307Rを駆動するモータ駆動回路87とを異なる電源回路に接続するだけではなく、同時に停止する可能性が少ないリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Cの第2リールステッピングモータ307Cを駆動するモータ駆動回路86とを同一のモータ駆動用電源回路83に接続することによって、各モータ駆動回路85、86、87の各々にモータ駆動用電源回路を個別に設けた場合に比較して、モータ駆動用電源回路の数を少なくすることにより、コストを削減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各モータ駆動回路85、86、87をそれぞれ個別の電源回路に接続するようにしてもよい。
リールライト駆動回路88は、第1リールライト310a、第2リールライト310b及び第3リールライト310cに接続されている。また、リール駆動制御基板81に搭載されているモータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88と、演出表示装置9に搭載されている第1リールライト310a、第2リールライト310b、第3リールライト310c、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fは、シリアル信号回路89を介して演出制御基板80とシリアル通信により通信可能に接続されている。よって、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fから出力された信号は、シリアル信号回路89に入力され、該シリアル信号回路89から演出制御基板80に対しては、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fの信号出力状態を通知するシリアルデータが送信されることにより、演出制御基板80が第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fの検出状況、つまり、リール301L、リール301C、リール301Rが初期位置に位置しているか否かを把握することができるようになっている。
このように本実施例では、リール駆動制御基板81と演出制御基板80とがシリアル通信にて接続されていることで、リール駆動制御基板81と演出制御基板80とを、各信号を個別に送受するパラレル通信により接続する場合に比較して、演出制御基板80に接続する配線数を少なくできることで、電源線からのノイズ防止対策を容易にできることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、リール駆動制御基板81と演出制御基板80とを、シリアル通信以外の形態で接続するようにしてもよい。
尚、本実施例では、シリアル信号回路89を介して各モータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で通信可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、該シリアル信号回路89は、各モータ駆動回路85、86、87と演出制御基板80との間で通信可能とするための第1シリアル信号回路、リールライト駆動回路88と演出制御基板80との間で通信可能とするための第2シリアル信号回路、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で通信可能とするための第3シリアル信号回路に分かれていてもよい。更にこれら第1シリアル信号回路、第2シリアル信号回路及び第3シリアル信号回路は、演出制御基板80との間での通信間隔が異なるもの(例えば、第1シリアル信号回路は各モータ駆動回路85、86、87と演出制御基板80との間で、例えば0.5ms或いは1msの比較的短い間隔で通信可能であり、第2シリアル信号回路はリールライト駆動回路88と演出制御基板80との間で、例えば10msの比較的長い間隔で通信可能であり、第3シリアル信号回路は第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で、例えば、5msの中間的な間隔で通信可能)であってもよく、このようにすることで、高速回転することにより、きめ細かな制御が必要となるモータ駆動回路85、86、87による第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの制御頻度と、きめ細かな制御が不要なリールライト駆動回路88による第1リールライト310a、第2リールライト310b、第3リールライト310cの制御とで、制御の頻度を異なるものとすることができるので、演出制御基板80側において、制御処理の処理負荷が無用に大きくなってしまうことを防ぐことができる。
また、は第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fを、シリアル信号回路89を介さずに演出制御基板80に接続することで、これら第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fの検出状態・非検出状態を直接演出制御基板80に通知可能なようにしてもよい。
また、本実施例では、シリアル信号回路89を介して各モータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で通信可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各モータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間ではシリアル信号にて通信可能としてもよい。このようにすることで、演出制御基板80とリール駆動制御基板81との間で送受信する信号をシリアル信号からパラレル信号またはパラレル信号からシリアル信号に変換するためのコンバータを設けなくともよくなるので、パチンコ遊技機1を安価に製造することができる。
次に、モータ駆動回路85、86、87について説明する。図4に示すように、モータ駆動回路85、86、87は、主に、コントローラ401、励磁モード設定回路402、電気角監視回路403、チョッピング信号生成回路404、ステップ信号生成回路405、過熱検出回路406、過電流検出回路407、内部駆動電力生成回路409、電源投入時リセット回路408、駆動用パルス生成回路410、駆動電流設定回路411、パルス出力制御回路412、出力パルス生成回路415、416、駆動電流比較回路413、414等が含まれている。
このうちコントローラ401は、各モータ駆動回路85、86、87の制御を行う回路であって、主に、演出制御基板80からの受信によってシリアル信号回路89から出力される各種信号(正転・逆転信号、電気角初期化信号、出力制御信号)並びに制御用クロック信号にもとづいて、主にステップ信号生成回路405の制御を行う。
励磁モード設定回路402は、演出制御基板80から受信した励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2にもとづいて励磁モードを後述するスタンバイモード、2相励磁、1−2相励磁(Aタイプ)、W1−2相励磁、1−2相励磁(Bタイプ)、2W1−2相励磁、4W1−2相励磁、8W1−2相励磁のいずれかに設定するための回路である。励磁モード設定回路402は、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2にもとづいて設定した励磁モードをコントローラ401と電気角監視回路403、ステップ信号生成回路405に通知する機能も有している。
電気角監視回路403は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの電気角を監視するための回路である。この電気角監視回路403は、A相とB相とに異なる強さの電流値が印加されているときには電気角信号をHighで継続して出力し、A相とB相に同一の強さの電流値が印加されているときには電気角信号Lowで継続して出力する。尚、図9に示すように、本実施例において電気角信号がLowで出力されている場合とは、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相とB相とに、モータ駆動回路85、86、87に供給されている電流の100%の電流値または71%の電流値が印加されている場合であるとともに、電気角が45°となるときである。
つまり、本実施例の電気角監視回路403は、A相とB相とに印加されている電流値の大きさが同一であり且つこれらA相とB相に印加されている電流値が正の値である期間において電気角信号をLowで継続して出力することで、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転子が電気的に安定した位置に配置されていることを示すとともに、A相とB相に印加されている電流値の大きさが異なっている場合や、A相とB相に印加されている電流値の大きさが同一ではあるが、A相とB相に印加されている電流値の少なくとも一方が負の値である期間において電気角信号をHighで継続して出力することで、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転子が電気的に安定した位置に配置されていないことを示す回路である。そして、電気角信号がLowで出力されている場合は、励磁モードにかかわらず、電気角は必ず45°となる。
尚、本実施例の電気角監視回路403は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相とB相に印加されている電流値にもとづいて電気角信号の出力状態を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電気角監視回路403は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相とB相とに生じている磁力の大きさや、制御用クロック信号等にもとづいて電気角信号の出力状態を変化させてもよい。尚、本実施例では、モータ駆動回路85、86、87内に電気角監視回路403を設けることによって電気角信号を出力可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ駆動回路85、86、87は、電気角信号を出力しないものであってもよい。
チョッピング信号生成回路404は、後述する駆動用パルス生成回路410にて生成された三角波の駆動用パルス信号を矩形波に調整することでチョッピング信号を生成する回路である。尚、チョッピング信号とは、該矩形波の16カウント分を1周期とする信号である。ステップ信号生成回路405は、チョッピング信号生成回路404において生成されたチョッピング信号と、シリアル信号回路89からの制御用クロック信号にもとづいてコントローラ401から出力される信号によりステップ信号を生成する回路である。
過熱検出回路406は、パルス出力制御回路412の発熱を監視し、該パルス出力制御回路412の温度が規定温度に達した場合にコントローラ401に対して過熱検出信号を出力することによって該パルス出力制御回路412の温度が規定温度に達したことを通知するための回路である。過電流検出回路407は、パルス出力制御回路412に印加されている電流が規定電流に達した場合にコントローラ401に対して過電流検出信号を出力することによって該パルス出力制御回路412に印加されている電流が規定電流に達したことを通知するための回路である。コントローラ401は、過熱検出信号や過電流検出信号を受信した場合、励磁モードをスタンバイモードに設定することによって各ステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動を停止するとともに、パルス出力制御回路412の温度が規定温度に達したことやパルス出力制御回路412に印加されている電流が規定電流に達したことを示す異常検知信号を演出制御基板80やパチンコ遊技機1の外部に対して出力する。
内部駆動電力生成回路409は、モータ駆動電力からモータ駆動回路85、86、87内にて使用される内部駆動電力を生成するための回路であり、生成された内部駆動電力は、コントローラ401等に供給されており、コントローラ401は、該内部駆動電力によって動作する。尚、モータ駆動電力は、駆動用パルス生成回路410等の複数の回路に供給されており、これら駆動用パルス生成回路410等の複数の回路は、該モータ駆動電力によって動作する。電源投入時リセット回路408は、モータ駆動回路85、86、87に電源(モータ駆動電力)が投入されたことにもとづいて、これらモータ駆動回路85、86、87が正常に立ち上がるようにモータ駆動回路85、86、87の状態をリセットするための回路である。
駆動用パルス生成回路410は、外部から入力される駆動用高周波信号にもとづいて三角波である駆動用パルス信号を生成する回路である。尚、生成された駆動用パルス信号は、前述したように、チョッピング信号生成回路404において矩形波に調整されてチョッピング信号として用いられる。駆動電流設定回路411は、演出制御基板80からシリアル信号回路89を介して入力されるA相出力設定信号とB相出力設定信号とにもとづいて各ステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動するための設定電流値(上限電流値)を設定するための回路である。尚、駆動電流設定回路411は、A相出力設定信号とB相出力設定信号とにもとづいて設定された設定電流値にもとづく電流値を駆動電流比較回路413、414に通知する機能を有している。
パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415、416から各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに対して電流の印加タイミングを制御するための回路である。出力パルス生成回路415、416は、パルス出力制御回路412の制御にもとづいてA相やB相へ印加するための電流の蓄電及び放電(出力)を行うための回路である。本実施例では、出力パルス生成回路415は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相に対して電流を印加するための回路であり、出力パルス生成回路416は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるB相に対して電流値を印加するための回路である。また、出力パルス生成回路415は、蓄電されている電流値を駆動電流比較回路413に通知する機能を有しており、出力パルス生成回路416は、蓄電されている電流値を駆動電流比較回路414に通知する機能を有している。
駆動電流比較回路413は、出力パルス生成回路415に蓄電されている電流値と駆動電流設定回路411から通知された電流値とを比較するための回路であり、パルス出力制御回路412と相互通信可能に接続されている。駆動電流比較回路414は、出力パルス生成回路416に蓄電されている電流値と駆動電流設定回路411から通知された電流値とを比較するための回路であり、パルス出力制御回路412と相互通信可能に接続されている。
本実施例の出力パルス生成回路415、416は、パルス出力制御回路412の制御にもとづいて、クロック信号の入力が1回実行される毎に各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相・B相に電流を印加するための蓄電と放電(出力)を繰り返す回路である。このクロック信号の入力において、パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415、416において蓄電を行うよう制御する。このときパルス出力制御回路412は、駆動電流比較回路413、414と通信することによって出力パルス生成回路415、416に蓄電されている電流値がそれぞれ駆動電流設定回路411から通知された電流値に達しているか否かを監視しており、出力パルス生成回路415、416に蓄電されている電流値が駆動電流設定回路411から通知された電流値に達したことにもとづいて、各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相及びB相にパルス信号の出力(放電、電流値の印加)を行うように出力パルス生成回路415、416を制御する。
ここで、本実施例に用いたシリアル信号回路89における信号変換について、図5、図6を用いて説明する。本実施例のシリアル信号回路89は、前述したように、リール駆動制御基板81に、モータ駆動回路85、86、87やリールライト駆動回路88とともに実装されている。
シリアル信号回路89は、前述したように、演出制御基板80に実装されている演出制御基板側のシリアル信号回路とシリアル信号線にて接続されて、演出制御基板80との間において双方向のシリアルデータ通信を行う。
尚、本実施例のシリアル信号回路89は、シリアル通信用のクロック信号をデータ信号とともに送信する同期方式のシリアル通信を行う形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所定長のデータの前後にスタートビットとストップビットとを付加することによる調歩同期方式のシリアル通信を行うものであってもよく、これらシリアル通信の方式は、シリアル通信が可能なものであればいずれの方式であってもよい。
シリアル信号回路89は、図5に示すように、モータ駆動回路85、86、87のぞれぞれと、前出したように、モータ駆動回路85、86、87に入力される各制御信号である、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号、制御用クロック信号の各信号を出力するための9本の信号配線にて接続されており、演出制御基板80から受信した制御指示のシリアルデータ信号を、上記した各制御信号に変換して出力する。
具体的には、図6に示すように、演出制御基板80からは、データの種別を特定可能な所定のヘッダが先頭に付加されて、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用制御データ、モータ駆動回路3用クロック信号データ、リールライト駆動回路用データ、が1単位の制御指示として繰り返し送信される。尚、1単位の制御指示が送信されてから次ぎに1単位の制御指示が送信されるまでの間において、第1リール原点検出センサ309a、309bや、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fの検出結果を示す検出シリアルデータが、シリアル信号回路89から演出制御基板80へ送信される。
モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データには、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号として、どのような信号を出力するかの指示データが含まれており、これらの指示データによって指示された形態の信号が、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号として、モータ駆動回路85、86、87に出力される。よって、同じ種類の制御信号、例えば、同じ出力制御信号であっても、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データを異ならせることにより、モータ駆動回路85、86、87に対して、異なる形態の信号を個別に出力することが可能である。
また、モータ駆動回路1用クロック信号データは、モータ駆動回路85に対して制御用クロック信号を出力するためのシリアルデータであり、モータ駆動回路2用クロック信号データは、モータ駆動回路86に対して制御用クロック信号を出力するためのシリアルデータであり、モータ駆動回路3用クロック信号データは、モータ駆動回路87に対して制御用クロック信号を出力するためのシリアルデータである。
これらクロック信号データとしては、図6に示すように、出力される制御用クロック信号の形態に対応した複数種類のデータが設定されている。具体的には、例えば、クロック信号データが「010101…」のデータであれば、シリアル信号回路89は、最も周期の短い最短周期の制御用クロック信号(A)を出力し、クロック信号データが「00110011…」のデータであれば、シリアル信号回路89は、最短周期の倍周期の制御用クロック信号(B)を出力し、クロック信号データが「000111000111…」のデータであれば、シリアル信号回路89は、最短周期の3倍周期の制御用クロック信号(C)を出力するように、クロック信号データに対応した異なる周期の制御用クロック信号をモータ駆動回路85、86、87に対して出力する。
尚、これらクロック信号データとして、シリアル信号回路89からの制御用クロック信号の出力を停止するクロック信号データを設定しておき、該出力を停止するクロック信号データを送信することで、シリアル信号回路89からモータ駆動回路85、86、87に対する制御用クロック信号の出力を停止させるようにして、これらクロック信号によるノイズを低減できるようにしてもよい。
このように、各モータ駆動回路85、86、87に対して入力される制御用クロック信号の周期を変更することで、モータ駆動回路85、86、87によって駆動される第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの駆動速度等を、電気角等に関係なく適宜に変更することができる。
また、各モータ駆動回路85、86、87に入力される制御用クロック信号は、演出制御基板80から送信されるクロック信号データが変換されて出力されるため、各モータ駆動回路85、86、87に入力される制御用クロック信号を、演出制御基板80がクロック信号データによって直接管理することができるようになるとともに、例えば、リール駆動制御基板81に、個別のクロック信号発生回路を設けて、該クロック信号発生回路にて生成した制御用クロック信号を各モータ駆動回路85、86、87に入力する場合に比較して、これら個別のクロック信号発生回路から入力されるクロック信号の周期とシリアルデータ通信の周期との違いによって、不適切な駆動制御が行われてしまうことも防ぐことができる。
尚、本実施例では、演出制御基板80側において、各周期に対応するクロック信号データのデータ列が、予め演出制御基板80に実装されたROMの所定領域に記憶されており、演出制御基板80に実装された演出制御用CPUは、クロック信号データを送信する際に、シリアル信号回路89から出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列を、ROMから読み出して使用することで、クロック信号データの送信に際して、逐次、出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列を生成する処理を実行することなくクロック信号データを送信できるようになっており、これらクロック信号データの送信に関する処理負荷を低減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPUが、該演出制御用CPUに入力されるクロック信号にもとづいて、該クロック信号を演算によって、シリアル信号回路89から出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列に変換するクロック信号データ変換処理を実行することにより、クロック信号データのデータ列を、逐次、変換によって生成するようにしてもよい。つまり、演出制御手段である演出制御基板80(演出制御用CPU)は、演出制御基板80(演出制御用CPU)が有する動作クロック発生回路にて生成される動作クロックにもとづいて、シリアルクロックデータであるモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを生成して送信可能としてもよい。このようにクロック信号データ変換処理にてクロック信号データを、演出制御用CPUに入力されるクロック信号から生成(変換)するようにすることで、クロック信号データの送信に関する処理負荷は増えるものの、演出制御用CPUにおける動作周期との同期も得られるようになるので、より一層、周期の違いによって、不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、図6に示すように、周期の異なる制御用クロック信号に対応した複数種類のクロック信号データを演出制御基板80が送信する形態を例示しているが、該形態は、例えば、周期の数が少ない場合にはよいが、これら周期の数が多くなった場合には、演出制御基板80の処理負荷等が増大してしまうとともに、クロック信号データのデータ容量も大きくなってシリアル通信のデータ量が増大してしまうことから、例えば、周期の数が多数であるn(n分周)である場合には、図7に示すように、シリアル信号回路89と各モータ駆動回路85、86、87との間に、分周手段となるパルスカウンタ90を設けるとともに、演出制御基板80からは、基準となる制御用クロック信号、例えば、上述した最短周期の制御用クロック信号(A)に対応したクロック信号データと、パルスカウンタ90に出力される分周を制御するための分周制御信号に対応した分周制御データとを送信することで、該クロック信号データと分周制御データとを受信したシリアル信号回路89が、パルスカウンタ90に対して、基準制御用クロック信号となる最短周期の制御用クロック信号(A)と分周制御信号を出力することにより、パルスカウンタ90が、基準制御用クロック信号を、分周制御信号にて特定される周期に分周した分周波(分周パルス)を、モータ駆動回路85、86、87に出力するようにすることで、周期の数の増大による演出制御基板80の処理負荷の増大を抑えるとともに、シリアル通信のデータ量の増大も抑えることができるようにしてもよい。
以上のように本実施例のシリアル信号回路89やモータ駆動回路85、86、87が構成されている。次に、これらモータ駆動回路85、86、87を用いて各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動する場合の動作について説明する。
先ず、モータ駆動回路85、86、87にモータ駆動電力が供給されると、内部駆動電力生成回路409は、電源投入時リセット回路408を用いてモータ駆動回路85、86、87が正常に立ち上がるようにモータ駆動回路85、86、87の状態をリセットする。そして、駆動用パルス生成回路410等の回路へのモータ駆動電力の供給を開始するとともに、コントローラ401への内部駆動電力の供給を開始する。
次に、コントローラ401は、内部駆動電力の供給を受けることで立ち上がると、励磁モード設定回路402から設定されている励磁モードの通知を受信して記憶する。尚、電気角監視回路403やステップ信号生成回路405も励磁モード設定回路402から設定されている励磁モードの通知を受信して記憶する。また、チョッピング信号生成回路404は、駆動用パルス生成回路410が駆動用高周波信号から生成した三角波の駆動用パルス信号を矩形波に調整することでチョッピング信号に調整し、ステップ信号生成回路405に出力する。
そして、コントローラ401は、演出制御基板80から制御用クロック信号、正転・逆転信号等の信号が入力されると、ステップ信号生成回路405に対してリールステッピングモータ307L、307C、307Rを正転・逆転信号が示す方向を通知する。このとき、駆動電流設定回路411には、演出制御基板80からA相出力設定信号とB相出力設定信号が入力されており、駆動電流設定回路411は、A相出力設定信号にもとづいて出力パルス生成回路415にて蓄電する電流値を駆動電流比較回路413に通知するとともに、B相出力設定信号とにもとづいて出力パルス生成回路416にて蓄電する電流値を駆動電流比較回路414に通知する。
次いで、ステップ信号生成回路405は、コントローラ401から入力された正転・逆転信号とチョッピング信号生成回路404から入力されたチョッピング信号にもとづいて、パルス出力制御回路412に対して出力パルス生成回路415の蓄電・放電を指示するためのステップ信号と、出力パルス生成回路416の蓄電・放電を指示するためのステップ信号とを出力する。また、ステップ信号生成回路405は、これらステップ信号を出力するごとに電気角監視回路403に対して励磁モードに応じたステップ角度を特定可能な信号を通知する。
パルス出力制御回路412は、ステップ信号生成回路405からのステップ信号の入力にもとづいて出力パルス生成回路415における蓄電を開始する。該蓄電中において、出力パルス生成回路415は該出力パルス生成回路415にて蓄電されている電流値を駆動電流比較回路413に対して通知するようになっている。また、駆動電流比較回路413は、該出力パルス生成回路415にて蓄電されている電流値が駆動電流設定回路411から通知された電流値に達したことにもとづいて、パルス出力制御回路412に対して出力パルス生成回路415に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことを通知する。
そして、パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことにもとづいて、出力パルス生成回路415から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相への放電(パルス信号の出力)を行うように出力パルス生成回路415を制御する。
同様に、パルス出力制御回路412は、ステップ信号生成回路405からのステップ信号の入力にもとづいて出力パルス生成回路416における蓄電を開始する。該蓄電中において、出力パルス生成回路416は該出力パルス生成回路416にて蓄電されている電流値を駆動電流比較回路414に対して通知するようになっている。また、駆動電流比較回路414は、該出力パルス生成回路415にて蓄電されている電流値が駆動電流設定回路411から通知された電流値に達したことにもとづいて、パルス出力制御回路412に対して出力パルス生成回路416に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことを通知する。
そして、パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415、416に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことにもとづいて、出力パルス生成回路415、416から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのB相への放電(パルス信号の出力)を行うように、出力パルス生成回路415、416を制御する。尚、後述するように、出力パルス生成回路415、416から出力されるパルス信号の電流値は、励磁モードに応じて異なっているが、設定電流値を超えることはない。
以上のように出力パルス生成回路415、416にて蓄電された電流の放電が行われることによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相には、駆動電流設定回路411に入力されたA相出力設定信号にもとづく電流値が印加され、各リールステッピングモータ307L、307C、307RのB相には、駆動電流設定回路411に入力されたB相出力設定信号にもとづく電流値が印加されるようになっている。また、演出制御基板80(演出制御用CPU)から駆動電流設定回路411に入力されるA相出力設定信号とB相出力設定信号によって各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動中であっても各出力パルス生成回路415、416から出力されるパルス信号の電流値を変更することによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rのトルク及び発熱量を変更することが可能となっている。尚、本実施例における各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにおいては、A相とB相に印加される電流値が増加することによってトルクと発熱量が増大する一方で、A相とB相に印加される電流値が低下することによってトルクと発熱量が減少するようになっている。
次に、励磁モード設定回路402が演出制御基板80から入力された励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2の組み合わせに応じて設定可能な励磁モードについて説明する。励磁モード設定回路402において励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2が全てLowである場合は、励磁モードがスタンバイモードに設定される。スタンバイモードとは、駆動用パルスの生成や出力パルス生成回路415、416からのパルス信号の生成を停止するモードである。また、励磁モード設定回路において励磁設定信号0と励磁設定信号1がLowであり励磁設定信号2がHighである場合は、励磁モードが2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0と励磁設定信号2がLowであり励磁設定信号1がHighである場合は、励磁モードが1−2相励磁(Aタイプ)設定に設定され、励磁設定信号0がHIghであり励磁設定信号1と励磁設定信号2がHighである場合は励磁モードがW1−2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0がHighであり励磁設定信号1と励磁設定信号2がLowである場合は励磁モードが1−2相励磁(Bタイプ)設定に設定され、励磁設定信号0と励磁設定信号2がHighであり励磁設定信号1がLowである場合は励磁モードが2W1−2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0と励磁設定信号1がHighであり励磁設定信号2がLowである場合は励磁モードが4W1−2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0〜2が全てHighである場合は励磁モードが8W1−2相励磁設定に設定される。
尚、図18及び図19に示すように、2相励磁設定と1−2層励磁(Aタイプ)設定は、これら励磁設定にもとづく0%、+100%、−100%の電流値をA相とB相とに印加することで第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させるフルステップ駆動を実行する設定である。つまり、これらフルステップ駆動は、図16〜図19に示すように、A相とB相のうち、A相のみまたはB相のみに常に同一電流値が印加される場合と、A相とB相とに同一電流値が印加される場合のみが設けられているため、ステップ角度が大きく設定されている。また、これらフルステップ駆動は、A相のみまたはB相のみに同一電流値が印加される場合と、A相とB相とに同一電流値が印加される場合が設けられているため、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは定電流にて駆動する。
一方、図20及び図21に示すように、1−2相励磁(Bタイプ)設定、W1−2相励磁設定、2W1−2相励磁設定、4W1−2相励磁設定、8W1−2相励磁設定は、各励磁設定にもとづく0%、+100%、−100%の電流値に加えて、+71%、+38%、−38%、−71%等のより細分化された電流値をA相とB相とに印加することで第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rをフルステップ駆動よりも細かく駆動させる(基本ステップ角を小さくする)マイクロテップ駆動を実行する設定である。つまり、これらマイクロテップ駆動は、図16、図17、図20及び図21に示すように、A相・B相に印加される電流値がフルステップ駆動よりも細かく設定されていることによって、フルステップ駆動よりもステップ角度が小さく設定されている(1−2相励磁(Bタイプ)設定、W1−2相励磁設定、2W1−2相励磁設定、4W1−2相励磁設定、8W1−2相励磁設定の順に基本ステップ角度が小さくなっていく)。
これらマイクロステップ駆動を実行する設定においては、フルステップ駆動を実行する設定とは異なり各相に100%未満の電流値が印加される場合があるので、設定されている設定電流値がフルステップ駆動を実行する設定を同一である場合は、1相に印加される電流値がフルステップ駆動を実行する場合よりも小さくなってしまう。そこで、本実施例のマイクロステップ駆動を実行する設定においては、フルステップ駆動を実行する設定よりも設定電流値を大きくすることによって、1相に印加される電流値がフルステップ駆動を実行する設定が同等となるように設定されている。つまり、マイクロステップ駆動を実行する設定においては、1−2相励磁(Bタイプ)設定、W1−2相励磁設定、2W1−2相励磁設定、4W1−2相励磁設定、8W1−2相励磁設定の順に各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転が滑らかとなっていく一方で、消費電力が増加し、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転速度が低下していく。また、これらマイクロステップ駆動は、A相とB相とに異なる電流値が印加されることがあるため、フルステップ駆動とは異なり、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは定電流にて駆動しない。更に、図17に示すように、マイクロステップ駆動では、A相に38%、B相に100%の電流値が印加される等、フルステップ駆動よりも多くの場合でA相とB相とに印加される合計電流値が大きくなる、つまり、マイクロステップ駆動は、フルステップ駆動よりも消費電力が大きくなっている。
尚、本実施例において演出制御基板80(演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU)が励磁モードを変更する場合は、図10の励磁モード変更処理に示すように、先ず、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの動作状態(例えば、駆動中であるか停止中であるか、いずれの励磁モードに設定されているか等)を確認する(S601)。そして、演出制御基板80は、各モータ駆動回路85、86、87に対して電気角初期化信号の出力状態を特定し(S602)、各モータ駆動回路85、86、87から出力される電気角信号がLowとなっているか否かを判定する(S603)。電気角信号がLowとなっていない場合(S603;N)は、S602とS603の処理を繰り返し実行し、電気角信号がLowとなっている場合(S603;Y)は、変更後の励磁モード(図8参照)に応じて各励磁設定信号(励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2)の出力を変更することによって、励磁モード設定回路402において励磁モードを変更させる(S604)。
尚、本実施例の励磁モード変更処理では、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転が停止していること(停止状態であること)を確認した後(S601)、電気角初期化信号の出力と電気角信号がLowとなっているかを繰り返し判定し(S602とS603)、電気角信号がLowとなったことにもとづいて励磁モードの変更を行う(S604)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転が停止していること(停止状態であること)を確認した時点で既に電気角信号がLowとなっている場合は、電気角初期化信号を出力することなく励磁モードの変更を行うようにしてもよいし、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが回転しているときに、電気角信号がLowとなっていることを確認して、電気角信号がLowとなったことにもとづいて励磁モードの変更を行うことで、回転中においても励磁モードの変更を行うようにしてもよい。
以上のように構成されたモータ駆動回路85、86、87(リール駆動制御基板81)に接続された第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、図22に示すように、演出図柄の変動表示として回転するリール301L、301C、301Lを回転させるために駆動する。尚、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、駆動している間は電流値I1が印加されることによって各リール301L、301C、301Rを回転速度V1にて回転させる。尚、本実施例における電流値I1は、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの全ての回転速度においてこれら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rに振動が発生し易い振動領域外の電流値である。
つまり、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、電流値I1の印加にて駆動している場合は、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの回転速度にかかわらず振動が発生し難くなっている。このように、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを全ての回転速度で振動領域とならない電流値I1にて駆動させることによって、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの駆動を制御するためのプログラムの設計を容易とすることができる。
尚、本実施例では、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを電流値I1の印加によって駆動する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、駆動する速度に応じて異なる電流値が印加されてもよい。このように、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rに異なる複数の電流値を印加可能とする場合は、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの振動領域に対応する電流値とは異なる電流値を印加することによって、リール301L、301C、301Rが遊技者から振動しているように視認されてしまうことを防止することが望ましい。
そして、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、電流値I1よりも低い電流値I2(I1>I2>0)が各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相とB相とに印加されることによって、駆動が停止(各リール301L、301C、301Rの回転速度0)した後も各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相とB相とに発生した磁力(A相とB相とに同一の大きさの電流値が印加されたことにより生じた大きさが同一の磁力)によって各リール301L、301C、301Rを保持する。
尚、詳細は後述するが、図22に示すように、本実施例における各リールステッピングモータ307L、307C、307Rは、共に駆動開始から期間Tが経過したタイミングで駆動を停止する場合がある。このとき、第1リールステッピングモータ307Lは、駆動停止から期間T1(例えば、100ms)が経過したことにもとづいて印加されている電流値がI1からI2に変化し、第2リールステッピングモータ307Cは、駆動停止から期間T2(例えば、200ms)が経過したことにもとづいて印加されている電流値がI1からI2に変化し、第3リールステッピングモータ307Rは、駆動停止から期間T3(例えば、150ms)が経過したことにもとづいて印加されている電流値がI1からI2に変化する。つまり、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、演出図柄の変動表示において駆動停止タイミングが同一である場合、電流値が変化するタイミングが異なっている。
特に、本実施例では、前述したように、マイクロステップ駆動を実行する設定においては、フルステップ駆動を実行する設定よりも大きな設定電流値が設定されるため、印加されている電流値を変化させずに各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動を停止させると、これらリールステッピングモータ307L、307C、307Rからの発熱が大きくなってしまい、モータ駆動回路85、86、87の誤動作(例えば、モータ駆動回路85、86、87が誤ってリセットされてしまう等)が発生する虞がある。そこで、本実施例では、図22に示すように、マイクロステップ駆動を実行する設定においては、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動を停止させる際には、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加されている電流値を変化(I1からI2に低下)させることによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの発熱を抑えるようになっている。
このように、本実施例では、演出図柄の変動表示中において各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加されている電流値の変化タイミングをずらすことによって、モータ駆動用電源回路83、84にて供給電力量が変化することにより発生する負荷を低減している一方で、演出図柄の変動表示として各リール301L、301C、301Rの回転を開始させる場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加する電流値がI2からI1に変化して駆動させるタイミングが同一となっている。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1の演出図柄の変動表示が終了して新たな演出図柄の変動表示が開始される場合、つまり、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動が停止している状態で再び各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させる場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに電流値I1を印加するタイミング、つまり、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させるタイミングを異ならせることによって、モータ駆動用電源回路83、84にて供給電力量が変化することにより発生する負荷を低減してもよい。
次に、本実施例の演出用変動表示ユニット300について、図面にもとづいて説明する。図11は、演出用変動表示ユニットを示す斜視図である。図12は、図11の演出用変動表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。図13は、リールを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図14は、リールを示す分解斜視図である。図15は、リール保持枠とリールステッピングモータの取付構造を示す図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態での上下左右方向を基準として説明する。
図11及び図12に示すように、演出用変動表示ユニット300(演出表示装置9)は、前面が開口するケース体302と、ケース体302の前面開口を閉塞する透明板303と、ケース体302内部に左右方向に並設されるリール301L、301C、301Rと、から主に構成される。尚、透明板303の背面には、リール301L、301C、301Rの変動表示部を視認可能とする透視窓304a(図11の網点領域参照)を形成する印刷シート枠304が配設されている。透明板303は、リール301L、301C、301Rの周面に沿うように側面視円弧状に形成されている。
図11〜図13に示すように、各リール301L、301C、301Rは、互いに左右方向に並設された状態で一体化され、該一体化された状態でケース体302に組み付けられる。尚、各リール301L、301C、301Rはそれぞれ同様に構成されているため、以下においては、リール301Lを一例として説明し、他のリール301C、301Rについての詳細な説明は省略することとする。
図14及び図15に示すように、リール301Lは、前後方向に向けて立設される支持板306L、306Cに対し回動可能に支持されている。具体的には、リール301Lは、隣接するリール301Cの支持板306C(図11中2点鎖線参照)に組み付けられる。尚、右側のリール301Rだけは、その右側に立設される支持板306S(図13参照)により支持される。
リール301Lは、第1リールステッピングモータ307Lと、外周面に複数種類の図柄が配列されたリールシート308と、リールモータ307の回動軸(図示略)に固着され、リールシート308を円形に保持するリール保持枠309と、を備えている。また、図14及び図15には特に図示しないが、リール保持枠309の内側には、リール301L(リールシート308)に対して光を照射可能なように第1リールライト310aが配置されている。
第1リールステッピングモータ307Lは、内部に前述した回転子と固定子を備えるモータ本体321と、該モータ本体321から延設された回動軸323に取り付けられた回動板322と、を備えている。第1リールステッピングモータ307Lは、回動軸323が左右方向を向く状態でモータ本体321が支持板306Cの左側面に固定されており、回動板322は、モータ本体321の左側方に配置されている。そして、回動板322は、リール保持枠309の内側において該リール保持枠309に接続されている。つまり、リール301Lは、第1リールステッピングモータ307Lのモータ本体321にて生じた駆動力が回動軸323と回動板322及びリール保持枠309に伝達されることによって回動するようになっている。
回動板322の周端縁部には、スリット322a、322bが該回動板322の回転方向に沿って離間して形成されている。また、モータ本体321の左端部には、第1リール原点検出センサ309a、309bが配置されており、スリット322a、322bを同時に検出可能に配置されている。尚、本実施例では、第1リール原点検出センサ309aがスリット322aを検出するとともに、第1リール原点検出センサ309bがスリット322bを検出する位置をリール301Lの原点位置(初期位置)とする。
尚、本実施例では、図15に示すように、リール301L内にスリットと該スリットを検出するための第1リール原点検出センサとを2つずつ設けることによって、リール301Lの原点位置(初期位置)をリール301L内の2点で検出可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リール301L内にスリットと第1リール原点検出センサとをそれぞれ1つずつ設けることによって、リール301Lの原点位置(初期位置)をリール301L内の1点のみで検出可能としてもよい。また、リール301L内にスリットと第1リール原点検出センサとをそれぞれ3つ以上ずつ設けることによって、リール301Lの原点位置(初期位置)をリール301L内の3点以上で検出可能としてもよい。
次に、演出制御基板80の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている図示しない演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPUは、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための第1初期化処理(S50)と、各リール301L、301C、301Rの原点位置への復帰と動作確認を行うための第2初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPUは、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板31から送信されてきたコマンド(図示略)が、どのコマンドであるのか解析する。尚、主基板31から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPUは、スイッチ検出処理を行う(S55)。スイッチ検出処理では、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fの検出状況、モータ駆動回路85〜87からの異常検知信号、電気角信号、A相電流検出信号、B相電流検出信号の出力状況を特定する。特に、リール原点検出センサの検出状況及び電気角信号の出力状況は、スイッチ検出処理で2回連続同じ出力状態(ON(Low)またはOFF(High))が特定されることで確定し、確定した出力状態にもとづいて出力状態が変化したこと(ON(Low)からOFF(High)、OFF(High)からON(Low))が特定されるようになっており、ノイズなどによって出力状態に変化があっても誤って出力状態の変化が特定されることがないようになっている。
次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行う(S56)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPUは、演出用乱数更新処理を行う(S57)。演出用乱数更新処理では、演出制御用CPUが行う各種抽選に用いられる乱数カウンタを更新する。
図24及び図25は、本実施例の第2初期化処理(S51)を示すフローチャートである。第2初期化処理において演出制御用CPUは、先ず、設定データにもとづいて最初に動作させる可動役物(リール301L、301C、301R)を特定してS103に進む(S101)。設定データには、リール301L、301C、301Rの順序データが含まれており、本実施例では、該順序としてリール301L→リール301C→リール301Rの順が予め設定されている。よって、最初にS101が実行されるときには、リール301Lが対象のリールとして特定されることになる。
S103において演出制御用CPUは、動作対象リールに対応する原点検出センサの検出状態を特定し、2つの原点検出センサが検出状態であるか否か、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定する(S104)。つまり、S103及びS104においては、動作対象リールが第1リール301Lである場合は、第1リール原点検出センサ309a、309bがいずれもスリット322a、322bを検出しているか否かを判定し、動作対象リールが第2リール301Cである場合は、第2リール原点検出センサ309c、309dがいずれもスリット322a、322bを検出しているか否かを判定し、動作対象リールが第3リール301Rである場合は、第3リール原点検出センサ309e、309fがいずれもスリット322a、322bを検出しているか否かを判定する。
原点位置(初期位置)に位置していない場合(S104;N)には、S105に進んで、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットする(S105)。そして、演出制御用CPUは、動作対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、動作対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、動作対象リールを動作させる制御速度を、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定する(S106)。
そして、演出制御用CPUは、前述した出力制御信号等をモータ駆動回路に対して出力したことによって、動作対象リールの原点位置に向けての動作(回転)を開始させるとともに(S107)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S108)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、2つの原点検出センサが検出状態となるか否かとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S109、S110)。
動作対象リールのリールステッピングモータを原点位置方向に駆動させることで動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置して2つの原点検出センサが検出状態となった場合(S109;Y)には、演出制御用CPUは、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止してS130に進む。尚、このとき、図26に示すように、動作対象リールに対応するリールステッピングモータを駆動するモータ駆動回路(電気角監視回路403)は、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置したことにもとづいて電気角信号の出力をLowにて開始する。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合(S110;Y)には、S112に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S112)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S113)。
S113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合(S113:Y)には、演出制御用CPUは、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止し、当該動作対象リールの原点復帰エラーを記憶し(S114)、S130に進む。つまり、非検出時動作制御において動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象リールについて後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象リールをデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S130に進む。
尚、本実施例では、S113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象リールをデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板80(演出制御用CPU)が起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象リールをデッドエンド状態とした場合、演出制御基板80(演出制御用CPUなど)は起動するが、例えば、演出制御用CPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から特別図柄の変動表示が開始されたことを示す信号を受信してもリール301L、301C、301Rを動作(回転)させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止してS106に戻り、再度、S106〜S108の処理を行うことにより、動作対象リールを、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置に向けて回転させる動作(非検出時動作制御)を開始して、前述したS109、S110の監視状態に移行する。
よって、S110にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し動作対象リールを原点位置(初期位置)に向けて回転させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象リールが原点位置(初期位置)にて検出した場合には、S114に進むことなく、S130に進むことになる。
一方、上記したS104において「Y」と判定されてS120に進んだ場合には、検出時動作回数カウンタに0をセットした後、検出時動作プロセスデータをセットし(S121a)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S121b)。尚、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。また、本実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象リールを動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)と同じ動作速度で動作対象リールを動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。
次いで、演出制御用CPUは、動作対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、動作対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、動作対象リールを動作させる制御速度を、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定し、動作対象リールを動作(回転)させる(S122)。
次いで、演出制御用CPUは、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S123)、プロセスデータが完了していない場合には、S122に戻り、動作対象リールを検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度にもとづいて動作させる。
このように、検出時動作制御においては、検出時動作プロセスデータが完了するまで、検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度にもとづく最低速度、つまり、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて、動作対象リールを原点位置(初期位置)から一旦動作(回転)させ、該原点位置(初期位置)から離れた位置から原点位置(初期位置)に戻すという動作を行う(図26参照)。尚、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各原点検出センサにより各リールステッピングモータの被検出部(スリット322a、322b)を検出不能な位置である。
S123の判定において、セットされている検出時動作プロセスデータが完了したと判定した場合には、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止してS124に進んで、2つの原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する。
2つの原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置している場合にはS130に進む。尚、このとき、図26に示すように、動作対象リールに対応するリールステッピングモータを駆動するモータ駆動回路(電気角監視回路403)は、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置したことにもとづいて電気角信号の出力をLowにて開始する。
一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置していない場合には、検出時動作回数カウンタに1を加算して(S126)、該加算後の検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S127)。検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S128に進んで当該動作対象リールの原点復帰エラーを記憶し(S128)、S130に進む。つまり、検出時動作制御において動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象リールについて後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S130に進む。
尚、本実施例では、S127において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S113において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板80が起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象リールをデッドエンド状態とした場合、演出制御基板80(演出制御用CPUなど)は起動するが、例えば、演出制御用CPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から特別図柄の変動表示が開始されたことを示す信号を受信してもリール301L、301C、301Rを動作(回転)させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
S102で「N」と判定された場合、S109で「Y」と判定された場合、もしくはS124で「Y」と判定された場合に実行するS130においては、リール301C、301Rのうちで未だ動作対象としていない残りのリールが存在するか否かを判定し、残りの動作対象リールが存在しない場合には、図25に示す実動作確認用動作制御を行う処理(S200以降の処理)に移行する。一方、残りの動作対象リールが存在する場合には、S131に進んで、次に動作させるリールを特定した後、S102に戻って、該特定したリール(動作対象リール)について、S102以降の上記した処理を同様に実行する。
次に図25に示す処理について説明すると、図25に示すS200において演出制御用CPUは、先ず、前述のS101と同様に、設定データにもとづいて最初に動作確認するリール(確認対象リール)を特定する(S200)。次いで、当該確認対象リールの原点復帰エラーの記憶が有るか否かを判定する(S201)。
確認対象リールの原点復帰エラーの記憶が有る場合は、S202a〜S213までの処理を実行することなくS220に進む。このようにすることで、本実施例では、これら非検出時動作制御や検出時動作制御において原点復帰エラーと判定された各リール301L、301C、301Rについては実動作確認用動作制御を行わないようになっている。
一方、確認対象リールの原点復帰エラーの記憶が無い場合は、S202aに進んで、確認対象リールに対応する実動作確認用プロセスデータをセットする。つまり、確認対象リールがリール301Lであれば、リール301Lの実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象リールがリール301Cであれば、リール301Cの実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象リールがリール301Rであれば、リール301Rの実動作確認用プロセスデータをセットする。尚、これら各実動作確認用プロセスデータには、演出図柄の変動表示として各リール301L、301C、301Rが実際に行う動作と同一の動作を行うように制御速度等が記述(設定)されている。
次いで、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S202b)。尚、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、演出制御用CPUは、シリアル信号回路89を介して、確認対象リールに対応するモータ駆動回路に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、セットされた実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象リールを動作させるとともに(S203)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S204)、プロセスデータが完了していない場合には、S203に戻り、確認対象リールを、その時点の実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にもとづいて動作させる。
このように、実動作確認用プロセスデータが完了するまで、実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象リールを動作させることにより、確認対象リールの制御速度を、時系列的に順次変更して、演出図柄の変動表示中においてリール301L、301C、301Rを実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行うことができる。
そして、S204の判定において、セットされている実動作確認用プロセスデータが完了したと判定した場合には、演出制御用CPUは、シリアル信号回路89を介して、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって確認対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止し、2つの原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する(S205)。
2つの原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置している場合にはS220に進む。尚、このとき、図26に示すように、動作対象リールに対応するリールステッピングモータを駆動するモータ駆動回路(電気角監視回路403)は、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置したことにもとづいて電気角信号の出力をLowにて開始する。一方、2つの原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図26参照)を行って確認対象リール物を原点位置(初期位置)に位置させるためにS206〜S213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S206)、確認対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、確認対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路85に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の信号を、シリアル信号回路89を介して出力することによって、確認対象リールを動作させる制御速度を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定し、確認対象リールを原点位置に向けて動作(回転)させる(S208)。更に非検出時動作期間タイマのカウントを開始する(S209)
そして、2つの原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S210、S211)。
2つの原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置している場合にはS220に進む。一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図26参照)を行って確認対象リールを原点位置(初期位置)に位置させるためにS206〜S213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S206)、確認対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、動作対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路85に対して、シリアル信号回路89を介して、正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、動作対象リールを動作させる制御速度を、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定する(S207)。
そして、演出制御用CPUは、シリアル信号回路89を介して、前述した出力制御信号等をモータ駆動回路に対して出力したことによって、確認対象リールの原点位置に向けての動作(回転)を開始させるとともに(S208)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S209)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、2つの原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S210、S211)。
確認対象リールを原点位置(初期位置)に向けて駆動させることで確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置して2つの原点検出センサが検出状態となった場合には、S210にて「Y」と判定されてS220に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S212に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S212)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S213)。
非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S220に進む。尚、本実施例では、S213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、当該動作対象役物の原点復帰エラーを記憶し、当該動作対象役物について以後は実動作を実行しないようにするようにしてもよい。あるいは、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板80が起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、確認対象リールをデッドエンド状態とした場合、演出制御基板80(演出制御用CPUなど)は起動するが、例えば、演出制御用CPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から特別図柄の変動表示が開始されたことを示す信号を受信してもリール301L、301C、301Rを動作(回転)させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S207に戻り、再度、S207、S208、S209の処理を行うことにより、確認対象リールを、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置(初期位置)に移動させる動作(原点復帰時動作)を開始して、前述したS210、S211の監視状態に移行する。
よって、S211にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し対象役物を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に対象役物が原点位置(初期位置)にて検出された場合には、S220に進むことになる。
S201で「Y」と判定された場合、S204aで「N」と判定された場合、S205で「Y」と判定された場合、もしくはS210で「Y」と判定された場合に実行するS220においては、リール301L、301C、301Rのうちで未だ動作確認の確認対象としていない残りのリール301L、301C、301Rが存在するか否かを判定し、残りのリール301L、301C、301Rが存在しない場合には、S114やS128で記憶したエラーの記録をクリア(S222)して、当該処理を終了する一方、残りのリール301L、301C、301Rが存在する場合には、S221に進んで、次に動作確認するリール301L、301C、301Rを特定した後、S201に戻って、該特定したリール301L、301C、301Rについて、S201以降の上記した処理を同様に実行する。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1では、該パチンコ遊技機1に電源が投入された際に第2初期化処理を実行することにより、各リール301L、301C、301Rを電気角信号がLowにて出力される原点位置(初期位置)まで移動させる。そして、各リール301L、301C、301Rが原点位置(初期位置)まで移動した後は、各リール301L、301C、301Rを該原点位置(初期位置)と所定位置との間で往復移動(回動)させることで、各リール301L、301C、301Rを原点位置(初期位置)にて停止させ、電気角信号がLowにて出力されるようにしている。つまり、本実施例における各リール301L、301C、301Rは、パチンコ遊技機1に電源が投入されることによって第2初期化処理が実行されると、各リール301L、301RC、301Rに対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の強さの電流値が印加され、電気角が45°となる。
ここで、これら図24、図25に示す第2初期化処理が実行されることによるリール301L、301C、301Rの動作態様及び制御内容について、図26、図27を用いて説明する。図26は、演出制御用CPUが行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図27は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
図26に示すように、リール301L、301C、301Rは、それぞれ原点位置(初期位置)とこれら原点位置(初期位置)から所定量回動した所定位置との間で往復可能に設けられており、原点位置から所定位置への往動作や所定位置から原点位置への復動作は、演出図柄の変動表示として実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPUは、第2初期化処理を実行したときに2つの原点検出センサが検出状態でない場合、つまり、リール301L、301C、301Rが何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどによりリール301L、301C、301Rの原点復帰が確認できなかったり動作できなくなるといった役物エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、各リール301L、301C、301Rは原点位置から離れた位置にあるため、動作としては各リール301L、301C、301Rを原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPUは、第2初期化処理を実行したときに2つの原点検出センサが検出状態である場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回動板322に形成されたスリット322a、322bが2つの原点検出センサ(第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309f)により確実に検出されるように、スリット322a、322bが2つの原点検出センサにより検出されたときから各リール301L、301C、301Rの原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して2つの原点検出センサにより検出された位置(原点位置)からずれた位置に停止することがある。よって、スリット322a、322bが2つの原点検出センサにより検出されていても、各リール301L、301C、301Rをより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、2つの原点検出センサによるスリット322a、322bの検出状態を一旦解除するために各リール301L、301C、301Rを原点位置から所定位置に向けて回転させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、所定位置まで移動させる必要はないので、各リール301L、301C、301Rを原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる。
また、演出制御用CPUは、第2初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、各リール301L、301C、301Rが演出図柄の変動表示として実際に行う実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPUが非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図27(A)、図27(B)、図27(C)にて示す速度は、演出制御用CPUが各リール301L、301C、301Rを動作させるために設定する制御速度であって、各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、所定のリールを動作させる場合において、原点位置と所定位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合や、同一の移動区間でも各リール301L、301C、301Rが正転する場合と逆転する場合においては、各リール301L、301C、301Rを実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、各リール301L、301C、301Rに対し同一の制御速度を設定しても、各リール301L、301C、301Rの大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数のリール301L、301C、301Rを同一性能のリールステッピングモータにて動作させる場合において、各リール301L、301C、301Rに対し同一の制御速度を設定しても、各リール301L、301C、301Rの大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図27(A)に示すように、演出制御用CPUは、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にもとづいて確認対象リールを動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して所定位置に停止させるとともに、所定位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、各リール301L、301C、301Rが正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と所定位置との間において、各リール301L、301C、301Rの制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPUは、各リール301L、301C、301Rを演出図柄の変動表示として回転させる場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各リール301L、301C、301Rが動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各リール301L、301C、301Rが動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、各リール301L、301C、301Rの加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、所定位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、所定位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、各リール301L、301C、301Rを確実に減速させてから2つの原点検出センサによりスリット322a、322bが検出されるようにしている。
図27(B)に示すように、演出制御用CPUは、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から所定位置まで移動させる期間及び所定位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて各リール301L、301C、301Rが動作するように制御する。つまり、演出制御用CPUは、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて各リール301L、301C、301Rの動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、2つの原点検出センサにてスリット322a、322bを確実に検出できない虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図27(C)に示すように、演出制御用CPUは、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と所定位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPUは、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させる制御を行う。
この場合、各リール301L、301C、301Rは原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、各リール301L、301C、301Rが原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、各リール301L、301C、301Rが原点位置に復帰したときに2つの原点検出センサにてスリット322a、322bを確実に検出できない虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
このように本実施例では、演出制御用CPUは、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度にもとづいて常に単一(一定)の動作速度で各リール301L、301C、301Rが動作するように制御を行う。
尚、本実施例では、電源投入時において非検出時動作制御または検出時動作制御、実動作確認用動作制御を実行するようにしており、これら非検出時動作制御または検出時動作制御、実動作確認用動作制御が実行されているとき、つまり、非検出時動作や検出時動作や実動作確認用動作の実行中に始動入賞が発生した場合には、該始動入賞の発生にもとづいて可変表示の開始を指示するコマンドが主基板31から演出制御基板80に送信されてくるが、これら非検出時動作や検出時動作や実動作確認用動作の実行中で、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが動作しているときに、可変表示の動作を開始しようとすると、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが脱調して、意図しない図柄の組合せにてリール301L、301C、301Rが停止してしまい、ハズレ図柄の停止表示が大当り図柄の停止表示になってしまう可能性があるので、このように第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが既に動作しているときに、該動作とは異なる動作を指示するコマンドが主基板31から送信されてきた場合には、該コマンドを無視して既に動作している動作を継続するか、或いは、該コマンドに対応する動作制御を留保し、既に実行中の動作を変更可能なタイミング、例えば、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが停止した状態となった場合に、保留していた動作制御を開始するようにしてもよい。つまり、駆動手段である第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが、動作していること等によって、励磁モードやステップレート等を変更できない状態にあるときに、これらの変更を伴う動作変更を指示するコマンドを主基板31から受信した場合には、演出制御基板80は、これらコマンドを無視または留保して既に動作している動作を継続する。但し、これらコマンドを無視したりコマンドに対応する動作制御を留保する場合にあって、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307R以外に、特別図柄の可変表示が実行されていることを示す特殊図柄(例えば、所謂第4図柄等)の表示装置を備えている場合には、これら特殊図柄の可変表示については、無視或いは留保することなく、コマンドの受信に応じて特殊図柄の可変表示を実行すればよい。
図28は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S56)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPUは、先ず、第1保留記憶表示部9a及び第2保留記憶表示部9bにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):主基板31から変動パターンを特定可能なコマンド(変動パターン指定コマンド)を受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動(各リール301L、301C、301Rの回転)が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):各リール301L、301C、301Rの回転を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全リール301L、301C、301Rの停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動(各リール301L、301C、301Rの回転)を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、特別可変入賞球装置20が開放中であることを特定可能な大入賞口開放中指定コマンドや特別可変入賞球装置20が閉鎖されたことを特定可能な大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPUは、プロセスタイマ及び変動時間タイマの値を−1する(S301、S302)。
そして、演出制御用CPUは、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S303)。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行い(S304)、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせて(S305)、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S307)、さらにプロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(リール制御実行データ)に従ってリール301Lの変動制御を行うリール変動処理1、リール301Cの変動制御を行うリール変動処理2、リール301Rの変動制御を行うリール変動処理3を実行する(S308〜S310)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、S307に進み、演出装置の制御を実行し(S307)、リール変動処理1〜3を実行する(S308〜S310)。
尚、本実施例におけるS308〜S310の処理においては、リール制御実行データにもとづいて後述する励磁パターンを設定することでモータ駆動回路85〜87に対する制御用クロック信号の出力間隔の変更や正転・逆転信号の出力状態を変更することによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転速度や回転方向を変更する制御を実行可能である。尚、前述した実動作確認用プロセスデータによる実動作確認用動作制御や、検出時動作制御についても、プロセスデータによるリール変動処理と同じく、リール制御実行データにもとづいて速度の制御が実行される。
S308〜S310のリール変動処理1〜3の後、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S311)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新して演出図柄変動中処理を終了する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、演出図柄の変動表示が終了することを特定可能なコマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S312;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新して演出図柄変動中処理を終了する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御(各リール301L、301C、301Rの回転)に用いられているプロセステーブルには、リール301L、301C、301Rの回転中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演リール301L、301C、301Rの回転時間(変動時間)に相当する。よって、S304の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(リール制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御(各リール301L、301C、301Rの変動制御)は終了する。
図30〜図32は、図柄変動中処理におけるリール変動処理1(S308)を示すフローチャートである。尚、リール変動処理2(S309)、リール変動処理3(S310)では、対象とするリールが異なるのみで他は同一の処理が行われるようになっている。また、以下では、リール301L、301C、301Rを単にリールと呼ぶことがあり、リールステッピングモータ307L、307C、307Rを単にリールステッピングモータと呼ぶことがあり、リール原点検出センサ309a〜fを単にリール原点検出センサと呼ぶことがあり、モータ駆動回路85〜87を単にモータ駆動回路と呼ぶことがある。
リール変動処理1において、演出制御用CPUは、対応するリールが停止中か否かを判定する(S401)。対応するリールが停止中か否かは、対応するリールのリール変動制御の状態を示す状態フラグとして「停止」が設定されているか否かにより判定する。尚、状態フラグは、後述する各状態(「原点確認1」、「原点確認2」、「原点確認3」…「停止」)に対応する各値とされることで、いずれの状態であるのかを特定することができる状態特定データである。
S401において対応するリールの停止中と判定された場合には、プロセスデータ(リール制御実行データ)を参照し、対応するリールの回転開始時期であるか判定し(S402)、対応するリールの回転開始時期でなければ図柄変動中処理に復帰する。
S401において対応するリールの停止中でないと判定された場合には、対応するリールステッピングモータのステップレートを計測するステップレートカウンタの値を1減算し(S411)、ステップレートカウンタの値が0か否か、すなわちステップレートに対応する期間が経過したか否かを判定し(S412)、ステップレートカウンタの値が0でなければ図柄変動中処理に復帰する。
S412においてステップレートカウンタが0であれば、シリアル信号回路89を介して制御用クロック信号を対応するモータ駆動回路に対して出力する(S413)。これに伴いモータ駆動回路においてステップが進行することとなる。
次いで、励磁パターンが切り替わるまでの期間を計測する励磁パターン切替カウンタの値を1減算し(S414)、励磁パターン切替カウンタの値が0か否か、すなわち励磁パターンを切り替えるタイミングか否かを判定し(S415)、励磁パターン切替カウンタの値が0でなければS434に進む。
S402において対応するリールの回転開始時期であると判定された場合、S415において励磁パターン切替カウンタの値が0であると判定された場合には、プロセスデータ(リール制御実行データ)を参照し、当該タイミングにおいて適用する励磁パターンを設定し(S416)、設定した励磁パターンの総ステップ数を励磁パターン切替カウンタに設定し(S417)、励磁パターンが変更されてからのステップ数を計数するステップカウンタを初期化して0を設定する(S418)。
励磁パターンとは、リールの変動状況に応じたリールステッピングモータの励磁内容が設定されたデータであり、図33に示すように、ステップ数毎に適用される励磁モードとステップレートが設定されている。
また、励磁パターンは、定速回転させるための励磁パターン、加速させるための励磁パターン、減速させるための励磁パターンを含む。定速回転させるための励磁パターンは、励磁モードの異なる励磁パターンを含み、異なる励磁モードの励磁パターンを用いることにより異なる回転速度に制御できるようになっている。さらに励磁モードが同じ励磁パターンであっても、ステップレートが異なる励磁パターンを含み、異なるステップレートの励磁パターンを用いることにより励磁モードが同じでも異なる回転速度に制御できるようになっている。加速させるための励磁パターンは、停止状態から定速回転の励磁パターンへ移行させるための励磁パターンまたは回転速度の遅い励磁パターンから回転速度の速い励磁パターンへ移行させるための励磁パターンであり、減速させるための励磁パターンは、回転速度の速い励磁パターンから回転速度の遅い励磁パターンへ移行させるための励磁パターンである。これらの加速または減速に用いる励磁パターンは、ステップレートを徐々に変更することにより、回転を開始する場合や回転速度を変更することに伴って励磁パターンが変更される場合に、変更前の励磁パターンから変更後の励磁パターンにスムーズに移行させるための励磁パターンである。また、加速または減速に用いる励磁パターンは、変化前後の速度の違い、励磁モードの違いに応じて複数の励磁パターンを含む。
尚、本実施例において一の励磁パターンに適用される励磁モードは常に同一であり、励磁パターンが変更されるタイミングでのみ励磁モードが変更されることとなるが、一の励磁パターンに適用される励磁モードとして複数の励磁モードを切り替えることによりリールの加速または減速を行うものであってもよい。
次いで、励磁パターンの変更により加速または減速から定速に変化したか否かを判定し(S419)、加速または減速から定速に変化した場合には、状態フラグを「待機」に変更し(S420)、待機ステップ数を設定し(S421)、S431に進む。
待機ステップ数は、加速または減速後にリールの回転が安定するまでの待機期間を計測するための値であり、変化前後の励磁モード、速度変化の大きさ、加速であるか減速であるか、に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間が異なるため、S421では、複数の期間から速度変化の状況に応じた最適な期間となる値が待機ステップ数として設定されるようになっている。
S419において加速または減速から定速に変化していない場合には、励磁パターンの変更により停止または定速から加速または減速に変化したか否かを判定し(S422)、停止または定速から加速または減速に変化していない場合には、S431に進み、停止または定速から加速または減速に変化した場合には、状態フラグを「加速」または「減速」に変更し(S423)、S431に進む。
S431では、変更後の励磁パターンに応じた励磁モードを設定し、励磁パターンの変更により励磁モードが変更されたか否かを判定し(S432)、励磁モードが変更されていない場合にはS434に進み、励磁モードが変更されている場合には、励磁モード変更処理(図10参照)を実行し(S433)、対応するリールステッピングモータの励磁モード設定を変更して、S434に進む。
S434では、対応するリールのステップカウンタの値を1加算し、ステップレートカウンタに現在の励磁パターンにおけるステップカウンタ値に応じたステップレートを設定し(S435)、S441に進む。
S441では、状態フラグを参照して対応するリールが加速または減速中かを判定し、加速中または減速中であれば演出図柄変動中処理に復帰し、加速中または減速中でなければ、加速または減速から定速に変更された後の待機中か否かを判定する(S442)。
S442において待機中であれば、待機ステップ数を1減算し(S443)、待機ステップ数が0か否か、すなわちリールの回転が安定するまでの待機期間が経過したか否かを判定し(S444)、待機ステップ数が0でなければ演出図柄変動中処理に復帰し、待機ステップ数が0であれば、状態フラグを「原点確認1」に変更し(S445)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S442において待機中でなければ、状態フラグを参照して対応するリールの状態が原点確認開始待ちを示す「原点確認1」か否かを判定し(S446)、「原点確認1」であれば、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S447)、対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否か、すなわち対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されているか否かを判定し(S448)、対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、対応するリールの原点位置からのステップ数を計数するステップ数カウンタを初期化して0を設定し(S449)、状態フラグを、原点確認中を示す「原点確認2」に変更し(S451)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S447において対応するリールの原点位置が検出されていない場合、S448において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S446において「原点確認1」でなければ、「原点確認2」か否かを判定し(S452)、「原点確認2」であれば、対応するリールのステップ数カウンタを1加算し(S453)、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S454)、対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否かを判定する(S455)。
S455において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、ステップ数カウンタの値、すなわちS447、S448において検出された原点位置からのステップ数がリール1周分のステップ数と一致するか否かを判定し(S456)、ステップ数カウンタの値がリール1周分のステップ数と一致する場合には状態フラグを、原点確認中を示す「原点確認3」に変更し(S458)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S455において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合、S456においてステップ数カウンタの値がリール1周分のステップ数と一致しない場合、すなわち原点位置がずれている場合にはS445に進み、状態フラグを「原点確認1」に変更することで、最初から原点確認をやり直す。
S454において対応するリールの原点位置が検出されていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S452において「原点確認2」でなければ、「原点確認3」か否かを判定し(S459)、「原点確認3」であれば、対応するリールのステップ数カウンタを1加算し(S460)、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S461)、対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否かを判定する(S467)。
S467において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、ステップ数カウンタの値、すなわちS447、S448において検出された原点位置からのステップ数がリール2周分のステップ数と一致するか否かを判定し(S468)、ステップ数カウンタの値がリール2周分のステップ数と一致する場合には原点位置の検出が正常と判断し、状態フラグを「定速」に変更し(S470)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S467において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合、S468においてステップ数カウンタの値がリール2周分のステップ数と一致しない場合、すなわち原点位置がずれている場合にはS445に進み、状態フラグを「原点確認1」に変更することで、最初から原点確認をやり直す。
S461において対応するリールの原点位置が検出されていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S459において「原点確認3」でない場合、すなわち対応するリールが定速回転している場合には、対応するリールのステップ数カウンタを1加算し(S479)、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S480)、対応するリールの原点位置が検出されていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S480において対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否かを判定する(S481)。
S481において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合、すなわち原点位置がずれている場合にはS445に進み、状態フラグに「原点確認1」を設定することで、最初から原点確認をやり直す。
S481において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、対応するリールのステップ数カウンタを初期化して0を設定し(S482)、対応するリールステッピングモータにおける電気角度が45°(図16(C)参照)となる位置、すなわち、対応するリールステッピングモータにおけるA相とB相とに同一の相電流が印加されている位置(図9参照)に向けてリールを回転中であることを示す電気角度修正中フラグがセットされているか否かを判定する(S483)。電気角度修正中フラグがセットされていない場合は、更に、対応するリールの停止タイミングが経過したか否かを判定する(S484)。
S484において対応するリールの停止タイミングが経過している場合は、セットされているプロセスデータを参照し、対応するリールのステップ数カウンタが停止位置のステップ数となったか否かを判定する(S485)。S484において対応するリールの停止タイミングが経過していない場合、S485において対応するリールのステップ数カウンタが停止位置のステップ数となっていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S485において対応するリールのステップ数カウンタが停止位置のステップ数となった場合には、モータ駆動回路から出力されている電気角信号の出力状態がLowであるか否か、つまり、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されているか否かを判定する(S487)。S487において電気角信号の出力状態がHighである場合は、演出制御用CPUは、対応するモータ駆動回路に対して電気角初期化信号を出力することによって、モータ駆動回路にリールステッピングモータを初期電気角となる状態まで駆動させる制御を開始させる(S488)。そして、対応するリールステッピングモータの電気角度修正中フラグをセットし(S489)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S487において電気角信号の出力状態がLowである場合は、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されるとして、対応するモータ駆動回路に対してリールステッピングモータの停止を指示する出力制御信号を、シリアル信号回路89を介して出力し(S496)、リールステッピングモータを停止させるとともに、印加される相電流に応じたA相出力設定信号やB相出力設定信号を出力することによって対応するリールステッピングモータに供給する電流値を停止時用の電流値に変更することで(S497)、リール停止制御を実行し、状態フラグをリールの停止状態を示す「停止」に変更し(S499)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S483において電気角度修正中フラグがセットされている場合は、モータ駆動回路から出力されている電気角信号の出力状態がLowであるか否かを判定する(S494)。S494において電気角信号の出力状態がHighである場合は、演出図柄変動中処理に復帰する。S494において電気角信号の出力状態がLowである場合は、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されるとして、対応するリールステッピングモータの電気角度修正中フラグをクリアし(S495)、前述したリール停止制御(S496、S497)を実行し、状態フラグをリールの停止状態を示す「停止」に変更し(S499)、演出図柄変動中処理に復帰する。
このようにリール変動中処理では、現在の励磁パターンに対して励磁モードの異なる励磁パターン、ステップレートの異なる励磁パターン、励磁モード及びステップレート双方の異なる励磁パターンに変更することによりリールの回転速度を変更することができる。リールの回転速度を変更する場合、例えば、図34に示すように、速度1の定速パターンから速度1よりも回転速度の速い速度2の定速パターンに変更させる場合には、速度1の定速パターンと速度2の定速パターンとの間に回転速度を加速させる加速パターンにもとづいてリールステッピングモータの制御を行うようになっている。一方、速度2の定速パターンから速度2よりも回転速度の遅い速度2の定速パターンに変更させる場合には、速度2の定速パターンと速度2の定速パターンとの間に回転速度を減速させる減速パターンにもとづいてリールステッピングモータの制御を行うようになっている。
また、リール変動処理では、リール原点検出センサの検出状況とモータ駆動回路からの電気角信号の出力状況にもとづいてリールの原点位置を検出するとともに、原点位置から計数したステップ数によりリールの位置を特定し、特定した位置にもとづいてリールを変動させる位置特定制御を行うことが可能である。上記のリール変動処理では、位置特定制御として指定した位置にリールを停止させる停止制御を例示しているが、位置特定制御としては、例えば、リールが指定した位置となったときに回転速度を変更する制御、他のリールとの位置関係を特定の位置関係とする制御(同じ図柄同士が一直線上に揃える制御など)を行ってもよい。
また、上記のようにリールの回転速度を加速させたり減速させたりする場合には、ステップレートの変化や励磁モードの変化にリールが追従できず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しなくなることがあるが、図34に示すように、励磁パターンとして加速パターンや減速パターンが設定されている期間、すなわちリールの回転速度を変更している期間においては位置特定制御を行わないようになっている。
また、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しなくなる可能性があることから、図34に示すように、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、待機期間及び原点確認期間が経過するまでの期間においても位置特定制御を行わないようになっている。
待機期間とは、リールの加速または減速後、リールの回転速度が安定するまで待機する期間であり、変化前後の励磁モード、速度変化の大きさ、加速であるか減速であるか、に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間が異なるため、上記のリール変動処理では、予め設定されている複数の期間(例えば、40、80、160、240ステップ)から速度変化の状況に応じた最適な期間が、選択されるようになっている。具体的には、変化前の励磁モードが8W1−2相(マイクロステップ)から4W1−2相(マイクロステップ)に変化する場合よりも8W1−2相(マイクロステップ)から2W1−2(マイクロステップ)相に変化する場合や、4W1−2相(マイクロステップ)からW1−2相(マイクロステップ)に変化する場合よりも1−2相(フルステップ)に変化する場合、つまり、変化前後の励磁モードにおけるステップ数の変化が大きい方が、長い期間が選択される。また、励磁モードの変化を伴わない速度変化であっても、速度変化の大きさが大きい、つまり、ステップレートの変化の度合いが大きい方が、長い期間が選択される。また、加速である場合よりも減速(停止)の方が、相対的により多くの力が必要となることから長い期間が選択される。よって、例えば、変化前後の励磁モードにおけるステップ数の変化が大きく、ステップレートの変化の度合いも大きく、且つ減速である速度変化の場合には、相対的に最も長い期間が選択され、逆に、変化前後の励磁モードにおけるステップ数の変化が小さく(または変化なし)、ステップレートの変化の度合いも小さく、且つ増速である速度変化の場合には、相対的に最も短い期間が選択される。
尚、励磁モードの変化については、1の励磁モードから他の全ての励磁モードに移行させるのではなく、予め各励磁モード毎に、当該励磁モードから安定的に移行可能な励磁モードを設定しておき、設定されていない移行不能な励磁モードへの移行を制限(禁止)するようにすることで、これら待機期間が不適切に長くなってしまうことを防ぐことができるようにすればよい。
原点確認期間とは、原点位置が正常に検出されているか確認する期間であり、上記のリール変動処理では、待機期間の経過後に原点位置が検出されてから2回原点位置を検出するまでのステップ数が正常と判定され、正常に原点位置が検出されていると判断されるまで原点確認期間に制御されるようになっている。
本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPUがリールの回転速度を変更させる場合に、リールステッピングモータの励磁パターンとして加速パターンまたは減速パターンを用いて回転速度を変更するとともに、加速パターンや減速パターンが設定されている期間、すなわちリールの回転速度を変更している期間においては、原点位置から計数したステップ数によりリールの位置を特定し、特定した位置にもとづいてリールを変動させる位置特定制御を行わないようになっている。
このため、リールの回転速度を加速させたり減速させたりする場合に、ステップレートの変化や励磁モードの変化にリールが追従できず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しなくなることがあるが、リールの回転速度を変更している期間においては位置特定制御を行わないため、リールの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
つまり、本実施例では、遊技が可能な遊技機であるパチンコ遊技機1であって、動作可能に設けられた可動体であるリール301L、301C、301Rと、可動体であるリール301L、301C、301Rを動作させるための駆動力を発生するステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rと、リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させることによりリール301L、301C、301Rを動作させる制御を行うことが可能な制御手段である演出制御用CPUと、リール301L、301C、301Rが所定位置である原点位置に位置しているか否かを特定可能な検出情報である原点位置の検出信号を演出制御用CPUに出力可能な検出手段であるリール原点検出センサ309a〜fと、を備え、演出制御用CPUは、リール301L、301C、301Rを異なる速度である速度1、速度2にて動作させる制御を行うことが可能であり、リール301L、301C、301Rの動作速度を変化させていない期間である定速パターンで制御されている期間において検出情報である原点位置の検出信号にもとづく前記可動体の制御である位置特定制御を行うことを特徴としている。これにより、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間においては検出情報にもとづくリール301L、301C、301Rの制御を行わないため、リール301L、301C、301Rの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例では、遊技が可能な遊技機であるパチンコ遊技機1であって、動作可能に設けられた可動体であるリール301L、301C、301Rと、リール301L、301C、301Rを動作させるための駆動力を発生するステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rと、リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動制御を少なくともマイクロステップ励磁方式にて実行可能な駆動制御手段であるモータ駆動回路85〜87と、モータ駆動回路85〜87によるリールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動制御を制御することによりリール301L、301C、301Rの動作を制御可能な制御手段である演出制御用CPUと、を備え、モータ駆動回路85〜87は、リールステッピングモータ307L、307C、307Rが有する複数の励磁相のうち、隣接する励磁相であるA相、B相に同一の相電流が印加されていることを特定可能な特定情報である電気角信号のLowを演出制御用CPUに出力可能であり、演出制御用CPUは、リール301L、301C、301Rを異なる速度である速度1、速度2にて動作させることが可能であり、リール301L、301C、301Rの動作速度を変化させていいない期間である定速パターンで制御されている期間において電気角信号のLowにもとづくリール301L、301C、301Rの位置特定制御を行う。これによれば、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間においては、電気角信号のLowにもとづくリール301L、301C、301Rの制御を行わないため、リール301L、301C、301Rの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、ステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rのステップレートを変化させることで可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させる。これにより、ステッピングモータのステップレートの変化にリール301L、301C、301Rの動作が追従できない状況が生じてもリール301L、301C、301Rの誤動作を防止できる。
また、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、ステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rの励磁モードを変化させることで可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させる。これにより、ステッピングモータの励磁モードの変化にリール301L、301C、301Rの動作が追従できない状況が生じても可動体の誤動作を防止できる。
尚、本実施例では、原点位置が検出されてからのステップ数を計数し、その計数値に応じてリールの位置を特定し、特定したリールの位置にもとづいて位置特定制御を行う構成であるが、原点位置が検出されてから電気角信号がLowとなった回数を計数し、その計数値に応じてリールの位置を特定し、特定したリールの位置にもとづいて位置特定制御を行う構成でもよい。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、リールの回転速度が安定するまでに要する待機期間が経過するまで位置特定制御を行わないようになっており、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しない場合であっても、その期間においては位置特定制御を行わないため、より確実にリールの誤動作を防止することができる。
つまり、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間が終了して動作速度が定速となった後も所定期間である待機期間が経過するまでは検出情報である原点位置の検出信号にもとづくリール301L、301C、301Rの位置特定制御を行わない。これによって、より確実に誤動作を防止できる。
尚、本実施例では、変化前後の励磁モード、速度変化の大きさ、加速であるか減速であるか、に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間が異なるため、複数の期間から速度変化の状況に応じた最適な期間が待機期間として選択されるようになっており、リールの回転速度が安定した後、位置特定制御を行うことが可能となるまでの期間を極力短くできることから好ましいが、速度変化の状況に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間のうち最も長い期間を待機期間として常時適用するようにしても良く、このような構成とすることで、待機期間を設定するためのデータ容量を削減することができる。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が正常に検出されているか確認する原点確認期間が経過するまで位置特定制御を行わないようになっており、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しない場合であっても、原点位置が正常に検出されていると判断されるまでは特定位置制御を行わないため、より確実にリールの誤動作を防止することができる。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されてから2回原点位置を検出するまでのステップ数が正常と判定されること、すなわち複数回にわたり正常に原点位置が検出されたときに、正常に原点位置が検出されていると判断するようになっており、原点位置が正常に検出されていないにも関わらず特定位置制御が行われることがなく、より確実にリールの誤動作を防止することができる。
つまり、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間が終了して動作速度が定速となった後、検出情報である原点位置の検出信号を複数回確認したときに、これら原点位置の検出信号にもとづくリール301L、301C、301Rの位置を正しい位置として特定する。これによって、より確実に誤動作を防止できる。
尚、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されてから2回原点位置を検出するまでのステップ数が正常と判定されることで、原点位置が正常に検出されていると判断し、特定位置制御を行うことが可能となる構成であるが、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されることのみでステップ数カウンタの値を初期化し、ステップ数カウンタの計数を開始するとともに、当該原点位置が検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でも良く、このような構成とすることで特定位置制御を可能とするための制御を簡素化できる。また、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が2回以上の規定回数検出されることでステップ数カウンタの値を初期化し、ステップ数カウンタの計数を開始するとともに、原点位置が規定回数検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でも良く、このような構成とすることで、原点位置が正常に検出されていないにも関わらず特定位置制御が行われることがなく、より確実にリールの誤動作を防止しつつ、特定位置制御を可能とするための制御を簡素化できる。
また、前述のように原点位置が検出されてから電気角信号がLowとなった回数を計数し、その計数値に応じてリールの位置を特定する構成であれば、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されることのみで電気角信号がLowとなった回数の計数値を初期化し、電気角信号がLowとなった回数の計数を開始するとともに、当該原点位置が検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でもよいし、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が2回以上の規定回数検出されることで電気角信号がLowとなった回数の計数値を初期化し、電気角信号がLowとなった回数の計数を開始するとともに、原点位置が規定回数検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でもよい。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が正常に検出されているか確認する待機期間及び原点位置が正常に検出されているか確認する原点確認期間の双方が経過するまで位置特定制御を行わない構成であるが、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、待機期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成でもよいし、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点確認期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成でもよい。励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、待機期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成では、励磁パターンに応じた待機期間を計時するのみで済むため、特定位置制御を可能とするための制御を簡素化できる。一方、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点確認期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成では、原点位置が正常と判断されてから特定位置制御を行うことが可能となるため、原点位置が正常に検出されていないにも関わらず特定位置制御が行われてしまうことを確実に防止することができる。尚、これら待機期間及び原点確認期間の双方を設けない形態としてよい。
また、本実施例では、演出制御用CPUが、シリアル信号回路89介してモータ駆動回路に対して制御用クロック信号、出力制御信号、励磁設定信号等を出力することによりリールステッピングモータを間接的に制御する構成であるが、演出制御用CPUが直接リールステッピングモータを制御する構成でもよい。
本実施例では、マイクロステップ駆動にてリールステッピングモータを駆動しており、ステップによってはリールステッピングモータのA相とB相とに異なる相電流が印加される場合もあり、このような状況は、リールステッピングモータのA相とB相とに異なる相電流が印加されている状況よりも不安定であり、リールステッピングモータのA相とB相とに異なる相電流が印加されるステップを起点として位置特定制御を行うと動作が不安定となってしまう。このため、演出制御用CPUは、位置特定制御を行うにあたり、原点位置から計数したステップ数により特定されるリールの位置だけでなく、モータ駆動回路からリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづいて位置特定制御を行うようになっている。前述のようにリールの回転速度を加速させたり減速させたりする場合には、ステップレートの変化や励磁モードの変化にリールが追従できない可能性があり、電気角信号のLowが検出され、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されていることが特定されても、実際はA相とB相とに異なる相電流が印加されている状態である可能性があるが、本実施例では、リールの回転速度を変更している期間においてはA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく位置特定制御を行わないため、リールの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
尚、本実施例では、リールの回転速度を変更している期間においてはA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく位置特定制御を行わない構成であるが、リールの回転速度を変更している期間においてA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく他の制御、例えば、励磁パターンや励磁モードを変更する制御を行わない構成としても良く、このような構成とした場合でも、電気角信号のLowが検出され、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されていることが特定されているにも関わらず、実際はA相とB相とに異なる相電流が印加されている状態で励磁モードを変更する制御が行われてしまうことがなく、このような構成においてもリールの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、リールの回転速度が安定するまでに要する待機期間が経過するまでA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく位置特定制御を行わないようになっており、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、電気角信号のLowが検出され、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されていることが特定されているにも関わらず、実際はA相とB相とに異なる相電流が印加されている状態であっても、その期間においては位置特定制御を行わないため、より確実にリールの誤動作を防止することができる。励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、リールの回転速度が安定するまでに要する待機期間が経過するまでA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく他の制御を行わない構成とした場合でも同様の効果を得られる。
また、本実施例では、演出制御用CPUが行うスイッチ検出処理において、モータ駆動回路から出力される電気角信号の出力状況は、2回連続同じ出力状態(LowまたはHigh)が特定されることで確定し、確定した出力状態にもとづいて出力状態が変化したこと(LowからHigh、HighからLow)が特定されるようになっており、ノイズなどによって出力状態に変化があっても誤って出力状態の変化が特定されることがないようになっており、誤って電気角信号のLowが検出されてしまうことがないため、誤った電気角信号の検出によって位置特定制御や、電気角信号のLowが検出されていることにもとづく他の制御が行われてしまうことがなく、確実にリールの誤動作を防止できる。
本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出図柄の変動中において、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが同時に停止する場合には、第1リールステッピングモータ307Lに印加されている電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加されている電流値が変化するタイミングとが異なっていることによって、第1リールステッピングモータ307Lに印加される電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加される電流値が変化するタイミングとが同一タイミングである場合と比較して、第1リールステッピングモータ307Lや第23リールステッピングモータ307Cに供給される電力量が変化することによるモータ駆動用電源回路83にかかる負荷を低減することができるので、リール駆動制御基板81に保護回路を設けるためのコスト等を削減できる。
特に、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが同時に駆動している際に、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが同時に停止する場合は、モータ駆動用電源回路83に突入電流や回生電流が発生することで、モータ駆動回路85、86内の内部駆動電力生成回路409にて過電流保護機能がはたらき、モータ駆動回路85、86への電力供給が遮断される。その結果、電力供給が途絶えたモータ駆動回路85、86にリセットがかかり、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが初期電気角(45°)となる位置まで移動する誤動作が発生するが、本発明によって第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとに印加されている電流値が同時に停止することが回避されるので、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが初期電気角(45°)となる位置まで移動する誤動作の発生も回避されるようになっている。
また、演出図柄の変動中において、第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rは、同時に停止する可能性があるが、第1リールステッピングモータ307Lはモータ駆動用電源回路83から電力供給を受けている一方で、第3リールステッピングモータ307Rはモータ駆動用電源回路84から電力供給を受けている、つまり、同時に駆動が停止することによって使用電力が変化し易い第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rは、個別のモータ駆動用電源回路から電力が供給されるため、使用電力の変化が同時に発生して変化が大きくなることによるモータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減できるので、保護回路等を設けるためのコスト等を削減できる。
尚、本実施例では、モータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減するために、1のモータ駆動用電源回路83に接続されている第1リールステッピングモータ307Lに印加されている電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加されている電流値が変化するタイミングとを異ならせることと、同時に駆動停止する可能性のある第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rとを異なるモータ駆動用電源回路に接続することの2つの対策を実行することによって、パチンコ遊技機1の制御面とリール駆動制御基板81の構造面の双方からモータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減するためには、これら2つの対策のうち一方のみを実行するようにしてもよい。尚、第1リールステッピングモータ307Lに印加されている電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加されている電流値が変化するタイミングとを異ならせるのみの場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを同一のモータ駆動用電源回路83からの電力の供給によって駆動させるようにしてもよい。
また、本実施例では、本発明における可動体をリール301L、301C、301Rの3個とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明における可動体数は、2個以下または4個以上であってもよい。
また、第1リールステッピングモータ307Lは、リール301Lを回転させるために駆動するモータであり、第2リールステッピングモータ307Cは、リール301Cを回転させるために駆動するモータであるので、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとで異なるリール301L、301Cを回転させることができるとともに、異なるリール301L、301Cを回転させる場合であっても保護回路等を設けるためのコスト等を削減することができる。
尚、本実施例では、モータ駆動用電源回路83から電力の供給を受けている第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとで異なるリール301L、301Cを回転させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとによって1のリールを回転させるようにしてもよいし、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとでリールとは異なる可動体を個別に動作させるようにしてもよい。また、これら第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとによってリールとは異なる1の可動体を動作させるようにしてもよい。尚、このように第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとによって1の可動体を動作させる場合は、例えば、第1リールステッピングモータ307Lの駆動によって該可動体を遊技者から視認困難な退避位置と該退避位置よりも視認容易な演出位置との間で移動可能とするとともに、第2リールステッピングモータ307Cの駆動によって該可動体を演出位置において回転や伸縮、分離等、第1リールステッピングモータ307Lの駆動とは異なる動作をさせるようにしてもよい。
更に、本発明の可動体は、本実施例に示したリール301L、301C、301Rのように遊技領域7の中央付近に設けられるものの他、前面枠101やガラス扉枠102に設けられるものであってもよい。
また、モータ駆動用電源回路83、84は、演出制御基板80を介して電源基板82から電力の供給を受けているとともに、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するための電力を生成し、該生成した電力を第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するためのモータ駆動回路85、86、87に供給しているので、パチンコ遊技機1における電力供給の配線を簡略化することができる。また、モータ駆動用電源回路83、84が演出制御基板80とモータ駆動回路85、86、87の間に設けられているため、電源基板82から供給される電力の送電によるロスを抑えることができる。
尚、本実施例では、モータ駆動用電源回路83、84において、電源基板82から供給されている電力から第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するための電力を生成する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源基板82から供給される電力を、モータ駆動用電源回路83、84を介さずに、モータ駆動回路85、86、87に直接供給することによって第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させてもよい。
尚、本実施例の電源基板82は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられた電源基板であり、パチンコ遊技機1の機種にかかわらず使用される共通の電源基板である。このため、電源基板82は、外枠100及び前面枠101の仕様が変化しない限り機種にかかわらず共通して使用されるので、本実施例に示すように、パチンコ遊技機1の機種に応じて設けられる可動体(本実施例のリール301L、301C、301R)を動作させるために電力を供給する電源基板(電源回路)を該電源基板82とは個別に設けることにより電源基板82の機種毎の仕様変更が発生してしまうことを防ぎ、パチンコ遊技機1の機械原価を抑えることができる。
また、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rに印加される電流値を第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの回転速度に応じて異ならせることによって、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを各回転速度にて安定して作動させることができる。
また、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動が停止している状態においてこれら各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させる場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加されている電流値を変化させるタイミングを異ならせることによって、モータ駆動用電源回路83、84にて供給電力量が変化することにより発生する負荷をより一層低減でき、保護回路等を設けるためのコスト等を削減できる。
尚、本実施例では、演出図柄の変動表示を開始する際と演出図柄の変動表示を終了する際に各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動開始に伴う電流値の変化タイミングと駆動停止に伴う電流値の変化タイミングを異ならせる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示として各リール301L、301C、301Rの回転速度を変化させる演出を実行可能とする場合は、該演出図柄の変動表示中においても各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加される電流値が変化するタイミングを異ならせてもよい。
また、本発明における可動体は、外周面に複数種類の演出図柄が表示されており、外外周面に沿って回転可能なリール301L、301C、301Rであるので、モータ駆動用電源回路83、84にかかる負荷が低減されることによって、リール301L、301C、301Rを安定して動作させることが可能となるので、リール301L、301C、301Rの動作が不安定となることによって不適切な演出図柄表示、特に、変動表示結果がはずれであるにもかかわらず大当りを示す組み合わせで演出図柄が導出表示されてしまうことや、リール301L、301C、301Rの回転がなんらかの示唆であると遊技者に思い込ませてしまうこと等が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、演出図柄の変動中においては、図29〜図32に示すように、各リール301L、301C、301Rの停止タイミングが経過した場合は、各リール301L、301C、301Rに対応した電気角信号の出力がLowとなったこと、つまり、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307RにおけるA相とB相とに同一の強さの電流値が印加されたことにもとづいて第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの駆動を停止し、各リール301L、301C、301Rの回転を停止するので、次に各リール301L、301C、301Rの回転が開始される際に、変動表示結果がはずれであるにもかかわらず大当りを示す組み合わせで演出図柄が導出表示されてしまうことや、リール301L、301C、301Rの回転がなんらかの示唆であると遊技者に思い込ませてしまうこと等の不適切な動作が発生してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入された際に第2初期化処理が実行されることによって第2初期化処理が実行されると、各リール301L、301RC、301Rに対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の強さの電流値が印加され、電気角が45°となる、つまり、各モータ駆動回路85、86、87の電気角監視回路403から電気角信号がLowで出力されるので、各リール301L、301RC、301Rが回転していない停止状態で電断や初期化(リセット)が発生しても、各リール301L、301RC、301Rが原点位置(初期位置)に向けて回転するといった不自然な動作が発生してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入された際に第2初期化処理を実行することによって、各リール301L、301RC、301Rを電気角信号がLowで出力される原点位置(初期位置)まで回転させて停止させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に電源が投入された際には、第2初期化処理を実行せずともよい。
また、図29〜図32に示すように、演出図柄の変動中において演出制御用CPUは、各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる際に、電気角信号がLowであり且つ各リール301L、301C、301Rに対応するリール検出センサが検出状態であれば各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる一方で、電気角信号がHighである場合や、各リール301L、301C、301Rに対応する少なくとも1のリール検出センサが検出状態でない場合には、各リールを電気角信号がLowであり且つ各リール301L、301C、301Rに対応するリール検出センサが検出状態とない位置まで回転させてから停止させるので、各リール301L、301C、301Rの不適切な回転が継続してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、演出図柄の変動中において、本発明における可動体としてのリール301L、301C、301Rに対応する電気角度とリール検出センサの検出状態に応じてリール301L、301C、301Rの停止位置を修正する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明における可動体をリール301L、301C、301R以外の演出図柄の変動中以外のタイミングにおいても動作可能な可動体とする場合は、該可動体に対応する電気角度とリール検出センサの検出状態に応じて該可動体の停止位置を修正するタイミングは、演出図柄の変動中以外のタイミング(例えば、パチンコ遊技機1に電源が投入されたときや、大当り遊技中)であってもよい。
また、本実施例におけるモータ駆動回路85、86、87には、電源基板82から供給されるモータ駆動電力からモータ駆動回路85、86、87を動作させるための電力(内部駆動電力)を生成するための内部駆動電力生成回路409が設けられているので、モータ駆動回路85、86、87にモータ駆動電力が供給されている場合には、該モータ駆動電力から内部駆動電力生成回路409が生成した内部駆動電力によってモータ駆動回路85、86、87も動作するので、モータ駆動電力が供給されているにも拘わらずに不安定な動作電力がモータ駆動回路85、86、87に供給されてしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例のモータ駆動回路85、86、87は、これらモータ駆動回路85、86、87に内蔵されている内部駆動電力生成回路409が電源基板82から供給されるモータ駆動電力からモータ駆動回路85、86、87を動作させるための内部駆動電力を生成する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源基板82とは個別に内部駆動電力を供給可能な電源基板を設け、該電源基板からモータ駆動回路85、86、87に内部駆動電力を供給するようにしてもよい。尚、このように、モータ駆動回路85、86、87が電源基板82とは異なる電源基板から内部駆動電力の供給を受ける場合は、該電源基板によってリール駆動制御基板81に搭載されている他の回路にも駆動電力を供給することによって、リール駆動制御基板81に搭載されている回路の動作を安定させることができる。
また、本実施例のモータ駆動回路85、86、87は、駆動電流設定回路411に入力されたA相出力設定信号とB相出力設定信号とにもとづいて、出力パルス生成回路415から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相に出力されるパルス信号の電流値と、出力パルス生成回路416から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのB相に出力されるパルス信号の電流値とを変更することができるので、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの作動状態に応じた適切なパルス信号を出力することができ、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの出力を安定させることができる。
また、演出図柄の変動表示において、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rには、駆動停止時に継続して相電流が印加されることによって各リール301L、301C、301Rの停止位置を固定し、振動等によって各リール301L、301C、301Rが変動表示結果が「はずれ」であるにもかかわらず「大当り」の組み合わせで演出図柄を導出表示する等の動作の不具合を防止している。
特に図22に示すように、駆動停止中の各リールステッピングモータ307L、307C、307Rには、駆動停止時の電流値I1よりも低い電流値I2が印加されているため、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動停止時においてこれら各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにおける発熱を抑えることができる。
尚、本実施例では、駆動停止時の各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに駆動時の電流値I1よりも低い電流値I2を印加することによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにおける発熱を抑える形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動停止時の各リールステッピングモータ307L、307C、307Rには、電流を印加しないようにして各リールステッピングモータ307L、307C、307Rや各モータ駆動回路85、86、87における発熱を抑えてもよい。また、リールステッピングモータ307L、307C、307Rに電流が印加された際の発熱が十分に小さい場合や、発熱しても正常に動作可能なリールステッピングモータにおいては、駆動停止時に駆動時の電流値I1よりも大きな電流値I3を印加することによって、各リール301L、301C、301Rを停止位置に対して強力に保持してもよい。
尚、本実施例では、各リール301L、301C、301Rを回転させるための各リールステッピングモータ307L、307C、307Rについて、駆動停止中は動停止時の電流値I1よりも低い電流値I2を印加することによりリールステッピングモータ307L、307C、307Rの発熱を抑える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各リール301L、301C、301R以外の可動体をパチンコ遊技機1に設ける場合は、該可動体を動作させるためのモータについても、駆動停止時よりも低い電流値を印加することによって該モータの発熱を抑えるようにしてもよい。
また、図10に示すように、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが停止している状態において演出制御基板80(演出制御用CPU)が各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの励磁モードを変更する際には、電気角初期化信号を出力することによって各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相に印加されている電流値とB相に印加されている電流値が釣り合う状態となるまで駆動させ、A相に印加されている電流値とB相に印加されている電流値が釣り合っていることを電気角信号の出力状態がLowとなったことにもとづいて励磁モードを変更するので、A相とB相に印加されている電流値が釣り合っていない(A相とB相とに発生している磁力が釣り合っていない)状態にて励磁モードが変更されることによる不具合の発生を防ぐことができる。更に本実施例では、図29のS307及びS308の処理において励磁モード変更処理を実行するとともに各相に印加される電流値の切替も行われる。このため、S307及びS308においては、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが停止しているときと同じく、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが駆動している状態においても、電気角信号の出力状態がLowとなったことにもとづいて各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの励磁モードを変更することで、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにオーバーシュートやアンダーシュートが発生する等の不具合の発生を防ぐことができる。
特に本実施例のモータ駆動回路85、86、87は、従来のモータ駆動回路(例えば、東芝製のマイクロステップモータドライバTB62209)と比較して、電気角信号の出力状態がLowとなる位置が2相励磁位置と重複するため、励磁モードの切り替え(図10参照)を容易に実行することが可能となっている。
また、本実施例では、演出図柄の変動表示中において各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる際には、対応する電気角信号の出力状態がLowとなっているとき、つまり、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに印加されている電流値が釣り合っている場合のみとすることで、次回の演出図柄の変動開始時には、各リール301L、301C、301Rに対応する電気角信号の出力状態がLowである状態にて各リール301L、301C、301Rの回転を開始するように演出図柄の変動表示実行用のプログラムを作成すればよいので、該プログラムを簡略化できる。
また、本実施例では、遊技が可能な遊技機であるパチンコ遊技機1であって、動作可能に設けられた可動体であるリール301L、301C、301Rと、リール301L、301C、301Rを動作させるための駆動力を発生する駆動手段であるリールステッピングモータ307L、307C、307Rと、駆動手段であるリールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動制御を、クロック信号である制御用クロック信号と複数の異なる制御信号である出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段であるモータ駆動回路85、86、87と、リール301L、301C、301Rの動作を伴う可動体演出である演出図柄の変動表示による演出(変動表示演出)の制御を行う演出制御手段である演出制御基板80(演出制御用CPU)と、演出制御基板80(演出制御用CPU)から送信されるシリアル信号によるシリアル制御データであるモータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データを複数の異なる制御信号である出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能であるとともに、演出制御基板80(演出制御用CPU)から送信されるシリアル信号によるシリアルクロックデータであるモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを制御用クロック信号に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能な信号変換手段となるシリアル信号回路89とを備える。これにより、駆動制御手段となるモータ駆動回路85、86、87に入力される制御用クロック信号を、演出制御手段である演出制御基板80(演出制御用CPU)が、シリアルクロックデータであるモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データをシリアル信号回路89に送信することによって直接管理することができるばかりか、個別のクロック信号発生回路から、シリアルデータの信号と同期していない不適切なクロック信号が駆動制御手段に入力されることにより不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。
尚、本発明の演出制御手段は、可動体の動作を伴う可動体演出の制御を行う手段であるので、演出制御基板80に実装されている演出制御用CPUの単体が演出制御手段を構成していると見ることもできるし、演出制御基板80全体が演出制御手段を構成していると見ることもできる。更には、可動体を動作させる駆動手段の動作を制御している駆動制御手段に対して制御信号を出力するシリアル信号回路89やパルスカウンタ90やシリアル信号回路89’を含めて演出制御手段を構成していると見ることもできる。この場合には、シリアル信号回路89やパルスカウンタ90やシリアル信号回路89’は、演出制御手段と信号変換手段の双方を構成することになる。
また、本実施例では、演出制御基板80は、最も周期の短い最短周期の制御用クロック信号(A)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の倍周期の制御用クロック信号(B)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の3倍周期の制御用クロック信号(C)に対応する「000111000111…」のデータ列等が記憶されたROMを有し、演出制御基板80は、ROMに記憶しているデータ列を読み出してモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを送信可能である。これにより、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データの送信毎に、送信するデータ列を生成する必要がないので、シリアルクロックデータの送信に伴う演出制御基板80側の処理負荷を低減できる。
また、図7に示す変形例では、信号変換手段であるシリアル信号回路89から出力される基準となる制御用クロック信号である最短周期の制御用クロック信号(A)を、分周によって周期の異なる分周クロック信号である基準波、2分周波、3分周波、…n分周波に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能な分周手段となるパルスカウンタ90を備える。これによれば、演出制御基板80(演出制御用CPU)の処理負荷の増大を抑えつつ、周期の異なる分周クロック信号をモータ駆動回路85、86、87に出力することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、可動体であるリール301L、301C、301Rを動作させるための駆動手段として、ステッピングモータを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら駆動手段をその他の駆動方式のモータ、例えば、図36に示すように、ブラシレスモータ(第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3)を用いてもよい。尚、このように、ブラシレスモータを使用する場合には、ブラシレスモータの駆動制御を行うモータ駆動回路は、ブラシレスモータの内部に設けられているものが一般的であるので、シリアル信号回路89’は、第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3と直接接続され、これら第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3に対して、図36に示すように、前述したステッピングモータにおける制御用クロック信号に相当するSTEP信号(速度用パルス信号)と、CW/CCW信号(正転/逆転)と、STEP信号並びにCW/CCW信号の入力可否を指定するSTART信号と、モータの動作可否を指定するREST信号との4つの信号、つまり、1のクロック信号と3つの制御信号とを、演出制御基板80(演出制御用CPU)から受信したシリアルデータを変換して出力する。よって、本発明における駆動制御手段となるモータ駆動回路は、駆動手段であるモータの内部に設けられていてもよいし、モータの外部に設けられていてもよいし、モータの内部とモータの外部の双方に分散して設けられているものであってもよい。
尚、図36においては、パルスカウンタを設けていない形態を例示しているが、図7を用いて前述したように、パルスカウンタ90をシリアル信号回路89’と第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3との間に設けて、分周したSTEP信号(速度用パルス信号)を第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3に入力するようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動体を、変動表示演出を実行するリール301L、301C、301Rとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら可動体は、変動表示が実行されている期間中の特定のタイミング、例えば、大当りの図柄が揃う確率が高いスーパーリーチの変動パターンにおいて、スーパーリーチの演出に発展するタイミング等において動作するものであってもよいし、変動表示に関係しない可動体、例えば、大当り遊技中において動作するキャラクタのギミック(役物可動体)であってもよい。尚、可動体が、速い動作速度が必要とされるものや、大きな動作トルクが必要とされるもの、連続動作が必要とされるものである場合には、ブラシレスモータを用いることが好ましい。
また、前記実施例では、実動作確認動作制御として、リール301L、301C、301Rを原点位置と所定位置との間で往復させる(リール301L、301C、301Rを原点位置から所定位置まで正転させた後、該所定位置から原点位置に逆転させる)形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図32に示すように、実動作確認動作制御としては、リール301L、301C、301Rを原点位置から一回転させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、本発明における複数の可動体をリール301L、301C、301Rとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の可動体は、これらリール301L、301C、301Rとは異なる動作を実行可能なものであってもよい。特に、変形例2として、本発明における複数の可動体を、共に動作することによって互いに干渉するものとしてもよい。このように、共に動作することによって互いに干渉するものを本発明における複数の可動体とする場合は、実動作においてこれら複数の可動体が同時に動作することは考え難い。しかしながら、複数の可動体を共に動作した場合、これら複数の可動体が同時に動作した場合に電力が過剰に消費された結果、モータ駆動回路85、86、87等に負荷がかかることによってモータ駆動用電源回路83、84がリセットされてしまう等といった不具合の発生が考えられるので、本発明における複数の可動体を、共に動作することによって互いに干渉するものとすることによって過剰な電力消費によりモータ駆動用電源回路83、84に不具合が生じてしまうことを防止することができる。更に、このように、本発明における複数の可動体を、共に動作することによって互いに干渉するものとすることによって電力の供給が安定するので、これら複数の可動体の動作が不安定となり互いの干渉が発生してしまうことも防ぐことができる。
また、前記実施例では、演出図柄の変動表示中において各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる際には、対応する電気角信号の出力状態がLowとなっているとき、つまり、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに印加されている電流値が釣り合っている場合のみとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出図柄の変動中に各リール301L、301C、301Rのうち少なくとも1のリールの回転を一旦停止(仮停止)させた後に再回転させる演出(例えば、擬似連演出)を実行可能とする場合には、電気角信号の出力状態がLowとなっていない(Highである)ときに各リール301L、301C、301Rを仮停止させてもよい。このように、1の変動表示中に各リール301L、301C、301Rの仮停止と再回転を実行する場合は、演出図柄の変動表示が終了する際にのみ各リール301L、301C、301Rに対応する電気角信号の出力状態がLowとなっているか否かを判定し、該判定結果にもとづいて各リール301L、301C、301Rの回転を停止させればよいので、各リール301L、301C、301Rが仮停止した位置が電気角信号の出力状態がLowとなっていない位置であったとしても電気角信号の出力状態を判定せずにプロセスデータに従って予め決められた通り各リール301L、301C、301Rの回転を制御すればよいので、演出図柄の変動表示実行用のプログラムの作成が容易となる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。尚、このようなスロットマシンにおいて本発明を適用する場合は、可動体を該スロットマシンのリールとすればよい。更に、このようにスロットマシンにおいて本発明を適用する場合は、可動体としてのリールをステッピングモータの2相励磁モードのみで回転させることによって、疑似遊技等のリールによる演出を実行する際に、リールを演出用リールのように制御することが可能となる。
また、前記実施例では、各リール301L、301C、301Rの初期位置を、電気角信号がLowで出力される位置、すなわち、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに印加されている電流値が釣り合っている位置(電気角度が45°となる位置)とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各リール301L、301C、301Rの初期位置は、例えば、対応するリールステッピングモータのA相とB相とのうち、一方の相のみに電流値が印加されている位置(図16(A)参照)であってもよい。
また、前記実施例では、各リール301L、301C、301Rを対象として非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認動作制御を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらリール301L、301C、301R以外にもパチンコ遊技機1に可動体が設けられている場合は、該可動体を対象として非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認動作制御を実行してもよいし、各リール301L、301C、301Rとこれらリール301L、301C、301R以外の可動体とで非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認動作制御を順番に実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cを駆動させるための電力を供給するためのモータ駆動用電源回路83と、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させるための電力を供給するためのモータ駆動用電源回路84と、の2つのモータ駆動用電源回路をリール駆動制御基板81に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リール駆動制御基板81にモータ駆動用電源回路を1つのみ設け、該モータ駆動用電源回路から第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するための電力を供給するようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御基板80(演出制御用CPU)から各モータ駆動回路85、86、87に対してA相出力設定信号、B相出力設定信号、電気角初期化信号等に対応するコマンドを送信することによって各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板80(演出制御用CPU)から各モータ駆動回路85、86、87に対してA相出力設定信号、B相出力設定信号、電気角初期化信号等に対応する信号を送信することによって各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動してもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
動作可能に設けられた可動体(例えば、リール301L、301C、301R)と、
前記可動体を動作させるための駆動力を発生する駆動手段(例えば、リールステッピングモータ307L、307C、307R)と、
前記駆動手段の駆動制御を、クロック信号(例えば、制御用クロック信号)と複数の異なる制御信号(例えば、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号)との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段(例えば、モータ駆動回路85、86、87)と、
前記可動体の動作を伴う可動体演出(例えば、変動表示演出)の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御基板80)と、
前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアル制御データ(例えば、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データ)を複数の異なる制御信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能であるとともに、前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアルクロックデータ(例えば、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを制御用クロック信号)をクロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な信号変換手段(例えば、シリアル信号回路89)と、
さらに、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図45(D)、(F))、遊技機が挙げられる。
この特徴によれば、駆動制御手段に入力されるクロック信号を、演出制御手段がシリアルクロックデータによって直接管理することができ、個別のクロック信号発生回路からのシリアル信号に同期していない不適切なクロック信号が駆動制御手段に入力されることにより不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。さらに、いずれの示唆演出が実行されるかに注目させることができ、興趣が向上する。
この場合、可動体とタイトル報知とを関連付けてもよい。例えば、タイトル報知の態様を複数備えタイトル報知を表示した後に可動体が可動することでタイトル報知の表示態様を変化させてもよい。そうすることでより興趣が向上する。
また、示唆演出と可動体とを関連付けてもよい。例えば、示唆演出が実行された場合には可動体を可動させる割合を高くしてもよい。そうすることで示唆演出により注目させることができ興趣が向上する。
さらに、興趣を向上させることができる遊技機の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図45(D)、(F))。遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
まず、パチンコ遊技機901の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機901の構成等)
図37は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図37に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第1特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置905は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置905には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置905の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置905の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤902の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられ、第1保留表示器9025Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器9025Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置905の下方には、入賞球装置906Aと、可変入賞球装置906Bとが設けられている。
入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置906B(普通電動役物)は、ソレノイド9081(図38参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置906Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置906Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置906Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤902の所定位置(図37に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口9010が設けられる。この場合には、一般入賞口9010のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置906Aと可変入賞球装置906Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、ソレノイド9082(図38参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口9010に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口9010を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤902の所定位置(図37に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置905の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート9041が設けられている。遊技球が通過ゲート9041を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ90909が設けられている。遊技効果ランプ909は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤902の所定位置(図37では図示略)には、演出に応じて動作する可動体9032が設けられている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)9030が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ9031Aに対する操作は、コントローラセンサユニット9035A(図38参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bに対する操作は、プッシュセンサ9035B(図38参照)により検出される。
パチンコ遊技機901では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機901が備える打球操作ハンドル9030への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート9041を通過すると、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート9041を通過した場合(遊技球が通過ゲート9041を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置906Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機901が、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機901では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置905に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ909の点等/消灯、可動体9032の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機901では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機901が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置905にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機901には、例えば図38に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、中継基板9015などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板9011は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などを有する。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)90101と、RAM(Random Access Memory)90102と、CPU(Central Processing Unit)90103と、乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備える。
CPU90103は、ROM90101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板9011の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM90101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90102がメインメモリとして使用される。RAM90102は、その一部または全部がパチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM90101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM90102に展開して、RAM90102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O90105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板9012に供給する。主基板9011から出力された演出制御コマンドは、中継基板9015により中継され、演出制御基板9012に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板9011における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体9032の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板9012には、演出制御用CPU90120と、ROM90121と、RAM90122と、表示制御部90123と、乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出制御用CPU90120は、ROM90121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部90123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板9012の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM90121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU90120は、コントローラセンサユニット9035Aやプッシュセンサ9035Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部90123に指示することもある。
表示制御部90123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置905に供給することで、演出画像を画像表示装置905に表示させる。表示制御部90123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ909の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板9013に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板9014に供給したりする。また、表示制御部90123は、可動体9032を動作させる信号を当該可動体9032又は当該可動体9032を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板9013は、スピーカ908L、908Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ908L、908Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ908L、908Rから出力させる。
ランプ制御基板9014は、遊技効果ランプ909を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ909を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ909を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部90123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体9032の制御(可動体9032を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU90120が実行するようにしてもよい。
乱数回路90124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU90120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、主基板9011以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機901のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
(主基板9011の主要な動作)
まず、主基板9011における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機901に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理が実行される。図39は、主基板9011におけるCPU90103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図39に示す遊技制御メイン処理では、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS902)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM90102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS903)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS903;Yes)、初期化処理(ステップS908)を実行する。初期化処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU90103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。演出制御用CPU90120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS903;No)、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS904)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機901への電力供給が停止したときには、CPU90103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM90102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM90102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS904では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS904;No)、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS904;Yes)、CPU90103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS905)。ステップS905では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。
RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS905;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップS905;Yes)、CPU90103は、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS906)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU90103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS907)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU90120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU90120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板9012に演出制御コマンドを送信した後には、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9010)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9011)、割込みを許可する(ステップS9012)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図40のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図40に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS9021)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS9022)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS9023)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS9024)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS9025)。CPU90103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS9026)。CPU90103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ9021からの検出信号に基づく(通過ゲート9041に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置906Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器9020を駆動することにより行われ、普図保留表示器9025Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS9027)。CPU90103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS9027のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図41は、特別図柄プロセス処理として、図40に示すステップS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM90102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板9012に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図40に示すステップS9027のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS90110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信するための送信設定が行われる。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM90101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板9011における他の決定、演出制御基板9012における各種の決定についても同じである。演出制御基板9012においては、各種のテーブルがROM90121に格納されている。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板9012の主要な動作)
次に、演出制御基板9012における主要な動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図42のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図42に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS9072)。初期動作制御処理では、可動体9032を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体9032の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS9073)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9073;No)、ステップS9073の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS9073にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS9073;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9074)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9075)。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM90122の所定領域に格納したり、RAM90122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部90123に指示してもよい。
ステップS9075にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS9076)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体9032の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS9076の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS9077)、演出制御基板9012の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS9073の処理に戻る。ステップS9073の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図43は、演出制御プロセス処理として、図42のステップS9076にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS90161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板9011から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS90161の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えばRAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部90123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部90123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部90123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、表示制御部90123を指示することで、ステップS90171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、可動体9032を駆動させること、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板9011から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機901に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機901は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機901を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機901に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部31AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部31AKについて説明する。図44は、本実施の形態のパチンコ遊技機901における変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。図44(A)に示すように、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに表示結果が「ハズレ」となる非リーチハズレの変動パターンPA1’−1、PA1’−2、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となって表示結果が「ハズレ」となるリーチハズレの変動パターンPA2’−1〜PA2’−6、PA3’−1〜PA3’−4等、表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2’−1〜PB2’−6、PB3’−1〜PB3’−4等が用意されている。
また、図44(B)に示すように、本実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Eといったリーチ演出が実行されるようになっている。この実施の形態では、リーチ演出は、大当り状態に制御されることを示唆する示唆演出とも称される。各リーチが実行されたときの信頼度(大当り信頼度)は、図44(B)の黒色の星の数で表すように、ノーマルリーチ<スーパーリーチE<スーパーリーチD<スーパーリーチC<スーパーリーチB<スーパーリーチAの順番に高くなっている。なお、大当りとなることが確定するリーチを設けてもよい。
この実施の形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して実行されるようになっている。また、スーパーリーチのリーチ演出中に、より信頼度の高いリーチに発展(昇格)する発展演出が実行される場合がある。図44(A)に示す変動パターンPA3’−1〜PA3’−4等、変動パターンPB3’−1〜PB3’−4等が、発展演出が実行されることに対応した変動パターンとなっている。なお、図44(A)では、信頼度が一段階上のスーパーリーチに発展する変動パターンが示されているが、信頼度が二段階以上発展する変動パターンも設けられる。また、発展演出が複数回実行される変動パターンを設けてもよい。
この実施の形態では、信頼度が最も低いノーマルリーチ以外では、リーチ成立後の所定タイミングにおいて、そのリーチのタイトルが報知されるようになっている。図44(B)に示すように、リーチの種類によってタイトルの報知態様が異なっている。具体的には、スーパーリーチの中で最も信頼度の低いスーパーリーチEは、表示のみでリーチのタイトルが報知され、それ以外のスーパーリーチは、表示及び音声によりタイトルが報知される。このように、信頼度の高いリーチの方が信頼度の低いリーチより多くの演出装置によりタイトルの報知が実行されるようになっている。これにより、遊技者の期待感を効果的に煽ることができ演出効果が向上する。なお、タイトルの報知態様は、信頼度によってまたは信頼度によらず任意に変更してもよい。また、同じリーチ演出においても、実際の表示結果等に応じて報知態様を異ならせてもよい。また、リーチの種類によってタイトル文字のフォント(ゴシック体、明朝体等)や書体(行書、楷書等)を異ならせてもよい。
リーチのタイトルの報知(タイトル報知)とは、リーチの名称といったタイトルそのものを示すものに限定されず、リーチ演出で登場するキャラクタの名称、リーチ演出の演出内容等を示すものであってもよい。
(特徴部31AKの演出動作例)
続いて、本実施の形態における演出動作例について説明する。以下の演出動作は、主基板9011から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行することで実行される。図45、図46は、本実施の形態におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図45(A)は、画像表示装置905の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていることを示している。その後、例えば、図45(B)に示すように、「左」及び「右」に7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチ態様となる。その後はリーチの種類に応じて演出が分岐する。
(スーパーリーチA)
スーパーリーチAとなる場合には、図45(C)に示すように、画像表示装置905に味方キャラであるキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出ともいう)の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図45(D)に示すように、画像表示装置905の画面全体にスーパーリーチAのタイトル31AK002(ここでは「SPリーチA」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチA」)が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチAのタイトル31AK002が消去され、図45(E)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK003が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK003とが対決するスーパーリーチAのリーチ演出の後続部分が実行される。キャラクタ同士が対決する演出をバトル演出ともいい、バトル演出において味方キャラが勝利すると大当りとなり、味方キャラが敗北するとハズレとなる。
なお、スーパーリーチ演出中に画像表示装置905にセリフを表示するときに、スピーカ908からセリフに対応する音声が出力されるようにしてもよい。また、セリフは図45(E)に示すように吹き出しに表示することに限定されず、画像表示装置905の下部等に字幕で表示するようにしてもよい。
(スーパーリーチB)
スーパーリーチBとなる場合には、図45(C)に示すように、画像表示装置905にキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチ演出の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図45(F)に示すように、画像表示装置905の画面全体にスーパーリーチBのタイトル31AK005(ここでは「SPリーチB」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチB」)が出力されることで、スーパーリーチBのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチBのタイトル31AK005が消去され、図45(G)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK006が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK006とが対決するスーパーリーチBのリーチ演出の後続部分が実行される。
このように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過したときにリーチのタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、スーパーリーチ演出の導入部分等を遊技者に見せた後にタイトルを報知できるので、タイトル報知の演出効果を高めることができる。
また、スーパーリーチA(図45(C)→(D)→(E)・・・)とスーパーリーチB(図45(C)→(F)→(G)・・・)とでは、タイトルが報知されるまでの導入部分においては、共通の演出態様でスーパーリーチ演出が実行されるようになっている(図45(C))。このようにすることで、スーパーリーチ演出が開始されてからいずれのスーパーリーチとなるか、いずれのタイトルが報知されるかに遊技者を注目させることができる。スーパーリーチAとスーパーリーチBとにおいて、タイトルが報知されるまでの演出態様を完全に共通にすることに限定されず、演出を注視すればいずれのスーパーリーチとなるかを判別できる等、少なくとも一部を共通の演出態様にするようにしてもよい。例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトルに関連する態様でスーパーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆するような演出)を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果が向上し、遊技者が演出に注目するようになる。このように、いずれのスーパーリーチとなるかを特定可能にしてからタイトル報知を実行するようにしてもよい。
(スーパーリーチD)
スーパーリーチDとなる場合には、図45(H)に示すように、画像表示装置905の中央の一部にスーパーリーチDのタイトル31AK007(ここでは「SPリーチD」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「敵を倒せ」)が出力されることで、スーパーリーチDのタイトルが報知される。このように、スーパーリーチDでは、スーパーリーチ演出の開始時にタイトルが報知されるようになっている。また、タイトル31AK007の下には、当該リーチの期待度を示唆する期待度示唆表示31AK008が表示される。期待度は、図45(H)に示すように、黒い星の数で表される。ここで、期待度とは大当りとなる期待度であるが、リーチの大当り信頼度と完全に一致していなくてもよい。
なお、スーパーリーチDの音声による報知は、タイトル名をそのまま報知するのではなく、リーチの内容を報知するようになっている。このように、この実施の形態では、リーチの種類によって音声によるタイトル報知の報知態様を異ならせている。これにより、タイトル報知の報知態様が多彩になり、興趣が向上する。
スーパーリーチDにおいてタイトルが報知された後には、図45(I)に示すように、画像表示装置905にキャラクタ31AK001が表示される。このとき、タイトル31AK007及び期待度示唆表示31AK008は、画像表示装置905の右上部分等に縮小して表示され続ける。このようにすることで、リーチ演出中にも遊技者がリーチの期待度を把握することができる。なお、図45(I)では、図45(C)(スーパーリーチA、スーパーリーチB)と共通の演出内容が示されているが、スーパーリーチD専用のスーパーリーチ演出が実行されてもよい。
その後、図45(J)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK009が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK009とが対決するスーパーリーチDのリーチ演出が実行される。
(スーパーリーチE)
スーパーリーチEとなる場合には、図46(A)に示すように、画像表示装置905の左上の一部にスーパーリーチEのタイトル31AK010(ここでは「SPリーチE」の文字)が表示されることで、スーパーリーチEのタイトルが報知される。なお、スーパーリーチEでは、音声によるタイトルの報知が行われない。また、タイトル31AK010の表示と合わせて、キャラクタ31AK001と敵キャラであるキャラクタ31AK011とが表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK011とが対決するスーパーリーチEのリーチ演出が実行される。このように、スーパーリーチEでは、リーチ演出の進行と合わせてタイトルが報知されるようになっている。スーパーリーチEでは、リーチ演出中にタイトル31AK010が表示され続ける。
大当り信頼度の低いスーパーリーチEのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うことで、遊技者に過度な期待感を与えることを防止できる。これに対して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようになっている(図45(D)、(F)、(H))。このようにすることで、スーパーリーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDといったスーパーリーチ演出においてもリーチの進行を停止せずにタイトル報知を行うようにしてもよい。また、この実施の形態とは逆に、大当り信頼度の高いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うようにしてもよい。大当り信頼度の低いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようにしてもよい。
(タイトルの報知タイミング)
以上のように、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、大当り信頼度の低いスーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっていたが、大当り信頼度の高いリーチの場合にスーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され、大当り信頼度の低いリーチの場合にスーパーリーチ演出後所定期間経過してからタイトルが報知されるようにしてもよい。
(タイトルの表示領域)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、画像表示装置905の画面全体(第1領域)においてタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、画像表示装置905の画面の一部(第2領域)においてタイトルが報知される。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。特に、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも広い表示領域でタイトル報知が実行されるので効果的なタイトル報知が可能になる。なお、画像表示装置905の画面全体におけるタイトル報知とは、画面いっぱいに収まるサイズでタイトルが表示されるものであってもよいし、背景全体をタイトル報知用の背景としてそこにタイトルが表示されるもの(画面全体を使用したタイトル報知)等であってもよい。また、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよいし、スーパーリーチDとスーパーリーチEとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよい。
リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる方法は、この実施の形態の例に限定されず、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を任意に異ならせてもよい。例えば、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも狭い表示領域でタイトル報知が実行されてもよい。また、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる場合において、この実施の形態のように表示面積を異ならせてもよいし、表示させる場所を異ならせてもよい。
(期待度示唆表示)
この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されることで遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。
なお期待度示唆表示は、図45(H)等に示すように、黒い星の数によって示すものに限定されず、メーターやゲージにより期待度を示唆するようにしてもよいし、期待度に対応した数値を表示するようにしてもよい。また、図45(H)等に示すように、黒い星の数によって示す場合において、半個相当(半分)の黒い星を表示可能ようにして、期待度の段階数を増やしてもよい。
(タイトルの表示終了タイミング)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、タイトルが表示された後、タイトルが消去されてスーパーリーチ演出が実行される。これにより、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、リーチ演出に注目させることができる。また、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、タイトルが表示された後、後述の決め演出が実行されるまでタイトルが表示され続ける。これにより、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出中もリーチの種類を把握することができる。また、以上のようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、タイトルの表示終了タイミングは、いずれであっても演出効果の向上を図れるため、任意に変更してもよい。
なお、ここではスーパーリーチCのリーチ演出の演出動作については省略するが、例えば大当り信頼度に応じたタイトル報知や期待度示唆表示が実行されればよい。
(決め演出)
各リーチ演出が実行されてから、表示結果を導出するタイミング(可変表示の終盤)になると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行される。決め演出には、表示結果が「大当り」となることを示す決め演出と、表示結果が「ハズレ」となることを示す決め演出と、が含まれる。この実施の形態では、図46(B)に示すように、画像表示装置905に画像31AK012が表示される決め演出が実行される。その後、表示結果が「大当り」であれば、図46(C)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK013が表示され、図46(D)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、表示結果が「ハズレ」であれば、味方キャラが敗北したことを示す画像が表示され、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出される。
この実施の形態では、リーチ演出中も継続してタイトルを報知する場合でも、決め演出が実行される前にタイトルの報知を終了するようになっている。これにより、決め演出に注目させることができ、また、メリハリのあるタイトル報知を実行できる。
図45、図46に示した演出動作例では、スーパーリーチのリーチ演出中は画像表示装置905の右下部分で飾り図柄を縮小して可変表示を実行するようになっていたが、リーチ演出中の飾り図柄の表示のさせ方は任意でよい。例えば、リーチ演出中は飾り図柄が表示されなくてもよいし、リーチ演出の種類によって表示態様(大きさ、位置、濃淡、数等)を異ならせてもよい。
なお、画像表示装置905に保留表示、アクティブ表示、可変表示中に常駐表示されるキャラクタ、携帯連動関連の表示を表示する場合、スーパーリーチのリーチ演出中はリーチ演出に注目させるために適宜非表示としてもよい。その際に、スーパーリーチEといった低信頼度のリーチ演出中には、これらの表示を表示したままにするようにしてもよい。このようにすることで、低信頼度のリーチ演出により遊技者を過度に期待させてしまうことを防止できるとともに、高信頼度のリーチ演出ではリーチ演出に注目させることができる。
(発展演出)
続いて、発展演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図47(A)に示すように、スーパーリーチDのリーチ演出が実行されている(スーパーリーチDのタイトル報知が実行されている)ときに発展演出が実行される場合、図47(B)に示すように、リーチ演出が中断して画面が裂けるような演出が実行される。その後、スーパーリーチAに発展する場合には、図47(C)に示すように、スーパーリーチAのタイトルが報知され、スーパーリーチAのリーチ演出が実行される。スーパーリーチBに発展する場合には、図47(D)に示すように、スーパーリーチBのタイトルが報知され、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。図47に示すように、発展先のリーチが表示及び音声によりタイトル報知を行うリーチである場合には、表示及び音声によるタイトル報知が改めて実行される。
なお、発展演出は図47(B)に示すような例に限定されず、画面に徐々にヒビが入って割れるような演出であってもよいし、砂嵐(故障したような表示)を表示するようにしてもよい。このような演出とすることで、意外性のある演出を実行できる。なお、画面に徐々にヒビが入るがリーチが発展しない演出といった、ガセの発展演出があってもよい。
(期待度示唆演出)
図45(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図48(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図48(B)に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表示され、図48(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示31AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ908から期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図48(D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。このときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ908から出力される音声(音量、音階、音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図48(F)に示すように、その黒い星が光るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したことがわかりやすくなる。
図48(A)〜(F)に示す例では、黒い星が1つずつ表示されて期待度示唆表示により示される期待度が1段階ずつ上がるようになっていたが、黒い星が2つ以上表示されて期待度が2段階以上上がるようにしてもよい。また、半分の黒い星が表示されて期待度が半段階上がるようにしてもよい。この場合において、表示される星の数(上昇する期待度の段階数)に応じて、異なる音声を出力するようにしてもよいし、同じ音声を出力するようにしてもよい。例えば、半分の黒い星が表示されるときと1つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。2つ半の黒い星が表示されるときと3つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。また、音声を出力しない場合があってもよい。このようにすることで、期待度示唆演出が多彩になり、演出効果が向上する。なお、一度に増加する期待度の段階数によらず、同じ黒い星の画像が表示されて、期待度示唆表示の白い星に収まって、増加する期待度の段階数に応じた黒い星が増加するような演出を実行するようにしてもよい。
(演出モード)
画像表示装置905、スピーカ908、遊技効果ランプ909といった演出装置における演出モードが複数あってもよい。異なる演出モードでは、主基板9011から同じコマンド(例えば変動パターンを指定するコマンド)が送信された場合でも、当該コマンドに基づく演出が異なる演出態様で実行される。各演出モードでは、画像表示装置905に表示される背景、キャラクタ、モチーフ、スピーカ908から出力される音声等が異なっていればよい。演出モードは、可変表示の回数や遊技状態に応じて自動的に変更されるようにしてもよいし、遊技者の操作により変更可能にしてもよい。
図48(G)〜(L)は、演出モードとして通常モード及び特別モードが設けられる場合において、特別モードとなっている場合のタイトル報知及び期待度示唆演出の演出動作例である。通常モードでは、図48(A)〜(F)に示すようタイトル報知及び期待度示唆演出が実行される。特別モードでは、スーパーリーチDの変動パターンに基づくリーチ演出は、スーパーリーチDのリーチ演出とは演出態様の異なるスーパーリーチD2のリーチ演出となる。従って、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合、図48(G)に示すように、スーパーリーチD2のタイトル31AK023が表示される。このとき、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されるが、通常モードとは異なる音声(例えば声色が異なる音声)が出力される。また、スーパーリーチD2における期待度示唆表示31AK024は、星型ではなく菱形となっている。
その後、図48(H)に示すように、期待度示唆表示31AK024の星より大きな黒い菱形31AK025が表示され、図48(I)に示すように、黒い菱形31AK025が移動して期待度示唆表示31AK024の白い菱形の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ908から期待度を示す黒い菱形が増加したことを示す「ポン」という音声が出力される。図48(J)、(K)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。期待度示唆表示31AK024に期待度に対応した数の黒菱形が収まった段階で、図48(L)に示すように、その黒い菱形が光るといったように強調表示される。このように、遊技者の選択や遊技状態等に応じて決定される演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、タイトルの報知態様を異ならせることで演出が多彩になり演出効果が向上する。
図48では、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合の演出動作例を示したが、演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって他のリーチ演出(タイトル報知、期待度示唆演出を含む)の演出態様を異ならせるようにしてもよい。演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、リーチのタイトルを報知するか否かやタイトル報知の実行割合を異ならせてもよい。例えば、所定の演出モードが選択された場合には、リーチのタイトルが報知されないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の好みに応じた演出を実行でき演出効果が向上する。
なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するようにしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。
(発展演出の他の例)
期待度示唆表示の期待度を示す表示を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行する場合において、期待度を示す表示を増加させた後に発展演出を実行するようにしてもよい。この場合において、発展演出後に期待度を示す表示を増加させる場合、増加させる表示については段階的ではなく一度に表示するようにしてもよい。例えば図49(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルが報知され、黒い星を段階的に増加させる演出が完了した後に、図49(B)に示すように、画像表示装置905にボタン画像31AK031が表示される発展演出が実行される。ここで、プッシュボタン9031Bへの操作が検出されると、図49(C)に示すように、スーパーリーチCのタイトル31AK032(ここでは「SPリーチC」の文字)が表示されることで、スーパーリーチCのタイトルが報知される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。また、タイトル31AK032の下には、黒い星の数が3個である期待度示唆表示31AK033が強調表示される。なお、黒い星の数が2個以上増加する場合でも一度に表示される。なお、可動体9032が動作した後に、タイトルや期待度示唆表示が変化する発展演出を実行するようにしてもよい。
(予告演出)
この実施の形態では、予告演出として、タイトルの報知態様(例えばタイトルの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するタイトル予告を実行するようになっている。例えば図50(A)に示すように、スーパーリーチAのタイトル31AK036が黒色で表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知された後、図50(B)に示すようにタイトル31AK036の表示色が赤色に変化するタイトル予告を実行するようになっている。このように、タイトル予告が実行されない場合はタイトルが黒色で表示され、タイトル予告が実行される場合はタイトルが黒色以外の色で表示される。図50に示すタイトル予告では、音声によりリーチのタイトルが報知された後に、タイトルの表示態様(表示色)が変化する場合がある。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。なお、タイトルが黒色以外で表示されるタイミングはこれに限定されず、タイトルの表示開始時から黒色以外で表示されるようにしてもよい。
また、タイトルの表示態様(表示色)が変化するタイトル予告が実行された場合には、タイトルの表示態様が変化した後に、変化後の表示態様に応じた音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。また、音声によるタイトル報知は、タイトルの表示態様(表示色)が変化した後に実行されるようにしてもよい。この場合、変化後のタイトルの表示態様(表示色)に応じた音声が出力するようにしてもよい。
(タイトル報知の実行タイミング)
リーチ中のタイトルの報知は、予告演出や発展演出といった、大当り有利状態に制御される期待度が向上する演出(特定演出)の実行タイミング以外で実行することが好ましい。このようにすることで、一旦タイトルが報知された場合、期待度が向上する演出が実行され得るので、遊技者の期待感を維持することができる。
図51は、予告演出の実行の有無や演出態様を決定するための予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。予告演出決定処理は、演出制御用CPU90120が図43のステップS90171の可変表示開始設定処理内で実行する。予告演出決定処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、主基板9011から送信されるコマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップ31AKS001)。
スーパーリーチの変動パターンである場合には(ステップ31AKS001;Yes)、スーパーリーチのタイトルの表示色(タイトル予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS002)。
ステップ31AKS002では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図52(A)に示す決定割合で、スーパーリーチのタイトルの表示色を決定する。スーパーリーチのタイトルの表示色は、図52(A)に示すように、「黒」、「赤」、「黒」から「赤」に変化するもの、「黒」から「フルーツ柄」に変化するもの、「赤」から「フルーツ柄」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、タイトルの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がタイトルの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。
なお、「フルーツ柄」は、タイトルの文字が太字で表示され文字そのものが「フルーツ柄」であってもよいし、タイトルの表示領域の背景部分が「フルーツ柄」となるものであってもよい。最初から「フルーツ柄」で表示されるパターンがあってもよい。表示色が変化するものについては、図50に示したように、タイトル報知が実行された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。また、スーパーリーチの種類によって、タイトルの表示期間が異なるため、スーパーリーチの種類によって表示色が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。タイトルの表示期間が長いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチE)の場合には、変化するタイミングを複数設けて、変化タイミングをいずれかに決定するようにしてもよい。そして、タイトルの表示期間が短いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチB)の場合には、変化するタイミングの数を1つ又はタイトルの表示期間が長いスーパーリーチよりも少数にしてもよい。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、通常モードでは図52(A)に示す決定割合でタイトルの表示色を決定し、特別モードでは図52(B)に示すような通常モードと異なる割合でタイトルの表示色を決定する。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。このように、演出モードによってタイトル予告の実行態様(表示色や表示色の変化タイミング)を異ならせることで、演出が多彩になり演出効果が向上する。
この実施の形態では、予告演出として、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示態様(例えばセリフの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するセリフ予告を実行するようになっている。
スーパーリーチのタイトルの表示色を決定した後には、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示色(セリフ予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS003)。
ステップ31AKS003では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図52(C)に示す決定割合で、リーチ演出におけるセリフの表示色を決定する。リーチ演出におけるセリフの表示色は、図52(C)に示すように、「白」、「赤」、「白」から「赤」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、セリフの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がセリフの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。なお、表示色が変化するものについては、セリフが表示された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、タイトル予告とセリフ予告とで同じ演出態様(表示色)が含まれる場合、同じ演出態様となった場合には大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の変化タイミングの組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、変化タイミングが同じ場合に変化タイミングが異なる場合より大当り信頼度が高くなるようにしたり、いずれの変化が先かで大当り信頼度を異ならせてもよい。このようにすることで、タイトル予告とセリフ予告とのそれぞれの変化タイミングに注目させることができる。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、特別モードでは通常モードと異なる割合でセリフの表示色を決定するようにしてもよい。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。
なお、セリフ予告に代えてリーチ演出の演出態様の変化によって大当り信頼度を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、その予告演出において、演出態様の変化タイミングを複数設けて、変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なるようにすればよい。
リーチ演出におけるセリフの表示色を決定した後や、スーパーリーチの変動パターンでないと判定された場合(ステップAK31S001;No)、その他の予告演出に実行有無や演出態様を決定する(ステップAK31S004)。その後、31AKS002〜31AKS004における決定結果をRAM90122の所定領域に保存し(ステップAK31S005)、予告演出決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチである場合に、タイトル予告及びセリフ予告を実行可能となっているが、特定のスーパーリーチ(例えば信頼度の低いスーパーリーチ以外)である場合に、タイトル予告及びセリフ予告のうち少なくとも一方を実行可能にしてもよい。また、タイトル予告及びセリフ予告については、図52に示す決定割合で決定されるものとして説明したが、決定割合は任意であり、例えばスーパーリーチの種類に応じて決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで、リーチの種類に応じた予告演出を実行でき、演出効果が向上する。
この実施の形態では、タイトル予告とセリフ予告とでは、実行可能な演出態様の数(表示可能な表示色の数)が異なっている。このようにすることで、演出が多彩になり演出効果が高まる。タイトル予告とセリフ予告とにおいて、実行可能な演出態様の数は任意に変更してもよく、実行可能な演出態様の数や種類が同じであってもよい。このようにすることで、統一感ある予告演出が実行でき、遊技者は大当り信頼度を把握しやすくなる。
(作用演出)
このタイトル予告とセリフ予告との演出態様が変化するときに、演出態様が変化することを示す演出を実行するようにしてもよい。例えば、画像表示装置905に作用演出画像を表示し、その画像がタイトル及びセリフのうち少なくとも1つに作用する作用演出を実行するようにしてもよい。そして、作用演出が実行された後に、タイトルやセリフの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。作用演出の演出態様(作用演出画像等)はタイトル及びセリフにいずれに作用する場合でも共通としてもよい。なお、作用演出が実行されたにも関わらず、タイトルやセリフの演出態様が変化しない場合があってもよい。作用演出を実行する場合には、タイトル予告とセリフ予告に係る決定結果に基づいて、作用演出の実行の有無や実行タイミング、演出態様を決定するようにすればよい。そのような決定はステップAK31S004の処理で実行されればよい。例えば、作用演出の演出態様に応じて、タイトル予告とセリフ予告との少なくとも一方の演出態様が変化する割合(作用演出により演出態様が変化する割合)が異なるようにしてもよいし、タイトル予告とセリフ予告といずれの演出態様が変化するかの割合(いずれに作用するかの割合)が異なるようにしてもよいし、何色に(何段階)変化するかの割合が異なるようにしてもよい。このような作用演出を実行することで、遊技者はいずれ作用演出画像が表示されたときに、タイトルとセリフのいずれに作用するかに注目するようになり演出効果が向上する。なお、複数の演出モードがある場合、演出モードに応じて異なる割合で作用演出の実行有無や演出態様を決定するようにしてもよい。このようにすることで、演出モードに応じた作用演出を実行でき、演出効果が向上する。
このような作用演出の他の例として、リーチ演出の演出内容(例えばキャラクタの動作やバトル演出における演出内容等)に応じて、タイトル及びセリフのいずれかのうち少なくとも1つの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者はリーチ演出の演出内容に注目するようになる。
この発明は、上記特徴部31AKで説明したパチンコ遊技機901に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態で説明した特徴部分は、全てが必須構成ではなく、適宜省略可能である。
(サブ液晶)
画像表示装置905とは異なるサブ表示装置として、遊技盤902または遊技機用枠903にサブ液晶が設けられていてもよい。ここではサブ液晶と表現するが、サブ表示装置は、有機ELやドットマトリクスのLEDにより構成されてもよい。サブ液晶装置は、例えば画像表示装置905の近傍等に固定されるものであってもよいし、可動式または収納式であってもよい。サブ液晶においては、予告演出や保留表示の表示といった各種演出を実行する。例えば、サブ液晶においてタイトル報知を実行するようにしてもよい。上記実施の形態のスーパーリーチD及びスーパーリーチEのように、タイトル報知後にも継続してタイトルを表示する場合に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。この場合、画像表示装置905においてタイトルを報知した後に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。このようにすることで、画像表示装置905におけるスーパーリーチ演出を阻害することなくタイトルや期待度示唆表示を表示することができる、タイトルや期待度示唆表示もわかりやすくなる。
上記実施の形態では、示唆演出としてのリーチ演出のタイトルの報知について、本発明を適用した例を説明したが、他の演出に関するタイトル報知(主に文字を表示する報知)に本発明を適用してもよい。例えば、予告演出(例えば先読み予告演出)として、画像表示装置905における背景画像や演出態様がそれぞれ異なる複数のゾーン(ステージ、演出モード等)に移行させる先読みゾーン演出を実行する場合において、移行したゾーンのタイトル報知に本発明を適用してもよい。ミッション(「7でリーチをかけろ」、「スティックコントローラを使って敵を全滅させろ」等)を提示し、当該ミッションを達成したときに遊技者に有利な状態となるミッション演出を実行する場合に、ミッションのタイトル報知に本発明を適用してもよい。
(特徴部31AKの変形例1)
上記実施の形態では、表示結果を導出するタイミングになると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行され、その後、表示結果が示されるようになっていた(図46(B)〜(D))。このような決め演出に代えて、表示結果を導出する前の所定タイミングになると、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作を促す操作演出が実行され、操作有効期間に所定の操作が検出されるとバトル演出の勝敗が表示されたり、表示結果が仮停止される等により、表示結果が示されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の操作に応じて表示結果が示されるため、遊技者の遊技参加意欲を高めることができ、興趣が向上する。
図53、図54は、操作演出が実行され、その操作に応じて表示結果が示される変形例におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図53(A)に示すように、画像表示装置905においてリーチ態様となった後、例えば図53(B)に示すように、味方キャラであるのキャラクタ31AK041と敵キャラであるキャラクタ31AK042とが表示され、図53(C)〜(F)、図54(G)〜(I)に示すように、キャラクタ31AK041とキャラクタ31AK042とが対決するリーチ演出が実行される。
リーチ演出に伴い、図53(C)に示すように、画像表示装置905の右下に小ボタン画像31AK043と小ボタン画像31AK043に重畳する規制線31AK044とが表示される。これにより、プッシュボタン9031Bを使用する操作演出が実行されるが、現状は操作の受付が規制されていることが示唆される。
この変形例では、操作演出が実行されることを示す操作演出画像が複数種類用意されている。そして、いずれの操作演出画像が表示されて操作演出が実行されるかによって大当り信頼度が異なるようになっている。また、リーチ演出中に操作演出が実行されることを示す画像がより信頼度の高い態様に変化する場合があるようになっている。
例えば、図53(D)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が表示され、図53(E)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が喜ぶキャラクタ31AK046に変化するとともに、小ボタン画像31AK043が大ボタン画像31AK047に変化する。
その後、図54(H)に示すように、大砲31AK048が表示され、図54(I)に示すように、大砲31AK048から弾が発射されるエフェクト31AK049が表示され、大ボタン画像31AK047に弾が命中するエフェクト31AK050が表示される。そして、大ボタン画像31AK047がスティック画像31AK051に変化する。
このように、この変形例では、操作演出画像が変化する場合には操作演出画像が変化することを示す作用演出が実行される。なお、作用演出を伴わずに操作演出画像が変化する場合があってもよい。また、作用演出が実行されたにも関わらず操作演出画像が変化しない場合があってもよい。作用演出の種類によって、操作演出画像が変化する割合が異なっていてもよい。
その後、表示結果が導出される所定時間前に、図54(J)に示すように、規制線31AK044が消去され、図54(K)に示すように、スティック画像31AK051が中央部に拡大表示され、スティックコントローラ9031Aを引く操作を促す表示がされる。また、このときスティックコントローラ9031Aへの操作が有効な操作有効期間となる。
ここで、スティックコントローラ9031Aを引く操作が検出されると、図54(L)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK052が表示される。その後、変動時間の終了するタイミングで、図54(M)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、予め定められた操作有効期間内に操作が検出されなかった場合には、自動的に図54(L)に示す画像が表示される。
この変形例では、操作演出画像として、小ボタン画像、大ボタン画像、スティック画像とがあり、小ボタン画像<大ボタン画像<スティック画像の順でこれらの画像を用いた操作演出が実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。信頼度の低い操作演出画像が表示された場合であっても、リーチ演出中に信頼度の高い操作演出画像に変化する場合があるので、演出効果が向上し、また、遊技者の期待感を維持することができる。
なお、図53、図54に示した演出動作例では、リーチのタイトル報知や、期待度示唆表示は省略しているが、図53、図54に示したリーチ演出や操作演出と並行して適宜実行されるようにしてもよい。操作演出や操作演出画像に係る決定(操作演出の有無、表示する操作演出画像、作用演出の有無等)は、図51のステップ31AKS004にて実行されればよい。
(特徴部31AKの変形例2)
大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なうようにしてもよい。例えば、第1示唆表示を行うシャッター演出と、第2示唆表示を行うリーチタイトル演出と、実行するようにしてもよい。シャッター演出では、可変表示開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、リーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。リーチタイトル演出は、上記実施の形態のタイトル予告と同じであってもよいし、別の処理で決定される別の演出であってもよい。
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り信頼度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像、要素E2のメロン画像、要素E3のリンゴ画像、要素E4のスイカ画像、要素E5のイチゴ画像が含まれる。これら要素E1〜E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1〜E5の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E1〜E5の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E1〜E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
可変表示開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示されないときよりも大当り信頼度が高い。また、リーチ演出実行中に、リーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り信頼度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E1〜E5を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り信頼度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り信頼度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、可変表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに遊技効果ランプ909の発光による報知を行なう。共通音および遊技効果ランプ909の発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図55は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図55(a)に示すように、シャッター演出が実行される場合、画像表示装置905において可変表示の開始時にシャッター画像31AK061が表示される。シャッター画像31AK061には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ909の発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図55(b)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。下向きの矢印が左、中、右図柄の可変表示を示している。左図柄および右図柄の可変表示が仮停止すると、図55(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図55(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。可変表示は例えば画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像31AK062が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像31AK062には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像31AK062には、バトル演出を伴うリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ909の発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り信頼度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図55(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による可変表示画面に戻る。図55(f)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図55(a)、(d)に示すように、シャッター画像31AK061およびリーチタイトル画像31AK062のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像31AK061とリーチタイトル画像31AK062とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り信頼度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図55(a)に示すシャッター画像31AK061の表示サイズは、図55(d)に示すリーチタイトル画像31AK062の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像31AK061の表示サイズとリーチタイトル画像31AK062の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図55(a)に示すシャッター画像31AK061と図55(d)に示すリーチタイトル画像31AK062とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
シャッター演出に係る決定(シャッター演出の有無や演出態様)は、図51のステップ31AKS004にて実行されればよい。その際には、図51のステップ31AKS002におけるタイトルの表示色の決定結果に基づいてシャッター演出に係る決定を行うようにしてもよい。例えば、タイトルの表示色がフルーツ柄になるものが決定されている場合は、フルーツ柄のシャッター演出が実行されやすくしてもよい。また、リーチタイトル演出の係る決定もシャッター演出に係る決定と合わせて図51のステップ31AKS004にて実行されるようにしてもよい。
(特徴部121IWに関する説明)
次に、特徴部121IWについて説明する。先ず、図56−1及び図56−2に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠121IW001aと、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902(図37参照)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)121IW003とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠121IW003には、ガラス窓を有するガラス扉枠121IW003aが左側辺を中心として遊技機用枠121IW003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠121IW003aにより遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠121IW003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
また、遊技機用枠121IW003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠121IW003及びガラス扉枠121IW003aを開放することはできないようになっている。
主基板9011は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース121IW201に収納された状態でパチンコ遊技機901の背面に搭載されている。また、主基板9011には、後述する設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キー121IW051と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ121IW052が設けられている。
これら設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板9011とともに基板ケース121IW201内に収容されており、設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052は、基板ケース121IW201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース121IW201の背面右部に形成された開口を介して背面側に露出している。
設定キー121IW051及び設定切替スイッチ52を有する基板ケース121IW201は、パチンコ遊技機901の背面に設けられているため、遊技機用枠903を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機901の正面側からの操作が不可能であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠903を開放することで操作が可能となる。また、設定キー121IW051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、設定キー121IW051は、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、この特徴部121IWでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示したが、一のキーにて兼用されていてもよい。
また、基板ケース121IW201には、表示モニタ121IW029と、該表示モニタ121IW029の表示を切り替えるための表示切替スイッチ121IW030が配置されている。これら表示モニタ121IW029及び表示切替スイッチ121IW030は、主基板9011に接続されているとともに、基板ケース121IW201の左上部に配置されている。つまり、表示モニタ121IW029及び表示切替スイッチ121IW030は、基板ケース121IW201における主基板9011を視認する際の正面に配置されている。主基板9011は、遊技機用枠121IW003を開放していない状態では視認できないので、主基板9011を視認する際の正面とは、遊技機用枠121IW003を開放した状態における遊技盤902の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機901の正面とは異なる。ただし、主基板9011を視認する際の正面とパチンコ遊技機901の正面とが共通するようにしてもよい。
前述したように、本特徴部121IWにおける設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052は、遊技機用枠903を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機901の正面側からは操作が不可能となっているが、該パチンコ遊技機901が設置される遊技島の内側等から設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052が操作される虞がある。そこで本特徴部121IWでは、図56−2及び図56−3に示すように、外枠121IW001aの右端部には、遊技機用枠121IW003の閉鎖時に、設定キー121IW051と設定切替スイッチ52とを含む基板ケース121IW201の右側部を背面側から被覆するセキュリティカバー121IW500Aが取り付けられている。このキュリティーカバー121IW500Aは、前後方向を向く短片121IW500Aaと、該短片121IW500Aaの後端部からパチンコ遊技機901の左側方に向けて伸びる長片121IW500Abと、を備える略L字状の部材であって、透過性を有する板状の合成樹脂材によって構成されている。短片121IW500Aaの上下寸法は、基板ケース121IW201の背板の上下寸法とほぼ同寸とされている。また、セキュリティカバー121IW500Aは、短片121IW500Aaの前端部を介して外枠121IW001aの右端部に固定されている。
尚、図56−2に示すように、長片121IW500Abは、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態において、基板ケース121IW201の右部にパチンコ遊技機901の後方から当接(または近接)することによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052とを含む基板ケース121IW201の右側部をパチンコ遊技機901の背面側から被覆する。このため、設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052は、長片121IW500Abによって操作不能な状態となる。一方で、図56−3に示すように、遊技機用枠121IW003が開放されている状態においては、設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052とは、遊技機用枠121IW003とともに移動して長片121IW500Abから離間することによって長片121IW500Abによる被覆状態が解除されることで操作可能な状態となる。
つまり、本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901は、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態においては、セキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持される一方で、遊技機用枠121IW003が開放されている状態においては、前述したセキュリティカバー121IW500Aによる規制状態が解除され、設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052との操作が許容される許容状態となる。
基板ケース121IW201は、パチンコ遊技機901の背面側に設けられているため、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態において、設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052にアクセスすることは極めて困難であるため、遊技場の店員等が扉キーにより遊技機用枠121IW003を開放しない限り設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052を操作して設定値を変更することはできない。
しかし、パチンコ遊技機901が遊技場の遊技島(図示略)に設置された状態において、遊技機用枠121IW003が閉鎖されていても、例えば、パチンコ遊技機901に隣接する他のパチンコ遊技機との間に設置されるカードユニット等の遊技用装置やスペーサ部材とパチンコ遊技機901との間から針金やセル板等の不正部材を進入させて、パチンコ遊技機901の背面側にある設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052を操作することで設定値が変更されるといった不正行為が行われる可能性があるため、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態においてセキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持されることで、上記不正行為を好適に抑制することができる。
また、遊技機用枠121IW003が閉鎖され、セキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む基板ケース121IW201の背面右側が被覆されている規制状態でも、透過性を有するセキュリティカバー121IW500Aを通して、基板ケース121IW201に収容されている主基板9011等を透視することができるため、主基板9011におけるCPU90103などの電子部品が実装される実装面や封印シール等の状況を容易に確認することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
本特徴部121IWでは、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1’の他、大当り種別判定用の乱数値MR2’、変動パターン判定用の乱数値MR3’、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1’〜MR5は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、図56−4及び図56−5などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば図56−4(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図56−4(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図56−4(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図56−5(A)に示す大当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、図56−6に示すハズレ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン判定テーブル(図示略)などが含まれている。
本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。具体的には、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなる。なお、本特徴部121IWでは、小当りの当選確率については、設定値に関係なく同じである。
(表示結果判定テーブル)
図56−4(A)〜(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR1’と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図56−4(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「2」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図56−4(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図56−4(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU90103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1’の値が図56−4(A)〜(C)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当り種別A〜大当り種別C)とすることを決定する。また、MR1’が図56−4(A)〜(C)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、図56−4(A)〜(C)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本例では、図56−4に示すように、設定値に関係なく、小当りの当選確率が同じである場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当りの当選確率と同様に、1、2、3の順に設定値の値が大きくなるほど小当りの当選確率が高くなるように構成してもよい。また、この場合、小当りの当選確率の設定差が大当りの当選確率の設定差と同じ比率となるようにしてもよい。具体的には、設定値「1」における小当りの当選確率を1/100とするのであれば、設定値「2」における小当りの当選確率が1/93.75となるように設計し、設定値「3」における小当りの当選確率が1/87.5となるように設定してもよい。
また、小当りを設けない遊技機において、本特徴部121IWで示した構成を適用するように構成してもよい。
また、本特徴部121IWでは、CPU90103は、図56−4(A)〜(C)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に有利度が高くなる場合を示しているが、例えば、遊技状態に応じて有利度の順位が変化するように構成してもよい。例えば、高確率/高ベース状態に制御され、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持され、且つ小当り遊技である程度の賞球が得られるように構成された遊技機に適用した場合に、本例では、図56−4に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には1/2の高い確率で小当りが発生し賞球が得られやすい期間となりうるので、特定の遊技状態(この例では、高確率/高ベース状態)では、他の遊技状態とは異なり、逆に大当りが発生しにくい(高確率/高ベース状態が継続しやすい)設定値「1」が最も有利度が高い設定となるようにしてもよい。
また、例えば、確変状態(高確率状態)に制御された後、所定回数(確変終了回数)の変動表示が実行されたことにもとづいて確変状態が終了する遊技機に適用した場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に確変継続率(連荘率)が高くなるように構成してもよい。
尚、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定可能な設定値として1〜3の計3個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
(大当り種別判定テーブル)
図56−5(A)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。なお、本特徴部121IWでは、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合と、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合とで、共通の大当り種別判定テーブルを用いるように構成されているが、異なるテーブルを設けて、いずれの大当り種別に決定されるかの割合が異なるようにしてもよい。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(MR2’)に基づいて、大当りの種別を大当り種別A〜大当り種別Cのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図56−5(A)に示す大当り種別判定テーブルにおいては、設定値ごとに大当り種別判定用の乱数(MR2’)に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。つまり、設定値ごとに大当り種別A〜大当り種別Cのいずれに判定されるかの割合が示されている。なお、後述する図56−6に示すハズレ変動パターン判定テーブルや、図56−7に示す非リーチハズレ変動パターン判定テーブル等についても、実際には乱数に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。
図56−5(A)に示すように、大当り種別判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、大当り種別Cに決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、大当り種別Bに決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、大当り種別Aに決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
ここで、本特徴部121IWにおける大当り種別について、図56−5(B)を用いて説明すると、本特徴部121IWでは、大当り種別毎に、大当り遊技におけるファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間がそれぞれ定められている。
ファンファーレ期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90114の大当り開放前処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大当り図柄が停止表示された後に、大当り遊技状態の開始を報知する演出動作としてのファンファーレ演出が実行される期間である。
インターバル期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90116の大当り開放後処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大入賞口を開放状態とするラウンドが終了した後に、次のラウンドの開始を報知する演出動作としてのインターバル演出が実行される期間である。
エンディング期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90117の大当り終了処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間である。
図56−5(B)に示すように、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間は、大当り種別Aの場合に最も長くなり、次に大当り種別Bの場合に長くなり、大当り種別Cの場合に最も短くなるように設定されている。
上述のように、本特徴部121IWでは、設定値が「1」である場合には、大当り種別Cと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、大当り種別Aと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなる。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
本特徴部121IWでは、大当り遊技中に、設定値を示唆する大当り中示唆演出(詳細については後述する)を実行可能に構成されているが、この大当り中示唆演出をファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間において実行可能である。そのような構成により、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の興趣を高めることができる。また、遊技者の関心を大当り中示唆演出に向けることにより、各期間の長短に気付かれにくくすることができる。
なお、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間においては、設定される期間の長さに関わらず、共通の演出を実行するようにしてもよい。この場合には、遊技者が期間の長短に気付きにくい演出(例えば、静止画像の表示等)が共通して実行されることが望ましい。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が設定され、設定値ごとにいずれの大当り種別と判定されるかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が固定的に設定されているようにしてもよい。また、例えば、予め定められた期間が異なる複数種類のファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間からいずれかを抽選によって決定するようにしてもよい。この場合には、大当り種別A<B<Cの順に、比較的長い期間が設定されたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が選択される割合が高くなるように判定値が設定されたテーブルを用いることで、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにすることができる。
本特徴部121IWでは、大当り種別A〜大当り種別Cのいずれの場合にも、大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御および確変制御は、所定回数(本特徴部121IWでは100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了するが、例えば、大当り種別ごとに時短制御および確変制御の回数が異なるようにしてもよいし、特定の大当り種別の場合には、大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御および時短制御が、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行されるようにしてもよい。このような特定の大当り種別となる場合には、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値毎に大当りとなる割合が異なるように構成されているが、このような構成に加えて、または代えて、設定値毎に確変継続率(連荘率)が異なるようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別A〜大当り種別Cに有利度(例えば、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数など)の違いはなく、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が異なるように構成されているが、例えば、大当り種別ごとに、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数を異ならせ、有利度が異なるようにしてもよい。この場合には、ラウンド中の演出は、大当り種別ごとに異なるようにしてもよいし、大当り種別に関わらず同じようにしてもよい。
尚、本特徴部121IWでは、設定されている設定値に応じて、変動表示結果が大当りとなる場合の大当り種別を大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cから異なる割合で決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値によっては、大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cのうち、決定され得ない大当り種別が1つまたは複数あってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当り種別を100%の割合で決定すること含まれている。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別に応じてファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り種別によらずにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を一律に決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じた選択確率による抽選処理を行い、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を決定するように構成してもよい。
このように、本特徴部121IWでは、設定されている設定値に応じて変動表示結果が大当りとなった場合の大当り種別の決定割合が異なっているので、遊技興趣を向上できるようになっている。
尚、本特徴部121IWでは、大当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるMR2’を用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1’を用いて決定してもよい。
また、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率や小当り確率が高まることや、大当り種別としての大当り種別Cが決定されやすくなること等)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
例えば、パチンコ遊技機901に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中の特定のラウンドにおいて遊技球が特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、大当り種別に応じて大当り遊技中に遊技球が該カウントスイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。更に、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が1〜3と遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が4である場合)を設けてもよい。
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、上述の例であれば、設定値が1や4の場合は、特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを演出用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が2や3の場合は、特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを遊技用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
(小当り種別判定テーブル)
図56−5(C)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。図56−5(C)に示すように、本特徴部121IWでは、小当り種別として小当り種別A〜Cが設けられている。図56−5(C)に示すように、本特徴部121IWでは、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに関係なく、小当り種別A〜Cの決定割合は同じである。
また、本特徴部121IWでは、小当り種別A〜Cのいずれであるかに関係なく、小当り遊技中の大入賞口の開放期間や開放回数は同じであり、遊技における有利度合いは同じである。
(変動パターン判定テーブル)
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR3’に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される小当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
(ハズレ変動パターン判定テーブル)
図56−6は、ハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間(以下、特別期間ともいう)と、それ以外の期間(以下、非特別期間ともいう)とで、異なるハズレ変動パターン判定テーブルを用いるように構成されている。
具体的には、特別期間においては、図56−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定し、非特別期間においては、図56−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定する。なお、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電源投入時に設定変更が行われたか否かに関わらず、変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としてもよい。また、リアルタイムクロック等を用いて、所定の時間帯(例えば、午前9時から午前11時まで)であれば特別期間としてもよい。また、初回の大当りが発生するまでの期間を特別期間としてもよい。
図56−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、いずれも設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレとなる割合が高く、非リーチハズレとなる割合が低くなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なるため、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。
また、図56−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、図56−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルよりも、ノーマルリーチハズレとなる割合が高く、さらに設定値間のノーマルリーチハズレとなる割合の差が大きくなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、特別期間においては、非特別期間よりもノーマルリーチが実行される頻度の違いが認識しやすくなる(すなわち設定値の示唆を認識しやすくなる)ため、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、例えば、スーパーリーチを伴う変動パターン(またはそのうちの特定の変動パターン)については、設定値の違いに関わらず(または特別期間と非特別期間との違いに関わらず)、同じ割合で決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、設定値に応じて、特定の変動パターン(本例ではノーマルリーチハズレ)のみ実行割合が異なることになり、特定の変動パターンが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。なお、逆に、設定値に応じてスーパーリーチハズレとなる変動パターンの選択割合も異ならせてもよい。
また、図56−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値に応じて、非リーチハズレ以外のときに、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとのいずれとなるかの割合(すなわち、ノーマルリーチハズレ:スーパーリーチハズレのバランス)が異なるように判定値が割り当てられている。具体的には、図56−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が著しく高くなり(本例では、5%ずつ高くなる)、具体的には、図56−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が僅かに高くなる(本例では、0.2%ずつ高くなる)ように構成されている。このような構成により、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとの選択傾向によって設定値が示唆されることになる。また、特別期間と非特別期間とで選択傾向の違いを大きくすることができる。
本特徴部121IWでは、設定値に応じて、異なる割合で設定示唆演出を実行可能であるが、これは、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレ全体の実行割合が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレの実行比率が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレのみ実行割合が異なることを含む概念である。
本特徴部121IWでは、図56−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルのいずれが用いられたときにも、画像表示装置905において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。また、設定値が1〜3のいずれに設定されているときにも、画像表示装置905において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。なお、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間のみ、専用の背景画像が表示されるようにしてもよい。このような構成により、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間の遊技興趣を高めることができる。
なお、本特徴部121IWの例に限らず、例えば、設定値を示唆する特殊変動パターン(例えば、飾り図柄の変動表示の態様が通常とは異なる変動パターンであって、設定値1または2の場合にのみ選択される)を設け、特別期間においてのみ特殊変動パターンが選択され得るようにしてもよい。このような構成によっても、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
(非リーチハズレ変動パターン判定テーブル)
図56−7は、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本特徴部121IWでは、変動時間が異なる複数種類の非リーチハズレ変動パターンが設けられており、変動パターンが非リーチハズレに決定されたときに、さらに非リーチハズレA〜Cのいずれにするかに決定するように構成されている。なお、このような構成に限らず、例えば、図56−6に示すハズレ変動パターン判定テーブルに、非リーチハズレA〜Cが含まれるようにして、非リーチハズレA〜C、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレのいずれかに決定するように構成してもよい。
図56−7に示すように、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、非リーチハズレC(変動時間7秒)に決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、非リーチハズレB(変動時間8秒)に決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、非リーチハズレA(変動時間9秒)に決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」である場合には、非リーチハズレCと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、非リーチハズレAと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなる。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
本特徴部121IWでは、設定値に応じて、変動時間が異なる非リーチハズレA〜Cのいずれとなるかの割合を異ならせることにより、平均変動時間が異なるように構成されているが、例えば、非リーチハズレ以外の変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)も、変動時間が異なるように複数種類設け、設定値に応じて、選択される割合が異なるようにしてもよい。なお、変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)を変動時間が異なるように複数種類設ける場合には、飾り図柄の揺れ表示や高速変動表示の時間等を異ならせるようにして、演出等の見え方には違いがないようにすることが望ましい。
また、本特徴部121IWでは、設定値に応じて、平均変動時間が異なるように構成されているが、このような構成に代えて、または加えて、設定値に応じて、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間が異なるようにしてもよい。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、本特徴部121IWでは、非リーチハズレA〜Cにそれぞれ変動時間が設定され、設定値ごとに非リーチハズレA〜Cのいずれに決定するかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとに各変動パターンの変動時間が固定的に設定され、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定の方が、変動時間が長くなるようにしてもよい。
なお、本特徴部121IWでは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い短縮用の変動パターンが設けられている。例えば、非リーチハズレA(変動時間9秒)よりも変動時間が短い短縮非リーチハズレ(変動時間1.5秒)の変動パターンが設けられている。そして、この短縮用の変動パターンは、例えば、保留記憶数が所定数(例えば3)以上であるときに、用いられるように構成されている。このような構成は、保留記憶数が上限に達している状態、または上限に近い状態であるときに、この状態を解消して、効率的に変動表示を行う(すなわち効率的に遊技を進行する)ことを目的とするものである。ゆえに、保留記憶数が所定数以上であるときに、遊技の進行を遅らせることは不適当であるともいえる。そのため、本特徴部121IWでは、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについては、設定値に関わらず、共通の変動時間となっている。なお、本特徴部121IWの構成に関わらず、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについても、設定値に応じて変動時間を異ならせるようにしてもよい。
(設定変更処理)
次に、本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901の設定値の変更について説明する。図56−8および図56−9は、特徴部121IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。なお、本特徴部121IWにおいて、ステップIWS001〜S002の処理は、図39で示したステップS901〜S902の処理と同様である。
初期設定を行うと、CPU90103は、遊技機への電源供給を開始したときに演出制御手段(具体的には、演出制御用CPU90120)が起動するまでの時間を計測するための演出制御手段起動待ちタイマをセットする(ステップ121IWS003)。この場合、演出制御手段起動待ちタイマには、遊技機への電源供給を開始してから演出制御用CPU90120が起動するまでに十分な時間がセットされる。次いで、CPU90103は、演出制御手段起動待ちタイマの値を1減算し(ステップ121IWS004)、減算後の演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ121IWS005)。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていなければ、ステップ121IWS004に戻り、ステップ121IWS004〜S005の処理を繰り返し実行する。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていれば、ステップ121IWS006に移行する。
ステップ121IWS003〜S005の処理が実行されることによって、演出制御用CPU90120が起動するまで待ってからステップ121IWS006以降の処理が実行され、設定値の変更や確認、RAMの初期化や復旧処理などが実行される。そのため、後述する設定値コマンドや初期化指定コマンド、復旧時のコマンドなど各種のコマンド類が演出制御用CPU90120が起動する前に送信されてしまうような事態を防止することができ、コマンドの取りこぼしが発生することを防止することができる。
次いで、CPU90103は、例えば、RAM90102に工場出荷時の設定のままであることを示す工場出荷時設定フラグ(例えば、このフラグは、後述するRAMクリア処理1,2や復旧処理が実行されてもクリアされないようにし、後述する設定変更処理が実行されたときにクリアされる)がセットされるようにしておき、ステップ121IWS006では、この工場出荷時設定フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、設定値として工場出荷時のままであることを示す値(例えば、「0」や「−」)をセットするようにし、ステップ121IWS006で設定値の値が工場出荷時の値のままであるか否かを確認するようにしてもよい。工場出荷時の設定のままであれば(ステップ121IWS006;No)、ステップIWS010に移行する。
工場出荷時の設定でなければ(ステップ121IWS006;Yes)、すなわち少なくとも既に1回は設定値の変更が行われていれば、CPU90103は、ステップS904と同様の処理により、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップ121IWS007)。具体的には、ステップ121IWS007では、CPU90103は、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップ121IWS007;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップ121IWS007;Yes)、CPU90103は、ステップS905と同様の処理により、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップ121IWS008)。ステップ121IWS008では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップ121IWS008;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップ121IWS008;Yes)、CPU90103は、現在設定値の変更中であることを示す設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS009)。設定変更中フラグがセットされていれば(ステップ121IWS009;No)、すなわち設定値の変更中に電断などが発生して遊技機への電源供給が再開された場合、ステップIWS010に移行する。
ステップ121IWS010では、CPU90103は、RAM異常エラー報知コマンドを演出制御用CPU90120に対して送信する制御を行う(ステップ121IWS010)。なお、CPU90103は、表示モニタ121IW029においてRAM異常エラーであることを示す表示(例えば、「E」の表示)を表示する制御を行うようにしてもよい。
次いで、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS011)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS012)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS013)。クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU90103は、RAMクリア1処理を実行する(ステップ121IWS014)。RAMクリア1処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア1処理では、RAM90102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報はクリアされず保持される。また、RAMクリア1処理では、RAM90102に記憶される設定値の値もクリアされる。そして、ステップ121IWS027に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオフである場合や(ステップ121IWS011のN)、設定キー121IW051がオフである場合(ステップ121IWS012のN)、クリアスイッチからの出力信号がオフである場合(ステップ121IWS013のN)には、ステップ121IWS014には移行せず、ループ処理に移行する。
ステップ121IWS006〜S014の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、バックアップRAMが正常でない場合や(ステップ121IWS007,S008のN)、工場出荷時用の設定のままとなっている場合(ステップ121IWS006のY)、設定変更中に電断などが発生した場合(ステップ121IWS009のY)には、遊技機用枠121IW003が開放された状態で設定キー121IW051がオン操作され且つクリアスイッチがオン操作されたことを条件にRAMクリアされてステップ121IWS027以降の設定値の変更が可能となる。一方で、遊技機用枠121IW003が開放され、設定キー121IW051およびクリアスイッチがオン操作されないかぎり、ループ処理が実行され、設定値の変更を行えず、遊技制御も進行しない。
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップ121IWS009;No)、CPU90103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS015)。
クリアスイッチからの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS016)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS017)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、設定確認処理を開始することを示す設定確認処理開始コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS018)。
演出制御基板9012側では、設定確認処理開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置905において所定の画像を表示したり、スピーカ908L、908Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。なお、この場合、演出制御基板9012側において、プッシュボタン9031Bなど演出用の操作ボタンが押下されることによって、「メンテナンスモード」などと表示してメンテナンスモードに移行するように構成してもよい。「メンテナンスモード」とは、例えば、リアルタイムクロックの日時設定や、各種エラーの発生履歴(いつどのようなエラーが発生したかの記録)、設定変更履歴(いつ設定値を変更したかや変更後の設定値の記録)を確認できるモードである。なお、設定キー121IW051がオフとなり設定確認処理や設定変更処理が終了すると、メンテナンスモードも終了する。
次いで、CPU90103は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を実行する。
設定確認処理を終了すると、CPU90103は、ステップS906と同様の処理により、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS020)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。次いで、CPU90103は、設定確認処理が終了したことを示す設定確認処理終了コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS021)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS016のN)や設定キー121IW051がオンでなかった場合(ステップ121IWS017のN)には、CPU90103は、ステップS906と同様の処理により、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS022)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。また、CPU90103は、ステップS907と同様の処理により、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS023)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU90103は、RAMクリア2処理を実行する(ステップ121IWS024)。RAMクリア2処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア2処理では、RAM90102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域、および設定値を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報、および設定値の情報はクリアされず保持される。
次いで、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS025)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS026)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、設定変更中フラグをセットする(ステップ121IWS027)。
次いで、CPU90103は、設定変更処理を開始することを示す設定変更処理開始コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS028)。演出制御基板9012側では、設定変更処理開始コマンドを受信すると、設定変更中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置905において所定の画像を表示したり、スピーカ908L、908Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。
次いで、CPU90103は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を実行する。
設定変更処理を終了すると、CPU90103は、設定変更中フラグをリセットする(ステップ121IWS030)。また、CPU90103は、設定された設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS031)。また、設定変更処理が終了したことを示す設定変更処理終了コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS032)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS025のN)や設定キー121IW051がオンでなかった場合(ステップ121IWS026のN)には、CPU90103は、ステップS909と同様の処理により、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
なお、本特徴部121IWにおいて、ステップIWS034〜S036の処理は、図39で示したステップS9010〜S9012の処理と同様である。
次に、設定確認処理(ステップ121IWS019)について説明する。図56−10(A)は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を示すフローチャートである。
設定確認処理では、CPU90103は、先ず、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタ121IW029に表示する(ステップ121IWSA01)。
次いで、CPU90103は、設定キー121IW051からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA02)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA03)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA02に移行し、ステップ121IWSA02〜SA03の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠121IW003が開放状態であり且つ設定キー121IW051がオンの間は設定値を表示モニタ121IW029に表示する。
扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、設定確認エラー処理を実行する(ステップ121IWSA04)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSA04では、例えば、CPU90103は、設定確認エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU90120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定確認エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU90103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定確認エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。
設定キー121IW051がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA05)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA05の処理を繰り返し実行する。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ(すなわち、遊技機用枠121IW003が閉鎖状態であれば)、設定確認処理を終了する。
次に、設定変更処理(ステップ121IWS029)について説明する。図56−10(B)は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を示すフローチャートである。
設定変更処理では、CPU90103は、先ず、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタ121IW029に表示する(ステップ121IWSB01)。
次いで、CPU90103は、設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB02)。設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンでなければ、ステップ121IWSB05に移行する。設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンとであれば(ステップ121IWSB02のY)、CPU90103は、表示モニタ121IW029に表示されている設定値を更新表示する(ステップ121IWSB03)。例えば、表示モニタ121IW029に設定値として「1」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「2」に更新表示し、表示モニタ121IW029に設定値として「2」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「3」に更新表示し、表示モニタ121IW029に設定値として「3」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「1」に更新表示すればよい。また、CPU90103は、表示モニタ121IW0029に表示されている設定値(更新後の設定値)をRAM90102のバックアップ領域に記憶(既に記憶されている設定値に対して更新記憶)させる(ステップ121IWSB04)。
次いで、CPU90103は、設定キー121IW051からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB05)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB06)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB02に移行し、ステップ121IWSB02〜SB06の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠121IW003が開放状態であり且つ設定キー121IW051がオンの間はステップ121IWSB02〜SB06の処理が繰り返し実行される。
扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、設定変更エラー処理を実行する(ステップ121IWSB07)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSB07では、例えば、CPU90103は、設定変更エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU90120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定変更エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU90103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定変更エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。なお、この場合、ステップ121IWS027で設定変更中フラグがセットされたままとなっていることから、電源が再投入された後、RAMクリア1処理が実行されて(ステップ121IWS009のY、121IWS014参照)、エラー状態が解除されることになる。
設定キー121IW051がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB08)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB08の処理を繰り返し実行する。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ(すなわち、遊技機用枠121IW003が閉鎖状態であれば)、設定変更処理を終了する。
図56−11は、電源投入時に実行される処理を示す説明図である。本特徴部121IWでは、図56−11に示すように、電源投入時に設定キー121IW051がオンである場合(さらに、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンである場合)には、クリアスイッチがオンであれば、設定変更処理(ステップ121IWS029)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、設定確認処理(ステップ121IWS015〜S017)が実行される。また、電源投入時に設定キー121IW051がオフである場合には、クリアスイッチがオンであれば、初期化処理(ステップS908)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、復旧処理(ステップS906)が実行される。
次に、設定変更処理における表示モニタ121IW029の表示態様について説明する。先ず、図56−12(A)及び図56−12(B)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電断させる)と、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止することによって表示モニタ121IW029での表示が終了する。尚、電源をOFFとするタイミングにおいて大当り遊技中や小当り遊技中等の大入賞口の開放中である場合は、ソレノイド9082への電力の供給が停止することによって大入賞口が閉鎖される。
次に、図56−12(C)に示すように、遊技場の店員等がクリアスイッチを操作しつつ電源を投入すると(遊技制御メイン処理のステップS903でYesの場合)、設定キー121IW051がONとなっていることを条件にCPU90103によって設定変更処理が実行され、表示モニタ121IW029においてRAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示される。
このように表示モニタ121IW029にて設定値が表示されている状態において、図56−12(D)に示すように、CPU90103は、遊技場の店員等による設定切替スイッチ121IW052の操作を検出する毎に表示モニタ121IW029に表示している数値を順次更新(例えば、設定切替スイッチ121IW052が操作される毎に1→2→3→1→・・・のように更新)表示していく。また、表示モニタ121IW029に表示されている設定値をRAM90102のバックアップ領域に格納(更新記憶)する。
次いで、図56−12(E)に示すように、CPU90103は、設定キー121IW051が遊技場の店員等の操作によってOFFとなったことに基づいて、表示モニタ121IW029を点滅表示させることによって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM90102のバックアップ領域に格納されたことを報知する。なお、図示する例では、表示モニタ121IW029を点滅表示させる例を示しているが、消灯させてもよい。
また、RAM90102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場合は、該保留記憶がクリアされる。また、図56−12(A)のタイミング(パチンコ遊技機901の電源がOFFとなったタイミング)にて大入賞口が閉鎖された場合には、設定変更が行われるとRAMクリア処理が実行されて大当りに関する記憶が消去されるため、大入賞口は閉鎖されたままとなる。以降、CPU90103は、設定変更処理を終了し、遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
尚、本特徴部121IWにおける設定変更処理では、表示モニタ121IW029に表示する初期表示として、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理において表示モニタ121IW029に表示する初期表示としては、遊技者にとって最も不利な設定値(本特徴部121IWであれば「1」)、或いは、遊技者にとって最も有利な設定値(本特徴部121IWであれば「3」)を表示するようにしてもよい。
また、図56−12に示す例では、設定値の確認時や変更時に表示モニタ121IW029の4桁の表示のうち1つ目の表示を用いて設定値を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、表示モニタ121IW029の2つ目以降の表示を用いて設定値を表示するように構成してもよい。また、例えば、表示モニタ121IW029において専用の4桁表示を行うことによって設定値を表示するように構成してもよい。この場合、例えば、設定値「1」であれば表示モニタ121IW029において「−S−1」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタ121IW029において「−S−2」の4桁の表示を行ったり、設定値「3」であれば表示モニタ121IW029において「−S−3」の4桁の表示を行ったりしてもよい。また、例えば、例えば、表示モニタ121IW029の4桁の全ての表示に設定値を表示するように構成してもよい。例えば、設定値「1」であれば表示モニタ121IW029において「1111」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタ121IW029において「2222」の4桁の表示を行ったりしてもよい。
(特別図柄通常処理)
次に、本特徴部121IWにおける特別図柄通常処理(ステップS90110)の処理について説明する。図56−13および図56−14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS90110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU90103は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)の値を確認する(ステップ121IWS101)。例えば、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU90103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップ121IWS102)。例えば、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU90103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップ121IWS103)。第2保留記憶数が0であれば、CPU90103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップ121IWS104)。
ステップ121IWS102〜S104の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するように構成してもよい。
次いで、CPU90103は、RAM90102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する(ステップ121IWS105)。具体的には、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU90103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップ121IWS106)。具体的には、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM90102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM90102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU90103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップ121IWS107)。なお、CPU90103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM90102の所定の領域に保存する。
次いで、CPU90103は、RAM90102に設定されている設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS108)。本特徴部では、既に説明したように、ステップ121IWS031の処理が実行されることによって電源投入時に設定変更処理を実行したときに設定値コマンドが送信されるのであるが、電源投入後も、ステップ121IWS108の処理が実行されることによって変動表示を開始するごとに設定値コマンドが送信される。
なお、同じ変動パターンを用いる場合であっても設定値ごとに異なる変動パターンコマンドを送信するように構成すると、変動パターンの総数×設定値の数(本例では3)分の変動パターンコマンドが必要となり、データ容量が増大してしまうおそれがある。そこで、例えば、特定の変動パターンを用いる場合にのみ設定値コマンドを送信するようにし、特定の変動パターンに対応する変動パターンコマンドのみ設定値の数分の変動パターンコマンドを設けるように構成してもよい。この場合、例えば、出力頻度が最も高い通常変動の変動パターンを用いる場合にのみ設定値コマンドを送信するようにし、通常変動の変動パターンに対応する変動パターンコマンドのみ設定値の数分の変動パターンコマンドを設けるようにしてもよい。
また、本例では、電源投入時に送信する設定値コマンド(ステップ121IWS031参照)と変動開始時に送信する設定値コマンド(ステップ121IWS108参照)とで同じ設定値コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、電源投入時用の設定値コマンドと変動開始時用の設定値コマンドとを別々のコマンドとして構成し、電源投入時と変動開始時とで異なる設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、本例では、変動開始時に変動パターンコマンドとは別に設定値コマンドを送信する場合を示しているが、変動パターンコマンドと設定値コマンドとを兼用する演出制御コマンドを送信するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ変動パターンAを指定する変動パターンコマンドであっても、設定値「1」である場合には変動パターンコマンドA−1を送信し、設定値「2」である場合には変動パターンコマンドA−2を送信し、設定値「3」である場合には変動パターンコマンドA−3を送信するように構成してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100側では設定値に関係なく同じ変動パターンコマンド(例えば、変動パターンコマンドA)を出力可能に構成し、演出制御用CPU90120側でいずれの設定値であるかに応じていずれの変動パターンを選択するかやその選択割合を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値1であれば変動パターンA−1を選択または変動パターンA−1を高い割合で選択したり、設定値2であれば変動パターンA−2を選択または変動パターンA−2を高い割合で選択したり、設定値3であれば変動パターンA−3を選択または変動パターンA−3を高い割合で選択したりしてもよい。この場合、例えば、変動パターンA−1〜A−3は、変動時間は同じであるが、擬似連の有無や擬似連回数、リーチの有無や種類が異なるように構成されていればよい。また、この場合、例えば、設定値コマンドを正常に受信できていない場合には、一律に変動パターンA−1を選択するようにしたり、設定値コマンドを正常に受信できていない場合専用の選択割合で変動パターンを選択したりするように構成すればよい。
また、本例では、変動開始時に設定値コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、変動終了時に設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、CPU90103は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御基板9012に送信する制御を行う(ステップ121IWS109)。この場合、CPU90103は、例えば、確変状態である場合には確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行い、時短状態である場合には時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行い、通常状態である場合には通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU90103は、乱数バッファ領域から特図表示結果判定用の乱数値MR1’を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図56−4参照)と乱数値MR1’とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
乱数値MR1’の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップ121IWS110のN)、CPU90103は、小当りの判定の処理を行う(ステップ121IWS111)。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップ121IWS111のY)、CPU90103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップ121IWS112)、ステップ121IWS116に移行する。
なお、乱数値MR1’の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップ121IWS111のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップ121IWS116に移行する。
乱数値MR1’の値がいずれかの大当り判定値に一致した場合には(ステップ121IWS110のY)、CPU90103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップIWS113)。次いで、CPU90103は、大当り種別判定テーブル(図56−5参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数値MR2’の値と一致する値に対応した種別(「大当り種別A」、「大当り種別B」または「大当り種別C」)を大当りの種別に決定する(ステップ121IWS114)。
また、CPU90103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM90102における大当り種別バッファに設定する(ステップ121IWS115)。例えば、大当り種別が「大当り種別A」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「大当り種別B」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「大当り種別C」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU90103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップ121IWS116)。例えば、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、例えば、大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。なお、さらに大当り種別に応じて異なる特別図柄の停止図柄に決定してもよい。また、例えば、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS90111)に対応した値に更新する(ステップ121IWS117)。
(演出モード変更処理)
次に、本特徴部121IWにおける演出制御手段の動作について説明する。図56−15は、特徴部121IWにおける演出制御メイン処理の一部を示すフローチャートである。本特徴部121IWでは、演出制御メイン処理において、演出制御用CPU90120は、ステップS9077の演出制御用乱数更新処理を実行すると、演出モードを変更する演出モード変更処理を実行し(ステップ121IWS201)、その後、ステップS9073の処理に戻る。
本特徴部121IWでは、演出モードA〜演出モードCの3種類の演出モードに制御可能であり、いずれの演出モードに制御されているかに応じて、例えば、画像表示装置905の背景画面が異なり、予告演出やリーチ演出に登場するキャラクタの種類が異なる。ステップ121IWS201の演出モード変更処理では、演出制御用CPU90120は、所定の演出モード変更条件が成立すると、現在の演出モードから異なる演出モードに変更する制御を行う。例えば、演出制御基板9012にリアルタイムクロックが搭載されている場合には、リアルタイムクロックからの日時情報にもとづいて所定の日や時刻となったことにもとづいて演出モードを変更するようにしてもよい。また、例えば、乱数にもとづく抽選処理を実行し、演出モードを変更すると決定したことにもとづいて演出モードを変更するようにしてもよい。
ステップ121IW201では、演出制御用CPU90120は、演出モードを変更すると、例えば、変更後の演出モードに対応したフラグをセットし、変更前の演出モードに対応したフラグをリセットするようにすればよい。例えば、演出モードAに変更した場合には、演出モードAフラグをセットし、変更前の演出モードBフラグまたは演出モードCフラグをリセットするようにすればよい。また、例えば、演出モードBに変更した場合には、演出モードBフラグをセットし、変更前の演出モードAフラグまたは演出モードCフラグをリセットするようにすればよい。また、例えば、演出モードCに変更した場合には、演出モードCフラグをセットし、変更前の演出モードAフラグまたは演出モードBフラグをリセットするようにすればよい。
なお、演出モードの変更の仕方は、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA→・・・のように予め決められた順番で変更していくようにしてもよいし、演出モードA〜Cの中からランダムに変更するようにしてもよい。
(コマンド解析処理)
図56−16〜図56−18は、コマンド解析処理(ステップS9075)の具体例を示すフローチャートである。主基板9011から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップ121IWS301)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップ121IWS302)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップ121IWS303)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが設定値コマンドであれば(ステップ121IWS304)、演出制御用CPU90120は、受信した設定値コマンドで示される設定値を、RAM90122に形成されている設定値格納領域に格納する(ステップ121IWS305)。また、演出制御用CPU90120は、遊技機への電源投入がされてから設定値コマンドを少なくとも1回正常に受信したことを示す設定値コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS306)。
なお、本特徴部121IWでは、演出制御基板9012に搭載されているRAM90122は電源バックアップされていないので、設定値格納領域に格納された設定値および設定値コマンド受信フラグは、遊技機への電源供給が停止されたときにクリアされる。従って、遊技機への電源供給が開始されたときには、RAM90122の設定値格納領域には何も設定値が格納されていない状態であり、設定値コマンド受信フラグもクリアされた状態で処理が開始される。なお、演出制御基板9012側では設定値が格納されていない状態で起動されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、設定確認処理や復旧処理を実行した場合であっても設定値コマンドを送信するように構成し、電源投入時に必ず設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、本特徴部121IWでは、遊技機への電源投入がされて設定変更処理が行われたときに設定値コマンドが送信されるのであるが、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどにより設定値コマンドを正常に受信できなかった場合には、ステップ121IWS305の処理は実行されず、設定値格納領域に設定値は格納されない。しかしながら、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定値コマンドを正常に受信できなくても、変動表示ごとに設定値コマンドが送信されるので、その後受信した設定値コマンドにもとづいてステップ121IWS305の処理が実行され、設定値格納領域に設定値が格納されるようにすることができる。
また、設定値コマンドを受信しても、設定値コマンドに含まれる設定値が異常な値である場合も考えられることから、演出制御用CPU90120側で設定値コマンドを読み出すときに、設定値コマンドに含まれる設定値が正常な値であるか否かを判定するように構成してもよい。例えば、本例では、設定値は「1」〜「3」のいずれかの値に設定されるように構成されているところ、「5」や「10」など設定されず筈のない値が含まれる場合には、設定値コマンドに含まれる設定値が異常であると判定するように構成してもよい。また、例えば、演出制御用CPU90120側で、受信した設定値コマンドで示される設定値を記憶しておくようにし、その後、新たな設定値コマンドを受信したときに、新たに受信した設定値コマンドで示される設定値と前回記憶した設定値とが一致しない場合に不整合が発生したと判定し、異常であると判定するように構成してもよい。そして、設定値コマンドに含まれる設定値が異常な値であると判定した場合にも、やはり設定値コマンドを正常に受信できていないものとして、本特徴部121IWで示した処理方法に従って演出を制限するように構成してもよい。
(初期出目設定)
本特徴部121IWでは、演出制御基板9012側において、コマンド解析処理にて、主基板9011から初期化指定コマンド、復旧時のコマンド、設定変更処理終了コマンドおよび設定確認処理終了コマンドのいずれかを受信すると、画像表示装置905において、所定の初期出目(具体的には、飾り図柄の組み合わせであって、最初の変動表示が開始されるまで画像表示装置905において表示されるもの)を表示する制御を行う(以下、初期出目演出ともいう)。
受信した演出制御コマンドが設定変更処理終了コマンドであれば(ステップ121IWS307)、演出制御用CPU90120は、設定値コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS308)。設定値コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、設定変更処理が実行され、且つ設定値コマンドを正常に受信した場合には)、演出制御用CPU90120は、RAM90122の設定値格納領域に格納されている設定値にもとづいて、初期出目決定テーブルを用いて、偶数の飾り図柄の組み合わせである偶数初期出目(例えば、「246」や「224」など)と、奇数の飾り図柄の組み合わせである奇数初期出目(例えば、「135」や「113」など)と、特殊図柄(例えば、星図柄)を含む飾り図柄の組み合わせである特殊初期出目とのいずれかに決定する(ステップ121IWS309)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
図56−19は、初期出目決定テーブルの一例を示す説明図である。ステップ121IWS309では、図56−19(A)に示す初期出目決定テーブルを用いて、設定値格納領域に格納されている設定値に応じた判定値の割り振りに従って乱数にもとづく抽選処理を行い、初期出目を決定する。図56−19(A)に示す初期出目決定テーブルでは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、奇数初期出目に決定される割合が高くなっている。そのため、遊技開始前の画像表示装置905において、奇数初期出目が表示されていれば、設定変更が行われたこと、および偶数初期出目が表示されている場合と比較して有利な設定値に設定されていることが示唆されることになる。また、図56−19(A)に示すように、設定値「3」である場合にのみ特殊初期出目に決定される場合がある。そのため、遊技開始前の画像表示装置905において、特殊初期出目が表示されていれば、設定変更が行われたこと、および設定値「3」であることが確定することになる。このような構成により、遊技開始前のパチンコ遊技機901の状態に関心を持たせ、遊技店の営業時間のうち早い時間帯から遊技を行う動機を与えることができ、興趣を高めることができる。
設定値コマンド受信フラグがセットされていなければ(すなわち、設定変更処理が実行されたが、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどの理由により設定値コマンドを正常に受信できなかった場合には)、演出制御用CPU90120は、現在の演出モードが演出モードAであるか否かを確認する(ステップ121IWS310)。なお、演出モードAであるか否かは、例えば、演出モードAフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。演出モードAであれば、演出制御用CPU90120は、設定値「1」であるものとして、図56−19(A)に示す初期出目決定テーブルを用いて、初期出目を決定する(ステップ121IWS311)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
ステップ121IWS310〜S311の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードAである場合には、最も不利な設定である設定値「1」であるものとして初期出目が決定される。図56−19(A)に示すように、設定値「1」に対しては、奇数初期出目と決定される割合が最も低く、特殊初期出目と決定される場合はない。そのように構成することによって、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
演出モードAでなければ、演出制御用CPU90120は、現在の演出モードが演出モードCであるか否かを確認する(ステップ121IWS312)。なお、演出モードCであるか否かは、例えば、演出モードCフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。演出モードCであれば、演出制御用CPU90120は、演出モードC用の初期出目決定テーブルを用いて、初期出目を決定する(ステップ121IWS313)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
図56−19(B)は、演出モードC用の初期出目決定テーブルの一例を示す説明図である。図56−19(B)に示すように、演出モードC用の初期出目決定テーブルでは、遊技者にとって最も有利な設定値「3」の場合と比較して、奇数初期出目と決定される割合が低く、特殊初期出目と決定される場合もない。
ステップ121IWS312〜S313の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードCである場合には、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
そして、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において、ステップ121IWS309,S311,S313で決定した初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS314)。
一方、演出モードCでもなかった場合(すなわち、現在の演出モードが演出モードBであった場合)には、演出制御用CPU90120は、初期出目を偶数初期出目に決定し、画像表示装置905において、偶数初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS315)。
ステップ121IWS315の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合には、一律に偶数初期出目を表示することにより、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
なお、演出モードBで設定値コマンドを正常に受信できていなかった場合であっても、低い割合で奇数初期出目図柄を決定可能に構成してもよい。この場合、例えば、図56−19(A)に示す初期出目決定テーブルの設定値「1」よりもさらに全体的に奇数初期出目図柄の決定割合を低く設定したテーブルを用いて、初期出目図柄を決定するように構成してもよい。
なお、本例では、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合に一律に偶数初期出目を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合に、初期出目として「???」の図柄の組み合わせなど、設定値コマンドを正常に受信できなかったとき専用の初期出目を表示するように構成してもよい。そのように何らかの形式で設定値を全く示唆しない図柄の組み合わせを初期出目として表示するものであればよい。
また、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合(または設定値を正常に格納できていない場合)の処理は、本例で示したものにかぎられない。例えば、ステップ121IWS308でNと判定したときに、デフォルトとして設定値「1」を設定値格納領域に格納して初期出目を決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値コマンドを正常に受信できなかったことを示す専用の設定値(例えば、設定値「4」)を設定値格納領域に格納して初期出目を決定するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが初期化指定コマンド、復旧時のコマンドおよび設定確認処理終了コマンドのいずれかであれば(ステップ121IWS316)、すなわち設定変更処理が実行されていない場合には、演出制御用CPU90120は、初期出目を偶数初期出目に決定し、画像表示装置905において、偶数初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS317)。なお、本特徴部121IWでは、設定変更処理が実行されていない場合には、初期出目は偶数初期出目に決定され、奇数初期出目に決定されることがないが、抽選により偶数初期出目と奇数初期出目とのいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、設定値に応じて決定される割合が異なるようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがRAM異常エラー報知コマンドであれば(ステップ121IWS318)、演出制御用CPU90120は、RAMエラー報知を実行する(ステップ121IWS319)。例えば、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において「RAMエラー異常が発生しています」などの文字表示を表示したり、スピーカ908L,8RからRAMエラー異常を示す音声やエラー音を音出力したり、遊技効果ランプ909やLEDを所定のエラーパターンで発光させたりする制御を行う。なお、この場合、RAMエラー異常報知を行う際に、スピーカ908L,908Rから最大音量の音声やエラー音を音出力したり、遊技効果ランプ909やLEDを最大輝度で発光(例えば、フルカラーLEDの場合は白色で発光)させたりすることが望ましい。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンド(変動パターンを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS320)、演出制御用CPU90120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップ121IWS321)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS322)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンド(大当りとするか否かや小当りとするか否か、大当り種別、小当り種別を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS323)、演出制御用CPU90120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップ121IWS324)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンド(飾り図柄の停止図柄を確定表示することを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS325)、演出制御用CPU90120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS326)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS327)、演出制御用CPU90120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS328)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS329)、演出制御用CPU90120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS330)。
受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンド(始動入賞判定処理(ステップS90101参照)で先読み判定された大当りとなるか否かや小当りとなるか否か、大当り種別、小当り種別の判定結果を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS331)、演出制御用CPU90120は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップ121IWS332)。
受信した演出制御コマンドが変動カテゴリコマンド(始動入賞判定処理(ステップS90101参照)で先読み判定された変動カテゴリ(変動パターン種別や変動パターン)の判定結果を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS333)、演出制御用CPU90120は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS334)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップ121IWS335)、演出制御用CPU90120は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS336)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第1保留記憶表示領域において保留表示を1つ増加させ、第1保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS337)。また、演出制御用CPU90120は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップ121IWS338)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップ121IWS339)、演出制御用CPU90120は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS340)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第2保留記憶表示領域において保留表示を1つ増加させ、第2保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS341)。また、演出制御用CPU90120は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップ121IWS342)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ121IWS343)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第1保留記憶表示領域における保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS344)。また、演出制御用CPU90120は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップ121IWS345)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ121IWS346)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第2保留記憶表示領域における保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS347)。また、演出制御用CPU90120は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップ121IWS348)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90120は、受信した演出制御コマンドを格納したり、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットしたりする(ステップ121IWS349)。そして、ステップ121IWS301に移行する。
なお、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更処理が実行されていない場合には、奇数初期出目が表示されないように構成されているが、奇数初期出目が表示され得るようにしてもよい。また、この場合にも、設定値に応じて奇数初期出目に決定される割合が異なるようにしてもよい(すなわち設定値の示唆が行われるようにしてもよい)。
また、例えば、奇数初期出目や偶数初期出目に代えて、または加えて、特定の設定値である可能性を否定する初期出目(例えば、設定値1である可能性が否定され、設定値2または設定値3であることが確定する)や、特定の設定値であることが確定する初期出目などを設け、設定値に応じて表示されるようにしてもよい。例えば、設定値1の場合には、特定の初期出目に決定されないようにすることにより、特定の初期出目が表示されると、設定値1である可能性が否定され、設定値2または設定値3であることが確定することになる。また、例えば、設定値3の場合にのみ、特定の初期出目に決定されるようにすることにより、特定の初期出目が表示されると、設定値3であることが確定することになる。また、初期出目決定時には、抽選によりこれらの初期出目のいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、設定値に応じて決定される割合が異なるようにしてもよい。
(設定示唆演出)
本特徴部121IWでは、設定値を変更可能に構成されるとともに、設定値を示唆する設定示唆演出(設定示唆)として、上述した初期出目演出や上述した変動パターンの決定傾向による設定示唆を実行可能に構成されている。なお、遊技開始前に実行される遊技前示唆演出や遊技中(例えば、飾り図柄の変動表示中)に実行される遊技中示唆演出、大当り中(例えば、大当り遊技中)に実行される大当り中示唆演出を実行可能に構成されてもよい。この場合、本特徴部121IWでは、遊技前示唆演出、遊技中示唆演出および大当り中示唆演出を、それぞれ示唆の信頼度が異なる複数種類の演出態様により実行可能とすればよく、例えば、設定示唆演出の種別ごとに示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、遊技前示唆演出>大当り中示唆演出>遊技中示唆演出の順や、遊技前示唆演出>遊技中示唆演出>大当り中示唆演出の順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよいし、遊技中示唆演出>大当り中示唆演出>遊技前示唆演出の順や、大当り中示唆演出>遊技中示唆演出>遊技前示唆演出の順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。また、各設定示唆演出の実行割合を設定可能に構成してもよい。例えば、遊技機の管理者が、設定示唆演出のうちの一部(例えば、設定変更が行われたことが示唆される遊技前示唆演出や初期出目演出)もしくは全てを実行しない、または実行割合を低くする(もしくは高くする)ように設定変更できるようにしてもよい。例えば、電源投入後に設定画面が表示され、プッシュボタン9031B等の操作手段や、遊技機内部に設けられたスイッチ等の操作手段(管理者のみ操作可能)を操作することにより、設定示唆演出に関する設定を変更できるようにしてもよい。
(特徴部112AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部112AKについて説明する。図56−20は、特徴部112AKにて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS90600)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、ステップS90182の可変表示中演出処理にて、飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに応じて予め定められた一定時間が設定される。
ステップS90600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS90600;No)、主基板9011から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90601)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS90601;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS90602)。
ステップS90602の処理を大当り遊技状態の開始を報知するために予め用意された大当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS90604)。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、大当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS90605)。そして、右打ち指示報知を行う右打ち指示報知処理を行う(ステップ112AKS001)。
特徴部112AKにおけるパチンコ遊技機901の遊技領域には、遊技者にとって右側の右遊技領域に普通可変入賞球装置906Bと通過ゲート9041とが設けられている。したがって、時短制御とともに高開放制御が行われているときには、右遊技領域に向けて遊技球を発射すれば、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい。また、時短制御が行われていることから、速やかに特図ゲームを消化して、可変表示結果が「大当り」となるまでの時間を短縮することができる。このように、時短制御とともに高開放制御が行われる時短状態では、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域となる。また、特徴部112AKにおけるパチンコ遊技機901では、右遊技領域に特別可変入賞球装置907が設けられている。したがって、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、右遊技領域に向けて遊技球を発射すれば、大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、景品として多数の賞球が得られる可能性がある。このように、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域となる。ステップ112AKS001では、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域ことを遊技者に報知する処理を行う。
図56−21は、図56−20のステップ112AKS001にて実行される右打ち指示報知処理の一例を示すフローチャートである。図56−21に示す右打ち指示報知処理において、演出制御用CPU90120は、右打ち指示報知において設定値を示唆する設定示唆演出(設定示唆)を行うか否かを決定する(ステップ112AKS002)。具体的に、ステップ112AKS002の処理では、大当り種別に基づいて、図56−22に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態では、図56−22に示すように、大当り種別A<大当り種別B<大当り種別Cの順に設定示唆が実行される割合が高くなっている。なお、この実施の形態における大当り種別Aと大当り種別Bは、大当り遊技中のラウンド数が16の大当り(16R大当り)であり、大当り種別Cは大当り遊技中のラウンド数が4Rの大当り(4R大当り)となっている。すなわち、特徴部112AKでは、大当り種別Cよりも遊技者にとって有利な大当り種別Aや大当り種別Bの方が、設定示唆が実行される割合が低くなっており、大当り種別Aや大当り種別Bよりも有利度の低い大当り種別Cの方が、設定示唆が実行される割合が高くなっている。そのため、有利度の低い大当り種別Cの大当りに対しても遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。なお、ラウンド数に限られず、例えば、確変大当りよりも非確変大当りの方が、設定示唆が実行される割合が高いなど、一方の大当りよりも有利度の低い大当りの方が、有利度の高い大当りよりも高い割合で設定示唆が行われればよい。さらに、大当り種別に限られず、例えば、可変表示中に設定示唆を行う場合において、遊技状態が通常状態である場合には、通常状態以外(確変状態や時短状態)よりも高い割合で設定示唆が行われればよい。
図56−21に戻り、ステップ112AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ112AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆有りか否かを判定する(ステップ112AKS003)。設定示唆なしの場合、すなわちステップ112AKS002にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ112AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、通常態様の右打ち指示報知、すなわち、設定示唆を行わない右打ち指示報知を実行すると決定する(ステップ112AKS004)。ここで、通常態様の右打ち指示報知は、図56−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001のように「右打ちしてね!」のメッセージを表示することにより行われる。
一方、ステップ112AKS002にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ112AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆を含む右打ち指示報知の実行態様を決定する(ステップ112AKS005)。具体的に、ステップ112AKS005の処理では、設定されている設定値に基づいて、図56−23に示す決定割合に従って、態様1〜態様3のいずれかを、設定示唆を含む右打ち指示報知の実行態様として決定する。この実施の形態における設定示唆を含む右打ち指示報知は、図56−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001と、図56−24(A)〜(C)に示す態様1〜3といった特定態様の右打ち指示報知112AK002とを含んでおり、当該態様1〜3の右打ち指示報知112AK002により設定値がいずれであるかを示唆する演出である。この実施の形態における態様1の右打ち指示報知は、設定値が「1」であることを示唆し、態様2の右打ち指示報知は、設定値が「2」であることを示唆し、態様3の右打ち指示報知は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。なお、設定示唆を含む右打ち指示報知では、図56−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001を行った後に、図56−24(A)〜(C)に示す態様1〜3の右打ち指示報知112AK002を表示する。そのため、通常態様の右打ち指示報知が行われた後に特定態様の右打ち指示報知が行われるかに対する遊技者の注目を集めることができるとともに、いずれの態様の右打ち指示報知が行われるかに対する遊技者の注目を集めることができる。特徴部112AKでは、通常態様の右打ち指示報知と特定態様の右打ち指示報知とを合わせて遊技に関する説明を行う特定報知と呼ぶ。すなわち、特徴部112AKでは、通常態様の右打ち指示報知が行われた後、特定態様の右打ち指示報知が行われる場合と、通常態様の右打ち指示報知が行われた後、特定態様の右打ち指示報知が行われない場合とがあり、特定報知に注目させることができる。図56−24は、当該通常態様の右打ち指示報知と特定態様の右打ち指示報知とを含む特定報知の演出動作例を示している。
図56−23に示すように、特徴部112AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆を含む右打ち指示報知を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる実行態様の特定報知が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。なお、異なる実行態様の特定報知が、異なる実行割合で実行されること、すなわち、実行される特定報知の種類や態様や実行割合が異なることを含めて、単に異なる実行態様により実行されるということがある。また、図56−23に示すように、態様3の右打ち指示報知は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、特定報知として態様3の右打ち指示報知が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、態様1および態様2の右打ち指示報知は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、態様1または態様2の右打ち指示報知が行われた場合と、態様3の右打ち指示報知が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、示唆の信頼度が異なる態様の右打ち指示報知が実行可能であり、演出効果を高めることができる。なお、例えば変動回数が多いほど、示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であったり、遊技場の営業開始時よりも営業終了間際の方が示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であったり、遊技状態に応じて示唆の信頼度が異なるなど、状況に応じて、設定示唆を含む右打ち指示報知による示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、図56−23に示す決定割合とは別に設定された(より示唆の信頼度が高く決定割合が設定された)テーブルを設け、状況に応じて選択するテーブルを変更し、特定報知の実行態様を決定すればよい。これによれば、状況に応じて示唆の信頼度が異なることから、演出効果を高めることができる。
図56−21に戻り、ステップ112AKS004またはステップ112AKS005の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、決定した実行態様の右打ち指示報知を実行し(ステップ112AKS006)、右打ち指示報知処理を終了する。なお、ステップ112AKS006にて設定示唆を含む右打ち指示報知が実行された場合には、図56−24に示す特定報知が実行される。なお、画像表示装置905における画像の表示に加えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力や、遊技効果ランプ909および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知が行われるようにしてもよい。また、一旦行われた右打ち指示報知は、例えば、時短状態が終了したタイミングなど、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域でなくなったタイミングで消去されればよい。
図56−20に戻り、ステップ112AKS001の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、当該特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90601にて大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS90601;No)、小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90608)。小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS90608;No)、特図当り待ち処理を終了して、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで待機する。小当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS90608;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS90609)特図当り待ち処理を終了する。また、ステップS90600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS90600;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90613)、特図当り待ち処理を終了する。
(特徴部112AKの変形例)
上記実施の形態では、図56−24に示すように、通常態様の右打ち指示報知112AK001が「右打ちしてね!」のメッセージを表示するものであり、特定態様の右打ち指示報知112AK002が図56−24(A)〜(C)に示す態様1〜3といった右向きの矢印の画像を態様に応じた柄にて表示する例を示したが、これは一例である。設定示唆を含む右打ち指示報知として、例えば、通常態様の右打ち指示報知として「右打ちしてね!」のメッセージに加えて右向きの矢印の画像を表示し(態様は1態様でよい)、当該矢印の上部にキャラクタ画像を表示することで設定示唆を行うようにしてもよい。具体的に、態様Aの場合にはキャラクタAを表示し、態様Bの場合にはキャラクタBを表示し、態様Cの場合にはキャラクタCを表示するようにしてもよい。また、例えば、示唆の信頼度に応じて特定態様の右打ち指示報知112AK002とするのかキャラクタとするのかが異なっていてもよい。これによれば、信頼度に応じて設定示唆の種類が異なるため演出の幅が広がり演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、右打ち指示報知に設定示唆を含む例を示したが、これは一例である。設定示唆は、遊技に関する説明を行う演出に含まれていればよく、例えば、所定のアイテムやキャラクタを取得してミッションをクリアさせることを遊技者に説明する演出において、上記右打ち指示報知のような特定態様の表示を行うことで設定示唆を行ってもよい。また、例えば、デモ中に再生される動画にて攻略情報(例えばいずれの種類の演出が大当り期待度が高いかなど)を遊技者に説明するような場合に、当該特定態様の表示にて説明を行うことで設定示唆を行ってもよい。
(特徴部112AKに係る手段の説明)
以上の特徴部112AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部112AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
遊技に関する説明を行う特定報知を実行可能な特定報知手段(例えば右打ち指示報知を行う演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記特定報知手段は、設定されている設定値に応じて異なる実行態様により前記特定報知を実行可能である(例えば設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆を含む右打ち指示報知(特定報知)を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段2の遊技機として、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、
前記有利状態は、第1有利状態(例えば大当り種別Cの4R大当りなど)と、前記第1有利状態よりも有利な第2有利状態(例えば大当り種別AやBの16R大当りなど)とを少なくとも含み、
前記特定報知手段は、前記第1有利状態に制御されるときに前記特定報知を実行可能である(例えば大当り種別Aや大当り種別Bよりも有利度の低い大当り種別Cの方が、設定示唆が実行される割合が高くなっているなど)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、有利度の低い第1有利状態に対しても注目させることができ演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段3の遊技機として、
前記特定報知手段は、設定値に関わらず共通の演出(例えば通常態様の右打ち指示報知など)を実行した後、設定値に応じて異なる実行態様により演出が実行されるように前記特定報知を実行可能である(例えば通常態様の右打ち指示報知が行われた後に特定態様の右打ち指示報知が行われるなど)
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、特定報知の実行有無について遊技者の注目を集めることができる。
特徴部112AKに係る手段4の遊技機として、
前記特定報知手段は、前記特定報知として、設定されている設定値を示唆する第1特定報知(例えば態様1または態様2の右打ち指示報知など)と、前記第1特定報知よりも示唆される設定値の信頼度が高い第2特定報知(例えば態様3の右打ち指示報知など)と、を実行可能である、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段5の遊技機として、
前記特定報知手段は、状況に応じて異なる実行態様により前記特定報知を実行可能である(例えば遊技場の営業開始時よりも営業終了間際の方が示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段4の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部113AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部113AKについて説明する。図56−25は、特徴部113AKにて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ113AKS101)。始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップ113AKS101;Yes)、演出制御用CPU90120は、受信した始動入賞時コマンドが、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであるか否かを判定する(ステップ113AKS102)。本実施の形態では、ステップ113AKS102の処理が実行されることによって、低ベース状態では第1始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能となり、高ベース状態では第2始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能になる。
低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであると判定した場合(ステップ113AKS102;Yes)、演出制御用CPU90120は、保留表示の最終段階を決定する(ステップ113AKS103)。演出制御用CPU90120は、例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、ROM90121の所定領域に予め記憶されている図56−26(A)〜(C)に示す保留表示段階決定テーブルのいずれかを、設定されている設定値に応じて参照して、第1保留表示または第2保留表示における最終段階(先読み予告演出を実行した場合に何段階まで変化させるか)を決定する。なお、演出制御用CPU90120は、始動入賞時コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドおよび変動パターン判定結果指定コマンドを参照して、可変表示の可変表示結果および変動パターンを取得すればよい。
次に、保留表示の最終表示段階の決定について具体的に説明する。本実施の形態では、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示の表示態様(形状または色)を段階的に変化させる先読み予告演出(保留予告演出)が実行される。図56−26に示す保留表示段階決定テーブルは、この表示態様の変化(遷移)の最終段階である保留表示の表示態様(「最終表示段階」ともいう)をあらかじめ決定するためのテーブルである。保留表示段階決定テーブルは、図56−26に示すように、可変表示結果(大当り種別および変動パターンを含む)ごとに、最終表示段階を段階1〜段階4までのいずれとするかを決定するための決定割合が割り当てられている。より具体的には、可変表示結果は、「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)/小当り」、「上記以外」に区分され、それぞれに、最終表示段階として用意された「段階1」、「段階2」、「段階3」、「段階4」に異なる決定割合が割り当てられている。
図56−26に示すように、特徴部113AKでは、保留表示の最終段階の表示態様が段階1である「白」<段階2である「青」<段階3である「緑」<段階4である「赤」の順に大当り期待度が高くなっている。なお、段階1である「白」の表示態様は通常態様であり、最終段階の表示態様が「白」に決定された場合には、保留表示の表示態様は変化せず、すなわち先読み予告演出が実行されないことを示している。そのため、段階2〜4の「青」〜「赤」の態様を通常態様と区別するため、特定態様という。また、特徴部113AKでは、図56−26に示すように、設定値がいずれに設定されているかに応じて保留表示の最終段階の表示態様がいずれの態様となるかの割合が異なっている。したがって、設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なるため、演出効果を高めることができる。また、特徴部113AKでは、図56−26に示すように、設定値がいずれに設定されているかに応じて先読み予告演出の実行割合が異なっている(保留表示の表示態様が変化しない割合が異なる)。したがって、設定値に応じて保留表示の表示態様が変化するか否かの割合が異なるため、演出効果を高めることができる。
さらに、図56−26(C)に示すように、設定値が「3」である場合には、最終段階の保留表示の表示態様が「赤」であると、可変表示結果が「大当り」となることが確定するのに対し、設定値が「3」以外の場合には、図56−26(A)および(B)に示すように、最終段階の保留表示の表示態様が「赤」であっても可変表示結果が「ハズレ」となる場合がある。そのため、設定値が「1」または「2」である場合に最終段階の保留表示の表示態様が「赤」である場合、設定値が「3」である場合に最終段階の保留表示の表示態様が「赤」である場合よりも大当り期待度が低くなる。このように、特徴部113AKでは、最終段階の保留表示の表示態様が同じ態様であっても、設定値によって大当り期待度が異なるものとなっている。これによれば、設定値に応じて保留表示の表示態様における大当り期待度が異なり演出効果を高めることができる。
ステップ113AKS103の処理により保留表示の最終段階を決定した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS103で決定した最終表示段階および第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドのいずれかに示される保留記憶数にしたがって、表示段階変化パターンを決定する(ステップ113AKS104)。なお、保留記憶数は、ステップ113AKS102にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数指定コマンドを参照することにより特定すればよい。ステップ113AKS104の処理では、図56−27〜図56−30に示す表示段階変化パターン決定テーブルを参照して、第1保留表示または第2保留表示における表示段階変化パターンを決定する。表示段階変化パターンは、最終段階まで変化させる場合に、何回目のシフトでどの段階に遷移させるかといった変化パターンを示すものある。ステップ113AKS104にて決定された表示段階変化パターンは、第1始動入賞時コマンドバッファ内または、に示す第2始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納される。
図56−27〜図56−30に示す表示段階変化パターン決定テーブルは、上述したように、保留予告演出の予告対象となる保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンを決定するために参照されるテーブルである。表示段階変化パターン決定テーブルは、保留記憶数(保留予告演出の予告対象である保留記憶の保留表示番号)および最終表示段階に応じて区分されている。具体的には、「4」〜「2」の保留数の別、および、「段階1」〜「段階4」の最終表示段階の別に応じて表示段階変化パターン決定テーブルは区分されている。また、保留記憶数(保留数)および最終表示段階により区分された各表示段階変化パターン決定テーブルでは、「大当り(16R)」、「大当り(4R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」といった可変表示結果(大当り種別)ごとに、最終表示段階に応じて設定された表示段階変化パターンに異なる決定割合が割り当てられている。
保留表示は、始動入賞に伴う保留表示開始時に、「段階1」〜「段階4」のいずれかの段階で表示される。また、保留表示は、保留記憶の消化に伴ってシフト表示されるごとに異なる段階に変化可能であり、「段階1」→「段階2」→「段階3」→「段階4」の順に段階的に変化する。また、保留表示は、保留表示番号「1」に対応する保留表示からその段階が変化して表示されることもある(段階1ではなく、当初から段階3の保留表示が行われるなど)。なお、段階の変化にあたり、上位の段階への変化のみ許容され(上位から下位の段階へは変化しない)、例えば、「段階1」→「段階3」のように途中を省略して上位の段階に変化することもある。
図56−27(A)〜図56−28(D)は、保留記憶数(保留数)が「4」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「4」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンが設定されている。
図56−26(A)は、最終表示段階が「段階1」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図381(A)に示すように、最終表示段階が「段階1」である場合、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階1」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−1−01(表示段階変化回数「0」)のみが設定され、可変表示結果ごとに割り当てられる決定割合は一律100%である。
図56−26(B)は、最終表示段階が「段階2」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図381(B)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階2」のまま変化しないPT4−2−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいてが「段階1」から「段階2」に変化するPT4−2−02〜04(表示段階変化回数「1」)が設定されている。
図56−26(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−2−01に割り当てられた決定割合が他の可変表示結果の場合と比較して高い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」および「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−2−02〜04のうち、PT4−2−04に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−2−01に割り当てられた決定割合が最も低い。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンのうち、PT4−2−02に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−2−01に割り当てられた決定割合が最も低い。
このような設定により、保留表示が「段階2」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−2−01が実行される場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示の表示段階が「段階1」から「段階2」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階2」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−2−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階2」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階1」から「段階2」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。
図56−26(C)は、最終表示段階が「段階3」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図56−26(C)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階3」のまま変化しないPT4−3−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階3」に変化するPT4−3−02〜04(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階2」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階2」から「段階3」に変化するPT4−3−05〜07(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化するPT4−3−08〜10(表示段階変化回数「2」)が設定されている。
図56−26(C)に示すように、可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−3−01に割り当てられた決定割合が他の可変表示結果の場合と比較して高く、表示段階の変化回数が「2」のPT4−3−08〜10には決定割合が割り当てられていない。また、可変表示結果が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−3−02〜04とPT4−3−05〜07の各区分において、PT4−3−04とPT4−3−07にそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−02とPT4−3−05にそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、保留表示が「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化する表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−3−08〜10のうち、PT4−3−10に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−08に割り当てられた決定割合が最も低い。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−3−02〜04とPT4−3−05〜07の各区分において、PT4−3−02とPT4−3−05とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−04とPT4−3−07とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、保留表示が「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化する表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−3−08〜10のうち、PT4−3−08に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−10に割り当てられた決定割合が最も低い。すなわち、表示段階変化パターンPT4−3−02〜04、PT4−3−05〜07、PT4−3−08〜10の各区分において、保留番号が「1」のときに「段階3」にはじめて変化する表示段階変化パターンPT4−3−02、PT4−3−05、PT4−3−08にそれぞれ割り当てられた決定割合が、他の表示段階変化パターンと比較して高い。
このような設定により、保留表示の表示色が「段階3」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−3−01が実行される場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示が、「段階1」から「段階3」、または「段階2」から「段階3」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができ、さらに、保留番号が「1」のときに「段階3」にはじめて変化する場合には、可変表示が「大当り(突確)」となる可能性が特に高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階3」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−3−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階3」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階3」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。また、「段階1」から「段階3」へ複数段階一気に変化するパターンほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、複数段階格上げされた効果を発揮する(遊技者にインパクトを与える)ことができ、遊技興趣を向上させることができる。
図56−28(D)は、最終表示段階が「段階4」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図56−28(D)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階4」のまま変化しないPT4−4−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階4」に変化するPT4−4−02〜04(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階2」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階2」から「段階4」に変化するPT4−4−05〜07(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階3」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−08〜10(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階4」に変化するPT4−4−11〜13(表示段階変化回数「2」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階3」、さらに「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−14〜16(表示態様変化回数「2」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」に対応する保留表示において「段階1」から「段階2」、保留表示番号「2」に対応する保留表示において「段階2」から「段階3」、保留表示番号「1」に対応する保留表示においてから「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−17(表示段階変化回数「3」)が設定されている。
図56−28(D)に示すように、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01には、他の可変表示結果の場合と比較して、高い決定割合が割り当てられている。また、可変表示結果が「大当り(16R)」、表示段階の変化回数が「1」の表示態様変化パターンPT4−4−02〜04とPT4−4−05〜07とPT4−4−08〜10の各区分において、PT4−4−04とPT4−4−07とPT4−4−10とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−02とPT4−4−05とPT4−4−08とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−4−11〜13とPT4−4−14〜16の各区分において、PT4−4−13とPT4−4−16とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−11とPT4−4−14とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。さらに、表示段階の変化回数が「3」の表示段階変化パターンPT4−4−17では、変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01よりも決定割合が高く設定されており、さらに、他の可変表示結果の場合と比較して、高い決定割合が割り当てられている。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−4−02〜04とPT4−4−05〜07とPT4−4−08〜10の各区分において、PT4−4−02とPT4−4−05とPT4−4−08とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−04とPT4−4−07とPT4−4−10とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−4−11〜13とPT4−4−14〜16の各区分において、PT4−4−11とPT4−4−14とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−13とPT4−4−16とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。表示段階の変化回数が「3」の表示段階変化パターンPT4−4−17には変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01よりも決定割合が高く設定されている。可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、最終表示態様が「段階4」とはならないため、表示段階変化パターンPT4−4−01〜17には決定割合が割り当てられていない。
このような設定により、保留表示が「段階4」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−4−01が実行される場合には、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高い(「4R」よりも高い)ことを示唆することができる。また、保留表示が「段階4」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。さらに、保留表示の段階が3回変化する場合には、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階4」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−4−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階4」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階4」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。また、「段階1」から「段階4」へ複数段階一気に変化するパターンほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい(例えば、表示段階変化回数が「2」よりも「1」である表示段階変化パターンの方が「大当り(16R)」となる可能性が高く、また、表示段階変化回数が「1」であっても、PT4−4−02〜04が最も「大当り(16R)」となる可能性が高く、次にPT4−4−05〜07が高く、PT4−4−08〜10が最も低いようにしてもよい)。これによれば、複数段階格上げされた効果を発揮する(遊技者にインパクトを与える)ことができ、遊技興趣を向上させることができる。
図56−29(A)〜(D)は、保留数「3」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「3」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンが設定されている。また、図56−30(A)〜(D)は、保留数「2」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「2」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「2」〜「1」に対応する保留表示の表示段階を示す表示段階変化パターンが設定されている。
図56−29(A)〜(D)および図56−30(A)〜(D)に示す表示段階変化パターン決定テーブルにおける決定割合の設定は、上述した図56−27(A)〜図56−28(D)に示す表示段階変化パターン決定テーブルにおける決定割合の設定と同様の特徴を有する。保留表示の最終表示段階に変化するタイミングが早いほど、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆し、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示の変化回数が多いほど、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。
また、この実施の形態では、設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なる例を示したが、この他にも、設定値に応じていずれの表示段階変化パターンとなるかの割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が高いほど、「段階1」→「段階2」→「段階3」→「段階4」の順に段階的に変化するのではなく、「段階1」→「段階3」のように途中を省略して上位の段階に変化する割合が高くなっていたり、設定値が高いほど、最終表示段階に変化するタイミングが早いようにしてもよい。これによれば、最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかだけでなく、変化パターンに対する遊技者の注目を集めることができる。
図56−25に示す保留表示設定処理の説明に戻り、ステップ113AKS102の処理において、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、および、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれでもないと判定した場合(ステップ113AKS102;No)、演出制御用CPU90120は、第1保留表示または第2保留表示の表示態様を、第1段階の表示態様に決定する(ステップ113AKS105)。
ステップ113AKS104またはステップ113AKS105の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS104またはステップ113AKS105の処理にて決定した表示態様にて、画像表示装置905の表示画面の第1保留表示部または第2保留表示部に、第1保留表示または第2保留表示を追加表示させるとともに、入賞音を出力する(ステップ113AKS106)。
ステップ113AKS106の処理を実行した後、またはステップ113AKS101の処理において始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ113AKS101;No)、演出制御用CPU90120は、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ113AKS107)。ステップ113AKS107では、例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグまたは第2変動開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを参照することにより、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定すればよい。変動開始指定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ113AKS107;No)、演出制御用CPU90120は、先読み予告設定処理を終了する。
一方、変動開始指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップ113AKS107;Yes)、演出制御用CPU90120は、第1保留表示や第2保留表示の表示態様が変化することを示唆する(または煽る)作用演出の実行設定を行う作用演出実行設定処理を行う(ステップ113AKS108)。作用演出設定処理には、作用演出を実行するか否かを決定する処理や作用演出を実行するための処理が含まれていればよい。具体的に、可変表示が終了して保留表示がシフトするとき(すなわち新たな可変表示を実行するとき)に、当該保留表示が変化することを示唆する作用演出を実行すればよく、例えば、可変表示が終了して保留表示がシフトするとき(新たな可変表示を実行するとき)に、画像表示装置905において、保留表示に向かって流れ星の演出画像を表示する特定演出が実行されればよい。そして、保留表示の表示態様が変化する場合には、流れ星の演出画像(後述するように、特徴部113AKでは、星型の画像の他、五角形の画像や三角形の画像が設定値に応じて異なる割合で表示される)がその保留表示にぶつかる成功態様の特定演出が実行され、保留表示の表示態様が変化しない場合には、流れ星の演出画像(後述するように、特徴部113AKでは、星型の画像の他、五角形の画像や三角形の画像が設定値に応じて異なる割合で表示される)がその保留表示にぶつからずに、例えば、消滅したり逸れたりする失敗態様の特定演出が実行される。なお、成功態様の特定演出が実行された場合には保留表示の表示態様が変化し、失敗態様の特定演出が実行された場合には保留表示の表示態様が変化しない。なお、ステップ113AKS108における作用演出実行設定処理は、ステップS90171の可変表示開始設定処理にて行われてもよい。
図56−31は、作用演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、特図表示結果が「大当り」または「小当り」である場合には、可変表示の終了後に大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行するので、作用演出を実行しないようにしてもよい。この場合、主基板9011から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定し、「ハズレ」の場合に作用演出実行処理を実行すればよい。また、大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行する前の可変表示中や、大当り遊技状態や小当り遊技状態において作用演出を実行するようにしてもよい。
図56−31に示す当該作用設定処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、保留表示の表示態様がどのように変化するかあるいは維持されるか(保留表示の表示態様変化パターン)に基づいて、図56−32に示す決定割合に従って、作用演出を実行するか否かを判定し、実行する場合における作用演出の態様(作用演出態様として成功態様とするか失敗態様とするか)を合わせて決定する(ステップ113AKS121)。なお、低ベース状態では第1保留表示において先読み予告演出(保留予告演出)が実行可能であり、高ベース状態では第2保留表示において保留予告演出が実行可能である。したがって、ステップ113AKS121では、低ベース状態においては、第1保留表示それぞれに対して作用演出を実行するか否かを判定し、高ベース状態においては、第2保留表示それぞれに対して作用演出を実行するか否かを判定する。なお、この実施の形態では、複数の保留表示に対して作用演出が同時に実行される場合があるようになっている。これに対して作用演出の対象を明確にしたい場合などには、1つの保留表示に対して作用演出を実行するようにしてもよい。この場合、例えば、表示態様が変化する保留表示に対して優先的に作用演出を実行するようにしてもよい。そのようにすることで、一の保留表示に対して失敗態様の作用演出が実行されたにも関わらず、作用演出の対象ではない他の保留表示の表示態様が変化して、演出がかみ合わずに遊技者が戸惑ってしまうことを防止できる。
なお、保留表示の表示態様が変化するタイミングであるかについては、入賞時コマンドバッファに記憶される表示態様変化パターン及びその保留表示番号から特定すればよい。例えば、保留表示番号2に表示態様変化パターンPT4−3−06(図56−27(C)参照)が記憶されている場合には、保留表示の表示態様(表示色)は「青」が維持される(青→青)ことが特定され、保留表示番号4に表示態様変化パターンPT4−4−17(図56−28(D)参照)が記憶されている場合には、保留表示の表示態様(表示色)は「白」から「青」に変化する(白→青)ことが特定される。
図56−32に示すように、保留表示の表示態様(表示色)が維持される場合(例えば、「白→白」等)に作用演出を実行するときには、失敗態様の作用演出を実行することが決定され、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合(例えば、「白→青」等)に作用演出を実行するときには、成功態様の作用演出を実行することが決定される。なお、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合、変化する段階数に応じて作用演出の成功態様の演出態様を変化させてもよい。このようにすることで、作用演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、この他にも、設定されている設定値に応じて作用演出の実行割合が異なるよう、設定値に応じて実行割合が異なるようにしてもよい。
また、図56−32に示すように、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合の方が、変化しない場合よりも作用演出が実行されやすくなっている。例えば、表示態様が「白」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は3%であるのに対して、「白」から「青」に変化する場合には、作用演出の実行割合は30%となっている。また、表示態様が「青」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は5%であるのに対して、「青」から「緑」に変化する場合には、作用演出の実行割合は50%となっている。そして、表示態様が「緑」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は0%であるのに対して、「緑」から「赤」に変化する場合には、作用演出の実行割合は70%となっている。このような設定により、作用演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することを遊技者に示唆することができる。
また、保留表示の表示態様が3段階変化する場合には2段階変化する場合よりも作用演出が実行される割合が高く、保留表示の表示態様が2段階変化する場合には1段階変化する場合よりも作用演出が実行される割合が高くなっている。
この実施の形態では、「白」→「青」→「緑」→「赤」の順に段階的に大当り信頼度が高くなっている。そして、表示態様が「緑」のまま維持される場合には、特定演出は実行されないようになっている。即ち、表示態様が「緑」であるときに作用演出が実行された場合には、必ず「赤」に変化するようになっている。言い換えると、「緑」の表示態様である場合には、失敗態様の特定演出が実行されないようになっている。したがって、保留表示(保留予告演出)の段階が所定段階(ここでは「赤」の一個手前の「緑」)以上である場合には、失敗態様の作用演出が実行されない(成功態様の作用演出をのみ実行可能である)ようにして、遊技者の期待感を損ない、遊技の興趣が低下してしまうことを防止している。
図56−31に戻り、ステップ113AKS121の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS121にて作用演出を実行すると決定したか否か、すなわち、作用演出実行有りか否かを判定する(ステップ113AKS122)。作用演出実行なしの場合(ステップ113AKS122;No)、作用演出実行設定処理を終了する。一方、作用演出実行有りの場合(ステップ113AKS122;Yes)、演出制御用CPU90120は、実行する作用演出の種類として、作用演出にて表示する画像の形状を、設定値に応じて図56−33に示す決定割合にて「五角形」、「三角形」、「星」のいずれかを選択し(ステップ113AKS123)、可変表示が終了して保留表示がシフトするときに、選択された形状の画像を表示する作用演出を実行する設定をしてから作用演出実行設定処理を終了する。なお、この実施の形態における「五角形」の作用演出は、設定値が「1」であることを示唆し、「三角形」の作用演出は、設定値が「2」であることを示唆し、「星」の作用演出は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、作用演出として形状の異なる演出画像が保留表示にぶつかる成功態様と、ぶつからない失敗演出、といったように、作用演出の種類が異なっていても動作は共通する(形状のみ異なる)例を示したが、作用演出の種類に応じて動作(すなわち保留表示に対する作用)が異なっていてもよい。例えば、キャラクタが登場して保留表示に対して作用する種類の作用演出(より具体的には保留表示に対してキャラクタが色を塗る作用を行うなど)や、玉子が孵化するといったように保留表示自体にヒビが入って異なる態様に変化する種類の作用演出など、作用の異なる種類の作用演出が実行されてもよい。
図56−33に示すように、特徴部113AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる形状(異なる種類)により、作用演出を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の作用演出が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図56−33に示すように、「星」の形状の作用演出は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、作用演出として「星」の形状の作用演出が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「五角形」の形状の作用演出および「三角形」の形状の作用演出は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「五角形」の形状の作用演出または「三角形」の形状の作用演出が行われた場合と「星」の形状の作用演出が行われた場合とでは、すなわち、実行される作用演出の種類により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の作用演出が実行可能であり、演出効果を高めることができる。
なお、特徴部113AKでは、成功演出ではなく失敗演出が実行される場合についても、「星」の形状の作用演出が行われるが、成功演出を実行する場合にのみ「星」の形状の作用演出が行われるようにしてもよい。この場合、例えば、実行する作用演出が成功演出であるか失敗演出であるかに応じて参照するテーブルを別々にし、失敗演出の場合には、設定値が「3」であっても「星」の形状の作用演出が実行されないよう決定割合が設定されたテーブルを参照するようにすればよい。
図56−25に戻り、ステップ113AKS108の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップ113AKS109)。受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドではない、すなわち、受信した変動開始指定コマンドが第1変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップ113AKS109;No)、演出制御用CPU90120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納された表示段階変動パターンを参照して、各第1保留表示を各々に対応付けられた表示段階変動パターンに従って変化または維持させ、画像表示装置905の第1保留表示部において、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去するとともに、「2」〜「4」に対応する各第1保留表示の表示位置を1つずつ右方向に移動(シフト)させる(ステップ113AKS110)。ステップ113AKS110では、保留表示の表示態様が変化する前に、ステップ113AKS108にて設定された作用演出が実行される。
ステップ113AKS110の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせ(ステップ113AKS111)、先読み予告設定処理を終了する。
ステップ113AKS109の処理において、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップ113AKS109;Yes)、演出制御用CPU90120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納された表示段階変動パターンを参照して、各第2保留表示を各々に対応付けられた表示段階変動パターンに従って変化または維持させ、画像表示装置905の第2保留表示部において、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去するとともに、「2」〜「4」に対応する各第2保留表示の表示位置を1つずつ左方向に移動(シフト)させる(ステップ113AKS112)。ステップ113AKS112では、保留表示の表示態様が変化する前に、ステップ113AKS108にて設定された作用演出が実行される。
ステップ113AKS112の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせ(ステップ113AKS113)、先読み予告設定処理を終了する。これにより、特徴部113AKにおける先読み予告演出および作用演出が実行される。
図56−34は、作用演出と先読み予告演出が実行された場合における演出動作例を示している。なお、図示する例では、設定値が「3」であるものとする。図56−34(A)に示すように、画像表示装置905の表示画面における飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、可変表示が実行中である。第1保留表示部には、保留表示番号「1」〜「4」に対応する第1保留表示H1〜H4が表示されている。これらの保留表示H1〜H4のうち、保留表示H2は「青」で表示され、保留表示H1、H3、H4は通常態様である「白」で表示されている。なお、保留表示H2は、変動パターンがスーパーリーチA(ハズレ)である保留記憶に基づく保留表示であり、保留表示H4は、変動パターン判定結果がスーパーリーチB(大当り)である保留記憶に基づく保留表示であるものとする。図56−34(A)の第1保留表示H2に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、図56−34(B)に示すように、表示色が「青」の第1保留表示H2に向かって流れ星の演出画像113AK001が飛んで行く特定演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK001が第1保留表示H2にぶつかる前に消滅する失敗態様の特定演出が実行された例を示している。図示するように、図56−34(A)において実行中であった可変表示が終了し、画像表示装置905の表示画面では、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいてハズレ図柄が可変表示結果として導出表示されている。そして、図56−34(C)に示すように、第1保留表示H2は右側にシフトするがその表示色は「青」のままとなり、図56−34(A)および(B)において第1保留表示部に表示されていた保留表示H1に対応する可変表示が開始される。
その後、図56−34(D)に示すように、第1保留表示H4に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、表示色が「白」の第1保留表示H4に向かって流れ星の演出画像113AK002が飛んで行く作用演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK002が第1保留表示H4にぶつかって保留表示の表示態様を変化させる成功態様の作用演出が実行された例を示している。続いて図56−34(E)に示すように、第1保留表示H4は表示態様変化パターンPT4−4−14に従ってその表示色が「白」(段階1)から「緑」(段階3)に変化している。そして、図56−34(F)の第1保留表示H4に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、図56−34(G)に示すように、表示色が「緑」の第1保留表示H4に向かって流れ星の演出画像113AK002が飛んで行く特定演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK002が第1保留表示H4にぶつかって保留表示の表示態様を変化させる成功態様の特定演出が実行された例を示している。そして、図56−34(H)に示すように、第1保留表示H4は右側にシフトして表示色が「赤」に変化している。なお、上述したように、表示色が「緑」である保留表示に対して特定演出が実行された場合には、必ず成功態様の特定演出が実行されて表示色が「赤」に変化するようになっている。したがって、遊技者の期待感を損ない、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(特徴部113AKの変形例)
上記実施の形態では、設定値がいずれに設定されているかに応じて保留表示の最終段階の表示態様がいずれの態様となるかの割合が異なっており、保留表示の表示態様(最終段階の表示態様)により設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)が行われる例を示したが、これは一例である。例えば、最終段階の表示態様が「青」であり、当該保留に対応する可変表示中に行われる演出としてストーリーが展開するスーパーリーチ(ストーリースーパーリーチ)である場合と、バトルを行うスーパーリーチ(バトルスーパーリーチ)である場合と、で示唆内容が異なるようにしてもよい。さらに、ストーリースーパーリーチが行われた場合であっても、当該可変表示に対応する保留表示の最終段階の表示態様が「青」である場合と、「緑」である場合とで示唆内容が異なるようにしてもよい。すなわち、最終段階の保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応する可変表示中における演出との組み合わせにより異なる内容の設定示唆が異なる実行割合で行われてもよい。これによれば、保留表示とその後の変動に行われる演出の組み合わせに対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態における先読み予告演出(保留予告演出)とは別に、例えば、保留表示を、色と種類の異なるキャラクタにて表示し、白キャラAの保留は大当り期待度が低く、白キャラBの保留は大当り期待度が低いものの高設定であることを示唆し、赤キャラAの保留は大当り期待度が高く、赤キャラBの保留は大当り期待度が高く、さらに高設定であることを示唆する、といったように、1つの保留表示にけるキャラの種類および色を複数設け、異ならせこれにより大当り期待度と高設定示唆をそれぞれ報知可能としてもよい。これによれば、大当り期待度の報知と設定示唆とが遊技者に明確に報知されるため、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、保留表示の表示態様を段階的に変化させる先読み予告演出(保留予告演出)が実行される例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を行い、当該アクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい(アクティブ変化演出を実行してもよい)。この場合には、アクティブ表示の表示態様を変化させるか否かを決定し、変化させる場合には、例えばステップ113AKS103の処理において、変化させる最終段階としてアクティブ表示の表示態様を決定し、変化させない場合には、最終段階として保留表示の表示態様を決定すればよい。そして、アクティブ変化演出を実行する場合には、その実行割合や保留表示から順次変化する変化パターン、作用演出の実行割合など、設定値に応じて異なるようにすればよい。また、保留表示の段階で最終段階の表示態様である「赤」となる場合と、保留表示から順次変化してアクティブ表示にて「赤」となる場合とで、例えば、アクティブ表示にて「赤」となる場合の方が、大当り期待度が高いなど、同じ表示態様であっても、保留表示にて表示された場合とアクティブ表示で表示された場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。さらに、設定値に応じて、アクティブ表示にて「赤」となる場合の方が保留表示の段階で最終段階の表示態様である「赤」となる場合よりも大当り期待度が高い場合と、その逆の場合と、があってもよい。
(特徴部113AKに係る手段の説明)
以上の特徴部113AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部113AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
可変表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段(例えばRAM90102の所定領域に保留情報を格納するCPU90103など)と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段(例えば保留表示を表示する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記保留表示手段は、設定されている設定値に応じて、複数の表示態様のうちいずれかの表示態様により前記保留表示を表示可能である(例えば設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なるなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段2の遊技機として、
前記複数の表示態様には、設定されている設定値を示唆する第1態様(例えば特定態様など)と、設定されている設定値を示唆しない第2態様(例えば通常態様など)とを含み、
前記保留表示手段は、設定されている設定値に応じて異なる割合で前記第1態様と前記第2態様のいずれかの表示態様の前記保留表示を表示可能である(例えば設定値がいずれに設定されているかに応じて先読み予告演出の実行割合が異なっているなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段3の遊技機として、
前記保留表示手段は、同一態様の保留表示であっても、設定されている設定値に応じて前記有利度が異なるように前記保留表示を表示可能である(例えば最終段階の保留表示の表示態様が同じ態様であっても、設定値によって大当り期待度が異なるものとなっているなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段4の遊技機として、
前記保留表示手段により表示される保留表示の表示態様と、可変表示中に実行される演出の種類との組み合わせにより設定されている設定値を示唆可能である(例えば最終段階の保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応する可変表示中における演出との組み合わせにより異なる内容の設定示唆が異なる実行割合で行われるなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段5の遊技機として、
所定画像を前記保留表示に作用させることにより前記保留表示の表示態様を変化させる作用演出手段(例えば作用演出を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、
前記作用演出手段は、設定されている設定値に応じて、複数種類の作用演出うちのいずれかの種類の前記作用演出を実行可能である(例えば設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる形状(異なる種類)により、作用演出を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段6の遊技機として、
前記保留表示手段は、前記有利状態に制御される期待度が第1期待度であることを示す第1表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第1期待度であり、かつ設定されている設定値を示唆する第2表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第1期待度よりも高い第2期待度であることを示す第3表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第2期待度であり、かつ設定されている設定値を示唆する第4表示態様と、のいずれかの表示態様により前記保留表示を表示可能である(例えば1つの保留表示におけるキャラの種類および色を複数設け、大当り期待度と高設定示唆をそれぞれ報知するなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段7の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜手段6のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部114AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部114AKについて説明する。図56−35は、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS90521)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS90521;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS90522)。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS90522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90523)。一例として、ステップS90523の処理では、まず、乱数回路90124またはRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS90522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90524)。一例として、ステップS90524の処理では、まず、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS90521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS90521;No)、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これ以外の場合であるかを判定する(ステップS90525)。「小当り」であると判定されたときには(ステップS90525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS90525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS90525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90526)。一例として、ステップS90526の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM90121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置905の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS90523、ステップS90524、ステップS90526、ステップS90527のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、所定演出実行設定処理を行う(ステップ114AKS001)。特徴部114AKにおける所定演出では、例えば2体のキャラクタ(主人公のキャラクタと敵のキャラクタ)がバトルを行うバトル演出(共通演出)が行われ、その演出結果が表示される。また、特徴部114AKにおける所定演出では、共通演出の実行後に設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)が行われることもある。共通演出には、主人公が勝利する成功演出(実行結果が成功となる場合)と主人公が敗北する失敗演出(実行結果が失敗となる場合)とが含まれ(その他、後述するように実行結果が大成功となる場合も含まれる)、成功演出が行われる場合(すなわち共通演出の演出結果として成功の表示が行われる場合)には、失敗演出が行われる場合(すなわち共通演出の演出結果として失敗の表示が行われる場合)よりも高い割合で設定示唆が行われる。ステップ114AKS001における所定演出実行設定処理では、当該共通演出とその演出結果、および設定示唆の実行設定が行われる(すなわち、共通演出と設定示唆を合わせて所定演出という)。共通演出は、成功演出となる場合と失敗演出となる場合とで行われる演出が共通であり、演出結果が異なるものである。なお、この実施の形態では、共通演出としてバトル演出を行う例を示しているが、バトル演出に限られず、例えば、くじ引きをする演出を行い、成功や失敗といった表示結果を表示したり、釣りをする演出を行い、釣れるか否かで成功や失敗を表示するようなものであってもよい。
図56−36は、所定演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図56−36に示す所定演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、共通演出の実行有無を決定する(ステップ114AKS002)。具体的に、ステップ114AKS002の処理では、可変表示結果に基づいて、図56−37に示す決定割合に従って、共通演出の実行有無を決定する。この実施の形態における共通演出は、可変表示中に行われる演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出である。また、例えば、共通演出が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。
ステップ114AKS002の処理に続いて演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS002にて共通演出の実行が「有り」と決定されたか否かを判定する(ステップ114AKS003)。共通演出の実行が「無し」と決定された場合(ステップ114AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま所定演出実行設定処理を終了する。一方、共通演出の実行が「有り」であると判定された場合(ステップ114AKS003;Yes)、共通演出の実行結果を決定する(ステップ114AKS004)。具体的に、ステップ114AKS004の処理では、変動パターン指定コマンドに基づいて変動パターンを特定し、特定した変動パターンに基づいて、図56−38に示す決定割合に従って、共通演出の実行結果を「成功」、「失敗」、「大成功」のいずれかに決定する。なお、図56−38に示すように、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」となる場合には、「失敗」となる場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっている。また、共通演出の実行結果が「大成功」の場合には、スーパーリーチ以上が確定するように、決定割合が割り当てられている。なお、実行結果が「大成功」となる共通演出は、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ決定されるようにしてもよい。
ステップ114AKS004の処理を実行した後、出制御用CPU90120は、実行する共通演出の種類を決定する(ステップ114AKS006)。具体的に、ステップ114AKS006の処理では、ステップ114AKS004で決定した共通演出の実行結果に基づいて、図56−39に示す決定割合に従って、共通演出の種類を「種類A」、「種類B」、「種類C」のいずれかに決定する。この実施の形態における「種類A」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラAであり、「種類B」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラBであり、「種類C」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラCである。なお、このように、バトル演出にて表示されるキャラクタの種類が異なるのではなく、「種類A」の共通演出ではバトル演出が行われ、「種類B」の共通演出では、くじびきを行う演出が行われ、「種類C」の共通演出では、釣りを行う演出が行われるなど、それぞれの演出自体が異なっていてもよい。
図56−39に示すように、特徴部114AKでは、「種類A」、「種類B」、「種類C」のいずれの種類の共通演出が実行されるかに応じて、共通演出の実行結果が「成功」、「失敗」、「大成功」のいずれとなるかの割合が異なるように決定割合が設定されている。具体的に、特徴部114AKでは、実行される共通演出の種類に応じて当該共通演出の実行結果がいずれの結果となるかの割合が異なっており、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合には、「種類C」<「種類B」<「種類A」といった順に、実行される割合が高くなっている。なお、共通演出の実行結果が「大成功」となる割合は、他の実行結果よりも低いことから、例えば、実行結果が「成功」となる割合の最も低い「種類C」の共通演出が実行された場合には、「種類A」または「種類B」の共通演出が実行された場合よりも実行結果が「大成功」となる割合が高くなるようにしてもよい。これによれば、実行結果が「失敗」となる割合の高い「種類C」の共通演出が行われた場合であっても、「大成功」となる可能性が他の種類の共通演出よりも高いため、遊技者に期待感を与えることができる。
図56−36に戻り、ステップ114AKS006の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS004にて決定した共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」であるか否かを判定する(ステップ114AKS007)。共通演出の実行結果が「成功」でも「大成功」でもない場合、すなわち「失敗」である場合(ステップ114AKS007;No)、演出制御用CPU90120は、所定演出実行設定処理を終了する。一方、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」である場合(ステップ114AKS007;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行設定を行う設定示唆実行設定処理を実行してから(ステップ114AKS008)、所定演出実行設定処理を終了する。
図56−40は、図56−36のステップ114AKS008にて実行される設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図56−40に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行有無を決定する(ステップ114AKS111)。具体的に、ステップ114AKS111の処理では、可変表示結果に基づいて、図56−41に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。特徴部114AKにおける設定示唆は、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」である場合に、共通演出の実行結果に合わせて表示され得る演出であり、共通演出の実行結果が「失敗」である場合には実行されない。そのため、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合に、さらなる遊技者の興味を引きつけることができ、演出効果を高めることができる。なお、共通演出の実行結果が「失敗」となる場合であっても、「成功」または「大成功」の場合と比較して低い割合で設定示唆が実行されてもよい。図56−41に示すように、特徴部114AKでは、可変表示結果が「大当り」となる場合、「ハズレ」となる場合よりも設定示唆が行われる割合が高くなっている。したがって、設定示唆によりいずれの設定値の示唆が行われるかといった設定示唆の内容だけでなく、当該設定示唆が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、この実施の形態では、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合に、設定示唆が実行されない場合がある例を示しているが、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合には必ず設定示唆が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、図56−36に示すステップ114AKS007の処理を実行せず、ステップ114AKS008の処理において、図56−41に示す決定割合ではなく、例えば「成功」または「大成功」の場合には「実行有り」に100%、「失敗」の場合には「実行無し」に100%といった決定割合に設定されたテーブルを参照することにより設定示唆の実行有無を決定すればよい。また、この実施の形態では、共通演出の実行設定を行った後に設定示唆の実行設定を行う例を示したが、設定示唆の実行設定を行った後に、共通演出の実行設定を行ってもよい。この場合、例えば、設定示唆を実行する場合には、共通演出として成功演出を実行するよう設定し、設定示唆を実行しない場合には、共通演出として失敗演出を実行するよう設定すればよい。
図56−40に戻り、ステップ114AKS111の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS111にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆の実行が「有り」と決定されたか否かを判定する(ステップ114AKS112)。設定示唆の実行が「無し」であると判定された場合(ステップ114AKS112;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、設定示唆の実行が「有り」であると判定された場合(ステップ114AKS112;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様を決定してから(ステップ114AKS113)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ114AKS113の処理では、共通演出の実行結果が「成功」であるか「大成功」であるかに応じて図56−42(A)または図56−42(B)に示す決定割合に従い、設定示唆態様1〜設定示唆態様3のいずれかの実行態様を、設定値に応じて決定する。この実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、設定値が「1」であることを示唆し、「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値が「2」であることを示唆し、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図56−42に示すように、特徴部114AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる態様により設定示唆を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図56−42に示すように、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」の設定示唆、または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。さらに、図56−42(B)に示すように、共通演出の実行結果が「大成功」の場合には、図56−42(A)に示すように、共通演出の実行結果が「成功」である場合よりも示唆の信頼度が高くなるように、決定割合が割り当てられている。具体的に、共通演出の実行結果が「大成功」であり設定値が「1」の場合には、共通演出の実行結果が「成功」であり設定値が「1」である場合よりも高い割合で「設定示唆態様1」の態様の設定示唆が実行されるように決定割合が設定されている。また、共通演出の実行結果が「大成功」であり設定値が「2」の場合には、共通演出の実行結果が「成功」であり設定値が「2」である場合よりも高い割合で「設定示唆態様2」の態様の設定示唆が実行されるように決定割合が設定されている。すなわち、特徴部114AKでは、共通演出の実行結果が「成功」となったときよりも、「大成功」となったときの方が、示唆される設定値の信頼度が高いこととなる。したがって、共通演出の実行結果により示唆の信頼度が異なるため演出効果を高めることができる。なお、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、共通演出の実行結果がいずれであっても、設定値「3」であることが確定することになるが、この実施の形態では、共通演出の実行結果が「大成功」である場合の方が、「成功」である場合よりも「設定示唆態様3」の設定示唆が行われる割合が高くなっている。そのため、共通演出の実行結果が「大成功」となるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、共通演出の実行結果が「成功」となった場合と、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合とで、例えば、「大成功」となった場合には、「成功」となった場合よりも設定示唆の表示を大きく表示したり、異なる表示色としたり、特殊音を出力するなど、共通演出の実行結果に応じて、同じ「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」でも異なる表示態様としてもよい。また、例えば、共通演出の実行結果が「成功」となった場合と、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合とで、それぞれ設定示唆の信頼度を合わせて表示するようにしてもよく、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合には、共通演出の実行結果が「成功」となった場合よりも信頼度が高いことを示す表示を行うようにしてもよい。
図56−35に戻り、ステップ114AKS001の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、その他の演出実行設定を行う(ステップS90531)。例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ908L、908Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ909などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS90531の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ909に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90532)。このとき、演出制御用CPU90120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。 ステップS90532の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90533)。続いて、画像表示装置905における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90534)。このときには、例えばステップS90532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置905の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90535)、可変表示開始設定処理を終了する。
図56−43は、共通演出と設定示唆(示唆演出)の演出動作例を示す図である。図56−43(A)に示すように可変表示が開始され、共通演出の実行期間となると、図56−43(B)に示すように種類Aの共通演出として、キャラAと敵キャラクタとがバトルを行うバトル演出114AK001が行われる。なお、共通演出実行期間は、図56−35のステップ114AKS001にて設定される。そして、図56−43(C)に示すように、バトル演出が進行し、成功演出となる場合、図56−43(D−1)に示すように、当該共通演出の実行結果としてキャラAが勝利し「成功!!」のメッセージ表示が行われるとともに、設定示唆として「設定3!?」といった示唆表示114AK003が行われる。図示する例では「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた例を示している。一方、失敗演出となる場合には、図56−43(D−2)に示すように、当該共通演出の実行結果としてキャラAが敗北し「失敗!!」のメッセージ表示が行われる。なお、失敗演出が実行される場合には、設定示唆は実行されないことから、図示する例では示唆表示114AK003が行われていない。なお、共通演出の実行結果が「大成功」となる場合には、図56−43(D−1)と同様に、「大成功」であることを示すメッセージ表示が行われればよいが、「成功」の場合とは異なり、例えば「成功」の場合よりも大きく表示するなど、遊技者がより認識しやすい態様で表示されればよい。また、共通演出の実行結果が「大成功」となる場合には、図56−43(D−1)とは異なる態様で、より遊技者に認識しやすい態様で設定示唆が行われてもよい。
(特徴部114AKの変形例)
上記実施の形態では、図56−42に示すように、共通演出の実行結果が「成功」であるか「大成功」であるかに応じて、設定示唆が行われた場合、同じ態様の設定示唆であっても示唆の信頼度が異なる例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、図56−40のステップ114AKS113において、共通演出の種類に応じて、図56−44(A)〜(C)に示す決定割合に従い、設定示唆の実行態様を決定すればよい。図56−44に示す「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」は、上記実施の形態と同様、それぞれ設定値が「1」〜「3」であることを示唆するものとなっている。図56−44に示すように、この変形例では、実行される共通演出の種類が種類Aである場合、種類Bである場合よりも設定示唆が実行されたときに、その信頼度が高くなるように決定割合が設定されている。また、実行される共通演出の種類が種類Bである場合、種類Cである場合よりも設定示唆が実行されたときに、その信頼度が高くなるように決定割合が設定されている。すなわち、種類A>種類B>種類Cといった順に、設定示唆が行われた場合にその信頼度が低くなっている。このように、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるようにすることで、実行される共通演出の種類に対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。
また、この変形例では、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なる例を示したが、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆内容が異なるようにしてもよい。例えば、実行された共通演出の種類が種類Aであれば、設定示唆にて設定値が「1」〜「3」のいずれかであるか、すなわち設定値そのものを示唆し、実行された共通演出の種類が種類Bであれば、設定示唆にて高設定である確率を示唆し(例えば高設定である確率を星の数で示唆するなど)、実行された共通演出の種類が種類Cであれば、設定示唆にて設定値が「1」でないことや奇数の設定値であること、偶数の設定値であること、などを示唆するようにしてもよい。このように、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆内容が異なるようにすることで、様々な設定示唆を視認することができ、演出効果を高めることができる。
(特徴部114AKに係る手段の説明)
以上の特徴部114AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部114AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて異なる割合で示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、共通演出の演出結果が第1結果となった後に前記示唆演出を実行せず、前記共通演出の演出結果が第2結果となった後に前記示唆演出を実行する(例えば共通演出の実行結果が「失敗」である場合には設定示唆を実行せず、「成功」である場合に実行するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段2の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記共通演出の演出結果が第3結果となった場合、前記第2結果となったときよりも示唆される設定値の信頼度が高い態様で前記示唆演出を実行する(例えば共通演出の実行結果が「大成功」となった場合には、「成功」となった場合よりも、設定示唆が行われた場合における示唆の信頼度が高いなど)
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段3の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記共通演出の演出結果がいずれとなるかの割合が異なる(例えば実行される共通演出の種類に応じて、共通演出の実行結果がいずれの結果となるかの割合が異なっているなど)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段4の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記示唆演出が実行された場合に示唆される設定値の信頼度が異なる(例えば実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるなど)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段5の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記示唆演出が実行された場合に示唆される内容が異なる、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部115AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部115AKについて説明する。図56−45は、特徴部115AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部115AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図56−35参照)に代えて、ステップ115AKS001にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ115AKS001における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理であり、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、遊技者が遊技を終了するタイミングとなったなどの所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出である。
図56−46は、図56−45のステップ115AKS001にて行われる設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図56−45に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ115AKS002)。具体的に、ステップ115AKS002の処理では、実行対象の可変表示が、時短状態の終了条件を成立する可変表示であるか、すなわち時短終了回の可変表示であるか否か、に基づいて、図56−47に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。時短終了回とは、大当り遊技状態の終了時に設定された回数の特図ゲームの最終回(例えば、設定された回数が「100」であれば、大当り終了後の100回目の可変表示)のことをいう。そして、ステップ115AKS002において、時短終了回の可変表示であるか否かは、時短状態において可変表示が実行される度にカウントされたカウント値と、大当り終了時に設定された回数とを比較して一致するか否かにより行われればよい(なお、大当り終了時に設定された時短カウント値を、可変表示の終了時に減算していくような場合には、当該時短カウント値が「1」であるか否かにより、時短終了回であるか否かを判定すればよい)。なお、時短終了回の可変表示が終了した場合には、時短状態であることを示す時短フラグと、当該カウント値(大当り終了時に設定された回数も含む)がクリアされることとなる。
図56−47に示すように、特徴部115AKでは、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に、そうでない場合(時短状態ではなく通常状態である場合も含む)よりも高い割合で設定示唆を実行すると決定する。そのため、時短終了回の可変表示に対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。なお、図示する例では、実行対象の可変表示が時短終了回ではない場合(通常状態である場合も含む)についても設定示唆を実行する例を示しているが、時短終了回である場合にのみ設定示唆を実行すると決定してもよい。また、ステップ115AKS002の処理では、時短終了回の可変表示であるか否かに加え、さらに、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより、設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、時短終了回の可変表示であり、可変表示結果が「大当り」である場合>時短終了回の可変表示であり、可変表示結果が「ハズレ」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、可変表示結果が「大当り」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、可変表示結果が「ハズレ」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、時短終了回の可変表示であり、設定値が「3」である場合>時短終了回の可変表示であり、設定値が「2」である場合>時短終了回の可変表示であり、設定値が「1」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「3」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「2」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。すなわち、時短終了回の可変表示であるか否かに加え、設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行してもよい。さらに、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示であるか否かに関わらず、設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行してもよい。
図56−46に戻り、ステップ115AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ115AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち、設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ115AKS003)。設定示唆実行なしの場合(ステップ115AKS003;No)、設定示唆実行設定処理を終了する。一方、設定示唆実行有りの場合(ステップ115AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、実行対象の可変表示が時短状態の終了条件を成立する可変表示であるか、すなわち時短終了回の可変表示であるか否かを判定する(ステップ115AKS004)。時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合(ステップ115AKS004;No)、演出制御用CPU90120は、図56−48(A)に示す通常テーブルを参照用のテーブルとして選択する(ステップ115AKS005)。これに対し、時短終了回の可変表示である場合(ステップ115AKS004;Yes)、演出制御用CPU90120は、図56−48(B)に示す特別テーブルを参照用のテーブルとして選択する(ステップ115AKS005)。
図56−48に示す通常テーブルおよび特別テーブルは、設定示唆の実行態様を決定するため(後述するステップ115AKS007の処理を行うため)に参照されるテーブルであり、当該通常テーブルおよび特別テーブルは、設定示唆の実行態様として「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」のそれぞれに対し、設定されている設定値に応じて決定割合が割り当てられている。この実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、設定値が「1」であることを示唆し、「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値が「2」であることを示唆し、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図56−48(A)に示す通常テーブルでは、図示するように、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「3」である場合にのみ決定されるよう、決定割合が設定されている。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」の設定示唆、または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。これに対し、図56−48(B)に示す特別テーブルでは、図示するように、通常テーブルとは異なり、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「1」〜「3」のいずれであっても決定され得るよう、決定割合が設定されている。したがって、時短終了回の可変表示では、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、設定値が「3」であることを示唆する設定示唆(すなわち高設定であることを示唆する設定示唆)が行われる割合が高い。一方で、時短終了回の可変表示では、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「1」〜「3」のいずれであっても決定され得ることから、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、示唆の信頼度が低くなっている。ここで、時短終了回の可変表示が終了すると、時短状態が終了することとなる。そのため、当該時短終了回の可変表示が終了することにより、有利な状態が終了したとして、遊技者は遊技を終了することが多々ある。特徴部115AKでは、時短終了回の可変表示において、高設定であることを示唆する設定示唆が、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行されることから、遊技者の遊技を継続させることができ、稼働率を向上させることができる。また、示唆の信頼度は低いものの、時短終了回の可変表示では、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、設定値が「3」であることを示唆する設定示唆(すなわち高設定であることを示唆する設定示唆)が行われる割合が高いことから、遊技者は高設定であることを示唆する設定示唆を認識しやすくなり、遊技を継続させることができ、稼働率を向上させることができる。
図56−46に戻り、ステップ115AKS005またはステップ115AKS006の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ115AKS005またはステップ115AKS006にて選択したテーブルに基づいて、設定値に応じて、実行する設定示唆態様を決定し(ステップ115AKS007)、設定示唆実行設定処理を終了する。なお、ステップ115AKS007の処理では、設定示唆の実行態様を決定するとともに、当該設定示唆の実行タイミングなど(設定示唆実行期間も含む)についても決定されればよい。このようにステップ115AKS001における設定示唆実行設定処理が行われ、設定示唆の実行設定が行われると、ステップS90172の可変表示中演出処理において、設定示唆実行期間に設定示唆が実行されることとなる。なお、例えば、図56−48(A)に示す通常テーブルにおける設定示唆態様よりも、図56−48(B)に示す特別テーブルにおける設定示唆態様の方が、すなわち、時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも遊技者にとって認識しやすい態様で設定示唆が行われてもよい。すなわち、通常テーブルに基づいて決定された設定示唆態様1よりも、特別テーブルに基づいて決定された設定示唆態様1の方が、大きく表示されたり、輝度が高かったり、出力される音量が大きいなど、遊技者が認識しやすい態様となっていてもよい。これによれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
図56−49は、特徴部115AKにて実行される設定示唆の演出動作例を示す図である。図56−49(A)に示すように大当り遊技状態の終了時において、時短制御が行われる可変表示の回数が報知される(図示する例では20回)。そして、大当り遊技状態が終了し、可変表示が開始されると、図56−49(B)に示すように設定示唆が行われる。図56−49(B)に示す例では、当該可変表示が時短終了回である20回目の可変表示ではないため、図56−46のステップ115AKS005にて通常テーブルが選択され、当該通常テーブルに基づいて決定された態様の設定示唆が行われる。そして、図56−49(C)に示すように、時短終了回である20回目の可変表示が開始されると、ステップ115AKS006にて特別テーブルが選択され、当該特別テーブルに基づいて決定された態様の設定示唆が行われる。なお、図56−49(B)に示す例では、「設定示唆態様2」の設定示唆が行われ、図56−49(C)に示す例では、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合を示している。また、図示する例では、時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも、設定示唆の表示サイズが大きく、かつ表示枠の態様を異ならせて、遊技者にとって認識しやすい態様で実行された場合について示している。また、上述したように、設定値がいずれであっても、時短終了回では「設定示唆態様3」の設定示唆が行われ得ることから(時短終了回以外よりも高い割合で行われることから)、図56−49(C)に示す例では、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合を示している。このように、時短終了回の可変表示において「設定示唆態様3」の設定示唆、すなわち高設定であることを示唆する設定示唆が行われることで、時短状態の終了に合わせて遊技を終了してしまう、といったことを抑制し、遊技継続を好適に促進することができる。なお、この実施の形態では、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)においても設定示唆が実行され得る例を示したが、時短終了回以外では設定示唆が実行されないようにしてもよい。また、例えば、時短終了回の可変表示に近づくほど設定示唆の実行割合が高くなるようにしてもよい。また、この実施の形態では、図56−47に示すように、時短終了回の可変表示にて設定示唆が実行されない場合がある例を示したが、時短終了回の可変表示では必ず設定示唆が行われるようにしてもよい。また、時短終了回であるか否かに関わらず設定示唆が行われるようにしてもよい。なお、例えば5日間など、数日間に亘る遊技データ(変動回数、大当り回数、払出玉数、連荘割合など)を記憶しておき、当該記憶した遊技データに基づいて、その日に実行する設定示唆の実行態様や実行割合を異ならせてもよい。具体的に、設定されている大当り確率が1/300である場合、5日間の遊技データとして記憶されている大当り確率が1/500であるときには、設定示唆を行う割合を高くしてもよい。また、前日の払出玉数が差玉で10000発以上である場合、低設定であっても、高設定であることを示唆する態様の設定示唆が高い割合で実行されるようにしてもよい。
(特徴部115AKの変形例)
上記実施の形態では、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に、時短終了回以外の可変表示である場合よりも高い割合で設定示唆を実行する例を示したが、これは一例である。特徴部115AKでは、遊技者が遊技を終了してしまうようなタイミング(所定条件が成立するタイミング)において高設定であることを示唆する示唆演出が高い割合で実行されれば、時短終了回の可変表示中のタイミングに限られず、所定条件が成立するタイミングは、任意のタイミングであってもよい。例えば、連続して大当りとなる連荘の終了時のタイミング、遊技者の使用金額が10000円などといった特定金額となったタイミング、予め定められた可変表示回数(例えば確変状態終了後100回など)に達したタイミング、遊技場に設置された所定の遊技機全体で一斉に行われる一斉演出が終了したタイミング、確変潜伏状態を示す背景から通常の背景に切り替わったタイミング、遊技場の閉店1時間前のタイミングなどといったタイマにて設定されたタイミングなど、所定条件が成立するタイミングは、任意のタイミングであってよい。また、当該所定条件が成立するタイミングは、複数タイミングあってもよく、遊技機の管理者が設定可能であればよい。なお、連荘の終了時のタイミングは、例えば、初回の大当りから、時短状態中における大当りを連続した大当り(連荘)とし、当該時短状態の終了時を連荘の終了時のタイミングとして判定すればよい。また、遊技者の使用金額が10000円などといった特定金額となったタイミングについては、例えば、遊技者が貸玉ボタンを20回押したことで特定金額分(この場合は1万円分)となったことを判定すればよい。一斉演出は、例えば、可変表示が行われていない期間であっても、遊技球を発射している期間や発射していない期間において、遊技場に設置された複数のパチンコ遊技機901について、リアルタイムクロック機能(RTC機能)により予め定められた時刻になる毎、また、電源投入から所定時間経過する毎などのように、所定期間毎に一斉に行われる演出である。そして、一斉演出の終了タイミングは、当該RTC機能により予め定められた時刻となってから一斉演出の実行期間経過したことをもって判定すればよい。また、確変潜伏とは、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定困難にするものをいい、例えば確変状態に制御されているか否かに関わらず共通の背景画像を表示することにより、確変状態に制御されているか否かを特定困難にすることをいう。そして、確変潜伏状態を示す背景から通常の背景に切り替わったタイミングは、当該共通の背景画像から、確変が潜伏されていないことを示す通常の背景画像(例えば通常状態中に表示される背景画像)に切り替わったタイミングを判定すればよい。なお、上記実施の形態では、時短終了回の可変表示である場合に設定示唆を行う例を示したが、例えば、時短終了回の可変表示の前後3回の可変表示においても設定示唆を行うようにしてもよい。
(特徴部115AKに係る手段の説明)
以上の特徴部115AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部115AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、所定条件が成立した場合に前記示唆演出を実行可能である(例えば実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に設定示唆を実行するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部115AKに係る手段2の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立した場合、前記所定条件が成立していない場合よりも高い割合で、前記示唆演出として、設定されている設定値が、複数種類のうち、遊技者にとって有利度の高い設定値であることを示唆する(例えば時短終了回の可変表示では、高設定であることを示唆する設定示唆を、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行するなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
特徴部115AKに係る手段3の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立していない場合においても前記示唆演出を実行可能であり(例えば時短終了回以外の可変表示にて設定示唆を実行可能であるなど)、
前記所定条件が成立した場合には、前記所定条件が成立していない場合よりも高い割合で前記示唆演出を実行する一方、前記所定条件が成立していない場合に実行される前記示唆演出よりも示唆される設定値の信頼度が低い(例えば時短終了回の可変表示では、高設定であることを示唆する設定示唆を、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行するものの、示唆の信頼度が低いなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
特徴部115AKに係る手段4の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立していない場合においても前記示唆演出を実行可能であり(例えば時短終了回以外の可変表示にて設定示唆を実行可能であるなど)、
前記所定条件が成立した場合には、前記所定条件が成立していない場合よりも、示唆される設定値が認識しやすい態様の前記示唆演出を実行する(例えば時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも遊技者にとって認識しやすい態様で設定示唆が行われるなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部115AKに係る手段5の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部116AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部116AKについて説明する。図56−50は、特徴部116AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部116AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図56−35参照)に代えて、ステップ116AKS001にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ116AKS001における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理である点で、特徴部115AKにおける設定示唆実行設定処理と共通するが、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出であるのに対し、特徴部116AKにおける設定示唆は、特徴部115AKのような所定条件に関わらず実行される演出であり、実行態様に応じて遊技者の認識しやすさが異なる演出である点で相違する。特徴部116AKにおけるステップ116AKS001の設定示唆実行設定処理では、このように、特徴部115AKとは異なる設定示唆の実行設定を行う。
図56−51は、図56−50のステップ116AKS001にて行われる設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図56−51に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ116AKS002)。具体的に、ステップ116AKS002の処理では、可変表示結果に基づいて、図56−52に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態における設定演出は、可変表示中に行われる演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出となっている。また、ステップ116AKS002の処理では、例えば、設定示唆が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が「3」である場合>設定値が「2」である場合>設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。さらに、可変表示結果に加えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「1」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。
図56−51に戻り、ステップ116AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ116AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ116AKS003)。設定実行示唆なしの場合、すなわちステップ116AKS002にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ116AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、ステップ116AKS002にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ116AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し(ステップ116AKS004)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ116AKS004の処理では、設定されている設定値に基づいて、図56−53に示す決定割合に従って、「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」のいずれかを、設定示唆の実行態様として決定する。
この実施の形態における「設定示唆態様1」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出であり、設定値が「1」であることを示唆するものとなっている(図56−54(A)参照)。また「設定示唆態様2」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力する態様の演出であり、設定値が「2」であることを示唆するものとなっている(図56−54(B)参照)。「設定示唆態様3」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であり、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている(図56−54(C)参照)。すなわち、特徴部116AKにおける設定示唆は、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい態様となっている。したがって、実行される設定示唆の態様によって、示唆される内容の認識しやすさが異なるため、演出効果を高めることができる。また、「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出であることから、遊技者のみが認識可能な態様であり、「設定示唆態様3」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であることから、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員なども認識可能な態様である。このように特徴部116AKでは、遊技者のみが認識可能な態様の設定示唆と、遊技者以外も認識可能な態様の設定示唆が行われるため、演出効果を高めることができる。また、低設定値であることを示唆する設定示唆については遊技者のみが認識可能な態様で設定示唆が行われ、高設定値であることを示唆する設定示唆については遊技者以外も認識可能な態様で設定示唆が行われることから、高設定であることが遊技者以外にも認識可能な上、低設定値であることは遊技者以外には認識されないことから、演出効果を高めることができる。なお、例えば、画像表示装置905における表示の大小や色相を異ならせることで認識しやすさを異ならせてもよい。また、役物を動作させる設定示唆があってもよい。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図56−53に示すように、特徴部116AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆が実行されるよう、設定値に応じてそれぞれの実行態様に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる実行態様の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図56−53に示すように、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、特徴部116AKでは、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆は、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも示唆の信頼度が高くなっている。なお、例えば、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に、示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。すなわち、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい例を示したが、これとは別に、設定が「1」であることを示唆する設定示唆であっても、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるのみの態様と、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させ、さらに画像表示装置905にて表示を行う態様など、同じ設定値を示唆する設定示唆であっても、遊技者が認識しやすい態様とそうでない態様とを設け、例えば可変表示結果に応じて異なる決定割合にていずれかの態様を決定するようにしてもよい。
図56−51におけるステップ116AKS004では、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し、これに合わせて実行する設定示唆の実行タイミングなど(設定示唆実行期間も含む)が決定される。特徴部116AKでは、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定する。「設定示唆態様3」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であることから、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員などといった周囲の者も認識可能な態様となっている。そのため、当該「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定することにより、他の遊技者など、当該パチンコ遊技機901の遊技者以外にも高設定であることを示唆する設定示唆が行われたことを、より好適に認識させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
(特徴部116AKの変形例)
上記実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出である例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば、プッシュボタン9031Bを振動させるなど、遊技者のみが認識可能な態様であれば任意の態様であってよい。なお、遊技者のみが認識可能な態様には、遊技者以外が認識不可能な態様の他、遊技者以外が認識困難な態様が含まれる。そのため、例えば、「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30やプッシュボタン9031Bを振動させる態様の演出に限られず、「設定示唆態様1」の設定示唆には、例えば、画像表示装置905において、当該パチンコ遊技機901の隣に設置されたパチンコ遊技機の遊技者から認識困難な態様(小さい表示サイズや、背景色と同色で表示するなど)にてメッセージを表示することや、当該パチンコ遊技機901の隣に設置されたパチンコ遊技機の遊技者が認識困難な程度の音量で音声を出力することなどが含まれる。
また、上記実施の形態では、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定することで、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員などといった周囲の者も、より好適に認識可能にする例を示したが、これは一例である。例えば、これとは反対に、「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも短い期間に設定するようにしてもよい。これによれば、高設定であることが示唆されたことを周囲の者に認識されにくくなるため、当該パチンコ遊技機901の遊技者に特別感を与えることができる。
(特徴部116AKに係る手段の説明)
以上の特徴部116AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部116AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出を実行可能である(例えば「設定示唆態様1」や「設定示唆態様2」の設定示唆よりも「設定示唆態様3」の設定示唆の方が示唆内容を認識しやすいなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段2の遊技機として、
前記複数種類の示唆演出のうち、認識しやすい示唆演出は、認識しにくい示唆演出よりも示唆される前記設定値の信頼度が高い(例えば「設定示唆態様3」の設定示唆は、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも示唆の信頼度が高いなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段3の遊技機として、
前記複数種類の示唆演出のうち、認識しやすい示唆演出は、認識しにくい示唆演出よりも前記設定値を示唆する期間が長い(例えば遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定するなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段4の遊技機として、
認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出は、示唆される前記設定値を遊技者のみが認識可能な示唆演出と(例えば打球操作ハンドル9030を振動させる態様の演出であるなど)、示唆される前記設定値を遊技者以外の者も認識可能な示唆演出とを含む(例えば打球操作ハンドル9030を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であるなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段5の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
また、特開2010−200902号公報に記載の遊技機の問題を解決する特徴部116AKに係る手段Aの遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出を実行可能であり(例えば「設定示唆態様1」や「設定示唆態様2」の設定示唆よりも「設定示唆態様3」の設定示唆の方が示唆内容を認識しやすいなど)、
さらに、
動作可能に設けられた可動体(例えば、リール301L、301C、301R)と、
前記可動体を動作させるための駆動力を発生する駆動手段(例えば、リールステッピングモータ307L、307C、307R)と、
前記駆動手段の駆動制御を、クロック信号(例えば、制御用クロック信号)と複数の異なる制御信号(例えば、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号)との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段(例えば、モータ駆動回路85、86、87)と、
前記可動体の動作を伴う可動体演出(例えば、変動表示演出)の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御基板80)と、
前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアル制御データ(例えば、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データ)を複数の異なる制御信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能であるとともに、前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアルクロックデータ(例えば、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを制御用クロック信号)をクロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な信号変換手段(例えば、シリアル信号回路89)と、を備えることを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。また、駆動制御手段に入力されるクロック信号を、演出制御手段がシリアルクロックデータによって直接管理することができ、個別のクロック信号発生回路からのシリアル信号に同期していない不適切なクロック信号が駆動制御手段に入力されることにより不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、設定値と可動体とを関連付けてもよい。例えば、設定された値に応じて可動体が可動する割合を異ならせるようにしてもよい。設定値3が設定された場合は設定値1が設定された場合よりも可動体が可動する割合が高くなる様にすることで遊技者は可動体から設定値を推測することができ興趣が向上する。
また、可動体の動作を伴う可動体演出の態様によって設定値を示唆するようにしてもよい。例えば、可動体演出の態様を複数種類の中から抽選等により選択するとともに、設定されている設定値によって可動体演出の各態様の選択割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、特定種類の態様による可動体演出が行われやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、可動体演出の態様が変化に富み、しかも、可動体演出の各態様の出現割合によって設定値を推測する機会を遊技者に与えることができるので、遊技興趣を向上させることができる。
また、示唆演出と可動体とを関連付けてもよい。例えば、認識しやすい示唆演出の場合は可動体を可動させず、認識し難い示唆演出の場合に可動体を可動させることで視認性を低下させる様にしてもよい。そうすることで可動体の可動の有無や示唆演出の種類により注目させることができ興趣が向上する。
なお、上記した特徴部116AKの手段1の遊技機に適用できる特徴部116AKの手段2〜手段5に記載の遊技機は、上記した特徴部116AKの手段Aの遊技機にも適用することができる。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部117AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部117AKについて説明する。図56−55は、特徴部117AKにて実行される設定示唆モード設定処理の一例を示すフローチャートである。図56−55に示す設定示唆モード設定処理は、ステップS9076の演出制御プロセス処理(より具体的には図43のステップS90161の処理の後など)にて実行される処理である。特徴部117AKでは、遊技店員などの遊技機の管理者(遊技管理者)による操作により、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行割合や実行タイミング、示唆の方法などが異なる複数のモードからいずれかのモード(設定示唆モード)を選択可能である。すなわち、特徴部117AKでは、設定示唆に関する設定が可能である。具体的に、遊技店員などの遊技管理者により設定示唆モード設定用の設定示唆モードスイッチが押下されると(演出制御基板9012の、当該遊技管理者のみ操作可能な位置(例えばパチンコ遊技機901の裏側など)に設けられていればよい)、演出制御用CPU90120は、続けて行われる遊技管理者の操作にしたがって、設定示唆モードを選択する。図56−55に示す設定示唆モード設定処理は、設定示唆モードスイッチが押下されたことに基づいて、設定示唆モードをいずれかのモードに選択する処理である。なお、パチンコ遊技機901の裏側に設けられた設定示唆モードスイッチが押下された後は、画像表示装置905に当該複数の設定示唆モードが表示され、例えばスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する遊技管理者の操作により、いずれかの設定示唆モードが選択可能となっている。なお、この実施の形態では、設定示唆の実行割合、実行タイミング、示唆方法の組合せが予め設定された設定示唆モードを複数の中から選択する例を示しているが、例えば、設定示唆の実行割合、実行タイミング、示唆方法をそれぞれ個別に選択可能としてもよい。なお、例えば、当該設定示唆モード設定処理は、電源投入後、所定期間内(例えば3秒以内)に実行されるようにしてもよい。この場合、電源投入後所定期間内に設定示唆モードスイッチが押下されることで、いずれかの設定示唆モードが選択可能となればよい。
図56−55に示す設定示唆モード設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆モード設定画面が画像表示装置905に表示中であるか否かを判定する(ステップ117AKS001)。設定示唆モード設定画面は、例えば図56−59(A)に示すように、複数用意された設定示唆モードを一覧表示し、遊技管理者による選択によりいずれかのモードを選択可能とする画面である。設定示唆モード設定画面が表示中でなければ(ステップ117AKS001;No)、主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップ117AKS002)。主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信していなければ(ステップ117AKS002;No)、設定示唆モード設定処理を終了する。
主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信していれば(ステップ117AKS002;Yes)、設定示唆モードをいずれかに選択するための設定示唆モード設定画面を画像表示装置905に表示させる(ステップ117AKS003)。続いて、ステップ117AKS001にて、設定示唆モード設定画面が表示中である場合や(ステップ117AKS001;Yes)、ステップ117AKS003の処理で設定示唆モード設定画面を表示した後には、操作手段により設定示唆モート゛の選択操作がなされたか否かを判定する(ステップ117AKS004)。設定示唆モードの選択操作がなければ(ステップ117AKS004;No)、設定示唆モード設定処理を終了する。
設定示唆モードの選択操作がなされた場合は(ステップ117AKS004;Yes)、例えば、RAM90122に設けられた演出制御用データ保持エリアの設定示唆モード格納領域に、選択された設定示唆モードを特定可能な情報を格納することにより、当該選択された設定示唆モードを記憶する(ステップ117AKS005)。なお、設定示唆モード格納領域には、初期値として、いずれかの設定示唆モードが格納されていればよい。例えば、初期値として「設定示唆モード2」が格納される。ステップ117AKS005の処理の後、設定示唆モード設定処理を終了する。ステップ117AKS005にて、設定示唆モードを格納したときには、画面表示装置5などにおいて、その設定示唆モードを遊技管理者が認識可能に表示するようにしてもよい。
特徴部117AKでは、図56−56に示すように、「設定示唆モード1」〜「設定示唆モード3」といった複数の設定示唆モードがあり、遊技店員など遊技管理者の操作に基づいていずれかの設定示唆モードが選択されることとなる。「設定示唆モード1」は、設定示唆の実行割合が最も高く、設定示唆の実行タイミングとしていつでも実行可能であり、示唆方法として、「音」、「画像」、「ランプ」、「振動」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。「設定示唆モード2」は、設定示唆の実行割合が「設定示唆モード1」よりも低く、後述する「設定示唆モード3」よりも設定示唆の実行割合が高いモードであり、設定示唆の実行タイミングとして変動中や大当り中といったタイミングに実行可能であり、示唆方法として「音」、「画像」、「振動」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。「設定示唆モード3」は、設定示唆の実行割合が最も低く、設定示唆の実行タイミングとして変動中のリーチ演出中や大当り中といったタイミングで実行可能であり、示唆方法として、「音」、「画像」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。すなわち、「設定示唆モード1」>「設定示唆モード2」>「設定示唆モード3」の順に実行割合が低くなり、かつ、実行タイミングも限定され、さらに、示唆方法についても少なくなる。このように、特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理では、設定示唆に関する様々な設定が可能となっている。そのため、設定示唆に関する設定により様々な態様の設定示唆が実行可能となり、演出効果を高めることができる。また、特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理では、遊技店員など遊技管理者による操作に基づいて設定示唆モードを設定可能であることから、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。なお、図示する例の他、例えば、設定値「3」であることが確定する設定示唆など、特定の内容を示唆する設定示唆についての実行割合を高くするか低くするか(実行するか否か設定も含む)の設定が可能であってもよい。
図56−57は、特徴部117AKにて実行される設定示唆パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図56−57に示す設定示唆パターン設定処理は、ステップS90170の可変表示開始待ち処理内にて実行される処理である。特徴部117AKでは、上述したように、遊技店員などの遊技機の管理者(遊技管理者)による操作により、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行割合や実行タイミング、示唆の方法などが異なる複数のモードからいずれかのモード(設定示唆モード)を選択可能である。図56−57に示す設定示唆パターン設定処理では、当該遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた範囲内において、具体的な設定示唆の実行タイミング、示唆方法、画像表示装置905における表示位置(画像表示位置)などの設定示唆のパターン(設定示唆パターン)を、遊技者の操作(スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する操作)に応じて設定する。特徴部117AKにおける設定示唆パターン設定処理では、設定示唆モードに応じた設定示唆パターンを、遊技者の操作に応じて複数の中から選択する処理を実行する。すなわち、特徴部117AKでは、まず、遊技店員などの遊技管理者により設定示唆モードが設定され、その後当該遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた設定示唆パターンが遊技者により設定される。そのため、遊技者は遊技店員など遊技管理者により設定された範囲内において設定示唆パターンを設定可能となることから、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。なお、設定示唆モードおよび設定示唆パターンのいずれも、遊技管理者により設定可能であってよい。また、設定示唆モードおよび設定示唆パターンのいずれも遊技者により設定可能であってもよい。これによれば、遊技者により設定示唆に関する様々な設定が可能となり、演出効果を高めることができる。なお、この実施の形態では、設定示唆の実行タイミング、示唆方法、画像表示位置の組合せが予め設定された設定示唆パターンを複数の中から選択する例を示しているが、例えば、実行タイミング、示唆方法、画像表示位置をそれぞれ個別に選択可能としてもよい。
図56−57に示す設定示唆パターン設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆パターン設定画面が画像表示装置905に表示中であるか否かを判定する(ステップ117AKS101)。設定示唆パターン設定画面は、例えば図56−59(B)に示すように、複数用意された設定示唆パターンを一覧表示し、遊技者による選択によりいずれかの設定示唆パターンを選択可能とする画面である。設定示唆パターン設定画面が表示中でなければ(ステップ117AKS101;No)、主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップ117AKS102)。主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信していなければ(ステップ117AKS102;No)、設定示唆パターン設定処理を終了する。
客待ちデモ指定コマンドは、特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合に主基板9011の側にてデモ表示設定が行われることで送信されるコマンドである。デモ表示設定では、例えば画像表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かが判定され、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了し、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信する処理が行われる。なお、デモ画面表示を開始する契機としては、この例に限定されず、特図ゲームの保留記憶数が「0」になってからの時間を演出制御基板9012の側で計測し、一定期間(例えば30秒など)が経過したらデモ画面表示を開始するための処理を実行するようにしてもよい。また、特図ゲームの保留記憶数が「0」になってからの時間を主基板9011の側で計測し、一定期間が経過したら客待ちデモ指定コマンドを送信して、演出制御基板9012の側でデモ画面表示を行うようにしてもよい。また、演出制御基板9012の側で、変動終了後に所定期間、主基板9011から演出制御コマンドを受信しなかった場合には、遊技者が遊技中でないと判別し、デモ画面表示を開始するようにしてもよい。この他、デモ画面表示を開始する際の制御は、客待ち中にデモ画面を表示できるものであれば任意でよい。
主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信していれば(ステップ117AKS102;Yes)、設定示唆パターン設定画面を表示されるための操作が遊技者から行われたか否か、すなわち、設定示唆パターン設定画面移行操作が行われたか否かを判定する(ステップ117AKS103)。設定示唆パターン設定画面移行操作は、遊技者によるスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作により行われればよい。設定示唆パターン設定画面移行操作が行われていない場合(ステップ117AKS103;No)、演出制御用CPU90120は、設定示唆パターン設定処理を終了する。
一方、設定示唆パターン設定画面移行操作が行われた場合(ステップ117AKS103;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆パターンをいずれかに選択するための設定示唆パターン設定画面を、図56−55に示す設定示唆モード設定処理にて設定された設定示唆モードに応じて画像表示装置905に表示させる(ステップ117AKS104)。具体的に、ステップ117AKS104では、設定された設定示唆モードを設定示唆モード格納領域を確認することにより特定し、当該設定された設定示唆モードに応じて図56−58に示す設定示唆パターンの一覧を、設定示唆パターン設定画面として選択可能に表示する。図示するように、この実施の形態では、設定示唆パターンとしてパターン1〜パターン3といったパターンが用意されており、設定示唆モードに応じて同じパターンであっても内容が異なるものとなっている。また、図示するように、この実施の形態では、設定示唆モードが異なっていても、設定示唆パターンが同一であれば設定示唆の実行タイミングは共通するものとなっている(すなわち、一部の内容については設定示唆モードに関わらず共通である)。そのため、設定示唆の実行タイミングが複雑化して遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。なお、実行タイミングだけでなく、設定示唆モードに関わらず共通の設定示唆パターン(内容が全て共通するパターン4の設定示唆パターンなど)が用意されていてもよい。その他、同じ設定示唆パターンであっても、実行タイミングを含む全ての内容が設定示唆モードに応じて異なるようにしてもよい。図56−59(B)に示す例では、設定示唆モードが設定示唆モード2である場合の例を示しており、図56−58(B)に示すパターン1〜パターン3の内容の設定示唆設定画面が表示された場合の例を示している。図56−57のステップ117AKS104の処理では、このような設定示唆設定画面を表示する。
続いて、ステップ117AKS101にて、設定示唆パターン設定画面が表示中である場合や(ステップ117AKS101;Yes)、ステップ117AKS104の処理で設定示唆モードに対応した設定示唆パターン設定画面を表示した後には、操作手段により設定示唆パターンの選択操作がなされたか否かを判定する(ステップ117AKS105)。設定示唆パターンの選択操作がなければ(ステップ117AKS105;No)、設定示唆パターン設定処理を終了する。
設定示唆パターンの選択操作がなされた場合は(ステップ117AKS105;Yes)、例えば、RAM90122に設けられた演出制御用データ保持エリアの設定示唆パターン格納領域に、選択された設定示唆パターンを特定可能な情報を格納することにより、当該選択された設定示唆パターンを記憶する(ステップ117AKS106)。なお、設定示唆パターン格納領域には、初期値として、いずれかの設定示唆パターンが格納されていればよい。例えば、初期値として「パターン2」が格納される。ステップ117AKS106の処理の後、設定示唆パターン設定処理を終了する。ステップ117AKS106にて、設定示唆パターンを格納したときには、画面表示装置5などにおいて、その設定示唆パターンを遊技者が認識可能に表示するようにしてもよい。
(特徴部117AKの変形例)
上記実施の形態では、図56−57における設定示唆パターン設定処理において、設定された設定示唆モードの範囲内において遊技者が設定示唆に関する具体的な設定を行う例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、あるミッション(課題または指令)を遊技者が認識可能に報知するミッション報知演出が行われてもよく、達成すべきミッションを遊技者により設定可能としてもよい。ミッションを報知する演出動作としては、例えば画像表示装置905の表示画面に達成条件を示す演出画像を表示するものや、遊技者が達成条件を認識できる音声をスピーカ908L、908Rから出力するもの、遊技効果ランプ909や装飾用LEDに含まれる所定のランプやLEDを点灯させて達成条件を報知するもの、遊技領域内または遊技領域外に設けられた演出用役物が備える可動部材を動作させることにより達成条件を報知するもの、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせて達成条件を遊技者に提示できるものであればよい。このミッション報知演出において報知されるミッション(すなわち達成すべきミッション)に、設定示唆の実行というミッションが含まれていてもよく(その他、スーパーリーチAの実行や、擬似連の可変表示演出の実行などといったミッションなど、複数種類のミッションが用意されていればよい)、複数のミッションが表示されるミッション一覧から、遊技者の選択操作により選択されたミッションが、達成すべきミッションとして設定されればよい。
ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されたときには、ミッション達成時演出を実行する。ミッション達成時演出の実行態様(出現可能な所定表示態様)は、遊技者により設定されたミッションの種類に応じた態様であればよく、例えば、達成されたミッションが設定示唆の実行であれば、当該実行された設定示唆の実行態様に応じた態様のミッション達成時演出が実行されればよい。また、ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されないことが確定したときには、ミッション失敗時演出を実行することができればよい。なお、報知されたミッションが達成されないときでも、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることがあってもよい。このように、達成条件として提示されるミッションは、それが達成されたことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることが確定する一方で、ミッションが達成されないときでも可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンによるリーチ演出を実行する可能性があるものであればよい。あるいは、ミッションが達成されたときでも、可変表示結果が「大当り」とならないことや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないことがあるようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」とならないときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないときには、可変表示結果が「大当り」となるときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されるときに比べて、ミッションが報知される可能性を十分に低下させて、ミッションが達成されたときに可変表示結果が「大当り」となることや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されることへの遊技者の期待感を高めるようにすればよい。
(特徴部117AKに係る手段の説明)
以上の特徴部117AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部117AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行するなど)と、を備え、
操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能な実行態様設定手段(例えば設定示唆モード設定処理を実行する演出制御用CPU90120など)と、
を備えることを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段2の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技店員による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば遊技店員などの操作にもとづいて設定示唆モード設定処理を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段3の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技者による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば設定示唆設定処理を実行する演出制御用CPU90120など)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段4の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技店員により設定された範囲内で、遊技者による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた設定示唆パターンが遊技者により設定されるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段5の遊技機として、
所定条件が成立したときに条件達成を報知する条件達成報知を実行可能な条件達成報知実行手段(例えばミッション達成時演出を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、
前記条件達成報知実行手段は、実行された前記示唆演出の種類に応じた態様の前記条件達成報知を実行可能である(例えば達成されたミッションが設定示唆の実行であれば、当該実行された設定示唆の実行態様に応じた態様のミッション達成時演出が実行されるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部118AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部118AKについて説明する。図56−60は、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理とは異なり、ステップ118AKS001における選択演出実行設定処理を実行する。また、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図56−35参照)に代えて、ステップ118AKS002にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ118AKS002における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理である点で、特徴部115AKおよび特徴部116AKにおける設定示唆実行設定処理と共通するが、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出であり、特徴部116AKにおける設定示唆は、特徴部115AKのような所定条件に関わらず実行される演出であり、実行態様に応じて遊技者の認識しやすさが異なる演出である。これに対し、特徴部118AKにおける設定示唆は、ステップ118AKS001にて設定された選択演出の実行中(より具体的には演出設定が行われる前の選択肢が表示されている期間中)に行われる演出であり、当該選択演出に関連する演出である点で相違する。特徴部118AKにおけるステップ118AKS002の設定示唆実行設定処理では、このように、特徴部115AKや特徴部116AKとは異なる設定示唆の実行設定を行う。
図56−61は、図56−60のステップ118AKS001にて行われる選択演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。選択演出は、複数回の変動に亘って遊技者に対して選択肢(質問内容とその選択内容(回答)とを含む)を段階的に表示し、遊技者によるスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作により選択された回答パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に従って、その後に実行される演出の種類を設定する(演出設定を行う)演出である。すなわち、特徴部118AKにおける選択演出では、遊技者による選択肢の選択パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に応じた演出設定を行うため、遊技者の性格や嗜好性に沿った演出設定を行うことが可能である。また、選択演出は、複数の変動に亘って実行されることから(変動中に行われる演出の一貫として行われることから)、選択操作に対する遊技者の参加率を高めることができる。なお、選択演出には、選択肢を段階的に表示する演出の他、演出設定が行われた後の変動において実行される、当該演出設定に応じた態様の演出が含まれる。すなわち、選択演出には、演出設定前における選択肢を段階的に表示する演出に加え、演出設定が行われた後に行われる当該演出設定に応じた態様の演出が含まれる。このように、特徴部118AKの選択演出は、複数の変動に亘って遊技者の性格や嗜好性に沿った演出設定を行うことが可能な演出であり、これにより演出効果を高めることができる。
図56−61に示す選択演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS002)。設定完了フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択が終了して演出設定が完了したことを示すフラグである。設定完了フラグは、最終段階の選択肢に対する選択がなされたことによりオン状態にセットされ、客待ちデモ演出が実行されることによりオフ状態にクリアされる。設定完了フラグは、この他にも、例えば、発射操作が所定期間行われていないことなど、非遊技時間の長さによりクリアされればよい。特徴部118AKでは、設定完了フラグがオフ状態であることを条件に選択肢を表示し、演出設定を行う。
設定完了フラグがオフ状態であれば(ステップ118AKS002;No)、演出制御用CPU90120は、設定中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS003)。設定中フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択中であるか否かを示すフラグである。なお、設定中フラグは、後述するステップ118AKS004にて開始時選択肢(第1段階の選択肢)が表示されたことによりオン状態にセットされ、最終段階の選択肢が表示されたことにより、ステップ118AKS109にてオフ状態にセットされる(合わせて設定完了フラグがオン状態にセットされる)。
設定中フラグがオフである場合(ステップ118AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、客待ち状態から変動状態に移行した際に実行された可変表示(変動)であるとして、開始時選択肢(第1段階の質問内容とその回答)を画像表示装置905に表示する設定を行い(ステップ118AKS004)、選択演出実行設定処理を終了する。一方、設定中フラグがオンである場合(ステップ118AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、選択段階(種類も含む)および選択内容に応じた選択肢(前回表示された質問内容とその選択内容(回答)に応じた選択肢)を表示する選択肢表示設定を行い(ステップ118AKS005)、選択演出実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ118AKS005の処理では、図56−62に示すように、選択段階(種類も含む)と選択内容に応じた選択肢(質問内容とその選択内容(回答)とを含む)を表示する設定を行う。この実施の形態では、表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答)が記憶される。そして、この実施の形態では、図56−62に示すように、前回表示した選択肢の段階(種類も含む)とその選択内容(回答)に応じて(すなわち前回の質問内容とその回答に応じて)、予め表示すべき選択肢のパターンが用意されている。より具体的に、例えば、開始時選択肢にて「Yes」が選択された場合、次の変動の開始時に実行されるステップ118AKS005において、図56−62に示すように、第2段階の選択肢Aが表示されることとなる。また、第2段階の選択肢A(選択肢の段階が第2段階で種類が選択肢A)にて「Yes」が選択された場合には、次の変動において第3段階の選択肢Aが表示される設定が行われ、「No」が選択された場合には、第3段階の選択肢Bが表示される設定が行われる。なお、この実施の形態では、「Yes」または「No」といった態様の答えだけでなく、例えば、第3段階の選択肢Aに示すように「朝」や「夜」といった態様の答えなど、より遊技者の嗜好に沿った回答が可能な態様(具体的態様)が用意されている(図56−62の第3段階の選択肢Dについても同様)。また、図示する例では、回答が2択であるが、例えば、第3段階の選択肢Aに示すように「朝」や「夜」といった態様の回答に加え、さらに「どちらも不得意」といった態様の回答を用意し、3択としてもよい。このように、図56−61のステップ118AKS005では、図56−62に示すパターンに従い、表示した選択肢の段階(種類も含む)とその選択内容(選択結果)に応じて(すなわち前回の質問内容とその回答に応じて)、今回の変動において表示すべき選択肢を表示する設定を行う。なお、この実施の形態では、図56−62に示すように、第3段階を最終段階の選択肢として、第1段階である開始時選択肢から第3段階までの選択肢に対する回答に応じて、設定A〜設定Hの演出設定がそれぞれ行われる例を示している。なお、選択肢の表示段階は第3段階に限られず、より多くの段階を設けてもよいし、設定数においても同様である。また、最終段階にて異なる選択肢が表示される場合であっても、設定される演出設定が同じでとなるパターンがあってもよい。なお、この実施の形態において、設定A〜設定Hといった演出は、遊技者の選択パターンに応じて決定され、実行される演出の内容や背景、出力音量や発光するライトの輝度などがそれぞれ異なっている。具体的に、特徴部118AKでは、遊技者の選択パターンに応じて遊技者のタイプ別に設定A〜設定Hのいずれかに決定する。例えば、選択肢の選択パターンとして、図56−62に示す第2段階の選択肢Bにて「Yes」と選択し、第3段階の選択肢Cにて「Yes」と選択した遊技者については、活発的なタイプの遊技者として「設定E」に決定する。「設定E」では、演出内容としてバトル演出を、背景として原色系の色を使用し、出力音量を他の設定よりも大きくするなど、一般的に、活発的な遊技者が好む傾向の演出設定が行われる。また、例えば、第2段階の図56−62に示す第2段階の選択肢Aにて「Yes」と選択し、第3段階の選択肢Aにて「Yes」と選択した遊技者については、慎重派なタイプの遊技者として「設定A」に決定する。「設定A」では、演出内容として大当り期待度を例えば星の数で表示するなど、遊技者に期待度を認識しやすい態様で報知する演出を実行する。その他、背景や出力音量などについてはその他の演出設定と同様であっても異なっていてもよい。すなわち、遊技者のタイプ別に、当該タイプの遊技者であれば好むであろうと想定される演出内容が、設定A〜設定Hに予め設定されていればよい。なお、例えば、遊技の途中において、決定された演出設定の内容が遊技者の嗜好に合っていない場合には、他の演出設定に変更可能としてもよい。この場合には、変更前の演出設定と変更後の演出設定の内容を記憶しておき、学習により選択肢および演出設定を増加することが可能であってもよい。例えば、図56−62に示す第3段階の選択肢Cにて「Yes」と回答され「設定E」に決定された場合であって、遊技者がバトル演出を好まない割合が高くなったときには、例えば「格闘漫画は好きですか?」などといった選択肢を追加し、この回答に応じて「設定E1」と「設定E2」を追加するようにしてもよい。
一方、設定完了フラグがオン状態である場合(ステップ118AKS002;Yes)、演出制御用CPU90120は、図56−62に示す設定A〜設定Hのいずれかの設定に応じた演出を実行する設定を行い(ステップ118AKS006)、選択演出実行設定処理を終了する。なお、ステップ118AKS004やステップ118AKS005の処理では、選択演出として選択肢を表示する期間およびその回答期間についても設定される(選択演出期間が設定される)。また、ステップ118AKS006では、設定された演出設定に応じた演出を実行する期間が、選択演出期間として設定される。なお、遊技者による操作が行われない場合には、回答期間の終了時に任意の回答が選択されればよい。
図56−60に戻り、ステップ118AKS001の選択演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、設定示唆実行設定処理を実行する(ステップ118AKS002)。図56−63は、特徴部118AKにて実行される設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS002)。特徴部118AKでは、演出設定が行われる前の、選択肢が表示される選択演出の実行中に、設定値を示唆する演出である設定示唆が行われる。そのため、ステップ118AKS002では、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを確認することで、演出設定が既に行われているか否かを判定している。選択完了フラグがオンである場合(ステップ118AKS010;Yes)、すなわち既に演出設定が行われている場合、演出制御用CPU90120は、設定示唆を実行可能な期間ではないとして、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。
一方、選択完了フラグがオフである場合(ステップ118AKS010;No)、演出制御用CPU90120は、設定示唆を実行可能な期間であるとして、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ118AKS011)。具体的に、ステップ118AKS011の処理では、可変表示結果に基づいて、図56−64に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態における設定演出は、選択演出にて選択肢が表示されている期間に実行される演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出となっている。また、ステップ118AKS002の処理では、例えば、設定示唆が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。具体的に、特徴部118AKにおける設定示唆は、選択演出にて選択肢が表示されている期間中に行われる演出であり、選択肢は、第1段階から第3段階(最終段階)まで、すなわち3回の変動に亘って表示される。そのため、例えば、第1段階の選択肢や第2段階の選択肢が表示されるタイミングで設定示唆が行われるよりも最終段階である第3段階の選択肢が表示されるタイミングで設定示唆が行われた方が、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、第1段階の選択肢が表示されるタイミング、すなわち開始時選択肢が表示されるタイミングでは設定示唆が行われないこととなっている(図56−60にて設定中フラグがオンである場合にのみステップ118AKS002の処理が行われればよい)。これにより、最初の選択肢で設定示唆が行われてしまうことで遊技者の選択意欲が減少してしまうことを防止することができる。また、第1段階の選択肢が表示されるタイミングにおいても設定示唆が行われるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第2段階の選択肢が表示されるタイミングと、第3段階の選択肢が表示されるタイミング、といった複数のタイミングにおいて設定示唆を実行可能であるが、いずれか一のタイミングのみ実行可能としてもよい。
また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が「3」である場合>設定値が「2」である場合>設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。さらに、可変表示結果に加えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「1」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。
図56−63に戻り、ステップ118AKS011の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ118AKS011にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ118AKS012)。設定実行示唆なしの場合、すなわちステップ118AKS011にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ118AKS012;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、ステップ118AKS011にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ118AKS012;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し(ステップ118AKS013)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ118AKS013の処理では、設定されている設定値に基づいて、図56−65に示す決定割合に従って、「設定示唆態様1(キャラA)」〜「設定示唆態様3(キャラC)」のいずれかを、設定示唆の実行態様として決定する。
この実施の形態における「設定示唆態様1(キャラA)」は、キャラクタAの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「1」であることを示唆する態様である。「設定示唆態様2(キャラB)」は、キャラクタBの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「2」であることを示唆する態様である。「設定示唆態様3(キャラC)」は、キャラクタBの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「3」であることを示唆する態様となっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図56−65に示すように、特徴部118AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる態様により設定示唆を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図56−65に示すように、「設定示唆態様3(キャラC)」の態様の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3(キャラC)」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1(キャラA)」および「設定示唆態様2(キャラB)」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1(キャラA)」の設定示唆、または「設定示唆態様2(キャラB)」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3(キャラC)」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。
このように、特徴部118AKでは、選択演出の実行設定が行われた後、変動中に選択肢が表示される場合に、設定値に応じて異なる割合で異なるキャラクタ画像を選択肢の表示上に表示する設定示唆の実行設定が行われることとなる。これにより、選択演出における選択肢の表示中に、設定値に応じて異なる割合で、異なる態様の設定示唆を実行することができ、演出効果を高めることができる。なお、設定示唆は、キャラクタ画像に限られず、メッセージ表示やランプの点灯、音声出力など、様々な実行態様により行われてもよい。
図56−66は、特徴部118AKにて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90801)。演出制御用CPU90120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間(変動時間)が経過したと判定すればよい。
ステップS90801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS90801;No)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS90804)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS90804;Yes)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS90805)。
ステップS90805の処理の実行後、または、リーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS90804;No)、演出制御用CPU90120は、選択演出期間であるか否かを判定する(ステップ118AKS101)。当該選択演出期間の始期は、図56−61のステップ118AKS003またはステップ118AKS004の処理にて決定された、選択肢を表示するタイミング(選択肢表示タイミング)または設定内容に応じた演出の実行タイミングであり、当該演出期間の長さは、それぞれの演出に応じてステップS90532の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。
選択演出期間であると判定した場合(ステップ118AKS101;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS102)。設定完了フラグがオフである場合(ステップ118AKS102;No)、続いて設定中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ118AKS103)。設定中フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択中であるか否かを示すフラグである。なお、設定中フラグは、開始時選択肢(第1段階の選択肢)が表示されたことによりオン状態にセットされ、最終段階の選択肢が表示されたことによりオフ状態にセットされる(合わせて設定完了フラグがオン状態にセットされる)。設定中フラグがオフである場合(ステップ118AKS103;No)、演出制御用CPU90120は、客待ち状態から変動状態に移行した際に実行された可変表示(変動)であるとして、開始時選択肢を画像表示装置905に表示するとともに、設定中フラグをオン状態にセットする(ステップ118AKS104)。なお、ステップ118AKS104にて表示された選択肢について、遊技者の選択操作が行われると(選択操作が行われず回答期間が終了した場合も含む)、その内容(表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答))を記憶するとともに、当該選択肢の表示が消去されればよい。
一方、設定中フラグがオンである場合(ステップ118AKS103;Yes)、演出制御用CPU90120は、前回表示された選択肢とその選択内容(回答)に応じた選択肢を表示する(ステップ118AKS105)。例えば、ステップ118AKS105では、前回表示された選択肢が図56−62に示す開始時選択肢であり、その選択内容(回答)が「Yes」である場合、第2段階の選択肢Aの選択肢を表示する。また、前回表示された選択肢が図56−62に示す第2段階の選択肢Aの選択肢であり、その選択内容(回答)として「Yes」が選択された場合には、第3段階の選択肢Aを表示する。図56−66に示すステップ118AKS105の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、設定示唆期間であるか否かを判定する(ステップ118AKS106)。当該設定示唆期間の始期は、図56−63のステップ118AKS011の処理にて決定されていればよく、当該設定示唆期間の長さは、設定示唆の実行態様に応じてステップS90532の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。なお、設定示唆期間の始期についても、設定示唆の実行態様に応じて異なるようにしてもよい。なお、ステップ118AKS105にて表示された選択肢について、遊技者の選択操作が行われると(選択操作が行われず回答期間が終了した場合も含む)、その内容(表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答))を記憶するとともに、当該選択肢の表示が消去されればよい。また、表示された選択肢が最終段階の選択肢である場合には、選択内容に応じた演出設定を記憶する。
設定示唆期間である場合(ステップ118AKS106;Yes)、演出制御用CPU90120は、図56−63のステップ118AKS013にて決定された態様の設定示唆を実行する(ステップ118AKS107)。ステップ118AKS107の処理を実行した後、またはステップ118AKS106にて設定示唆期間ではないと判定した場合(ステップ118AKS106;No)、演出制御用CPU90120は、ステップ118AKS105の処理にて表示した選択肢が最終段階の選択肢であるか否かを判定する(ステップ118AKS108)。表示した選択肢が最終段階の選択肢である場合(ステップ118AKS108;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定中フラグをオフ状態にクリアするとともに、設定完了フラグをオン状態にセットする(ステップ118AKS109)。
ステップ118AKS102にて設定完了フラグがオン状態であると判定した場合(ステップ118AKS102;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定内容に応じた演出制御、すなわち設定A〜設定Hのいずれかの演出設定に応じた演出を実行する制御を行う(ステップ118AKS110)。
ステップ118AKS110、ステップ118AKS104、ステップ118AKS109のいずれかの処理を実行した後、ステップ118AKS101にて選択演出期間でないと判定した場合(ステップ118AKS101;No)、またはステップ118AKS108にて最終段階ではないと判定した場合(ステップ118AKS108;No)、演出制御用CPU90120は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS90808)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS90801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS90801;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS90809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS90809;Yes)、演出制御用CPU90120は、例えば、表示制御部90123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90811)。次に、演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS90812)、可変表示中演出処理を終了する。このようにして、特徴部118AKでは、選択演出や設定示唆が実行される。
図56−67は、選択演出および設定示唆が実行された場合における演出動作例を示している。図示する例では、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が第2段階の選択肢を表示するタイミングで行われる例を示している。客待ち状態から変動状態に移行して変動が開始されると、図56−67(A)に示すように、開始時選択肢に対応する質問内容とその選択内容(回答)とを含む選択肢118AK001を表示する。そして、図56−67(B)に示すように変動が終了する。続いて次の変動が開始され、選択演出期間となると、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図56−67(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示される。なお、図56−67(C−1)に示す例では、設定示唆を実行しないと決定した場合について示している。一方、開始時選択肢にて「No」と判定した場合には、図56−67(C−2)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Bが表示される。なお、図56−67(C−2)に示す例では、設定示唆を実行すると決定した場合について示している。そのため、図56−67(C−2)に示すように、当該選択肢118AK001とともに、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が行われ、キャラクタCの画像が選択肢上に表示される。なお、設定示唆としてのキャラクタ画像が表示される位置については任意の位置であってよい。また、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図56−67(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示されるが、設定示唆を実行すると決定した場合には、図56−67(C−2)と同様に、設定示唆が行われ、設定示唆態様3(キャラC)である場合にはキャラクタCの画像が選択肢上に表示される。
続いて図56−67(C−1)や図56−67(C−2)に示す第2段階の選択肢が表示された後、当該選択肢の選択内容(回答)に応じて、次の変動において最終段階の選択肢が表示され、その選択内容(回答)により、図56−67(D−1)や図56−67(D−2)に示すように、選択内容に応じた演出設定が行われる。図56−67(D−1)に示す例では、演出設定として「設定A」が、図56−67(D−2)に示す例では、演出設定として「設定E」が設定されたことを示している。その後、続けて実行される変動において、当該設定された演出設定に応じた態様の演出が実行される。なお、質問内容とその選択内容(回答)とを含む選択肢上にキャラクタ画像を表示することで設定示唆を行う例を示しているが、例えば、質問内容の上に表示する場合と、選択内容(YesやNo)の上に表示する場合とがあってもよい。また、例えば、キャラクタ画像を表示するのではなく、質問内容の表示色や選択内容の表示色を、通常時とは異なる表示色(例えば緑、青、赤といった3態様のいずれか)とすることにより設定示唆を行うようにしてもよい。
(特徴部118AKの変形例)
上記実施の形態における設定示唆では、キャラクタ画像を選択肢の表示上に表示する例を示したが、これは一例である。例えば、選択演出にて表示される選択肢を、例えば、「午後の予定はキャンセルできますか?」などといったように、図56−62に示す質問内容とは異なる特殊内容の選択肢とすることで設定示唆を行うようにしてもよい。具体的に、図56−60のステップ118AKS002における設定示唆実行設定処理において、設定示唆を実行する場合に、その実行態様として特殊内容の質問内容を複数の中から決定すればよい。そして、図56−60のステップ118AKS001にて選択演出実行設定処理を行った後、ステップ118AKS002にて設定示唆実行設定処理を行い、設定示唆を実行する場合には、ステップ118AKS001にて表示するよう設定した選択肢を、ステップ118AKS002の設定示唆実行設定処理にて決定した態様の設定示唆(決定した質問内容)に変更すればよい。なお、設定示唆態様として、図56−65に示すように3態様の特殊内容が用意されていればよい。すなわち、当該変形例では、設定示唆を、選択演出における選択肢として表示することで実行する。これによれば、特殊な内容の選択肢が表示され得るため、演出効果を高めることができる。
図56−68は、当該変形例における選択演出と設定示唆が実行された場合の演出動作例を示している。図示する例では、図56−67(C−2)に示すように選択肢118AK001とともに、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が行われ、キャラクタCの画像が選択肢上に表示されるのとは異なり、図56−68(C−2)に示すように、設定示唆を実行する場合に特殊内容118AK002が表示される。なお、図示するように、特殊内容を表示する場合には、通常の選択肢(予め設定されたパターンの選択肢であって図56−62に示す内容の選択肢)を表示する場合よりも、表示枠やメッセージ(選択内容も含む)を、太く、大きく、かつ点滅させて表示するように、遊技者に認識しやすい態様で表示する。このように、この変形例における設定示唆では、遊技者が通常の選択肢よりも特殊内容の選択肢を認識しやすい態様で表示する。したがって、演出効果を高めることができる。なお、遊技者が通常の選択肢よりも特殊内容の選択肢を認識しやすい態様であれば、任意の態様であってよい。また、上記実施の形態における設定示唆にて表示されるキャラクタ画像を、例えば点滅させて表示するなど、遊技者がより認識しやすい態様で表示してもよい。すなわち、この変形例では、設定示唆にて表示される画像(例えば特殊内容の選択肢やキャラクタ画像)を、通常の選択肢よりも認識しやすい態様で表示する。これによれば、演出効果を高めることができる。なお、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図56−68(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示されるが、設定示唆を実行すると決定した場合には、図56−68(C−2)と同様に、特殊内容118AK002が表示されればよい。
また、上記変形例では、上記実施の形態における選択演出として演出設定を行うための選択肢として、特殊内容の選択肢を表示する例を示したが、これは一例である。例えば、上記実施の形態のように遊技者が選択を行う選択演出の選択肢としてではなく、例えば、「チャンス」、「スーパーリーチ」、「NEXT」など、のようにスーパーリーチのリーチ演出が行われることを示す選択肢、擬似連の可変表示演出が行われることを示す選択肢など、複数の選択肢がルーレットのように表示され、時間経過とともにいずれかが選択される(操作に関わらず選択される)ルーレット演出における選択肢の一つとして、例えば「設定2」などといった、設定値を示唆する示唆画像が表示されるようにしてもよい。なお、例えば「チャンス」の選択肢が選択された場合にはリーチ状態となりリーチ演出が実行され(ノーマルリーチを含む)、「スーパーリーチ」の選択肢が選択された場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行され、「NEXT」の選択肢が選択された場合には、擬似連の可変表示演出が実行されるなど、選択された選択肢の内容の演出が実行されればよい。すなわち、複数の選択肢の中から時間経過とともにいずれかの選択肢が操作に起因せずに選択されるルーレット演出の選択肢の一つとして示唆画像が表示される。これによれば、ルーレット演出の一貫として設定示唆を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部118AKに係る手段の説明)
以上の特徴部118AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部118AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
複数の選択肢として複数の選択肢画像を表示し、いずれかの前記選択肢画像を選択する選択演出を実行可能な選択演出実行手段(例えば選択演出において選択肢を表示する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記選択演出実行手段によって前記選択演出が実行されるときに、設定されている設定値に応じた示唆画像を表示可能である(例えば変動中に選択肢が表示される場合に、設定値に応じて異なる割合で異なるキャラクタ画像を選択肢の表示上に表示するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段2の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、実行条件が成立した場合、複数回の可変表示に亘って前記選択演出を実行可能であり(例えば客待ち状態から変動状態に移行した際に選択演出を実行するなど)、
前記複数回の可変表示に亘って表示される前記複数の選択肢画像が選択されることで演出態様の設定が可能である(例えば遊技者による選択肢の選択パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に応じた演出設定を行うなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段3の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記複数の選択肢画像に前記示唆画像を含めて表示可能である(例えば選択演出にて表示される選択肢を特殊内容の選択肢とすることで設定示唆を行うなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段4の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記示唆画像を前記複数の選択肢画像よりも遊技者が認識しやすい態様にて表示可能である(例えば設定示唆にて表示される画像(例えば特殊内容の選択肢やキャラクタ画像)を、通常の選択肢よりも認識しやすい態様で表示するなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段5の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記複数の選択肢画像として、前記示唆画像と、選択された場合に実行される所定演出の内容を報知する演出報知画像と、を表示可能であり、いずれかの前記選択肢画像が遊技者の選択操作によらず選択される前記選択演出を実行可能である(例えば、複数の選択肢の中から時間経過とともにいずれかの選択肢が操作に起因せずに選択されるルーレット演出の選択肢の一つとして示唆画像が表示されるなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部31AK、特徴部121IW、および特徴部112AK〜特徴部118AKに関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、特徴部121IWでは、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどの理由により設定値コマンドを正常に受信できなかった場合に不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。この特徴部を当該特徴部112AK〜特徴部118AKにおける設定示唆に適用し、設定値コマンドに限られず、設定示唆の演出時に必要となるコマンドの取りこぼしやデータ化けなどが生じた場合、不利な設定値が設定されているにも関わらず遊技者にとって有利な設定値を示唆する設定示唆の実行を防止するよう、低い設定値であることを示唆する設定示唆を実行すればよい。
また、例えば特徴部117AKにおける設定示唆モードの一例として特徴部118AKにおける演出設定が可能となるモードがあってもよい。そして、例えば、特徴部118AKにおける演出設定の設定A〜設定Hの一例として、例えば特徴部31AK、特徴部112AK〜特徴部116AKのいずれか1つの特徴部、または複数の特徴部の組合せが演出設定として決定されるようにしてもよい。
1 パチンコ遊技機
80 演出制御基板
83、84 モータ駆動用電源回路
85、86、87 モータ駆動回路
89、89’ シリアル信号回路
301L リール
301C リール
301R リール
307L 第1リールステッピングモータ
307C 第2リールステッピングモータ
307R 第3リールステッピングモータ
BLM1 第1リールブラシレスモータ
BLM2 第2リールブラシレスモータ
BLM3 第3リールブラシレスモータ
901 パチンコ遊技機
902 遊技盤
903 遊技機用枠
904A 特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置)
904B 特別図柄表示装置(第2特別図柄表示装置)
905 画像表示装置
906A 入賞球装置
906B 可変入賞球装置
907 特別可変入賞球装置
908L、908R スピーカ
909 遊技効果ランプ
9010 一般入賞口
9011 主基板
9012 演出制御基板
9013 音声制御基板
9014 ランプ制御基板
9015 中継基板
9020 普通図柄表示器
9021 ゲートスイッチ
9022A、9022B 始動口スイッチ
9023 カウントスイッチ
9030 打球操作ハンドル
9031A スティックコントローラ
9031B プッシュボタン
9032 可動体
90100 遊技制御用マイクロコンピュータ
90101、90121 ROM
90102、90122 RAM
90103 CPU
90104、90124 乱数回路
90105、90125 I/O
90120 演出制御用CPU
90123 表示制御部

Claims (1)

  1. 遊技が可能な遊技機であって、
    動作可能に設けられた可動体と、
    前記可動体を動作させるための駆動力を発生する駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動制御を、クロック信号と複数の異なる制御信号との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段と、
    前記可動体の動作を伴う可動体演出の制御を行う演出制御手段と、
    前記演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアル制御データを複数の異なる制御信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能であるとともに、前記演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアルクロックデータをクロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な信号変換手段と、
    さらに、
    有利状態に制御されることを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、
    前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段と、を備え、
    前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である
    ことを特徴とする遊技機。
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