JP2020064055A - 脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キット及びバイオマーカー、対象の肝線維化の進行度の判定方法、並びに対象の肝線維化の進行度を判定するためのバイオマーカー - Google Patents

脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キット及びバイオマーカー、対象の肝線維化の進行度の判定方法、並びに対象の肝線維化の進行度を判定するためのバイオマーカー Download PDF

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Yuto Nakagawa
榎奥健一郎
Kenichiro ENOOKU
藤原直人
Naoto Fujiwara
小池和彦
Kazuhiko Koike
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Abstract

【課題】より簡易的に実施することができ、さらに患者及び医療従事者に負担をかけない新たな脂肪性肝疾患診断法を提供することを課題とする。体液試料中のオクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定し、基準値と比較することにより、前記課題を解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法に関する。また、本発明は、脂肪性肝疾患のバイオマーカー及び診断薬キットに関する。また、本発明は、対象の肝線維化の進行度の判定方法、及び対象の肝線維化の進行度を判定するためのバイオマーカーにも関する。
非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease;NAFLD)はアルコールを原因としない脂肪肝の総称である。NAFLDは、肝硬変や肝癌の発症母地にもなる非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis;NASH)と、病態がほとんど進行しない非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver;NAFL)とに分類される。NAFLD及びNASHは、近年日本国内及び外国において急激に注目を集めている脂肪性肝疾患である。日本国内においては、約1000万人がNAFLDに、そして約100万〜200万人がNASHに罹患していると推定される。なお、本明細書においては、用語「NASH」は、NASHが進行した肝硬変、及びNASHが進行した肝細胞癌を含むものとする。
NASHの確定診断には、肝組織の生検が必須とされている。肝組織の生検により、脂肪量、炎症の程度、及び/又は線維化の進行程度を把握し、NASHを診断することが可能となる。しかしながら、肝組織の生検は、肝臓に針を刺して組織や細胞を一部採取することを含むものであり、患者及び医療従事者に過度の負担を強いるものであると共に、合併症等のリスクを伴うものである。したがって、より簡易的に実施することができ、さらに患者及び医療従事者に負担をかけない、NASHを初めとする脂肪性肝疾患の新たな診断法の開発が望まれている。
アシルカルニチンは、生体内において脂肪酸がミトコンドリア内膜へ運搬される場合に、脂肪酸とカルニチンが結合して生成される化合物である。より詳細には、ミトコンドリア外膜に存在するカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPTI)の作用によりアシルCoAとカルニチンからアシルカルニチンが生成される。またアシルカルニチンはミトコンドリア内膜に入った後に、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPTII)によって再びカルニチンとアシルCoAに分かれ、アシルCoAがβ酸化を受けエネルギー産生に利用される。これらの代謝経路の異常により組織中・血液中アシルカルニチン濃度が変動し、血液及び尿などの生体試料中のアシルカルニチン分析は、新生児を対象とした先天性代謝異常スクリーニングにおいて分析項目とされている。
非特許文献1は、肝細胞癌組織と非癌組織との間でメタボローム解析を行ったところオレオイルカルニチンとパルミトイルカルニチンが、肝細胞癌組織において、非癌組織と比較して多く検出されたことを開示する。非特許文献2は、肝細胞癌に罹患する患者では、健常対象と比較して、血清中のアシルカルニチンレベルが高かったことを開示している。しかしながら、これらの報告において用いられた肝細胞癌組織は、脂肪性肝疾患由来のものではない。より具体的には、これらの報告において用いられた肝細胞癌組織は、NASHが進行して癌化したものではなく、したがって、脂肪性肝疾患とアシルカルニチンレベルとの関連性は依然として不明である。加えて、肝細胞癌が他の組織の代謝機構を変化させることにより、アシルカルニチンが肝臓とは異なる他の組織からも放出される可能性も否定できない。
Budhu A et al. Gastroenterology 2013 May;144(5):1066−1075 Yaligar J et al. Scientific Reports volume 6 Article Number 20299(2016)
本発明の目的は、より簡易的に実施することができ、さらに患者及び医療従事者に負担をかけない脂肪性肝疾患の新たな診断法を提供することである。本発明の他の目的は、脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象における、患者及び医療従事者に負担をかけない新たな肝線維化の進行度の判定方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、体液試料、例えば血清中の特定の長鎖アシルカルニチン量を測定し、基準値と比較することで、患者及び医療従事者に負担をかけず簡易的に脂肪性肝疾患の早期診断が可能であること及び肝線維化の進行度の判定が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は以下のとおりである。
<1>対象からの体液試料中の、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定することと
測定した前記長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較することと
を含む、前記対象における脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<2> 前記体液試料が、血液、血清又は血漿である、<1>に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<3> 前記脂肪性肝疾患が、NASHである、<1>又は<2>に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<4> 肝臓における線維化の進行度を判断する、<1>〜<3>のいずれかに記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<5> アシル基の炭素数が2〜10である中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定することと
測定した中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較することと
をさらに含む、<1>〜<4>のいずれかに記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<6> 前記中短鎖アシルカルニチンが、イソ吉草酸カルニチンである、<5>に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<7>対象における脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法であって、以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと:
[式1]
AC14:1+AC18:1−AC5:0
(式中、AC14:1は、対象からの体液試料中のテトラデセノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そして、AC5:0は、対象からの体液試料中のイソ吉草酸カルニチンの量を示す)
計算した前記指標スコアを基準値と比較することと
を含む、前記方法、
<8> 対象における脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法であって、以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと:
[式2]
(AC16:0+AC18:1)×100/AC2:0
(式中、AC16:0は、対象からの体液試料中のヘキサデカノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そしてAC2:0は、対象からの体液試料中のアセチルカルニチンの量を示す)
計算した前記指標スコアを基準値と比較することと
を含む、前記方法、
<9> 前記体液試料が、血液、血清又は血漿であり、前記脂肪性肝疾患が、NASHが進行した肝細胞癌である、<8>に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、
<10> 脂肪性肝疾患を診断するための体液中のバイオマーカーであって、
オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択されることを特徴とする、前記バイオマーカー、
<11> 前記体液試料が、血液、血清又は血漿である、<10>に記載のバイオマーカー、
<12> 前記脂肪性肝疾患が、NASHである、<10>又は<11>に記載のバイオマーカー、
<13> 肝臓における線維化の進行度を判断する、<10>〜<12>のいずれかに記載のバイオマーカー、
<14>脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キットであって、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定する試薬を含む診断薬キット、
<15> 脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象からの体液試料中の、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定すること
測定した長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較すること
を含む、前記対象における肝線維化の進行度の判定方法、
<16> 前記体液試料が、血液、血清又は血漿である、<15>に記載の対象における肝線維化の進行度の判定方法、
<17> アシル基の炭素数が2〜10である中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定することと
測定した中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較すること
をさらに含む、<15>又は<16>に記載の対象における肝線維化の進行度の判定方法、
<18> 前記中短鎖アシルカルニチンが、イソ吉草酸カルニチンである、<17>に記載の対象における肝線維化の進行度の判定方法、
<19>脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象における肝線維化の進行度の判定方法であって、以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと
[式1]
AC14:1+AC18:1−AC5:0
(式中、AC14:1は、対象からの体液試料中のテトラデセノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そして、AC5:0は、対象からの体液試料中のイソ吉草酸カルニチンの量を示す)
計算した前記指標スコアを基準値と比較することと
を含む、前記方法、並びに
<20> 脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象における、肝線維化の進行度を判定するための体液中のバイオマーカーであって、
オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択されることを特徴とする、前記バイオマーカー。
本発明によれば、患者及び医療従事者に負担をかけず且つ簡易的に脂肪性肝疾患の診断を行うことができる。本発明によれば、対象の脂肪性肝疾患が、脂肪性肝疾患由来の肝細胞癌に進行する前に、脂肪性肝疾患、例えば、NASHを検出することができる。本発明によれば、患者及び医療従事者に負担をかけず且つ簡易的に、対象における肝線維化の進行度の判定を行うことができる。
化学発癌剤Diethylnitrosamine(DEN)投与後に高脂肪食を与えたマウスの肝細胞癌組織(HFD−HCC)と通常食を与えたDEN注入マウスの非腫瘍組織(ND−NT)における、様々な長鎖アシルカルニチンの量の比較を示す図である。 通常食を与えたDEN投与マウスの非腫瘍組織(ND−NT)、通常食を与えたDEN投与マウスの肝細胞癌組織(ND−HCC)、高脂肪食を与えたDEN投与マウスの非腫瘍組織(HFD−NT)、及び高脂肪食を与えたDEN投与マウスの肝細胞癌組織(HFD−HCC)の各々における、様々な長鎖アシルカルニチンの量を示す図である。 生体内におけるアシルカルニチンの代謝経路を示す模式図である。 通常食を与えたDEN投与マウスの非腫瘍組織(ND−NT)、通常食を与えたDEN投与マウスの肝細胞癌組織(ND−HCC)、高脂肪食を与えたDEN投与マウスの非腫瘍組織(HFD−NT)、及び高脂肪食を与えたDEN注入マウスの肝細胞癌組織(HFD−HCC)の各々における、リアルタイムPCRを用いて調査したACSL4、CPT1A、CACT、及びCPT2の発現量を示す図である。 肝細胞癌組織において、長鎖アシルカルニチンの蓄積が起こるメカニズムを示す模式図である。 種々の線維化の進行度のNAFLD患者血清における長鎖アシルカルニチン量の分析結果を示す図である。 種々の線維化の進行度のNAFLD患者血清における短鎖アシルカルニチン量の分析結果を示す図である。 肝細胞癌を有するNASH患者(HCC(+))と肝細胞癌を有しないNASH患者(HCC(−))において、長鎖アシルカルニチン量を分析した結果を示す図である。 種々の線維化の進行度のNAFLD患者血清における、式AC14:1+AC18:1―AC5:0の線維化の進行度のマーカーとしての有効性を分析した結果を示す図である。 肝細胞癌を有するNASH患者(HCC(+))と肝細胞癌を有しないNASH患者(HCC(−))において、式(AC16:0+AC18:1)×100/AC2:0の肝細胞癌関連因子としての有効性を分析した結果を示す図である。 NAFLD患者血清における、長鎖アシルカルニチン量と血清炎症性サイトカインとの関連性の分析結果を示す図である。 NAFLD患者血清における、長鎖アシルカルニチン量と血清発癌リスクマーカーとの関連性の分析結果を示す図である。
[1]脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法
(対象からの体液試料)
本発明において分析可能な体液試料としては、主に生体(生物)由来の体液を挙げることができる。本発明において分析可能な体液試料は、より好ましくは、血液、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、涙液、耳漏、又は前立腺液であり、さらに好ましくは血液、血清又は血漿であり、さらに好ましくは脂肪性肝疾患(例えば、NAFLD又はNASH)に罹患している疑いのある対象の血液、血清又は血漿である。生体又は対象は、ヒト又は動物(例えば、マウス、モルモット、ラット、サル、イヌ、ネコ、ハムスター、ウマ、ウシ、及びブタ)を含み、好ましくはヒトである。
(アシルカルニチン)
本発明において、アシルカルニチンとは、式1で表される化合物群をいう。
式1:(CH+CHCH(OR)CHCOO-
(式1中、Rは炭素数2〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪酸残基を表し、該脂肪酸残基に結合する水素原子は、酸素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。)
アシルカルニチンは、その脂肪酸部分の炭素鎖長、不飽和結合の有無と数、炭素鎖に結合する水素原子の酸素原子又はヒドロキシ基への置換などにより、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、ステアロイルカルニチン、オレイルカルニチン、リノレイルカルニチン、マロニルカルニチン、3−ヒドロキシカルニチンなどに細分化されるが、本明細書中においては、それらを総称してアシルカルニチンと記述する。本明細書においては脂肪酸が結合していない遊離カルニチンについては、アシルカルニチンに含めないものとする。
飽和又は不飽和の脂肪酸残基としては、表1に記載のものが挙げられる。アシルカルニチンは、脂肪酸代謝異常等の先天性代謝異常スクリーニングにおいても評価項目として使用されている。先天性代謝異常スクリーニングなど臨床での評価項目に使用される主なアシルカルニチンを表2に示す。
Figure 2020064055
Figure 2020064055
(長鎖アシルカルニチン)
本明細書において「長鎖アシルカルニチン」とは、脂肪酸残基(アシル基)の炭素数が12〜30個であるアシルカルニチンを意味する。本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法においては、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチン(以下、6種の長鎖アシルカルニチンと称することがある)のいずれか1つ以上の量を測定する。より好ましくは、測定される長鎖アシルカルニチンは、テトラデセノイルカルニチン及びオクタデセノイルカルニチンから選択される1つ以上であり、最も好ましくはオクタデセノイルカルニチンである。
細胞内の長鎖脂肪酸は、アシルCoA(acyl−CoA)合成酵素(ACSL)ファミリーによってアシルCoAにエステル化される。次に、このアシルCoAが、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1)によってカルニチンに結合することによりアシルカルニチンに変換される。カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)を介してミトコンドリア内膜に入った後、アシルカルニチンはカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2(CPT2)によって再びカルニチンとアシルCoAに再変換され、アシルCoAがβ酸化を受けエネルギー産生に利用される。(図3参照)。
本発明者らは、肥満に関連した肝癌モデルマウスの肝癌組織をサンプリングして、上記経路に関連する遺伝子発現量の変化を調査したところ、ACSLファミリーの1つであるACSL4及びCPT1Aの発現量が増加し、そしてCPT2の発現量が減少していることを発見した。これらの発現量の変化によって、肥満に関連した肝癌モデルマウスの肝癌組織では、CPT2による長鎖アシルカルニチンのアシルCoAへの再変換が機能しなくなる。したがって、肥満に関連した肝癌モデルマウスの肝癌組織では、長鎖アシルカルニチンの蓄積が生じると考えられる(図5参照)。
(長鎖アシルカルニチンの量の測定方法)
長鎖アシルカルニチンの量は、例えばキャピラリー電気泳動−質量分析計、及び液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計(LC−MS/MS)等により測定することができる。これらの方法を組み合わせて使用することもできる。本明細書において「液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計」又は「LC−MS/MS」は、液体クロマトグラフ(LC)により分離した分析対象成分を専用のインターフェースを介してイオン化し、生成するイオンを質量分析計(MS)で分離して特定の質量を有するイオンを解離及び/又はフラグメント化させ、それらのイオンを質量分析計で検出する装置を意味する。
(基準値)
本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法は、6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれか1つ以上の長鎖アシルカルニチンの量を基準値と比較することを含む。本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法では、対象における6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれかの量が、健常人群の前記長鎖アシルカルニチンの量よりも高いことを指標として脂肪性肝疾患の検出およびリスクの予測を行うことができる。具体的には、例えば、対象における6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれかの量が健常人群との判定用閾値(基準値)以上となった場合に、脂肪性肝疾患を検出するか、又は発症する可能性が高いと判定することができる。
数値の範囲を基準値とすることもできる。脂肪性肝疾患に罹患しているか否かを診断する際には、予め、脂肪性肝疾患に罹患していると診断された対象、および、脂肪性肝疾患ではないと診断された対象の体液試料中の6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれかの量の範囲を計測しておき、対象の体液試料中の前記長鎖アシルカルニチンの量が、健常な対象の体液試料中の前記長鎖アシルカルニチン量の範囲に入る場合は、この対象は脂肪性肝疾患に罹患していない可能性が高く、脂肪性肝疾患に罹患している対象の体液試料中の前記長鎖アシルカルニチン量の範囲に入る場合は、脂肪性肝疾患に罹患している可能性が高い。
判定用閾値(基準値)は、種々条件、例えば、基礎疾患、性別、年齢などにより変化することが予想されるが、当業者であれば、対象に対応する適当な母集団を適宜選択して、その集団から得られたデータを統計学的処理を行うことにより、正常値範囲又は判定用閾値を決定することができる。
本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法では、6種の長鎖アシルカルニチンのうちの特定の1つの長鎖アシルカルニチンの量を基準値と比較してもよく、2つ以上の長鎖アシルカルニチンの量を各々の長鎖アシルカルニチンの基準値と比較してもよい。
本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法では、アシル基の炭素数が2〜10である中短鎖アシルカルニチンの量を測定すること、及び前記中短鎖アシルカルニチン量を基準値と比較することをさらに含むことが好ましい。前記中短鎖アシルカルニチンが、イソ吉草酸カルニチンであることがより好ましい。なお、以下、アシル基の炭素数が2〜10である中短鎖アシルカルニチンを、単に中短鎖アシルカルニチンと呼ぶことがある。
具体的には、本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法では、対象におけるいずれかの中短鎖アシルカルニチンの量が、健常人群の前記中短鎖アシルカルニチンの量よりも低いことを指標として、より精密に脂肪性肝疾患の検出およびリスクの予測を行うことができる。具体的には、例えば、対象におけるいずれかの中短鎖アシルカルニチンの量が健常人群との判定用閾値(基準値)以下となった場合に、脂肪性肝疾患を検出するか、又は発症する可能性がより高いと判定することができる。
数値の範囲を基準値とすることもできる。脂肪性肝疾患に罹患しているか否かを診断する際には、予め、脂肪性肝疾患に罹患していると診断された対象、および、脂肪性肝疾患ではないと診断された対象の体液試料中のいずれかの中短鎖アシルカルニチンの範囲を計測しておき、対象の体液試料中の前記中短鎖アシルカルニチンが、健常な対象の体液試料中の前記中短鎖アシルカルニチン量の範囲に入る場合は、この対象は脂肪性肝疾患に罹患していない可能性がより高く、脂肪性肝疾患に罹患している対象の体液試料中の前記中短鎖アシルカルニチン量の範囲に入る場合は、脂肪性肝疾患に罹患している可能性がより高い。
以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと、計算した前記指標スコアを基準値と比較することとにより、脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測をより精密に行うこともできる。
[式1]
AC14:1+AC18:1−AC5:0
(式中、AC14:1は、対象からの体液試料中のテトラデセノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そして、AC5:0は、対象からの体液試料中のイソ吉草酸カルニチンの量を示す)
以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと、計算した前記指標スコアを基準値と比較することとにより、脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測をより精密に行うこともできる。
[式2]
(AC16:0+AC18:1)×100/AC2:0
(式中、AC16:0は、対象からの体液試料中のヘキサデカノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そしてAC2:0は、対象からの体液試料中のアセチルカルニチンの量を示す)
上記式を用いる場合、脂肪性肝疾患は、好ましくはNASHが進行した肝細胞癌である。
(脂肪性肝疾患)
本明細書において「脂肪性肝疾患」とは、肝細胞の線維化及び/又は脂肪沈着によって引き起こされる肝疾患を意味する。脂肪性肝疾患は、好ましくはNAFLDである。NAFLDには、非アルコール性脂肪肝(NAFL)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、NASHが進行した肝硬変、及びNASHが進行した肝細胞癌が含まれる。脂肪性肝疾患は、より好ましくはNASHである。なお、本明細書においては、用語「NAFLD」及び「NASH」は、NASHが進行した肝細胞癌を含むことができるが、含まないことが好ましい。
本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法では、NASHが、肝細胞癌に進行する前にNASHを検出する又はリスクを予測することができる。したがって、脂肪性肝疾患が、肝細胞癌を有しないNASHであることが、早期診断の観点からより好ましい。
また、後述の実施例において示すように、長鎖アシルカルニチンの量と肝線維化とは有意な正の相関を有する。したがって、検出感度の観点からは、脂肪性肝疾患は、NASHが進行した肝硬変、又はNASHが進行した肝細胞癌であることが好ましく、NASHが進行した肝細胞癌であることが最も好ましい。
(脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法)
本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法は、脂肪性肝疾患の進行度をモニタリングすることができる。この場合、特定の時点での対象における6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれかの量を、判定用閾値(基準値)として使用する。一定期間後(例えば、1、3、6、又は12か月後)に再度この対象におけるこの長鎖アシルカルニチンの量を測定し、以前の測定値と比較してこの長鎖アシルカルニチンの量が多ければ、脂肪性肝疾患が進行していると判断することができる。逆に、以前の測定値と比較してこの長鎖アシルカルニチンの量が同じ程度であるか又は少なければ、脂肪性肝疾患が進行していないと判断することができる。前述のように、6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれかの量に加えて、アシル基の炭素数がC2〜10である中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量(好ましくは、イソ吉草酸カルニチンの量)を、特定の時点及び一定期間経過後にさらに測定することもできる。
本発明の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法を行った後、必要に応じて、他の脂肪性肝疾患(例えばNASH)の検出方法の患者への実施、及び/又は脂肪性肝疾患(例えばNASH)の治療薬の患者への投与を実施してもよい。
[2]脂肪性肝疾患を診断するためのバイオマーカー
本明細書において、バイオマーカーとは、所定の疾患に関連するペプチド、タンパク質、核酸、脂質又はその他の低分子化合物であり、その生体中の濃度の増減が当該疾患の存在又は進行度に反映するものである。本発明の脂肪性肝疾患を診断するためのバイオマーカーでは、対象における6種の長鎖アシルカルニチンのうちのいずれかの量が、健常人群の前記長鎖アシルカルニチンの量よりも高いことを指標として脂肪性肝疾患を診断することができる。具体的には、例えば、対象におけるいずれかの長鎖アシルカルニチンの量が健常人群との判定用閾値(基準値)以上となった場合に、脂肪性肝疾患を検出するか、又は発症する可能性が高いと判定することができる。
本発明の脂肪性肝疾患を診断するためのバイオマーカーでは、数値の範囲を基準値とすることもできる。脂肪性肝疾患に罹患しているか否かを診断する際には、予め、脂肪性肝疾患に罹患していると診断された対象、および、脂肪性肝疾患ではないと診断された対象の体液試料中の6種のうちのいずれかの長鎖アシルカルニチン量の範囲を計測しておき、対象の体液試料中の前記長鎖アシルカルニチンが、健常な対象の体液試料中の前記長鎖アシルカルニチン量の範囲に入る場合は、この対象は脂肪性肝疾患に罹患していない可能性が高く、脂肪性肝疾患に罹患している対象の体液試料中の前記長鎖アシルカルニチン量の範囲に入る場合は、脂肪性肝疾患に罹患している可能性が高い。
[3]診断薬キット
本発明の脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キットは、6種の長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定するための試薬を含む。前記試薬は、特定の1つの長鎖アシルカルニチンの量を測定するための試薬を含んでいてもよく、2つ以上の長鎖アシルカルニチンの量を測定するための試薬を含んでいてもよい。本発明の脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キットは、好ましくは、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析計(LC−MS/MS)を用いて6種の長鎖アシルカルニチンのうちの1つ以上の量を測定するための試薬を含む。
[4]対象の肝線維化の進行度の判定方法
本発明の対象の肝線維化の進行度の判定方法では、対象の体液試料中の6種の長鎖アシルカルニチンのいずれかの量に応じて、肝臓における線維化の進行度を判定することができる。本明細書において「肝線維化」とは、慢性的な肝臓の炎症により、コラーゲン線維などの線維性成分及び/又は細胞外基質を含む結合組織が肝臓に大量に増加し、組織が硬化することを意味する。本発明の対象の肝線維化の進行度の判定方法は、NAFLD又はNASHに罹患している可能性のある対象において、NAFLD又はNASHにより生じる肝線維化の進行度の判定を行うことができる。また、NAFLD又はNASHに既に罹患している対象において、NAFLD又はNASHにより生じる肝線維化の進行度の判定を行うこともできる。長鎖アシルカルニチンの測定方法や体液試料については、前述のとおりである。
(基準値)
本発明の対象の肝線維化の進行度の判定方法は、測定した長鎖アシルカルニチンの量を基準値と比較することを含む。本発明の本発明の対象の肝線維化の進行度の判定方法では、数値の範囲を基準値とすることが好ましい。対象の肝線維化の進行度を判定する際には、予め、種々の肝線維化段階の対象の体液試料中の6種の長鎖アシルカルニチンうちのいずれかの量の範囲を計測しておき、この長鎖アシルカルニチンの量が、特定の肝線維化段階の体液試料中の長鎖アシルカルニチンの範囲に入る場合は、対象はその特定の肝線維化段階である可能性が高い。
肝線維化段階の分類は、例えば、F0:線維化なし、F1:小葉中心部の線維化、F2:小葉中心部+門脈域の線維化、F3:線維性架橋形成、F4:肝硬変、HCC:肝細胞がんの区別に従うことができる。本発明の対象の肝線維化の進行度の判定方法は、対象の肝臓が上記F0〜F4のどの段階にあるかを判定することができる。ただ、上記F0〜F4の分類には限定されず、異なる分類を使用してもよい。
判定用閾値(基準値)は、種々条件、例えば、基礎疾患、性別、年齢などにより変化することが予想されるが、当業者であれば、対象に対応する適当な母集団を適宜選択して、その集団から得られたデータを統計学的処理を行うことにより、正常値範囲又は判定用閾値を決定することができる。
本発明の対象の肝線維化の進行度の判定方法は、対象の肝線維化の進行度をモニタリングすることができる。この場合、特定の時点での対象の体液試料中の6種の長鎖アシルカルニチンうちのいずれかの量を、判定用閾値(基準値)として使用する。一定期間後(例えば、1、3、6、又は12か月後)に再度この対象のこの長鎖アシルカルニチンを測定し、以前の測定値と比較して量が多ければ、肝線維化が進行していると判断することができる。逆に、以前の測定値と比較して量が同じ程度であるか又は少なければ、肝線維化が進行していないと判断することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕HFD−HCCとND−NTにおける様々な長鎖アシルカルニチンの量の比較
肥満に関連した肝細胞癌に特徴的な代謝の変化を調べるために、通常食(ND)又は高脂肪食(HFD)を与えた8ヶ月齢のジエチルニトロサミン(DEN)投与マウスから得られた非腫瘍組織(NT)及び肝細胞癌組織(HCC)に関して、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を使用した非標的メタボロミクスプロファイリングを行った。高脂肪食を与えたDEN投与マウスは、肥満に関連した肝細胞癌モデルマウスとして、広く認知されている。
C57BL/6マウスを日本クレア株式会社から購入した。ジエチルニトロサミン(Sigma株式会社)をリン酸緩衝生理食塩水に溶解し、出生後14日目にマウスに腹腔内注射した(25mg/kg)。マウスが6週齢になると、高脂肪食(HFD)(D12492;Research Diets Inc)又は通常食(ND)の投与を開始した。8ヶ月齢となるまで、通常食(ND)又は高脂肪食(HFD)の投与を続け、通常食又は高脂肪食を与えたDEN投与マウスを得た。その後、通常食(ND)又は高脂肪食(HFD)の各々を投与したマウス肝臓から非腫瘍組織(NT)及び肝細胞癌組織(HCC)をサンプリングし、ND−NT(通常食・非腫瘍組織)、ND−HCC(通常食・腫瘍組織)、HFD−NT(高脂肪食・非腫瘍組織)、及びHFD−HCC(高脂肪食・腫瘍組織)として、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を使用した非標的メタボロミクスプロファイリングを以下の手順で行った。
(代謝産物の抽出)
代謝産物の抽出と代謝産物の分析を、Human Metabolome Technologies社(HMT;鶴岡市)において行った。簡潔には、CE−TOFMS分析のために、凍結組織約50mgを内部標準(H3304−1002;HMT)を含有する50%アセトニトリル/ミリQ水1,500μL中に0℃で沈降させた。組織を組織ホモジナイザー(Micro Smash MS100R;富士デジタルバイオロジー社)を用いて1,500rpmで120秒間3回ホモジナイズした。ホモジネートを2,300xg、4℃で5分間遠心分離した。続いて、上部水層800μLをMillipore 5−kDaカットオフフィルター(UltrafreeMC−PLHCC;HMT)を用いて遠心分離し、高分子を除去した(9,100xg、4℃、120分)。濾液を遠心分離して濃縮し、HMTでのCE−TOFMS分析のために、ミリQ水50μLに再懸濁した。
液体クロマトグラフィーTOFMS(LC−TOFMS)分析のために、凍結組織約50mgを、内部標準溶液(H3304−1002;HMT)を含有する1%ギ酸/アセトニトリル500μL中に0℃で沈降させた。組織を上記のようにホモジナイズし、ミリQ水167μLの添加後、混合物を再びホモジナイズし、ホモジネートを遠心分離した(2,300xg、4℃、5分間)。次に、上清に1%ギ酸/アセトニトリル500μLとミリQ水167μLを混合し、混合溶液を3−kDaカットオフフィルター(NANOCEP 3K OMEGA;PALL社)を通してろ過し、高分子を除去した。ハイブリッドSPEリン脂質カートリッジ(55261−U; Supelco社)を使用してさらにろ過し、リン脂質を除去した。濾液を乾燥させ、LC−TOFMS分析のために、イソプロパノール/ミリQ水100μLに再懸濁した。
(代謝産物の分析)
メタボローム分析を、Oogaら Mol Biosyst 2011;7:1217〜1223頁及びSugimotoら Metabolomics 2010;6:78−95頁に記載の方法に基づいて、イオンおよび非イオン代謝産物に関して、それぞれ、CE−TOFMS及びLC−TOFMSを用いて、HMTのDualScanパッケージを用いて行った。簡潔には、Agilent 6210 TOFMS、Agilent 1100 isocratic HPLCポンプ、Agilent G1603A CE−MSアダプターキット、及びAgilent G1607A CE−ESI−MSスプレーキット(Agilent Technologies)を搭載したAgilent CEシステムを使用してCE−TOFMS分析を行った。このシステムは、Agilent G2201A ChemStationソフトウェアバージョンB.03.01 for CE(Agilent Technologies)によって制御されており、溶融シリカキャピラリー(50μm i.d.×80cm全長)により、電解液としての市販の電気泳動バッファー(カチオン及びアニオン分析に関して、それぞれH3301−1001及びH3302−1021;HMT)に接続していた。分光光度計を50〜1,000m/zで走査した。LC−TOFMS分析を、Agilent 6230 TOFMS(Agilent Technologies)を搭載したAgilent LC System(Agilent 1200シリーズRRLCシステムSL)を用いて行った。このシステムをODSカラム(2x50 mm、2μm)を搭載したAgilent G2201A ChemStationソフトウェアバージョンB.03.01(Agilent Technologies)によって制御した。
MasterHands automatic integration software(慶應義塾大学、鶴岡市)を使用してピークを抽出し、m/z、ピーク面積、泳動時間(MT)を含むピーク情報を得た。既知のメタボライトのアイソトポマー、アダクトイオン、その他のプロダクトイオンに対応するシグナルピークは除外し、残りのピークは、TOFMSを使用して決定されたMTおよびRTとそれらのm/z値とに基づいて、HMT代謝産物データベースによりアノテートした。次に、アノテートしたピークの領域を、内部標準レベルおよびサンプル量に基づいて正規化して、各代謝産物の相対レベルを得た。それぞれの標準化合物を用いた1点較正に基づいて、110種類の主要代謝産物を絶対的に定量した。階層的クラスター分析と主成分分析(PCA)を、それぞれHMT独自のソフトウェアであるPeakStatとSampleStatを使用して行った。検出された代謝産物を、VANTEDソフトウェアを用いて代謝経路マップ上に表示した。
4種の組織において種々の長鎖アシルカルニチンの量を分析した。結果を図1及び2に示す。図1において、AC(20:1)の「20」はアシル基の炭素数を示し、「1」は不飽和結合の数を示す。図1において、数字「9.8」及び円の大きさは、ND−NTにおけるAC(20:1)を1とした場合の、HFD−HCCにおけるAC(20:1)の相対的な量を示す。
HFD−HCCでは、ND−NTと比較して、様々な種類の長鎖アシルカルニチン(AC)の量が増加していることが分かった(図1)。
図2において、データは、ND−NT組織における平均量に対する相対的な量として表示されている。*は、ND−NT組織に対してP<0.05であることを示し、†は、ND−HCC組織に対してP<0.05であることを示し、‡は、HFD−NT組織に対してP<0.05であることを示す。
HFD−HCCでは、ND−HCC及びHFD−NTの各々よりも、長鎖アシルカルニチン量が多い傾向があった。特にAC12:1、AC16:0、及びAC18:1の3種は、HFD−HCC組織において他の3種の組織の全てに対して、有意に多い量が確認できた。
〔実施例2〕肥満に関連したHCCにおけるアシルカルニチン代謝関連遺伝子の発現の検証
実施例1において得た、通常食又は高脂肪食を与えたDEN注入マウスを実験に用いた。ND−NT、ND−HCC、HFD−NT、及びHFD−HCCの各々の組織において、アシルカルニチン代謝に関連するACSL4、CPT1A、CACT、及びCPT2の遺伝子発現量をリアルタイムPCRを用いて調査した。結果を図4に示す。
図4において、データは、ND−NT組織における遺伝子発現量に対する相対的な量として表示されている。*は、ND−NT組織に対してP<0.05であることを示し、†は、ND−HCC組織に対してP<0.05であることを示し、‡は、HFD−NT組織に対してP<0.05であることを示す。ND−HCC及びHFD−HCC組織において、CPT1A及びACSL4の強い発現が検出された。一方で、CPT2は、ND−HCC及びHFD−HCC組織において発現量が低下しており、特にHFD−HCC組織における発現量低下は、ND−NT、ND−HCC、及びHFD−NTの全てに対して有意差があった。HFD−HCCでは、CACTに関してもND−NTに対して有意に発現量が低下していた。この結果は、肝細胞癌組織において、脂肪酸の長鎖アシルカルニチンへの変換がHFD−HCC組織において増加している一方で、長鎖アシルカルニチンのアシルCoAへの再変換が抑制されていることを示している。すなわち、この結果は、肝細胞癌組織において、長鎖アシルカルニチン種が蓄積する理由を説明している(図5参照)。なお、CPT1A及びCPT2に関しては、ウエスタンブロット分析を用いて各々の組織における発現量を確認する試験を行ったが、同様の傾向が見られた。
〔実施例3〕ヒト血清サンプルを用いた検証
NAFLD患者保存血清241検体を用いて、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析法(LC−MS/MS法)及びNeoSMAAT(登録商標)(積水メディカル社製)を用いて様々なアシルカルニチンの濃度を測定し、NAFLDの病態との関連性を検討した。また、血清中アシルカルニチン濃度と血清中炎症性サイトカイン濃度又は血清中発癌リスクマーカー濃度との関連性を検討した。
1.患者血清サンプル
NAFLD患者血清を線維化の程度に応じて、以下のようにF0〜4及び肝細胞癌に分類した。
F0:線維化なし
F1:小葉中心部の線維化
F2:小葉中心部+門脈域の線維化
F3:線維性架橋形成
F4:肝硬変
HCC:肝細胞癌
241検体の内訳は、線維化レベルF0が38検体、F1が74検体、F2が63検体、F4が25検体、肝細胞癌が23検体である。
2.血清中の長鎖アシルカルニチン量の測定
採取した血清サンプルを、液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析法(LC−MS/MS法)及びNeoSMAAT(登録商標)を用いて測定した。NeoSMAAT(登録商標)には、重水素で同位体標識した、カルニチン(C0)、アセチルカルニチン(C2)、プロピオニルカルニチン(C3)、ブチリルカルニチン(C4)、イソ吉草酸カルニチン(C5)、3−ヒドロキシ−イソ吉草酸カルニチン(C5OH)、グルタリルカルニチン(C5DH)、オクタノイルカルニチン(C8)、デカノイルカルニチン(C10)、ドデカノイルカルニチン(C12)、テトラデカノイルカルニチン(C14)、テトラデセノイルカルニチン(C14:1)、パルミトイルカルニチン(C16)、及びステアロイルカルニチン(C18)が内部標準として含まれている。測定対象物質であるそれぞれのアシルカルニチン又は遊離カルニチンのピーク面積と内部標準物質とのピーク面積の比を算出することにより、血清サンプル中に存在する測定対象物質の量及び濃度を求めることができる。
ヒト血清検体10μLにNeoSMAAT(登録商標)に添付の内部標準原液10μLを添加した。エタノール200μLをさらに添加して10秒間撹拌した。遠心分離(10000rpm、4℃、5分)を実施し、上清をガラス製試験管に移した。窒素気流下(40℃)で濃縮乾固した。ギ酸/アセトニトリル(0.05:10)100μLを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した。アセトニトリル100μLを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間撹拌した。遠心分離(2000rpm、4℃、3分)を実施し、上清をHPLCバイアルに移し、LC−MS/MSでアシルカルニチン量の測定を行った。LC−MS/MSの条件は以下のとおりである。
システム:LC−20Aシリーズ(島津製作所社製)および4000QTRAP(AB Sciex社製)
<LC条件>
HPLC column:Inertsil Amide (2.1×250mm, 3μm, GL Sciences)
Mobile Phase A:200 mmol/L Ammonium formate
Mobile Phase B:Acetonitrile
Gradient:
Figure 2020064055
Figure 2020064055
なお、3−ヒドロキシ−ヘキサデカノイルカルニチン(C16OH)量は、予め濃度既知の重水素置換C16OHピーク面積値と重水素置換C16ピーク面積値を測定しておき、換算係数として換算件数=重水素置換C16OHピーク面積値/重水素置換C16ピーク面積値を算出し、C16OHピーク面積値と内部標準C16ピーク面積値より算出した濃度値を前記換算係数にて除して得られた換算濃度値を基にして算出した。オクタデセノイルカルニチン(C18:1)の量は、予め濃度既知の重水素置換C18:1面積値と重水素置換C18ピーク面積値を測定しておき、換算係数として換算件数=重水素置換C18:1ピーク面積値/重水素置換C18面積値を算出し、C18:1ピーク面積値と内部標準C18ピーク面積値より算出した濃度値を前記換算係数にて除して得られた換算濃度値を基にして算出した。3−ヒドロキシ−オクタデセノイルカルニチン(C18:1OH)の量は、予め濃度既知の重水素置換C18:1OH面積値と重水素置換C18ピーク面積値を測定しておき、換算係数として換算件数=重水素置換C18:1OHピーク面積値/重水素置換C18面積値を算出し、C18:1OH面積値と内部標準C18ピーク面積値より算出した濃度値を前記換算係数にて除して得られた換算濃度値を基にして算出した。
AC14:1(テトラデセノイルカルニチン)及びAC18:1(オクタデセノイルカルニチン)の測定結果を図6に示す。AC14:1及びAC18:1は、肝線維化と有意な正の相関を示した。(AC14:1はトレンド検定のp値が0.0087であり、AC18:1はトレンド検定のp値が0.0111である)。したがって、生体中のこれらの長鎖アシルカルニチン濃度を測定することにより、脂肪性肝疾患を検出でき、そして脂肪性肝疾患における線維化の進行度を判定できることが分かった。また長鎖アシルカルニチンと短鎖アシルカルニチンを組み合わせた計算式AC14:1+AC18:1−AC5:0は、肝線維化とより強い正の相関を示した(p値0.000721)(図9)。
AC5:0(イソ吉草酸カルニチン)の測定結果を図7に示す。イソ吉草酸カルニチンではトレンド検定のp値が0.00249となり、肝線維化と有意な負の相関を示した。したがって、生体中のこれらの短鎖アシルカルニチン濃度を測定することにより脂肪性肝疾患を検出でき、そして脂肪性肝疾患における線維化の進行度を判定できることが分かった。
HCCを有しないNAFLD患者(F0〜4の合計)、及びHCCを有するNAFLD患者におけるAC18:1の測定結果を図8に示す。AC18:1は、HCCを有するNAFLD患者において、有意に高い値を示した。したがって、生体中のAC18:1の量を測定することにより、NASHが進行した肝細胞癌を検出できることが分かった。
HCCを有しないNAFLD患者(F0〜4の合計)、及びHCCを有するNAFLD患者において、式(AC16:0+AC18:1)×100/AC2:0(式中、AC16:0は、対象からの体液試料中のヘキサデカノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そしてAC2:0は、対象からの体液試料中のアセチルカルニチンの量を示す)の計算値を比較した結果を図10に示す。
前記式(AC16:0+AC18:1)×100/AC2:0の計算値は、HCCを有するNAFLD患者において高い値を示した。したがって、前記式の計算値を計算することにより、NASHが進行した肝細胞癌を検出できることが分かった。
AC18:1と血清炎症性サイトカイン濃度との関連性を示す図を図11に示す。AC18:1と血清発癌リスクマーカー濃度との関連性を示す図を図12に示す。AC18:1は、血清炎症性サイトカイン濃度及び血清発癌リスクマーカー濃度の各々と正の相関を示した。したがって、AC18:1は、脂肪性肝疾患に関連した炎症及び発癌のマーカーとして使用できることが分かった。
本発明によれば、患者及び医療従事者に負担をかけず且つ簡易的に脂肪性肝疾患の診断を行うことができる。本発明によれば、対象が肝細胞癌に進行する前に、NASHを検出することができる。本発明によれば、患者及び医療従事者に負担をかけず且つ簡易的に、対象における肝線維化の進行度の判定を行うことができる。

Claims (20)

  1. 対象からの体液試料中の、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定することと
    測定した前記長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較することと
    を含む、前記対象における脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  2. 前記体液試料が、血液、血清又は血漿である、請求項1に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  3. 前記脂肪性肝疾患が、NASHである、請求項1又は2に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  4. 肝臓における線維化の進行度を判断する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  5. アシル基の炭素数が2〜10である中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定することと
    測定した中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較することと
    をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  6. 前記中短鎖アシルカルニチンが、イソ吉草酸カルニチンである、請求項5に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  7. 対象における脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法であって、以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと:
    [式1]
    AC14:1+AC18:1−AC5:0
    (式中、AC14:1は、対象からの体液試料中のテトラデセノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そして、AC5:0は、対象からの体液試料中のイソ吉草酸カルニチンの量を示す)
    計算した前記指標スコアを基準値と比較することと
    を含む、前記方法。
  8. 対象における脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法であって、以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと:
    [式2]
    (AC16:0+AC18:1)×100/AC2:0
    (式中、AC16:0は、対象からの体液試料中のヘキサデカノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そしてAC2:0は、対象からの体液試料中のアセチルカルニチンの量を示す)
    計算した前記指標スコアを基準値と比較することと
    を含む、前記方法。
  9. 前記体液試料が、血液、血清又は血漿であり、前記脂肪性肝疾患が、NASHが進行した肝細胞癌である、請求項8に記載の脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法。
  10. 脂肪性肝疾患を診断するための体液中のバイオマーカーであって、
    オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択されることを特徴とする、前記バイオマーカー。
  11. 前記体液試料が、血液、血清又は血漿である、請求項10に記載のバイオマーカー。
  12. 前記脂肪性肝疾患が、NASHである、請求項10又は11に記載のバイオマーカー。
  13. 肝臓における線維化の進行度を判断する、請求項10〜12のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
  14. 脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キットであって、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定する試薬を含む診断薬キット。
  15. 脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象からの体液試料中の、オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択される長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定すること
    測定した長鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較すること
    を含む、前記対象における肝線維化の進行度の判定方法。
  16. 前記体液試料が、血液、血清又は血漿である、請求項15に記載の対象における肝線維化の進行度の判定方法。
  17. アシル基の炭素数が2〜10である中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を測定することと
    測定した中短鎖アシルカルニチンのいずれか1つ以上の量を基準値と比較すること
    をさらに含む、請求項15又は16に記載の対象における肝線維化の進行度の判定方法。
  18. 前記中短鎖アシルカルニチンが、イソ吉草酸カルニチンである、請求項17に記載の対象における肝線維化の進行度の判定方法。
  19. 脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象における肝線維化の進行度の判定方法であって、以下の計算式を用いて、指標スコアを計算することと
    [式1]
    AC14:1+AC18:1−AC5:0
    (式中、AC14:1は、対象からの体液試料中のテトラデセノイルカルニチンの量を示し、AC18:1は、対象からの体液試料中のオクタデセノイルカルニチンの量を示し、そして、AC5:0は、対象からの体液試料中のイソ吉草酸カルニチンの量を示す)
    計算した前記指標スコアを基準値と比較することと
    を含む、前記方法。
  20. 脂肪性肝疾患に罹患している可能性のある対象における、肝線維化の進行度を判定するための体液中のバイオマーカーであって、
    オクタデセノイルカルニチン、テトラデセノイルカルニチン、テトラデカノイルカルニチン、ヘキサデカノイルカルニチン、オクタデカノイルカルニチン、及びオクタデカジエノイルカルニチンからなる群から選択されることを特徴とする、前記バイオマーカー。
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JP2019170183A Pending JP2020064055A (ja) 2019-09-19 2019-09-19 脂肪性肝疾患の検出又はリスクの予測方法、脂肪性肝疾患を検出するための診断薬キット及びバイオマーカー、対象の肝線維化の進行度の判定方法、並びに対象の肝線維化の進行度を判定するためのバイオマーカー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114058673A (zh) * 2021-09-15 2022-02-18 江苏先思达生物科技有限公司 一种脂肪肝检测试剂及其在脂肪肝检测中的应用
CN115177608A (zh) * 2022-07-26 2022-10-14 南方医科大学南方医院 长链酰基肉碱类化合物在制备预防和/或治疗肝癌的药物中的应用

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CN115177608B (zh) * 2022-07-26 2023-12-05 南方医科大学南方医院 长链酰基肉碱类化合物在制备预防和/或治疗肝癌的药物中的应用

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