JP2020063481A - 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 - Google Patents
電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020063481A JP2020063481A JP2018196143A JP2018196143A JP2020063481A JP 2020063481 A JP2020063481 A JP 2020063481A JP 2018196143 A JP2018196143 A JP 2018196143A JP 2018196143 A JP2018196143 A JP 2018196143A JP 2020063481 A JP2020063481 A JP 2020063481A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- foil
- aluminum alloy
- alloy foil
- aluminum
- electromagnetic cooking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000011888 foil Substances 0.000 title claims abstract description 59
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 38
- 238000010411 cooking Methods 0.000 title claims abstract description 24
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 14
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 title claims abstract description 14
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims abstract description 6
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 4
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 claims abstract description 4
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 claims abstract description 4
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 claims abstract description 4
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims abstract description 4
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 18
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 abstract description 17
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 abstract description 16
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 13
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 9
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 9
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 9
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 6
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 6
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 238000000034 method Methods 0.000 description 4
- 238000001953 recrystallisation Methods 0.000 description 4
- 235000013305 food Nutrition 0.000 description 3
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 3
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 2
- 238000005266 casting Methods 0.000 description 2
- 238000009749 continuous casting Methods 0.000 description 2
- 238000002845 discoloration Methods 0.000 description 2
- 238000000265 homogenisation Methods 0.000 description 2
- 229910000765 intermetallic Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 238000001556 precipitation Methods 0.000 description 2
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 2
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 238000005097 cold rolling Methods 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 235000013611 frozen food Nutrition 0.000 description 1
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 1
- 230000006698 induction Effects 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 1
- 235000012149 noodles Nutrition 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 1
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 description 1
- 238000005204 segregation Methods 0.000 description 1
- 235000013555 soy sauce Nutrition 0.000 description 1
- 238000003887 surface segregation Methods 0.000 description 1
- 230000037303 wrinkles Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Cookers (AREA)
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
Abstract
【課題】電磁調理に好適で耐食性と成形性に優れた電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器を提供する。【解決手段】電磁調理容器用アルミニウム合金箔は、Si:0.1wt%以下、Fe:0.21〜0.40wt%、Cu:0.006〜0.01wt%、Mn:0.5〜3.0wt%、Mg:0.5〜2.0wt%、Cr:0.05wt%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物から成る組成を有し、好ましくは、箔厚が65〜150μmである。【選択図】図1
Description
この発明は、電磁調理に用いることができる電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器に関するものである。
アルミニウム合金箔は、成形性や熱伝導性に優れ、かつ軽量であることから、麺類や鍋物等の加熱食品用の容器として広く用いられており、電磁調理器を用いた加熱への適用も要望されている。
このため、アルミニウム合金箔には電磁調理に対し加熱効率が良好な性能(以下IH適正という)が要求される。さらには、調理用食品などを収納した状態で流通するため、耐食性に優れていることが要求される。
このため、アルミニウム合金箔には電磁調理に対し加熱効率が良好な性能(以下IH適正という)が要求される。さらには、調理用食品などを収納した状態で流通するため、耐食性に優れていることが要求される。
例えば特許文献1では、特定の厚みおよび電気比抵抗値を有するアルミニウム合金箔によって成形性、耐食性に優れたアルミニウム合金箔成形容器が提供されている。
アルミニウム合金箔は不純物元素が少なく、純度が高いほど耐食性が向上する。このアルミニウム箔は成形して容器形状とするが、加工を容易に行えるようにアルミニウム箔を軟質箔とする熱処理が行われている。しかし、純度が高いアルミニウム合金箔では、熱処理によって最終焼鈍後の結晶粒サイズが大きくなり成形性が低下する。また、純度が高くなるほど地金コストも増加する。耐食性と成形性を両立させ、かつ低コストで生産することが要望されている。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、耐食性と成形性のバランスに優れ、電磁調理に好適な電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器を提供することを目的とする。
すなわち本発明の電磁調理容器用アルミニウム合金箔のうち、第1の形態は、Si:0.1wt%以下、Fe:0.21〜0.40wt%、Cu:0.006〜0.01wt%、Mn:0.5〜3.0wt%、Mg:0.5〜2.0wt%、Cr:0.05wt%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物から成る組成を有することを特徴とする。
他の形態の電磁調理容器用アルミニウム合金箔は、前記形態の発明において、箔厚が65〜150μmであることを特徴とする。
他の形態の電磁調理容器用アルミニウム合金箔は、前記形態の発明において、平均結晶粒径が20μm超〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁調理容器用アルミニウム合金箔。
本発明のアルミニウム箔成形容器は、前記発明のいずれかの形態における電磁調理容器用アルミニウム合金箔を用いたことを特徴とする。
以下に、本発明で規定した成分等の規定理由と作用について説明する。
・Si:0.1wt%以下、望ましくは0.01〜0.05wt%
SiはMnの晶析出を促進させ、結晶粒を微細化させるので含有させる。ただし、Si含有量が0.1wt%を越えると、Mnが過剰に晶析出し、IH適正が低下するとともに耐食性が低下する。同様の理由で上限を0.05wtとするのが望ましい。
Si含有量が0.01wt%未満であると、前記した作用が十分に得られず、また純度が高くコストアップとなるので、下限を0.01%とするのが望ましい。
・Si:0.1wt%以下、望ましくは0.01〜0.05wt%
SiはMnの晶析出を促進させ、結晶粒を微細化させるので含有させる。ただし、Si含有量が0.1wt%を越えると、Mnが過剰に晶析出し、IH適正が低下するとともに耐食性が低下する。同様の理由で上限を0.05wtとするのが望ましい。
Si含有量が0.01wt%未満であると、前記した作用が十分に得られず、また純度が高くコストアップとなるので、下限を0.01%とするのが望ましい。
・Fe:0.21〜0.40wt%、望ましくは0.25〜0.30wt%
FeはMnの晶析出を促進させ、結晶粒を微細化させるので含有させる。Fe含有量が0.21wt%未満であると、前記した作用が十分得られず、また、純度が高くコストアップとなる。さらに、最終焼鈍後の結晶粒サイズが粗大となり成形性が低下する。一方、Fe含有量が0.40wt%を超えると、耐食性が低下する。なお、同様の理由で、Fe含有量は、下限を0.25wt%、上限を0.30wt%とするのが望ましい。
FeはMnの晶析出を促進させ、結晶粒を微細化させるので含有させる。Fe含有量が0.21wt%未満であると、前記した作用が十分得られず、また、純度が高くコストアップとなる。さらに、最終焼鈍後の結晶粒サイズが粗大となり成形性が低下する。一方、Fe含有量が0.40wt%を超えると、耐食性が低下する。なお、同様の理由で、Fe含有量は、下限を0.25wt%、上限を0.30wt%とするのが望ましい。
・Cu:0.006〜0.01wt%、望ましくは0.006〜0.008wt%
Cuは少量で強度を高める効果がある一方、耐食性を低下させる。Cu含有量が0.006wt%未満であると、純度が高くコストアップとなる。一方、Cu含有量が、0.01wt%を越えると耐食性が低下するため、含有量を0.01wt%以下に限定する。同様の理由で上限を0.008wt%とするのが望ましい。
Cuは少量で強度を高める効果がある一方、耐食性を低下させる。Cu含有量が0.006wt%未満であると、純度が高くコストアップとなる。一方、Cu含有量が、0.01wt%を越えると耐食性が低下するため、含有量を0.01wt%以下に限定する。同様の理由で上限を0.008wt%とするのが望ましい。
・Mn:0.5wt%〜3.0wt%、望ましくは1.0〜2.0wt%
Mnは電気比抵抗を高める効果があるので含有させる。Mn含有量が0.5wt%未満であると十分な電気比抵抗が得られない。また強度が低下する。一方、Mn含有量が3.0wt%を越えると、粗大な金属間化合物が晶出し、成形性が悪化する。また、十分に再結晶させるための熱量が大きく、最終焼鈍時の再結晶不足により成形性が悪化する。また、再結晶した場合にも結晶粒径が粗大となりやすく、成形性が悪化する。なお、同様の理由で、Mn含有量は、下限を1.0wt%、上限を2.0wt%とするのが望ましい。
Mnは電気比抵抗を高める効果があるので含有させる。Mn含有量が0.5wt%未満であると十分な電気比抵抗が得られない。また強度が低下する。一方、Mn含有量が3.0wt%を越えると、粗大な金属間化合物が晶出し、成形性が悪化する。また、十分に再結晶させるための熱量が大きく、最終焼鈍時の再結晶不足により成形性が悪化する。また、再結晶した場合にも結晶粒径が粗大となりやすく、成形性が悪化する。なお、同様の理由で、Mn含有量は、下限を1.0wt%、上限を2.0wt%とするのが望ましい。
・Mg:0.5wt%〜2.0wt%、望ましくは0.7〜1.7wt%
Mgは電気比抵抗を高める効果があるので含有させる。Mg含有量が0.5wt%未満であると、十分な電気比抵抗が得られない。また、強度が低下する。一方、Mg含有量が2.0wt%を越えると、強度が高くなり過ぎ、成形性が悪化する。なお、同様の理由でMg含有量は、下限を0.7wt%、上限を1.7wt%とするのが望ましい。
Mgは電気比抵抗を高める効果があるので含有させる。Mg含有量が0.5wt%未満であると、十分な電気比抵抗が得られない。また、強度が低下する。一方、Mg含有量が2.0wt%を越えると、強度が高くなり過ぎ、成形性が悪化する。なお、同様の理由でMg含有量は、下限を0.7wt%、上限を1.7wt%とするのが望ましい。
・Cr:0.05wt%以下、望ましくは0.01〜0.03w%
Crは電気比抵抗を高める効果があるので含有させる。ただし、Cr含有量が0.05wt%を越えると、十分に再結晶させるための熱量が大きく、最終焼鈍時の再結晶不足により成形性が悪化する。同様の理由で、Cr含有量は、上限を0.03wt%とするのが一層望ましい。
また、Cr含有量が0.01wt%未満であると、十分な電気比抵抗が得られないので、下限を0.01%とするのが望ましい。
Crは電気比抵抗を高める効果があるので含有させる。ただし、Cr含有量が0.05wt%を越えると、十分に再結晶させるための熱量が大きく、最終焼鈍時の再結晶不足により成形性が悪化する。同様の理由で、Cr含有量は、上限を0.03wt%とするのが一層望ましい。
また、Cr含有量が0.01wt%未満であると、十分な電気比抵抗が得られないので、下限を0.01%とするのが望ましい。
・平均結晶粒径:20μm超〜100μm
平均結晶粒径は、100μmを超えると成形性が低下する。一方、平均結晶粒径が20μm以下であると、結晶粒が微細過ぎ、0.2%耐力が高くなり過ぎて成形性が低下する。これらの理由により、平均結晶粒径は、上記範囲内とするのが望ましい。
なお、平均結晶粒径は、30μm超とするのが一層望ましい。
平均結晶粒径は、100μmを超えると成形性が低下する。一方、平均結晶粒径が20μm以下であると、結晶粒が微細過ぎ、0.2%耐力が高くなり過ぎて成形性が低下する。これらの理由により、平均結晶粒径は、上記範囲内とするのが望ましい。
なお、平均結晶粒径は、30μm超とするのが一層望ましい。
・箔厚:65〜150μm
箔厚を薄くすることで電気比抵抗を高めることができる。ただし、箔厚を65μm未満にすると十分な強度が得られず、また金属間化合物を起点としたピンホール欠陥が発生する恐れがある。一方、箔厚が150μmを越えると十分な電気比抵抗が得られない。また、成形性が悪化する。これらの理由により、アルミニウム合金箔の箔厚は上記範囲とするのが望ましい。なお、同様の理由により、箔厚は、下限を80μm、上限を100μmとするのが望ましい。
箔厚を薄くすることで電気比抵抗を高めることができる。ただし、箔厚を65μm未満にすると十分な強度が得られず、また金属間化合物を起点としたピンホール欠陥が発生する恐れがある。一方、箔厚が150μmを越えると十分な電気比抵抗が得られない。また、成形性が悪化する。これらの理由により、アルミニウム合金箔の箔厚は上記範囲とするのが望ましい。なお、同様の理由により、箔厚は、下限を80μm、上限を100μmとするのが望ましい。
本発明によれば、耐食性と成形性に優れ、電気比抵抗が高くて電磁調理に適した効果が得られる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
本発明のアルミニウム箔容器の製造に際し、Si:0.1wt%以下、Fe:0.21〜0.40wt%、Cu:0.006〜0.01wt%、Mn:0.5〜3.0wt%、Mg:0.5〜2.0wt%、Cr:0.05wt%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物から成る組成を有する合金を用意する。
本発明のアルミニウム箔容器の製造に際し、Si:0.1wt%以下、Fe:0.21〜0.40wt%、Cu:0.006〜0.01wt%、Mn:0.5〜3.0wt%、Mg:0.5〜2.0wt%、Cr:0.05wt%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物から成る組成を有する合金を用意する。
本発明としては、アルミニウム合金の製造方法が特定のものに限定されるものではなく、例えば、半連続鋳造法や連続鋳造法等の所望の方法によって作製することができる。鋳造の冷却速度は特に制限されないが、鋳造の冷却速度は大きい方が元素の固溶量が増加して電気比抵抗が上がるものの、表面偏析や中心線偏析が生じて製造されるアルミニウム合金箔の成形性や耐食性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、冷却速度が小さすぎる場合は元素の固溶量が減少して、必要な電気比抵抗が得られない。これらの理由により冷却速度は、下限を100℃/s、上限を1000℃/sとするのが望ましい。ただし、本願発明としては冷却速度が特定の範囲に限定されるものではない。
なお、得られた材料に対しては必要に応じて均質化処理を行ってもよい。均質化処理は、例えば、500℃〜600℃で、3時間〜20時間の条件にて均質化処理を行うことができる。
なお、得られた材料に対しては必要に応じて均質化処理を行ってもよい。均質化処理は、例えば、500℃〜600℃で、3時間〜20時間の条件にて均質化処理を行うことができる。
均質化処理後の材料に対し、熱間圧延を行って所望の厚さとした後、冷間圧延、中間焼鈍、再度冷間圧延を経ることにより、所望の厚さのアルミニウム合金箔を得ることができる。箔厚は特に限定されないが、強度および電気抵抗などの観点から65〜150μmとするのが望ましい。その後、最終焼鈍を経て、本発明のアルミニウム合金箔を得ることができる。最終焼鈍の条件は350℃以上の温度で、保持時間を5分以内とするのが望ましい。ただし、本発明としてはこの条件に限定されるものではない。
上記アルミニウム合金箔を成形することにより、本発明のアルミニウム合金箔成形容器を得ることができる。成形はプレス成形等によって行うことができ、成形容器の形状については特に限定されず、たとえば、底部と、底部の周縁から立ち上がる周壁部と、周壁部の開口部から外側へ伸長するフランジ部とを有する加熱調理用のアルミニウム合金箔成形容器とすることができる。
例えば、絞り加工により周回側壁2と底部3とを有し、該周回側壁2にしわを有するしわ付きのアルミニウム箔成形容器1を得ることができる。なお、本発明としては、周回側壁にしわを有しないものであってもよい。
上記アルミニウム箔成形容器1の容器内面に沿った外周面形状を有し、該外周面に、多段に交互に連続する外側湾曲面と内側湾曲面とを有する凸型を用意し、伏せた状態の上記しわ付きアルミニウム箔容器10を凸型に嵌め、外周側から型締めすることで、凸型の外周面を周回側壁2に転写することができる。
上記アルミニウム箔成形容器1の容器内面に沿った外周面形状を有し、該外周面に、多段に交互に連続する外側湾曲面と内側湾曲面とを有する凸型を用意し、伏せた状態の上記しわ付きアルミニウム箔容器10を凸型に嵌め、外周側から型締めすることで、凸型の外周面を周回側壁2に転写することができる。
得られたアルミニウム合金箔成形容器は、電気抵抗が大きくて高いIH適性を有しており、電磁調理器での加熱に適している。また、この成形容器は、電磁調理に限られず、ガスコンロ等の直火による加熱調理に用いることも可能である。
・製造方法
表1の組成(残部はAlと不可避不純物)を有する溶湯を調製した後、表1記載の冷却速度で10mmの厚さに鋳造したアルミニウム合金に冷間圧延を施して表1記載の厚さとした後、400℃で加熱保持時間5分の最終焼鈍を行い、アルミニウム合金軟質箔を得た。得られたアルミニウム合金軟質箔に対し、変色、平均結晶粒径、成形性、IH適性、および耐食性の評価を以下の方法で行い、その評価結果を表1に示した。
表1の組成(残部はAlと不可避不純物)を有する溶湯を調製した後、表1記載の冷却速度で10mmの厚さに鋳造したアルミニウム合金に冷間圧延を施して表1記載の厚さとした後、400℃で加熱保持時間5分の最終焼鈍を行い、アルミニウム合金軟質箔を得た。得られたアルミニウム合金軟質箔に対し、変色、平均結晶粒径、成形性、IH適性、および耐食性の評価を以下の方法で行い、その評価結果を表1に示した。
<評価方法>
・変色
最終焼鈍前後のアルミニウム合金箔の色調差を目視で判定した。最終焼鈍前後で色調差が見られなければ「○」、一部もしくは全面がわずかに変色していれば「△」、一部もしくは全面が明らかに黄変していれば「×」と判定した。判定△以上であれば実用上問題ないが、○であることが望ましい。
・変色
最終焼鈍前後のアルミニウム合金箔の色調差を目視で判定した。最終焼鈍前後で色調差が見られなければ「○」、一部もしくは全面がわずかに変色していれば「△」、一部もしくは全面が明らかに黄変していれば「×」と判定した。判定△以上であれば実用上問題ないが、○であることが望ましい。
・平均結晶粒径
平均結晶粒径は光学顕微鏡(倍率100倍)にて撮影した表面組織写真より、任意の100個の結晶粒について、各結晶粒の短径と長径の平均をその結晶粒の平均粒径として、その平均値を求めた。
平均結晶粒径は光学顕微鏡(倍率100倍)にて撮影した表面組織写真より、任意の100個の結晶粒について、各結晶粒の短径と長径の平均をその結晶粒の平均粒径として、その平均値を求めた。
・成形性
アルミニウム合金箔1000枚をプレス成形してアルミニウム合金箔成形容器(底部径:11.6cm、周壁高さ:5.6cm、フランジ幅部:1.4cm)を1000個作製した。作製した成形容器について、容器底部や壁面部に穴あきが発生した容器の割合が0.5%以下である場合は成形性「○」、0.5%を超え1.0%以下であれば「△」、1.0%超の場合は「×」と判定した。
アルミニウム合金箔1000枚をプレス成形してアルミニウム合金箔成形容器(底部径:11.6cm、周壁高さ:5.6cm、フランジ幅部:1.4cm)を1000個作製した。作製した成形容器について、容器底部や壁面部に穴あきが発生した容器の割合が0.5%以下である場合は成形性「○」、0.5%を超え1.0%以下であれば「△」、1.0%超の場合は「×」と判定した。
・IH(Induction Heating)適正
電磁調理器用のアルミニウム合金箔として十分な電気比抵抗を有しているかの指標として、IH適正を評価した。IH適正評価は、プレス成形後のアルミニウム合金箔成形容器に300ccの水を入れ、電磁調理器を用いた加熱によって水温が20℃から90℃まで上昇するのに要した時間を測定することによって行った。所要時間が100秒以下であればIH適正「○」、100秒を超え120秒以下であれば「△」、120秒を超えた場合は「×」と判定した。判定△以上であれば実用上問題ないが、○であることが望ましい。なお、試験は海抜520m地点で実施、電磁調理器は日立製作所製HT−B6S(200V、3.0kW)を用いた。
電磁調理器用のアルミニウム合金箔として十分な電気比抵抗を有しているかの指標として、IH適正を評価した。IH適正評価は、プレス成形後のアルミニウム合金箔成形容器に300ccの水を入れ、電磁調理器を用いた加熱によって水温が20℃から90℃まで上昇するのに要した時間を測定することによって行った。所要時間が100秒以下であればIH適正「○」、100秒を超え120秒以下であれば「△」、120秒を超えた場合は「×」と判定した。判定△以上であれば実用上問題ないが、○であることが望ましい。なお、試験は海抜520m地点で実施、電磁調理器は日立製作所製HT−B6S(200V、3.0kW)を用いた。
・耐食性
ガラス容器に市販の醤油(食塩相当量濃度:160g/L)を入れ、アルミニウム合金箔を浸漬して室温で7日間および10日間保持後、腐食生成物を除去して目視で判定した。10日間で貫通孔が発生しなかったものを「○」、7日間では貫通孔が発生しなかったが10日間で貫通孔が発生していたものを「△」、7日間で貫通孔が発生していたものを「×」と判定した。判定△以上であれば実用上問題ないが、○であることが望ましい。
長期の耐食性においては、従来のチルド食品用調理器では容器と調理液が直接接触することがないが、冷凍食品用調理器などとした場合に、冷凍された調理液と容器が接触した状態となるため高い耐食性が求められる。
ガラス容器に市販の醤油(食塩相当量濃度:160g/L)を入れ、アルミニウム合金箔を浸漬して室温で7日間および10日間保持後、腐食生成物を除去して目視で判定した。10日間で貫通孔が発生しなかったものを「○」、7日間では貫通孔が発生しなかったが10日間で貫通孔が発生していたものを「△」、7日間で貫通孔が発生していたものを「×」と判定した。判定△以上であれば実用上問題ないが、○であることが望ましい。
長期の耐食性においては、従来のチルド食品用調理器では容器と調理液が直接接触することがないが、冷凍食品用調理器などとした場合に、冷凍された調理液と容器が接触した状態となるため高い耐食性が求められる。
1 アルミニウム箔成形容器
2 周回側壁
3 底部
2 周回側壁
3 底部
Claims (4)
- Si:0.1wt%以下、Fe:0.21〜0.40wt%、Cu:0.006〜0.01wt%、Mn:0.5〜3.0wt%、Mg:0.5〜2.0wt%、Cr:0.05wt%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物から成る組成を有することを特徴とする電磁調理容器用アルミニウム合金箔。
- 箔厚が65〜150μmであることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理容器用アルミニウム合金箔。
- 平均結晶粒径が20μm超〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁調理容器用アルミニウム合金箔。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁調理容器用アルミニウム合金箔を用いたことを特徴とするアルミニウム箔成形容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018196143A JP2020063481A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018196143A JP2020063481A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020063481A true JP2020063481A (ja) | 2020-04-23 |
Family
ID=70388141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018196143A Pending JP2020063481A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020063481A (ja) |
-
2018
- 2018-10-17 JP JP2018196143A patent/JP2020063481A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101814203B1 (ko) | 알루미늄 합금박, 알루미늄 합금박 성형 용기, 식품 포장체, 및 알루미늄 합금박의 제조 방법 | |
CN101550509B (zh) | 烤漆固化性优良、室温时效得到抑制的铝合金板及其制造方法 | |
CN101641454A (zh) | 铝合金制硬钎焊板及其制造方法 | |
JP6326485B2 (ja) | Dr缶ボディ用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP2018204099A5 (ja) | ||
JPH04110493A (ja) | 赤外線放射用部材およびその製造方法 | |
JP6119937B1 (ja) | 陽極酸化皮膜を有する外観品質に優れたアルミニウム合金押出材及びその製造方法 | |
KR102033820B1 (ko) | 알루미늄 핀 합금 및 그 제조 방법 | |
EP1250468B8 (en) | Process of producing aluminum fin alloy | |
JP5623167B2 (ja) | アルミニウム合金箔およびその製造方法、アルミニウム合金箔成形容器、食品包装体 | |
CN107299259A (zh) | 一种xr348铝合金的汽车散热翅片铝箔及其制备方法 | |
JP2020063481A (ja) | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 | |
JP6775340B2 (ja) | 成形用アルミニウム合金箔およびアルミニウム合金箔の製造方法、ならびにアルミニウム合金箔成形容器 | |
WO2017006816A1 (ja) | 陽極酸化皮膜を有する外観品質に優れたアルミニウム合金押出材及びその製造方法 | |
JP2020063482A (ja) | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 | |
JP2020063483A (ja) | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 | |
JP5613573B2 (ja) | 電磁調理器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 | |
JPH05320798A (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金押し出しチューブ | |
JP2019104965A (ja) | 電磁調理容器用アルミニウム合金箔およびアルミニウム箔成形容器 | |
JP4341453B2 (ja) | 熱伝導性に優れたアルミニウム合金鋳物及びその製造方法 | |
JP2018003039A (ja) | アルミニウム合金箔およびその製造方法、ならびにアルミニウム合金箔成形容器 | |
JPH06116667A (ja) | 遠赤外線放射体 | |
JP4121932B2 (ja) | キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP3305517B2 (ja) | 発色アルミニウム合金、アルミニウム合金材及び帯赤乳白色の陽極酸化皮膜を有するアルミニウム合金材の製造方法 | |
JP2008266749A (ja) | アルミニウム箔 |