JP2020063189A - 溶融ガラスを調質するための装置及び方法 - Google Patents

溶融ガラスを調質するための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融ガラスを加工するための、及びより詳細には溶融ガラスを撹拌するための装置を提供する。【解決手段】装置は、最上位撹拌ブレードを備えるメイン撹拌器202と、流入側撹拌器204とを含む容器を備え、上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位撹拌ブレードは上記水平面より下にあり、上記流入側撹拌器はその全体が上記水平面より上にある。上記容器は複数の流入側撹拌器を含んでよく、メイン撹拌器の回転方向に対して様々な方向に回転してよい。溶融ガラスを加工する方法も開示される。【選択図】図6

Description

優先権
本出願は、米国特許法第119条の下で、2015年5月6日出願の米国仮特許出願第62/157,576号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は信頼できるものであり、参照によりその全体が本出願に援用される。
本開示は、溶融ガラスを加工するための装置を対象とし、より詳細には溶融ガラスを混合するための装置を対象とする。
商業規模でのガラスの製造は典型的には、耐火性セラミック溶融炉内で実施され、原材料(バッチ)を上記溶融炉に追加して、上記バッチが化学反応する温度まで加熱することにより、溶融ガラスを生産する。上記バッチを加熱する複数の方法を使用でき、これにはガス燃焼バーナ、電流又はこれら両方が含まれる。いわゆるハイブリッドプロセスでは、まず1つ又は複数のガス燃焼バーナからのガス火炎が上記バッチを加熱する。上記バッチの温度が上昇して溶融ガラスが形成されるに従って、材料の電気抵抗性は低下し、これにより、溶融炉の側壁及び/又は床に設置された電極を通して、電流を溶融ガラスに導入できる。この電流は溶融ガラスを内部から加熱し、上記ガスバーナは溶融ガラスを上方から加熱する。いくつかの実施形態では、水中燃焼を採用できる。
上記溶融ガラスの下流での加工、例えば成長及び均質化は、炉構造体の特定の部分において、又は上記溶融炉の下流に配置され、導管によって上記溶融炉に接続された他の容器において、実施できる。溶融ガラスが搬送される際に溶融ガラスの適切な温度を維持するために、溶融ガラスを加熱してよい。清澄プロセス等のいくつかのプロセスでは、清澄用容器内において溶融ガラスを炉温度より高い温度まで加熱することにより、溶融ガラスからの気泡のより完全な除去を促進できる。溶融炉の下流の、製造装置の他の部分では、溶融ガラスを、1つ又は複数の導管を通して流しながら冷却して、溶融ガラスを形成に好適な粘度とすることができる。しかしながらこの冷却は、冷却速度が速くなり過ぎるのを防止するために、熱エネルギの制御された付加によって制限され得る。
この溶融プロセスは、下流プロセスへの溶融ガラスの流れを生成でき、これは、更なる加工を行わない場合、以下の理由のうちの少なくとも1つ又は複数により、不均質であり得る:1)顆粒状原材料の不完全な溶融;2)溶融容器を構成する耐火物の分解;3)溶融ガラスの自由表面からの揮発;4)密度が分別された複数のガラス相の混合;及び5)異なる組成のガラス間での遷移。その結果、化学的及び熱的な不均質性が溶融ガラス中に存在し得、これは、溶融ガラスを仕上げ済み物品に形成して冷却した場合に、視認可能な屈折率の変動をもたらす場合がある。上記仕上げ済み物品が、ガラスのリボン又はシートといったドロー加工済み物品である場合、屈折率が異なる領域は伸長して、長く薄い筋のように、又はより一般的な名称としては脈理のように見える場合がある。いくつかの例では、脈理は更に、ガラス物品の厚さのわずかな変動として現れる場合がある。従って上記ガラス物品は、約1〜10ミリメートル(mm)の可変空間的周期、及び典型的には10ナノメートル(nm)以上の深さを有する、表面のしわを含む場合がある。
例えばテレビ、コンピュータモニタ、タブレット、スマートフォン等のデバイスにおいて使用されるディスプレイパネル(例えば液晶ディスプレイパネル)の製造に好適なガラスのような光学品質ガラスの製造に関して、これらの不均一領域の除去は最重要である。多量の脈理は望ましくない。というのは、これは視覚的にも機能的にもディスプレイの品質に影響するためである。視覚的には、脈理は、波型表面の曲率によって生成されるレンズ効果の結果として、ドロー加工方向の複数の暗色の線のように見える場合がある。機能的には、大きな脈理は、液晶ディスプレイ(LCD)デバイスのセル間隙の変動を生成する場合があり、これは液晶の動作に影響を与え得る。従って、溶融ガラスが、混合によって効果的に脈理を除去するために十分に低い粘度である状態で、溶融ガラスを混合するために、努力が払われている。混合は受動的なものとすることができ、この場合、溶融ガラスの流れの中に位置決めされた複数の静止羽根によって、溶融ガラスの流れ方向が繰り返し変更される。又は例えば回転型撹拌器といった移動部材を備える撹拌用容器等の混合用容器を通して、溶融ガラスを流すことにより、溶融ガラスを能動的に混合してもよい。
商業的な脈理規格の厳格化、ガラスの流量の増大による脈理の発生の増大、又は溶融が困難である新たなガラス組成物の導入により、混合用容器及び特に撹拌用容器の混合性能を改善する必要はますます増大している。
所与の撹拌用容器構成では、混合強度は、撹拌用容器内に位置決めされた撹拌器の毎分回転数(RPM)を増大させることによって、増大させることができる。しかしながら、RPMにはハードウェア的な限界があり、撹拌器のサイズを増大させるとRPMは低下する。即ち、撹拌ブレードの直径が増大するに従って、撹拌用容器内で撹拌器ブレードを効果的に回転させることができる速度は低下する。更に、高いRPMは混合用容器の腐食によって生成された金属(例えば白金又は白金合金)包有物の増大、及び撹拌器の寿命の低下を含む、有害な副作用も生成する場合がある。
動作中の撹拌器のRPM設定は、脈理を所望のレベルまで混合することと、撹拌器の寿命を犠牲にせずに白金又は白金合金包有物を最少化することとの間のトレードオフである。このトレードオフを巧みに回避する、撹拌有効性の改善を達成するための方法を発見することが望まれている。
特定のガラス製造プロセスでは、原材料(その混合物は典型的にはバッチと呼ばれる)を1つ又は複数の高温熱源に曝露し、すると原材料は化学反応して、これ以降溶融ガラスと呼ばれる溶融材料を生成し、これを形成装置によって物品に形成し、これを適切に冷却することでガラス物品とする。当該技術分野における技能を特に有しない者にとって、溶融ガラスを形成するための高温加工は典型的には溶融プロセスと呼ばれ、以下の議論の目的に関して、この呼称は、厳密に正確でなくても十分なものである。いずれにせよ、溶融プロセス中、得られる溶融ガラスは均質からは程遠い。初め、上記原材料は典型的には顆粒状の性質を有し、従って溶融ガラスの極めて小さい領域が、隣接する小さな領域とは異なる化学組成を含み得る。同様に温度の変動も存在する場合があり、溶融ガラスのある領域が、別の領域とは異なる温度となり得る。このような溶融ガラスの化学的及び熱的な不均質性は、これが軽減されない場合、平均的な視力しか有しない者でも容易に観察できる屈折率の差異を含むがこれに限定されない、仕上げ済みガラス物品の特性の変動につながり得る。下流での形成プロセス中に、何らかの溶融ガラスのドロー加工(伸長)方法を採用するプロセスでは、不均質な複数の小さな領域を、ドロー加工方向に対して概ね平行な長いフィラメント(即ち脈理)へと伸長させる場合がある。このようなフィラメントは、仕上げ済みガラス物品において容易に観察できる。ガラス物品がガラスシート、例えばディスプレイデバイス(例えば液晶ディスプレイデバイス)の製造に使用されるガラスシートである例では、これらのフィラメントは、ガラスシートを見る者の気が散る原因となる。更にこれらのフィラメントは、ガラスシートに厚さの変動を発生させる場合があり、これは、LCDディスプレイパネルを構成する平行な複数のガラスシート間の間隙の差異をもたらし、ディスプレイパネルの機能を阻害し得る。摩砕及び/又は研磨等によってガラスシートを更に加工できる例においてさえ、屈折率の差異は残る。従ってガラス製造者は、溶融ガラスを均質化するための様々な手段を採用する。
いくつかのプロセスでは、溶融ガラス中に電流を確立するための電極といった、1つ又は複数の熱源を配設して、溶融ガラス中に所望の対流電流を生成することにより、混合を最大化して完全な溶融を生成する。いくつかのプロセスは、溶融ガラス中にガスを導入するよう構成された気泡発生器を利用する場合がある。気泡は溶融ガラスを通過して溶融ガラスの自由表面まで上昇し、その間に、溶融ガラスの混合を支援する機械的運動を導入する。
いくつかのプロセスでは、溶融炉中での混合は、更なる下流での混合によって増強できる。例えばこのような追加の混合は、溶融ガラスを撹拌するために特に構成された容器を通して溶融ガラスを流すことによって実施してよい。ある例示的な撹拌動作では、撹拌器を溶融炉の下流の容器内に回転可能に設置でき、溶融ガラスが容器を通過するに従って、撹拌器が容器内で回転して、溶融ガラスの機械的混合を生み出す。典型的には、撹拌器は、シャフトと、1つ又は複数の撹拌ブレードとを備え、この1つ又は複数の撹拌ブレードはシャフト上に配設され、シャフトから外向きに延在し、これにより、シャフトの回転がフィラメントを「切断(cut)」して、フィラメントを溶融ガラスの体積全体に分散させる。いくつかの実施形態では、撹拌器は、1つ又は複数のブレードが螺旋状又はその他の様式で周りに巻きつけられたシャフトを備える、スクリュータイプのものであってよい。他の実施形態では、撹拌器は、シャフトに沿って所定のパターンで配設された1つ又は複数のパドルを備える、パドルタイプのものであってよい。他の構成も可能であり、パドルの面に開口を有するパドル、及び例えば料理用ミキサーのための混合用ブレードを想起させる、接続された複数のバー部材の構成を備えた骨格状部材が挙げられる。
これら上述の混合用容器が共通して有することができるある態様は、1つ又は複数の混合用ブレードを溶融ガラスの表面より下に沈める必要があることである。1つ又は複数の混合用ブレードが溶融ガラスの自由表面において露出してしまうと、溶融ガラス中にガス(例えば空気)を捕捉するラッピング(lapping)が発生し得る。捕捉された空気は、微小な気泡であっても、仕上げ済み物品中に更なる観察可能な欠陥を形成する場合があり、従って望ましくない。よって、1つ又は複数の混合用ブレードは典型的には、溶融ガラスの自由表面より十分に下に位置決めされる。しかしながら、流れの分析により、1つ又は複数の混合用ブレードを溶融ガラスの自由表面より下に位置決めすると、混合用ブレードより上の溶融ガラスが静止領域を呈するという結果がもたらされる場合があることが分かっている。即ち、溶融ガラスの停滞領域は、定常状態条件下において過酷な混合を略受けず、これらの領域中の溶融ガラスは、特定の撹拌器設計において、静止領域から漏れ、例えば容器の壁と撹拌ブレードとの間の経路に沿って混合用ブレードを迂回する。
従って、本明細書は、溶融ガラスを調質するための装置について記載し、上記装置は:容器;上記容器内に位置決めされて第1の回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器であって、上記メイン撹拌器は、メイン撹拌器シャフトと、上記第1の回転軸に対して距離dmだけ上記メイン撹拌器シャフトから外向きに延在する最上位メイン撹拌ブレードとを備える、メイン撹拌機;及び上記容器内に位置決めされて、上記第1の回転軸から上記dm未満の距離daだけオフセットされた第2の回転軸の周りで回転可能な、第1の流入側撹拌器を備える。
上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位メイン撹拌ブレードは上記水平面より下に位置決めされ、上記第1の流入側撹拌器は上記水平面より下に延在しない。
上記装置は更に、上記容器内へと開放され、上記溶融ガラスを上記容器に送達するよう構成された、送達導管を備えてよく、上記送達導管は、中央長手方向軸を備える。続いて、上記送達導管の上記中央長手方向軸に対して垂直に、上記容器を通って延在する、第1の垂直面に関して、上記第1の回転軸は全体的に上記第1の垂直面内に存在し、上記第1の流入側撹拌器は、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされる。
また、上記装置は更に、第2の流入側撹拌器を備えてよく、上記第2の流入側撹拌器は、上記容器内に位置決めされ、上記第1の回転軸から上記距離daだけオフセットされた第3の回転軸の周りで回転可能であり、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされる。従って、上記第1の垂直面に対して垂直な第2の垂直面に関して、上記送達導管の上記中央長手方向軸は、全体的に上記第2の垂直面内に存在し、上記第2の回転軸及び上記第3の回転軸は、上記第2の垂直面から等距離にある。
上記装置は更に、上記第1の垂直面の、上記送達導管と反対側に位置決めされた、第2の流入側撹拌器を備えてよい。
上記装置は例えば、複数の流入側撹拌器を備えてよい。
特定の実施形態では、上記容器は円筒形であり、上記第1の回転軸は、上記容器の上記中央長手方向軸と一致する。
別の態様では、溶融ガラスを調質するための装置が開示され、上記装置は:容器;上記容器内に位置決めされて第1の回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器であって、上記メイン撹拌器は、メイン撹拌器シャフトと、上記第1の回転軸に対して距離dmだけ上記メイン撹拌器シャフトから外向きに延在する最上位メイン撹拌ブレードとを備える、メイン撹拌機;及び上記容器内に位置決めされて、上記第1の回転軸からオフセットされた第2の回転軸の周りで回転可能な、第1の流入側撹拌器を備える。従って、上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位メイン撹拌ブレードは上記水平面より下に位置決めされ、上記第1の流入側撹拌器は上記水平面より下に延在しない。
上記第1の流入側撹拌器は例えば、上記容器の上流容積内に位置決めしてよく、上記最上位撹拌ブレードは、上記容器の下流容積内に位置決めされる。
上記上流容積及び上記下流容積は、円筒状容積であってよく、上記上流容積の中央長手方向軸は、上記下流容積の中央長手方向軸と一致してよい。
上記装置は例えば、複数の流入側撹拌器を備えてよい。上記複数の流入側撹拌器のうちの各上記流入側撹拌器は、上記容器内に位置決めでき、また上記第1の回転軸から上記dm未満の距離daだけオフセットされた回転軸の周りで回転可能とすることができる。
上記装置は更に、上記容器内へと開放され、上記溶融ガラスを上記容器に送達するよう構成された、送達導管を備えてよく、上記送達導管は、中央長手方向軸を備え、また、上記送達導管の上記中央長手方向軸に対して垂直に、上記容器を通って延在する、第1の垂直面に関して、上記第1の回転軸は全体的に上記第1の垂直面内に存在し、上記第1の流入側撹拌器は、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めしてよい。
上記装置はまた更に、第2の流入側撹拌器を備えてよく、上記第2の流入側撹拌器は、上記容器内に位置決めされ、上記第1の回転軸からオフセットされた第3の回転軸の周りで回転可能であり、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされ、また、上記第1の垂直面に対して垂直な第2の垂直面に関して、上記送達導管の上記中央長手方向軸は、全体的に上記第2の垂直面内に存在し、上記第3の回転軸は、上記第2の垂直面の、上記第2の回転軸と反対側に位置決めしてよい。いくつかの実施形態では、上記第2の回転軸及び上記第3の回転軸は、上記第2の垂直面から等距離にある。
また更に別の態様では、溶融ガラスを調質するための方法について記載され、上記方法は:溶融ガラスを送達導管から容器内へと流すステップであって、上記容器は、上記溶融ガラスの流れに対して上流容積及び下流容積を含む、ステップ;上記上流容積内の上記溶融ガラスを、回転軸の周りで回転可能な第1の流入側撹拌器で撹拌するステップ;並びに上記下流容積内の溶融ガラスを、上記第1の流入側撹拌器の上記回転軸に対して平行な回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器で撹拌するステップであって、上記メイン撹拌器は最上位撹拌ブレードを備える、ステップを含み、上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位撹拌ブレードは上記水平面より下に位置決めされ、上記第1の流入側撹拌器は全体的に上記水平面より上に位置決めされる。
上記最上位撹拌ブレードは例えば、上記メイン撹拌器の上記回転軸からの上記最上位撹拌ブレードの最大延在範囲である長さdmを備えてよく、上記第1の流入側撹拌器の上記回転軸と、上記メイン撹拌器の上記回転軸との間のオフセットは、上記dm未満である。
上記方法は更に、回転軸を備える第2の流入側撹拌器を用いて上記溶融ガラスを撹拌するステップを含んでよく、上記第2の流入側撹拌器は、全体的に上記水平面より上に位置決めされ、上記第2の流入側撹拌器の上記回転軸と上記メイン撹拌器の上記回転軸との間のオフセットは、上記dm未満とすることができる。
いくつかの実施形態では、上記送達導管の中央長手方向軸に対して垂直な垂直面に関して、上記容器の中央長手方向軸は全体的に上記垂直面内に存在し、上記第1の流入側撹拌器及び上記第2の流入側撹拌器は、上記垂直面と上記送達導管との間に位置決めされる。
いくつかの実施形態では、上記第1の流入側撹拌器の回転方向は、上記第2の流入側撹拌器の回転方向と同一であってよい。
いくつかの実施形態では、上記メイン流入側撹拌器の回転方向は、上記第1の流入側撹拌器の上記回転方向と同一である。
いくつかの実施形態では、上記第1の流入側撹拌器の角速度は、上記第2の流入側撹拌器の角速度に等しい。例えば上記装置は、複数の流入側撹拌器、例えば3つ以上の流入側撹拌器を含んでよく、全ての上記流入側撹拌器の角速度は等しい。
例示的なガラス製造装置の概略図 従来技術の混合用容器の概略図であり、上記混合用容器の、中の溶融ガラスが十分に混合されない領域を示す 図2の混合用容器の平面図であり、上記混合用容器内のガラス流を示す 本明細書に記載の実施形態による、メイン撹拌器の機能を増強するための1つの流入側撹拌器を備える混合用容器の平面図 本明細書に記載の実施形態による、メイン撹拌器の機能を増強するための2つの流入側撹拌器を備える混合用容器の平面図 図4の混合用容器の立面断面図 図5の混合用容器の平面図であり、流入側撹拌器及びメイン撹拌器の1つの可能な回転方向に従った、モデル化された溶融ガラス流を示す 図5の混合用容器の平面図であり、流入側撹拌器及びメイン撹拌器の別の可能な回転方向に従った、モデル化された溶融ガラス流を示す 図5の混合用容器の平面図であり、流入側撹拌器及びメイン撹拌器の更に別の可能な回転方向に従った、モデル化された溶融ガラス流を示す 図5の混合用容器の平面図であり、流入側撹拌器及びメイン撹拌器のまた更に別の可能な回転方向に従った、モデル化された溶融ガラス流を示す 本明細書において開示される実施形態による、2つの横並びの流入側撹拌器の立面概略図であり、これらの流入側撹拌器は、対向構成で配設され、流入側撹拌器の回転中に複数の撹拌ブレードが接触しないよう、ある距離だけ離間している 本明細書において開示される実施形態による、2つの横並びの流入側撹拌器の立面概略図であり、これらの流入側撹拌器は、噛合構成で配設される 本明細書において開示される実施形態による、2つの横並びの流入側撹拌器の立面概略図であり、これらの流入側撹拌器は、対向構成で配設され、これらの流入側撹拌器は、撹拌ブレードの接触を防止するには不十分な距離だけ離間しているが、各流入側撹拌器の回転は、流入側撹拌器の撹拌ブレードの接触が発生しないように時間設定されている 3つの流入側撹拌器、即ち、メイン撹拌器と送達導管との間の2つの対になった流入側撹拌器、及びメイン撹拌器の、上記対になった撹拌器とは反対側に位置決めされた、第3の撹拌器を備える、本開示によるある実施形態の平面図 追加の流入側撹拌器を備える、図14の混合用容器の平面図
これ以降、本開示の例示的実施形態が図示された添付の図面を参照して、装置及び方法について更に完全に説明する。可能な限り、図面全体を通して、同一の又は同様の部品を指すために同一の参照番号を使用する。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で具現化してよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されないものとする。
本明細書において、範囲は「約(about)」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現することができる。範囲がこのように表される場合、別の実施形態は、上記1つの特定の値から、及び/又は上記別の特定の値までを含む。同様に、先行語句「約」の使用によって、値が近似値として表現されている場合、上記特定の値は別の実施形態を形成することが理解されるだろう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係においても、他方の端点とは独立しても、重要であることが理解されるだろう。
本明細書で使用される方向に関する用語、例えば上(up)、下(down)、右(right)、左(left)、前(front)、後(back)、頂部(top)、底部(bottom)は、図示されたままの図面を参照して使用されているだけのものであり、絶対的な配向を含意することを意図したものではない。
そうでないことが明言されていない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、その複数のステップをある具体的な順序で実施することを必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、その複数のステップが従うべき順序を実際に示していない場合、又は上記複数のステップがある具体的な順序に限定されることが請求項又は本説明において具体的に言明されていない場合、ある順序を暗示することは、いかなる点においても一切意図されていない。これは、以下を含む、解釈に関するいずれの可能な非明示的基礎に関しても当てはまる:ステップ又は操作フローの構成に関する論理問題;文法的な編成又は句読法に由来する平易な意味;本明細書に記載された実施形態の数又はタイプ。
本明細書において使用される場合、名詞は、そうでないことが文脈によって明示されていない限り、複数の対象を指す。従って例えば、「ある」コンポーネントに関する言及は、そうでないことが文脈によって明示されていない限り、2つ以上のこのようなコンポーネントを有する態様を含む。
本開示の態様は、バッチを溶融ガラスへと加工するための装置を含み、より詳細には、溶融ガラスを加工するための装置を含む。本開示の炉は、気体、液体及び/又は固体を加熱するための幅広い範囲の用途のために提供できる。一例では、本開示の装置は、バッチを溶融ガラスへと溶融させ、溶融ガラスを下流の加工設備へと搬送するよう構成された、ガラス溶融システムを参照して説明される。
本開示の方法は、多様な方法で溶融ガラスを加工できる。例えば、溶融ガラスを初期温度より高い温度まで加熱することによって、溶融ガラスを加工してよい。更なる例では、溶融ガラスの温度を維持することによって、又は溶融ガラスに熱エネルギを入力することによって発生し得る熱損失の速度を低減し、これによって溶融ガラスの冷却速度を制御することによって、溶融ガラスを加工してよい。
本開示の方法は、清澄用容器を用いて、又は混合用容器、例えば撹拌用容器を用いて、溶融ガラスを加工してよい。任意に、上記装置は、熱管理デバイス、電子デバイス、電気機械デバイス、支持構造体、又は溶融ガラスをある場所から別の場所に輸送する搬送用容器(導管)を含む、ガラス製造装置の動作を促進するための他のコンポーネントといった、1つ又は複数の更なるコンポーネントを含んでよい。
図1に示されているのは、例示的なガラス製造装置10である。いくつかの例では、ガラス製造装置10は、溶融容器14を含むことができるガラス溶融炉12を備えることができる。溶融容器14に加えて、ガラス溶融炉12は任意に、バッチを加熱し、上記バッチを溶融ガラスに変換するよう構成された加熱素子(例えば燃焼バーナ又は電極)といった、1つ又は複数の更なるコンポーネントを含むことができる。更なる例では、ガラス溶融炉12は、上記溶融容器の近傍からの熱損失を低減するよう構成された熱管理デバイス(例えば断熱コンポーネント)を含んでよい。また更なる例では、ガラス溶融炉12は、ガラス溶融物への上記バッチ材料の溶融を促進するよう構成された、電子デバイス及び/又は電気機械デバイスを含んでよい。また更に、ガラス溶融炉12は、支持構造体(例えば支持シャーシ、支持部材等)又は他のコンポーネントを含んでよい。
ガラス溶融容器14は典型的には、耐火性セラミック材料等の耐火材料からなる。いくつかの例では、ガラス溶融容器14は、耐火性セラミックレンガ、例えばアルミナ又はジルコニアを含む耐火性セラミックレンガから構成してよい。
いくつかの例では、上記ガラス溶融炉は、ガラスリボンを製作するために構成されたガラス製造装置のコンポーネントとして組み込むことができる。いくつかの例では、本開示のガラス溶融炉は、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置(例えばフュージョン装置)、アップドロー装置、圧延装置、チューブドロー装置又は他のガラスリボン製造装置を含むガラス製造装置のコンポーネントとして組み込むことができる。例えば図1は、後でガラスシートへと加工するためのガラスリボンをフュージョンドロー加工するためのフュージョンダウンドローガラス製造装置10のコンポーネントとしてのガラス溶融炉12を概略的に示す。
上記ガラス製造装置(例えばフュージョンダウンドロー装置10)は任意に、ガラス溶融容器14に対して上流に位置決めされた上流ガラス製造装置16を含むことができる。いくつかの例では、上流ガラス製造装置16の一部分又は全体を、ガラス溶融炉12の一部として組み込んでよい。
図示されている例において示されているように、上流ガラス製造装置16は、貯蔵ビン18、バッチ送達デバイス20、及び上記バッチ送達デバイスに接続されたモータ22を含むことができる。貯蔵ビン18は、矢印26で示されるようにガラス溶融炉12の溶融容器14へと供給できる、ある量のバッチ24を貯蔵するよう構成してよい。いくつかの例では、バッチ送達デバイス20には、バッチ送達デバイス20が所定量のバッチ24を貯蔵ビン18から溶融容器14へ送達できるように、モータ22によって動力供給できる。更なる例では、モータ22はバッチ送達デバイス20が、溶融容器14から下流の溶融ガラスの感知されたレベルに基づいて、制御された速度でバッチ24を導入できるように、バッチ送達デバイス20に動力供給できる。その後、溶融容器14内のバッチ24を加熱して、溶融ガラス28を形成できる。
ガラス製造装置10は任意に、ガラス溶融炉12に対して下流に位置決めされた下流ガラス製造装置30も含むことができる。いくつかの例では、下流ガラス製造装置30の一部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込んでよい。例えば、以下で議論される第1の接続導管32、又は下流ガラス製造装置30の他の部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込んでよい。第1の接続導管32を含む、上記下流ガラス製造装置の複数の要素は、貴金属で形成してよい。好適な貴金属としては、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム及びパラジウムからなる金属の群から選択される、白金群金属、又はこれらの合金が挙げられる。例えば、上記ガラス製造装置の下流コンポーネントは、70〜90重量%の白金及び10〜30重量%のロジウムを含む白金‐ロジウム合金で形成してよい。
下流ガラス製造装置30は、溶融容器14から下流に配置されて、上述の第1の接続導管32によって溶融容器14に連結された、清澄用容器34等の第1の調質(即ち加工)用容器を含むことができる。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第1の接続導管32により、溶融容器14から清澄用容器34へと、重力によって供給できる。例えば重力により、溶融ガラス28を、第1の接続導管32の内部経路を通して、溶融容器14から清澄用容器34へと推進してよい。
清澄用容器34内では、様々な技法によって溶融ガラス28から気泡を除去してよい。例えばバッチ24は、加熱時に化学的還元反応を経て酸素を放出する酸化スズといった、多価化合物(即ち清澄剤)を含んでよい。他の好適な清澄剤としては、限定するものではないが、ヒ素、アンチモン、鉄及びセリウムの酸化物が挙げられる。清澄用容器34を、溶融容器温度より高い温度まで加熱することによって、上記清澄剤を加熱する。温度によって誘発される1つ又は複数の上記清澄剤の化学反応によって生成された酸素気泡は、上記清澄用容器内において上記溶融ガラスを通って上昇し、上記溶融炉内で生成された上記溶融物中のガスは、上記清澄剤によって生成された上記酸素気泡と融合できる。そして、巨大化したガス気泡は、上記清澄用容器中の上記溶融ガラスの自由表面まで上昇した後、発散できる。
下流ガラス製造装置30は更に、清澄用容器34の下流に配置できる、上記溶融ガラスを混合するための混合用容器36等の第2の調質用容器を含むことができる。ガラス溶融物混合用容器36を用いて、均質なガラス溶融物組成物を提供でき、これによって、上記清澄用容器を出る清澄済み溶融ガラス内に存在し得る不均質性を低減又は排除できる。図示されているように、清澄用容器34は、第2の接続導管38によって、溶融ガラス混合用容器36に連結してよい。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第2の接続導管38により、清澄用容器34から混合用容器36へと、重力によって供給できる。例えば重力により、溶融ガラス28を、第2の接続導管38の内部経路を通して、清澄用容器34から混合用容器36へと推進してよい。混合用容器36は清澄用容器34の下流に示されているが、混合用容器36は清澄用容器34の上流に位置決めしてもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、下流ガラス製造装置30は、複数の混合用容器、例えば清澄用容器34の上流の混合用容器及び清澄用容器34の下流の混合用容器を含んでよい。これらの複数の混合用容器は、同一の設計であってよく、又はこれらは互いに異なる設計であってよい。
下流ガラス製造装置30は更に、混合用容器36の下流に配置できる、送達用容器40等の別の調質用容器を含むことができる。送達用容器40は、下流の形成デバイスに供給するために、溶融ガラス28を調質できる。例えば送達用容器40は、溶融ガラス28の連続流を調整して、流出導管44によって形成体42へと供給するための、アキュムレータ及び/又は流れ制御装置として作用できる。図示されているように、混合用容器36は、第3の接続導管46によって、送達用容器40に連結してよい。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第3の接続導管46により、混合用容器36から送達用容器40へと、重力によって供給できる。例えば重力により、溶融ガラス28を、第3の接続導管46の内部経路を通して、混合用容器36から送達用容器40へと推進してよい。
下流ガラス製造装置30は更に、流入導管50を含む上述の形成体42を備える、形成装置48を含むことができる。流出導管44は、溶融ガラス28を送達用容器40から形成装置48の流入導管50に送達するよう位置決めできる。フュージョン形成プロセスでは、形成体42は、上記形成体の上側表面に位置決めされたトラフ52と、上記形成体の底部縁部(基部)56に沿って集中する、集中型形成表面54とを備えることができる。送達用容器40、流出導管44及び流入導管50を介して上記形成体の上記トラフに送達された溶融ガラスは、上記トラフの壁を越えて流れ、集中型形成表面54に沿って、溶融ガラスの別個の複数の流れとして流れ落ちる。これらの溶融ガラスの別個の複数の流れは、基部56の下方において基部56に沿って結合して、ガラスの単一のリボン58を生成し、これは、ガラスが冷却されて粘度が増大することによって、ガラスリボン58が粘弾性遷移を経て、ガラスリボン58に安定した寸法特性を与える機械的特性を得る際に、上記ガラスリボンの寸法を制御するために、重力及び牽引ロール(図示せず)等によって上記ガラスリボンに張力を印加することにより、基部56からドロー加工される。続いて上記ガラスリボンを、ガラス分離装置(図示せず)によって、独立した複数のガラスシートに分離させてよい。
特定のガラス製造システムでは、溶融ガラスは、上記混合用容器の頂部付近において上記混合用容器内へと開放された導管を介して、上記混合用容器へとルーティングされ、重力によって、上記溶融ガラスは上記混合用容器を通って下方へと牽引される。典型的には、撹拌タイプの混合用容器に関して、撹拌器は、上記撹拌用容器の入口の下方に位置決めされた撹拌ブレードを備える。この供給用導管の出口付近の溶融ガラスは、放物線状の流れプロファイルを有する単方向ポアズイユ流に近い。脈理は流線(流れベクトル)と整列する。上記溶融ガラスは、上記撹拌用ブレードの上方の上記撹拌用容器に入り、下方の上記撹拌ブレードによって生成された1つ又は複数の停滞領域の周りで回転運動する。その結果、上記溶融ガラスが流れ落ちて、最上位撹拌ブレードと直接相互作用する際においてさえ、不完全な混合が発生する場合がある。その結果、上記混合用容器に入る脈理全てを、上記混合用容器を出る際に完全に混合することはできない。
図2は、従来の撹拌器を用いた、例示的な混合用容器36に関するモデル化された流れのデータを示す。混合用容器36は、容器壁100と、上記混合用容器内に回転可能に設置され、かつ回転軸104の周りで回転するよう構成された撹拌器102とを備える。撹拌器102は、中央シャフト106と、シャフト106から外向きに延在する複数の撹拌ブレード108とを含み、撹拌ブレード108はシャフト106の長さに沿って配設される。図2のフローチャートは、撹拌器102の最上位ブレード108の上方に位置する、概ね停滞した溶融ガラスの領域110を示し、上記停滞領域内では、撹拌器102が回転している場合でさえも、溶融ガラスの不十分な混合が発生する。いくつかの例では、混合されていない溶融ガラスは、これらの停滞領域のうちの1つ又は複数から出て、十分に混合されないまま、上記混合用容器の残りの部分を通って移動する場合がある。例えば混合されていない溶融ガラスは、シャフト106に沿って下方に移動する場合があり、又は混合されていない溶融ガラスは、容器壁100の内側表面に沿って下方に移動する場合がある。混合されていない溶融ガラスは、上記形成体へと搬送されている溶融ガラスの流れの中に捕捉される、不均質な溶融ガラスを含み得る。
図3は、図2に関して上述したように、メイン撹拌器102を1つだけ備える従来の混合用容器36の部分平面図であり、矢印120で示されるような溶融ガラスのモデル化された流れを示す。メイン撹拌器102の上記撹拌ブレードは、流れ方向の矢印120の視認性を阻害しないよう、図示されていない。メイン撹拌器102は、矢印122で示されるように時計回り方向に回転し、流れ方向の矢印120は、導管38(これ以降、送達導管38と呼ぶ)から混合用容器36内への溶融ガラス28の流れ、及びその後の上記混合用容器内での溶融ガラス28の流れに関する、大まかな流れパターンを示す。図示されているように、単一の中央メイン撹拌器しか備えない従来の混合用容器では、上記混合用容器に入った上記溶融ガラスは、メイン撹拌器102の運動によって、単一の回転方向(時計回り又は反時計回り回転)に付勢される。従って、上記メイン撹拌器の最上位撹拌ブレードの上方の、上記混合用容器の容積内では、混合がほとんど発生しない場合がある。この例における混合は完全に、メイン撹拌器102の仕事に依存するはずである。
ここで図4を参照すると、容器壁200、メイン撹拌器202及び少なくとも1つの流入側撹拌器204を備える、別の例示的な混合用容器36が示されている。より具体的には、図4は、単一の流入側撹拌器204しか含まない混合用容器を示す。図5は、2つの流入側撹拌器204を含む別の例示的な混合用容器36を示す。図6は、上記混合用容器内の溶融ガラス28の自由表面206に対するメイン撹拌器202及び少なくとも1つの流入側撹拌器204の垂直な配置を示す、図4の混合用容器の側方断面図である。図4及び5の混合用容器36は、それぞれ1つ及び2つの流入側撹拌器204を備えるものとして図示されているが、混合用容器36は3つ以上の流入側撹拌器204を含んでもよい。
メイン撹拌器202は、メイン撹拌器シャフト208と、このメイン撹拌器シャフト208から延在する1つ又は複数のメイン撹拌ブレード210とを備える。1つ又は複数のメイン撹拌ブレード210は、上記混合用容器の動作中、混合用容器36内の溶融ガラス28の自由表面206より下に沈むよう構成される。メイン撹拌器202は例えば、複数のメイン撹拌ブレード210を含んでよく、これらは垂直に延在するアレイとして配設され、またこれらも、メイン撹拌器シャフト208から外向きに延在する。例示的実施形態では、混合用容器36は円筒状容器であり、上記容器壁は、円筒状の内部容積を画定する。従って、図4及び5の実施形態では、メイン撹拌器シャフト208は中央に位置決めされてよく、また撹拌用容器36内に回転可能に設置される。即ち、メイン撹拌器シャフト208は、容器壁200、例えば混合用容器壁200の内側表面と同心であり、これにより混合用容器36の中央長手方向軸212は、メイン撹拌器シャフト208の回転軸であるメイン撹拌器シャフト208の中央長手方向軸214と同一位置である(一致する)。混合用容器36が円筒状混合用容器である例では、撹拌ブレード210は、上記溶融ガラスが送達導管38と流出導管46との間を移動する際に、入って来る溶融ガラスの流れが上記撹拌ブレードを迂回するのを防止するために、上記混合用容器の上記壁付近をスイープするよう構成される(図6参照)。例えばいくつかの実施形態では、撹拌ブレード210の最も外側の到達範囲は、上記容器壁の内側表面の3cm以内、例えば約1.6cm〜約3cm若しくは約1.6cm〜約25cm、又は約1.6cm〜約2cm(これらの間の全ての範囲及び部分範囲を含む)であってよい。1つ又は複数の撹拌ブレード210は、回転軸214から距離dmだけ外側に延在する。メイン撹拌器シャフト208はまた、例えばベルト、チェーン又は他の駆動連結手段によって上記メイン撹拌器シャフトと連結できる電気モータを含む、駆動アセンブリ(図示せず)に連結できる。
上述のように、混合用容器36は、1つ又は複数の流入側撹拌器204を含んでもよい。各流入側撹拌器204は流入側撹拌器シャフト216を含み、またこの流入側撹拌器シャフト216から延在する複数の撹拌ブレード218を更に含んでよい。各流入側撹拌器シャフト216は、メイン撹拌器シャフト回転軸214から距離daだけオフセットされた回転軸222の周りで回転可能である。距離daは、各流入側撹拌器204に関して同一であってよく、又は距離daは流入側撹拌器毎に変動してよい。いくつかの実施形態では、距離daは、いくつかの流入側撹拌器204に関しては同一であり、他の流入側撹拌器に関しては異なっていてよい。撹拌ブレード218は、例えば垂直に延在するアレイとして配設してよく、これにより撹拌ブレード218は、流入側撹拌器シャフト216の長さに沿って配設される。他の実施形態では、各流入側撹拌器204は、単一の撹拌ブレード、例えば螺旋状に巻かれた撹拌ブレード(例えばスクリュー)しか含まなくてよい。図4〜6の実施形態では、流入側撹拌器シャフト216の回転軸222は、メイン撹拌器シャフト208の回転軸214から、距離dmより小さい距離daだけ離間している。更に、流入側撹拌器シャフト216及び撹拌ブレード218の全体(例えば流入側撹拌器204)は、メイン撹拌器202のブレード210のスイープの投射範囲内に存在してよい。即ち、メイン撹拌器202が回転する際、1つ又は複数のブレード210は、半径dmの円弧をスイープする。この円弧の投射範囲は円筒形容積であり、いくつかの実施形態では、流入側撹拌器204(流入側撹拌器シャフト216及び撹拌ブレード218)はその全体が、メイン撹拌器202の上記撹拌ブレードによってスイープされるこの投射された円筒状容積の内に存在してよい。撹拌ブレード210によってスイープされる上記円筒状容積は、混合用容器36の合計容積より小さく、流入側撹拌器204(流入側撹拌器シャフト216及び撹拌ブレード218)はその全体が、混合用容器36の全体としての円筒状容積内に存在することは、明らかであろう。
図6から明らかであるように、各流入側撹拌器204は、流入側撹拌器204の最下部の到達範囲が、メイン撹拌器202の最上位撹拌ブレード210より上方に位置決めされるように、位置決めされる。即ち各流入側撹拌器204は、メイン撹拌器202の最上位撹拌ブレード210と混合用容器カバー225との間の、容器36内の容積を占有する。各流入側撹拌器204の回転軸222は、メイン撹拌器シャフト208の回転軸214に対して平行に延在し、回転軸214から、dmより小さい距離daだけオフセットされているため、仮に流入側撹拌器204がメイン撹拌器202の最上位撹拌ブレード210より下方に延在すると、流入側撹拌器204は、メイン撹拌器202の回転に干渉してしまう。これは、混合用容器36を通って延在する水平面224(図6参照)を想像することによって、別の方法で確認できる。水平面224は例えば、中央長手方向軸212に対して垂直であってよい。
メイン撹拌器202の最上位撹拌ブレードが水平面224より下に存在する場合を考える。更に、1つ又は複数の流入側撹拌器204のうちのいずれも、水平面224より下方に延在しない場合を考える。よって、水平面224は、上記混合用容器の容積を上流容積226及び下流容積228に分割し、1つ又は複数の流入側撹拌器204は、上記混合用容器の上流容積226内に位置決めされ、上記混合用容器の下流容積228内へと延在しない。
また、混合用容器36を通って延在する第1の垂直面230(図4参照)を考え、ここで回転軸214は全体的に第1の垂直面230内に存在する。更に、第1の垂直面230が送達導管38の中央長手方向軸232に対して垂直となり得る場合を考える。図4及び5の実施形態等のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの流入側撹拌器204は、少なくとも1つの流入側撹拌器204がメイン撹拌器シャフト208と送達導管38との間に位置するように、位置決めされる。換言すれば、少なくとも1つの流入側撹拌器204は、第1の垂直面230の、送達導管38と同じ側に存在する。
次に、上記混合用容器内に位置決めされ、メイン撹拌器202の上記回転軸から距離daだけオフセットされた回転軸の周りで回転可能であり、かつ第1の垂直面230の、送達導管38と同じ側に位置決めされた(図5参照)、第2の流入側撹拌器204を考え、また、第1の垂直面230に対して垂直な第2の垂直面233に関して、送達導管38の中央長手方向軸232は全体的に第2の垂直面231内に存在し、上記第1の流入側撹拌器の上記回転軸と、上記第2の流入側撹拌器の上記回転軸とは、第2の垂直面233の反対側にある場合を考える。例えばいくつかの実施形態では、第1の流入側撹拌器204及び第2の流入側撹拌器204は、第2の垂直面233から等距離であってよい(図5参照)。
図7は、2つの流入側撹拌器204を含む、図5で具体化された例示的な混合用容器36内の、モデル化された溶融ガラス流を示す。図7は、混合用容器36に入った溶融ガラスの流れが、上記流入側撹拌器の回転によって撹乱されることを示している。即ちメイン撹拌器202の上記撹拌ブレードの上方における上記溶融ガラスの流れはより無秩序になり、これによって混合が増強される。より明瞭にするために、メイン撹拌器202及び流入側撹拌器204両方の撹拌ブレードは省略した。シャフトのみが図示されている。図7の実施形態では、メイン撹拌器202は、矢印234で示されるように時計回り方向に回転する。更に、各流入側撹拌器も時計回り方向に回転している。ただし、メイン撹拌器202及び各流入側撹拌器204はそれぞれ反時計回り方向にも回転できることは、明らかであろう。図示されているように、上流容積226に入った溶融ガラスは、流入側撹拌器204による流れの撹乱を受ける。
図8の実施形態では、流入側撹拌器204は対向する方向に回転している。即ち、一方の流入側撹拌器204が時計回り方向に回転する間に、第2の流入側撹拌器204が反時計回り方向に回転している。メイン撹拌器202は、矢印234で示されるように時計回り方向に回転しているが、メイン撹拌器202は反時計回りにも回転できることは明らかであろう。ここでもまた、上記混合用容器内、特に上流容積226内において、流れの撹乱が発生することが示されている。
図9に示す更に別の実施形態では、両方の流入側撹拌器204が図8の実施形態と同様に対向する方向に回転しているが、本実施形態では、回転方向が切り替わっており、図8の「頂部(top)」の流入側撹拌器の反時計回りの回転の代わりに、図9では頂部の流入側撹拌器が時計回りに回転しており、底部の流入側撹拌器が反時計回り方向に回転している。メイン撹拌器202は時計回り方向に回転している。
最後に図10では、メイン撹拌器202は矢印234で示されるように時計回り方向に回転しており、2つの流入側撹拌器204は反対の反時計回り方向に回転している。図7、8及び9の場合と同様に、流入側撹拌器204の領域(上流容積226)において流れの撹乱が発生し、これは、下流容積228において溶融ガラスを混合するためにメイン撹拌器202が実施する必要がある仕事を減らす。
図11、12及び13は、対になった流入側撹拌器204の様々な配置を示す。例えば図11の実施形態では、2つの流入側撹拌器204が示されており、これらは、上記流入側撹拌器の各回転軸222を隔てる距離dsが、個々の撹拌ブレード218の長さdnの2倍を超えるように配設される(撹拌ブレード長さdnは、各シャフトの回転軸222から撹拌ブレード218の先端まで測定される)。従って、個々の撹拌ブレードが対向して位置決めされているが、対向するこれらのブレードが互いに接触しないよう十分なクリアランスが設けられている。例えば対向する撹拌ブレードは、約1.2cm〜約2.5cmの距離だけ隔てられていてよい。これらの流入側撹拌器は同一であってよく、又はこれらの流入側撹拌器は異なる設計を有してよい。
図12の実施形態では、流入側撹拌器204は垂直方向にオフセットされた構成で配設され、上記流入側撹拌器の個々の撹拌ブレード218は垂直方向に噛合している。従って、各流入側撹拌器の回転軸222の間の距離dsは、個々の撹拌ブレードの長さdnの2倍未満であるものの、単一の撹拌ブレードの長さdnを超え、即ちdn<ds<2・dnである。
図13の実施形態では、上記流入側撹拌器は、図11に示されているもの(垂直方向に整列されている)と同様に、対向して配設されるが、上記流入側撹拌器の回転軸222の間の距離は、上記流入側撹拌器の回転軸222の間の距離dsが、個々の撹拌ブレード218の長さdnの2倍未満であるものの、図12に関して示されているように、単一の撹拌ブレードの長さdnを超え、即ちdn<ds<2・dnとなるようなものである。本開示の目的のために、これらの2つの流入側撹拌器の撹拌ブレードは、「交絡している(intertwined)」と言い表される。本実施形態では、交絡した流入側撹拌器の回転は、一方の流入側撹拌器の撹拌ブレードと、もう一方の隣接する流入側撹拌器の撹拌ブレードとの間に、接触が発生しないよう、時間設定される。例えば上記2つの撹拌器の間の相対回転位相は、45°、例えば約40°〜約50°とすることができる。
更に別の実施形態では、3つ以上の流入側撹拌器204が混合用容器36内に含まれていてよい。例えば図14は、3つの流入側撹拌器204を備える実施形態を示す。追加の流入側撹拌器204は、既に説明した流入側撹拌器204、例えば上述したものと略同一又は同一であってよく、配置のみが異なる。例えば、追加の流入側撹拌器204は、平面230の、送達導管38とは反対側に位置決めしてよい(図4参照)。図14の実施形態では、第3の流入側撹拌器204は、第1の垂直面230の、第1の垂直面230と送達導管38との間に位置決めされた第1及び第2の流入側撹拌器204とは反対側に位置決めされる。更にこの第3の流入側撹拌器204は、この第3の流入側撹拌器の回転軸222が送達導管38の中央長手方向軸232と交差するように位置決めしてよいが、他の実施形態においてこのように配置する必要はない。図15は、メイン撹拌器202の周りに配設された複数の追加の流入側撹拌器の使用を示す。図15の実施形態では、上記複数の流入側撹拌器の流入側撹拌器204それぞれの回転軸222が、メイン撹拌器202の回転軸214から、dm未満の均一な距離daだけオフセットされている。しかしながら、このような均一なオフセットは必要ではなく、従って他の実施形態では、daは流入側撹拌器毎に変動し得る。
以下の表は、互いに対して様々な回転方向(Rot. Dir.)で回転(同一回転(Co)又は反対方向回転(X))する流入側撹拌器を備えた例示的な混合用容器の、特定の性能特性を示す、モデル化されたデータを提供するものであり、メイン撹拌器は、毎分回転数(RPM)で表される回転速度、及び2つの流入側撹拌器の間の相対回転位相が変動する条件下にある。各実施例において、メイン撹拌器は11RPMの回転速度で時計回りに回転していた。撹拌有効性指数(stirring effectiveness index:SEI)を、光学的に透明なアクリルで構成された目盛り付き擬似混合用容器の、同様に構成された撹拌器(メイン撹拌器及び流入側撹拌器)を用いた光学的分析によって導出した。ここでは、溶融ガラスの粘度を模倣するために選択されたパラフィンを、上記混合用容器を通して流し、溶融ガラスの流れをシミュレートした。続いてパラフィンの流れに染料を注入し、上記流れを、電荷結合素子(charge coupled device:CCD)カメラを用いて撮像し、好適な撮像ソフトウェアで分析した。各ピクセルの出力を増幅し、デジタル化し、(黒色の0から白色の255までに亘る)8ビットグレースケールへとスケーリングした。得られたデータを、CCD上の各方向におけるピクセル数に等しい幅及び高さ寸法を有する数値配列として、特性決定に好適なファイルへとエンコードした。定量的情報を、例えばエッジ、色、強度、特徴の大きさ、フラクタル次元、及び位置によって定義される、画像内の具体的特徴に関して取得した。異なる時点において撮像された同一の領域の複数の画像のシーケンスを組み合わせることにより、特徴部分に関して、速度、加速度、並びに成長及び/又は減衰速度を含むがこれらに限定されない、追加の時間微分情報を測定できる。これらの技法、数的尺度を用いて、撹拌有効性を、様々な混合用容器の設計を相対的に評価できる。
撹拌有効性指数は、滞留時間分布の半値全幅(FWHM)(分散項)と、フィルタリングされていない画像強度に対する高周波帯域通過画像強度の比(均質性項)との積である。SEIの単位は秒であり、実際には、混合用容器によって導入される不均質性によって補正された、混合用容器の時間的分散である。例えば分散項は、擬似混合用容器の一連のラインスキャン画像から得ることができる。測定中、流量は一定に維持されるため、時間の測定値を容積の代用として使用できる。好適な撮像ソフトウェアを用いて、あるラインスキャン画像の平均強度プロファイルを導出できる。例えば、ピクセルのラインそれぞれの平均強度を計算して、そのステップ(時間)の関数としてプロットできる。得られたプロファイルは、時間の関数としての吸収の分布を示し、これはおおよそ対数正規分布である。分散項は、この分布のFWHMである。
均質性項は、画像中のコントラストの測定値である。目的は、染料の分散を差し引き、分散された染料を把握することである。続いて、分散項に関して撮像されたFWHM領域を分析する。上記領域の前縁を全高の20%まで拡張し、上記領域の積分強度を測定する。次にローパスフィルタを適用する。すると、均質性項は、ローパス領域の強度の積分で表される、全強度の分数に等しい。
以下の表のデータは、メイン撹拌器とも同一回転する、同位相で同一回転する複数の流入側撹拌器に関する、有利な撹拌有効性を示すが、他の構成も可能であり、撹拌有効性は同時に低下する。「相(Phase)」は、流入側撹拌器の相対回転速度を表し、「同位相(in phase)」は、両方の流入側撹拌器が同一回転速度で回転し、撹拌ブレードが図11のように配設されていたことを意味する(比較として、45°の位相差は、図13の撹拌ブレードと同様と思われる)。
Figure 2020063189
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に対して様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って本開示は、このような実施形態の修正形態及び変形形態が、添付の請求項及びその均等物の範囲内にある限り、上記修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
溶融ガラスを調質するための装置であって、
上記装置は:
容器;
上記容器内に位置決めされて第1の回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器であって、上記メイン撹拌器は、メイン撹拌器シャフトと、上記第1の回転軸に対して距離dmだけ上記メイン撹拌器シャフトから外向きに延在する最上位メイン撹拌ブレードとを備える、メイン撹拌機;及び
上記容器内に位置決めされて、上記第1の回転軸から上記dm未満の距離daだけオフセットされた第2の回転軸の周りで回転可能な、第1の流入側撹拌器
を備える、装置。
実施形態2
上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位メイン撹拌ブレードは上記水平面より下に位置決めされ、上記第1の流入側撹拌器は上記水平面より下に延在しない、実施形態1に記載の装置。
実施形態3
上記容器内へと開放され、上記溶融ガラスを上記容器に送達するよう構成された、送達導管を更に備え、
上記送達導管は、中央長手方向軸を備え、
上記送達導管の上記中央長手方向軸に対して垂直に、上記容器を通って延在する、第1の垂直面に関して、上記第1の回転軸は全体的に上記第1の垂直面内に存在し、上記第1の流入側撹拌器は、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされる、実施形態2に記載の装置。
実施形態4
第2の流入側撹拌器を更に備え、
上記第2の流入側撹拌器は、上記容器内に位置決めされ、上記第1の回転軸から上記距離daだけオフセットされた第3の回転軸の周りで回転可能であり、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされ、
上記第1の垂直面に対して垂直な第2の垂直面に関して、上記送達導管の上記中央長手方向軸は、全体的に上記第2の垂直面内に存在し、上記第2の回転軸及び上記第3の回転軸は、上記第2の垂直面の反対側にある、実施形態3に記載の装置。
実施形態5
上記第1の垂直面の、上記送達導管と反対側に位置決めされた、第2の流入側撹拌器を更に備える、実施形態3に記載の装置。
実施形態6
複数の上記流入側撹拌器を更に備える、実施形態1に記載の装置。
実施形態7
上記容器は円筒形であり、
上記第1の回転軸は、上記容器の上記中央長手方向軸と一致する、実施形態1に記載の装置。
実施形態8
溶融ガラスを調質するための装置であって、
上記装置は:
容器;
上記容器内に位置決めされて第1の回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器であって、上記メイン撹拌器は、メイン撹拌器シャフトと、上記第1の回転軸に対して距離dmだけ上記メイン撹拌器シャフトから外向きに延在する最上位メイン撹拌ブレードとを備える、メイン撹拌機;
上記容器内に位置決めされて、上記第1の回転軸からオフセットされた第2の回転軸の周りで回転可能な、第1の流入側撹拌器
を備え、
上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位メイン撹拌ブレードは上記水平面より下に位置決めされ、上記第1の流入側撹拌器は上記水平面より下に延在しない、装置。
実施形態9
上記第1の流入側撹拌器は、上記容器の上流容積内に位置決めされ、
上記最上位撹拌ブレードは、上記容器の下流容積内に位置決めされる、実施形態8に記載の装置。
実施形態10
上記上流容積及び上記下流容積は、円筒状容積であり、
上記上流容積の中央長手方向軸は、上記下流容積の中央長手方向軸と一致する、実施形態9に記載の装置。
実施形態11
複数の上記流入側撹拌器を備える、実施形態8に記載の装置。
実施形態12
上記複数の流入側撹拌器のうちの各上記流入側撹拌器は、上記容器内に位置決めされ、また上記第1の回転軸から上記dm未満の距離daだけオフセットされた回転軸の周りで回転可能である、実施形態11に記載の装置。
実施形態13
上記容器内へと開放され、上記溶融ガラスを上記容器に送達するよう構成された、送達導管を更に備え、
上記送達導管は、中央長手方向軸を備え、
上記送達導管の上記中央長手方向軸に対して垂直に、上記容器を通って延在する、第1の垂直面に関して、上記第1の回転軸は全体的に上記第1の垂直面内に存在し、上記第1の流入側撹拌器は、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされる、実施形態8に記載の装置。
実施形態14
第2の流入側撹拌器を更に備え、
上記第2の流入側撹拌器は、上記容器内に位置決めされ、上記第1の回転軸からオフセットされた第3の回転軸の周りで回転可能であり、上記第1の垂直面の、上記送達導管と同じ側に位置決めされ、
上記第1の垂直面に対して垂直な第2の垂直面に関して、上記送達導管の上記中央長手方向軸は、全体的に上記第2の垂直面内に存在し、上記第3の回転軸は、上記第2の垂直面の、上記第2の回転軸と反対側に位置決めされる、実施形態13に記載の装置。
実施形態15
上記第2の回転軸及び上記第3の回転軸は、上記第2の垂直面から等距離にある、実施形態14に記載の装置。
実施形態16
溶融ガラスを調質するための方法であって、
上記方法は:
溶融ガラスを送達導管から容器内へと流すステップであって、上記容器は、上記溶融ガラスの流れに対して上流容積及び下流容積を含む、ステップ;
上記上流容積内の上記溶融ガラスを、回転軸の周りで回転可能な第1の流入側撹拌器で撹拌するステップ;並びに
上記下流容積内の溶融ガラスを、上記第1の流入側撹拌器の上記回転軸に対して平行な回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器で撹拌するステップであって、上記メイン撹拌器は最上位撹拌ブレードを備える、ステップ
を含み、
上記容器を通って延在する水平面に関して、上記最上位撹拌ブレードは上記水平面より下に位置決めされ、上記第1の流入側撹拌器は全体的に上記水平面より上に位置決めされる、方法。
実施形態17
上記最上位撹拌ブレードは、上記メイン撹拌器の上記回転軸からの上記最上位撹拌ブレードの最大延在範囲である長さdmを備え、
上記第1の流入側撹拌器の上記回転軸と、上記メイン撹拌器の上記回転軸との間のオフセットは、上記dm未満である、実施形態16に記載の方法。
実施形態18
回転軸を備える第2の流入側撹拌器を用いて上記溶融ガラスを撹拌するステップを更に含み、
上記第2の流入側撹拌器は、全体的に上記水平面より上に位置決めされ、
上記第2の流入側撹拌器の上記回転軸と上記メイン撹拌器の上記回転軸との間のオフセットは、上記dm未満である、実施形態17に記載の方法。
実施形態19
上記送達導管の中央長手方向軸に対して垂直な垂直面に関して、上記容器の中央長手方向軸は全体的に上記垂直面内に存在し、上記第1の流入側撹拌器及び上記第2の流入側撹拌器は、上記垂直面と上記送達導管との間に位置決めされる実施形態18に記載の方法。
実施形態20
上記第1の流入側撹拌器の回転方向は、上記第2の流入側撹拌器の回転方向と同一である、実施形態19に記載の方法。
実施形態21
上記メイン流入側撹拌器の回転方向は、上記第1の流入側撹拌器の上記回転方向と同一である、実施形態20に記載の方法。
実施形態22
上記第1の流入側撹拌器の角速度は、上記第2の流入側撹拌器の角速度に等しい、実施形態19に記載の方法。
10 ガラス製造装置
12 ガラス溶融炉
14 溶融容器
16 上流ガラス製造装置
18 貯蔵ビン
20 バッチ送達デバイス
22 モータ
24 バッチ
26 矢印
28 溶融ガラス
30 下流ガラス製造装置
32 第1の接続導管
34 清澄用容器
36 混合用容器
38 第2の接続導管、送達導管
40 送達用容器
42 形成体
44 流出導管
46 第3の接続導管
48 形成装置
50 流入導管
52 トラフ
54 集中型形成表面
56 形成体底部縁部、基部
58 ガラスリボン
100 容器壁
102 撹拌器
104 回転軸
106 中央シャフト
108 撹拌ブレード
110 溶融ガラスの停滞領域
120 矢印
122 矢印
200 容器壁
202 メイン撹拌器
204 流入側撹拌器
206 溶融ガラスの自由表面
208 メイン撹拌器シャフト
210 メイン撹拌ブレード、最上位撹拌ブレード
212 混合用容器36の中央長手方向軸
214 メイン撹拌器シャフト208の中央長手方向軸、メイン撹拌器シャフト回転軸
216 流入側撹拌器シャフト
218 撹拌ブレード
222 流入撹拌器シャフト216の回転軸、流入側撹拌器204の回転軸
224 水平面
225 混合用容器カバー
226 上流容積
228 下流容積
230 第1の垂直面
232 送達導管38の中央長手方向軸
233 第2の垂直面
234 矢印

Claims (10)

  1. 溶融ガラスを調質するための装置であって、
    前記装置は、
    容器;
    前記容器内に位置決めされて第1の回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器であって、該メイン撹拌器は、メイン撹拌器シャフトと、前記第1の回転軸に対して距離dmだけ前記メイン撹拌器シャフトから外向きに延在する最上位メイン撹拌ブレードとを備える、メイン撹拌機;及び
    前記容器内に位置決めされて、第2の回転軸の周りで回転可能な、第1の流入側撹拌器と、前記容器内に位置決めされて、第3の回転軸の周りで回転可能な、第2の流入側撹拌器を備え、
    前記第2および第3の回転軸の各々は、前記第1の回転軸からdm未満の距離daだけ離隔され、前記第1および第2の流入側撹拌器の各々は、それぞれの前記第2及び第3の回転軸に対する長さdnの撹拌ブレードを有し、前記第2および第3の回転軸は、距離dsだけ離隔し、
    dn<ds<2dn
    である、装置。
  2. 前記容器を通って延在する水平面に関して、前記最上位メイン撹拌ブレードは前記水平面より下に位置決めされ、前記第1および第2の流入側撹拌器は前記水平面より下に延在しない、請求項1に記載の装置。
  3. 前記容器内へと開放され、前記溶融ガラスを前記容器に送達するよう構成された、送達導管を更に備え、
    前記送達導管は、中央長手方向軸を備え、
    前記送達導管の前記中央長手方向軸に対して垂直に、前記容器を通って延在する、第1の垂直面に関して、前記第1の回転軸は全体的に前記第1の垂直面内に存在し、前記第1および第2の流入側撹拌器は、前記第1の垂直面の、前記送達導管と同じ側に位置決めされる、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1の垂直面に対して垂直な第2の垂直面に関して、前記送達導管の前記中央長手方向軸は、全体的に前記第2の垂直面内に存在し、前記第2の回転軸及び前記第3の回転軸は、前記第2の垂直面の反対側にある、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1および第2の流入側撹拌器は、互いに垂直に離隔している、請求項1に記載の装置。
  6. 前記第1および第2の流入側撹拌器から前記第1の垂直面の反対側に位置決めされる第3の流入側撹拌器をさらに備える、請求項3に記載の装置。
  7. 溶融ガラスを調質するための方法であって、
    前記方法は:
    溶融ガラスを送達導管から容器内へと流すステップであって、前記容器は、前記溶融ガラスの流れに対して上流容積及び下流容積を含む、ステップ;
    前記下流容積内の前記溶融ガラスを、第1の回転軸の周りで回転可能なメイン撹拌器で撹拌するステップであって、前記メイン撹拌器は、メイン撹拌器シャフトと、前記第1の回転軸に対して距離dmだけ前記メイン撹拌器シャフトから外向きに延在する最上位撹拌ブレードとを備える、ステップ;
    前記上流容積内の溶融ガラスを、第2の回転軸の周りで回転する第1の流入側撹拌器および第3の回転軸の周りで回転する第2の流入側撹拌器で撹拌するステップであって、前記第2の回転軸および前記第3の回転軸は、前記第1の回転軸からdm未満の距離daだけ離隔しているステップ;
    を有し、
    前記第1および第2の流入側撹拌器は、それぞれ前記第2および第3の回転軸に対し長さdnを有する撹拌ブレードを有し、前記第2及び第3の回転軸は距離dsだけ離隔され、
    dn<ds<2dn
    である方法。
  8. 前記送達導管の長手方向軸に対して垂直に、前記容器を通って延在する、第1の垂直面に関して、前記第1の回転軸は全体的に前記第1の垂直面内に存在し、前記第2の回転軸及び前記第3の回転軸は、前記第1の垂直面の、前記送達導管と同じ側に位置決めされる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1の垂直面に対して垂直に、前記容器を通って延在する、第2の垂直面に関して、前記送達導管の前記長手方向軸は、全体として前記第2の垂直面に存在し、前記第2の回転軸及び前記第3の回転軸は、前記第2の垂直面の、反対側に位置決めされる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1の流入側撹拌器を時計回り方向に回転させ、前記第2の流入側撹拌器を反時計回り方向に回転させるステップをさらに有する、請求項7に記載の方法。
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