JP2020060436A - 組電池監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単電池が放電終止状態においても確実に電圧検出線の断線検出を可能とする組電池監視装置を提供する。【解決手段】組電池2内の単電池21〜23の各電極に一方を接続された電圧検出線31〜34と、その他方に接続されて単電池21〜23毎の電圧を測定する電圧測定回路12と、その制御で個別にオン・オフする複数のスイッチ素子61〜63と、電圧測定回路12の検出値を閾値と比較した比較出力に基づいて断線異常を判定する論理演算部11と、を備える。直列接続された隣り合うスイッチ素子62,63でそれぞれの端子間電圧V1,V2を電圧測定回路12で測定する。一方のスイッチ素子62をオン・オフ後の前記所定時間内にその端子間電圧V1が閾値以下、又は他方のスイッチ素子63をオン・オフ後の所定時間内にその端子間電圧V2が閾値以下ならば、論理演算部11により断線と判定する。【選択図】図2
Description
本発明は、組電池監視装置に関し、より詳細には、組電池と充放電監視制御用ICとの間に設けられた電圧検出線が断線する故障を検出可能な組電池監視装置に関する。
ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)等では、所望の高電圧を確保するため、二次電池による複数の単電池を直列又は並列に接続して構成される組電池(電池システム)が用いられている。このような組電池では、各単電池の容量計算や保護管理のため、各単電池の状態を監視するとともに充放電を制御するICを用いて各単電池の電圧を適正に調整している。
上記の単電池の管理方法では、電圧検出線が断線すると、単電池の電圧を正確に測定できないため、単電池を正しく管理できない。そこで、これを解決する手段として、特開2012−172992号公報(特許文献1)の検知方法が知られている。この方法では、単電池の正極と負極にそれぞれ接続された電圧検出線の間に抵抗を介して単電池を所定時間だけ放電させる放電回路が動作していないときの電圧検出線間の電圧を所定の電圧範囲と比較することにより、接続不良であるか否かを判断している。
特許文献1に記載の技術では、単電池の電圧が高い充電満了時や、単電池の電圧が低い放電終止時において、断線を検出する信頼性に欠けるという問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電池電圧の高低に関わらず、確実に断線検出を可能とする組電池監視装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明に係る組電池監視装置は、複数の単電池により構成された組電池内の各単電池の正極と負極にそれぞれ接続された複数の電圧検出線と、前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を測定する電圧測定回路と、前記複数の単電池にそれぞれ対応して設けられ、各単電池の正極と負極の間を前記電圧検出線を介して導通または遮断する複数のスイッチ素子と、前記電圧測定回路により測定された前記電圧検出線間の電圧に基づいて前記電圧検出線の断線異常の有無を判定する論理演算部と、を備え、前記電圧測定回路は、前記複数のスイッチ素子のうち互いに隣り合う2つのスイッチ素子の一方をオンさせた後にオフさせたときの該一方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第1の電圧として測定するとともに、前記2つのスイッチ素子の他方をオンさせた後にオフさせたときの該他方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第2の電圧として測定し、前記論理演算部は、前記第1の電圧が第1の判定閾値以下であり、かつ、前記第2の電圧が前記第1の判定閾値以下である場合に、前記断線異常と判定する。
本発明によれば、電池電圧の高低に関わらず、確実に断線検出を可能とする。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、各図にわたって、同一効果を示す箇所には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る組電池監視装置(本装置)1の構成を示す図である。図1に示す本装置1は、組電池2に接続ハーネス3を介して接続されている。
組電池2は、複数の単電池21〜23を有している。単電池21〜23は、不図示の負荷に対して電力を供給することで放電される。また、単電池21〜23は不図示の充電装置等から供給される電力を用いて充電することができる。接続ハーネス3は電圧検出線31〜34を有している。
本装置1は、測定用フィルタ回路4、調整回路5、IC10、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」又は「論理演算部」ともいう)11を有する。IC10は、放電スイッチ群6、電圧測定回路12、差動増幅器13、AD変換器14、通信回路15を有する。IC10は、組電池2の状態について、単電池21〜23のレベルで監視するとともに、それらの充放電を制御する機能を有する。これらは、一例に過ぎず、1パックのICである必要もなく、一体のICに組み込まれる回路構成等の範囲も限定するものでない。
電圧検出線31〜34は、一方が単電池21〜23それぞれの正極と負極に接続され、他方は測定用フィルタ回路4を介して電圧測定回路12と接続される。この測定用フィルタ回路4は、抵抗41〜43及びコンデンサ45〜47その他によりローパスフィルタが構成さている。このローバスフィルタによって、本装置1が発生する高周波ノイズ成分が電池2及びその負荷装置に与える害を抑止するとともに、大電流を充放電する単電池21〜23の母線等と、微弱電流を取り扱う本装置1との間に介在して本装置1を大電流から防護する機能を有する。
電圧測定回路12は、電圧検出線31〜34のうち互いに隣接する各電圧検出線間の電圧を測定することで、各単電池21〜23の電圧を測定する。電圧測定回路12において測定された各各電圧検出線間の電圧は、差動増幅器13により適切な電圧レベルに増幅されたアナログ値からAD変換器14でデジタル変換され、通信回路15を介してマイコン(論理演算部)11に送信される。
論理演算部11は、電圧測定回路12により測定された各電圧検出線間の電圧に基づいて、電圧検出線31〜34における断線異常の有無を判断することにより、電圧検出線31〜34の断線検知を行う。なお、論理演算部11が検知する電圧検出線31〜34の断線異常とは、電圧検出線31〜34が実際に断線している場合だけでなく、電圧検出線31〜34の抵抗値が通常時と比べて著しく大きくなっているような状態も含む。論理演算部11による断線検知方法の詳細については後述する。
放電スイッチ群6は、開閉端子が直列に接続されたスイッチ素子61〜63の列により構成される。これらのスイッチ素子61〜63は、例えば電圧測定回路12により制御される。調整回路5は、放電スイッチ群6の各スイッチ素子61〜63に対してそれぞれ直列接続される調整用抵抗(以下、単に「抵抗」ともいう)51〜54と、各スイッチ素子61〜63に対してそれぞれ並列接続される調整用フィルタコンデンサ(以下、単に「コンデンサ」ともいう)55〜57で構成されている。これらの抵抗51〜54及びコンデンサ55〜57は、スイッチ素子61〜63とともに単電池21〜23の放電回路を形成するものであり、後述する測定時間との関係で、RC時定数を規定する。また、抵抗51〜54は各スイッチ素子61〜63のオン抵抗を増加させて、単電池21〜23を放電する際の電流調整を行う機能もある。
スイッチ素子61〜63は、単電池21〜23にそれぞれ対応して設けられており、各単電池21〜23の正極と負極の間に接続される。例えば、電圧測定回路12によって所定の時間だけスイッチ素子62がオンすると、単電池22の正極と負極が、調整回路5を介して短絡し、単電池22が放電される。他のスイッチ素子61、63も同様にしてスイッチ制御され、これによって単電池21、23がそれぞれ放電される。このとき、単電池21〜23の充電状態のばらつきに応じて各スイッチ素子61〜63をオンする時間を調整することで、単電池21〜23の充電状態のばらつきが解消されるように、組電池2のバランシングが行われる。なお、組電池2のバランシングを行う際、電圧測定回路12は、互いに隣り合う2つのスイッチ素子61と62どうし、およびスイッチ素子62と63どうしを同時にオンさせること無く、オンの後に所定のタイミングでオフさせるインターバルを交互に繰り返すように制御する(図3〜図7参照)。
上述のように、開閉端子が直列に接続されて隣接するスイッチ素子、例えばスイッチ素子61と62が同時にオンすることは無い。なお、図1では組電池2が3つの単電池21〜23の直列接続のみで構成されている例を示しているが、実用化された組電池の構成は、さらに多くの単電池を直列接続したものや、複数の単電池を直列接続したものをさらに並列接続にする等、多様な構成が考えられる。したがって、直列接続による組電池の構成のみに発明を限定するものではない。
複数のスイッチ素子61〜63は、単電池21〜23毎に対応して設けられており、各単電池21〜23の正極と負極の間を、電圧検出線31〜34を介して導通(オン)または遮断(オフ)する。スイッチ素子61〜63は、電圧測定回路12の制御により所定のタイミングで個別にオンすることにより、単電池21〜23の放電回路をそれぞれ形成する。この放電回路は、直列接続された複数の単電池21〜23毎にスイッチ素子61〜63及び抵抗51〜54を接続して形成される。
つぎに、電圧検出線が断線した場合の検出方法について述べる。図2は電圧検出線31〜34のうち、単電池22の負極及び単電池23の正極に接続されている電圧検出線33が断線した時の動作説明図である。図3は放電終止状態で断線が発生していない場合の電圧V1,V2の変化を示した図である。なお、放電終止状態とは、単電池21〜23の蓄電性能を維持するために、規定の放電終止電圧を下回ることのない限度で単電池21〜23の放電を終止した状態をいう。蓄電池の種類にもよるが、一般的に放電終止電圧以下まで蓄電池の放電を継続した場合、蓄電池を著しく劣化させることがあるので、放電終止電圧以下とならないように各種の予防対策を施されていることが多い。
ここで、本装置1の概略を説明する。本装置1は、主に放電終止状態でも断線検出が可能な組電池監視装置である。具体的には、本装置1は、組電池2内の単電池21〜23の各電極に接続された電圧検出線31〜34と、電圧検出線31〜34のうち単電池21〜23の両極にそれぞれ接続されている各電圧検出線間の電圧を測定する電圧測定回路12と、その制御で個別にオン・オフする複数のスイッチ素子61〜63と、電圧測定回路12の検出値を閾値と比較した結果で断線異常を判定する論理演算部11と、を備えて構成されている。なお、電圧測定回路12は、各スイッチ素子61〜63のオン・オフをインターバル制御する機能も有する。
電圧測定回路12は、例えば、直列接続されて互いに隣り合う2つのスイッチ素子62,63を順次オン・オフさせ、このときのスイッチ素子62,63の両端電圧を測定することで、スイッチ素子62,63にそれぞれ対応する単電池22,23の両極に接続されている各電圧検出線間の電圧V1,V2を検出する。すなわち、一方のスイッチ素子62がオン・オフしてから所定時間後に、単電池22の両極に接続されている電圧検出線32,33間の電圧V1と、単電池23の両極に接続されている電圧検出線33,34間の電圧V2とを測定する。これにより、例えば図3に示す測定値V1a,V2aが取得される。
同様に、他方のスイッチ素子63がオン・オフしてから所定時間後にも、電圧V1,V2を測定する。これにより、例えば図3に示す測定値V1b,V2bが取得される。なお、本装置1は、上述の放電終止時のみならず、充電満了時や、それらの中間的な通常時にも断線検出できるものである。
図4は通常状態もしくは充電満了状態で非断線時の電圧V1,V2の変化を示した図である。なお、充電満了状態とは、単電池21〜23の蓄電性能を維持するために、所定の充電満了電圧を超えて過充電しないように単電池21〜23の充電を終止した状態をいう。蓄電池の種類にもよるが、一般的に充電満了電圧を超えた過充電は、過熱による火災事故の原因となるほか、蓄電池を著しく劣化させることがあるので、過充電とならないように各種の充電管理、及び保安対策を施されていることが多い。
図5は放電終止状態で断線時の電圧V1,V2の変化を示した図である。図6は通常状態もしくは充電満了状態で断線時の電圧V1,V2の変化を示した図である。なお、図3〜図6の上方に付した符号S1〜S7は、図7を用いて後述する断線検出処理のための各ステップS1〜S7に対応している。
まず、放電終止状態で電圧検出線33が非断線時の場合、スイッチ素子62,63をオフからオンに切り替える前の電圧V1と電圧V2は、図3の直線71,72で示すように、それぞれ単電池22,23の電圧と同じ電圧になる。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が非断線時も同様であり、電圧V1と電圧V2は、図4の直線73,74で示すように、それぞれ単電池22,23の電圧とそれぞれ同じ電圧になる。
しかし、放電終止状態で電圧検出線33(図2)が断線時の場合、電圧検出線33の電位がフローティング状態となることで、スイッチ素子62,63をオフからオンに切り替える前の電圧V1と電圧V2は、それぞれ不定となる。その結果、電圧V1と電圧V2は、例えば図5の直線75,76で示すような値となる。これらの値は、部品の特性ばらつきやICの消費電流ばらつきの影響を受けるため、不安定であり規定値に定まらない。
また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が断線時の場合も同様に、電圧検出線33の電位がフローティング状態となることで、スイッチ素子62,63をオフからオンに切り替える前の電圧V1と電圧V2は、それぞれ不定となる。その結果、電圧V1と電圧V2は、例えば図6の直線77,78で示すような値となる。
ここで、以下の式1に示すように、電圧検出線33が断線しているか否かに関わらず、電圧V1と電圧V2の合計は、単電池22の電圧と単電池23の電圧との合計から、スイッチ素子62または63がオンであるときに形成される放電回路に流れる電流と当該放電回路の抵抗成分とによって生じる電圧降下の分を差し引いた値に等しくなる。ただし、スイッチ素子62,63がオフである場合や、電圧検出線33が断線している場合は、単電池22,23の放電回路が形成されないため、式1の電圧降下分はゼロとなる。すなわち、これらの場合における電圧V1と電圧V2の合計は、単電池22の電圧と単電池23の電圧との合計に等しくなる。
V1+V2=単電池22電圧+単電池23電圧−電圧降下 ・・・(式1)
V1+V2=単電池22電圧+単電池23電圧−電圧降下 ・・・(式1)
つぎに、スイッチ素子62をオンすると、調整用フィルタコンデンサ56は、スイッチ素子62を介して放電される。放電終止状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V1は、図3の曲線79で示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図3の曲線80で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V1は、図4の曲線81に示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図4の曲線82に示すように変化する。これらの場合は、電圧検出線33が単電池22の負極と接続されているため、スイッチ素子62、コンデンサ56および抵抗52,53によって形成される放電回路を介して単電池22が放電される。
一方、放電終止状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V1は、図5の曲線83で示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図5の曲線84で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V1は、図6の曲線85で示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図6の曲線86で示すように変化する。これらの場合は、電圧検出線33が単電池22の負極と接続されていないため、放電回路が形成されずに単電池22が放電されない。
つぎに、調整用フィルタコンデンサ56が放電された後に、スイッチ素子62をオフすると、電圧検出線33が単電池22の負極と接続されている場合には、単電池22からコンデンサ56への充電経路があるため、コンデンサ56の両端電圧は単電池22の電圧に戻る。その結果、放電終止状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V1は、図3の曲線87で示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図3の曲線88で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V1は、図4の曲線89に示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図4の曲線90で示すように変化する。
しかし、電圧検出線33が断線によって単電池22の負極と接続されていない場合には、調整用フィルタコンデンサ56の放電後、スイッチ素子62をオフすると、単電池22からコンデンサ56への充電経路がないため、コンデンサ56の両端電圧は単電池22の電圧に戻らない。その結果、放電終止状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V1は、図5の曲線91で示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図5の曲線92で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V1は、図6の曲線93で示すように変化し、電圧V2は、式1に従い図6の曲線94で示すように変化する。
上述のように、スイッチ素子62のオン・オフに対応する電圧V1,V2の変化は、非断線時と断線時とで違いが生じる。しかし、放電終止状態と通常状態もしくは充電満了状態とを比較した場合、これらの電圧間には非断線時と断線時とで明確に規則付けできるほどの違いは見出し難い。よって、この情報のみで断線の確定が出来ない。
つぎに、スイッチ素子63をオンすると、調整用フィルタコンデンサ57は、スイッチ素子63を介して放電される。放電終止状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V2は、図3の曲線96で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図3の曲線95で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V2は、図4の曲線98で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図4の曲線97に示すように変化する。これらの場合は、電圧検出線33が単電池23の正極と接続されているため、スイッチ素子63、コンデンサ57および抵抗53,54によって形成される放電回路を介して単電池23が放電される。
一方、放電終止状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V2は、図5の曲線100で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図5の曲線99で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V2は、図6の曲線102で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図6の曲線101で示すように変化する。これらの場合は、電圧検出線33が単電池23の正極と接続されていないため、放電回路が形成されずに単電池23が放電されない。
つぎに、調整用フィルタコンデンサ57が放電された後に、スイッチ素子63をオフすると、電圧検出線33が単電池23の正極と接続されている場合には、単電池23からコンデンサ57への充電経路があるため、コンデンサ57の両端電圧は単電池23の電圧に戻る。その結果、放電終止状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V2は、図3の曲線104で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図3の曲線103で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が非断線時の場合、電圧V2は、図4の曲線106で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図4の曲線105で示すように変化する。
しかし、電圧検出線33が断線によって単電池23の正極と接続されていない場合には、調整用フィルタコンデンサ57を放電後、スイッチ素子63をオフすると、単電池23からコンデンサ57への充電経路がないため、コンデンサ57の両端電圧は単電池23の電圧に戻らない。その結果、放電終止状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V2は、図5の曲線108で示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図5の曲線107で示すように変化する。また、通常状態もしくは充電満了状態で電圧検出線33が断線時の場合、電圧V2は、図6の曲線110に示すように変化し、電圧V1は、式1に従い図6の曲線109に示すように変化する。
前述したように、スイッチ素子62だけのオン・オフでは、放電終止状態と通常状態もしくは充電満了状態とを比較した場合、電圧V1,V2において非断線時と断線時とで明確に規則付けできるほどの違いが見出し難く、断線を確定するには至らなかった。それに対し、上記で説明したように、スイッチ素子62をオンからオフに切り替えた後の電圧V1及び電圧V2と、スイッチ素子63をオンからオフに切り替えた後の電圧V1及び電圧V2との情報から、放電終止状態、通常状態および充電満了状態の各状態において、非断線時と断線時とで明確に規則付けできるほどの違いが見出せる。本装置では、この違いを利用して断線を検出する。
本実施形態に係る断線診断方法の詳細な手順については、図7を用いて後述するが、それより先に診断の要点のみを簡単に説明する。本実施形態における断線の診断は、電圧測定回路12の出力に基づき、以下に示す第1〜第6の条件を用いて行われる。電圧測定回路12の出力に対する判断は、図1及び図2に示したマイコン11で所定のプログラムを実行することによって行う。なお、図7および以下の説明では、電圧検出線33の断線診断を行う場合を例として、本実施形態に係る断線診断方法を説明する。
[断線の推定]
第1の条件(図7のS8)は、スイッチ素子62をオンからオフした後の所定時間後に電圧V1を測定し、その測定値V1aが第1の判定閾値以下であるという条件である。この条件を満たす場合(S8でYes)に、本装置1は電圧検出線33について断線の可能性が有ると推定する。ただし、これだけでは100%の精度ではないので、以下の第2〜第6の条件に該当するか否かについて再確認する。
第1の条件(図7のS8)は、スイッチ素子62をオンからオフした後の所定時間後に電圧V1を測定し、その測定値V1aが第1の判定閾値以下であるという条件である。この条件を満たす場合(S8でYes)に、本装置1は電圧検出線33について断線の可能性が有ると推定する。ただし、これだけでは100%の精度ではないので、以下の第2〜第6の条件に該当するか否かについて再確認する。
第2の条件(S10下段)は、スイッチ素子62をオンからオフした後の所定時間後に電圧V1を測定したときの測定値V1aが第2の判定閾値以下であるという条件である。第3の条件(S10上段)は、スイッチ素子63をオンからオフした後の所定時間後に電圧V1を測定し、その測定値V1bが第3の判定閾値以上であるという条件である。これらの条件を満たす場合(S10でYes)に、本装置1は電圧検出線33について断線の可能性が有ると推定する。この第2、第3の条件は、上述した第1の条件により断線の可能性が低いと推定されても、断線の疑いが残るので再確認するための条件である。ただし、これでも100%の精度ではない。
第4の条件(S9)は、スイッチ素子63をオンからオフした後の所定時間後に電圧V2を測定し、その測定値V2bが第1の判定閾値以下であるという条件である。この条件を満たす場合(S9でYes)に、本装置1は、ステップS12へ進んで電圧検出線33が断線していると判定する。なお、この第4の条件に非該当(S9でNo)であり、電圧検出線33の断線の可能性が低いと推定されても、断線の疑いが残るので、つぎの第5及び第6の条件に該当するか否かについて再確認する。
第5の条件(S11下段)は、スイッチ素子63をオンからオフした後の所定時間後に電圧V2を測定したときの測定値V2bが第2の判定閾値以下であるという条件である。第6の条件(S11上段)は、スイッチ素子62をオンからオフした後の所定時間後に電圧V2を測定し、その測定値V2aが第3の判定閾値以上であるという条件である。これらの条件を満たす場合(S11でYes)に、本装置1は、電圧検出線33が断線していると判定する。
論理演算部11は、電圧測定回路12の検出値と各判定閾値とを比較し、その比較結果に基づいて上述した第1の条件〜第6の条件を満たすか否かを判定することで、電圧検出線33の断線異常の有無を判定する。
具体的には、論理演算部11は、以下[1]〜[4]に示す4パターンの何れかに該当する場合には、電圧検出線33において断線異常ありと判定する。
[1]第1の条件を満たし(S8のYes)、かつ、第4の条件を満たす場合(S9のYes)。
[2]第1の条件を満たし(S8のYes)、かつ、第5の条件(S11下段)、および第6の条件(S11上段)を満たす場合(S11のYes)。
[3]第2の条件(S10下段)および第3の条件(S10上段)を満たし(S10のYes)、かつ、第4の条件を満たす場合(S9でYes)。
[4]第2の条件(S10下段)および第3の条件(S10上段)を満たし(S10のYes)、かつ、第5の条件(S11下段)および第6の条件(S11上段)を満たす場合(S11のYes)。
[1]第1の条件を満たし(S8のYes)、かつ、第4の条件を満たす場合(S9のYes)。
[2]第1の条件を満たし(S8のYes)、かつ、第5の条件(S11下段)、および第6の条件(S11上段)を満たす場合(S11のYes)。
[3]第2の条件(S10下段)および第3の条件(S10上段)を満たし(S10のYes)、かつ、第4の条件を満たす場合(S9でYes)。
[4]第2の条件(S10下段)および第3の条件(S10上段)を満たし(S10のYes)、かつ、第5の条件(S11下段)および第6の条件(S11上段)を満たす場合(S11のYes)。
[設定値]
つぎに、本装置1及び本方法で採用する詳細な設定値について、以下に一例を示す。電圧V1及び電圧V2を測定するタイミングは、非断線時において、調整用フィルタコンデンサ55〜57の放電が終わる時間を設定する。例えば、電圧V1を測定する場合、コンデンサ56の容量値[F]×(抵抗52の抵抗値[Ω]+抵抗53の抵抗値[Ω])×5[sec]以上とする。なお、この式の「×5」は、電圧V1に対応する単電池22の放電回路の時定数を考慮して、コンデンサ56の放電が終了するまでの十分な時間を定めるために時定数に乗じる係数の一例である。
つぎに、本装置1及び本方法で採用する詳細な設定値について、以下に一例を示す。電圧V1及び電圧V2を測定するタイミングは、非断線時において、調整用フィルタコンデンサ55〜57の放電が終わる時間を設定する。例えば、電圧V1を測定する場合、コンデンサ56の容量値[F]×(抵抗52の抵抗値[Ω]+抵抗53の抵抗値[Ω])×5[sec]以上とする。なお、この式の「×5」は、電圧V1に対応する単電池22の放電回路の時定数を考慮して、コンデンサ56の放電が終了するまでの十分な時間を定めるために時定数に乗じる係数の一例である。
第1の判定閾値は、単電池22,23が放電終止状態のときに電圧検出線33の断線が検出できる値とする。例えば、放電終止の判定閾値を1.5Vと規定した時、第1の判定閾値を1Vとする。一方、第2の判定閾値および第3の判定閾値は、単電池22,23が通常状態もしくは充電満了状態のときに電圧検出線33の断線が検出できる値とする。例えば、充電満了の判定閾値を4.5Vと規定した時、第2の判定閾値を2Vとし、第3の判定閾値を3Vとする。ただし、第2の判定閾値は第1の判定閾値よりも大きく設定され、第3の判定閾値は第1の判定閾値および第2の判定閾値よりも大きく設定されるものとする。上述した図1〜図6に加えた図7を用いて、以下に電圧検出線の断線検出の手順を説明する。
[診断の全容]
[診断の全容]
図7は、電圧検出線33の断線診断方法(本方法)の手順を説明するためのフローチャートである。図7に示すように、本方法の手順には、スイッチ開閉ステップS1〜S3,S5,S6と、電圧測定ステップS4,S7と、電圧比較ステップS8〜S11と、断線判定ステップS12,S13とを有する。断線判定ステップS12,S13の後にReturnでスイッチ開閉ステップS1に戻る。なお、図7に示す断線検出処理のための各ステップS1〜S7は、図3〜図6の上方に付した符号S1〜S7で示した手順に対応するとともに、より適切な呼称を用いて説明している。
スイッチ開閉ステップS1,S2,S3,S5,S6では、放電スイッチ群6(図1、図2)のスイッチ素子62,63を適切なタイミングで開閉操作する。なお、放電スイッチ群6には、スイッチ素子62,63のほかにスイッチ素子61もあるが、ここでは電圧検出線33の断線診断を行うために開閉操作が必要なスイッチ素子62,63だけについて説明する。また、電圧測定ステップS4,S7では、電圧測定回路12(図1、図2)により電圧V1a,V2a,V1b,V2b(図3〜図6)を測定する。
また、電圧比較ステップS8〜S11では、これら測定された電圧V1a,V2a,V1b,V2bを第1〜第3の判定閾値(図3〜図6)とそれぞれ比較した結果を得る。断線判定ステップS12,S13では、電圧比較ステップS8〜S11の比較結果により、電圧検出線33について断線か非断線かの判定を行う。以下、各ステップS1〜S13それぞれについて、詳細な説明をする。
スイッチ開閉ステップS1は、断線診断を適宜繰り返す本方法の手順において、診断開始前の初期状態にリセットする意味で放電スイッチ群6(図1、図2)のスイッチ素子61〜63を全てオフする。なお、診断は定期的に行われるとしても、例えば、数日に1回の頻度であれば、スイッチ素子61〜63の全ては通常オフであり、例えば、10分間程度の比較的短時間に完了する診断(S1〜S12)のときだけ、適切なタイミングで開閉制御(S1,S2,S3,S5,S6)される。
なお、各ステップS1〜S13における論理判断は、図1及び図2に示したマイコン11で所定のプログラムを実行することによって行うが、必ずしもコンピュータを用いる必要はなく、同等機能を有する論理回路を用いても構わない。
まず、第1の条件(図7のS8)として、電圧測定ステップS4で測定した電圧V1aが第1の判定閾値以下であるか否かを判定する。この第1の条件を満たす場合(S8でYes)はステップS9に進み、そうでない場合(S8でNo)はステップS10に進む。すなわち、第1の条件を満たさない場合でも、それだけでは電圧検出線33に断線異常なしとは限らず、断線の可能性は残っているので、ステップS10で第2、第3の条件を用いて再確認する。
ステップS10では、第2の条件(S10下段)および第3の条件(S10上段)として、電圧測定ステップS4で測定した電圧V1aが第2の判定閾値以下であり、かつ、電圧測定ステップS7で測定した電圧V1bが第3の判定閾値以上であるか否かを判定する。これら第2および第3の条件をいずれも満たす場合(S10でYes)は、電圧検出線33に断線の可能性が有ると推定してステップS9に進む。一方、少なくともいずれかの条件を満たさない場合(S10でNo)は、断線異常の可能性なしと判断してステップS13に進み、電圧検出線33が正常であるとの判定結果を下す(S13)。
ステップS9では、第4の条件として、電圧測定ステップS7で測定した電圧V2bが第1の判定閾値以下であるか否かを判定する。この第4の条件を満たす場合(S9でYes)は、断線異常ありと判断してステップS12へ進み、電圧検出線33が断線しているとの判定結果を下す(S12)。このとき、不図示の表示装置等を用いて警報等を発令しても良い。一方、第4の条件を満たさない場合(S9でNo)はステップS11へ進む。すなわち、第4の条件を満たさない場合でも、それだけでは電圧検出線33に断線異常なしとは限らず、断線の可能性は残っているので、ステップS11で第5、第6の条件を用いて再確認する。
ステップS11では、第5の条件(S11下段)および第6の条件(図7のS11上段)として、電圧測定ステップS7で測定した電圧V2bが第2の判定閾値以下であり、かつ、電圧測定ステップS4で測定した電圧V2aが第3の判定閾値以上であるか否かを判定する。これら第5および第6の条件をいずれも満たす場合(S11でYes)は、断線異常ありと判断してステップS12へ進み、電圧検出線33が断線しているとの判定結果を下す(S12)。このときも前述と同様に、不図示の表示装置等を用いて警報等を発令しても良い。一方、少なくともいずれかの条件を満たさない場合(S11でNo)は、断線異常の可能性なしと判断してステップS13に進み、電圧検出線33が正常であるとの判定結果を下す(S13)。
なお、図7では例として電圧検出線33に対する断線検出処理のみを説明したが、本装置1は、スイッチ素子61,62を開閉操作の対象とし、電圧検出線31,32間の電圧、および電圧検出線32,33間の電圧を測定対象として、図7と同様の断線検出処理を行うことにより、電圧検出線32の断線異常の有無を判定することもできる。すなわち、組電池2を構成する単電池21〜23について、これらの間にそれぞれ接続されている電圧検出線32,33を対象に、断線検出処理の実施が可能である。
以上説明したように、単電池が通常状態、充電満了状態、放電終止状態の全条件において、電池電圧の高低に関わらず、確実に断線検出を可能とする組電池監視装置、電圧検出線の断線診断方法を提供できる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)組電池監視装置1は、単電池21〜23により構成された組電池2内の各単電池21〜23の正極と負極にそれぞれ接続された電圧検出線31〜34と、単電池22,23の両極にそれぞれ接続されている電圧検出線32,33間の電圧V1および電圧検出線33,34間の電圧V2を測定する電圧測定回路12と、単電池21〜23にそれぞれ対応して設けられ、各単電池21〜23の正極と負極の間を電圧検出線31〜34を介して導通または遮断するスイッチ素子61〜63と、電圧測定回路12により測定された電圧検出線間の電圧V1,V2に基づいて電圧検出線33の断線異常の有無を判定する論理演算部としてのマイコン11とを備える。電圧測定回路12は、スイッチ素子61〜63のうち互いに隣り合う2つのスイッチ素子62,63の一方であるスイッチ素子62をオンさせた後にオフさせたとき(S2,S3)の該一方のスイッチ素子62に対応する単電池22の両極に接続されている電圧検出線32,33間の電圧V1を第1の電圧V1aとして測定する(S4)とともに、2つのスイッチ素子62,63の他方であるスイッチ素子63をオンさせた後にオフさせたとき(S5,S6)の該他方のスイッチ素子63に対応する単電池23の両極に接続されている電圧検出線33,34間の電圧V2を第2の電圧V2bとして測定する(S7)。マイコン11は、第1の電圧V1aが第1の判定閾値以下であり(S8:Yes)、かつ、第2の電圧V2bが第1の判定閾値以下である場合(S9:Yes)に、電圧検出線33の断線異常と判定する(S12)。このようにしたので、電池電圧の高低に関わらず、確実に断線検出を行うことができる。
(2)電圧測定回路12は、一方のスイッチ素子62をオンさせた後にオフさせたとき(S2,S3)の他方のスイッチ素子63に対応する単電池23の両極に接続されている電圧検出線33,34間の電圧V2を第3の電圧V2aとしてさらに測定する(S4)。マイコン11は、第1の電圧V1aが第1の判定閾値以下であり(S8:Yes)、かつ、第2の電圧V2bが第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、第3の電圧V2aが第3の判定閾値以上である場合(S11:Yes)に、電圧検出線33の断線異常と判定する(S12)。このようにしたので、さらに確実に断線検出を行うことができる。
(3)電圧測定回路12は、他方のスイッチ素子63をオンさせた後にオフさせたとき(S5,S6)の一方のスイッチ素子62に対応する単電池22の両極に接続されている電圧検出線32,33間の電圧V1を第4の電圧V1bとしてさらに測定する(S7)。マイコン11は、第1の電圧V1aが第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、第4の電圧V1bが第3の判定閾値以上であり(S10:Yes)、かつ、第2の電圧V2bが第1の判定閾値以下である場合(S9:Yes)に、電圧検出線33の断線異常と判定する。このようにしたので、さらに確実に断線検出を行うことができる。
(4)電圧測定回路12は、一方のスイッチ素子62をオンさせた後にオフさせたとき(S2,S3)の他方のスイッチ素子63に対応する単電池23の両極に接続されている電圧検出線33,34間の電圧V2を第3の電圧V2aとしてさらに測定する(S4)とともに、他方のスイッチ素子63をオンさせた後にオフさせたとき(S5,S6)の一方のスイッチ素子62に対応する単電池22の両極に接続されている電圧検出線32,33間の電圧V1を第4の電圧V1bとしてさらに測定する(S7)。マイコン11は、第1の電圧V1aが第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、第4の電圧V1bが第3の判定閾値以上であり(S10:Yes)、かつ、第2の電圧V2bが第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、第3の電圧V2aが第3の判定閾値以上である場合(S11:Yes)に、電圧検出線33の断線異常と判定する(S12)。このようにしたので、さらに確実に断線検出を行うことができる。
(5)マイコン11は、第1の電圧V1aおよび第2の電圧V2bの少なくとも一方が第2の判定閾値より大きい場合(S10:NoまたはS11:No)に、2つのスイッチ素子62,63にそれぞれ対応する2つの単電池22,23の間に接続されている電圧検出線33には断線異常が生じていないと判定する(S13)。このようにしたので、断線異常の可能性がない場合には、これを確実に検出することができる。
(6)電圧測定回路12は、スイッチ素子62,63をそれぞれオンさせた後にオフさせてから所定時間後に、単電池22の両極に接続されている電圧検出線32,33間の電圧V1および単電池23の両極に接続されている電圧検出線33,34間の電圧V2を測定する(S4,S7)。具体的には、電圧測定回路12は、スイッチ素子61〜63と並列にそれぞれ設けられたコンデンサ成分55〜57、および、スイッチ素子61〜63と電圧検出線31〜34との間にそれぞれ設けられた抵抗成分51〜54を有する放電回路をさらに備えており、上記の所定時間は、この放電回路が有するコンデンサ成分55〜57および抵抗成分51〜54のうち、2つのスイッチ素子62,63に対応してそれぞれ設けられたコンデンサ成分56,57の容量値および抵抗成分52〜54の抵抗値に基づき、例えばこれらの乗算値を5倍した値で設定されている。このようにしたので、スイッチ素子62,63の切り替え直後における過渡的な電圧変動の影響を排除して、断線異常の有無を判断するために適切な電圧測定を行うことができる。
(7)電圧比較ステップS10,S11において用いられる第3の判定閾値は、第1の判定閾値および第2の判定閾値よりも大きい値である。このようにしたので、単電池22,23が放電終止状態、通常状態もしくは充電満了状態のいずれであっても、断線異常の有無を正確に判断することができる。
なお、以上では種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1 組電池監視装置(本装置)
2 組電池
21〜23 単電池
3 接続ハーネス
31〜34 電圧検出線
4 測定用フィルタ回路
41〜44 測定用フィルタ抵抗
45〜47 測定用フィルタコンデンサ
5 調整回路
51〜54 調整用抵抗
55〜57 調整用フィルタコンデンサ
6 放電スイッチ群
61〜63 スイッチ素子
10 IC
11 マイクロコンピュータ(マイコン)
12 電圧測定回路
13 差動増幅器
14 AD変換器
15 通信回路
71 放電終止状態における非断線時の電圧V1
72 放電終止状態における非断線時の電圧V2
73 通常状態もしくは充電満了状態における非断線時の電圧V1
74 通常状態もしくは充電満了状態における非断線時の電圧V2
75 放電終止状態における断線時の電圧V1
76 放電終止状態における断線時の電圧V2
77 通常状態もしくは充電満了状態における断線時の電圧V1
78 通常状態もしくは充電満了状態における断線時の電圧V2
S1 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、62オフ)
S2 断線検出処理(スイッチ素子62オン、63オフ)
S3 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、62オフ)
S4 断線検出処理(V1a,V2a測定)
S5 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、63オン)
S6 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、62オフ)
S7 断線検出処理(V1b,V2b測定)
S8 断線検出処理(V1aと第1の判定閾値との比較)
S9 断線検出処理(V2bと第1の判定閾値との比較)
S10 断線検出処理(V1aと第2の判定閾値、V1bと第3の判定閾値との比較)
S11 断線検出処理(V2bと第2の判定閾値、V2aと第3の判定閾値との比較)
S12 断線検出処理(断線と判定)
S13 断線検出処理(正常、つまり非断線と判定)
2 組電池
21〜23 単電池
3 接続ハーネス
31〜34 電圧検出線
4 測定用フィルタ回路
41〜44 測定用フィルタ抵抗
45〜47 測定用フィルタコンデンサ
5 調整回路
51〜54 調整用抵抗
55〜57 調整用フィルタコンデンサ
6 放電スイッチ群
61〜63 スイッチ素子
10 IC
11 マイクロコンピュータ(マイコン)
12 電圧測定回路
13 差動増幅器
14 AD変換器
15 通信回路
71 放電終止状態における非断線時の電圧V1
72 放電終止状態における非断線時の電圧V2
73 通常状態もしくは充電満了状態における非断線時の電圧V1
74 通常状態もしくは充電満了状態における非断線時の電圧V2
75 放電終止状態における断線時の電圧V1
76 放電終止状態における断線時の電圧V2
77 通常状態もしくは充電満了状態における断線時の電圧V1
78 通常状態もしくは充電満了状態における断線時の電圧V2
S1 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、62オフ)
S2 断線検出処理(スイッチ素子62オン、63オフ)
S3 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、62オフ)
S4 断線検出処理(V1a,V2a測定)
S5 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、63オン)
S6 断線検出処理(スイッチ素子62オフ、62オフ)
S7 断線検出処理(V1b,V2b測定)
S8 断線検出処理(V1aと第1の判定閾値との比較)
S9 断線検出処理(V2bと第1の判定閾値との比較)
S10 断線検出処理(V1aと第2の判定閾値、V1bと第3の判定閾値との比較)
S11 断線検出処理(V2bと第2の判定閾値、V2aと第3の判定閾値との比較)
S12 断線検出処理(断線と判定)
S13 断線検出処理(正常、つまり非断線と判定)
Claims (8)
- 複数の単電池により構成された組電池内の各単電池の正極と負極にそれぞれ接続された複数の電圧検出線と、
前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を測定する電圧測定回路と、
前記複数の単電池にそれぞれ対応して設けられ、各単電池の正極と負極の間を前記電圧検出線を介して導通または遮断する複数のスイッチ素子と、
前記電圧測定回路により測定された前記電圧検出線間の電圧に基づいて前記電圧検出線の断線異常の有無を判定する論理演算部と、を備え、
前記電圧測定回路は、前記複数のスイッチ素子のうち互いに隣り合う2つのスイッチ素子の一方をオンさせた後にオフさせたときの該一方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第1の電圧として測定するとともに、前記2つのスイッチ素子の他方をオンさせた後にオフさせたときの該他方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第2の電圧として測定し、
前記論理演算部は、前記第1の電圧が第1の判定閾値以下であり、かつ、前記第2の電圧が前記第1の判定閾値以下である場合に、前記断線異常と判定する組電池監視装置。 - 請求項1に記載の組電池監視装置において、
前記電圧測定回路は、前記一方のスイッチ素子をオンさせた後にオフさせたときの前記他方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第3の電圧としてさらに測定し、
前記論理演算部は、前記第1の電圧が前記第1の判定閾値以下であり、かつ、前記第2の電圧が前記第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、前記第3の電圧が第3の判定閾値以上である場合に、前記断線異常と判定する組電池監視装置。 - 請求項1に記載の組電池監視装置において、
前記電圧測定回路は、前記他方のスイッチ素子をオンさせた後にオフさせたときの前記一方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第4の電圧としてさらに測定し、
前記論理演算部は、前記第1の電圧が前記第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、前記第4の電圧が第3の判定閾値以上であり、かつ、前記第2の電圧が前記第1の判定閾値以下である場合に、前記断線異常と判定する組電池監視装置。 - 請求項1に記載の組電池監視装置において、
前記電圧測定回路は、前記一方のスイッチ素子をオンさせた後にオフさせたときの前記他方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第3の電圧としてさらに測定するとともに、前記他方のスイッチ素子をオンさせた後にオフさせたときの前記一方のスイッチ素子に対応する前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を第4の電圧としてさらに測定し、
前記論理演算部は、前記第1の電圧が前記第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値以下であり、かつ、前記第4の電圧が第3の判定閾値以上であり、かつ、前記第2の電圧が前記第2の判定閾値以下であり、かつ、前記第3の電圧が前記第3の判定閾値以上である場合に、前記断線異常と判定する組電池監視装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の組電池監視装置において、
前記論理演算部は、前記第1の電圧および前記第2の電圧の少なくとも一方が前記第2の判定閾値より大きい場合に、前記2つのスイッチ素子にそれぞれ対応する2つの前記単電池の間に接続されている前記電圧検出線には前記断線異常が生じていないと判定する組電池監視装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の組電池監視装置において、
前記電圧測定回路は、前記複数のスイッチ素子をそれぞれオンさせた後にオフさせてから所定時間後に、前記単電池の両極に接続されている前記電圧検出線間の電圧を測定する組電池監視装置。 - 請求項6に記載の組電池監視装置において、
前記複数のスイッチ素子と並列にそれぞれ設けられた複数のコンデンサ成分、および、前記複数のスイッチ素子と前記複数の電圧検出線との間にそれぞれ設けられた複数の抵抗成分を有する放電回路をさらに備え、
前記所定時間は、前記放電回路が有する前記複数のコンデンサ成分および前記複数の抵抗成分のうち、前記2つのスイッチ素子に対応してそれぞれ設けられたコンデンサ成分の容量値および抵抗成分の抵抗値に基づき設定されている組電池監視装置。 - 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の組電池監視装置において、
前記第3の判定閾値は、前記第1の判定閾値および前記第2の判定閾値よりも大きい値である組電池監視装置。
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