JP2020059613A - アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法 - Google Patents

アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が、溶鋼取鍋に用いられた場合に剥離損耗するか否かの耐剥離性を、実際の施工前に評価する方法を提供する。【解決手段】1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上焼成後の残存線変化率が0%以上であるアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法であって、前記耐火物原料と水との混練物のうち、目開き2.8mmの篩を通過する混練物を用いて作製される熱膨張測定用試験片に対して、1400℃、1500℃、1600℃のそれぞれにおける線熱膨張率(%)を測定する工程と、1500℃における前記線熱膨張率(%)の値が1400における前記線熱膨張率(%)の値以上を示し、かつ、1600℃における前記線熱膨張率(%)の値が1500℃における前記線熱膨張率(%)の値以上を示す前記キャスタブル耐火物は、耐剥離性が高いと判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、溶融金属処理容器の内張りに用いられるアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の試験方法に関する。
アルミナ、マグネシア等及び有機物等の成分を含むアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物用の原料粉末が市販されている。この原料粉末に水を加えて混錬して、混練物を溶鋼取鍋等の溶融金属処理容器(以下、単に「溶鋼取鍋」という)内に設置した型枠に流し込んで内張り壁を成形した後、乾燥して使用される。
溶鋼取鍋内に配置されたアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、使用中に発生する亀裂が原因で剥離損耗を生じる課題があった。使用中に発生するアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の亀裂の主な原因は、耐火物の構成原料であるアルミナとマグネシアとのスピネル生成反応に伴う体積膨張により引き起こされる座屈と考えられていた。
アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の使用中の座屈を防止するためには、次の2点の方法が検討されてきた。1点目は、座屈の原因となるアルミナとマグネシアとのスピネル生成反応に伴う体積膨張により発生する応力を緩和するために、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に荷重軟化性を付与する方法である。2点目は、アルミナとマグネシアとのスピネル生成反応に伴う体積膨張を制御し、その体積膨張により発生する応力を低減する方法である。
特許文献1と特許文献2では、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の構成原料であるアルミナとマグネシアとのスピネル生成反応に伴う体積膨張が大きくなる1400℃以上の高温下において適度な荷重軟化性を付与させたアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が開示されている。
特許文献3では、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の使用中の体積膨張の試験方法として大気中1500℃で3時間焼成後のアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の残存線変化率を採用することにより、使用中のアルミナとマグネシアとのスピネル生成反応に伴う体積膨張を制御したアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が開示されている。
特開平5−185202号公報 特開2001−253781号公報 特開平9−30859号公報
しかし、耐火物を主成分とする乾燥後の前記成形体(以下、「耐火物を主成分とする乾燥後の成形体」を単に「耐火材」という。)は、溶鋼取鍋に内張されると、互いに固定しあう状態となる。そのため、特許文献1、2、3に記載のアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物を用いても、使用中にキャスタブル耐火物に発生する亀裂を起点とした剥離損耗が解消しない問題が生じていた。
本発明者は、溶鋼取鍋の内張に用いられるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の損耗機構を調べた。その結果、溶鋼取鍋の使用中に前記溶鋼取鍋内に施工されたキャスタブル耐火物に生じる亀裂は、前記耐火物の原料であるアルミナとマグネシアとのスピネル生成反応に伴う体積膨張により引き起こされる座屈が原因で発生するものでは無く、溶鋼取鍋の使用中に前記耐火物に生成する液相により引き起こされる収縮が原因で発生することを見出した。
しかしながら、従来技術には、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が互いに固定されるように溶鋼取鍋内に内張された使用環境下で、液相により引き起こされる軟化収縮が原因で生じる亀裂によって前記耐火物に剥離損耗が生じるか否かの耐剥離性を評価する方法がなかった。
本発明は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が溶鋼取鍋内に固定配置された場合に、使用中に生成した液相により引き起こされる軟化収縮が原因で生じる亀裂により剥離損耗が生じるか否かの耐剥離性を予め評価する方法を提供することを目的とする。
本発明者が検討した結果、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物からなる施工体(以下、断りが無い限り、単に「耐火物」ともいう。)が内張施工された溶鋼取鍋の使用中において、1600℃の溶鋼と接する前記耐火物表面乃至前記耐火物の背面にかけて温度分布は定常状態となっており、液相が生成する1400℃以上の温度で化学平衡状態にある前記耐火物のマトリックス部分の線熱膨張率の挙動が、耐剥離性と相関し、耐剥離性を線熱膨張率の挙動から把握できることを知見し、本発明の耐剥離性の評価方法を成すに至った。尚、「線熱膨張率」は、「線膨張係数」とも呼ばれる。
本発明は上記知見に基づくものであり、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上焼成後の残存線変化率が0%以上であるアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法であって、
前記耐火物と水との混練物のうち、目開き2.8mmの篩を通過する混練物を用いて作製される熱膨張測定用試験片に対して、
1400℃±10℃で24時間以上焼成後の前記試験片について、1400℃±10℃における線熱膨張率(%)を測定する工程と、
1500℃±10℃で24時間以上焼成後の前記試験片について、1500℃±10℃における線熱膨張率(%)を測定する工程と、
1600℃±10℃で24時間以上焼成後の前記試験片について、1600℃±10℃における線熱膨張率(%)を測定する工程と、
1500±10℃における前記線熱膨張率(%)の値と、1400±10℃における線熱膨張率(%)の値を比較する工程と、
1600±10℃における前記線熱膨張率(%)の値と、1500℃±10℃における前記線熱膨張率(%)の値を比較する工程を含むことを特徴とする、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法。
(2)前記アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物は、1400±10℃、1500±10℃、及び1600±10℃のそれぞれの温度で24時間以上熱処理した後のそれぞれの残存線変化率が0%以上であることを特徴とする、(1)に記載のアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法。
(3)1500±10℃における前記線熱膨張率(%)の値が、1400±10℃における線熱膨張率(%)の値以上を示し、かつ、
1600±10℃における前記線熱膨張率(%)の値が、1500℃±10℃における前記線熱膨張率(%)の値以上を示す前記キャスタブル耐火物は、耐剥離性が高いと判断することを特徴とする、(1)又は(2)に記載のアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法。
製造又は施工した耐火物を何ら確認せずに溶鋼取鍋に用いることができない。何故なら、その耐火物は、耐剥離性が乏しい場合がある。本発明の判定方法は、製造又は施工した耐火物を溶鋼取鍋内に配置する前に、前記耐火物の一部を用いて前記耐火物の耐剥離性を判定することができる。本発明により、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性を評価することができ、耐用に優れたアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物を選定することができる。
実施例Aのアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の線熱膨張率の温度依存性を示すグラフである。 比較例Bのアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の線熱膨張率の温度依存性を示すグラフである。 実施例Cのアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の線熱膨張率の温度依存性を示すグラフである。 実施例Dのアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の線熱膨張率の温度依存性を示すグラフである。 実施例Eのアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の線熱膨張率の温度依存性を示すグラフである。
本発明の評価対象とするアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、主に溶鋼取鍋に使用されることから、以下溶鋼取鍋に使用した場合を例として述べる。他の容器に用いた場合も同様に適用できる。
[溶鋼取鍋に固定されたアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の化学反応]
溶鋼取鍋は、転炉から出鋼された溶鋼を連続鋳造機まで搬送する溶融金属処理容器である。そのため、溶鋼取鍋に用いられるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、溶鋼が滞留している期間は加熱され、鋳造完了後に転炉から溶鋼を再び受鋼する直前までの溶鋼が溶鋼取鍋内に存在しない期間は冷却されることになる。すなわち、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、加熱と冷却が繰り返される環境下で使用されている。
そのような環境下で使用されているアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、使用の過程で内部に蓄熱が進行する。溶鋼取鍋の使用中の耐火物の非定常伝熱計算によれば、転炉から溶鋼を受鋼し、前記溶鋼を連続鋳造機に流し込み、鋳造完了後に転炉から溶鋼を再び受鋼するという一連の工程を約12回(ch)連続的に繰り返すことによって、耐火物内部の蓄熱が完了し、1600℃の溶鋼と接する耐火物表面からその背面にかけての耐火物内部の温度分布が定常状態となることが分かった。
ここで言う定常状態とは、溶鋼取鍋に溶鋼が滞留している期間と、溶鋼が取鍋内に存在しない期間との間に起きる温度変化が、繰り返し同じ温度分布変化となる状態のことを言う。
また、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物において、亀裂が原因となる剥離損傷は、耐火物内部の温度分布が定常状態となった後に発生している。その際、亀裂が発生している位置は、溶鋼取鍋の使用時における耐火物内部の定常伝熱計算によれば、約1400℃に到達している位置であることが分かった。
ところで、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、アルミナ、マグネシア、シリカ、及びCaO・Alを主結晶相とするアルミナセメント等の原料から構成されている。そして耐火物内部の温度が1400℃以上となる領域においては、これらの原料は、次の化学反応(1)式の反応を起こすと考えられる。
アルミナ+マグネシア+シリカ+CaO・Al
→ アルミナ+スピネル+CaO・6Al+液相・・・(化学反応1)
化学反応(1)式の反応は、比表面積の大きい、粒度が2.8mm以下の原料において特に進行すると考えられる。
つまり、耐火物の温度が1400℃以上になると、前記耐火物の原料の内、粒度が2.8mm以下の原料が特に反応し、マグネシアとアルミナの一部との反応から生成するスピネル以外に、アルミナセメントとアルミナの一部との反応から生成するCaO・6Al、及びシリカと他の酸化物との反応から液相が生成する。化学反応(1)式の反応において生成するスピネル、CaO・6Al、および、液相の各々の量は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に含有される原料の含有量に依存する。特に、液相の生成量は温度の上昇とともに、増大する。
化学反応(1)式を基に、溶鋼取鍋内のアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の組織の挙動を推察してみる。アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物において1400℃以上の温度で、ある一定量以上の液相がマトリックス中に生成すると、液相の毛細管力により、耐火物組織は収縮を示すことになる。すなわち、使用中に耐火物内部の1400℃以上となる領域から溶鋼と接する耐火物表面にかけて、生成する液相の量が増大することから、耐火物組織は、生成する液相の量に応じて収縮する結果、耐火物表面において耐火物組織の収縮量は最大となる。
次に、鋳造が完了した後の溶鋼が取鍋内に存在しない期間、つまり、前記耐火物が冷却されている期間では、次の化学反応(2)式の反応が進行する。
アルミナ+スピネル+CaO・6Al+液相
→アルミナ+スピネル+CaO・6Al+CaO−MgO−SiO−Al系化合物・・・(化学反応2)
化学反応(2)式の反応は、化学反応(1)式の生成物が関与するため、マトリックス中において特に進行すると考えられる。
すなわち、前記耐火物が冷却される過程で、液相からCaO・6AlとCaO−MgO−SiO−Al系化合物等の固相が析出する。一般的には、加熱された耐火物は前記冷却過程中に体積収縮を示すが、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物においては、化学反応(2)式の反応により、前記冷却過程中に生成した液相から体積膨張を伴うCaO・6Al成分が析出するために、体積膨張を引き起こすことになる。そして、液相からのCaO・6Al成分の析出が完了する1200℃近辺で、耐火物の体積膨張は最大となる。
化学反応(2)式を基に、溶鋼が取鍋内に存在しない期間、つまり、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が冷却されている期間の耐火物表面の組織の挙動は、次のように推察される。
冷却中には耐火物表面の温度は、約900℃にまで低下する。冷却過程では、耐火物に生成していた液相から体積膨張を伴うCaO・6Al成分が析出し、液相からのCaO・6Al成分の析出は、耐火物表面の温度が1200℃近辺に冷却されるまで生じるために、耐火物の表面組織は1200℃までは体積膨張し、1200℃から900℃までは体積収縮することになる。
以上のことから、特に溶鋼滞留中に1400℃以上となる範囲において、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の表面組織は、次の(3)および(4)の現象が繰り返されることとなる。
現象(3):溶鋼が滞留している期間において、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の表面温度は、900℃から1600℃まで加熱される。この間に、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の表面組織は、900℃から1400℃までは体積膨張するが、1400℃から1600℃までは体積収縮する。
現象(4):溶鋼が取鍋内に存在しない期間において、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の表面温度は、1600℃から900℃まで冷却される。この間に、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の表面組織は、1600℃から1200℃までは体積膨張するが、1200℃から900℃までは体積収縮する。
つまり、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の表面組織は、加熱工程と冷却工程とを1回ずつ交互に繰り返す前記溶鋼の搬送工程において、体積膨張と体積収縮を2回繰り返すこととなる。このような、耐火物表面における耐火物組織の体積収縮と体積膨張との繰り返しは、耐火物内部において歪を蓄積させる結果、剥離損耗の原因となる亀裂を発生させることになる。
ところで、れんが等の定型耐火物において、耐火物の表面組織は、溶鋼が滞留している加熱期間では単調に体積膨張し、溶鋼が取鍋内に存在しない冷却期間では単調に体積収縮する。つまり、れんが等の定型耐火物において、耐火物の表面組織は、1回の加熱と冷却の繰り返しの中で、体積膨張と体積収縮が1回のみ起こることとなる。
そこで、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の1600℃までの加熱過程における体積収縮量を抑制することにより、れんが等の定型耐火物と同様に、1回の加熱と冷却の繰り返しの中で体積膨張と体積収縮が1回のみ起こる状態にすることが出来れば、耐火物内部に蓄積される歪を最小とすることが可能となり、剥離損耗の原因となる亀裂の発生を防止することができると考えられる。
本発明者は、溶鋼取鍋の使用時におけるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物について、耐火物内部の定常状態にある温度分布において、液相生成の開始温度1400℃以上の温度状態にある耐火物の線熱膨張率の挙動と剥離損耗の有無の相関関係を詳細に調べた。その結果、温度上昇に伴って線熱膨張率が単調に増大する特性を有するアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、れんが等の定型耐火物と同様に、1回の加熱と冷却の繰り返しの中で体積膨張と体積収縮が1回のみ起こる状態に擬似出来るため、実機で使用した場合に耐剥離性にきわめて優れることを知見した。
[本発明の作用機序]
1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上焼成等の熱処理した後の残存線変化率が0%以上であるアルミナ−マグネシア質不定形耐火物において、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の混練物から、2.8mm篩を通過させた材料を用いて作製した試験片について、1600℃±10℃で24時間以上焼成した後の、1500±10℃における線熱膨張率(%)の値と1400±10℃における線熱膨張率(%)の値を比較し、且つ、1600±10℃における線熱膨張率(%)の値と、1500℃±10℃における線熱膨張率(%)の値を比較することによって、前記キャスタブル耐火物の剥離性を評価できる理由は、下記の通りである。
先ず、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、熱履歴を受けた後に適度な残存膨張を有することが好ましい。残存収縮する耐火物、すなわち、残存線変化率が0%未満のものは、加熱され冷却された後の寸法が元の加熱前の寸法より小さくなる。このような残存線変化率が0%未満の耐火物は、使用中に亀裂が発生することが明白であり、そもそも耐剥離性に劣ることが多いので、実機で利用することができない。
前述したように、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、1400℃以上の温度では前記化学反応(1)式の反応においてマトリックス中に液相を生成する。生成した液相は、冷却時に固化する際の体積収縮により耐火物を収縮させる可能性がある。そこで、本発明は、1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上焼成等の熱処理した後の残存線変化率が0%以上であるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に適用される。
アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、使用中に溶鋼と接することで耐火物表面では最高1600℃まで加熱されうることから、焼成温度の最大は1600±10℃とした。
また、本発明の評価方法において、キャスタブル耐火物の焼成時間を24時間以上としたのは、耐火物内部の蓄熱が完了し、前記(1)式の反応が化学平衡状態に到達するのに十分な時間であるからである。
1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上熱処理した後の残存線変化率が0%以上であるか否かを判断するために、少なくとも3つの温度T1、T2及びT3(1400℃≦T1<T2<T3≦1600℃)のそれぞれで24時間以上熱処理した後の残存線変化率が0%以上であるか否かを判断することが好ましい。また、24時間以上熱処理した後の残存線変化率が0%以上であるか否かを判断するための温度の測定点は、1400℃以上1600℃以下の温度であって、±(許容範囲の温度幅)℃の範囲で互いに重複しない限り、特に限定されない。但し、評価の効率化の観点から、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物が1400±10℃、1500±10℃、及び1600±10℃の各温度で24時間以上熱処理した後の残存線変化率が0%以上か否かを判定することがより好ましい。
残存線変化率の試験方法としては、JIS−R2554「キャスタブル耐火物の線変化率試験方法」を用いるのが好ましい。
次に、本発明は、残存線変化率に関する前記要件に加えて、1400℃以上の温度での前記耐火物の線熱膨張率が、温度上昇と共に同一の値を取るか、単調に増大するか否かを判断することを特徴とする。これは、次の理由による。
前述の通り、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の膨張と収縮の原因となる化学反応(1)式および(2)式の反応は、比表面積の大きい、粒度が2.8mm以下の原料で構成されるマトリックス中において特に進行すると考えられる。そこで本発明では、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の膨張と収縮の挙動をより明確にするために、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の混練物から、膨張と収縮の挙動を鈍化させる働きを有する粗骨材を除去し、2.8mm篩を通過させた材料を用いて作製した試験片を用いて熱膨張測定を行う。
1400℃以上の温度で、前記化学反応(1)式にて体積膨張を伴うスピネルやCaO・6Alの生成量が液相の生成量よりも多い場合は、前記試験片の線熱膨張率は図1に示すように変化する。1400℃以上の温度で、前記化学反応(1)式にて、スピネルやCaO・6Alの生成量よりも液相の生成が多い場合は、前記試験片の線熱膨張率は図4、図5に示すように変化し、1500℃超の温度で、スピネルやCaO・6Alの生成量が液相の生成量よりも多い場合は、前記試験片の線熱膨張率は図3に示すように変化する。また、1500℃においてのみ、液相の生成量が、スピネルやCaO・6Alの生成量よりも少なくなる場合には図2に示すように変化する。
これに対して、1400℃以下の温度では、前記化学反応(1)式の反応において液相は生成しない。つまり、1400℃以下の温度では耐火物の原料自体の熱膨張や、スピネル、及びCaO・6Alの生成に伴う体積膨張により熱膨張を示すことになる。
1400℃以上の温度での前記耐火物の線熱膨張率が、温度上昇と共に同一の値を取るか、単調に増大する場合には、使用中に耐火物内部の1400℃以上となる領域から溶鋼と接する耐火物表面にかけての耐火物組織のマトリックス部分の挙動を見ると、耐火物組織は変化しないか、乃至は膨張することになる。すなわち、使用中に耐火物内部の1400℃以上となる領域の耐火物組織のマトリックス部分は収縮することはないため、歪が生じないために、剥離の原因となる亀裂は発生しないことになり、耐剥離性に優れると判断される。
アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物において、1400℃以上の温度での前記耐火物の線熱膨張率が、温度上昇と共に単調に増大しない場合には、稼働面近傍の耐火物内部のマトリックス部分において亀裂の発生をもたらす歪が生じるため、耐剥離性に劣ると判断される。
このように、1500℃焼成後の1500℃での線熱膨張率の値が、1400℃にて24時間焼成後の1400℃での線熱膨張率の値と同等か、それ以上の値を示し、かつ、1600℃にて24時間焼成後の1600℃での線熱膨張率の値が、1500℃にて24時間焼成後の1500℃での線熱膨張率の値と同等か、それ以上の値を示す場合に、前記不定形耐火物は耐剥離性に優れると判断することができる。
[溶鋼取鍋に固定されたアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性]
図1に、後述する実施例Aに示すアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の1400℃、1500℃、及び1600℃の温度状態での線熱膨張率を示す。
図1において、1400℃の線熱膨張率は、1400±10℃で24時間焼成した前記耐火物(以下、特に断りが無い限り、単に「1400℃で焼成した前記耐火物」という。)について、室温から1400±10℃までの昇温過程で測定される線熱膨張率である(以下、特に断りが無い限り、このような線熱膨張率を単に「1400℃での線熱膨張率」という)。同様に、1500℃の線熱膨張率は、1500±10℃で24時間焼成した前記耐火物(以下、特に断りが無い限り、単に「1500℃で焼成した前記耐火物」という。)の、室温から1500±10℃までの昇温過程で測定される線熱膨張率である(以下、特に断りが無い限り、このような線熱膨張率を単に「1500℃での線熱膨張率」という)。同様に、1600℃の線熱膨張率は、1600±10℃で24時間焼成した前記耐火物(以下、特に断りが無い限り、このような線熱膨張率を単に「1600℃で焼成した前記耐火物」という。)の、室温から1600±10℃までの昇温過程で測定される線熱膨張率である(以下、特に断りが無い限り、単に「1600℃での線熱膨張率」という)。
線熱膨張率の試験方法としては、JIS−R2207「耐火物の熱膨張の試験方法」に準拠した試験片と試験条件を用いるのが好ましい。より好ましくは、液相の膨張収縮に影響の少ないJIS−R2207-1「非接触法」を用いる。
また本発明では、前述のように、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の膨張と収縮の挙動をより明確にするため、膨張と収縮の挙動を鈍化させる働きを有する粗骨材を除去し、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の混練物から、2.8mm篩を通過させた材料を用いて作製した試験片を用いる。
図1において、後述する実施例Aに示すアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物は、1400℃以上の温度では、線熱膨張率は温度上昇と共に増加しているために、実際に溶鋼取鍋に使用しても収縮が原因で生じる亀裂による剥離損耗がなく、耐剥離性に優れていた。
図2は、後述する比較例Bに示すアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の1400℃、1500℃、及び1600℃の温度状態での線熱膨張率のグラフである。アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物によっては、線熱膨張率が図2のように変化する場合がある。本発明は、線熱膨張率が図2のように変化するアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物も耐剥離性を評価することができる。しかし、比較例Bのキャスタブル耐火物は、表1に示す通り、1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した耐火物の残存線変化率の内、1400℃および1600℃の値が0%未満である。1400℃および1600℃において残存線変化率が0%未満になるキャスタブル耐火物は、前述したように、そもそも耐剥離性に劣ることが多いので、実機で利用することができないので、線熱膨張率が図1〜図5のように変化する場合であっても、本発明の評価の対象外とされる。
図3に、後述する実施例Cに示すアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の1400℃、1500℃、及び1600℃の温度状態での線熱膨張率を示す。図3の1400℃以上の温度での線熱膨張率を見ると、線熱膨張率は温度上昇と共に増加していないために、実際に溶鋼取鍋に使用しても収縮が原因で生じる亀裂による剥離損耗が発生し、耐剥離性に劣っていた。
図4に、後述する実施例Dに示すアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の1400℃、1500℃、及び1600℃の温度状態での線熱膨張率を示す。図4の1400℃以上の温度での線熱膨張率を見ると、線熱膨張率は温度上昇と共に減少しているために、実際に溶鋼取鍋に使用しても収縮が原因で生じる亀裂による剥離損耗が発生し、耐剥離性に劣っていた。
図5に、後述する実施例Eに示すアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の1400℃、1500℃、及び1600℃の温度状態での線熱膨張率を示す。図5の1400℃以上の温度での線熱膨張率を見ると、線熱膨張率は温度上昇と共に減少しているために、実際に溶鋼取鍋に使用しても収縮が原因で生じる亀裂による剥離損耗が発生し、耐剥離性に劣っていた。
[本発明に係る評価方法の評価対象]
本発明に係る評価方法の評価対象は、例えば、以下の組成の材料を原料として用いることによって作製することができる。但し、本発明に係る評価方法の評価対象は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物であって、1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上焼成後の残存線変化率が0%以上であれば、その組成は以下の例に限定されない。
本発明に係る評価方法の評価対象とされるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に用いられるアルミナ質原料としては、焼結アルミナ、電融アルミナ、重焼アルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、電融ボーキサイト、ばん土頁岩などが使用できる。アルミナの粒度としては最大粒径が10mm未満の一般的なものを使用することができる。アルミナの配合割合は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物全量中、質量%で78%〜93.5%の範囲が望ましい。
本発明に係る評価方法の評価対象とされるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に用いられるマグネシア質原料としては、焼結マグネシアまたは電融マグネシアが使用できる。マグネシアの粒度としては最大粒径が1mm未満の一般的なものを使用することができる。マグネシアの配合割合は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物全量中、質量%で3%〜10%の範囲が望ましい。
本発明に係る評価方法の評価対象とされるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に用いられるシリカ質原料としては、シリコンおよびシリコン合金の製造時に副生するシリカフラワーやシリカヒュームのようなシリカや、気相法で製造したエアロゾル状のシリカ、及び、湿式法で合成した非晶質含水シリカ、及び、それを乾燥させたものが使用できる。シリカの粒径は1μm以下のものが望ましい。シリカの配合割合は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物全量中、質量%で0.5%〜2%の範囲が望ましい。
本発明に係る評価方法の評価対象とされるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に用いられるアルミナセメントとしては、CaO・Alを含有するアルミナセメントが使用できる。CaO・Al以外にアルミナやスピネルを含むアルミナセメントを使用してもよい。アルミナセメントの配合割合は、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物全量中、質量%で3%〜10%の範囲が望ましい。
本発明に係る評価方法の評価対象とされるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に用いられる分散剤としては、一般に使用されものでよい。例えばトリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、炭酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、クエン酸ソーダなどが使用できる。分散剤の配合割合も一般的な処方でよい。例えばアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物100質量%に対して、前記分散剤を0.03%〜0.1%の範囲で添加することが望ましい。
本発明に係る評価方法の評価対象とされるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に用いられる爆裂防止剤としては、一般に使用されものでよい。例えばビニロンファイバー、乳酸アルミニウム、発泡剤である金属アルミニウム、アゾジカルボンアミド等を挙げることができる。爆裂防止剤の配合割合も一般的な処方でよい。例えば、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物100質量%に対して、前記爆裂防止剤を0.01〜0.03%の範囲で添加することが望ましい。
本発明に係る評価方法を実施するために供するアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の試験片は、アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の混練物から、2.8mm篩を通過させた材料を用いて作製する。施工条件は実機と同等とすることが好ましい。
例えば、前記組成を満たす耐火物の原料100質量%に対し、4〜6質量%の水を添加し、ミキサーで混練した後に2.8mm篩を通過させた材料を型枠に流し込むことによって作製しても良い。作製の際には充填性を向上させるため、混練物を流し込んだ型枠に振動を付与しても良い。
以下に本発明の実施例とその参考例を示す。
表1に、アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の原料配合と評価結果を示す。表1の配合で作製したキャスタブル耐火物に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ、又は、ポリカルボン酸ソーダを耐火物の質量に対して0.03質量%〜0.1質量%の範囲で添加し、爆裂防止剤としてビニロンファイバーを耐火物の質量に対して0.01質量%添加した。更に水道水を耐火物質量に対して4〜6質量%の範囲で添加して、二軸ミキサーを用いて4分間混練し、混練物を2.8mm篩で篩分けして、前記2.8mm篩を通過した混練物を所定寸法の金枠に振動を付与させながら流し込んだ。そして、大気中室温で前記混練物が前記金型に流し込まれた状態のまま24時間静置した後に、前記混練物を前記金型から取り出して110℃で24時間乾燥させることにより評価用試験片を作製した。
1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した耐火物の残存線変化率の測定はJIS−R2554のキャスタブル耐火物の線変化率試験方法を用いた。1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した後の耐火物の線熱膨張率の測定は、JIS−R2207の耐火物の熱膨張の試験方法を用いた。
Figure 2020059613
実機使用時の損耗速度は、以下の条件にて測定した。まず、表1の各例の配合割合からなるアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物に、上記試験片を作成した条件と同一の分散剤、爆裂防止剤を同一量添加した。更に同一量の水を添加して、二軸ミキサーを用いて7分間混練し、混練物を容量400tの溶鋼取鍋の側壁部に施工した。前記混錬物の乾燥を目視にて確認した後、前記溶鋼取鍋を150回(ch)使用した後に当該耐火物の厚みを測定し、元の厚みから差し引いた値を使用回数で除することにより平均損耗速度(mm/ch)として算出した。同時に、溶鋼取鍋の使用中の亀裂による剥離損耗の状況を目視観察した。この結果を表1に示す。
実施例Aのキャスタブル耐火物は、1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した耐火物の残存線変化率が0%以上であり、かつ、1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した後の耐火物の線熱膨張率が温度上昇に伴って線熱膨張率が単調に増大する挙動を取っており、耐剥離性に優れると判断される。実機で使用すると剥離損耗が発生していないことから、本発明は耐火物の耐剥離性を正確に評価することが出来ている。
比較例Bのキャスタブル耐火物は、1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した耐火物の残存線変化率の内、1400℃および1600℃の値が0%未満であるため、本発明の評価の対象外とした。
実施例C〜Eのキャスタブル耐火物は、1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した耐火物の残存線変化率が0%以上であるが、1400℃、1500℃、及び1600℃の各温度で24時間焼成した後の耐火物の線熱膨張率が温度上昇に伴って線熱膨張率が単調に増大する挙動を取っていないため、耐剥離性に劣ると判断される。実機で使用すると剥離損耗が発生していることから、本発明は耐火物の耐剥離性を正確に評価することが出来ている。
本発明によれば、実機を施工する前に、使用する予定のアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物を用いて、当該アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性を正確に評価することができる。そのため、本発明に係る評価方法を利用することによって、各種のキャスタブル耐火物の耐剥離性を比較検討することができ、耐用性に極めて優れたアルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物を用いた実機を製造することができる。

Claims (3)

  1. 1400℃以上1600℃以下の温度で24時間以上焼成後の残存線変化率が0%以上であるアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法であって、
    前記耐火物と水との混練物のうち、目開き2.8mmの篩を通過する混練物を用いて作製される熱膨張測定用試験片に対して、
    1400℃±10℃で24時間以上焼成後の前記試験片について、1400℃±10℃における線熱膨張率(%)を測定する工程と、
    1500℃±10℃で24時間以上焼成後の前記試験片について、1500℃±10℃における線熱膨張率(%)を測定する工程と、
    1600℃±10℃で24時間以上焼成後の前記試験片について、1600℃±10℃における線熱膨張率(%)を測定する工程と、
    1500±10℃における前記線熱膨張率(%)の値と、1400±10℃における線熱膨張率(%)の値を比較する工程と、
    1600±10℃における前記線熱膨張率(%)の値と、1500℃±10℃における前記線熱膨張率(%)を比較する工程を含むことを特徴とする、(1)に記載のアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法。
  2. 前記アルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物は、1400±10℃、1500±10℃、及び1600±10℃のそれぞれの温度で24時間以上熱処理した後のそれぞれの残存線変化率が0%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法。
  3. 1500±10℃における前記線熱膨張率(%)の値が、1400±10℃における前記線熱膨張率(%)の値以上を示し、かつ、
    1600±10℃における前記線熱膨張率(%)の値が、1500℃±10℃における前記線熱膨張率(%)の値以上を示す前記キャスタブル耐火物は、耐剥離性が高いと判断することを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミナ‐マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法。
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