JP2020058787A - 未送達粒子の懸濁液用の液体ビヒクル - Google Patents

未送達粒子の懸濁液用の液体ビヒクル Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギー(例えば、光)吸収サブミクロン粒子(例えば、シリカコアおよび金シェルを含むナノ粒子)を含む組成物、および局所的な塗布により、このような粒子を送達する方法を提供する。【解決手段】この送達は、機械的な撹拌(例えば、マッサージ)、10Hz〜20kHzの範囲の音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しおよびマイクロジェットの適用により促進される。さらにまたは任意選択的に、製剤の十分な蒸発により、粒子の残留物が皮膚の表面に残った後、十分な量の液体を治療部位に塗布する工程と、皮膚の一部分への粒子の送達を促進する1つ以上の工程が繰り返される。最終的に、粒子は適切にエネルギー活性化され、それにより、所望の治療結果または臨床結果が得られる。【選択図】なし

Description

[参照による援用]
本願は、米国特許出願第12/787655号明細書、米国特許出願公開第2012/
0059307号明細書、および米国特許第6183773号明細書に記載の主題に関連
し得る主題を含み、これらの文献は引用することにより、その全てが本明細書の一部をな
すものとする。本明細書に記載の刊行物および特許出願の全てまたは各々は、引用するこ
とにより、本明細書に援用されることが具体的にかつ個々に示されるのと同程度まで、そ
の全体が本明細書の一部をなすものとする。
本願は、物質を再懸濁する、または溶解するために液体ビヒクルを加えることにより、
未送達の物質を再利用して、毛孔内への粒子および他の光吸収物質(light absorbing mat
erial)の送達を向上する方法に関する。
尋常性ざ瘡は、面皰、丘疹、結節および嚢胞の外観を特徴とする毛包性の皮膚疾患であ
る。面皰は、毛包が角栓で閉塞されている状態である。角栓が視認可能な開放面皰は、「
黒にきび(black head)」を形成する。閉鎖面皰は、「白にきび(white head)」を形成し、
これは炎症性丘疹、結節および嚢胞に進行することが多い。毛包中の細菌の存在により、
白血球細胞が毛包に誘引され、丘疹(赤ニキビ:red bump)、膿疱および結節として見ら
れる炎症反応を起こし得る。ざ瘡は、面皰または丘疹が僅かしか存在しないと、軽傷の場
合もあり、またはそれは炎症性が高く、醜い瘢痕を残す場合もある。毛包性の皮膚疾患、
例えば、尋常性ざ瘡を治療する、または改善する改良法が必要とされている。
脂腺性の毛包内に光吸収物質を外から加え、次いでレーザー照射することを伴う選択的
な光熱分解が、ざ瘡の治療法として開発された。光吸収物質の一例としては、ライス大学
のHalasらにより開発されたナノシェルと呼ばれるシリカコア:金シェルの微粒子が
ある。これらの物質は、高価で有り得、使用量を削減することが所望される。例示的な治
療は、粒子の懸濁液を皮膚の表面に塗布し、次いでマッサージなどの機械的な方法または
以下に記載の他の技術を行うことを含む。一般に、これらの粒子を、水、エタノール、ア
ジピン酸ジイソプロピルおよびポリエチレングリコールから典型的になる液体中に懸濁す
る。これらは、典型的に低粘度の製剤であり、先に言及したように、粒子の送達は、1つ
以上の異なる技術により補助される。皮膚の表面から毛孔を通り標的の脂腺性の毛包への
粒子を含有する流体の大きな流れは、粒子輸送の主な方法である。この方法で、皮膚の表
面に塗布された全体と比較して、毛包内に送達された粒子の画分は、非常に少ない。例え
ば、顔の皮膚に塗布される粒子の約1%のみが、毛包までたどり着けると推定される。ま
た、懸濁液の流体(ビヒクル)部分は、短時間、例えば、1分未満で蒸発する。十分な蒸
発後、脂腺性の毛包内への粒子の輸送は最小限またはゼロである。
製剤中の粒子をさらに有効利用するための方法が必要とされる。
以下に記載するように、本発明は、対象(例えば、ヒト)の毛包性の皮膚疾患(例えば
、ざ瘡)を治療する、または改善する方法、およびエネルギー(例えば、光)吸収サブミ
クロン粒子(例えば、シリカコアおよび金シェルを含むナノ粒子)を含む組成物、ならび
に局所的な塗布により、このような粒子を、例えば、毛包、皮脂腺管および/または皮脂
腺内に送達する方法、これらの方法による使用を提供する。
したがって、一態様において、本発明は、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または
改善する方法であって、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を、対象の皮
膚に局所的に塗布する工程と、機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返し
(alternating suction and pressure)またはマイクロジェットにより、皮膚の毛包、皮脂
腺、皮脂腺管、漏斗部(infundibulum)、エクリン管またはエクリン腺内への物質の送達を
促進する工程と、サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それにより対象の毛包性の
皮膚疾患を治療する、または改善する工程とを含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象の皮膚の毛孔が拡大した外観を改善する方法であっ
て、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布する
工程と、機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェッ
トにより、皮膚の毛包、皮脂腺、皮脂腺管または漏斗部への物質の送達を促進する工程と
、サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それにより対象の皮膚の毛孔が拡大した外
観を改善する工程とを含む、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の脂性肌の外観を改善する方法であって、光
吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布する工程と
、機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェットによ
り、皮膚の毛包、皮脂腺、皮脂腺管または漏斗部へのサブミクロン粒子の送達を促進する
工程と、サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それにより対象の脂性肌の外観を改
善する工程とを含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象の毛を永久脱毛する方法であって、光吸収物質を対
象の皮膚に局所的に塗布する工程と、物質をエネルギー活性化させ、それにより毛を永久
脱毛する工程とを含む、方法を提供する。一実施形態にて、毛は、色素が薄い毛または細
い毛である。別の実施形態にて、該方法は、光吸収物質を対象の皮膚に局所的に塗布し、
物質をエネルギー活性化させる前に、対象の毛包から毛を脱毛することをさらに含む。
別の態様において、本発明は、エクリン腺またはその周囲の領域を熱損傷させることに
より多汗症を治療する方法であって、光吸収物質を対象の皮膚に局所的に塗布する工程と
、物質をエネルギー活性化させ、それによりエクリン腺を恒久的に除去し、多汗症を治療
する工程とを含む、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の皮膚内の標的体積(target volume)への
光吸収物質の送達を促進して治療効果を得る方法であって、光吸収物質を含む製剤を対象
の皮膚に局所的に塗布し、皮膚内のリザーバに物質を送達する工程と、皮膚に第1の一連
の光パルスを照射することにより、対象の皮膚内の標的体積内への物質の送達を促進する
工程と、光吸収物質を第2の一連の光パルスに曝し、物質を加熱し、標的体積を熱損傷さ
せて、治療効果を得る工程とを含む、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の皮膚内の標的体積への光吸収物質の送達を
促進して治療効果を得る方法であって、光吸収物質を含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗
布する工程と、機械的な撹拌により皮膚内のリザーバへの物質の送達を促進する工程と、
各パルスの持続時間が1μs以下である、一連の低エネルギーレーザーパルスを印加して
、物質を標的体積に進入させることにより、皮膚内の標的体積への物質の送達を促進する
工程と、光吸収物質を第2の一連の低エネルギーレーザーパルスに曝し、物質を加熱し、
標的体積を熱損傷させて、治療効果を得る工程とを含む、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または改善
する方法であって、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を対象の皮膚に局
所的に塗布する工程と、製剤中で音響的に発生するマイクロジェットにより皮膚から毛包
内への物質の送達を促進する工程と、サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それに
より毛包性の皮膚疾患を治療する工程とを含む、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または改善
する方法であって、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤に対象の皮膚を曝
す工程と、毛包に隣接する皮膚の表面近傍の製剤中で低周波の超音波により誘発されるキ
ャビテーションにより、皮膚から毛包内への物質の送達を促進する工程と、サブミクロン
粒子をエネルギー活性化させ、それにより毛包性の皮膚疾患を治療する工程とを含む、方
法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の皮膚内の標的体積への光吸収物質の送達を
促進する方法であって、光吸収物質を含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布し、皮膚の標
的体積内のリザーバに物質を送達する工程と、実質的に経毛包経路を介して対象の皮膚内
の標的体積への物質の送達を促進する工程と、光吸収物質を一連の光パルスに曝し、物質
を加熱し、標的体積を熱損傷させて、治療効果を得る工程とを含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または改善する方
法であって、光吸収物質の粒子を含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布する工程と、主と
して対応する毛包から皮脂腺内への製剤中の粒子の送達を選択的に促進するために、製剤
に音響キャビテーションを発生させる工程と、粒子に光を照射して、毛包性の皮膚疾患を
治療する工程とを含む、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または改善する方
法であって、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を対象の皮膚に局所的に
塗布する工程と、実質的に経毛包経路を介して1つ以上の皮脂腺内に製剤を送達する工程
と、サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それにより毛包性の皮膚疾患を治療する
工程とを含む、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または改善
する方法であって、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を対象の皮膚に局
所的に塗布する工程と、毛包に隣接する皮膚の表面近傍で低周波の超音波により誘発され
るキャビテーションにより、毛包への物質の送達を促進する工程と、サブミクロン粒子に
光を照射することにより発生する熱を用いて、サブミクロン粒子に隣接する毛包性の皮膚
疾患を治療する、または改善する工程とを含む、方法を提供する。
上記の態様における本発明に係る方法態様または本明細書に記載の本発明の他の態様は
、本明細書に記載の本発明に係る方法で普遍的に適用できる複数の有用な実施形態を含む
したがって、一実施形態にて、光吸収物質の、例えば、毛包内への送達は、製剤中で超
音波により発生するマイクロジェットにより促進される。
別の実施形態にて、サブミクロン粒子のエネルギー活性化は、サブミクロン粒子に光を
照射し、それにより粒子を加熱することを含む。
別の実施形態にて、サブミクロン粒子は、照射中、皮脂腺内にある。一実施形態にて、
サブミクロン粒子は、照射中、実質的に完全に皮脂腺内にある。別の実施形態にて、サブ
ミクロン粒子は、照射中、皮脂腺管内にある。さらに別の実施形態にて、サブミクロン粒
子は、照射中、実質的に完全に皮脂腺管内にある。さらに別の実施形態にて、サブミクロ
ン粒子は、毛包性の皮膚疾患に関与する漏斗部内にある。
ある実施形態にて、製剤中の光吸収物質は、光活性化合物(a photoactive compound)、
光線力学的療法(PDT:photodynamic therapy)のプロドラッグまたはPDT薬(PDT dr
ug)を含む。
一実施形態にて、超音波の印加は、20kHz〜500kHzの範囲の周波数で行われ
る。別の実施形態にて、超音波の印加は、20kHz〜100kHzの範囲の周波数で行
われる。さらに別の実施形態にて、超音波の印加は、20kHz〜60kHzの範囲の周
波数で行われる。さらに別の実施形態にて、超音波エネルギーの印加は、30kHz〜5
0kHzの範囲の周波数で行われる。
一実施形態にて、超音波出力密度は、約0.5〜50W/cmである。別の実施形態
にて、超音波ホーン面のピーク間振幅の変位は、0.5〜30ミクロンの範囲である。
ある他の実施形態にて、本発明に係るサブミクロン粒子のサイズは、毛包を通過し、毛
包の皮脂腺に入るように選択される。一実施形態にて、毛包は、終毛性の毛包である。別
の実施形態にて、毛包は軟毛性の毛包である。さらに別の実施形態にて、毛包は脂腺性の
毛包である。
一実施形態にて、サブミクロン粒子のサイズは、約0.01ミクロン〜約1.0ミクロ
ンである。別の実施形態にて、サブミクロン粒子のサイズは、約0.05ミクロン〜約0
.25ミクロンである。
一実施形態にて、促進の工程は、毛包孔と略同一サイズの気泡が製剤中に形成されるよ
うに、超音波により発生するマイクロジェットの特性を選択することをさらに含む。別の
実施形態にて、促進の工程は、毛包と略同一サイズの気泡が製剤中に形成されるように、
低周波数超音波により誘発されるキャビテーションの特性を選択することをさらに含む。
他の実施形態にて、製剤中で超音波により発生するマイクロジェットは、対象の皮膚の
表面から約50ミクロン〜約100ミクロン以内で発生する。
ある実施形態にて、光吸収物質の送達は、浸漬キャビテーションの工程により促進され
る。一実施形態にて、促進の工程は、皮膚の表面から約50〜100ミクロン以内にキャ
ビテーションを発生させる。別の実施形態にて、送達工程を施した対象の皮膚部分の角質
層部分は、インタクトなままである。ある他の実施形態にて、例えば、実質的に経毛包経
路を介した、例えば、1つ以上の皮脂腺または毛包内への光吸収物質の送達は、毛包に隣
接する皮膚の表面近傍で低周波の超音波により誘発されるキャビテーションにより促進さ
れる。一実施形態にて、誘発されるキャビテーションは、皮膚の表面から約50ミクロン
〜約100ミクロンに発生する。別の実施形態にて、低周波の超音波の特性は、皮膚の表
面近傍で誘発されるキャビテーションで、角質層がインタクトな状態で保たれるように選
択される。
一実施形態にて、治療される毛包性疾患は、多汗症である。ある実施形態にて、促進の
工程は、エクリン腺管を介してエクリン腺内に粒子を送達する。
他の実施形態にて、治療される毛包性疾患は、尋常性ざ瘡である。さらに他の実施形態
にて、治療される毛包性疾患は、脂腺過形成である。さらに他の実施形態にて、治療され
る毛包性疾患は、多毛症である。
一実施形態にて、サブミクロン粒子は、PEGで被覆されている。別の実施形態にて、
粒子は、波長700〜1100nmに吸光ピークを有する。別の実施形態にて、サブミク
ロン粒子は、約1.05〜約2.0のシェル径とコア径との比を有する。
別の実施形態にて、サブミクロン粒子は、ナノ粒子またはナノシェルである。ある実施
形態にて、ナノ粒子またはナノシェルは、約50〜約300nm(例えば、50、75、
100、125、150、175、200、250、300nm)の直径を有する。一実
施形態にて、ナノ粒子またはナノシェルは、約50〜約250nmの直径を有する。別の
実施形態にて、ナノ粒子は、約150nmの直径を有する。
別の実施形態にて、ナノ粒子はPEGで被覆されている。
さらに別の実施形態にて、ナノ粒子はナノシェルである。ある実施形態にて、ナノ粒子
はシリカコアおよび金シェルを含む。
ある実施形態にて、サブミクロン粒子は、製剤の約0.5%〜約2%を構成する。一実
施形態にて、製剤は、ナノ粒子を含む懸濁液を約0.5〜約2%含む。別の実施形態にて
、製剤は、ナノ粒子を含む懸濁液を約0.1〜約10%含む。
一実施形態にて、製剤は、界面活性剤を含有するか、および/または親水性である。別
の実施形態にて、製剤は、界面活性剤を含有するか、および/または親油性である。さら
に別の実施形態にて、製剤は、界面活性剤を含有するか、および/またはリポソームであ
る。ある実施形態にて、界面活性剤は、製剤の10%未満である。
ある実施形態にて、製剤は脂質を可溶化する能力を有する成分を含む。一実施形態にて
、該成分はエタノールである。
一実施形態にて、製剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコー
ル、界面活性剤および/またはアジピン酸イソプロピルを1つ以上含む。別の実施形態に
て、製剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびカルボキシメチルセルロー
ス(CMC)を含む。さらに別の実施形態にて、製剤は、水、エタノール、プロピレング
リコール、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、ホスホリポンおよび増粘剤
のいずれか1つ以上を含む。
ある実施形態にて、製剤は、5〜500の光学密度を有する。一実施形態にて、製剤は
、約75の光学密度を有する。別の実施形態にて、製剤は、約125の光学密度を有する
。別の実施形態にて、製剤は、約250の光学密度を有する。
ある実施形態にて、エネルギー活性化、例えば、光活性化は、粒子に吸収される波長の
光エネルギーを供給する、パルスレーザ光により行われる。一実施形態にて、パルスレー
ザ光は、粒子に優先的に吸収される波長の光エネルギーを供給する。別の実施形態にて、
エネルギー活性化は、粒子に吸収される波長の光エネルギーを供給する、連続レーザーに
より行われる。
一実施形態にて、光エネルギーは、約700〜約1100nmの波長範囲を有する。別
の実施形態にて、光エネルギーは、約100J/cm未満のフルエンスを有する。さら
に別の実施形態にて、光エネルギーは、約0.5ms〜1000msのパルス持続時間を
有する。
ある実施形態にて、加熱することにより、毛包内容物を除去することにより、および/
または脱毛することにより、皮膚を本方法のために準備する。一実施形態にて、毛包内容
物は、毛包孔と接着性ポリマーとを接触させることを含む方法により除去される。
ある他の実施形態にて、局所的に塗布されたサブミクロン粒子は、エネルギー活性化の
前に、皮膚から拭き取られる。一実施形態にて、局所的に塗布されたサブミクロン粒子は
、光放射の適用前に流体を用いて皮膚から拭き取られる。別の実施形態にて、流体は、水
、エタノール、アセトンまたは水、エタノールおよびアセトンの2種以上の組み合わせに
よりなるものである。別の実施形態にて、流体は、水、溶媒、界面活性剤、アルコールの
1種以上から構成されるものでもよい。
ある他の実施形態にて、皮膚は、局所的な塗布前、局所的な塗布中または局所的な塗布
後に、毛包送達を補助するのに十分な温度に加熱される。一実施形態にて、加熱は、超音
波により行われる。別の実施形態にて、加熱は、蒸気により行われる。さらに別の実施形
態にて、加熱は、ホットパックにより行われる。さらに別の実施形態にて、加熱は、蒸し
タオルにより行われる。一般的に、加熱は、皮膚の痛み、組織損傷、熱傷または他の熱に
関連する作用を引き起こすのに十分でない。一実施形態にて、温度は約35〜44℃であ
る。別の実施形態にて、温度は約40〜44℃である。さらに別の実施形態にて、温度は
約42℃である。
ある実施形態にて、曝す工程は、製剤が対象の皮膚と接触するように、大量の製剤を容
器に入れることをさらに含む。一実施形態にて、促進の工程は、超音波アプリケータを容
器に入れ、製剤に浸漬することをさらに含む。
一実施形態にて、標的体積は、皮脂腺であり、標的体積は、皮膚の下の毛包内にある。
別の態様において、本発明は、化粧品として許容される担体、および組成物が局所的に
接触している標的の組織部位に熱変性を誘発するのに有効な量の複数のプラズモンナノ粒
子を含む組成物を提供する。
一実施形態にて、プラズモンナノ粒子は、非線形励起表面プラズモン共鳴源から標的の
組織部位に供給されるエネルギーへの曝露により活性化される。別の実施形態にて、プラ
ズモンナノ粒子は、金属、金属複合材料、金属酸化物、金属塩、導電体、超導電体、半導
体、誘電体、量子ドットまたはそれらの組み合わせからの複合材料を含む。さらに別の実
施形態にて、組成物中に存在する多くの量のプラズモン粒子は、幾何学的に調整されたナ
ノ構造を含む。
一実施形態にて、プラズモン粒子は、ナノプレート、固体のナノシェル、中空のナノシ
ェル、ナノロッド、ナノライス、ナノスフェア、ナノファイバー、ナノワイヤー、ナノピ
ラミッド、ナノプリズム、ナノスターまたはそれらの組み合わせを含む、光を吸収し、所
望の波長でプラズモン共鳴を発生させる、現在知られているか、または形成されるべき任
意の幾何学的形状を含む。別の実施形態にて、プラズモン粒子は、銀、金、ニッケル、銅
、チタン、ケイ素、ガラジウム、パラジウム、白金またはクロムを含む。
一実施形態にて、化粧品として許容される担体は、添加剤、着色剤、乳化剤、香料、保
湿剤、重合性モノマー、安定剤、溶媒または界面活性剤を含む。1つの特定の実施形態に
て、界面活性剤は、ラウレス2−硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫
酸アンモニウム、オクテク−1/デセス−1硫酸ナトリウム、脂質、タンパク質、ペプチ
ドまたはそれらの誘導体からなる群から選択される。別の特定の実施形態にて、界面活性
剤は、担体の約0.1〜約10.0w/w%の量で組成物中に存在する。
一実施形態にて、溶媒は、水、プロピレングリコール、アルコール、炭化水素、クロロ
ホルム、酸、塩基、アセトン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンおよび酢酸エチルから
なる群から選択される。
別の実施形態にて、組成物は、1つ以上のピーク共鳴波長で少なくとも約1O.D.の
光学密度を有する、プラズモン粒子を含む。
さらに別の実施形態にて、プラズモン粒子は、親水性または脂肪族コーティングを含み
、コーティングは、哺乳動物対象の皮膚に実質的に吸着せず、コーティングは、ポリエチ
レングリコール、シリカ、シリカ酸化物、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、タンパ
ク質またはペプチドを含む。
一実施形態にて、熱変性は、損傷、アブレーション、溶解、変性、非活性化、活性化、
炎症の誘発、熱ショックタンパク質の活性化、細胞シグナル伝達の撹乱、または標的の組
織部位の細胞微環境の破壊を含む。
別の実施形態にて、標的の組織部位は、皮脂腺、皮脂腺の構成要素、皮脂細胞、皮脂細
胞の構成要素、皮脂または毛包の漏斗部を含む。
特定の実施形態にて、標的の組織部位は、毛隆起、毛球、幹細胞、幹細胞ニッチ、真皮
乳頭、皮質、表皮、毛鞘、毛髄質、幽門筋、ハクスレー層またはヘンレ層を含む。
別の態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物対象を治療するために組織の
標的アブレーションを行う方法であって、i)上に記載した本発明に係る組成物を対象の
皮膚の表面に局所的に投与する工程と、ii)プラズモン粒子を皮膚の表面から真皮組織
の構成要素に再分配するための浸透手段を提供する工程と、iii)皮膚の表面に光を照
射する工程とを含む、方法を提供する。
一実施形態にて、光源は、水銀、キセノン、重水素または金属ハロゲン化物の励起、リ
ン光、白熱、蛍光、発光ダイオードまたは日光を含む。
別の実施形態にて、浸透手段は、高周波の超音波、低周波の超音波、マッサージ、イオ
ントフォレシス、高圧の気流、高圧の液流、真空、分別光熱分解もしくは削皮術での前処
理、またはそれらの組み合わせを含む。
さらに別の実施形態にて、照射は、約200nm〜約10000nmの光波長、約1〜
約100J/cmのフルエンス、約1フェムト秒〜約1秒のパルス幅および約1Hz〜
約1THzの繰り返し周波数を有する光を含む。
別の態様において、本発明は、化粧品として許容される担体、有効量のドデシル硫酸ナ
トリウム、および組成物が局所的に接触している標的の組織部位に熱損傷を誘発するのに
有効な量の複数のプラズモンナノ粒子を含む組成物が提供され、ここでナノ粒子は、約8
10nmまたは1064nmの共鳴波長で少なくとも約1O.D.の光学密度を有し、プ
ラズモン粒子は、約5〜約35nmのシリカコーティングを含み、許容される担体は、水
およびプロピレングリコールを含む。
さらに別の態様において、本発明は、上に記載の本発明に係る組成物およびヒトの皮膚
に印加するのに適したプラズモンのエネルギー供給源を含む、毛のレーザーアブレーショ
ンのためまたはざ瘡治療のためのシステムを提供する。
本発明の様々な態様は、毛包性の皮膚疾患を治療するための組成物、方法およびシステ
ム、ならびに提供された製剤中の粒子のさらなる有効利用または上に記載の治療技術を提
供する。
マッサージによりナノシェル懸濁液を送達した後の毛包上皮および皮脂腺の部分の熱損傷を示す顕微鏡写真である。 ナノシェル製剤を塗布し、超音波で送達を促進した後の皮膚の表面を示す写真である。過剰な製剤は、この写真を撮る前に皮膚から拭き取られた。 超音波で送達を促進した後の暗色のナノシェルが充填された毛包を示す顕微鏡写真である。ナノシェルは、表皮または真皮中に認められない。 ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E染色)により視覚化されたナノシェルの超音波送達およびレーザー照射後の毛包および周囲の皮膚を示す顕微鏡写真である。毛包周囲の選択的熱損傷は、追加された黒の描写線により示されている。 皮膚の表面を示す写真である。毛包内にナノシェルの蓄積が見られる。 ナノシェルが顕著に蓄積している毛包を示す顕微鏡写真である。 H&E染色を用いて視覚化された皮脂腺を包含する毛包への局所的熱損傷を示す顕微鏡写真である。 ナノシェルを送達し、次いでヒト臨床試験で背部ざ瘡をレーザー治療した場合の有効性を示す表である。
本発明は、毛包性疾患の治療のための、光/エネルギー吸収物質を含む組成物、および
標的(例えば、毛包、毛包の漏斗部、皮脂腺)へのそれらの局所的な送達に有用な方法を
特徴とする。
[定義]
別段の定義がない限り、本明細書で使用する技術および科学用語は全て、本発明が属す
る技術分野の業者により一般的に理解される意味を有する。Singletonら、Di
ctionary of Microbiology and Molecular B
iology(第2版、1994年);The Cambridge Dictiona
ry of Science and Technology(Walker編、198
8年);The Glossary of Genetics、第5版、R.Riege
rら(編)、Springer Verlag(1991年);およびHale & M
arham、The Harper Collins Dictionary of B
iology(1991年)の参考文献は、本発明で用いられる多くの用語の一般的定義
を当業者に提供するものである。本明細書で用いされる以下の用語は、別段の指示がない
限り、以下でそれらの用語に帰する意味を有する。
用語「改善する(ameliorate)」は、皮膚の疾患または症状の発症または進行を低減する
か、抑制するか、減弱するか、減少するか、阻止するか、または安定させることを意味す
る。1つの例示的な皮膚症状は、尋常性ざ瘡である。
用語「化合物(compounds)」および「物質(materials)」は、互換的に用いられ、本発明
による活性部分を指す。
用語「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含有している(containing)
」および「有している(having)」等は、米国特許法でそれらの用語に帰する意味を有する
ことができ、「含む(includes)」および「含んでいる(including)」等を意味することが
でき、「から本質的になっている(consisting essentially of)」または「本質的になる(
consists essentially)」は、同様に、米国特許法で帰する意味を有し、該用語は、オー
プンエンドであり、言及されるものの基本的または新規な特性が、言及されるもの以外の
存在により変更されない限り、言及されるもの以外が存在することを許すが、先行技術の
実施形態は排除される。
用語「検出する(detect)」は、検出されるべき分析物の存在、不在または量を特定する
ことを指す。
用語「有効量(effective amount)」は、未治療の患者に関して疾患の症候を改善するの
に必要な量を意味する。疾患の治療的処置のために本発明を実施するのに用いられる活性
化合物(active compound)の有効量は、投与の方法、対象の年齢、体重および全身の健康
状態に応じて変化する。最終的には、担当医または担当獣医が、適当な量および投与計画
を決定するであろう。このような量は、「有効」な量と称される。
用語「エネルギー活性化(energy activation)」は、熱的活性または化学的活性を引き
起こすエネルギー源による刺激を意味する。エネルギー活性化は、当技術分野で公知の任
意のエネルギー源によるものであってよい。例示的なエネルギー源としては、レーザー、
超音波、音響源、フラッシュランプ、紫外線、電磁波源、マイクロ波または赤外光が挙げ
られる。エネルギー吸収物質は、エネルギーを吸収し、熱的または化学的に活性になる。
用語「光(light)」、「光エネルギー(light energy)」、「光学的なエネルギー(optica
l energy)」および「光放射(optical radiation)」は、本明細書にて互換的に用いられる
用語「薬剤を得る(obtaining an agent)」といったような用語「得る(obtaining)」は
、薬剤を合成するか、購入するかまたは他の方法で取得することを含む。
用語「薬学的に許容される担体(pharmaceutically acceptable carrier)」は、本発明
に係るエネルギー活性化可能な物質が、意図する機能を行うことができるように、それを
対象内または対象に運ぶか、または輸送することに関わる、薬学的に許容される物質、組
成物またはビヒクル、例えば、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカ
プセル化物質を意味する。各担体は、製剤の他の成分と相溶性があり、患者に有害でない
という意味で「許容される」ものでなくてはならない。薬学的に許容される担体として利
用できる物質のいくつかの例としては、糖、例えば、乳糖、ブドウ糖およびショ糖;デン
プン、例えば、トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその
誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸
セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオ脂お
よび坐剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ
油、コーン油および大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、
例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エス
テル、例えば、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル;アガー;緩衝剤、例えば、水酸化
マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理
食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに医薬製剤に用いられ
る他の非毒性の相溶性物質が挙げられる。好ましい担体としては、エネルギー活性化可能
な物質が、毛孔内にまたは毛孔の周囲に、例えば、皮脂腺内に、角栓に、漏斗部内になら
びに/または皮脂腺および漏斗部内に運ばれるように、表面作用および溶媒輸送により毛
孔に侵入することができるものが挙げられる。
用語「低減する、低下する、減少する(reduces)」は、少なくとも10%、25%、5
0%、75%または100%の負の変化を意味する。
用語「参照(reference)」は、標準的または対照の条件を意味する。
用語「対象(subject)」は、これらに限定されないが、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物
、例えば、ウシ、ウマ、イヌ、ヒツジもしくはネコを含む哺乳動物を意味する。
本明細書に記載する範囲は、その範囲内にある全ての値の略記であると理解される。例
えば、1〜50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26
、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、
40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50からなる群か
らの任意の数、数の組み合わせまたは部分範囲を含むことが理解される。
用語「治療する(treat)」、「治療している(treating)」、「治療(treatment)」等の用
語は、障害および/またはそれに関連する症候を低減する、または改善することを指す。
障害または症状の治療は、障害、症状またはそれに関連する症候を完全になくすことを必
要としないが、それを除外するものではないと認識される。
用語「または(or)」は、明確に言及されているか、または文脈から明らかでない限り、
包括的であると理解される。用語「1つの(a, an)」および「その(the)」は、明確に言及
されているか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用する単数形または複数
形であると理解される。
用語「約(about)」は、明確に言及されているか、または文脈から明らかでない限り、
当技術分野で通常の公差の範囲内、例えば、平均の標準偏差2内として理解される。約は
、言及された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0
.5%、0.1%、0.05%または0.01%内として理解され得る。文脈から明確で
ない限り、本明細書に記載の全ての数値は、用語「約」により修飾される。
本明細書の変数の任意の定義における化学基の一覧の列挙は、任意の単一の基または列
挙された基の組み合わせとしての変数の定義を含む。本明細書の変数または態様に関する
一実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態としての、または任意の他の実施形態もしく
はその一部との組み合わせを含む。
本明細書に記載の任意の組成物または方法は、本明細書に記載の他の組成物および方法
のいずれか1つ以上と組み合わせてもよい。
[毛包性疾患の発症機序]
皮脂腺は、毛包脂腺系(pilosebaceous unit)の構成要素である。それらは、全身、特に
顔面および上部体幹に位置し、毛および表皮表面を被覆する、脂質に富む分泌物である皮
脂を産生する。皮脂腺は、いくつかの疾患の発症機序に関わり、最も頻発するのは尋常性
ざ瘡である。ざ瘡は、活動亢進状態の皮脂腺により過剰な皮脂が産生される状況で漏斗部
(毛包の上部)の角化細胞が異常に剥離してできた角栓による毛包の閉塞を特徴とする多
因子疾患である。
漏斗部は、多くの毛包性疾患(例えば、ざ瘡)の発症機序に重要な部位である。漏斗部
の角化細胞の異常な増殖および落屑により、微小面皰が形成され、次いで臨床的に視認可
能な毛包の「角栓」または面皰が生じるという証拠がある。漏斗部の構造は、ざ瘡の発症
機序に重要であるため、エネルギー活性化可能物質支援エネルギー、例えば、レーザータ
ーゲティングにより毛包のこの部分を選択的に破壊することで、病変部位をなくすか、ま
たは低減する。
[光/エネルギー吸収物質の局所的な送達]
本発明は、局所的な塗布による、毛包の皮膚付属器内、特に、毛包の漏斗部および皮脂
腺内への光/エネルギー吸収物質の送達を提供する。一実施形態にて、このような物質は
、毛包性疾患、例えば、ざ瘡(例えば、尋常性ざ瘡)の治療に有用である。別の実施形態
にて、このような物質は、多汗症などのエクリンの症状の治療に有用である。皮脂腺への
エネルギー活性化可能な物質の導入、次いで発色団の吸収ピークに対応する波長を有する
エネルギー(光)への曝露により、組織の局所的な光吸収が増加し、皮脂腺の選択的熱損
傷が起こる。
別の態様において、光吸収物質を対象の皮膚に塗布し、エクリン腺管を介したエクリン
腺内への送達を促進し、前記物質をエネルギー活性化させることにより、エクリン腺また
はその周囲の領域を熱損傷させることによる、多汗症の治療がある。該方法は、それによ
り、エクリン腺を恒久的に除去する。一態様において、毛包性疾患の治療方法は、多汗症
の治療方法である。
[皮膚の準備]
任意選択的に、以下の方法の1つまたはそれらを組み合わせることによって、皮膚を準
備する。光吸収物質の送達は、光吸収物質を局所的に塗布する前に行われる毛の脱毛によ
り促進できる。
任意選択的に、光吸収化合物を塗布する前に、皮膚を脱脂する。例えば、アセトンワイ
プは、Sebacia,Inc.(ジョージア州ダラス)製の金ナノシェルを塗布する前
に、皮膚を脱脂するため、特に皮脂および毛包内容物を除去するために用いられる。
ある対象では、送達は、光吸収物質を塗布する前に毛包の詰まりを低減する、または取
り除くことにより促進され得る。このように毛包の詰まりを取り除くことにより、ナノシ
ェルの送達を向上できる。特に、ざ瘡が生じ易い患者の毛包は、剥離した角化細胞、皮脂
および細菌であるアクネ桿菌(P.Acnes)により詰まっている。毛包は、真空の適
用により空にすることができる。他の方法としては、シアノアクリレート剥離、ポリクオ
タニウム37などの成分を有するストリップ(例えば、ビオレ毛穴すっきりストリップ)
がある。ポリマーは毛包内に流入し、時間が経過すると乾燥する。乾燥ポリマーフィルム
を引き剥がすと、毛包内容物が引き出され、毛包は空になる。
任意選択的に、光吸収物質を塗布する前に、皮膚を加熱してもよい。加熱により、皮脂
の粘度が低下し、皮脂の成分が液状化され得る。これは、毛包への(例えば、ナノシェル
として製剤化された)光吸収物質の送達を促進できる。
[光吸収物質の局所的な送達]
光吸収物質、例えば、非毒性色素(例えば、インドシアニングリーンまたはメチレンブ
ルー)は、任意の所望の準備の後に皮膚に局所的に塗布される。光吸収物質を含有する局
所的に塗布される製剤は、エタノール、プロピレングリコール、界面活性剤およびアセト
ンを含んでいてもよい。このような追加の成分により、毛包内への送達が促進される。
光吸収物質の送達は、機械的な撹拌、例えば、マッサージ、10Hz〜20kHzの範
囲の音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しおよびジェットの適用により促進される。
一実施形態にて、光吸収物質は、電磁スペクトルの可視および近赤外領域の光を吸収する
、ナノ粒子、例えば、ナノシェルまたはナノロッドとして送達される。別の実施形態にて
、光吸収物質は量子ドットである。好ましくは、光吸収物質は、毛包送達を促進する形態
で局所的な送達用に製剤化される。一実施形態にて、このような製剤は、水、エタノール
、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、界面活性剤およびアジピン酸イソプ
ロピル、ならびに関連化合物を含む。一実施形態にて、製剤は、親水性であり、界面活性
剤を含有する。別の実施形態にて、製剤は、親油性であり、界面活性剤を含有する。さら
に別の実施形態にて、組成物は、リポソームであり、界面活性剤を含有する。上の実施形
態のいずれかにおいて、界面活性剤は製剤の10%未満である。別の実施形態にて、製剤
は親水性である。さらに別の実施形態にて、製剤は親油性である。さらに別の実施形態に
て、組成物はリポソームである。
[超音波による促進送達]
超音波を使用して、身体内への化合物の経皮的送達を達成した。超音波は、気泡キャビ
テーションに起因する衝撃波およびマイクロジェットを発生させ、皮膚内にチャネルを形
成し、目的の分子を輸送すると思われる。以前は、角質層を介して化合物を送達するため
の努力がなされてきた。例えば、サイズが5nm未満である小分子は、角質層を介して送
達され得る。角質層からの送達速度は、粒子のサイズが増加すると顕著に低下する。例え
ば、50nm以上のサイズを有する粒子では、角質層を介した送達速度は非常に低い。し
かし、このサイズは、毛孔開口部および毛包の漏斗部よりもさらにずっと小さい。例えば
、本発明のいくつかの実施形態にて、150nmのサイズのシリカコアおよび金シェル構
造は、対象を冒す症状を治療する際に発色団として用いられる。このような金ナノシェル
は、漏斗部の直径よりもはるかに小さいが、角質層を介して皮膚内に堆積されにくい。
これらの知見から、適当なサイズの光吸収物質をまず送達し、次いでパルスレーザ照射
で漏斗脂腺系(infundibulo-sebaceous unit)を選択的に熱損傷させるように、漏斗脂腺系
を選択的に標的とする、ざ瘡治療の基礎が得られる。ここで、超音波は、具体的には、毛
包構造内への光吸収物質の送達を促進する。衝撃波、マイクロジェットの発生およびスト
リーミングにより、光吸収粒子が毛包の漏斗部ならびに関連する皮脂腺管および皮脂腺内
に送達される。
超音波は、標的器官である皮膚の加熱を伴う場合が多い。一部の加熱、例えば、最高約
42℃の加熱は、毛包の送達を補助できる。しかし、過熱は、痛み、組織破壊および熱傷
を引き起こすので望ましくない。一実施形態にて、過熱は、例えば、皮膚を冷却すること
により回避できる。別の実施形態にて、局所的に塗布される製剤またはカップリングゲル
を、予めまたは並行して冷却してもよい。低負荷サイクルと繰り返しの超音波パルスバー
ストを使用して、過熱を回避することもでき、ここでオフ時間中、身体は、超音波エネル
ギーを受けている皮膚を冷却する。
ある実施形態にて、本発明は、超音波送達の2つの方法を提供する。1つは「接触超音
波(contact ultrasound)」、もう1つは「浸漬超音波(immersion ultrasound)」である。
接触超音波法の一実施形態によれば、本発明に係る製剤を、薄層に延ばすことにより皮
膚に局所的に塗布し、超音波周波数で振動するホーンを、製剤で覆われた皮膚と密に接触
させる。
浸漬超音波法の一実施形態によれば、製剤を充填したリザーバを皮膚の上に置き、ホー
ンが、約2mm〜約30mmの範囲の距離で皮膚と接触しないようにその中に浸漬し、次
いでホーンを超音波周波数で振動させる。
音響キャビテーションは、多くの場合、液体中で超音波により観察される作用である。
音響キャビテーションでは、音波により、正弦波状に変化する圧力が溶液中の既存の空洞
に加えられる。負圧サイクル中、液体は、「ウィークスポット」で引き離される。このよ
うなウィークスポットは、予め存在する気泡または固体の核形成部位のいずれかであって
よい。一実施形態にて、気泡が形成され、それは、その共鳴サイズとして知られる臨界サ
イズに達するまで成長する(Leongら、Acoustics Australia、
2011年−acoustics.asn.au, THE FUNDAMENTALS
OF POWER ULTRASOUND−A REVIEW、54〜63頁)。Mi
tragotri(Biophys J. 2003年;85(6):3502〜351
2)によれば、気泡の球状の崩壊により、10kbarを超える振幅を有する衝撃波を放
出する高圧のコアが生成される(Pecha and Gompf、Phys.Rev.
Lett.2000年;84:1328〜1330)。また、皮膚などの境界近傍での気
泡の非球状の崩壊により、約100m/sの速度を有するマイクロジェットが発生する(
Popinet and Zaleski、2002年;J.Fluid.Mech.4
64:137〜163)。このような気泡崩壊現象により、皮膚付属器、例えば、毛およ
び脂腺性の毛包内への物質の送達が補助され得る。したがって、本発明の様々な実施形態
は、意図される標的(例えば、皮脂腺、毛包)内への光吸収物質の効率的な送達を促進す
るために、崩壊前の気泡サイズを最適化するための浸漬超音波法を提供する。
気泡の共鳴サイズは、気泡の発生のために用いられる周波数に依存する。共鳴と気泡径
との間の簡単な概略的関係は、F(Hz)×D(m)=6mHz(式中、FはHzでの周
波数であり、Dはmでの気泡径(サイズ)である)で与えられる。実際に、気泡径は、気
泡脈動の非線形性により、この方程式で予測される直径よりも通常小さい。
以下の表1は、上の関係から計算した周波数の関数としての気泡の共鳴サイズのサイズ
を示している。
気泡振動のコンピューターシミュレーションから、気泡サイズのより正確な推定が得ら
れる。例えば、Yasui(J.Acoust.Soc.Am.2002年;112:1
405〜1413)による研究では、3つの周波数での深度について調査された。シング
ルバブルソノルミネセンス(SBSL)安定気泡のサイズは小さく、範囲は、以下の表2
(Yasui、2002年の図1、2および3からの推定)に示されている。
キャビテーション気泡での毛包内への効率的な送達については、最適なキャビテーショ
ン気泡サイズの範囲がある。比較的大きな気泡で発生する、強力なキャビテーション衝撃
波が必要である。しかし、気泡サイズが大きすぎる場合、強い衝撃波が発生し、皮膚が圧
迫され、毛孔サイズが減少し、標的(例えば、皮脂腺、毛包)への効率的な送達が低減さ
れる場合がある。例えば、気泡サイズが、毛包開口部(follicle opening)よりもはるかに
大きい場合、生じる衝撃波により、毛孔開口部だけでなく、毛孔開口部(pore opening)の
周囲の皮膚も圧迫される。これにより、毛包開口部内への効率的な送達が妨げられる。望
ましくは、気泡サイズは、標的の毛孔と略同一サイズでなくてはならない。ヒト皮膚の典
型的な毛包孔サイズは、12〜300ミクロンの範囲であると推定される。したがって、
有利な超音波周波数の範囲は、20kHz〜500kHzである。他の代替において、超
音波周波数の印加は、20kHz〜100kHz、20kHz〜60kHzまたはさらに
は30kHz〜50kHzの範囲で行われる。所望される電力密度は、0.5〜50W/
cmの範囲であると推定される。これは、所望のサイズ範囲のキャビテーション気泡を
発生させるのに十分である。
用語「浸漬キャビテーション(immersion cavitation)」とは、本明細書にて、流体製剤
中で超音波エネルギーによるキャビテーション気泡の形成および崩壊として定義される。
上記に照らして、毛包孔と略同一サイズの気泡が製剤中に形成されるように、音響的に
発生するマイクロジェットの特性を選択することにより、毛包内への光吸収物質の送達を
促進する方法も提供される。特性を選択することにより、気泡が終毛性の毛包、軟毛性の
毛包または脂腺性の毛包と略同一サイズになることができる。上の説明に照らした別の代
替の実施では、毛包と略同一サイズの気泡が製剤中に形成されるように、低周波の超音波
により誘発されるキャビテーションの特性を選択することにより、毛包内への光吸収物質
の送達を促進する方法も提供される。一実施において、毛包は、終毛性の毛包である。別
の実施において、毛包は、軟毛性の毛包である。さらに別の実施において、毛包は、脂腺
性の毛包である。さらに他の態様において、超音波により発生するマイクロジェットまた
は低周波の超音波により誘発されるキャビテーションは、皮膚の表面から約50ミクロン
〜約100ミクロンの製剤中で発生する。
別の実施形態にて、対象の毛包性の皮膚疾患を治療する、または改善する方法も提供さ
れる。該方法は、対象の皮膚を、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤に曝
す工程を含む。次に、毛包に隣接する皮膚の表面近傍の製剤中で低周波の超音波により誘
発されるキャビテーションにより、皮膚から毛包内への前記物質の送達を促進する工程が
ある。その後、前記サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それにより毛包性の皮膚
疾患を治療する。一代替において、製剤が対象の皮膚と接触するように、容器に多量の製
剤を入れることにより曝す工程もある。またさらに、超音波アプリケータを容器に入れ、
製剤に浸漬することにより該方法を促進する工程もある。
さらに別の実施形態にて、対象の皮膚内の標的体積への光吸収物質の送達を促進する方
法が提供される。該方法は、光吸収物質を含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布し、物質
を皮膚の標的体積内のリザーバに送達する工程を含む。次に、実質的に経毛包経路を介し
て対象の皮膚内の標的体積への前記物質の送達を促進する工程がある。次に、光吸収物質
を一連の光パルスに曝し、物質を加熱し、標的体積を熱損傷させて、治療効果を得る工程
がある。一代替において、製剤は5〜500の光学密度を有する。別の代替において、製
剤は約75の光学密度を有する。さらに別の代替において、製剤は約125の光学密度を
有する。さらに別の代替において、製剤は、約250の光学密度を有する。一態様におい
て、標的体積は、皮脂腺である。別の態様において、標的体積は、皮膚の下の毛包内にあ
る。
さらに別の態様において、促進の工程としては、浸漬キャビテーションの工程が挙げら
れる。別の代替において、浸漬超音波を用いて皮脂腺内への送達を促進する工程が提供さ
れる。一代替において、促進の工程は、製剤中にマイクロジェットを発生させることを含
む。一態様において、超音波を用いて促進することにより、製剤中および皮膚の表面から
約50〜100ミクロン以内にキャビテーションを発生させる。上に記載の方法のいずれ
においても、主として対応する毛包を介して、皮脂腺内への製剤中の前記粒子の送達を選
択的に促進するために、製剤に音響キャビテーションを発生させる工程もある。その後、
前記粒子に光を照射し、毛包性の皮膚疾患を治療する工程がある。一実施形態にて、粒子
は、約0.01ミクロン〜約1ミクロンのサイズに形成されている。別の態様において、
粒子は、毛包孔の中にまたはそれに沿って入るサイズに形成されている。さらに他の実施
形態にて、粒子は直径約50nm〜約250nmである。別の実施形態にて、粒子はナノ
シェルである。
[エネルギー(光)による活性]
(例えば、機械的な撹拌、超音波による)局所的な塗布および促進送達後、皮膚上部を
拭き、残留する光吸収物質を除去する。この後、エネルギー(光)を照射する。光は毛包
または皮脂腺内の物質に吸収され、局所的な加熱が起こる。光源は、使用する吸収剤に依
存する。例えば、共鳴波長800nmに調整された広い吸収スペクトルを有するナノシェ
ルについては、800nm、755nm、1064nmなどの光源または適切なフィルタ
リングを有する高強度パルス光(IPL)を使用できる。一態様において、懸濁液中のナ
ノ粒子は、波長700〜1100nmに吸光ピークを有する。このようなパルスレーザ照
射により、物質の周囲の組織の熱損傷が起こる。一態様において、光エネルギーは、約1
00J/cm未満のフルエンスを有する。漏斗部の毛包幹細胞および/または皮脂腺の
損傷により、毛包症状、例えば、ざ瘡が改善する。このような方法は、懸濁液中の微粒子
だけでなく、溶液中に溶解した小分子にも同様に使用できる。これらとしては医薬、光線
力学的療法(PDT)のプロドラッグまたはPDT薬を挙げることができる。
適当なエネルギー源としては、発光ダイオード、白熱ランプ、キセノンアークランプ、
レーザーまたは日光が挙げられる。連続波装置の適当な例としては、例えば、ダイオード
が挙げられる。適当なフラッシュランプとしては、例えば、パルス色素レーザーおよびア
レキサンドライトレーザーが挙げられる。いくつかの発色団、例えば、レーザー感受性色
素により、表皮および漏斗部内では強力に吸収されるが、皮脂腺内では吸収されない波長
を有する代表的なレーザーとしては、短パルス赤色色素レーザー(504および510n
m)、銅蒸気レーザー(511nm)および二リン酸カリウム結晶を用いて周波数を二倍
にし、波長532nmを有する可視緑色光を発生させることもできる、波長1064nm
を有するQスイッチネオジム(Nd):YAGレーザーが挙げられる。本プロセスにおい
て、エネルギー(光)源、例えば、レーザーを、選択したエネルギー活性化可能な物質、
好ましくは発色剤の吸収スペクトルの波長と一致させる、選択的光活性化を使用できる。
高濃度の光吸収物質は、物質輸送に対する抵抗が高い皮脂腺管および皮脂腺よりも漏斗
部において得られやすい。皮脂腺を含む毛包を、漏斗部内の物質以外に原則的に光吸収だ
けに依存して、不可逆的に損傷できる。これは、毛包上皮中の角化細胞の損傷によりもた
らされる。また、高いエネルギーパルスを使用して、熱損傷を拡大し、外毛根鞘の幹細胞
、毛隆起、および皮脂腺の外周が含まれるようにすることができる。しかし、このような
高エネルギーにより、望まれない副作用が生じてはならない。このような副作用は、表皮
の冷却の使用、および約数ミリ秒から最大1000msに及ぶ長いパルス持続時間の使用
によっても軽減できる。
漏斗部自体の熱による変化と皮脂腺の僅かな改善により、ざ瘡を改善できる。顔面の毛
孔が拡大した外観は、多くの人によくある問題である。これは、典型的には、皮脂腺の拡
大、漏斗部の拡大、および毛孔開口部の拡大によるものである。組織、特にコラーゲンを
加熱することにより、組織が収縮する。ナノシェルの送達、ならびに漏斗部上部、漏斗部
下部および皮脂腺を含む漏斗脂腺系内でのその熱ターゲティングにより、毛孔が拡大した
外観が改善される。
[エネルギー吸収物質の製剤]
本発明は、局所的な送達のための光/エネルギー吸収物質を含む組成物を提供する。一
実施形態にて、組成物中の粒子は、シリカコアおよび金シェルを含むナノ粒子である。さ
らに別の実施形態にて、本発明に係る化合物は、シリカコアおよび金シェル(150nm
)を含む。別の実施形態にて、使用するナノシェルは、直径120nmのシリカコア、厚
さ15ミクロンの金シェルからなり、全径は150nmである。
ナノシェルは、5000MWのPEG層で覆われている。PEG層は、ナノシェルの凝
集を防止するか、および/または低減し、それにより、ナノシェル懸濁液の安定性が高ま
り、貯蔵寿命が延長する。一実施形態にて、ナノ粒子は、約50〜約250nmの直径を
有する。いくつかの実施形態にて、本明細書で使用する粒子のシェル径とコア径との比は
、約1.5〜約2.0である。別の態様において、製剤中の粒子は、製剤の約0.5%〜
約2%を構成する。
本発明に係るナノ粒子は、表面プラズモン共鳴を示し、これにより入射光は、金属中の
表面プラズモン(電子の振動)の光学的共鳴を誘発する。ピーク吸収波長は、電磁スペク
トルの近赤外(IR)部分に「調整」できる。サブミクロンサイズのこれらのナノ粒子は
、表皮の漏斗部、皮脂腺管および皮脂腺内に侵入でき、角質層への浸透を最小限に抑える
。特定の実施形態にて、直径約150〜350nmのナノ粒子の選択的な経毛包浸透(tra
nsfollicular penetration)が達成される。一態様において、対象の毛包性の皮膚疾患を
治療する、または改善する方法が提供される。光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を
含む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布する工程がある。次に、前記製剤を実質的に経毛包
経路を介して1つ以上の皮脂腺内に送達する工程がある。次に、前記サブミクロン粒子を
エネルギー活性化させ、それにより毛包性の皮膚疾患を治療する工程がある。一態様にお
いて、送達工程を施した皮膚の部分内の角質層の部分は、インタクトなままである。また
さらに、送達工程は、浸漬超音波工程を用いて完了し、ここで送達工程を施した皮膚の部
分内の角質層の部分は、インタクトなままである。
任意選択的に、光/エネルギー吸収物質は、局所的な送達用に配合されるビヒクルで提
供される。一実施形態にて、本発明に係る組成物は、これらに限定されないが、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、界面活性剤、例えば、ポリソルベ
ート80、ホスホリポン90、ポリエチレングリコール400およびアジピン酸イソプロ
ピルを1つ以上含む、毛包送達を向上させる薬剤と共に製剤化される。他の実施形態にて
、本発明に係る組成物は、製剤の取り扱い性を向上させるために、これらに限定されない
が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびカルボキシメチルセルロース(CM
C)を含む、1つ以上の増粘剤と共に製剤化される。
組成物中には、湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステ
アリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味芳香剤、保存剤
および酸化防止剤が存在してもよい。
本発明に係る組成物を局所的に投与するための液体剤形としては、薬学的に許容される
乳剤、マイクロエマルション、液剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、懸濁剤および
シロップ剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般に用いられ
る不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安
息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に綿実油
、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、桃油、アーモンド油およびゴマ
油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソ
ルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含有できる。
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアル
コール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース
、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの
混合物を含有できる。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明に係る活性化合物に加えて、賦形剤、
例えば、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント
、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タ
ルク、酸化亜鉛またはそれらの混合物を含有できる。用語「クリーム(cream)」は、当技
術分野で認識されており、油と水の両方を含有する半固系乳濁系を含むことが意図される
。水中油型クリームは、水混和性であり、皮膚によく吸収され、例えば、水性クリームB
Pがある。油中水型(油性)クリームは、水と不混和性であり、したがって皮膚から除去
するのがより難しい。これらのクリームは、皮膚軟化剤であり、滑らかにし、潤いを与え
、例えば、油性クリームBPがある。いずれの系も、天然または合成の界面活性剤または
乳化剤を加える必要がある。
用語「軟膏(ointment)」は、当技術分野で認識されており、その連続相として油または
油脂を有する系を含むことが意図される。軟膏は、半固形の無水物質であり、閉塞性、軟
化性および保護性がある。軟膏は、経皮水分損失を制限し、したがって水和性および保湿
性がある。軟膏は、脂性、例えば、白色軟パラフィン(石油、ワセリン)および水溶性、
例えば、マクロゴール(ポリエチレングリコール)軟膏BPの2つの主なグループに分け
ることができる。用語「ローション(lotion)」は、当技術分野で認識されており、皮膚科
用途に典型的には用いられる溶液を含むことが意図される。用語「ゲル(gel)」は、当技
術分野で認識されており、高分子量ポリマー、例えば、カルボキシポリメチレン(カルボ
マーBP)またはメチルセルロースでゲル化させた半固形の変化物(permutation)を含む
ことが意図され、半可塑性水性ローションとみなすことができる。それらは、典型的に、
非油脂性であり、水混和性であり、塗布および洗浄が容易であり、身体の毛深い部分の治
療に特に適している。
[対象の監視]
皮膚疾患または障害を有する対象の病状または治療は、本発明に係る組成物または方法
での治療中監視され得る。このような監視は、例えば、患者において特定の薬剤または治
療計画の有効性を評価するのに有用であり得る。皮膚の健康を促進するか、または皮膚の
外観を向上させる治療法は、本発明で特に有用であるとみなされる。
[キット]
本発明は、皮膚疾患もしくは障害、またはそれらの症候の治療または予防のためのキッ
トを提供する。一実施形態にて、キットは、有効量の光/エネルギー吸収物質[例えば、
シリカコアおよび金シェルを有するナノシェル(150nm)]を含む医薬パックを含む
。好ましくは、組成物は、単位剤形で存在する。いくつかの実施形態にて、キットは、治
療用または予防用組成物を含有する滅菌容器を含み、このような容器は、箱、アンプル、
ボトル、バイアル、チューブ、バッグ、パウチ、ブリスターパックまたは当技術分野で公
知の他の適当な容器の形態であってよい。このような容器は、プラスチック、ガラス、ラ
ミネート紙、金属箔または薬剤を保持するのに適した他の材料で作られていてもよい。
任意選択的に、本発明に係る組成物またはその組み合わせは、それらを、皮膚疾患もし
くは障害を有するか、またはそれを発症するリスクのある対象に投与するための使用説明
書と共に提供される。使用説明書は、皮膚疾患または障害の治療または予防のための組成
物の使用についての情報を一般的に含む。他の実施形態にて、使用説明書は、化合物もし
くは化合物の組み合わせの説明;ざ瘡、皮膚炎、乾癬に関連する皮膚症状、炎症もしくは
細菌感染を特徴とする任意の他の皮膚症状またはそれらの症候の治療のための投与スケジ
ュールおよび投与;注意事項;警告;適応症;使用禁忌;過量投与の情報;副作用;動物
薬理学;臨床試験;ならびに/あるいは参照の少なくとも1つを含む。使用説明書は、(
存在する場合)容器に直接印刷されてもよく、ラベルとして容器に貼り付けられてもよく
、または別紙、パンフレット、カードもしくはフォルダーとして容器内にもしくは容器と
共に提供されてもよい。
本明細書の変数の任意の定義における化学基の一覧の列挙は、任意の単一の基または列
挙された基の組み合わせとしての変数の定義を含む。本明細書の変数または態様に関する
一実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態としての、または任意の他の実施形態もしく
はその一部との組み合わせを含む。
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、本発明を限定するものではな
い。当業者であれば、化合物またはそれらの組み合わせの重要な特性を保持しながら、以
下に提供される特定の構成が、上に記載の本発明と一致した様々な方法で変更され得るこ
とを理解されるであろう。
[レーザー脱毛]
本発明は、特に色の薄い毛のレーザー脱毛に有用な組成物および方法を特徴とする。レ
ーザー脱毛において、特定の波長の光およびパルス持続時間を使用して、周囲組織への影
響を最小限にし、標的組織に対して最適な効果を得る。レーザーは、暗色の標的物質であ
るメラニンを選択的に加熱するが、皮膚の残部は加熱しないことにより毛包に局所的な損
傷を引き起こすことができる。レーザーは、メラニンを標的とするため、メラニンレベル
が低い、色の薄い毛、灰色の毛および微細な毛または細い毛は既存のレーザー脱毛法では
効率的に標的とされない。様々な光吸収物質、例えば、炭素粒子、メラジンとして商業的
に知られるイカ墨抽出物、または色素を毛包内に送達するための努力がなされてきた。こ
れらの方法は、大部分は効果がなかった。
本発明は、本明細書の上で概説したように、皮膚の準備後に局所的に塗布される懸濁液
の形態の微粒子を提供する。特に、毛幹の脱毛により皮膚を準備し、光吸収物質を毛包に
送達する。好ましくは、製剤は、一定期間の機械的な撹拌による毛包送達用に最適化され
る。皮膚上部から製剤を拭き取った後、好ましくは表面を冷却しながらレーザー照射を行
う。レーザーは、約0.5ms〜400msまたは0.5ms〜1000msのパルス持
続時間で、粒子またはナノシェルにより吸収される波長を用いてパルス出力される。この
方法は、幹細胞、ならびに毛包の毛隆起および毛球部位に存在する、他の育毛器官を破壊
することにより、無色素の毛または色素の薄い毛を永久脱毛する。
本発明の実施は、別段の指示がない限り、当業者の理解の十分に範囲内である、分子生
物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術
を使用する。このような技術は“Molecular Cloning:A Labor
atory Manual”、第2版(Sambrook、1989年);“Oligo
nucleotide Synthesis”(Gait、1984年);“Anima
l Cell Culture”(Freshney、1987年);“Methods
in Enzymology”“Handbook of Experimental
Immunology”(Weir、1996年);“Gene Transfer
Vectors for Mammalian Cells” (Miller and
Calos、1987年);“Current Protocols in Mole
cular Biology”(Ausubel、1987年);“PCR:The P
olymerase Chain Reaction”(Mullis、1994年);
“Current Protocols in Immunology”(Coliga
n、1991年)の文献に十分に説明されている。これらの技術は、本発明に係るポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドの製造に適用でき、そのようなものとして本発明を製造し
、実施する際に考慮できる。特定の実施形態に特に有用な技術は、以下の項で検討される
以下の実施例は、本発明に係るアッセイ法、スクリーニング法および治療方法をどのよ
うに行い、使用するのかについての完全な開示および説明を当業者に提供するために記載
されており、それらは、本発明者らがその発明としてみなすものの範囲を限定することは
意図されない。
[実施例1]
[毛包性疾患の治療のためのナノシェルの毛包上皮への局所的な送達]
毛包送達の機械的手段としてのマッサージの例を示す。800nmに調整されたナノシ
ェル懸濁液を、インビボの生きたブタの脱毛したブタ皮膚にマッサージで擦り込んだ。皮
膚上部の懸濁液を拭き取った後、並行接触冷却しながらレーザーエネルギーを印加した。
生検を行い、通常の組織学的検査を行った。組織学的検査の顕微鏡写真を図1に示す。毛
包上皮および皮脂腺の一部の熱損傷が認められる。このような損傷は、毛包性疾患、例え
ば、ざ瘡の治療、または対象の脂性肌の外観の改善に有用である。
上の治療の1つの例示的な方法としては、光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含
む製剤を対象の皮膚に局所的に塗布する工程が挙げられる。次に、機械的な撹拌、音響振
動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェットにより、皮膚の毛包、皮脂腺
、皮脂腺管または漏斗部内への前記物質の送達を促進する工程がある。その後、前記サブ
ミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それにより毛包性の皮膚疾患を治療する工程があ
る。
[実施例2]
[レーザー脱毛のためのナノシェルの毛包上皮への局所的な送達]
レーザー脱毛の準備において、ワックス塗布によりブタの側腹部を脱毛した。次いで、
皮膚を加熱し、真空を適用し、皮膚の毛包内容物を空にした。次いで、PEGで被覆され
た直径0.150μmの概略寸法のシリカコアと金シェルとの微粒子をマッサージで擦り
込むことにより送達した。皮膚を拭き、皮膚上部から物質を除去した。次いで、これを8
00nmでパルスレーザ照射した。試料を摘出し、ホルマリンに固定し、通常の組織学的
検査(H&E染色)により処理した。毛包構造の熱損傷が組織学的検査により認められた
[実施例3]
[光パルスに誘発された圧力パルスによる送達促進(Light-Pulse Induced Pressure Puls
e Facilitated Delivery)]
光吸収物質を含有する製剤を皮膚上部に塗布する。これを、これらに限定されないが、
受動拡散、加熱、機械的な補助、例えば、圧力パルス、振動、音響コイル、超音波、ノズ
ルまたは上記の組み合わせを含む、当技術分野で公知の方法により漏斗脂腺系の漏斗部内
に移動させる。次いで、皮膚に押し当てることができる冷却板が組み込まれたハンドピー
スで、光パルスを印加する。第1の光パルスにより、物質が加熱されると、蒸気気泡の形
成の有無にかかわらず膨張が起こる。それにより圧力パルスが発生する。圧力パルス中、
圧力を冷却版で皮膚に印加する。圧力は皮膚から逃げることができないため、物質は、皮
膚内の抵抗の低いチャネル、例えば、皮脂腺管を流通して、皮脂腺に到達する。このパル
スは、例えば、蒸気気泡の形成を介して、圧力パルスの大きさが最大限になるように、短
いパルス持続時間、例えば、1ns〜1ms、好ましくは10ns〜100μsを典型的
に有する。物質が標的皮脂腺に入ると、標的とされる皮脂腺のサイズに適したパルス持続
時間および放射露光量で光を照射する。光吸収物質を加熱し、皮脂腺に熱損傷を引き起こ
し、したがってそれを不活性化し、尋常性ざ瘡、および皮脂腺の存在または活性に関連す
る他の毛包性疾患および症状を改善する。
関連の方式において、パルス持続時間1μs以下の、一連の低エネルギーレーザーパル
スを、好ましくはパルス繰り返し周波数の音響領域で使用して、粒子を活性化させる。こ
の活性化により、粒子が激しく「撹拌」され、その一部は、漏斗部から皮脂腺内に進入す
る。
[実施例4]
[光吸収物質を毛包および皮脂腺に送達するための超音波の使用]
ブタの耳の皮膚を冷凍保存した。実験前、それを解凍した。毛を、ワックス塗布により
脱毛し、ブタの耳の1片を、皮膚を上に向けて、カップの底に置いた。そこに、約250
の光学密度を有する直径150nmのシリカコア/金シェルのナノシェルの製剤(Seb
acia,Inc.ジョージア州ダラス)を充填した。Sonics社製の20kHzの
デバイスホーンを、皮膚上部でのホーンの遠位面の間隔が、約5mmになるように製剤に
浸漬した。ホーンの直径は13mmであり、出力は約6Wであった。したがって、オン時
間中の出力密度は4.5W/cmであった。負荷サイクル50%、1サイクル当たりの
オン時間およびオフ時間各々5sおよび5sで、デバイスの電源を入れた。4サイクルを
適用した。皮膚を拭いて、過剰な製剤を除去した後、波長800mのレーザー光を、スポ
ット9mm×9mm、全放射露光量約50J/cmおよびパルス持続時間30msで皮
膚に照射した。
皮膚を、解剖顕微鏡で観察し、写真を撮影した(図2)。毛包開口部を通って皮膚の表
面に垂直に切断し、切断面を光学顕微鏡で観察した(図3)。いくつかの試料を、10%
ホルマリン緩衝液に入れ、通常の組織学的検査で観察した(図4)。
斑点が、毛包開口部で認められたことを除き、皮膚はインタクトで乱れがなかった(図
2)。切断および顕微鏡での観察時、暗色のナノシェルの存在が、毛包の漏斗部内および
皮脂腺内に認められた(図3)。ナノシェルは、毛包の周囲の表皮または真皮には見られ
なかった。同様に、組織学的検査からは、毛包の漏斗部および皮脂腺の熱損傷が示された
(図4)。毛包の周囲の表皮または真皮の損傷はなかったか、または最小限なものであっ
た。
1つの代替的な態様において、浸漬超音波で用いられる超音波ホーンを使用する方法で
は、超音波ホーン面のピーク間振幅の変位は、0.5〜30ミクロンの範囲である。
さらに他の態様において、サブミクロン粒子のサイズが、毛包を通過し、毛包の皮脂腺
に入るように選択されることが提供される。一実施形態にて、毛包は、終毛性の毛包であ
る。別の実施形態にて、毛包は、軟毛性の毛包である。さらに別の実施形態にて、毛包は
、脂腺性の毛包である。本明細書に記載の本発明に係る方法のまたさらなる実施において
、サブミクロン粒子のサイズは、約0.01ミクロン〜約1.0ミクロンである。また別
の例示的な実施形態にて、サブミクロン粒子のサイズは、約0.05ミクロン〜約0.2
5ミクロンである。
[実施例5]
[超音波による促進送達]
ペンシルベニア州マッキービルのAPC International社製の変換器を
、信号源インピーダンス500Ωの波形発生器および増幅器からの正弦波300Vp−p
により駆動させた。直径150nmのシリカコア:金シェルを含有する250ODの製剤
(F78、Sebacia,Inc.)を、脱毛したブタの耳の皮膚に局所的に塗布した
。この後、上面を拭き、800nmのLumenis Lightsheerでレーザー
照射した。皮膚温度を、超音波印加後に確認し、それは41℃を超えなかった。
毛包内にナノシェルのかなりの蓄積が認められた(図5)。図6に、毛包を通って垂直
に切断し、切断面を顕微鏡で観察した。例示的な毛包を示す。漏斗部の内側および外側に
ナノシェルのかなりの蓄積が認められた。
図7に試料の組織学的分析を示す。皮脂腺の熱損傷を含む毛包への局所的熱損傷が観察
される(図7)。
[実施例6]
[背部ざ瘡で実証されたヒト臨床有効性]
背部ざ瘡の臨床試験で、ナノシェルを局所的な送達し、次いでレーザー治療を行った場
合の有効性を評価した。ナノシェルを各対象の背部に局所的に塗布し、本明細書の上に記
載したように、レーザー治療を開始した。この治療計画を、各対象に2回施した。結果を
、2回目の治療の12週間後に評価した。有効性を、重み付け炎症性病変数で決定した。
結果を図8に示す。背部ざ瘡試験のこの試験は、治療計画が臨床的に有効であったことを
示している。
[実施例7]
[皮脂腺損傷で実証されたヒト臨床有効性]
IRB認可ヒト臨床試験を、ざ瘡を有する17人の対象(男性6人、女性11人)で行
った。対象の年齢は、18〜40才の範囲(平均24才)であった(フォトタイプI〜I
V)。治療を、耳の後ろの1平方インチの面積(脂腺性の毛包)で行った。ナノシェルを
送達し、次いでレーザー治療を行った。そこではレーザーを、ナノシェルの吸収ピーク[
40〜50J/cm、30ms、9×9mm、ライトシェア(800nm)]に調整し
た。治療有効性を、31の生検で組織学的に評価し、各生検では4〜7個の毛包が存在し
た。4mmのパンチ生検を行い、連続的に切断し、脂腺性の毛包の損傷を、H&E染色で
視覚化した。痛み、紅斑、浮腫は最小限であった。局所的な損傷が、脂腺性の毛包の約6
0%で観察された。いくつかの標本では、皮脂腺全体の破壊が観察された。毛包における
熱損傷の深度は、平均0.47mm(最大1.43mm)であった。表皮または真皮の付
随的損傷は観察されなかった。インビボ組織学的試験で、漏斗部、毛隆起および皮脂腺の
損傷が治療後に観察された。
[実施例8]
[アミノレブリン酸(ALA)を用いた光線力学的療法(PDT)の超音波促進送達]
超音波による実験で、毛包は角質層よりも、光吸収物質を送達するためのアクセスが容
易であった。これは、角質層内への輸送速度と毛包内への輸送速度との差によると思われ
る。この差を利用して、より小さい分子の選択的送達を促進することができる。この方法
は、光熱治療計画の発色団、または光線力学的効果をもたらす化合物もしくはプロドラッ
グでの光線力学的療法のいずれかに使用できる。例えば、ALA−PDT治療を含む慣例
のざ瘡療法は、所望の臨床有効性を得るのに十分な濃度のALAを皮脂腺に送達するため
に、長いインキュベーション時間(約3〜4時間)を必要とする。
この治療の結果、表皮の痂皮化、痛みおよび持続性の発赤を含む、顕著な有害副作用が
生じる。この長いインキュベーション時間により、表皮および真皮の非標的領域にALA
が送達される。超音波補助送達は、この長いインキュベーション時間なしに達成でき、依
然として、標的漏斗脂腺系で十分な濃度が得られる。超音波送達では、長いインキュベー
ション時間がなくなるため、ALAは、標的以外の表皮および真皮にはほとんど送達され
ない。超音波送達後、ALA製剤を皮膚の表面から除去してもよい。光活性物質の濃度が
、標的体積内で十分なレベルに達したのが確実になるのに十分な時間が経過したら、光照
射を行う。光熱治療では、パルスレーザ照射を、送達直後に開始してもよい。
別の実施形態にて、目的の物質(化合物)を微粒子に付着させ、標的体積に送達する。
光照射を使用して、物質を解離させ、その拡散を起こし、その後の作用をもたらすことが
できる。キャビテーション気泡の形成は、気泡形成の「核となる」ナノ粒子の存在により
促進される。また、エタノールなどの揮発性成分の使用により、送達を促進してもよい。
[実施例9]
[製剤]
様々なナノシェル製剤をエクスビボ皮膚モデルで試験した。被験成分は、毛包内への送
達を向上させるように設計された。製剤成分は、エタノール、イソプロピルアルコール、
プロピレングリコール、界面活性剤、例えば、ポリソルベート80、ホスホリポン90、
ポリエチレングリコール400、アジピン酸イソプロピルであった。これらの互いの相溶
性を試験した。親水性、親油性およびリポソームの3種類が特定された。製剤の吸収係数
は、10〜1000cm−1の範囲であることが示唆される。4種の実施例の製剤を、イ
ンビボブタ皮膚モデルで試験した。組成物は、ヒト背部ざ瘡試験で試験した製剤4種を示
す以下の表3の通りである。
[粒子の再懸濁]
上記したように、多種多様な治療があり、それは、粒子を含有する懸濁液を皮膚の表面
に塗布し、次いで所望の治療箇所への製剤および粒子の浸透を促進する1つ以上の方法を
行い、その後活性化させることを含むと説明される。様々な製剤および組成物について上
に記載したように、これらの粒子を、水、エタノール、アジピン酸ジイソプロピルおよび
ポリエチレングリコールから典型的になる液体中に懸濁する。これらは、典型的に低粘度
の製剤であり、先に言及したように、粒子の送達は、標的部位への浸透を促進する技術に
より補助される。一態様において、皮膚の表面から毛孔を通り標的の脂腺性の毛包への粒
子を含有する流体の大きな流れは、粒子輸送の主な方法である。この方法で、皮膚の表面
に塗布された全体と比較して、毛包内に送達された粒子の画分は、非常に少ない。例えば
、顔の皮膚に塗布される粒子の約1%のみが、毛包までたどり着けると推定される。また
、懸濁液の流体(ビヒクル)部分は、短時間、例えば、1分未満で蒸発する。
一態様において、十分な蒸発後、脂腺性の毛包内への粒子の輸送は最小限またはゼロで
ある。そのため、皮膚の表面に残った黒色の粒子の層が存在する。この残留物は、標的部
位に押し込まれなかった表面の粒子に由来する。この残留物は、レーザー照射の前に予め
拭き取られる。
一つの代替的なものとして、適当なビヒクル(すなわち、皮膚の表面の乾燥状態から粒
子を解放するための液体または流体)を加えることにより、残留物を、拭き取る代わりに
、再利用するか、または再集結する。このようにして、皮膚の表面の一部分に予め塗布さ
れた粒子を皮膚の表面の別の部分に「再利用する」方法が提供される。任意選択的に、再
利用は、同じ治療部位のためであってよい。粒子を送達する流体または製剤が完全に乾燥
したら、皮膚の表面の一部は粒子の層を有する。その後、粒子製剤をさらに塗布するより
も、より安価な液体ビヒクル(先に使用した製剤と類似しているが、高価な微粒子を含ん
でいない)をこの表面に加えてもよい。利用者は、このビヒクルを導入することにより粒
子を再懸濁できる。次いで、予め塗布した粒子が、懸濁液中で再び流動状態になったら、
マッサージまたは上に記載の送達技術の他のものを使用して、粒子を皮膚の表面の別の部
分に移動させてもよい。例えば、粒子を、顔の一部分(例えば、左顎)に塗布してもよい
。完全に乾燥した後、粒子を再懸濁し、顔の別の部分(例えば、右顎)に移動させる。そ
の後、上に記載の技術のいずれかを用いて送達を促進し続けてもよい。さらにまたは任意
選択的に、再編成した粒子の量に応じて、ある量の新しい微粒子懸濁液を、この新たな部
位に加えてもよい。本質的に、皮膚の表面の一部分に残った粒子を、皮膚の表面の別の部
分で使用する。
別の代替的なものとして、本明細書に記載の液体ビヒクルを塗布する方法は、同じ治療
部位での粒子の再利用に適用できる。同じ治療部位で粒子を再編成し続けることにより、
標的部位内への粒子の送達割合の増加を実現できる。一例では、本明細書に記載の方法を
使用して、同じ治療部位の毛包内への送達を高める。粒子の再利用方法は、不溶性粒子お
よび可溶性物質、例えば、色素または薬剤に適用できることが認識されよう。さらに他の
態様において、標的毛孔および毛包内に粒子を進入させるために液相に依存した物質の送
達方法が提供され、そこでさらなる部位は、ビヒクルを乾燥懸濁液に加えることにより治
療される。それに加えてさらに、上に記載の方法を、標的毛孔および毛包内に粒子を進入
させるために液相に依存した物質の送達に適合させてもよく、そこで追加の送達は、ビヒ
クルを乾燥懸濁液に加えることにより得ることができる。
本明細書に含まれる実施例および例示は、限定ではなく例示の目的で、主題が実施され
得る特定の実施形態を示す。一態様において、送達流体の送達のための送達装置の操作は
、所望の治療法である。この場合、送達装置の操作は、完全な治療操作である。別の態様
において、送達流体の送達のための送達装置の操作は、別の治療または別の所望の治療法
に先行するか、またはこれに後続する。この場合、送達装置の操作および使用は、マルチ
パート療法の一部である。マルチパート療法の1つの特定の例には、流体、製剤粒子、シ
ェル、医薬品、リポソーム、他の治療剤または薬理学的物質を、治療部位または送達部位
の構造の上に、構造の中にまたは構造内に送達し、次いで送達部位または治療部位をさら
に治療するための送達システムの使用がある。1つの特定の例において、さらなる治療は
、流体、製剤または薬理学的物質に活性化エネルギーを供給することである。例示的な流
体、製剤および治療は、米国特許第6183773号明細書、米国特許第6530944
号明細書、米国特許出願公開第2013/0315999号明細書および米国特許出願公
開第2012/0059307号明細書に記載されており、これらの文献は各々引用する
ことによりその全てが本明細書の一部をなす。さらにまたは任意選択的に、送達装置の操
作パラメーターの1つ以上、および/または本明細書に記載の送達システムの使用方法は
、送達流体の1つ以上の特性、送達流体の成分または用いられる送達流体中の粒子に基づ
き修正され得る。
[他の実施形態]
前述の説明から、本明細書に記載の本発明が様々な使用法および状態に採用されるよう
に、変更および修正がなされることが明らかであろう。このような実施形態も以下の特許
請求の範囲内である。
本明細書の変数の任意の定義における要素の一覧の列挙は、任意の単一の要素または列
挙される要素の組み合わせ(または部分的組み合わせ)としての変数の定義を含む。本明
細書の実施形態の列挙は、任意の単一の実施形態としての、または任意の他の実施形態も
しくはその一部との組み合わせでの実施形態を含む。

Claims (14)

  1. 対象の皮膚の症状を治療する方法であって、
    a)光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を、前記対象の皮膚に局所的に
    塗布する工程と、
    b)機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェット
    により、前記物質の皮膚構造内への送達を促進する工程と、
    c)前記製剤の十分な蒸発によって粒子の残留物が前記皮膚の表面に残った後、十分な
    量の液体を治療部位に塗布する工程と、
    d)前記塗布する工程で治療した前記皮膚の部分に対して、前記促進する工程を繰り返
    す工程と
    を含む、方法。
  2. 対象の皮膚の症状を治療する方法であって、
    a)光吸収物質を含有するサブミクロン粒子を含む製剤を、前記対象の皮膚に局所的に
    塗布する工程と、
    b)機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェット
    により、前記物質の皮膚構造内への送達を促進する工程と、
    c)前記皮膚構造内への前記物質の送達を促進した少なくとも約45秒後に、サブミク
    ロン粒子を前記対象の皮膚の表面から前記皮膚構造内へ移動させるのに有効な方法で、送
    達液体を治療部位に塗布する工程と
    を含む、方法。
  3. 対象の皮膚の症状を治療する方法であって、
    a)光吸収物質を含むサブミクロン粒子を、前記対象の皮膚に局所的に塗布する工程と

    b)機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェット
    により、前記サブミクロン粒子を皮膚構造内へ送達する工程と、
    c)サブミクロン粒子を前記対象の皮膚の表面から前記皮膚構造内へ移動させるのに有
    効な方法で、液体を治療部位に塗布する工程と
    を含む、方法。
  4. 前記皮膚構造が、毛包、皮脂腺、皮脂腺管、漏斗部、エクリン腺、エクリン腺管、アポ
    クリン腺およびアポクリン腺管からなる群より選択される少なくとも1つの構成要素を含
    む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記皮膚の症状が、毛包性の皮膚疾患、多汗症、毛孔が拡大した外観、脂性肌および不
    要な毛からなる群より選択された少なくとも1つからなる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記サブミクロン粒子をエネルギー活性化させ、それによって前記対象の皮膚の症状を
    治療することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記塗布する工程の前記液体が、前記サブミクロン粒子を含まない製剤と実質的に同じ
    である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記皮膚構造内への前記物質の送達を、前記製剤中で超音波により発生するマイクロジ
    ェットにより促進する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記サブミクロン粒子をエネルギー活性化させることが、前記サブミクロン粒子に照射
    することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記毛包が、終毛性の毛包、軟毛性の毛包または脂腺性の毛包である、請求項5に記載
    の方法。
  11. 前記サブミクロン粒子のサイズが、約0.01ミクロン〜約1.0ミクロンである、請
    求項1に記載の方法。
  12. 前記サブミクロン粒子のサイズが、約0.05ミクロン〜約0.25ミクロンである、
    請求項1に記載の方法。
  13. 前記促進する工程が、毛包孔と略同一サイズの気泡が前記製剤中に形成されるように、
    超音波により発生するマイクロジェットの特性を選択することをさらに含む、請求項1に
    記載の方法。
  14. 対象の皮膚の症状を治療する方法であって、
    a)光吸収物質を含むサブミクロン粒子を、前記対象の皮膚に局所的に塗布する工程と

    b)機械的な撹拌、音響振動、超音波、吸引と加圧の繰り返しまたはマイクロジェット
    によって、前記皮膚の毛包、皮脂腺、皮脂腺管または漏斗部内に前記サブミクロン粒子を
    送達する工程と、
    c)前記サブミクロン粒子を前記対象の皮膚の表面から毛包内へ移動させるために有効
    な方法によって、液体を治療部位に塗布する工程と
    を含む、方法。
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