JP2020058105A - 電源車用電気連結回路、電源車、編成車両用電気連結回路、編成車両および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来とは全く異なる手法によって、複数の電力供給方式に対応した電気車の走行を可能とすること。【解決手段】電源車用電気連結回路12を備えた電源車10を、編成車両用電気連結回路22を備えた編成車両20に連結し、電源車用電気連結回路12と編成車両用電気連結回路22とを連結することで、電源車10から編成車両20に電力を供給する。電源車10は、架線からパンタグラフ14によって集電した架線電力、蓄電部の蓄電電力、第三軌条から集電靴によって集電した電力、の何れかに基づいて主電動機を駆動して走行することが可能であるとともに、この電力を、連結された編成車両20に引通し線30を介して供給することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、編成車両に電力を供給するための電源車等に関する。
バッテリ等の蓄電池を電気車に搭載した蓄電池電気車の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。蓄電池電気車は、電化区間では、架線電力をもとに主電動機を駆動して走行しつつ架線電力および回生電力で蓄電池を充電し、非電化区間では、蓄電池の蓄電電力をもとに走行することができる。
蓄電池電気車を非電化区間で走行させる場合、主電動機の駆動電力の全てを蓄電池の蓄電電力でまかなうことになり、走行距離が長くなるほど、必要な蓄電電力量が増加する。これに対処するには、蓄電池を大型化する、途中で蓄電池の充電を行う、といったことが考えられる。蓄電池を大型化する場合、車両に大きな艤装空間を確保する必要があるため、大型化には限度がある。また、途中で充電を行う場合、急速充電が可能な充電施設の建設が必要となるため、運行本数が少ない線区では、鉄道運営に対するコストが見合わず現実的ではない。
また、特許文献1に開示されている蓄電池電気車は、架線(架空式電車線路ともいう)を介して地上から電気車へ電力を供給する架線式の電化区間を想定しているが、地上から電気車への電力供給方式としては、この架線式や、主に地下鉄で用いられる第三軌条式といった接触給電方式と、未だ開発段階ではあるが電磁誘導や電磁界共鳴などを利用した非接触給電方式と、に大別される様々な方式が開発・実用されている。そこで、電力供給方式が異なる複数の区間を走行可能な電気車とする場合、それぞれの電力供給方式に対応した装置や部品(パンタグラフや集電靴といった集電器を含む)を設計・製造して搭載することになり、車両に大きな艤装空間を確保する必要があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来とは全く異なる手法によって、複数の電力供給方式に対応した電気車の走行を可能とすること、である。
上記課題を解決するための第1の発明は、
一端側が、引通し線(例えば、図2の引通し線30)に接続され、他端側が、電源車連結端子(例えば、図2の電源車連結端子32)に接続された電源車連結用第1接触器(例えば、図3の第1接触器LB1)と、
抵抗器(例えば、図3の第2抵抗器R2)及び電源車連結用第2接触器(例えば、図3の第2接触器LB2)の直列回路であって、一端側が、前記電源車連結用第1接触器の他端側及び前記電源車連結端子に接続され、他端側が、接地線に接続された直列回路と、
を備えた電源車用電気連結回路(例えば、図3の電源車用電気連結回路12)である。
一端側が、引通し線(例えば、図2の引通し線30)に接続され、他端側が、電源車連結端子(例えば、図2の電源車連結端子32)に接続された電源車連結用第1接触器(例えば、図3の第1接触器LB1)と、
抵抗器(例えば、図3の第2抵抗器R2)及び電源車連結用第2接触器(例えば、図3の第2接触器LB2)の直列回路であって、一端側が、前記電源車連結用第1接触器の他端側及び前記電源車連結端子に接続され、他端側が、接地線に接続された直列回路と、
を備えた電源車用電気連結回路(例えば、図3の電源車用電気連結回路12)である。
また、第2の発明は、第1の発明の電源車用電気連結回路を備えた電源車(例えば、図2の電源車10)である。
また、第3の発明は、
第1の発明の電源車用電気連結回路と、
主電動機(例えば、図3の主電動機M)と、
主開閉装置(例えば、図3の主開閉装置SWM)を介して前記引通し線に接続された直流電力ラインに接続され、前記直流電力ラインに供給される電力に基づいて前記主電動機に駆動電力を供給する主変換回路(例えば、図3の主変換回路42)と、
前記直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路(例えば、図3の補機回路43)と、
前記引通し線に供給される電力を電車線路から集電するための集電器(例えば、図3のパンタグラフ14)と、
第2の電源システム(例えば、図3の蓄電部BT)と、
一端側が前記第2の電源システムに接続され、他端側が前記直流電力ラインに接続された第1開閉装置(例えば、図3の第1開閉装置SW1)と、
一次側と二次側との間の双方向の電圧変換が可能な電圧変換回路(例えば、図3のDC/DCコンバータ45)と、
一端側が前記直流電力ラインに接続され、他端側が前記電圧変換回路の一次側に接続された第2開閉装置(例えば、図3の第2開閉装置SW2)と、
一端側が前記第2の電源システムに接続され、他端側が前記電圧変換回路の二次側に接続された第3開閉装置(例えば、図3の第3開閉装置SW3)と、
前記主開閉装置、前記第1開閉装置、前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置の投入/開放と、前記電圧変換回路の動作とを制御することで、前記電車線路から集電される電力をもとに走行する第1のモード(例えば、実施形態の「架線モード」)と、前記第2の電源システムから供給される電力をもとに走行する第2のモード(例えば、実施形態の「蓄電池モード」)とを切り替える制御部(例えば、図3の制御部CTR1)と、
を備えた電源車である。
第1の発明の電源車用電気連結回路と、
主電動機(例えば、図3の主電動機M)と、
主開閉装置(例えば、図3の主開閉装置SWM)を介して前記引通し線に接続された直流電力ラインに接続され、前記直流電力ラインに供給される電力に基づいて前記主電動機に駆動電力を供給する主変換回路(例えば、図3の主変換回路42)と、
前記直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路(例えば、図3の補機回路43)と、
前記引通し線に供給される電力を電車線路から集電するための集電器(例えば、図3のパンタグラフ14)と、
第2の電源システム(例えば、図3の蓄電部BT)と、
一端側が前記第2の電源システムに接続され、他端側が前記直流電力ラインに接続された第1開閉装置(例えば、図3の第1開閉装置SW1)と、
一次側と二次側との間の双方向の電圧変換が可能な電圧変換回路(例えば、図3のDC/DCコンバータ45)と、
一端側が前記直流電力ラインに接続され、他端側が前記電圧変換回路の一次側に接続された第2開閉装置(例えば、図3の第2開閉装置SW2)と、
一端側が前記第2の電源システムに接続され、他端側が前記電圧変換回路の二次側に接続された第3開閉装置(例えば、図3の第3開閉装置SW3)と、
前記主開閉装置、前記第1開閉装置、前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置の投入/開放と、前記電圧変換回路の動作とを制御することで、前記電車線路から集電される電力をもとに走行する第1のモード(例えば、実施形態の「架線モード」)と、前記第2の電源システムから供給される電力をもとに走行する第2のモード(例えば、実施形態の「蓄電池モード」)とを切り替える制御部(例えば、図3の制御部CTR1)と、
を備えた電源車である。
第1〜第3の発明によれば、電源車用電気連結回路を備えた電源車を実現することができる。そして、この電源車を、例えば編成車両に連結することで、電源車から編成車両に電力を供給することができるようになる。つまり、電源車は、電車線路から集電される電力、および、第2の電源システムから供給される電力、の何れの電力に基づいても主電動機を駆動して走行可能であるともに、この電力を、連結された編成車両に引通し線を介して供給することができるようになる。従って、電車線路が設けられた区間であれば自走できるが、電車線路が設けられない区間では自走できない編成車両に電源車を連結することで、電車線路が設けられていない区間であっても、編成車両は電源車からの供給電力をもとに走行することが可能となる。
第4の発明は、第3の発明において、
前記第2の電源システムは、蓄電部(例えば、図3の蓄電部BT)である、
電源車である。
前記第2の電源システムは、蓄電部(例えば、図3の蓄電部BT)である、
電源車である。
第4の発明によれば、第2の電源システムとして蓄電部を備える電源車を実現できる。つまり、電源車は、電車線路が設けられていない非電化区間において、蓄電部の蓄電電力をもとに走行することができるとともに、蓄電電力を、連結された編成車両に引き通し線を介して供給することができる。従って、編成車両は、この電源車と連結することで、電源車から供給される蓄電部の蓄電電力をもとに非電化区間を走行することが可能となる。
第5の発明は、第3の発明において、
前記第2の電源システムは、前記電車線路とは異なる第2の電車線路から電力を集電する第2の集電器を有する、
電源車である。
前記第2の電源システムは、前記電車線路とは異なる第2の電車線路から電力を集電する第2の集電器を有する、
電源車である。
第5の発明によれば、第2の電源システムとして、電車線路とは異なる第2の電車線路から集電するための第2の集電器を有する電源車を実現できる。つまり、電源車は、第2の電車線路が設けられた区間において、第2の電車線路からの集電電力をもとに走行することができるとともに、この第2の電車線路からの集電電力を、連結された編成車両に引き通し線を介して供給することができる。従って、編成車両は、この電源車と連結することで、電源車から供給される電力をもとに第2の電車線路が設けられた電化区間を走行することができる。
第6の発明は、第3〜第5の発明の何れかにおいて、
直流電力を前記直流電力ラインに供給するか否かを前記制御部により制御可能な第3の電源システム(例えば、図3の集電靴44および第4開閉装置SW4)、
を更に備え、
前記制御部は、更に、前記第3の電源システムによる前記直流電力ラインへの直流電力の供給を制御することで、前記第3の電源システムから供給される電力をもとに走行する第3のモード(例えば、実施形態の「第三軌条モード」)に切り替える制御を行う、
電源車である。
直流電力を前記直流電力ラインに供給するか否かを前記制御部により制御可能な第3の電源システム(例えば、図3の集電靴44および第4開閉装置SW4)、
を更に備え、
前記制御部は、更に、前記第3の電源システムによる前記直流電力ラインへの直流電力の供給を制御することで、前記第3の電源システムから供給される電力をもとに走行する第3のモード(例えば、実施形態の「第三軌条モード」)に切り替える制御を行う、
電源車である。
第6の発明によれば、更に第3の電源システムを備える電源車を実現できる。つまり、電源車は、第3の電源システムの供給電力をもとに走行することができるとともに、この供給電力を、連結された編成車両に引き通し線を介して供給することができる。従って、編成車両は、この電源車と連結することで、電源車から供給される電力をもとに走行することができる。
第7の発明は、第4の発明において、
前記電車線路とは異なる第2の電車線路(例えば、「第三軌条」)から集電するための第2の集電器(例えば、図3の集電靴44)を有し、直流電力を前記直流電力ラインに供給するか否かを前記制御部により制御可能な第3の電源システム(例えば、図3の集電靴44および第4開閉装置SW4)、
を更に備え、
前記制御部は、更に、前記第3の電源システムによる前記直流電力ラインへの直流電力の供給を制御することで、前記第3の電源システムから供給される電力をもとに走行する第3のモード(例えば、実施形態の「第三軌条モード」)に切り替える制御を行う、
電源車である。
前記電車線路とは異なる第2の電車線路(例えば、「第三軌条」)から集電するための第2の集電器(例えば、図3の集電靴44)を有し、直流電力を前記直流電力ラインに供給するか否かを前記制御部により制御可能な第3の電源システム(例えば、図3の集電靴44および第4開閉装置SW4)、
を更に備え、
前記制御部は、更に、前記第3の電源システムによる前記直流電力ラインへの直流電力の供給を制御することで、前記第3の電源システムから供給される電力をもとに走行する第3のモード(例えば、実施形態の「第三軌条モード」)に切り替える制御を行う、
電源車である。
第7の発明によれば、電車線路とは異なる第2の電車線路から集電するための第2の集電器を有する第3の電源システムを、更に備える電源車を実現できる。つまり、電源車は、第2の電車線路が設けられた区間において、第2の電車線路からの集電電力をもとに走行することができるとともに、この第2の電車線路からの集電電力を、連結された編成車両に引き通し線を介して供給することができる。従って、編成車両は、この電源車と連結することで、電源車から供給される電力をもとに第2の電車線路が設けられた電化区間を走行することができる。
第8の発明は、第6又は第7の発明において、
前記制御部は、
前記第1のモードから前記第3のモードへの切り替えの際に、一時的に前記第2のモードへ切り替えた後に前記第3のモードへ切り替える制御を行い(例えば、図6)、
前記第3のモードから前記第1のモードへの切り替えの際に、一時的に前記第2のモードへ切り替えた後に前記第1のモードへ切り替える制御を行う(例えば、図10)、
電源車である。
前記制御部は、
前記第1のモードから前記第3のモードへの切り替えの際に、一時的に前記第2のモードへ切り替えた後に前記第3のモードへ切り替える制御を行い(例えば、図6)、
前記第3のモードから前記第1のモードへの切り替えの際に、一時的に前記第2のモードへ切り替えた後に前記第1のモードへ切り替える制御を行う(例えば、図10)、
電源車である。
第8の発明によれば、第1のモードと第3のモードとの切り替えの際には、第2のモードへの切り替えを経由することで、モードの切り替えを安全に行うことが可能となる。例えば、電車線路の電圧と、電源車における第2の電源システムまたは第3の電源システムの供給電圧との間に電圧差が生じる場合に、第1のモードと第2のモードとの切り替えに際して、電圧変換回路によって、電車線路の電圧と第2の電源システムの供給電圧との電圧差による電流を生じさせないように制御することが可能である。このため、第1のモードと第3のモードとの切り替えの際には第2のモードへの切り替えを経由することとすることで、モードの切り替えを安全に行うことが可能となる。
第9の発明は、
第3〜第8の何れかの発明の電源車において、
前記制御部は、前記主開閉装置が投入され、前記第1開閉装置、前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置が開放された状態の前記第1のモードから、前記第2のモードに切り替える場合に、
前記第2開閉装置を投入し、前記電車線路の電圧が前記第2の電源システムの供給電圧より低い場合に、前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること(例えば、図8のステップC1〜C3)、
前記第3開閉装置を投入し、前記一次側の電圧が前記電車線路の電圧となるように均圧制御すること(例えば、図8のステップC5〜C7)、
前記集電器を非集電状態に遷移させる、或いは、前記集電器の集電電力の前記引通し線への供給を遮断する制御を行うこと(例えば、図8のステップC9)と、
前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること(例えば、図8のステップC13)、
前記第1開閉装置を投入すること(例えば、図8のステップC15)、
前記電圧変換回路の動作停止と、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置の開放とを行うこと(例えば、図8のステップC17〜C19)、
の順に実行制御する、
電源車である。
第3〜第8の何れかの発明の電源車において、
前記制御部は、前記主開閉装置が投入され、前記第1開閉装置、前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置が開放された状態の前記第1のモードから、前記第2のモードに切り替える場合に、
前記第2開閉装置を投入し、前記電車線路の電圧が前記第2の電源システムの供給電圧より低い場合に、前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること(例えば、図8のステップC1〜C3)、
前記第3開閉装置を投入し、前記一次側の電圧が前記電車線路の電圧となるように均圧制御すること(例えば、図8のステップC5〜C7)、
前記集電器を非集電状態に遷移させる、或いは、前記集電器の集電電力の前記引通し線への供給を遮断する制御を行うこと(例えば、図8のステップC9)と、
前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること(例えば、図8のステップC13)、
前記第1開閉装置を投入すること(例えば、図8のステップC15)、
前記電圧変換回路の動作停止と、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置の開放とを行うこと(例えば、図8のステップC17〜C19)、
の順に実行制御する、
電源車である。
第9の発明によれば、電車線路の電圧と第2の電源システムの供給電圧とが異なっている場合であっても、その電圧差によって生じる電流を直流電力ラインや引通し線に生じさせることなく、安全に第1のモードから第2のモードに切り替えることができる。また、第1のモードから第2のモードへの切り替えを、電源車から編成車両への電力供給を継続したまま行うことができるため、編成車両の補機の動作を停止させる必要がない。
第10の発明は、
第3〜第9の何れかの発明の電源車において、
前記制御部は、前記主開閉装置及び前記第1開閉装置が投入され、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置が開放された状態の前記第2のモードから、前記第1のモードに切り替える場合に、
前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置を投入した状態とした後、前記電圧変換回路を記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること(例えば、図12のステップG1〜G3)、
前記第1開閉装置を開放すること(例えば、図12のステップG5)、
前記一次側の電圧が前記電車線路の電圧となるように均圧制御すること(例えば、図12のステップG7)、
前記集電器を集電状態に遷移させる、或いは、前記集電器の集電電力の前記引通し線への供給を開始させる制御を行うこと(例えば、図12のステップG9)、
前記電圧変換回路の動作停止と、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置の開放とを行うこと(例えば、図12のステップG13〜G15)、
の順に実行制御する、
電源車である。
第3〜第9の何れかの発明の電源車において、
前記制御部は、前記主開閉装置及び前記第1開閉装置が投入され、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置が開放された状態の前記第2のモードから、前記第1のモードに切り替える場合に、
前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置を投入した状態とした後、前記電圧変換回路を記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること(例えば、図12のステップG1〜G3)、
前記第1開閉装置を開放すること(例えば、図12のステップG5)、
前記一次側の電圧が前記電車線路の電圧となるように均圧制御すること(例えば、図12のステップG7)、
前記集電器を集電状態に遷移させる、或いは、前記集電器の集電電力の前記引通し線への供給を開始させる制御を行うこと(例えば、図12のステップG9)、
前記電圧変換回路の動作停止と、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置の開放とを行うこと(例えば、図12のステップG13〜G15)、
の順に実行制御する、
電源車である。
第10の発明によれば、電車線路の電圧と第2の電源システムの供給電圧とが異なっている場合であっても、その電圧差によって生じる電流を直流電力ラインや引通し線に生じさせることなく、安全に第2のモードから第1のモードに切り替えることができる。また、第2のモードから第1のモードへの切り替えを、電源車から編成車両への電力供給を継続したまま行うことができるため、編成車両の補機の動作を停止させる必要がない。
第11の発明は、
第2〜第10の何れかの発明の電源車と、編成車両(例えば、図2の編成車両20)とを連結して前記電源車から前記編成車両へ電力を供給するための前記編成車両に設けられた編成車両用電気連結回路(例えば、図2の編成車両用電気連結回路22)であって、
前記編成車両は、主電動機(例えば、図5の主電動機M)と、当該編成車両に設けられた集電器(例えば、図5のパンタグラフ24)による電車線路からの集電電力に基づき前記主電動機を駆動する主変換回路(例えば、図5の主変換回路62)と、を備えており、
一端側が、編成車両連結端子(例えば、図5の編成車両連結端子34)に接続され、他端側が、前記編成車両の前記主変換回路への電力入力側に接続された編成車両連結用第1接触器(例えば、図5の第3接触器LB3)と、
抵抗器(例えば、図5の第4抵抗器R4)及び編成車両連結用第2接触器(例えば、図5の第4接触器LB4)の直列回路であって、一端側が、前記編成車両連結用第1接触器の一端側及び前記編成車両連結端子に接続され、他端側が、接地線に接続された直列回路と、
を備えた編成車両用電気連結回路である。
第2〜第10の何れかの発明の電源車と、編成車両(例えば、図2の編成車両20)とを連結して前記電源車から前記編成車両へ電力を供給するための前記編成車両に設けられた編成車両用電気連結回路(例えば、図2の編成車両用電気連結回路22)であって、
前記編成車両は、主電動機(例えば、図5の主電動機M)と、当該編成車両に設けられた集電器(例えば、図5のパンタグラフ24)による電車線路からの集電電力に基づき前記主電動機を駆動する主変換回路(例えば、図5の主変換回路62)と、を備えており、
一端側が、編成車両連結端子(例えば、図5の編成車両連結端子34)に接続され、他端側が、前記編成車両の前記主変換回路への電力入力側に接続された編成車両連結用第1接触器(例えば、図5の第3接触器LB3)と、
抵抗器(例えば、図5の第4抵抗器R4)及び編成車両連結用第2接触器(例えば、図5の第4接触器LB4)の直列回路であって、一端側が、前記編成車両連結用第1接触器の一端側及び前記編成車両連結端子に接続され、他端側が、接地線に接続された直列回路と、
を備えた編成車両用電気連結回路である。
また、第12の発明は、
第11の発明の編成車両用電気連結回路を備えた編成車両(例えば、図2の編成車両20)である。
第11の発明の編成車両用電気連結回路を備えた編成車両(例えば、図2の編成車両20)である。
第11,第12の発明によれば、編成車両用電気連結器を備えた編成車両を実現することができる。そして、この編成車両を電源車に連結し、編成車両用電気連結器を電源車の電源車用電気連結回路に連結することで、電源車から電力が供給されるようになる。
第13の発明は、
第1の発明の電源車用電気連結回路と、第11の発明の編成車両用電気連結回路とを連結する際の制御方法であって、
前記電源車連結端子と前記編成車両連結端子との連結を行う連結工程の前に、前記電源車連結用第1接触器及び前記編成車両連結用第1接触器を開放とし、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器を投入とする連結前ステップ(例えば、図7のステップB1〜B3)と、
前記連結工程の後に、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器の開放を行った後に、前記編成車両連結用第1接触器の投入を行う導通前ステップ(例えば、図7のステップB9〜B13)と、
前記導通前ステップの後に、前記電源車連結用第1接触器の投入を行う導通ステップ(例えば、図7のステップB17)と、
を含む制御方法である。
第1の発明の電源車用電気連結回路と、第11の発明の編成車両用電気連結回路とを連結する際の制御方法であって、
前記電源車連結端子と前記編成車両連結端子との連結を行う連結工程の前に、前記電源車連結用第1接触器及び前記編成車両連結用第1接触器を開放とし、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器を投入とする連結前ステップ(例えば、図7のステップB1〜B3)と、
前記連結工程の後に、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器の開放を行った後に、前記編成車両連結用第1接触器の投入を行う導通前ステップ(例えば、図7のステップB9〜B13)と、
前記導通前ステップの後に、前記電源車連結用第1接触器の投入を行う導通ステップ(例えば、図7のステップB17)と、
を含む制御方法である。
第13の発明によれば、電源車用電気連結回路と、編成車両用電気連結回路との連結を行う作業員の安全を確保できる。すなわち、電源車用電気連結回路と編成車両用電気連結回路との間で連結端子を連結する連結工程の前に、電源車連結用第1接触器および編成車両連結用第1接触器の開放と、電源車連結用第2接触器および編成車両連結用第2接触器の投入とを行うことで、接地、抵抗器および電源車連結用第2接触器の直列回路、電源車連結端子、編成車両連結端子、抵抗器および編成車両連結用第2接触器の直列回路、による閉回路が構成される。これにより、もし仮に、残存していた電荷或いは何らかの原因で誘起された電荷によって連結工程中に連結端子に電流が流れ得る場合があったとしても、閉回路中の抵抗器によってその電荷が消費されるため、作業員の安全を確保することができる。
第14の発明は、
第1の発明の電源車用電気連結回路と、第11の発明の編成車両用電気連結回路との連結を解放する際の制御方法であって、
前記電源車連結端子と前記編成車両連結端子との連結の解放を行う連結解放工程の前に、
前記編成車両連結用第1接触器の開放を行った後に、前記電源車連結用第1接触器の開放を行う導通遮断ステップ(例えば、図13のステップH1〜H3)と、
前記導通遮断ステップの後に、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器の投入を行う接地接続ステップ(例えば、図13のステップH5〜H7)と、
を行う制御方法である。
第1の発明の電源車用電気連結回路と、第11の発明の編成車両用電気連結回路との連結を解放する際の制御方法であって、
前記電源車連結端子と前記編成車両連結端子との連結の解放を行う連結解放工程の前に、
前記編成車両連結用第1接触器の開放を行った後に、前記電源車連結用第1接触器の開放を行う導通遮断ステップ(例えば、図13のステップH1〜H3)と、
前記導通遮断ステップの後に、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器の投入を行う接地接続ステップ(例えば、図13のステップH5〜H7)と、
を行う制御方法である。
第14の発明によれば、電源車用電気連結回路と、編成車両用電気連結回路との連結解放を行う作業員の安全を確保できる。すなわち、電源車用電気連結回路と編成車両用電気連結回路との間で連結されている連結端子を解放する連結解放工程の前に、編成車両連結用第1接触器および電源車連結用第1接触器の開放と、電源車連結用第2接触器および編成車両連結用第2接触器の投入とを行うことで、接地、抵抗器および電源車連結用第2接触器の直列回路、電源車連結端子、編成車両連結端子、抵抗器および編成車両連結用第2接触器の直列回路、による閉回路が構成される。これにより、もし仮に、残存していた電荷或いは何らかの原因で誘起された電荷によって連結解放工程中に連結端子に電流が流れ得る場合があったとしても、閉回路中の抵抗器によってその電荷が消費されるため、作業員の安全を確保することができる。
以下、図面を参照して本発明を適用した一実施形態を説明するが、本発明を適用可能な形態は以下の実施形態に限られるものではない。
[概要]
図1は、本実施形態の概要図である。図1に示すように、本実施形態は、編成車両20に電源車10を連結し、電源車10の供給電力によって非架線区間を走行するものである。非架線区間とは、電気車への電力供給方式が架線(架空式電車線路)による架線式以外の区間であり、非電化区間を含む。架線式以外の電力供給方式としては、例えば、第三軌条式といった接触給電方式であっても良いし、非接触給電方式であっても良い。非架線区間に対して、電気車への電力供給方式が架線式である区間を架線区間と呼ぶ。
図1は、本実施形態の概要図である。図1に示すように、本実施形態は、編成車両20に電源車10を連結し、電源車10の供給電力によって非架線区間を走行するものである。非架線区間とは、電気車への電力供給方式が架線(架空式電車線路)による架線式以外の区間であり、非電化区間を含む。架線式以外の電力供給方式としては、例えば、第三軌条式といった接触給電方式であっても良いし、非接触給電方式であっても良い。非架線区間に対して、電気車への電力供給方式が架線式である区間を架線区間と呼ぶ。
電源車10および編成車両20は、ともに主電動機を備えて自走可能な電気車である。また、電源車10および編成車両20は、ともにパンタグラフを備えており、架線区間においてはパンタグラフで集電した架線電力をもとに走行可能である。
電源車10は、架線式を含む複数の電源システムを備えており、非架線区間において、自車が備える電源システムによる電力を、連結した編成車両20に供給する目的で用いられる。電源車10が備える電源システムとしては、電化区間を想定して電車線路から集電する集電システムと、非電化区間を想定した内部電源システムと、に大別される。本実施形態では、電源車10は、集電システムとして、架線式での集電器であるパンタグラフおよび第三軌条式での集電器である集電靴、を備えるとともに、内部電源システムとして蓄電部を搭載する。蓄電部は、例えば、架線区間の駅構内に設けられた充電施設でパンタグラフにより集電した架線電力によって充電することができる。そして、電源車10は、電源システムに応じた電源モードに切り替えて走行することができる。本実施形態では、パンタグラフにより架線から集電した架線電力をもとに走行する架線モードと、蓄電部の蓄電電力をもとに走行する蓄電池モードと、集電靴により第三軌条から集電した第三軌条電力をもとに走行する第三軌条モードと、に切り替え可能であるとして説明する。
編成車両20は、連結された電源車10の電源モードに合わせた電源モードに切り替え、電源車10から供給される電力をもとに走行することができる。また、編成車両20は、電源車10が連結されてない単独の状態では、架線モードでのみ走行可能である。なお、図面および以下の説明では、電源車10が連結されていない状態の編成車両20は1両編成の列車であるかのように図示および説明するが、複数の編成車両20が連結されて編成された列車であってもよい。
[電源車の連結・解放]
編成車両20に対する電源車10の連結および解放は、次のように行われる。先ず、図1の左側に示すように、架線区間を走行してきた編成車両20が非架線区間に乗り入れる際に、架線区間と非架線区間との結節駅Aにおいて、編成車両20に電源車10を連結する。編成車両20および電源車10は、架線モードから、乗り入れる非架線区間に応じた電源モード(本実施形態では、非電化区間ならば蓄電池モード、第三軌条の区間ならば第三軌条モード、である)に切り替える。そして、編成車両20および電源車10からなる列車として結節駅Aを出発して、非架線区間を走行することになる。
編成車両20に対する電源車10の連結および解放は、次のように行われる。先ず、図1の左側に示すように、架線区間を走行してきた編成車両20が非架線区間に乗り入れる際に、架線区間と非架線区間との結節駅Aにおいて、編成車両20に電源車10を連結する。編成車両20および電源車10は、架線モードから、乗り入れる非架線区間に応じた電源モード(本実施形態では、非電化区間ならば蓄電池モード、第三軌条の区間ならば第三軌条モード、である)に切り替える。そして、編成車両20および電源車10からなる列車として結節駅Aを出発して、非架線区間を走行することになる。
その後、図1の右側に示すように、非架線区間を走行してきた編成車両20が架線区間に乗り入れる際には、非架線区間と架線区間との結節駅Bにおいて、編成車両20に連結されていた電源車10を解放する。編成車両20は、走行してきた非架線区間に応じた電源モード(本実施形態では、蓄電池モード或いは第三軌条モード)から架線モードに切り替え、編成車両20のみからなる列車として結節駅Bを出発して架線区間を走行することになる。解放された電源車10も同様に、駅構内の待避線まで走行して待機する、或いは、走行してきた非架線区間に応じた電源モードから架線モードに切り替え、駅構内に設けられた充電施設で蓄電部が充電されることになる。
[構成]
図2は、電源車10及び編成車両20の電気回路の接続構成図である。図2では、編成車両20の進行方向後方に電源車10が連結された状態を示しているが、編成車両20の進行方向前方に電源車10を連結することもできる。
図2は、電源車10及び編成車両20の電気回路の接続構成図である。図2では、編成車両20の進行方向後方に電源車10が連結された状態を示しているが、編成車両20の進行方向前方に電源車10を連結することもできる。
電源車10および編成車両20は、ともに直流電気車であり、主電動機Mを含む主回路40,60を備えている。また、電源車10および編成車両20には、車両間で電力を融通するための引通し線30が引通されている。この引通し線30は、車両間で連結・解放が可能に構成されており、各車両の両端部それぞれにおいて引通し線30を電気的に連結するための連結端子が設けられている。すなわち、電源車10の前端部および後端部それぞれにおいて、電源車連結端子32が設けられ、編成車両20の前端部および後端部それぞれにおいて、編成車両連結端子34が設けられている。そして、電源車連結端子32と編成車両連結端子34とを連結することで、電源車10と編成車両20との間の引通し線30が電気的に連結される。また、複数の編成車両20を連結する場合には、編成車両20の編成車両連結端子34同士を連結することで、連結した複数の編成車両20において引通し線30が連結される。
本実施形態の特徴の1つとして、電源車10と編成車両20との間で引通し線30を安全に連結・解放するための電気連結回路が設けられている。すなわち、電源車10には電源車用電気連結回路12が設けられ、編成車両20には編成車両用電気連結回路22が設けられている。
図3は、電源車10の駆動に係る主要な電気回路の構成図である。図3に示すように、電源車10は、パンタグラフ14と、主回路40と、電源車用電気連結回路12と、制御部CTR1とを備える。
制御部CTR1は、パンタグラフ14の昇降動作の制御の他、主回路40に係る各種機器および電源車用電気連結回路12に制御信号を出力して各機器を統括的に制御するコントローラであり、独立した制御装置として構成してもよいし、制御ボードとして構成して既存の装置に組み込んで実現することもできる。制御部CTR1は、本実施形態の特徴の1つである電源車10と編成車両20との連結・解放に係る電源車10側の制御を実施するが、その詳細は図面を参照して後述する。
パンタグラフ14は、電車線路である架線から集電するための集電器であり、制御部CTR1からの制御信号Pに従って、上昇して架線に接触して集電が可能な集電状態、および、下降して架線から離れて集電が不可能な非集電状態に遷移可能である。また、パンタグラフ14は、主開閉装置SWMを介して直流電力ラインに接続されているとともに、直接に引通し線30に接続されている。集電状態にあるパンタグラフ14により集電された架線電力は、直流電力ラインおよび引通し線30に供給される。
主回路40は、パンタグラフ14により集電された架線電力が主開閉装置SWMを介して供給される直流電力ラインに、主電動機に係る駆動系統41と、補機回路43と、蓄電部BTと、集電靴44と、DC/DCコンバータ45と、が接続されて構成される。
主開閉装置SWMは、制御部CTR1からの制御信号WMに従って、パンタグラフ14と直流電力ラインとの切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば高速度遮断器によって構成することができる。本実施形態では、主回路40の起動後は、主開閉装置SWMを常時“投入状態”とし、後述する電源モードの切り替えは、この主開閉装置SWMを“投入状態”として行われる。
駆動系統41は、図3では2系統としているが、1系統のみとしても良いし、3系統以上を並列に備える構成としても良い。また、1台の主変換回路42で1台の主電動機Mに駆動電力を供給する、いわゆる1C1Mとしているが、これに限らず、1台の主変換回路42で2台以上の主電動機Mに駆動電力を供給する、いわゆる1C2Mや1C4M等であってもよい。
駆動系統41は、主開閉装置SWA,SWBと、主フィルタリアクトルFLと、主変換回路42と、主電動機Mとが直列に接続された構成を有する。主開閉装置SWA,SWBは、制御部CTR1からの制御信号WA,WBに従って、直流電力ラインと主変換回路42との切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。第1〜第3開閉装置SWA,SWBを接触器等を用いて構成する場合、例えば図4(a)に示すように、充電抵抗CDRと充電抵抗用接触器MKとの直列接続に、充電抵抗バイパス用接触器LBを並列に接続した構成を採用することができる。図4(a)の構成を採用する場合、投入時に、先に充電抵抗用接触器MKを投入状態とした後に、充電抵抗バイパス用接触器LBを後から投入する。これにより、投入時の主変換回路TCA,TCB内の主フィルタコンデンサへの突流を充電抵抗CDRによって防止することができる。また、図4(a)の回路の前段に高速度遮断器HBを更に直列に接続した回路構成を採用することもできる。主変換回路42は、例えばVVVFインバータであり、直流電力ラインに供給されている直流電力を三相交流電力に変換して主電動機Mに駆動電力として供給する。
補機回路43は、車内照明や空調などの補機および補機に電力を供給する回路(例えば、静止形インバータ)等を含む電気回路である。
蓄電部BTは、第2の電源システムであり、第1開閉装置SW1を介して直流電力ラインに接続されているとともに、第3開閉装置SW3を介してDC/DCコンバータ45の二次側に接続されている。蓄電部BTは、例えば、リチウムイオンバッテリ等のバッテリセルを複数接続したバッテリモジュールや、電気二重層キャパシタ(EDLC)、鉛蓄電池、リチウムイオンキャパシタ、スーパーキャパシタ等によって実現することができる。また、不図示であるが、蓄電部BTには電圧センサが並列接続されており、この電圧センサの計測値は、随時、制御部CTR1へ出力される。これにより、制御部CTR1は、蓄電部BTの電圧(充電電圧或いは放電電圧)を、随時、把握することができる。また、蓄電部BTの容量は任意に設計することができるが、例えば、連結された編成車両20が数百キロメートル程度の距離を走行するのに充分な容量に設計することが望ましい。
第1開閉装置SW1は、制御部CTR1からの制御信号W1に従って、直流電力ラインと蓄電部BTとの切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。第3開閉装置SW3は、制御部CTR1からの制御信号W3に従って、蓄電部BTとDC/DCコンバータ45の二次側との切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。
集電靴44は、架線とは異なる第2の電車線路である第三軌条(サードレール)から集電するための集電器である。集電靴44は、第4開閉装置SW4を介して、直流電力ラインに接続されている。第4開閉装置SW4は、制御部CTR1からの制御信号W4に従って、集電靴44と直流電力ラインとの切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。この集電靴44および第4開閉装置SW4によって第3の電源システムを形成し、制御部CTR1は、第4開閉装置SW4の開閉動作を制御することで、集電靴44による集電電力を直流電力ラインに供給するか否かを制御することができる。
DC/DCコンバータ45は、一次側と二次側との間の双方向の電圧変換が可能な電圧変換回路であり、一次側が第2開閉装置SW2を介して直流電力ラインに接続され、二次側が第3開閉装置SW3を介して蓄電部BTに接続されている。DC/DCコンバータ45は、制御部CTR1からの制御信号Eに従って、一次側の電力を所与の電圧の直流電力に変換して二次側に出力する、或いは、二次側の電力を所与の電圧の直流電力に変換して一次側に出力するといった、一次側と二次側との間の双方向の電圧変換動作を行う。
図4(b)に、DC/DCコンバータ45の回路構成の一例を示す。DC/DCコンバータ45は、中間コンデンサFCHを挟んで、一次側(左側)の回路と二次側(右側)の回路とを縦続接続して構成される。DC/DCコンバータ45の一次側および二次側には電圧センサおよび電流センサ(不図示である)が設けられており、これらのセンサの計測値は、随時、制御部CTR1へ出力される。これにより、制御部CTR1は、DC/DCコンバータ45の一次側および二次側の電圧および電流を随時把握することができ、これに基づいて、DC/DCコンバータ45の動作制御を行うことができる。
第2開閉装置SW2は、制御部CTR1からの制御信号W2に従って、直流電力ラインと、DC/DCコンバータ45の一次側との切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いた図4(a)の回路構成とすることができる。
また、主回路40には、直流電力ラインに流れる電流を計測する電流センサCTが設けられている。電流センサCTは、直流電力ラインにおける第4開閉装置SW4の接続箇所と補機回路43の接続箇所との間に、パンタグラフ14側から蓄電部BT側に向かう方向を正方向として流れる電流の大きさおよび向きを検知するように設けられており、検知した電流を検知電流I0として制御部CTR1に出力する。電流センサCTは、例えば変流器(CT:Current Transformer)によって実現することができる。制御部CTR1は、電源モードの切り替え制御の際に、この検知電流I0を参照してDC/DCコンバータ45の動作を制御することができる。
電源車用電気連結回路12は、第1接触器LB1と、第2接触器LB2と、第2抵抗器R2と、を有して構成される。第1接触器LB1は、一端側が引通し線30に接続され、他端側が電源車連結端子32に接続されている。第2接触器LB2および第2抵抗器R2は直列接続されて直列回路を形成し、一端側(第2抵抗器R2側)が電源車連結端子32および第1接触器LB1の他端側に接続され、他端側(第2接触器LB2側)が接地線に接続されている。接地線は、電源車10内に配線されており、車輪を通じてレールと電気的に接続されている。
図5は、編成車両20の駆動に係る主要な電気回路の構成図である。図5に示すように、編成車両20は、パンタグラフ24と、主回路60と、編成車両用電気連結回路22と、制御部CTR2とを備える。
制御部CTR2は、パンタグラフ24の昇降動作の制御の他、主回路60に係る各種機器および編成車両用電気連結回路22に制御信号を出力して各機器を統括的に制御するコントローラであり、独立した制御装置として構成してもよいし、制御ボードとして構成して既存の装置に組み込んで実現することもできる。制御部CTR2は、本実施形態の特徴の1つである電源車10と編成車両20との連結・解放に係る編成車両20側の制御を実施するが、その詳細は図面を参照して後述する。
パンタグラフ24は、電車線路である架線から集電するための集電器であり、制御部CTR2からの制御信号に従って、上昇して架線に接触して集電が可能な集電状態、および、下降して架線から離れて集電が不可能な非集電状態に遷移可能である。また、パンタグラフ24は、主開閉装置SWMを介して直流電力ラインに接続されているとともに、直接に引通し線30に接続されている。
主回路60は、主開閉装置SWMと、駆動系統61と、補機回路63と、を備える。
主開閉装置SWMは、制御部CTR2からの制御信号WMに従って、パンタグラフ24と直流電力ラインとの切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。本実施形態では、主回路60の起動後は、主開閉装置SWMを常時“投入状態”とし、後述する電源モードの切り替えは、この主開閉装置SWMを“投入状態”として行われる。
駆動系統61は、電源車10の駆動系統41と同様に、主開閉装置SWA,SWBと、主フィルタリアクトルFLと、主変換回路62と、主電動機Mと、が直列に接続された構成を有し、パンタグラフ24により集電された架線電力が主開閉装置SWA,SWBを介して供給される直流電力ラインに接続される。主開閉装置SWA,SWBは、例えば接触器を用いた図4(a)の回路構成とすることができる。主変換回路62は、直流電力ラインに供給されている直流電力を三相交流電力に変換して主電動機Mに駆動電力として供給する。
なお、補機回路63は、図5ではパンタグラフ24に直接に接続されるようにしているが、直流電力ラインに接続されるように構成しても良い。
編成車両用電気連結回路22は、第3接触器LB3と、第4接触器LB4と、第4抵抗器R4とを有して構成される。第3接触器LB3は、一端側が編成車両連結端子34に接続され、他端側が引通し線30に接続されている。編成車両20では、引通し線30は主開閉装置SWMを介して直流電力ラインに接続されており、直流電力ラインに接続された駆動系統61は、直流電力ラインに供給されている直流電力を変換する主変換回路62を有することから、第3接触器LB3の他端側は、主変換回路62への電力入力側に接続されているともいえる。第4接触器LB4および第4抵抗器R4は直列接続されて直列回路を形成し、一端側(第4抵抗器R4側)が編成車両連結端子34および第3接触器LB3の一端側に接続され、他端側(第4接触器LB4側)が接地線に接続されている。接地線は、編成車両20内に配線されており、車輪を通じてレールと電気的に接続されている。
なお、電源車10と編成車両20との連結の際には、電力供給のための引通し線30の連結に加えて、制御引通し線も連結されることで、制御部CTR1,CTR2の間で情報の送受信が可能となる。但し、制御引通し線およびその連結端子については、繁雑となるため図面に示していない。
[電気連結回路の制御手順]
次に、図6〜図13を参照して、電源車10と編成車両20との連結・解放に係る制御部CTR1,CTR2の制御動作を説明する。具体的には、図1に示したように、架線区間を走行してきた編成車両20が結節駅Aにおいて電源車10を連結し、非架線区間である第三軌条区間に乗り入れて走行する場合(図6参照)、および、電源車10を連結して非架線区間である第三軌条区間を走行してきた編成車両20が結節駅Bにおいて電源車10を解放し、架線区間に乗り入れて走行する場合(図10参照)、のそれぞれについて説明する。
次に、図6〜図13を参照して、電源車10と編成車両20との連結・解放に係る制御部CTR1,CTR2の制御動作を説明する。具体的には、図1に示したように、架線区間を走行してきた編成車両20が結節駅Aにおいて電源車10を連結し、非架線区間である第三軌条区間に乗り入れて走行する場合(図6参照)、および、電源車10を連結して非架線区間である第三軌条区間を走行してきた編成車両20が結節駅Bにおいて電源車10を解放し、架線区間に乗り入れて走行する場合(図10参照)、のそれぞれについて説明する。
(A)編成車両20に電源車10を連結
図6は、架線区間と第三軌条区間との結節駅において、編成車両に電源車を連結する際の制御手順の概要である。前提として、電源車10および編成車両20は、互いに接近して停車しており、連結可能な状態にあるとする。また、電源車10および編成車両20は、ともに第1のモードである架線モードであるとする(ステップA1)。つまり、電源車10においては、架線モードであるからパンタグラフ14は上昇しており、補機回路43にはパンタグラフ14による架線電力が供給されて補機類は動作可能或いは動作中である。また、電源車用電気連結回路12の第1接触器LB1が開放され、第2接触器LB2が投入されている。編成車両20においては、架線モードであるからパンタグラフ24は上昇しており、補機回路63には、パンタグラフ24による架線電力が供給されて補機類は動作可能或いは動作中である。また、編成車両用電気連結回路22の第3接触器LB3が開放され、第4接触器LB4が投入されている。
図6は、架線区間と第三軌条区間との結節駅において、編成車両に電源車を連結する際の制御手順の概要である。前提として、電源車10および編成車両20は、互いに接近して停車しており、連結可能な状態にあるとする。また、電源車10および編成車両20は、ともに第1のモードである架線モードであるとする(ステップA1)。つまり、電源車10においては、架線モードであるからパンタグラフ14は上昇しており、補機回路43にはパンタグラフ14による架線電力が供給されて補機類は動作可能或いは動作中である。また、電源車用電気連結回路12の第1接触器LB1が開放され、第2接触器LB2が投入されている。編成車両20においては、架線モードであるからパンタグラフ24は上昇しており、補機回路63には、パンタグラフ24による架線電力が供給されて補機類は動作可能或いは動作中である。また、編成車両用電気連結回路22の第3接触器LB3が開放され、第4接触器LB4が投入されている。
この状態において、先ず、連結処理を行う(ステップA3)。図7は、連結処理の制御手順である。左側に電源車10における処理を示し、右側に編成車両20における処理を示している。
連結処理では、先ず、電源車10において、制御部CTR1が、第1接触器LB1を開放し、第2接触器LB2を投入する(ステップB1)。また、編成車両20において、制御部CTR2が、第3接触器LB3を開放し、第4接触器LB4を投入する(ステップB3)。このステップB1〜B3が連結前ステップである。
その後、電源車10と編成車両20との連結作業が作業員によって行われる(ステップB5,B7)。この連結作業には、電源車連結端子32と編成車両連結端子34とを連結することによる引通し線30の連結のほか、機械連結器の連結や、空気ホースの連結、制御引通し線の連結といった連結作業も含む。このとき、もし仮に、残存していた電荷或いは何らかの原因で誘起された電荷によって連結端子32.34に電流が流れ得る場合があったとしても、接地→第2接触器LB2→第2抵抗器R2→電源車連結端子32→編成車両連結端子34→第4抵抗器R4→第4接触器LB4→接地、の閉回路が形成されており、更に、この閉回路中の抵抗器R2,R4で電荷が消費されるので、作業員の安全が確保される。このステップB5〜B7が連結工程である。
連結作業が終了すると、制御引通し線が連結されることで、制御部CTR1,CTR2の間で送受信が可能となり、制御部CTR1,CTR2の間で互いの制御手順の進行を確認しながら制御を進めていくことができる。
続いて、電源車10において、制御部CTR1が、第2接触器LB2を開放する(ステップB9)。また、編成車両20において、制御部CTR2が、第4接触器LB4を開放した後(ステップB11)、第3接触器LB3を投入する(ステップB13)。このステップB9〜B13が導通前ステップである。
その後、電源車10において、制御部CTR1が、編成車両20における引通し線30の電圧Vemuと、電源車10におけるパンタ点電圧Vpとが等しいことを確認した後(ステップB15)、第1接触器LB1を投入する(ステップB17)。このステップB15〜B17が導通ステップである。
この連結処理により、電源車10の引通し線30と編成車両20の引通し線30とが導通し、電源車10の引通し線30に供給されている架線電力が編成車両20にも供給される。つまり、編成車両20においては、パンタグラフ24により集電した架線電力と、引通し線30を介した電源車10からの供給電力と、が並列に給電されることになり、その電圧は、ともにパンタ点電圧で等しい。
連結処理が終了すると、続いて、第1のモードである架線モードから、第2のモードである蓄電池モードへの切り替え処理を行う(図6のステップA5)。図8は、架線モードから蓄電池モードへの切り替えの制御手順である。左側に電源車10における処理を示し、右側に編成車両20における処理を示している。初期状態として、架線モードであるので、電源車10においては、第1開閉装置SW1、第2開閉装置SW2および第3開閉装置SW3の全てが開放された状態にある。
先ず、電源車10において、制御部CTR1が、第2開閉装置SW2を投入する(ステップC1)。これにより、DC/DCコンバータ45の一次側およびDC/DCコンバータ45の中間コンデンサFCHにパンタ点電圧が印加される。次いで、制御部CTR1は、DC/DCコンバータ45の動作を開始させ、パンタ点電圧Vpよりも蓄電電圧Vbatが高い場合には、DC/DCコンバータ45の中間コンデンサFCHの電圧が蓄電電圧Vbatとなるように、蓄電部BT(第2の電源システム)の供給電力に基づく均圧制御を行わせる(ステップC3)。続いて、第3開閉装置SW3を投入する(ステップC5)。これにより、DC/DCコンバータ45の二次側に蓄電電圧Vbatが直接印加される。
続いて、制御部CTR1は、DC/DCコンバータ45の動作を変更し、既にパンタ点電圧Vpが印加されている一次側がパンタ点電圧Vpを維持しつつ、一次側に二次側の蓄電部BTからの電力を供給できるように、蓄電部BT(第2の電源システム)の供給電力に基づく均圧制御を行わせる(ステップC7)。これにより、直流電力ラインに並列に供給される架線電力および蓄電部BTの放電電力の電圧が、ともにパンタ点電圧Vpとなる。
その後、電源車10において、制御部CTR1は、パンタグラフ14を降下させる(ステップC9)。この電源車10におけるパンタグラフ14の降下の際には、DC/DCコンバータ45の通流率を制御することで、直流電力ラインとパンタグラフ14との間で流れる電流I0をゼロとするような無電流制御を行う。電流I0は、電流センサCTによって計測することができる。第3開閉装置SW3の投入により、蓄電部BTの放電電力が直流電力ラインへ供給された状態となり、その供給電圧はDC/DCコンバータ45の均圧動作によってパンタ点電圧Vpに制御されているが、実際のパンタ点電圧Vpと多少は異なるため、パンタグラフ14と架線とが離れる際に、直流電力ラインへの過渡的な架線電流の流出/流入が発生する可能性がある。このため、無電流制御によって、この過渡電流を抑制させるように制御するのである。これにより、電源車10においては、パンタグラフ14から直流電力ラインへの電力供給が遮断され、DC/DCコンバータ45を経由した蓄電部BTの放電電力(パンタ点電圧Vp)のみが直流電力ラインへ供給される状態となる。
また、編成車両20においても同様に、制御部CTR2は、パンタグラフ24を降下させる(ステップC11)。これにより、編成車両20においても同様に、パンタグラフ24から直流電力ラインへの電力供給が遮断され、引通し線30を介した電源車10からの供給電力のみが、直流電力ラインへ供給される状態となる。この電源車10からの供給電力は、電源車10の直流電力ラインに供給されている電力であるから、その供給電圧はパンタ点電圧Vpである。
続いて、電源車10において、制御部CTR1は、DC/DCコンバータ45の動作を変更し、一次側が蓄電電圧Vbatとなるように均圧制御を行わせる(ステップC13)。そして、第1開閉装置SW1を投入し(ステップC15)。DC/DCコンバータ45の動作を停止させた後(ステップC17)、第2開閉装置SW2を開放する(ステップC19)。これにより、電源車10において、蓄電部BTから直流電力ラインへの電力経路が、DC/DCコンバータ45を経由した経路から、経由しない経路(第1開閉装置SW1を経由する経路)に切り替わる。
以上の処理により、電源車10においてはパンタグラフ14が、編成車両20においてはパンタグラフ24が、それぞれ降下しており、蓄電部BTからの放電電力(蓄電電圧Vbat)のみが直流電力ラインに供給されている蓄電池モードに切り替えることができる。また、常時、補機回路43,63へは電力供給がなされているため、補機類は動作可能或いは動作中の状態が継続されている。
続いて、第2のモードである蓄電池モードから、第3のモードである第三軌条モードへの切り替え処理を行う(図6のステップA7)。図9は、蓄電池モードから第三軌条モードへの切り替えの制御手順である。この切り替えでは、編成車両20にてなされる処理はないため、電源車10における処理のみを示している。初期状態として、蓄電池モードであるので、電源車10においては、主開閉装置SWMおよび第1開閉装置SW1が投入され、第2開閉装置SW2および第3開閉装置SW3の少なくとも一方が開放された状態にある。
先ず、電源車10において、制御部CTR1は、第2開閉装置SW2を投入した後、第3開閉装置SW3を投入する(ステップD1)。その後、DC/DCコンバータ45の動作を開始させ、既に蓄電電圧Vbatが印加されている一次側が蓄電電圧Vbatを維持しつつ、一次側に二次側の蓄電部BTからの電力を供給できるように、蓄電部BT(第2の電源システム)の供給電力に基づく均圧動作を行わせる(ステップD3)。これにより、DC/DCコンバータ45の一次側および二次側に蓄電電圧Vbatが印加される。続いて、第1開閉装置SW1を開放する(ステップD5)。これにより、蓄電部BTから直流電力ラインへの電力経路が、DC/DCコンバータ45を経由する経路のみとなる。
次いで、DC/DCコンバータ45の動作を開始させ、一次側が第三軌条に接触する集電靴電圧Vtとなるように均圧動作を行わせる(ステップD7)。また、この均圧動作とともに、DC/DCコンバータ45の通流率を制御することで、蓄電部と集電靴との間の直流電力ライン部分に流れる電流I0をゼロとするようなゼロ電流制御を行う。電流I0は、電流センサCTによって計測することができる。
次いで、第4開閉装置SW4を投入する(ステップD9)。これにより、集電靴44による第三軌条からの集電電力(集電靴電圧Vt)が、直流電力ラインに供給されるようになる。つまり、直流電力ラインへは、蓄電部BTの放電電力と、集電靴44による第三軌条からの集電電力とが並列に供給された状態となり、その供給電圧はともに集電靴電圧Vtである。そして、DC/DCコンバータの動作を停止させた後(ステップD11)、第2開閉装置SW2を開放する(ステップD13)。これにより、蓄電部BTから直流電力ラインへの電力供給が停止される。
以上の処理により、電源車10において、パンタグラフ14が降下しており、集電靴44による第三軌条からの集電電力(集電靴電圧Vt)のみが直流電力ラインに供給されている第三軌条モードに切り替えることができる。また、常時、補機回路43,63へは電力供給がなされているため、補機類は動作可能或いは動作中の状態が継続されている。
(B)編成車両20から電源車10を解放
図10は、第三軌条区間と架線区間との結節駅において、編成車両20から電源車10を開放する際の制御手順の概要である。前提として、電源車10が編成車両20に連結されて停車しており、引通し線30を介して電源車10から編成車両20への電力供給がなされている状態にあるとする。また、電源車10および編成車両20は、ともに第3のモードである第三軌条モードであるとする(ステップE1)。
図10は、第三軌条区間と架線区間との結節駅において、編成車両20から電源車10を開放する際の制御手順の概要である。前提として、電源車10が編成車両20に連結されて停車しており、引通し線30を介して電源車10から編成車両20への電力供給がなされている状態にあるとする。また、電源車10および編成車両20は、ともに第3のモードである第三軌条モードであるとする(ステップE1)。
つまり、電源車10においては、第三軌条モードであるからパンタグラフ14は降下しており、補機回路43には、集電靴44よる第三軌条からの集電電力が供給されて補機類は動作可能或いは動作中である。また、電源車用電気連結回路12の第1接触器LB1が投入され、第2接触器LB2が開放されている。編成車両20においては、第三軌条モードであるからパンタグラフ24は降下しており、補機回路63には、電源車10から引通し線30を介して電力が供給されて補機類は動作可能或いは動作中である。また、編成車両用電気連結回路22の、第3接触器LB3が投入され、第4接触器LB4が開放されている。
この状態において、先ず、第三軌条モードから蓄電池モードへの切り替え処理を行う(ステップE3)。図11は、第三軌条モードから蓄電池モードへの切り替えの制御手順である。この切り替えでは、編成車両20にてなされる処理はないため、電源車10における処理のみを示している。初期状態として、第三軌条モードであるので、電源車10においては、主開閉装置SWMおよび第4開閉装置SW4が投入され、第2開閉装置SW2および第3開閉装置SW3の少なくとも一方が開放された状態にある。
先ず、電源車10において、制御部CTR1が、第2開閉装置SW2を投入する(ステップF1)。これにより、DC/DCコンバータ45の一次側に、直流電力ラインに供給されている集電靴電圧Vtが印加される。次いで、集電靴電圧Vtよりも蓄電電圧Vbatが高い場合には、DC/DCコンバータ45の動作を開始させ、DC/DCコンバータ45の中間コンデンサFCHの電圧が蓄電電圧Vbatとなるように、蓄電部BT(第2の電源システム)に基づく均圧制御を行わせる(ステップF3)。そして、第3開閉装置SW3を投入した後(ステップF5)、DC/DCコンバータ45の動作を変更し、既に集電靴電圧Vtが印加されている一次側が集電靴電圧Vtを維持しつつ、一次側に二次側の蓄電部BTからの電力を供給できるように、蓄電部BT(第2の電源システム)の供給電力に基づく均圧制御を行わせる(ステップF7)。これにより、集電靴44による第三軌条からの集電電力と、DC/DCコンバータ45を経由した蓄電部BTの放電電力とが、直流電力ラインに並列に供給されることになり、その供給電圧は、ともに集電靴電圧Vtである。
次に、第4開閉装置SW4を開放する(ステップF9)。これにより、電源車10においては、集電靴44による第三軌条からの集電電力の直流電力ラインへの電力供給が遮断され、DC/DCコンバータ45を経由した蓄電部BTの放電電力(集電靴電圧Vt)のみが直流電力ラインへ供給されることになる。
続いて、制御部CTR1は、DC/DCコンバータ45の動作を変更し、一次側が蓄電電圧Vbatとなるように均圧制御を行わせる(ステップF11)。そして、第1開閉装置SW1を投入し(ステップF13)、DC/DCコンバータ45の動作を停止させた後(ステップF15)、第2開閉装置SW2を開放する(ステップF17)。これにより、電源車10において、蓄電部BTから直流電力ラインへの電力経路が、DC/DCコンバータ45を経由した経路から、経由しない経路(第1開閉装置SW1を経由する経路)に切り替わる。
以上の処理により、電源車10において、パンタグラフ14が降下しており、蓄電部BTからの放電電力(蓄電電圧Vbat)のみが直流電力ラインに供給されている蓄電池モードに切り替えることができる。また、常時、補機回路43,63へは電力供給がなされているため、補機類は動作可能或いは動作中の状態が継続されている。
続いて、第2のモードである蓄電池モードから、第1のモードである架線モードへの切り替え処理を行う(ステップE5)。図12は、蓄電池モードから架線モードへの切り替えの制御手順である。左側に電源車10における処理を示し、右側に編成車両20における処理を示している。初期状態として、蓄電池モードであるので、電源車10においては、主開閉装置SWMおよび第1開閉装置SW1は投入され、第2開閉装置SW2および第3開閉装置SW3の少なくとも一方が開放された状態にある。
先ず、電源車10において、制御部CTR1が、第2開閉装置SW2を投入し、その後、第3開閉装置SW3を投入する(ステップG1)。その後、DC/DCコンバータ45の動作を開始させ、既に蓄電電圧Vbatが印加されている一次側が蓄電電圧Vbatを維持しつつ、一次側に二次側の蓄電部BTからの電力を供給できるように、蓄電部BT(第2の電源システム)の供給電力に基づく均圧制御を行わせる(ステップG3)。これにより、DC/DCコンバータ45の一次側に、蓄電電圧Vbatが印加される。次いで、第1開閉装置SW1を開放する(ステップG5)。これにより、蓄電部BTから直流電力ラインへの電力経路が、DC/DCコンバータ45を経由する経路に切り替わる。続いて、DC/DCコンバータ45の動作を開始させ、一次側がパンタ点電圧Vpとなるように均圧制御を行わせる(ステップG7)。その結果、直流電力ラインへの供給電力の電圧はパンタ点電圧Vpとなる。
その後、電源車10において、パンタグラフ14を上昇させる(ステップG9)。また、編成車両20においても同様に、パンタグラフ24を上昇させる(ステップG11)。これにより、電源車10においては、パンタグラフ14による架線電力と、DC/DCコンバータ45を経由した蓄電部BTの放電電力とが並列して直流電力ラインへ供給された状態となり、その供給電圧はともにパンタ点電圧Vpである。続いて、電源車10において、制御部CTR1が、DC/DCコンバータ45の動作を停止させた後(ステップG13)、第2開閉装置SW2を開放する(ステップG15)。これにより、蓄電部BTから直流電力ラインへの電力供給が遮断される。
以上の処理により、電源車10においてはパンタグラフ14が、編成車両20においてはパンタグラフ24が、それぞれ上昇しており、パンタグラフ14による架線電力およびパンタグラフ24による架線電力(何れもパンタ点電圧Vp)が直流電力ラインに供給されている架線モードに切り替えることができる。また、常時、補機回路43,63へは電力供給がなされているため、補機類は動作可能或いは動作中の状態が継続されている。
続いて、連結解放処理を行う(ステップE7)。図13は、連結解放処理の制御手順である。左側に電源車10における処理を示し、右側に編成車両20における処理を示している。
先ず、編成車両20において、制御部CTR2が、第3接触器LB3を開放する(ステップH1)。このとき、引通し線30には、パンタグラフ14,24の両方から架線電圧Vpが印加されており、第3接触器LB3の両端が同電位であることから、第3接触器LB3は無電流、或いはそれに近い微小電流による開放となる。次いで、電源車10において、制御部CTR1が、第1接触器LB1を開放する(ステップH3)。この場合は無負荷のため、第1接触器LB1は無電流での開放となる。続いて、編成車両20において、制御部CTR2が、第4接触器LB4を投入する(ステップH5)。そして、電源車10において、制御部CTR1が、第2接触器LB2を投入する(ステップH7)。
その後、編成車両20から電源車10を解放する解放作業が作業員によって行われる(ステップH9,H11)。この解放作業には、電源車連結端子32と編成車両連結端子34とを解放することによる引通し線30の解放のほか、機械連結器の解放や、空気ホースの解放、制御引通し線の解放といった解放作業も含まれる。このとき、もし仮に、残存していた電荷或いは何らかの原因で誘起された電荷によって連結端子32,34に電流が流れる場合があったとしても、接地→第2接触器LB2→第2抵抗器R2→電源車連結端子32→編成車両連結端子34→第4抵抗器R4→第4接触器LB4→接地、の閉回路が形成されており、更に、この閉回路中の抵抗器R2,R4で電荷が消費されるので、作業員の安全が確保される。また、この解放作業によって制御引通し線も解放されることから、以降は、制御部CTR1,CTR2間の情報の送受信が不可能となる。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、電源車用電気連結回路12を備えた電源車10を、編成車両用電気連結回路22を備えた編成車両20に連結し、電源車用電気連結回路12と編成車両用電気連結回路22とを連結することで、電源車10から編成車両20に電力を供給することができるようになる。つまり、電源車10は、電車線路である架線から集電器であるパンタグラフ14によって集電した架線電力、第2の電源システムである蓄電部BTの蓄電電力、第2の電車線路である第三軌条から第2の集電器である集電靴44によって集電した電力、に基づいて主電動機Mを駆動して走行可能であるともに、この電力を、連結された編成車両20に引通し線30を介して供給することができる。従って、電車線路である架線から集電器であるパンタグラフ24によって集電した架線電力に基づき主電動機Mを駆動する電気車である編成車両20が、架線が設けられていない非架線区間を走行するに際して、編成車両20に電源車10を連結することで、編成車両20は電源車10からの供給電力をもとに走行することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、電源車用電気連結回路12を備えた電源車10を、編成車両用電気連結回路22を備えた編成車両20に連結し、電源車用電気連結回路12と編成車両用電気連結回路22とを連結することで、電源車10から編成車両20に電力を供給することができるようになる。つまり、電源車10は、電車線路である架線から集電器であるパンタグラフ14によって集電した架線電力、第2の電源システムである蓄電部BTの蓄電電力、第2の電車線路である第三軌条から第2の集電器である集電靴44によって集電した電力、に基づいて主電動機Mを駆動して走行可能であるともに、この電力を、連結された編成車両20に引通し線30を介して供給することができる。従って、電車線路である架線から集電器であるパンタグラフ24によって集電した架線電力に基づき主電動機Mを駆動する電気車である編成車両20が、架線が設けられていない非架線区間を走行するに際して、編成車両20に電源車10を連結することで、編成車両20は電源車10からの供給電力をもとに走行することが可能となる。
また、電源車10と編成車両20との連結の際、電源車10に設けられた電源車用電気連結回路12と編成車両20に設けられた編成車両用電気連結回路22とを定められた手順で制御することで、電源車10と編成車両20との連結・解放を、作業員の安全を確保して行うことができる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)第2の電源システムおよび第3の電源システム
上述の実施形態では、電源車10は、第2の電源システムとして蓄電部BTを、第3の電源システムとして第三軌条式の集電靴44を、備えることとしたが、これ以外の電源システムとしても良い。
上述の実施形態では、電源車10は、第2の電源システムとして蓄電部BTを、第3の電源システムとして第三軌条式の集電靴44を、備えることとしたが、これ以外の電源システムとしても良い。
例えば、実施形態とは逆に、第2の電源システムを集電靴44とし、第3の電源システムを蓄電部BTとしても良い。
或いは、図14(a)に示すように、交流電化区間においてパンタグラフ14によって集電した交流の架線電力を、直流電力に変換して直流電力ラインに供給するような電源システムを第2の電源システムまたは第3の電源システムとしても良い。この電源システムは、真空遮断器51と、変圧器52と、PWM整流器53とを備える。
或いは、図14(b)に示すように、非接触給電方式の電源システムを第2の電源システムまたは第3の電源システムとしてもよい。非接触給電方式には、電磁誘導式や電磁界共鳴式などがある。この電源システムは、例えば地上側の設備として、駅や電源車10の留置場に給電コイルが設置されたり、非架線区間の沿線に連続的或いは断続的に給電コイルが設置されている場合に、電源車10側に、この設置された給電コイルから集電するための受電コイル55と、高速度遮断器56と、共振コンデンサ57と、PWM整流器58とを備えて構成される。例えば、第2の電源システムを蓄電部BTとし、非接触給電方式の電源システムを第3の電源システムとして、給電コイルが駅や電源車10の留置場に設置されている場合には、電源車10が駅や留置場に停車中に第3の電源システムを通じて第2の電源システムの蓄電部BTを充電し、走行中は第2の電源システムで走行する、といった形態を採用することができる。
或いは、図14(c)に示すように、蓄電部BTの置き換えとして、超電導磁気エネルギー貯蔵装置SMES(Superconducting Magnetic Energy Storage)を用いてもよい。この電源システムは、超電導コイル71と、高速度遮断器72と、DC/DCコンバータ73を備えて構成される。また、この電源システムは、例えば、蓄電部BTに並列接続して第2の蓄電部として用いることもできる。
また、第3の電源システムを備えず、第2の電源システムのみを備えるようにしても良いし、更に上述した各種の電源システムを第4の電源システムとして備えるようにしても良い。
(B)集電器
上述の実施形態では、編成車両20は、電力供給方式として架線式に対応する電気車であり、電車線路である架線から集電するための集電器であるパンタグラフ24を備えることとしたが、例えば第三軌条式といった他の電力供給方式に対応する電気車としても良い、この場合、電源車10も、編成車両20と共通の電車線路から集電する電力供給方式に対応している必要がある。
上述の実施形態では、編成車両20は、電力供給方式として架線式に対応する電気車であり、電車線路である架線から集電するための集電器であるパンタグラフ24を備えることとしたが、例えば第三軌条式といった他の電力供給方式に対応する電気車としても良い、この場合、電源車10も、編成車両20と共通の電車線路から集電する電力供給方式に対応している必要がある。
例えば、第三軌条式に対応する電気車とした場合、編成車両20は、パンタグラフ24に替えて、第三軌条から集電するための集電靴を集電器として備えて構成される。そして、電源車10も、パンタグラフ14に替えて集電靴を集電器として備えて構成される。この場合、電源車10は、第2の電源システムおよび第3の電源システムとして、蓄電部やパンタグラフを備えるようにすればよい。
10…電源車
12…電源車用電気連結回路
LB1…第1接触器、LB2…第2接触器、R2…第2抵抗器
14…パンタグラフ
40…主回路
SWM…主開閉装置
41…駆動系統、
SWA,SWB…主開閉装置、42…主変換回路、M…主電動機
43…補機回路
44…集電靴
45…DC/DCコンバータ
SW1…第1開閉装置、SW2…第2開閉装置
SW3…第3開閉装置、SW4…第4開閉装置
BT…蓄電池、
CTR1…制御部
20…編成車両
22…編成車両用電気連結回路
LB3…第3接触器、LB4…第4接触器、R4…第4抵抗器
24…パンタグラフ
60…主回路
SWM…主開閉装置
61…駆動系統
SWA,SWB…主開閉装置、62…主変換回路、M…主電動機
63…補機回路
CTR2…制御部
30…引通し線
32…電源車連結端子、34…編成車両連結端子
12…電源車用電気連結回路
LB1…第1接触器、LB2…第2接触器、R2…第2抵抗器
14…パンタグラフ
40…主回路
SWM…主開閉装置
41…駆動系統、
SWA,SWB…主開閉装置、42…主変換回路、M…主電動機
43…補機回路
44…集電靴
45…DC/DCコンバータ
SW1…第1開閉装置、SW2…第2開閉装置
SW3…第3開閉装置、SW4…第4開閉装置
BT…蓄電池、
CTR1…制御部
20…編成車両
22…編成車両用電気連結回路
LB3…第3接触器、LB4…第4接触器、R4…第4抵抗器
24…パンタグラフ
60…主回路
SWM…主開閉装置
61…駆動系統
SWA,SWB…主開閉装置、62…主変換回路、M…主電動機
63…補機回路
CTR2…制御部
30…引通し線
32…電源車連結端子、34…編成車両連結端子
Claims (14)
- 一端側が、引通し線に接続され、他端側が、電源車連結端子に接続された電源車連結用第1接触器と、
抵抗器及び電源車連結用第2接触器の直列回路であって、一端側が、前記電源車連結用第1接触器の他端側及び前記電源車連結端子に接続され、他端側が、接地線に接続された直列回路と、
を備えた電源車用電気連結回路。 - 請求項1に記載の電源車用電気連結回路を備えた電源車。
- 請求項1に記載の電源車用電気連結回路と、
主電動機と、
主開閉装置を介して前記引通し線に接続された直流電力ラインに接続され、前記直流電力ラインに供給される電力に基づいて前記主電動機に駆動電力を供給する主変換回路と、
前記直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路と、
前記引通し線に供給される電力を電車線路から集電するための集電器と、
第2の電源システムと、
一端側が前記第2の電源システムに接続され、他端側が前記直流電力ラインに接続された第1開閉装置と、
一次側と二次側との間の双方向の電圧変換が可能な電圧変換回路と、
一端側が前記直流電力ラインに接続され、他端側が前記電圧変換回路の一次側に接続された第2開閉装置と、
一端側が前記第2の電源システムに接続され、他端側が前記電圧変換回路の二次側に接続された第3開閉装置と、
前記主開閉装置、前記第1開閉装置、前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置の投入/開放と、前記電圧変換回路の動作とを制御することで、前記電車線路から集電される電力をもとに走行する第1のモードと、前記第2の電源システムから供給される電力をもとに走行する第2のモードとを切り替える制御部と、
を備えた電源車。 - 前記第2の電源システムは、蓄電部である、
請求項3に記載の電源車。 - 前記第2の電源システムは、前記電車線路とは異なる第2の電車線路から電力を集電する第2の集電器を有する、
請求項3に記載の電源車。 - 直流電力を前記直流電力ラインに供給するか否かを前記制御部により制御可能な第3の電源システム、
を更に備え、
前記制御部は、更に、前記第3の電源システムによる前記直流電力ラインへの直流電力の供給を制御することで、前記第3の電源システムから供給される電力をもとに走行する第3のモードに切り替える制御を行う、
請求項3〜5の何れか一項に記載の電源車。 - 前記電車線路とは異なる第2の電車線路から集電するための第2の集電器を有し、直流電力を前記直流電力ラインに供給するか否かを前記制御部により制御可能な第3の電源システム、
を更に備え、
前記制御部は、更に、前記第3の電源システムによる前記直流電力ラインへの直流電力の供給を制御することで、前記第3の電源システムから供給される電力をもとに走行する第3のモードに切り替える制御を行う、
請求項4に記載の電源車。 - 前記制御部は、
前記第1のモードから前記第3のモードへの切り替えの際に、一時的に前記第2のモードへ切り替えた後に前記第3のモードへ切り替える制御を行い、
前記第3のモードから前記第1のモードへの切り替えの際に、一時的に前記第2のモードへ切り替えた後に前記第1のモードへ切り替える制御を行う、
請求項6又は7に記載の電源車。 - 請求項3〜8の何れか一項に記載の電源車において、
前記制御部は、前記主開閉装置が投入され、前記第1開閉装置、前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置が開放された状態の前記第1のモードから、前記第2のモードに切り替える場合に、
前記第2開閉装置を投入し、前記電車線路の電圧が前記第2の電源システムの供給電圧より低い場合に、前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること、
前記第3開閉装置を投入し、前記一次側の電圧が前記電車線路の電圧となるように均圧制御すること、
前記集電器を非集電状態に遷移させる、或いは、前記集電器の集電電力の前記引通し線への供給を遮断する制御を行うこと、
前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること、
前記第1開閉装置を投入すること、
前記電圧変換回路の動作停止と、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置の開放とを行うこと、
の順に実行制御する、
電源車。 - 請求項3〜9の何れか一項に記載の電源車において、
前記制御部は、前記主開閉装置及び前記第1開閉装置が投入され、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置が開放された状態の前記第2のモードから、前記第1のモードに切り替える場合に、
前記第2開閉装置及び前記第3開閉装置を投入した状態とした後、前記電圧変換回路を前記第2の電源システムの供給電力に基づいて均圧制御すること、
前記第1開閉装置を開放すること、
前記一次側の電圧が前記電車線路の電圧となるように均圧制御すること、
前記集電器を集電状態に遷移させる、或いは、前記集電器の集電電力の前記引通し線への供給を開始させる制御を行うこと、
前記電圧変換回路の動作停止と、前記第2開閉装置及び/又は前記第3開閉装置の開放とを行うこと、
の順に実行制御する、
電源車。 - 請求項2〜10の何れか一項に記載の電源車と、編成車両とを連結して前記電源車から前記編成車両へ電力を供給するための前記編成車両に設けられた編成車両用電気連結回路であって、
前記編成車両は、主電動機と、当該編成車両に設けられた集電器による電車線路からの集電電力に基づき前記主電動機を駆動する主変換回路と、を備えており、
一端側が、編成車両連結端子に接続され、他端側が、前記編成車両の前記主変換回路への電力入力側に接続された編成車両連結用第1接触器と、
抵抗器及び編成車両連結用第2接触器の直列回路であって、一端側が、前記編成車両連結用第1接触器の一端側及び前記編成車両連結端子に接続され、他端側が、接地線に接続された直列回路と、
を備えた編成車両用電気連結回路。 - 請求項11に記載の編成車両用電気連結回路を備えた編成車両。
- 請求項1に記載の電源車用電気連結回路と、請求項11に記載の編成車両用電気連結回路とを連結する際の制御方法であって、
前記電源車連結端子と前記編成車両連結端子との連結を行う連結工程の前に、前記電源車連結用第1接触器及び前記編成車両連結用第1接触器を開放とし、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器を投入とする連結前ステップと、
前記連結工程の後に、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器の開放を行った後に、前記編成車両連結用第1接触器の投入を行う導通前ステップと、
前記導通前ステップの後に、前記電源車連結用第1接触器の投入を行う導通ステップと、
を含む制御方法。 - 請求項1に記載の電源車用電気連結回路と、請求項11に記載の編成車両用電気連結回路との連結を解放する際の制御方法であって、
前記電源車連結端子と前記編成車両連結端子との連結の解放を行う連結解放工程の前に、
前記編成車両連結用第1接触器の開放を行った後に、前記電源車連結用第1接触器の開放を行う導通遮断ステップと、
前記導通遮断ステップの後に、前記電源車連結用第2接触器及び前記編成車両連結用第2接触器の投入を行う接地接続ステップと、
を行う制御方法。
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JP2018185512A JP2020058105A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 電源車用電気連結回路、電源車、編成車両用電気連結回路、編成車両および制御方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220024496A1 (en) * | 2020-07-27 | 2022-01-27 | Alstom Transport Technologies | Traction assembly including a locomotive and a tender and associated method |
EP4101681A1 (en) * | 2021-06-08 | 2022-12-14 | Volvo Truck Corporation | A control system for controlling electrical power distribution of a vehicle formation |
WO2024009488A1 (ja) * | 2022-07-08 | 2024-01-11 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 電気自動車 |
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2018
- 2018-09-28 JP JP2018185512A patent/JP2020058105A/ja active Pending
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