JP2020055759A - Foxk1阻害剤を含有する組成物及びfoxk1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より強力なFOXK1阻害剤を提供することを課題とする。また、本発明は、FOXK1阻害作用を有する候補物質をスクリーニングすることを課題とする。【解決手段】明細書に記載の化合物を提供する。被験物質と接触した細胞における、CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値を取得する工程、及び前記測定値が、被験物質を接触させない場合のCCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値よりも低い場合に、前記被験物質がFOXK1阻害作用を有する候補物質であると決定する工程を含む、FOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法を提供する。【選択図】なし
Description
本開示は、FOXK1阻害剤を含有する組成物及びFOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法に関する。
腫瘍細胞及び周囲の間質細胞は、癌発展を促進する多様な増殖因子、サイトカイン及びケモカインを分泌する(非特許文献1、2)。ケモカインは、免疫細胞の腫瘍部位への補充に加えて、腫瘍発展及び悪化を促進する。ケモカインC−Cモチーフリガンド2(CCL2)[単球走化性タンパク質(MCP−1)としても知られる]は、その受容体CCR2との相互作用を通じて、単球、マクロファージおよび他の炎症性細胞の炎症部位への補充を制御する(非特許文献3)。CCL2はまた、乳がんのマウスにおいて、肺転移の部位への単球−マクロファージの補充にも寄与し、そして次いで、腫瘍増殖を促進する(非特許文献4)。マウス癌モデルにおける、CCL2に対する中和抗体の全身投与は、腫瘍増殖の顕著な減弱、腫瘍血管密度の減少、及び転移の阻害を生じている(非特許文献4〜8)。
CCL2の発現には、従来からNF−κBを介する情報伝達経路が関与していることが報告されてきた。しかし、近年、mTORC1−FOXK1情報伝達経路もまたCCL2の発現を誘導することが報告されている(非特許文献9)。さらに、mTORC1−FOXK1情報伝達経路を介したCCL2の発現は、ラパマイシン又はTorin 1処理により減弱することが示されている(非特許文献9)。
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上述の通り、CCL2を阻害することは、腫瘍の治療、特に悪性腫瘍の治療において有効であると考えられる。しかし、非特許文献9に示されるラパマイシン又はTorin 1処理では、FOXK1の脱リン酸化が完全に抑えられてはいない。
本発明は、より強力なFOXK1阻害剤を提供することを課題とする。また、本発明は、FOXK1阻害作用を有する候補物質をスクリーニングすることを課題とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねたところ、ラパマイシン又はTorin 1よりも阻害活性の強いFOXK1阻害剤を見出した。
本発明は、当該知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を含む。
項1.FOXK1阻害剤を含有する組成物。
項2.FOXK1によるCCL2の発現を阻害するための組成物である、項1に記載の組成物。
項3.腫瘍を予防、及び/又は治療するための医薬組成物である、項1又は2に記載の組成物。
項4.前記FOXK1阻害剤が、図1−1から図1−33、図2−1から図2−4、図3−1から図3−20、図4−1、図4−2、下式で表される化合物及びこれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1から3のいずれか一項に記載の組成物:
。
項5.被験物質と接触した細胞における、CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値を取得する工程、及び前記測定値が、被験物質を接触させない場合のCCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値よりも低い場合に、前記被験物質がFOXK1阻害作用を有する候補物質であると決定する工程を含む、FOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法。
項6.測定値を取得する工程の前に、細胞と被験物質とを接触させる工程、を含む、項5に記載のスクリーニング方法。
項7.前記細胞が、mTORC1を介する情報伝達経路が活性化しており、及び/又はNF−κBを介する情報伝達経路が阻害されている、項5又は6に記載のスクリーニング方法。
項8.前記CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値が、レポーターアッセイによる測定値である、項5から7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
項9.前記CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値が、mRNAの発現量である、項5から7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
本発明は、当該知見に基づいて完成されたものであり、以下の態様を含む。
項1.FOXK1阻害剤を含有する組成物。
項2.FOXK1によるCCL2の発現を阻害するための組成物である、項1に記載の組成物。
項3.腫瘍を予防、及び/又は治療するための医薬組成物である、項1又は2に記載の組成物。
項4.前記FOXK1阻害剤が、図1−1から図1−33、図2−1から図2−4、図3−1から図3−20、図4−1、図4−2、下式で表される化合物及びこれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1から3のいずれか一項に記載の組成物:
項5.被験物質と接触した細胞における、CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値を取得する工程、及び前記測定値が、被験物質を接触させない場合のCCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値よりも低い場合に、前記被験物質がFOXK1阻害作用を有する候補物質であると決定する工程を含む、FOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法。
項6.測定値を取得する工程の前に、細胞と被験物質とを接触させる工程、を含む、項5に記載のスクリーニング方法。
項7.前記細胞が、mTORC1を介する情報伝達経路が活性化しており、及び/又はNF−κBを介する情報伝達経路が阻害されている、項5又は6に記載のスクリーニング方法。
項8.前記CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値が、レポーターアッセイによる測定値である、項5から7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
項9.前記CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値が、mRNAの発現量である、項5から7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
FOXK1阻害剤を提供することができる。FOXK1阻害作用を有する候補物質をスクリーニングすることができる。
1.組成物
本開示は、一実施形態として、FOXK1阻害剤を含有する組成物を含む。前記組成物は医薬組成物、又は飲食品組成物を含む。前記医薬組成物は好ましくは腫瘍を予防及び/又は治療するために使用され得る。前記飲食品組成物は、腫瘍を予防するために使用されうる。
本開示は、一実施形態として、FOXK1阻害剤を含有する組成物を含む。前記組成物は医薬組成物、又は飲食品組成物を含む。前記医薬組成物は好ましくは腫瘍を予防及び/又は治療するために使用され得る。前記飲食品組成物は、腫瘍を予防するために使用されうる。
本開示においてFOXK1(forkhead box K1)は、例えば、NCBI Reference Sequence:XM_011515191.3、XM_024446685.1、NM_001037165.1に示されるmRNA、これらのスプライシングバリアント、及びこれらのオーソログから翻訳されるタンパク質を意図する。
本開示においてCCL2(C−C モチーフケモカインリガンド 2)は、例えば、NCBI Reference Sequence:NM_002982.3に示されるmRNA、これらのスプライシングバリアント、及びこれらのオーソログから翻訳されるタンパク質を意図する。
前記組成物は、FOXK1の機能を阻害する限り制限されない。好ましくは、FOXK1を介したCCL2の発現を抑制する組成物である。
前記組成物は、FOXK1の機能を阻害する限り制限されない。好ましくは、FOXK1を介したCCL2の発現を抑制する組成物である。
より好ましくは、前記組成物は、腫瘍の予防及び/又は治療に使用される医薬組成物である。或いは、前記組成物は腫瘍を予防するために使用される飲食品組成物である。
ここで「治療」には、腫瘍細胞を死滅させること、腫瘍細胞の増殖を抑制すること、腫瘍細胞の浸潤若しくは転移を抑制すること等が含まれる。また、「予防」には、腫瘍の発生を防止すること、治療(化学療法、切除手術、放射線療法を含む)後の腫瘍の再発を抑制すること、予後を良好若しくは改善すること等が含まれる。
腫瘍には、非上皮性及び上皮性の悪性腫瘍のいずれもが含まれる。好ましくは、気管、気管支又は肺等から発生する呼吸器系悪性腫瘍;上咽頭、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、S状結腸、直腸又は肛門部等から発生する消化管系悪性腫瘍;肝臓癌;膵臓癌;膀胱、尿管又は腎臓から発生する泌尿器系悪性腫瘍;卵巣、卵管及び子宮等から発生する女性生殖器系悪性腫瘍;乳癌:前立腺癌;皮膚癌;視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎等の内分泌系悪性腫瘍;中枢神経系悪性腫瘍;骨軟部組織から発生する悪性腫瘍等の固形腫瘍、及び骨髄異形成症候群、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、慢性単球性白血病、急性全骨髄性白血病、急性巨核球性白血病、赤白血病、好酸球性白血病、慢性好酸球性白血病、慢性好中球性白血病、成人T細胞白血病、ヘアリー細胞白血病、形質細胞性白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫等の造血系悪性腫瘍;リンパ系悪性腫瘍等の造血器腫瘍が挙げられる。より好ましくは、卵巣癌、乳癌、胃癌、上行結腸、横行結腸、S状結腸、又は直腸を原発とする大腸癌等である。固形腫瘍として最も好ましくは、卵巣癌、乳癌、胃癌である。
FOXK1阻害剤は、FOXK1の機能を阻害する限り制限されない。好ましくは、FOXK1を介したCCL2の発現を抑制する物質である。
例えば、FOXK1阻害剤として図1−1から図1−33、図2−1から図2−4、図3−1から図3−20、図4−1、図4−2、下式で表される化合物及びこれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる:
本開示において薬学的に許容される塩とは、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩、硫化物塩等を挙げることができる。
(1)医薬組成物
医薬組成物は、上記FOXK1阻害剤と適当な担体又は添加剤を組み合わせて調製することができる。当該医薬組成物の調製に用いられる担体や添加剤としては、医薬組成物の剤形に応じて通常の薬剤に汎用される各種のもの、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤等を例示できる。
医薬組成物は、上記FOXK1阻害剤と適当な担体又は添加剤を組み合わせて調製することができる。当該医薬組成物の調製に用いられる担体や添加剤としては、医薬組成物の剤形に応じて通常の薬剤に汎用される各種のもの、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤等を例示できる。
また、FOXK1阻害剤がペプチド、抗体、抗体フラグメント、RNA分子、プラスミドベクター等の場合には、上記担体としてポリマー、脂質、磁気等を含むトランスフェクション試薬を使用してもよい。
上記医薬組成物が経口投与されるものである場合の剤形は、特に制限されないが、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(硬質カプセル剤及び軟質カプセル剤を含む)、液剤、丸剤、懸濁剤、及び乳剤等を例示できる。また上記医薬組成物が、非経口投与されるものである場合には、注射剤、点滴剤、坐剤、点鼻剤、及び経肺投与剤等を例示できる。
上記医薬組成物が、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤等の経口用固形組成物である場合の調製に際しては、担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等の賦形剤;単シロップ、プドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、水、エタノール、リン酸カリウム等の結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリン酸、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーティング錠、二重錠、多層錠等とすることができる。
上記医薬組成物が、丸剤の経口用固形組成物である場合の調製に際しては、担体として、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン等の結合剤;ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
上記医薬組成物が、カプセル剤の経口用固形組成物である場合の調製に際しては、カプセル剤はFOXK1阻害剤を上記で例示した各種の担体と混合し、硬質カプセル、又は軟質カプセル等に充填して調製される。
上記製剤が液剤の場合には、水性又は油性の懸濁液、溶液、シロップ、エリキシル剤であってもよく、通常の添加剤を用いて常法に従い、調製される。
上記製剤が液剤の場合には、水性又は油性の懸濁液、溶液、シロップ、エリキシル剤であってもよく、通常の添加剤を用いて常法に従い、調製される。
上記医薬組成物が注射剤の場合の調製に際しては、担体として例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等の希釈剤;クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤;リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の緩衝剤;ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等の安定化剤;凍結乾燥した際の成形剤として例えばマンニトール、イノシトール、マルトース、シュクロース、ラクトース等の糖類を使用できる。なお、この場合等張性の溶液を調整するに十分な量のブドウ糖或いはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、無痛化剤、局所麻酔剤等を添加しても良い。これらの担体を添加して、常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤を製造することができる。
上記医薬組成物が点滴剤の場合には、投与化合物を生理食塩水、リンゲル液等を基本とした等張電解質輸液製剤に溶解して調製することができる。
上記医薬組成物が点滴剤の場合には、投与化合物を生理食塩水、リンゲル液等を基本とした等張電解質輸液製剤に溶解して調製することができる。
医薬組成物の投与量としては、剤型、患者の年齢、性別、病状の程度等によって適宜設定され得るが、例えば、上記有効成分の量に換算して成人(15才以上)(体重約60kgとして計算する)1日量あたり0.1〜1,000mg/kg程度、好ましくは0.5〜500mg/kg程度である。
医薬組成物は、他の抗腫瘍療法と組み合わせて使用することができる。他の抗腫瘍療法として、外科的切除(手術切除、内視鏡切除を含む)、化学療法、放射線療法を挙げることができる。
化学療法を行う場合には、上述したFOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤を使用することができる。抗腫瘍剤として、一般に抗がん剤として使用されるものを挙げることができる。抗癌剤は、例えばアルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍性抗生物質、微小血管阻害薬、ホルモン又はホルモン類似薬、白金製剤、トポイソメラーゼ阻害薬、サイトカイン、抗体薬、放射免疫療法薬、分子標的薬、非特異的免疫活薬、及びその他の抗腫瘍剤の中から、対象とする腫瘍に応じて適宜選択することができる。
ここで制限はされないものの、アルキル化薬としては、例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、ブスルファン、メルファラン、ベンダムスチン塩酸塩、ニムスチン塩酸塩、ラニムスチン、ダガルバジン、プロカルバジン塩酸塩テモゾロミド等;代謝拮抗薬としては、メトトレキサート、ペメトレキセドナトリウム、フルオロウラシル、ドキシフルリジン、カペシタビン、テガフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート水和物、エノシタビン、ゲムシタビン塩酸塩、メルカプトプリン水和物、フルダラビンリン酸エステル、ネララビン、ペントスタチン、クラドリビン、レボホリナートカルシウム、ホリナートカルシウム、ヒドロキシカルバミド、L−アスパラギナーゼ、アザシチジン等;抗腫瘍性抗生物質としては、ドキソルビシン塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩、ピラルビシン、エピルビシン塩酸塩、イダルビシン塩酸塩、アクラルビシン塩酸塩、アムルビシン塩酸塩、ミトキサントロン塩酸塩、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、ペプロマイシン硫酸塩、ジノスタチンスチラマー等;微小血管阻害薬としては、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ビンデシン硫酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、パクリタキセル、ドセタキセル水和物、エリブリンメシル酸塩等;ホルモン又はホルモン類似薬(ホルモン剤)としては、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、タモキシフェンクエン酸塩、トレミフェンクエン酸塩、フルベストラント、フルタミド、ビカルタミド、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物、ゴセレリン酢酸塩、リュープロレリン酢酸塩等;白金製剤としては、シスプラチン、ミリプラチン水和物、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン等;トポイソメラーゼ阻害薬としては、イリノテカン塩酸塩水和物、及びノギテカン塩酸塩等のトポイソメラーゼI阻害薬、並びにエトポシド、及びソブゾキサン等のトポイソメラーゼII阻害薬;サイトカインとしては、インターフェロンガンマ−1a、テセロイキン、セルモロイキン等;抗体薬としては、トラスツズマブ、リツキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、アレムツズマブ等;放射免疫療法薬としては、イブリツモマブ、チウキセタン配合剤等;分子標的薬としては、ゲフィチニブ、イマチニブメシル酸塩、ボルテゾミブ、エルロチニブ塩酸塩、ソラフェニブトシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、サリドマイド、ニロチニブ塩酸塩水和物、ダサチニブ水和物、ラパチニブトシル酸塩水和物、エベロリムス、レナリドミド水和物、デキサメタゾン、テムシロリムス、ボリノスタット、トレチノイン、及びタミバロテン等;非特異的免疫活薬としては、OK−432、乾燥BCG、かわらたけ多糖体製剤、レンチナン、ウベニメクス等;その他、アセグラトン、ポルフィマーナトリウム、タラポルフィンナトリウム、エタノール、三酸化ヒ素等を例示することができる。制限はされないものの、作用効果の点から好ましくは代謝拮抗薬を挙げることができ、また副作用が少ない点から好ましくは分子標的薬、抗体薬を挙げることができる。
分子標的薬としては、造血器腫瘍を対象とする場合には、イマチニブメシル酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ダサチニブ水和物が好ましく、固形腫瘍を対象とする場合には、ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩、ラパチニブトシル酸塩水和物が好ましい。特に好ましくは、イマチニブメシル酸塩である。
抗体薬として、好ましくはトラスツズマブ、パニツムマブであり、特に好ましくはトラスツズマブである。
抗体薬として、好ましくはトラスツズマブ、パニツムマブであり、特に好ましくはトラスツズマブである。
本発明の医薬組成物とFOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤とを併用(組み合わせ)する態様は、特に制限されない。例えば、本発明の医薬組成物はFOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤を含んでいてもよいし、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤の投与と同時に本発明の医薬組成物を並行して投与してもよい。またFOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤の投与に先立って、又はFOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤の投与後に本発明の医薬組成物を投与してもよい。この場合、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤と本発明の医薬組成物の投与を交互に行ってもよい。さらに、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤投与後、腫瘍の組織の縮小度合い等に併せて、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤投与の途中から、本発明の医薬組成物を併用投与してもよいし、また逆に、本発明の医薬組成物投与後、その途中からFOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤を併用投与してもよい。
また、本発明の医薬組成物は、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤と併用する態様であれば、単回投与、連続投与、また間歇的投与のいずれであってもよい。例えば、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤の投与に先立って本発明の医薬組成物を投与する場合を例にすれば、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤の投与開始7日前から投与開始当日まで、又は3日前から投与開始当日まで、1日1回連日投与する方法を例示することができる。
本発明の医薬組成物は、その投与経路(投与方法)に応じて、種々の形態(剤型)で調製され、FOXK1阻害剤以外の抗腫瘍剤と組み合わせて、対象とする腫瘍患者に投与され得る。当該腫瘍患者は、化学療法、放射線療法及び/又は切除手術(外科的療法)などの抗腫瘍治療を受ける前の患者であっても、また治療中、並びに治療後のいずれの段階にある患者であってもよい。
本発明の医薬組成物を、外科的切除及び/又は放射線療法と併用する場合には、外科的切除及び/又は放射線療法に先だって、外科的切除及び/又は放射線療法の間に、或いは外科的切除及び/又は放射線療法の後に投与することができる。例えば、外科的切除及び/又は放射線療法に先立って本発明の医薬組成物を投与する場合を例にすれば、外科的切除及び/又は放射線療法の開始の7日前から投与開始当日まで、又は3日前から投与開始当日まで、1日1回連日投与する方法を例示することができる。
(2)飲食品組成物
飲食品組成物には、一般食品、保健機能食品(機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品)が含まれる。保健機能食品の定義及び分類は、日本の健康増進法、及び食品衛生法に定めるところによる。
飲食品組成物には、一般食品、保健機能食品(機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品)が含まれる。保健機能食品の定義及び分類は、日本の健康増進法、及び食品衛生法に定めるところによる。
また、飲食品組成物には、ペット(イヌ、ネコ、ハムスター、ウサギ、トリなど)に対する飲食品(ペットフード)、及び家畜(牛、豚、家禽類)に対する飲食品(飼料組成物)も含まれる。
飲食品組成物としては、特に制限されることはないが、例えば飲料(例:乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、アルコール飲料、スポーツ飲料、粉末飲料、茶飲料など)、冷菓(例:ゼリー、ババロア、プリンなど)、氷菓(例:アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット)、菓子類(例:クッキー、ビスケット、おかき、飴類、チョコレート類、ガム類)、パン類、麺類(例:中華麺、パスタ、うどん、蕎麦、素麺)、スープ類(粉末または固形スープを含む)、調味料(例:ドレッシング、ジュレ、ソース、マヨネーズ様ソース、たれ)などを挙げることができる。
飲食品組成物は、上記形態を有する飲食品の他に、サプリメント形態の飲食品組成物、及び病者用食品(要介護者用食品、及び嚥下困難者用食品を含む)を含む。このようなサプリメント形態の飲食品組成物や病者用食品として調製する場合、継続的な摂取が容易にできるように、例えば、液剤(ドリンク剤)、シロップ剤、ドライシロップ剤、ゼリー製剤(用時調製用のものを含む。以下同じ)、顆粒剤、散剤、丸剤、錠剤、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤)、トローチ剤、チュアブル剤等の製剤形態に調製することが好ましい。好ましくは、液剤(ドリンク剤)、ゼリー製剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤)であり、より好ましくは液剤(ドリンク剤)、ゼリー製剤である。かかる製剤形態の調製は、各製剤の形態に応じて、後述する医薬品組成物の欄で説明するように、薬学的に許容される担体又は添加剤を用いて、製剤製造の常法に従って行うことができる。
なお、各国の国内法において、飲食品組成物に疾患との関係を表示することが禁じられている場合には、上記疾患との関係を国内法に抵触しない表示形式に変更することができる。例えば、摂取者を良好な状態(健康な状態)に保つため等の表現を上記飲食品組成物の用途として表示しても良い。
飲食品組成物の摂取量としては、剤型、患者の年齢、性別、病状の程度等によって適宜設定され得るが、例えば、上記有効成分の量に換算して成人(15才以上)(体重約60kgとして計算する)1日量あたり0.1〜1,000mg/kg程度、好ましくは0.5〜500mg/kg程度である。
2.スクリーニング
2−1.スクリーニング方法
本開示の別の態様は、FOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法に関する。より具体的には、被験物質で処理された細胞から得られたCCL2遺伝子、及びFBXO32遺伝子のうち、少なくとも1つの遺伝子発現を反映する測定値を指標として、FOXK1阻害作用を有する候補物質をスクリーニングする。
2−1.スクリーニング方法
本開示の別の態様は、FOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法に関する。より具体的には、被験物質で処理された細胞から得られたCCL2遺伝子、及びFBXO32遺伝子のうち、少なくとも1つの遺伝子発現を反映する測定値を指標として、FOXK1阻害作用を有する候補物質をスクリーニングする。
ここで、FOXK1及びCCL2は、上記1.の説明をここに援用する。FBXO32(F−box protein 32は)、例えば、NCBI Reference Sequence:NM_001242463.1、NM_148177.2、NNM_058229.3に示されるmRNA、これらのスプライシングバリアント、及びこれらのオーソログから翻訳されるタンパク質を意図する。
細胞は、培養細胞である限り制限されない。細胞は好ましくはヒトに由来する細胞である。培養細胞として、例えばHeLa細胞を挙げることができる。
細胞の継代条件は、細胞種に応じて適宜選択することができる。
細胞の継代条件は、細胞種に応じて適宜選択することができる。
FOXK1は、mTORC1(mechanistic target of rapamycin complex 1)シグナル伝達経路を介して活性化するため、スクリーニングに使用する細胞においては、mTORC1シグナル伝達経路が活性化していることが好ましい。mTORC1シグナル伝達経路の活性化は、例えばTSC1(Tuberous sclerosis 1;NCBI Gene ID: 7248)タンパク質の機能を抑制することにより誘導することができる。
また、CCL2の発現は、NF−κB(nuclear factor−kappa B)シグナル伝達経路によっても誘導されるため、FOXK1に特異的なCCL2の発現を観察するためには、NF−κBシグナル伝達経路を抑制しておくことが好ましい。NF−κBシグナル伝達経路は、例えばRelA(RELA proto−oncogene, NF−κB subunit;NCBI GeneID: 5970)タンパク質の機能を抑制することにより抑制することができる。
TSC1、RelA等タンパク質(以下、抑制対象タンパク質という)の機能を抑制する方法は、細胞が生育し、目的を達成できる限り制限されない。例えば、抑制対象タンパク質のアンタゴニスト;抑制対象タンパク質の遺伝子を標的とするゲノム編集システム、抑制対象タンパク質のmRNAを標的とするsiRNA、shRNA及びmiRNAからなる群から選ばれる少なくとも1種のRNA分子又は該RNA分子を発現することができるベクター;抑制対象タンパク質に特異的に結合し、前記抑制対象タンパク質の機能を抑制する抗体からなる群から選ばれる少なくとも1種;及び抑制対象タンパク質のインヒビター等を使用して抑制対象タンパク質の機能を抑制することができる。
抑制対象タンパク質の抑制方法として、好ましくは「ゲノム編集システム」である。「ゲノム編集システム」は、細胞内において標的遺伝子内に組換えを起こすことができるシステムである限り制限されない。例えば、CompoZr Zinc Finger Nuclease(ZFN)システム、TAL effector nuclease (TALEN)システム、及びClustered regularly interspaced short palindromic repeats/CRISPR associated protein 9(CRISPR/Cas9)システム等を挙げることができる。好ましくは、CRISPR/Cas9システムである。好ましくは、ベクターを用いたCRISPR/Cas9システムである。ベクターを用いたCRISPR/Cas9システムにおいて、CRISPRをコードする核酸とCas9をコードする核酸は、異なるベクター上にあってもよく、また1つのベクター上にあってもよい。CRISPRを機能させるためのプロモーターは特に制限されないが、U6プロモーターが好ましい。Cas9を機能させるためのプロモーターは特に制限されないが、サイトメガロウイルスプロモーター等の哺乳類細胞内で発現されるプロモーターが好ましい。CRISPR/Cas9システムとして好ましくは、pX330−U6−Chimeric_BB−CBh−hSpCas9ベクター等の市販のベクターを使用することができる。
CRISPR配列に組み込まれる、抑制対象タンパク質を標的とする配列は、Optimized CRISPR design tool (Massachusetts Institute of Technology, ZhangLabのウェブページ(http://crispr.mit.edu/))、E−CRISP(http://www.e−crisp.org/E−CRISP/ (ドイツ癌研究センター))、ZiFiT Targeter(http://zifit.partners.org/ZiFit/ (Zing Finger コンソーシアム))、Cas9 design(http://cas9.cbi.pku.edu.cn (北京大学))、CRISPRdirect(http://crispr.dbcls.jp (東京大学))、CRISPR−P(http://cbi.hzau.edu.cn/crispr/ (華中農業大学))等において公開されている公知のデザインツールを使用してデザインすることができる。
本明細書において、「被験物質」とは、FOXK1阻害作用を有する候補物質であるか否かを評価する対象となりうる物質であり、特に制限されない。例えば、化合物、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖質、糖脂質、糖タンパク、金属等を挙げることができる。被験物質の投与方法も特に制限されない。被験細胞や被験組織に被験物質を投与する場合には、例えばその培養培地に1pg/mlから1mg/mlとなるように被験物質を投与することができる。
CCL2、又はFBXO32の発現を反映する測定値は、特に制限されない。例えば、CCL2遺伝子、又はFBXO32遺伝子から発現されるmRNA量(コピー数又はリード数等)の測定値、タンパク質の測定値、及びレポーターアッセイによる化学発光強度等であり得る。測定値は量又は濃度を反映した値をいう。当該測定値を「量」で標記する場合には、モルであっても質量であってもよいが、質量で標記することが好ましい。また、値を「濃度」で表記する場合には、モル濃度であってもサインプルの一定容量あたりにおける質量の割合(質量/容量)であってもよいが、好ましくは質量/容量である。
mRNAの測定値は、定量的RT−PCR法、又はRNA−Seq法等の公知の方法を使用して取得することができる。
タンパク質の測定値は、ELISA法、ウエスタンブロッティング法等によって測定することができる。
mRNAの測定値又はタンパク質の測定値を得る場合には、被験物質を投与する前に、細胞に血清飢餓ストレス(0.1〜1%程度の牛胎児血清存在下で培養)を12時間から18時間程度負荷しておくことが好ましい。その後、被験物質を培地に添加し、30分から1時間程度おいて10〜200nM程度のインシュリンを添加する。このように培養することにより、TSC1、RelA等タンパク質の機能を抑制しなくとも、FOXK1依存的なCCL2の発現を検証することができる。
さらに、転写調節領域の活性化又は不活性化はレポーターアッセイによって検出することができる。レポーターとしては、不安定型トゲオキヒオドシエビルシフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼ、GFP(Green Fluorescent Protein)、β−ガラクトシダーゼ等を挙げることができる。レポーターアッセイは、公知の方法に従って行うことができる。レポーターアッセイを行う場合には、例えば、レポーター遺伝子の上流に、CCL2遺伝子の転写調節領域、又はFBXO32遺伝子の転写調節領域を挿入したレポータープラスミドを構築し、このレポータープラスミドを前記細胞に導入し、レポータープラスミドを保有するレポーターアッセイ用細胞を作製する。細胞へのレポータープラスミドの導入は、リポフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム法等で行うことができる。
細胞へのレポータープラスミドの導入は、一過性であってもステイブルであってもよい。また、CCL2遺伝子の転写調節領域、及び/又はFBXO32遺伝子の転写調節領域を挿入したレポータープラスミドの他に、例えば前記レポータープラスミド上にコードされるレポーター遺伝子とは異なる種類のレポーター遺伝子の上流にPKG(ホスホグリセリン酸キナーゼ)遺伝子の転写調節領域を挿入したコントロールプラスミドを合わせて導入してもよい。
レポーター遺伝子がルシフェラーゼである場合には、ルシフェラーゼによる基質からの化学発光を測定することによりCCL2遺伝子、又はFBXO32遺伝子の発現を反映する測定値を得ることができる。レポーター遺伝子がGFPである場合には、蛍光強度を測定することによりCCL2遺伝子、又はFBXO32遺伝子の発現を反映する測定値を得ることができる。レポーター遺伝子がβ−ガラクトシダーゼである場合には、基質であるフルオレセインジ-β−D−グルコピラノシドに由来する蛍光強度を測定することによりCCL2遺伝子、又はFBXO32遺伝子の発現を反映する測定値を得ることができる。レポーターアッセイとして好ましくはルシフェラーゼを使用するルシフェラーゼアッセイである。
レポーターアッセイを行う場合には、細胞のTSC1、RelA等タンパク質の機能を抑制しておくことが好ましい。一例として、TSC1、RelAタンパク質の機能を抑制した細胞を使用するレポーターアッセイのスキームを図5に示す。
レポーターアッセイを行う場合、被験物質による処理は、細胞を培養している培地に被験物質を投与してから12時間から18時間程度インキュベーションしてから行うことが好ましい。
被験物質で処理された細胞から得られたCCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値は、所定の基準値と比較して、低い場合に被験物質がFOXK1の機能を阻害する(FOXK1の活性を抑制する)と予測することができる。前記所定の基準値は、被験物質で処理されていない前記細胞に対応する細胞から得られたCCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値としてもよい。
例えば、被験物質で処理された細胞から得られたCCL2遺伝子、及び/又はFBXO32遺伝子の発現を反映する測定値が、所定の基準値の例えば85%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下になっている場合に、前記測定値が所定の基準値よりも低いと決定することができる。
2−2.スクリーニングシステム及びスクリーニング装置
本開示の一実施形態はスクリーニングシステム1000及びスクリーニング装置10に関する。
本開示の一実施形態はスクリーニングシステム1000及びスクリーニング装置10に関する。
図6は、スクリーニングシステム1000の概観図であり、スクリーニングシステム1000は一態様として、スクリーニング装置10の他、分析装置5a又は分析装置5bとを備えていてもよい。
図7に、スクリーニング装置10のブロック図を示す。スクリーニング装置10は、入力部111と、出力部112と、記憶媒体113とに接続されていてもよい。
スクリーニング装置10において、処理部101と、主記憶部102と、ROM(read only memory)103と、補助記憶部104と、通信インタフェース(I/F)105と、入力インタフェース(I/F)106と、出力インタフェース(I/F)107と、メディアインターフェース(I/F)108は、バス109によって互いにデータ通信可能に接続されている。主記憶部102と補助記憶部104とを合わせて、単に記憶部と呼ぶこともある。記憶部は、前記測定値や所定の基準値を揮発性に、又は不揮発性に記憶する。
処理部101は、スクリーニング装置10のCPUである。処理部101は、GPUであってもよい。処理部101が、補助記憶部104又はROM103に記憶されているコンピュータプログラムを実行し、取得されるデータの処理を行うことにより、スクリーニング装置10が機能する。
ROM103は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成され、処理部101により実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータが記録されている。処理部101はMPU101としてもよい。ROM103は、スクリーニング装置10の起動時に、処理部101によって実行されるブートプログラムやスクリーニング装置10のハードウェアの動作に関連するプログラムや設定を記憶する。
主記憶部102は、SRAM又はDRAMなどのRAM(Random access memory)によって構成される。主記憶部102は、ROM103及び補助記憶部104に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、主記憶部102は、処理部101がこれらのコンピュータプログラムを実行するときの作業領域として利用される。
補助記憶部104は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク等によって構成される。補助記憶部104には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの、処理部101に実行させるための種々のコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムの実行に用いる各種設定データが記憶されている。具体的には、基準値等を不揮発性に記憶する。
通信I/F105は、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェース、ネットワークインタフェースコントローラ(Network interface controller:NIC)等から構成される。通信I/F105は、処理部101の制御下で、分析装置5a,5b又は他の外部機器からのデータを受信し、必要に応じてスクリーニング装置10が保存又は生成する情報を、分析装置5a,5b又は外部に送信又は表示する。通信I/F105は、ネットワークを介して分析装置5a,5b又は他の外部機器と通信を行ってもよい。
入力I/F106は、例えばUSB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成される。入力I/F106は、入力部111から文字入力、クリック、音声入力等を受け付ける。受け付けた入力内容は、主記憶部102又は補助記憶部104に記憶される。
入力部111は、タッチパネル、キーボード、マウス、ペンタブレット、マイク等から構成され、スクリーニング装置10に文字入力又は音声入力を行う。入力部111は、スクリーニング装置10の外部から接続されても、スクリーニング装置10と一体となっていてもよい。
出力I/F107は、例えば入力I/F106と同様のインタフェースから構成される。出力I/F107は、処理部101が生成した情報を出力部112に出力する。出力I/F107は、処理部101が生成し、補助記憶部104に記憶した情報を、出力部112に出力する。
出力部112は、例えばディスプレイ、プリンター等で構成され、分析装置5a,5bから送信される測定結果及びスクリーニング装置10における各種操作ウインドウ、分析結果等を表示する。
メディアI/F108は、記憶媒体113に記憶された例えばアプリケーションソフト等を読み出す。読み出されたアプリケーションソフト等は、主記憶部102又は補助記憶部104に記憶される。また、メディアI/F108は、処理部101が生成した情報を記憶媒体113に書き込む。メディアI/F108は、処理部101が生成し、補助記憶部104に記憶した情報を、記憶媒体113に書き込む。
記憶媒体113は、フレキシブルディスク、CD−ROM、又はDVD−ROM等で構成される。記憶媒体113は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブ等によってメディアI/F108と接続される。記憶媒体113には、コンピュータがオペレーションを実行するためのアプリケーションプログラム等が格納されていてもよい。
処理部101は、スクリーニング装置10の制御に必要なアプリケーションソフトや各種設定をROM103又は補助記憶部104からの読み出しに代えて、ネットワークを介して取得してもよい。前記アプリケーションプログラムがネットワーク上のサーバコンピュータの補助記憶部内に格納されており、このサーバコンピュータにスクリーニング装置10がアクセスして、コンピュータプログラムをダウンロードし、これをROM103又は補助記憶部104に記憶することも可能である。
また、ROM103又は補助記憶部104には、例えば米国マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーションシステムがインストールされている。第2の実施形態に係るアプリケーションプログラムは、前記オペレーティングシステム上で動作するものとする。すなわち、スクリーニング装置10は、パーソナルコンピュータ等であり得る。
スクリーニングシステム1000は一カ所に設置されている必要はなく、スクリーニング装置10と分析装置5a,5bが別所に配置され、これらがネットワークで接続されていてもよい。また、スクリーニング装置10は、入力部111や出力部112を省略した操作者を必要としない装置であってもよい。
分析装置5aは、タンパク質の量又は濃度を測定するための装置であり、試料置き場51と、反応部52と、検出部53とを備える。試料置き場51にセットされた細胞溶解液は、反応部52に設置された抗原捕捉用抗体が固相されたマイクロプレートに分注されインキュベーションされる。必要に応じて未反応の抗原を除去した後、検出抗体がマイクロプレートに分注され、インキュベーションされる。必要に応じて未反応の抗原を除去した後、検出用抗体を検出するための基質がマイクロプレートに分注され、マイクロプレートが検出部53に移動され、基質が反応して発生したシグナルが測定される。また、分析装置5aの別態様は、マイクロアレイ解析によるmRNAの発現量を測定するための装置であり、試料置き場51にセットされた逆転写反応物を反応部52にセットされたマイクロアレイチップ上に分注し、ハイブリダイゼーションを行い、洗浄した後、検出部53に移動させシグナルを検出する。
さらに、分析装置5aの別態様は、RT−PCRによるmRNAの発現量を測定するための装置であり、試料置き場51にセットされた逆転写反応物を反応部52にセットされたマイクロチューブ内に分注し、続いて定量的PCR用試薬をマイクロチューブ内に分注する。反応部52でPCR反応を行いながら、検出部53でチューブ内のシグナルを検出する。
さらに、分析装置5aの別態様は、レポーターアッセイによるプロモーター活性を測定するための装置であり、試料置き場51にセットされた細胞溶解液を反応部52にセットされたマイクロチューブ内に分注し、続いて発光試薬をマイクロチューブ内に分注する。反応部52で反応を行いながら、検出部53でチューブ内のシグナルを検出する。
分析装置5bは、RNA−Seq法によってmRNAの発現量を測定するための装置であり、配列解析部54を備える。RNA−Seq用の反応を行ったサンプルを配列解析部54にセットし、配列解析部54内で、塩基配列の解析をおこなう。
分析装置5a、及び5bは、有線又は無線によってスクリーニング装置10に接続されている。分析装置5aは、タンパク質の測定値、又はmRNAの測定値をA/D変換して、デジタルデータとしてスクリーニング装置10に送信する。同様に、分析装置5bは、mRNAの測定値をA/D変換して、デジタルデータとしてスクリーニング装置10に送信する。これにより、スクリーニング装置10は、タンパク質の測定値、又はmRNAの測定値を、演算処理可能なデジタルデータとして取得することができる。
2−3.スクリーニング装置の動作
図8にスクリーニング装置10の動作例のフローチャートを示す。
図8にスクリーニング装置10の動作例のフローチャートを示す。
処理部101は、ユーザーからの処理開始の入力を入力部111から受け付け、処理を開始する。はじめにステップS11において、被験物質で処理された細胞にける、CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値を取得する。測定値の取得は分析装置5a,5bから行ってもよく、補助記憶部104から主記憶部102に読み出してもよい。また、通信I/F105を介してネットワークから取得してもよい。
続いて処理部101は、ステップS12おいて、記憶部に記憶されている所定の基準値と取得した測定値を比較し、前記測定値が布袋の基準値よりも低下している場合に(ステップS13で「YES」の場合)にステップS14に進み、被験物質がFOXK1を阻害する(FOXK1の活性を抑制する)候補物質であると決定する。また、処理部101は、前記測定値が布袋の基準値よりも低下していない場合に(ステップS13で「NO」の場合)にステップS15に進み、被験物質がFOXK1を阻害する候補物質ではない決定する。続いて処理部101は、結果を出力部112に出力し(ステップS16)、処理を終了する。結果を出力部112に出力することに変えて、通信I/F105を介して結果をネットワークを介して送信してもよい。
2−4.スクリーニングプログラム
本開示の別の実施形態は、スクリーニングを行うためのコンピュータプログラムに関する。前記コンピュータプログラムは、図8に記載のステップS11からステップS16を処理部101に実行させるアプリケーションプログラムである。
本開示の別の実施形態は、スクリーニングを行うためのコンピュータプログラムに関する。前記コンピュータプログラムは、図8に記載のステップS11からステップS16を処理部101に実行させるアプリケーションプログラムである。
さらに、本開示の別の実施形態は、前記コンピュータプログラムを記憶した、記憶媒体に関する。すなわち、前記コンピュータプログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク等の記憶媒体に記憶される。前記記憶媒体へのプログラムの記憶形式は、前記提示装置が前記プログラムを読み取り可能である限り制限されない。前記記憶媒体への記憶は、不揮発性であることが好ましい。
以下に実施例を示して発明をより詳細に説明するが、本開示の実施形態は、実施例に限定して解釈されるものではない。
I.スクリーニング
1.TSC1及びRelAダブルノックアウトHeLa細胞の構築
レポーターアッセイを行う細胞として、TSC1及びRelAダブルノックアウトHeLa細胞(以下、「TSC1-RelA KO HeLa細胞」とする)を構築した。TSC1遺伝子をノックアウトすることによって、mTORC1シグナル伝達経路を活性化することができる。また、RelA遺伝子をノックアウトすることによりNF-κBシグナル伝達経路が活性化しなくなる。図5に示すようにTSC1-RelA KO HeLa細胞では、mTORC1に依存したFOXK1の活性化を指標としてレポーターアッセイを行うことができる。
1.TSC1及びRelAダブルノックアウトHeLa細胞の構築
レポーターアッセイを行う細胞として、TSC1及びRelAダブルノックアウトHeLa細胞(以下、「TSC1-RelA KO HeLa細胞」とする)を構築した。TSC1遺伝子をノックアウトすることによって、mTORC1シグナル伝達経路を活性化することができる。また、RelA遺伝子をノックアウトすることによりNF-κBシグナル伝達経路が活性化しなくなる。図5に示すようにTSC1-RelA KO HeLa細胞では、mTORC1に依存したFOXK1の活性化を指標としてレポーターアッセイを行うことができる。
HeLa細胞における各遺伝子のノックアウトは、CRISPER/Cas9システムを用いて行った。TSC1遺伝子の標的配列は、5’-GACAGGATTAACGAATATGTGG-3’(配列番号1)、RelA遺伝子の標的配列は、5’-TCCTTTCCTACAAGCTCGTGGG-3’(配列番号2)として、 pX330-U6-Chimeric_BB-CBh-hSpCas9 (https://www.addgene.org/42230/) を元にして標的配列に対応するguide RNA発現ベクターを構築し、X-tremeGENE 9 Transfection Regentを使用してHeLa細胞に発現させることで、標的領域を欠失させた。
2.レポータープラスミドの構築
pNL3.2 [NlucP/minP] Vector (Promega社、N1041)の不安定型トゲオキヒオドシエビルシフェラーゼ遺伝子(Nluc)の上流に、human CCL2遺伝子の開始コドンの 上流領域 4kb (hCCL2 プロモーター)を挿入し、レポータープラスミド(以下、「CCL2-Nluc」という)を構築した。
pNL3.2 [NlucP/minP] Vector (Promega社、N1041)の不安定型トゲオキヒオドシエビルシフェラーゼ遺伝子(Nluc)の上流に、human CCL2遺伝子の開始コドンの 上流領域 4kb (hCCL2 プロモーター)を挿入し、レポータープラスミド(以下、「CCL2-Nluc」という)を構築した。
陰性コントロール(以下、「PGK-luc2」という)として、PGKプロモーターの下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子が存在するpGL4.53[luc2/PGK] Vector (Promega社、E5011)を準備した。
3.培地
(1)アッセイ及び継代用培地
アッセイ及び継代には、DMEM High glucose (Wako, 044-29765)に8.0 %非働化済みFBS (Corning, 35-015-CV)、0.9 % Penicillin/Streptomycin (Nacalai, 26253-84)、1.0 % L-glutamine (Wako, 073-05391)、1.0 % Non-essential amino acids solution (Gibco, 11140050)を添加した培地を使用した。また、継代する際に、終濃度50 μMとなるように2-メルカプトエタノール(Wako, 198-15781)を添加した。培地には抗生物質を添加しなかった。
(1)アッセイ及び継代用培地
アッセイ及び継代には、DMEM High glucose (Wako, 044-29765)に8.0 %非働化済みFBS (Corning, 35-015-CV)、0.9 % Penicillin/Streptomycin (Nacalai, 26253-84)、1.0 % L-glutamine (Wako, 073-05391)、1.0 % Non-essential amino acids solution (Gibco, 11140050)を添加した培地を使用した。また、継代する際に、終濃度50 μMとなるように2-メルカプトエタノール(Wako, 198-15781)を添加した。培地には抗生物質を添加しなかった。
(2)トランスフェクション用培地
トランスフェクションには、DMEM High glucose (Wako, 044-29765)に8.1 % 非働済みFBS (Corning, 35-015-CV)、1.0 % L-glutamine (Wako, 073-05391)、1.0 % Non-essential amino acids solution (Gibco, 11140050) を添加した培地を使用した。細胞培養用ペトリディッシュに細胞を播種する際に、終濃度50 μMとなるように2-メルカプトエタノール(Wako, 198-15781)を添加した。
トランスフェクションには、DMEM High glucose (Wako, 044-29765)に8.1 % 非働済みFBS (Corning, 35-015-CV)、1.0 % L-glutamine (Wako, 073-05391)、1.0 % Non-essential amino acids solution (Gibco, 11140050) を添加した培地を使用した。細胞培養用ペトリディッシュに細胞を播種する際に、終濃度50 μMとなるように2-メルカプトエタノール(Wako, 198-15781)を添加した。
4.被験物質
被験物質として、理化学研究所所有のNPDepo Library(19840化合物)、東京大学創薬機構所有の東大Core Library(9600 化合物)、既存薬 Library(4160 化合物)と、国立研究開発法人産業技術総合研究所所有の阻害剤、既存薬、合成化合物、単離化合物の計18,880化合物を使用した。また、非特許文献2のExtended Data Figure 1に記載の化合物8も被験物質として使用した。
被験物質として、理化学研究所所有のNPDepo Library(19840化合物)、東京大学創薬機構所有の東大Core Library(9600 化合物)、既存薬 Library(4160 化合物)と、国立研究開発法人産業技術総合研究所所有の阻害剤、既存薬、合成化合物、単離化合物の計18,880化合物を使用した。また、非特許文献2のExtended Data Figure 1に記載の化合物8も被験物質として使用した。
5.トランスフェクション及びレポーターアッセイ
TSC1-RelA KO HeLa細胞を10 cm dishに1.12 × 106 cells/dishとなるように細胞を播種し、トランスフェクション用培地を用いて一晩、37℃、5%炭酸ガス存在下で培養した。
TSC1-RelA KO HeLa細胞を10 cm dishに1.12 × 106 cells/dishとなるように細胞を播種し、トランスフェクション用培地を用いて一晩、37℃、5%炭酸ガス存在下で培養した。
2日目に、CCL2-Nluc: 2.75 μg と PGK-luc2: 2.75 μg と269.5 μl Opti-MEM I とXtremegene 9 希釈液 (X-tremeGENE 9 DNA Transfection Reagent (Roche, 6365809001)16.5 μl + 258.5 μl Opti-MEM I)との混合液 0.55 mlをTSC1-RelA KO HeLa細胞に添加し、6時間インキュベートした。理化学研究所のプレートの配置を図10に示す。
その間に、384 ウェルプレート(白色 底384 Well Microplate, PS, F-Bottom (Greiner, 781080))に化合物溶液 (DMSO)をEDR分注器でスポットした (0.1 μl/well)。アッセイ及び継代用培地を添加し、化合物と混合 (10 μl/well)した。細胞を化合物溶液をスポットした384 ウェルプレートに播種 (4,000 cells/well) (10 μl/well)し、17から18時間37℃、5%炭酸ガス存在下培養した。
インキュベータから384 ウェルプレートを取り出し、室温に戻してから、Nano-Glo Dual-Luciferase Reporter Assay System (Promega, N1650)を用いてルシフェラーゼアッセイを行った。添付のプロトコールにしたがって、ONE-Glo EX Luciferase assay buffer と ONE-Glo EX Luciferase assay substrateを混合し、混合液をEDR(バイオテック)を使用して10μl/wellとなるように添加した。
プレートを1000 rpm 1 min遠心した後、プレートシーラーでシールし、BioMixer (バイオテック)を使って、85(目盛) 5 min × 2 回攪拌を行った。シールをした状態で1000 rpm 1 min遠心し、シールを外して1000 rpm 1 min遠心した後シグナル値を測定 (EnVision:パーキンエルマー)した。
プロトコールにしたがってNanoDLR Stop & Glo SubstrateとNanoDLR Stop & Glo bufferを1:100となるように使用直前に混合し反応停止液を調製した。反応停止液を10 μl/wellとなるようにEDRで添加した。
プレートを1000 rpm 1 min遠心した後、プレートシーラーでシールし、BioMixer (バイオテック)を使って、85(目盛) 5 min × 2 回攪拌を行った。シールをした状態で1000 rpm 1 min遠心し、シールを外して1000 rpm 1 min遠心した後シグナル値を測定 (EnVision:パーキンエルマー)した。
6.計算
図9に示すように、384ウェルプレートの第2列のウェルはレポータープラスミドをトランスフェクションした細胞とDMSO を混合したLow controlであり、0 % inhibitionを示す。第3列から第22 列はレポータープラスミドをトランスフェクションした細胞とDMSOに溶解した被験物質を混合したウェル(Sample)を示す。第23列はレポータープラスミドをトランスフェクションした細胞と活性のわかっている参考化合物として、 Rapamycin (Cayman 13346) (final concentration 10 nM)とTorin 1(CST 10997) (final concentration 100 nM)を添加した列である。第24列のウェルは培地とDMSOを混合したHigh controlであり100 % inhibitionを示す。
測定値は、以下の式にしたがって、Z’-Factorと阻害活性(Inhibition:%)を算出した。
図9に示すように、384ウェルプレートの第2列のウェルはレポータープラスミドをトランスフェクションした細胞とDMSO を混合したLow controlであり、0 % inhibitionを示す。第3列から第22 列はレポータープラスミドをトランスフェクションした細胞とDMSOに溶解した被験物質を混合したウェル(Sample)を示す。第23列はレポータープラスミドをトランスフェクションした細胞と活性のわかっている参考化合物として、 Rapamycin (Cayman 13346) (final concentration 10 nM)とTorin 1(CST 10997) (final concentration 100 nM)を添加した列である。第24列のウェルは培地とDMSOを混合したHigh controlであり100 % inhibitionを示す。
測定値は、以下の式にしたがって、Z’-Factorと阻害活性(Inhibition:%)を算出した。
Z’-Factor = 1-(3SD of Low Control+3SD of High Control)/(Mean of Low Control-Mean of High Control)
Inhibition (%) = 100{1-(Sample-Mean of High Control)/(Mean of Low Control-Mean of High Control)}
7.スクリーニングの流れ
(1)NPDepo Library (NP1-62) ヒット化合物の選択の流れ
・第1スクリーニング
NPDepoに含まれる19840 化合物について、終濃度 5 μg/mlにてスクリーニングした。レポーターアッセイにおいて60.0 %以上の阻害活性を示した236化合物 (ヒット率:1.19 %) を、ヒットとして選択した
(1)NPDepo Library (NP1-62) ヒット化合物の選択の流れ
・第1スクリーニング
NPDepoに含まれる19840 化合物について、終濃度 5 μg/mlにてスクリーニングした。レポーターアッセイにおいて60.0 %以上の阻害活性を示した236化合物 (ヒット率:1.19 %) を、ヒットとして選択した
・第2スクリーニング
再現性、濃度依存性試験をn=2 (well1,2) ×2回、実験日(run1, 2)を変えて実施した(合計4サンプル)。
・・再現性試験 (判断1、図10−1から図10−18)
再現性、濃度依存性試験をn=2 (well1,2) ×2回、実験日(run1, 2)を変えて実施した(合計4サンプル)。
・・再現性試験 (判断1、図10−1から図10−18)
NPDepo (225化合物再提供)について終濃度 5 μg/mlで実施した。レポーターアッセイを行い4サンプル中2サンプル以上で阻害活性(60.0 %以上阻害)があった212化合物(再現率:94.2 %)を選択した。
・・濃度依存性試験 (判断2、図10−1から図10−18)
再現性があった212化合物について終濃度 5 μg/mlから2倍希釈を8段階若しくは16段階行った希釈液を調製した。レポーターアッセイによりrun1,2の両方についてIC50値が20.0 μM以下の202化合物を選択 (構造式、分子量が不明の3化合物含む)した。
・・Frequent hitter (FH) (判断3、図10−1から図10−18)
理研で行われた本アッセイとは関係のない他の4以上のアッセイ系においても、ヒット化合物として判定された化合物を除外し、138化合物を選択した。
・・濃度依存性試験 (判断2、図10−1から図10−18)
再現性があった212化合物について終濃度 5 μg/mlから2倍希釈を8段階若しくは16段階行った希釈液を調製した。レポーターアッセイによりrun1,2の両方についてIC50値が20.0 μM以下の202化合物を選択 (構造式、分子量が不明の3化合物含む)した。
・・Frequent hitter (FH) (判断3、図10−1から図10−18)
理研で行われた本アッセイとは関係のない他の4以上のアッセイ系においても、ヒット化合物として判定された化合物を除外し、138化合物を選択した。
(2)東大Core Library ヒット化合物選択の流れ
・第1スクリーニング
東大Coreに含まれる9600 化合物について、終濃度10μM にてスクリーニングした。ルシフェラーゼアッセイにおいて50.0 %以上の阻害活性を示した86化合物 (ヒット率:0.90 %) を、ヒット化合物として選択した。
・第1スクリーニング
東大Coreに含まれる9600 化合物について、終濃度10μM にてスクリーニングした。ルシフェラーゼアッセイにおいて50.0 %以上の阻害活性を示した86化合物 (ヒット率:0.90 %) を、ヒット化合物として選択した。
・第2スクリーニング
再現性、濃度依存性試験をn=2 (well1,2) ×2回、実験日(run1, 2)を変えて実施した(合計4サンプル)。
・・再現性試験(判断1、図11−1から図11−6)
東大Core (86化合物再提供)について終濃度10 μMで実施した。レポーターアッセイを行い、4サンプル中2サンプル以上で阻害活性(50.0 %以上阻害)があった75化合物(再現率:87.2 %)を選択した。
・・濃度依存性試験 (判断2、図11−1から図11−6)
再現性があった75化合物について終濃度20 μMから2倍希釈を8段階若しくは16段階行った希釈液を調製した。レポーターアッセイによりrun1,2両方について、IC50値が20.0 μM以下を示した69化合物を選択した。
・・Frequent hitter (FH) (判断3、図11−1から図11−6)
他のアッセイ系においてヒット化合物として判定されたもので、数値表記のある化合物を除外し、13化合物を選択した。
再現性、濃度依存性試験をn=2 (well1,2) ×2回、実験日(run1, 2)を変えて実施した(合計4サンプル)。
・・再現性試験(判断1、図11−1から図11−6)
東大Core (86化合物再提供)について終濃度10 μMで実施した。レポーターアッセイを行い、4サンプル中2サンプル以上で阻害活性(50.0 %以上阻害)があった75化合物(再現率:87.2 %)を選択した。
・・濃度依存性試験 (判断2、図11−1から図11−6)
再現性があった75化合物について終濃度20 μMから2倍希釈を8段階若しくは16段階行った希釈液を調製した。レポーターアッセイによりrun1,2両方について、IC50値が20.0 μM以下を示した69化合物を選択した。
・・Frequent hitter (FH) (判断3、図11−1から図11−6)
他のアッセイ系においてヒット化合物として判定されたもので、数値表記のある化合物を除外し、13化合物を選択した。
(3)既存薬 Library ヒット化合物選択の流れ
・第1スクリーニング
既存薬4160化合物について、終濃度10μM にてスクリーニングした。ルシフェラーゼアッセイにおいて70.0 %以上の阻害活性を示した109化合物 (ヒット率:2.62 %) を、ヒット化合物として選択した。
・第1スクリーニング
既存薬4160化合物について、終濃度10μM にてスクリーニングした。ルシフェラーゼアッセイにおいて70.0 %以上の阻害活性を示した109化合物 (ヒット率:2.62 %) を、ヒット化合物として選択した。
・第2スクリーニング
再現性、濃度依存性試験をn=2 (well1,2) ×2回、実験日(run1, 2)を変えて実施した(合計4サンプル)。
・・再現性試験(判断1、図12−1から図12−12)
既存薬 (108化合物実施)について終濃度10 μMで実施した。レポーターアッセイを行い、4サンプル中2サンプル以上阻害活性(70.0 %以上阻害)があった100化合物(再現率:92.6 %)を選択した。
・・濃度依存性試験 (判断2、図12−1から図12−12)
再現性があった100化合物について終濃度10 μMから2倍希釈を8段階若しくは16段階行った希釈液を調製した。レポーターアッセイによりrun1,2両方について、IC50値が10.0 μM以下を示した76化合物を選択した。
再現性、濃度依存性試験をn=2 (well1,2) ×2回、実験日(run1, 2)を変えて実施した(合計4サンプル)。
・・再現性試験(判断1、図12−1から図12−12)
既存薬 (108化合物実施)について終濃度10 μMで実施した。レポーターアッセイを行い、4サンプル中2サンプル以上阻害活性(70.0 %以上阻害)があった100化合物(再現率:92.6 %)を選択した。
・・濃度依存性試験 (判断2、図12−1から図12−12)
再現性があった100化合物について終濃度10 μMから2倍希釈を8段階若しくは16段階行った希釈液を調製した。レポーターアッセイによりrun1,2両方について、IC50値が10.0 μM以下を示した76化合物を選択した。
(4)産総研化合物のヒット化合物選択の流れ
CCL2のレポーターが30%以下(すなわち阻害活性が70%以上)かつ、PGKのレポーターが70%以上(すなわち阻害活性が30%以下)の化合物をヒット化合物として選択した。
選択された化合物は図4−1及び図4−2に示す8化合物である。
CCL2のレポーターが30%以下(すなわち阻害活性が70%以上)かつ、PGKのレポーターが70%以上(すなわち阻害活性が30%以下)の化合物をヒット化合物として選択した。
選択された化合物は図4−1及び図4−2に示す8化合物である。
II.非特許文献2・化合物8のFOXK1阻害活性
HeLa細胞をDishに播種し一晩の血清飢餓 (0.1% FCS) を行った。非特許文献2・化合物8、Rapamycin又はDMSOの処理を30分行った後、100 nMの Insulinを添加した。
HeLa細胞をDishに播種し一晩の血清飢餓 (0.1% FCS) を行った。非特許文献2・化合物8、Rapamycin又はDMSOの処理を30分行った後、100 nMの Insulinを添加した。
Insulin 添加して2時間後に細胞からRNAを回収し、CCL2、FBXO32の各遺伝子の発現量をRT-PCR法で測定した。RapamycinはmTORC1阻害剤として使用した。
図13に結果を示す。図13においてK1 inh.は非特許文献2・化合物8(2-(chloroacetyl)-6,7-dimethoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline)を示す。
非特許文献2・化合物8は、Rapamycinよりも効果的にCCL2遺伝子及びFBXO32遺伝子のInsulinによる発現誘導を抑制していた。このことから、非特許文献2・化合物8にはFOXK1阻害活性があることが示された。言い換えると、非特許文献2・化合物8はFOXK1の活性を抑制することが示された。非特許文献2・化合物8はFOXK1のリン酸化に寄与する。
CCL2の発現は悪性腫瘍患者において予後の不良性と関連していることが報告されている。非特許文献2・化合物8は、FOXK1を阻害(FOXK1を不活性化)し、CCL2の発現を抑制することから、非特許文献2・化合物8は、悪性腫瘍の予防、及び/又は治療するための医薬組成物となる可能性があることが示唆された。
Claims (9)
- FOXK1阻害剤を含有する組成物。
- FOXK1によるCCL2の発現を阻害するための組成物である、請求項1に記載の組成物。
- 腫瘍を予防、及び/又は治療するための医薬組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記FOXK1阻害剤が、図1−1から図1−33、図2−1から図2−4、図3−1から図3−20、図4−1、図4−2、下式で表される化合物及びこれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物:
。 - 被験物質と接触した細胞における、CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値を取得する工程、及び
前記測定値が、被験物質を接触させない場合のCCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値よりも低い場合に、前記被験物質がFOXK1阻害作用を有する候補物質であると決定する工程を含む、
FOXK1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法。 - 測定値を取得する工程の前に、細胞と被験物質とを接触させる工程、を含む、請求項5に記載のスクリーニング方法。
- 前記細胞が、mTORC1を介する情報伝達経路が活性化しており、及び/又はNF−κBを介する情報伝達経路が阻害されている、請求項5又は6に記載のスクリーニング方法。
- 前記CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値が、レポーターアッセイによる測定値である、請求項5から7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
- 前記CCL2、及び/又はFBXO32の発現を反映する測定値が、mRNAの発現量である、請求項5から7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018185599A JP2020055759A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | Foxk1阻害剤を含有する組成物及びfoxk1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018185599A JP2020055759A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | Foxk1阻害剤を含有する組成物及びfoxk1阻害作用を有する候補物質のスクリーニング方法 |
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JP (1) | JP2020055759A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10734871B2 (en) | 2013-09-09 | 2020-08-04 | Cutsforth, Inc. | Grounding rope for a shaft grounding apparatus of a dynamo-electric machine |
-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018185599A patent/JP2020055759A/ja active Pending
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