JP2020052623A - 無線タグリーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】 相対的に移動している移動タグと停止している停止タグとを選別することができる無線タグリーダを提供する【解決手段】 位相変化量と位相偏りを用いて第1閾値を設定して確実な停止タグ◆を選別し、第2閾値を設定して確実な移動タグ●を選別する。確実な移動タグの平均受信強度値を用いて第3閾値が算出され、第3閾値を用いて移動タグ■と、停止タグ▲とが選別される。位相変化量と位相偏りを用いるため、移動タグと停止タグを迅速かつ的確に選別できる。【選択図】図18

Description

本発明は、移動している移動タグと停止している停止タグとを選別する無線タグリーダに関するものである。
無線タグを検知する無線タグリーダに関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示されるタグリーダが知られている。このタグリーダでは、位相を用いて停止タグフィルタを作成している。停止タグフィルタの1つに位相の標準偏差を用いるものがある。移動タグは標準偏差が大きく、停止タグは標準偏差が小さいことで、標準偏差の小さな停止タグを特定し、停止タグではないタグを移動タグと判定している。
特開2013−37663号公報
特許文献1の無線タグリーダでは、停止タグは標準偏差が小さいことで停止タグを特定している。停止タグを位相偏差から特定するためには、停止タグのデータが十分量集まらないと特定できない。更に、停止タグではないタグを移動タグと判定している。このため、移動タグ、停止タグの特定に時間がかかり、例えば、無線タグが付された搬送品を搭載したフォークリフトが搬送経路に設けられるゲート(無線タグリーダ)を通過した際に、リアルタイムで停止タグと移動タグを判別することが難しいと考えられる。
更に、停止タグが位相変化する原因を、「人が手を振る等の少しの移動によって位相は大きく変動し」(段落番号0033)と考察し、直接波及び反射波の影響で位相変化量のみでは移動タグと同様な位相挙動(位相変化の大きい)を示す停止タグに対して考慮がなされていない。このため、係る停止タグを適切に停止タグであると特定することが難しいと推測される。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、移動している移動タグと停止している停止タグとを確実に選別することができる無線タグリーダを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
移動している移動タグ(30a)と停止している停止タグ(30b)とを無線タグからの応答波の位相値に基づき検出する無線タグリーダ10であって、
位相値を検出する全角度範囲(0°〜180°もしくは0゜〜360゜)で位相値の取れた総数(N)を求める総数算出手段(S402)と、
位相値を検出する前記全角度範囲内の所定角度範囲(90゜もしくは全角度範囲の半値)毎に、各角度毎の位相値の取れた数の総和数(ni)を求めることで、最も多い総和数を求める総和数算出手段(S406、S408、S410、S412、S414)と、
前記総数と前記最も多い総和数との比較で、前記最も多い総和数の前記所定角度範囲内に位相値が偏っているかを算出する位相の偏り算出手段(S416)と、
前記位相の偏りの低いタグを移動タグと選別し、前記位相の偏りの高いタグを停止タグと選別する選別手段(S108)と、を有することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、移動している移動タグは位相の偏りが低くなるので、位相の偏りに基づいて移動タグであると選別することができる。他方、移動せずに移動タグのように位相挙動を示す停止タグは、位相の偏りが高くなるので、位相の偏りに基づいて停止タグであると選別することができる。位相の偏りによって、移動タグ又は停止タグを特定するため、移動タグ、停止タグの特定を短時間で行うことができる。
ここで、分布の形状が変化しても偏りを見ることは可能である。分布を取り扱う際、母数により分布形状が変化してしまう場合がある。母数が増えれば分布形状は安定していくが、識別にリアルタイム性が求められる無線タグリーダには、分布形状によらない識別が求められる。
請求項1の発明では、停止タグの位相が直接波と反射波の合成で表されることに着目し、強め合いが発生する範囲を予め設定して偏りを探査することで、分布によらない識別が可能となる。少ない読み取り数での識別を実現さあせることで、高速の移動・停止識別を可能にする。
請求項2の発明では、無線タグからの応答波の位相に基づき位相変化量を求め、位相の偏り及び位相変化量を用いて閾値を設定し、移動タグと停止タグとを選別する。このため、直接波及び反射波の影響で位相変化量のみでは移動タグと同様な位相挙動(位相変化の大きい)を示す停止タグ、位相変化量の小さな移動タグも適切に移動タグ又は停止タグに選別することができる。
請求項3の発明では、累積加算した位相加算値のグラフを平滑処理し、その変曲点をグラフ傾きの変化から取得し、閾値以下の位相加算値を除いた、始点と終点を含めた各変曲点毎の位相加算値の和を計算して位相変化量を求めることで、確実に移動タグ、停止タグの判断が行える。
請求項4では、位相の偏り及び位相変化量を用いて確実に停止タグとする第1の閾値と確実に移動タグとする第2の閾値を設定し、確実に移動タグであるタグと、確実に停止タグであるタグとを選別するため、迅速・的確に移動タグと停止タグとを選別することができる。そして、移動タグか停止タグかの判断が難しいタグに対して、確実に移動タグであるとされた1以上のタグの位相変化量、速度もしくは加速度、距離もしくは角度情報、最初の読み取りから最後の読み取りまでの時間、受信強度の少なくとも1つを用いて算出した第3の閾値に基づき、移動タグか停止タグかを判断するため、適切に判断することができる。先ず、移動タグを特定して第3の閾値を求めることで、移動タグ、停止タグの特定を短時間で行うことができる。
請求項5の発明では、移動タグの移動速度を推定し、位相変化量の補正を行うため、移動タグの移動速度に応じて適切に移動タグ、停止タグの判断が行える。
請求項6の発明では、移動タグの移動速度を推定し、第3の閾値の補正を行うため、移動タグの移動速度に応じて適切に移動タグ、停止タグの判断が行える。
請求項7の発明では、アンテナから移動タグまでの距離を推定し、第3の閾値の補正を行うため、距離に応じて適切に移動タグ、停止タグの判断が行える。
請求項8の発明では、移動タグの移動速度の推定を、確実に移動タグであるタグのタグ読取時間情報に基づき行うため、高い精度で移動速度を推定できる。
請求項9の発明では、移動タグの移動速度の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグのタグ読取時間情報に基づき行うため、高い精度で移動速度を推定できる。
請求項10の発明では、移動タグの移動速度の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とするため、高い精度で移動速度を推定できる。
請求項11の発明では、移動タグの移動速度の推定を、第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とするため、高い精度で移動速度を推定できる。
請求項12の発明では、アンテナから移動タグまでの距離を推定する際に、確実に移動タグであると選別されたタグの情報を用いるため、高い精度で距離を推定できる。
請求項13の発明では、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの受信強度に基づき行うため、高い精度で距離を推定できる。
請求項14の発明では、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグの受信強度に基づき行うため、高い精度で距離を推定できる。
請求項15の発明では、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数の推定距離の平均値を推定距離とするため、高い精度で距離を推定できる。
請求項16の発明では、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定距離速度の平均値を推定距離とするため、高い精度で距離を推定できる。
請求項17の発明では、第1の閾値、第2の閾値が、位相の偏りが大きい場合に、位相変化量の判断基準値が大きくなる。このため、位相の偏りが大きく、相対的に移動せずに移動タグのように位相挙動を示す停止タグを確実に停止タグであると判断できる。また、移動タグであると誤判断することが無くなる。
請求項18の発明では、位相の偏りの低いタグを直接波が受信された移動タグと選別し、位相の偏りの高いタグを直接波及び反射波が受信された停止タグと選別する。直接波及び反射波が受信されるタグに対しても適切に停止タグと判断できる。
第1実施形態に係る搬送管理システムの概略構成を示す説明図である。 無線タグリーダの電気的構成を例示するブロック図である。 無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。 管理装置の電気的構成を例示するブロック図である。 図5(A)は第1実施形態の移動タグ及び停止タグの説明図であり、図5(B)は直接波と反射波の説明図である。 図6(A)は移動タグ30aの位相変化を示す図表であり、図6(B)は停止タグ30bの位相変化を示す図表であり、図6(C)は停止タグ30cの位相変化を示す図表であり、図6(D)は停止タグ30dの位相変化を示す図表である。 図7(A)は移動タグ30aの位相変化を示す図表であり、図7(B)は図7(A)中の位相(θ)の−90°〜90°の頻度を表す図表であり、図7(C)は停止タグ30cの位相変化を示す図表であり、図7(D)は図7(C)中の位相(θ)の−90°〜90°の頻度を表す図表である。 図8(A)は、位相0°から位相90°までの頻度の総和ni(0)を表し、図8(B)は、位相1°から位相91°までの頻度の総和ni(1)を表し、図8(C)は、位相91°から位相1°までの頻度の総和ni(91)を表し、図8(D)は、位相180°から位相90°までの頻度の総和ni(180)を表す。 第1実施形態の改変例に係る停止タグ、移動タグ判別の説明図である。 読取処理のフローチャートである。 判断処理のフローチャートである。 位相変化量を計算するサブルーチン処理のフローチャートである。 位相偏りを計算するサブルーチン処理のフローチャートである。 各タグを判定する処理のサブルーチン処理のフローチャートである。 図15(A)は、距離推定処理のサブルーチン処理のフローチャートであり、図15(B)は、速度推定処理のサブルーチン処理のフローチャートである。 最終判定処理のサブルーチン処理のフローチャートである。 位相変化量計算の説明図である 図18(A)は第1閾値、第2閾値の説明図であり、図18(B)は第1閾値、第2閾値で識別された停止タグ、移動タグの説明図であり、図18(C)は第3閾値の説明図である。 第2実施形態の無線タグリーダの説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る無線タグリーダを備える搬送管理システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示す搬送管理システム1は、製品等の搬送品Pに付されたRFタグ等の無線タグ30の移動状態を、無線タグリーダ10により検知することで、その無線タグ30が付された搬送品Pの移動状態等を管理するシステムとして構成されている。この搬送管理システム1は、図1に示すように、無線タグ30が付された搬送品Pが搬送される搬送経路中に配置されて無線タグ30を読み取る無線タグリーダ10と、この無線タグリーダ10による読み取り結果等を利用して搬送品Pに関する管理を行う管理装置20とを備えている。
無線タグリーダ10は、例えば公知のRFタグリーダによって構成されるものであり、図1に例示するように搬送経路に設けられるゲートに設置されており、無線タグ30から読み取った情報や無線タグ30の移動状態に関する情報等を管理装置20に出力するように構成されている。
無線タグリーダ10のハードウェア構成は、図2のようになっており、制御部11、記憶部12、通信処理部13、アンテナ14及び外部インタフェース15等を備えている。制御部11は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなる記憶部12とともに情報処理装置を構成している。
また、通信処理部13は、図2に示すように、送信回路13b、受信回路13c等を備えている。送信回路13bは、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部11に接続され、制御部11より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ14に出力されるようになっている。
また、アンテナ14には、受信回路13cの入力端子が接続されており、アンテナ14によって受信された無線タグ30からの応答波に相当する電波信号(受信信号)は、受信回路13cに入力されるようになっている。受信回路13cは、例えば、増幅器、復調部等によって構成されており、アンテナ14によって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形に相当する信号を受信データとして制御部11に出力している。このように受信された無線タグ30の応答波の位相は、制御部11により、その測定時刻(受信時刻)に関連付けられて、順次記憶部12に記憶される。
また、外部インタフェース15は、管理装置20等の外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部11と協働して通信処理を行う構成をなしている。
ここで、無線タグリーダ10の読取対象となる無線タグ30の電気的構成について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、無線タグ30は、アンテナ31,電源回路32,復調回路33,制御回路34,メモリ35,変調回路36などによって構成されている。電源回路32は、アンテナ31を介して受信した無線タグリーダ10からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路34をはじめとする各構成要素に供給している。
また、復調回路33は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路34に出力している。メモリ35は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや無線タグ30を識別するための識別情報(タグID)、或いは無線タグ30の用途に応じたデータなどが記憶されている。制御回路34は、メモリ35から上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路36に出力する構成をなしており、変調回路36は、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ31から応答波として送信するように構成されている。なお、図2及び図3では、無線タグリーダ10及び無線タグ30の電気的構成の一例を挙げたが、電磁波を媒介として無線通信を行い得る構成であれば公知の他の電気的構成を用いてもよい。
次に、管理装置20の構成について説明する。
管理装置20は、無線タグリーダ10から取得した各無線タグ30の読み取り結果や外部から取得した情報を利用して搬送品Pの搬送状態などを管理する装置として機能するものである。この管理装置20は、例えばコンピュータとして構成され、図4に示すように、CPU等からなる制御部21、液晶モニタ等として構成される表示部22、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部23、マウスやキーボード等として構成される操作部24、無線タグリーダ10や上位機器等の外部機器との間でのデータ通信を行うための通信インタフェースとして構成される通信部25などを備えている。
次に、第1実施形態に係る無線タグリーダ10の特徴的構成について詳述する。
第1実施形態に係る無線タグリーダ10は、低速で移動している無線タグ30であってもその無線タグ30の移動状態を正確に検知するため、無線タグ30からの応答波の位相差を利用して無線タグ30の移動状態を検知する。具体的には、制御部11にてなされる測定処理により、通信処理部13を利用して、所定時間、測定した無線タグ30からの応答波の位相を、その測定時刻(受信時刻)に関連付けて記憶部12に記憶する。そして、制御部11にてなされるタグ検知処理では、記憶部12に記憶されている応答波の位相及びその測定時刻を読み出し、これらの位相に基づいて算出した位相差を累積加算した位相加算値に基づいて無線タグ30までの距離を測定する。なお、このように位相加算値に基づいて無線タグ30までの距離を測定する方法としては、例えば、特願2017−189510の明細書等に記載される方法を採用することができる。
これにより、図5(A)に示されるように、無線タグリーダ10(アンテナ14)の前を、無線タグ30を付した搬送品PがフォークリフトM等により直線的に搬送されている場合には、移動している無線タグ30(以下、移動タグ30aともいう)までの距離が時間とともに変化するように測定される。すなわち、上述のように測定される位相加算値に基づいて、無線タグ30からアンテナ14までの距離の変化が測定され、この測定結果に基づいて、無線タグ30の移動が検知される。このため、制御部11は、位相加算値に基づいて、無線タグ30からアンテナ14までの距離の変化を測定するとともに、この測定された距離の変化に関する測定結果に基づいて、無線タグ30の移動を検知する。
ここで、第1実施形態の無線タグリーダ10では、位相加算値、又は、後述する位相変化量と併せて、位相の変化に基づいて、移動タグか停止タグかを判別する。図6(A)は、移動タグ30aの位相変化を示す図表であり、縦軸に位相[deg]を横軸に時間が取られている。図6(A)中に示すように位相変化量は大きい。図6(B)は、停止タグ30bの位相変化を示す図表である。図6(B)中に示すように位相変化量は小さい。即ち、距離が変わらないので位相値が変わらない。なお、図5(A)中で停止タグ30bも同様な位相変化を取る。これにより、確実な移動タグと確実な停止タグを見分けることができる。
図6(C)は、図5(A)中の停止タグ30cの位相変化を示す図表であり、図6(D)は、図5(A)中の停止タグ30dの位相変化を示す図表である。
停止タグ30cの位相変化量は大きく、停止タグ30dは位相変化量が中くらいで、散発的に読取が行われている。停止タグ30cの位相変化量が大きくなっている原因は、無線タグリーダ10(アンテナ14)の前をフォークリフト等の移動体Mが移動すると、この移動体Mによる電波の反射の影響により、停止タグ30bからの応答波が受信されてしまうためである。このような場合、移動体Mが移動するために停止タグ30c、停止タグ30dからの応答波の位相が変化するように測定されてしまうと、測定される距離が時間とともに変化してしまい、停止タグ30cが移動していると誤検知されてしまう可能性がある。また、周囲環境の影響等に起因して、停止タグ30cからの応答波を一時的に受信できない状態(ヌル状態)が生じる場合もあり、この状態も誤検知の一因となる可能性がある。
図5(B)は、停止タグ30cからの反射波、直接波の説明図である。停止タグ30dからの電波は、反射物(フォークリフト)の通過時のみ読めているため、停止タグ30dが停止していることは判別できる。停止タグ30cからの電波は、反射波、直接波が混じることで、図6(C)に示されるように位相変化量が大きくなっていることが分かった。
このため、第1実施形態の無線タグリーダ10では、位相変化量に偏りがあるか否かにより、移動タグであるような位相変化量の大きな停止タグを停止タグであると判別する。図7(A)は、図5(A)中の移動タグ30aの位相変化を示す図表であり、図7(B)は、図7(A)中の位相(θ)の−90°〜90°の頻度を表し、中央の斜線部は、−45°〜45°の位相頻度を表している。−45°〜45°の頻度総和は150で、全体(−90°〜90°)の頻度総和は290であり、位相偏りは、150/290で52%となる。即ち、移動タグは位相の偏りが無く、50%付近の値を示す。
図7(C)は、図5(A)中の停止タグ30cの位相変化を示す図表であり、図7(D)は、図7(C)中の位相(θ)の−90°〜90°の頻度を表し、中央の斜線部は、−45°〜45°の位相頻度を表している。−45°〜45°の頻度総和は高く、位相偏りは80%位になる。即ち、停止タグは位相の偏りが大きい。
図10〜図16のフローチャートを参照し、上述した無線タグリーダによる移動タグと停止タグとの選別処理を説明する。
先ず、図10に示す読取のフローチャートで、読取が開始され、無線タグが読み取られ、該無線タグの情報が取得される(S92)。ここでは、各無線タグID、位相、受信電力、読取時間等の情報が取得される。そして、タグ読取が終了したか判断される(S94)。タグ読取が終了するまで(S94:No)、タグの読取が繰り返される(S92)。
図11は判断処理を示すフローチャートである。図11のS102で位相変化量が計算される。
図17は、位相変化量計算の説明図である。
I.移動加算値を各時間毎に記録しておく(図17(A)参照)。
II.位相変化量計算に必要な3つの変曲点と終点を見つける(図17(C)参照)。
(a),(b),(c)
III.下記計算をする
(1)=|始点 −b|
(2)=|b−a|
(3)=|a−c|
(4)=|c−終点|
位相変化量=(1)+(2)+(3)+(4)
即ち、第1実施形態の無線タグリーダでは、累積加算した位相加算値のグラフより得られた始点、終点および各変曲点間の位相変化量を元に位相変化量を計算している。
図12は、図17を参照して上述された位相変化量計算処理(S102)のサブルーチンを示す。
位相変動情報が取得され位相変化量が計算される(S202:図17(A))。そのグラフが平滑化処理される(S204:図17(B))。平滑化処理の目的は、ブレによる無駄な変曲点を消去するためである。即ち、おおまかに変曲点を取るために行われる。グラフの変曲点を位相変化の傾きの変化により求める(S206:図17(C))。始点、終点、各変曲点の間のそれぞれの位相変化量が取得される(S208)。
(1)=|始点−b|
(2)=|b−a|
(3)=|a−c|
(4)=|c−終点|
位相変化量=(1)+(2)+(3)+(4)
として位相変化量が求められる(S210)。
S210の加算処理では、閾値以上の位相変動値を全て加算することが行われる。ここで、閾値以下を除外するのは、閾値以下の位相変動は反射による位相変動と区別するために除外する。位相加算値の要点は位相が大きく連続で変動したという情報を捉えることにある。ここで、閾値の例としては、例えば、90[deg]、180[deg]、位相取得可能範囲の半値等である。
図17(C)の例では、
(1)|a−b|=40[deg]
(2)|b−c|=340[deg]
(3)|c−d|=500[deg]
(4)|d−e|=600[deg]
(5)|e−f|=250[deg]
の場合、(1)の値は閾値以下のため除外され、
(2)+(3)+(4)+(5)=1690[deg]
として、位相変化量が算出される。
なお、位相加算量の取得は、特願2017−189510の明細書等に記載される方法を採用することができる。
図11に示すメインルーチンで、S102での位相変化量の計算に続き、位相偏りの計算が行われる(S104)。
図13は、位相偏り計算のサブルーチンを示す。
各タグに対して、図7(A)、図7(C)中に示された位相値に対して、図7(B)、図7(D)に示されたような位相値(θ)と頻度のヒストグラムが作成される(S400)。頻度総和(位相値を検出する全角度範囲(0−180°)で位相値の取れた総数)がNとされる(S402)。位相値iが0に初期化される(S404)。そして、位相値iが90°以上か判断される(S406)。ここでは、位相値iが0であるため(S406:No)、S408で、i≦θ<i+90°、ここでは、0≦θ<90°を満たす位相値θの頻度総和(所定角度範囲(90°)内、即ち、0−90°の各角度毎の位相値の取れた数の総和数)がni(0)とされる。図8(A)に示される位相0°から位相90°までの頻度の総和がni(0)とされる。そして、i(0)に1が加えられる(S412)。i=180°、即ち、全角度の位相について演算が終了したかが判断される(S414)。ここでは、S414の判断がNoとなり、S406に戻り、S408で、i≦θ<i+90°、ここでは、1°≦θ<91°を満たす位相値θの頻度総和をni(1)とされる。図8(B)に示される位相1°から位相91°までの頻度の総和がni(1)とされる。この処理が位相91°まで繰り返され、S406での判断がYesとなり、S410で、i≦θ<180°もしくは0≦θ<i−90°、ここでは、91°≦θ<180°、0≦θ<1を満たす位相値θの頻度総和がni(91)とされる。図8(C)に示される位相91°〜180、及び、位相0°〜位相1°までの頻度の総和がni(91)とされる。図8(D)に示される180°までの頻度の総和がni(180)が求められると(S414:Yes)、ni(1)〜ni(180)中の最大値/N(頻度総和)が位相偏り[%]として求められる。即ち、総数(N)と最も多い総和数(ni)との比較で、最も多い総和数の所定角度範囲(90°)内に位相値が偏っているかが算出される。なお、図7(B)では、−90°〜90°中で、−45°〜45°の位相偏りが無い場合は、50%になった。図8に示す例では、0°〜180°中で、(90°の範囲で)の位相偏りが無い場合は、同様に50%となる。上述した例では、0゜〜180゜中で、(90゜の範囲で)の位相偏りを求めたが、0゜〜360゜中で、(180゜の範囲(全角度範囲の半値)で)の位相偏りを求めることも好適である。
図11に示すメインルーチンで、S104での位相偏りの計算に続き、各タグの判定が行われる(S106)。
図14は、各タグの判定のサブルーチンを示す。
まず、タグ読取回数がn、位相変化量がx、位相偏りがyとされる(S300)。図18(A)は、各タグを位相偏りと位相変化量で規定した表であり、位相変化量と位相偏りから第1閾値と第2閾値とで、確実に停止タグであるものと、確実に移動タグであるもとが選別される。x≧500かが判断される(S302)。図18(A)中の第1閾値の1−1の判断が成される。y−0.7<0.9−0.7/1000−500(x−500)かが判断される(S304)。図18(A)中の第1閾値の1−2の判断が成される。y−0.9<1.0−0.9/1500−1000(x−1000)かが判断される(S306)。図18(A)中の第1閾値の1−3の判断が成される。即ち、図18(A)中で第1閾値よりも左の◆のタグは、各タグ判定終了トリガ、又は、タグ反転終了トリガがオンになった時点で(S308:Yes)、確実に停止タグであるとの判定が成される(S310)。
タグ判定の終了の条件(タグ判定終了トリガのオン)は、移動物(フォークリフト)が終了位置に達したというセンサ(ラインセンサ又はカメラ)の出力により行われる。また、移動物(フォークリフト)に着けられたタグについて無線タグリーダが読み取れなくなったとき、移動物所定位置に着けられたQRコード(登録商標)を終了位置にあるQRリーダが読み取った後、もしくは、無線タグとQRコードを読めるリーダがQRコードを読み取った4秒後、或いは、別システムで取得したゲート通過予定枚数と同じ数の移動判定ができたときに行われる。また、別システムで取得したゲート通過予定枚数の8割に達したとき、移動タグ読取開始から4秒が経過したとき、フォークリフトドライバーが終了ボタンを押したとき行われる。さらに、移動タグ判定されたタグの位相加算値が減少し始めた(位相の折り返しが発生した)4秒後等で行われる。
各タグ判定終了条件(各タグ判定終了トリガのオン)は、タグ読取回数が規定値を超えたとき、タグ読取時間が規定値を超えたとき、タグ読取回数が規定値以上かつ位相偏り規定以上、タグ読取回数が規定値を超え、且つ、位相変化量が移動タグの位相変化量の規定値%以下のとき、タグ読取回数が規定値以上かつ位相変化量規定値以上のとき等に行われる。また、移動タグIDと判定中タグが異なる種類と分かったとき行われる。例えば、無線タグリーダが移動タグ反転したタグのIDが3枚以上33Eから始まる場合、IDが33E以外から始まる(34D等)場合は移動タグである確率が無いとして、判定が強制終了される。
引き続き、S320、S324、S326で、図18(A)中の第2閾値による確実に移動タグかの判断が成される。x≧1000かが判断される(S320)。図18(A)中の第2閾値の2−1の判断が成される。y−0.7<0.9−0.7/2200−1500(x−1500)かが判断される(S324)。図18(A)中の第2閾値の2−2の判断が成される。y−0.9<1.0−0.9/2800−2200(x−2200)かが判断される(S326)。図18(A)中の第2閾値の2−3の判断が成される。即ち、図18(A)中で第2閾値よりも右の●のタグは(S320、S324、S326:Yes)、確実な移動タグと判断される(S328)。S320、S324、S326のいずれかがNoである、図18(A)中の▲の停止タグ(移動タグのような位相挙動を示す停止タグ)、■の移動タグ(停止タグのような位相挙動を示す移動タグ)は、判別困難タグと判定される(S330)
図18(B)に示されるように、◆の確実な停止タグと●の確実な移動タグとは大きく離れていて、判別が迅速・確実である。なお、第1実施形態の無線タグリーダ10では、第1閾値、第2閾値が、位相の偏りが大きい場合に、位相変化量の判断基準値が大きくなる(第1閾値、第2閾値が変曲点を有する)。このため、位相の偏りが大きく、相対的に移動せずに移動タグのように位相挙動を示す停止タグを確実に停止タグであると判断できる。また、移動タグであると誤判断することが無くなる。
図11に示すメインルーチンで、S106での各タグの判定に続き、確実な停止タグ、確実な移動タグが出力される(S108)。
そして、距離推定の処理が成される(S110)。図15(A)は、距離推定のサブルーチンを示す。
先ず、距離判断の対象とする移動タグを特定する(S512)。ここでは、図18(A)に示される●の確実な移動タグが特定される。そして、距離判断の対象とする移動タグの平均受信電力(RSSI)値が算出される(S514)。算出された平均受信電力(RSSI)値が規定値よりも高いかが判断される(S516)。平均受信電力(RSSI)値が規定値よりも高い場合(S516:Yes)、移動タグがアンテナ近くを通過していると判断される(S518)。移動タグがアンテナ近くを通過していると判断されると、タグからの受信電力が高いため、図11のS114の処理で後述する第3閾値が高くされる。反対に、平均受信電力(RSSI)値が規定値よりも低い場合(S516:No)、移動タグがアンテナ近くを通過していないと判断される(S520)。移動タグがアンテナ近くを通過していないと判断されると、タグからの受信電力が低いため、図11のS114の処理で第3閾値が低く補正される。
第1実施形態の無線タグリーダでは、移動タグの距離をフィードバックすることで計算精度を向上させている。ここでは、距離推定に受信電力(RSSI)値を用いたが、この代わりに、カメラによる画像情報の処理や、距離センサによる測定等によっても距離の推測ができる。
第1実施形態の無線タグリーダでは、アンテナから移動タグまでの距離を推定する際に、確実に移動タグであると選別されたタグの情報を用いるため、高い精度で距離を推定できる。
第1実施形態では、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの受信強度に基づき行うため、高い精度で距離を推定できる。
ここで、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグの受信強度に基づき行うこともできる。アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグの受信強度に基づき行うため、高い精度で距離を推定できる。
また、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数(例えば3枚等の所定数、予定出荷枚数の20%、第2閾値を超えたタグ枚数の半分等、状況によって代えることができる)の推定距離の平均値を推定距離とできる。アンテナから移動タグまでの距離の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数の推定距離の平均値を推定距離とするため、高い精度で距離を推定できる。
さらに、アンテナから移動タグまでの距離の推定を、第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定距離速度の平均値を推定距離とすることもできる。アンテナから移動タグまでの距離の推定を、第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定距離速度の平均値を推定距離とするため、高い精度で距離を推定できる。
次に、速度推定の処理が成される(図11、S112)。図15(B)は、速度推定のサブルーチンを示す。
先ず、速度判断の対象とする移動タグを特定する(S552)。ここでは、図18(A)に示される●の確実な移動タグが特定される。そして、速度判断の対象とする移動タグの平均のタグ読取時間(対象コードのファインダーパターンの認識からデコード完了までの時間:移動速度が遅ければタグの読取時間も長くなる)I値が算出される(S554)。算出されたタグ読取時間値が規定値よりも長いかが判断される(S556)。タグ読取時間が規定値よりも長い場合(S556:Yes)、移動タグの速度が遅いいと判断される(S558)。移動タグの速度が遅いと判断されると、図11のS114の処理で後述する第3閾値が低く補正される。反対に、読取時間が規定値よりも短い場合(S556:No)、移動タグが速いと判断される(S570)。移動タグの速度が速いと判断されると、図11のS114の処理で第3閾値が高く補正される。
第1実施形態の無線タグリーダでは、移動タグの速度をフィードバックすることで計算精度を向上させている。ここでは、速度判定の結果に応じて、閾値を調整したが、この代わりに、速度に応じて位相変化量を補正することもできる。例えば、推定位相変化量÷時間で計算した速度>推定速度なら、推定位相変化量を-180°もしくは−360°回転補正する等である。
タグの移動速度の推定には、移動物(フォークリフト)に予め設置した加速度センサーといった移動物や移動経路に予め設置したセンサ情報を活用することや、アンテナ位置やゲート通過を観測できる位置に設置した画像情報などの移動物を観測可能な位置に設置した機器による画像情報の活用も可能である。
第1実施形態の無線タグリーダでは、図18(A)に示される●の確実な移動タグの平均の読取時間を用いたが、位相変化量が最大であるタグの読取時間を推定に利用することも可能である。移動タグの移動速度の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグのタグ読取時間情報に基づき行うため、高い精度で移動速度を推定できる。
移動タグの移動速度の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数(例えば3枚等の所定数、予定出荷枚数の20%、第2閾値を超えたタグ枚数の半分等、状況によって代えることができる)の推定移動速度の平均値を推定速度とすることができる。移動タグの移動速度の推定を、確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とするため、高い精度で移動速度を推定できる。
また、移動タグの移動速度の推定を、第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とすることもできる。移動タグの移動速度の推定を、第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とするため、高い精度で移動速度を推定できる。
上述した判定閾値、計算補正値再計算の処理(図11,S114)に続き、終了判定があったかが判断され(S116)、終了判定があると(S116:Yes)、移動タグか停止タグかの判断が済んでいないタグについての最終判定が行われる(S118)。
図16は最終判定のサブルーチンを示すフローチャートである。
上述されたS114で算出された第3閾値が取得される(S612)。例えば、第2閾値を超えた確実に移動タグであるとされた物の受信電力(RSSI)の平均値(例えば−60db)よりも6db低い値(−66db)が第3閾値として取得される。図18(A)中の第1閾値、第2閾値で挟まれた■の移動タグが、図18(C)に示されるように、第3閾値(−66db)以上であるとして(S614:Yes)、移動タグであると判別される(S616)。図18(A)中の第1閾値、第2閾値で挟まれた▲の停止タグが、図18(C)に示されるように、第3閾値(−66db)未満であるとして(S614:No)、停止タグであると判別される(S618)。全てのタグについて判断が終了すると(S620:Yes)、処理が終了する。
第1実施形態では、受信強度に基づいて第3閾値を設定したが、第3閾値は、位相変化量、速度もしくは加速度、距離もしくは角度情報、最初の読み取りから最後の読み取りまでの時間の少なくとも1つを用いて算出することができる。
第1実施形態の無線タグリーダ10では、無線タグの移動により変化する位相変化量、及び、位相偏りを用いた第2閾値で確実に移動している目標タグであるものを複数個抽出し、抽出した複数個の目標タグの受信強度を用いて第3閾値を算出する。このため、第1実施形態の無線タグリーダは、積荷の材質、吸湿性、反射波等の影響をキャンセルして確実に移動している無線タグを選別することができる。また、位相変化量、位相偏りのみでは困難な移動タグかの判断が、受信強度を組み合わせることで、適切に判断される。
なお、第1実施形態の無線タグリーダ10では、無線タグの移動により変化する値(位相変化量)として、位相差積算値を用いたが、この代わりに、位相変化量平均値、位相変化量中央値、位相変化量最大値、位相変化量が所定値になるまでの時間の平均値、(位相変化量最大値−位相変化量最小値)/2、位相変化量最小値を用いことができる。
[第1実施形態の改変例]
図9は、第1実施形態の改変例に係る停止タグ、移動タグ判別の説明図である。図9に示されるように位相偏りのみで、停止タグ◆、移動タグ●が別れる場合、第1実施形態の改変例の無線タグリーダは、位相偏りが70%以上を停止タグとし、70%未満を移動タグと判別する。
[第2実施形態]
図19は、第2実施形態に係るPOSレジで用いられる無線タグリーダ110を示している。
無線タグリーダ110は、ベルトコンベア112上に乗せられた買い物籠CS内の商品に貼られた無線タグを読み取る。ベルトコンベア112に載せられた買い物籠CSは、図示しない無線タグリーダのアンテナまでの距離が変動するので、無線タグリーダは、その際の位相変化量、位相偏りに基づき買い物籠CS内の確定できる無線タグを見つける(ステップ1)。
そして、ベルトコンベア112を小刻みに振るわせ、上述した確定タグと同様に位相や受信電力(RSSI)挙動しているものを目標タグ(通過タグ)として検知する(ステップ2)。
ここで、隣接レジとの区別を行うため、振るわせ方を分けることができる(例えば、振るわせる方向、振るわせるパターン)。上述したステップ1とステップ2で異なるアンテナを用い、行程を2つに分けることもできる。更に、1つのPOSレジで複数のアンテナを用いることもできる。
10…無線タグリーダ
14…アンテナ
30…無線タグ
30a…移動タグ
30b…停止タグ
110…無線タグリーダ
112…ベルトコンベア
M…フォークリフト
P…搬送品

Claims (18)

  1. 移動している移動タグと停止している停止タグとを無線タグからの応答波の位相値に基づき検出する無線タグリーダであって、
    位相値を検出する全角度範囲で位相値の取れた総数を求める総数算出手段と、
    位相値を検出する前記全角度範囲内の所定角度範囲毎に、各角度毎の位相値の取れた数の総和数を求めることで、最も多い総和数を求める総和数算出手段と、
    前記総数と前記最も多い総和数との比較で、前記最も多い総和数の前記所定角度範囲内に位相値が偏っているかを算出する位相の偏り算出手段と、
    前記位相の偏りの低いタグを移動タグと選別し、前記位相の偏りの高いタグを停止タグと選別する選別手段と、を有することを特徴とする無線タグリーダ。
  2. 請求項1の無線タグリーダであって、
    無線タグからの応答波の位相に基づき、前回の位相と今回の位相との差を累積加算して無線タグの移動状態の指標となる位相変化量を求める位相変化量算出手段を備え、
    前記選別手段が、前記位相の偏り及び前記位相変化量を用いて閾値を設定し、前記移動タグと前記停止タグとを選別することを特徴とする無線タグリーダ。
  3. 請求項2の無線タグリーダであって、前記位相変化量算出手段は、前記累積加算した位相加算のグラフを平滑処理した後に変曲点を傾きの変化により取得し、始点と終点を含めた各変曲点間の位相変化量の和を元に前記位相変化量を算出する。
  4. 請求項3の無線タグリーダであって、
    前記選別手段が、前記位相の偏り及び前記位相変化量を用いて確実に停止タグとする第1の閾値と確実に移動タグとする第2の閾値を設定し、確実に移動タグであるタグと、確実に停止タグであるタグとを選別し、
    確実に移動タグであるとされた1以上のタグの位相変化量、速度もしくは加速度、距離もしくは角度情報、最初の読み取りから最後の読み取りまでの時間、受信強度の少なくとも1つを用いて第3の閾値を算出し、前記確実に移動タグ、前記確実に停止タグであると選別された以外のタグが移動タグか停止タグかを前記第3の閾値に基づき決定する決定手段を備えることを特徴とする無線タグリーダ。
  5. 請求項4の無線タグリーダであって、
    前記移動タグの移動速度を推定し、前記位相変化量の補正を行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  6. 請求項4の無線タグリーダであって、
    前記移動タグの移動速度を推定し、前記第3の閾値の補正を行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  7. 請求項4の無線タグリーダであって、
    アンテナから移動タグまでの距離を推定し、前記第3の閾値の補正を行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  8. 請求項5または請求項6の無線タグリーダであって、
    前記移動タグの移動速度の推定を、前記確実に移動タグであるタグのタグ読取時間情報に基づき行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  9. 請求項8の無線タグリーダであって、
    前記移動タグの移動速度の推定を、前記確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグのタグ読取時間情報に基づき行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  10. 請求項5または請求項6の無線タグリーダであって、
    前記移動タグの移動速度の推定を、前記確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とすることを特徴とする無線タグリーダ。
  11. 請求項5または請求項6の無線タグリーダであって、
    前記移動タグの移動速度の推定を、前記第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定移動速度の平均値を推定速度とすることを特徴とする無線タグリーダ。
  12. 請求項7の無線タグリーダであって、
    アンテナから移動タグまでの距離を推定する際に、確実に移動タグであると選別されたタグの情報を用いることを特徴とする無線タグリーダ。
  13. 12の無線タグリーダであって、
    前記アンテナから移動タグまでの距離の推定を、前記確実に移動タグであるタグの受信強度に基づき行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  14. 請求項12の無線タグリーダであって、
    前記アンテナから移動タグまでの距離の推定を、前記確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が最大であるタグの受信強度に基づき行うことを特徴とする無線タグリーダ。
  15. 請求項12の無線タグリーダであって、
    前記アンテナから移動タグまでの距離の推定を、前記確実に移動タグであるタグの内で位相変化量が上位所定枚数の推定距離の平均値を推定距離とすることを特徴とする無線タグリーダ。
  16. 請求項12の無線タグリーダであって、
    前記アンテナから移動タグまでの距離の推定を、前記第2の閾値を超えるのが速い上位所定枚数の推定距離速度の平均値を推定距離とすることを特徴とする無線タグリーダ。
  17. 請求項4の無線タグリーダであって、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値が、前記位相の偏りが大きい場合に、前記位相変化量の判断基準値が大きくなることを特徴とする無線タグリーダ。
  18. 請求項1の無線タグリーダであって、
    前記選別手段は、前記位相の偏りの低いタグを直接波が受信された移動タグと選別し、前記位相の偏りの高いタグを直接波及び反射波が受信された停止タグと選別すると、を有することを特徴とする無線タグリーダ。
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