JP2020051494A - 耐圧シール付玉軸受 - Google Patents

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隼人 川口
Hayato Kawaguchi
隼人 川口
泰裕 上堀
Yasuhiro Uehori
泰裕 上堀
弘基 石原
Hiroki Ishihara
弘基 石原
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Abstract

【課題】耐圧性を確保しながら、軸受内部で潤滑不足が生じるのを防止することが可能な耐圧シール付玉軸受を提供する。【解決手段】内輪シール溝12を、側壁面23と、その側壁面23の径方向内端から軸方向外方に延びて内輪3の軸方向端面に至る円筒面24とからなる断面L字状の溝とし、シールリップ22の芯金20の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)を、1.2≦(b/a)≦2.0とする。【選択図】図3

Description

この発明は、軸受外部から圧力が作用する条件で用いられる耐圧シール付玉軸受に関する。
トランスミッション又はコンプレッサ等の機械装置の回転軸を支持するために、玉軸受が用いられる。そして、機械装置のギヤの潤滑油を圧送する部位など、一定の圧力が発生する部位においては、軸方向の一方から作用する流体の圧力を受け止めながら回転軸を回転可能に支持することが可能な耐圧シール付玉軸受が用いられる(例えば、特許文献1)。
本願の発明者らは、耐圧シール付玉軸受として、図6に示すものを使用することを検討した。この耐圧シール付玉軸受は、外輪50と、外輪50の内側に同軸に配置された内輪51と、外輪50と内輪51の間に形成される環状空間52に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉53と、外輪50の内周に固定して取り付けられた環状のシール部材54とを有する。内輪51の外周には、玉53が転がる内輪軌道溝55と、シール部材54の内径側端部を周方向に移動可能に収容する内輪シール溝56と、内輪軌道溝55と内輪シール溝56の間に位置する内輪肩部57とが形成されている。シール部材54は、金属板からなる環状の芯金58と、その芯金58に接着して設けられたゴム製のシールリップ59とを有する。
この耐圧シール付玉軸受は、耐圧性を高めるために、一般的なシール付玉軸受よりもシール部材54の芯金58が大きくなっている。すなわち、一般的なシール付玉軸受においては、芯金58の内径が内輪肩部57の径よりも大径であるが、図6に示す耐圧シール付玉軸受においては、シール部材54の剛性を確保するため、芯金58の内径を内輪肩部57の径よりも小径とし、シール部材54の芯金58の径方向内端が、内輪シール溝56内に位置するようにしている。
実公平6−19859号公報
本願の発明者は、図6に示す耐圧シール付玉軸受について、その性能評価を行なった。図6に示す耐圧シール付玉軸受は、軸方向外側から作用する圧力をシール部材54で受け止めたときにシールリップ59が過度に変形するのを防止するために、シールリップ59の芯金58に対する接着長さaが、シールリップ59の軸方向長さbよりも大きくなっており、具体的には、シールリップ59の芯金58の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金58の軸方向内側の側面からシールリップ59の側壁面に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、(b/a)<1.0となるような形状にシールリップ59が形成されている。
しかしながら、図6に示すように、シールリップ59の芯金58に対する接着長さaを、シールリップ59の軸方向長さbよりも大きくした場合、シールリップ59の過度の変形を防止することは可能であるが、シールリップ59が潤滑油を完全に遮断するため、軸受外部から軸受内部に潤滑油がまったく導入されず、軸受内部で潤滑不足が生じるおそれがあることが分かった。特に、図6に示すように、内輪シール溝56として断面U字状のものを採用した場合、軸受外部から供給される潤滑油が内輪シール溝56に入り込みにくいため、軸受内部の潤滑不足が生じやすい。
この発明が解決しようとする課題は、耐圧性を確保しながら、軸受内部で潤滑不足が生じるのを防止することが可能な耐圧シール付玉軸受を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の耐圧シール付玉軸受を提供する。
外輪と、
前記外輪の内側に同軸に配置された内輪と、
前記外輪と前記内輪の間に形成される環状空間に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉と、
前記外輪の内周に固定して取り付けられ、前記環状空間の軸方向の端部開口を塞ぐ環状のシール部材とを有し、
前記内輪の外周には、前記玉が転がる内輪軌道溝と、前記シール部材の内径側端部を周方向に移動可能に収容する内輪シール溝と、前記内輪軌道溝と前記内輪シール溝の間に位置する内輪肩部とが形成され、
前記内輪シール溝は、前記内輪肩部から軸方向外側に向かって小径となるように形成された軸方向外側を向く環状の側壁面を有し、
前記シール部材は、金属板からなる環状の芯金と、その芯金に接着して設けられ、前記内輪シール溝の前記側壁面に摺接するように前記芯金の内径側端部から軸方向内側に延び出すゴム製のシールリップとを有し、
前記芯金の径方向内端が前記内輪シール溝内に位置するように前記芯金の内径Yが前記内輪肩部の径Xよりも小径とされた耐圧シール付玉軸受において、
前記シールリップの前記側壁面に対する接触位置が、前記芯金の径方向内端よりも径方向内側にくるように前記シールリップを径方向内側に傾斜して形成し、
前記内輪シール溝は、前記側壁面と、その側壁面の径方向内端から軸方向外方に延びて前記内輪の軸方向端面に至る円筒面とからなる断面L字状の溝とし、
前記シールリップの前記芯金の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、前記芯金の軸方向内側の側面から前記シールリップの前記側壁面に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)≦2.0の関係を満たすことを特徴とする耐圧シール付玉軸受。
このようにすると、側壁面と円筒面とからなる断面L字状の内輪シール溝を採用しているので、軸受外部から供給される潤滑油が、内輪シール溝に入り込みやすい。また、シールリップの芯金の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金の軸方向内側の側面からシールリップの側壁面に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)なので、シールリップの剛性が低く、シールリップが撓みやすい。そのため、潤滑油がシールリップで完全には遮断されず、軸受外部の潤滑油がシールリップを介して軸受内部にわずかに流入するので、軸受内部で潤滑不足が生じにくい。また、芯金の径方向内端が内輪シール溝内に位置するように芯金の内径Yが内輪肩部の径Xよりも小径とされ、さらに、シールリップの芯金の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金の軸方向内側の側面からシールリップの側壁面に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、(b/a)≦2.0なので、軸方向外側から作用する圧力によって、シールリップが座屈するのが防止され、軸受内部の気密性を確保することができる。また、芯金の内径Yが内輪肩部の径Xよりも小径なので、シール部材の剛性が高く、軸受の耐圧性を確保することが可能である。
前記芯金の内径Yと、前記シールリップの前記側壁面に対する接触位置の直径Zと、前記軸方向長さbとが、2.0<(b/(Y−Z))<4.0を満たすようにシールリップを形成すると好ましい。
このようにすると、2.0<(b/(Y−Z))なので、シールリップの剛性が比較的低く抑えられ、シールリップを介して軸受外部から軸受内部に潤滑油を確実に導入することができる。また、(b/(Y−Z))<4.0なので、軸方向の圧縮力に対するシールリップの耐性が高く、軸方向外側から作用する圧力によって、シールリップが倒れるのを防止することができる。
前記シール部材は、前記環状空間の軸方向両側の端部開口のうち一方の端部開口のみに設けられ、他方の端部開口が開放している構成を採用することができる。
前記外輪の内周および前記内輪の外周は、軸直角平面に対し対称形状とすることができる。
前記外輪の外周に形成されたリング溝に、ゴム製のシールリングが装着された構成を採用すると好ましい。
このようにすると、耐圧シール付玉軸受のシール性能を向上させることができる。
この発明の耐圧シール付玉軸受は、側壁面と円筒面とからなる断面L字状の内輪シール溝を採用しているので、軸受外部から供給される潤滑油が、内輪シール溝に入り込みやすい。また、シールリップの芯金の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金の軸方向内側の側面からシールリップの側壁面に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)なので、シールリップの剛性が低く、シールリップが撓みやすい。そのため、潤滑油がシールリップで完全には遮断されず、軸受外部の潤滑油がシールリップを介して軸受内部にわずかに流入するので、軸受内部で潤滑不足が生じにくい。また、芯金の径方向内端が内輪シール溝内に位置するように芯金の内径Yが内輪肩部の径Xよりも小径とされ、さらに、シールリップの芯金の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金の軸方向内側の側面からシールリップの側壁面に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、(b/a)≦2.0なので、軸方向外側から作用する圧力によって、シールリップが座屈するのが防止され、軸受内部の気密性を確保することができる。また、芯金の内径Yが内輪肩部の径Xよりも小径なので、シール部材の剛性が高く、軸受の耐圧性を確保することが可能である。
この発明の実施形態にかかる耐圧シール付玉軸受を示す断面図 図1のシール部材の近傍を示す拡大断面図 図2のシールリップ近傍の拡大断面図 図1に示す耐圧シール付玉軸受の使用状態の一例を示す図 図4に示す耐圧シール付玉軸受の変形例を示す図 比較例の耐圧シール付玉軸受を示す断面図
図1に、この発明の実施形態にかかる耐圧シール付玉軸受1を示す。この耐圧シール付玉軸受1は、深溝玉軸受であり、外輪2と、外輪2の内側に同軸に配置された内輪3と、外輪2と内輪3の間に形成される環状空間4に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉5と、その複数の玉5の周方向の間隔を保持する保持器6と、環状空間4の軸方向の端部開口を塞ぐ環状のシール部材7とを有する。シール部材7は、環状空間4の軸方向両側の端部開口のうち一方の端部開口のみに設けられ、他方の端部開口は、外部空間に開放している。
外輪2の内周には、玉5が転がる外輪軌道溝8と、シール部材7の外径側端部を固定するシール固定溝9と、外輪軌道溝8とシール固定溝9の間に位置する外輪肩部10とが形成されている。外輪軌道溝8は、断面円弧状の溝である。外輪2の内周は、軸直角平面に対し対称形状とされている。外輪2の内周には、玉5に対してシール部材7がある側とは反対側にも、玉5を軸方向に支持する外輪肩部10が設けられている。外輪2の外径は、例えば44mm以上56mm以下の範囲で設定することができる。
内輪3の外周には、玉5が転がる内輪軌道溝11と、シール部材7の内径側端部を周方向に移動可能に収容する内輪シール溝12と、内輪軌道溝11と内輪シール溝12の間に位置する内輪肩部13とが形成されている。内輪軌道溝11は、断面円弧状の溝である。内輪3の外周は、軸直角平面に対し対称形状とされている。内輪3の外周には、玉5に対してシール部材7がある側とは反対側にも、玉5を軸方向に支持する内輪肩部13が設けられている。内輪3の内径は、例えば18mm以上22mm以下の範囲で設定することができる。
保持器6は、玉5を軸方向の一方側から保持する第1の環状体14と、玉5を軸方向の他方側から保持する第2の環状体15とを連結して形成した合わせ保持器である。第1の環状体14と第2の環状体15は、軸方向に対向して配置されている。第1の環状体14の第2の環状体15に対する対向面と、第2の環状体15の第1の環状体14に対する対向面には、玉5を収容する半球状のポケット16がそれぞれ形成されている。第1の環状体14と第2の環状体15はそれぞれ鋼板で形成され、その両者が図示しないリベットで連結されている。玉5の径は、例えば、7mm以上10.5mm以下の範囲で設定することができる。
シール部材7は、金属板からなる環状の芯金20と、その芯金20に加硫接着したゴム材21とからなる環状の部材である。ゴム材21は、芯金20の内径側端部から軸方向内側に延び出すゴム製のシールリップ22を有する。
図2に示すように、内輪シール溝12は、内輪肩部13から軸方向外側に向かって小径となるように形成された軸方向外側を向く環状の側壁面23と、その側壁面23の径方向内端から軸方向外方に延びて内輪3の軸方向端面に至る円筒面24とからなる断面L字状の溝である。側壁面23は、軸直角方向に対して傾斜したテーパ面である。円筒面24は、軸方向と平行に真っ直ぐ延びる直線状の断面形状をもつ面である。内輪肩部13の外周も、軸方向と平行に真っ直ぐ延びる直線状の断面形状をもつ円筒面とされている。
シールリップ22は、内輪シール溝12の側壁面23に摺接するように、芯金20の内径側端部から軸方向内側に延び出している。ここで、シールリップ22は、シールリップ22の側壁面23に対する接触位置が、芯金20の径方向内端よりも径方向内側にくるように径方向内側に傾斜して延びる形状を有する。
芯金20は、シール部材7の外輪2の内周への取り付け部分を形成する筒部25と、筒部25の軸方向外端から径方向内方に延びる外径側フランジ部26と、外径側フランジ部26の径方向内端から軸方向内側に延びる屈曲部27と、屈曲部27の軸方向内端から径方向内方に延びる内径側フランジ部28とを有する。ここで、外径側フランジ部26と屈曲部27と内径側フランジ部28は、互いに平行な外径側フランジ部26と内径側フランジ部28の間を屈曲部27で連結したクランク形状の断面を呈している。芯金20は、1枚の金属板をプレス成形することで形成された継ぎ目の無い一体の部材である。
シール部材7の芯金20の径方向内端は、内輪シール溝12内に位置している。すなわち、芯金20の内径側フランジ部28の内径Yは、内輪肩部13の径Xよりも小径とされている。屈曲部27は、芯金20の径方向幅の中央に形成されている。すなわち、屈曲部27は、芯金20の径方向外端と径方向内端の間を二等分する位置に一致する部分をもつ径方向位置に配置されている。
図3に示すように、シールリップ22の軸方向長さbは、シールリップ22の芯金20に対する接着長さaよりも大きくなっており、具体的には、芯金20の内径側フランジ部28の軸方向内側の側面へのシールリップ22の接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の内径側フランジ部28の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)≦2.0となるような形状にシールリップ22が形成されている。
また、シールリップ22は、芯金20の内径Yと、シールリップ22の側壁面23に対する接触位置の直径Zと、シールリップ22の軸方向長さbとが、2.0<(b/(Y−Z))<4.0を満たすように形成されている。
図4に、上記の耐圧シール付玉軸受1の使用例を示す。耐圧シール付玉軸受1は、ハウジング30の内面に外輪2の外周が嵌合し、かつ回転軸31の外周に内輪3の内周が嵌合した状態に組み込まれている。この耐圧シール付玉軸受1は、軸方向の一方側(図では右側)から作用する圧力を受け止めながら、回転軸31を回転可能に支持する。すなわち、耐圧シール付玉軸受1は、軸方向の一方側(図では右側)の圧力が、他方側(図では左側)の圧力よりも高い部位に組み込んで用いられる。耐圧シール付玉軸受1に対して軸方向の一方側(図では右側)の領域は、常時、潤滑油で潤滑されている。耐圧シール付玉軸受1の内部は、耐圧シール付玉軸受1の軸方向の一方側(図では右側)に存在する潤滑油を、シールリップ22を介して軸受内部に導入することで潤滑される。
この耐圧シール付玉軸受1には、シール部材7の芯金20に屈曲部27が設けられているので、芯金20の剛性が高い。特に、芯金20の屈曲部27が、芯金20の径方向幅の中央に形成されている(すなわち、芯金20の径方向の中央位置がクランク形状となっている)ので、軸方向外側から作用する圧力による芯金20のたわみを効果的に抑えることができ、芯金20の剛性を効果的に高めることが可能となっている。
また、この耐圧シール付玉軸受1は、シールリップ22の芯金20の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)≦2.0を満たすように設定されているので、表1に示すように、潤滑油流入性(軸受外部から軸受内部に潤滑油を僅かに流入させることで軸受内部の潤滑性を確保すること)、気密性(軸受外部から圧力が作用する使用条件で軸受内部の気密性を確保すること)を同時に高めることが可能となっている。
表1は、シールリップ22の芯金20の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)を変化させたときの、潤滑油流入性、気密性の評価結果と、それらの評価を総合した総合評価とを示す。表1において、「◎」は極めて良好、「○」は良好、「×」は悪い、をそれぞれ意味する。
Figure 2020051494
この表1より、シールリップ22の芯金20の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)≦2.0を満たすものが、総合評価として最適であることが分かる。
この耐圧シール付玉軸受1は、シールリップ22の芯金20の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)なので、シールリップ22の剛性が低く、シールリップ22が撓みやすい。そのため、潤滑油がシールリップ22で完全には遮断されず、軸受外部の潤滑油がシールリップ22を介して軸受内部にわずかに流入するので、軸受内部で潤滑不足が生じにくい。さらに、側壁面23と円筒面24とからなる断面L字状の内輪シール溝12を採用しているので、軸受外部から供給される潤滑油が、内輪シール溝12に入り込みやすくなっている。
また、この耐圧シール付玉軸受1は、芯金20の径方向内端が内輪シール溝12内に位置するように芯金20の内径Yが内輪肩部の径Xよりも小径とされ、さらに、シールリップ22の芯金20の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、芯金20の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、(b/a)≦2.0なので、軸方向外側から作用する圧力によって、シールリップ22が座屈するのが防止され、軸受内部の気密性を確保することが可能となっている。また、芯金20の内径Yが内輪肩部の径Xよりも小径なので、シール部材7の剛性が高く、軸受の耐圧性を確保することが可能である。
また、この耐圧シール付玉軸受1は、シールリップ22の側壁面23に対する接触位置の直径Zと、芯金20の内径側フランジ部28の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbとが、2.0<(b/(Y−Z))<4.0を満たすように設定されているので、表2に示すように、潤滑油流入性(軸受外部から軸受内部に潤滑油を僅かに流入させることで軸受内部の潤滑性を確保すること)、耐圧性(軸受外部から作用する圧力に対するシール部材7の耐圧性)を同時に高めることが可能となっている。
表2は、(Y−Z)を一定とし、芯金20の内径側フランジ部28の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbを変化させたときの、潤滑油流入性、耐圧性の評価結果と、それらの評価を総合した総合評価とを示す。表2において、「◎」は極めて良好、「○」は良好、「×」は悪い、をそれぞれ意味する。
Figure 2020051494
この表2より、芯金20の内径側フランジ部28の軸方向内側の側面からシールリップ22の側壁面23に対する接触位置までの軸方向長さbが、2.0<(b/(Y−Z))<4.0を満たすものが、総合評価として最適であることが分かる。
この耐圧シール付玉軸受1は、シールリップ22の側壁面23に対する接触位置の直径Zと、軸方向長さbとが、2.0<(b/(Y−Z))を満たすので、シールリップ22の剛性が比較的低く抑えられ、シールリップ22を介して軸受外部から軸受内部に潤滑油を確実に導入することができる。また、(b/(Y−Z))<4.0なので、軸方向の圧縮力に対するシールリップ22の耐性が高く、軸方向外側から作用する圧力によって、シールリップ22が倒れるのを防止することができる。
図5に示すように、外輪2の外周にリング溝32を形成し、そのリング溝32にゴム製のシールリング33を装着すると、耐圧シール付玉軸受1によるシール性能を向上させることができる。シールリング33としては、断面丸形のOリングを用いることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 耐圧シール付玉軸受
2 外輪
3 内輪
4 環状空間
5 玉
7 シール部材
11 内輪軌道溝
12 内輪シール溝
13 内輪肩部
20 芯金
22 シールリップ
23 側壁面
24 円筒面
26 外径側フランジ部
27 屈曲部
28 内径側フランジ部
32 リング溝
33 シールリング
a 接着長さ
b シールリップの軸方向長さ
X 内輪肩部の径
Y 芯金の内径
Z 接触位置の直径

Claims (5)

  1. 外輪(2)と、
    前記外輪(2)の内側に同軸に配置された内輪(3)と、
    前記外輪(2)と前記内輪(3)の間に形成される環状空間(4)に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の玉(5)と、
    前記外輪(2)の内周に固定して取り付けられ、前記環状空間(4)の軸方向の端部開口を塞ぐ環状のシール部材(7)とを有し、
    前記内輪(3)の外周には、前記玉(5)が転がる内輪軌道溝(11)と、前記シール部材(7)の内径側端部を周方向に移動可能に収容する内輪シール溝(12)と、前記内輪軌道溝(11)と前記内輪シール溝(12)の間に位置する内輪肩部(13)とが形成され、
    前記内輪シール溝(12)は、前記内輪肩部(13)から軸方向外側に向かって小径となるように形成された軸方向外側を向く環状の側壁面(23)を有し、
    前記シール部材(7)は、金属板からなる環状の芯金(20)と、その芯金(20)に接着して設けられ、前記内輪シール溝(12)の前記側壁面(23)に摺接するように前記芯金(20)の内径側端部から軸方向内側に延び出すゴム製のシールリップ(22)とを有し、
    前記芯金(20)の径方向内端が前記内輪シール溝(12)内に位置するように前記芯金(20)の内径Yが前記内輪肩部(13)の径Xよりも小径とされた耐圧シール付玉軸受において、
    前記シールリップ(22)の前記側壁面(23)に対する接触位置が、前記芯金(20)の径方向内端よりも径方向内側にくるように前記シールリップ(22)を径方向内側に傾斜して形成し、
    前記内輪シール溝(12)は、前記側壁面(23)と、その側壁面(23)の径方向内端から軸方向外方に延びて前記内輪(3)の軸方向端面に至る円筒面(24)とからなる断面L字状の溝とし、
    前記シールリップ(22)の前記芯金(20)の軸方向内側の側面への接着部分の径方向長さaに対する、前記芯金(20)の軸方向内側の側面から前記シールリップ(22)の前記側壁面(23)に対する接触位置までの軸方向長さbの比(b/a)が、1.2≦(b/a)≦2.0の関係を満たすことを特徴とする耐圧シール付玉軸受。
  2. 前記芯金(20)の内径Yと、前記シールリップ(22)の前記側壁面(23)に対する接触位置の直径Zと、前記軸方向長さbとが、2.0<(b/(Y−Z))<4.0を満たす請求項1に記載の耐圧シール付玉軸受。
  3. 前記シール部材(7)は、前記環状空間(4)の軸方向両側の端部開口のうち一方の端部開口のみに設けられ、他方の端部開口は開放している請求項1または2に記載の耐圧シール付玉軸受。
  4. 前記外輪(2)の内周および前記内輪(3)の外周が、軸直角平面に対し対称形状とされている請求項3に記載の耐圧シール付玉軸受。
  5. 前記外輪(2)の外周に形成されたリング溝(32)に、ゴム製のシールリング(33)が装着されている請求項1から4のいずれか1項に記載の耐圧シール付玉軸受。
JP2018180369A 2018-09-26 2018-09-26 耐圧シール付玉軸受 Pending JP2020051494A (ja)

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