JP2020051075A - 防食方法および防食装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋コンクリートを簡易に低コストで補修する。【解決手段】鉄筋コンクリート5の内部の鉄筋52の腐食を抑制する防食方法であって、前記鉄筋コンクリート5に発生したひび割れ部へ、水分を含浸する含浸工程と、前記ひび割れ部から前記水分を除去し、前記鉄筋52の表面に防食性被膜を形成する乾燥工程と、を行い、前記防食性被膜は、前記含浸工程により前記ひび割れ部のコンクリート51から浸出したアルカリ成分が、前記乾燥工程により中性化して形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートの防食方法および防食装置に関する。
高度経済成長期に建設された大量の鉄筋コンクリート構造物の経年劣化が懸念されている。コンクリート構造物の修復・補修技術として、断面修復方法がある(非特許文献1、2)。この方法は、コンクリート工作機を使用して劣化部を取り除き、健全なコンクリート補修材を打ち継いで補修するものである。
また、電気化学的な修復・補修方法もある(非特許文献1、3)。これは、電気化学装置を使用して劣化した既設コンクリート構造物に対して大きな電流を短期間流すことで、電気化学的手法により脱塩して補修する技術である。
河野、外1名、"塩害・中性化と補修・補強方法"、コンクリート工学、vol.31、 No.7、1993年7月、pp.65-68 長滝、外3名、"鉄筋コンクリート部材の断面修復部における腐食形成に関する実験的研究"、土木学会論文集、No.544/vol.32、1996年8月、 pp.109-119 大即、外3名、"鉄筋コンクリート部材の脱塩・再アルカリ化工法に関する基礎的研究"、土木学会論文集, No.520/vol.28、1995年8月、pp.67-76
従来技術では、鉄筋コンクリートの補修に際し、コンクリート工作機、電気化学装置など特別かつ大型な機械を必要とし、劣化したコンクリートの掘削等の煩雑なプロセスを行うために補修コストが大きいという問題点がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、コンクリート工作機、電気化学装置などの特別な機械を用いることなく、鉄筋コンクリートを簡易に低コストで補修することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を抑制する防食方法であって、前記鉄筋コンクリートに発生したひび割れ部へ、水分を含浸する含浸工程と、前記ひび割れ部から前記水分を除去し、前記鉄筋の表面に防食性被膜を形成する乾燥工程と、を行い、前記防食性被膜は、前記含浸工程により前記ひび割れ部のコンクリートから浸出したアルカリ成分が、前記乾燥工程により中性化して形成される。
本発明は、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を抑制する防食装置であって、前記鉄筋コンクリートに発生したひび割れ部へ、水分を含浸する水分供給部と、前記ひび割れ部から前記水分を除去し、前記鉄筋の表面に防食性被膜を形成する乾燥部と、前記水分供給部と前記乾燥部とを制御する制御部と、を有し、前記防食性被膜は、前記水分の含浸により前記ひび割れ部のコンクリートから浸出したアルカリ成分が、前記水分の除去により中性化して形成される。
本発明によれば、鉄筋コンクリートを簡易に低コストで補修することができる。
本発明の実施形態に係る防食装置の全体構成を示す図である。 防食処理を示すフローチャートである。 pHの時間変化と、防食性被膜有り・無しの場合の電荷移動抵抗値の時間変化とを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
鉄筋コンクリートは、内部の鉄筋がコンクリートの強度を高める役割を持つことに加え、アルカリ性のコンクリートが鉄筋を覆うことで内部の鉄筋を防食する。ひび割れのない健全な鉄筋コンクリートの中の鉄筋は、コンクリートのアルカリ環境に覆われているため不働態化している。しかし、ひび割れが生じた鉄筋コンクリートでは、ひび割れた部分のコンクリート内部の中性化が進行し、脱不働態化して鉄筋の腐食が進行する。
本実施形態における防食技術は、建物などの鉄筋コンクリート構造物の表面(露出面)にひび割れが生じた場合、ひび割れが生じた部分(以下、「ひび割れ部」)への水分含浸によりコンクリート中のアルカリ成分の浸出を促し、その後の乾燥過程に伴う中性化により生じる防食性被膜を、ひび割れ部の内部に配置された鉄筋表面に形成する。
したがって、本実施形態では、電気化学装置、コンクリートを斫るコンクリート工作機などの大型の装置を用いたコンクリートの修復および補修作業が不要である。したがって、本実施形態は、鉄筋コンクリート構造物の点検作業において、ひび割れを検知した際の応急処置として有用な技術である。
なお、本実施形態は、鉄筋コンクリート内部の鉄筋表面への防食性被膜による防食であることから、防食性被膜を破壊する塩分の影響は除去されている必要がある。したがって、鉄筋コンクリート構造物の設置環境が塩害環境の地域かどうかの判定を実施し、塩害環境でない場合に、本実施形態を適用する。塩害環境である場合には、電気化学的手法による脱塩・再アルカリと組み合わせることも可能だが、大型装置等が必要となることから、本実施形態の防食対象から除外すべきである。
図1は、本実施形態の防食装置(システム)の構成を示す図である。防食装置は、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を抑制する。図示する防食装置は、制御装置1(制御部)と、水分供給装置2(水分供給部)と、乾燥装置3(乾燥部)と、補修対象保護部4とを備える。
制御装置1は、水分供給装置2および乾燥装置3と、電気的、物理的、またはネットワークを介して接続される。図示する制御装置1は、制御部11と、記憶部12とを備える。制御装置1には、例えば、パソコンなどのコンピュータを用いる。
制御部11は、水分供給装置2および乾燥装置3を制御する。具体的には、制御部11は、水分供給装置2に制御信号を送信して水分供給装置2を制御することで、鉄筋コンクリート構造物5(鉄筋コンクリート)のひび割れ部に水分を供給する含浸工程を行う。また、制御部11は、乾燥装置3に制御信号を送信して乾燥装置3を制御することで、ひび割れ部の水分を除去し、乾燥する乾燥工程を行う。また、制御部11は、水分供給装置2および乾燥装置3を制御して、含浸工程と乾燥工程とを交互に繰り返し行う。また、制御部11は、含浸する水分の種類に応じて、含浸工程および乾燥工程の時間を制御(変更、調整)する。
記憶部12は、含浸工程と乾燥工程とを繰り返し行うためにあらかじめ設定された任意の繰り返し回数を記憶する。また、記憶部12は、含浸する水分の種類に応じて、含浸工程および乾燥工程の時間をそれぞれ記憶する。
水分供給装置2は、制御装置1の制御に従って、鉄筋コンクリート構造物5に発生したひび割れ部へ、水分を含浸する。乾燥装置3は、制御装置1の制御に従って、ひび割れ部から水分を除去し、ひび割れ部の内部に配置された鉄筋52の表面に防食性被膜を形成する。防食性被膜は、水分の含浸によりひび割れ部のコンクリート51から浸出したアルカリ成分が、水分の除去により中性化して形成される。
補修対象保護部4は、ひび割れ部を外部環境から保護するための閉じた空間を形成する。具体的には、補修対象保護部4は、鉄筋コンクリート構造物5に対しガスケット等を用いて密着する構造とし、外部環境とひび割れ部とを遮断し、水分供給装置2および乾燥装置3と接続するほかは閉じた空間とする。
図示する鉄筋コンクリート構造物5は、コンクリート51の内部に複数の鉄筋52が配置されている。鉄筋コンクリート構造物5の表面には、鉄筋52の腐食を進行させる要因となるひび(亀裂)が発生したひび割れ部を有する。
次に、本実施形態の防食処理について説明する。
図2は、防食処理の処理フローの一例を示す図である。本実施形態では、上述のとおり、塩害環境に設置された鉄筋コンクリート構造物については、本実施形態の防食処理の対象から除外する。
まず、ユーザは、目視点検、カメラ等を用いた点検技術等により、鉄筋コンクリート構造物に発生したひび割れを検知する(S11)。
そして、ユーザは、検知したひび割れ部(補修対象)を外部環境から保護するための補修対象保護部4を、鉄筋コンクリート構造物のひび割れ部の位置に設置する(S12)。補修対象保護部4は、鉄筋コンクリート構造物に対しガスケット等を用いて密着する構造とし、ひび割れ部を覆うように設置される。また、補修対象保護部4は、外部環境からひび割れ部を遮断し、水分供給装置2および乾燥装置3との接続以外は閉じた空間とする。
そして、制御装置1は、水分を含浸する含浸工程と、その後、防食性被膜を形成し固着させる乾燥工程の繰り返し回数Nを設定する(S13)。繰り返し回数は、記憶部12にあらかじめ記憶された繰り返し回数を用いてもよいし、ユーザが制御装置1に入力した繰り返し回数を用いてもよい。また、制御装置1は、実施回数nに初期値「1」を設定する。
繰り返し回数は、1以上の回数である。含浸工程および乾燥工程の実施回数は複数回としたほうがより防食性が高まるが、1回(N=1)でも、鉄筋に防食性を与えることが可能である。繰り返し回数の設定後、S14の含浸工程に移行する。
含浸工程では、制御装置1は、水分供給装置2を制御し、S11で検知した鉄筋コンクリート構造物のひび割れ部に水分を含浸させる(S14)。この水分の含浸により、コンクリート中のアルカリ成分が浸出される。具体的には、制御装置1は、水分供給を指示する制御信号を水分供給装置2に送信する。これにより、水分供給装置2は、補修対象保護部4に水分を供給し、補修対象保護部4で保護されたひび割れ部を水分で含浸する。水分供給装置2は、補修対象保護部4の内部が水分で満たされるまで、水分を供給する。
水分には、塩素を含まない溶液を用いる。たとえば、水分には、純水、あるいは、コンクリートの主成分である水酸化カルシウム水溶液を用いてもよい。水酸化カルシウム水溶液の濃度の調整は困難であることから、水酸化カルシウムの飽和溶液を用いればよい。
水酸化カルシウム水溶液を用いる場合、含浸工程において、ひび割れ部のコンクリートをアルカリ化するとともに、乾燥工程において、水酸化カルシウム水溶液が空気中の二酸化炭素と接触および反応することで、炭酸カルシウムの防食性被膜が短時間で生成されるため、より有効である。
制御装置1は、所定の時間、ひび割れ部に水分を含浸させた状態を維持し、所定の時間が経過した後、乾燥工程に移行する。
乾燥工程では、制御装置1は、ひび割れ部の内部に含浸させた水分を除去し、乾燥させる(S15)。これにより、含浸工程で浸出したアルカリ成分が中性化されて、ひび割れ発生時には存在しない防食性被膜が形成され、当該防食性被膜が鉄筋表面を覆うように固着形成される。これにより、防食性能が発現する。
具体的には、制御装置1は、排水指示の制御信号を水分供給装置に送信することで水分供給装置2を制御し、補修対象保護部4に充填させた水分を排出する。その後、制御装置1は、乾燥装置3に乾燥指示を送信することで乾燥装置3を制御し、補修対象保護部4の内部を乾燥させる。
これにより、水分供給装置2は、補修対象保護部4から水分を排水する。乾燥装置3は、補修対象保護部4の閉じた空間に、乾燥空気または温風を送風する、電磁誘導加熱により鉄筋を加熱するなどして、コンクリートのひび割れ部を乾燥させる。
制御装置1は、含浸する水分の種類に応じて、含浸工程および乾燥工程の時間を変更・調整してもよい。例えば、水分に純水を用いる場合は、ひび割れ部の内部でのアルカリ成分の溶出が必要であることから、乾燥は自然乾燥、乾燥空気の送出などにより、比較的長い時間でゆっくりと進めることが望ましい。水分に水酸化カルシウム水溶液を用いる場合は、例えば、乾燥装置3からの温風の吹きかけ、電磁誘導加熱による鉄筋の加熱などにより、比較的短い時間で実行し乾燥過程を促進してもよい。
制御装置1は、所定の時間、ひび割れ部を乾燥させ、所定の時間の経過後、次の工程に移行する。
なお、含浸工程の時間、および、乾燥工程における時間は、あらかじめ記憶部12に記憶されたそれぞれの時間を用いてもよいし、S13の繰り返し回数を設定する際に、ユーザが制御装置1に入力した時間を用いてもよい。含浸工程および乾燥工程の各時間(所定の時間)は、点検対象の鉄筋コンクリート構造物を模擬した試験体で、あらかじめ調査し、記憶部12に記憶しておくことが望ましい。
そして、制御装置1は、含浸工程および乾燥工程を実施した後、実施回数nと繰り返し回数Nとを比較し判定する(S16)。実施回数nが繰り返し回数Nより小さい場合(n<N)、制御装置1は、実施回数nに1を加算し、S14の含浸工程に戻る(S17)。実施回数nが繰り返し回数Nと等しい場合(n≧N)、制御装置1は処理を終了する。なお、一度の含浸工程および乾燥工程では、ひび割れ部の内部の鉄筋表面を、十分に防食性被膜で覆えない恐れがあることから、含浸工程および乾燥工程を交互に繰り返し行うことが望ましい。
図3に、飽和水酸化カルシウム水溶液を用いて、上記の含浸工程および乾燥工程を1回ずつ実施して形成した防食性被膜を有する鋼材と、防食性被膜のない鋼材とを、アルカリ環境に設置し、その後、環境が中性化していく際の電荷移動抵抗の変化を示す。鋼材はいずれもSS400を用いた。
防食性被膜がない鋼材は、pHが10程度まで低下すると、電荷移動抵抗が低下し始める。電荷移動抵抗の低下は、腐食が進むことを意味することから、環境の中性化に伴い鋼材の腐食が進行したとみなせる。
一方、防食性被膜を有する鋼材は、pHが10程度まで低下し、環境の中性化が進行しても、電荷移動抵抗は低下しなかった。しがたって、上記の含浸工程および乾燥工程において形成した防食性被膜により、ひび割れ部の内部の鉄筋を防食することができることは明らかである。
以上説明した本実施形態の防食方法は、鉄筋コンクリートに発生したひび割れ部へ、水分を含浸する含浸工程と、ひび割れ部から水分を除去し、鉄筋の表面に防食性被膜を形成する乾燥工程とを行い、防食性被膜は、含浸工程によりひび割れ部のコンクリートから浸出したアルカリ成分が、乾燥工程により中性化して形成される。
これにより本実施形態では、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を抑制し、鉄筋コンクリートを簡易に低コストで補修することができる。すなわち、従来では、鉄筋コンクリート構造物のひび割れ部の補修には、コンクリート工作機や電気化学装置等の大型の装置が必要で、コンクリートの除去など煩雑なプロセスが必要であったが、本実施形態では、水分の含浸と乾燥という簡便な方法で、防食効果をひび割れ内部の鉄筋に付与し、鉄筋コンクリート構造物の補修を実施することができる。したがって本実施形態では、従来より、簡便かつ安価に鉄筋コンクリート構造物の防食および補修が可能となる。また、本実施形態は、鉄筋コンクリート構造物の点検作業において、ひび割れを検知した際の応急処置としても有用な技術である。
また、本実施形態では、鉄筋コンクリートのひび割れ部を保護する補修対象保護部4を用いる。これにより、酸性雨によるコンクリートの中性化および被膜破壊、大気の湿度上昇による乾燥工程における効率低下などの外乱を除去し、含浸工程と乾燥工程とを効率的に進行させることができる。水分の含浸時には、補修対象保護部4に水分を充填し、その後脱水することで速やかに実施可能である。また乾燥時には、乾燥空気や温風の送風や加熱を、閉じた空間で実施することにより速やかな乾燥が可能となる。
なお、上記説明した制御装置1には、例えば、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)と、メモリと、ストレージ(HDD:Hard Disk Drive、SSD:Solid State Drive)と、通信装置と、入力装置と、出力装置とを備える汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた制御装置1用のプログラムを実行することにより、制御装置1の各機能が実現される。また、制御装置1用のプログラムは、HDD、SSD、USBメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、MOなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
1 :制御装置
11:制御部
12:記憶部
2 :水分供給装置
3 :乾燥装置
4 :補修対象保護部
5 :鉄筋コンクリート構造物
51:コンクリート
52:鉄筋

Claims (8)

  1. 鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を抑制する防食方法であって、
    前記鉄筋コンクリートに発生したひび割れ部へ、水分を含浸する含浸工程と、
    前記ひび割れ部から前記水分を除去し、前記鉄筋の表面に防食性被膜を形成する乾燥工程と、を行い、
    前記防食性被膜は、前記含浸工程により前記ひび割れ部のコンクリートから浸出したアルカリ成分が、前記乾燥工程により中性化して形成されること
    を特徴とする防食方法。
  2. 前記含浸工程および前記乾燥工程を交互に繰り返し行うこと
    を特徴とする請求項1記載の防食方法。
  3. 前記水分は、塩素を含まないこと
    を特徴とする請求項1または2記載の防食方法。
  4. 前記水分は、純水または水酸化カルシウム水溶液であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防食方法。
  5. 前記水分が前記純水の場合と、前記水分が前記水酸化カルシウム水溶液の場合とで、前記乾燥工程の時間を変更すること
    を特徴とする請求項4記載の防食方法。
  6. 前記乾燥工程は、電磁誘導加熱により前記鉄筋を昇温させて、前記水分を除去すること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の防食方法。
  7. 鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を抑制する防食装置であって、
    前記鉄筋コンクリートに発生したひび割れ部へ、水分を含浸する水分供給部と、
    前記ひび割れ部から前記水分を除去し、前記鉄筋の表面に防食性被膜を形成する乾燥部と、
    前記水分供給部と前記乾燥部とを制御する制御部と、を有し、
    前記防食性被膜は、前記水分の含浸により前記ひび割れ部のコンクリートから浸出したアルカリ成分が、前記水分の除去により中性化して形成されること
    を特徴とする防食装置。
  8. 前記ひび割れ部を外部環境から保護するための閉じた空間を形成する補修対象保護部を、有すること
    を特徴とする請求項7記載の防食装置。
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