JP2020048964A - 光音響プローブ - Google Patents

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真希 細田
古川 幸生
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Abstract

【課題】光音響プローブの小型化を図るとともに、光音響プローブによる照明領域を調整する技術を提供する。【解決手段】光源からの光を被検体に照射する光音響プローブであって、前記光を前記光音響プローブの内部に導波する光導波路と、前記光が照射されることにより前記被検体で発生した音響波を受信する受信素子を含む受信部と、光反射部および光拡散部を有し、前記光導波路から出射された光束を反射および拡散させる1以上の光照射ユニットと、前記光照射ユニットの角度を調整する調整機構と、を備え、前記光照射ユニットは、前記受信素子の受信面と前記被検体とに挟まれた空間の外側に配置される、光音響プローブである。【選択図】図2

Description

本発明は、光音響プローブに関する。
可視光や近赤外光を用いて生体内を低侵襲でイメージングする技術は近年広く研究開発されている。生体イメージング技術として、生体外部から光を照射し、光エネルギーを吸収した生体内の分子が体積膨張することにより発生する音響波(超音波)を生体外部で検出する光音響イメージング技術がある。この技術は、光イメージングと超音波イメージングの双方の利点を活かせる技術であり、非侵襲でより生体深部のイメージングを可能とした技術として知られている。
特許文献1は、光源として光放出半導体素子(発光ダイオード(LED:Light
Emitting Diode)素子)を利用する光音響イメージング装置を開示する。
特許文献1に開示される光音響イメージング装置は、超音波探触子に隣接して複数の光放出半導体素子を配置し、光照射部の光の照射方向をそれぞれ別に変更することが可能な照射方向可変部を備える。特許文献1の光音響イメージング装置は、光源が発光ダイオード(LED)素子であるため、光照射部が小型化されかつ被検体の表面近くに配置される。これにより光が所望の箇所に導かれる。
特許文献2は、光音響イメージングに用いられる超音波プローブを開示する。特許文献2に開示される超音波プローブは、超音波探触子の側面近傍に配置された光ファイバ出射端に、外力に応じて変形可能な弾性を有し、かつ光を導光できる材料で形成された導光板を備える。特許文献2の超音波プローブは、導光板の光出射端側を変形させる変形機構(ゴム湾曲機構)を用いて超音波探触子側に光出射端を向けることで、被検体に対して所望の箇所に光を照射する。
特許文献3は、光音響効果を用いて検査対象物の内部構造の画像化する超音波探触子を開示する。特許文献3の超音波探触子は、被検体と複数の超音波探触子との間に光源からの光を導光し被検体に照射する導光板を挟む構成とすることで、超音波探触子自身が邪魔することなく被検体に光を照射する。導光板は中空形状の水で満たされた筐体であり、端面に設けられた光反射面および光散乱体により、反射され、散乱された光は効率良く被検体に照射される。
特開2016−49212号公報 特開2013−158427号公報 特開2009−31268号公報
しかしながら従来の技術では以下のような課題があった。
光源としてLEDを用いる場合、レーザと比較して光量が著しく小さいため、十分な光音響波を超音波探触子で受信するためには、被検体における光量密度を大きくすることが求められる。LEDの個数を増やし、LEDを被検体に近づけることで、被検体における光量密度を大きくすることができる。しかし、LEDの個数を増やすことで、光照射部が大型化するという課題が生じる場合がある。また、LEDを被検体に近接させた状態で光
照射方向を調整することで、光照射部が被検体の表面に押し込まれるという課題が生じることが考えられる。プローブを被検体に対して走査させる光音響システムの場合、大型で被検体と近接したプローブによって被検体を走査させることは困難となる可能性がある。
また、光照射部として外力に応じて変形可能な弾性を有する導光板を用いる場合、導光板の長期的な安定性が課題となる。光学部材として一般的に使用されない弾性材料に対し、光音響波を発生させるエネルギーを持つ光を長期間照射し、長期的な安定性を検証するためには、時間とコストの増加という課題が生じる場合がある。
さらに、光照射部は、被検体と超音波探触子との間に配置される場合、超音波探触子に光束が阻害されることなく、被検体に高効率で光を照射することが可能である。しかし、超音波探触子もしくは光照射部を被検体に対して走査させる光音響システムでは、光照射部を被検体と超音波探触子との間に配置する構成は、適用が困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、光音響プローブの小型化を図るとともに、光音響プローブによる照明領域を調整する技術を提供することである。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
光源からの光を被検体に照射する光音響プローブであって、
前記光を前記光音響プローブの内部に導波する光導波路と、
前記光が照射されることにより前記被検体で発生した音響波を受信する受信素子を含む受信部と、
光反射部および光拡散部を有し、前記光導波路から出射された光束を反射および拡散させる1以上の光照射ユニットと、
前記光照射ユニットの角度を調整する調整機構と、を備え、
前記光照射ユニットは、前記受信素子の受信面と前記被検体とに挟まれた空間の外側に配置される、
光音響プローブである。
本発明によれば、光音響プローブの小型化を図るとともに、光音響プローブによる照明領域を調整する技術を提供することができる。
光音響装置の構成を模式的に示した図。 実施形態1に係る光音響プローブの構成を模式的に示した図。 調整機構を用いた光束の調整方法を説明する図。 実施形態2に係る光音響プローブの構成を模式的に示した図。 被検体表面における照明領域の光分布を示した図。 被検体表面における照明領域の光分布を示した図。 音響波軸上における規格化された光強度の比較を示した図。 実施形態3に係る光音響プローブの構成を模式的に示した図。
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本実施形態は、被検体に光を照射し、被検体内部から発生した音響波を用いて被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本実施形態は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本実施形態に係る被検体情報取得装置には、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響装置を含む。この場合、特性情報とは、受信された光音響波に由来する受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
光音響測定により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収量や吸収率を反映した値である。例えば、単一の波長の光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数を含む。また、互いに異なる複数の波長により得られる特性情報から、組織を構成する物質の濃度を取得できる。物質濃度として酸素化ヘモグロビン濃度と脱酸素化ヘモグロビン濃度を求めることにより、酸素飽和度分布を算出できる。また、物質濃度としては、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率なども求められる。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本明細書における音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。トランスデューサ等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
被検体情報取得装置の一例として、光音響プローブに組み込まれた照射部から被検体に光を照射し、光音響効果により被検体から発生した音響波をトランスデューサ等により受信し解析することにより、被検体内の光吸収体の分布を取得する装置がある。本発明は光音響装置としても捉えられるし、光音響装置に用いられる特徴的な光音響プローブとしても捉えられる。
被検体情報取得装置は、人や動物の血管疾患や悪性腫瘍などの診断や化学治療の経過観察に好適である。被検体の例として、被検者の乳房や手のような生体の一部、マウスなどヒト以外の動物、無生物、ファントムなどを挙げられる。
<実施形態1>
(光音響装置)
図1は、光音響装置の構成を模式的に示した図である。光音響装置は、光源101、レンズ103、光ファイバコネクタ104、光ファイバ105、光ファイバカプラ106、プローブ用光ファイバ107、プローブ108を備える。また、光音響装置は、デジタイザ(Degitizer)115およびコントローラ(Controler)118を備
え、ケーブル114、ケーブル117によってプローブ108に接続される。プローブ108は、「光音響プローブ」に相当する。プローブ用光ファイバ107は、「光導波路」に相当する。図1では光源としてレーザ(Laser)以外にも、レーザダイオード(LED)を用いることもできる。レーザとしては、固体レーザでもよく、半導体レーザを用いることもできる。
光源101から射出された光102は、レンズ103に入射する。レンズ103は、反射による光源101内への集光を防ぐため、平凸の形が好ましいが、他の形状とすることも可能である。レンズ103を他の形状とした場合、入射する光102に垂直な軸に対して、レンズ103を所定の角度で回転させておくことで、光源101内への集光は防がれる。この場合、レンズ103の回転角度は、例えば10度以内とすることができる。
レンズ103によって集光された光102は、光ファイバコネクタ104を介して光ファイバ105に入射する。レンズ103および光ファイバコネクタ104を、別々にまたは一体化された状態で位置と角度とを調整することで、光102は、光ファイバ105のコアに効率良く入射する。光ファイバ105に入射した光102は、光ファイバカプラ106に到達する。光ファイバカプラ106を通過した光102は、2つに分岐され、それぞれプローブ用光ファイバ107内を伝搬する。プローブ用光ファイバ107は、光102をプローブ108の内部に導波する。なお、図1の例は、光ファイバカプラ106によって光102が2つに分岐される例を示すが、2つに限られず、後述の光照射ユニット119の数に応じて3以上に分岐されてもよい。
プローブ108は、超音波探触子111、被検体接触膜113、モータ116、1以上の光照射ユニット119、ステージ120を備える。プローブ用光ファイバ107は、プローブ108内のステージ120に固定されてもよい。ステージ120は、モータ116によってXY平面内を動かすことが可能である。プローブ108の内部でプローブ用光ファイバ107から出射した光束109は、光照射ユニット119によって、被検体に対する照明領域が調整されて、被検体接触膜113に達する。光照射ユニット119に関しては図2を用いて後述する。超音波探触子111は、「受信部」に相当する。超音波探触子111は、受信素子121と音響レンズ122を有する。受信素子121の受信面121aと被検体110とに挟まれた空間の外側に光照射ユニット119が設けられている。受信素子121は、例えばピエゾ型のトランスデューサや静電容量型のトランスデューサを用いることができる。
プローブ108は、ステージ120から被検体接触膜113までの空間に、音響整合剤112を含む。音響整合剤112は、図示しないゴム等の弾性体によって、ステージ120の下面から被検体接触膜113までの空間(以下、音響整合剤収容部とも称される)内に封止されている。音響整合剤112としては、一般的な超音波測定に用いられる音響マッチングゲルの他、水、水に添加物を加えた液体、油、ジェルなどを利用できる。音響整合剤112は、被検体接触膜113を介することで被検体110と直接接触しない。
被検体接触膜113に達した光束209は、被検体接触膜113を透過して被検体110に照射される。被検体接触膜113と被検体110との間には、音響波を効率よく伝搬させるために、図示しない水、油、ジェル等の音響整合剤が存在してもよい。
被検体110に照射された光は、被検体110内で散乱する。被検体110内で散乱した光は、ヘモグロビンやメラニン等の図示しない生体内分子に到達する。光エネルギーを吸収したヘモグロビンやメラニン等の生体分子は、体積の膨張により音響波(超音波)を発生する。各生体分子から発生した音響波は、生体内を伝搬し、一部は被検体110の表面へ伝搬する。さらに、被検体110の表面に伝搬した音響波は、被検体接触膜113と
音響整合剤112とを伝搬し、音響波レンズを含む超音波探触子111に達する。超音波探触子111に達した音響波は、超音波探触子111によって電気信号に変換される。変換された電気信号は、ケーブル114を介してデジタイザ115に伝搬され、アナログ信号からデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号は、コントローラ118によって信号処理される。
プローブ108の内部で、ステージ120に固定された超音波探触子111は、モータ116で駆動され、被検体110の表面と略平行なXY平面内を走査する。なお、超音波探触子111は、プローブ用光ファイバ107とともにモータ116によって駆動され、被検体110の表面と略平行なXY平面内を走査してもよい。モータ116近傍には図示しないエンコーダが配置され、モータ116の位置を検出する。エンコーダが検出した走査による位置情報は、ケーブル117を介してデジタイザ115へ送信される。また、位置情報は、音響波情報と共にコントローラ118へ送信される。コントローラ118は、光源101およびモータ116を制御する。また、コントローラ118は、音響波情報、位置情報、またはこれらの情報を処理することで得られる音響波イメージング画像を表示する表示手段を有する。
光ファイバ105は、マルチモードファイバを使用することで光量の伝送効率を上げることができる。光ファイバ105は、バンドルファイバであってもよい。光ファイバ105がバンドルファイバである場合、光ファイバカプラ106は、複数の光ファイバコアを分割する機能を持つものであればよい。レンズ103は、本実施形態では単レンズであるが、複数の光学面(レンズ)を用いたケプラーテレスコープ、ガリレオテレスコープ等の光学系であってもよい。また、レンズ103は、フレネルレンズであっても良い。
(光音響プローブ)
図2は、実施形態1に係る光音響プローブの構成を模式的に示した図である。図2を用いて、本実施形態における光照射ユニット119に関連する構成について詳細に説明する。図1と同じ構成については、同じ番号を付して参照する。
プローブ用光ファイバ107は、先端部分において、例えば、光ファイバの接続部分であるフェルールを介してステージ120に固定される。フェルールは、例えば、O−ringのような光ファイバ用シール機構201により、ステージ120に固定することができる。光ファイバ用シール機構201により、プローブ用光ファイバ107は、容易に交換することができる。プローブ用光ファイバ107を超音波探触子111の近傍にZ軸と平行に配置することで、プローブ108は、サイズを小型化することができる。プローブ用光ファイバ107の先端部分に、一般的なΦ2.5mmではなく径がより小さいフェルール、例えばΦ1.25mmのものを用いることで、さらにプローブ108を小型化することができる。
光ファイバ用シール機構201は、O−ringに限られず、グリース、ヒダ状ゴム等を用いることができる。光ファイバ用シール機構201により、ステージ120から被検体接触膜113までの空間に存在する音響整合剤112は封止される。
光ファイバ用シール機構201により、プローブ用光ファイバ107は、Z軸方向の位置調整が可能となる。例えば、プローブ用光ファイバ107の先端部分に図示しない位置決め機構を設けることで、光ファイバ用シール機構201は、容易に位置調整をすることができる。位置決め機構は、例えば、フェルール部分に、ステージ120に固定するための凹部をZ軸方向に複数個所設けることで、位置決めが可能となる。
図2では、光ファイバ用シール機構201としてのO−ringは、各プローブ用光フ
ァイバ107に対して1対ずつ配置されるが、Z軸方向にそれぞれ複数対配置されてもよい。複数対配置することで、プローブ用光ファイバ107の安定性は向上する。
超音波探触子用シール機構202は、光ファイバ用シール機構201と同様のシール機構である。音響整合剤収容部203は、ステージ120から被検体接触膜113までの空間に設けられ、音響整合剤112を収容する。音響整合剤収容部203は、例えば、ゴム等の弾性体である封止機構204によって封止される。図2では、音響整合剤収容部203は、光ファイバ用シール機構201、超音波探触子用シール機構202および封止機構204によって封止されるが、これに限られない。音響整合剤収容部203は、音響整合剤112を超音波探触子111と被検体接触膜113との間に封止できればよく、その他の材質、形状の部材により構成されてもよい。音響整合剤収容部203は、「収容部」に相当する。
光照射ユニット119は、プローブ用光ファイバ107より出射した光束109を、被検体に向けて照射する。光照射ユニット119は、光反射部205および光拡散部206を備える。光照射ユニット119は、調整機構207を用いて、角度を調整することができる。光照射ユニット119は、Z軸方向において、超音波探触子111よりも被検体110側に配置される。また、光照射ユニット119は、超音波探触子111の側面よりも外側に配置される。このように、光照射ユニット119は、受信素子121の受信面121aと被検体とに挟まれた空間の外側に配置される。
調整機構207は、ステージ120に対して光照射ユニット119の角度を調整できるように配置される。また、調整機構207は、プローブ用光ファイバ107に対して光照射ユニット119の角度を調整できるように配置されても良い。本実施形態において、光反射部205と光拡散部206とは、固定部材208を介して固定される。このため、調整機構207は、光反射部205とともに光拡散部206の調整をすることができる。
光照射ユニット119に到達した光束109は、光拡散部206を透過して光反射部205で反射され、再び光拡散部206を透過し、光束209となる。光束209は、光拡散部206を2回透過することで、光拡散部206の光拡散性能の2倍の拡散角度を持つことができる。光拡散部206は、2回に限られず複数回、光束209が光拡散部206の内部を透過するように配置されてもよい。
固定部材208は、例えばO−ringであり、光反射部205と光拡散部206との間で圧縮されることで、光反射部205と光拡散部206との間に保持空間210を形成することができる。保持空間210は、音響整合剤収容部203に封止されている音響整合剤112とは異なる光透過物質を保持することができる。保持空間210で保持される光透過物質は、特に音響整合剤112と比較して光束109の波長に対する光屈折率が低い物質、例えば空気とすることができる。この場合、光拡散部206の光拡散性能を有する界面は、保持空間210側に設けられている。光拡散部206による光束109の拡散角度は、光拡散部206の基板表面に凹凸を設けたことによる光拡散部206固有の光拡散性能、および光拡散部206の基板の光屈折率と保持空間210の光屈折率との差によって決定される。つまり、光拡散部206の基板の光屈折率と保持空間210の光屈折率との差が大きい程、光束209の拡散角度は大きくなる。なお、固定部材208は、スペーサと接着剤であっても良い。
次に、図3により、調整機構207を用いた光束209の調整方法について説明する。調整機構207は、光反射部205および光拡散部206の角度を調整することにより、音響波軸211および被検体接触膜113に対する光束209を調整する。これにより、光照射ユニット119から被検体110に照射される光束209の照明領域が調整される
。なお、ここでは、光照射ユニット119(光反射部205および光拡散部206)の角度を調整する例を示すが、調整機構207は、角度に限られず、光照射ユニット119のZ軸方向の位置を調整してもよい。プローブ108は、1以上の光照射ユニット119を備えるが、図3では、簡略化のため、一の光照射ユニット119および周辺部分を図示して、光束209の調整方法を説明する。
光照射ユニット119より出射された光束209は、拡散角度をNAとし、被検体接触膜113に対して光マージナルレイ301の範囲で照射される。光束209の主光線と音響波軸211との成す角度θは、調整機構207を用いて調整される。光束209の照射によって被検体110内部で発生した光音響波は、音響波焦点303を透過した後、音響波レンズ302で平面音響波に変換される。被検体110内部で発生した光音響波は、音響マージナルレイ304の範囲で超音波探触子111の内部に配置された受信素子121で受信される。
ここで、光束209の主光線と音響波軸211との交点を主光線交点305とし、光マージナルレイ301と音響波軸211との交点を光マージナルレイ交点306とし、被検体接触膜113と音響波軸211との交点を被検体接触膜交点307とする。また、主光線交点305と光マージナルレイ交点306との距離をLとし、主光線交点305と音響波焦点303との距離をZaとし、主光線交点305と被検体接触膜交点307との距離をZbとする。この場合、調整機構207、例えば以下の式1を満足するように、光照射ユニット119の角度を調整することが望ましい。
0≦(Za+Zb)≦0.59L …(式1)
ただし、音響波焦点303は、Z軸方向において被検体接触膜交点307よりも正の位置にあるものとする。式1を満足するように光照射ユニット119の角度を調整することで、音響波軸211上で最も光強度が大きい主光線交点305での光強度の半分の光強度以上の光強度分布内に、音響波焦点303と被検体接触膜交点307を配置することができる。
式1における係数0.59は、下記のように決定される。光照射ユニット119より出射された光束209の光分布は、ガウス分布である場合、位置Zにおける光強度Iは以下の式2で表される。
Figure 2020048964
σは、ガウス分布の幅を規定する標準偏差である。また、Lは、以下の式3ように定義する。
L=2σ …(式3)
この場合、位置Z=0.59Lは、標準偏差σを用いて以下の式4によって表される。
Figure 2020048964
式4において標準偏差σで表されるZの値を、式2に代入すると、位置Z=0.59Lにおける光強度I(0.59L)は、最大値の半分の大きさとなる。
また、音響波焦点303をZ軸方向において被検体接触膜交点307より正の位置に配
置することで、光音響イメージを生成する際に音響整合剤112の音速が考慮されれば良く、計算量を低減することができる。
音響波レンズ302は、例えば、1面が楕円面に加工されたレンズであるが、球面加工されたレンズであっても良い。音響波焦点303の位置は、プローブ108に組込む前に別途計測することで求められる。
調整機構207は、例えばボールジョイントを用いたものであってもよい。調整機構207は、光照射ユニット119の光束109が照射されない箇所に配置することができる。また、調整機構207は、一般的な角度調整ステージ、またはジンバル機構を用いた角度調整ステージであっても良い。調整機構207は、手動または電動で光照射ユニット119の角度を調整する。光照射ユニット119は、走査中は固定される。
被検体接触膜113は、例えばPET(Polyethylene Terephth
alate)の薄膜であり、張力を有する状態でプローブ108に保持される。
上述のように、光音響プローブにおいて、ミラー(光反射部205)および拡散板(光拡散部206)の角度を調整することで、プローブの小型化と照明領域の調整とを両立することができる。
本実施形態において、光照射ユニット119は、複数設けていても良い。また、モータ116は、プローブ108の内部に配置される例を示したが、駆動動力を伝達できるドライブシャフト等を用いることで、プローブ108の外部に配置しても良い。また、超音波探触子111と光照射ユニット119とは、同じステージ120上で同期駆動されてもよく、別々のステージ上で別々に駆動されても良い。さらに、超音波探触子111は固定されて光照射ユニット119が駆動しても良く、光照射ユニット119が固定されて超音波探触子111が駆動しても良い。本実施形態において使用波長は、例えば、532nm、1064nmである。さらに、別の波長、例えば585nm、650nm、785nm等の波長を用いても良い。
実施形態1では、プローブ108は、1以上の光照射ユニット119の角度を調整することで、超音波探触子111の外側から、被検体110に光束209を照射する。これにより、プローブ108は、被検体110に近接した位置から光束209を照射することができる。また、プローブ108は、被検体110と被検体接触膜113との間の距離にずれが生じた場合でも、調整機構207によって、光照射ユニット119の角度を調整することで、被検体110に対する照射領域を調整することができる。
<実施形態2>
図4は実施形態2に係る光音響プローブの構成を模式的に示した図である。実施形態1では、1以上の光照射ユニット119の角度を調整することで、被検体110に対する照射領域が調整される。実施形態2では、さらに、複数の光照射ユニットからの照射領域を、被検体110の深さ方向にずらすことにより、被検体110の深さ方向のずれに対する光強度の変化を抑制することができる。図2と同様の箇所は説明を省略し、実施形態1との差異を中心に説明する。図4において、X軸の正の方向は右側、X軸の負の方向は左側として説明する。また、Z軸の正の方向は上側、Z軸の負の方向は下側として説明する。
図4において、プローブ108は、左側光照射ユニット401および右側光照射ユニット404を備える。左側光照射ユニット401(「第1の光照射ユニット」に相当する)より出射した左側光束402(「第1光束」に相当する)の主光線と、音響波軸211と、被検体接触膜113とは、左側交点403で交わる。一方、右側光照射ユニット404
(「第2の光照射ユニット」に相当する)より出射した右側光束405(「第2光束」に相当する)の主光線と、音響波軸211とは、右側交点406で交わる。このように、左側交点403と右側交点406とは、音響波軸211上で同一の位置とならないように、左側光照射ユニット401および右側光照射ユニット404を用いて調整される。即ち、左側交点403と、右側交点406とは、各光照射ユニットの角度調整により、音響波軸211のZ軸方向において異なる位置となる。
図5および図6で説明するように、左側交点403と右側交点406とのZ軸方向の位置を変えることで、被検体110のZ軸方向のずれに起因する計測再現性の低下が抑制される。このように、複数の光照射ユニットから照射される光束の被検体110表面に対するZ軸方向の位置をずらすことで、被検体110のZ軸方向のずれに起因する計測再現性の低下を抑制することができる。
図5(A)から図5(D)(以下、図5と称される)は、被検体表面における照明領域の光分布を示した図である。図5では、図4において左側交点403と右側交点406とが、超音波探触子111の下面よりZ軸方向下側に4mm離れた位置で一致している場合の光分布を示す。横軸は、音響波軸211を原点とするX軸で、単位はmmである。縦軸は、音響波軸211を原点とするY軸で、単位はmmである。左側光照射ユニット401および右側光照射ユニット404から出射される光強度は、同じであるものと想定する。左側光束402および右側光束405の主光線と音響波軸211との成す角度は60度、左側光束402および右側光束405の拡散角度NAは0.2と想定する。
図5(A)は、左側光束402による被検体110表面での光分布を示す。図5(B)は、右側光束405による被検体110表面での光分布を示す。図5(C)および図5(D)は、左側光束402および右側光束405の2つの光束を被検体110表面上で重ね合わせた場合の光分布を示す。
また、図5(C)は、被検体110表面のZ軸方向の位置が、被検体接触膜113の下側の位置と一致している場合の光分布である。図5(A)および図5(B)の光分布では光強度に左右の偏りがあるが、図5(C)に示されるように、それぞれの光分布を重ね合わせることで、光分布は均一化される。
これに対し、図5(D)は、被検体110表面が、被検体接触膜113からZ軸方向下側へ0.6mmだけ離れた場合の光分布を示す。光音響イメージング装置の性質上、被検体110における観測または診断の対象物は、一般的に音響波軸211上に存在する。また、被検体接触膜113と被検体110との間には、音響整合剤としてジェルや水、油等が一般的に配置される。音響整合剤によって、被検体接触膜113と被検体110との間に隙間が生じる場合がある。隙間によって被検体110表面が被検体接触膜113から離れた場合、図5(D)に示すように、光分布は広がり、観測または診断の対象物が位置する中心付近の光強度は低下する。
図6(A)から図6(D)(以下、図6と称される)は、図5と同様に、被検体表面における照明領域の光分布を示した図である。図5では、音響波軸211における左側交点403と右側交点406とのZ軸方向の位置が同じであるのに対し、図6では、図4に示すように、左側交点403に対して右側交点406を1.2mmZ軸方向下側にずらした場合の光分布を示す。右側交点406の位置は、調整機構207によって調整される。調整機構207は、右側光束405の主光線と音響波軸211との成す角度が、左側光束402の主光線と音響波軸211との成す角度よりも小さくなるように調整することで、右側交点406のZ軸方向の位置を下側にずらすことができる。図6における横軸および縦軸は、図5と同様である。
図6(A)は、左側光束402による被検体110表面での光分布を示す。図6(A)が示す光分布は、図5(A)と同じ光分布である。図6(B)は、右側光束405による被検体110表面での光分布を示す。図6(B)では、図5(B)と比較して右側交点406がZ軸方向下側にずれているため、被検体110表面における光分布はX軸の正の方向にずれている。
図6(C)および図6(D)は、左側光束402および右側光束405の2つの光束を被検体110表面上で重ね合わせた場合の光分布を示す。また、図6(C)は、被検体110表面のZ軸方向の位置が、被検体接触膜113の下側の位置と一致している場合の光分布である。図6(B)に示すように右側光束405による光分布がX軸の正の方向にずれているため、図6(C)に示す左側光束402と右側光束405の2つの光束が被検体110表面上で重ね合わされた際の光分布も、光分布の重心はX軸の正の方向にずれている。
一方、図6(D)は、被検体110表面が、被検体接触膜113からZ軸方向下側へ0.6mmだけ離れた場合の光分布を示す。図6(D)に示される光分布では、図5(D)と比較して光強度の大きい領域が広い。
次に、図7を用いて、音響波軸上における光強度について説明する。図7は、左側交点403および右側交点406のZ軸方向の位置を、図5および図6で説明した位置に設定した場合の、音響波軸211上における規格化された光強度の比較を示す。横軸は超音波探触子111の下面と被検体110との距離(Distance)を示し、単位はmmである。縦軸は規格化された光強度(Normalized energy density)を示し、単位は任意定数(a.u.)である。
図7において、光強度は、音響波軸211を中心とする直径3.5mmの円の面積に対する光強度である。グラフD1は、左側交点403と右側交点406とが超音波探触子111の下面から4mmの位置で一致している場合(図5の設定)の規格化された光強度を示す。一方、グラフD2は、左側交点403が超音波探触子111の下面より4mmの位置にあり、右側交点406が超音波探触子111の下面より5.2mmの位置にある場合(図6の設定)の規格化された光強度を示す。
被検体110は、上述した音響整合剤112であるジェルや水、油等を配置した状態で被検体接触膜113に近づけるため、想定位置よりZ軸方向に+0.4mm程度から−1.2mm程度ずれることが想定される。被検体110の想定位置を超音波探触子111の下面から4mmの位置とすると、被検体110のずれの範囲は3.6mm〜5.2mmとなる。
このずれの範囲における規格化された光強度の平均は、左側交点403と右側交点406とが一致する設定(グラフD1)の場合、0.77ポイントとなる。また、左側交点403と右側交点406とを1.2mmずらした設定(グラフD2)の場合、当該ずれの範囲における規格化された光強度の平均は、0.87ポイントとなり10%改善される。
また、左側交点403および右側交点406の位置をそれぞれZ軸方向に−0.6mmずらした場合、3.6mm〜5.2mmのずれの範囲における規格化された光強度の平均は、0.81ポイントとなる。この場合よりも、左側交点403と右側交点406とのZ軸方向の位置を1.2mmずらした場合の方が、被検体110のZ軸方向のずれに対し、光強度について有利な結果が得られる。
本実施形態において、左側光照射ユニット401および右側光照射ユニット404から出射される左側光束402および右側光束405は、拡散角度を持って出射される。このため、被検体110がZ軸方向にずれることで光強度の変化が起こる。被検体110のZ軸方向のずれに対して光強度の変化を起こしにくくするために、以下の方法が挙げられる。例えば、プローブ108内において、左側光照射ユニット401と被検体接触膜113との間、および右側光照射ユニット404と被検体接触膜113との間にコリメート光学系を配置すればよい。コリメート光学系を配置することで、被検体110がZ軸方向にずれても、光強度の変化は抑制される。また、音響波軸211と、左側光束402の主光線および右側光束405の主光線とを一致させ、光を反射させ音響波を透過するプリズムを用いて、左側光束402および右側光束405が垂直に被検体接触膜113に入射する構成とすることも可能である。コリメート光学系またはプリズムを追加することで光強度の変化を抑制する方法は、プローブのサイズまたはコストとのトレードオフを考慮して採用されればよい。
なお、光照射ユニットは2つに限られず、3つ以上あっても良い。第n(n=2,3,,,)光照射ユニットより出射された光束の光軸と、音響波軸211との交点n(n=2,3,,,)間のZ軸方向の距離が0より大きくなる交点の組が少なくとも1組以上あればよい。各光照射ユニットに設置されたそれぞれの調整機構207は、光照射ユニットの角度を調整することで、交点n間のZ軸方向の距離を調整することができる。交点n間の距離は、0.1mm以上であることが好ましい。より好ましくは、交点n間の距離は、0.1mm以上1.2mm以下に調整される。
各光照射ユニットは、それぞれ異なる波長の光を出射しても良い。例えば、各光照射ユニットは、波長が1064nmまたは532nmの光を出射することができるが、これに限られない。プローブ用光ファイバ107は、例えば、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、バンドルファイバであっても良い。
実施形態2では、調整機構207によって複数の光照射ユニットの角度を調整することにより、各光照射ユニットで反射されるそれぞれの光束は、被検体から発生する音響波の音響波軸211上の異なる位置に向けて照射される。このように、複数の光照射ユニットからの照射領域を、被検体110の深さ方向にずらすことで、被検体110のZ軸方向のずれに対し、光強度の変化を抑制することができる。
<実施形態3>
図8は、実施形態3に係る光音響プローブの構成を模式的に示した図である。図2と同様の箇所は説明を省略し、実施形態1との差異を中心に説明する。
実施形態3において、光照射ユニット801は、光反射部205および光拡散部206が形成された一体の基板として構成された光拡散反射板802である。光拡散反射板802は、調整機構207を用いて、角度が調整される。光拡散反射板802は、例えば、ガラス基板である。光拡散反射板802は、プローブ用光ファイバ107からの光束109が到達する面に微小な凹凸を有することで光拡散機能を持たせた部材である。また、光拡散反射板802は、凹凸を有する面とは反対側の面に薄膜を塗布することで光反射機能を持たせた部材である。光拡散反射板802の材料は、ガラスに限られず、ポリカーボネート等のプラスチック素材であっても良い。光反射機能を持つ薄膜は、例えば、アルミ、金、銀、誘電体多層膜とすることができる。
実施形態3では、光照射ユニット801は、光反射部205および光拡散部206が形成された一体の基板として構成される。このため、調整機構207は、光反射部205と光拡散部206とが一体化された状態で角度を調整することができる。
101:光源
102:光
107:プローブ用光ファイバ
108:プローブ
109:光束
110:被検体
111:超音波探触子
119:光照射ユニット
121:受信素子
121a:受信面
122:音響レンズ
205:光反射部
206:光拡散部
207:調整機構

Claims (10)

  1. 光源からの光を被検体に照射する光音響プローブであって、
    前記光を前記光音響プローブの内部に導波する光導波路と、
    前記光が照射されることにより前記被検体で発生した音響波を受信する受信素子を含む受信部と、
    光反射部および光拡散部を有し、前記光導波路から出射された光束を反射および拡散させる1以上の光照射ユニットと、
    前記光照射ユニットの角度を調整する調整機構と、を備え、
    前記光照射ユニットは、前記受信素子の受信面と前記被検体とに挟まれた空間の外側に配置される、
    光音響プローブ。
  2. 前記光音響プローブは、
    前記音響波を伝搬させるための音響整合剤を収容する収容部をさらに備え、
    前記光照射ユニットは、
    前記光反射部と前記光拡散部との間に前記音響整合剤とは異なる光透過物質を保持する保持空間を有する、
    請求項1に記載の光音響プローブ。
  3. 前記光透過物質の光屈折率は、前記音響整合剤の光屈折率より小さい、
    請求項2に記載の光音響プローブ。
  4. 前記光透過物質は空気である、
    請求項2に記載の光音響プローブ。
  5. 前記光拡散部は、接着剤で前記光反射部に固定されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光音響プローブ。
  6. 前記光拡散部は、O−ringを介して前記光反射部に固定されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光音響プローブ。
  7. 前記光照射ユニットは、前記光反射部および前記光拡散部が形成された一体の基板として構成される、
    請求項1に記載の光音響プローブ。
  8. 前記調整機構は、前記光照射ユニットの前記光束が照射されない箇所に配置されたボールジョイントである、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光音響プローブ。
  9. 前記光拡散部は、前記光導波路から出射された前記光が複数回、前記光拡散部の内部を透過するように配置されている、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光音響プローブ。
  10. 前記調整機構は、第1の光照射ユニットで反射される第1光束と、第2の光照射ユニットで反射される第2光束とが、前記被検体から発生する前記音響波の音響波軸上の異なる位置に向けて照射されるように、前記第1の光照射ユニットおよび前記第2の光照射ユニットの角度を調整する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光音響プローブ。
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