1.遊技機の構造
実施形態に係るスロットマシン(回胴式遊技機)について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのスロットマシンの各部の上下方向および左右方向は、そのスロットマシンに対面する遊技者にとっての上下方向および左右方向に一致させて説明する。また、スロットマシンの各部の前方向をそのスロットマシンに対面する遊技者に近づく方向とし、スロットマシンの各部の後方向をそのスロットマシンに対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、本形態のスロットマシン1は、キャビネット2と前面扉3とを備えている。キャビネット2は前面側を開放した箱状をなしており、前面扉3はそのキャビネット2の前面側に開閉自在に取り付けられている。キャビネット2および前面扉3は、スロットマシン1の筐体4をなしている。前面扉3が閉じられている状態(図1に示す状態)では、前面扉3は図示しない施錠装置により施錠されている。開錠する場合には、前面扉3に設けられた鍵穴16に専用の鍵を差し込んで時計回り方向に回動させる必要がある。よって、筐体4の内部は、ホールの従業員等でなければ触ることができないようになっている。
図1及び図2に示すように、前面扉3には表示パネルPが配されている。表示パネルPには、上下方向を長手方向とする長方形状の3つの表示窓5L、5C、5Rが左右方向に沿って設けられている。具体的には左側から順に、左表示窓5L、中表示窓5C、右表示窓5Rと並んでいる。各表示窓5L、5C、5Rは透明に構成されており、各表示窓5L、5C、5Rを通して、キャビネット2の内部に設けられたリール6L、6C、6Rを視認することが可能となっている。具体的には、左表示窓5Lからは左リール6Lを視認でき、中表示窓5Cからは中リール6Cを視認でき、右表示窓5Rからは右リール6Rを視認できるようになっている。なお表示窓は、各表示窓の間が仕切られていない1つの表示窓として構成してもよい。
キャビネット2の内部には、左リール6Lと、中リール6Cと、右リール6Rとが収納されている。各リール6L、6C、6Rは、透光性を有する部材(本形態では透明な合成樹脂部材)からなる円筒状のドラム部の外周に、透光性を有するリールテープを巻き付けたものである。リールテープには、図3に示すように、複数種類の図柄が描かれている。具体的に、左リール6Lはその外周面に左リールテープ7Lに描かれた図柄が付されたものとなっており、中リール6Cはその外周面に中リールテープ7Cに描かれた図柄が付されたものとなっており、右リール6Rはその外周面に右リールテープ7Rに描かれた図柄が付されたものとなっている。なお、これらの各リール6L、6C、6Rと、各表示窓5L、5C、5Rとは、複数の図柄表示手段を構成するものである。
各リール6L、6C、6Rは、筐体4の内部に回転可能に支持されている。各リール6L、6C、6Rの回転軸は、同一直線上に配されている。各リール6L、6C、6Rが所定の正方向に回転駆動されると、表示窓5L、5C、5Rにおいてリール6L、6C、6Rの外周面に付された図柄が、上から下へ変動表示されることになる(すなわち、図3において便宜的に付した「0」〜「20」の図柄番号の小さいものから大きいものへ向かって循環的に変動表示されることになる)。各リール6L、6C、6Rは、それぞれ独立して回転駆動される。
ここで、図3に基づいて各リール6L、6C、6Rに付されている図柄について説明する。図3に示すように、各リールテープ7L、7C、7Rには、それぞれ21個の図柄が長手方向(図3中の上下方向)に沿って描かれている。なお、本形態では各リール6L、6C、6Rに付される図柄の数をそれぞれ21個としたが、20個等、他の個数としてもよい。
リールテープ7L、7C、7Rに描かれている図柄には複数の種類がある。具体的には、「赤セブン」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「12」)、「青セブン」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「5」)、「チェリー」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「6」)、「スイカ」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「3」)、「ベル」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「4」)、「リプレイ」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「2」)、および「ブランク」図柄(例えば左リールテープ7Lの図柄番号「1」)の7種類の図柄である。リールテープ7L、7C、7R毎に図柄の配列は異なっている。なお、リール6L、6C、6Rに付す図柄の種類は7種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
各リール6L、6C、6Rが停止している状態では、各表示窓5L、5C、5Rから3個ずつの図柄が遊技者に視認可能となる(図2および図4に破線で示す丸印参照)。スロットマシン1では、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)上に、役に応じた図柄の組み合わせが停止表示されると、その役の入賞が成立する。そして、入賞した役(入賞役)に応じた特典が遊技者に付与されることとなる。なお、役および図柄の組み合わせの詳細については後述する。
本形態では、入賞ラインが5つある。具体的には図4に示すように、中段ラインL1、上段ラインL2、下段ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5の5つである。中段ラインL1(第1入賞ラインL1)は、各リール6L、6C、6Rの中段図柄(各表示窓5L、5C、5Rの中段位置に停止表示された図柄)を結ぶ入賞ラインである。上段ラインL2(第2入賞ラインL2)は、各リール6L、6C、6Rの上段図柄(各表示窓5L、5C、5Rの上段位置に停止表示された図柄)を結ぶ入賞ラインである。下段ラインL3(第3入賞ラインL3)は、各リール6L、6C、6Rの下段図柄(各表示窓5L、5C、5Rの下段位置に停止表示された図柄)を結ぶ入賞ラインである。右下がりラインL4(第4入賞ラインL4)は、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの下段図柄を結ぶ入賞ラインである。右上がりラインL5(第5入賞ラインL5)は、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの上段図柄を結ぶ入賞ラインである。
なお本形態のスロットマシン1は、後述するいずれの遊技状態においても3枚賭けで遊技を行う3枚賭け専用機であり、3枚賭けでの遊技においては5つの入賞ラインL1〜L5が全て有効ラインに設定される。なお、遊技状態にかかわらず又は遊技状態に応じて1枚賭けや2枚賭けでの遊技が可能となる構成としてもよい。その場合、賭数(ベット数)に応じて有効ラインの数が変わる構成としてもよいし、賭数が変わっても有効ラインの数が変わらない構成としてもよい。
また、入賞ラインとして上記の5つの入賞ラインL1〜L5以外の入賞ラインを有する構成としてもよい。具体的には例えば、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの上段図柄を結ぶ第1の変則入賞ラインや、左リール6Lの上段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結ぶ第2の変則入賞ライン、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの中段図柄を結ぶ第3の変則入賞ライン、左リール6Lの下段図柄、中リール6Cの中段図柄、右リール6Rの下段図柄を結ぶ第4の変則入賞ライン等を入賞ラインとして有する構成としてもよい。また、入賞ラインの総数は5つに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、中段ラインL1のみを入賞ラインとする構成としてもよいし、上記の5つの入賞ラインL1〜L5に、第1〜第4の変則入賞ラインを加えた合計9ラインを入賞ラインとして有する構成としてもよい。
また、本形態のスロットマシン1は、図1及び図2に示したように、前面扉3における表示パネルPの下方に、メダル投入口10、MAXベットボタン11、1ベットボタン12、精算ボタン14、スタートレバー8、3つのストップボタン9L、9C、9R、演出ボタン46が設けられている。なお、スタートレバー8を開始操作手段ともいい、ストップボタン9L、9C、9Rを停止操作手段ともいい、メダル投入口10、MAXベットボタン11、1ベットボタン12を賭数設定操作手段ともいう。
メダル投入口10は、メダル(遊技媒体)を投入するための開口である。3枚のメダルのベットがなされていない状態で有効に投入されたメダルは、新たなゲーム(単位遊技)の開始のためにベットされる。3枚のメダルのベットがなされている状態で有効に投入されたメダルは、50枚までクレジットとして貯留される。
MAXベットボタン11は、遊技状態に応じた最大賭数のメダルのベットを一度に行うための操作部である。本スロットマシン1はいずれの遊技状態においても3枚賭けで遊技を行う3枚賭け専用機であるため、MAXベットボタン11が有効に操作されると、スロットマシン1にクレジットとして貯留されているメダルから3枚のメダルがベットされる。また、1ベットボタン12は、1枚ずつメダルのベットを行うための操作部である。1ベットボタン12が有効に操作されると、スロットマシン1にクレジットとして貯留されているメダルから1枚のメダルがベットされる。なお、3枚のメダルがベットされている状態で1ベットボタン12が押された場合には、1枚のメダルがベットされている状態となる。
精算ボタン14は、クレジットとして貯留されているメダルを返却させるための操作部である。精算ボタン14が有効に操作されると、スロットマシン1にクレジットとして貯留されているメダルが全て、メダル払出口38から払い出される。
スタートレバー8は、ゲームを開始するための操作部である。所定数(本形態では3枚)のメダルがベットされている状態でスタートレバー8が操作されると、役の抽選が行われるとともに、各リール6L、6C、6Rの回転が開始される。つまり、図柄の変動表示が開始される。
ストップボタン9L、9C、9Rは、リール6L、6C、6Rの回転を停止させるための操作部である。ストップボタン9L、9C、9Rは各リール6L、6C、6Rに対応して設けられている。つまりスロットマシン1は、左リール6Lの回転を停止させるための左ストップボタン9Lと、中リール6Cの回転を停止させるための中ストップボタン9Cと、右リール6Rの回転を停止させるための右ストップボタン9Rとを備えている。よって、変動表示中の図柄は、ストップボタン9L、9C、9Rの操作に応じて停止表示されることとなる。
なお、リール6L、6C、6Rの停止位置は、ストップボタン9L、9C、9Rを押したときの位置から最大で図柄4コマ分滑った位置となることがある。具体的には例えば、後述する小役1(チェリー)に当選したゲームにおいて、左リール6Lの図柄番号「2」のリプレイ図柄が上段に位置するタイミングで左ストップボタン9Lが押された場合には、左リール6Lを図柄4コマ分滑らせて、図柄番号「6」のチェリー図柄を上段に停止させる。これによって、小役1(チェリー)の入賞を成立させ、遊技者に小役1(チェリー)に応じた特典を付与する。つまり、スロットマシン1は、当選した役の入賞ができるだけ成立するように図柄を制御する。これを図柄の引込制御という。なお本形態では、引込制御における優先度は再遊技役が最も高く、次に小役、次にボーナスとなっている。
また、後述する小役1(チェリー)に当選していないゲームにおいて、左リール6Lの図柄番号「6」のチェリー図柄が左表示窓5L内(つまり上段、中段、又は下段のいずれか)に位置するタイミングで左ストップボタン9Lが押された場合には、図柄番号「6」のチェリー図柄を左表示窓5Lの外(つまり下段よりも下の枠下位置)に停止させる。これによって、当選していない小役1(チェリー)の入賞が成立しないようにする。つまり、スロットマシン1は、当選していない役の入賞が成立しないように図柄を制御する。これを図柄の蹴飛ばし制御という。
演出ボタン46は、ゲームの進行に伴って実行される遊技演出を進めるため等に用いられる操作部である。操作部は演出ボタン46に限らず、他の操作手段を設けてもよい。すなわち、演出に用いられる操作部は、複数有ってもよい。
また図2に示すように、本形態のスロットマシン1は、表示パネルPの下部に、クレジット表示部21、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、ベット数表示ランプ25、遊技開始表示ランプ26が設けられている。さらに本形態では、表示パネルPにおける各表示窓5L、5C、5Rの下方に、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rが設けられている。
クレジット表示部21は、2つの7セグメントLED(Light Emitting Diode)表示装置を有し、クレジットとして貯留されているメダルの枚数を表示するものである。払出枚数表示部22は、2つの7セグメントLED表示装置を有し、役の入賞時に特典として払い出されるメダルの枚数を表示するものである。なお遊技中にエラーが生じた場合には、エラーの種類を示すエラーコードが払出枚数表示部22に表示される。
再遊技表示ランプ23は、再遊技役の入賞があったこと(言い換えれば再遊技役の入賞により再遊技が可能であること)を点灯により報知するものである。投入可能表示ランプ24は、メダル投入口10からのメダルの有効な投入が可能であることを点灯により報知するものである。
ベット数表示ランプ25は、設定されている賭数を報知するものである。具体的には、ベット数表示ランプ25は、3つのランプからなり、賭数が1枚に設定されている場合(1枚のメダルがベットされている場合)には1つのランプを点灯させ、賭数が2枚に設定されている場合(2枚のメダルがベットされている場合)には2つのランプを点灯させ、賭数が3枚に設定されている場合(3枚のメダルがベットされている場合)には3つのランプを点灯させることにより、設定されている賭数を報知するものである。遊技開始表示ランプ26は、遊技開始可能枚数(本形態では3枚)のメダルのベットがなされている状態にあり、スタートレバー8の有効な操作が可能であることを点灯により報知するものである。
ストップ報知ランプ30L、30C、30Rは、入賞に押し順が必要な役の正解押し順を点灯により報知するものである。詳細にはスロットマシン1は、左リール6Lを停止すべきこと(つまり左ストップボタン9Lを押すべきこと)を報知する左ストップ報知ランプ30L、中リール6Cを停止すべきこと(つまり中ストップボタン9Cを押すべきこと)を報知する中ストップ報知ランプ30C、右リール6Rを停止すべきこと(つまり右ストップボタン9Rを押すべきこと)を報知する右ストップ報知ランプ30Rを備えている。左ストップ報知ランプ30Lは、左表示窓5Lの近傍(本形態では下方)に配されており、中ストップ報知ランプ30Cは、中表示窓5Cの近傍(本形態では下方)に配されており、右ストップ報知ランプ30Rは、右表示窓5Rの近傍(本形態では下方)に配されている。このため、各ストップ報知ランプ30L、30C、30Rと、各リール6L、6C、6Rとの対応関係を遊技者が即座に理解できるようになっている。
また、図1及び図2に示すように、本形態のスロットマシン1は、前面扉3におけるストップボタン9L、9C、9Rの下方に、本スロットマシン1のモチーフとなっている作品を示す装飾パネル36が設けられている。そして、装飾パネル36の下方に、メダルを払い出すためのメダル払出口38と、そのメダル払出口38から払い出されたメダルを受け入れて貯留する受皿ユニット39と、が設けられている。
また、本形態のスロットマシン1は、前面扉3における表示パネルPの上方に、複数の演出用ランプ40と、左右一対のスピーカ41と、液晶表示装置である画像表示装置42とが設けられている。演出用ランプ40は、遊技の進行に伴って点灯ないし点滅を行う。スピーカ41は、遊技の進行に伴って音声、BGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等の音を出力する。画像表示装置42は、表示画面42aを有しており、遊技の進行に伴って種々の演出画像を表示画面42aに表示する。これらの演出手段(演出用ランプ40、スピーカ41、画像表示装置42など)を用いた遊技演出には、例えば、「3択ベル」等の押し順役の正解押し順を遊技者に報知する押し順報知演出や、ボーナスの当選を遊技者に報知する当選報知演出等がある。なお、押し順役とは正解押し順のある役のことである。
2.遊技機の電気的構成
続いて、図5及び図6に基づいて、本スロットマシン1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにスロットマシン1は、役の抽選やメダルの払い出し、遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)60、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)70等を備えている。主制御基板60は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板70は、後述する画像制御基板80とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板70を備え、演出手段(画像表示装置42やスピーカ41、演出用ランプ40、バックランプ58L、58C、58R等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またスロットマシン1は、電源基板90を備えている。電源基板90は、主制御基板60及びサブ制御基板70に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板90には、バックアップ電源回路91が設けられている。バックアップ電源回路91は、本スロットマシン1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板60のRAM(Random Access Memory)64やサブ制御基板70のRAM74に対して電力を供給する。従って、主制御基板60のRAM64やサブ制御基板70のRAM74に記憶されている情報は、スロットマシン1の電源断時であっても保持される。また、電源基板90には、電源スイッチ92が接続されている。電源スイッチ92のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板60のRAM64に対するバックアップ電源回路を主制御基板60に設けたり、サブ制御基板70のRAM74に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板70に設けたりしてもよい。
図5に示すように、主制御基板60には、プログラムに従ってスロットマシン1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)61が実装されている。遊技制御用マイコン61には、遊技の進行を制御するためのプログラムや各種テーブルのデータ等を記憶したROM(Read Only Memory)63、ワークメモリとして使用されるRAM64、ROM63に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)62、役の抽選等に利用する乱数を生成する乱数発生器68、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)69が含まれている。なお乱数発生器68は、「0」〜「65535」の範囲で乱数値を生成する。
主制御基板60には、各種センサが接続されている。そのため、主制御基板60には各センサから信号が入力される。具体的にはセンサ類としては、投入メダル検出センサ10a、MAXベット検出センサ11a、1ベット検出センサ12a、精算検出センサ14a、スタート検出センサ8a、左ストップ検出センサ9La、中ストップ検出センサ9Ca、右ストップ検出センサ9Ra、扉開放検出センサ17a、設定キー検出センサ18a、リセット/設定検出センサ19a等が接続されている。
投入メダル検出センサ10aは、メダル投入口10からメダルが投入されたことを検出するためのセンサである。MAXベット検出センサ11aは、MAXベットボタン11が押されたことを検出するためのセンサである。1ベット検出センサ12aは、1ベットボタン12が押されたことを検出するためのセンサである。精算検出センサ14aは、精算ボタン14が押されたことを検出するためのセンサである。
また、スタート検出センサ8aは、スタートレバー8が操作されたことを検出するためのセンサである。左ストップ検出センサ9Laは、左ストップボタン9Lが押されたことを検出するためのセンサである。中ストップ検出センサ9Caは、中ストップボタン9Cが押されたことを検出するためのセンサである。右ストップ検出センサ9Raは、右ストップボタン9Rが押されたことを検出するためのセンサである。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば各ストップ検出センサ9La、9Ca、9Raの信号の立ち上がり(ONエッジ)を判定すれば、各ストップボタン9L、9C、9Rが押し込まれたことを判定でき、各ストップ検出センサ9La、9Ca、9Raの信号の立ち下がり(OFFエッジ)を判定すれば、押し込まれた各ストップボタン9L、9C、9Rが元の位置に戻ったこと(遊技者がストップボタン9L、9C、9Rから指を離したこと)を判定できる。
また、扉開放検出センサ17aは、筐体4の内側に配されており、前面扉3が開いていることを検出するためのセンサである。設定キー検出センサ18aは、筐体4の内部に設けられた図示しない鍵穴に設定変更用の鍵が挿入されて所定角度回動されたことを検知するためのセンサである。リセット/設定検出センサ19aは、筐体4の内部に設けられたリセット/設定ボタン19が押されたことを検出するためのセンサである。
ここで、本形態のスロットマシン1において「設定」を変更する方法について説明する。設定には、「設定1」から「設定6」までの6種類がある。設定が異なるとメダルの還元率(払出率)が異なる。メダルの還元率は、設定1が最も低く、設定2、設定3、設定4、設定5、設定6の順に段階的に高くなる。つまり、設定6のメダルの還元率が最も高い。設定を変更する場合、操作者は、設定変更用の鍵を鍵穴に差し込んで回動させた状態で、電源スイッチ92をONにする。これにより、本形態のスロットマシン1は、主制御基板60に実装されている7セグメントLED表示装置である設定表示部29に、現在の設定を表示する。つまり、遊技制御用マイコン61は、電源投入時の設定キー検出センサ18aからの検知信号に基づいて設定表示部29に現在の設定を表示させる。この状態で、操作者は、リセット/設定ボタン19を押す。リセット/設定ボタン19が押される度に、遊技制御用マイコン61は設定表示部29の表示を「1→2→3→4→5→6→1→2…」の順に切り替える。そして、所望の設定値が設定表示部29に表示されている状態で、操作者は、スタートレバー8を操作する。これにより、遊技制御用マイコン61は設定表示部29に表示されている設定値を新たな設定値としてRAM64に保存する。それから、操作者は、設定変更用の鍵を抜き差し可能な角度に戻して、鍵穴から抜く。これにより遊技制御用マイコン61は、設定変更に関する処理を終了する。
なお本形態では、リセット/設定ボタン19はスロットマシン1をエラー状態から復帰させるためにも利用される。つまり本形態では、エラー状態におけるリセット/設定検出センサ19aからの検知信号に基づいて、遊技制御用マイコン61はエラー状態からの復帰制御を行う。
また主制御基板60には、リール6L、6C、6Rの駆動源であるリール用モータ55L、55C、55Rが、図示しないドライブ基板を介して接続されている。具体的には、左リール6Lの駆動源である左リール用モータ55L、中リール6Cの駆動源である中リール用モータ55C、右リール6Rの駆動源である右リール用モータ55Rが接続されている。つまり、各リール6L、6C、6Rは各リール用モータ55L、55C、55Rによってそれぞれ独立して回転駆動される。リール用モータ55L、55C、55Rの回転軸は、所定のギア比でリール6L、6C、6Rに連結されている。なお、リール用モータ55L、55C、55Rは、ステッピングモータである。よって、リール用モータ55L、55C、55Rに1パルスの駆動信号が入力される毎に、リール6L、6C、6Rは一定の角度で回転する。遊技制御用マイコン61は、リール基準位置の検出(リールインデックスの検出)からリール用モータ55L、55C、55Rに出力したパルス数をカウントすることにより、リール6L、6C、6Rの回転角度を管理することが可能である。
また主制御基板60には、リール6L、6C、6Rの位置を検出するためのリール位置検出センサ56La、56Ca、56Raが接続されている。具体的には、左リール6Lの位置を検出するための左リール位置検出センサ56La、中リール6Cの位置を検出するための中リール位置検出センサ56Ca、右リール6Rの位置を検出するための右リール位置検出センサ56Raが接続されている。なお、リール位置検出センサ56La、56Ca、56Raは、発光部と受光部とを有するフォトセンサであり、リール6L、6C、6Rが1回転したことを示すリールインデックスを検出するものである。
また主制御基板60には、ホッパーの駆動源であるホッパー用モータ51が接続されている。ホッパーは、遊技者にメダルを払い出すための装置であって、キャビネット2の内部に設けられているものである。ホッパー用モータ51の駆動により払い出されたメダルは、ホッパー内に設けられた払出メダル検出センサ52aによって検出される。したがって、この払出メダル検出センサ52aからの検出信号に基づいて、遊技制御用マイコン61は所定枚数のメダルの払出が完了したか否かを認識することが可能である。
さらに主制御基板60には、上記した設定表示部29の他、各種のランプ(表示部)が接続されている。具体的には、クレジット表示部21、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、ベット数表示ランプ25、遊技開始表示ランプ26、ストップ報知ランプ30L、30C、30R(左ストップ報知ランプ30L、中ストップ報知ランプ30C、右ストップ報知ランプ30R)が接続されている。これらのランプ(表示部)については既に説明済みであるためここでは詳しい説明を省略する。
なお、クレジット表示部21および払出枚数表示部22は、それぞれ2つの7セグメントLED表示装置を備えている。再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、遊技開始表示ランプ26、各ストップ報知ランプ30L、30C、30Rは、それぞれ1つのLEDを備えている。また、ベット数表示ランプ25は、3つのLEDを備えている。これらの各LEDの発光制御は、遊技制御用マイコン61により実行される。
また主制御基板60は、サブ制御基板70に対し各種コマンドを送信する。主制御基板60とサブ制御基板70との接続は、主制御基板60からサブ制御基板70への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板60とサブ制御基板70との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板70には、プログラムに従ってスロットマシン1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)71が実装されている。演出制御用マイコン71には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラムや各種テーブルのデータ等を記憶したROM73、ワークメモリとして使用されるRAM74、ROM73に記憶されたプログラムを実行するCPU72、演出の選択等に利用する乱数を生成する乱数発生器78、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)79が含まれている。
また、サブ制御基板70には、RTC(リアルタイムクロック)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するもの(日時計測手段)である。RTC99は、スロットマシン1に島電源供給装置(図示せず)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板90が備えるバックアップ電源回路91から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、スロットマシン1の電源が投入されていないときでも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板70に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
なお、ホール(遊技場)では、複数台のスロットマシン1が並べて設置されて1つの遊技島が構成される。同じ遊技島に属する各スロットマシン1は、共通の島電源供給装置に電気的に接続される。このため、遊技島内の各スロットマシン1の個別の電源スイッチ92を「ON」にした状態で、島電源供給装置の電源を入れると、遊技島内の全てのスロットマシン1を一斉に起動させることができる。
サブ制御基板70には、画像制御基板80が接続されている。サブ制御基板70の演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板80のCPU82に画像表示装置42の制御を行わせる。
画像制御基板80は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、及び、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)89を備えている。なお、ROM83には、画像表示装置42に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、スピーカ41から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ41から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板70のROM73に格納されている。なお、スピーカ41を画像制御基板80に接続し、画像制御基板80のCPU82に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板80のROM83に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン71は、主制御基板60から受信したコマンドに基づいて、図示しないサブ駆動基板を介して、演出用ランプ40やバックランプ58L、58C、58R等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン71は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板70のROM73に格納されているデータを用いる。
なお、バックランプ58L、58C、58Rは、各リール6L、6C、6Rにおけるドラム部の内側に配されている。具体的には、左リール6Lに対応する左バックランプ58L、中リール6Cに対応する中バックランプ58C、右リール6Rに対応する右バックランプ58Rとして、それぞれ設けられている。このため各バックランプ58L、58C、58Rが点灯すると、各リール6L、6C、6Rの外周面に付された図柄が各リール6L、6C、6Rの内側から照らされることになる。
またサブ制御基板70には、演出ボタン検出センサ46aが接続されている。演出ボタン検出センサ46aは、演出ボタン46が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン46が押下操作されると演出ボタン検出センサ46aからサブ制御基板70に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本スロットマシン1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板60を除いて、図5及び図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5及び図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.「役」の説明
本スロットマシン1では、複数種類の「役」に対する抽選が行われ、当選している「役」への入賞が成立すると、その「役」に応じた特典が遊技者に付与される。「役」の入賞は、有効化された入賞ライン(有効ライン)上に表示された図柄の組み合わせが、「役」に応じた図柄の組み合わせと一致する場合に成立する。図7は、「役」毎の図柄の組み合わせと特典等を示すテーブルである。図7に示すように、「役」には大別して、ボーナス、小役、再遊技役の3種類がある。また、役の当選割合は、図8に示すテーブルに基づいている。
ボーナスには、BB1(ビッグボーナス1)と、BB2(ビッグボーナス2)と、RB1(レギュラーボーナス1)と、RB2(レギュラーボーナス2)とがある。BB1に対応する図柄の組み合わせは、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」(左リール6Lの図柄−中リール6Cの図柄−右リール6Rの図柄の順、以下同様にして表記する)である。BB2に対応する図柄の組み合わせは、「青セブン−青セブン−青セブン」である。RB1に対応する図柄の組み合わせは、「赤セブン−赤セブン−青セブン」である。RB2に対応する図柄の組み合わせは、「青セブン−青セブン−赤セブン」である。BB1又はBB2に入賞すると、遊技状態をBB遊技状態(ボーナス遊技状態の一つ)に移行させる。RB1又はRB2に入賞すると、遊技状態をRB遊技状態(ボーナス遊技状態の一つ)に移行させる。BB遊技状態およびRB遊技状態では、他の遊技状態に比べて、後述する小役3(共通ベル)の当選確率が大きく上がる。よって、頻繁に共通ベルに入賞させることが可能となり、これによりある程度の量のメダルを獲得することが可能となる。本形態では、BB遊技状態は255枚を越えるメダルの払い出しがなされると終了し、RB遊技状態は75枚を越えるメダルの払い出しがなされると終了する。
小役には、小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(共通ベル)、小役4〜9(押し順ベル)がある。小役1(チェリー)に対応する図柄の組み合わせは、「チェリー−ANY−ANY」である。「ANY」は、どの図柄でも良いことを意味している。つまり、小役1(チェリー)に対応する図柄の組み合わせは、左リール6Lの図柄がチェリーであれば、中リール6Cの図柄、右リール6Rの図柄はいずれの図柄であってもよい。小役1(チェリー)に入賞すると、1枚のメダルが払い出される。なお、左リール6Lの上段にチェリーの図柄が停止している場合には、上段ラインL2及び右下がりラインL4の2ラインで入賞していることとなり、左リール6Lの下段にチェリーの図柄が停止している場合には、下段ラインL3及び右上がりラインL5の2ラインで入賞していることとなる。よってこれらの場合には、2枚のメダルが払い出されることとなる。
小役2(スイカ)に対応する図柄の組み合わせは、「スイカ−スイカ−スイカ」である。小役2(スイカ)に入賞すると、4枚のメダルが払い出される。また、小役3(共通ベル)に対応する図柄の組み合わせは、「ベル−ベル−ベル」である。共通ベルは、押し順にかかわらず、入賞ラインL1〜L5のいずれかに「ベル−ベル−ベル」の図柄の組み合わせが表示されるように引込制御がなされる役である。共通ベルに入賞すると、9枚のメダルが払い出される。なお、共通ベルを押し順不問ベルとも称する。
これに対して、小役4〜9(押し順ベル)は、入賞の成立にリール6L、6C、6Rの停止順序が関係する役である。小役4は、左リール6Lを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役5は、中リール6Cを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役6は、右リール6Rを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役である。小役4〜6に対応する図柄の組み合わせは、いずれも「ベル−ベル−ベル」である。また、小役7は、左リール6Lを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役8は、中リール6Cを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、小役9は、右リール6Rを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役である。小役7〜9に対応する図柄の組み合わせは、いずれも「ベル−スイカ−ベル」である。
本形態では、図8の内部当選役の割合に示すように、小役4と小役8と小役9とは、同時に当選することとなっている。また、小役5と小役7と小役9とは、同時に当選することとなっている。また、小役6と小役7と小役8とは、同時に当選することとなっている。複数の役に同時に当選することを、同時当選や重複当選という。これに対して1つの役にのみ当選することを、単独当選という。
このように、小役4と小役8と小役9とは同時に当選する役であるから、これらの役に当選したゲーム(単位遊技)において、遊技者は左リール6Lを初めに停止させれば、小役4の入賞を成立させることができる。この場合には、「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示され、9枚のメダルが払い出されることとなる。これに対して、遊技者が中リール6Cや右リール6Rを初めに停止させた場合には、小役8又は小役9の入賞が成立する。この場合には、「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示され、1枚のメダルが払い出されることとなる。このようにして、3択の押し順に正解すると9枚の払出を得られる一方、押し順を誤ると1枚の払出しか得られない「押し順ベル」という役が実現されている。
なお、小役5と小役7と小役9とが同時に当選した場合には、中リール6Cを初めに停止させれば、「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、9枚のメダルが払い出されることとなり、左リール6L又は右リール6Rを初めに停止させれば、「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、1枚のメダルが払い出されることとなる。また、小役6と小役7と小役8とが同時に当選した場合には、右リール6Rを初めに停止させれば、「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、9枚のメダルが払い出されることとなり、左リール6L又は中リール6Cを初めに停止させた場合には、「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示されて、1枚のメダルが払い出されることとなる。
なお本形態では、「押し順ベル」を3択の押し順役としたが、6択の押し順役としてもよい。つまり、1番目に停止させるリールと2番目に停止させるリールの停止順序が、予め定められた正解押し順と一致する場合に、9枚役である「ベル−ベル−ベル」が有効ライン上に停止表示され、正解押し順と一致しない場合に、1枚役である「ベル−スイカ−ベル」が有効ライン上に停止表示される構成としてもよい。
再遊技役には、再遊技役1(共通リプレイ)と、再遊技役2〜4(押し順リプレイ)と、再遊技役5〜7(昇格リプレイ)と、再遊技役8〜10(転落リプレイ)とがある。再遊技役1(共通リプレイ)に対応する図柄の組み合わせは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。共通リプレイは、押し順にかかわらず、入賞ラインL1〜L5のいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄の組み合わせが表示されるように引込制御がなされる役である。共通リプレイに入賞すると、特典として再遊技が付与される。つまり、次のゲームを開始するための賭数の設定が自動でなされる。なお、自動で設定される賭数(つまり自動ベットされるメダルの枚数)は、再遊技役に入賞したゲームでの賭数と同じである。
これに対して、再遊技役2〜10(押し順リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ)は、入賞の成立にリール6L、6C、6Rの停止順序が関係する役である。再遊技役2は、左リール6Lを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、再遊技役3は、中リール6Cを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、再遊技役4は、右リール6Rを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役である。小役2〜4に対応する図柄の組み合わせは、いずれも「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。また、再遊技役5、再遊技役8は、左リール6Lを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、再遊技役6、再遊技役9は、中リール6Cを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役であり、再遊技役7、再遊技役10は、右リール6Rを初めに停止させたときに入賞する可能性のある役である。再遊技役5〜10に対応する図柄の組み合わせは、いずれも「リプレイ−リプレイ−ブランク」である。
本形態では、図8の内部当選役の割合に示すように、再遊技役5と再遊技役3と再遊技役4とは、同時に当選することとなっている。また、再遊技役6と再遊技役2と再遊技役4とは、同時に当選することとなっている。また、再遊技役7と再遊技役2と再遊技役3とは、同時に当選することとなっている。また、再遊技役2と再遊技役9と再遊技役10とは、同時に当選することとなっている。また、再遊技役3と再遊技役8と再遊技役10とは、同時に当選することとなっている。また、再遊技役4と再遊技役8と再遊技役9とは、同時に当選することとなっている。
例えば、再遊技役5と再遊技役3と再遊技役4とは同時に当選する役であるから、これらの役に当選したゲーム(単位遊技)において、遊技者は左リール6Lを初めに停止させれば、再遊技役5の入賞を成立させることができる。この場合には、「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示され、特典として再遊技が付与されるとともに、遊技状態が遊技者により有利な遊技状態に移行することとなる。これに対して、遊技者が中リール6Cや右リール6Rを初めに停止させた場合には、再遊技役3又は再遊技役4の入賞が成立する。この場合には、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示され、特典として再遊技が付与される。このようにして、3択の押し順に正解すると再遊技に加えて遊技状態が昇格する一方、3択の押し順を誤ると再遊技のみが付与される「昇格押し順リプレイ」という役が実現されている。なお、本形態では、昇格押し順リプレイは、図8に示すように複数の遊技状態の中からRT1遊技状態の場合に当選する可能性が有り、押し順に正解することで遊技状態がRT1遊技状態からRT1遊技状態よりも遊技者に有利なRT2遊技状態に移行する。なお、RTはリプレイタイムを意味し、RT1遊技状態およびRT2遊技状態は、再遊技役の当選確率が高くなっている状態であり、RT2遊技状態はRT2遊技状態よりも再遊技役の当選確率が高く、ハズレの確率が低い。そのため、遊技者に有利となる。遊技状態がRT1遊技状態以外の場合には当選する可能性が無い。遊技状態の詳細は後述する。
なお、再遊技役6と再遊技役2と再遊技役4とが同時に当選した場合には、中リール6Cを初めに停止させれば、「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示されて、遊技状態がRT2遊技状態に移行することとなり、左リール6L又は右リール6Rを初めに停止させれば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示されて、再遊技が付与される。また、再遊技役7と再遊技役2と再遊技役3とが同時に当選した場合には、右リール6Rを初めに停止させれば、「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示されて、遊技状態がRT2遊技状態に移行することとなり、左リール6L又は中リール6Cを初めに停止させた場合には、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示されて、再遊技が付与される。
また、再遊技役2と再遊技役9と再遊技役10とは同時に当選する役であるから、これらの役に当選したゲーム(単位遊技)において、遊技者は左リール6Lを初めに停止させれば、再遊技役2の入賞を成立させることができる。この場合には、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示され、特典として再遊技が付与される。これに対して、遊技者が中リール6Cや右リール6Rを初めに停止させた場合には、再遊技役9又は再遊技役10の入賞が成立する。この場合には、「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示され、遊技状態が遊技者により不利な遊技状態に移行することになる。このようにして、3択の押し順に正解すると再遊技が付与される一方、押し順を誤ると遊技状態が転落する「転落押し順リプレイ」という役が実現されている。なお、本形態では、転落押し順リプレイは、図8に示すように遊技状態がRT2遊技状態の場合に当選する可能性が有り、押し順を誤ることで遊技状態がRT2遊技状態からRT2遊技状態よりも遊技者に不利なRT1遊技状態に移行する。それ以外の場合には当選する可能性が無い。
なお、再遊技役3と再遊技役8と再遊技役10とが同時に当選した場合には、中リール6Cを初めに停止させれば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示されて、再遊技が付与されることとなり、左リール6L又は右リール6Rを初めに停止させれば、「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示されて、再遊技が付与されるとともに遊技状態がRT1遊技状態に移行する。また、再遊技役4と再遊技役8と再遊技役9とが同時に当選した場合には、右リール6Rを初めに停止させれば、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示されて、再遊技が付与されることとなり、左リール6L又は中リール6Cを初めに停止させた場合には、「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示されて、再遊技が付与されるとともに遊技状態がRT1遊技状態に移行する。
なお本形態では、「昇格押し順リプレイ」及び「転落押し順リプレイ」を3択の押し順役としたが、少なくとも一方を6択の押し順役としてもよい。例えば「昇格押し順リプレイ」であれば、1番目に停止させるリールと2番目に停止させるリールの停止順序が、予め定められた正解押し順と一致する場合に、昇格リプレイである「リプレイ−リプレイ−ブランク」が有効ライン上に停止表示され、正解押し順と一致しない場合に、押し順リプレイ役である「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が有効ライン上に停止表示される構成としてもよい。
また本形態では、小役1(チェリー)や小役2(スイカ)に当選した場合には、所謂取りこぼしが発生することがある。リール6L、6C、6Rの停止タイミング(ストップボタン9L、9C、9Rの操作タイミング)によっては、4コマ以内の引込制御ではチェリー図柄やスイカ図柄を有効ライン上に引き込むことができない場合が生じ得るからである。取りこぼしが発生したときには、当選した役に対応する図柄の組み合わせに代えて、取りこぼしたことを示す図柄の組み合わせ(取りこぼし目)が表示窓5L、5C、5R内に表示される。
次に、内部当選役決定テーブルについて説明する。スロットマシン1は、スタートレバー8の操作時に取得した乱数値と、図8に示す割合に従って予め用意された内部当選役決定テーブルとに基づいて、当選役(内部当選役)を決定する。いずれの役にも当選しなかった場合には、「ハズレ」となる。本形態における当選役は、図8の内部当選役の欄に示す通りである。
なお本形態では、BB(BB1及びBB2)及びRB(RB1及びRB2)は、一旦当選すると、入賞が成立するまでその当選が持ち越される役である。また本形態では、引込制御の優先度は、再遊技役が最も高く、次に小役、次にボーナスとなっている。また、BB及びRBは、単独当選の他、小役あるいは再遊技役との重複当選もあり得る。この場合、重複当選したゲームでは小役あるいは再遊技役が引込制御によって優先的に入賞させることになり、重複当選したゲームの次のゲーム以降で、ボーナスを入賞させるための引込制御が行われる。
内部当選役決定テーブルは、「設定」および「遊技状態」に応じて定められている。設定6では設定1よりも、BB1の当選確率、及び、BB2の当選確率が高くなっている。また、内部当選役決定テーブルは、設定1から設定6にかけて段階的にメダルの還元率(払出率)が高くなるように、役の当選確率が設定されているものとする。例えば、設定6では設定1よりも、小役1〜3の当選確率が高く、後述するCZ抽選やART抽選の実行機会が多くなっている。すなわち、設定6では設定1よりも、後述するARTに移行し易くなっている。スロットマシン1の遊技状態には、図9に示すように、初期状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、内部当選状態、BB遊技状態、RB遊技状態、がある。各遊技状態の詳細は後述する。
4.遊技状態の説明
本スロットマシン1の遊技状態には、図9に示すように、初期状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、内部当選状態、BB遊技状態、RB遊技状態、の6種類の遊技状態がある。遊技状態は、主制御基板60によって管理される。
本スロットマシン1の初回起動時は、初期状態である。初期状態では、図8に示すように、入賞に正解の押し順が必要な再遊技役(昇格押し順リプレイ、転落押し順リプレイ)は生じず、入賞に正解の押し順が必要な役は押し順ベルのみとなる。初期状態中、押し順ベルに当選し、押し順に正解しなかった場合、図9に示すように、遊技状態が、初期状態からRT1遊技状態に移行する。なお、押し順ベルに当選して押し順に正解しなかったこと、すなわち遊技メダルを9枚払い出す押し順ベルの小役(小役4〜6)に入賞せず、遊技メダルを1枚払い出す押し順ベルの小役(小役7〜9)に入賞したことを、「ベルこぼし」ともいう。
RT1遊技状態およびRT2遊技状態は、初期状態と比較して再遊技役に当選し易い遊技状態である。RT1遊技状態およびRT2遊技状態を、RT遊技状態(リプレイタイム遊技状態)ともいう。RT遊技状態では、図8に示すように、ボーナス(BB1、BB2、RB1、RB2)の当選確率、レア小役(チェリー、スイカ)、ベル小役(共通ベル、押し順ベル)の当選確率は、初期状態と変わらないが、再遊技役の当選確率は、初期状態と比べて高くなる。より具体的に、RT1遊技状態は、初期状態に比べて、再遊技役の当選確率が僅かに高い。これに対して、RT2遊技状態は、初期状態に比べて、再遊技役の当選確率が極めて高い。
RT1遊技状態では、図8に示すように、押し順リプレイと昇格リプレイとの重複当選、すなわち昇格押し順リプレイに当選可能である。RT1遊技状態中、昇格押し順リプレイに当選し、昇格リプレイに入賞した、すなわち押し順に正解した場合、図9に示すように、遊技状態が、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する。RT2遊技状態では、図8に示すように、押し順リプレイと転落リプレイとの重複当選、すなわち転落押し順リプレイに当選可能である。RT2遊技状態中、転落押し順リプレイに当選し、転落リプレイに入賞した、すなわち押し順に正解しなかった場合、図9に示すように、遊技状態が、RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行する。また、RT2遊技状態中、押し順ベルに当選し、押し順に正解しなかった場合、すなわちベルこぼしが生じた場合も、遊技状態が、RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行する。
すなわち、スロットマシン1では、初回起動直後の遊技状態が初期状態となり、ベルこぼしが生じると、遊技状態がRT1遊技状態になる。そして、遊技状態がRT1遊技状態の状態で、昇格リプレイに入賞すると、遊技状態がRT2遊技状態になる。一方、遊技状態がRT2遊技状態の状態で、転落リプレイに入賞する、あるいはベルこぼしが生じると、遊技状態がRT1遊技状態になる。そして、ボーナスに当選しない限り、RT1遊技状態とRT2遊技状態との間で遊技状態が遷移する。
内部当選状態は、ビッグボーナス(BB1又はBB2)またはレギュラーボーナス(RB1又はRB2)の当選により移行する遊技状態である。ボーナスに当選しただけでは、遊技状態がBB遊技状態あるいはRB遊技状態に移行しない。当選したボーナスを入賞させる、すなわち当選したボーナスに対応する図柄を表示させることで、図9に示すように、遊技状態がBB遊技状態あるいはRB遊技状態に移行する。このボーナスに当選してからボーナスに入賞するまでの遊技状態が、内部当選状態になる。内部当選状態では、図8に示すように、ボーナス(BB1、BB2、RB1、RB2)の当選確率、レア小役(チェリー、スイカ)、ベル小役(共通ベル、押し順ベル)の当選確率は、初期状態と変わらないが、再遊技役の当選確率が高くなる。また、再遊技役の当選確率は、RT1遊技状態よりも高く、RT2遊技状態よりも低くなる。
BB遊技状態およびRB遊技状態は、ビッグボーナス(BB1又はBB2)またはレギュラーボーナス(RB1又はRB2)の入賞により移行する遊技状態である。BB遊技状態およびRB遊技状態を、「ボーナス遊技状態」ともいう。図8に示すように、ボーナス遊技状態では共通ベルの小役(小役3)と共通リプレイ(再遊技役1)とのいずれかに当選することになる。当選確率は、共通ベルの方が共通リプレイよりも高い。BB遊技状態は、255枚を越えるメダルの払い出しによって終了する。RB遊技状態は、75枚を越えるメダルの払い出しによって終了する。ボーナス遊技状態が終了すると、図9に示すように、遊技状態は初期状態に移行する。
5.ゲームフローの説明
本形態のスロットマシン1のゲームフローについて、図10を参照しつつ説明する。スロットマシン1は、初回起動時、通常状態からスタートし、所定の条件を満たすことで、チャンスゾーン(CZ)、ボーナスゲーム、あるいはアシストリプレイタイム(ART)と呼ばれるステージに移行する。通常状態は、CZ、ボーナスゲーム、ART以外の状態を示し、他のパートと比較して遊技者に不利な状態である。ARTは、押し順役の正解押し順を報知する機能である押し順ナビが作動し、正解押し順に入賞させることでメダルを増やすことが容易なパートであり、遊技者に有利な状態といえる。また、CZは、ARTに移行する可能性が高くなるパートであり、遊技者に有利な状態といえる。ARTおよびCZの詳細は後述する。スロットマシン1は、遊技状態は前述した初期状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、内部当選状態、BB遊技状態、RB遊技状態となるが、遊技者から見たゲームフロー上の状態は、上述のパートのいずれかになる。
通常状態では、遊技状態が、初期状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、内部当選状態のいずれかになる。スロットマシン1は、通常状態においてゲームごとに、役の抽選の他に、CZへの移行抽選を行う。また、通常状態には、CZへの当選確率が低い低確モードと、CZへの当選確率が高い高確モードと、があり、いずれかのモードになっている。スロットマシン1は、モードごとに専用の演出画面を1ないし複数用意しており、現在のモードに応じた演出画面を画像表示装置42に表示させることで、遊技者に対して現在のモードを示唆している。なお、前面扉3に各モードを報知するランプ等を設けてもよい。
スロットマシン1は、通常状態の低確モードにおいて、図11に示すように、小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(共通ベル)、再遊技役1(共通リプレイ)、のいずれかに当選した場合に、モードの抽選を行う。当選物の割り振りは、どの役に当選した場合であっても、低確モードとする方が高確モードとする方よりも高い。すなわち、低確モードが維持される確率が高くなっている。また、高確モードの当選確率は、当選した役によって異なる。スロットマシン1では、当選確率が低い小役ないし再遊技役に当選した場合にモードの抽選が行われ、その当選確率は概ね当選確率が低い役ほど高確モードの当選確率が高くなるように設定されている。高確モードに当選すると、低確モードから高確モードに移行することになる。
一方、スロットマシン1は、通常状態の高確モードにおいて、図12に示すように、再遊技役2〜4(押し順リプレイ)に当選した場合、あるいは不当選(ハズレ)の場合に、モードの抽選を行う。当選物の割り振りは、どの場合であっても、高確モードとする方が低確モードとする方よりも高い。すなわち、高確モードが維持される確率が高くなっている。また、低確モードの当選確率は、再遊技役に当選した場合とハズレの場合とで異なる。低確モードに当選すると、高確モードから低確モードに移行することになる。
また、スロットマシン1は、通常状態において、図13に示すように、小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(共通ベル)、再遊技役1(共通リプレイ)、のいずれかに当選した場合に、CZへの移行抽選を行う。CZの当選確率は、どの役に当選した場合であっても、高確モードである方が低確モードであるよりも高い。また、CZの当選確率は、当選した役によって異なる。スロットマシン1では、当選確率が低い小役ないし再遊技役に当選した場合にCZへの移行抽選が行われ、CZの当選確率は概ね当選確率が低い役ほど高くなるように設定されている。CZに当選すると、通常状態からCZに移行することになる。
なお、CZへの移行抽選に当選した際、次のゲームからCZに移行してもよいし、数ゲームを消化した後にCZに移行してもよい。CZに移行するゲーム数は、当選した役に応じて予め決められていてもよいし、CZへの移行抽選に当選した際に、ゲーム数の抽選を行ってもよい。また、CZへの移行抽選に当選した後、CZへ移行するまでの間、CZへの移行を煽りつつ成功するような専用の演出(例えば本前兆演出)を行ってもよい。また、CZへの抽選に不当選であった場合であっても、CZへの移行を煽りつつ失敗するような専用の演出(例えばガセ前兆演出)を行ってもよい。
CZ(チャンスゾーン)においても、通常状態と同様に、遊技状態が、初期状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、内部当選状態のいずれかになる。スロットマシン1は、CZにおいてゲームごとに、役の抽選の他に、ARTへの移行抽選を行う。また、本形態では、CZに3つの種類、CZ1、CZ2、CZ3がある。CZ1、CZ2、CZ3、の順に、ARTの当選確率が高く設定されている。CZの種類は、CZへの移行時に、抽選あるいは遊技者による選択操作によって決められる。
スロットマシン1は、CZにおいて、図14に示すように、小役1(チェリー)、小役2(スイカ)、小役3(共通ベル)、小役4〜6(押し順ベル役)、再遊技役1(共通リプレイ)、再遊技役2〜4(押し順リプレイ)、のいずれかに当選した場合、あるいは不当選(ハズレ)の場合に、ARTへの移行抽選を行う。ARTの当選確率は、CZ1が最も高く、CZ3が最も低い。すなわち、CZ1がARTに当選する確率が最も高くなっている。また、ARTの当選確率は、当選した役によって異なる。スロットマシン1では、ARTの当選確率は概ね発生率が低いほどARTの当選確率が高くなるように設定されている。
CZは、予め決められたゲーム数(本形態では15ゲーム)であり、スロットマシン1は、その決められたゲーム数の各ゲームでARTへの移行抽選を行う。CZ中にARTへの移行抽選に当選すると、CZの終了後、ARTへの移行が可能になる。具体的に、ARTへの移行抽選に当選した場合、スロットマシン1は、CZの終了後、遊技状態がRT2遊技状態になったことを条件として、ARTに移行する。なお、CZの終了時に既に遊技状態がRT2遊技状態であった場合、CZの終了後、次のゲームからARTに移行する。CZの終了後のARTへの移行待ちの際、スロットマシン1は、画像表示装置42に「ART準備中」等の表示を行わせ、ARTへの移行待ちである旨を報知する。
ART(アシストリプレイタイム)では、押し順ナビが作動する状態となる。押し順ナビとは、押し順役(押し順ベルや昇格押し順リプレイや転落押し順リプレイ)の正解押し順を報知する機能のことである。また、ARTでは、少なくとも開始時の遊技状態が、再遊技役の当選確率が高いRT2遊技状態になる。よって、ARTの間は、再遊技役への入賞と正解押し順の押し順ベルへの入賞とが頻発することによって、遊技者は手持ちのメダルを増やすことが可能となっている。本形態では、ARTにおける1ゲームあたりの純増枚数はおよそ2枚であるとする。
ARTでは、遊技状態が、RT2遊技状態とRT1遊技状態と内部当選状態とのいずれかになる。RT2遊技状態でのART中、転落リプレイに入賞あるいはベルこぼしが生じた場合、RT1遊技状態に移行するが、その後、昇格リプレイに入賞することで再びRT2遊技状態になる。
ARTは、通常状態に移行する移行条件を満たすことで終了し、通常状態に移行する。移行条件としては、予め決められたゲーム数を消化したことであってもよいし、通常状態に移行する移行抽選に当選したことであってもよいし、ARTを継続する継続抽選に当選しなかったことであってもよい。また、ARTでのゲーム数を加算する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選することで、ARTでのゲーム数を加算してもよい。本形態のスロットマシン1のARTの詳細については後述する。
ボーナスゲームは、ビッグボーナス(BB1又はBB2)またはレギュラーボーナス(RB1又はRB2)の入賞により移行するステージであり、遊技状態は、BB遊技状態あるいはRB遊技状態になる。つまり、ボーナスゲームでの遊技状態は、ボーナス遊技状態である。
ボーナスゲーム中の特別抽選の内容は、ボーナスゲームに移行する前のステージによって異なる。ボーナスゲームは、ボーナスの入賞を契機に移行し、ボーナスの入賞は、通常状態であっても、CZであっても、ARTであっても、生じ得る。具体的に本形態では、ボーナスに入賞した状態がART以外であった場合に、特別抽選をゲームの度に実行する。特別抽選では、CZあるいはARTへの移行抽選を行う。この場合、スロットマシン1は、図15に示すように、小役3(共通ベル)に当選する度に、特別抽選を行って移行先を決定する。本形態では、CZの方がARTよりも当選し易い。スロットマシン1は、特別抽選によってCZやARTに当選した後も、ゲームの度に特別抽選を実行する。具体的に、CZよりもARTの方が遊技者に有利であるため、CZに当選した後もゲームの度に同じ特別抽選を実行し、ARTに当選した場合は移行先をCZからARTへ変更する。その際、CZに再度当選した場合は、移行先を変更しない。
特別抽選によってCZへの移行に当選した場合、ボーナスゲームの終了後、CZに移行する。特別抽選によってARTへの移行に当選した場合、ボーナスゲームの終了後、ARTへの移行が可能になる。具体的に、ボーナスゲームの終了後、遊技状態はボーナス遊技状態から初期状態に移行するため、スロットマシン1は、ボーナスゲームの終了後、遊技状態がRT1遊技状態を経由してRT2遊技状態に移行した場合に、ARTに移行することになる。一方、ボーナスゲーム中、CZへの移行もARTへの移行にも当選しなかった場合、ボーナスゲームに移行する前の状態に戻る。すなわち、ボーナスゲームに移行する前の状態が通常状態であれば通常状態に戻り、CZであればCZに戻る。なお、CZに戻る場合、ボーナスゲームに移行する前の状態は保持せず、CZの1ゲーム目に戻る。また、CZにてARTに当選した状態でボーナスゲームに移行した場合、ボーナスゲームに移行する前のステージがARTであったものとして扱う。そのため、ボーナスゲームの終了後、ARTへの移行が可能になる。
6.ARTの詳細
本形態のスロットマシン1のARTの詳細について説明する。ARTは、図10に示すように、30ゲームを1セットとするセットパートと、3ゲームで構成される継続抽選パートと、によって構成される。本形態のスロットマシン1では、ARTの実行中、セットパートと継続抽選パートとが繰り返される。
ARTの具体的なゲームフローを図16に示す。ARTには、ART通常モードと、ART通常モードよりも遊技者に有利なラッキーモードと、ラッキーモードよりも遊技者にさらに有利な超ラッキーモード、の3種類のモードがあり、図16は、ART通常モードでのゲームフローを示している。他のモードの詳細については後述する。ARTへの移行直後は、ART通常モードになっている。
ARTに移行すると、先ず、セットパートとして、1セット分のゲーム(本形態では30ゲーム)を行う。セットパートでの各ゲームでは、ポイントの獲得抽選と、ステージの昇格抽選と、の2つの抽選を行う。ポイントの初期値は0であり、ステージの初期値はステージAである。
本形態では、セットパートにおいて、ステージA、ステージB、ステージC、ステージDの4種類のステージがあり、ステージごとにポイントの獲得抽選での当選確率および当選ポイント数が異なる。具体的にポイントの獲得抽選では、図17に示すように、ステージA、ステージB、ステージC、ステージDの順に、ポイントの獲得抽選の当選確率および当選ポイント数が高くなる。各ステージでは、小役1、2のような当選確率が低いレア小役であれば、押し順リプレイのような当選確率が高い当選役と比較して、ポイントの獲得確率および当選ポイント数が高くなるように設定されている。例えば本形態では、レア小役であれば、非当選になることはなく、必ずポイントを獲得できる。さらに獲得ポイント数も、1回の当選で2ポイント以上獲得できる割合が高くなっている。さらにステージが上がるほど、1回の当選で2ポイント以上獲得できる割合が高くなっている。一方、押し順リプレイであれば、例えばステージAでは非当選になる確率が99%と極めて高く、ポイントの獲得がそれほど期待できない。さらに獲得ポイント数も、1ポイントであり、2ポイント以上のポイントを一度に獲得できない。ただし、ステージが上がれば、1回の当選で2ポイント以上獲得できる場合も生じるようになっている。ポイントの上限は50であり、ポイントが50に達すると、それ以上のポイント加算は行われないため、ポイントの獲得抽選は行われない。獲得抽選によってポイントを獲得した場合には、ポイントを獲得したことを示す演出が行われる。
また、ステージの昇格抽選では、図18に示すように、小役1、2のような当選確率が低いレア小役であれば、押し順リプレイのような当選確率が高い当選役と比較して、ステージの昇格確率および当選アップ数が高くなるように設定されている。例えば本形態では、レア小役であれば、非当選になる確率が低く、ステージが昇格する期待感が高くなっている。さらに当選アップ数も、1回の当選で2ステージ昇格できる割合が高くなっている。ステージの昇格抽選では、各ステージとも共通の当選確率になっており、ステージA、ステージB、ステージC、ステージDの順に昇格する。ステージDに昇格すると、それ以上のステージ昇格は行われないため、ステージの昇格抽選は行われない。ステージが昇格した場合には、ステージが昇格したことを示す演出が行われ、さらに現在のステージが遊技者に示される。なお、獲得ポイントに応じてステージの昇格確率および当選アップ数が異なってもよい。例えば、獲得ポイントが多いほど、ステージの昇格確率および当選アップ数が高くなるように設定されていてもよい。
セットパートの1セット分のゲームが全て行われると、図16に示したように、継続抽選パートに移行する。継続抽選パートでは、3ゲームのうちの1つでARTの継続抽選を行う。本形態では、継続抽選パートの1ゲーム目で継続抽選を行うが、2ゲーム目や3ゲーム目で行ってもよいし、継続抽選を行うゲームを抽選で決定してもよい。そして、継続抽選に当選した場合、継続抽選パートの終了後、再びセットパートに移行し、次のセットパートのゲームを行う。すなわち、ARTを継続することになる。次のセットパートのゲームの開始時には、ポイントとステージが初期値に戻される。一方、継続抽選に当選しなかった場合、継続抽選パートの終了後、遊技状態が通常状態に移行する。すなわち、ARTを終了することになる。
継続抽選での当選確率は、セットパートで獲得したポイント数に応じて異なる。具体的には、図19に示すように、獲得ポイント数が多いほど、当選確率が高くなるように設定されている。例えば、ポイントの獲得数が9ポイント以下の場合には、当選確率が50%であるが、獲得数が10ポイントに達すると、当選確率が64%に上昇する。そして、10ポイント獲得するごとに当選確率が上昇し、ポイントの上限である50ポイントに達すると、当選確率が99.9%となり、継続抽選に当選する期待度が極めて高くなる。本形態では、現在の獲得ポイント数に応じて、セットパートや継続抽選パートで演出中に生じるエフェクト色が異なり、遊技者に継続抽選での当選期待度が示される。
また、本形態のARTでは、セットパートとして、通常セットと、通常セットよりも遊技者に有利な特別セットとの、2種類のセットが設けられている。どちらのセットもゲーム数は同じである。ARTの開始直後は、通常セットで開始し、遊技状態が通常状態に戻ることなく通常セットが3回連続で行われると(すなわち継続抽選パートで3回連続して継続抽選に当選すると)、図16に示したように、次のセットパートが、特別セットになる。特別セットの次のセットパートは、再び通常セットになる。すなわち、セットパートでは、4回に1度の頻度で定期的に特別セットになる。定期的に特別セットになることで、特別セットに移行しないセットパートが長く連続することを回避できる。
特別セットでは、特別セットの終了後、継続抽選パートに移行せず、次のセットパートに移行する。すなわち、特別セットでは、ARTが継続することが確定しており、遊技者が安心してゲームを消化することができる。
また、特別セットでは、通常セットと異なり、ステージが1つであり、ステージの昇格抽選は行わない。一方、ポイントの獲得抽選はゲームごとに行われる。特別セットでのポイントの獲得抽選でも、図20に示すように、小役1、2のような当選確率が低いレア小役であれば、押し順リプレイのような当選確率が高い当選役と比較して、ポイントの獲得確率および当選ポイント数が高くなるように設定されている。ポイントの上限は20であり、獲得ポイントが20に達すると、それ以上のポイント加算は行われないため、ポイントの獲得抽選は行われない。ポイントを獲得した場合には、ポイントを獲得したことを示す演出が行われ、さらに現在のポイント数が遊技者に示される。
特別セットでは、獲得ポイントが20ポイントに達すると、ARTのモードを変更するためのARTモード抽選を行う。そして、ARTモード抽選の当選物に応じたモードに移行する。具体的に本形態では、ARTモード抽選によって、図21に示すように、95%の確率でラッキーモードとなり、5%の確率で超ラッキーモードになる。一方、特別セット中、獲得ポイントが20ポイントに達せず、ARTモード抽選が行われなかった場合、モードがART通常モードのまま、次のセットパートに移行することになる。
ARTのモードがラッキーモードあるいは超ラッキーモードになると、ART通常モードと比較して、セットパートでのポイント獲得抽選での当選確率およびよび当選ポイント数が高くなる。具体的に本形態では、ラッキーモードあるいは超ラッキーモードの場合、セットパートのステージの初期値がステージDとなる。そのため、ステージAから開始する場合と比較して、ポイント獲得抽選での当選確率およびよび当選ポイント数が高くなる。その結果、ラッキーモードあるいは超ラッキーモードは、ART通常モードと比較して、継続抽選での当選確率が高い、すなわちARTが継続する確率が高い傾向にある。特別セット以外のセットパートであって、このようなステージDをステージの初期値とするセットパートを「高確セット」とし、ステージAをステージの初期値とするセットパートを「通常セット」とする。また、ARTのモードのうちラッキーモードあるいは超ラッキーモードを「ART特別モード」とする。
ART特別モードの場合、図22に示すように、セットパートが高確セットであるため、ポイントの獲得率が高く、継続抽選パートにおいて当選確率が高い継続抽選を行うことが期待できる。すなわち、ARTの継続率が高い傾向にあり、遊技者がARTが継続する強い期待感を持ってゲームを行うことができる。ART特別モードは、ラッキーモードであれば、次の特別セットが行われるまで継続する。すなわち、継続抽選に当選する限り、3回分は当選確率が高い継続抽選を行うことが期待できる。そして、ART通常モードに戻った特別セットにおいてARTモード抽選を実行できなければ、次のセットパートは通常セットになる。一方、超ラッキーモードであれば、継続抽選で非当選になるまで継続する。つまり、継続抽選に当選する限り、次の特別セットが行われた後でも超ラッキーモードのままになる。そのため、超ラッキーモードは、ラッキーモードと比較して、遊技者に有利といえる。ARTのモードが移行した場合には、モードが移行したことを示す演出が行われ、さらに現在のモードが遊技者に示される。
7.遊技制御用マイコンの動作
続いて、遊技制御用マイコン61の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン61の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ等は、RAM64に設けられている。主制御基板60に備えられた遊技制御用マイコン61は、スロットマシン1の電源がオンされると、ROM63から主制御側メイン処理のプログラムを読み出して実行するとともに、タイマ割込処理を所定時間毎(本形態では1.49ms毎)に実行する。
[タイマ割込処理]
図23に示すように、タイマ割込処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、レジスタを退避する(S101)。そして、入力ポート読込処理を実行する(S102)。入力ポート読込処理では、遊技制御用マイコン61は、主制御基板60に接続されている各種のセンサ(例えばスタート検出センサ8a等、図5参照)からの信号の読み込みを行う。次に、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S103)。タイマ更新処理では、遊技制御用マイコン61は、RAM64に設けたタイマの値を更新する。タイマとしては例えば、1回のゲームに必要な最小時間(最小一遊技時間という、本形態では4.1秒)を計測するためのタイマ等がある。
次に、遊技制御用マイコン61は、リール制御処理を実行する(S104)。リール制御処理では、各リール用モータ55L、55C、55Rの駆動制御を行う。これにより、リール6L、6C、6Rの回転を開始させたり、その回転を所定の速度まで加速させたり、その回転の速度を一定の速度で維持したり、その回転を停止させたりする。次に、遊技制御用マイコン61は、LED表示処理を行う(S105)。LED表示処理では、主制御基板60に接続されている各種の表示部やランプ(例えばストップ報知ランプ30L、30C、30R等、図5参照)の点灯ないし消灯を制御する。
その後、遊技制御用マイコン61は、コマンド送信処理を行う(S106)。コマンド送信処理では、後述の主制御側メイン処理において、所定の記憶領域(コマンドバッファ)に格納した各種のコマンドをサブ制御基板70に送信する。次いで、遊技制御用マイコン61は、ポート出力処理を行う(S107)。ポート出力処理では、出力ポートから各種の信号の出力を行う。具体的には例えば、ホッパー用モータ51の駆動制御信号を出力したりする(つまりホッパーを駆動させたりする)。そして、遊技制御用マイコン61は、レジスタを復帰して(S108)、タイマ割込処理を終える。
[主制御側メイン処理]
図24に示すように、主制御側メイン処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、後述の電源投入時処理を行う(S201)。次に、遊技開始準備処理を行う(S202)。遊技開始準備処理では、RAM64の一部の記憶領域を初期化したりする。具体的には例えば、後述する当選フラグや入賞フラグをクリアする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、ベットやスタートレバー8の操作に関するベット・スタート処理を行い(S203)、「役」の抽選に関する当選役決定処理を行う(S204)。その後、遊技制御用マイコン61は、リール6L、6C、6Rの回転開始に関するリール回転開始処理を行う(S205)。
次いで、遊技制御用マイコン61は、リール6L、6C、6Rの停止に関するリール回転停止処理を行い(S206)、役の入賞判定に関する入賞判定処理を行う(S207)。そして、メダルの払出に関する払出処理を行う(S208)。その後、遊技制御用マイコン61は、CZに関するCZ管理処理(S209)、ARTに関するART管理処理(S210)、及び、ボーナス遊技状態の開始や終了に関するボーナス処理(S212)を行う。以降、S202からS212までの処理を繰り返し実行する。
[電源投入時処理]
図25に示すように、電源投入時処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、バックアップが正常か否かを判定する(S301)。具体的には、チェックサムを算出するとともに、そのチェックサムの値が電源断時に算出しておいたチェックサムの値と一致するかを判定する。両チェックサムの値が一致すれば、バックアップが正常であると判定し、両チェックサムの値が異なれば、バックアップが正常でないと判定する。S301においてバックアップが正常であれば(S301でYES)、遊技制御用マイコン61は、スロットマシン1の設定値(設定1〜設定6のいずれか)として、バックアップされている設定値をセットして(S302)、S303に進む。これにより、電源断前の設定値が維持されることとなる。一方、バックアップが正常でない場合には(S301でNO)、遊技制御用マイコン61は、S302を行わず、S303に進む。
S303では、遊技制御用マイコン61は、設定キー検出センサ18aがONか否かを判定する。つまり、遊技制御用マイコン61は、設定変更用の鍵が筐体4の内部に設けられた鍵穴(不図示)に挿入されて所定角度回動されているか否かを判定する。設定キー検出センサ18aがONであれば(S303でYES)、設定値変更処理を行う(S304)。設定値変更処理では、遊技制御用マイコン61は、リセット/設定検出センサ19aの検知信号に基づいて設定表示部29に表示する設定値を更新し、スタート検出センサ8aの検知信号に基づいて設定表示部29に表示している設定値を新たな設定値としてRAM64に記憶する。次に、遊技制御用マイコン61は、設定キー検出センサ18aがOFFされるのを待ち(S305)、設定キー検出センサ18aがOFFされると(S305でYES)、本処理を終える。
設定キー検出センサ18aがONでない場合には(S303でNO)、遊技制御用マイコン61は、バックアップが正常か否かを判定する(S306)。バックアップが正常であれば(S306でYES)、復帰処理を行って(S307)、本処理を終える。復帰処理では、遊技制御用マイコン61は、RAM64に記憶されているバックアップデータに基づいてスロットマシン1の状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが正常でなければ(S306でNO)、電源投入時エラー処理を行って(S308)、以降、無限ループ処理を行う。電源投入時エラー処理では、遊技制御用マイコン61は、バックアップが正常でないことを示すエラー表示を払出枚数表示部22に表示させるための表示データの設定等の処理を行う。
[ベット・スタート処理]
図26に示すように、ベット・スタート処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、自動ベットフラグがONか否かを判定する(S401)。自動ベットフラグは、再遊技役の入賞が成立して再遊技の特典が付与されることを示すフラグである。自動ベットフラグがONであれば(S401でYES)、遊技制御用マイコン61は、自動ベット処理を行う(S402)。自動ベット処理では、新たなメダルの投入やベットボタン(MAXベットボタン11や1ベットボタン12)の押下といったベット操作(賭数設定操作)を伴うことなく、賭数を設定する。賭数は、再遊技役に入賞した前回のゲームと同じ賭数に設定される。つまり前回のゲームで3枚のメダルがベットされていれば、賭数は3枚に設定される。続いて遊技制御用マイコン61は、メダルの投入や賭数の設定がなされたことを示すメダル投入コマンドを所定の記憶領域にセットするとともに(S403)、自動ベットフラグをOFFする(S404)。そして、スタートレバー8の操作を待ち(S405)、スタートレバー8が操作されると(S405でYES)、つまりスタート検出センサ8aがONされると、本処理を終える。
一方、自動ベットフラグがONでなければ(S401でNO)、遊技制御用マイコン61は、ベットの受付を許可する(S406)。これにより、メダル投入口10からのメダルの投入によるベット操作や、MAXベットボタン11や1ベットボタン12の押下によるベット操作が可能となる。続いて遊技制御用マイコン61は、ベットされているメダルの枚数(賭数として設定されているメダルの枚数)が遊技開始可能枚数(本形態では3枚)であるか否かを判定する(S407)。
遊技開始可能枚数でなければ(S407でNO)、続いて遊技制御用マイコン61は、メダル投入口10からのメダルの投入またはベットボタン(MAXベットボタン11又は1ベットボタン12)の押下操作のいずれかがなされたか否かを判定する(S408)。メダルの投入またはベットボタンの操作がなされていれば(S408でYES)、遊技制御用マイコン61は、投入・ベット処理を行う(S409)。投入・ベット処理では、メダルの投入に応じて、つまり投入メダル検出センサ10aの検出信号に応じて、賭数の設定を更新したり、クレジットの値を更新したりする。また、投入・ベット処理では、ベットボタンの操作に応じて、つまりMAXベット検出センサ11aや1ベット検出センサ12aの検出信号に応じて、賭数の設定を更新し、クレジットの値を更新する。そして、遊技制御用マイコン61は、メダルの投入や賭数の設定がなされたことを示すメダル投入コマンドを所定の記憶領域にセットして(S410)、S407に進む。また、メダルの投入またはベットボタンの操作がなされていない場合も(S408でNO)、S407に進む。
一方、ベットされているメダルの枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合には(S407でYES)、遊技制御用マイコン61は、スタートレバー8の操作がなされたか否か、つまりスタート検出センサ8aがONか否かを判定する(S411)。スタートレバー8の操作がなされていなければ(S411でNO)、S408に進む。これに対して、スタートレバー8の操作がなされていれば(S411でYES)、遊技制御用マイコン61は、ベットの受付を禁止し(S412)、本処理を終える。
[当選役決定処理]
図27に示すように、当選役決定処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、乱数取得処理を行う(S501)。乱数取得処理では、遊技制御用マイコン61は、乱数発生器68が生成している乱数をサンプリング回路(不図示)によって抽出し、抽出された1つの乱数値を所定の記憶領域(乱数値バッファ)に格納する。次いで、設定値および遊技状態に応じた内部当選役決定テーブルをセットする(S502)。内部当選役決定テーブルは、図8に示す内部当選役の割合に基づく。そして、遊技制御用マイコン61は、S501にて取得した乱数値およびS502にてセットした内部当選役決定テーブルに基づいて、いずれかの役に当選しているか否かを判定する(S503)。
いずれかの役に当選している場合には(S503でYES)、遊技制御用マイコン61は、当選した役(内部当選役)に応じた当選フラグをONする(S504)。そして、当選した役がボーナス(BB1又はBB2又はRB1又はRB2)であるか否かを判定し(S505)、ボーナスに当選している場合には(S505でYES)、ボーナスの種類に応じた持越役フラグ(つまりBB1の持越役フラグ又はBB2の持越役フラグ又はRB1の持越役フラグ又はRB2の持越役フラグ)をONして(S506)、さらに遊技状態フラグを内部当選状態に対応する値に変更し(S507)、S511に進む。当選した役がBBでない場合には(S505でNO)、S506およびS507を行うことなくS511に進む。また、いずれの役にも当選していない場合には(S503でNO)、遊技制御用マイコン61は、S504〜S507の処理を行うことなく、S511に進む。
なお本形態では、図28に示すように、遊技制御用マイコン61は、初期状態であるときには、遊技状態フラグの値を「0」にセットし、RT1遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値を「1」にセットし、RT2遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値を「2」にセットし、内部当選状態であるときには、遊技状態フラグの値を「3」にセットし、BB遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値を「4」にセットし、RB遊技状態であるときには、遊技状態フラグの値を「5」にセットするものとする。遊技状態フラグの初期値は「0」である。
S511では、遊技制御用マイコン61は、後述する同時抽選処理を行う。なお、同時抽選処理は、役の抽選とは別に行われる抽選に関する処理であり、CZやARTへの移行抽選やARTの上乗せ抽選等が行われる。S511の後、遊技制御用マイコン61は、役の抽選結果に関する情報(当選した役の情報やいずれの役にも当選していないことの情報)、及び、S511での結果、すなわちCZやARTへの移行抽選の結果やARTの上乗せ抽選の結果に関する情報を含む役決定結果コマンドを所定の記憶領域にセットする(S512)。続いて遊技制御用マイコン61は、押し順点灯処理(S513)を行って、本処理を終える。
[同時抽選処理]
図29に示すように、同時抽選処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値を用いて、現在の遊技状態がボーナス遊技状態であるか否かを判定する(S520)。現在の遊技状態は、遊技状態フラグの値によって判定できる。現在の遊技状態がボーナス遊技状態である場合(S520でYES)、遊技制御用マイコン61は、ボーナス中抽選処理を実行する(S532)。ボーナス中抽選処理の詳細は後述する。
現在の遊技状態がボーナス遊技状態でない場合(S520でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグがARTの実行中もしくは継続抽選パートであることを示す値であるか否かを判定する(S521)。ARTフラグがARTの実行中もしくは継続抽選パートであることを示す値である場合(S521でYES)、遊技制御用マイコン61は、ART中抽選処理を実行する(S531)。ART中抽選処理の詳細は後述する。
遊技制御用マイコン61は、ARTの実行状態を判定するためのARTフラグと、CZの実行状態を判定するためのCZフラグと、ARTのモードを判定するためのARTモードフラグと、をそれぞれRAM64に記憶している。本形態では、図30(A)に示すように、ARTフラグについて、ARTに当選していない場合には、ARTフラグの値を「0」にセットし、ARTに当選しているがARTを実行していない場合(例えば、CZ中にARTへの移行に当選してからCZが終了するまでのCZ終了待ち期間や、遊技状態がRT2遊技状態に移行するまでのARTの準備期間)、ARTフラグの値を「1」にセットし、ARTを実行している場合(継続抽選パートを除く)、ARTフラグの値を「2」にセットし、ARTの継続抽選パートの場合、ARTフラグの値を「3」にセットするものとする。ARTフラグの初期値は「0」である。また、図30(B)に示すように、CZフラグについて、CZに当選していない場合には、CZフラグの値を「0」にセットし、CZに当選しているがCZを実行していない場合(例えばCZの種類を遊技者が選択するまでの待ち期間)、CZフラグの値を「1」にセットし、CZ1を実行している場合、CZフラグの値を「2」にセットし、CZ2を実行している場合、CZフラグの値を「3」にセットし、CZ3を実行している場合、CZフラグの値を「4」にセットするものとする。CZフラグの初期値も「0」である。また、図30(C)に示すように、ARTモードフラグについて、ART通常モードの場合(ラッキーモードや超ラッキーモードに当選していない場合)には、ARTモードフラグの値を「0」にセットし、ART通常モードよりも遊技者に有利なラッキーモードに当選している場合、ARTモードフラグの値を「1」にセットし、ラッキーモードよりもさらに遊技者に有利な超ラッキーモードに当選している場合、ARTモードフラグの値を「2」にセットするものとする。
ARTフラグがARTの実行中もしくは継続抽選パートであることを示す値でない(S521でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグがARTの当選を示す値であるか否かを判定する(S522)。
ARTフラグがARTの当選を示す値でない場合(S522でNO)、遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態が内部当選状態であるか否かを判定する(S523)。現在の遊技状態が内部当選状態でない場合(S523でNO)、遊技制御用マイコン61は、CZへの移行抽選を行うCZ抽選処理を実行し(S524)、本処理を終える。CZ抽選処理の詳細は後述する。一方、現在の遊技状態が内部当選状態である場合(S523でYES)、遊技制御用マイコン61は、S524によるCZへの移行抽選を行うことなく、本処理を終える。
ARTフラグがARTの当選を示す値である場合(S522でYES)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。なお、ARTに当選済みの場合、必要に応じてARTのゲーム数の上乗せ抽選を行ってもよい。
[CZ抽選処理]
図31に示すように、CZ抽選処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、CZフラグが非CZ(CZに当選しておらずCZを実行していない状態)を示す値であるか否かを判定する(S551)。
CZフラグが非CZを示す値の場合(S551でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZへの移行を抽選するCZ突入抽選を行い(S552)、CZに当選したか否かを判定する(S553)。具体的にS552のCZ突入抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定する。CZ突入抽選の当選確率は、図13に示した通りであり、ステージモードごと、さらには当選した役ごとに、CZの当選確率が異なる。
CZ突入抽選の抽選結果が当選である場合(S553でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZフラグの値をCZ当選を示す値に変更し(S554)、本処理を終える。CZ突入抽選の抽選結果が不当選である場合(S553でNO)、遊技制御用マイコン61は、通常状態におけるモードを決めるためのステージモード抽選を行う(S555)。具体的にS555のステージモード抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定する。前述したように通常状態のモードには、CZに当選し難い低確モードと、CZに当選し易い高確モードと、があり、モードごとにステージモード抽選用のテーブルが異なる(図11および図12参照)。S555の後、遊技制御用マイコン61は、ステージモードを、当選したモードに設定し(S556)、本処理を終える。
CZフラグが非CZを示す値でなかった場合(S551でNO)、遊技制御用マイコン61は、CZの種類に応じた当選確率でのART突入抽選を行い(S561)、ARTに当選したか否かを判定する(S562)。具体的にS561のART突入抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定する。ART突入抽選の当選確率は、図14に示した通りであり、CZの種類ごと、さらには当選した役ごとに、ARTの当選確率が異なる。また、本形態では、CZが3種類あり、CZの開始時に遊技者によってCZの種類が選択される。ARTに当選しなかった場合(S562でNO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
ARTに当選した場合(S562でYES)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグの値をART当選を示す値に変更する(S563)。S563の後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
[ART中抽選処理]
図32に示すように、ART中抽選処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、特別セットフラグがオンか否か、すなわち現在のARTのセットが特別セットか否かを判定する(S570)。特別セットフラグがオンの場合(S570でYES)、遊技制御用マイコン61は、特別セット中抽選処理を実行し(S571)、本処理を終える。特別セット中抽選処理の詳細は後述する。
特別セットフラグがオフの場合(S570でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグが継続抽選パートを示す値か否かを判定する(S580)。ARTフラグが継続抽選パートを示す値ではない、すなわちARTのセットパートのゲームの場合(S580でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTモードフラグがラッキーモードもしくは超ラッキーモードを示す値か否かを判定する(S5801)。
ARTモードフラグがラッキーモードもしくは超ラッキーモードを示す値ではない、すなわちART通常モードを示す値の場合(S5801でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTのステージ昇格抽選を行う(S5811)。具体的にS5811のステージ昇格抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定することにより行う。ステージ昇格抽選の当選確率は、図18に示した通りであり、当選した役によって当選確率が異なる。
S5811の後、遊技制御用マイコン61は、ステージ昇格抽選に当選したか否かを判定する(S5812)。ステージ昇格抽選に当選した場合(S5812でYES)、遊技制御用マイコン61は、現在のステージから当選物に応じてステージを昇格させる(S5813)。例えば、現在のステージがステージAであり、当選物が1ステージアップであればステージBに昇格させ、当選物が2ステージアップであればステージCに昇格させる。なお、本形態では、ステージDが最高ステージであり、現在のステージがステージDであれば、ステージ昇格抽選を行わず、それ以上のステージアップは行わない。
S5813の後、あるいはステージ昇格抽選に当選していない場合(S5812でNO)、遊技制御用マイコン61は、現在のステージに応じたポイントの当選率を決定する(S5814)。具体的にS5814では、図17に示したポイント抽選テーブルから現在のステージに対応するテーブルを抽出する。
一方、ARTモードフラグがラッキーモードもしくは超ラッキーモードを示す値の場合(S5801でYES)、遊技制御用マイコン61は、高確率でポイントが取得できるようにポイントの当選率を決定する(S5815)。具体的にS5815では、図17に示したポイント抽選テーブルから、ポイントの取得率が最も高いステージDに対応するテーブルを抽出する。
S5814あるいはS5815の後、遊技制御用マイコン61は、ARTのポイント獲得抽選を行う(S5816)。具体的にS5816のポイント獲得抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定することにより行う。ポイント獲得抽選の当選確率は、S5814あるいはS5815で決定した通りであり、当選した役によって当選確率および当選物(ポイント数)が異なる。なお、現在の獲得ポイントが上限に達していた場合、ポイント獲得抽選は省略される。
S5816の後、遊技制御用マイコン61は、ポイント獲得抽選に当選したか否かを判定する(S5821)。ポイント獲得抽選に当選した場合(S5812でYES)、遊技制御用マイコン61は、現在のポイントから当選物に応じてポイントを加算する(S5822)。例えば、現在のポイントが0であり、当選物が1ポイントであればポイントを1とし、当選物が2ポイントであればポイントを2とする。なお、本形態では、50ポイントが上限値であり、それ以上のポイントアップは行わない。S5822の後、あるいはポイント獲得抽選に当選していない場合(S5812でNO)、本処理を終える。
一方、ARTフラグが継続抽選パートを示す値の場合(S580でYES)、遊技制御用マイコン61は、抽選フラグがオンか否か、すなわち継続抽選パートの最初のゲームであるか否かを判定する(S5851)。抽選フラグがオンでなければ(S5851でNO)、本処理を終える。
抽選フラグがオンの場合(S5851でYES)、遊技制御用マイコン61は、現在の獲得ポイントに応じたARTの継続抽選での当選確率、すなわちARTの継続率を決定する(S5852)。具体的にS5852では、図19に示した当選確率テーブルから現在のポイントに対応する当選確率を決定する。
S5852の後、遊技制御用マイコン61は、S5852で決定した当選確率に基づいて、ARTの継続抽選を行う(S5853)。具体的にS5853の継続抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定することにより行う。
S5853の後、遊技制御用マイコン61は、抽選フラグをオフにする(S5854)。さらに、継続抽選に当選したか否かを判定する(S5861)。そして、継続抽選に当選した場合(S5861でYES)、継続フラグをオンにし(S5862)、継続抽選に当選しなかった場合(S5861でNO)、継続フラグをオフにする(S5863)。S5862あるいはS5863の後、本処理を終える。
[特別セット中抽選処理]
図33に示すように、特別セット中抽選処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、ARTモードフラグがラッキーモードあるいは超ラッキーモードを示す値か否かを判定する(S5711)。ARTモードフラグがラッキーモードあるいは超ラッキーモードを示す値の場合(S5711でYES)、本処理を終える。
ARTモードフラグがラッキーモードあるいは超ラッキーモードを示さない、すなわちART通常モードを示す値の場合(S5711でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTのポイント獲得抽選を行う(S5712)。具体的にS5712のポイント獲得抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定することにより行う。ポイント獲得抽選の当選確率は、S5816と異なり、図20に示した通りであり、当選した役によって当選確率および当選物(ポイント数)が異なる。なお、現在の獲得ポイントが上限に達していた場合、ポイント獲得抽選は省略される。
S5712の後、遊技制御用マイコン61は、ポイント獲得抽選に当選したか否かを判定する(S5713)。ポイント獲得抽選に当選した場合(S5713でYES)、遊技制御用マイコン61は、現在のポイントから当選物に応じてポイントを加算する(S5714)。なお、本形態では、20ポイントが上限値であり、それ以上のポイントアップは行わない。ポイント獲得抽選に当選していない場合(S5713でNO)、本処理を終える。
S5714の後、遊技制御用マイコン61は、獲得ポイントが所定値以上になったか否かを判定する(S5715)。本形態では、所定値を20とする。獲得ポイントが所定値以上になっていない場合(S5715でNO)、本処理を終える。
獲得ポイントが所定値以上になっている場合(S5715でYES)、ARTモード抽選を行う(S5721)。具体的にS5721のARTモード抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定することにより行う。ARTモード抽選の当選確率は、図21に示した通りであり、ラッキーモードと超ラッキーモードとのいずれか一方に必ず当選する。そのため、ポイントが所定値に達した場合、必ずラッキーモードと超ラッキーモードとのいずれか一方になり、S5711でNOと判定されることから、次のゲーム以降、今回のセット内ではポイント抽選等は行われない。ARTモード抽選の実施条件を所定ポイントの獲得とすることで、ポイントに関係なく無関係に毎ゲームARTモード抽選を行う場合と比較して、ART特別モードの当選確率を高めることができる。なお、S5721のARTモード抽選において、ラッキーモードおよび超ラッキーモード以外に、ART通常モードの当選や非当選を設けてもよい。
S5721の後、遊技制御用マイコン61は、超ラッキーモードに抽選に当選したか否かを判定する(S5722)。そして、超ラッキーモードに抽選に当選した場合(S5722でYES)、ARTモードフラグに超ラッキーモードを示す値をセットし(S5723)、超ラッキーモードに当選しなかった、すなわちラッキーモードに当選した場合(S5722でNO)、ARTモードフラグにラッキーモードを示す値をセットする(S5724)。S5723あるいはS5724の後、本処理を終える。
[ボーナス中抽選処理]
図34に示すように、ボーナス中抽選処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、ARTに当選済みか否か、すなわちARTフラグがART当選を示す値もしくはARTの中断情報がRAM64に記憶されているか、否かを判定する(S601)。ARTフラグがART当選を示す値の場合、ボーナスゲームの追加パートにおいてARTに当選したことを意味する。また、ARTの中断情報が記憶されている場合、ART中にボーナスに当選したことを意味する。
ARTに当選済みでなければ(S601でNO)、遊技制御用マイコン61は、ボーナス終了後にCZあるいはARTに移行するための移行抽選を行う(S603)。具体的にS603の移行抽選では、遊技制御用マイコン61は、抽選用乱数を取得し、この乱数値を判定することにより行う。移行抽選の当選確率は、図15に示した通りであり、小役3の当選時に抽選する。本形態では、2%の確率でCZに当選し、0.5%の確率でARTに当選する。
S603の後、遊技制御用マイコン61は、移行抽選によってCZに当選したか否かを判定し(S604)、CZに当選していなければ(S604でNO)、ARTに当選したか否かを判定する(S611)。CZに当選している場合(S604でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZフラグの値をCZ当選を示す値に変更し(S605)、本処理を終える。一方、ARTに当選している場合(S611でYES)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグの値をART当選を示す値に変更する(S612)。なお、ARTのゲーム数を抽選によって決定してもよい。S612の後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
ARTに当選済みであれば(S601でYES)、遊技制御用マイコン61は、特別抽選を行うことなく、本処理を終了する。なお、ARTに当選済みの場合、必要に応じてARTのゲーム数の上乗せ抽選を行ってもよい。
[押し順点灯処理]
図35に示すように、押し順点灯処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグがARTの実行中もしくは継続抽選パートを示す値か否かを判定する(S701)。ARTフラグがARTの実行中もしくは継続抽選パートを示す値であれば(S701でYES)、続いて、押し順ベルあるいは押し順リプレイの当選フラグがONであるか否かを判定する(S702)。この判定結果がNOであれば(S702でNO)、本処理を終えるが、この判定結果がYESであれば(S702でYES)、ストップ報知ランプ点灯処理を行う(S703)。
また、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグがARTの実行中もしくは継続抽選パートを示す値でなければ(S701でNO)、ARTフラグがART当選であることを示す値でかつCZフラグがCZに当選していないことを示す値であるか否か、すなわちARTの準備中であってCZが終了している状態か否かを判定する(S704)。この判定結果がNOであれば(S704でNO)、本処理を終えるが、この判定結果がYESであれば(S704でYES)、S702に移行し、押し順ベルあるいは押し順リプレイに当選している場合は(S702でYES)、ストップ報知ランプ点灯処理を行う(S703)。
ストップ報知ランプ点灯処理では、遊技制御用マイコン61は、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rのうち、押し順ベルに当選した場合には、押し順ベルの正解押し順に対応するものを点灯させるためのデータをセットする。一方、昇格押し順リプレイに当選した場合、昇格押し順リプレイの正解押し順に対応するものを点灯させるための、転落押し順リプレイに当選した場合、転落押し順リプレイの正解押し順に対応するものを点灯させるための、データをセットする。ここでセットしたデータに基づいて、LED表示処理(S105)が実行されることにより、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rのうち正解押し順に対応するものが点灯する。これにより、遊技者には押し順が必要な役の正解押し順が報知される。このようにストップ報知ランプ30L、30C、30Rの点灯により遊技者に押し順ベルの正解押し順を報知する機能が、押し順ナビである。なお、本形態では、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rの点灯に加えて、画像表示装置42による押し順報知演出の実行によっても遊技者に押し順ベルの正解押し順を報知している。この押し順報知演出による正解押し順の報知機能も、押し順ナビである。
[リール回転開始処理]
図36に示すように、リール回転開始処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、最小一遊技時間(4.1秒)が経過したか否かを判定する(S901)。経過していなければ(S901でNO)、この判定を繰り返す。経過していれば(S901でYES)、遊技制御用マイコン61は、最小一遊技時間を計測するタイマの値を4.1秒に対応する値にセットする(S902)。
S902の後、遊技制御用マイコン61は、各リール6L、6C、6Rの回転を開始させるための制御データをセットする(S903)。ここでセットされた制御データに基づいて、図23に示したリール制御処理(S104)が実行されると、各リール6L、6C、6Rの回転が開始される。そして遊技制御用マイコン61は、リール6L、6C、6Rの回転を開始させたことを示すリール回転開始コマンドを所定の記憶領域にセットして(S904)、本処理を終える。
[リール回転停止処理]
図37に示すように、リール回転停止処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、全てのリール6L、6C、6Rが予め定められた速度(本形態では1分間で80回転する速度)で回転するのを待つ(S1001)。そして、全てのリール6L、6C、6Rが予め定められた速度で回転すると(S1001でYES)、遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9L、9C、9Rの操作がなされたか否かを判定する(S1002)。S1002の判定は、判定結果がYESとなるまで繰り返し行われる。S1002の判定結果がYESになると、遊技制御用マイコン61は、操作されたストップボタン9L、9C、9Rに対応するリール6L、6C、6Rを停止させる停止制御処理を行う(S1003)。停止制御処理については後述する。
その後、遊技制御用マイコン61は、全てのリール6L、6C、6Rの回転が停止しているか否かを判定し(S1004)、全てのリール6L、6C、6Rの回転が停止していれば(S1004でYES)、全ての停止操作フラグをOFFして(S1005)、本処理を終える。一方、リール6L、6C、6Rのうち少なくとも1つの回転が停止していない場合には(S1004でNO)、S1002に進む。なお、停止操作フラグは、左、中、右の各停止操作に対応して設けられており、各ストップボタン9L、9C、9Rの有効な操作に基づいてONされるフラグである。
[停止制御処理]
図38に示すように、停止制御処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、左ストップボタン9Lが操作されたか否かを判定する(S1101)。つまり、左ストップ検出センサ9LaがONか否かを判定する。判定結果がYESであれば(S1101でYES)、左停止操作フラグがONか否かを判定し(S1102)、ONでなければ(S1102でNO)、左停止操作フラグをONする(S1103)。そして、左リール6Lの図柄組み合わせ停止処理(S1104)を行う。左リール6Lの図柄組み合わせ停止処理では、左ストップボタン9Lの操作タイミング(左リール6Lの停止タイミング)、当選フラグ、持越役フラグ、引込制御の優先順位、左ストップボタン9Lの操作順序、他のリール(中リール6C及び右リール6R)の停止状況や停止位置、遊技状態などに基づいて、図柄の引込制御もしくは蹴飛ばし制御等の停止制御のための制御データをセットする。ここでセットされた制御データに基づいて、図23に示したリール制御処理(S104)が実行されると、左リール6Lが停止される。
S1104の後、遊技制御用マイコン61は、左リール6Lを停止させたことを示す左リール停止コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1105)、S1115に進む。また、左停止操作フラグがONである場合には(S1102でYES)、すでに左リール6Lが停止済みであるため、遊技制御用マイコン61は、S1103〜S1105の処理を行うことなく、S1115に進む。S1115では、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rを消灯させるための押し順消灯処理を行う(S1115)。押し順消灯処理については後述する。
左ストップボタン9Lが操作されていないと判定した場合には(S1101でNO)、遊技制御用マイコン61は、中ストップボタン9Cが操作されたか否かを判定する(S1106)。つまり、中ストップ検出センサ9CaがONか否かを判定する。判定結果がYESであれば(S1106でYES)、遊技制御用マイコン61は、中停止操作フラグがONか否かを判定し(S1107)、ONでなければ(S1107でNO)、中停止操作フラグをONする(S1108)。そして、中リール6Cの図柄組み合わせ停止処理を行う(S1109)。中リール6Cの図柄組み合わせ停止処理では、中ストップボタン9Cの操作タイミング(中リール6Cの停止タイミング)、当選フラグ、持越役フラグ、引込制御の優先順位、中ストップボタン9Cの操作順序、他のリール(左リール6L及び右リール6R)の停止状況や停止位置、遊技状態などに基づいて、図柄の引込制御もしくは蹴飛ばし制御等の停止制御のための制御データをセットする。ここでセットされた制御データに基づいて、図23に示したリール制御処理が実行されると、中リール6Cが停止される。
S1109の後、遊技制御用マイコン61は、中リール6Cを停止させたことを示す中リール停止コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1110)、S1115に進む。また、中停止操作フラグがONである場合には(S1107でYES)、すでに中リール6Cが停止済みであるため、遊技制御用マイコン61は、S1108〜S1110の処理を行うことなく、S1115に進む。
中ストップボタン9Cが操作されていないと判定した場合には(S1106でNO)、遊技制御用マイコン61は、右ストップボタン9Rが操作された(つまり右ストップ検出センサ9RaがONである)ということである。よってこの場合には、遊技制御用マイコン61は、右停止操作フラグがONか否かを判定し(S1111)、ONでなければ(S1111でNO)、右停止操作フラグをONする(S1112)。そして、右リール6Rの図柄組み合わせ停止処理を行う(S1113)。右リール6Rの図柄組み合わせ停止処理では、右ストップボタン9Rの操作タイミング(右リール6Rの停止タイミング)、当選フラグ、持越役フラグ、引込制御の優先順位、右ストップボタン9Rの操作順序、他のリール(左リール6L及び中リール6C)の停止状況や停止位置、遊技状態などに基づいて、図柄の引込制御もしくは蹴飛ばし制御等の停止制御のための制御データをセットする。ここでセットされた制御データに基づいて、図23に示したリール制御処理が実行されると、右リール6Rが停止される。
S1113の後、遊技制御用マイコン61は、右リール6Rを停止させたことを示す右リール停止コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1114)、S1115に進む。また、右停止操作フラグがONである場合には(S1111でYES)、すでに右リール6Rが停止済みであるため、遊技制御用マイコン61は、S1112〜S1114の処理を行うことなく、S1115に進む。
[押し順消灯処理]
図39に示すように、押し順消灯処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、第1停止操作がなされたタイミングであるか否かを判定する(S1201)。第1停止操作とは、全てのリール6L、6C、6Rが回転している状況で1つ目のリールを停止させる操作のことである。なお、1つのリールが停止しており、残り2つのリールが回転している状況で2つ目のリールを停止させる操作のことを、第2停止操作という。また、2つのリールが停止しており、残り1つのリールが回転している状況で3つ目(最後)のリールを停止させる操作のことを、第3停止操作という。
第1停止操作がなされたタイミングであると判定した場合には(S1201でYES)、遊技制御用マイコン61は、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rのいずれかが点灯中であるか否かを判定する(S1202)。そして、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rのいずれかが点灯中であれば(S1202でYES)、ストップ報知ランプ消灯処理を行う(S1203)。ストップ報知ランプ消灯処理では、点灯中のストップ報知ランプ30L、30C、30Rを消灯させるためのデータをセットする。ここでセットしたデータに基づいて、図23に示すLED表示処理が実行されることにより、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rのうち点灯中のものが消灯する。なお、第1停止操作が、押し順ベルの正解押し順に適合する場合も適合しない場合も、遊技制御用マイコン61はストップ報知ランプ30L、30C、30Rを消灯させる。
一方、第1停止操作がなされたタイミングではないと判定した場合や(S1201でNO)、ストップ報知ランプ30L、30C、30Rのいずれもが点灯していないと判定した場合(S1202でNO)、遊技制御用マイコン61は、ストップ報知ランプ消灯処理を行うことなく、本処理を終える。
[入賞判定処理]
図40に示すように、入賞判定処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、表示窓5L、5C、5R内の停止図柄(表示図柄)のデータを、有効ラインL1〜L5毎に読み出す(S1301)。そして、各有効ラインL1〜L5上の停止図柄の組み合わせが、「役」に応じた図柄の組み合わせ(図7参照)と一致するか否かを判定する(S1302)。有効ラインL1〜L5上の停止図柄の組み合わせに、「役」に応じた図柄の組み合わせがあれば(S1302でYES)、その「役」の入賞が成立しているため、入賞した役(入賞役)に応じた入賞フラグをONする(S1303)。
S1303の後、遊技制御用マイコン61は、再遊技役の入賞があったか否か(つまり再遊技役の入賞フラグがONであるか否か)を判定する(S1304)。再遊技役の入賞フラグがONの場合は(S1304:YES)、自動ベットフラグをONして(S1305)、S1307に進む。これにより、次のベット・スタート処理(S203、図24、図26参照)において自動ベット処理が実行されることとなる。
一方、再遊技役の入賞フラグがONでない場合は(S1304:NO)、再遊技役以外のいずれかの役の入賞が成立している(再遊技役以外のいずれかの役の入賞フラグがONである)ため、遊技制御用マイコン61は、入賞役に応じた払出枚数を払出枚数カウンタにセットして(S1306)、S1307に進む。具体的には例えば、小役2(スイカ)の入賞フラグがONである場合には、払出枚数カウンタに「4」をセットする(図7参照)。一方、BB(BB1又はBB2)又はRB(RB1又はRB2)の入賞時の払出枚数は「0」であるため(図7参照)、BBの入賞フラグがONである場合には、払出枚数カウンタの値は「0」のまま更新されない。
また、有効ラインL1〜L5上の停止図柄の組み合わせに、「役」に応じた図柄の組み合わせがないと判定した場合(S1302でNO)、遊技制御用マイコン61は、直ちにS1307に進む。S1307では、役の入賞判定の結果の情報(入賞した役の情報やいずれの役の入賞も成立していないことの情報)を含む入賞判定コマンドを所定の記憶領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン61は、役の入賞に伴って遊技状態を移行させる遊技状態移行処理を実行し(S1308)、本処理を終える。遊技状態移行処理については後述する。
[遊技状態移行処理]
図41に示すように、遊技状態移行処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態が初期状態であるか否かを判定する(S1321)。遊技状態が初期状態であれば(S1321でYES)、遊技制御用マイコン61は、ベルこぼしが発生したか否か、すなわち押し順ベル小役(小役4〜6)と押し順ベル小役(7〜9)とに同時当選した際に小役(7〜9)に入賞したか否かを判定する(S1322)。ベルこぼしが発生していない場合(S1322でNO)、本処理を終える。ベルこぼしが発生した場合(S1322でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(S1323)、本処理を終える。S1323では、遊技状態フラグをRT1遊技状態を示す値に変更する。
遊技状態が初期状態でなければ(S1321でNO)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値を用いて、現在の遊技状態がRT1遊技状態であるか否かを判定する(S1331)。遊技状態がRT1遊技状態であれば(S1331でYES)、遊技制御用マイコン61は、昇格リプレイに入賞したか否かを判定する(S1332)。昇格リプレイに入賞していない場合(S1332でNO)、本処理を終える。昇格リプレイに入賞した場合(S1332でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態をRT2遊技状態に移行させ(S1333)、本処理を終える。S1333では、遊技状態フラグをRT2遊技状態を示す値に変更する。
遊技状態がRT1遊技状態でなければ(S1331でNO)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値を用いて、現在の遊技状態がRT2遊技状態であるか否かを判定する(S1341)。遊技状態がRT2遊技状態であれば(S1341でYES)、遊技制御用マイコン61は、転落リプレイに入賞したかもしくはベルこぼしが生じたか、否かを判定する(S1342)。転落リプレイに入賞しておらず、かつベルこぼしも生じていない場合(S1342でNO)、本処理を終える。転落リプレイへの入賞とベルこぼしとのいずれか一方が生じた場合(S1342でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(S1343)、本処理を終える。S1343では、遊技状態フラグをRT1遊技状態を示す値に変更する。
[払出処理]
図42に示すように、払出処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、払出枚数カウンタの値が「0」よりも大きいか否かを判定する(S1501)。払出枚数カウンタの値が「0」よりも大きい場合には、遊技制御用マイコン61は、ボーナス遊技状態か否か、すなわち遊技状態フラグの値がBB遊技状態に対応する値もしくはRB遊技状態に対応する値であるか否かを判定する(S1502)。ボーナス遊技状態の場合(S1502でYES)、遊技制御用マイコン61は、払出枚数カウンタの値に基づいてボーナス終了枚数カウンタの値を減算して(S1503)、S1504に進む。ボーナス終了枚数カウンタは、BB遊技状態あるいはRB遊技状態における払出可能枚数の残数をカウントするカウンタである。ボーナス遊技状態でないと判定した場合(S1502でNO)、遊技制御用マイコン61は、S1503を行わずに、S1504に進む。
その後、遊技制御用マイコン61は、クレジット加算処理(S1504)およびメダル払出処理(S1505)を行う。クレジット加算処理では、払出枚数カウンタの値の分だけ、クレジットの値を加算する。クレジットの値の加算は、「50」を越えない範囲で行われる。払出枚数カウンタの値をクレジットの値に加算すると「50」を越える場合には、メダル払出処理(S1505)において、その超える分のメダルをメダル払出口38から払い出す。つまりメダル払出処理では、必要に応じてホッパー用モータ51の駆動制御信号がセットされる。次に遊技制御用マイコン61は、払出枚数カウンタの値を「0」にクリアして(S1506)、本処理を終える。なお、払出枚数カウンタの値が「0」よりも大きくないと判定した場合(S1501でNO)、遊技制御用マイコン61は、S1502〜S1506の処理を行うことなく直ちに本処理を終える。
[CZ管理処理]
図43に示すように、CZ管理処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、CZフラグを用いて、CZ中か否か、すなわちCZフラグの値がCZ1、CZ2、CZ3のいずれかに該当するか否かを判定する(S1601)。CZ中ではない場合(S1601でNO)、さらにCZフラグがCZ当選を示す値か否かを判定する(S1602)。CZ当選でない場合、すなわちCZフラグが非CZを示す値であれば(S1602でNO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
CZ当選であれば(S1602でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZの種類をCZ1〜CZ3の中から選択する(S1603)。S1603の選択は、遊技者に選択させてもよいし、種類抽選によって遊技制御用マイコン61が自動的に選択してもよい。
CZ選択がなされると(S1603でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZ選択結果に応じたCZの値を、CZフラグの値としてセットする(S1604)。S1604の後、遊技制御用マイコン61は、CZの残りゲーム数をカウントするCZカウンタの値を「15」にセットする(S1605)。そして、CZの開始を演出制御用マイコン71に通知するためのCZ開始コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1606)、本処理を終える。
CZ中であれば(S1601でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZカウンタを1つ減算するとともに(S1611)、CZカウンタの値が0か否かを判定する(S1612)。CZカウンタの値が0の場合(S1612でYES)、遊技制御用マイコン61は、CZフラグを非CZを示す値に変更する(S1613)。そして、CZの終了を演出制御用マイコン71に通知するためのCZ終了コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1614)、本処理を終える。CZカウンタの値が0でなければ(S1612でNO)、CZを継続するため、遊技制御用マイコン61は、S1613〜S1614を行わずに、本処理を終える。
[ART管理処理]
図44に示すように、ART管理処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグがART中もしくは継続抽選パートを示す値か否かを判定する(S1701)。ARTフラグがART中もしくは継続抽選パートを示す値の場合(S1701でYES)、遊技制御用マイコン61は、ART中管理処理を実行し(S1720)、本処理を終える。ART中管理処理の詳細は後述する。
ART中もしくは継続抽選パートを示す値でなければ(S1701でNO)、さらにARTフラグがART当選を示す値か否かを判定する(S1702)。ART当選でない、すなわち非ARTを示す値であれば(S1702でNO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。ART当選の場合(S1702でYES)、遊技制御用マイコン61はさらに、CZフラグが非CZを示す値か否かを判定する(S1703)。CZフラグが非CZではない、すなわちCZを実行している場合(S1703でNO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
CZフラグが非CZの場合(S1703でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態がRT2遊技状態か否かを判定する(S1704)。RT2遊技状態でない場合(S1704:NO)、ARTを開始する前のいわゆるART準備中の状態であることから、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
RT2遊技状態の場合(S1704:YES)、遊技制御用マイコン61は、ART中断情報がRAM64に記憶されているか否かを判定する(S1705)。ART中断情報がRAM64に記憶されている場合(S1705でYES)、ART中にボーナスに入賞し、そのボーナスゲームの終了後に再度ARTに突入したものであり、遊技制御用マイコン61は、ARTを中断したときの状態を示す情報であるART中断情報を読み出す(S1706)。
S1706の後、あるいはART中断情報がRAM64に記憶されていない場合(S1705でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTのセットパートの残り実行ゲーム数をカウントダウンするARTゲーム数カウンタに30をセットし、通常セットの連続セット数をカウントアップする連続セットカウンタに0をセットする(S1707)。なお、S1707では、ART中断情報を読み出した場合、上述した初期値の代わりに、その情報に含まれるARTゲーム数カウンタおよび連続セットカウンタをセットし、セットした後は、RAM64からART中断情報を消去する。
S1707の後、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグをART中を示す値に変更する(S1708)。さらに、ARTモードフラグをART通常モードを示す値にする(S1709)。さらに、ARTのセットパート中のステージおよびポイントを初期化する(S1710)。本形態では、ステージの初期値はステージAであり、ポイントの初期値は0である。そして、ARTの開始を演出制御用マイコン71に通知するためのART開始コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1711)、本処理を終える。なおART開始コマンドには、ARTに関する情報、すなわちゲーム数カウンタが含まれる。
[ART中管理処理]
図45に示すように、ART中管理処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、ARTゲーム数カウンタの値を1つ減算し(S1721)、ARTゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する(S1722)。ARTゲーム数カウンタの値が0でなければ(S1722でNO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終える。
ゲーム数カウンタの値が0であれば(S1722でYES)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグがART中を示す値か否かを判定する(S1723)。ARTフラグがART中を示す値でない、すなわち継続抽選パートを示す値の場合(S1723でNO)、ART継続挑戦処理を実行し(S1750)、本処理を終える。ART継続挑戦処理の詳細は後述する。
ARTフラグがART中を示す値の場合(S1723でYES)、遊技制御用マイコン61は、特別セットフラグがオンか否かを判定する(S1730)。特別セットフラグがオンでない、すなわち通常セットの場合(S1730でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグに継続抽選パートを示す値をセットする(S1731)。これにより、次のゲームから継続抽選パートに移行する。そのため、遊技制御用マイコン61は、ARTゲーム数カウンタに3をセットする(S1732)。そして、抽選フラグをオンにし(S1733)、本処理を終える。
一方、特別セットフラグがオンの場合(S1730でYES)、継続抽選パートに移行しないことから、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグを変更せず、ARTゲーム数カウンタに30をセットし、連続セットカウンタに0をセットする(S1741)。さらに、特別フラグをオフにする(S1742)。さらに、ARTモードフラグがラッキーモードを示す値か否かを判定し(S1745)、ARTモードフラグがラッキーモードを示す値であれば(S1745でYES)、ARTモードフラグをART通常モードを示す値にする(S1746)。S1746の後、あるいはARTモードフラグがラッキーモードを示す値でなければ(S1745でNO)、本処理を終える。
[ART継続挑戦管理処理]
図46に示すように、ART継続挑戦処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、継続フラグがオンか否か、すなわちARTの継続抽選に当選しているか否かを判定する(S1751)。
継続フラグがオンでない、すなわちARTの継続抽選に当選しなかった場合(S1751でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグを非ARTを示す値とする(S1752)。さらにARTモードフラグをART通常モードを示す値とする(S1753)。そして、ARTの終了を演出制御用マイコン71に通知するためのART終了コマンドを所定の記憶領域にセットして(S1754)、本処理を終える。
継続フラグがオンである、すなわちARTの継続抽選に当選している場合(S1751でYES)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグをART中を示す値とする(S1761)。さらにARTゲーム数カウンタに30をセットする(S1762)。さらに連続セットカウンタに1を加算する(S1763)。そして、連続セットカウンタの値が3か否か、すなわち3回連続してARTの継続抽選に当選したか否かを判定し(S1764)、連続セットカウンタの値が3の場合(S1764でYES)、特別セットフラグをオンにする(S1765)。S1765の後、あるいは連続セットカウンタの値が3でなければ(S1764でNO)、遊技制御用マイコン61は、ARTゲーム数カウンタに30をセットし、連続セットカウンタに0をセットし(S1766)、本処理を終える。
[ボーナス処理]
図47に示すように、ボーナス処理ではまず、遊技制御用マイコン61は、遊技状態がボーナス遊技状態か否か、すなわち遊技状態がBB遊技状態あるいはRB遊技状態か、否かを判定する(S1901)。ボーナス遊技状態でなければ(S1901でNO)、ボーナスが入賞したか否か、すなわちBBの入賞フラグもしくはRBの入賞フラグがオンか否かを判定する(S1902)。ボーナスが入賞していなければ(S1902でNO)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
ボーナスが入賞した場合(S1902でYES)、遊技制御用マイコン61は、ボーナス終了枚数カウンタに、入賞したボーナスの種類に応じた既定値をセットする(S1903)。本形態では、BBに入賞した場合は255、RBに入賞した場合は75、がセットされる。また、ボーナスの実行ゲーム数をカウントするゲーム数カウンタに0をセットする(S1904)。さらに遊技状態を、入賞したボーナスの種類に応じて変更する(S1905)。すなわち、BBに入賞した場合には遊技状態をBB遊技状態に変更し、RBに入賞した場合には遊技状態をRB遊技状態に変更する。さらに持越役フラグをOFFにする(S1906)。さらに遊技制御用マイコン61は、ボーナスゲームの開始を演出制御用マイコン71に通知するためのボーナス開始コマンドを所定の記憶領域にセットする(S1907)。ボーナス開始コマンドには、ボーナスの種類およびメインパートのゲーム数の情報が含まれる。
S1907の後、遊技制御用マイコン61は、ART中か否か、すなわちARTフラグがART中を示す値か否かを判定する(S1908)。ART中の場合(S1908でYES)、遊技制御用マイコン61は、現在実行中のARTの状態を記憶するために、現在のARTを終了するまでのゲーム数であるゲーム数カウンタを含むART中断情報を、RAM64に記憶する(S1909)。S1909の後、あるいはART中でなかった場合(S1908でNO)、遊技制御用マイコン61は、CZフラグを非CZを示す値に変更し、さらにARTフラグを非ARTを示す値に変更し(S1910)、本処理を終える。
一方、ボーナス遊技状態であれば(S1901でYES)、遊技制御用マイコン61は、ゲーム数カウンタの値を1つ加算する(S1911)。そして、ボーナス終了枚数が0よりも小さいか否かを判定する(S1912)。ボーナス終了枚数が0以上の場合(S1912でNO)、ボーナスゲームを継続するため、遊技制御用マイコン61は、S1913に進まず、本処理を終える。
ボーナス終了枚数が0よりも小さい場合(S1912でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態を初期状態に変更する(S1913)。そして、ART中断情報をRAM64に記憶しているか否かを判定する(S1914)。ART中断情報をRAM64に記憶している場合(S1914でYES)、遊技制御用マイコン61は、ARTフラグをART当選を示す値にする(S1915)。S1915の後、あるいはART中断情報をRAM64に記憶していない場合(S1914でNO)、遊技制御用マイコン61は、ボーナスゲームの終了を演出制御用マイコン71に通知するためのボーナス終了コマンドを所定の記憶領域にセットし(S1916)、本処理を終える。
8.演出制御用マイコンの動作
[サブ制御側メイン処理]
続いて、演出制御用マイコン71の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン71の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス等は、RAM74に設けられている。サブ制御基板70に備えられた演出制御用マイコン71は、スロットマシン1の電源がオンされると、ROM73から図48に示すサブ制御側メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
図48に示すように、サブ制御側メイン処理ではまず、演出制御用マイコン71は、電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、RAM74の記憶内容のエラーチェックや、RAM74の初期設定などを行う。次に、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4002)。なお、受信コマンド解析処理は、主制御基板60から受信した各種のコマンドに応じて、実行すべき演出の設定等を行う処理である。続いて演出制御用マイコン71は、演出ボタン処理を行う(S4003)。演出ボタン処理では、演出ボタン検出センサ46aからの信号を読み込んで、演出ボタン46の操作がなされたか否かを判定する。そして、演出ボタン検出センサ46aからの信号に基づいて、実行すべき演出の設定等を行う。
続いて演出制御用マイコン71は、音声制御処理を行う(S4005)。音声制御処理では、受信コマンド解析処理(S4002)や演出ボタン処理(S4003)での演出設定(受信コマンド解析処理や演出ボタン処理で設定される演出のデータ)に基づいて、その演出設定に対応する音をスピーカ41から出力させる。次に演出制御用マイコン71は、ランプ制御処理を行う(S4006)。ランプ制御処理では、受信コマンド解析処理(S4002)や演出ボタン処理(S4003)での演出設定に基づいて、その演出設定に対応する発光態様で演出用ランプ40やバックランプ58L、58C、58Rを点灯させたり消灯させたりする。
次いで演出制御用マイコン71は、画像制御処理を行う(S4007)。画像制御処理では、受信コマンド解析処理(S4002)や演出ボタン処理(S4003)での演出設定(受信コマンド解析処理や演出ボタン処理で設定される演出のデータ)に基づいて、その演出設定に対応する演出画像を画像表示装置42の表示画面42aに表示させるべく、画像制御基板80に画像制御に関するコマンドを出力する。このコマンドを受信した画像制御基板80のCPU82は、コマンドが示す演出画像を画像表示装置42に表示させる。S4005〜S4007の処理が実行されることにより、スピーカ41からの音、ランプ(演出用ランプ40やバックランプ58L、58C、58R)の発光、および、画像表示装置42による演出画像の表示などが組み合わされた遊技演出が実行される。以降、演出制御用マイコン71は、S4002〜S4007までの処理を繰り返し実行する。
なお、受信コマンド解析処理(S4002)、演出ボタン処理(S4003)、音声制御処理(S4005)、ランプ制御処理(S4006)、及び画像制御処理(S4007)のうちの全部又は一部を、サブ制御側メイン処理におけるループ処理として行うのではなく、サブ制御側メイン処理に対するタイマ割込処理として行うように構成してもよい。
[受信コマンド解析処理]
図49に示すように、受信コマンド解析処理ではまず、演出制御用マイコン71は、役決定結果コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。役決定結果コマンドを受信している場合には(S4401でYES)、演出制御用マイコン71は、役決定結果コマンド受信時処理(S4402)を行って、本処理を終える。役決定結果コマンド受信時処理の詳細については後述する。
役決定結果コマンドを受信していない場合(S4401でNO)、演出制御用マイコン71は、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4403)。リール回転開始コマンドを受信している場合(S4403でYES)、演出制御用マイコン71は、リール回転開始コマンド受信時処理を行って(S4404)、本処理を終える。リール回転開始コマンド受信時処理(S4404)では、例えば、リール6L、6C、6Rの回転開始に伴って実行される演出の演出データがセットされる。
リール回転開始コマンドを受信していない場合(S4403でNO)、演出制御用マイコン71は、リール停止コマンド(左リール停止コマンド、中リール停止コマンド、又は右リール停止コマンド)を受信したか否かを判定する(S4405)。リール停止コマンドを受信している場合には(S4405でYES)、リール停止コマンド受信時処理を行って(S4406)、本処理を終える。リール停止コマンド受信時処理の詳細については後述する。
リール停止コマンドを受信していない場合(S4405でNO)、演出制御用マイコン71は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。メダル投入コマンドを受信している場合には(S4407でYES)、演出制御用マイコン71は、メダル投入コマンド受信時処理を行って(S4408)、本処理を終える。メダル投入コマンド受信時処理では、例えば、賭数設定操作に伴って実行される演出の演出データがセットされる。
メダル投入コマンドを受信していない場合(S4407でNO)、演出制御用マイコン71は、CZ開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4409)。CZ開始コマンドを受信している場合には(S4409でYES)、CZ開始コマンド受信時処理を行って(S4410)、本処理を終える。CZ開始コマンド受信時処理では、CZ選択操作時の演出の演出データをセットする。
CZ開始コマンドを受信していない場合(S4409でNO)、演出制御用マイコン71は、ART開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4411)。ART開始コマンドを受信している場合(S4411でYES)、演出制御用マイコン71は、ART開始コマンド受信時処理を行って(S4412)、本処理を終える。ART開始コマンド受信時処理では、ART開始時の演出の演出データをセットする。また、ART開始コマンドには、ARTに関する情報、すなわちゲーム数カウンタが含まれており、演出制御用マイコン71でもそれらの値を記憶する。さらに、演出制御用マイコン71側でART中のゲーム数をカウントするARTゲーム数カウンタをゲーム数GNの値にリセットする。ARTゲーム数カウンタは、リール回転開始コマンド受信時処理(S4404)において、ART中であった場合に1ずつ減算される。
ART中は、画像表示装置42の表示画面42aに、ART演出の画像が表示される。ART演出では、例えば、図50(A)に示すように、ART移行後の最初のゲームにおいて、ARTの開始を示す画像が表示され、セットパートの通常セットの演出が開始される。通常セットでは、図50(B)に示すように、ポイントの獲得やステージの昇格が演出によって報知される。演出の詳細は後述する。
そして、通常セットの1セット分のゲームを消化した後、継続抽選パートに移行し、継続抽選パートの演出に切り替えられる。継続抽選パートの演出では、図50(C)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。その後、継続抽選に当選した場合には、図50(D)に示すように、主人公キャラクタが勝利する演出画像が表示される。そして、継続抽選の連続当選回数が2以下であれば、通常セットのセットパートに戻る。一方、継続抽選に当選しなかった場合には、図50(E)に示すように、主人公キャラクタが敗北する演出画像が表示される。その後、ARTを終了して遊技状態が通常状態に戻る。
また、継続抽選に当選し、継続抽選の連続当選回数が3(遊技者から見ると継続抽選に関する演出で主人公キャラクタが3連勝した状態)であれば、特別セットに移行する。特別セットの演出では、図50(F)に示すように、通常セットとは異なる背景画像が表示され、通常セットと同様に、ポイントの獲得が演出によって報知される。演出の詳細は後述する。
特別セットの1セット分のゲームを消化した後、特別セット中にART特別モード(ラッキーモードあるいは超ラッキーモード)に当選していた場合には、継続抽選パートに移行せず、高確セットでのセットパートに移行する。高確セットの演出では、図50(G)に示すように、通常セットや特別セットとは異なる背景画像が表示され、通常セットと同様に、ポイントの獲得が演出によって報知される。なお、ラッキーモードと超ラッキーモードとで背景画像を区別して表示してもよい。高確セットの演出の詳細は後述する。高確セットの1セット分のゲームを消化した後は、通常セットと同様に、継続抽選パートに移行し、継続抽選パートの演出に切り替えられる。そして、継続抽選に当選した場合には、高確セットのセットパートに戻る。一方、継続抽選に当選しなかった場合には、ARTを終了して遊技状態が通常状態に戻る。ART特別モードは、ラッキーモードであれば、継続抽選の連続当選回数が3になった場合にラッキーモードを終了し、超ラッキーモードであれば、継続抽選が不当選になった場合に超ラッキーモードを終了する。
一方、特別セットの1セット分のゲームを消化した後、特別セット中にART特別モードに当選していない場合には、通常セットでのセットパートに戻る。
ART開始コマンドを受信していない場合(S4411でNO)、演出制御用マイコン71は、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4415)。ボーナス開始コマンドを受信している場合(S4415でYES)、演出制御用マイコン71は、ボーナス開始コマンド受信時処理を行って(S4416)、本処理を終える。BB開始コマンド受信時処理(S4416)では、ボーナスゲームの開始時の演出を設定する処理を行う。また、ボーナス開始コマンドには、ボーナスの種類およびメインパートに相当するゲーム数の情報が含まれており、演出制御用マイコン71でもそれらの値を記憶する。さらに、演出制御用マイコン71側でボーナスゲーム中のゲーム数をカウントするボーナスゲーム数カウンタを0にリセットする。ボーナスゲーム数カウンタは、リール回転開始コマンド受信時処理(S4404)において、ボーナスゲーム中であった場合に1ずつ加算される。
ボーナス開始コマンドを受信していない場合(S4415でNO)、演出制御用マイコン71は、その他のコマンドの受信時処理を行って(S4417)、本処理を終える。その他のコマンドの受信時処理では、上記のコマンド以外のコマンド(CZ終了コマンド、ART終了コマンド、ボーナス終了コマンド、入賞判定コマンドなど)を受信しているか否かを判定し、受信していれば、その受信コマンドに応じた処理を行う。
[役決定結果コマンド受信時処理]
図51に示すように、役決定結果コマンド受信時処理ではまず、演出制御用マイコン71は、演出用乱数を取得する(S4501)。本形態では演出用乱数は、ハードウェア乱数であり、0〜65535の範囲で値をとる。なお演出用乱数を、ソフトウェア乱数(つまり演出制御用マイコン71による乱数更新処理により値が更新される乱数)としてもよい。この場合、乱数値の更新方法や更新タイミングは公知のものを適宜利用できる。また、演出用乱数の値の範囲は、0〜65535でなくてもよく、適宜変更可能である。
S4501の後、演出制御用マイコン71は、役決定結果コマンドに含まれる情報に基づいて、演出内容決定テーブルを選択する(S4502)。具体的に役決定結果コマンドには、内部当選役に関する情報の他、同時抽選処理(S511、図29参照)での各種の抽選結果(CZやARTへ移行するための抽選の結果、ARTの上乗せに関する抽選の結果、通常状態のモード抽選の結果等)が含まれる。そのため、例えばARTの突入抽選に当選したことを示す情報が含まれている場合には、ARTの当選を報知する演出を選択するテーブルが選択される。そして演出制御用マイコン71は、S4501で取得した演出用乱数を、S4502で選択した演出内容決定テーブルに基づいて判定する(S4503)。これにより、実行する演出を決定する。そして、S4503によって決定した演出を示す演出情報(演出毎に付けられた「演出No.」の情報)を、RAM74の所定の記憶領域(演出情報バッファ)に格納し(S4504)、さらに演出データをS4504で格納した演出情報に応じてセットする(S4505)。
なお本形態では、CZの突入抽選に当選した場合には、CZ当選報知演出を実行するように構成されている。CZ当選報知演出とは、CZへの当選を報知する演出である。具体的にはCZ当選報知演出は、図52に示すように、ミニキャラ(リンゴをモチーフにしたキャラクタ)が風船を捕まえる演出である。詳細には、まず開始操作時に、ミニキャラを登場させ(図52(A))、第1停止操作時に、風船を出現させ(図52(B))、第2停止操作時に、ミニキャラに風船を捕まえさせるとともに「CZゲット!」の文字画像を表示する(図52(C))。そして、遊技者にCZの種類を選択させる場合には、第3停止操作時に、遊技者にCZ選択操作を促す画像(詳細には、「CZゲット!選択してね!」の文字画像、CZ1のアイコンと左ストップボタン9Lの画像、CZ2のアイコンと中ストップボタン9Cの画像、及び、CZ3のアイコンと右ストップボタン9Rの画像)を表示し(図52(D))、CZ選択操作(ストップボタン9L、9C、9Rのいずれかの操作)がなされたときに、選択されたCZに対応するアイコンを強調する画像を表示する(図52(E))。
S4505に続いて演出制御用マイコン71は、回転中のリールの数を示す回転リール数カウンタの値を「3」にセットする(S4508)。そして、演出制御用マイコン71は、ART中か否かを判定し(S4509)、ART中でなければ(S4509でNO)、本処理を終える。一方、ART中であれば(S4509でYES)、演出制御用マイコン71は、役決定結果コマンドが示す内部当選役が押し順役であるか否かを判定する(S4510)。押し順役でなければ(S4510でNO)、演出制御用マイコン71は、本処理を終える。一方、押し順役であれば(S4510でYES)、演出制御用マイコン71は、当選した押し順役の正解押し順を報知する押し順報知演出の演出データをセットして(S4511)、本処理を終える。
S4511が実行された後、図48に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、押し順報知演出(アシスト演出)の演出画像が表示画面42aに表示される。押し順報知演出は、例えば小役5、7、9といったような重複当選時に実行される押し順報知演出であり、この場合には中リール6Cを最初に停止させることを報知する演出である。具体的に本形態では、小役4〜6と小役7〜9とが重複当選した場合は、小役4〜6に入賞させるために最初に停止させるリールを報知する。再遊技役2〜4と再遊技役5〜7とが重複当選した場合は、再遊技役5〜7に入賞させるために最初に停止させるリールを報知する。再遊技役2〜4と再遊技役8〜10とが重複当選した場合は、再遊技役2〜4に入賞させるために最初に停止させるリールを報知する。
本形態の押し順報知演出では、図53(A)に示すように、本形態の押し順報知演出では、最初に停止すべきリールに対応する表示画面42a上の領域に数字の「1」をデザインした演出画像を表示し、最初に停止すべきリール以外のリールに対応する表示画面42a上の領域に菱形をデザインした演出画像を表示する。そして、正解押し順の通りにストップボタン9L、9C、9Rが操作された場合には、操作されたストップボタンに対応する表示画面42a上の領域の演出画像を非表示としていく(図53(A)〜(D)参照)。これに対して、正解押し順の通りにストップボタン9L、9C、9Rが操作されなかった場合には、全てのリール6L、6C、6Rが停止されるまで、「MISS!」の文字画像を表示画面42aに表示する(図53(E)参照)。なお、押し順報知演出は、演出画像の表示とともに、又は演出画像の表示に代えて、正解押し順を音声により報知するものでもよい。この場合には、S4511が実行された後、図48に示す音声制御処理(S4005)が実行されることにより、「左」、「中」、又は「右」といった音声がスピーカ41から出力されることとなる。
[リール停止コマンド受信時処理]
図54に示すように、リール停止コマンド受信時処理ではまず、演出制御用マイコン71は、回転リール数カウンタの値が「3」であるか否かを判定する(S4701)。回転リール数カウンタの値が「3」であれば、第1停止操作がなされたタイミングであるため、S4504で格納した演出情報に対応する第1停止操作用演出の演出データ(第1停止操作用演出データ)をセットして(S4702)、S4706に進む。
第1停止操作用演出とは、第1停止操作から第2停止操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。S4504においてCZ当選報知演出の演出情報がセットされてS4702が実行された場合には、図48に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、表示画面42aに図52(B)に示す演出画像(風船が出現する画像)が表示されることとなる。
S4702の後、演出制御用マイコン71は、回転リール数カウンタの値を1減算する(S4706)。そして、演出制御用マイコン71は、押し順報知演出の実行中であるか否かを判定する(S4707)。押し順報知演出の実行中であれば(S4707でYES)、演出制御用マイコン71は、今回の停止操作が第1停止操作〜第3停止操作のいずれであるかに応じて、押し順報知演出の演出データを更新して(S4708)、本処理を終える。一方、押し順報知演出の実行中でなければ(S4707でNO)、演出制御用マイコン71は、S4708の処理を行うことなく、本処理を終える。
S4708において今回の停止操作が第1停止操作であれば、演出制御用マイコン71は、その停止操作が正解押し順の通りであるのか否かに応じて、押し順報知演出の演出データを更新する。具体的には、正解押し順の通りであれば例えば、図53(B)に示す正解時の演出画像を表示するための演出データをセットする。一方、正解押し順の通りでなければ、図53(E)に示す誤り時の演出画像を表示するための演出データをセットする。これにより表示画面42aは、図53(B)又は(E)のいずれかの画面に制御されることになる。
またS4708において今回の停止操作が第2停止操作であり、第1停止操作が正解押し順の通りであった場合には例えば、図53(C)に示す演出画像を表示するための演出データをセットする。これにより表示画面42aは、図53(C)の画面に制御されることになる。一方、第1停止操作が正解押し順の通りでなかった場合には、第2停止操作がなされたタイミングでの押し順報知演出の演出データの更新は行わない。つまりこの場合には、図53(E)に示す演出画像が表示され続けることになる。
またS4708において今回の停止操作が第3停止操作であり、第1停止操作が正解押し順の通りであった場合には例えば、図53(D)に示す演出画像を表示するための演出データをセットする。これにより表示画面42aは、図53(D)の画面に制御されることになる。一方、第1停止操作が正解押し順の通りでなかった場合には、第3停止操作がなされたタイミングでの押し順報知演出の演出データの更新は行わない。つまりこの場合には、図53(E)に示す演出画像が表示され続けることになる。
このように本形態では、押し順ナビが作動している間は、単にストップ報知ランプ30L、30C、30Rの点灯により遊技者に押し順を示すのみならず、画像表示装置42での押し順報知演出によっても遊技者に押し順を示している。よって、遊技者に押し順ベルの正解押し順をわかりやすく示すことが可能となっている。ART中の場合に、押し順役のみならず、他の役(チェリー、スイカ、リプレイ、ボーナスなど)の全部又は一部の当選も遊技者に報知する構成としてもよい。この場合、他の役の当選の報知は、主制御基板60側又はサブ制御基板70側のいずれか一方で行ってもよいし、両方で行ってもよい。
回転リール数カウンタの値が「3」でなければ(S4701でNO)、演出制御用マイコン71は、回転リール数カウンタの値が「2」であるか否かを判定する(S4703)。回転リール数カウンタの値が「2」であれば(S4703でYES)、第2停止操作がなされたタイミングであるため、S4504で格納した演出情報に対応する第2停止操作用演出の演出データ(第2停止操作用演出データ)をセットして(S4704)、S4706に進む。第2停止操作用演出とは、第2停止操作から第3停止操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。S4504においてCZ当選報知演出の演出情報がセットされてS4704が実行された場合には、図48に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、表示画面42aに図52(C)に示す演出画像(ミニキャラが風船を捕まえる画像と「CZゲット!」の文字画像)が表示されることとなる。
また、回転リール数カウンタの値が「2」でなければ(S4703でNO)、回転リール数カウンタの値は「1」であり、第3停止操作がなされたタイミングであるため、演出制御用マイコン71は、S4504で格納した演出情報に対応する第3停止操作用演出の演出データ(第3停止操作用演出データ)をセットして(S4705)、S4706に進む。第3停止操作用演出とは、第3停止操作から次のゲームを開始するためのスタートレバー8の操作がなされるまでの間に実行される演出のことである。S4504においてCZ当選報知演出の演出情報がセットされてS4705が実行された場合には、図48に示す画像制御処理(S4007)が実行されることにより、表示画面42aに図52(D)に示す演出画像(遊技者にCZの種類の選択を促す画像)が表示されることとなる。
9.ARTの演出
続いて、ARTの演出の詳細について説明する。始めに、セットパートの通常セットでの演出について説明する。通常セットでは、ステージA、B、C、Dの4つのステージがあり、ステージごとに異なる背景画像を表示することで、遊技者に現在のステージを示唆する。
具体的には、ARTが開始されると、最初のゲームにおいて、図55(A)に示すように、ARTを開始したことを示す演出画像が、画像表示装置42の表示画面42aに表示される。その後、図55(B)に示すような、セットパートの通常セットの演出画像に切り替えられる。通常セットの演出画像には、ステージの名称421が背景画像420とともに表示される。ステージの名称421および背景画像420は、ステージの種類ごとに設けられており、例えばステージAでは、「砂漠ステージ」の名称と砂漠の背景画像とが関連付けられている。通常セットのステージの初期ステージはステージAであることから、ARTの開始直後は、図55(B)に示すような砂漠が描かれた背景画像420が表示される。
さらには表示画面42aの左下には、継続抽選での当選確率を示唆する確率示唆画像422と、獲得ポイントを示すポイント画像423と、が表示される。本形態の確率示唆画像422は、継続抽選での当選確率に応じた色に変化する球体オブジェクトの画像である。ポイント画像423は、獲得ポイントに応じて、確率示唆画像422よりも直径が小さい球体オブジェクトの数が追加される画像である。ポイント画像423の色は、継続抽選での当選確率に対応していない。なお、図55(B)には、ポイント画像423が表示されているが、ARTの開始直後は0ポイントであり、ARTの開始直後であれば、ポイント画像423は表示されていない。
通常セットでのセットパートでは、ゲームごとにステージの昇格抽選が行われる。例えばステージAの状態において1ステージアップに当選するとステージBに昇格し、図55(C)に示すように、ステージAとは異なる背景画像であって、ステージBに対応する背景画像420に切り替えられる。さらには名称421もステージBに対応する名称に切り替えられる。これにより、遊技者に対してステージの昇格が示唆される。同様に、ステージCに昇格した場合には、図55(D)に示すように、ステージCに対応する背景画像420および名称421に切り替えられる。また、ステージDに昇格した場合には、図55(E)に示すように、ステージDに対応する背景画像420および名称421に切り替えられる。
また、セットパートでは、ゲームごとにポイントの獲得抽選が行われており、現在の獲得ポイントがポイント画像423の数によって示唆される。具体的には、ARTが開始されると、最初のゲームにおいて、図56(A)に示すように、ARTが開始したことを示す演出画像が、画像表示装置42の表示画面42aに表示される。その後、図56(B)に示すような、通常セットの演出画像に切り替えられる。最初のゲームでは、ポイントを獲得していないため、ポイント画像423は表示されない。また、確率示唆画像422も初期値を示している。
その後、例えば0ポイントの状態においてポイントの獲得抽選にて1ポイント加算に当選すると、ポイントが0から1になり、図56(C)に示すように、ポイント画像423が1つ表示される。これにより、現在のポイントが1であることが遊技者に示唆される。その後、ポイントを獲得する度に、獲得ポイント数に応じてポイント画像423が追加表示される。
また、本形態では、図19に示したように、10ポイントごとに継続抽選での当選確率がアップする。そこで、ポイントが10ポイントに到達すると、確率示唆画像422の色を、図19に示したポイントごとのエフェクト画像の色に合わせて変化させる。例えば、ポイントが10ポイントに到達すると、図56(D)に示すように、確率示唆画像422の色を白から青に変化させる。これにより、遊技者に対して継続抽選での当選確率(継続抽選パートでの演出で主人公キャラクタが勝利する確率)の上昇が示唆される。なお、ポイント画像423は、10ポイントごとにクリアされる。すなわち、ポイント画像423は、継続抽選での当選確率が上昇するまでのメータを表現し、メータが満タンになった場合(ポイント画像423が10個貯まった場合)に確率示唆画像422が変化することになる。なお、獲得ポイントの合計値を表示してもよい。
また、通常セットのセットパートでは、ゲームごとにステージの昇格抽選とポイントの獲得抽選との2つの抽選が行われる。そのため、1つのゲームで2つの抽選に当選することもある。その場合、図56(E)に示すように、ポイント画像423の追加と背景画像の切り替えとを1つのゲーム内で行う。これにより、遊技者に対して、有利な事象が複数生じたことを示唆することができ、遊技者により大きな満足感を付与することができる。ポイント画像423の追加と背景画像の切り替えとは、同時に行ってもよいし、1つのゲーム内で別々に行ってもよい。
次に、継続抽選パートでの演出について説明する。継続抽選パートが開始されると、最初のゲームにおいて、図57(A)に示すように、継続抽選パートを開始したことを示す演出画像が、画像表示装置42の表示画面42aに表示される。具体的には、主人公キャラクタと敵キャラクタとが表示され、さらにセットパートで獲得したポイント数に応じた継続抽選の当選期待度が表示される。当選期待度は、図57(A)に示したように、星の数で表現してもよいし、図19に示したポイントごとのエフェクト画像の色で表現してもよい。また、セットパートの演出に用いた確率示唆画像422をそのまま用いてもよい。
その後、図57(B)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタとが争う演出画像が表示され、継続抽選に当選している場合には、図57(C1)に示すように、主人公キャラクタが勝利する演出画像が表示される。一方、継続抽選に当選していない場合には、図57(C2)に示すように、主人公キャラクタが敗北する演出画像が表示される。これにより、遊技者に対して継続抽選での結果が示唆される。
次に、セットパートの特別セットでの演出について説明する。特別セットでは、通常セットと異なり、ステージは1つであり、ステージの昇格抽選は行われない。一方で、ポイントはARTモード抽選の契機となるため、ゲームごとにポイントの獲得抽選が行われる。
具体的には、特別セットが開始されると、最初のゲームにおいて、図58(A)に示すように、特別セットを開始したことを示す演出画像が、画像表示装置42の表示画面42aに表示される。その後、図58(B)に示すような、特別セットの演出画像に切り替えられる。特別セットの演出画像にも、通常セットと同様に、ステージの名称421が背景画像420とともに表示される。
前述したように特別セットでもポイントの獲得抽選は行われることから、ポイントを獲得すると、通常セットと同様に、図58(C)に示すような、獲得ポイントを示すポイント画像423が表示される。そして、通常セットと同様に、ポイントを獲得する度に、獲得ポイント数に応じてポイント画像423が追加表示される。
また、本形態では、獲得ポイントの合計が20ポイントに到達するとARTモード抽選が行われ、ラッキーモードか超ラッキーモードに当選する。そこで、ポイントが20ポイントに到達すると、図58(D)に示すように、ARTモード抽選の結果を表示する。なお、ARTモード抽選の結果は、20ポイントに到達したゲームではなく、特別セットの最終ゲームとしてもよい。また、獲得ポイントを示唆するポイント画像423は表示しなくてもよい。
次に、セットパートの高確セットでの演出、すなわちART特別モードでの演出について説明する。高確セットでは、初期ステージがステージDであり、始めから最高ステージになっている。そのため、通常セットと異なり、ステージの昇格抽選は行われない。一方で、ポイントは継続抽選の当選確率の決定に用いられるため、ゲームごとにポイントの獲得抽選が行われる。
具体的には、高確セットが開始されると、最初のゲームにおいて、図59(A)に示すように、高確セットを開始したことを示す演出画像が、画像表示装置42の表示画面42aに表示される。本形態では、ARTのモードがラッキーモードか超ラッキーモードかによって演出画像が異なる。その後、図59(B)に示すような、高確セットの演出画像に切り替えられる。高確セットの演出画像は、ステージの名称に代わってモードの名称424が、高確セット専用の背景画像420とともに表示される。なお、背景画像420は、ラッキーモードか超ラッキーモードかによって異なる画像を表示してもよいし、同じ画像を表示してもよい。
前述したように高確セットでもポイントの獲得抽選は行われることから、ポイントを獲得すると、通常セットと同様に、図59(C)に示すような、獲得ポイントを示すポイント画像423が表示される。そして、通常セットと同様に、ポイントを獲得する度に、獲得ポイント数に応じてポイント画像423が追加表示される。
そして、通常セットと同様に、10ポイントごとに継続抽選での当選確率がアップすることから、ポイントが10ポイントに到達すると、図56(D)に示すように、確率示唆画像422の色を、図19に示したポイントごとのエフェクト画像の色に合わせて変化させる。これにより、通常セットと同様に、遊技者に対して継続抽選での当選確率の上昇が示唆される。
10.本形態の効果
実施の形態のスロットマシン1によれば、ARTにおいて、遊技者に有利なART特別モード(ラッキーモードあるいは超ラッキーモード)で制御するか否かの判断に用いる抽選(特別セット中のポイント獲得抽選およびARTモード抽選)を特別セットに限定して実行することで、各セットで同じ条件でそれらの抽選を行う場合と比較して、ART特別モードへの当選確率を高くすることができ、特別セットでのART特別モードへの移行期待度を高められる。例えば、本形態では、4セットごとに実施される特別セットでのみARTモード抽選が行われるが、毎セットでARTモード抽選を行うとすると、その当選確率を本形態の1/4程度に抑えなくてはならない。すなわち、当選確率が低いセットが繰り返されることになる。本形態のように、ARTモード抽選を行うセットを特別セットに限定することで、特別セットと特別セット以外のセット(通常セットや高確セット)とで遊技のメリハリが付き、遊技者の遊技に対する興趣性の低下を抑えられる。
11.変形例
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本実施の形態に記載された数値(抽選回数、各種テーブルの値、当選確率等)は例示であって、適宜選択すればよい。また、リールの数も例示であって、2個でもよいし、4個以上であってもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1では、遊技役として、BB、RB、チェリー小役、スイカ小役、押し順ベル小役、共通ベル小役、押し順リプレイ、共通リプレイ等を有しているが、これらは例示であって、これら全てを備える必要はない。また、これら以外の遊技役を備えていてもよい。また、実施の形態のスロットマシン1では、BB遊技状態中、共通ベルおよび共通リプレイ以外に当選しない構成になっているが、他の役に当選する構成であってもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1では、3種類のCZ1、CZ2、CZ3を設けているが、CZの種類は3種類に限るものではない。すなわち、2種類以下であってもよいし、4種類以上であってもよい。また、実施の形態のスロットマシン1では、CZの種類に応じてARTの当選確率やART当選後のセット数やゲーム数が異なっているが、同じであってもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態にリプレイの当選確率が高まる遊技状態(RT1遊技状態ないしRT2遊技状態)を設けているが、そのような遊技状態を設けずに、ボーナスゲーム時の遊技状態と通常時の遊技状態(実施の形態では例えば、初期状態とBB遊技状態)との遊技状態を設けた構成であってもよい。つまり、ARTを設けず、通常の遊技状態とボーナスゲーム時の遊技状態との2つの遊技状態を設けた構成であってもよい。この場合、例えばボーナスゲームの追加パートにおいて、ボーナスゲームの上乗せ抽選を行ってもよいし、出玉に関する抽選の他、プレミア演出等、遊技者が遊技をより楽しむための演出の抽選であってもよい。すなわち、スロットマシン1は、ボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であってもよく、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であってもよく、これらを組み合わせた構成であってもよい。
また、実施の形態では、ARTに移行する際、CZを経由する場合と、ボーナスゲームを経由する場合と、の2つの条件を設けているが、別の条件を設けてもよい。例えば、毎ゲームの抽選において、ARTに当選する役を設けてもよい(つまり、ARTの直当たりを設けてもよい)。また、所定の小役(例えば共通ベルや共通リプレイ)が所定回数連続する度にARTへの移行抽選を行ってARTに移行させてもよい。
また、実施の形態では、CZであっても、遊技状態は通常状態と変わらないが、CZ用の遊技状態を設け、CZに移行した際にはその遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、CZ用の遊技状態では再遊技役の当選確率を高くする等、メダルの減少を抑えるようにしてもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1では、特別セットにおいて継続抽選パートを経由することなく次のセットに移行しているが、継続抽選パートを設け、継続抽選によって次のセットに移行するかARTを終了するかに分岐してもよい。この場合、特別セット後の継続抽選は、特別セット以外のセット後の継続抽選と比較して、当選確率を高くする(例えば当選確率を99%とする)ことで、特別セットに対する特別感を付与できる。
また、実施の形態のスロットマシン1では、特別セットにおいてポイント獲得抽選を行い、ポイントが所定値(実施の形態では20ポイント)に達したことを条件としてARTのモードがART特別モードになっているが、ART特別モードで制御するか否かの判断に用いる抽選は、特別セット中のポイント獲得抽選に限るものではない。例えば、ART特別モードに昇格する昇格抽選を、特別セットのゲームごとに行ってもよいし、特別セットの特定のゲーム(例えば最初のゲームや最後のゲーム)に行ってもよい。この場合、ART特別モードで制御する条件は、昇格抽選での当選になる。
また、実施の形態のスロットマシン1では、3回連続して継続抽選に当選すると、次のセットでは特別セットになる、すなわち定期的に特別セットになるが、回数は3回に限らず、2回であっても4回以上であってもよい。また、回数は、固定値に限らず、例えば抽選によって決まる可変値であってもよい。また、特別セットに移行する条件は、継続抽選の所定回数の連続当選に限らず、例えば継続抽選に当選する度にセットの種類抽選を行い、その抽選結果に基づいて特別セットにするか否かを決定してもよい。つまり、特別セットになるか否かをランダムに決定してもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1では、1セット分のゲーム(セットパートのゲーム)の終了後、継続抽選パートを設け、ARTの継続抽選をその継続抽選パートで行っているが、例えば継続抽選パートを設けず、1セット分のゲームの中の所定のゲーム(例えば最終ゲーム)でARTの継続抽選を行ってもよい。さらに特別セット中であっても継続抽選を行う場合であれば、この特別セット中の継続抽選は、特別セット以外のセット後の継続抽選と比較して、当選確率を高くすることで、特別セットに対する特別感を付与できる。
また、実施の形態のスロットマシン1では、1セット分のゲームの開始時、ポイントの初期値およびステージの初期状態を、それぞれ0とステージAとの固定であるが、これらを抽選によって決定してもよい。すなわち、ポイントの初期値およびステージの初期状態が可変であってもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1では、特別セット中、1つのステージしか設けられていないが、複数のステージを設けてもよい。さらに通常セットと同様に、ステージごとにポイントの獲得抽選の当選確率および当選ポイント数が異なるようにしてもよい。
また、実施の形態のスロットマシン1では、特別セット中、ARTモード抽選において必ずラッキーモードあるいは超ラッキーモードに当選するが、非当選あるいはART通常モードの当選を設けてもよい。この場合、獲得ポイントが所定のポイントに達した場合であっても、次のセットパートがART通常モードのままの場合も生じる。この場合、ARTモード抽選を実行する条件となる獲得ポイント数を、必ずART特別モードに当選する場合と比較して、少なく設定する。
また、実施の形態のスロットマシン1では、特別セット中、獲得ポイントが20ポイントに達した時点のゲームでのみARTモード抽選が行われるが、獲得ポイントが20ポイントに達した以降、ラッキーモードあるいは超ラッキーモードへの変更が生じるまで各ゲームでARTモード抽選を行ってもよい。この場合、ラッキーモードあるいは超ラッキーモードの当選確率を、特別セット中に1回のみARTモード抽選を行う場合と比較して、低く設定する。
また、実施の形態のスロットマシン1では、特別セット中、特別セット以外のセットと同様にゲームごとにポイントの獲得抽選を行っているが、ポイント抽選を行わず、例えば特別セット中のいずれかのゲームにおいてARTモード抽選を行うようにしてもよい。この場合、ラッキーモードあるいは超ラッキーモードの当選確率を、実施の形態のような所定のポイントを獲得した場合をARTモード抽選の実行条件とする場合と比較して、低く設定する。また、レア小役等、特別な小役に当選した場合にARTモード抽選を行うようにしてもよい。この場合も、ラッキーモードあるいは超ラッキーモードの当選確率を、実施の形態のような所定のポイントを獲得した場合をARTモード抽選の実行条件とする場合と比較して、低く設定する。
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
また、実施の形態に開示されている処理は、主として主制御基板60の遊技制御用マイコン61のCPU62、サブ制御基板70の演出制御用マイコン71のCPU72、および画像制御基板80のCPU82によって実行されるが、例えば、単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、画像制御基板80の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、あるいは画像制御基板80に加え、他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理のうち、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、あるいは画像制御基板80の処理の一部を、他のマイコンが実行してもよい。つまり、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン71、画像制御基板80、これらを包含した1つのマイコン、他のハードウェアと組み合わせ、これらすべて各種の処理を実行する手段の一例である。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
また、実施の形態のスロットマシン1の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納する、コンピュータによる読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下に示す第1から第2の構成の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
先ず、第1の構成にかかる遊技機(スロットマシン1)は、
遊技状態として、第1の状態(通常状態)と、前記第1の状態よりも遊技者に有利な第2の状態(ART)と、があり、
前記第2の状態では、所定のゲーム数を1セット(セットパート)とし、さらに前記第2の状態として、第1のモード(ART通常モード)と、前記第1のモードよりも遊技者に有利な第2のモード(ART特別モード(ラッキーモード/超ラッキーモード))と、が有り、
前記第2の状態において、
前記1セットでの各ゲームあるいは前記1セット分のゲームの終了後、前記第2の状態を継続するか否かの継続抽選を行う継続抽選処理(S5853)と、
前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選した場合、遊技状態を前記第2の状態に維持したまま次のセットのゲームを行い、前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選しなかった場合、前記1セット分のゲームの終了後の所定のゲーム(継続抽選パートの次のゲーム)から遊技状態を前記第1の状態とする遊技状態制御処理(S5862、S5863、S1720)と、
前記第2の状態における前記第1のモードであって、所定の条件(継続抽選に3回連続当選)を満たす特定のセット(特別セット)中、所定の抽選条件(獲得ポイントが20ポイントに到達)を満たした場合に、前記第2のモードで制御するための特別抽選(ARTモード抽選)を行う抽選処理(S5721)と、
前記特別抽選にて前記第2のモードでの制御(ラッキーモードもしくは超ラッキーモード)に当選した場合に、前記特定のセットの次のセットのゲームを前記第2のモードで行うモード切替処理(S5723、S5724)と、
を実行する遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン61)を備える、
ことを特徴としている。
ボーナスゲーム等の特別な遊技期間中にさらに遊技者に有利な特典を付与するための特別抽選を行うパチスロ遊技機では、特別な遊技期間の開始から終了までゲームごとに一定の確率での特別抽選を繰り返している。この特別抽選は、付与される特典の出玉期待度がかなり高くなってしまうため極めて低い当選確率になっている。そのため、遊技者にとっては、当選期待度が低いゲームを数多く繰り返すことになり、遊技が単調になり易く興趣性が低下し易い。
そこで、第1の構成にかかる遊技機によれば、第2の状態において、遊技者に有利な第2のモードに移行するための特別抽選を特定のセットに限定して実行することで、各セットで同じ条件で特別抽選を行う場合と比較して、第2モードへの当選確率を高くすることができ、特定のセットでの第2のモードへの移行期待度を高められる。そのため、特定のセットと特定のセット以外のセットとで遊技のメリハリが付き、遊技者の遊技に対する興趣性の低下を抑えられる。
また、第1の構成にかかる遊技機において、前記特定のセット以外のセットが連続して所定回数行われたことを、前記所定の条件とするとよい。特定のセット以外のセットが連続して所定数行われる度に特定のセットになることで、特定のセットに移行しないセットが長く連続することを回避でき、定期的に第2のモードの当選期待度を高められる。
また、第1の構成にかかる遊技機において、前記第2の状態では、前記1セット分のゲームの終了後、次のセットのゲームを開始する前に、特別ゲーム(継続抽選パートのゲーム)が有り、前記遊技状態制御手段は、前記継続抽選処理では、前記特別ゲームにおいて前記継続抽選を行うとよい。1セット分のゲームを終えた後に継続抽選を行うことで、1セット分のゲームにおいて遊技者の遊技に対するモチベーションを維持し易い。
また、第1の構成にかかる遊技機において、前記遊技状態制御手段は、前記継続抽選処理では、前記特定のセットの場合、前記継続抽選を行わず、前記特定のセットの終了後、遊技状態を前記第2の状態に維持したまま前記特定のセットの次のセットのゲームを開始するとよい。特定のセットでは第2の状態の継続が確定していることで、特定のセットにより特別感を付与でき、特定のセットと特定のセット以外のセットとで遊技のメリハリがより付き易い。
また、第1の構成にかかる遊技機において、前記遊技状態制御手段は、前記継続抽選処理では、前記第2のモードの場合、前記継続抽選での前記第2の状態を継続する当選確率を、前記第1のモードと比較して、高くするとよい。特定のセットでは第2の状態が高確率で継続することで、特定のセットにより特別感を付与でき、特定のセットと特定のセット以外のセットとで遊技のメリハリがより付き易い。
また、第1の構成にかかる遊技機において、前記第2のモードには、第1のタイプ(ラッキーモード)と、前記第1のタイプよりも遊技者に有利な第2のタイプ(超ラッキーモード)と、があり、前記遊技状態制御手段は、前記特別抽選にて前記第2のモードでの制御に当選した場合、前記第2のモードを前記第1のタイプとするか前記第2のタイプとするかの種別も決定し、前記第2のモードに切り替えた後、前記第1のタイプであれば次の前記特定のセットを開始するまで前記第2のモードでの制御を継続し、前記第2のタイプであれば遊技状態を前記第1の状態に移行させる移行条件(継続抽選パートで継続抽選に不当選)を満たすまで前記第2のモードでの制御を継続するとよい。第2のモードにも2つのタイプがあることで、第2のモードの興趣がより向上する。
また、第1の構成にかかる遊技機において、前記遊技状態制御手段は、前記特定のセット中、ゲームごとにポイントの獲得抽選を行い、前記獲得抽選にて獲得したポイントの合計が所定値に達したことを、前記抽選条件とするとよい。特別抽選の実行がポイントによって決まるため、所定のゲームに特別抽選を行う等、特別抽選の実行機会が決められている場合と比較して、興趣がより向上する。
また、第2の構成にかかる遊技機(スロットマシン1)は、
遊技状態として、第1の状態(通常状態)と、前記第1の状態よりも遊技者に有利な第2の状態(ART)と、があり、
前記第2の状態では、所定のゲーム数を1セット(セットパート)とし、
前記1セットには、第1種セット(通常セット、高確セット)と、前記第1種セットよりも遊技者に有利なセットであって、前記第2の状態において所定の条件(特別セット以外のセットを3回連続して実行、継続抽選に3回連続当選)を満たすとなる第2種セット(特別セット)と、があり、
前記第2種セットを、前記第1種セットと比較して、前記第2の状態を継続する確率を高くする遊技制御手段(遊技制御用マイコン61)を備える、
ことを特徴としている。
ボーナスゲーム等の特別な遊技期間中に特別抽選を行うパチスロ遊技機では、特別な遊技期間の開始当初に決められたゲーム数の中で、特別な遊技期間の延長や継続に関する特別抽選に当選し、特別な遊技期間でのゲーム数を増やすことで、遊技者にとってより多くの出玉が期待できるようになる。このゲームごとの特別抽選は、付与される特典の出玉期待度が高いほど低い当選確率になっている。そのため、遊技者にとっては、当選期待度が低いゲームを数多く繰り返すことになり、遊技に対してストレスを感じ易い。
そこで、第2の構成にかかる遊技機によれば、第2の状態において、遊技者に有利な第2の状態を継続する確率を高くする第2種セットを設けることで、第2種セットであれば、遊技者にとって第2の状態の継続期待度が高いゲームを行うことになる。そのため、第1種セットと第2種セットとで遊技のメリハリが付き、遊技者が遊技に対するストレスを感じ難くなる。
また、第2の構成にかかる遊技機において、前記遊技制御手段は、前記第2の状態において、前記第1種セットの場合に、前記第1種セットでの各ゲームあるいは前記第1種セットの終了後、前記第2の状態を継続するか否かの継続抽選を行う継続抽選処理(S5853)と、前記第2種セットの場合、または前記第1種セットであって前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選した場合、遊技状態を前記第2の状態に維持したまま次のセットのゲームを開始し、前記第1種セットであって前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選しなかった場合、前記第1種セットの終了後の所定のゲーム(継続抽選パートの次のゲーム)から遊技状態を前記第1の状態とする遊技状態制御処理(S5862、S5863、S1720)と、を実行するとよい。第2種セットでは、継続抽選を行わずに第2の状態が継続するため、遊技者はよりストレスを受けることなくゲームを行うことができる。
また、第2の構成にかかる遊技機において、前記第2の状態では、前記第1種セットの終了後、次のセットのゲームを開始する前に、特別ゲーム(継続抽選パート)が有り、前記遊技状態制御手段は、前記継続抽選処理では、前記特別ゲームにおいて、前記継続抽選を行うとよい。1セット分のゲームを終えた後に継続抽選を行うことで、1セット分のゲームにおいて遊技者の遊技に対するモチベーションを維持し易い。
また、第2の構成にかかる遊技機において、前記遊技制御手段は、前記第2の状態において、前記1セットでの各ゲームあるいは前記1セット分のゲームの終了後、前記第2の状態を継続するか否かの継続抽選を行う継続抽選処理(S5853)であって、前記第2種セットは、前記第2の状態を継続する確率が、前記第1種セットと比較して高い、前記継続抽選処理と、前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選した場合、遊技状態を前記第2の状態に維持したまま次のセットのゲームを開始し、前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選しなかった場合、前記1セット分のゲームの終了後の所定のゲームから遊技状態を前記第1の状態とする遊技状態制御処理(S5862、S5863、S1720)と、を実行するとよい。第2種セットでは、当選確率が高い継続抽選を行うため、遊技者はよりストレスを受け難い。
また、第2の構成にかかる遊技機において、前記第2の状態では、前記1セット分のゲームの終了後、次のセットのゲームを開始する前に、特別ゲーム(継続抽選パート)が有り、前記遊技状態制御手段は、前記継続抽選処理では、前記特別ゲームにおいて、前記継続抽選を行うとよい。1セット分のゲームを終えた後に継続抽選を行うことで、1セット分のゲームにおいて遊技者の遊技に対するモチベーションを維持し易い。
また、第2の構成にかかる遊技機において、前記第1種セットが連続して所定回数行われたことを、前記所定の条件とするとよい。第2種セットと比較して遊技者に不利な第1種セットが連続して所定数行われる度に第2種セットになることで、第2種セットに移行しないセットが長く連続することを回避でき、定期的に第2のモードの当選期待度を高められる。
また、第2の構成にかかる遊技機において、演出手段(画像表示装置42)を備え、前記演出手段は、前記第2種セットでは、前記第1種セットでの演出とは異なる演出を行うとよい。第2種セットでは第2の状態の継続確率が高いことに加え、第1種セットとは異なる演出を行うことで、第2種セットにより特別感を付与でき、第1種セットと第2種セットとで遊技のメリハリがより付き易い。
また、第3の構成にかかる遊技機(スロットマシン1)は、
遊技状態として、第1の状態(通常状態)と、前記第1の状態よりも遊技者に有利な第2の状態(ART)と、があり、
前記第2の状態では、所定のゲーム数を1セットとし、前記1セット分のゲームの演出には、複数のステージ(ステージA〜D)が設けられ、さらに前記1セット分のゲームの終了後には、特別ゲーム(継続抽選パート)が有り、
前記第2の状態において、
前記1セット分のゲーム中、ゲームごとにポイントの獲得抽選を行う獲得抽選処理(S5816)であって、前記ステージごとに前記獲得抽選でのポイントの獲得率が設定される、前記獲得抽選処理と、
前記1セット分のゲーム中、ゲームごとにステージの昇格抽選を行う昇格抽選処理(S5811)であって、前記昇格抽選に当選することで、ステージを、前記獲得抽選でのポイントの獲得率が高いステージに昇格させる、前記昇格抽選処理と、
前記第2の状態を継続するか否かの継続抽選を前記特別ゲームで行う継続抽選処理(S5853)であって、前記1セット分のゲームの開始から終了までに前記抽選処理にて獲得したポイントの合計が大きいほど前記継続抽選での当選確率が高い、前記継続抽選処理と、
前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選した場合、遊技状態を前記第2の状態に維持したまま次のセットのゲームを行い、前記継続抽選にて前記第2の状態の継続に当選しなかった場合、前記特別ゲームの終了後から遊技状態を前記第1の状態とする遊技状態制御処理(S5862、S5863、S1720)と、
を実行する遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン61)を備える、
ことを特徴としている。
ボーナスゲーム等の特別な遊技期間中に特別抽選を行うパチスロ遊技機では、特別な遊技期間の開始当初に決められたゲーム数の中で、特別な遊技期間の継続率に関する特別抽選を行い、特別抽選に当選することで継続率を高めるものがある。この特別抽選は、付与される特典の出玉期待度が高くなることから当選確率が低くなっている。そのため、遊技者にとっては、当選期待度が低いゲームを数多く繰り返すことになり、遊技に対するモチベーションが低下し易い。
そこで、第3の構成にかかる遊技機によれば、1セット分のゲーム終了後に第2の状態の継続抽選を行い、さらに1セット分のゲームの演出に複数のステージを設け、1セット分のゲーム中、ゲームごとにポイント獲得のための抽選と、ステージ昇格のための抽選と、を行い、ステージが昇格すると、ポイントの獲得率が高まり、1セット分のゲームが終了するまでに獲得した合計ポイントが大きいほど継続抽選の当選確率を高める。これにより、1セット分のゲームの最中、ポイントの獲得とステージの昇格という、2種類の遊技者に対して有利な事象が発生する。従って、遊技者に有利な演出の発生頻度が高められ、遊技者の遊技に対するモチベーションの低下を抑えられる。
また、第3の構成にかかる遊技機において、前記遊技状態制御手段は、ゲームごとに複数種類の役に対する役抽選を行う役抽選処理(S501〜S504)を実行し、前記獲得抽選処理では、前記役抽選で当選した役に応じて、前記獲得抽選でのポイントを獲得する当選確率が異なるとよい。当選役に応じてポイントの獲得率を変えることで、個別のゲームの興趣性が高まる。
また、第3の構成にかかる遊技機において、前記遊技状態制御手段は、ゲームごとに複数種類の役に対する役抽選を行う役抽選処理(S501〜S504)を実行し、前記獲得抽選処理では、前記役抽選で当選した役に応じて、前記獲得抽選で当選した場合の獲得ポイント数が異なるとよい。当選役に応じて獲得ポイント数を変えることで、個別のゲームの興趣性が高まる。
また、第3の構成にかかる遊技機において、前記遊技状態制御手段は、ゲームごとに複数種類の役に対する役抽選を行う役抽選処理(S501〜S504)を実行し、前記昇格抽選処理では、前記役抽選で当選した役に応じて、前記昇格抽選での当選確率が異なるとよい。当選役に応じてステージの昇格率を変えることで、個別のゲームの興趣性が高まる。
また、第3の構成にかかる遊技機において、演出手段(画像表示装置42)を備え、前記演出手段は、前記特別ゲーム中、前記1セット分のゲームの開始から終了までに獲得したポイントの合計に基づく前記継続抽選での当選確率を示唆する演出(確率示唆画像422)を行うとよい。継続抽選での当選確率を示唆する演出を行うことで、第2の状態を継続させる期待感を付与できる。
また、第3の構成にかかる遊技機において、演出手段(画像表示装置42)を備え、前記演出手段は、前記獲得抽選にて当選した場合(確率示唆画像422およびポイント画像423の更新)と、前記昇格抽選にて当選した場合(背景画像420の変更)と、で演出が異なるとよい。各ゲームでどのような抽選に当選したかを遊技者が把握できる。
また、第3の構成にかかる遊技機において、前記第2の状態では、所定のゲーム数を1セットとし、さらに前記第2の状態として、第1のモード(ART通常モード)と、前記第1のモードよりも遊技者に有利な第2のモード(ART特別モード(ラッキーモード/超ラッキーモード))と、が有り、前記遊技状態制御手段は、前記第2の状態における前記第1のモードであって、所定の条件(継続抽選に3回連続当選)を満たす特定のセット(特別セット)中、ゲームごとに前記獲得抽選を行い、前記獲得抽選にて獲得したポイントの合計が所定値に達した場合に、前記第2のモードで制御するための特別抽選(ARTモード抽選)を行う特別抽選処理(S5721)と、前記特別抽選にて前記第2のモードでの制御に当選した場合に、前記特定のセットの次のセットのゲームを前記第2のモードで行うモード切替処理(S5723、S5724)と、を実行するとよい。特別抽選のための条件として所定値までのポイントの獲得を条件とすることで、毎ゲーム特別抽選を行う場合と比較して特別抽選の当選確率を高められ、遊技者の遊技に対するモチベーションの低下を抑えられる。