JP2020045866A - 冷凍空調装置及びこれに用いる密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】地球温暖化係数が低い炭化水素系冷媒を用いつつ、封入冷媒量を低減する。【解決手段】冷凍空調装置は、密閉容器内に圧縮機構部と電動機部と油溜り部を有する密閉型電動圧縮機、室外側熱交換器、膨張弁、室内側熱交換器が順次冷媒配管により接続されて冷凍サイクルを構成している。前記密閉型電動圧縮機は密閉容器内が略吐出圧力の雰囲気となる高圧チャンバタイプの圧縮機であり、前記密閉型電動圧縮機の吐出側に設けられ冷媒から油を分離するオイルセパレータと、前記オイルセパレータから前記密閉型電動圧縮機の油溜り部に油を戻す油戻し配管を備え、前記冷凍サイクルを循環する冷媒は、炭化水素系冷媒またはこれを主成分とする冷媒であり、前記密閉型電動圧縮機に使用される冷凍機油は、前記冷媒に対して非相溶の油である。【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍空調装置及びこれに用いる密閉型電動圧縮機に関し、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵・冷凍ショーケースなどの冷凍空調装置に好適なものである。
冷凍機、空気調和機、冷蔵庫などに用いられる冷媒としては、例えば、R134a、R410A、R407Cなどが使用されている。これらの冷媒は、オゾン層への影響が少ないものの地球温暖化係数(GWP)が大きい。これに対する代替冷媒として、例えばR32(ジフルオロメタン)が提案されている。R32は、R410Aと比較すると地球温暖化係数が約三分の一程度である。
しかし、R32はGWPが675と低いものの、GWPの更なる低減が求められている。
そこで、プロパン(R290)などの炭化水素系冷媒(HC系冷媒)の採用が検討されている。しかし、R290などのHC系冷媒は強燃性であり、HC系冷媒を使用する場合、冷媒漏洩時の安全性が課題となるため、冷媒封入量を低減する必要がある。
特開2005−219704号公報(特許文献1)のものには、1次冷媒と2次冷媒からなる2元冷媒サイクルを用い、エンジンルーム内に設けられ、可燃性冷媒を使用する1次側冷媒サイクルにおいて、圧縮機と凝縮器との間にオイルセパレータ(油分離回収手段)を設け、このオイルセパレータで分離された冷凍機油を油帰還用配管を介して圧縮機の吸入口に戻す構成とした車両用空調装置が記載されている。また、前記冷凍機油としては、前記1次冷媒に対して非相溶性の関係を有する冷凍機油を用いることも記載されている。
また、国際公開第2013/168193号(特許文献2)のものには、低圧シェル形の冷媒圧縮機において、油貯蔵部に貯蔵された潤滑油と圧縮機構から吐出された高圧冷媒との間で熱交換する手段を設けること、潤滑油が炭化水素冷媒との相溶性が小さいことが記載されている。
特開2005−219704号公報 国際公開第2013/168193号
上記特許文献1に記載のものでは、2元冷媒サイクルを用いているので、1次側回路のみから構成され、直接的に冷却する冷凍サイクルと比較して、冷房能力が低下する課題がある。即ち、可燃性冷媒による1次側冷媒サイクルの冷凍効果を2次側冷媒サイクルのブライン(不凍液)に伝達し、このブラインが室内側の空気を冷却するという間接的に冷房を行う方式であることから、熱伝達ロスが大きくなる。また、特許文献1のものでは、圧縮機の吐出口近傍に油分離回収手段(オイルセパレータ)を設けているが、分離された油(冷凍機油)は圧縮機の吸入口に戻される構成としている。このため、油が圧縮機に吸入される冷媒と混合し、圧縮機から冷凍サイクルに放出される油の量、即ちオイルレートが増加する。
オイルレートが増加すると、冷凍サイクルに放出された冷凍機油が熱交換器の配管内面等に付着するため、熱交換器の効率を低下させ、その分熱交換器を大形化し、熱交換器容積が増加した分必要な冷媒量も増加する。また、オイルレート増加により、圧縮機内の油量を確保するため、冷凍機油の量も増加する。冷凍機油の量が増加すると、これに取り込まれる冷媒量も増加するため、冷媒量を増加させる必要がある。
特許文献2に記載のものは、低圧シェル形の冷媒圧縮機を用いているため、油への冷媒溶解度と油の動粘度が変化しやすく、油物性を制御するために、油貯蔵部に貯蔵された潤滑油と圧縮機構から吐出された高圧冷媒との間で熱交換する手段を設ける必要があり、構造が複雑になる課題がある。また、この特許文献2のものには、圧縮機と放熱器との間に油分離器を設置する例も記載されているが、油分離器で分離された油は圧縮機の吸入側に戻される構成としている。このため、油が圧縮機に吸入される冷媒と混合し、特許文献1のものと同様に、オイルレートが増加することから、上述した特許文献1のものと同様に、必要な冷媒量が増加する課題もある。
本発明の目的は、地球温暖化係数が低い炭化水素系冷媒を用いつつ、封入冷媒量を低減することのできる冷凍空調装置及びこれに用いる密閉型電動圧縮機を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、密閉容器内に圧縮機構部と電動機部と油溜り部を有する密閉型電動圧縮機、室外側熱交換器、膨張弁、室内側熱交換器が順次冷媒配管により接続されて冷凍サイクルを構成している冷凍空調装置において、前記密閉型電動圧縮機は密閉容器内が略吐出圧力の雰囲気となる高圧チャンバタイプの圧縮機であり、前記密閉型電動圧縮機の吐出側に設けられ冷媒から油を分離するオイルセパレータと、前記オイルセパレータから前記密閉型電動圧縮機の油溜り部に油を戻す油戻し配管を備え、前記冷凍サイクルを循環する冷媒は、炭化水素系冷媒またはこれを主成分とする冷媒であり、前記密閉型電動圧縮機に使用される冷凍機油は、前記冷媒に対して非相溶の油であることを特徴とする。
本発明の他の特徴は、上記冷凍空調装置に使用される密閉型電動圧縮機であって、前記密閉型電動圧縮機は、密閉容器内に、冷媒を圧縮する圧縮機構部、前記圧縮機構部を駆動する電動機部及び油溜り部を有する高圧チャンバタイプの密閉型電動圧縮機であり、前記油溜り部に貯留される冷凍機油は、炭化水素系冷媒またはこれを主成分とする冷媒に対して非相溶の油であり、冷凍サイクルに設けられたオイルセパレータで分離された油を、前記油溜り部の油面よりも低い位置に戻す油戻し部を備えることにある。
本発明によれば、地球温暖化係数が低い炭化水素系冷媒を用いつつ、冷凍機油への冷媒溶解度を小さくし且つオイルレートを低減することができるので、熱交換器の効率を向上させると共に封入冷媒量を低減することのできる冷凍空調装置及びこれに用いる密閉型電動圧縮機を得ることができる。
本発明の冷凍空調装置としての空気調和機の一例を示す冷凍サイクル構成図である。 図1に示す密閉型電動圧縮機の一例を示す縦断面図である。 図1に示す圧縮機とオイルセパレータの部分の概略構成図である。 本発明の実施例2を説明する図で、図3に相当する図である。 本発明の実施例3を説明する図で、図1に示すオイルセパレータ3として使用される遠心分離式のオイルセパレータの例を説明する図である。 本発明の実施例3を説明する図で、図1に示すオイルセパレータ3として使用されるデミスタ式のオイルセパレータの例を説明する図である。
本発明は、地球温暖化係数が低い炭化水素系冷媒を用いると共に、封入冷媒量を低減することのできる冷凍空調装置及びこれに用いる密閉型電動圧縮機を得るために、以下説明する構成としたものである。
即ち、本発明は、密閉容器内に圧縮機構部と電動機部と油溜り部を有する密閉型電動圧縮機、室外側熱交換器、膨張弁、室内側熱交換器が順次冷媒配管により接続されて冷凍サイクルを構成している冷凍空調装置において、前記密閉型電動圧縮機は密閉容器内が略吐出圧力の雰囲気となる高圧チャンバタイプの圧縮機であり、前記密閉型電動圧縮機の吐出側に設けられ冷媒から油を分離するオイルセパレータと、前記オイルセパレータから前記密閉型電動圧縮機の油溜り部に油を戻す油戻し配管を備え、前記冷凍サイクルを循環する冷媒は、炭化水素系冷媒またはこれを主成分とする冷媒であり、前記密閉型電動圧縮機に使用される冷凍機油は、前記冷媒に対して非相溶の油としたものである。
前記冷凍サイクルを循環する冷媒として、本実施形態では、炭化水素系冷媒(以下、HC系冷媒ともいう)を主成分とする冷媒が使用される。HC系冷媒としては、プロパン(R290)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)、R170(エタン)、R1150(エチレン)、R1270(プロピレン)等がある。これらの冷媒のうちの1種を単独で用いるか、或いはこれらのHC系冷媒の2種類以上を混合したものを主成分(例えば、HC系冷媒を少なくとも70wt%以上含む冷媒)とし、他の冷媒(例えばHFC系冷媒)や各種の添加剤(例えば腐食防止剤、摩耗防止剤、極圧剤)等を混合した混合冷媒が使用される。
前記密閉型電動圧縮機に使用される冷凍機油(以下、油または潤滑油ともいう)は、本実施形態では、前記HC系冷媒に対して非相溶の油を使用する。非相溶の油とは、冷媒に対して混ざり合わない冷凍機油である。このような非相溶の冷凍機油としては、ポリアルキレングリコール油(PAG)を使用すると良い。
前記冷凍機油として、40℃における動粘度が30〜100mm/sの冷凍機油を用いることが好ましい。動粘度は、ISO(International Organization for Standardization,国際標準化機構)3104、ASTM(American Society for Testing and Materials,米国材料試験協会)D445、D7042等の規格に基づいて測定される。冷媒と冷凍機油との低温側臨界溶解温度は、+10℃以下であることが好ましい。
以下、本発明の具体的実施例を、冷凍空調装置としての空気調和機を例にとり、図面に基づいて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分である。
本発明の冷凍空調装置の実施例1を図1〜図3を用いて説明する。
図1は冷凍空調装置の一例としての空気調和機の冷凍サイクル構成図である。
図1に示すように、冷凍空調装置としての空気調和機1は、室外機1Aと室内機1Bを備える。室外機1Aには、密閉型電動圧縮機(以下、単に圧縮機ともいう)2、この圧縮機2からの吐出側冷媒配管(冷媒配管)14に設けられたオイルセパレータ(油分離器)3、このオイルセパレータ3に溜まった油(以下、冷凍機油または潤滑油ともいう)を前記圧縮機2における密閉容器内下部に設けられた油溜り部26(図2、図3参照)に直接戻すための油戻し配管12、冷媒循環方向を切換える四方切換弁(以下、四方弁ともいう)4、送風機5が付設されている室外側熱交換器6、暖房用の電子膨張弁(膨張弁)7、レシーバ8、冷房用の電子膨張弁(膨張弁)9、送風機10が付設されている室内側熱交換器11、圧縮機2の吸入側冷媒配管(冷媒配管)13、この吸入側冷媒配管13に設けられたアキュームレータ15が、順次前記冷媒配管により接続されて閉サイクルの冷凍サイクルを構成している。16は室外機1A側と室内機1B側を接続する接続冷媒配管(冷媒配管)である。
前記密閉型電動圧縮機2は、冷凍サイクルの作動媒体である冷媒を圧縮機構部で圧縮するものであり、圧縮機構部を潤滑するための冷凍機油が内部に封入されている。前記圧縮機2としては、図2を用いて後述するが、密閉容器内がほぼ吐出圧力の雰囲気となる高圧チャンバタイプの密閉型電動圧縮機を使用している。
なお、冷凍サイクルを循環する冷媒として、本実施例では、HC系冷媒であるプロパン(R290)を単体で、或いはプロパンを70wt%含み、他の冷媒や添加剤を含む冷媒を使用する。前記冷凍機油としては、前記冷媒に対して非相溶の油であるポリアルキレングリコール油(PAG)を使用している。また、本実施例では前記冷凍機油は、ISO粘度グレード番号VG68(40℃における動粘度範囲が61.2〜74.8mm/s)のものを使用している。
前記オイルセパレータ3は、圧縮機2から吐出される冷媒に含まれる冷凍機油を分離して、前記圧縮機2へ直接戻すもので、これにより圧縮機2内の潤滑油を適量に保ち、摺動部の焼き付き事故を防止すると共に、圧縮機構部の圧縮室のシール効果を向上する。また、油が熱交換器の冷媒配管内面に付着して油膜が形成されることによる熱交換器の熱交換効率の低下を防止するものである。オイルセパレータ3における油分離方式には、ガス冷媒と油の質量の差を利用して油を分離する遠心分離式や衝突分離式、邪魔板(バッフル板)を設けて油を分離する邪魔板式(バッフル式)、金網などの金属繊維を用いて油を分離するデミスタ式などがある。
空気調和機1を冷房運転する場合、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス状冷媒と油の混合物は、オイルセパレータ3で冷媒と油とに分離される。分離された油は、圧縮機2内底部の油溜り部に直接戻される。分離された冷媒は、四方弁4を通って室外側熱交換器6で外気に放熱することで凝縮し、高圧の液状冷媒となる。液状冷媒は、レシーバ8を通過後、接続冷媒配管16を通って室内機1B側に流れ、冷房用の電子膨張弁9の作用で減圧されて低温低圧の気液二相状態となって室内側熱交換器11で室内空気の熱を吸収することで蒸発する。室内側熱交換器11で蒸発した冷媒は、接続冷媒配管16を通って室外機1Aへ戻り、四方弁4を通って圧縮機2に流れ、圧縮機2で再び圧縮される。
次に、空気調和機が暖房運転をする場合について説明する。暖房運転の場合では、冷媒流路が四方弁4により冷房運転の場合から切り替えられる。暖房運転の場合、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス状冷媒と油の混合物は、オイルセパレータ3により冷媒と油とに分離される。分離された油は、圧縮機2内底部の油溜り部に直接戻される。分離された冷媒は、四方弁4及び接続冷媒配管16を通って室内機1B側に流れる。室内機1Bに入った冷媒は、室内側交換器11で室内空気に放熱することで凝縮し、高圧の液状冷媒となる。高圧の液状冷媒は、接続冷媒配管16を通って室外機1A側に流れる。室外機1Aに入った高圧の液状冷媒は、暖房用の電子膨張弁7で減圧され、低温低圧の気液二相状態となり、室外側熱交換器6に流れ、室外空気の熱を吸収することで蒸発し、ガス状冷媒になる。室外側熱交換器6でガス状となった冷媒は、四方弁4を通って圧縮機2に流れ、圧縮機2で再び圧縮される。
本実施例では、冷凍サイクルを流れる冷媒として、HC系冷媒であるプロパン(R290)を使用しているので、地球温暖化係数(GWP)が3と小さく、また、従来の冷媒R22とほぼ同程度のエネルギー消費効率(COP:Coefficient Of Performance)を得ることができ、冷凍能力を確保することができる。
また、前記密閉型電動圧縮機に使用される冷凍機油は、前記冷媒に対して非相溶の油を使用しているので、冷凍機油に溶け込む冷媒の量を少なくできるから、その分冷媒封入量を低減することもできる。即ち、冷凍機油に溶け込む分の冷媒量を加味せずに冷媒封入量を設定できることから、封入冷媒量を低減することができる。また、冷凍機油の粘度低下も抑制できるから、圧縮機2の信頼性向上も図れる。
更に、前記圧縮機の吐出側に設けられた油分離用のオイルセパレータ3と、前記オイルセパレータ3から圧縮機2内底部の油溜り部に油を直接戻す油戻し配管12を備える構成としているので、前記冷媒に対して非相溶の油を容易にオイルセパレータ3で分離して、その分離した油を圧縮機2の油溜り部に直接戻すことができる。また、オイルセパレータ3で分離された油を、圧縮機に吸入側に戻すものではないから、吸入冷媒と混合して圧縮機から放出される油の量も低減できる。
従って、圧縮機から冷凍サイクルに放出される油の量、即ちオイルレートを低減することができ、室外側熱交換器6や室内側熱交換器11などの熱交換器側への油流出を抑制できる。また、油が熱交換器の配管内面等に付着することを防止できるから、前記熱交換器での伝熱効率を増加させると共に、圧縮機内部の油量を確保することが可能となる。
熱交換器の効率を向上できるので、その分熱交換器を小形化し、熱交換器容積を小さくした分必要な冷媒量も低減できる。また、オイルレート低減により、より少ない冷凍機油の量で圧縮機内の油量を確保できる。冷凍機油の量を低減できることにより、油に取り込まれる冷媒量も減少するため、これによっても封入冷媒量を低減できる効果がある。
このように、本実施例によれば、冷凍空調装置(空気調和機等)としての省エネルギー性を向上できると共に、封入冷媒量を低減することもできる効果が得られる。
次に、図1に示す空気調和機(冷凍空調装置)1に用いている密閉型電動圧縮機2の一例を、図2を用いて具体的に説明する。図2は図1に示す密閉型電動圧縮機の一例を示す縦断面図である。
図2に示す密閉型電動圧縮機(圧縮機)2は、高圧チャンバタイプの密閉型スクロール圧縮機であり、圧縮機構部18及び電動機部19が略円筒形の密閉容器(高圧容器)20内に収容されている。前記圧縮機構部18は、フレーム18a、旋回スクロール18b、及び固定スクロール18cを備えている。前記電動機部19は、固定子19a及び回転子19bを備える。前記圧縮機2は、電動機部19の回転が回転軸21によって圧縮機構部18に伝達される構造となっている。
密閉容器20は、吸込配管22、吐出配管23、油戻し部24及び電源端子25を備え、これらにより外部に対して流体及び電気エネルギーの出入りが可能である。前記吸込配管22は、冷媒を密閉容器20の内部に流入させる入口となるもので、図1に示す吸入側冷媒配管13に接続される。吐出配管23は、冷媒と微量の油の混合物を吐出する出口となるもので、図1に示す吐出側冷媒配管14に接続される。前記油戻し部24は、前記混合物から分離された油を密閉容器20の内部に戻す入口となるもので、図1に示す油戻し配管12に接続される。電源端子25は、電動機部19に電気エネルギーを供給するための端子である。
密閉容器20は、内部に前述した冷凍機油が封入されており、下部に油溜り部26が形成されている。図2において、油溜り部26に溜まった冷凍機油の油面は、符号27で示している。密閉容器20内には、油吸込部28が備えられ、油溜り部26に溜まった冷凍機油は、油吸込部28により吸い込まれる。冷媒と油の混合物から分離されて密閉容器20の内部に戻った油が油吸込部28によって吸い込まれるように、前記油戻し部24の高さ方向の位置は、油吸込部28の油の吸込口の高さ方向の位置よりも高く、前記油面27よりも低い位置に設けられている。
また、本実施例では、前記回転軸21を、前記電動機部19の上方で支持する主軸受31と、前記電動機部19の下方で支持する副軸受32と、この副軸受32を支持し、前記油溜り部26に形成される油面27よりも上方に配置された副軸受ハウジング33を備える。副軸受ハウジング33は、図1に示すオイルセパレータ3の底部3a(図3参照)よりも下方に位置するように設けられている。
電動機部19が稼動すると、その回転は、回転軸21によって圧縮機構部18に伝達され、回転軸21の上部に設けられた偏心部21aと、旋回スクロール18bの背面側に設けられている自転防止部材であるオルダムリング29により、旋回スクロール18bを旋回運動させる。旋回スクロール18bと固定スクロール18cとが相対的に動くことにより、冷媒は、吸込配管22から圧縮機構部18に吸い込まれ、圧縮される。このとき、油溜り部26の冷凍機油は、油吸込部28から吸い込まれ、回転軸21の内部に形成されている油通路21bを通り、圧縮機構部18に供給される。このようにして、圧縮機構部18に導入された冷媒と冷凍機油は、圧縮機構部18に設けられた吐出口30から密閉容器20の内部に吐出される。
吐出口30から吐出された油は、その多くが密閉容器20の内部の壁面等に衝突・付着して冷媒ガスから分離され、フレーム18aと固定スクロール18cの外周面に形成されている軸方向の通路(図示せず)を介して、重力によって高圧容器14の下部の油溜り部26に戻る。しかし、吐出された油の一部は、ミストとなって冷媒と共に吐出配管23から密閉容器20の外部に流出する。
次に、図1に示す空気調和機1に用いられている圧縮機2とオイルセパレータ3の部分の構成を、図3を用いて説明する。図3は図1に示す圧縮機とオイルセパレータの部分の概略構成図である。
この図3を用いて、圧縮機2とオイルセパレータ3との接続及び配置関係について説明する。なお、図3では簡単のために圧縮機2の内部構造を省略して描いているが、圧縮機2の詳細は、図2を用いて説明した通りである。
オイルセパレータ3は、略円筒形の形状をしており、圧縮機2から吐出された冷媒と油の混合物を、例えば、流体に働く遠心力を利用して冷媒と油に分離する。本実施例では、このような遠心分離式、或いはオイルセパレータの容器壁面に油を含む冷媒を衝突させて分離する衝突分離式のオイルセパレータ3を用いているが、前述した他の形式のオイルセパレータ、例えば金属の網などに油のミストを付着させて分離するデミスタ式のオイルセパレータなどを用いても良い。オイルセパレータ3を構成している容器内には、分離した油を溜めることができるようになっている。
圧縮機2の密閉容器20とオイルセパレータ3とは、吐出側冷媒配管14及び油戻し配管12により互いに接続される。油戻し配管12は、オイルセパレータ3の底部に設けられた油出口部34と密閉容器20の油戻し部24とを接続する。圧縮機2の吐出配管23から吐出された冷媒と油との混合物は、吐出側冷媒配管14を介して、オイルセパレータ3の入口部35からオイルセパレータ3の内部に流入し、冷媒と油とに分離される。オイルセパレータ3で分離された冷媒は、オイルセパレータ3の上部に設けられた冷媒出口部36から流出する。冷媒出口部36には、該冷媒出口部36から流出した冷媒が流れる冷媒配管37が接続され、冷媒は図1に示す四方弁4側に流れる。
オイルセパレータ3で分離された油は、オイルセパレータ3の油出口部34から油戻し配管12を流れ、油戻し部24を通って密閉容器20の油溜り部26に直接流入して溜められる。密閉容器20の内部には、油溜り部26の油面27の高さ方向の位置が、オイルセパレータ3の底部3aの高さ方向の位置よりも低く、且つ密閉容器20の油戻し部24の高さ方向の位置よりも高くなるように、量を調整して油を封入する。油戻し部24は、密閉容器20の側面に対して水平に接続している。即ち、油戻し配管12は、密閉容器20の側面に水平に接続するための水平部を有し、この水平部は油で満たされている。
このように構成することにより、密閉容器20内の高圧冷媒ガスがオイルセパレータ3に逆流するのを防止することができる。
また、本実施例では、密閉容器20及びオイルセパレータ3は略円筒形に構成され、オイルセパレータ3の内径は密閉容器20の油溜り部26の内径よりも小さく構成されている。好ましくは、前記オイルセパレータ3の内径は前記密閉容器20の油溜り部26の内径の「1/(1.5〜2.5)」の関係にすると良く、更に好ましくは、オイルセパレータ3の内径を密閉容器20の油溜り部26の内径の約1/2にすると良い。
冷媒と油の混合物が吐出側冷媒配管14を流れる際には流動損失が発生するため、オイルセパレータ3の内部の圧力は、圧縮機2の密閉容器20の内部の圧力よりも若干低下する。しかし、本実施例では、オイルセパレータ3の底部3aの高さ方向の位置が、圧縮機2の油溜り部26に溜まった油の油面27の高さ方向の位置よりも高く、更に油戻し配管12の密閉容器20との接続部(油戻し部24)の高さ方向の位置が、油面27の高さ方向の位置よりも低い。このため、油分離器3に溜まった油の油面の高さ方向の位置と、油溜り部26の油面27の高さ方向の位置との高さの差に起因する油のヘッド差により、オイルセパレータ3の油は、オイルセパレータ3から圧縮機2の密閉容器20に流入することができる。即ち、圧縮機2から吐出された冷媒と油の混合物をオイルセパレータ3で冷媒と油とに分離し、分離した油をオイルセパレータ3から圧縮機2の密閉容器20の内部に直接戻すことができる。
また、前記オイルセパレータ3の内径を前記密閉容器20の油溜り部26の内径の「1/(1.5〜2.5)」の関係になるように構成することにより、以下の効果が得られる。
即ち、圧縮機2の回転数を増加させ、空調能力を増加させた場合、吐出側冷媒配管14での冷媒と油の混合物の流動損失が増加する。このため、圧縮機2の密閉容器20内部とオイルセパレータ3内部との圧力差が大きくなる。これに伴い、密閉容器20の油溜り部26の油が、オイルセパレータ3に一時的に逆流し、オイルセパレータ3の油面の高さ方向の位置はより高くなり、密閉容器20の油溜り部20の油面27の高さ方向の位置はより低くなる。
従って、吐出側冷媒配管14での冷媒と油の混合物の流動損失の増加に対応する分だけ、油のヘッド差が大きくなる。しかも、本実施例では、オイルセパレータ3の内径を密閉容器20の油溜り部26の内径よりも小さく構成しているので、油溜り部26の油面高さの変化に対し、オイルセパレータ3の油面高さの変化はより大きくなる。例えば、オイルセパレータ3の内径を密閉容器20の油溜り部26の内径の1/2とした場合、油溜り部26の油面高さの低下に対し、オイルセパレータ3の油面高さの上昇は4倍になる。
このように、本実施例によれば、オイルセパレータ3から密閉容器20の油溜り部26に戻る油の量は、油のヘッド差により自動的に調整され、圧縮機2の高速回転時においても、油溜り部26の油面27の高さを、常に適切に調整することができる。
即ち、本実施例による空気調和機では、圧縮機2の密閉容器20の内部の油面27の高さ方向の位置の変動を抑えつつ、効果的に油のヘッド差を作り出すことができるので、密閉容器20の内部の油切れのリスクを低減することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、冷媒として、HC系冷媒であるプロパン(R290)を使用すると共に、高圧チャンバタイプの密閉型電動圧縮機を採用し、圧縮機に使用される冷凍機油は前記冷媒に対して非相溶の油(本実施例ではPAG)を使用し、且つ圧縮機の吐出側に設けられ冷媒から油を分離するオイルセパレータを備える構成としているので、以下の効果が得られる。
(1)地球温暖化係数が低いHC系冷媒を用いつつ、冷凍能力を確保することができる。
(2)圧縮機2に使用される冷凍機油は、前記冷媒に対して非相溶の油を使用しているので、冷凍機油に溶け込む冷媒の量を少なくでき、これにより冷媒封入量を低減することができる。また、冷凍機油の粘度低下も抑制できるから、圧縮機2の信頼性向上も図れる。
(3)前記冷媒に対して非相溶の油を使用していることから、オイルセパレータ3での油の分離効率を向上することができ、また、前記オイルセパレータ3で分離した油を圧縮機2の油溜り部26に戻すので、圧縮機2の密閉容器20内の油量を適切に保持できる。更に、オイルセパレータ3で分離された油を、圧縮機に吸入側に戻すものではないから、吸入冷媒と混合して圧縮機から放出される油の量も低減できる。従って、圧縮機から冷凍サイクルに放出される油の量、即ちオイルレートを低減することができるから、冷凍機油の封入油量を低減でき、この結果、油に取り込まれる冷媒量も低減できるため、この点からも封入冷媒量を低減できる。
(4)オイルレートを低減できることから、室外側熱交換器6や室内側熱交換器11などの熱交換器側への油流出を抑制でき、油が熱交換器の配管内面等に付着することを防止できるから、前記熱交換器での伝熱効率を増加させることができる。また、熱交換器の効率を向上できるので、その分熱交換器容積を小さくでき、これに伴い必要な冷媒封入量をこの点からも低減できる。
(5)密閉型電動圧縮機として高圧チャンバタイプの圧縮機を採用しているので、特許文献2に記載のような低圧シェル形の圧縮機と比べ、油溜り部の油は温度が高い状態に保持される。従って、特許文献1に記載のような油物性を制御するための熱交換手段が不要となるから構造を簡素化できる。また、油溜り部の油温が高くなることから、油溜り部の冷媒はガス化し、油に取り込まれる冷媒量を低減できるから、この点からも冷媒封入量を低減できる。
このように、本実施例によれば、地球温暖化係数が低い炭化水素系冷媒を用いつつ、その封入冷媒量を低減することのできる効果が得られる。なお、本実施例では、アキュームレータ15を備える構成としたが、本実施例の構成とすることにより、オイルセパレータ3での油分離を十分に行うことができるので、前記アキュームレータ15を廃止することも可能である。アキュームレータを廃止すれば、冷凍サイクルの容積を更に低減できるので、その分冷媒封入量を更に低減できる効果も得られる。
本発明の冷凍空調装置の実施例2としての空気調和機を、図4を用いて説明する。本実施例2における空気調和機の基本的な構成は、実施例1で説明した空気調和機と同様であり、図1に示す冷凍サイクルの構成、図2に示す密閉型電動圧縮機の構成は実施例1と同様である。以下の説明では、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
図4は、本実施例2を説明する図で、図3に相当する図であり、図4において、図3と同一符号を付した部分は、同一又は相当する構成を示している。
図4に示すように、本実施例2の構成において、図3に示す実施例1と異なる部分は、油戻し配管12の途中に、オイルセパレータ3の油出口部34から圧縮機2の密閉容器20の方向へのみ油が流れるように、逆止弁38を設けている点が異なっている。他の構成は実施例1と同様である。
前記逆止弁38を備えることにより、密閉容器20内の油溜り部26の油がオイルセパレータ3側へ逆流するのを確実に防止することができ、密閉容器20の内の油溜り部26に油がなくなるリスクを更に低減することができる。従って、本実施例2の空気調和機によれば、密閉型電動圧縮機2内での油切れを防止して信頼性を更に向上することができる。
また、油溜り部26からオイルセパレータ3側への油の逆流を防止できることから、オイルセパレータ3内の油面が異常に上昇して油分離効率が低下することも防止できる。従って、冷凍サイクルへ油が吐出されてしまうオイルレートを更に低減できるから、室外側熱交換器6や室内側熱交換器11などの熱交換器側への油流出を抑制して、前記各熱交換器での伝熱効率を更に増加させることができる。この結果、省エネルギー性を更に向上できると共に、熱交換器容積を更に低減できるから、必要な冷媒封入量も更に低減できる。
他の構成は上述した実施例1と同様であり、実施例1と同様の効果も得ることができる。
本発明の冷凍空調装置の実施例3としての空気調和機を、図5、図6を用いて説明する。本実施例3における空気調和機の基本的な構成は、実施例1で説明した空気調和機と同様であり、図1に示す冷凍サイクルの構成、図2に示す密閉型電動圧縮機の構成は実施例1と同様である。以下の説明では、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
図5、図6は、それぞれ図1で説明したオイルセパレータ3の他の例を説明する図で、オイルセパレータ3としてのより好ましい例を示すものである。
図5はより好ましい遠心分離式のオイルセパレータ3の例を示すもので、このオイルセパレータ3は、縦長の外筒3bと、この外筒3bの内側上部に前記外筒3bと同心となるように取り付けられた内筒3cを備え、前記外筒3bと前記内筒3cとの間には円周流路3dを形成している。
前記円周流路3dには、外筒3bの内面に沿って油を含む冷媒ガスを吐出させる入口部35が設けられ、この入口部35には圧縮機2から吐出された冷媒を導く吐出側冷媒配管14が接続されている。
前記内筒3cの内面上部には内筒3cの内部に開口する冷媒出口部36が設けられ、この冷媒出口部36には四方弁4(図1参照)側に冷媒を流す冷媒配管37が接続されている。また、前記外筒3b内の底部3aの中央には、分離された油の出口となる油出口部34が設けられ、この油出口部34には、分離された油を前記圧縮機2の油溜り部26に直接戻す油戻し配管12が接続されている。
圧縮機2から吐出された油を含む冷媒ガスをオイルセパレータ3の入口部35から前記円周流路3dに吐出させることで、油と冷媒の混合物は前記円周流路3dに沿って旋回しながら下降し、その時の遠心力により油は冷媒ガスから分離されて外筒3b内面に沿って流下し、オイルセパレータ3の底部3aに溜まる。オイルセパレータ3の底部3aに溜まった油は油戻し配管12を介して前記圧縮機2の油溜り部26に直接戻される。一方、油を分離した冷媒ガスは前記内筒3c内に流入し、ここから前記冷媒配管37に流出する。
オイルセパレータ3として、このような構成の遠心分離式のオイルセパレータ3を用いることにより、旋回流を発生させ遠心力を利用して油を分離できるので、より油分離効率を向上させることができる。従って、室外側熱交換器6や室内側熱交換器11に冷媒と非相溶の油が流れて滞留し、前記各熱交換器における伝熱作用が油により阻害されるのを防ぐことができる。
なお、図5に示した遠心分離式のオイルセパレータ3では、内筒3cを有する構成にしており、大容量のオイルセパレータとして好適であるが、より小容量で外筒3bの外径が小さいものでは、以下のように構成すると良い。即ち、前記冷媒出口部36または前記冷媒配管37を、前記外筒3bにおける前記入口部35よりも下方の位置まで挿入し、前記内筒3cを省略する構成としても良い。このように構成しても、前記入口部35から外筒3bの内面に沿って油を含む冷媒ガスを吐出させることにより、前記冷媒出口部36または前記冷媒配管37の周りに旋回流を発生させて油を分離することができる。
図6は、図1に示すオイルセパレータ3のより好ましいオイルセパレータ3としてのデミスタ式のオイルセパレータ3を示すものである。図6において、図5と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、図5の例と異なる部分の構成を中心に説明する。
デミスタ式のオイルセパレータ3は、オイルセパレータ3内に金網等の線状で構成された網目状のデミスタ3eを、嵌合等により固定して設けたものである。このデミスタ3eの下部空間3fの上側には油を含む冷媒ガスが導かれる入口部35が設けられ、この入口部35には圧縮機2から吐出された冷媒を導く吐出側冷媒配管14が接続されている。
前記デミスタ3eの上部空間3gには冷媒出口部36が設けられ、この冷媒出口部36には前記冷媒配管37が接続されている。また、オイルセパレータ3内の底部3aの中央には、分離された油の出口となる油出口部34が設けられ、この油出口部34には前記油戻し配管12が接続されている。なお、オイルセパレータ3を構成している容器と前記デミスタ3eの外周部分との間から、油を含む冷媒ガスが漏洩して流れるのを防止するため、その部分にバッフルを設けると良い。
圧縮機2から吐出された油を含む冷媒ガスをオイルセパレータ3の入口部35からオイルセパレータ3内の下部空間3fに吐出させると、油を含む冷媒ガスは、デミスタ3eを通過して上部空間3g側に流れる。このとき、冷媒ガス中の油(油滴)は前記デミスタ3eにおける線条で捕らえられて分離され、オイルセパレータ3の底部3aに溜まる。オイルセパレータ3の底部3aに溜まった油は油戻し配管12を介して前記圧縮機2の油溜り部26に直接戻される。一方、油を分離した冷媒ガスは上部空間3gから冷媒配管37に流出する。
このように、オイルセパレータ3として、デミスタ式のオイルセパレータ3を用いることにより、油分離効率をより向上させることができ、図5に示した例とほぼ同様の効果を得ることができる。
本実施例3では、遠心分離式とデミスタ式のオイルセパレータについて説明したが、前記オイルセパレータ3として、邪魔板(バッフル板)を設けて油を分離する邪魔板式(バッフル式)などを用いても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
例えば、上述した実施例では、冷凍空調装置に用いる密閉型電動圧縮機として、密閉型スクロール圧縮機を採用した例について説明したが、高圧チャンバタイプの圧縮機であれば、任意の圧縮機、例えば、密閉型のロータリー圧縮機やスイングタイプ或いはレシプロタイプの圧縮機を使用するようにしても良い。また、縦型の密閉型電動圧縮機について説明したが、横型のものにも適用できる。更に、単段(1段)の密閉型電動圧縮機に限らず、多段圧縮の密閉型電動圧縮機を使用する冷凍空調装置にも同様に適用できる。また、上述した実施例では、HC系冷媒として、プロパン(R290)を使用した例を説明したが、ブタン(R600)やイソブタン(R600a)などの他のHC冷媒でも、或いはHC冷媒を主成分とし、他の冷媒を混合した混合冷媒を使用しても良い。
また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1:空気調和機(冷凍空調装置)、1A:室外機、1B:室内機、
2:密閉型電動圧縮機(圧縮機)、3:オイルセパレータ、
3a:底部、3b:外筒、3c:内筒、3d:円周流路、3e:デミスタ、
3f:下部空間、3g:上部空間、
4:四方切換弁(四方弁)、5,10:送風機、6:室外側熱交換器、
7,9:電子膨張弁(膨張弁)、8:レシーバ、11:室内側熱交換器、
12:油戻し配管、13:吸入側冷媒配管(冷媒配管)、
14:吐出側冷媒配管(冷媒配管)、15:アキュームレータ、
16:接続冷媒配管(冷媒配管)、18:圧縮機構部、
18a:フレーム、18b:旋回スクロール、18c:固定スクロール、
19:電動機部、19a:固定子、19b:回転子、
20:密閉容器、21:回転軸、21a:偏心部、21b:油通路、
22:吸込配管、23:吐出配管、24:油戻し部、25:電源端子、
26:油溜り部、27:油面、28:油吸込部、29:オルダムリング、
30:吐出口、31:主軸受、32:副軸受、33:副軸受ハウジング、
34:油出口部、35:入口部、36:冷媒出口部、37:冷媒配管、38:逆止弁。

Claims (10)

  1. 密閉容器内に圧縮機構部と電動機部と油溜り部を有する密閉型電動圧縮機、室外側熱交換器、膨張弁、室内側熱交換器が順次冷媒配管により接続されて冷凍サイクルを構成している冷凍空調装置において、
    前記密閉型電動圧縮機は密閉容器内が略吐出圧力の雰囲気となる高圧チャンバタイプの圧縮機であり、
    前記密閉型電動圧縮機の吐出側に設けられ冷媒から油を分離するオイルセパレータと、
    前記オイルセパレータから前記密閉型電動圧縮機の油溜り部に油を戻す油戻し配管を備え、
    前記冷凍サイクルを循環する冷媒は、炭化水素系冷媒またはこれを主成分とする冷媒であり、
    前記密閉型電動圧縮機に使用される冷凍機油は、前記冷媒に対して非相溶の油であることを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 請求項1に記載の冷凍空調装置において、
    前記冷凍サイクルを循環する冷媒は、炭化水素系冷媒を少なくとも70wt%以上含む冷媒であることを特徴とする冷凍空調装置。
  3. 請求項2記載の冷凍空調装置において、
    前記炭化水素系冷媒は、R290(プロパン)、R600(ブタン)、R600a(イソブタン)、R170(エタン)、R1150(エチレン)、R1270(プロピレン)の群から選択される1種類以上の冷媒であることを特徴とする冷凍空調装置。
  4. 請求項3に記載の冷凍空調装置において、
    前記炭化水素系冷媒は、プロパン(R290)単体またはプロパンを70wt%以上含む冷媒であることを特徴とする冷凍空調装置。
  5. 請求項1に記載の冷凍空調装置において、
    前記冷媒に対して非相溶の油は、ポリアルキレングリコール油(PAG)であることを特徴とする冷凍空調装置。
  6. 請求項1に記載の冷凍空調装置において、
    前記オイルセパレータは、前記密閉型電動圧縮機から吐出された冷媒と油の混合物が流入する入口部と、分離した油が流出する油出口部と、前記冷媒が流出する冷媒出口部とを有し、
    前記オイルセパレータの前記油出口部はオイルセパレータの底部に形成され、この油出口部には前記油戻し配管が接続され、この油戻し配管は前記密閉型電動圧縮機の前記油溜り部に形成される油面よりも低い位置で前記密閉型電動圧縮機に接続され、且つ
    前記オイルセパレータの前記底部は、油溜り部に形成される油面よりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする冷凍空調装置。
  7. 請求項6に記載の冷凍空調装置において、
    前記密閉容器及び前記オイルセパレータは略円筒形であり、前記オイルセパレータの内径は前記密閉容器の油溜り部の内径の「1/(1.5〜2.5)」であることを特徴とする冷凍空調装置。
  8. 請求項6に記載の冷凍空調装置において、
    前記オイルセパレータは、遠心力を利用して冷媒と油に分離する遠心分離式またはデミスタにより冷媒から油を分離するデミスタ式のものであることを特徴とする冷凍空調装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の冷凍空調装置に使用される密閉型電動圧縮機であって、
    前記密閉型電動圧縮機は、密閉容器内に、冷媒を圧縮する圧縮機構部、前記圧縮機構部を駆動する電動機部及び油溜り部を有する高圧チャンバタイプの密閉型電動圧縮機であり、
    前記油溜り部に貯留される冷凍機油は、炭化水素系冷媒またはこれを主成分とする冷媒に対して非相溶の油であり、
    冷凍サイクルに設けられたオイルセパレータで分離された油を、前記油溜り部の油面よりも低い位置に戻す油戻し部を備えることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  10. 請求項9に記載の密閉型電動圧縮機において、
    前記電動機部の回転を前記圧縮機構部に伝達する回転軸と、
    前記回転軸を、前記電動機部の上方で支持する主軸受と、前記電動機部の下方で支持する副軸受と、
    前記副軸受を支持し、前記油溜り部に形成される油面よりも上方に配置された副軸受ハウジングと、を備え、
    前記副軸受ハウジングは、前記オイルセパレータの底部よりも下方に設置されていることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
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