JP2020045219A - 差込制御装置および差込制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パレットの奥側から突出したフォーク先端部が他の対象物に接触することを防止する。【解決手段】差込制御装置(1)は、荷役対象物を載置するパレットの画像と、該パレットの種類または奥行きとの対応関係を教師データとして機械学習させた学習済みモデルを用いて、対象パレットを撮影した画像から当該対象パレットの奥行きを特定する奥行き特定部(104)と、奥行き特定部(104)が特定した上記奥行きに基づき、上記対象パレットに対して荷役作業を行うフォークリフトのフォークの先端部を、上記対象パレットから所定の長さ以上突出することなく差し込むための所定の処理を行う差込制御部(105)と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、パレットに対してのフォークリフトのフォークの差し込みを制御する差込制御装置等に関する。
フォークリフトを用いて荷役作業を行う場合、まず、該フォークリフトの運転者(作業者)は、荷物を積載したパレットのフォークポケットにフォークを挿入する(フォーク差込操作)。そして、パレットごと荷物を持ち上げて、その荷物を運搬するという一連の操作を行う。これら一連の操作のうち、フォーク差込操作の難易度が特に高い。このため、運転者によっては、差し込んだフォークの先端がパレットから突出し、突出した先端部が他の対象物(例:他の荷物または壁)に接触する可能性がある。
そこで、フォーク差込操作を容易にするための技術が要求されている。下記特許文献1には、そのような技術の一例が開示されている。具体的には、特許文献1には、フォークの水平部の下面に、フォーク差し込み位置確認用の凹部を設けた構成が開示されている。この構成によれば、高所の荷物を運搬する場合に、フォークポケットへのフォークの差し込み深さを、運転者が視認することができる。
特開2018−39637号公報
但し、特許文献1の技術では、上記凹部をフォークの水平部の下面に設けているため、高所の荷物の運搬時に限って、差し込み深さを運転者に視認させることができるに過ぎない。従って、低所の荷物の運搬時には、依然としてフォークの先端が他の対象物に接触するおそれがある。
加えて、特許文献1の技術では、上記凹部とフォークポケットの位置関係から、フォークがフォークポケット内にどの程度まで差し込まれているかを、運転者に認識させることができるに過ぎない。従って、運転者がパレットの奥行きがどの程度の長さであるかを認識していなければ、適切な差込量で荷役作業を行うことは難しい。パレットの奥行きは、該パレットの種類によって相違しうるためである。例えば、あるパレットに対してフォークを凹部の位置までパレットに差し込んでもフォークの先端部が突出しないが、他のパレットに対してフォークを凹部の位置まで差し込んだ場合には該先端部が突出することもあり得る。
本発明の一態様は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、フォークを差し込む対象のパレットの奥側から突出したフォークの先端部が他の対象物に接触することを防止することができる差込制御装置等を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る差込制御装置は、荷役対象物を載置するパレットの画像と、該パレットの種類または奥行きとの対応関係を教師データとして機械学習させた学習済みモデルを用いて、対象パレットを撮影した画像から当該対象パレットの奥行きを特定する奥行き特定部と、上記奥行き特定部が特定した上記奥行きに基づき、上記対象パレットに対して荷役作業を行うフォークリフトのフォークの先端部を、上記対象パレットから所定の長さ以上突出することなく差し込むための所定の処理を行う差込制御部と、を備えている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る差込制御方法は、差込制御装置による差込制御方法であって、荷役対象物を載置するパレットの画像と、該パレットの種類または奥行きとの対応関係を教師データとして機械学習させた学習済みモデルを用いて、対象パレットを撮影した画像から当該対象パレットの奥行きを特定する奥行き特定ステップと、上記奥行き特定ステップにおいて特定された上記奥行きに基づき、上記対象パレットに対して荷役作業を行うフォークリフトのフォークの先端部を、上記対象パレットから所定の長さ以上突出することなく差し込むための所定の処理を行う差込制御ステップと、を含んでいる。
本発明の一態様によれば、対象パレットの奥側から突出したフォークの先端部が他の対象物に接触することを防止することができる。
本発明の実施形態1に係る差込制御装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 上記差込制御装置の処理の概要を説明するための図である。 上記差込制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る差込制御装置の処理の概要を説明するための図である。 上記差込制御装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態3に係る差込制御装置の処理の概要を説明するための図である。 上記差込制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
(概要)
実施形態1の差込制御装置1による処理の概要を図2に基づいて説明する。図2は、差込制御装置1による処理の概要を説明するための図である。なお、図2において、紙面の縦方向は現実の高さ方向(上下方向、鉛直方向)を、紙面の横方向は現実の水平方向をそれぞれ表す。特に、図2の例では、紙面の横方向はパレット800の奥行方向でもある。これらの点については、図4、6においても同様である。また、以下の説明において、単に「長さ」と記載した場合、「水平方向の長さ(奥行方向の長さ)」を意味する。
図2の例では、棚上に2つのパレット800(パレット800aと800b)が載置されており、各パレット800にはそれぞれ荷物(荷役対象物)900が載置されている。本明細書では、図2のパレット800aのように、フォークリフト6による荷役作業の対象とされているパレットを対象パレットと称する。なお、パレット800aと800bを区別する必要のないときには単に「パレット800」と記載する。
パレット800aの側面のうち、フォークリフト6の前面と対向する面には、フォークリフト6が備える一対のフォーク61に対応するように、一対のフォークポケットFPが開口している。フォークポケットFPは、水平方向にパレット800aを貫通しているので、フォークポケットFPの長さは、パレット800aの奥行き(図2の(a)の長さX)と等しい。
フォークリフト6は、荷役作業を行う作業用車両であり、前面に一対のフォーク61を備えている。図2では、フォーク61の長さ、より詳細にはフォーク61の基部(以下、フォーク基部と呼ぶ)から先端部(以下、フォーク先端部と呼ぶ)までの距離を「Y」としている。
図示のように、実施形態1では、フォークリフト6がリーチ車(リーチ式)である例を説明する。但し、本発明の一態様に係るフォークリフトは、リーチ車に限定されず、カウンタ車(カウンタ式)であってもよい。カウンタ車のフォークの差込制御を行う例については実施形態3で説明する。
また、フォークリフト6は、フォーク61を支持するマスト62を備えている。フォークリフト6は、リーチ車であるので、マスト62およびこれに支持されるフォーク61を水平方向前方に移動させることが可能である。以下では、フォークリフト6がマスト62およびフォーク61を水平方向前方に移動させる動作を「リーチ動作」と呼び、リーチ動作によりマスト62およびフォーク61が水平方向前方に移動した距離をリーチ量と呼ぶ。
なお、リーチ量は、図2の(a)に示すように、マスト62およびフォーク61が前出されていないリーチイン状態のフォークリフト6におけるマスト62およびフォーク61の位置を基準とした距離である。つまり、リーチイン状態ではリーチ量は0である。これに対し、図2の(b)には、マスト62およびフォーク61が前出されたリーチアウト状態のフォークリフト6が示されている。図2の(b)ではリーチ量は「a1」である。
差込制御装置1は、フォーク先端部をパレット800aから所定の長さ以上突出することなく差し込むための処理を行う装置である。この処理を行うにあたり、差込制御装置1は、パレット800aを撮影した画像から、パレット800aの奥行きを特定する。
撮影装置5は、上記画像、すなわちパレット800aが写った画像(図2の(a)の「IMG1」)を撮影する装置である。図2の例では、撮影装置5は、2つのフォーク基部の中間の位置に取り付けられている。つまり、撮影装置5はフォーク61と同じ高さに取り付けられている。また、撮影装置5は、撮影方向が水平方向となるように取り付けられている。この例のようにフォーク61の昇降に合わせて昇降する位置に撮影装置5を設置することにより、パレット800aを正面あるいは正面に近い方向から撮影することができるので好ましい。
なお、撮影装置5はパレット800aが撮影できる位置に取り付ければよく、図示の例に限られない。例えば、運転者が荷役作業を行おうとする場合には、該運転者は、パレット800aを注視すると考えられる。そこで、運転者の頭部に装着可能なウェアラブルデバイス(例:眼鏡型のウェアラブルデバイス)に、撮影装置5を設けてもよい。
図2の(a)に示されるように、差込制御装置1は、撮影装置5からIMG1を取得する。そして、差込制御装置1は、IMG1からパレット800aの奥行き「X」を特定する。差込制御装置1による奥行きの特定には、後述する学習済みモデル(学習済みモデルAまたはB)が使用される。
そして、図2の(b)に示されるように、差込制御装置1は、特定した奥行きに基づき、フォーク先端部を、パレット800a(より具体的には、フォークポケットFP)から所定の長さ以上突出することなく差し込むための処理(差込制御処理)を行う。
差込制御装置1によれば、学習済みモデルを用いることにより、奥行き「X」を高精度に特定することができる。その上で、差込制御処理により、フォーク先端部がパレット800aから所定の長さ以上突出しないようにする。これにより、パレット800aから突出したフォーク先端部が、パレット800b等の他の対象物に接触することを防止することができる。
なお、図2では、差込制御装置1が1台のフォークリフト6を制御する例を示しているが、差込制御装置1は複数のフォークリフト6を制御することもできる。この場合、差込制御装置1は、各フォークリフト6の対象パレットを撮影したIMG1を取得すればよい。また、図2では、差込制御装置1をフォークリフト6の外部に図示しているが、差込制御装置1はフォークリフト6に搭載または内蔵してもよい。
(差込制御装置の要部構成)
差込制御装置1の要部構成について図1に基づいて説明する。図1は、差込制御装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、差込制御装置1は、差込制御装置1の各部を統括して制御する制御部10と、差込制御装置1が使用する各種データを記憶する記憶部20と、差込制御装置1に対する入力操作を受け付ける入力部30とを備えている。また、制御部10には、撮影制御部101、入力データ生成部102、距離特定部103、奥行き特定部104、および差込制御部105が含まれている。
撮影制御部101は、撮影装置5を制御して上述のIMG1の撮影を行わせる。より詳細には、撮影制御部101は、フォーク61の高さをフォークポケットFPの高さに合わせる作業(以下、高さ位置合わせ作業と呼ぶ)が開始されたことを検出し、この検出を契機として撮影装置5にIMG1の撮影を行わせる。本実施形態では、フォークリフト6の運転者がフォーク61の昇降操作を行ったことが検出されたときに、高さ位置合わせ作業が開始されたとみなして撮影を行わせる例を説明する。フォーク61の昇降操作が行われたことは、例えばフォークリフト6と通信する等により検出することができる。
なお、図2の例のように、フォーク61の昇降に伴って撮影装置5の位置が変わる場合には、撮影制御部101は、昇降開始から終了までの期間において、撮影装置5に複数回撮影を行わせてもよい。この場合、差込制御装置1は、時系列で撮影された複数のIMG1からパレット800aの奥行きの特定を試みることになる。また、撮影制御部101は、複数回撮影を行う代わりに、撮影装置5に昇降開始から終了までの動画像を撮影させて、その動画像から抽出したフレーム画像をIMG1としてもよい。
無論、撮影の契機は上記の例に限定されず、例えば、撮影制御部101は、高さ位置合わせ作業の直後に行われることの多いフォーク61のティルト操作が検出されたときに撮影を行わせてもよい。また、例えば、撮影制御部101は、フォークリフト6が低速で前進および後退を行いながら、進行方向の微調整を行っている等の荷役作業の開始時に特有の態様でフォークリフト6が運転されていることを検出したときに撮影を行わせてもよい。
以上の各例のように、適切なタイミングで撮影を行わせることにより、撮影装置5の撮影回数や撮影時間を必要最小限に抑えることができる。そして、これにより、撮影されたIMG1を用いた差込制御装置1の処理回数や処理時間も必要最小限に抑えることができるので、差込制御装置1の負荷を抑えた効率的な処理が実現される。
(入力データ生成部と入力データについて)
入力データ生成部102は、奥行き特定部104が使用する学習済みモデルに入力する入力データを生成する。より詳細には、入力データ生成部102は、撮影装置5からIMG1を取得して、IMG1から入力データを生成する。本実施形態では、撮影装置5から取得したIMG1をそのまま入力データとする例を説明する。
IMG1は、後述する機械学習用の教師データに用いた画像と同様の撮影条件で撮影した画像であることが好ましい。上記撮影条件には、例えば、撮影装置5と、被写体(特にパレット800a)との位置関係、被写体の背景、および周囲の明るさ等が含まれる。撮影条件を揃えるため、例えば、教師データに用いた画像が、フォーク基部に固定した撮影装置で撮影された画像であれば、IMG1も図2の例のようにフォーク基部に固定した撮影装置5で撮影されたものとすることが好ましい。
なお、入力データはパレット800aの特徴が表れたデータであればよく、必ずしもIMG1をそのまま入力データとする必要はない。例えば、入力データ生成部102は、IMG1に対して所定の処理を施した画像を、入力データとしてもよい。上記所定の処理は、パレット800aの特徴を失わせることなく、該特徴と関係のない情報を減らすことができるものであればよい。例えば、IMG1がカラー画像である場合、入力データ生成部102は、該IMG1をグレースケール化したデータを入力データとしてもよい。あるいは、IMG1が動画像である場合、入力データ生成部102は、該IMG1を構成する一部のフレームを抽出し、該一部のフレームを入力データとしてもよい。
但し、入力データ生成部102は、入力データとして、教師データと同じ形式のデータを生成する必要がある。例えば、教師データがグレースケールの静止画像であれば、入力データ生成部102も入力データとしてグレースケールの静止画像を生成する必要がある。
(学習済みモデルAと奥行き特定部について)
奥行き特定部104は、機械学習により生成された学習済みモデルAを用いて、IMG1からパレット800aの種類を特定する。つまり、学習済みモデルAは、IMG1に写るパレット800aの種類を特定するためのモデルである。そして、奥行き特定部104は、例えば記憶部20等に予め記憶されている、パレットの種類毎の奥行きを示すデータ(例えば種類と奥行きとを対応付けたテーブル)に基づいて、パレット800aの奥行き(図2の「X」)を特定する。
学習済みモデルAの生成には、例えば、パレット800が写った画像から上記の入力データと同様にして生成した入力データと、該画像に写るパレット800の種類を示す正解データとを対応付けた教師データを用いることができる。機械学習においては、フォークリフト6が荷役作業の対象とする可能性がある、できるだけ多くの種類のパレット800について生成された教師データを用いることが好ましい。なお、学習済みモデルAのベースとなるアルゴリズムは特に限定されないが、教師データが静止画像である場合、学習済みモデルAには、高精度な種類特定が可能になるCNN(Convolutional Neural Network)を用いることが好ましい。
以上のようにして生成された学習済みモデルAに対し、入力データ生成部102が生成した入力データを入力すると、学習済みモデルAは、IMG1に写るパレット800aが、学習済みの各種類に該当する確率をそれぞれ示す出力データを出力する。奥行き特定部104は、この出力データに基づいて、パレット800aの種類を特定する。例えば、学習済みモデルAが、p1、p2、およびp3の3種類のパレット800について学習したものであるとする。この場合、出力データは、IMG1に写るパレット800aの種類がp1である確率、p2である確率、およびp3である確率をそれぞれ示すものとなる。この例では、奥行き特定部104は、例えばp1〜p3のうち最も高い確率の種類を、IMG1に写るパレット800aの種類として特定してもよい。
(距離特定部と差込制御部について)
距離特定部103は、フォークリフト6に設定された基準位置からパレット800aまでの水平方向距離を特定する。より詳細には、距離特定部103は、リーチイン状態のフォーク基部の位置からパレット800aまでの距離(図2の(a)の「z1」)を特定する。距離の特定の方法は特に限定されず、例えば距離特定部103は、IMG1を解析することにより上記距離を特定してもよいし、フォークリフト6に距離センサを搭載して該センサの検出値を取得することにより上記距離を特定してもよい。なお、上記基準位置は、フォークリフト6における任意の位置に設定すればよく、リーチイン状態のフォーク基部の位置に限られない。
差込制御部105は、奥行き特定部104が特定したパレット800aの奥行きに基づいてフォーク先端部をパレット800aから所定の長さ(以下、突出許容量と呼ぶ)以上突出することなく差し込むための処理である差込制御処理を行う。これにより、パレット800aから突出したフォーク先端部がパレット800bや壁などに接触することを防ぐことができる。これについて、再度図2を参照して説明する。
図2の(a)では、フォークリフト6をリーチイン状態でパレット800aの正面に停車している。この状態でフォークリフト6にリーチ動作を行わせて、同図の(b)に示すようにフォークリフト6をリーチアウト状態とする。これにより、フォーク61は、フォークポケットFPに差し込まれる。差込制御部105は、このリーチ動作におけるリーチ量の上限を以下のようにして決定する。
図2では、フォーク61の長さを「Y」としているから、図2の(a)の状態からリーチ動作を行った場合、フォーク61の先端は、上述の基準位置から「Y+リーチ量」だけ水平方向前方の位置となる。よって、図2の(b)のように、フォーク先端部がフォークポケットFPの奥側から突出するまでフォーク61を挿入した状態において、フォーク61の突出量が上述の突出許容量を超えないようにするためには、リーチ量「a1」が下記の数式(1)を満たすようにすればよい。
a1≦(z1+X+Pmax)−Y …(1)
数式(1)において、「z1」は、距離特定部103が特定した、上記基準位置からパレット800aまでの水平方向距離であり、「X」は、奥行き特定部104が特定したパレット800aの奥行きであり、「Pmax」は、突出許容量である。なお、突出許容量は0としてもよい(数式(1)において「Pmax」の項を削除してもよい)が、ある程度の突出が許容できる場合には突出許容量を正の値とすることが好ましい。
差込制御部105は、数式(1)の右辺と左辺の値が等しくなるときの「a1」の値を、リーチ量の上限として決定する。そして、差込制御部105は、この上限を超えないようにフォークリフト6のリーチ動作を制御する。この制御は、リーチ量が上限を超えないようにすることが可能なものであればよい。本実施形態では、差込制御部105が、リーチ量が上限に達した後は、リーチ動作を継続するように運転手による操作がなされていたとしても、リーチ動作を行わないようにフォークリフト6を制御する、つまりリーチ量が上限に達したときにリーチ動作を終了させる例を説明する。
リーチ量が上記の上限を超えないようにすることにより、パレット800aから突出したフォーク先端部がパレット800b等に接触することを防ぐことができる。なお、上述のとおり、差込制御部105の制御は、リーチ量が上限を超えないようにすることが可能なものであればよく、上述の例に限られない。例えば、差込制御部105は、リーチ量が上限に近付くにつれて、リーチ操作を行うための操作レバーから運転者の手にかかる反発力を大きくする制御を行ってもよい。このような制御によっても、リーチ量が上限を超えることを防ぐことができる。
また、差込制御部105は、フォークリフト6以外の機器を制御することにより、リーチ量が上限を超えないようにしてもよい。例えば、差込制御部105は、音声を出力する音声出力装置を制御して、リーチ量の上限を知らせるメッセージを出力させてもよいし、リーチ量が上限に近付いたときにその旨を知らせるメッセージを出力させてもよい。また、このようなメッセージは、上記のような音声による聴覚的な提示に加えて、あるいは聴覚的な提示の代わりに、表示装置に表示させることによって視覚的に提示してもよい。また、視覚的な提示は、警報ランプの点灯等によるものであってもよい。この他にも、例えばリーチ量が上限に近付いたときに振動体を振動させる等、リーチ量が上限に近付いたことを触覚的に運転者に認識させてもよい。なお、上記の音声出力装置、表示装置、および振動体等の装置は、差込制御装置1が備えていてもよいし、差込制御装置1の外部の装置であってもよい。
(処理の流れ)
差込制御装置1が実行する処理の流れを図3に基づいて説明する。図3は、差込制御装置1が実行する処理(差込制御方法)の一例を示すフローチャートである。
S1では、撮影制御部101は、フォーク61の高さ位置合わせ作業が開始されたか否かを判定する。ここで高さ位置合わせ作業が開始されたと判定された場合(S1でYES)、S2に進む。他方、高さ位置合わせ作業が開始されていないと判定された場合(S1でNO)、S1に戻り、同様の処理を繰り返す。
S2では、撮影制御部101は、撮影装置5にIMG1を撮影させる。そして、入力データ生成部102は、撮影装置5からIMG1を取得し、入力データを生成する。実施形態1では、上述の通り、入力データ生成部102は、IMG1をそのまま入力データとして用いる。
S3では、奥行き特定部104は、S2で生成された入力データを学習済みモデルAに入力し、その出力データに基づいてパレット800aの種類を特定する。そして、S4(奥行き特定ステップ)では、奥行き特定部104は、S3で特定した種類に基づいてパレット800aの奥行き「X」を特定する。
S5では、距離特定部103は、リーチイン状態のフォークリフト6におけるフォーク基部の位置からパレット800aまでの距離「z1」を特定する。そして、S6では、差込制御部105は、S4で特定された奥行き「X」と、S5で特定された距離「z1」と、所定の突出許容量「Pmax」を上述の数式(1)に代入してリーチ量の上限を決定する。
最後に、S7(差込制御ステップ)において、差込制御部105は、S6で決定した上限を超えないようにフォークリフト6のリーチ動作を制御する。これにより、図3の処理は終了する。
(実施形態1のまとめ)
以上のように、奥行き特定部104は、学習済みモデルA(パレットの画像とパレットの種類との対応関係を教師データとして機械学習させた学習済みモデル)を用いて、IMG1からパレット800aの奥行き「X」を特定する。そして、差込制御部105は、奥行き「X」に基づき、フォーク先端部を、パレット800aから突出許容量「Pmax」以上突出することなく差し込むための差込制御処理を行う。差込制御装置1は、学習済みモデルAを用いるので、パレット800aの種類を高精度に特定して、正確な奥行き「X」を特定することができる。その上で、差込制御処理により、フォーク先端部の突出長さを突出許容量「Pmax」以下に制限する。このため、フォーク先端部が他の対象物に接触することを防止することができる。
より具体的には、実施形態1では、差込制御部105は、フォークリフト6に設定された基準位置からパレット800aまでの水平方向距離「z1」と、奥行き「X」と、突出許容量「Pmax」との和から、上記基準位置からフォーク先端部までの距離(Y)を引いた値を超えないように、リーチ量「a1」を制御する。つまり、実施形態1における上記差込制御処理は、上述の数式(1)を充足するリーチ量「a1」の上限を設定する処理である。これにより、リーチ動作によってフォーク先端部が他の対象物に接触することを防止できる。
〔学習済みモデルの他の例〕
上述した学習済みモデルA(パレット800aの種類を特定するためのモデル)の代わりに、別の学習済モデルを用いることも可能である。例えば、パレットの画像とパレットの奥行きとの対応関係を機械学習させた学習済みモデル(以下、学習済みモデルBと呼ぶ)を用いてもよい。上記機械学習には、奥行きの異なる複数のパレットについて、そのパレットの画像に対し、そのパレットの奥行きを示す正解データを対応付けた教師データを用いることができる。
この場合、奥行き特定部104は、入力データ生成部102が生成した入力データを学習済みモデルBに入力することにより、パレット800aの奥行き「X」を直接特定することができる。学習済みモデルBを用いた場合にも、実施形態1と同様の効果を奏する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。実施形態3以降も同様である。
(概要)
図4は、実施形態2の差込制御装置2による処理の概要について説明するための図である。差込制御装置2は、実施形態1の差込制御装置1と同様の機能を備えていると共に、荷役作業において二段取りを行う必要があるか否かを判定する機能を備えている。二段取りとは、荷役作業において、パレットのフォークポケットにフォークを差し込み、パレットをフォークに引っ掛けるようにして手前に引き寄せた後、改めてパレットにフォークを差し込み直して荷役対象物を持ち上げることを指す。二段取りは、荷役対象物が奥まった位置にある等の事情により、フォークをフォークポケットの十分深くまで差し込むことができない場合に行われる。
ここで、図4の例では、棚上のやや奥まった位置(棚のフォークリフト6に面した端部から離れた位置)にパレット800aが配置されている。図4では、図2と同様に、リーチ式のフォークリフト6を例示している。このフォークリフトのリーチ量の最大値を「amax」とすると、図4に示すリーチイン状態から、フォーク61は最大で「amax」だけフォークリフト6の前方に向けて水平移動する。
差込制御装置2は、リーチ量を「amax」としても、パレット800aへのフォーク61の差込量が、パレット800aおよび荷物900を持ち上げるのに十分ではない場合に、二段取りが必要であると判定する。二段取りが必要であると判定した差込制御装置2は、その旨をフォークリフト6の運転者に報知して、二段取りが必要であることを認識させることができる。これにより、二段取りが必要な状況において、無理に1回で荷役作業を行おうとして荷崩れを発生させる等の問題の発生を回避することができる。
なお、上記「差込量」とは、フォークリフト6に面するパレット800aの側面からフォーク先端部までの距離(フォーク先端部がフォークポケットFPに入った時点から水平方向に移動した距離)を指す。例えば、図2の(a)のように、フォーク先端部がフォークポケットFP内に位置している場合、差込量「y1」はフォークポケットFP内にあるフォーク61の長さに等しい。図4の例における差込量は「y3」である。また、図2の(b)のように、フォーク先端部がフォークポケットFPの外まで突き出している場合には、差込量「y2」はフォークポケットFPの奥行きと、フォークポケットFPの奥側に突き出している部分のフォーク61の長さとの和に等しい。なお、フォークポケットFPは、パレット800aを貫通しているから、フォークポケットFPの奥行き(長さ)は、パレット800aの奥行き「X」に等しい。
(差込制御装置の要部構成)
図5は、実施形態2の差込制御装置2の制御部10の構成例を示すブロック図である。制御部10以外の構成は図1の差込制御装置1と同様である。図5に示されるように、差込制御装置2の制御部10には、二段取り要否判定部121が含まれている。二段取り要否判定部121は、奥行き特定部104が特定した奥行きに基づき、パレット800aに対する荷役作業にて二段取りが必要であるか否かを判定する。以下では、再度図4を参照して、二段取り要否判定部121の判定について説明する。
上述のように、二段取りは、パレット800aへのフォーク61の差込量が十分ではないときに必要となるから、二段取り要否判定部121は、二段取りの要否を判定するにあたり、まず上述の差込量を算出する。
パレット800aとフォークリフト6との水平方向距離を算出するための、フォークリフト6上の基準位置を上記実施形態と同様にフォーク基部の位置とした場合、図4に示すようなリーチイン状態における差込量は下記の数式(2)で表すことができる。
y3=Y−z3 …数式(2)
数式(2)において「y3」は差込量、「Y」はフォーク61の長さ、「z3」はフォーク基部の位置からパレット800aまでの水平方向距離である。なお、「Y」は予め測定しておけばよく、「z3」は距離特定部103が特定する。
よって、リーチ量を最大の「amax」としたときの差込量「ymax」は、下記の数式(3)で表すことができる。
max=y3+amax …数式(3)
次に、二段取り要否判定部121は、上記のようにして算出した差込量「ymax」が、パレット800aの奥行き「X」に対して十分であるか否か、すなわち二段取りを行う必要があるか否かを判定する。この判定の基準は特に限定されず、例えば、二段取り要否判定部121は、奥行き「X」に対する差込量「ymax」の比が閾値未満であれば、二段取りを行う必要があると判定してもよい。例えば、二段取り要否判定部121は、(ymax/X)の値が0.8未満であれば二段取りを行う必要があると判定し、0.8以上であれば二段取りは不要と判定してもよい。
そして、二段取り要否判定部121は、二段取りを行う必要があると判定した場合には、その旨をフォークリフト6の運転者に報知する。報知の態様、報知に用いる装置等は特に限定されない。一方、二段取り要否判定部121が二段取りを行う必要がないと判定した場合には、実施形態1と同様に、差込制御部105による処理が行われる。
(実施形態2のまとめ)
以上のように、実施形態2の差込制御装置2は、奥行き「X」に基づき、パレット800aに対する荷役作業にて二段取りの要否を判定する二段取り要否判定部121を備えている。したがって、二段取り要否の判定結果を用いることにより、二段取りが必要な状況で一段取りがなされることを防止できる。その結果、例えば、無理な一段取りによって荷崩れが発生することを防止できるので、荷役作業の安全性を向上させることが可能となる。
(参考例)
差込制御装置2の制御部10から差込制御部105を除いて、二段取りの要否を判定する二段取り要否判定装置を構成することもできる。二段取り要否判定装置は、パレット800aの奥行きを特定する奥行き特定部104と、特定された奥行きに基づき、パレット800aに対する荷役作業における二段取りの要否を判定する二段取り要否判定部121を少なくとも備えた装置である。この二段取り要否判定装置によれば、無理な一段取りによって荷崩れが発生することを防止できるので、荷役作業の安全性を向上させることが可能となる。
〔実施形態3〕
本実施形態では、差込制御装置3により、カウンタ車のフォークリフトの荷役作業における差込制御を行う例を図6および図7に基づいて説明する。図6は、実施形態3における処理の概要について説明するための図である。また、図7は、差込制御装置3が実行する処理(差込制御方法)の一例を示すフローチャートである。なお、差込制御装置3の構成は、実施形態1の差込制御装置1(図1参照)と同様である。
図6に示すフォークリフト6Aは、カウンタ式のフォークリフト、すなわちカウンタ車である。フォークリフト6Aの備えるマスト62Aは、図2のフォークリフト6が備えるマスト62とは異なり、水平方向に非可動である。このため、フォークリフト6Aによる荷役作業では、フォーク61をフォークポケットFPに正対した状態とした上で、フォークリフト6Aを前進させることにより、フォーク61をフォークポケットFPに差し込む。
このため、差込制御装置3は、フォークリフト6Aを前進させる距離を制御することにより、パレット800aから突出したフォーク先端部が他の荷物や壁など(図6の例ではパレット800b)に接触することを防ぐ。差込制御装置3は、リーチ量ではなく前進距離を制御する点で差込制御装置1と相違しているが、処理の内容は概ね同様である。
すなわち、図7に示すように、差込制御装置3においても、高さ位置合わせ開始時にパレット800aの画像を取得して入力データを生成する(S1、S2)。そして、差込制御装置3においても、上記入力データを学習済みモデルに入力してパレット800aの種類を特定すると共にその奥行きを特定し(S3、S4)、さらにパレット800までの距離を特定する(S5)。なお、図6の(a)の例では、S4で特定される奥行きを「X」、S5で特定される距離を「z1」としている。
図7のS16では、差込制御部105は、S4で特定された奥行き「X」と、S5で特定された距離「z1」と、所定の突出許容量「Pmax」を下記数式(4)に代入して前進距離「b1」の上限を決定する。なお、数式(4)の右辺は数式(1)の右辺と同じであるから、数式(4)を用いて算出した「b1」の上限は、実施形態1におけるリーチ量の上限と同じ値となる。
b1≦(z1+X+Pmax)−Y …(4)
フォークリフト6Aの前進距離「b1」(図6の(b)参照)が上記の上限を超えなければ、パレット800aの奥側からフォーク先端部が突出許容量「Pmax」を超えて突出することはない。よって、パレット800aから突出したフォーク先端部がパレット800b等に接触することを防ぐことができる。
最後に、S17(差込制御ステップ)において、差込制御部105は、S16で決定した上限を超えないようにフォークリフト6の前進動作を制御する。これにより、図7の処理は終了する。
S17の制御は、前進距離「b1」が上限を超えないようにすることが可能なものであればよい。例えば、差込制御部105は、前進距離が上限に達した後は、運転手がフォークリフト6Aを前進させる操作を継続していたとしても、前進を停止するようにフォークリフト6を制御してもよい。つまり、差込制御部105は、前進距離が上限に達した時点でフォークリフト6を停車させてもよい。なお、フォークリフト6Aの前進距離の特定方法は特に限定されず、例えばフォークリフト6Aが備える走行距離計から取得してもよいし、距離特定部103が特定する距離に基づいて特定してもよい。
この他にも、例えば、差込制御部105は、前進距離「b1」が上限に近付くにつれて、アクセルペダルから運転者の足にかかる反発力を大きくする制御を行ってもよい。このような制御によっても、上限を超えてフォークリフト6Aが前進することを防ぐことができる。また、実施形態1と同様に、差込制御部105は、フォークリフト6A以外の機器を制御することにより、前進距離「b1」が上限を超えないようにしてもよい。
(実施形態3のまとめ)
以上のように、差込制御装置1は、カウンタ車としてのフォークリフト6Aに対しても、差込制御処理を行うことができる。より具体的には、実施形態1では、差込制御部105は、フォークリフト6に設定された基準位置からパレット800aまでの水平方向距離(z1)と、Xと、Pmaxとの和から、上記基準位置からフォーク先端部までの距離(Y)を引いた値を超えないように、前進距離を制御する。つまり、実施形態3の差込制御処理には、上述の数式(4)を充足する前進距離「b1」の上限を設定する処理が含まれる。実施形態3の差込制御処理によっても、フォーク先端部の突出長さをPmax以下に制限できるので、実施形態1と同様に、フォーク先端部が他の対象物に接触することを防止できる。
なお、リーチ車による荷役作業において、フォークをリーチアウト状態としてから、フォークリフトを前進させて、フォークをフォークポケットに差し込むこともある。このような場合には、本実施形態と同様に、リーチ量ではなく前進距離について制御を行えばよい。また、リーチ量と前進距離の合計が上限を超えないように制御してもよい。
(二段取りの要否判定について)
カウンタ式のフォークリフトについても、二段取り要否判定部121によって、実施形態2と同様にして二段取りの要否判定を行うことができる。以下、カウンタ式のフォークリフトにおける二段取りの要否判定について、再度図6を参照して説明する。
カウンタ式のフォークリフト6Aではリーチ量を考慮する必要はないが、その代わりにフォークリフト6Aが前進可能な距離を考慮して二段取りの要否判定を行う。具体的には、二段取り要否判定部121は、下記数式(5)により、図6の(a)の状態(フォークリフト6Aを前進させる余地のある状態)における、フォーク61の差込量を算出する。なお、下記数式における「Y」はフォーク61の長さであるから予め測定しておけばよく、「z1」としては距離特定部103が特定した距離を用いればよい。
y1=Y−z1 …数式(5)
よって、上記状態からフォークリフト6Aを前進させることが可能な距離の最大値を「bmax」とすると、差込量の最大値「ymax」は、下記の数式(6)で表すことができる。なお、「bmax」としては、例えばフォークリフト6Aからフォークリフト6Aの前方の障害物(フォークリフト6Aの前進の妨げとなるもの。図6の例ではパレット800が載置された棚)までの距離を用いればよい。この距離の特定方法は特に限定されず、例えば距離特定部103がパレット800aまでの距離を特定する方法と同様の方法で特定してもよい。
max=y1+bmax …数式(6)
この後の処理は実施形態2と同様であり、二段取り要否判定部121は、上記のようにして算出した差込量「ymax」が、パレット800aの奥行き「X」に対して十分であるか否か、すなわち二段取りを行う必要があるか否かを判定する。
〔変形例:差込量に基づく制御〕
実施形態1では、フォーク先端部がパレット800aから突出許容量を超えて突出しないようなリーチ量を算出する例を説明し、実施形態3ではフォーク先端部がパレット800aから突出許容量を超えて突出しないような前進距離を算出する例を説明した。ここでは、リーチ量または前進距離の上限を算出する代わりに、フォーク61の差込量に基づいてフォーク先端部がパレット800aから突出許容量を超えて突出しないように制御する例を説明する。
上述のように、フォーク61の差込量は、フォーク61の長さから、フォーク基部からパレット800aの側面(フォークリフト6と対向する面)までの距離を引いた値となる(数式(2)、(5)参照)。よって、フォークの差込量を「y」とし、突出許容量を「Pmax」とし、パレット800aの奥行きを「X」としたとき、差込量「y」が、奥行き「X」と突出許容量「Pmax」との和を超えないようにするためには、差込量「y」を下記の数式(7)を満たす範囲とすればよい。
y≦X−Pmax …(7)
ここで、フォーク61の長さを「Y」とし、フォーク基部からパレット800aの側面までの距離を「z」とすると、y=Y−zと表される。よって、上記数式(7)は下記数式(8)のように書き換えることができる。
z≧Y+Pmax−X …(8)
以上より、差込制御部105は、距離「z」が数式(8)の右辺の値を超えないようにフォークリフト6または6Aを制御することにより、フォーク先端部がパレット800aから突出許容量を超えて突出しないようにすることができる。
ここで、距離「z」は、距離特定部103が算出する。このため、例えば差込制御部105は、距離特定部103が逐次算出する「z」の値を監視してもよい。そして、差込制御部105は、距離「z」の値が数式(8)の右辺の値と等しくなったときに、それ以上の差し込みが行われないようにフォークリフト6または6Aを制御してもよい。
なお、この制御については、実施形態1、3の制御と同様である。また、差込制御部105が、フォークリフト6また6A以外の機器を制御することにより、距離「z」の値が数式(8)の右辺の値未満となるような差し込みが行われないようにしてもよいことも実施形態1、3と同様である。
また、差込制御部105は、実施形態1で挙げた例の他、レーザ光をフォーク61のブレード表面に照射する等により、フォーク基部から(Y+Pmax−X)の距離の位置に、フォーク61の差し込みの上限を示す目印を投影してもよい。このような態様であっても、フォーク61を安全に差し込むことができる差込量の範囲を運転者に認識させることができる。
以上のように、本変形例における差込制御部105は、フォーク61のパレット800aへの差込量が、奥行き特定部104が特定した奥行き「X」と突出許容量「Pmax」との和を超えないように、フォーク61の差し込み動作を制御する。これにより、パレット800aから突出したフォーク先端部が他の荷物や壁などに接触することを防ぐことができる。
〔自動差し込み〕
上記各実施形態では、運転者が差し込み操作(リーチ動作またはフォークリフトを前進させる操作)を行う例を説明したが、本発明の一態様に係る差込制御装置は、運転者の操作によらず自動で差し込みを行ってもよい。例えば、実施形態1の差込制御装置1は、算出した上限までリーチ動作を行うようにフォークリフト6を制御してもよい。また、実施形態3の差込制御装置3は、算出した上限の距離だけフォークリフト6Aを前進させてもよい。当該構成によれば、自動でフォークリフトにフォーク差込操作を行わせることができる。
〔分散処理について〕
上記各実施形態で説明した差込制御装置1〜3の実行する処理の一部は、差込制御装置1〜3と通信接続された1または複数の装置に実行させてもよい。例えば、奥行き特定部104の実行する処理の一部を、差込制御装置1〜3と通信接続されたAIサーバに実行させてもよい。この場合、差込制御装置1〜3は、入力データをAIサーバに送信し、該AIサーバから出力データを受信して、パレット800aの奥行きを特定する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
差込制御装置1〜3の制御ブロック(特に制御部10に含まれる各部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、差込制御装置1〜3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1〜3 差込制御装置
6 フォークリフト(リーチ車)
6A フォークリフト(カウンタ車)
61 フォーク
104 奥行き特定部
105 差込制御部
121 二段取り要否判定部
800a パレット(対象パレット)
900 荷物(荷役対象物)
IMG1 画像(対象パレットを撮影した画像)

Claims (6)

  1. 荷役対象物を載置するパレットの画像と、該パレットの種類または奥行きとの対応関係を教師データとして機械学習させた学習済みモデルを用いて、対象パレットを撮影した画像から当該対象パレットの奥行きを特定する奥行き特定部と、
    上記奥行き特定部が特定した上記奥行きに基づき、上記対象パレットに対して荷役作業を行うフォークリフトのフォークの先端部を、上記対象パレットから所定の長さ以上突出することなく差し込むための所定の処理を行う差込制御部と、を備えていることを特徴とする差込制御装置。
  2. 上記所定の処理は、上記フォークリフトに設定された基準位置から上記対象パレットまでの水平方向距離と、上記奥行き特定部が特定した奥行きと、上記所定の長さとの和から、上記基準位置から上記フォークの先端までの水平方向距離を引いた値を超えないように、上記フォークのリーチ量を制御する処理であることを特徴とする請求項1に記載の差込制御装置。
  3. 上記所定の処理は、上記フォークリフトに設定された基準位置から上記対象パレットまでの水平方向距離と、上記奥行き特定部が特定した奥行きと、上記所定の長さとの和から、上記基準位置から上記フォークの先端までの水平方向距離を引いた値を超えないように、上記フォークリフトが上記対象パレットに向かって進む距離を制御する処理であることを特徴とする請求項1に記載の差込制御装置。
  4. 上記所定の処理は、上記フォークの上記対象パレットへの差込量が、上記奥行き特定部が特定した奥行きと上記所定の長さとの和を超えないように、上記フォークリフトによる上記フォークの差し込み動作を制御する処理であることを特徴とする請求項1に記載の差込制御装置。
  5. 上記奥行き特定部が特定した奥行きに基づき、上記対象パレットに対する荷役作業にて二段取りの要否を判定する二段取り要否判定部を備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の差込制御装置。
  6. 差込制御装置による差込制御方法であって、
    荷役対象物を載置するパレットの画像と、該パレットの種類または奥行きとの対応関係を教師データとして機械学習させた学習済みモデルを用いて、対象パレットを撮影した画像から当該対象パレットの奥行きを特定する奥行き特定ステップと、
    上記奥行き特定ステップにおいて特定された上記奥行きに基づき、上記対象パレットに対して荷役作業を行うフォークリフトのフォークの先端部を、上記対象パレットから所定の長さ以上突出することなく差し込むための所定の処理を行う差込制御ステップと、を含んでいることを特徴とする差込制御方法。
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