JP2020044539A - 打抜き加工方法 - Google Patents

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元 河原崎
圭佑 宮永
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圭佑 宮永
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大悟 田頭
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【課題】複数の板状部材の硬度を設定することなく複数の板状部材の曲げ変形を抑制する。【解決手段】複数の板状部材71〜75のうち、最もダイス3側に配置される板状部材75以外の全ての板状部材71〜74のそれぞれに、パンチ2からダイス3に見て同じ位置に、通気孔71b〜74bを形成する工程(ステップS1)と、複数の板状部材71〜75を重ね合わせる工程(ステップS2)と、重ね合わせられた複数の板状部材71〜75を、パンチ2及びダイス3を用いて配置する工程(ステップS3)と、パンチ2及びダイス3を用いて配置された複数の板状部材71〜75を、パンチ2に接続された吸引機構5を用いて通気孔71b〜74bを吸引しつつ、パンチ2を用いて複数の板状部材71〜75を打抜く工程(ステップS4)と、を備える、打抜き加工方法。【選択図】図4

Description

本発明は、打抜き加工方法に関する。
板状部材を打抜き加工する方法として、重ね合わせられた複数の板状部材を、パンチを用いて打抜き加工する方法が知られている。
特許文献1には、重ね合わされた状態において下側から2枚目の電磁鋼板及び電磁鋼板より上側に位置する電磁鋼板のビッカース硬度を、180HV以上、且つ、重ね合わされた状態において最も下側の電磁鋼板のビッカース硬度より10HV以上高くすることを特徴とする打抜き加工方法が開示されている。
特開2018−057158号公報
発明者らは、打抜き加工方法に関し、以下の課題を見出した。
特許文献1に開示されている打抜き加工方法では、重ね合わせる電磁鋼板の硬度を所定の値に設定し、打抜きする際における電磁鋼板の曲げ変形を抑制している。このように、硬度が所定の値の複数の板状部材を準備する必要がある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、複数の板状部材の硬度を設定することなく複数の板状部材の曲げ変形を抑制可能な打抜き加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する一態様は、重ね合わせられた複数の板状部材を、パンチ及びダイスを有するプレス機を用いて打抜き加工する方法であって、前記複数の板状部材のうち、最も前記ダイス側に配置される板状部材以外の全ての板状部材のそれぞれに、前記パンチから前記ダイスに見て同じ位置に、通気孔を形成する工程と、前記複数の板状部材を重ね合わせる工程と、重ね合わせられた前記複数の板状部材を、前記パンチ及び前記ダイスを用いて配置する工程と、前記パンチ及び前記ダイスを用いて配置された複数の板状部材を、前記パンチに接続された吸引機構を用いて前記通気孔を吸引しつつ、前記パンチを用いて前記複数の板状部材を打抜く工程と、を備える。
本発明に係る打抜き加工方法は、複数の板状部材のうち、最もダイス側に配置される板状部材以外の全ての板状部材のそれぞれに、パンチからダイスに見て同じ位置に、通気孔を形成する工程と、複数の板状部材を重ね合わせる工程と、重ね合わせられた複数の板状部材を、パンチ及びダイスを用いて配置する工程と、パンチ及びダイスを用いて配置された複数の板状部材を、パンチに接続された吸引機構を用いて通気孔を吸引しつつ、パンチを用いて複数の板状部材を打抜く工程と、を備える。複数の板状部材を打抜く際にパンチに接続された吸引機構を用いて通気孔を吸引すると、複数の板状部材の打抜き部分に、ダイスからパンチに向かう方向に働く力が付与される。したがって、複数の板状部材の硬度を設定することなく、複数の板状部材を打抜く際に発生する複数の板状部材の曲げ変形を抑制することができる。
本発明によれば、複数の板状部材の硬度を設定することなく複数の板状部材の曲げ変形を抑制可能な打抜き加工方法を提供することができる。
本実施の形態に係る打抜き加工方法を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る打抜き加工装置の模式断面図である。 プレス機の模式断面図である。 複数の板状部材を打抜く際におけるプレス機の模式断面図である。 打抜き部分を排出する際におけるプレス機の模式断面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
まず、図1〜3を参照して、本実施の形態に係る打抜き加工方法を行うことができる装置(本実施の形態に係る打抜き加工装置)の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る打抜き加工方法を示すフローチャートである。図2は、本実施の形態に係る打抜き加工装置の模式断面図である。図3は、プレス機の模式断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る打抜き加工方法は、少なくとも、形成する工程(ステップS1)、重ね合わせる工程(ステップS2)、配置する工程(ステップS3)、打抜く工程(ステップS4)を備え、さらに排出する工程(ステップS5)等の工程を備えていてもよいものとする。
図2に示すように、打抜き加工装置1は、通気孔形成機構8、ローラ4、及びプレス機6を備える。図2に示すように、通気孔形成機構8は、レーザ81〜84を備える。なお、図2には、打抜き加工装置1に加えて、複数の板状部材71〜75を図示している。また、図2において、矢印は、複数の板状部材71〜75の進行方向を示す。図3に示すように、プレス機6は、少なくとも、パンチ2、ダイス3、及び吸引機構5を備え、さらに押さえ4を備えていてもよいものとする。なお、図3には、プレス機6に加えて、複数の板状部材71〜75を図示している。
本発明は、板状部材が2枚以上であれば適用可能である。本実施の形態では、図2及び図3に示すように、板状部材が5枚である場合について説明を行う。複数の板状部材71〜75は、例えば鋼等の金属から構成される。図2に示す打抜き加工装置1は、複数の板状部材71〜75を、単一の装置内において打抜き加工することができる。
複数の板状部材71〜75は、例えば金属製である。複数の板状部材71〜75は、同一の材料から構成されてもよいし、異なる材料から構成されてもよい。すなわち、複数の板状部材71〜75の硬度は、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。複数の板状部材71〜75は、例えば、密度7.8×10−6kg/mmの金属材から構成される。複数の板状部材71〜75の厚みは、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。複数の板状部材71〜75の厚みは、例えば、それぞれ0.025mmとすることができる。複数の板状部材71〜75は、例えば車載用モータを構成する電磁コアに好適である。
通気孔形成機構8は、レーザ81〜84を備える。レーザ81〜84は、板状部材71〜74をそれぞれレーザ照射し、図3に示す通気孔71b〜74bを形成することができる。通気孔71b〜74bが形成された板状部材71〜74は、板状部材75と共に、ローラ4に挟圧されて、重ね合わせられる。通気孔71b〜74bは、複数の板状部材71〜75が重ね合わせられた際に、板状部材71から板状部材75に見て同じ位置に形成される。
重ね合わせられた複数の板状部材71〜75は、プレス機6において打抜き加工される。図3に示すように、重ね合わせられた複数の板状部材71〜75は、プレス機6において打抜き加工される際に、板状部材71がパンチ2に接触すると共に板状部材75がダイス3に接触するように配置される。パンチ2には、通気孔2bが形成されている。重ね合わせられた複数の板状部材71〜75を配置する際には、図3に示すように、パンチ2に形成された通気孔2bが板状部材71に設けられた通気孔71bに対応するように、パンチ2を配置する。
ダイス3には、図3に示すように、貫通孔3bが形成されている。貫通孔3bの形状は、パンチ2の形状に対応している。重ね合わせられた複数の板状部材71〜75を配置する際には、ダイス3に形成された貫通孔3bにパンチ2が対応するように、重ね合わせられた複数の板状部材71〜75を配置する。
パンチ2には、吸引機構5が接続されている。吸引機構5は、パンチ2に形成された通気孔2bを吸引及び吐出可能である。吸引機構5の形状は特に限定されない。吸引機構5は、例えば図3に示すように、パンチ2に形成された通気孔2bのすべてを1つの孔から吸引してもよい。また、吸引機構5は、パンチ2に形成された通気孔2bのそれぞれに対応したノズル等から吸引してもよい。
プレス機6は、パンチ2、ダイス3、及び吸引機構5に加えて、押さえ4を備えていてもよい。押さえ4は、図3に示すように、パンチ2の周囲を覆うことができる形状の板状部材である。押さえ4は、板状部材71に接触するように配置される。
次に、図1〜5を参照して、本実施の形態に係る打抜き加工方法について、説明する。本実施の形態に係る打抜き加工方法では、形成する工程(ステップS1)を行う。形成する工程(ステップS1)では、複数の板状部材71〜75のうち、打抜きする工程(ステップS4)において最もダイス3側に配置される板状部材75以外のすべての板状部材71〜74に、図3に示す通気孔71b〜74bを形成する。
形成する工程(ステップS1)は、板状部材71〜74に通気孔71b〜74bを形成可能な方法であれば、どのような方法で行われてもよい。形成する工程(ステップS1)では、例えば、図2に示すように、通気孔形成機構8が備えるレーザ81〜84を用いて通気孔71b〜74bを形成してもよい。また、レーザ81〜84に代えて図示しないパンチを通気孔形成機構8に設け、図示しないパンチを用いて板状部材71〜74を打抜き、通気孔71b〜74bを形成してもよい。
通気孔71b〜74bは、図3に示すように、複数の板状部材71〜75を重ね合わせた際に、パンチ2からダイス3に見て同じ位置に形成される。また、パンチ2には、図3に示すように、通気孔71b〜74bに対応する位置に通気孔2bが設けられている。通気孔71b〜74bは、図3に示すように複数形成されてもよいし、それぞれ1つ形成されてもよい。通気孔71b〜74bは、打抜き加工後の複数の板状部材71〜75の機能に影響を与えない部分に形成される。
本実施の形態に係る打抜き加工方法では、重ね合わせる工程(ステップS2)を行う。重ね合わせる工程(ステップS2)では、複数の板状部材71〜75を重ね合わせる。重ね合わせる工程(ステップS2)では、例えば、ローラ4を用いて複数の板状部材71〜75を重ね合わせる。
図2に示す例では、形成する工程(ステップS1)を行った後に、重ね合わせる工程(ステップS2)を行う。しかしながら、形成する工程(ステップS1)は、重ね合わせる工程(ステップS2)を行った後に行われてもよい。すなわち、複数の板状部材71〜75を重ね合わせた状態で、板状部材71〜74に通気孔71b〜74bを形成してもよい。また、板状部材71〜74を重ね合わせた状態で通気孔71b〜74bを形成した後に、板状部材71〜74と板状部材75とを重ね合わせてもよい。
形成する工程(ステップS1)及び重ね合わせる工程(ステップS2)を行った後に、配置する工程(ステップS3)を行う。配置する工程(ステップS3)では、パンチ2及びダイス3を用いて、重ね合わせられた複数の板状部材71〜75を配置する。配置する工程(ステップS3)を行う際には、板状部材75がダイス3に接触すると共に、板状部材71がパンチ2に接触するように、重ね合わせられた複数の板状部材71〜75を配置する。
次に、打抜く工程(ステップS4)を行う。図4は、複数の板状部材を打抜く際におけるプレス機の模式断面図である。図4に示す矢印は、吸引機構5がパンチ2に形成された通気孔2bを吸引する方向を示す。打抜く工程(ステップS4)では、ダイス3に形成された貫通孔3bに向かってパンチ2を押圧することによって、複数の板状部材71〜75の打抜き部分を打抜く。複数の板状部材71〜75の打抜き部分は、パンチ2からダイス3に見て、複数の板状部材71〜75とパンチ2とが重なる部分である。
また、複数の板状部材71〜75の打抜き部分以外の部分を、打残り部分とする。図4に示すように押さえ4を配置すると、複数の板状部材71〜75の打抜き部分を打抜く際に、複数の板状部材71〜75の打残り部分が、ダイス3から押さえ4に向かって曲げ変形することを抑制することができる。
打抜く工程(ステップS4)を行う際には、貫通孔3bに向かってパンチ2を押圧すると共に、吸引機構5を用いてパンチ2に形成された通気孔2bを吸引する。図4に示すように、パンチ2及び板状部材71〜74は、パンチ2からダイス3に見て同じ位置に通気孔2b、71b〜74bが位置するように配置されている。したがって、吸引機構5を用いて通気孔2bを吸引すると、通気孔71b〜74bを介して、板状部材75をパンチ2に向かって吸引することができる。つまり、吸引機構5を用いて通気孔2bを吸引すると、複数の板状部材71〜75の打抜き部分に、ダイス3からパンチ2に向かう方向に働く力を付与することができる。
打抜く工程(ステップS4)を行う際には、以下の式(1)を満たすような条件で吸引機構5を用いて通気孔2bを吸引する。ただし、式(1)に示すQは、打抜き部分の質量である。Faは、たわみ抑制力である。Fbは、負圧により生じる力である。
Q+Fa<Fb ・・・(1)
たわみ抑制力Faは、板状部材71と押さえ4との間、複数の板状部材71〜75同士の間、及び板状部材75とダイス3との間に生じる摩擦力の合計である。
式(1)に示す、打抜き部分質量Qは、以下の式(2)に示すように、計算される。ただし、式(2)に示すEは、複数の板状部材71〜75の板厚と密度との積をそれぞれ計算した結果の和である。Sは、打抜き部分の面積である。
Q=E×S ・・・(2)
式(1)に示す、負圧により生じる力Fbは、以下の式(3)に示すように、計算される。ただし、式(3)に示すPは、大気圧である。Pは、吸引機構5の吸引圧力である。Sは、通気孔2bの面積である。
Fb=(P−P)×S ・・・(3)
複数の板状部材71〜75の打抜き部分にダイス3からパンチ2に向かう方向に働く力を上記の式(1)の条件で付与しつつ複数の板状部材71〜75を打抜くと、複数の板状部材71〜75の打抜き部分がパンチ2からダイス3に向かう方向にたわむことを抑制することができる。複数の板状部材71〜75の打抜き部分がパンチ2からダイス3に向かう方向にたわむことを抑制すると、複数の板状部材71〜75の打残り部分が貫通孔3bよりも複数の板状部材71〜75の打抜き部分側に流入することを抑制することができる。つまり、吸引機構5を用いて通気孔2bを吸引しつつ複数の板状部材71〜75の打抜き部分を打抜くと、吸引機構5を用いない場合に比較して、複数の板状部材71〜75の打抜き寸法の精度を向上させることができる。
次に、排出する工程(ステップS5)を行う。図5は、打抜き部分を排出する際におけるプレス機の模式断面図である。図5に示す矢印は、吸引機構5がパンチ2に形成された通気孔2bを吐出する方向を示す。プレス機6は、ダイス3に形成された貫通孔3b内にパッド等の部材が配置されていないため、打抜きする工程(ステップS4)において打抜かれた複数の板状部材71〜75の打抜き部分を、貫通孔3bから排出することが可能である。
排出する工程(ステップS5)を行う際には、ダイス3から押さえ4に向かう方向にパンチ2を移動させると共に、吸引機構5を用いてパンチ2に形成された通気孔2bを吐出する。排出する工程(ステップS5)では、貫通孔3bから複数の板状部材71〜75の打抜き部分を排出する。通気孔2bが吐出されると、複数の板状部材71〜75の打抜き部分がパンチ2と共にダイス3から押さえ4に向かう方向に移動することを抑制しつつ、パンチ2をダイス3から押さえ4に向かう方向に移動させることができる。
複数の板状部材71〜75の打抜き部分がダイス3から押さえ4に向かう方向に移動することを抑制すると、複数の板状部材71〜75の打抜き部分と複数の板状部材71〜75の打残り部分との切断面同士が接触することを抑制することができる。したがって、複数の板状部材71〜75の打抜き部分及び打残り部分の切断面に傷が発生することを抑制することができる。
以上で説明した本実施の形態に係る発明により、複数の板状部材の硬度を設定することなく複数の板状部材の曲げ変形を抑制可能な打抜き加工方法を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施の形態は、単一の装置を用いて打抜き加工方法を行う場合について説明した。しかしながら、本発明は、各工程を行うことが可能な装置であれば、どのような装置を用いて行われてもよい。本発明は、例えば、別途の装置を用いて各工程を行ってもよい。
1 打抜き加工装置
2 パンチ
2b 通気孔
3 ダイス
3b 貫通孔
4 ローラ
5 吸引機構
6 プレス機
71〜75 板状部材
71b〜74b 通気孔
8 通気孔形成機構
81〜84 レーザ

Claims (1)

  1. 重ね合わせられた複数の板状部材を、パンチ及びダイスを有するプレス機を用いて打抜き加工する方法であって、
    前記複数の板状部材のうち、最も前記ダイス側に配置される板状部材以外の全ての板状部材のそれぞれに、前記パンチから前記ダイスに見て同じ位置に、通気孔を形成する工程と、
    前記複数の板状部材を重ね合わせる工程と、
    重ね合わせられた前記複数の板状部材を、前記パンチ及び前記ダイスを用いて配置する工程と、
    前記パンチ及び前記ダイスを用いて配置された複数の板状部材を、前記パンチに接続された吸引機構を用いて前記通気孔を吸引しつつ、前記パンチを用いて前記複数の板状部材を打抜く工程と、を備える、
    打抜き加工方法。
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