以下に図面を参照して、接遇ガイドプログラム、接遇ガイド装置、及び接遇ガイドシステムの実施形態について詳細に説明する。また、以下において、「接遇ガイド」を、単に「ガイド」と表記する場合がある。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施形態に係る接遇ガイドシステムの概要について説明する。図1は、第1の実施形態に係る接遇ガイドシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る接遇ガイドシステム1は、例えば病院において実装され、ガイドサーバ2と、受付端末3並びにカメラ4及び5と、医師端末6並びにカメラ7及び8とを備える。また、ガイドサーバ2と、受付端末3並びにカメラ4及び5と、医師端末6並びにカメラ7及び8とは、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)等のネットワークNにより相互に通信可能な状態となっている。なお、のちに説明するように、受付端末3及び医師端末6は、例えばそれぞれが同一の機能を有してもよく、また受付端末3及び医師端末6のそれぞれの機能を有する同一の端末により実現されてもよい。以下において、受付端末3及び医師端末6を区別せずに表現する場合に、単に「端末等」と表記する場合がある。
なお、図1においては、1台の受付端末3及び1台の医師端末6を示しているが、各端末の台数は任意であり、例えば複数の端末等がネットワークNを介してガイドサーバ2に接続されていてもよい。また、受付端末3及び医師端末6のうちいずれか一方だけを含むような構成であってもよく、例えば接遇ガイドシステム1の管理者の端末など、その他の端末を含むような構成であってもよい。なお、受付端末3がカメラ4及びカメラ5のうち少なくともいずれかを内蔵したコンピュータであってもよく、医師端末6がカメラ7及びカメラ8のうち少なくともいずれかを内蔵したコンピュータであってもよい。また、ガイドサーバ2は、ネットワークNを通じて、医事会計システム(不図示)や電子カルテシステム(不図示)等の病院におけるその他のシステムに含まれる各サーバ装置(不図示)などと直接的、又は、間接的に、相互に通信可能に接続されている。
図1に示すガイドサーバ2は、カメラ4及び5並びにカメラ7及び8から取得した情報を用いて、端末等に出力させるガイド情報を特定する。ガイドサーバ2は、特定したガイド情報を、ネットワークNを通じて端末等に送信する。ガイドサーバ2は、例えば接遇ガイドシステム1の管理者(不図示)により操作される。
受付端末3は、例えば病院の受付に設置され、受付担当者に対してガイド情報を出力する。受付端末は、例えば図1に示すようなデスクトップコンピュータであるが、これに限られず、スマートフォンやタブレットのような携帯可能なコンピュータであってもよい。図2は、第1の実施の形態に係る接遇ガイドシステムの実装例を説明するための図である。図2に示すように、受付端末3並びにカメラ4及び5は、例えば病院の受付10に設置される。受付端末3は、ネットワークNを通じて、ガイドサーバ2から取得したガイド情報を画面に出力する。受付端末3は、例えば受付担当者30により操作される。
カメラ4、5、7及び8は、映像を撮影するとともに、音声を収集する。カメラ4は、対象が現に行っている動作に関する映像、例えば患者やその家族等、病院の受付対象者20の表情をリアルタイムで撮影する。また、カメラ4は、対象者が現に発声する内容に関する音声をリアルタイムで収集する。同様に、カメラ5は、担当者が現に行っている動作に関する映像、例えば病院の受付担当者30の表情をリアルタイムで撮影する。また、カメラ5は、担当者が現に発声する内容に関する音声をリアルタイムで収集する。なお、音声は、カメラ以外の別のマイク等によって収集されてもよい。また、カメラ5が撮影する映像及び収集する音声は、第1情報の一例であり、カメラ4が撮影する映像及び収集する音声は、第2情報の一例である。また、以下において、受付対象者20を単に「対象者」と表記し、受付担当者30を単に「担当者」と表記する場合がある。
医師端末6は、例えば病院の診察室(不図示)に設置され、医師(不図示)に対してガイド情報を出力する。医師端末6は、例えば、医師により操作される。カメラ7は、患者やその家族等、医師による診察を受ける者(不図示)の表情をリアルタイムで撮影し、また診察を受ける者の発声をリアルタイムで収集する。同様に、カメラ5は、医師の表情をリアルタイムで撮影し、また医師の発声をリアルタイムで収集する。なお、第1の実施の形態において、診察を受ける者は、接遇を受ける対象者の一例であり、医師は、接遇を担当する担当者の一例である。
端末等に表示されるガイド情報の構成例について、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施の形態に係る受付端末に表示される接遇ガイド画面の一例を示す図である。図3に示すように、第1の実施の形態に係る接遇ガイド画面300は、例えば受付端末3において表示され、患者情報欄301と、業務情報欄311と、ガイド情報欄321と、モード切替ボタン322とを有する。
図3において、患者情報欄301は、受付担当者30が現在接遇している受付対象者20に関する情報を表示する。図3に示すように、患者情報欄301は、患者のID(Identifer)、患者の氏名、初診か再診かの種別等を表示させる。患者情報欄301において、「患者ID」は、患者を一意に識別する情報を示す。また、図3において、業務情報欄311は、例えば医事会計システムや電子カルテシステム等から取得された、受付業務、予約業務又は会計業務に関する情報等や、患者基本情報、電子カルテに関する情報等の各種の情報を表示する。業務情報欄311は、各種の情報を同時に表示させてもよく、また各情報を切り替えて表示させてもよい。
ガイド情報欄321は、例えば、接遇している受付担当者30に対して接遇の改善を促すガイド情報を表示する。ガイド情報欄321は、例えば初期状態においては空欄である。モード切替ボタン322は、受付担当者30による、接遇モードの切替の入力を受け付ける。第1の実施の形態において、接遇モードは、担当者が対象者を接遇する際の状況等をパターン分けしたものである。図3に示すように、モード切替ボタン322が選択された場合、選択対象となる接遇モードを含むモード切替メニュー323が表示される。なお、以下において、「接遇モード」を、単に「モード」と表記する場合がある。
第1の実施の形態において、モード切替メニュー323は、例えば「通常」、「クレーム」、「悲しい」、「VIP」の4つの接遇モードを含む。接遇モードのうち、「通常」モードは、対象者が通常の状態における接遇モードである。「通常」モードは、例えば、接遇開始時に初期状態として選択される、「クレーム」モードは、対象者が不満を訴えるとき等に選択される。「悲しい」モードは、対象者が悲しんでおり、通常とは異なる接遇が求められるとき等に選択される。「VIP」モードは、特別な配慮が求められる特定の対象者を接遇するとき等に選択される。なお、上述したモードは一例であり、接遇場面の代わりに、例えば「男性」と「女性」、「高齢者」と「小児」等のように、患者の属性等に応じてモードを細分化してもよい。
次に、接遇ガイドシステム1における各装置の機能について説明する。図4は、第1の実施の形態に係る接遇ガイドシステムの機能ブロックの一例を示す図である。図4に示すように、ガイドサーバ2は、通信I/F(Interface)21と、入力I/F22と、ディスプレイ23と、記憶回路24と、処理回路25とを有する。
通信I/F21は、処理回路25に接続され、ネットワークNを介して接続されたガイドサーバ2との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信I/F21は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
入力I/F22は、処理回路25に接続され、管理者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路25に出力する。例えば、入力I/F22は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
ディスプレイ23は、処理回路25に接続され、処理回路25から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ23は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路24は、処理回路25に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路24は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路24は、例えば、図4に示すように、担当者言動情報241と、対象者言動情報242と、ガイド情報243とを記憶する。
担当者言動情報241は、担当者の言動を評価する際に用いられる情報であり、表情や発声を判定する基準を含む。ここで、担当者言動情報241は、例えば後に説明する基準設定機能255により設定される。また、担当者言動情報241は、医療機関ごとに任意に設定され、適宜更新させることができる。なお、担当者言動情報241及び対象者言動情報242は、基準言動の一例である。
図5は、第1の実施の形態に係る担当者言動情報の一例を示す図である。例えば、担当者言動情報241は、図5に示すように、「職員ID」と、「モード」と、「データ種」と、「単位」と、「基準(from)」及び「基準(to)」と、「条件」と、「ガイドCode」とを対応付けた情報である。ここで、図5における「職員ID」は、当該基準が適用される職員を一意に識別する識別子を示す。なお、職員は、接遇を担当する担当者の一例である。「モード」は、当該基準が適用される接遇モードを識別する情報を示す。「データ種」は、判定対象となる基準の種別を示す。「単位」は、当該データ種を測定する単位を示す。「基準(from)」及び「基準(to)」は、当該基準の範囲を示す。「条件」は、当該基準に該当する条件を示す。「ガイドCode」は、当該条件に該当した場合に表示するコメントを一意に識別する情報を示す。
例えば、図5に示すテーブルの1段目の基準は、職員ID「1」の担当者が、「通常」モードで接遇する場合に適用され、「眉角度」が「−5〜10度」の範囲に収まる場合に、ガイドCode「1」のコメントを端末等に出力させることを示す。また、図5に示すテーブルの2段目の基準は、職員ID「1」の担当者が、「通常」モードで接遇する場合に適用され、「眉間隔」が「10〜15mm」の範囲に収まる場合に、ガイドCode「1」のコメントを端末等に出力させることを示す。また、例えば、図5に示すテーブルの3段目の基準は、全ての担当者に対して適用され、「クレーム」モードで接遇する場合に適用される。図5に示すテーブルの3段目の基準は、「目揺らぎ」が「0〜500ms」の範囲に収まる場合、すなわち担当者の視線が一点にとどまっている時間が「0〜500ms」の範囲に収まる場合、担当者の目が揺らいでいるとして、ガイドCode「2」のコメントを端末等に出力させることを示す。
なお、図5において、テーブルの3段目の基準のように、患者IDが「ALL」となっているレコードは、患者IDを問わず、全ての患者に対して適用される条件であることを示す。同様に、モードが「ALL」となっている場合、当該レコードの条件は、どの接遇モードにおいても適用される条件であることを示す。また、「基準(from)」及び「基準(to)」のいずれか一方だけが登録されるようなレコードであってもよい。図6に示す対象者言動情報242及び以下に説明するその他のテーブルにおいても同様である。
対象者言動情報242は、対象者の言動を評価する際に用いられる情報であり、表情や発声を判定する基準を含む。ここで、対象者言動情報242は、例えば基準設定機能255により設定される。また、対象者言動情報242は、医療機関ごとに任意に設定され、適宜更新させることができる。図6は、第1の実施の形態に係る対象者言動情報の一例を示す図である。例えば、対象者言動情報242は、図6に示すように、「患者ID」と、「モード」と、「データ種」と、「単位」と、「基準(from)」及び「基準(to)」と、「条件」と、「ガイドCode」とを対応付けた情報である。ここで、図6における「患者ID」は、当該基準が適用される担当者である患者を一意に識別する識別子を示す。また、図6に示すその他の項目は、図5に示す各項目と同様であるため、詳細な説明は省略する。
例えば、図6に示すテーブルの1段目の基準は、患者ID「1001」の対象者を、「クレーム」モードで接遇する場合に適用され、「眉角度」が「−5〜10度」の範囲を逸脱する場合に、ガイドCode「4」のコメントを端末等に出力させることを示す。同様に、図6に示すテーブルの2段目の基準は、患者ID「1001」の対象者を「クレーム」モードで接遇する場合に適用され、「眉間隔」が「10〜20mm」の範囲を逸脱する場合に、ガイドCode「4」のコメントを端末等に出力させることを示す。また、例えば、図6に示すテーブルの3段目の基準は、全ての患者に対し、どのモードで接遇する場合においても適用され、「声の音量」が「50未満」である場合に、ガイドCode「5」のコメントを端末等に出力させることを示す。
ガイド情報243は、担当者の言動が担当者言動情報241に記憶された条件に合致し、又は対象者の言動が対象者言動情報242に記憶された条件に合致した場合に端末等に出力される情報である。ここで、ガイド情報243に記憶される情報は、例えば後に説明する基準設定機能255により設定されるが、これに限られず、例えば接遇ガイドシステム1の管理者により予め入力されてもよい。図7は、第1の実施の形態に係るガイド情報の一例を示す図である。例えば、ガイド情報243は、図7に示すように、「ガイドCode」と、コメント」とを対応付けた情報である。図7において、「ガイドCode」は、出力される情報を一意に識別する情報を示す。「コメント」は、出力される情報を示す。
例えば、図7に示すテーブルのガイドCode「1」は、「良い表情です。」というコメントに対応する。同様に、図7に示すテーブルのガイドCode「2」は、「視線が落ち着いていません、相手を良く見て話をしましょう。」というコメントに対応する。同様に、ガイドCode「3」乃至「5」は、それぞれ、「表情が硬いのでリラックスして笑顔で接しましょう。」、「ご不満があるようです。」、「ゆっくりと、やさしく語りかけましょう。」の各コメントに対応する。例えば、「良い表情です。」というコメントに対応するガイドCode「1」は、担当者の「眉角度」や「眉間隔」が所定の範囲内にある、すなわちよい表情に近い場合に出力される。また、例えば、「ゆっくりと、やさしく語りかけましょう。」というコメントに対応するガイドCode「5」は、対象者の「声の大きさ」が所定の値未満である、すなわち対象者が元気がない又は悲しんでいると推定される場合に出力される。なお、コメントは、例えばガイドCode「2」に対応するような担当者の言動の改善を促すものであるが、これに限られず、ガイドCode「1」に対応するような担当者の言動が良好であることを示すものであってもよい。また、例えばガイドCode「4」のコメントのように、コメントは、過去の接遇事例に基づいて入力される。
図4に戻って、処理回路25は、制御機能251と、モード設定機能252と、判定機能253と、出力機能254と、基準設定機能255とを実行する。ここで、制御機能251は、第1取得部及び第2取得部の一例である。判定機能253は、判定部の一例である。また、出力機能254は、出力部の一例である。ここで、例えば、図4に示す処理回路25の構成要素である制御機能251、モード設定機能252、判定機能253、出力機能254及び基準設定機能255の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路24に記録されている。処理回路25は、各プログラムを記憶回路24から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路25は、図4の処理回路25内に示された各機能を有することとなる。
なお、制御機能251、モード設定機能252、判定機能253、出力機能254及び基準設定機能255の全ての処理機能がコンピュータによって実行可能な1つのプログラムの形態で、記憶回路24に記録されていてもよい。例えば、このようなプログラムは、接遇ガイドプログラムとも称される。この場合、処理回路25は、接遇ガイドプログラムを記憶回路24から読み出し、読み出した接遇ガイドプログラムを実行することで接遇ガイドプログラムに対応する制御機能251、モード設定機能252、判定機能253、出力機能254及び基準設定機能255を実現する。
処理回路25における制御機能251は、ガイドサーバ2に対する操作や、他装置との通信に関する各種処理、他装置からのデータ取得に関する各種処理を制御する。例えば、制御機能251は、ガイド処理の開始のトリガに応じて、ガイド設定基準として、現在のモードに合致する、接遇を担当する担当者に対応する担当者言動情報241及び接遇の対象となる対象者に対応する対象者言動情報242を記憶回路24から取得する。なお、ガイド処理の開始のトリガは、例えば入力I/F22を介してガイドサーバ2の管理者から操作を受け付けてもよく、通信I/F21を介して、端末等から受信してもよい。また、制御機能251は、例えば、端末等から、担当者の職員ID及び対象者の患者IDを受信することにより、担当者及び対象者を識別するが、これに限られず、公知の顔認識技術等により、担当者及び対象者を識別してもよい。
例えば、制御機能251は、現在のモードが「通常」、病院の受付における担当者の職員IDが「1」である場合、図5に示す担当者言動情報241に含まれるレコードのうち、一番上のレコード及び上から2番目のレコードを取得する。同様に、制御機能251は、現在のモードが「通常」、対象者の患者IDが「1001」である場合、図6に示す対象者言動情報242に含まれるレコードのうち、上から3番目のレコードを取得する。
また、制御機能251は、接遇を行う担当者の言動に関する第1情報と、接遇を受ける対象者の言動に関する第2情報とを取得する。例えば、制御機能251は、通信I/F21を介して、カメラ4から、対象者を撮影した映像及び音声を取得するとともに、カメラ5から、担当者を撮影した映像及び音声を取得する。
モード設定機能252は、接遇ガイド処理におけるモードの選択を受け付けて、モード設定に関する処理を実行する。例えば、モード設定機能252は、受付端末3から、モード設定に関する情報を通信I/F21を介して受信し、接遇モードを設定する。例えば、モード設定機能252は、図3に示すようなモード切替メニュー323において、「悲しい」モードが選択された場合、現在の接遇モードから「悲しい」モードに設定を変更する。また、モード設定機能252は、設定されたモードに応じて、ガイド設定基準を変更する。なお、モード設定機能252において設定されるモードは、モードを設定した担当者以外の担当者が当該対象者を接遇する場合において、そのまま引き継がれてもよい。例えば、図3に示すような受付端末3において表示されるモード切替メニュー323において、「悲しい」モードが選択された場合、当該対象者を引き続き接遇する医師が操作する医師端末6とガイドサーバ2との間での接遇ガイド処理においても、選択された「悲しい」モードが引き継がれてもよい。
例えば、モード設定機能252は、現在のモードが「通常」である場合において、モードを「クレーム」に変更する情報を受信した場合、図5に示す担当者言動情報241に含まれるレコードのうち、上から3番目のレコードを取得する。同様に、モード設定機能252は、図6に示す対象者言動情報242に含まれるレコードのうち、一番上のレコード及び上から2番目のレコードを取得する。
判定機能253は、ガイド情報を選択する際の基準として用いる基準言動と、第1情報及び第2情報のうち少なくともいずれかとを比較し、比較結果に基づいて出力するガイド情報を決定する。判定機能253は、例えば、カメラ4、5、7又は8から取得した担当者又は対象者の映像又は音声が、ガイド設定基準に合致するか否かを判定する。例えば、判定機能253は、カメラ4から取得した映像を公知の映像解析技術を用いて解析し、担当者の眉角度や眉間隔等、担当者の表情に関する数値を算出する。また、判定機能253は、カメラ4から取得した音声を公知の音声解析技術を用いて解析し、音量やトーンの変動等、担当者の発声に関する数値を算出する。そして、判定機能253は、算出した表情に関する数値又は発声に関する数値が、ガイド設定基準に合致すると判定した場合、当該ガイド設定基準に対応するガイドCodeを出力機能254に出力する。
例えば、判定機能253は、モードが「通常」である場合において、担当者の眉角度が「5度」である場合、ガイド設定基準の「−5度」から「15度」の以内に収まるため、ガイドCode「1」を出力機能254に出力する。この場合、「良い表情です。」というガイド情報が端末等において出力される。また、判定機能253は、モードが「クレーム」である場合において、担当者の目の揺らぎの時間が「600ms」である場合、ガイド設定基準の「500ms」以内に収まらないため、出力機能254にガイドCode「2」を出力しない。
出力機能254は、第1情報及び第2情報のうち少なくともいずれかに基づいて、ガイド情報を出力する。例えば、出力機能254は、ガイドCodeに対応するガイド情報を出力する。具体的には、出力機能254は、判定機能253から出力されるガイドCodeに対応するガイド情報243のレコードを記憶回路24から抽出する。そして、出力機能254は、抽出したガイド情報を、端末等に出力する。
例えば、出力機能254は、病院受付における接遇ガイド処理中において、ガイドCode「1」の出力を受けた場合、図7に示すガイド情報243のガイドCode「1」に対応するコメント「良い表情です。」を抽出し、通信I/F21を介して受付端末3に送信する。また、出力機能254は、診察室における接遇ガイド処理中において、ガイドCode「4」の出力を受けた場合、図7に示すガイド情報243のガイドCode「4」に対応するコメント「視線が落ち着いていません、相手を良く見て話をしましょう」を抽出し、通信I/F21を介して医師端末6に送信する。
基準設定機能255は、上述した各種情報の設定を行う。具体的には、基準設定機能255は、図5に示す担当者言動情報241及び図6に示す対象者言動情報242、並びに図7に示すガイド情報に関する入力を受け付け、記憶回路24に格納する。例えば、基準設定機能255は、取得された担当者又は対象者の映像又は音声に対する、特定のモードにおける評価の入力を、入力I/F22を介して受け付ける。基準設定機能255は、例えば、担当者又は対象者の映像又は音声に対する評価として、例えば点数の入力を受け付ける。基準設定機能255は、評価が入力された時点における、対応する映像から解析された担当者若しくは対象者の表情に関する数値、又は対応する音声から解析された担当者若しくは対象者の発声に関する数値を算出する。そして、基準設定機能255は、入力された評価と、表情に関する数値又は発声に関する数値とを対応付けて、図5に示す担当者言動情報241のレコード、図6に示す対象者言動情報242のレコード、又は図7に示すガイド情報243のレコードとして、記憶回路24に格納する。なお、基準設定機能255は、例えば、病院の受付10において取得された映像及び音声を基準として用いて、担当者言動情報241に記憶する情報を登録するが、これに限られず、他の場所に設けられたカメラを用いて映像及び音声を取得してもよく、また予め取得された担当者に関する映像及び音声を用いてもよい。また、基準設定機能255は、同様の処理により、対象者言動情報242に記憶する情報を登録してもよい。なお、基準設定機能255は、例えば、予め映像及び音声を取得して担当者言動情報241又は対象者言動情報242に記憶する情報を登録するが、これに限られず、実際の接遇時に取得される映像及び音声を用いて、担当者言動情報241又は対象者言動情報242に記憶する情報を登録してもよい。
基準設定機能255は、例えば、評価の点数に対応するガイドCodeを、担当者言動情報241のレコード又は対象者言動情報242のレコードに含めて記憶する。例えば、基準設定機能255は、表情に関する数値として、「眉角度」が「5度」である場合に評価の点数が「80点以上」となった場合、図5の担当者言動情報241の一番上のレコードに示すように、当該眉角度の前後に幅を持たせた「−5度」から「15度」までの範囲に、「良い表情です。」というコメントに対応するガイドCode「1」を対応づけて記憶する。また、基準設定機能255は、例えば対象者の発声に関する評価の点数が「40点未満」であると判定された場合、図6の対象者言動情報242の上から3番目のレコードに示すように、「ゆっくりと、やさしく語りかけましょう。」というコメントに対応するガイドCode「5」を対応づけて記憶する。
なお、基準設定機能255は、基準を設定する際に、例えば入力された評価を公知の手法により統計処理してもよい。例えば、基準設定機能255は、入力された評価に対応する表情に関する数値の平均値や中央値、分散等を算出して範囲を設定する。例えば、点数が「80点以上」であると評価された眉角度が「−7度」から「18度」までの間に分布する場合において、基準設定機能255は、基準とする眉角度の範囲を「−5度」から「15度」までの間に設定してもよい。
受付端末3は、図4に示すように、通信I/F31と、入力I/F32と、ディスプレイ33と、記憶回路34と、処理回路25とを有し、ガイドサーバ2から受信した情報に応じた処理を実行する。なお、医師端末6は、受付端末3と同様の機能を有するため、詳細な説明は省略する。
通信I/F31は、処理回路35に接続され、ネットワークNを介して接続されたガイドサーバ2との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信I/F31は、ネットワークカードやネットワークアダプタ等によって実現される。
入力I/F32は、処理回路35に接続され、受付担当者30から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路35に出力する。入力I/F32は、例えば担当者によるモードの選択などの入力操作を受け付ける。例えば、入力I/F32は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等である。
ディスプレイ33は、処理回路35に接続され、処理回路35から出力される各種情報などを表示する。ディスプレイ33は、例えば、図3に示すような、ガイドサーバ2から受信したガイド情報を含むガイド画面を表示する。例えば、ディスプレイ33は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路34は、処理回路35に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路34は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
処理回路35は、受付端末3の全体制御を行う。例えば、処理回路35は、入力I/F32を介して受付担当者30から受け付けた入力操作に応じて、種々の処理を実行させる。一例を挙げると、処理回路35は、入力I/F32を介して入力された情報を記憶回路34に格納し、又は通信I/F31を介してガイドサーバ2に送信する。また、処理回路35は、通信I/F31を介してガイドサーバ2から各種情報や、GUIなどを受信し、ディスプレイ33に表示させるように制御する。
次に、第1の実施形態に係る接遇ガイドシステム1による処理の手順について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、第1の実施の形態に係る登録処理の一例を示すフローチャートである。ここで、図8におけるステップS201は、例えば、処理回路25が制御機能251に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS210、S211、S220及びS221は、例えば、処理回路25が基準設定機能255に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。
例えば、図8に示すように、本実施形態に係る接遇ガイドシステム1では、まず、処理回路25が、ネットワークNを通じて、カメラ5から、受付担当者30を撮影した映像及び音声を取得する(ステップS201)。
続いて、処理回路25は、評価を取得したか否かを判定する(ステップS210)。処理回路25は、評価を取得しないと判定した場合(ステップS210否定)、ステップS220に移行する。
一方、処理回路25は、評価を取得したと判定した場合(ステップS210肯定)、取得した評価に関する情報を、表情に関する数値又は発声に関する数値等の動作等に関する情報と対応付けて、記憶回路24に記憶する(ステップS211)。その後、ステップS220に移行する。
そして、処理回路25は、終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS220)。処理回路25は、終了指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS220否定)、ステップS201に移行し、処理を繰り返す。一方、処理回路25は、終了指示を受け付けたと判定した場合(ステップS220肯定)、記憶された評価に関する情報を統計処理して、担当者言動情報241として記憶回路24に登録し(S221)、処理を終了する。なお、処理回路25は、同様の登録処理において、カメラ4から、受付対象者20を撮影した映像及び音声を取得して評価の入力を受け付け、評価結果を対象者言動情報242として記憶してもよい。また、処理回路25は、後に説明する接遇ガイド処理中において、受付担当者30又はその他のユーザから評価の入力を受け付けて、評価結果を担当者言動情報241又は対象者言動情報242として記憶してもよい。
次に、登録された担当者言動情報241を用いた、接遇ガイド処理について説明する。図9は、第1の実施の形態に係るガイド処理の一例を示すフローチャートである。ここで、図9におけるステップS101、S102及びS160は、例えば、処理回路25が制御機能251に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS120及びS131は、例えば、処理回路25がモード設定機能252に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS140は、例えば、処理回路25が判定機能253に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS141は、例えば、処理回路25が出力機能254に対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。
例えば、図9に示すように、本実施形態に係る接遇ガイドシステム1では、まず、処理回路25は、接遇における担当者、対象者及び接遇モードの初期状態を特定する。次に、処理回路25は、現在のモードに該当し、かつ担当者に対応する担当者言動情報241及び対象者に対応する対象者言動情報242などのガイド設定基準を、記憶回路24から取得する(ステップS101)。次に、処理回路25は、ネットワークNを通じて、カメラ4及び5から映像及び音声を取得する(ステップS102)。
続いて、処理回路25は、モード切替指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS120)。処理回路25は、モード切替指示を受け付けないと判定した場合(ステップS120否定)、ステップS140に移行する。
一方、処理回路25は、モード切替指示を受け付けたと判定した場合(ステップS120肯定)、記憶回路24から変更後のモードに該当する新たな担当者言動情報241及び対象者言動情報242などのガイド設定基準を取得する(ステップS131)。その後、ステップS140に移行する。
次に、処理回路25は、映像又は音声が、取得したガイド設定基準を満たすか否かを判定する(ステップS140)。処理回路25は、取得したガイド設定基準を満たさないと判定した場合(ステップS140否定)、ステップS160に移行する。
一方、処理回路25は、取得したガイド設定基準を満たすと判定すると(ステップS140肯定)、ガイド情報を受付端末3に出力し(ステップS141)、ステップS160に移行する。
そして、処理回路25は、終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS160)。処理回路25は、終了指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS160否定)、ステップS102に移行し、処理を繰り返す。一方、処理回路25は、終了指示を受け付けたと判定した場合(ステップS160肯定)、処理を終了する。
図9に示す接遇ガイド処理において出力されるガイド情報の構成例について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、第1の実施の形態に係る受付端末に表示される接遇ガイド画面の別の一例を示す図である。図10は、図3に示すモード切替メニュー323において、「悲しい」モードが選択され、かつ担当者の言動が、図5に示す担当者言動情報241において、ガイドCode「1」に対応する条件に合致した場合における遷移後の接遇ガイド画面の一例をしめす。
図10に示すように、遷移後の接遇ガイド画面300においては、モード切替ボタン322に、現在の接遇モードが「悲しい」モードであることを示す情報が表示される。また、図10に示すように、接遇ガイド画面300のガイド情報欄321には、図7に示すガイド情報243のガイドCode「1」に対応するコメント「良い表情です。」が表示される。なお、図10に示す遷移後の接遇ガイド画面300において、モード切替ボタン322が選択された場合に、図3に示すモード切替メニュー323が表示され、再度接遇モードの設定ができるような構成であってもよい。
また、医師端末6にも、図10に示すガイド画面と同様の構成を含むガイド画面が表示される。図11は、第1の実施の形態に係る医師端末に表示される接遇ガイド画面の一例を示す図である。図11に示すように、第1の実施の形態に係る接遇ガイド画面600は、患者情報欄301と、電子カルテ情報欄611と、ガイド情報欄621と、モード切替ボタン622とを有する。なお、なお、以下において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11において、電子カルテ情報欄611は、例えば電子カルテシステムから取得された、当該患者に関する電子カルテ情報等を表示する。ガイド情報欄621は、例えば、ガイド情報欄321と同様に、接遇している医師に対して接遇の改善を促すガイド情報を表示する。図11に示す例においては、図7に示すガイド情報243のガイドCode「4」に対応するコメント「視線が落ち着いていません、相手を良く見て話をしましょう」が表示される。
図11に示す接遇ガイド画面600においても、図10に示す接遇ガイド画面300と同様に、モード切替ボタン622に、現在の接遇モードが「クレーム」モードであることを示す情報が表示される。なお、図11に示す接遇ガイド画面600においても、モード切替ボタン622が選択された場合に、図3に示すモード切替メニュー323が表示され、再度接遇モードの設定ができるような構成であってもよい。
上述したように、第1の実施形態に係る接遇ガイドシステム1は、接遇担当者に改善を促す接遇ガイド情報を出力することができるので、例えば接遇担当者が通常どおりの接遇ができない場合に、速やかに改善を促すことができる。その際、接遇ガイドシステム1は、「クレーム」や「悲しい」などのモードの違いに応じたガイド情報を表示させてもよい。その結果、接遇ガイドシステム1は、状況に応じて適切なガイド情報を出力することを可能にする。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る接遇ガイドシステム1aについて説明する。図12は、第2の実施の形態に係る接遇ガイドシステムの機能ブロックの一例を示す図である。第2の実施形態に係る接遇ガイドシステム1aは、モード設定機能252aが、担当者による操作を伴わずに接遇モードを設定する点で、第1の実施形態に係る接遇ガイドシステム1と異なる。なお、以下の実施の形態において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図12に示すように、第2の実施の形態に係る接遇ガイドシステム1aは、ガイドサーバ2aと、受付端末3と、カメラ4、5、7及び8と、医師端末6とを有する。第2の実施の形態に係るガイドサーバ2aは、通信I/F21と、入力I/F22と、ディスプレイ23と、記憶回路24aと、処理回路25aとを有する。記憶回路24aは、例えば、図12に示すように、担当者言動情報241と、対象者言動情報242aと、ガイド情報243とを記憶する。
図13は、第2の実施の形態に係る対象者言動情報の一例を示す図である。図13に示すように、第2の実施の形態に係る対象者言動情報242aは、図6に示す対象者言動情報242が記憶する各項目に加えて、さらに「モード設定」を対応付けて記憶する。図13において、「モード」は、現在選択又は設定されているモードを示し、「モード設定」は、「条件」に該当した場合に、現在のモードから変更される接遇モードを示す。例えば、図13に示す対象者言動情報242aは、任意の患者において、現在の接遇モードがどのモードであっても、声の音量が「50dB未満」であると判定された場合には、接遇モードを「悲しい」に設定することを記憶する。また、例えば、図13に示す対象者言動情報242aは、任意の患者において、現在の接遇モードがどのモードであっても、声の音量が「80dB以上」であると判定された場合には、接遇モードを「クレーム」に設定することを記憶する。また、例えば、図13に示す対象者言動情報242aは、対象者の患者IDが「1010」である場合において、現在の接遇モードがどのモードであっても、また担当者及び対象者の言動にかかわらず、接遇モードを「VIP」に設定することを記憶する。さらに、例えば、図13に示す対象者言動情報242aは、対象者を問わず、また現在の接遇モードがどのモードであっても、対象者の発声に「遅い」というキーワードが含まれる場合、接遇モードを「クレーム」に設定することを記憶する。なお、図13に示す対象者言動情報242aにおいて、モード設定が「−」となっている基準については、条件に該当しても現在の接遇モードが維持される。また、図13に示す対象者言動情報242aにおいて、ガイドCodeが「−」となっている基準については、条件に該当した場合に接遇モードは設定されるが、ガイド情報は出力されない。
また、対象者言動情報242aは、対象者による過去の接遇時に設定された接遇モードを、当該対象者に対する次回の接遇時に設定される接遇モードとして、当該対象者の患者IDと対応付けた情報を含んでもよい。この場合、他の担当者や対象者の言動とは無関係に、患者IDに応じたモード設定が記憶されてもよい。例えば、対象者言動情報242aは、過去の接遇において、患者IDが「1010」である対象者に対する接遇モードが「VIP」に設定されたことを記憶する。この場合、その後新たに患者ID「1010」の対象者を接遇する場合、接遇モードは、担当者や対象者の言動にかかわらず、「VIP」に設定される。
また、対象者言動情報242aは、例えば対象者の発声に含まれるキーワード等を、モード設定と対応付けた情報を含んでもよい。この場合、対象者の患者IDや現在の接遇モード、その他の担当者や対象者の言動とは無関係に、キーワードに応じたモード設定が記憶されてもよい。例えば、対象者言動情報242aは、対象者の発声が「遅い」というキーワード等を含むと判定された場合に設定される接遇モードは「クレーム」であることを記憶する。
図12に戻って、処理回路25は、制御機能251と、モード設定機能252aと、判定機能253と、出力機能254と、基準設定機能255とを実行する。モード設定機能252aは、第1の実施の形態におけるモード設定機能252と同様に、例えば、端末等から、モード設定に関する情報を受信し、接遇モードを設定する。
また、モード設定機能252aは、対象者を識別する情報を用いて、モードを特定する。例えば、モード設定機能252aは、対象者を識別する患者ID「1010」が、対象者言動情報242aに記憶されている場合、現在のモードから、当該患者IDに対応づけられて設定されたモード「VIP」に切り替える。
また、モード設定機能252aは、第1情報及び第2情報のうち少なくともいずれかと基準言動とを比較した結果を用いて、モードを特定する。例えば、モード設定機能252aは、対象者の表情又は発声が、図13に示す対象者言動情報242aに記憶されている条件に合致するか否かを判定する。例えば、モード設定機能252aは、対象者の声の音量が「35dB」であることを検出した場合、図13に示す対象者言動情報242aの上から3番目のレコードの条件「声の音量が50dB未満」に合致すると判定する。この場合、現在のモードから、当該条件に対応づけられて設定されたモード「悲しい」に切り替える。
また、モード設定機能252aは、第1情報又は第2情報に含まれるキーワードを用いて、モードを特定する。例えば、モード設定機能252aは、対象者の発言が「遅い」というワードを含むことを検出した場合、図13に示す対象者言動情報242aの一番下のレコードの条件に合致すると判定する。この場合、現在のモードから、現在のモードから、当該条件に対応づけられて設定されたモード「クレーム」に切り替える。
さらに、モード設定機能252aは、担当者による過去の接遇又は対象者に対する過去の接遇において選択されたモードを用いて、モードを特定する。なお、モード設定機能252aは、担当者による過去の接遇又は対象者に対する過去の接遇において選択されたモードを、対象者言動情報242aに予め記憶してもよい。例えば、モード設定機能252aは、患者ID「1010」に対する過去の接遇において、接遇モード「VIP」が選択された場合、対象者言動情報242aに、患者ID「1010」とモード「VIP」とを対応づけて記憶する。また、モード設定機能252aは、モード設定に関する情報を、当該担当者の職員IDと対応付けて、担当者言動情報241aに記憶してもよい。これにより、モード設定機能252aは、担当者による過去の接遇において選択された前記モード、又は対象者に対する過去の接遇において選択された前記モードに基づいて、接遇モードを切り替える。
次に、第2の実施形態に係る接遇ガイドシステム1aによる処理の手順について、図14を用いて説明する。図14は、第2の実施の形態に係るガイド処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、図9に示すステップと同じ符号については同様のステップであるため、詳細な説明を省略し、ステップS121及びS130について説明する。ここで、図14におけるステップS121及びS130は、例えば、処理回路25aがモード設定機能252aに対応するプログラムを記憶回路24から読み出して実行することにより実現される。
例えば、図14に示すように、本実施形態に係る接遇ガイドシステム1aにおいて、処理回路25aは、ステップS120において、モード切替指示を受け付けたと判定した場合(ステップS120肯定)、受け付けた切替後のモードを、例えば患者IDと対応付けて、対象者言動情報242aに記憶する(S121)。一方、処理回路25aは、ステップS120において、モード切替指示を受け付けないと判定した場合(ステップS120否定)、モード設定に関する条件に合致するか否かを判定する(ステップS130)。処理回路25aは、モード設定に関する条件に合致しないと判定した場合(ステップS130否定)、ステップS140に移行する。
一方、処理回路25aは、モード設定に関する条件に合致したと判定した場合(ステップS130肯定)、合致した条件に対応するモードに変更し、ステップS131に移行する。
次に、図14に示す接遇ガイド処理において出力されるガイド情報は、例えば、第1の実施の形態における図10又は図11に示すガイド情報と同様に、設定後のモードに関する情報を含む。図15は、第2の実施の形態に係る医師端末に表示される接遇ガイド画面の一例を示す図である。図15は、患者情報欄601に示すように、対象者の患者IDが「1010」である場合において、医師端末6に表示される接遇ガイド画面600の一例をしめす。図13で説明したように、対象者言動情報242aは、対象者の患者IDが「1010」であると判定された場合には、担当者や対象者の言動にかかわらず、接遇モードを「VIP」に設定することを記憶する。このため、図15に示すように、接遇ガイド画面600において、モード切替ボタン622には、現在の接遇モードが「VIP」モードであることを示す情報が表示される。
なお、第2の実施の形態においては、モード設定機能252aが、対象者言動情報242aを参照し、対象者の言動に基づいて接遇モードを設定する例について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、記憶回路24aが、「モード設定」の項目を含む担当者言動情報241aを記憶しており、モード設定機能252aが、担当者言動情報241aを参照し、担当者の言動に基づいて接遇モードを設定してもよい。また、モード設定機能252aは、接遇モードを設定した後においても、端末等からモードの選択を受け付けて、接遇モードを再度変更してもよい。
また、第2の実施の形態において、モード設定機能252aが、担当者等により接遇モードが選択された場合に、選択された接遇モードを対象者の患者IDに対応付けて対象者言動情報242aに記憶する構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、モード設定機能252aは、対象者言動情報242aに患者IDと対応付けて記憶されたレコードのうち、特定の患者IDについては、担当者等により接遇モードが選択された場合においても、選択された接遇モードを記憶しないような構成であってもよい。また、モード設定機能252aは、同一の患者IDに対して、異なる接遇モードが選択された場合、例えば直近に選択された接遇モードを対象者言動情報242aに記憶してもよく、最も選択された回数の多い接遇モードを対象者言動情報242aに記憶してもよい。
上述したように、第2の実施形態に係る接遇ガイドシステム1aは、担当者等によるモード設定操作が無い場合においても適切な接遇モードを設定できるので、担当者等の接遇スキルが低い場合においても、状況に応じた適切なガイド情報を出力することを可能にする。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る接遇ガイドシステム1bについて説明する。図16は、第3の実施の形態に係る接遇ガイドシステムの機能ブロックの一例を示す図である。第3の実施形態に係る接遇ガイドシステム1bは、後に説明するように、ガイドサーバ2bの記憶回路24bがアドバイス情報244bをさらに含み、ガイドサーバ2bの処理回路25bが情報登録機能256bをさらに含む点で、第2の実施形態に係る接遇ガイドシステム1aと異なる。なお、以下の実施の形態において、先に説明した図面に示す部位と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図16に示すように、第3の実施の形態に係る接遇ガイドシステム1bは、ガイドサーバ2bと、受付端末3と、カメラ4、5、7及び8と、医師端末6とを有する。第3の実施の形態に係るガイドサーバ2bは、通信I/F21と、入力I/F22と、ディスプレイ23と、記憶回路24bと、処理回路25bとを有する。記憶回路24bは、例えば、図16に示すように、担当者言動情報241と、対象者言動情報242aと、ガイド情報243と、アドバイス情報244bとを記憶する。
第3の実施の形態において、アドバイス情報244bは、例えば、担当者等により入力されるフリーワード等のアドバイスを記憶する。アドバイス情報244bは、例えば、情報登録機能256bにより登録される。図17は、第3の実施の形態に係るアドバイス情報の一例を示す図である。図17に示すように、第3の実施の形態に係るアドバイス情報244bは、「患者ID」と、「モード」と、「詳細アドバイス」とを対応付けて記憶する。図17において、「患者ID」及び「モード」は、詳細アドバイスに記載されるアドバイスが出力される条件として、対象者の患者ID及び接遇モードを記憶する。「詳細アドバイス」は、当該患者ID及びモードが合致する場合に出力されるアドバイスを記憶する。
図16に戻って、処理回路25bは、制御機能251と、モード設定機能252aと、判定機能253と、出力機能254bと、基準設定機能255と、情報登録機能256bとを実行する。出力機能254bは、第1の実施の形態における出力機能254と同様に、判定機能253から出力されるガイドCodeに対応するガイド情報243のレコードを記憶回路24から抽出して、端末等に出力する。また、出力機能254bは、アドバイス情報244bを参照し、端末等に、記憶された過去の接遇に関する情報を含むガイド情報を選択して出力する。例えば、出力機能254bは、現在の対象者の患者ID及び現在の接遇モードが一致するレコードに登録された詳細アドバイスを抽出する。
例えば、出力機能254bは、接遇モードが「クレーム」である場合、現在の対象者の患者IDにかかわらず、図17に示すようなクレーム内容の例及び応答例を抽出し、端末等に出力する。また、例えば、出力機能254bは、現在の対象者の患者IDが「1010」であり、接遇モードが「VIP」である場合、図17に示すような想定問答及び応答例を抽出し、端末等に出力する。また、例えば、出力機能254bは、現在の接遇モードが「悲しい」である場合、現在の対象者の患者IDにかかわらず、「ですます調子でしゃべりましょう」という詳細アドバイスを抽出し、端末等に出力する。
情報登録機能256bは、対象者に対する過去の接遇に関する情報の入力を受け付ける。また、情報登録機能256bは、入力された接遇に関する情報を、対象者と、過去の接遇時において特定又は選択されたモードと対応付けて記憶する。例えば、情報登録機能256bは、接遇ガイド中において、ガイドサーバ2bの入力I/F22又は通信I/F21を通じて、接遇ガイドシステム1bの管理者又は受付担当者30若しくは医師からアドバイスの入力を受け付ける。情報登録機能256bは、アドバイスの入力を受け付けると、現在の対象者の患者IDと、現在の接遇モードとを特定する。そして、情報登録機能256bは、受け付けたアドバイスを、特定した患者ID及び接遇モードと対応付けて、アドバイス情報244bに登録する。
情報登録機能256bが、アドバイスの入力を受け付ける際に表示される情報の構成例について、図18を用いて説明する。図18は、第3の実施の形態に係る接遇ガイド画面の一例を示す図である。図18に示すように、第3の実施の形態に係る接遇ガイド画面300は、図3に示すような接遇ガイド画面300に示す各項目に加えて、さらに登録ボタン302を含む。
図18に示す接遇ガイド画面300は、例えば受付端末3において表示される。ガイドサーバ2bの情報登録機能256bは、例えば、受付端末3において、登録ボタン302が選択されたことを検出すると、アドバイス入力ウインドウ303を受付端末3に表示させる。図18に示すように、アドバイス入力ウインドウ303は、例えば、患者IDを選択するプルダウンメニューと、現在のモードを選択するプルダウンメニューと、アドバイスの内容を入力する入力欄とを含む。図18に示すように、アドバイス入力ウインドウ303は、例えば、現在の受付対象者20の患者IDと、現在の接遇モードとを強調表示するが、例えば複数の患者IDや複数の接遇モードを選択できるような構成であってもよい。受付端末3は、アドバイス入力ウインドウ303において、入力ボタンが選択されたことを検出すると、選択された患者ID及び接遇モード、並びに入力されたアドバイスの内容をガイドサーバ2bに送信する。
ガイドサーバ2bの情報登録機能256bは、選択された患者ID及び接遇モード、並びに入力されたアドバイスの内容を、アドバイス情報244bに登録する。なお、情報登録機能256bは、例えば図18に示すアドバイス入力ウインドウ303において「全患者」が選択された場合、アドバイス情報244bの「患者ID」に「ALL」を登録する。同様に、情報登録機能256bは、例えば図18に示すアドバイス入力ウインドウ303において「全モード」が選択された場合、アドバイス情報244bの「モード」に「ALL」を登録する。例えば、情報登録機能256bは、図18に示すアドバイス入力ウインドウ303において、ID「全患者」、モード「悲しい」が選択され、「ですます調でしゃべりましょう」という内容が入力された場合、図17に示すようなアドバイス情報244bの上から3番目のレコードを登録する。
次に、第3の実施形態に係る接遇ガイドシステム1aによる処理の手順について、図19を用いて説明する。図19は、第3の実施の形態に係るガイド処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、図14に示すステップと同じ符号については同様のステップであるため、詳細な説明を省略し、ステップS110、S111、S150及びS151について説明する。ここで、図19におけるステップS110及びS111は、例えば、処理回路25bが情報登録機能256bに対応するプログラムを記憶回路24bから読み出して実行することにより実現される。また、ステップS150及びS151は、例えば、処理回路25bが出力機能254bに対応するプログラムを記憶回路24bから読み出して実行することにより実現される。
例えば、図19に示すように、本実施形態に係る接遇ガイドシステム1bにおいて、処理回路25bは、ステップS102において映像及び音声を取得すると、アドバイスの入力があったか否かを判定する(S110)。処理回路25bは、アドバイスの入力がなかったと判定した場合(ステップS110否定)、S120に移行する。
処理回路25bは、アドバイスの入力があったと判定した場合(ステップS110肯定)、入力されたアドバイスを、対象者の患者ID及び接遇モードと紐付けて、アドバイス情報244bに登録し(S111)、S120に移行する。
また、処理回路25bは、ステップS131において設定基準が変更された場合、アドバイス情報244bを参照し、変更後の接遇モード及び現在の患者IDに対応するアドバイスが登録されているか否かを判定する(ステップS122)。処理回路25aは、アドバイスが登録されていないと判定した場合(ステップS122否定)、ステップS140に移行する。
一方、処理回路25aは、アドバイスが登録されていると判定した場合(ステップS122肯定)、記憶回路24aから、アドバイス情報244bに登録されたアドバイスを抽出して、端末等に出力する(ステップS151)。その後、ステップS140に移行する。
次に、図19に示す接遇ガイド処理において出力される、登録されたアドバイス情報244bを含むガイド情報の構成例について、図20を用いて説明する。図20は、第3の実施の形態に係る接遇ガイド画面の別の一例を示す図である。図20に示す接遇ガイド画面600は、例えば、医師端末6に表示される。図20に示すように、第3の実施の形態に係る接遇ガイド画面600は、ガイド情報欄621において、図11のガイド情報欄621に表示されるようなガイド情報の代わりに、アドバイス情報「ですます調でしゃべりましょう」が表示される。なお、図20に示す接遇ガイド画面600のガイド情報欄621には、アドバイス情報とガイド情報との両方が表示されてもよい。
上述したように、第3の実施形態に係る接遇ガイドシステム1bは、過去に担当者等により入力されたアドバイス情報を、該当する対象者及びモードに対応して出力できるので、接遇スキルが高い担当者等が予め入力したノウハウを、条件が合致する場合に他の担当者等に知らせることを可能にする。
上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、各実施の形態における接遇ガイドシステムの構成は上記したものに限られず、例えば、受付端末3が処理回路25の一部又は全部の機能を実装してもよく、また記憶回路24が記憶する内容の一部又は全部を記憶してもよい。例えば、受付端末3が処理回路25の全部の機能を実装し、記憶回路24が記憶する内容の全部を記憶することにより、スタンドアロンのコンピュータ上において接遇ガイドシステム1と同様の構成を実装することができる。また、ガイドサーバ2の処理回路25が有する各機能がクラウド上に実装され、記憶回路24が記憶する内容がクラウド上に記憶されてもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、接遇担当者に改善を促す接遇ガイド情報を出力することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。