JP2020041900A - 慣性センサ出力補正装置及び慣性センサ出力補正方法 - Google Patents

慣性センサ出力補正装置及び慣性センサ出力補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の運用の開始前後に関わらず、慣性センサを監視してオフセット誤差を補正する。【解決手段】慣性センサから得られる第1の加速度と車両の車輪速度から得られる第2の加速度との差分である加速度差分値に基づいて、走行区間における車両の走行路面の勾配を算出する走行路面勾配算出部と、走行路面の勾配を走行区間の距離で積分して、走行区間における推定標高変化量を算出する推定標高変化量算出部と、推定標高変化量に応じて慣性センサの出力を補正する補正部と、を備える、慣性センサ出力補正装置が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、慣性センサ出力補正装置及び慣性センサ出力補正方法に関する。
車両に設置されている慣性センサの出力にはオフセット誤差が含まれている。オフセット誤差には、慣性センサの取付け角度の誤差による重力成分の意図しない検出値、センサあるいはエレメント固有の誤差等が混在しており、慣性センサを車載した状態ではこれらを区別することは困難である。
このため、一般的には、組立工場内で車両を静置した状態を水平と仮定して、所定時間静置させた状態での慣性センサの出力をオフセット誤差とし、補正することが行われている。すなわち、かかる方法は、目視等により水平かつ加速度なしの環境を保証することにより成立する。
しかし、組立中または組立直後の車両は、サスペンション機構部品等の摺動抵抗が大きいため、車両の水平状態を確保、保証することが困難である。このため、車両を静置した状態で測定された慣性センサの出力をオフセット誤差として用いた場合に、正確な補正が行われないことも考え得る。
また、車両の運用開始前にオフセット誤差を補正したとしても、例えば、防振ゴム劣化等の、慣性センサ取付状態の経時劣化によって水平基準が変化したり、慣性センサ単体の応答特性の経時劣化によってゼロ位置が変化したりする。このため、車両の運用が開始された後においてもオフセット誤差の補正が必要になる場合もあり得る。
例えば特許文献1〜3では、車両の運用開始後、経時劣化等により変化する慣性センサの出力の補正方法が検討されている。
特開2015−224977号公報 特開2013−019837号公報 特開2001−1336618号公報
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、補正に起因した車両の加減速度の変化に対するドライバの違和感の発生を抑えつつ、センサ出力値の真値への収束速度を向上することを目的としている。また、上記特許文献2に記載の技術では、経時変化による長時間の緩やかな0点の変化と、温度変化や車両への積載等の比較的短時間の0点の変化の双方に対応した0点補正を行うことを目的としている。
これらは車両の運用開始後における慣性センサの出力補正を意図したものであり、車両の運用開始前の調整には適していない。
上記特許文献3に記載の技術は、車両の運用開始前及び運用開始後のいずれにおいても適用可能である。しかし、その判定においては車両が停止状態にあることが必要であり、慣性センサの出力を補正する必要があるか否かを判定するタイミングが限定される。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、車両の運用の開始前後に関わらず、慣性センサを監視してオフセット誤差を補正することが可能な、新規かつ改良された慣性センサ出力補正装置及び慣性センサ出力補正方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、慣性センサから得られる第1の加速度と車両の車輪速度から得られる第2の加速度との差分である加速度差分値に基づいて、走行区間における車両の走行路面の勾配を算出する走行路面勾配算出部と、走行路面の勾配を走行区間の距離で積分して、走行区間における推定標高変化量を算出する推定標高変化量算出部と、推定標高変化量に応じて慣性センサの出力を補正する補正部と、を備える、慣性センサ出力補正装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、慣性センサから得られる第1の加速度と車両の車輪速度から得られる第2の加速度との差分である加速度差分値に基づいて、走行区間における車両の走行路面の勾配を算出する走行路面勾配算出ステップと、走行路面の勾配を走行区間の距離で積分して、走行区間における推定標高変化量を算出する推定標高変化量算出ステップと、推定標高変化量に応じて慣性センサの出力を補正する補正ステップと、を含む、慣性センサ出力補正方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、車両の運用の開始前後に関わらず、慣性センサを監視してオフセット誤差を補正することができる。
本発明の一実施形態に係る慣性センサ出力補正装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 車両の加速度の路面平行成分、路面垂直成分及び走行路面の勾配との一関係を示すグラフである。 走行路面の勾配の角度がθであるときの、車両に作用する加速度成分を示す説明図である。 同実施形態に係る慣性センサ出力補正方法の一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る慣性センサ出力補正方法の一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る慣性センサ出力補正方法でのデータ記録に関する処理を表すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.慣性センサ出力補正装置>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る慣性センサ出力補正装置100の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る慣性センサ出力補正装置100の一構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る慣性センサ出力補正装置100は、図1に示すように車両10に設けられ、走行路面勾配算出部110と、推定標高変化量算出部120と、補正部130とを有する。慣性センサ出力補正装置100は、例えばECU(Engine Control Unit)により実現される。
(走行路面勾配算出部)
走行路面勾配算出部110は、慣性センサ11から得られる第1の加速度と車両10の車輪速度から得られる第2の加速度との差分である加速度差分値に基づいて、走行区間における車両10の走行路面の勾配を算出する。
車両10には、慣性センサ11として、車両の前後方向の加速度に応じた出力を発生させる加速度センサ(いわゆるGセンサ)が搭載されている。慣性センサ11により検出された車体加速度AccG−senは、走行路面勾配算出部110へ出力される。
また、車両10を構成する複数(例えば4つ)の車輪には、それぞれ車輪速度を検出する車軸速度センサ13が搭載されている。車軸速度センサ13により検出された各車輪速度(例えば、V、V、V、V)から求められた車両速度Vは、走行路面勾配算出部110へ出力される。
走行路面勾配算出部110は、慣性センサ11により検出された車体加速度AccG−senと車両速度Vから得られる車体加速度Accwhとの差分である、加速度差分値Accdiffを算出する。車体加速度Accwhは、車体速度Vの微分値とする。走行路面勾配算出部110は、加速度差分値Accdiffに基づき走行路面の勾配(角度)θを求める。走行路面の勾配θの算出方法の詳細については後述する。
(推定標高変化量算出部)
推定標高変化量算出部120は、走行路面勾配算出部110により算出された走行路面の勾配θを走行区間の距離で積分し、走行区間における推定標高変化量を算出する。推定標高変化量算出部120により算出される推定標高変化量は、ある走行区間における初期状態からの標高差を示す。推定標高変化量の具体的な算出方法は後述する。
(補正部)
補正部130は、推定標高変化量算出部120により算出された推定標高変化量に応じて慣性センサ11のオフセット誤差を補正する。補正部130は、推定標高変化量が現実的により得る値であるかを判定することによりオフセット誤差の有無を判定し、オフセット誤差がある場合には補正する。補正部130によるオフセット誤差の有無の判定方法とオフセット誤差の補正方法についての詳細な説明は後述する。
<2.慣性センサ出力補正方法>
次に、図2〜図5に基づいて本実施形態に係る慣性センサ出力補正方法を説明する。以下では、まず、走行路面の勾配算出処理、推定標高変化量の算出処理、及び、オフセット誤差の有無の判定及びオフセット誤差の補正処理について、具体的な処理内容を説明した後、慣性センサ出力補正方法の一処理例を説明する。
[2−1.走行路面の勾配算出]
走行路面の勾配算出は、走行路面勾配算出部110により、慣性センサ11により検出された車体加速度AccG−senと車両速度Vから得られる車体加速度Accwhとの差分である、加速度差分値Accdiffに基づき算出される。加速度差分値Accdiffは下記式(1)で表される。
Figure 2020041900
加速度差分値Accdiffは、車両10の進行方向の傾斜により検出された重力加速度の成分を示している。加速度差分値Accdiffは走行路面の勾配による重力加速度の成分を示すことから、以下のように瞬間の走行路面の勾配を算出することが可能である。
まず、加速度差分値Accdiffを走行路面に平行な成分(路面平行成分)と走行路面に垂直な成分(路面垂直成分)は、下記式(2)の関係を満たす。
Figure 2020041900
ここで、図2に、路面平行成分と路面垂直成分との関係を破線で示す。図2の破線は上記式(2)の値を表しており、横軸が路面平行成分、縦軸(右)が路面垂直成分を示す座標系にて表している。これらの関係は放物線状で表される。
一方、走行路面の勾配θは、sinθ=(路面平行成分/9.81)より、下記式(3)で表される。
Figure 2020041900
ここで、慣性センサ11により検出された車体加速度AccG−senと式(3)に基づき算出される勾配の理論値との関係を図2の実線で示す。図2の実線は、横軸が路面平行成分、縦軸(中央)が勾配の理論値を示す座標系にて表している。走行路面の勾配θは、この図2の実線に基づき得ることができる。
すなわち、車軸速度センサ13の検出値に基づく車体速度Vの微分値から得られた車体加速度Accwhは、路面に対して相対的な加速度である。このため、図3の破線矢印で示すように、走行路面の斜面に沿った方向(つまり路面平行成分)の実際の車体加速度に一致する。一方、慣性センサ11による車両前後方向における車体加速度AccG−senには、路面平行の実際の車体加速度に、重力加速度の路面平行成分が加算されている。つまり、慣性センサ値(AccG−sen)から車両の走行状態による加減速度(Accwh)を取り除くことにより車両走行中においても重力加速度の路面平行成分(Accdiff)を取得することができる。
走行路面勾配算出部110は、図2にて実線で示した路面平行成分の加速度と走行路面の勾配θとの関係から、算出された加速度差分値Accdiffに対応する走行路面の勾配θを特定する。
なお、図2の実線のように路面平行成分と勾配θの理論値とはほぼ比例関係を有しているが、路面平行成分の絶対値の値が大きくなると比例関係が崩れてくる。このため、図2の実線を表す関数そのものを用いてもよいが、これらの関係の精度が十分に確保できる範囲で、当該関数に対する1次近似式等の近似式を用いて、勾配θを算出してもよい。
例えば、図2の細線の枠で示す範囲を、一次近似で線形化しても路面平行成分と勾配θの理論値との関係の精度が十分に確保できる範囲として、下記式(4)より勾配θを求めてもよい。
Figure 2020041900
[2−2.推定標高変化量の算出]
推定標高変化量算出部120は、上記式(3)または式(4)を用いて走行路面勾配算出部110により算出された走行路面の勾配θを走行距離で積分する。これにより、初期状態からの標高差、すなわち走行区間における推定標高変化量Δhを算出することができる。
走行距離は、走行路面の勾配が大きくなると水平距離よりも大きくなるが、勾配があまり大きくない一般的な路面においては、走行距離は水平距離とみなしてよい。この場合、走行区間(l〜l+x)における推定標高変化量Δhは、下記式(5)より求めることができる。
Figure 2020041900
加速度差分値Accdiffは小さい値であり、この値をそのまま用いてオフセット誤差の有無を判定すると、補正すべき誤差であるのか否かを判定するのが難しい。そこで、本実施形態では、上記式(5)によって加速度差分値Accdiffから得られる走行路面の勾配θを走行距離で積分することで、評価可能な値に変換している。
[2−3.オフセット誤差の有無の判定及びオフセット誤差の補正]
補正部130は、推定標高変化量Δhに応じて慣性センサのオフセット誤差を補正する。
例えば、通勤等の生活圏内での走行において始点と終点とを往復する走行区間を考えると、始点と終点とは同じ場所であるため、かかる走行区間での推定標高変化量Δhはほぼゼロとなる。また、長距離走行でも推定標高変化量Δhは現実的なある範囲内に収まるはずである。このような要件を満していれば、推定標高変化量Δhに対してオフセット誤差がないと判定し得る。
一方、推定標高変化量Δhに対してオフセット誤差が存在すれば、走行距離とともに標高がどんどん加算または減算される。このため、生活圏で始点と終点とを往復する走行区間での推定標高変化量Δhが上下限値を超えると考え得る。長距離走行でも推定標高変化量Δhが非現実的な値となることが考えられる。このような場合、推定標高変化量Δhに対してオフセット誤差が生じていると判定し得る。
このように、走行区間において推定標高変化量Δhが想定し得る範囲内の値であるか否かにより、オフセット誤差の検出が可能であり、推定標高変化量Δhに基づき慣性センサ11の補正が可能となる。具体的には、以下のようなオフセット誤差の有無の判定及びオフセット誤差の補正のパターンが考えられる。
(a.随時補正パターン)
まず、積算走行距離に拠らず随時オフセット誤差を検出し、慣性センサ11の出力を補正してもよい。例えば走行路面が平坦であることが保証されている評価路である場合、かかる走行路面走行時の推定標高変化量Δhがゼロであるか否かを判定し、オフセット誤差を検出してもよい。
具体的には、工場サービス等での検査等に上記評価を行ってもよい。ラインオフ直後の車両を、平坦が保証された評価路で数百m走行させる。慣性センサ出力補正装置100は、このときの走行距離に対する推定標高変化量Δhがゼロか否かを判定し、推定標高変化量Δhがゼロであればオフセット誤差はないと判定する。
一方、推定標高変化量Δhがゼロでなければ、慣性センサ出力補正装置100は慣性センサ11にオフセット誤差があると判定する。そして、推定標高変化量Δhがゼロ、すなわち、推定される走行路面の勾配θがゼロとなるように、慣性センサ11の出力を補正する。
オフセット誤差により、推定標高変化量Δhと基準標高差との差分が発生する。例えば走行路面が平坦である場合には、基準標高差はゼロである。かかるオフセット誤差がゼロとなるように慣性センサ11の出力を補正すれば、推定標高変化量Δhが許容範囲内の値に近づくようになる。
なお、オフセット誤差の有無は、推定標高変化量Δhが厳密にゼロであるか否かを判定する以外にも、推定標高変化量Δhがゼロとみなすことのできる推定標高変化量Δhの範囲内の値であるか否かによって判定してもよい。
このように短期の走行結果に基づき、オフセット誤差の有無を判定し、オフセット誤差がある場合には直ちに補正することができる。その結果、工場サービスにてオフセット誤差の最低保証を担保することが可能となる。
(b.定期補正パターン)
あるいは、繰り返し走行する数十km程度の走行区間での走行履歴に基づいて、定期的にオフセット誤差を検出し、慣性センサ11の出力を補正してもよい。例えば、車両の走行履歴から、通勤等、ある決まった走行区間で走行することが特定される場合には、かかる走行区間での平均勾配を算出することができる。各走行区間において平均勾配は不変である。
また、走行区間として往復区間を設定した場合には、走行区間の始点と終点とは同一となり、勾配はゼロとなる。
そこで、日常的に繰り返し走行する走行区間の平均勾配を求めて当該走行区間の標高差を予め特定しておく。そして、所定の周期(例えば、1日毎、1週間ごと、1ヶ月毎)で、走行履歴より当該走行区間における走行路面の勾配θを算出し、算出された勾配θから算出される推定標高変化量Δhと予め特定された標高差とを比較することで、オフセット誤差の有無を判定すればよい。
例えば、推定標高変化量Δhが予め特定された標高差を含む許容範囲内であれば、オフセット誤差はないと判定し得る。一方、推定標高変化量Δhが予め特定された標高差を含む許容範囲外であれば、オフセット誤差があると判定し得る。
オフセット誤差があると判定された場合には、推定標高変化量Δhが許容範囲内となるように、慣性センサ11の出力を補正する。
オフセット誤差により、推定標高変化量Δhと基準標高差との差分が発生する。定期補正パターンでは、基準標高差は、平均勾配に基づき算出される標高差である。かかるオフセット誤差がゼロとなるように慣性センサ11の出力を補正すれば、推定標高変化量Δhが許容範囲内の値に近づくようになる。
なお、オフセット誤差の有無の判定タイミングにおいて、同一走行区間での走行が複数回ある場合には、これらの平均をとって推定標高変化量Δhを求めてもよい。
(c.長期走行補正パターン)
また、本実施形態に係る慣性センサ出力補正方法では、上記式(5)に基づき、瞬間の走行路面の勾配θと走行距離を積算して推定標高変化量Δhを導出する。そこで、ある程度の距離を走行した際に、推定標高変化量Δhを導出して、当該値が現実的な値であるか否かに基づき、慣性センサ11のオフセット誤差の有無を判定することも可能である。
ここでは、車両10が走行を開始した始点からの走行距離が所定距離(例えば100km)以上の区間を走行区間として設定してもよい。
当該走行区間にて車両10が到達可能な最高標高及び最低標高は、道路情報より既知である。そこで、走行区間において推定標高変化量Δhが、始点と最高標高との差分を上回っていたり、始点の標高と最低標高との差分を下回っていたりしたとき、慣性センサ11のオフセット誤差があると判定する。
このように、推定標高変化量Δhが非現実的な値である場合には、慣性センサ11にオフセット誤差が生じているとして、慣性センサ11の出力を補正する。
ここで、オフセット誤差は、推定標高変化量Δhと基準標高差との差分である。長期走行補正パターンでは、基準標高差は、当該走行区間における走行の始点から最高標高及び最高標高に基づき算出される標高差である。かかるオフセット誤差がゼロとなるように慣性センサ11の出力を補正すれば、推定標高変化量Δhが許容範囲内の値に近づくようになる。
上記の補正パターンのいずれかにおいて慣性センサ11の出力を補正する必要があると判定した場合には、推定標高変化量Δh及び走行路面の勾配θの計算を一時的に緩和または中断し、不要な補正が発生することを防止してもよい。
例えば、慣性センサ11の出力の補正が過剰に行われると、補正が正負方向に不要に繰り返し行われるため、慣性センサ11による車体加速度が正しく得られなくなる恐れがある。これを回避するため、補正実行する場合に、算出されたオフセット誤差に緩和係数を乗じた値を補正値として用いたり、補正値に対して上下限制限を設けたりすることで過剰な補正を防止し得る。
また、急転舵の場合や加速度が不安定に急変する場合、ABS、ESC等が作動した場合等の過渡的状態、あるいは、加速度、減速度、転舵角度等が大きい状態、極低速走行状態等では、入力信号の信頼性が低下することもある。これは、車輪のスリップ、車両10の横滑り等が起因しており、車輪速度に基づく車体加速度Accwh及び慣性センサ11に基づく車体加速度AccG−senの信頼性が低下する。
そこで、かかる状態でのオフセット誤差の算出処理を中断することで、慣性センサ11の出力が適切に補正されないことを回避することができる。
[2−4.処理例]
以下、図4A〜図5に基づいて、本実施形態に係る慣性センサ出力補正方法の一例を説明する。図4A及び図4Bは、本実施形態に係る慣性センサ出力補正方法の一例を示すフローチャートである。図5は、本実施形態に係る慣性センサ出力補正方法でのデータ記録に関する処理を表すフローチャートである。
なお、図4A及び図5におけるステップS1は、図4Aに示される制御フローの開始に相当する。図4B及び図5におけるステップS2は、図3Dに示される制御フローの終了に対応する。
まず、慣性センサ出力補正装置100は、慣性センサ11の出力値が有効であるか否かを示すセンサ値有効情報を受けて、慣性センサ11の出力の補正可否を判定する(S101)。センサ値有効情報より、慣性センサ11の出力を補正可能である場合には、ステップS103の処理に進む。
なお、慣性センサ11の出力を補正不可である場合には、図4BのステップS133の処理に進み、前回算出した補正値を変更せず(S133)、慣性センサ11の出力を補正する(S135)。
図4Aに戻り、慣性センサ11の出力を補正可能である場合には、走行路面勾配算出部110により、現在の走行路面の勾配θが算出される(S103)。走行路面勾配算出部110は、慣性センサ11から得られる第1の加速度v2(すなわち、車体加速度AccG−sen)と車両10の車輪速度から得られる第2の加速度v3(すなわち、車体加速度Accwh)との差分を算出し、加速度差分値Accdiffを算出する。
そして、走行路面勾配算出部110は、加速度差分値Accdiffに基づいて走行区間における車両10の走行路面の勾配v4(すなわち、勾配θ)を算出する。勾配θは、例えば上記式(3)または式(4)を用いて算出し得る。
次いで、慣性センサ出力補正装置100は、ステップS105〜S119を実行し、推定標高変化量算出部120により算出される推定標高変化量Δhに基づいて、慣性センサ11の出力のオフセット誤差の有無を判定する。
例えば、図4Aの例では、まず、随時補正パターンによるオフセット誤差の検出を実施する(S105〜S107)。例えば走行路面が平坦であることが保証されている評価路等の決められた走行路面を、所定の走行距離だけ任意のタイミングで走行した走行実績を用いる(S105)。
推定標高変化量算出部120は、ステップS105での走行実績から算出された推定標高変化量Δhと、予め取得された当該走行路面の標高差の上下限値v5とに基づいて、推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v5を逸脱しているか否かを判定する(S107)。
ステップS107にて推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v5を逸脱していると判定された場合には、オフセット誤差が算出される(図4BのS121)。
一方、ステップS107にて推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v5を逸脱していないと判定された場合には、単位走行距離における定期的なオフセット誤差の検出が行われる(S109〜S113)。すなわち、定期補正パターンによるオフセット誤差の検出が行われる。
例えば通勤等により繰り返し走行する走行路面での走行実績に基づきオフセット誤差を検出する場合、まず、当該走行区間の走行路面の平均勾配が算出される(S109)。次いで、推定標高変化量算出部120により、当該走行区間の走行実績から推定標高変化量Δhが算出される(S111)。そして、ステップS109で算出された当該走行路面の平均勾配に基づく標高差の上下限値v6に基づいて、推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v6を逸脱しているか否かが判定される(S113)。
ステップS113にて推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v6を逸脱していると判定された場合には、オフセット誤差が算出される(図4BのS121)。
一方、ステップS113にて推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v6を逸脱していないと判定された場合には、長期走行でのオフセット誤差の検出が行われる(S115〜S119)。すなわち、長期走行補正パターンによるオフセット誤差の検出が行われる。
まず、走行の始点から現時点までの走行区間における走行路面の勾配が算出される(S115)。次いで、推定標高変化量算出部120により、当該走行区間の走行実績から推定標高変化量Δhが算出される(S117)。そして、ステップS115で算出された当該走行路面の勾配に基づく標高差の上下限値v7に基づいて、推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v7を逸脱しているか否かが判定される(S119)。
ステップS119にて推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v7を逸脱していると判定された場合には、オフセット誤差が算出される(図4BのS121)。
一方、ステップS113にて推定標高変化量Δhが標高差の上下限値v6を逸脱していないと判定された場合には、前回算出した補正値を変更せず(S133)、慣性センサ11の出力を補正する(S135)。
ステップS105〜S119による慣性センサ11の出力のオフセット誤差の有無の判定を終えると、オフセット誤差があると判定された場合には、補正部130によりオフセット誤差が算出される(S121)。その後、ステップS105、S109、S115にて算出された推定標高変化量Δhはリセットされる(S123)。
次いで、補正部130は、ステップS121にて算出されたオフセット誤差が有効な値であるかを評価する(S125〜S129)。慣性センサ11の出力の補正が過剰に実施される等、不要な補正が発生することを防止するための処理である。
具体的には、補正部130は、予め設定された補正の上下限値v8と、ステップS121にて算出された補正値とを比較し、補正値が補正の上下限値v8の範囲内に収まっているか否かを判定する(S125)。
ステップS125にて補正値が補正の上下限値v8の範囲内であれば補正値は有効と判定し(S127)、慣性センサ11の出力v9(すなわち、車体加速度AccG−sen)を補正する(S131)。一方、ステップS125にて補正値が補正の上下限値v8の範囲外であれば補正値は無効と判定し(S129)、慣性センサ11の出力の補正は実施しない。
以上の処理により補正された慣性センサ11の出力、または、補正されなかった慣性センサ11の出力が、最終的な慣性センサ11の出力として、関連機能への情報として出力される(S135)。
以上、本実施形態に係る慣性センサ出力補正方法の一例を説明した。図4A及び図4Bに示した方法により算出された慣性センサ11のオフセット誤差の補正値、ステップS115〜S119に算出される走行距離の積算値、及び、推定標高変化量Δhは、図4A及び図4Bに示した方法が1回実施される毎に、RAM等の記憶装置に記録したり読み出したりしてもよい。
例えば図5に示すように、システム情報v10を参照し、システム情報v10の状況を判定する(S201)。システム情報v10に、慣性センサ出力補正装置100は慣性センサ出力補正処理にて過去に算出した上記値が記録されていない場合には、慣性センサ出力補正装置100は当該値を記憶装置へ記録する(S203)。
一方、システム情報v10に、慣性センサ出力補正装置100は慣性センサ出力補正処理にて過去に算出した上記値が記録されている場合には、慣性センサ出力補正装置100は当該値を記憶装置から読み出す(S205)。この後、新たな値が算出されれば、慣性センサ出力補正装置100は、記憶装置に記録されている値を新たな値に更新すればよい。
<3.まとめ>
以上、本実施形態に係る慣性センサ出力補正装置100の構成とこれによる慣性センサ出力補正方法について説明した。本実施形態によれば、慣性センサに基づく車体加速度と車軸速度センサに基づく車体加速度との差分より算出される推定標高変化量を、各補正パターンそれぞれに設定された許容標高差と比較することで、慣性センサのオフセット誤差を検出する。
これにより、車両の運用の開始前後に関わらず、慣性センサを監視してオフセット誤差を補正することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、慣性センサに基づく車体加速度と車軸速度センサに基づく車体加速度との差分より算出される推定標高変化量を、各補正パターンそれぞれに設定された許容標高差と比較することで、慣性センサのオフセット誤差を検出した。しかし、本発明はかかる例に限定されず、例えば、車両の位置情報及び地図情報をさらに用いて慣性センサのオフセット誤差を検出してもよい。
例えば立体駐車場のように、車両の緯度経度はほとんど変化していないにも関わらず、標高が急激に変化する場合がある。このような場合、車両の位置情報と地図情報とを比較し、その位置(あるいは走行区間)で想定し得る標高変化量を算出することで、より正確にオフセット誤差の有無を判定することが可能となる。
また、上記実施形態では、随時補正パターン、定期補正パターン、及び長期走行補正パターンのいずれにおいても、車両の推定標高変化量に基づき慣性センサのオフセット誤差を検出したが、本発明はかかる例に限定されない。
例えば随時補正パターン及び定期補正パターンについては、長期走行補正パターンに比べて短い距離での走行実績に基づき補正要否を評価する。このため、推定標高変化量を算出しなくとも、上記式(3)または式(4)により算出される走行路面の勾配と、実際の走行路面の勾配とを比較することで、慣性センサのオフセット誤差の有無を判定し得る。
10 車両
11 慣性センサ
13 車軸速度センサ
100 慣性センサ出力補正装置
110 走行路面勾配算出部
120 推定標高変化量算出部
130 補正部

Claims (7)

  1. 慣性センサから得られる第1の加速度と車両の車輪速度から得られる第2の加速度との差分である加速度差分値に基づいて、走行区間における前記車両の走行路面の勾配を算出する走行路面勾配算出部と、
    前記走行路面の勾配を前記走行区間の距離で積分して、前記走行区間における推定標高変化量を算出する推定標高変化量算出部と、
    前記推定標高変化量に応じて前記慣性センサの出力を補正する補正部と、
    を備える、慣性センサ出力補正装置。
  2. 走行を開始した始点からの走行距離が所定距離以上の区間を前記走行区間として、
    前記補正部は、前記推定標高変化量が、前記車両が到達可能な最高標高と始点との差分とを上回る、または、前記車両が到達可能な最低標高と始点との差分とを下回るとき、前記慣性センサにオフセット誤差があると判定する、請求項1に記載の慣性センサ出力補正装置。
  3. 車両が繰り返し走行する区間を前記走行区間として、
    前記補正部は、前記推定標高変化量が、予め算出された前記走行区間の平均勾配に基づき特定された標高差を含む許容範囲外であるとき、前記慣性センサにオフセット誤差があると判定する、請求項1または2に記載の慣性センサ出力補正装置。
  4. 前記走行路面の勾配及び走行距離が既知の走行路を前記走行区間として、
    前記補正部は、前記推定標高変化量がゼロを含む許容範囲外であるとき、前記慣性センサにオフセット誤差があると判定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の慣性センサ出力補正装置。
  5. 前記補正部は、
    前記推定標高変化量と基準とする基準標高差との差分をオフセット誤差とし、
    前記オフセット誤差を補正する補正値が補正可能範囲内の値であるか否かを判定し、
    前記補正値が前記補正可能範囲内である場合に慣性センサの出力を補正する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の慣性センサ出力補正装置。
  6. 前記補正部は、前記オフセット誤差に緩和係数を乗じた値を補正値とする、請求項5に記載の慣性センサ出力補正装置。
  7. 慣性センサから得られる第1の加速度と車両の車輪速度から得られる第2の加速度との差分である加速度差分値に基づいて、走行区間における前記車両の走行路面の勾配を算出する走行路面勾配算出ステップと、
    前記走行路面の勾配を前記走行区間の距離で積分して、前記走行区間における推定標高変化量を算出する推定標高変化量算出ステップと、
    前記推定標高変化量に応じて前記慣性センサの出力を補正する補正ステップと、
    を含む、慣性センサ出力補正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111879971A (zh) * 2020-09-28 2020-11-03 蘑菇车联信息科技有限公司 一种imu中加速度计的标定方法及相关装置

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