JP2020040487A - 車両用カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】頭部回転傷害値を効果的に低減することができる車両用カーテンエアバッグ装置を得る。【解決手段】カーテンエアバッグ14が車両幅方向内側へ向けて膨張展開されることで、斜突時等にカーテンエアバッグ14と運転席用エアバッグ26との間に向かって斜め前方へ移動する乗員の頭部Hの軌跡Lに膨張展開するカーテンエアバッグ14がより近づく。したがって、運転席用エアバッグ26における拘束面26Aの車両幅方向外側に接触した乗員の頭部Hの側面にカーテンエアバッグ14が干渉すると共に、この干渉量を多くできる。このため、乗員の頭部Hにカーテンエアバッグ14からの反力F3とカーテンエアバッグ14との摩擦力F4とが発生し、乗員の頭部Hに作用する略車両上下方向を軸方向として回転する力Wzに対してキャンセル方向に回転力が生まれる。これにより、頭部回転傷害値を効果的に低減することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用カーテンエアバッグ装置に関する。
下記特許文献1には、カーテンエアバッグ装置に関する発明が開示されている。このカーテンエアバッグ装置では、カーテンエアバッグに膨張展開した運転席用エアバッグが係合する凹部が形成されている。これにより、斜突時又は微小ラップ衝突時に乗員の頭部がカーテンエアバッグと運転席用エアバッグとの間の隙間に入り込むことが抑制される。
また、下記特許文献2に開示されたカーテンエアバッグ装置では、カーテンエアバッグの車室外側にタイパネルが設けられており、このタイパネルの上辺部と下辺部とがカーテンエアバッグに縫製されている。カーテンエアバッグにおけるタイパネルと重なる部位では、放射状に延在する線状結合部によって4つの膨張室が形成されている。したがって、カーテンエアバッグの内部にインフレータからガスが供給されると、タイパネルとカーテンエアバッグとの間にスペースが形成される。このため、膨張展開したカーテンエアバッグのみならず、タイパネルとカーテンエアバッグとの間のスペースも含めて乗員の頭部からの衝突荷重を吸収することができるので、カーテンエアバッグの膨張内圧を低くすることができる。これにより、インフレータを小型化することができる。
特開2016−028932号公報 特開2015−080993号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された構成の場合、斜突時等に膨張展開されたカーテンエアバッグは、慣性によって車室外側へ向かって変位する。この場合、カーテンエアバッグにおける乗員の頭部が接触する位置が変化するため、特許文献2に開示されたカーテンエアバッグにおけるスペースが形成される部位とは異なる部位に頭部が接触して効果的に衝突荷重を吸収できない可能性がある。また、オブリーク衝突時では、乗員の頭部がカーテンエアバッグと運転席用エアバッグとの間に向かって移動するが、一般的に運転席用エアバッグの拘束面、すなわち頭部と接触する車両後方側の面は、車両平面視にてステアリングホイールの略中心から車両幅方向外側へ向かうに連れて車両前方側へと湾曲している。したがって、運転席用エアバッグにおける拘束面の車両幅方向外側に接触した乗員の頭部には、略車両上下方向を軸方向として回転する力が作用し、頭部回転傷害値を効果的に低減できない可能性があり、上記先行技術はこの点で改良の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、頭部回転傷害値を効果的に低減することができる車両用カーテンエアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、車両衝突時に作動してガスを発生させるインフレータから内部に前記ガスが供給されることにより天井の車両幅方向外側の端部から車両下方側へ膨張展開されるメインチャンバを有し、運転席用エアバッグと共に膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグとは別体で構成され、前記カーテンエアバッグの前記メインチャンバにおける前記運転席用エアバッグの拘束面の近傍かつ当該拘束面の車両後方側の部位の車両幅方向内側に設けられると共に、車両上下方向の長さが対応する膨張展開状態の前記メインチャンバの車両上下方向の長さより短く設定され、下端部が前記カーテンエアバッグの下縁部に取り付けられておりかつ上端部が車体又は当該車体に支持される部材に取り付けられている規制テザーと、を有している。
請求項1に記載の発明によれば、車両用カーテンエアバッグ装置は、カーテンエアバッグと、規制テザーとを有している。カーテンエアバッグは、メインチャンバを有しており、このメインチャンバは、車両衝突時に作動してガスを発生させるインフレータから内部にガスが供給されることにより、天井の車両幅方向外側の端部から車両下方側へ膨張展開される。カーテンエアバッグは、運転席用エアバッグと共に膨張展開される。規制テザーは、カーテンエアバッグと別体で構成されており、カーテンエアバッグのメインチャンバにおける運転席用エアバッグの拘束面の近傍かつ当該拘束面の車両後方側の部位の車両幅方向内側に設けられている。また、規制テザーの車両上下方向の長さは、この規制テザーに対応する膨張展開状態のメインチャンバ、すなわち膨張展開状態のメインチャンバにおける規制テザーが設けられた部位の車両上下方向の長さより短く設定されている。そして、規制テザーの下端部は、カーテンエアバッグの下縁部に取り付けられており、規制テザーの上端部は、車体又は車体に支持される部材に取り付けられている。したがって、カーテンエアバッグは、車両衝突時に規制テザーによっていわば引っ張られるように車両幅方向内側へ向けて膨張展開されるため、車両衝突時に作用する慣性によって車両幅方向外側へ変位するのが抑制される。このため、カーテンエアバッグにおける乗員の頭部が接触する位置の変化が抑えられるため、カーテンエアバッグの狙った部位に乗員の頭部を接触させることができる。
また、カーテンエアバッグが車両幅方向内側へ向けて膨張展開されることで、斜突時等にカーテンエアバッグと運転席用エアバッグとの間に向かって斜め前方へ移動する乗員の頭部の軌跡に膨張展開するカーテンエアバッグがより近づく。したがって、運転席用エアバッグにおける拘束面の車両幅方向外側に接触した乗員の頭部の側面に、カーテンエアバッグが干渉すると共にこの干渉量を多くできるため、乗員の頭部に作用する略車両上下方向を軸方向として回転する力をカーテンエアバッグによりキャンセルすることができる。
ここで、「運転席用エアバッグの拘束面」とは、膨張展開時の運転席用エアバッグにおける車両後方側の面であり、乗員と対向する面をいう。
請求項1に記載の発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置は、頭部回転傷害値を効果的に低減することができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の膨張展開の状態を示す側面図である。 図1におけるA−A線に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。 第1実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の膨張展開の状態を模式的に示した平面図である。 比較例に係る車両用カーテンエアバッグ装置の膨張展開の状態を模式的に示した平面図である。 第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置の膨張展開の状態を示す側面図である。
(第1実施形態)
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る車両用カーテンエアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
(エアバッグモジュール)
図1には、本実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置10の作動状態が車室内側から見た側面図で示されている。この図に示されるように、車両用カーテンエアバッグ装置10は、側面衝突時にガスを発生する略円柱形状の図示しないインフレータ17と、このインフレータ17と接続されてインフレータ17から発生したガスの供給を受けて膨張展開するカーテンエアバッグ14と、を含んで構成されたエアバッグモジュール16を備えている。
エアバッグモジュール16は、車両搭載前の状態では、カーテンエアバッグ14が折り畳まれて細長い長尺状の部材としてアッセンブリ化されている。そして、この状態のエアバッグモジュール16が、ルーフサイドレールと天井としてのルーフヘッドライニング15の車両幅方向外側の端部15A(図2参照)との間のスペース、フロントピラーとその車室内側に配設されたフロントピラーガーニッシュ(いずれも不図示)との間のスペース、及びリヤピラーとその車室内側に配設されたリヤピラーガーニッシュ(いずれも不図示)との間のスペースに収納されている。
インフレータ17は細長い円柱状に形成されており、一例としてセンタピラーの車両上方側に車両前後方向を軸方向として配置されている。また、インフレータ17の先端外周部には、複数のガス噴出孔が形成されている。さらに、インフレータ17の内部には一例としてガス発生剤等が充填されており、作動時にはガス発生剤が燃焼して大量のガスが発生し、ガス噴出孔から噴出されるようになっている。上記構成のインフレータ17が、図示しないブラケットを介してルーフサイドレールに固定されるようになっている。
(カーテンエアバッグ)
カーテンエアバッグ14は、膨張展開時に車両側面視で、前席(ここでは運転席)のサイドドアのサイドウインドと後席のサイドドアのサイドウインド(いずれも不図示)の両方を略覆うことが可能な大きさを有する略長方形の袋状の布状部材として構成されている。より具体的に説明すると、カーテンエアバッグ14は、上記インフレータ17の先端側が挿入される図示しないガス導入部と、カーテンエアバッグ14の上縁に沿って車両前後方向に直線状に延びる図示しないガス供給路と、前席に着座した乗員(ここではドライバ)の頭部保護エリアに対応して当該頭部の車両幅方向外側に膨張展開されるメインチャンバとしてのフロントメインチャンバ38と、後席に着座した乗員の頭部保護エリアに対応して当該頭部の車両幅方向外側に膨張展開される図示しないリヤメインチャンバと、フロントメインチャンバ38の車両前後方向の前側に隣接して設けられたフロントディレイチャンバ42と、リヤメインチャンバの車両前後方向の前側に隣接して設けられた図示しないリヤディレイチャンバと、を備えている。
カーテンエアバッグ14における上記以外の部分は、ガスが流入されない非膨張部とされている。すなわち、カーテンエアバッグ14の外周部には第1非膨張部48が設定されており、フロントメインチャンバ38とフロントディレイチャンバ42との間には車両上下方向に延びる第2非膨張部50が設定されている。この他、カーテンエアバッグ14には、ガス供給量を減らしてインフレータ17の出力を下げるべく種々の非膨張部が設定されている。なお、カーテンエアバッグ14の膨張部及び非膨張部等の構成は、例えば、特開2016−055824号公報等で公知であるため、詳細な説明を省略する。
カーテンエアバッグ14のガスが供給される各部について補足すると、ガス導入部は、カーテンエアバッグ14の上縁の車両前後方向の略中間部に形成されている。このガス導入部にインフレータ17が接続されることで、インフレータ17から発生したガスが、ガス導入部を介してカーテンエアバッグ14内へ供給されるようになっている。また、上記ガス導入部は、ガス供給路の車両前後方向の中間部に連通されている。
フロントメインチャンバ38は、前席のサイドウインドの車両前後方向の中間部付近からセンタピラーとラップする範囲に亘って膨張展開するようになっている。このフロントメインチャンバ38の車両前後方向の前側には、第2非膨張部50を介してフロントディレイチャンバ42が配設されている。フロントディレイチャンバ42は、車両上下方向を長手方向とした円柱状に膨張するように形成されている。以上の構成により、カーテンエアバッグ14は、膨張展開時にルーフヘッドライニング15の車両幅方向外側の端部15Aから車両下方側へ展開されると共に車両幅方向に膨張される。
カーテンエアバッグ14の上縁部14Aには、適宜間隔で複数のタブ14AAが一体に形成されている。これら複数のタブ14AAは、カーテンエアバッグ14の上縁部14Aから車両上方側へ延出されている。これらのタブ14AAは、例えばカーテンエアバッグ14の基布と同様の布材が長尺矩形状に切り出されて形成されたものであり、縫製等の手段によってカーテンエアバッグ14の上縁部14Aと結合されている。各タブ14AAは、図示しない締結具によってフロントピラー及びルーフサイドレールに固定(係止)されている。なお、上記複数のタブ14AAは、カーテンエアバッグ14の上縁部14Aから一体に延出されものでもよく、上記の締結具は、クリップ等であってもよい。
(規制テザー)
図1に示されるように、カーテンエアバッグ14には、規制テザー20が取り付けられている。規制テザー20は、一例としてカーテンエアバッグ14の基布と同様の布材によって車両側面視にて車両上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。この規制テザー20の車両上下方向の寸法は、膨張展開状態のカーテンエアバッグ14における規制テザー20が取り付けられた部位のフロントメインチャンバ38の車両上下方向の寸法より短く設定されている。なお、規制テザー20は、カーテンエアバッグ14のフロントメインチャンバ38における車両前後方向略中央部かつ車両幅方向内側(車室側)に取り付けられており、フロントメインチャンバ38における乗員の頭部H(図3参照)と接触させたい部位Pの少なくとも一部を覆うよう(車両側面視にて重なるよう)に車両前後方向の寸法(幅)が設定されている。この乗員の頭部Hと接触させたい部位Pは、一例としてフロントメインチャンバ38における車両幅方向での膨張幅が大きい箇所(最大厚み部)に設定され、これによって頭部Hが接触した際に衝突荷重を効果的に吸収するように構成されている。また、規制テザー20は、図3に示されるように、カーテンエアバッグ14における運転席用エアバッグ26の拘束面26Aの近傍かつ拘束面26Aの車両後方側の位置に配置されている。
規制テザー20の上端部20Aは、車体に支持される部材としての後述するエッジプロテクタ28のフランジ部28Bに引っ掛けるように取り付けられている(図2参照)。一方、規制テザー20の下端部20Bは、カーテンエアバッグ14の下縁部14Bに縫製20Cにより取り付けられている。
カーテンエアバッグ14は、折り畳まれた格納状態において、エッジプロテクタ(ケース)28内に収納される構成になっている。エッジプロテクタ28は、ルーフサイドレールのインナパネル等に形成されたエッジ部がカーテンエアバッグ14と接触することを防止するものである。このエッジプロテクタ28は、例えば軟質の合成樹脂材料(例えばThermo Plastic Olefin)によって長尺状に成形されたものであり、長手方向が車両前後方向に沿うようにルーフサイドレールに配設されている。このエッジプロテクタ28は、フロントピラーガーニッシュの車両後方で車両前後方向に延在されている。なお、図1では、エッジプロテクタ28を概略的に記載している。
図2に示されるように、エッジプロテクタ28は、車両正面視で車両下方側かつ車両幅方向内側が開口した断面略逆U字状のプロテクタ本体28Aと、プロテクタ本体28Aの車両上方側の開口縁から車両上方側へ向けて延出されたフランジ部28Bとを備えている。このフランジ部28Bは、ルーフヘッドライニング15の車両幅方向外側の端部の裏面に対して接触又は近接して対向している。なお、図2では、カーテンエアバッグ14の膨張展開時の状態を図示しており、この状態では、プロテクタ本体28Aは、膨張展開されたカーテンエアバッグ14により開口が広げられた状態となる。
また、このエッジプロテクタ28は、プロテクタ本体28Aから車両上方側へ延出された複数の板状の固定片28C(図1参照)を備えている。複数の固定片28Cは、車両前後方向に適宜間隔をあけて並んでおり、ルーフサイドレールのインナパネルに対して車両幅方向内側から重ね合わされている。これらの固定片28Cは、カーテンエアバッグ14の複数のタブ14AAとインナパネルとの間にそれぞれ配置されており、複数のタブ14AAをインナパネルに固定した締結具を用いてインナパネルに固定(係止)されている。このエッジプロテクタ28は、ルーフサイドレール、すなわち車体に取り付けられている。したがって、規制テザー20の上端部20Aは、エッジプロテクタ28を介して車体に取り付けられている。
上述のカーテンエアバッグ14、インフレータ17及びエッジプロテクタ28は、車両の幅方向両側にそれぞれ設けられている。つまり、車両用カーテンエアバッグ装置10は、左右一対のカーテンエアバッグ14、左右一対のインフレータ17、及び左右一対のエッジプロテクタ28を備えて構成されている。なお、車両左側のカーテンエアバッグ14、インフレータ17及びエッジプロテクタ28の図示は省略する。
また、上述した車両用カーテンエアバッグ装置10は、図1に示されるように、コントローラ52によってその作動が制御されている。コントローラ52の入力側には、一例として、フロントエアバッグセンサ54、微小ラップ衝突検知センサ56、側面衝突検知センサ58及びロールオーバー検知センサ59が接続されている。フロントエアバッグセンサ54はフロントサイドメンバ等に配設されており、主としてフルラップ衝突及び斜突を含むオフセット衝突を検知している。また、微小ラップ衝突検知センサ56は、例えばフロントバンパリインフォースメントにおけるフロントサイドメンバとの接続部位よりも車両幅方向外側の部分(湾曲形状のコーナー部等)に配設されている。さらに、側面衝突検知センサ58はセンタピラー等に配設されており、主として側面衝突を検知している。また、ロールオーバー検知センサ59は車体フロアの中央部付近に配設されており、車両の横転を検知している。一方、コントローラ52の出力側には、車両用カーテンエアバッグ装置10のインフレータ17等が接続されている。
補足すると、斜突(MDB斜突、オブリーク衝突)とは、例えばNHTSAにて規定される斜め前方からの衝突(一例として、衝突相手方との相対角15°、車幅方向のラップ量35%程度の衝突)とされる。この実施形態では、一例として相対速度90km/hrでの斜突が想定されている。また、微小ラップ衝突とは、自動車Vの前面衝突のうち、例えばIIHSにて規定される衝突相手方との車幅方向のラップ量が25%以下の衝突とされる。例えば車体骨格であるフロントサイドメンバに対する車幅方向外側への衝突が微小ラップ衝突に該当する。この実施形態では、一例として相対速度64km/hrでの微小ラップ衝突が想定されている。なお、IIHSとは、米国道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety)の略称であり、NHSTAとは、米国の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)の略称である。
(第1実施形態の作用・効果)
次に、第1実施形態の作用並びに効果を説明する。
ここで、図4に示される比較例を用いながら、本実施形態の作用並びに効果を説明することにする。なお、本実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
図4に示されるように、斜突時に運転席用エアバッグ26及びカーテンエアバッグ100が膨張展開される。また、乗員の頭部Hは、図示しないフロントシートから運転席用エアバッグ26とカーテンエアバッグ100との間へ向かう軌跡L(図中二点鎖線参照)に沿って斜め前方へ移動する。
ここで、斜突時等に膨張展開されたカーテンエアバッグ100は、慣性によって車室外側へ向かって変位する。この場合、乗員の頭部Hがカーテンエアバッグに接触する位置が変化するため、当初想定していたカーテンエアバッグ100における乗員の頭部Hと接触させたい部位とは異なる部位に頭部が接触して効果的に衝突荷重を吸収できない可能性がある。
また、運転席用エアバッグ26の拘束面26Aは、車両平面視にて図示しないステアリングホイールの略中心から車両幅方向外側へ向かうに連れて車両前方側へと湾曲している。したがって、運転席用エアバッグ26に接触した乗員の頭部Hには、運転席用エアバッグ26からの反力F1と運転席用エアバッグ26との摩擦力F2とにより略車両上下方向を軸方向として回転する力Wzが作用し、頭部回転傷害値を効果的に低減できない可能性がある。
これに対し、本実施形態では、図1に示されるように、車両用カーテンエアバッグ装置10は、カーテンエアバッグ14と、規制テザー20とを有している。カーテンエアバッグ14は、フロントメインチャンバ38を有しており、このフロントメインチャンバ38は、車両衝突時に作動してガスを発生させるインフレータ17から内部にガスが供給されることにより、ルーフヘッドライニング15の車両幅方向外側の端部15Aから車両下方側へ膨張展開される。カーテンエアバッグ14は、運転席用エアバッグ26と共に膨張展開される。規制テザー20は、カーテンエアバッグ14と別体で構成されており、カーテンエアバッグ14のフロントメインチャンバ38における運転席用エアバッグ26の拘束面26Aの近傍かつ当該拘束面26Aの車両後方側の部位の車両幅方向内側に設けられている(図3参照)。また、規制テザー20の車両上下方向の長さは、この規制テザー20に対応するフロントメインチャンバ38、すなわちフロントメインチャンバ38における規制テザー20が設けられた部位の車両上下方向の長さより短く設定されている。そして、規制テザー20の下端部20Bは、カーテンエアバッグ14の下縁部14Bに取り付けられており、規制テザー20の上端部20Aは、エッジプロテクタ28を介して車体に取り付けられている。したがって、カーテンエアバッグ14は、車両衝突時に規制テザー20によっていわば引っ張られるように車両幅方向内側へ向けて膨張展開されるため、車両衝突時に作用する慣性によって車両幅方向外側へ変位するのが抑制される。このため、カーテンエアバッグ14における乗員の頭部H(図3参照)が接触する位置の変化が抑えられるため、カーテンエアバッグ14の狙った部位に乗員の頭部Hを接触させることができる。
また、図3に示されるように、カーテンエアバッグ14が車両幅方向内側へ向けて膨張展開されることで、斜突時等にカーテンエアバッグ14と運転席用エアバッグ26との間に向かって斜め前方へ移動する乗員の頭部Hの軌跡L(図中二点鎖線参照)に膨張展開するカーテンエアバッグ14がより近づく。したがって、運転席用エアバッグ26における拘束面26Aの車両幅方向外側に接触した乗員の頭部Hの側面に、カーテンエアバッグ14が干渉すると共にこの干渉量を多くできる。このため、乗員の頭部Hにカーテンエアバッグ14からの反力F3とカーテンエアバッグ14との摩擦力F4とが発生し、乗員の頭部Hに作用する略車両上下方向を軸方向として回転する力Wz(図4参照)に対してキャンセル方向に回転力が生まれる。これにより、頭部回転傷害値を効果的に低減することができる。
さらに、規制テザー20によってカーテンエアバッグ14が車両幅方向内側(車室側)へ膨張展開することから、カーテンエアバッグ14の内部の容量を増加させることなく乗員の頭部Hとのラップ量を増加させることができる。すなわち、乗員の頭部Hとのラップ量を増加させるため及び車両衝突時の拘束性能を向上させるためにカーテンエアバッグ14の内部の容量を増加させると、非適正位置(Out of position ; OOP)に乗員が位置する状態でカーテンエアバッグ14を膨張展開した場合に、乗員が受ける負荷が大きくなる場合がある。しかしながら、本実施形態では、カーテンエアバッグ14の内部の容量を増加させる必要がないので、カーテンエアバッグ14の膨張展開時に非適正位置に位置する乗員が受ける負荷を少なくすることができる。したがって、所謂OOP性能を向上させることができる。また、カーテンエアバッグ14の容量増加に伴うコスト増加も抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置80について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態に係る車両用カーテンエアバッグ装置80は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、規制テザー82の上端部82Aがアシストグリップブラケット84に取り付けられている点に特徴がある。
すなわち、図5に示されるように、ルーフサイドレールのインナパネルには、車体側部品としてのアシストグリップブラケット84が設けられている。換言すると、アシストグリップブラケット84は車体の一部を構成している。このアシストグリップブラケット84には車幅方向内側(車室内側)からアシストグリップ86が取り付け可能となっている。
規制テザー82の上端部82Aは、アシストグリップブラケット84に車両幅方向内側から重ね合わされている。つまり、アシストグリップブラケット84とアシストグリップ86との間に規制テザー82の上端部82Aが挟まれて固定されている。すなわち、規制テザー82の上端部82Aは、アシストグリップブラケット84に固定されることで、車体に固定されている。
(第2実施形態の作用・効果)
次に、第2実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成によっても、規制テザー82の上端部82Aがアシストグリップブラケット84に取り付けられている点以外は第1実施形態の車両用カーテンエアバッグ装置10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、規制テザー82の上端部82Aがアシストグリップブラケット84に取り付けられているので、規制テザー82の上端部82Aを固定するための構成を新たに設ける必要がない。したがって、低コストで本構成を適用することが可能となる。
なお、上述した第1、第2実施形態では、規制テザー20、82の上端部20A、82Aは、それぞれエッジプロテクタ28及びアシストグリップブラケット84により車体に固定されているが、これに限らず、車体に支持される他の部品を介して車体に固定されてもよいし、直接車体に固定されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 車両用カーテンエアバッグ装置
14 カーテンエアバッグ
14B 下縁部(カーテンエアバッグの下縁部)
15 ルーフヘッドライニング(天井)
15A 端部(天井の車両幅方向外側の端部)
17 インフレータ
20 規制テザー
20A 上端部(規制テザーの上端部)
20B 下端部(規制テザーの下端部)
26 運転席用エアバッグ
26A 拘束面
28 エッジプロテクタ(車体に支持される部材)
38 フロントメインチャンバ(メインチャンバ)
80 車両用カーテンエアバッグ装置
82 規制テザー
82A 上端部(規制テザーの上端部)
84 アシストグリップブラケット(車体)

Claims (1)

  1. 車両衝突時に作動してガスを発生させるインフレータから内部に前記ガスが供給されることにより天井の車両幅方向外側の端部から車両下方側へ膨張展開されるメインチャンバを有し、運転席用エアバッグと共に膨張展開されるカーテンエアバッグと、
    前記カーテンエアバッグとは別体で構成され、前記カーテンエアバッグの前記メインチャンバにおける前記運転席用エアバッグの拘束面の近傍かつ当該拘束面の車両後方側の部位の車両幅方向内側に設けられると共に、車両上下方向の長さが対応する膨張展開状態の前記メインチャンバの車両上下方向の長さより短く設定され、下端部が前記カーテンエアバッグの下縁部に取り付けられておりかつ上端部が車体又は当該車体に支持される部材に取り付けられている規制テザーと、
    を有する車両用カーテンエアバッグ装置。
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