JP2020039315A - 移植片対宿主病モデル動物、及び移植片対宿主病の治療剤のスクリーニング方法 - Google Patents

移植片対宿主病モデル動物、及び移植片対宿主病の治療剤のスクリーニング方法 Download PDF

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正 松田
健司 織谷
Kenji Oritani
健司 織谷
倫子 一井
Tomoko Ichii
倫子 一井
譲 金倉
Yuzuru Kanekura
譲 金倉
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Abstract

【課題】本発明は、GVHDモデル動物、当該動物の作製方法、及び当該動物を用いたGVHD治療剤のスクリーニング方法を提供する。【解決手段】非ヒト動物に、STAP1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片が、同種移植又は異種移植されている、GVHDモデル動物、及びGVHDモデル動物に被験物質を投与し、GVHDの症状が改善又は消失した場合に、前記被験物質をGVHD治療剤の候補物質として選抜し、前記GVHDモデル動物は、STAP1遺伝子及びSTAP2遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片が同種移植又は異種移植されている非ヒト動物である、GVHDの治療剤のスクリーニング方法。【選択図】なし

Description

本発明は、移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)のモデル動物、及びGVHDの治療剤をスクリーニングする方法に関する。
造血幹細胞(hematopoietic progenitor cell;HSC)移植は、血液疾患の治癒を望める治療法であり、移植する幹細胞の種類・適応疾患・移植法は多様化してきている。現在、造血幹細胞移植は、非血縁者間骨髄移植が1000症例以上の認定施設で行われている。GVHDは、移植後、特に同種移植後に特有の合併症であり、ドナー由来リンパ球がレシピエントの正常臓器を異物とみなして攻撃することによって起こる。GVHDの標準治療は、カルシニューリン阻害剤であるcyclosporin又はtaclorimusとmethotrexateとの2剤併用療法である。急性/慢性GVHDの標準的初期治療薬は、副腎皮質ステロイドであり、2次治療薬としてATG(抗胸腺細胞グロブリン)、MMF(mycophenolate mofeti)、抗TNF抗体、MSC(間葉系幹細胞)、及びステロイドパルスなどが挙げられる。しかし、これらの医薬による治療法は、日本では未承認である場合が多い。このため、現在においても、GVHDは、造血幹細胞移植に伴う死亡や患者生活レベル低下の主な原因である。
一方で、STAP(Signal transducing adaptor protein )ファミリーは、PH(Pleckstrin homology)ドメインとSH2(Src homology 2)ドメインを持つアダプタータンパク質である。STAPファミリーは、STAP1とSTAP2が存在する。生体内におけるSTAPファミリーの機能は未だ明らかになっていないが、他のアダプタータンパク質と同様に、様々なシグナル伝達経路に関与していると推定されている。例えばSTAP2は、慢性骨髄性白血病(CML)や急性リンパ性白血病の原因タンパク質であるBcr−ABLに結合すること、ヒトCML細胞株K562においてSTAP2遺伝子の発現を低下させることにより、細胞増殖が抑制され、かつ抗癌剤に対する感受性が亢進したことが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
Sekine,et al.,Oncogene,2012,vol.31,p.4384-4396. Cooke et al.,Blood,1996,Vol.8(8),p.3230-3239.
本発明は、GVHDの治療剤開発や病態解析に有用なGVHDモデル動物、及びGVHDの治療剤の候補化合物のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明者は、STAP1及びSTAP2を過剰発現させたトランスジェニックマウスの骨髄液を別系統のマウスに移植することにより、当該トランスジェニックマウスと同種の野生型マウスの骨髄液を移植した場合よりも、より重篤なGVHD症状が観察されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のGVHDモデル動物、GVHDモデル動物の作製方法、GVHDの治療剤のスクリーニング方法、及び医薬用組成物を提供するものである。
[1] 非ヒト動物に、STAP1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片が、同種移植又は異種移植されている、GVHDモデル動物。
[2] 前記移植片が骨髄液であり、
前記GVHDモデル動物の造血幹細胞が、前記トランスジェニック非ヒト動物に由来する造血幹細胞のみである、前記[1]のGVHDモデル動物。
[3] 前記移植片が、Tリンパ球及びBリンパ球が除去されている、前記[1]又は[2]のGVHDモデル動物。
[4] 非ヒト動物に、STAP1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片を、同種移植又は異種移植する、GVHDモデル動物の作製方法。
[5] 前記移植片が骨髄液であり、
前記移植片を移植する前に、前記非ヒト動物の全身に致死量の放射線を照射する、前記[4]のGVHDモデル動物の作製方法。
[6] 前記移植片が、Tリンパ球及びBリンパ球が除去されている、前記[4]又は[5]のGVHDモデル動物の作製方法。
[7] GVHDモデル動物に被験物質を投与し、GVHDの症状が改善又は消失した場合に、前記被験物質をGVHDの治療剤の候補物質として選抜し、
前記GVHDモデル動物は、STAP1遺伝子及びSTAP2遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片が同種移植又は異種移植されている非ヒト動物である、GVHDの治療剤のスクリーニング方法。
[8] 前記移植片が骨髄液であり、
前記GVHDモデル動物の造血幹細胞が、前記トランスジェニック非ヒト動物に由来する造血幹細胞のみである、前記[7]のGVHDの治療剤のスクリーニング方法。
[9] 前記移植片が、Tリンパ球及びBリンパ球が除去されている、前記[7]又は[8]のGVHDの治療剤のスクリーニング方法。
[10] 被験物質をSTAPファミリータンパク質と接触させ、前記被験物質が前記STAPファミリータンパク質と結合した場合に、前記被験物質をGVHDの治療剤の候補物質として選抜し、
前記STAPファミリータンパク質が、STAP1又はSTAP2である、GVHDの治療剤のスクリーニング方法。
[11] STAP1とSTAP2の少なくとも一方の機能を抑制又は阻害するSTAP阻害物質を有効成分とする、医薬用組成物。
[12] 前記STAP阻害物質が、STAP1遺伝子又はSTAP2遺伝子の発現を抑制又は阻害する物質である、前記[11]の医薬用組成物。
[13] 前記STAP阻害物質が、STAP1とSTAP2の少なくとも一方のタンパク質と結合する物質である、前記[11]の医薬用組成物。
[14] GVHDの予防又は治療のために用いられる、前記[11]〜[13]のいずれかの医薬用組成物。
本発明により、GVHDの症状を備えるGVHDモデル動物が得らえる。当該モデル動物は、GVHDの治療剤開発や病態解析に有用である。
また、本発明により、GVHDの予防又は治療のための医薬品の有効成分となり得る候補物質をスクリーニングすることができる。
実施例1において、各群のマウスの移植後の体重変化を示した図である。 実施例1において、各群のマウスの移植後のGVHDの総合スコアを示した図である。 実施例1において、移植後60日目の野生型コントロール群とSTAP2−Tgドナー群の大腸腸管のHE染色像である。 実施例1において、移植後90日目の野生型コントロール群とSTAP1−Tgドナー群の大腸腸管のHE染色像である。 実施例1において、移植後60日目の野生型コントロール群とSTAP2−Tgドナー群の胸腺のHE染色像である。 実施例1において、移植後90日目の野生型コントロール群とSTAP1−Tgドナー群の胸腺のHE染色像である。
<GVHDモデル動物>
本発明に係るGVHDモデル動物は、STAP1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物(以下、「STAP1発現Tg動物」ということがある。)から採取された移植片が、同種移植又は異種移植されている非ヒト動物である。つまり、GVHDモデル動物の製造において、STAP1発現Tg動物がドナー動物であり、STAP1発現Tg動物から採取された移植片が移植される非ヒト動物が、レシピエント動物である。移植片中に含まれているドナーの免疫細胞がSTAP1遺伝子を過剰発現していると、移植後のレシピエントはGVHDを発症する。この発症確率は、野生型の免疫細胞が含まれている移植片を移植した場合よりも有意に高く、ほぼ確実に(例えば、90%以上の発症率で)GVHDは発症する。また、本発明に係るGVHDモデル動物のGVHDの症状は、野生型の免疫細胞が含まれている移植片を移植した場合よりもより重症な傾向にある。
STAP1発現Tg動物は、STAP1遺伝子をコードする領域を含むDNAを、STAP1が発現可能な状態でレシピエント動物のゲノムに導入することにより得られる。レシピエント動物のゲノムに導入するDNAに含まれているSTAP1遺伝子は、レシピエント動物が本来もっている天然型のSTAP1遺伝子であってもよく、レシピエント動物とは異なる生物種の生物の野生型が保有しているSTAP1遺伝子であってもよい。また、STAP1の機能を有する改変体であってもよい。当該改変体としては、例えば、天然型のSTAP1遺伝子の1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、又は挿入された変異体をコードする遺伝子や、天然型のSTAP1遺伝子又はその変異体がコードするSTAP1のN末端若しくはC末端がペプチドで修飾された修飾体や他のタンパク質と融合したキメラ体をコードする遺伝子等が挙げられる。当該他のタンパク質としては、例えば、蛍光タンパク質が挙げられる。
STAP1遺伝子をコードする領域を含むDNAのゲノムへの挿入は、トランスジェニック動物の作製において使用されている遺伝子改変技術を利用して行うことができる。例えば、DNAを受精卵前核に直接注入する方法、レトロウイルスを利用する方法、トランスポゾンを利用する方法等によって、STAP1遺伝子をコードする領域を含むDNAがゲノム中のランダムな位置に挿入されたトランスジェニック非ヒト動物を作製することができる。また、相同組み換え法やゲノム編集等を利用することにより、STAP1遺伝子をコードする領域を含むDNAがゲノム中の特定の位置に挿入されたトランスジェニック非ヒト動物を作製することができる。相同組み換え法とは、ゲノム上の外来遺伝子を導入したい目的の領域の上流及び下流と相同な塩基配列で挟んだDNA断片を用い、相同組換えを利用する方法である。これらの方法は、常法により行うことができる。例えば、ゲノム編集のためのヌクレアーゼとしては、ZFN(Zinc-Finger Nuclease)、TALEN(Transcription Activator-Like Effector Nuclease)、CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)/Cas9(Crispr Associated protein 9)等がある。
当該STAP1発現Tg動物は、免疫細胞及びその前駆細胞においてSTAP1遺伝子が過剰発現していればよい。このため、当該STAP1発現Tg動物は、全身の細胞でSTAP1遺伝子が過剰発現していてもよく、免疫細胞及びその前駆細胞においてのみSTAP1遺伝子が過剰発現していてもよい。
なお、免疫細胞とは、免疫に関与する細胞である。具体的には、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞などが挙げられる。リンパ球には、T細胞、B細胞、NK細胞、形質細胞等がある。また、免疫細胞の前駆細胞とは、造血幹細胞に加えて、造血幹細胞から各免疫細胞へ成熟する過程の全ての細胞を含む。
本発明に係るGVHDモデル動物の作製のために使用される移植片は、いずれの組織から採取されたものであってもよい。当該移植片としては、例えば、骨髄液、リンパ液、腹水、血液のような細胞を含む液であってもよく、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、小腸、大腸、皮膚、角膜等の固形の組織又はその一部であってもよい。STAP1発現Tg動物から採取された移植片は、移植される前に、各種の前処理を行ってもよい。当該前処理としては、洗浄処理や、不要な生体成分の除去処理等が挙げられる。例えば、骨髄液を移植片とする場合、リンパ球、特にTリンパ球及びBリンパ球を予め除去する処理を行っておくことにより、劇症の急性GVHDの発症を抑え、比較的長期間GVHDの症状が観察できるGVHDモデル動物を作製できる。
STAP1発現Tg動物は、作製される目的のGVHDモデル動物と同種の非ヒト動物であってもよく、異種の非ヒト動物であってもよい。ただし、GVHD発症のために、STAP1発現Tg動物は、作製される目的のGVHDモデル動物とは免疫的に異なる動物である。これらの非ヒト動物の動物種は、ヒト以外であれば特に限定されるものではなく、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等の哺乳動物や、ニワトリ、ウズラ、カモ等の鳥類等が挙げられる。なかでも、実験動物として汎用されていることから、げっ歯類が好ましく、マウス又はラットがより好ましい。
本発明に係るGVHDモデル動物は、レシピエントである非ヒト動物に、STAP1発現Tg動物から採取された移植片を、同種移植又は異種移植することにより作製できる。移植片は、当該移植片の由来する組織と同じ組織に移植してもよく(同所移植)、異なる組織に移植してもよい(異所移植)。移植片の移植方法は特に限定されるものではなく、一般的な移植方法で行うことができる。
本発明に係るGVHDモデル動物を製造するに際し、移植片が移植される前のレシピエント動物は、免疫機能を低下させる前処置を行っておくことが好ましい。移植前に免疫機能を低下させておくことにより、移植後の拒絶反応を抑制し、移植片の生着効率を高め、GVDHモデル動物の作製効率を高めることができる。免疫機能を低下させる前処置としては、放射線照射処理、抗がん剤等の免疫抑制作用を備える薬剤の投与処理等が挙げられる。放射線処理の場合、レシピエント動物の全身に放射線を照射してもよく、一部にのみ照射してもよい。また、照射する放射線量は、致死量線量が好ましい。例えば、移植片を移植する前に、レシピエント動物の全身に致死量の放射線を照射しておくことにより、ドナー(STAP1発現Tg動物)から採取された骨髄液を移植することで、造血幹細胞がSTAP1発現Tg動物に由来する造血幹細胞のみであるGVHDモデル動物が作製できる。なお、致死量線量は、「照射後、骨髄液移植等の処置を行わない状態では、死亡率が100%となる線量」である。致死量線量は動物種によって異なり、実験的に求められる。
本発明に係るGVHDモデル動物は、ヒトにおけるGVHDと同様の病理学的所見及び症状が観察される。本発明に係るGVHDモデル動物では、STAPファミリータンパク質が過剰発現されていないドナー動物から採取された移植片を移植した以外は同様にして製造された非ヒト動物よりも、より重篤なGVHD症状が観察される。このため、本発明に係るGVHDモデル動物は、GVHDの機能解析や、GVHDの治療剤の候補物質のスクリーニングや薬効評価等に有用である。
例えば、急性GVHDの場合、本発明に係るGVHDモデル動物では、斑丘疹状の皮疹、嘔気、嘔吐、るいそう、食欲不振、水様下痢、腹痛、黄疸、イレウス、胆汁うっ滞性肝炎等が観察される。慢性GVHDの場合、口内炎、肝機能障害、皮膚の硬化病変、消化器症状 角結膜炎、骨髄抑制等が観察される。例えば、本発明に係るGVHDモデル動物のGVHDの重症度は、ヒトのGVHDの診断と同様にして鑑別できる。なお、本発明に係るGVHDモデル動物は、作製に用いたレシピエント動物と同様に、通常の飼育方法で飼育することができる。
なお、STAP1遺伝子のみならず、STAP2遺伝子も過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物(以下、「STAP1/STAP2発現Tg動物」ということがある。)から採取された移植片を、レシピエントである非ヒト動物に同種移植又は異種移植した場合にも、前述の本発明に係るGVHDモデル動物(STAP1発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物)と同様に、GVHDの病理学的所見及び症状が観察されるGVHDモデル動物を作製することもできる。また、STAP1遺伝子に代えてSTAP2遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物(以下、「STAP2発現Tg動物」ということがある。)から採取された移植片を、レシピエントである非ヒト動物に同種移植又は異種移植することによっても、GVHDの病理学的所見及び症状が観察されるGVHDモデル動物を作製することもできる。STAP1/STAP2発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物や、STAP2発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物は、STAP1発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物と同様にして作製することができる。
<GVHDモデル動物を用いたGVHDの治療剤のスクリーニング方法>
GVHDモデル動物に被験物質を投与し、GVHDの症状が改善又は消失した場合には、当該被験物質は、GVHDの治療効果を有すると評価できる。そこで、当該被験物質をGVHDの治療剤の候補物質として選抜することによって、GVHDの治療剤をスクリーニングすることができる。GVHDモデル動物のGVHDの症状が改善したかどうかや消失したかどうかは、ヒトのGVHDの症状の重症度判断基準を利用して判断することができる。
当該スクリーニング方法に使用されるGVHDモデル動物としては、STAP1発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物、STAP1/STAP2発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物、又はSTAP2発現Tg動物由来の移植片が移植されたGVHDモデル動物が好ましい。これらのSTAPファミリーが過剰発現している免疫細胞及びその前駆細胞を含む移植片を同種移植又は異種移植して作製されたGVHDモデル動物は、STAPファミリーが過剰発現していない免疫細胞を含む移植片を移植して作製された非ヒト動物よりも、観察されるDVHDの症状は比較的重篤であるため、被験物質のGVHDの治療効果をより評価しやすい。
被験物質としては、特に限定されるものではなく、例えば、核酸であってもよく、ペプチドであってもよく、タンパク質であってもよく、低分子化合物であってもよい。
被験物質のGVHDモデル動物への投与方法は、特に限定されるものではなく、経口投与であってもよく、静脈投与、腹腔内投与、皮下投与等の非経口投与であってもよい。これらの投与は常法により行うことができる。
<STAPファミリータンパク質を用いたGVHDの治療剤のスクリーニング方法>
後期実施例に示すように、STAP1遺伝子のノックアウト動物又はSTAP2遺伝子のノックアウト動物に由来する移植片を同種移植又は異種移植した場合には、GVHDが生じない。つまり、移植片中の免疫細胞及びその前駆細胞におけるSTAPファミリータンパク質の機能を低下又は阻害することにより、GVHDの発症を抑制できる。
一般的に、タンパク質の機能は、当該タンパク質に他の分子が結合することにより、当該タンパク質と本来のパートナー分子との相互作用が阻害される結果、低下又は阻害される。すなわち、STAPファミリータンパク質と結合する分子の中には、STAPファミリータンパク質の機能を阻害することにより、GVHDの発症を抑制できるものがある。このため、被験物質のSTAPファミリータンパク質との結合能を指標として、GVHDの治療剤をスクリーニングすることができる。
具体的には、被験物質をSTAPファミリータンパク質と接触させ、当該被験物質が前記STAPファミリータンパク質と結合した場合に、当該被験物質をGVHDの治療剤の候補物質として選抜することで、GVHDの治療剤のスクリーニングを行うことができる。当該STAPファミリータンパク質としては、STAP1であってもよく、STAP2であってもよい。
被験物質とSTAPファミリータンパク質とを接触させる方法は特に限定されるものではない。例えば、精製した又は粗精製したSTAPファミリータンパク質と被験物質とを適当な溶媒に共に混合した反応液を調製し、当該反応液から両者の結合体を各種の方法で検出することができる。当該方法の場合、予めSTAPファミリータンパク質にペプチドタグを付加しておき、当該ペプチドタグに対する抗体を利用した免疫沈降法を利用して被験物質とSTAPファミリータンパク質との結合の有無を調べることができる。ペプチドタグに代えてビオチンを用い、アビジン又はストレプトアビジンで修飾されたビーズを用いることにより、STAPファミリータンパク質と結合した被験物質を回収することができる。
<医薬用組成物>
本発明に係る医薬用組成物は、STAP1とSTAP2の少なくとも一方の機能を抑制又は阻害するSTAP阻害物質を有効成分とする。移植片中の免疫細胞及びその前駆細胞におけるSTAPファミリータンパク質の機能を低下又は阻害することにより、GVHDの発症を抑制できることから、STAP阻害物質は、GVHDの予防又は治療のために用いられる医薬用組成物の有効成分となる。STAP阻害物質としては、STAP1の機能を抑制又は阻害する物質であってもよく、STAP2の機能を抑制又は阻害する物質であってもよく、STAP1とSTAP2の両方の機能を抑制又は阻害する物質であってもよい。STAP欠損マウス自身では大きな異常が認められないことから、STAP阻害物質の副作用は軽微であることが予想される。
STAP阻害物質としては、STAP1遺伝子又はSTAP2遺伝子の発現を抑制又は阻害する物質であってもよい。当該物質としては、STAP1遺伝子又はSTAP2遺伝子のcDNAの部分領域のアンチセンス鎖や、RNA干渉を引き起こす核酸等が挙げられる。RNA干渉を引き起こす核酸としては、具体的には、STAP1遺伝子又はSTAP2遺伝子のcDNAの部分領域(RNAi(RNA干渉)標的領域)のセンス鎖とアンチセンス鎖からなる二本鎖構造を有するsiRNA、shRNA又はmiRNAが挙げられる。
STAP阻害物質としては、STAP1とSTAP2の少なくとも一方のタンパク質と結合する物質であってもよい。当該物質としては、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、糖質、低分子化合物、又はこれらの複合物質等のいずれであってもよい。STAP1又はSTAP2と結合する核酸、ペプチド、低分子化合物は、例えば、核酸、ペプチド、低分子化合物等のライブラリーに対して、STAP1又はSTAP2の全長タンパク質又は部分タンパク質と結合する物質をスクリーニングすることによって取得できる。スクリーニングを行う核酸、ペプチド、低分子化合物等のライブラリーは、公知の様々なライブラリーを用いることができる。例えば核酸やペプチドの場合には、SELEX法を用いることによって、STAP1又はSTAP2と特異的に結合するアプタマーを取得できる。
GVHDは、ドナーリンパ球による免疫応答を介して、宿主臓器へのリンパ球浸潤や炎症反応が病的背景である。このため、STAP1とSTAP2の少なくとも一方の機能を抑制又は阻害することにより、免疫応答や炎症反応をも抑制することができる。すなわち、STAP阻害物質は、免疫抑制剤や抗炎症剤としても応用できる。
次に実施例等を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以降の動物実験は、北海道大学の動物実験倫理委員会の承認のもと、北海道大学動物実験に関する規定に従い行った。
[実施例1]
GVHDモデル動物を作製し、GVHDの症状等を評価した。
<STAP1発現Tgマウスの作製>
C57BL/6マウスのゲノム中、Lck及びEμエンハンサーの下流に、マウスSTAP1遺伝子を組み込み、STAP1遺伝子を過剰発現するSTAP1発現Tgマウスを作製した(日本エスエルシー社により作製)。STAP1発現Tgマウスは、Lck及びEμエンハンサー遺伝子を上流に組み込んだヒトSTAP1遺伝子断片を含む発現用プラスミドをマウス受精卵にマイクロインジェクションした後、仮親の卵管内に移植し、自然分娩により得られたマウスのゲノムを解析し、STAP1遺伝子が目的のゲノム領域に組み込まれた個体を、STAP1発現Tgマウスとして選抜した。
作製されたSTAP1発現Tgマウスについて、造血幹細胞から成熟したリンパ球までの各成熟段階における細胞について、PCR法によりSTAP1の発現量等を調べた。この結果、STAP1発現Tgマウスでは、STAP1発現は、共通リンパ球前駆細胞段階から増強していることが確認された。
<STAP2発現Tgマウスの作製>
C57BL/6マウスのゲノム中、Lck及びEμエンハンサーの下流に、ヒトSTAP2遺伝子を組み込み、STAP2遺伝子を過剰発現するSTAP2発現Tgマウスを作製した(日本エスエルシー社により作製)。STAP2発現Tgマウスは、遺伝子断片にヒトSTAP2遺伝子を組み込んだ以外は、STAP1発現Tgマウスと同様にして作製した。
作製されたSTAP2発現Tgマウスについて、造血幹細胞から成熟したリンパ球までの各成熟段階における細胞について、PCR法によりSTAP2の発現量等を調べた。この結果、STAP2発現Tgマウスでは、STAP2発現は、共通リンパ球前駆細胞段階から増強していることが確認された。
<STAP1KOマウスの作製>
C57BL/6マウスのゲノム中のSTAP1遺伝子領域を切り出し、STAP1遺伝子をノックアウトしたSTAP1KOマウスを作製した。
STAP1KOマウスは、ゲノム上のSTAP1遺伝子領域又はその一部に、ネオマイシン耐性遺伝子を組み込むための相同組換え用断片を含む発現用ベクターを用いた相同組換え法により作製した。まず、線状にした発現用ベクターをエレクトロポレーションによりマウスES細胞に導入した後、抗生物質G418とジフテリア毒素の存在下で培養し、薬剤耐性クローンを選抜した。この選抜された薬剤耐性クローンのうち、ゲノムを解析して目的の相同組換えがなされたことが確認されたクローンを、マウスの胚盤胞に注入し、これを擬制妊娠させた仮親に移植してキメラマウスを得た。このキメラマウスを戻し交配を繰り返して、ホモ接合型のSTAP1KOマウスを得た。
作製されたSTAP1KOマウスについて、造血幹細胞から成熟したリンパ球までの各成熟段階における細胞について、PCR法によりSTAP1の発現を調べた。この結果、STAP1KOマウスでは、STAP1は発現していないことが確認された。
<STAP2KOマウスの作製>
C57BL/6マウスのゲノム中のSTAP2遺伝子領域を切り出し、STAP2遺伝子をノックアウトしたSTAP2KOマウスを作製した。
STAP2KOマウスは、ゲノム上のSTAP2遺伝子領域又はその一部にネオマイシン耐性遺伝子を組み込むための相同組換え用断片を用いた以外は、STAP1KOマウスと同様にして作製した。
作製されたSTAP2KOマウスについて、造血幹細胞から成熟したリンパ球までの各成熟段階における細胞について、PCR法によりSTAP2の発現を調べた。この結果、STAP2KOマウスでは、STAP2は発現していないことが確認された。
<GVHDモデル動物の作製>
移植片(ドナー細胞)としてC57BL/6マウス由来血球細胞を用い、レシピエントとしてBALB/Cマウスを用いてGVHDモデル動物を作製した。
具体的には、まず、野生型C57BL/6マウスの大腿骨及び脛骨から、骨髄液を採取した。この骨髄液から、MACS(Magnetic cell sorting)を用いた磁気細胞分離法を利用したネガティブ・セレクション法を行い、Tリンパ球及びBリンパ球を除去した。リンパ球除去骨髄液を、個体あたり5×10個の細胞が投与されるように、BALB/Cマウスに尾静脈から輸注した。当該BALB/Cマウスは、致死量の放射線を全身照射した後に、リンパ球除去骨髄液を静注した。
野生型C57BL/6マウスに代えて、STAP1発現Tgマウス、STAP2発現Tgマウス、STAP1KOマウス、STAP2KOマウス、及びBALB/Cマウスからも同様にして骨髄液を採取し、Tリンパ球及びBリンパ球を除去して得られたリンパ球除去骨髄液を、BALB/Cマウスに尾静脈から輸注した。
<GVHDモデル動物の評価>
リンパ球除去骨髄液の輸注日を移植後0日目とし、移植後90日までの生存の有無、及びGVHD症状の評価を経時的に行った。GVHD症状の評価は非特許文献2に記載の評価基準に準じて行った。具体的には、下記表1に示す。これらの基準に基づいてスコア化し、総合的な重症度を測定した。
また、各マウスについて、腸炎症状についても、下痢と下血の有無により重症度をグレード0〜4で評価した。皮膚炎症状についても、表皮及び真皮における組織ダメージと皮下脂肪の損失に基づいて10段階で重症度を評価した。さらに、組織病理学的検討も行った。
図1に、各マウスの移植後の体重変化を示す。移植時の体重を100%とした。また、図2に、各マウスのGVHDの総合スコアを示す。図中、「Balb」はBALB/Cマウスの骨髄液を移植したマウス(同系移植群)、「WT」は野生型C57BL/6マウスの骨髄液を移植したマウス(野生型コントロール群)、「S1Tg」はSTAP1発現Tgマウスの骨髄液を移植したマウス(STAP1−Tgドナー群)、「S2Tg」はSTAP2発現Tgマウスの骨髄液を移植したマウス(STAP2−Tgドナー群)、「S1KO」はSTAP1KOマウスの骨髄液を移植したマウス(STAP1−KOドナー群)、「S2KO」はSTAP2KOマウスの骨髄液を移植したマウス(STAP2−KOドナー群)、のそれぞれの結果を示す。
本実施例では、移植片としてリンパ球除去骨髄液を用いた。このため、いずれのマウスでも、移植後急性期に強い免疫応答は認めなかった。同系移植群では、放射線照射による一過性の体重減少が出現した後、体重は徐々に回復した。野生型コントロール群では、移植後30日頃より体重はやや低下し、同種免疫応答が起きていることが示唆された。ただし、明らかな腸炎や皮膚炎と行ったGVHD症状は認めなかった。
STAP2−Tgドナー群では、移植後30日頃より腸炎・皮膚炎を伴う体重減少が出現した。野生型コントロール群ではこの体重減少からほぼ全例が生存した(91.7%)のに対して、STAP2−Tgドナー群の場合は、移植後60日目の生存率は22.2%に低下した。STAP2−Tgドナー群では、移植後の体重減少率(図1)とGVHDスコア(図2)の両方とも、有意に悪化した。また、移植後60日目の皮膚慢性GVHDスコアは、野生型コントロール群では0.0であったのに対して、STAP2−Tgドナー群では2.4であり、悪化することが明らかになった。
STAP1−Tgドナー群では、生存率は野生型コントロール群と同等であったが、GVHD症状を示す指標は、いずれも統計学的有意差を持って増悪することが分かった。一方で、STAP1−KOドナー群及びSTAP2−KOドナー群では、両方ともに、野生型コントロール群に比してGVHD症状は改善した(図1、図2)。すなわち、STAP1−KOドナー群及びSTAP2−KOドナー群では、体重の減少もほとんどなく、GVHD症状も軽症化していた。STAP1−KOドナー群及びSTAP2−KOドナー群における造血幹細胞移植後のGVHD発症が限定的であり、生存率も高かった。このことは、STAPの発現や機能を抑制することで、GVHDの予防や治療に繋がることを意味する。
移植後60日及び90日の時点で、移植マウスから各臓器を回収し、HE染色による病理学的検討を行った。STAP2−Tgドナー群及びSTAP1−Tgドナー群では、観察所見と一致して、皮膚、腸管組織はリンパ球浸潤を伴う炎症所見を示し、GVHDを発症していることが確認された。図3Aに、移植後60日目の野生型コントロール群とSTAP2−Tgドナー群の大腸腸管のHE染色像を示す。図3Bに、移植後90日目の野生型コントロール群とSTAP1−Tgドナー群の大腸腸管のHE染色像を示す。野生型コントロール群と比較して、STAP2−Tgドナー群及びSTAP1−Tgドナー群では、重症のGVHD腸炎に罹患していた。
また、図4Aには、移植後60日目の野生型コントロール群とSTAP2−Tgドナー群の胸腺のHE染色像を示す。野生型コントロール群と比較して、STAP2−Tgドナー群では、胸腺が委縮し、皮髄境界も不明瞭化していた。また、図4Bに、移植後90日目の野生型コントロール群とSTAP1−Tgドナー群の胸腺のHE染色像を示す。野生型コントロール群と比較して、STAP1−Tgドナー群では、胸腺の萎縮が強く、胸腺組織の観察が困難であった。
STAP1−Tgドナー群及びSTAP2−Tgドナー群では、胸腺が著明に萎縮していた。胸腺萎縮による制御性Tリンパ球回復遅延が、両群におけるGVHD増悪の機序として考えられた。そこで、末梢血でのCD4CD25細胞数を、フローサイトメトリーを用いて解析したところ、制御性Tリンパ球は、特にSTAP2−Tgドナー群の場合に低下することが分かった。移植後60日での制御性Tリンパ球の細胞数は、野生型コントロール群では44.0/μLであり、STAP2−Tgドナー群では18.2/μLであった(p<0.05)。
これらの結果から、移植後にレシピエント造血器内で再構築されたリンパ球でのSTAP1及びSTAP2が、同種免疫反応調整に大きな役割を担っていることが明らかになった。
<血球細胞におけるにSTAP1及びSTAP2遺伝子発現>
血球細胞におけるにSTAP1及びSTAP2遺伝子発現について検討した。健常者由来の骨髄細胞及び末梢血細胞から、CD34CD38造血幹細胞(HSC)、CD34CD38造血前駆細胞(hematopoietic progenitor cell;HPC)、CD19CD27naive B細胞、CD19CD27memory B細胞、CD3CD4helper T細胞、CD3CD8cytotoxic T細胞を単離した。RNeasy(QIAGEN社製)を用いてRNAを抽出し、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Thermo Fisher Scientific社製)によりcDNAを合成した。Taqman probe(Thermo Fisher Scientific社製)を用いたrealtime PCR法により、半定量PCR実験を行った。
STAP1遺伝子及びSTAP2遺伝子は、HSCレベルから成熟リンパ球の段階までユビキタスに発現していた。STAP1遺伝子は、B細胞で発現が高い傾向を認める。これに対し、STAP2遺伝子は、Tリンパ球系統で発現が上昇していた。

Claims (14)

  1. 非ヒト動物に、STAP1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片が、同種移植又は異種移植されている、移植片対宿主病モデル動物。
  2. 前記移植片が骨髄液であり、
    前記移植片対宿主病モデル動物の造血幹細胞が、前記トランスジェニック非ヒト動物に由来する造血幹細胞のみである、請求項1に記載の移植片対宿主病モデル動物。
  3. 前記移植片が、Tリンパ球及びBリンパ球が除去されている、請求項1又は2に記載の移植片対宿主病モデル動物。
  4. 非ヒト動物に、STAP1遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片を、同種移植又は異種移植する、移植片対宿主病モデル動物の作製方法。
  5. 前記移植片が骨髄液であり、
    前記移植片を移植する前に、前記非ヒト動物の全身に致死量の放射線を照射する、請求項4に記載の移植片対宿主病モデル動物の作製方法。
  6. 前記移植片が、Tリンパ球及びBリンパ球が除去されている、請求項4又は5に記載の移植片対宿主病モデル動物の作製方法。
  7. 移植片対宿主病モデル動物に被験物質を投与し、移植片対宿主病の症状が改善又は消失した場合に、前記被験物質を移植片対宿主病の治療剤の候補物質として選抜し、
    前記移植片対宿主病モデル動物は、STAP1遺伝子及びSTAP2遺伝子からなる群より選択される1種以上の遺伝子を過剰発現しているトランスジェニック非ヒト動物から採取された移植片が同種移植又は異種移植されている非ヒト動物である、移植片対宿主病の治療剤のスクリーニング方法。
  8. 前記移植片が骨髄液であり、
    前記移植片対宿主病モデル動物の造血幹細胞が、前記トランスジェニック非ヒト動物に由来する造血幹細胞のみである、請求項7に記載の移植片対宿主病の治療剤のスクリーニング方法。
  9. 前記移植片が、Tリンパ球及びBリンパ球が除去されている、請求項7又は8に記載の移植片対宿主病の治療剤のスクリーニング方法。
  10. 被験物質をSTAPファミリータンパク質と接触させ、前記被験物質が前記STAPファミリータンパク質と結合した場合に、前記被験物質を移植片対宿主病の治療剤の候補物質として選抜し、
    前記STAPファミリータンパク質が、STAP1又はSTAP2である、移植片対宿主病の治療剤のスクリーニング方法。
  11. STAP1とSTAP2の少なくとも一方の機能を抑制又は阻害するSTAP阻害物質を有効成分とする、医薬用組成物。
  12. 前記STAP阻害物質が、STAP1遺伝子又はSTAP2遺伝子の発現を抑制又は阻害する物質である、請求項11に記載の医薬用組成物。
  13. 前記STAP阻害物質が、STAP1とSTAP2の少なくとも一方のタンパク質と結合する物質である、請求項11に記載の医薬用組成物。
  14. 移植片対宿主病の予防又は治療のために用いられる、請求項11〜13のいずれか一項に記載の医薬用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022244341A1 (ja) * 2021-05-17 2022-11-24 国立大学法人北海道大学 ペプチド及び医薬用組成物

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