JP2020035311A - 紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法 - Google Patents

紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消費実績に基づいて将来の在庫量を予測し補充内容を決定することで過不足のない適正な在庫状態の維持を可能とする紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法が望まれていた。【解決手段】本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法は、複数品目の紙おむつの在庫管理を行うシステムであって、紙おむつの品目ごとの実在庫量および実消費量を管理する数量管理手段と、実消費量に基づいて紙おむつの品目ごとの消費ペースを算出する消費ペース算出手段と、実在庫量および消費ペースに基づいて納品予定日における紙おむつの品目ごとの予測在庫量を算出する在庫量予測手段と、予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定するとともに、補充品目ごとに適正在庫量を満たす補充数を算出する補充内容決定手段とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、複数品目の紙おむつの在庫を管理する在庫管理システムおよび在庫管理方法に関するものであり、さらに詳しくは、消費実績に基づいて将来の在庫量を予測し補充内容を決定することで過不足のない適正な在庫状態の維持を可能とする紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法に関するものである。
従来、介護施設や病院などでは、使い捨て紙おむつが大量に用いられている。
係る使い捨て紙おむつは、例えば、メーカー別、男女別、サイズ別、装着型別(パンツタイプ、テープタイプ)、吸収能力別など、用途や機能に応じて多種多様な製品が提供されているため、その種類ごとに正確な在庫量を管理するには多大な労力を必要とする。
また、係る使い捨て紙おむつを扱う施設においては、患者の退院、転院、死亡等による入所者数の変動が激しいため、必要となる紙おむつの量は安定しない。一方で、紙おむつの在庫不足により業務に支障が出るという事態はあってはならないことであるため、常に在庫量に細心の注意を払いながら在庫補充を行う必要がある。しかしながら、係る施設の従業員は、本来の介護業務に多くの時間と労力を割かれるため、紙おむつの在庫管理にまで細かい注意を払うことは難しく、在庫補充の作業は従業員の経験に頼っているところが大きいのが現状である。
そこで、バーコードを利用して紙おむつの在庫量を管理することで、在庫補充作業の負担を減らす技術が各種開発されている(特許文献1、2)。
また、紙おむつの発注が必要であると予想される時期に所定の情報を通知することで、発注ミスによる在庫不足状態を回避する技術が開発されている(特許文献3)。
具体的には、特許文献1に記載されている発明は、消耗品を使用する度に消耗品ごとに設定されたバーコードを読み込むことで消費量を管理し、係る消費情報を受け取った納入業者が製造メーカーへ出荷の指示を行うことで施設側の発注作業の負担を減らす技術である(特許文献1の[請求項1]、[請求項2]、[0022]〜[0024]、[0030]を参照)。
特許文献2に記載されている発明は、紙おむつを使用する際に紙おむつ本体に付されたバーコードを読み取ることで在庫量を管理し、在庫量が例えば2500個など予め設定した値を下回ったときに自動的に発注指示を行うことで発注作業の負担を減らす技術である(特許文献2の[請求項6]、[請求項7]、[0027]〜[0031]を参照)。
特許文献3に記載されている発明は、発注者から新たな発注を受ける毎に前回の発注からの発注間隔を求め、それまでの最短の発注間隔を新たな発注があった日付に加えて次回の発注日付を予想し、該次回の発注日付までに発注者に所定の情報を通知することで、発注ミスを防ぐ技術である(特許文献3の[請求項1]、[0010]〜[0015]参照)。
特開2002−150057号公報 特開2003−58759号公報 特開2002−49854号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載されている技術は、リアルタイムの在庫量を把握することは可能であっても、将来の在庫量について予測する機能を有していない。従って、リアルタイムの在庫量に基づいて発注(出荷)指示が行われた場合、発注(出荷)指示が行われてから実際に商品が納品されるまでに調達期間分の時間差が生じ、その間にも消費は行われ続けるため、在庫が不足する事態が生じ得るという課題がある。仮に、発注(出荷)指示が行われてから納品予定日までの間に紙おむつが全て消費されてしまった場合(欠品が生じてしまった場合)には、衛生上の問題が発生し、患者や入所者の健康状態の悪化ひいては容体悪化に発展してしまう可能性もある。
また、紙おむつは大量に消費されるものであるにも関わらず、その嵩が大きいことから保管場所の確保が難しく、在庫が不足する事態を防ぐために大量に保管しておくことができないという課題がある。
従って、常に過不足のない適正な量の在庫が保管されるように在庫補充作業を行う必要がある。
また、特許文献3に記載されている技術は、発注が必要とされる時期については予測できるものの、発注が必要とされる量まで予測する機能を有していないため、常に適正な量の在庫を維持することができないという課題がある。
さらに、物流業界においては、配送する品物の量が一定以上となる場合に送料を無料とするサービスが行われているが、前述した通り介護の現場は多忙であることから、送料無料となる量に留意して発注数を決めたり、発注する商品の組み合わせを決めたりする余裕はなく、効率的かつ経済的な在庫補充ができていないという課題もある。
また、紙おむつの供給側(製造業者、販社、配送業者など)にとっても、受給側(介護施設、病院など)から在庫不足が生じる度に小ロットの発注が随時行われた場合、出荷や配送の手間が増し、配送コストも嵩むという課題がある。
そこで、本願発明者らは鋭意検討を行った結果、消費実績に基づいて紙おむつがどのようなペース(傾向)で消費されていくかを求め、その消費ペースに基づいて将来の在庫量を予測し補充内容を決定することで、大量の在庫を抱えずに在庫が不足する事態を防ぎ、常に適正な量の在庫状態を維持できる手法を構築できるという知見を得るに至った。
また、特定の処理により一回の発注における補充数の合計を調整する(補充数の合計が一定数以上となるよう補充を行う品目を組み合わせる)ことで、配送にかかる費用を削減でき、在庫補充および配送にかかる負担を減らすことができるという知見を得るに至った。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであって、消費実績に基づいて算出される消費ペースから将来の在庫量を予測することによって、過不足のない適正な量の在庫補充を正確かつ効率的に行うことができる紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法の提供を目的とするものである。
また、一回の発注における補充数の合計を調整する(補充数の合計が一定数以上となるよう補充を行う品目を組み合わせる)ことによって、紙おむつの受給側および供給側の双方にとってより効率的で経済的な在庫補充を可能とする在庫管理システムおよび在庫管理方法の提供を目的とするものである。
さらに、将来における在庫補充の計画を立てやすくすることができる在庫管理システムおよび在庫管理方法の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る紙おむつの在庫管理システムは、複数品目の紙おむつの在庫管理を行うシステムであって、紙おむつの品目ごとの実在庫量および実消費量を管理する数量管理手段と、実消費量に基づいて紙おむつの品目ごとの消費ペースを算出する消費ペース算出手段と、実在庫量および消費ペースに基づいて納品予定日における紙おむつの品目ごとの予測在庫量を算出する在庫量予測手段と、予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定するとともに、補充品目ごとに適正在庫量を満たす補充数を算出する補充内容決定手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る紙おむつの在庫管理システムは、適正在庫量が、消費ペースに基づいて決定されるものであることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る紙おむつの在庫管理システムは、補充数の合計が予め決定された発注許可数未満となる場合は、補充内容決定手段が、さらに、実在庫量に補充数を加えた在庫量および消費ペースに基づいて算出される、紙おむつの品目ごとの予測在庫残期間の内、最も期間が少ない品目の紙おむつを補充品目として追加で選定するとともに所定数を補充数の合計に追加し、さらに上記処理を繰り返して、補充数の合計を発注許可数以上となるよう調整することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る紙おむつの在庫管理システムは、さらに、在庫量予測手段が、納品予定日における補充品目の紙おむつが補充されたと仮定して、次回の納品予定日における予測在庫量を算出し直すとともに、補充内容決定手段が、納品予定日における補充品目の紙おむつが補充されたと仮定して、次回の納品予定日における補充品目を選定し補充数を算出することを特徴とする。
本発明の請求項5に係る紙おむつの在庫管理システムは、さらに、補充内容決定手段による結果に基づいて、紙おむつの発注指示を行う発注手段を備えることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る紙おむつの在庫管理方法は、複数品目の紙おむつの在庫管理を行う方法であって、紙おむつの品目ごとの実在庫量および実消費量を管理し、実消費量に基づいて紙おむつの品目ごとの消費ペースを算出し、実在庫量および消費ペースに基づいて納品予定日における紙おむつの品目ごとの予測在庫量を算出し、予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定するとともに、補充品目ごとに適正在庫量を満たす補充数を算出することを特徴とする。
本発明の請求項7に係る紙おむつの在庫管理方法は、適正在庫量が、消費ペースに基づいて決定されるものであることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る紙おむつの在庫管理方法は、補充数の合計が予め決定された発注許可数未満となる場合は、さらに、実在庫量に補充数を加えた在庫量および消費ペースに基づいて算出される、紙おむつの品目ごとの予測在庫残期間の内、最も期間が少ない品目の紙おむつを補充品目として追加で選定するとともに所定数を補充数の合計に追加し、さらに上記処理を繰り返して、補充数の合計を発注許可数以上となるよう調整することを特徴とする。
本発明の請求項9に係る紙おむつの在庫管理方法は、さらに、納品予定日における補充品目の紙おむつが補充されたと仮定して、次回の納品予定日における予測在庫量を算出し直すとともに、次回の納品予定日における補充品目を選定し補充数を算出することを特徴とする。
本発明の請求項10に係る紙おむつの在庫管理方法は、さらに、補充品目についての選定算出結果に基づいて、紙おむつの発注指示を自動で行うことを特徴とする。
本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法によれば、複数品目の紙おむつについての実在庫量および実消費量の情報を管理し、実消費量に基づいて将来の在庫量を品目ごとに予測することによって、過不足のない在庫補充を正確かつ効率的に行うことができる。
本発明の請求項2、7に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法によれば、適正在庫量を実消費量(消費ペース)に基づいて決定することによって、過不足のない在庫補充をより正確かつより効率的に行うことができる。
本発明の請求項3、8に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法によれば、特定の処理により補充数の合計を調整することによって、紙おむつの受給側および供給側の双方にとってより効率的で経済的な在庫補充を行うことができる。
具体的には、補充数の合計を一定以上(例えば配送にかかる送料が無料となる数以上)となるよう調整することによって、紙おむつの受給側にとって経済的な在庫補充を行うことができる。
また、在庫が不足する度に在庫補充を行う場合に比べて、納入作業の回数を減らすことができる。
さらに、紙おむつの供給側にとっても、小ロットの発注が減少するため、配送コストや配送および出荷作業の回数を削減することができる。
本発明の請求項4、9に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法によれば、直近の納品予定日だけでなく、次回の納品予定日における在庫量を品目ごとに予測し、補充すべき紙おむつの品目および数量を決定することによって、在庫補充の計画を立てやすくすることができる。
また、次回の納品予定日に関する発注指示が何らかの事情により将来においてできないと予想される場合(例えば、発注指示日が紙おむつの受給側(施設)の休日に当たる場合、供給側(製造業者、販社)の休日に当たる場合など)でも、事前に発注指示だけを行い次回の納品予定日に配送してもらうことが可能となる。具体的には、例えば、次回の発注指示日や次回の納品予定日が受給側(施設)や供給側(製造業者、販社)の休日に当たる場合には、受給側による発注指示自体ができなかったり、係る発注指示に対する供給側の手配(製造や発送)ができなかったりすることになるが、このような場合であっても配送業者は稼働していることから、直近の発注指示日において次回の納品予定日に関する発注内容を事前に把握することができる本発明によれば、このような不測の事態に対しても適切な在庫補充を行うことができ、欠品という最悪の事態を回避することができるのである。
また、紙おむつの受給側から発注指示が行われなくても供給側業者が能動的に出荷を行うことも可能となる。
本発明の請求項5、10に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法によれば、補充すべき紙おむつについて自動で発注指示が行われることによって、発注作業の手間および発注ミスを防止することができる。
本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法の一の実施形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における受給側と供給側の関係を示す模式図である。 本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における一の実施形態の基本制御を示すフロー図である。 本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における一の実施形態の追加制御を示すフロー図である。 本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における一の紙おむつの在庫量変化の予測状況を示したイメージ図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は、本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法の一の実施形態の構成を示す概略図である。図2は、本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における受給側と供給側の関係を示す模式図である。図3は、本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における一の実施形態の基本制御を示すフロー図である。図4は、本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における一の実施形態の追加制御を示すフロー図である。図5は、本発明に係る紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法における一の紙おむつの在庫量変化の予測状況を示したイメージ図である。
(基本構成)
まず、本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1の構成を図1、2に基づいて説明する。なお、本発明における紙おむつは、使い捨てで用いられる紙おむつを指し、介護用、乳幼児用を問わない。さらに、使い捨て紙おむつ又は下着と併用して用いられる補助パッドについても包含される。
本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1は、図1に示す通り、紙おむつの品目ごとの実在庫量と実消費量を管理する数量管理手段2と、実消費量に基づいて紙おむつの品目ごとの消費ペースを算出する消費ペース算出手段3と、実在庫量および消費ペースに基づいて納品予定日における紙おむつの品目ごとの予測在庫量を算出する在庫予測手段4と、予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定するとともに、補充品目ごとに適正在庫量を満たす補充数を算出する補充内容決定手段5を主要手段として構成されている。また、後述するように、必要に応じて補充内容決定手段5による結果に基づいて発注指示を行う発注手段6を設けてもよい。
なお、本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1は、より効率的な在庫補充が可能となる点から、図2に示す通り、紙おむつの受給側(U(U1、U2、U3、U4))と供給側(S(S1、S2))とで情報を共有できる形態で使用されるのが好ましい。具体的な形態としては、専用回線(P)により情報を送受信する形態(U1とSとの関係)、インターネット(I)を介して情報を送受信する形態(U2とSとの関係)、インターネット(I)を介して接続されるクラウドサーバ(C)を利用して情報を共有する形態(U3、U4とSとの関係)等がある。
本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1が格納される場所は特に限定されない。 例えば、図2の左端および中央に示すような専用回線(P)やインターネット(I)を介して情報を送受信する形態(U1とSとの関係、U2とSとの関係)においては、紙おむつの在庫管理システム1は、紙おむつの受給側(U1、U2)または供給側(S)が所有する端末(サーバ)上に格納される。図2の右端に示すようなクラウドサーバ(C)を利用して情報を共有する形態(U3、U4とSとの関係)においては、紙おむつの受給側(U3、U4)または供給側(S)が所有する端末(サーバ)上に紙おむつの在庫管理システム1が格納され、データのみをクラウドサーバ(C)上のデータ(D)として共有する形態としてもよいし、紙おむつの在庫管理システム1自体がクラウドサーバ(C)上にデータ(D)として格納されてもよい。また、各手段は一括で格納されてもよいし、複数の端末(サーバ)上に分けて格納されてもよい。上記形態の中でも、紙おむつの受給側や供給側の端末(サーバ)各々に紙おむつの在庫管理システム1を導入(プログラムをインストール)する手間や時間を省くことができる点から、紙おむつの在庫管理システム1自体がクラウドサーバ(C)に格納される形態(U3、U4とSとの関係)とするのが好ましい。そのような形態とすれば、利用者はログイン作業等を経てインターネット(I)を介してクラウド上のシステムを利用することができる。
さらに、専用ソフト(アプリケーション)をパソコン端末やスマートフォン、タブレット等のモバイル端末にインストールすれば、利用者にとって煩わしいログイン作業を不要とすることもできる。
特に、スマートフォンにおいて使用可能なアプリにすれば、アプリをダウンロードするだけで済むことになり、利用者にとって煩わしいログイン作業を不要とすることができ、また看護師や介護士がそれぞれ所有しているスマートフォンを用いて在庫管理ができるので好適である。
次に各構成要件について説明する。
(数量管理手段)
本発明に用いられる数量管理手段2は、紙おむつの実在庫量(実際に存在する在庫量)と実消費量(実際に使用された量)に関する情報を品目ごとに取得し管理するものである。
実在庫量および実消費量の情報は、紙おむつの受給側が納品数および使用数を入力することで取得される。具体的には、紙おむつが納品された際および紙おむつを使用する際(包装を開封する際を含む)に、品目ごとに付されたバーコード等を読み取ることで入力される。納品および使用される全ての紙おむつについて一つ一つバーコードを読み取ってもよいし、納品および使用される紙おむつが同じ品目で複数ある場合は、一つのバーコードを読み取った上で手入力により数量を変更することもできる。
ここで、業務用の紙おむつは、通常、複数枚の紙おむつが一袋に梱包されており、さらに係る袋が複数まとめられて一箱に梱包された形態となって流通している。従って、数量の単位は、枚数、袋数、または箱数のいずれであってもよいが、実在庫量および実消費量の情報を取得する際の単位を箱数や袋数とすれば、入力作業の労力が少なく済み、入力のし忘れや入力ミスの発生を防ぐことができるため好ましい。その中でも、より細かい在庫状況を把握しやすい(使用可能な数量や発注までの期間を感覚的にイメージしやすい)点から袋数が好ましい。
なお、数量を管理する際の単位は、各種単位(枚数、袋数、箱数)に換算されてもよい。単位の換算は、品目ごとに決められた換算単位数(例えば一袋50枚入り、一箱10袋入り等)を予め記憶しておき、換算する前の数量を該当する換算単位数で乗算および除算することにより行われる。数量の単位をより大きなものとする場合(例えば、枚数から袋数、袋数から箱数へ換算する場合)は、換算する前の数量を該当する換算単位数で除算した値の小数点以下を切り上げて整数としてもよい。
(消費ペース算出手段)
本発明に用いられる消費ペース算出手段3は、一定期間において紙おむつがどのようなペース(傾向)で消費されていくかを表す消費ペースを実消費量に基づいて品目ごとに算出するものである。
消費ペースの算出方法は特に限定されるものでなく、一定期間における紙おむつの残量が一次関数的に減少すると仮定して算出するものであってもよいし、指数関数的に減少すると仮定して算出するものであってもよい。例えば、単純移動平均や指数移動平均を利用した方法などがある。さらに、消費ペース算出手段3にAI(人工知能)を用いて、AIに紙おむつの品目ごとの最適な消費ペースを算出させる(例えば、紙おむつAについては一次関数的な減少パターンを適用し、紙おむつBについては指数関数的な減少パターンを適用するなどの判断をさせる)こともできる。
そしてその中でも、消費ペースを、一定期間における実消費量をその期間で割った「単位期間あたりの平均消費量」として表せば、特定の期間に消費される紙おむつの量を複雑な計算なく把握できるため好ましい。特に、適正在庫量が「何日分の消費量」等として決定される場合、消費ペースを「単位期間あたりの平均消費量」とすれば適正在庫量を算出しやすいため好ましい。
なお、「一定期間」の間隔は特に限定されるものではなく、紙おむつの受給側の事情(施設の規模、紙おむつの消費状況など)により適宜設定変更されるものであるが、その中でも、一定数量の紙おむつが消費される期間(例えば、消費ペースを袋数単位で算出する場合、一袋を開封してから梱包されている全ての枚数の紙おむつを使い切ってしまうまでの期間)が最も長い品目に合わせて一定期間を設定すれば、全品目についての消費ペースを算出できるので好ましい。具体的には、3日間〜3か月間が好ましく、その中でも、データの精度を確保しつつ直近の消費傾向を反映できる点から1週間(7日間)〜1か月間が好ましく、さらに、2週間(14日間)とするのが好ましい。
(在庫量予測手段)
本発明に用いられる在庫量予測手段4は、納品予定日に存在すると予測される予測在庫量を実在庫量および消費ペースに基づいて品目ごとに予測するものである。具体的には、消費ペースに基づいて納品予定日(時点)までの「予測消費量」を算出し、実在庫量から予測消費量を差し引くことによって算出する。
ここで、消費ペースとして「単位期間あたりの平均消費量」を用いる場合、在庫量予測手段4による処理が行われる日(時点、発注指示日となる場合もある)から納品予定日(時点)までの期間に消費される紙おむつの予測消費量は、在庫量予測手段4による処理が行われる日(時点、発注指示日となる場合もある)から納品予定日(時点)までの期間に単位期間あたりの平均消費量を乗じることで算出される。
なお、緊急時の対応等により在庫量の予測に依らない手動による臨時発注が行われ、在庫量予測手段4による処理を行う時点で発注済みかつ未納品の紙おむつがある場合は、臨時発注数を追加すればよいことになる。
また、納品予定日は予め定められた曜日もしくは間隔で設定すると、納品(発注)の計画が立てやすくなることから、紙おむつの供給側および受給側の休日、発注から納品までに要する調達期間、在庫保管場所の広さ等を考慮して予め設定するのが好ましい。その中でも、在庫不足の状態をより確実に回避することができる点から、少なくとも一週間に一回は納品予定日があるのが好ましく、さらに、少なくとも一週間に2回は納品予定日があるのが好ましい。
(補充内容決定手段)
本発明に用いられる補充内容決定手段5は、在庫量予測手段4により算出された予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定し、補充品目について適正在庫量を満たす補充数を算出するものである。
ここで、適正在庫量は、受給側の事情(施設の規模、入所者数、在庫保管場所の広さ、在庫補充頻度等)により予め任意で決定されるものであり、品目ごとに異なる数量としてもよいし、納品ごとに異なっていてもよい。その中でも、適正在庫量を、消費ペース算出手段3により算出された消費ペースに基づいて品目ごとに算出すれば、消費実績を反映した過不足のない在庫補充が可能となるため好ましい。
なお、消費ペースとして「単位期間あたりの平均消費量」を用いる場合、適正在庫量は単位期間あたりの平均消費量に任意の期間を乗じることで算出される。ここで、任意の期間としては、直近の納品予定日から次回納品予定日までの期間を考慮して決定すれば、次回納品予定日までに在庫不足となる事態を防ぐことができるため好ましい。また、施設や配送業者の休日などに紙おむつの発注および納品が行えない場合を想定して決定してもよい。具体的には、任意の期間を5日間とすると、金曜日に紙おむつが納品され、土曜日、日曜日の休日を挟んで、月曜日に発注がなされ、翌日の火曜日に新たに紙おむつが納品される場合でも、休日のために発注および納品が行えないことによる在庫不足状態を回避できるため好ましい。
補充内容決定手段5により算出される補充数は、上記した適正在庫量から在庫量予測手段4により算出された予測在庫量を差し引くことで求められる。なお、補充数については、単位の換算が行われてもよいが、より大きな単位(枚数から袋数、袋数から箱数等)に換算する場合には、補充数を換算単位数で割った商の小数点を切り上げて整数とするのが好ましい。
ここで、一度より大きな単位へと換算し、再度小さな単位へと換算し直した場合には、このような処理の前後で値が異なる場合があり得ることになる。具体的には、適正在庫量から予測在庫量を差し引いて算出される補充数が8(袋)であり、その品目についての一箱あたりの袋数が10(袋)である場合、補充数は、8(袋)/10(袋)=0.8(箱)と計算されることになるが、実際には箱数は整数であるため、小数点以下を切り上げて1(箱)と換算されることになる。そして、補充数の単位を、再度、袋数へ換算する場合は、1(箱)×10(袋)=10(袋)となり、当初の補充数である8(袋)よりも大きい値となることになる。
補充品目の選定および補充数の算出を全品目について行う手順は、特に限定されない。一の品目について、適正在庫量を満たすかどうかを判断し、満たさない場合は補充数を算出するという一連の処理を全品目について繰り返してもよいし、初めに全品目の中から適正在庫量を満たさない補充品目を選定した後で、補充品目について補充数の算出を行ってもよい。
さらに、本発明に用いられる補充内容決定手段5は、必要に応じて補充品目における補充数の合計が予め決定された発注許可数未満となる場合に、発注許可数を満たすように補充品目を追加して選定し補充数の合計を調整することもできる。
ここで、発注許可数は、紙おむつの受給側(施設)および供給側(製造業者、販社、配送業者)の事情により予め決定されるものであるが、発注許可数を送料が無料となる数量とすれば、紙おむつの受給側および供給側の双方にとって効率的で経済的な在庫補充ができるため好ましい。また、発注許可数の単位は補充数の単位と同じにしておくのが好ましい。
追加で補充する補充品目(以下、追加補充品目と記載する)の選定は以下の手順により行われる。まず、補充数を実在庫量に加えた在庫量を品目ごとに算出する。ここで、「補充数を実在庫量に加えた在庫量」とは、予測在庫量が適正在庫量未満となる補充品目(以下、必須補充品目と記載する)については算出された補充数を実在庫量に加えた在庫量となるが、必須補充品目以外の品目については補充数がゼロであることから実在庫量を指すことになる。
次に、品目ごとに算出した在庫量について、品目ごとの消費ペースに基づいて予測在庫残期間を算出し、最も予測在庫残期間が少ない品目(以下、第一の追加補充品目と記載する)を選定する。なお、この場合、必須補充品目が再度第一の追加補充品目として選定されることもあり得る。
次に、第一の追加補充品目について所定数(例えば1箱)を必須補充品目の補充数の合計に加算する。
そして、それでも補充数の合計が発注許可数未満となる場合は、さらに、第一の追加補充品目について上記所定数(補充数)を実在庫量に加算して予測在庫残期間を算出し直し、最も予測在庫残期間が少ない品目(以下、第二の追加補充品目と記載する)を選定する。なお、この場合、第一の追加補充品目が再度第二の補充品目として選定されることもあり得る。そして、第二の追加補充品目について所定数を必須補充品目の補充数の合計に加算する。以後、補充数の合計が発注許可数以上となるまで、上記処理を繰り返す。
なお、所定数は適宜設定し得るものであり、一袋、一箱等の定量としてもよいし、何日分の消費量等のように消費ペースに基づいて算出される値としてもよい。
予測在庫残期間の最も少ない品目を選定する手順は特に限定されず、一の品目の予測在庫残期間を算出するごとに予測在庫残期間を比較する処理を全品目について繰り返してもよいし、全ての予測在庫残期間を算出した後で最も期間が少ないものを選んでもよい。
(発注手段)
さらに、本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1は、発注手段6を設けてもよい。本発明に用いられる発注手段6は、補充内容決定手段5による結果に基づいて発注指示を行うものである。
発注指示が行われる方法については特に限定されるものでなく、発注内容がインターネットを介して自動的に供給側へ送信されても良いし、専用回線やFAX等により送信されてもよい。
各手段による処理が行われるタイミングは特に限定されないが、消費ペース算出手段3、在庫量予測手段4、補充内容決定手段5による処理を、発注指示を行う当日または前日に行うこととすると、直近の消費実績を反映できるため好ましい。また、システムを格納している端末(サーバ)にかかる負荷を軽減できる点から、消費ペース算出手段3、在庫量予測手段4、補充内容決定手段5による処理を、深夜の時間帯(午前0時〜午前6時)に行うこととするのが好ましい。発注手段6による処理は、紙おむつの調達期間を考慮して行われるのがよい。
次に、上記のように構成された紙おむつの在庫管理システム1の動作および作用を図3〜5に基づいて説明する。なお、各ステップにおいて得られる情報は、図2に示す通り、紙おむつの受給側(U1,U2,U3、U4)と供給側(S)で共有される。
(基本制御)
まず、紙おむつの在庫管理システム1の基本制御について、図3に基づいて説明する。
まず、ステップ1(S1)において、実在庫量および実消費量についてのデータを品目ごとに取得する。なお、ここでは数量の単位は袋数とする。データの入力は、納品が行われた際や商品を使用する際(商品の包装袋を開封する際)に、バーコードリーダー等を利用して行う。また、必要に応じて手動による入力を行ってもよい。
次に、ステップ2(S2)において、消費ペースを品目ごとに算出する。具体的には、一日あたりの平均消費量(袋)を品目ごとに算出する。一日あたりの平均消費量(袋)は以下の式のとおり、過去n日間の実消費量(袋)を日数nで除することにより算出される。ここではn=14日とする。
一日あたりの平均消費量(袋)=過去n日間の実消費量(袋)/日数n
次に、ステップ3(S3)において、適正在庫量(袋)を品目ごとに決定する。適正在庫量(袋)は、以下の式のとおり、一日あたりの平均消費量(袋)に予め設定された適正在庫日数mを掛けることにより算出される。ここではm=5日とする。
適正在庫量(袋)=一日あたりの平均消費量(袋)×適正在庫日数m
次に、ステップ4(S4)において、納品予定日における予測在庫量(袋)を算出する。予測在庫量(袋)は、以下の式のとおり、処理が行われる日(発注指示日)から納品予定日までの日数pに一日あたりの平均消費量(袋)を掛けた値を実在庫量(袋)から差し引くことで算出される。ここでは、木曜日の未明に処理を行い、金曜日を納品予定日と想定して、p=2日とする。
納品予定日における予測在庫量(袋)=実在庫量(袋)−(処理が行われる日から納品予定日までの間の日数p×一日あたりの平均消費量(袋))
なお、処理が行われる時点で、既に発注済みかつ未納品の注文が存在する場合(臨時で発注が行われた場合)は、上記の値に発注済み数量を加えることにより算出される。
次に、ループ処理(A)を行う。具体的には、以下のステップ5(S5)〜ステップ10(S10)の処理を品目ごとに繰り返すことで、全ての品目について予測在庫量(袋)が適正在庫量(袋)未満となるかを判断し、必須補充品目(納品予定日において在庫量が適正在庫量(袋)未満となる補充品目)を選定し、補充数(袋)および補充数(箱)を算出して、補充数(箱)の集計を行う。
まず、ステップ5(S5)において、一の品目についてのループ処理を開始する。
次に、ステップ6(S6)において、納品予定日における予測在庫量(袋)が適正在庫量(袋)未満であるかを一の品目について判断する。予測在庫量(袋)が適正在庫量(袋)未満である場合は、係る品目を必須補充品目として、次のステップ7(S7)へ進む。一方、予測在庫量(袋)が適正在庫量(袋)以上である場合は、再度、異なる一の品目について予測在庫量(袋)が適正在庫量(袋)未満であるかを判断する。
次に、ステップ7(S7)において、補充数(袋)を算出する。補充数(袋)は、以下の式のとおり、適正在庫量(袋)から予測在庫量(袋)を差し引くことにより算出される。
補充数(袋)=適正在庫量(袋)−予測在庫量(袋)
次に、ステップ8(S8)において、補充数(袋)の単位を箱数へと換算する。具体的には、補充数(袋)を換算単位数(一箱あたりの袋数)で除し、得られた商の小数点以下を切り上げることにより換算される。箱数への換算に必要な換算単位数(一箱あたりの袋数)は品目によりそれぞれ異なるため、予めデータ(D)として端末(サーバ)などに記憶しておく。
次に、ステップ9(S9)において、ステップ8(S8)での結果を合計することで補充数(箱)の集計を行う。
そして、ステップ10(S10)において、ループ処理(A)を終了する。
本発明は、このような処理を行うことから、全品目について必須補充品目の選定および補充数の算出を行うことができ、過不足のない在庫補充を正確かつ効率的に行うことができるのである。
次に、ステップ11(S11)において、補充数(箱)の合計が発注許可数(箱)未満であるかを判断する。ここでは発注許可数を5箱(送料無料となる数量)とする。補充数(箱)の合計が発注許可数(箱)未満である場合は、次のループ処理(B)に進む。一方、補充数(箱)の合計が発注許可数(箱)以上である場合は、処理を終了する。
次に、ループ処理(B)を行う。具体的には、以下のステップ12(S12)からステップ15(S15)の処理を品目ごとに繰り返すことで、全品目の中で予測在庫残期間(日)が最も少ない品目(追加補充品目)を選定することができる。
まず、ステップ12(S12)において、一の品目についてループ処理(B)を開始する。
次に、ステップ13(S13)において、予測在庫残期間(日)を算出する。
まず、ループ処理(A)により選定された必須補充品目について、算出された補充数(箱)を補充数(袋)へと換算し直す。具体的には、補充数(箱)に換算単位数(一箱あたりの袋数)を掛けることで換算し直される。なお、ステップ8(S8)で算出された補充数(箱)は小数点以下を切り上げた値であるため、換算し直された補充数(袋)はステップ7(S7)で算出された補充数(袋)以上となる場合がある。
次に、ループ処理(A)により選定された必須補充品目について、換算し直された補充数(袋)を実在庫量(袋)に加えた在庫量を算出する。そして、補充数(袋)を実在庫量(袋)に加えた在庫量(袋)を一日あたりの平均消費量(袋)で割ることにより予測在庫残期間(日)を算出する。なお、必須補充品目以外の品目については、補充数を考慮せずに実在庫量(袋)をそのまま用いればよい。すなわち補充数がゼロとなる。
予測在庫残期間(日)=[実在庫量(袋)+補充数(袋、箱数から換算し直された値)]/一日あたりの平均消費量(袋)
次に、ステップ14(S14)において、全ての品目の中から予測在庫残期間(日)が最も少ない品目を選定する(予測在庫残期間(日)の長さを比較することで選定する)。
まず、1回目のループ処理(B)においては、予測在庫残期間(日)の比較の対象となる異なる一の品目が存在しないため、処理を行った品目を仮に選定する。次に、2回目以降のループ処理(B)においては、既に選定されている品目と処理中の品目とで予測在庫残期間(日)の比較を行い、期間が少ない方の品目を選ぶ。
なお、予測在庫残期間(日)が同じになる場合は、一日あたりの平均消費量(消費ペース)が大きい方を選ぶ。
そして、ステップ15(S15)において、ループ処理(B)を終了する。
次に、ステップ16(S16)において、ループ処理(B)により選定された追加補充品目を所定数補充する場合の補充数(箱)の合計を算出する。具体的には、ステップ11(S11)において判断を行った補充数(箱)の合計に所定数を加える。所定数は適宜設定されるが、ここでは1箱とする。
そして、再度ステップ11(S11)に戻り、補充数(箱)の合計が発注許可数(箱)未満であるかを判断する。補充数(箱)の合計が発注許可数(箱)未満である場合は、再度ループ処理(B)へと進み、前回のループ処理(B)により選定された第一の追加補充品目について、所定数を補充数とみなして実在庫量(袋)に補充数(袋)を加えた在庫量を算出した上で以後の処理を行い、第二の追加補充品目を選定する。
上記処理を繰り返すことにより、補充数(箱)の合計を発注許可数(箱)以上となるよう調整し、処理を終了する。
本発明は、このような処理を行うことにより、必須補充品目以外の品目についても在庫補充の必要性の優先順位を考慮した上で、追加で在庫補充を行う品目の組み合わせを行い、補充数を調整して、経済的かつ効率的な在庫補充を行うことができるのである。
なお、図3では図示していないが、処理終了の直前に、自動で発注指示を行うようなステップを追加してもよい。そうすることで、発注の手間および発注ミスを削減することができる。
(追加制御)
なお、本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1は、基本制御の後にさらに追加制御を行うことによって、直近の納品予定日だけでなく、次回の納品予定日に関する補充内容(補充する品目、数量)を決定することもできる。
次に、追加制御について、図4に基づいて説明する。
まず、基本制御のループ処理(A)と同様の処理であるループ処理(C)を行う。具体的には、ステップ17(S17)〜ステップ22(S22)の処理を品目ごとに繰り返すことで、全ての品目について予測在庫量(袋)が適正在庫量(袋)未満となるかを判断し、必須補充品目(納品予定日において在庫量が適正在庫量(袋)未満となる補充品目)を選定し、補充数(袋)および補充数(箱)を算出して、補充数(箱)の集計を行う。
ここで、ステップ18(S18)の判断時に用いられる次回の納品予定日における予測在庫量(袋)は、実在庫量(袋)に基本制御により算出された直近の納品予定日における補充数(袋、箱数から換算し直された値)を加えた値から、処理が行われる日から次回の納品予定日までの間の日数qに一日あたりの平均消費量(袋)を掛けた値を差し引くことで算出される。ここでは、木曜日の未明に処理を行い、翌週の火曜日を次回の納品予定日と想定して、q=6日とする。
次回の納品予定日における予測在庫量(袋)=実在庫量(袋)+直近の納品予定日における補充数(袋、箱数から換算し直された値)−(処理が行われる日から次回の納品予定日までの間の日数q×一日あたりの平均消費量(袋))
次に、ステップ23(S23)、ループ処理(D、ステップ24(S24)〜ステップ27(S27))、ステップ28(S28)の処理を行う。なお、ステップ23(S23)〜ステップ28(S28)は、基本制御におけるステップ11(S11)〜ステップ16(S16)と同様の処理を行うものである。
本発明は、このような追加制御を行うことにより、将来の在庫補充の計画が立てやすくなるのである。
また、本発明に係る紙おむつの在庫管理システム1における一の紙おむつの在庫量変化の予測イメージを図5に基づいて説明する。なお、グラフの縦軸(在庫量)は、在庫量が何日分の消費量に相当するか、すなわち在庫残期間を表している(一マスが一日分の消費量を表している)。
まず、直近の納品予定日を金曜日とし、補充内容の決定処理を行うタイミングを木曜日の未明と設定する。処理を行う時点(日)から直近に納品が予定される時点(日)までは2日間あるため、処理時点の実在庫量(4日分)から2日分の消費量を引き、金曜日の納品予定日における予測在庫量は2日分の消費量と算出される。そして、適正在庫量が5日分の消費量と設定される場合、直近の納品予定日における補充数は3日分の量となる。なお、発注については、納品予定日に紙おむつが納品されるよう調達期間(時間)を考慮して行われればよい。
次に、次回の納品予定日を翌週の火曜日と設定した場合の補充内容を決定する。処理を行う木曜日の未明から次回の納品予定日である翌週の火曜日までは6日間あるため、6日間分の消費量が処理時点の実在庫量から差し引かれるが、直近の納品予定日において3日分の量が補充されるため、それを加算して、次回の火曜日の納品予定日における予測在庫量は1日分の消費量と算出される。そして、適正在庫量が5日分の消費量と設定される場合、次回の火曜日の納品予定日における補充数は4日分の量となる。なお、補充数については、単位の換算等の処理を行うことにより、4日分以上となる場合もあり得る(図5においては5日分となっている)。
本発明の紙おむつの在庫管理システムおよび在庫管理方法は、嵩が大きいために大量の在庫保管が困難である紙おむつを対象としたものであるが、一般消耗品についても当然利用することができる。
1 在庫管理システム
2 数量管理手段
3 消費ペース算出手段
4 在庫量予測手段
5 補充内容決定手段
6 発注手段
U 紙おむつの受給側
S 紙おむつの供給側
P 専用回線
I インターネット
C クラウドサーバ
D データ

Claims (10)

  1. 複数品目の紙おむつの在庫管理を行うシステムであって、
    紙おむつの品目ごとの実在庫量および実消費量を管理する数量管理手段と、
    前記実消費量に基づいて紙おむつの品目ごとの消費ペースを算出する消費ペース算出手段と、
    前記実在庫量および前記消費ペースに基づいて納品予定日における紙おむつの品目ごとの予測在庫量を算出する在庫量予測手段と、
    前記予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定するとともに、前記補充品目ごとに前記適正在庫量を満たす補充数を算出する補充内容決定手段とを備えることを特徴とする紙おむつの在庫管理システム。
  2. 前記適正在庫量が、前記消費ペースに基づいて決定されるものであることを特徴とする請求項1に記載の紙おむつの在庫管理システム。
  3. 前記補充数の合計が予め決定された発注許可数未満となる場合は、
    前記補充内容決定手段が、
    さらに、前記実在庫量に前記補充数を加えた在庫量および前記消費ペースに基づいて算出される、紙おむつの品目ごとの予測在庫残期間の内、最も期間が少ない品目の紙おむつを補充品目として追加で選定するとともに所定数を前記補充数の合計に追加し、
    さらに上記処理を繰り返して、前記補充数の合計を前記発注許可数以上となるよう調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紙おむつの在庫管理システム。
  4. さらに、
    前記在庫量予測手段が、
    前記納品予定日における補充品目の紙おむつが補充されたと仮定して、
    次回の納品予定日における予測在庫量を算出し直すとともに、
    前記補充内容決定手段が、
    前記納品予定日における補充品目の紙おむつが補充されたと仮定して、
    前記次回の納品予定日における補充品目を選定し補充数を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の紙おむつの在庫管理システム。
  5. さらに、
    前記補充内容決定手段による結果に基づいて、紙おむつの発注指示を行う発注手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の紙おむつの在庫管理システム。
  6. 複数品目の紙おむつの在庫管理を行う方法であって、
    紙おむつの品目ごとの実在庫量および実消費量を管理し、
    前記実消費量に基づいて紙おむつの品目ごとの消費ペースを算出し、
    前記実在庫量および前記消費ペースに基づいて納品予定日における紙おむつの品目ごとの予測在庫量を算出し、
    前記予測在庫量が予め決定された適正在庫量未満となる紙おむつの品目を補充品目として選定するとともに、前記補充品目ごとに前記適正在庫量を満たす補充数を算出することを特徴とする紙おむつの在庫管理方法。
  7. 前記適正在庫量が、前記消費ペースに基づいて決定されるものであることを特徴とする請求項6に記載の紙おむつの在庫管理方法。
  8. 前記補充数の合計が予め決定された発注許可数未満となる場合は、
    さらに、前記実在庫量に前記補充数を加えた在庫量および前記消費ペースに基づいて算出される、紙おむつの品目ごとの予測在庫残期間の内、最も期間が少ない品目の紙おむつを補充品目として追加で選定するとともに所定数を前記補充数の合計に追加し、
    さらに上記処理を繰り返して、前記補充数の合計を前記発注許可数以上となるよう調整することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の紙おむつの在庫管理方法。
  9. さらに、
    前記納品予定日における補充品目の紙おむつが補充されたと仮定して、
    次回の納品予定日における予測在庫量を算出し直すとともに、前記次回の納品予定日における補充品目を選定し補充数を算出することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の紙おむつの在庫管理方法。
  10. さらに、
    補充品目についての選定算出結果に基づいて、紙おむつの発注指示を自動で行うことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の紙おむつの在庫管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023063023A1 (ja) * 2021-10-12 2023-04-20 ユニ・チャーム株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

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