以下、本実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、遊技場などの島設備にパチンコ遊技機10の機体を固定するための固定枠(外枠)11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。
搭載枠11bは、固定枠11aの前面側において、当該固定枠11aの開口部を開放及び閉鎖できるように、固定枠11aの側部に軸支されている。また、搭載枠11bは、固定枠11aに対して、着脱自在に構成されている。搭載枠11bは、さらに複数の枠体を組み合わせて構成されていてもよい。
パチンコ遊技機10は、施錠装置SSを備える。搭載枠11bの開放は、常には施錠装置SSによって規制されている。施錠装置SSは、遊技場の管理者が管理する枠キー(不図示)を用いた操作によって解錠され、搭載枠11bの開放が可能になる。パチンコ遊技機10では、搭載枠11bを開放することによって、搭載枠11bの裏側に組み付けられた遊技部品に対するアクセスが可能になる。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤YBの前面側には、遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面から見たときの略中央部分に開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、発射操作手段の一例として発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。例えば、発射ハンドルHDは、搭載枠11bの前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できるように構成されている。
パチンコ遊技機10は、演出ボタンBTを備える。演出ボタンBTは、搭載枠11bの前面側など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に設けられる。演出ボタンBTは、所定の操作を可能に構成された操作手段の一例である。本実施形態において、演出ボタンBTを押下操作することは、所定の演出調整操作の一例となる。なお、操作手段は、単一の演出部からなる構成に限らず、複数の操作部を組み合わせた構成であってもよい。操作手段は、所定の演出調整操作として、押下操作を可能な構成に限らず、機本体側へ押し込む操作、又は手前側に引く操作を可能な構成であってもよく、可動しないタッチセンサ式の構成であってもよい。
パチンコ遊技機10は、発光演出部の一例として装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。装飾ランプLAには、遊技盤YBに設けられたものがあってもよい。パチンコ遊技機10は、音声演出部の一例としてスピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。例えば、スピーカSPは、枠体11に設けられる。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備える。例えば、情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備える。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備える。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。特別図柄は、パチンコ遊技機10において内部的に行われる特別図柄の当り抽選(以下、特別抽選と示す)の結果を報知するための図柄である。
以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄表示部13a,13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、小当り表示結果の一例である小当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10では、特別抽選において小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出され、当該小当りの特別ゲームの終了後、小当り遊技が付与される。以下の説明では、特別抽選において大当りに当選する確率を「大当り確率K」と示し、小当りに当選する確率を「小当り確率L」と示す。
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備える。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備える。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示し、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。第1特別保留数及び第2特別保留数の各最大値は、その一例として4に定めることができる。
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、パチンコ遊技機10において内部的に行われる普通図柄の当り抽選(以下、普通抽選と示す)の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを「普通ゲーム」と示す。
普通図柄表示部13eにおいて導出可能な普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選において普通当りに当選した場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。以下の説明では、普通抽選において普通当りに当選する確率を「普通当り確率」と示す。
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。
表示部13a〜13fは、1つの表示装置にまとめて設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
パチンコ遊技機10は、演出表示部の一例である演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、液晶パネルや有機ELパネルを一例として採用できる。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、始動口の一例として、遊技領域YBaに開口する第1始動入賞口15を備える。第1始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、始動口の一例として、遊技領域YBaに開口する第2始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変手段の一例である普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させるアクチュエータの一例である普通ソレノイドSL1を備える(図9に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な特別可変手段の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させるアクチュエータの一例である特別ソレノイドSL2を備える(図9に示す)。特別可変部材19は、特別図柄の当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて、遊技球が通過(入球)可能なゲート20を備える。ゲート20は、ゲート20を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する普通入賞口23,23を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口23,23へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサ(不図示)によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,23,23とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。
パチンコ遊技機10は、アウト口24を備える。例えば、アウト口24は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,23,23の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口24から機外へと排出される。
前述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域、及びセンター枠Wの右側領域の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。センター枠Wの左側領域を流下するように遊技球が発射されたとき、即ち、所謂「左打ち」がされたとき、遊技球は、第1始動入賞口15、及び普通入賞口23へ入球し得る。センター枠Wの右側領域を流下するように遊技球が発射されたとき、即ち、所謂「右打ち」がされたとき、遊技球は、第2始動入賞口16、大入賞口18、ゲート20、及び普通入賞口23へ入球し得る。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、演出可動体の一例である枠可動体25を備える。枠可動体25は、枠体11に直接搭載された可動体であって、遊技盤YBを介しては搭載されていない。枠可動体25は、演出手段、及び演出部(第1演出部及び第2演出部)の一例でもある。枠可動体25は、搭載枠11bの上部であって、搭載枠11bの左右方向における中央に設けられている。枠可動体25は、全体として扁平な四角箱状であって、丸みを帯びている。パチンコ遊技機10は、枠可動体25に所定の動作をさせるアクチュエータの一例として、ステッピングモータSMを備える(図9に示す)。ステッピングモータSMは、例えばステッピングモータである。
図3及び図4に示すように、枠可動体25は、原点位置P0から所定位置へ変位する演出動作を可能に構成されている。図3(a)及び図4(a)に示すように、枠可動体25の原点位置P0は、当該枠可動体25が搭載枠11bの上部において、水平方向に沿って延びるように配置された位置(閉じ位置)である。そして、図3(b),(c)及び図4(b),(c)に示すように、枠可動体25は、原点位置P0から前方に向かって僅かに移動しつつ、当該枠可動体25の後側縁部において左右方向に沿って延びる回動軸Zを中心として、第1方向の一例である上方向Y1に向かって立ち上がるように回動する開放(展開)動作を可能である。枠可動体25は、水平方向に沿って延びる原点位置P0を動作角=0°としたとき、最大で動作角=90°となり、鉛直方向に沿って延びる最大展開位置Pmaxまで変位可能に構成されている。また、枠可動体25は、後方に向かって僅かに移動しつつ、回動軸Zを中心として、第2方向の一例である下方向Y2に向かって伏せるように回動し、最終的に原点位置P0へ戻る原点復帰動作を可能である。
図1及び図4に示すように、枠可動体25は、第1発光演出部26と、第2発光演出部27と、を有する。即ち、本実施形態において、演出部の一例である枠可動体25は、第1発光演出部26、及び第2発光演出部27を含んで構成されている。第1発光演出部26は、枠可動体25が原点位置P0に位置する状態において、当該枠可動体25の下面側に形成されている。第1発光演出部26は、発光体の一例であるLED25dと、当該LED25dを覆っており、且つ枠可動体25の可動演出面25eを構成する透光性のカバー部材25fと、を有する(図4(c)参照)。カバー部材25f(可動演出面25e)には、所定のキャラクタや文字を模した意匠が施されている。第2発光演出部27は、枠可動体25が原点位置P0に位置する状態において、当該枠可動体25の前面側に形成されている。第2発光演出部27は、発光体の一例である複数のLED25bと、複数のLED25bを覆っており、且つ枠可動体25の先端面25aを構成する透光性のカバー部材25cと、を有する。
図3(a)及び図4(a)に示すように、枠可動体25が原点位置P0に位置するとき、枠可動体25のうち前方から視認可能な範囲(以下、視認可能範囲と示す)は、先端面25aのみである。つまり、原点位置P0に位置するときには、枠可動体25の視認可能範囲が最小になる。ここで、枠可動体25を視認する際の視線角度(視点)は、遊技者の身長(座高)の他、遊技者が適正に着座しているか否かなどによって変化し得る。枠可動体25が原点位置P0に位置するとき、枠可動体25の視認可能範囲は、第1視点V1と、当該第1視点V1に比して高い位置にある第2視点V2とで大きな差異はない。枠可動体25が原点位置P0に位置するとき、正面視において、枠可動体25は、固定枠11aの外縁部から外方(上方)に向かって突出する突出量Lgが最小である。
図3(b),(c)及び図4(b),(c)に示すように、枠可動体25が最大展開位置Pmaxに向かって変位するとき、枠可動体25の視認可能範囲が拡大するとともに、可動演出面25eが視認可能範囲に占める割合が増加する。そして、枠可動体25が最大展開位置Pmaxに到達すると、枠可動体25の視認可動範囲の全部(又は略全部)が可動演出面25eによって占められる。なお、正面視における枠可動体25の突出量Lgは、枠可動体25が最大展開位置Pmaxに近接するほど大きくなり、最大展開位置Pmaxにおいて最大になる。
ここで、実際に枠可動体25を視認可能な範囲は、可動演出面25eと、視点Vにおける視線とが直交するときに最大となる。したがって、視点V1,V2の何れから枠可動体25を視認するかによって、実際に視認可能な範囲が最大となる枠可動体25の位置(動作角)が異なることになる。また、前述のように、可動演出面25eには、各種の意匠が施されている。枠可動体25に施された意匠を最も美しく視認できる位置は、可動演出面25eと視線とが直交するときである。
枠可動体25、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、演出を実行する演出部(演出装置)として把握できるとともに、これらによって演出装置群が構成される。なお、演出装置群は、枠可動体25、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAから構成されることに限らず、枠可動体25、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAのうち1つ又は全部から構成されてもよく、任意に選択可能な1つを含んで構成されてもよく、さらに演出用の振動発生装置を含んで構成されてもよい。
図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御ユニットMUと、副制御ユニットSUと、電源ユニット60と、を備える。ここでは、主制御ユニットMUの構造について詳しく説明し、各ユニットMU,SU,60を含むパチンコ遊技機10の電気的構成については後述する。
図5に示すように、主制御ユニットMUは、主制御基板40と、主制御基板40を収容する主基板ケース49と、を備える。例えば、主制御基板40は、プリント基板である。主制御基板40には、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ46、設定器47、及び表示器48が実装されている。
RWMクリアスイッチ46は、後述のバックアップ機能によりバックアップされている情報(以下、BU情報と示す)の初期化を指示する操作を少なくとも可能に構成されている。RWMクリアスイッチ46は、押込み操作をしたときにはオン状態となる一方、押込み操作をしていないときにはオフ状態となる。本実施形態において、RWMクリアスイッチ46をオン状態に操作することは、所定の初期化操作の一例であり、RWMクリアスイッチ46は、初期化操作を少なくとも可能に構成された操作手段の一例である。
設定器47は、設定キー(不図示)を鍵穴に挿し込んだ状態にて回動操作されるキーシリンダ47aを有する。設定器47は、設定キーをキーシリンダ47aの鍵穴に挿し込んだ状態のまま所定方向へ回動させたオン状態、及び前記所定方向へ回動させていないオフ状態のうち、何れかの操作状態に切替え可能である。設定器47は、オフ状態に切り替えた操作状態でなければ、設定キーを引き抜くことができない。本実施形態において、設定器47をオン状態に操作することは、所定の設定変更操作の一例であり、設定器47は、設定変更操作を少なくとも可能に構成された操作手段の一例である。表示器48は、8の字型にLEDなどの発光部を配置した表示部(所謂、7セグ)であって、0〜9の数値を表示可能に構成されている。なお、表示器48は、8の字型に発光部を配置した構成に限らず、これとは異なる形状に発光部を配置した構成であってもよく、発光部の個数も7個に限らない。
前述のように、パチンコ遊技機10において、搭載枠11bは、枠キーを用いて施錠装置SSを解錠しなければ開放することができない。即ち、施錠装置SSを解錠できない遊技者は、原則として搭載枠11bを開放できない。このため、主制御基板40に搭載されたRWMクリアスイッチ46、及び設定器47は、原則として遊技者が操作できない。また、主制御基板40に搭載された表示器48は、原則として遊技者が視認できない。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
まず、確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まることから、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
次に、入球補助機能について説明する。入球補助機能は、所謂「電サポ機能」である。
パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」である。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。
3つめの制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
次に、変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態に移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10における遊技状態には、通常状態と、第1有利状態と、第2有利状態と、がある。通常状態では、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が何れも作動しない。第1有利状態では、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が何れも作動する。第2有利状態では、確変機能が作動しない一方、入球補助機能、及び時短機能が作動する。なお、パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
次に、設定変更機能について説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機10は、内部的な設定値を変更して設定可能とする設定変更機能を搭載している。設定値は、大当り遊技に関する有利度合いの一例である大当り確率Kを規定する情報である。パチンコ遊技機10では、相互に異なる大当り確率Kを規定する複数の設定値を有する。例えば、本実施形態では、第1から第6までの全6段階の設定値がある。以下の説明では、設定nと示す場合、第n設定値が設定されていることを意味するものとする(但し、n=1〜6)。
各設定値には、確変機能が作動していないときの大当り確率Kl、及び確変機能が作動しているときの大当り確率Khがセットで規定されている。大当り確率Kl,Khは、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に高確率でなる。即ち、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に、遊技者にとって有利な設定がされているといえる。
一方、特別抽選における小当り確率Lは、設定1〜6の何れであっても同じである。大当り遊技の終了後、第1有利状態に制御される割合(以下、確変割合Mと示す)は、設定1〜6の何れであっても同じである。また、特別ゲームの変動時間を特定可能な変動パターンの振分割合は、設定1〜6の何れであっても同じである。また、低入球率状態における普通当り確率Nl、及び高入球率状態における普通当り確率Nhは、設定1〜6の何れであっても同じである。なお、設定値は、全6段階であることに限らず、2〜5段階であってもよく、7段階以上であってもよい。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、電源投入がされたときに、RWMクリアスイッチ46がオフ状態であり、且つ設定器47がオフ状態であると、BU情報に基づいて、遊技の進行を可能な制御状態(以下、通常制御状態と示す)に移行される。パチンコ遊技機10は、電源投入がされたときに、RWMクリアスイッチ46がオン状態であり、且つ設定器47がオフ状態であると、BU情報が初期化され、当該初期化後の各種情報に基づいて、通常制御状態に移行される。
パチンコ遊技機10は、電源投入がされたときに、RWMクリアスイッチ46がオン状態であり、且つ設定器47がオン状態であると、設定値を変更して設定可能とする設定変更状態に移行される。設定変更状態では、RWMクリアスイッチ46が設定スイッチとして機能し、当該設定スイッチの操作がされる毎に、内部的に選択中である設定値が…→1→2→…→6→1…のように、ループするように切り替えられる。このとき、表示器48では、選択中である設定値を特定可能となるように、1〜6のうち何れかの数値が表示される。設定変更状態は、設定器47がオフ状態に操作されると終了され、選択中である設定値が確定される。また、パチンコ遊技機10は、BU情報が初期化され、当該初期化後の各種情報に基づいて、通常制御状態に移行される。
パチンコ遊技機10は、電源投入がされたときに、RWMクリアスイッチ46がオフ状態であり、且つ設定器47がオン状態であると、設定値を確認可能とする設定確認状態に移行される。設定確認状態において、表示器48では、内部的に設定されている設定値を特定可能となるように、1〜6のうち何れかの数値が表示される。設定確認状態は、設定器47がオフ状態に操作されると終了される。その後、パチンコ遊技機10は、BU情報に基づいて、通常制御状態に移行される。
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、1種類又は複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。複数種類の大当り図柄(大当りの種類)には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。本実施形態の大当り図柄は、図柄ZA、図柄ZB、及び図柄ZCのうち何れかのグループに分類されている。なお、大当り図柄のグループは、2つでもよく、4つ以上であってもよい。
パチンコ遊技機10では、大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が開始される。大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様となるように開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
本実施形態において、図柄ZA,ZCの大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められており、図柄ZBの大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められている。図柄ZA〜ZCの大当り遊技では、各回のラウンド遊技における上限個数として10個が定められており、各回のラウンド遊技における上限時間として25秒が定められている。ラウンド遊技の上限回数は、遊技者が1回の大当り遊技を通して獲得し得る賞球数の多寡に関係する。このため、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められた図柄ZA,ZCの大当り遊技は、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められた図柄ZBの大当り遊技に比して、有利な大当り遊技となる。なお、本実施形態における大当り遊技の仕様は、あくまで一例であって、任意に変更が可能である。
次に、大当り遊技の終了後における遊技状態について説明する。
複数種類の大当り図柄(大当りの種類)には、それぞれ大当り遊技の終了後に付与する遊技状態が定められている。本実施形態において、図柄ZA,ZBには、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態を付与することが定められている。図柄ZCには、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与される第1終了条件、及び予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了する第2終了条件のうち、何れかの終了条件が成立するまでの間にわたって第2有利状態を付与することが定められている。なお、本実施形態における遊技状態の仕様は、あくまで一例であって、任意に変更が可能である。
次に、パチンコ遊技機10における小当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、1種類又は複数種類の小当り図柄を備える。小当り図柄の種類は、小当りの種類としても把握できる。本実施形態において、小当り図柄は、全て図柄ZKのグループに分類される。小当り図柄には、小当り遊技の種類が定められている。なお、小当り図柄のグループは、2つ以上であってもよい。
パチンコ遊技機10では、小当りの特別ゲームの終了後、小当り遊技が開始される。小当り遊技では、大入賞口18を開放するラウンド遊技が1回だけ行われる。小当り遊技におけるラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間(本実施形態では1.8s)が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。1回のラウンド遊技において、大入賞口18は、遊技球が入球可能な開放態様となるように開放される。
次に、小当り遊技の終了後における遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10では、図柄ZKの小当り遊技の開始前と終了後とで遊技状態が変化せず、同じ遊技状態となる。例えば、第1有利状態において小当り遊技が付与されると、当該小当り遊技の終了後も第1有利状態が継続する。第2有利状態において小当り遊技が付与されると、当該小当り遊技の終了後も第2有利状態が継続する。小当り遊技の前後で第2有利状態が継続する場合には、作動回数がリセットされず、継続して計数される。
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出の一例について説明する。
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、表示演出の1つである演出図柄変動ゲームがある。演出図柄変動ゲームは、変動ゲームの一例である。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出ゲームは、演出表示装置EHにおいて、複数列の演出図柄を変動表示させ、最終的に演出図柄の組み合わせ(以下、単に図柄組合せと示す)を導出させる演出である。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための飾り図柄である。
本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の演出図柄をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームは、特別ゲームに関連して実行される。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームにおいて導出された特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せの一例は、例えば「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組合せである。
また、特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。例えば、はずれの図柄組合せの一例は、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。なお、演出ゲームにおいて、演出図柄は、確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。
演出ゲームは、リーチ演出を伴う場合がある。リーチ演出は、リーチを形成して行う演出であって、通常演出の一例である。リーチは、複数列のうち特定列(一例として第1列と第3列)に同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定列とは異なる列(一例として第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。本実施形態では、リーチ演出として、ノーマルリーチ演出(以下、NR演出と示す)と、スーパーリーチ演出(以下、SR演出と示す)と、が含まれる。SR演出は、NR演出に比して、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されることで、当該特別ゲームが大当りとなる期待度(以下、大当り期待度と示す)が高いリーチ演出である。
例えば、NR演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成した後、第2列の演出図柄を引き続き変動表示させてから一旦停止表示させ、そのまま所定の図柄組合せを導出させる演出である。例えば、SR演出は、NR演出を実行した後、第2列の演出図柄を再変動させ、NR演出を発展させる演出である。SR演出への発展時、又はSR演出の実行中には、演出表示装置EH及び枠可動体25を用いたチャンスアップ演出が実行され得る。なお、SR演出は、チャンスアップ演出とは別に、演出表示装置EHに所定のキャラクタや文字列を表示する演出を含んでもよい。SR演出は、最終的に第2列の演出図柄を一旦停止表示させ、その後に所定の図柄組合せを導出させる演出である。
次に、SR演出に付随して実行可能なチャンスアップ演出について説明する。
図8(a)〜(d)に示すように、チャンスアップ演出は、SR演出に付随して実行されるときと、SR演出に付随して実行されないときとがある。SR演出がチャンスアップ演出を伴うときには、伴わないときに比して、大当り期待度が高くなる。即ち、チャンスアップ演出は、SR演出に付随して実行されることによって、今回の演出ゲーム(特別ゲーム)が大当りとなる可能性が高いことを補強して認識させる演出である。
原則として、チャンスアップ演出は、演出表示装置EHに特定画像Gsを表示する特定表示演出と、枠可動体25を原点位置P0から最大展開位置Pmaxに向かって変位させた状態において、第1発光演出部26に特定発光演出を実行させる特定可動演出と、を組み合わせて構成される(図8(b)参照)。第1発光演出部26の特定発光演出は、第1発光演出部26を構成するLED25dを特定発光態様により発光させる演出である。本実施形態において、特定可動演出は、特定演出の一例である。
枠可動体25は、必ずしもチャンスアップ演出において最大展開位置Pmaxまで変位するとは限らず、遊技者の演出調整操作によって設定された許容位置Prを限度として変位される。許容位置Prは、枠可動体25の最大動作量の一例である。本実施形態の許容位置Prには、その一例として、第1許容位置Pr1、第2許容位置Pr2、及び第3許容位置Pr3がある。最大展開位置Pmaxは、第3許容位置Pr3の一例であり、最大展開位置Pmaxよりも原点位置P0に近接した中間位置は、第2許容位置Pr2の一例であり、原点位置P0は、第1許容位置Pr1の一例である。後述するように、チャンスアップ演出では、許容位置Prが第1許容位置Pr1に設定されているとき、第1発光演出部26による特定発光演出を含め、特定可動演出の実行が制限される。
本実施形態のチャンスアップ演出は、大当り期待度が1(100%)未満である。したがって、SR演出に付随してチャンスアップ演出が出現した場合には、演出ゲームで大当りの図柄組合せが導出される状況(図8(c)参照)の他、はずれの図柄組合せが導出される状況(図8(d)参照)も生じ得る。なお、枠可動体25は、チャンスアップ演出として原点位置P0から変位したとき、演出ゲームの終了とともに原点位置P0に復帰する。枠可動体25は、チャンスアップ演出の非実行時、又は第1許容位置Pr1が設定されているとき、演出ゲームが終了するまで原点位置P0に維持される。
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、遊技機に設定されている設定値を示唆可能な特殊演出が含まれる。即ち、特殊演出は、大当り遊技に関する有利度合いの一例である大当り確率Kの設定を示唆可能な演出であるといえる。
図8(d)に示すように、特殊演出は、枠可動体25を原点位置P0に位置させた状態において、枠可動体25のうち第2発光演出部27にて実行される。本実施形態の特殊演出は、第2発光演出部27を構成する複数のLED25dを特殊発光態様にて発光させることで実行される。なお、特殊発光態様は、特殊演出に専用の発光態様であり、第2発光演出部27における他の発光演出とは異なる発光態様である。特殊発光態様は、その一例として、恰も左方から右方に向かって光が流れるかのように、複数のLED25bを順次点灯させる態様を定めることができる。これに限らず、特殊発光態様は、特殊演出と他の発光演出とを区別して認識可能であれば、複数のLED25bを虹色に変化するように発光させたり、所定色で高速点滅させたりするなど、適宜変更してもよい。
詳しくは後述するが、特殊演出は、チャンスアップ演出のうち特定可動演出を伴うSR演出を含む演出ゲームの終了後、次回の演出ゲームから開始され、連続する最大で規定回数(一例として3回)の演出ゲームの実行中に行われ得る演出である。そして、本実施形態における特殊演出は、当該特殊演出を伴う演出ゲームの実行回数によって、設定が示唆される。即ち、特殊演出を伴う演出ゲームの回数は、設定を示唆可能な設定示唆要素の一例である。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図9に示すように、主制御ユニットMUは、主制御基板40を有する。主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。副制御ユニットSUは、副制御基板50を有する。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読み出しが可能であって、且つ情報の書き込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読み出し、及び書き込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)とが含まれる。
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。また、主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動態様)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、小当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、又は行わないで、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。小当り変動パターンは、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、又は行わないで、最終的に小当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的にはずれの図柄組合せを導出可能なリーチありのはずれ変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの図柄組合せを導出するリーチ無しのはずれ変動パターンがある。
本実施形態において、大当り変動パターン、小当り変動パターン、及びリーチありのはずれ変動パターンには、NR演出を含む演出内容を特定可能なNR演出の変動パターン、及びSR演出を含む演出内容を特定可能なSR演出の変動パターンがある。なお、SR演出の変動パターンは、NR演出の変動パターンに比して、特別抽選の結果が大当り、小当り、及びはずれであるときの各選択率を合算した合算選択率に対して、特別抽選の結果が大当りであるときの選択率が占める割合が高く設定されている。即ち、SR演出の大当り期待度は、NR演出に比して高い。
主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。主制御CPU42は、主制御RWM44が記憶している情報に基づいた所定の制御も行う。
マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
主制御CPU42は、センサSE1〜SE4と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1〜SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、情報表示装置13(表示部13a〜13f)と接続されている。主制御CPU42は、情報表示装置13(表示部13a〜13f)の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。
主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46と接続されている。主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオン状態であるときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、設定器47と接続されている。主制御CPU42は、設定器47がオン状態であるときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、表示器48と接続されている。主制御CPU42は、表示器48の表示内容を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、RTC(リアルタイムクロック)54と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する各種の処理を行う。本実施形態では、副制御CPU51が演出に関する各種処理を実行することによって、演出装置群(演出部及び演出手段)を制御する演出制御手段の一例が構成されている。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、可動体(不図示)を動作させる可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。RTC54は、電池などの予備電源(不図示)から供給される電力によって、電源投入がされているか否かに関係なく現在時刻を継続的に計時し、その時々における日付(年月日)及び時刻(時分秒)を特定可能なRTC情報を生成する。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU51は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、ステッピングモータSMと接続されている。副制御CPU51は、ステッピングモータSMの動作を制御することによって、枠可動体25の動作を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、枠可動体25の第1発光演出部26及び第2発光演出部27と接続されている。副制御CPU51は、第1発光演出部26及び第2発光演出部27の発光態様をそれぞれ制御可能に構成されている。副制御CPU51は、演出ボタンBTと接続されている。副制御CPU51は、演出ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1)に変換するとともに、その変換後の電源電圧(V1)を各制御基板40,50へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。電源ユニット60は、複数本の電源供給線を介して主制御基板40及び副制御基板50と接続されている。各制御基板40,50は、電源供給線を通じて電力供給を受けることによって動作する。
電源ユニット60は、電源スイッチ(接点装置)61を備える。電源スイッチ61は、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替えた後の操作状態を維持するように構成されている。パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ61をオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ61をオフ状態からオン状態に操作にする。本明細書における「電源投入」とは、電源スイッチ61を操作するなどして、制御基板40,50に対して電力供給がされている状態にすることを意味し、「電源断(電源遮断)」とは、制御基板40,50に対して電力供給がされていない状態にすることを意味する。
次に、バックアップ機能について詳しく説明する。
本実施形態の主制御RWM44は、所定の情報を記憶可能であって、且つ電力供給が停止されても記憶内容を保持可能に構成されている。即ち、主制御RWM44は、記憶手段の一例である。例えば、主制御RWM44は、電源断がされた後にも、バックアップ用の補助電源(不図示)から供給される電力によって、BU情報を保持可能であるとよい。電気二重層コンデンサは、バックアップ用の補助電源の一例である。例えば、主制御RWM44は、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
BU情報には、遊技の進行に関する遊技情報と、設定値に関する設定値情報と、が含まれている。遊技情報には、特別ゲームに関する情報、普通ゲームに関する情報、特別図柄の当り遊技に関する情報、普通図柄の当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、及び、賞球の払出しに関する情報が含まれる。例えば、特別ゲームに関する情報は、特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、特別抽選の結果を示す情報、特別ゲームの変動パターンを示す情報、特別ゲームで導出させる特別図柄を示す情報などである。例えば、普通ゲームに関する情報は、普通保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、普通抽選の結果を示す情報、普通ゲームの変動パターンを示す情報、普通ゲームで導出させる普通図柄を示す情報などである。例えば、特別図柄の当り遊技に関する情報は、大当り遊技及び小当り遊技の進行状況を示す情報などである。例えば、普通図柄の当り遊技に関する情報は、普通当り遊技の進行状況を示す情報などである。例えば、遊技状態に関する情報は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能(作動回数の残回数を含む)の作動状況を示す情報などである。例えば、賞球の払出しに関する情報は、未払出しの賞球数を示す情報などである。
主制御CPU42が実行する各種の処理について説明する。
最初に、電源断処理について説明する。
主制御CPU42は、電源電圧が規定電圧よりも低下したときに電源ユニット60が出力する電断信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を主制御RWM44に記憶させる。また、主制御CPU42は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を主制御RWM44に記憶させる。その後、主制御CPU42は、完全に電源断がされるまで待機する。前述のように、電源断のときに主制御RWM44に記憶されている各種の情報は、BU情報として、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
次に、電源投入処理について説明する。
主制御CPU42は、電源投入時の起動処理(ブート処理)によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。主制御CPU42は、電源投入処理を実行することによって、設定値の設定に関する制御を行う。即ち、本実施形態では、主制御CPU42が電源投入処理を実行することによって、大当り遊技に関する有利度合いの一例である大当り確率の設定に関する制御を実行可能な設定手段の一例が構成される。
電源投入処理において、主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46及び設定器47の操作状態の判定(以下、操作判定と示す)を行う。主制御CPU42は、操作判定において、RWMクリアスイッチ46がオン状態であり、且つ設定器47がオン状態であると判定した場合、RWMクリア処理を実行する。
RWMクリア処理において、主制御CPU42は、BU情報のうち遊技情報を初期化する。RWMクリア処理において、主制御CPU42は、BU情報のうち設定値情報の初期化を行わない。即ち、本実施形態では、主制御CPU42がRWMクリア処理を実行することによって、主制御RWM44の記憶内容の少なくとも一部を初期化する初期化手段の一例が構成されている。
RWMクリア処理を終了すると、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている情報であって、設定スイッチの操作を受け付けて設定値を変更して設定可能な設定変更受付期間中であるかを特定可能な情報(以下、設定変更中フラグと示す)をオンに変更する。即ち、主制御CPU42は、設定器47を用いた設定変更操作に基づいて設定変更受付期間を設定し、設定値を変更して設定可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている設定値を読み出すとともに、当該読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器48を制御する。即ち、表示器48では、電源断がされたときの設定値が報知される。また、主制御CPU42は、設定変更状態の開始を特定可能な制御コマンド(以下、変更開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
設定変更状態において、主制御CPU42は、設定スイッチ(一例としてRWMクリアスイッチ46)が操作される毎に、選択中である設定値を…→1→2→…→6→1→…というように、ループするように変更する。主制御CPU42は、選択中である設定値を示す情報(値)を表示するように、表示器48を制御する。このように、主制御CPU42は、設定変更受付期間中に設定変更ができるように構成されている。即ち、設定変更状態は、主制御RWM44に記憶されている情報のうち設定値の変更が可能な状態である。
主制御CPU42は、設定変更状態において、設定器47がオフ状態になると、その時点で選択中である設定値を確定し、当該確定した設定値を新たな設定値として設定する。主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている設定変更中フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、設定変更受付期間の設定を解除し、設定変更状態を終了する。また、主制御CPU42は、設定変更状態の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変更終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。その後、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、後述の通常制御状態に移行する。
主制御CPU42は、前述の操作判定において、RWMクリアスイッチ46がオフ状態であり、且つ設定器47がオン状態であると判定した場合、バックアップが正常であるか否かの判定(以下、バックアップ判定と示す)を行う。例えば、主制御CPU42は、主制御RWM44にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、当該算出したチェックサム値が電源断処理において算出したチェックサム値と一致するか否かを判定する。
そして、主制御CPU42は、バックアップ判定において、バックアップフラグが記憶されていない場合、又はチェックサム値が一致しない場合、バックアップが正常ではないと判定する。バックアップが正常ではない場合、主制御CPU42は、RWMクリア処理を実行する。一方、主制御CPU42は、バックアップ判定において、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合、バックアップが正常であると判定する。バックアップが正常である場合、主制御CPU42は、RWMクリア処理を実行しない。
主制御CPU42は、バックアップが正常である場合、又はRWMクリア処理を終了した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている情報であって、設定確認期間中であるかを特定可能な情報(以下、設定確認中フラグと示す)をオンに変更する。設定確認期間は、遊技場の管理者等が、パチンコ遊技機10に設定されている設定値(大当り確率)を確認可能となるように、設定中である設定値を報知する期間である。即ち、主制御CPU42は、設定器47を用いた操作に基づいて設定確認期間を設定し、遊技場の管理者等が設定値を確認可能な設定変更状態に移行する。主制御CPU42は、設定確認状態に移行すると、主制御RWM44に記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器48を制御する。即ち、表示器48では、電源断がされたときの設定値が報知される。また、主制御CPU42は、設定確認状態の開始を特定可能な制御コマンド(以下、確認開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
設定確認状態において、主制御CPU42は、設定スイッチが操作されても、設定値を変更せず、表示器48の表示内容も変化させない。主制御CPU42は、設定確認状態において設定器47がオフ状態になると、主制御RWM44に記憶されている設定確認中フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、設定確認期間の設定を解除し、設定確認状態を終了する。また、主制御CPU42は、設定確認状態の終了を特定可能な制御コマンド(以下、確認終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。その後、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、後述の通常制御状態に移行する。
また、主制御CPU42は、前述の操作判定において、RWMクリアスイッチ46がオン状態であり、且つ設定器47がオフ状態であると判定した場合、RWMクリア処理を実行する。その後、主制御CPU42は、設定変更状態及び設定確認状態の何れにも移行することなく、電源投入処理を終了し、後述の通常制御状態に移行する。
主制御CPU42は、前述の操作判定において、RWMクリアスイッチ46がオフ状態であり、且つ設定器47がオフ状態であると判定した場合、前述のバックアップ判定を行う。主制御CPU42は、バックアップ判定において、バックアップが正常であると判定した場合、RWMクリア処理を実行せず、且つ、設定変更状態及び設定確認状態の何れにも移行せずに電源投入処理を終了し、通常制御状態に移行する。一方、主制御CPU42は、バックアップ判定において、バックアップが正常ではないと判定した場合、RWMクリア処理を実行する。その後、主制御CPU42は、設定変更状態及び設定確認状態の何れにも移行せずに電源投入処理を終了し、後述の通常制御状態に移行する。
通常制御状態は、後述の割り込み処理が許可されることによって、主制御CPU42が特別ゲーム及び普通ゲームを実行させるための処理、大当り遊技、小当り遊技、及び普通当り遊技を付与するための処理を可能な制御状態である。RWMクリア処理によって遊技情報が初期化された場合には、特別ゲーム及び普通ゲームが実行及び保留されておらず、大当り遊技、小当り遊技、及び普通当り遊技の何れも付与されておらず、且つ、遊技状態が通常状態である状態に復帰される。遊技情報が初期化されなかった場合には、バックアップされている遊技情報に基づいて、電源断がされたときの遊技の状態に復帰される。
また、主制御CPU42は、電源投入処理を終了するときであって、通常制御状態に移行する前に、主制御RWM44に記憶されている遊技情報に基づいて、所定の制御コマンド(以下、初期コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御RWM44に記憶されている遊技情報とは、RWMクリア処理が行われたときは初期化された遊技情報であり、RWMクリア処理が行われていないときには直近の電源断がされたときの遊技情報(BU情報)である。
例えば、主制御CPU42は、特別ゲームの実行中に復帰する場合、初期コマンドとして、特別抽選の結果を特定可能な制御コマンド、特別ゲームの変動パターンを特定可能な制御コマンド、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な制御コマンドなどを出力する。例えば、主制御CPU42は、大当り遊技、小当り遊技、及び普通当り遊技の付与中に復帰する場合、初期コマンドとして、当り遊技の進行状況を特定可能な制御コマンドを出力する。また、例えば、主制御CPU42は、遊技状態(確変機能、入球補助機能、及び時短機能の作動状況)を特定可能な制御コマンドを出力する。
また、主制御CPU42は、電源投入処理を終了するときであって、通常制御状態に移行する前に、主制御RWM44に記憶されている設定値(設定)を特定可能な制御コマンド(以下、設定コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。即ち、設定変更状態に移行し、設定値が変更されたときには、変更後の設定値を特定可能な設定コマンドが出力される。一方、設定変更状態に移行したものの設定値が変更されなかったとき、及び設定変更状態に移行しなかったときには、直近の電源断がされたときと同じ設定値を特定可能な設定コマンドが出力される。
また、主制御CPU42は、電源投入処理において、主制御RWM44に記憶されている設定値に異常がある場合、設定値エラーを検知してもよい。設定値に異常があるか否かは、主制御RWM44のうち、設定値を示す情報を格納するアドレスの領域に、設定1〜6の何れを示す値でもない値が格納されているとき、設定値エラーと判定するとよい。主制御CPU42は、設定値エラーを検知すると、電源断がされるまで解除不能な遊技停止状態に移行するとよい。
また、主制御CPU42は、設定変更状態に移行してから終了するまでの間、及び設定確認状態に移行してから終了するまでの間にわたって、所定の外部信号の一例であるセキュリティ信号を外部端子(不図示)から機外に出力してもよい。外部端子には、例えば遊技場の管理室などに設置されたホールコンピュータ、及び島設備などに設置された外部演出装置などが接続される。
主制御CPU42は、設定変更状態に移行してから終了するまでの間にわたって、設定変更状態であることを報知する表示を行うように、図柄表示部13a,13b,13eのうち少なくとも1つを制御してもよい。主制御CPU42は、設定確認状態に移行してから終了するまでの間にわたって、設定確認状態であることを報知する表示を行うように、図柄表示部13a,13b,13eのうち少なくとも1つを制御してもよい。図柄表示部13a,13b,13eにおいて、設定変更状態又は設定確認状態であることを報知する表示は、当り図柄及びはずれ図柄の何れとも異なる図柄の表示であるとよい。
主制御CPU42は、電源投入処理によって設定変更状態に移行した場合には、電源投入処理を終了してから、搭載枠11bが閉鎖されたことを契機として、RWMクリア処理が実行されたことを特定可能な制御コマンド(以下、RWMクリアコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。例えば、搭載枠11bが閉鎖されたか否かは、搭載枠11bが開放されているか否かを検知するセンサを設けたり、施錠装置SSによる搭載枠11bの施錠状態を検知するセンサを設けたりすることで特定するとよい。
電源投入処理によって設定変更状態に移行しなかった場合であって、RWMクリア処理を実行したとき、主制御CPU42は、電源投入処理が終了すると、搭載枠11bが閉鎖されたか否かを問わず、RWMクリアコマンドを副制御基板50に出力する。RWMクリアコマンドを入力した副制御基板50は、後述のRWMクリア報知を実行させる。即ち、設定変更状態に移行したときと、設定変更状態に移行しなかったときとでは、RWMクリア報知のタイミング(実行態様)が異なる。なお、主制御CPU42は、初期コマンド→RWMクリアコマンドの順に、各コマンドを副制御基板50に出力する。また、主制御CPU42は、RWMクリアコマンドの出力とともにセキュリティ信号を外部端子から所定時間(例えば50ms)にわたって出力するとよい。
次に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理は、通常制御状態において、割り込み処理として実行される。
図10に示すように、主制御CPU42は、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したか否かを判定する(S101)。遊技球が第1始動入賞口15へ入球した場合(S101:YES)、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S102)。
第1特別保留数が上限数未満である場合(S102:YES)、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する(S103)。ステップS103の処理において、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる(S104)。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選及び小当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。ステップS104の処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
第1始動入賞口15へ遊技球が入球していない場合(S101:NO)、第1特別保留数が上限数未満ではない場合(S102:NO)、及び、ステップS104の処理を終了した場合、主制御CPU42は、ステップS105の処理へ移行する。ステップS105の処理において、主制御CPU42は、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したか否かを判定する(S105)。遊技球が第2始動入賞口16へ入球している場合(S105:YES)、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S106)。
第2特別保留数が上限数未満である場合(S106:YES)、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する(S107)。ステップS107の処理において、主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる(S108)。ステップS108の処理において、主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
主制御CPU42は、第2始動入賞口16へ遊技球が入球していない場合(S105:NO)、第2特別保留数が上限数未満ではない場合(S106:NO)、又はステップS108の処理を終了した場合、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理は、通常制御状態において、割り込み処理として実行される。
図11に示すように、主制御CPU42は、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する(S201)。主制御CPU42は、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、当り遊技中、又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合(S201:NO)、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
特別ゲームの実行条件が成立している場合(S201:YES)、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する(S202)。第2特別保留数が零である場合(S202:NO)、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する(S203)。第1特別保留数が零である場合(S203:NO)、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第1特別保留数が零よりも大きい場合(S203:YES)、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する(S204)。ステップS204の処理において、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する(S205)。次に、主制御CPU42は、遊技状態を特定する(S206)。ステップS206の処理において、主制御CPU42は、確変機能が作動中であるか否かを特定する。
次に、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う(S207)。ステップS207の処理において、主制御CPU42は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率Kl,Khにて大当り抽選を行う。また、ステップS207の処理において、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている設定値に応じた大当り確率Kl,Khにて、大当り抽選を行う。
例えば、主制御CPU42は、設定6であり、且つ低確率状態(確変機能が非作動中)である場合、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数の値が、特別当り乱数の取り得る数値(例えば0〜65535)のうち設定6の低確範囲(例えば0〜236)であるとき、大当りと判定する。例えば、主制御CPU42は、設定6に設定されており、且つ高確率状態(確変機能が作動中)である場合、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数の値が、特別当り乱数の取り得る数値(例えば0〜65535)のうち設定6の高確範囲(例えば0〜712)であるとき、大当りと判定する。なお、低確範囲は、高確範囲に含まれるように全値が重複していることに限らず、その一部又は全部が異なっていてもよい。設定1〜5である場合は、低確範囲及び高確範囲が設定値(大当り確率Kl,Kh)に応じて異なる点を除いて、設定6であるときと同様である。
大当りに当選した場合(S207:YES)、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う(S208)。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにおいて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の変動時間状態(時短機能の作動の有無)、及び大当り図柄の種類に応じて、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合(S207:NO)、主制御CPU42は、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、小当りに当選とするか否かの小当り抽選を行う(S209)。ステップS209の処理において、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数の値が、小当りの当選に定めた数値であるとき、小当りと判定する。
小当りに当選した場合(S209:YES)、主制御CPU42は、小当り変動処理を行う(S210)。小当り変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにおいて導出させる小当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の変動時間状態(時短機能の作動の有無)に応じて、小当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
小当りに当選しなかった場合(S209:NO)、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う(S211)。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにおいて導出させるはずれ図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の変動時間状態(時短機能の作動の有無)に応じて、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第2特別保留数が零よりも大きい場合(S202:YES)、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるためのステップS212〜S219の処理を行う。これらステップS212〜S219の処理は、第1特別ゲームを実行させるためのステップS204〜S211の処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。即ち、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算と、大当り抽選と、小当り抽選と、各当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理とを行った後、特別図柄開始処理を終了する。
主制御CPU42は、各変動処理(S208,S210,S211,S216,S218,S219)において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板50に出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲームの開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理(S208,S210,S211)が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理(S216,S218,S219)が実行されたときとで異なるコマンドである。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板50に出力する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別ゲームの実行条件が成立しており、且つ特別保留数が1以上であるとき、所定の開始条件が成立し、当該所定の開始条件の成立を契機に当り抽選の一例である特別抽選を行うように構成されている。
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を行う。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定するとともに、当該特定した種類の大当り遊技を付与する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別抽選において大当りに当選すると、変動ゲームの一例である特別ゲームにて大当り表示結果が導出された後に大当り遊技を付与するように構成されている。
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した大当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、ラウンド遊技の実行中に第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了する。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
次に、小当り遊技処理について説明する。
小当り遊技処理は、小当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて小当り図柄を導出させると、小当りの特別ゲームの終了後に小当り遊技処理を行う。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した小当り図柄(即ち、小当りの種類)に基づいて、小当り遊技の種類を特定するとともに、当該特定した種類の小当り遊技を付与する。
主制御CPU42は、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した小当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、ラウンド遊技の実行中に第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了する。その後、主制御CPU42は、小当り遊技を終了する。なお、主制御CPU42は、大当り遊技処理と同様に、オープニングに関する処理や、エンディングに関する処理を実行してもよい。
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU42は、図柄ZA,ZBの大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に記憶された情報であって、確変機能を作動中であるか否かを特定可能な情報(以下、確変フラグと示す)をオンに変更する。即ち、主制御CPU42は、確変機能を作動させ、高確率状態に制御する。主制御CPU42は、図柄ZCの大当り遊技を終了すると、確変フラグをオンに変更しない。即ち、主制御CPU42は、確変機能を作動させず、低確率状態に制御する。また、主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、確変フラグがオンであるとき、当該確変フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、確変機能を作動させず、低確率状態に制御する。主制御CPU42は、確率状態(確変機能の作動の有無)を切り替えるとき、切り替えた後の確率状態を特定可能な制御コマンド(以下、確率状態コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
次に、入球率状態を移行させる入球率移行処理について説明する。
主制御CPU42は、図柄ZA〜ZCの大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に記憶された情報であって、入球補助機能を作動中であるか否かを特定可能な情報(以下、入球補助フラグと示す)をオンに変更する。即ち、主制御CPU42は、入球補助機能を作動させ、高入球率状態に制御する。主制御CPU42は、図柄ZCの大当り遊技の終了後、作動回数の特別ゲームが終了すると、当該作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、入球補助フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、図柄ZCの大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、入球補助機能を非作動に切り替え、高入球率状態を終了する。主制御CPU42は、図柄ZA,ZBの大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が開始されるまで、入球補助フラグをオフに変更しない。また、主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、入球補助フラグがオンであるとき、当該入球補助フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、入球補助機能を作動させず、低入球率状態に制御する。主制御CPU42は、入球率状態(入球補助機能の作動の有無)を切り替えるとき、切り替えた後の入球率状態を特定可能な制御コマンド(以下、入球率状態コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
次に、変動時間状態を移行させる変動時間移行処理について説明する。
主制御CPU42は、ZA〜ZCの大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に記憶された情報であって、時短機能を作動中であるか否かを特定可能な情報(以下、時短フラグと示す)をオンに変更する。即ち、主制御CPU42は、時短機能を作動させ、短変動時間状態に制御する。主制御CPU42は、図柄ZCの大当り遊技の終了後において、作動回数の特別ゲームが終了すると、当該作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、時短フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、図柄ZCの大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームの終了に伴って、時短機能を非作動に切り替え、短変動時間状態を終了する。主制御CPU42は、図柄ZA,ZBの大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が開始されるまで、時短フラグをオフに変更しない。また、主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、時短フラグがオンであるとき、当該時短フラグをオフに変更する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、時短機能を作動させず、長変動時間状態に制御する。主制御CPU42は、変動時間状態(時短機能の作動の有無)を切り替えるとき、切り替えた後の変動時間状態を特定可能な制御コマンド(以下、変動時間状態コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
次に、普通図柄入力処理について説明する。
主制御CPU42は、ゲートセンサSE4から検知信号を入力したか否かに基づいて、ゲート20を遊技球が通過(入賞)したか否かを判定する。遊技球がゲート20を通過していない場合、主制御CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。一方、遊技球がゲート20を通過した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている普通保留数が上限数(一例として4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。
一方、普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、普通保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU42は、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。普通ゲームの保留条件は、普通保留数が上限数未満である状態において、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、普通抽選に用いる普通当り乱数などである。主制御CPU42は、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、普通ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことによって、当該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。その後、主制御CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
主制御CPU42は、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中、又は普通ゲームの実行中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU42は、普通保留数が0よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が0である場合、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU42は、普通ゲームを開始させる。普通ゲームを開始させる場合、主制御CPU42は、普通保留数を1減算して更新する。このとき、主制御CPU42は、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。
次に、主制御CPU42は、普通ゲームに用いる乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。次に、主制御CPU42は、遊技状態を特定する。即ち、主制御CPU42は、入球補助機能が作動中であるか否かを特定する。次に、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数を用いて、普通当りに当選とするか否かの普通抽選を行う。このとき、主制御CPU42は、現在の入球率状態(入球補助機能の作動の有無)に応じた普通当り確率Nl,Nhにて普通抽選を行う。
普通当りに当選した場合、主制御CPU42は、普通当り変動処理を実行する。普通当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により、普通当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により、現在の入球率状態(入球補助機能の作動の有無)に応じた普通ゲームの変動時間(変動パターン)を決定する。その後、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普通当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、普通はずれ変動処理を実行する。普通はずれ処理において、主制御CPU42は、普通はずれ図柄を決定する。また、普通はずれ処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により、現在の入球率状態(入球補助機能の作動の有無)に応じた普通ゲームの変動時間を決定する。その後、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。
そして、普通図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、普通図柄開始処理とは別の処理によって、普通ゲームを実行させる。主制御CPU42は、普通ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、普通図柄表示部13eを制御する。主制御CPU42は、普通ゲームの変動時間を計測する。主制御CPU42は、普通ゲームの変動時間が経過すると、普通図柄開始処理において決定した普通図柄を導出するように、普通図柄表示部13eを制御する。
次に、普通当り遊技処理について説明する。
普通当り遊技処理は、普通当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、普通ゲームにおいて普通当り図柄を導出させると、普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技処理を行う。主制御CPU42は、普通図柄開始処理にて決定した普通当り図柄(普通当りの種類)に基づいて、普通当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU42は、特定した普通当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて、現在の入球率状態(入球補助機能の作動の有無)に応じた開放態様となるように普通ソレノイドSL1を制御し、第2始動入賞口16を開状態とする。
次に、副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、各種の報知を行わせる報知処理について説明する。
副制御CPU51は、変更開始コマンドを入力すると、設定変更状態中であることを特定可能な設定変更報知を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。例えば、設定変更報知は、「設定変更中です」や「設定変更できます」といった文字列のように、設定変更状態であることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU51は、変更終了コマンドを入力すると、設定変更報知を終了するように、演出装置群を制御する。副制御CPU51は、確認開始コマンドを入力すると、設定確認状態中であることを特定可能な設定確認報知を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。例えば、設定確認報知は、「設定確認中です」や「設定確認できます」といった文字列のように、設定確認状態であることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU51は、確認終了コマンドを入力すると、設定確認報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU51は、RWMクリアコマンドを入力すると、RWMクリア処理が実行されたことを特定可能なRWMクリア報知を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。即ち、RWMクリア報知は、遊技情報の初期化が行われたことを特定可能である。例えば、RWMクリア報知は、「RWMクリア」の文字列のように、RWMクリア処理が行われたことを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU51は、RWMクリアコマンドを入力してから所定時間(例えば30s)が経過すると、RWMクリア報知を終了するように、演出装置群を制御する。なお、各種の報知は、演出装置群を構成する演出装置のうち任意に選択できる少なくとも1つにより実行すればよい。
副制御CPU51は、初期コマンドを入力すると、当該初期コマンドに特定される状態に対応した表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。例えば、副制御CPU51は、初期コマンドから通常状態への復帰を特定したときには、演出ゲームの背景画像として、通常状態に対応する背景画像(演出モード)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU51は、初期コマンドから何れかの有利状態への復帰を特定したときには、演出ゲームの背景画像として、復帰後の有利状態に対応する背景画像(演出モード)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
次に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。副制御CPU51は、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。なお、大当り演出は、演出装置群を構成する演出装置のうち任意に選択できる少なくとも1つにより実行すればよい。
次に、待機演出処理について説明する。
待機演出処理は、待機演出の一例であるデモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、デモ演出の開始条件(以下、デモ開始条件と示す)が成立したことを契機に、デモ演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。デモ開始条件は、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中ではなく、特別ゲームを実行中ではなく、且つ保留中の特別ゲームが存在しないときに成立する。
例えば、副制御CPU51は、エンディングコマンド又は変動終了コマンドを入力してから、変動開始コマンドを入力することなく規定時間が経過したときに、デモ開始条件が成立したと判定するとよい。また、主制御CPU42は、エンディング時間の終了時又は特別ゲームの終了時において、保留中の特別ゲームが存在しないときにデモ開始条件が成立したと判定し、デモ演出の開始を特定可能な情報(以下、デモ開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力するように構成してもよい。そして、副制御CPU51は、デモ開始コマンドを入力すると、デモ開始条件が成立したと判定し、デモ演出を開始するように演出表示装置EHを含む演出装置群を制御するとよい。なお、デモ演出は、演出装置群を構成する演出装置のうち任意に選択できる少なくとも1つにより実行すればよい。
次に、許容位置設定処理について説明する。
許容位置設定処理は、枠可動体25の許容位置Prを設定するための処理である。副制御CPU51は、デモ開始条件が成立しているとき、演出ボタンBTから操作信号を入力すると、副制御RWM53に記憶されている情報であって、演出ボタンBTの操作を受け付けて枠可動体25の許容位置Prを変更可能な演出調整受付期間中であるかを特定可能な情報(以下、演出調整中フラグと示す)をオンに変更する。即ち、副制御CPU51は、許容位置Prの設定を変更可能な演出調整状態に移行する。演出調整状態において、副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている許容位置Prを読み出し、設定中である許容位置Prを報知する表示を行うように、演出表示装置EHを制御する。
図12に示すように、演出調整状態において、副制御CPU51は、演出ボタンBTが操作される毎に、選択中である許容位置Prを、…→第1許容位置Pr1→第2許容位置Pr2→第3許容位置Pr3→第1許容位置Pr1→…というように、ループするように変更する。副制御CPU51は、選択中である許容位置Prを報知するように、演出表示装置EHを制御する。そして、副制御CPU51は、予め定めた確定条件が成立すると、その時点で選択中である許容位置Prを確定し、当該確定した許容位置Prを新たな許容位置Prとして設定する。確定条件は、その一例として、演出ボタンBTから操作信号を入力してからの経過時間が予め定めた時間に達することを定めることができる。そして、副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている演出調整中フラグをオフに変更する。即ち、副制御CPU51は、演出調整受付期間の設定を解除し、演出調整状態を終了する。なお、副制御CPU51は、演出調整状態であるときに変動開始コマンドを入力すると、許容位置Prの変更をキャンセルし、設定中である許容位置Prを変更しない。
図13には、演出調整受付期間中における演出表示装置EHの表示態様の具体的な一例が示されている。副制御CPU51は、演出調整状態であるとき、「枠可動体の許容位置を変更できます」の文字列のように、演出ボタンBTの操作によって許容位置Prを変更可能であることを特定可能な情報の一例として、説明画像Gmを表示させる。副制御CPU51は、演出調整状態であるとき、選択肢としての許容位置Pr1〜Pr3を各別に特定可能な情報の一例として選択肢画像Gm1〜Gm3を表示させる。副制御CPU51は、演出調整状態であるとき、選択中である許容位置Prを特定可能な情報の一例として選択中画像Gnを表示させる。
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中に、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。なお、副制御CPU51は、確率状態コマンド、入球率状態コマンド、及び変動時間状態コマンドに基づいて、パチンコ遊技機10の遊技状態を特定可能に構成されている。副制御CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにおいて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから小当り図柄を特定可能である場合、小当りの図柄組合せを決定する。
また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。ここで、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しており、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させるときには、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。なお、リーチ条件としては、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行させない場合には、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに沿って演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。そして、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、決定済みの図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定められた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
パチンコ遊技機10は、演出ゲームの実行中、大当り期待度を特定可能な演出(以下、予告演出と示す)を実行可能に構成されている。具体的に、副制御CPU51は、実行中の演出ゲーム(特別ゲーム)についての大当り期待度を特定可能な第1種予告演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御可能である。副制御CPU51は、保留中の演出ゲーム(特別ゲーム)についての大当り期待度を特定可能な第2種予告演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御可能である。第2種予告演出は、所謂「先読み」による予告演出であり、第2種予告演出が跨って実行される特別ゲームの回数が多くなるほど、大当り期待度が高くなるように構成されている。リーチ演出の他、チャンスアップ演出、及び各予告演出は、通常演出の一例である。これらの通常演出は、枠可動体25を用いた発光演出を含む。したがって、本実施形態の枠可動体25は、特殊演出とは異なる通常演出を実行可能に構成されているといえる。
次に、チャンスアップ演出処理について説明する。
チャンスアップ演出処理は、チャンスアップ演出を実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンドから、SR演出の変動パターンを特定可能である場合、チャンスアップ演出抽選を実行し、当該チャンスアップ演出抽選に当選したか否かに基づいて、今回の演出ゲームにおけるSR演出に付随してチャンスアップ演出を実行させるか否かを決定する。前述のように、SR演出の変動パターンには、大当り変動パターン、小当り変動パターン、及びリーチありのはずれ変動パターンが存在する。
副制御CPU51は、SR演出がチャンスアップ演出を伴って実行されるときに、SR演出がチャンスアップ演出を伴わないで実行されるときに比して、大当り期待度が高くなるように、チャンスアップ演出を実行させるか否かを決定する。具体的に、副制御CPU51は、SR演出の各変動パターンにおけるチャンスアップ演出の出現率を合算した合算出現率に対して、SR演出の大当り変動パターンにおけるチャンスアップ演出の出現率が占める割合が高くなるように、チャンスアップ演出抽選を行う。
副制御CPU51は、チャンスアップ演出抽選に当選したとき、NR演出からSR演出への発展時である第1開始タイミング、又はSR演出へ発展してから所定の時間が経過した第2開始タイミングにて、チャンスアップ演出を開始させるように、演出表示装置EH及び枠可動体25を制御する。具体的に、副制御CPU51は、第1又は第2開始タイミングにおいて、特定画像Gsを表示するように演出表示装置EHを制御し、特定表示演出を開始させる。
また、副制御CPU51は、第1許容位置Pr1が設定されているとき、枠可動体25を原点位置P0に維持するとともに、第1発光演出部26を発光させないことで特定可動演出を実行させない。即ち、第1許容位置Pr1が設定されているときには、特定可動演出の実行が制限される。副制御CPU51は、第2許容位置Pr2が設定されているとき、枠可動体25を中間位置(一例として動作角=60°)まで変位させるとともに、第1発光演出部26を発光させることで特定可動演出を開始させる。副制御CPU51は、第3許容位置Pr3が設定されているとき、枠可動体25を最大展開位置Pmax(動作角=90°)まで変位させるとともに、第1発光演出部26を発光させることで特定可動演出を開始させる。
このように、副制御CPU51は、演出調整受付期間(演出調整状態)において設定した許容位置Prに基づいてチャンスアップ演出を実行する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出ボタンBTを操作することによって、チャンスアップ演出に含まれる特定可動演出の演出態様を、遊技者が調整可能に構成されている。特に、第1許容位置Pr1を設定したときには、特定可動演出の実行が制限されることから、特定可動演出を実行させるか否かを遊技者が選択可能であるともいえる。
そして、副制御CPU51は、チャンスアップ演出の開始タイミングから予め定めた表示時間が経過すると、特定画像Gsの表示を終了するように演出表示装置EHを制御し、特定表示演出を終了させる。一方、副制御CPU51は、特定可動演出を開始させたとき、SR演出を含む演出ゲームの終了時に枠可動体25を原点位置P0へ変位させるとともに、第1発光演出部26を消灯させることで特定可動演出を終了させる。なお、副制御CPU51は、特定可動演出を開始させていないとき、これらの演出を引き続き実行しないように枠可動体25を制御する。
次に、実行回数計数処理について説明する。
実行回数計数処理は、予め定めた計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数を計数するための処理である。本実施形態では、副制御CPU51が実行回数計数処理を実行することで計数手段の一例が構成されている。副制御CPU51は、計数開始条件が成立すると、副制御RWM53に記憶されている情報であって、演出ゲームの実行回数を特定可能な情報(以下、計数カウンタと示す)を初期化する。本実施形態では、計数開始条件の一例として、電源投入後に初期コマンドを入力すること、及び、遊技状態が第2有利状態から通常状態に移行することが定められている。これに限らず、計数開始条件は、大当り遊技が終了すること(エンディングコマンドを入力すること)、及び小当り遊技が終了することを定めてもよい。そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に、計数カウンタを加算して更新し、演出ゲームの実行回数を計数する。計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数は、少なくとも大当り遊技が付与されないまま実行された演出ゲームの実行回数であって、所謂「ハマり回数」である。
次に、特殊演出処理について説明する。
特殊演出処理は、特殊演出を実行させるための処理である。
副制御CPU51は、特定可動演出を伴うSR演出を含み、且つ小当り変動パターン又ははずれ変動パターンに基づく演出ゲームを終了させると、特殊演出を実行させるか否かを抽選により決定する。一方、副制御CPU51は、特定可動演出を伴わないSR演出を含み、且つ小当り変動パターン又ははずれ変動パターンに基づく演出ゲームを終了させると、特殊演出を実行させないと決定する。即ち、特殊演出は、チャンスアップ演出のうち、特定可動演出を伴うSR演出が行われなければ実行されない。なお、副制御CPU51は、大当り変動パターンに基づく演出ゲームの終了後には、大当り遊技が開始されることから、SR演出が特定可動演出を伴ったときであっても、特殊演出を実行させないと決定する。また、副制御CPU51は、特殊演出を実行させるときの当該特殊演出の演出内容も決定する。
副制御CPU51は、特殊演出パターンを抽選することにより、特殊演出を実行させるか否か、及び特殊演出を実行させるときの演出内容を決定する。本実施形態において、特殊演出パターンには、特殊演出パターンEP0〜EP3がある。特殊演出パターンEP0には、特殊演出の非実行(特殊演出なし)が定められている。特殊演出パターンEP1には、1回の演出ゲームにおいて特殊演出を実行することが定められており、特殊演出パターンEP2には、連続する2回の演出ゲームにおいて特殊演出を実行することが定められており、特殊演出パターンEP3には、連続する3回の演出ゲームにおいて特殊演出を実行することが定められている。
そして、副制御CPU51は、計数カウンタの値を参照することにより、計数開始条件の成立後における演出ゲームの実行回数を特定し、当該特定した実行回数に基づいて、特殊演出パターンを抽選するための複数の演出抽選テーブルのうち、何れかの演出抽選テーブルを選択する。副制御CPU51は、副制御基板50にて生成している演出乱数を取得するとともに、当該取得した演出乱数と、選択した演出抽選テーブルとに基づいて抽選を行い、何れかの特殊演出パターンを決定する。後述のように、本実施形態の演出抽選テーブルは、特殊演出パターンの当選確率を規定していることから、特殊演出を実行させるかを副制御CPU51が決定するときの第1条件、及び特殊演出を実行させるときの態様を副制御CPU51が決定するときの第2条件を定めたものであると言える。したがって、選択する演出抽選テーブルが変更されることは、第1条件及び第2条件が変化することと同義である。
図14に示すように、副制御CPU51は、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数に応じて演出抽選テーブルを選択する。具体的に、本実施形態では、第1から第6までの全6段階の設定値ごとに基準回数が定められている。この基準回数には、その一例として、設定中である設定値に規定された大当り確率Kのうち、確変機能が作動していないときの大当り確率Klの逆数と同じ回数、又は略同じ回数が定められている。本明細書にて示す「大当り確率Kの逆数と略同じ回数」とは、大当り確率Kの逆数では小数点以下の値が生ずるが、例えば当該小数点以下の値を切り捨てる、切り上げる、又は四捨五入するなどした回数や、大当り確率Kの逆数を基準に−10回から+10回までの範囲など、遊技者が大当り確率Kの逆数の範囲であると同視し得る回数を含む意図である。例えば、設定1の大当り確率Klが1/319であるとき、当該設定1の基準回数は、319回であり、設定6の大当り確率Klが1/278であるとき、当該設定6の基準回数は、278回である。
そして、副制御CPU51は、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数が、設定中である設定値に定められた基準回数の3倍未満であるとき、演出抽選テーブルTb1を選択し、基準回数の3倍以上であって4倍未満であるとき、演出抽選テーブルTb2を選択する。同様に、副制御CPU51は、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数が、設定中である設定値に定められた基準回数の4倍以上であって5倍未満であるとき、演出抽選テーブルTb3を選択し、基準回数の5倍以上であるとき、演出抽選テーブルTb4を選択する。
このように、本実施形態では、設定中である設定値に応じて基準回数が異なる結果、設定中である設定値に応じて、選択する演出抽選テーブルTb1〜Tb4が切り替わるタイミングが変化する。このため、基準回数をn倍した変動ゲームの実行回数は、選択する演出抽選テーブル(第1条件及び第2条件)が変化する契機となる特定回数の一例となる(但し、n=3,4,5)。換言すれば、演出抽選テーブル(第1条件及び第2条件)は、副制御CPU51が計数する演出ゲームの実行回数が、基準回数をn倍した特定回数に達したことを契機に変化するようになっている。そして、特定回数は、設定値のうち所定の設定値が設定されているときと、設定値のうち所定の設定値よりも大当り確率Kが高い特定の設定値が設定されているときとで異なる。基準回数の3倍未満である回数は、第1回数の一例であり、基準回数の3倍以上である回数は、第2回数の一例である。
続けて、各演出抽選テーブルTb1〜Tb4について説明する。
演出抽選テーブルTb1〜Tb3には、それぞれ特殊演出なしの特殊演出パターンEP0と、特殊演出ありの特殊演出パターンEP1〜EP3とが対応付けられているとともに、各特殊演出パターンEP0〜EP3に対し、演出乱数の取り得る数値のうち当選と判定する値(値の範囲)が振り分けられている。
図15〜図18には、演出抽選テーブルTb1〜Tb4に規定される特殊演出パターンEP0〜EP3の選択率(当選確率)の一例が示されている。各演出抽選テーブルTb1〜Tb4は、設定1〜6の何れであっても特殊演出パターンEP1に当選するように構成されている。演出抽選テーブルTb1〜Tb4は、設定4以上であるときにのみ特殊演出パターンEP2に当選するように構成されている。演出抽選テーブルTb1〜Tb4は、設定6であるときにのみ特殊演出パターンEP3に当選するように構成されている。
したがって、特殊演出パターンEP1による特殊演出(実行回数=1回)が実行された状況からは、設定1から設定6の何れの可能性もあることが特定可能である。特殊演出パターンEP2による特殊演出(実行回数=2回)が実行された状況からは、設定4以上であることが特定可能である。特殊演出パターンEP3による特殊演出(実行回数=3回)が実行された状況からは、設定6であることが特定可能である。本実施形態において、特殊演出が2回又は3回の変動ゲームで実行されることは、設定示唆要素の第2状態の一例であり、特殊演出が1回の変動ゲームで実行されることは、設定示唆要素の第1状態の一例である。
また、演出抽選テーブルTb1〜Tb4は、演出抽選テーブルTb1<Tb2<Tb3<Tb4の順番に、特殊演出パターンEP1〜EP3の当選確率を合算した合算確率が高くなるように構成されている。したがって、例えば設定6であるとき、特殊演出の出現率は、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数が基準回数の3倍未満であるときに1%となり、基準回数の3倍以上であって4倍未満であるときに3%となり、基準回数の4倍以上であって5倍未満であるときに5%となり、基準回数の5倍以上であるときに10%となる。つまり、演出抽選テーブルTb1〜Tb4によれば、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数が多くなるほど、特殊演出の出現率が高くなる。
そして、副制御CPU51は、特殊演出パターンEP0を決定したとき、SR演出を含むはずれ又は小当りの演出ゲームの終了後、次回以降の演出ゲームにおいて特殊演出を実行しないように枠可動体25(第2発光演出部27)を制御する。副制御CPU51は、特殊演出パターンEP1を決定したとき、SR演出を含むはずれ又は小当りの演出ゲームの終了後、1回目の演出ゲームにて特殊演出を実行するように枠可動体25を制御する。副制御CPU51は、特殊演出パターンEP2を決定したとき、SR演出を含むはずれ又は小当りの演出ゲームの終了後、1回目及び2回目の演出ゲームにて特殊演出を実行するように枠可動体25を制御する。副制御CPU51は、特殊演出パターンEP3を決定したとき、SR演出を含むはずれ又は小当りの演出ゲームの終了後、1回目、2回目、及び3回目の演出ゲームにて特殊演出を実行するように枠可動体25を制御する。
副制御CPU51は、特殊演出パターンに基づいて特殊演出を実行させる場合、特殊開始条件が成立すると、特殊演出を開始し、特殊終了条件が成立すると、特殊演出を終了するように、枠可動体25(第2発光演出部27)を制御する。特殊開始条件は、その一例として、演出ゲームが開始されること(変動開始コマンドを入力すること)であってもよく、演出ゲームの開始から所定の待機時間が経過したことであってもよい。また、特殊終了条件は、特殊演出の開始から所定の演出時間が経過したことであってもよい。ここでいう「所定の演出時間」は、何れの変動時間よりも短い時間であってもよく、変動開始コマンドから特定可能な変動パターンに定められた変動時間であってもよく、当該変動時間に演出ゲームと演出ゲームとの間の最短インターバル時間を加算した時間であってもよい。これに限らず、特殊終了条件は、演出ゲームを終了させること(変動終了コマンドを入力すること)であってもよく、次回の演出ゲームの開始を指示する変動開始コマンドを入力することであってもよい。
一般に、大当り遊技を獲得することなく演出ゲーム(特別ゲーム)の実行回数が基準回数を超えてしまったときには、遊技者が自らの不運を感じ取り、遊技を継続するモチベーションを低下させてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、計数開始条件が成立してから実行された演出ゲームの実行回数が基準回数の3倍、4倍、又は5倍の回数に到達したことを契機に、特殊演出の実行可否や実行態様を決定するための条件が変化する。特に、本実施形態の構成によれば、演出ゲームの実行回数が多くなるほど、特殊演出の出現率が向上され、大当り確率の設定についての示唆を受けるチャンスが得られ易くなる。したがって、遊技者が遊技を継続するモチベーションを高めることが可能になる。
本実施形態の作用について、演出ゲームの具体的な流れの一例に沿って説明する。なお、以下の説明では、枠可動体25の許容位置Prとして第3許容位置Pr3(=最大展開位置Pmax)が設定されているものとする。
図8(a)に示すように、演出表示装置EHでは、各列の演出図柄が変動表示され、演出ゲームが開始される。枠可動体25は、原点位置P0に位置しており、第1発光演出部26及び第2発光演出部27では、発光演出が実行されていない。その後、演出表示装置EHでは、リーチが形成され、NR演出が実行される。続けて、演出表示装置EHでは、NR演出の演出内容が発展されるなどして、SR演出が実行される。
図8(b)に示すように、チャンスアップ演出の開始タイミングが到来すると、演出表示装置EHでは、特定画像Gsが表示され、特定表示演出が開始される。また、チャンスアップ演出の開始タイミングが到来すると、枠可動体25が第3許容位置Pr3(最大展開位置Pmax)に変位されるとともに、第1発光演出部26が発光することで特定可動演出が実行される。その後、演出表示装置EHでは、特定画像Gsの表示が終了するとともに、SR演出の続きが表示される。一方、枠可動体25では、特定可動演出が継続される。
ここで、SR演出がチャンスアップ演出を伴う状況は、チャンスアップ演出を伴わない状況に比して、大当り期待度が高いことを認識可能である。したがって、遊技者は、チャンスアップ演出の出現時、大当りに対して大きな期待を寄せるとともに、チャンスアップ演出を構成する特定表示演出のほか、特定可動演出を実行する枠可動体25に注目する傾向が強い。また、特定可動演出における枠可動体25の変位量は、遊技者の演出調整操作によって調整可能である。上述のように、枠可動体25の変位量が同じであっても、当該枠可動体25を視認する視点V1,V2に応じて、枠可動体25のうち特に第1発光演出部26を視認可能な範囲(面積)が変化する。第1発光演出部26を視認可能な範囲が異なることは、必然的に遊技者に与える演出としての強度が異なることを意味する。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、枠可動体25を用いた特定演出の強度を遊技者が調整可能に構成されている。
図8(c)に示すように、SR演出の大当り変動パターンが決定されているとき、演出表示装置EHでは、大当りの図柄組合せが導出されて演出ゲームが終了される。同時に、枠可動体25は、原点位置P0に変位するとともに、特定発光演出が終了され、特定可動演出が終了される。
一方、図8(d)に示すように、SR演出のはずれ変動パターンが決定されているとき、演出表示装置EHでは、はずれの図柄組合せが導出される。この場合、演出ゲームの終了とともに、枠可動体25は、原点位置P0に変位するとともに、特定発光演出が終了され、特定可動演出が終了される。このとき、はずれの演出ゲームの終了から、次回の演出ゲームが開始される迄の間、枠可動体25の第2発光演出部27は、消灯状態とされる。即ち、枠可動体25では、演出ゲームと演出ゲームとの間の変動インターバルにおいて特殊演出が実行されない。
その後、枠可動体25の第2発光演出部27では、次回以降の演出ゲームにおいて特殊演出が実行される状況と、実行されない状況とが生じる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動ゲームの実行中に枠可動体25(第1発光演出部26)にて特定演出が実行されたことを契機として、次回以降の変動ゲームの実行中に枠可動体25(第2発光演出部27)にて特殊演出を実行可能に構成されている。枠可動体25における特殊演出は、1回目の演出ゲームで終了するときと、2回目の演出ゲームまで継続するときと、3回目の演出ゲームまで継続するときとがあり、特殊演出を伴う演出ゲームの回数が多くなるほど、相対的に有利な設定がされていることを遊技者が認識可能になる。
前述のように、本実施形態では、SR演出がチャンスアップ演出を伴うとき、大当り期待度が高いことを認識可能であるため、最終的にはずれの図柄組合せが導出されたときには、遊技者が大当りに期待する余り、その興趣を低下させてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態では、チャンスアップ演出を伴うSR演出を経ても大当りとならなかった場合、次回の演出ゲームから特殊演出が実行され、当該特殊演出の実行回数によって設定値(設定)の示唆がされ得る。設定値(設定)は、大当り確率Kを規定するものであることから、本来的に遊技者が興味を抱く事柄である。したがって、本実施形態では、SR演出がチャンスアップ演出を伴ったにも関わらず「はずれ」となってしまったことによる遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
SR演出がチャンスアップ演出を伴ったにも関わらず「はずれ」となることによる興趣の低下は、大当り遊技を獲得することなく多数の変動ゲームを消化させた遊技者にとってはより顕著である。これに対して、本実施形態では、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数(所謂、ハマり回数)に応じて、特殊演出の出現率、及び特殊演出の態様を変化させることで、このような遊技者の興趣の低下を効果的に軽減し得る。特に、本実施形態では、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数が多いほど、特殊演出の出現率が向上されることから、さらに遊技者の興趣の低下を軽減し得る。
また、本実施形態では、許容位置Prとして第1許容位置Pr1(=原点位置P0)を設定中、チャンスアップ演出のうち特定可動演出の実行が規制される。つまり、遊技者は、チャンスアップ演出を調整(カスタマイズ)可能であるため、遊技者の好みの演出によって、自身の興趣を向上させ得る。また、特定可動演出は、枠体11の上部にある枠可動体25にて実行されるため、遊技者自身だけでなく、他の遊技者等からも視認し易い。このため、遊技者の中には、チャンスアップ演出のうち特定可動演出の実行を好ましく思わないものも存在し得る。本実施形態では、このような遊技者の要請にも応えることができる。
また、本実施形態では、第1許容位置Pr1を設定中、特殊演出の実行が規制される。つまり、遊技者は、特殊演出を調整可能であるため、遊技者の好みの演出によって、自身の興趣を向上させ得る。また、特殊演出は、枠体11の上部にある枠可動体25にて実行されるため、遊技者自身だけでなく、他の遊技者等からも視認し易い。特殊演出は、設定の示唆がされ得る演出であるため、他の演出に比して、遊技者が自分以外の者に視認させたくないと考える傾向が強い演出でもある。このような遊技者の考え方は、遊技場内に他の遊技者が多数いるか否かなど、遊技店の状況に合わせて変化し得る。また、遊技者の中には、一時的に特殊演出を実行させないことによって、遊技を通して大当り確率Kの設定を推測したいと考える状況も考えられる。本実施形態では、このような遊技者の要請にも応えることができる。即ち、特殊演出の調整(カスタマイズ)には、特殊演出の実行を制限することを含む。つまり、演出可動体の一例である枠可動体25の動作が禁止されることによって、特殊演出の実行が制限される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、変動ゲームの実行中に第1演出部の一例である枠可動体25にて、特定演出の一例である特定可動演出が実行されたことを契機として、次回以降の変動ゲームの実行中に、第2演出部の一例である枠可動体25にて、特殊演出が実行されることから、特定演出をきっかけとして、特殊演出の実行に注目を集めることができる。そして、本実施形態では、特殊演出に含まれる設定示唆要素によって設定が示唆され得ることから、当該設定の示唆が本来的に遊技者によって注目され易いことと相まって、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)本実施形態によれば、特定演出が実行された変動ゲームの次回の変動ゲームから特殊演出が開始されることから、特殊演出の実行にさらに注目させ易くできる。
(3)本実施形態によれば、特殊演出を伴う変動ゲームの実行回数によって設定が示唆されることから、遊技者に分かり易い演出を実現できる。特に、本実施形態によれば、特殊演出は、特定演出が実行された変動ゲームの次回の変動ゲームから開始されるから、特定演出によって特殊演出の注目度を高めた状態にて、続けて変動ゲームの回数に注目させることで、遊技者の興趣を継続的に高めることができる。
(4)本実施形態によれば、所謂ハマり回数が多い時には、特殊演出の実行確率(出現率)が高まることで、遊技を継続する遊技者のモチベーションを高めることができる。
(5)本実施形態によれば、特定演出の一例である特定可動演出、及び特殊演出は、何れも同じ演出部である枠可動体25にて実行される。よって、特定演出によって特殊演出に対する注目度を好適に高め得る。
(6)本実施形態によれば、特定演出は、枠可動体25の動作を伴う一方、特殊演出は、枠可動体25の動作を伴わない。よって、特定演出によって特殊演出に対する注目度を高めつつも、演出としてのバリエーションを増やすことができるだけでなく、特定演出と特殊演出とを明確に区別して把握させ得る。
(7)本実施形態によれば、所定の設定値が設定されているときと、特定の設定値が設定されているときとで、特殊演出の決定に関する第1条件及び第2条件の少なくとも一方が変化することになる変動ゲームの実行回数、すなわち変化タイミングが異なる。すなわち、大当り確率Kの変更とともに、特殊演出の傾向が変化するタイミングを変更可能であることから、大当り確率Kの変化と、特殊演出の傾向が変化するタイミングとを関連付けて変化させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(8)本実施形態によれば、特殊演出によって設定値の示唆がされ得ることから、遊技者が本来的に興味を持つ設定値についての示唆の傾向を、大当り確率Kの変更と連動して変化させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(9)本実施形態によれば、特殊演出の出現率が変化するタイミングは、大当り確率Kの変更と連動して変化されるため、遊技者の興趣をさらに向上させ得る。
(10)本実施形態によれば、大当り確率Klの逆数と同じ回数、又は略同じ回数の変動ゲームが実行されたことを基準に、特殊演出の傾向が変化することから、より大当り確率Kとの関連性を強く遊技者に感じ取らせることができる。
(11)本実施形態によれば、特殊演出の実行によって設定を示唆可能であるだけでなく、当該特殊演出、即ち設定の示唆を調整することも可能である。したがって、遊技者が本来的に興味を抱く設定の示唆を、遊技者の好みや遊技店の状況に合わせて調整して実行させることが可能である。よって、遊技者の興趣を向上できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。なお、以下の説明では、本実施形態と異なる構成について詳細に説明する一方、本実施形態と同様の構成については、その説明を簡略化又は省略する。
[第1変更例]
本実施形態では、特殊演出を伴う演出ゲームでSR演出が実行されるとき、当該演出ゲームにおいて特定演出が実行されることを契機に、次回の演出ゲームから特殊演出が追加実行され得るが、これに限らず、特別条件の成否によって特殊演出の追加実行を制限するように構成してもよい。以下、第1変更例のパチンコ遊技機10について説明する。
副制御CPU51は、決定した特殊演出パターンにおいて、特殊演出の実行が定められた最終回の演出ゲームが終了すると、副制御RWM53に記憶されている情報であって、特殊演出の実行を規制するか否かを特定可能な情報(以下、規制フラグと示す)をオンに変更する。規制フラグがオンであるとき、特殊演出の実行を規制することが特定され、規制フラグがオフであるとき、特殊演出の実行を規制しないことが特定される。副制御CPU51は、規制フラグをオンに変更してから、予め定めた規制回数の一例である10回の演出ゲームが終了すると、規制フラグをオフに変更する。なお、ここでいう規制回数は、10回に限らず、1回〜9回であってもよく、11回以上であってもよい。
そして、副制御CPU51は、特定可動演出を伴うSR演出を含み、且つ小当り変動パターン又ははずれ変動パターンに基づく演出ゲームが終了すると、規制フラグの値を参照し、特殊演出を規制中であるか否かを判定する。規制フラグがオフである場合(特殊演出を規制中ではない場合)、副制御CPU51は、本実施形態と同様にして、特殊演出を実行させるか否かを抽選により決定する。一方、規制フラグがオンである場合(特殊演出を規制中である場合)、副制御CPU51は、特殊演出を実行させないと決定する。即ち、副制御CPU51は、特殊演出が終了してから所定期間が経過する迄の間、特殊演出の実行を規制(制限)する。
第1変更例の効果について説明する。
(1)第1変更例によれば、特殊演出が終了してから所定期間が経過する迄の間、特殊演出の実行が規制される。よって、1の特殊演出と別の特殊演出との区切りを明確化できることから、複数の特殊演出が連続することによって、意図しない設定の示唆態様となってしまうことを抑制できる。
(2)第1変更例によれば、特殊演出の頻発によって、当該特殊演出に対する遊技者の注意力が低下してしまうことを抑制できる。
第1変更例は、さらに以下のように変更して実施することができる。
・第1変更例では、規制フラグがオンであるときには、小当り及びはずれの何れであっても特殊演出の実行が規制されたが、これに限らず、小当り及びはずれのうち任意に選択できる一方についてのみ特殊演出の実行を規制してもよい。また、副制御CPU51は、保留中の変動ゲームの内容を予め特定し、はずれの変動ゲームのみが保留されている場合には、規制フラグがオンであれば特殊演出を規制する一方、大当りの変動ゲームが保留されている場合には、規制フラグがオンであっても特殊演出を規制しないように構成してもよい。
・第1変更例では、規制フラグがオンであるときには、特殊演出の実行そのものが規制されたが、これに限らず、特殊演出パターンEP1〜EP3のうち、特殊演出パターンEP3のみ、又は特殊演出パターンEP2,EP3の選択が規制されてもよい。即ち、本明細書において、特殊演出についての「規制」とは、特殊演出の実行そのものの禁止だけでなく、特殊演出が実行されるときの一部態様についてのみの禁止を含む意図である。
[第2変更例]
第2変更例のパチンコ遊技機10は、エラー発生時にエラー報知を可能に構成されている。例えば、主制御CPU42は、搭載枠11bが開放されると扉開放エラーの発生を検知し、扉開放エラーの発生を特定可能な制御コマンド(以下、扉開放コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。また、主制御CPU42は、搭載枠11bが閉鎖されると扉開放エラーの終了(解消)を検知し、扉開放エラーの終了を特定可能な制御コマンド(以下、扉閉鎖コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
副制御CPU51は、扉開放コマンドを入力すると、エラーが発生していることを特定可能な発光態様(以下、エラー発光態様と示す)にて発光するように、装飾ランプLAのほか、枠可動体25の第2発光演出部27を制御する。エラー発光態様は、特殊演出の特殊発光態様とは異なる発光態様であって、通常演出を構成する発光演出の発光態様(チャンスアップ演出の特定発光態様)とも異なる発光態様である。副制御CPU51は、第2発光演出部27において、特殊演出、及び通常演出を構成する発光演出の何れを実行させているときであっても、枠可動体25の発光態様をエラー発光態様に切り替える。即ち、第2変更例において、エラー報知は、特殊演出に優先する。また、エラー報知は、通常演出にも優先する。
また、第2変更例において、副制御CPU51は、特殊演出の実行中、通常演出を構成する発光演出を実行させず、特殊演出としての発光演出を優先して実行するように、枠可動体25(第2発光演出部27)を制御する。即ち、特殊演出は、通常演出に優先する。上述のように、所謂「先読み」による第2種予告演出は、当該予告演出が跨って実行される変動ゲームの回数(最大で4)が多くなるほど、大当り期待度が高くなる。第2変更例において、枠可動体25は、特殊演出とは異なる通常演出を実行可能であって、通常演出には、大当り期待度を示唆する期待度示唆要素の一例として枠可動体25の発光態様の他、演出が跨って実行される変動ゲームの回数が含まれるといえる。即ち、設定示唆要素と、期待度示唆要素とは、少なくとも一部の要素が同じである。そして、特殊演出を実行するとき、通常演出の実行が制限される。
なお、パチンコ遊技機10において検知し、報知可能とするエラーは、扉開放エラーに限らず、さらに別のエラーがあってもよい。例えば、不正な遊技行為に関するエラーとして、所定強度の磁気を検知する磁気検知エラー、大入賞口18の非開放制御中に遊技球の入球が検知される不正入賞エラー、及び、所定強度の振動を検知する振動エラーがあってもよい。また、エラーには、遊技球を貯留する球皿が満杯である球皿満杯エラー、及び遊技球の払出し通路に遊技球が詰まる球詰りエラーなどがあってもよい。
第2変更例の効果について説明する。
(1)エラー報知は、特殊演出に優先し、特殊演出は、通常演出に優先することから、これらの重要度に応じて適切に報知や演出を実行できる。
(2)第2変更例によれば、共通した要素によって、設定の示唆、及び大当り期待度の示唆が可能であるため、遊技者に分かり易い演出を実現できる。そして、特殊演出を実行するとき、通常演出の実行が制限されることから、両演出が混在して識別困難になることを抑制できる。
(3)枠可動体25の第2発光演出部27は、複数の演出及びエラー報知で兼用できる。したがって、パチンコ遊技機10の構成を簡略化できる。
[第3変更例]
本実施形態において、特殊演出パターンEP1〜EP3の選択率を合算した合算選択率(特殊演出の出現率)は、演出抽選テーブルTb1<Tb2<Tb3<Tb4の順に増加したが、合算選択率に対して、特殊演出パターンEP1〜EP3のそれぞれの選択率が占める割合が一定であった。これに限らず、合算選択率に対して、特定の特殊演出パターンの選択率が占める割合が増加してもよい。例えば、演出抽選テーブルTb1<Tb2<Tb3<Tb4の順に、合算選択率が増加するだけでなく、さらに特殊演出パターンEP3の選択率が占める割合が高くなってもよい。
第3変更例において、特定の特殊演出パターンに定められた態様は、特定の態様の一例となる。そして、演出抽選テーブル(第2条件)は、計数手段の一例を構成する副制御CPU51が計数する変動ゲームの実行回数が特定回数に達したことを契機に、特殊演出の態様として特定の態様が決定される確率が高くなるといえる。同様に、演出抽選テーブル(第2条件)は、副制御CPU51が計数する変動ゲームの実行回数が特定回数に達したことを契機に、第2状態の設定示唆要素を含む態様の一例である特殊演出パターンEP2,EP3が特殊演出の態様として決定される確率が高くなるといえる。
第3変更例の効果について説明する。
(1)第3変更例によれば、特殊演出が特定の態様で実行される確率が変化するタイミングは、大当り確率Kの変更と連動して変化されるため、遊技者の興趣をさらに向上させ得る。
(2)第3変更例によれば、変動ゲームの実行回数が特定回数に達したことを契機に、第2設定値が設定されている期待度が高いことを示唆する第2状態の設定示唆要素を含む態様にて、特殊演出が実行され易くなる。したがって、大当り確率Kの変更と、特殊演出の傾向が変化するタイミングの連動により遊技者の興趣を高めつつ、設定値の示唆により、遊技を継続する意欲を遊技者に持たせることができる。
第3変更例は、さらに以下のように変更して実施することができる。
・第3変更例では、計数カウンタから特定可能な演出ゲームの実行回数が増加するほど、合算選択率とともに、特定の特殊演出パターンの選択率が占める割合が高くなったが、これに限らず、合算選択率は変化せず、特定の特殊演出パターンの選択率が占める割合だけが高くなってもよい。
[第4変更例]
本実施形態では、演出ボタンBTの操作に応じて、特殊演出の有無を選択可能に構成されたが、これに限らず、特殊演出の強度を調整可能に構成されていてもよい。第4変更例における特殊演出は、特定可動演出と同じ演出態様にて実行される。即ち、特殊演出は、枠可動体25を許容位置Prまで変位させるとともに、第1発光演出部26において所定の発光態様による発光演出を行う態様により実行される。
そして、副制御CPU51は、特殊演出パターンに基づいて特殊演出を実行させるとき、許容位置Pr2,Pr3の何れかを設定中である場合には、設定中の許容位置Prまで枠可動体25を変位させるとともに、所定の発光態様による発光演出を行うように第1発光演出部26を制御し、特殊演出を実行させる。また、副制御CPU51は、第1許容位置Pr1を設定中である場合には、特殊演出を実行させないように枠可動体25を制御する。このように、第4変更例において、演出制御手段の一例を構成する副制御CPU51は、所定の演出調整操作に基づいて、特殊演出を調整可能に構成されており、当該特殊演出の調整は、特殊演出の強度を調整することを少なくとも含むといえる。
第4変更例の効果について説明する。
(1)第4変更例によれば、遊技者が本来的に興味を抱く設定示唆の強度を、遊技者の好みや遊技店の状況に合わせて調整可能である。よって、遊技者の興趣を向上できる。
(2)第4変更例によれば、枠可動体25の動作によって設定が示唆され得るところ、その最大動作量(開放量)を、遊技者の好みや遊技店の状況に合わせて調整可能である。よって、遊技者の興趣を向上できる。
(3)第4変更例によれば、遊技者が本来的に興味を抱く設定示唆の有無を、遊技者の好みや遊技店の状況に合わせて調整可能である。よって、遊技者の興趣を向上できる。
(4)第4変更例によれば、枠可動体25の動作によって設定が示唆され得るところ、その有無を、遊技者の好みや遊技店の状況に合わせて調整可能である。よって、遊技者の興趣を向上できる。
第4変更例は、さらに以下のように変更して実施することができる。
・第4変更例において、特定可動演出と特殊演出とは、変動ゲーム単位で区別して実行されたが、これに限らず、副制御CPU51は、SR演出に付随して開始させた特定可動演出を、特殊演出パターンに定められた回数の変動ゲームのうち最終回の変動ゲームが終了する迄の間、継続的に実行させてもよい。これによれば、SR演出を含む変動ゲームにおいて、枠可動体25による演出が終了しなかった状況から、設定の示唆がされることに期待させ、遊技者の興趣を向上させ得る。
・第4変更例において、特殊演出の強度の調整と、特殊演出の規制とが可能であったが、これに限らず、これらのうち特殊演出の強度の調整のみが可能であってもよい。この場合、副制御CPU51は、許容位置Prとして原点位置P0を設定不能に構成されていてもよく、第1許容位置Pr1を設定中であるとき、枠可動体25が原点位置P0に位置する状態において、第1発光演出部26にて所定の発光演出を実行させてもよい。例えば、搭載枠11bが透光性を有しておれば、枠可動体25が原点位置P0に位置した状態にて第1発光演出部26が発光演出を実行しても、当該発光演出を遊技者が視認できる。
・第4変更例において、所定の演出調整操作によって調整可能な事項は、適宜変更してもよい。例えば、特殊演出を調整可能な要素は、発光体の明るさ(輝度)、発光させる発光体の個数、発光体の発光色、特殊演出の実行確率(出現率)、及び特殊演出の実行タイミングなどであるとよい。
・第4変更例において、特殊演出は、演出部の一例である枠可動体25を用いて実行したが、別の演出部にて実行する演出であってもよい。例えば、特殊演出は、演出表示装置EHに特殊画像を表示して実行する演出であってもよい。この場合、特殊演出の調整対象は、特殊画像の大きさ、特殊画像の表示位置、特殊画像の種類、及び特殊画像の表示タイミングなどであるとよい。
・第4変更例において、特殊演出の調整は、遊技者の他、遊技場の管理者も可能であったが、これに限らず、遊技場の管理者のみが可能に構成されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、副制御ユニットSU(副制御基板50)など、搭載枠11bを開放しなければ操作不能な位置に操作手段の一例である調整操作部を備えるとよい。また、特殊演出は、遊技場の管理者のみが知り得る特別な操作(所謂、隠し操作)によってのみ呼び出し可能な調整画面を用いて調整可能であってもよい。本変更例によれば、遊技場の管理者の視点から、遊技店の状況に合わせて特殊演出を調整可能にできる。
[他の変更例]
以下、その他の変更例について説明する。
・本実施形態及び各変更例において、特定演出は、大当り期待度を特定可能な演出であったが、これに限らず、通常演出のうち何れの演出を特定演出に定めてもよい。特定演出は、設定を示唆可能な示唆要素を含んだ演出であってもよい。
・本実施形態及び各変更例において、特定演出は、演出ボタンBT等を用いた遊技者の操作を契機としてのみ実行可能な演出であってもよい。そして、副制御CPU51は、特定演出を実行させないとき、特殊演出も実行させないとよい。
・本実施形態及び各変更例において、所定の演出調整操作に基づいて、特定演出及び特殊演出を個別に調整可能であってもよい。
・本実施形態及び各変更例において、枠可動体25は、上下方向に沿って回動(開閉)動作を可能に構成されたが、これに限らず、所定の軸線まわりでの回転動作を可能に構成されてもよく、上下方向や左右方向に沿って往復動作を可能に構成されてもよい。
・本実施形態及び各変更例において、枠可動体25は、枠体11に設けられたが、遊技盤YBに設けられていてもよい。
・本実施形態及び各変更例において、特殊演出の設定示唆要素は、特殊演出を伴う演出ゲームの回数であったが、これに限らず、設定示唆要素として別の演出要素を定めてもよい。例えば、設定示唆要素は、特殊演出の実行タイミング、特殊演出の演出時間の他、発光体の発光色や点滅回数といった特殊演出の演出態様であってもよい。
・本実施形態及び各変更例において、特定演出及び特殊演出を同じ演出部である枠可動体25にて実行したが、これに限らず、特定演出及び特殊演出を異なる演出部にて実行してもよい。即ち、副制御CPU51は、演出装置群のうち、1の演出装置を第1演出部として特定演出を実行させ、他の演出装置を第2演出部として特殊演出を実行させるとよい。本変更例によれば、第1演出部と第2演出部とが異なる演出部であることから、特定演出によって特殊演出に対する注目度を高めつつも、演出としてのバリエーションを増やすことができる。また、第1演出部と第2演出部は、例えば演出表示装置EHの表示領域を複数の表示領域に分割するなど、同じ演出部に形成されていてもよい。また、第1演出部と第2演出部は、第1演出表示装置と第2演出表示装置のように、同種の演出部であって、且つ異なる演出部であってもよい。
・本実施形態及び各変更例において、特殊演出では、特殊演出が実行される変動ゲームの回数によって設定示唆要素が構成されたが、これに限らず、表示演出の表示内容や音声演出の出力内容のような、明示的な設定示唆要素を含まなくてもよい。例えば、副制御CPU51は、設定中である設定値に応じては異ならない選択率にて、特殊演出パターンを選択するとよい。本変更例であっても、特殊演出の実行確率(出現率)が変化する変動ゲームの実行回数によって、設定中である設定値を遊技者に推測させ得る。
・本実施形態及び各変更例において、副制御CPU51が選択する演出抽選テーブルの切替タイミングを変更してもよい。例えば、特定回数を算出するために基準回数に乗算する値「n」については、本実施形態及び各変更例の構成に限らず、任意に変更できる。また、特定回数は、設定値に応じた基準回数のn倍に定める必要はなく、設定中である設定値に応じた任意の回数に定めてもよい。また、特定回数は、設定値に応じた1通りの回数に定めてもよい。つまり、演出抽選テーブルの切替回数は、1回でもよく、2回でもよく、4回以上であってもよい。
・本実施形態及び各変更例において、特殊演出は、SR演出を含む変動ゲームの終了後、特殊演出パターンに定めた回数の変動ゲームが終了するまでの間であれば、変動ゲームの実行中に限らず、デモンストレーション演出の実行中に実行してもよく、大当り遊技の付与中に実行してもよい。また、特殊演出は、SR演出を含む変動ゲームの終了後、特殊演出パターンに定めた回数の変動ゲームが終了するまでの間において、途中で大当り遊技を挟んだときであっても、当該大当り遊技の終了後における変動ゲームの実行中に実行可能であってもよい。
・本実施形態及び各変更例において、特定可動演出と特殊演出とは、1回の変動ゲームの実行中に実行してもよい。即ち、パチンコ遊技機10は、変動ゲームの実行中に第1演出部にて特定演出が実行されたことを契機として、第2演出部にて特殊演出を実行可能な構成であってもよい。
・本実施形態及び各変更例について、大当り図柄の種類、小当り図柄の種類、及びはずれ図柄の種類は適宜変更してもよい。また、大当り図柄の種類、小当り図柄の種類、及びはずれ図柄の種類は、それぞれ1種類及び複数種類の何れであってもよく、前述の実施形態及び変更例に例示されるものに限らない。また、小当り抽選、及び小当り図柄の構成を削除し、小当りを備えないパチンコ遊技機10に構成してもよい。
・本実施形態及び各変更例について、特別ゲーム及び普通ゲームの一部又は全部は、演出表示装置EHにて表示してもよい。特別ゲームを演出表示装置EHに表示する場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。
・本実施形態及び各変更例において、RWMクリア処理は、設定変更状態へ移行する前に実行したが、これに限らず、設定変更状態である期間中に実行してもよく、設定変更状態の終了時に実行してもよく、設定変更状態の終了後であって通常制御状態に移行する前に実行してもよい。
・本実施形態及び各変更例において、設定変更状態へ移行させるための条件には、搭載枠11bが開放されていることを含んでもいてもよい。本実施形態及び各変更例において、設定確認状態へ移行させるための条件には、搭載枠11bが開放されていることを含んでいてもよい。主制御CPU42は、搭載枠11bが開放されていないとき、設定変更状態及び設定確認状態へ移行させないように制御するとよい。
・本実施形態及び各変更例において、主制御CPU42は、遊技盤を交換したとき、及び設定変更状態中に電力供給が停止されたとき、設定値エラーを検知してもよい。なお、設定値エラーは、電源投入時に設定変更状態へ移行させ、当該設定変更状態において設定値を再設定することによって、解除可能であるとよい。
・本実施形態及び各変更例において、表示器48は、設定値とは異なる情報を表示する表示手段と兼用されていてもよい。
・本実施形態及び各変更例において、設定変更状態又は設定確認状態であるとき、図柄表示部13a,13b,13eのうち、任意に選択できる一部の表示部、又は全部の表示部において、設定変更状態であることを報知する表示、及び設定確認状態であることを報知する表示のうち一方又は両方を行わないように構成してもよい。
・各実施形態において、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・本実施形態及び各変更例において、副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・本実施形態及び各変更例において、遊技機は、パチンコ遊技機10として構成したが、これに限らず、スロットマシンとして構成してもよい。スロットマシンは、遊技媒体の一例である遊技メダルの投入口と、複数のリールと、開始操作手段の一例であるスタートレバーと、停止操作手段の一例であるストップボタンと、を備える。主制御CPU42は、前記投入口への遊技メダルの投入、又はクレジットの消費に基づいて、変動ゲームにおける賭け数を増加させ、賭け数が規定数に達した状態にてスタートレバーを用いた開始操作を受け付けると、特別抽選の一例である役抽選を行い、複数のリールを回転させて変動ゲームを開始させる。本変更例において、賭け数が規定数に達した状態において前記開始操作がされることは、所定の開始条件の一例である。
主制御CPU42は、リールの回転中、即ち変動ゲームの実行中、ストップボタンを用いた停止操作を受け付けると、リールの回転を停止させるとともに、役抽選で当選した役に対応する図柄組合せが導出されたときには、当該図柄組合せ(役)に定めた特典を付与する。特典には、大当り遊技の一例であるビッグボーナス遊技、レギュラーボーナス遊技、及びシングルボーナス遊技等のほか、再遊技、賞メダルの払出し、及びAT(アシストタイム)状態の付与が含まれる。
ボーナス遊技は、特典として賞メダルの払出しを定めた小役の一例であるベル役の当選確率が向上されることから、本実施形態のようなパチンコ遊技機10における大当り遊技と同様に、遊技者に有利な状態である。また、AT状態は、役抽選に当選した小役等に対応した図柄組合せを変動ゲームにて導出させるために必要なストップボタンの操作態様(操作順序、及び操作タイミング)を特定可能な情報を報知する状態であり、遊技者に有利な遊技状態であることから、大当り遊技の一例として捉えることも可能である。主制御CPU42は、ボーナス遊技に対応するボーナス役、再遊技に対応する再遊技役、及び小役の当選時、役抽選とは別にAT抽選を行い、当該AT抽選に当選するか否かにより、AT状態を付与するか否かを決定する。本変更例において、大当り遊技に関する有利度合いは、その一例として、役抽選におけるボーナス役の当選確率、AT抽選の契機となり得る小役や再遊技役の当選確率、及びAT抽選における当選確率などを把握することができる。