JP2020031627A - 水田の水門管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水田の入水口及び出水口に設けられる水門の開閉を自動制御し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視することができる水門管理システムを提供する。【解決手段】水田の入水口又は出水口に設けられる水門の開閉を制御し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視する水門管理システムであって、水門の開閉を制御する水門開閉制御手段と、水田の水温を検知する水温センサと、水田の水位を検知する水位センサと、水門を撮像する広角撮像手段と、水田から遠隔地に設置された制御システムと無線通信する無線通信手段とからなる水門管理システム。【選択図】図1

Description

本発明は、水田の入水口(取水口)及び出水口(排水口)に設けられる水門の開閉を自動的に管理し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視する水門管理システムに関するものである。
水耕栽培において、作物が健全に育成するには、水田における適切な水の深さ(水位)と適切な水温を常に保つ必要がある。水田の水位及び水温の調整は、農業用水路からの取水口、排水路への排水口に設けた水門の開閉によって行われる。この水門管理は、ほぼ毎日行う必要があり、農業従事者の労働時間の約3割を占めていて(非特許文献1)、多大な時間と労力の負担である。また、大雨、台風などに遭って危険な状態になっている水田に水門管理に出向き、事故に遭う例が後を絶たない。
そこで、農業従事者の負担を軽減し、危険な作業をしなくて済むように、水門の開閉を自動的に管理するための様々な技術が提案されている。
特許文献1には、圃場の水温、水位、水圧などを検知する手段を設け、検知情報に基づいて、給水部及び排水部の動作を制御する圃場水管理システムが提案されている。
また、非特許文献1には、水田のデータを取得し、スマートフォンやPCでモニタリングしながら給水口及び排水口を遠隔操作したり、自動制御したりすることができるシステムが提案されている。
特開2017−42071号公報
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 プレスリリース 「(研究成果) 田んぼの水管理をICTで遠隔操作・自動制御」http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076704.html
上記の従来技術によれば、水門の開閉を自動制御によって水位及び水温を適切に制御することができる。
しかしながら、水門にはごみや砂利が溜まるなどして水門の動作が妨げられることが頻繁に起こる。水門にごみや砂利が溜まった状態で水門の開閉を自動制御しようとしても、水門が動作うまく動作しなければ、システムで想定されている通りの入出水が行われず、水位及び水温の制御ができない。
そうすると結局、農業従事者が水門を見回り、水門にごみ(草木や生物の死骸等を含む)や砂利が溜まっていないかを常に監視しなければならないこととなり、依然として農業従事者の負担が大きいままである。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、水田の入水口及び出水口に設けられる水門の開閉を自動制御し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視することができる水閉管理システムを提供しようとするものである。
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、水門付近に魚眼レンズのような広角レンズを設置し、その撮像画像をネットワークを通じて送信することで、水門周辺の状態を遠隔監視することができることに想到した。
すなわち、本発明は、水田の入水口又は出水口に設けられる水門の開閉を制御し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視する水門管理システムであって、水門の開閉を制御する水門開閉制御手段と、水田の水温を検知する水温センサと、水田の水位を検知する水位センサと、水門を撮像する広角撮像手段と、水田から遠隔地に設置された制御システムと無線通信する無線通信手段とからなり、前記水温センサにより検知した水温データ、前記水位センサにより検知した水位データ及び前記広角撮像手段により水門を撮像した撮像データを前記制御システムに送信し、前記制御システムは、受信した水温データ及び水位データに基づいて、水田が所定の水温及び水位を保つよう前記水門開閉制御手段に水門の開閉の指令を送信し、受信した撮像データに基づいて、水門にごみ又は砂利が溜まっているか否かを判定し、その結果を出力することを特徴とする水田の水門管理システムを提供するものである。
本発明の水田の水門管理システムは、撮像手段を備えた無人飛行機をさらに有しており、前記制御システムは、水門にごみ又は砂利が溜まっていると判定した場合に、前記無人飛行機を遠隔操作して、前記無人飛行機の撮像手段により水門を撮像し、撮像データを前記制御システムに送信させることを特徴とする。
これにより、水門の状況をより詳細に把握し、適切な対応を取ることが可能となる。
また、前記制御システムは、前記水門開閉制御手段による水門の開閉を行っても水田が所定の水温及び水位を保つよう制御できない場合に、前記無人飛行機を遠隔操作して、前記無人飛行機の撮像手段により水門を撮像し、撮像データを前記制御システムに送信させることを特徴とする。
前記広角撮像手段によってごみ・砂利の溜まりが検出されないのに、所定の水温及び水位を保てない場合には、それ以外の原因があると考えられる。前記無人飛行機による水門の撮像データからその原因を究明することが可能となる。
本発明の水田の水門管理システムは、水田の入水口付近において、液状の肥料又は農薬を入水に注入する肥料農薬注入手段をさらに有しており、前記制御システムは、前記肥料農薬注入手段を遠隔操作して、所定のタイミングで液状の肥料又は農薬を入水に注入させることを特徴とする。
これにより、肥料・農薬の散布の労力を省くことができる。
本発明の水田の水門管理システムにおいて、前記無人飛行機は、蓄電手段及び給電手段を有しており、前記水門開閉制御手段、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段のうち1以上に対し、接触式又は非接触式で給電を行うことを特徴とする。
あるいは、前記水門開閉制御手段、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段のうち1以上に対し給電する水門側蓄電手段を設けておき、これに前記無人飛行機が接触式又は非接触式で給電を行うようにしてもよい。
上記のような自動制御のシステムを構築しても、充電切れによるバッテリー交換などを農業従事者が都度行わなければならないとすれば、その労力は相当なものとなる。これを無人飛行機で行うことで、バッテリー交換の労力が省かれることとなる。
本発明の水田の水門管理システムにおいて、前記水門開閉制御手段、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段、ないしは前記水門側蓄電手段は、自機の充電残量データを前記制御システムに送信し、前記制御システムは、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段、ないしは前記水門側蓄電手段のうち、充電残量が一定レベル以下になったものに対し、前記無人飛行機の給電手段によって給電を行わせることを特徴とする。
これにより、上記各種の機器類の充電レベルが自動的に一定レベルに保たれる。
また、本発明の水田の水門管理システムは、入水口の水門付近において、入水を磁化する手段を有することを特徴とする。
上述した本発明の水田の水門管理システムを応用して、多地点における環境データを収集・解析し、環境異常・災害など災害等の診断・予測及び通報を行う災害等対応のための環境データ解析を構築することができる。
本発明は、複数地点の水田に配置された上述の水田の水門管理システムを利用した環境データ解析システムであって、各地点の水田の付近に設けられる環境データ取得部と、当該環境データ取得部と通信可能な環境データ管理サーバとを有しており、前記環境データ取得部は、気温、湿度、地温、風向風速、日照度のうち1以上を含む環境データを測定する手段を有しており、前記環境データ管理サーバは、各地点の前記環境データ取得部から取得される環境データを蓄積する環境データ蓄積データベースと、蓄積された各地点における環境データを解析する環境データ解析部と、当該解析結果に基づいて当該地点の環境に関するレポートを作成するレポート/アラート作成部と、当該作成されたレポートを発信する情報発信部とを有していることを特徴とする環境データ解析システムを提供するものである。
前記環境データ管理サーバは、外部から発生した災害等の情報を受信する災害等情報受信部と、当該受信した災害等の情報を分析する災害等情報分析部と、当該分析結果を蓄積する災害等パターン蓄積データベースとを有しており、前記環境データ解析部は、前記環境データ蓄積データベースに蓄積された各地点における環境データと、前記災害等パターン蓄積データベースに蓄積された災害等パターンの情報とを用いて、当該地点における災害等が起こる蓋然性を解析し、前記レポート/アラート作成部は、当該解析結果に基づいて当該地点の災害等が起こる蓋然性に関するアラートを作成し、前記情報発信部は、当該作成されたアラートを発信することを特徴とする。
また、前記環境データ管理サーバは、各地点の水田に配置された水門管理システムの制御システムから、水温データ、水位データ、広角撮像手段による撮像データ、無人飛行機の撮像手段による撮像データのうち1以上のデータを取得して前記環境データ蓄積データベースに蓄積し、前記環境データ解析部は、当該蓄積データを解析に利用することを特徴とする。
以上、説明したように、本発明の水田の水門管理システムによれば、水門付近に設置した広角撮像手段により水門を撮像した撮像データを解析し、水門にごみ又は砂利が溜まっているのを検知する手段を備えることで、水田の入水口及び出水口に設けられる水門の開閉を自動制御するのみならず、水門周辺の状態を遠隔監視し、異常等に適切に対応することが可能となる。
本発明の水田の水門管理システムの全体構成を概略的に示す図である。 本発明の水田の水門管理システムにおいて用いる水門の開閉機構を概略的に示す図である。 本発明の水田の水門管理システムにおいて用いる水門の開閉機構を概略的に示す図である。 本発明のさらなる実施形態において水田の水門管理システムに付加される環境データ取得部の配置を概略的に示す図である。 図4に示す環境データ取得部の内部構成を模式的に示す図である。 本発明のさらなる実施形態において新たに設置される環境データ管理サーバの内部構成を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の水田の水門管理システムを実施するための最良の形態を詳細に説明する。
全体構成
図1は、本発明の水田の水門管理システムの全体構成を概略的に示す図である。
図1において、水田の入水口と排水口の水門付近に各種の機器類が配置されている。制御システムは、水田から離れた位置、例えば農業従事者の事務所内や家屋内にあり、水門及び水門付近の各機器類と無線通信を行う。
以下、各種の機器類について説明する。
水温センサ、水位センサは、水門付近の水田側に設置される。但しこれは便宜上の設置位置であって、水田の水温、水位を測定できる任意の場所に設置してもよい。また、複数のセンサをそれぞれ異なる箇所に設置して、測定値の平均を取るなどして測定の信頼度を上げるようにしてもよい。
広角カメラは、水門付近に設置され、水門全幅を静止画又は動画にて撮像する。図中、水門に付随して設置されているが、この設定形態に限られず、水門と離れて設置してもよい。2台の広角カメラを設置して、水門の内外両側から撮像すれば、より多くの情報が得られる。
入水口の水門の内側水路に液肥タンクが設置されている。水路を流れる水に所定のタイミングで所定量の液肥を投入することができる。
上記の水温センサ、水位センサ、広角カメラ、液肥タンク並びに水門の駆動電力を供給するためのバッテリーが入水口及び排水口それぞれに設けられている。
上記の水温センサ、水位センサ、広角カメラ、液肥タンク並びに水門は、それぞれ無線通信機能を備えており、制御システムと無線通信を行うことができる。
尚、上記のように各機器類を独立したものとせず、一体とした水門ユニットとしてもよい。水門ユニットは、各機器類からのデータ取得、各機器類への電源供給、制御システムとの無線通信、制御システムからの指示に基づく各機器類への指示入力を行うことができる。
また、無線通信機能、カメラ機能及び充給電機能を備えたドローン(遠隔操作可能な無人飛行機)が配備されている。このドローンは、制御システムによって遠隔制御される。
水門は、制御システムからの指示入力に従い開閉するが、その機構については後に詳しく説明する。
また、入水口の水門付近には、図示しない電磁的手段が設けられているが、その機構については後に詳しく説明する。
システムの動作
水温センサ、水位センサは、それぞれ水温、水位を常時又は一定時間間隔で測定し、無線通信によってその測定データを制御システムに送信している。このほか、測定不能などの異常データも制御システムに送信する。
広角カメラは、水門を常時動画で撮像し又は一定時間間隔で静止画で撮像し、その撮像データを無線通信によってリアルタイム又は一定時間間隔で制御システムに送信する。このほか、視界不良、撮像不能などの異常データも制御システムに送信する。
液肥タンクは、自機の液肥残量データを一定時間間隔で制御システムに送信する。また、異常データも制御システムに送信する。
バッテリーは、自機の充電残量データを一定時間間隔で制御システムに送信する。
ドローンは、制御システムによる遠隔制御によって動作するが、充電残量が一定レベル以下になると、図示しない充電設備にて充電を行う。
制御システムは、上記の各機器類からの取得データに基づき、以下の制御を行う。
(1)水温管理
水温センサから取得される水温データから、水温の調節が必要と判定した場合、入水口及び排水口の一方又は両方の水門に対し、無線通信により開閉の指示入力を行い、水温の調節を行う。
(2)水位管理
水位センサから取得される水位データから、水位の調節が必要と判定した場合、入水口及び排水口の一方又は両方の水門に対し、無線通信により開閉の指示入力を行い、水位の調節を行う。
(3)ごみ・砂利溜まりの検出
広角カメラから取得される撮像データから、ごみ・砂利が溜まっていると判定された場合、その旨のアラートを出力する。このアラートを見た農業従事者が現場に行ってごみ・砂利の除去の対応をすることになる。
あるいは、ごみ・砂利が溜まっていると判定された場合、ドローンによってその水門を撮像させ、撮像データを取得して出力するようにしてもよい。農業従事者は、撮像データからその水門のより詳しい状況を把握し、適切な対応を取ることができる。
(4)液肥補充時期の検出
液肥タンクから取得される液肥残量データから、液肥残量が一定レベル以下であると判定された場合、その旨のアラートを出力する。このアラートを見た農業従事者が現場に行って液肥の補充をすることになる。
(5)バッテリー充電
バッテリーから取得される充電残量データから、バッテリーの充電残量が一定レベル以下であると判定された場合、ドローンによってバッテリーに給電する。
(6)機器類の異常の検出
各機器類からの異常データを取得した場合、その旨のアラートを出力する。このアラートを見た農業従事者が現場に行って調査・対応することになる。
あるいは、異常データを取得した場合、ドローンによってその機器を撮像させ、撮像データを取得して出力するようにしてもよい。農業従事者は、撮像データからその機器のより詳しい状況を把握し、対応に役立てることができる。
(7)その他
上記に加えて、ドローンに水田の各部位を定期的に撮像させ、撮像データを取得して出力するようにしてもよい。農業従事者は、撮像データから水田の状況を把握し、水田管理に役立てることができる。
水門の開閉機構
以下、水門の開閉機構についていくつかの例を挙げて説明する。
図2及び図3は、本発明の水田の水門管理システムにおいて用いる水門の開閉機構を概略的に示す図である。
図2に示すように、水田の入水口又は排水口に設けられているコンクリート両壁の間に、一対のスペーサと、一対のジョイントと、一対のメインフレームと、上下2枚の水位調整板とが配置される。
スペーサは、水門をコンクリート両壁間に収めるための部材である。水田によってコンクリート両壁間の距離は様々であるが、ある程度規格化された作りの水門がコンクリート両壁間に収まるよう寸法調整されたスペーサを利用する。スペーサは、シリコン、ゴム、プラスチック等の素材を使うことができる。このような機構により、既存の水門設備を大幅に改造することなく、本発明の水門管理システムを容易に導入することが可能となっている。
ジョイントは、スペーサとメインフレームとを連結する。
メインフレームは、上下2枚の水位調整板を保持する。
水門上部にはステップモータが配置される。
図2に示すように、上下2枚の水位調整板は、引きバネ等の付勢手段により互いに引き合うように付勢される。上の水位調整板は、ワイヤー等でステップモータに連結されている。この状態で、ステップモータが上の水位調整板を上方に引き上げると、バネが伸びて上の水位調整板が高い位置に保持される。水門が閉じた状態である。ステップモータが上の水位調整板を上方に引き上げるのを止めると、バネが縮んで、上の水位調整板が低い位置に保持される。水門が開いた状態である。
尚、上記の構成に替えて、押しバネを使う構成にしてもよい。また、ステップモータ以外の動力源を使ってもよい。
入水口の水門付近に設ける磁化手段
本発明の水田の水門管理システムは、さらに、入水口の水門付近に入水を磁化する手段を設けるのが望ましい。磁化手段は、ネオジム等の磁石を用いてもよいし、電気的に磁力を発生させるものでもよい。
磁気を加えられた磁化水は、作物の栽培を促進する効果を持つことが知られている。
[さらなる実施形態]
上述した本発明の水田の水門管理システムを応用して、多地点における環境データを収集・解析し、環境異常・災害など(以下「災害等」という)の診断・予測及び通報を行う災害等対応のための環境データ解析システムを構築することができる。
尚、ここでいう災害等には、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火などの自然災害のほか、酷暑、日照り、冷害、乾燥、水温上昇、害虫の異常繁殖、疫病蔓延など圃場に悪影響・被害を及ぼし得る事象をも含むものとする。
図4は、本実施形態において水田の水門管理システムに付加される環境データ取得部の配置を概略的に示す図である。
図4には、図1に示したのと同様の水門管理システムを示しているが、水田の入水口と排水口それぞれの水門付近において、環境データ取得部をさらに備えている。但し、環境データ取得部の設置場所はこれに限られず、水田の近傍に1つ以上設置されていればよい。
図5は、図4に示す環境データ取得部の内部構成を模式的に示す図である。
図5において、環境データ取得部は、気温測定部、湿度測定部、地温測定部、風向風速測定部、日照度測定部、水位測定部、水温測定部を有している。また、外部ネットワークとの通信手段を有している。
水位測定部、水温測定部は、水田の入水口と排水口それぞれの水門付近に既設の水温センサ、水位センサから測定データを取得する。他の測定部は、既知の手法による測定機器、センサ等から構成される。
これらの測定部による測定データは、随時又は定期的に後述する環境データ管理サーバに送信される。この送信は直接でも制御システムを経由してでもよい。
尚、これらの測定部を全て具備している必要はなく、いくつかの測定部を有しているのみであっても、一定の制限下ではあるが、本システムの恩恵を享受することが可能である。
図6は、本実施形態において新たに設置される環境データ管理サーバの内部構成を模式的に示す図である。
図6において、環境データ管理サーバは、地理地形データベース、環境データ蓄積データベース、災害等パターン蓄積データベース、環境データ解析部、レポート/アラート作成部、情報発信部、災害等情報分析部、災害等情報受信部を有している。また、外部ネットワークとの通信手段を有している。
環境データ管理サーバは、各地点に配置された環境データ取得部及びそこに設置された水門管理システムの制御システムと通信可能である。
地理地形データベースは、本システムの適用範囲(環境データ取得部が存在する地域、あるいは日本全国)における地理及び地形の情報、並びに、各地点に配置された環境データ取得部の位置情報(緯度、経度、高度)を記憶している。地理及び地形の情報は、国土地理院その他民間企業等から取得できる。
環境データ蓄積データベースは、各地点に配置された環境データ取得部から随時送信されてくる環境データを蓄積する。また、水門管理システムの制御システムから、水門管理システムにおける広角カメラ又はドローンによる撮像データを取得して蓄積することもできる。
災害等パターン蓄積データベースは、これまでに発生した環境異常・災害等のパターンを蓄積している。例えば、それらが起こる際ないしは起こる前の地点ごとの気温、湿度、地温、風向風速、日照度、水位、水温などを記憶している。また、併発した二次災害や人災などの発生情報も記憶している。
環境データ解析部は、環境データ蓄積データベースを参照し、現在及び直近の各地点で測定された環境データから、当該地点における環境について解析する。そこが圃場だとした場合、農作物の生育に影響を与え得る要因、例えば、気象状態の例年との比較などを解析する。また、環境データ解析部は、広域的ないしは局所的な範囲で災害等が起こる蓋然性を解析する。解析にあたっては、災害等パターン蓄積データベースの情報を利用することで、精度を向上することが可能である。
レポート/アラート作成部は、環境データ解析部による解析結果を取得し、各地点での環境に関するレポートないしは災害等の蓋然性に関するアラートを、人が把握できる形式で出力する。このレポート/アラートは、情報発信部を通じて、関係各所に送信される。
災害等情報受信部は、本システムの適用範囲において現在起きている災害等に関する情報を受信する。例えば、気象庁や研究機関、各自治体などから情報を取得することができる。また、各地に設置されている計測機器や定点観測カメラから情報を取得することも可能である。
災害等情報分析部は、災害等情報受信部において取得した災害等の情報を分析し、災害等パターン情報として出力し、災害等パターン蓄積データベースに蓄積する。また、必要に応じて、災害等の情報を、情報発信部を通じて関係各所に送信する。
以上説明した本発明の水田の水門管理システムを応用した災害等対応システムによれば、各地点に配置された環境データ取得部から取得される環境データに基づき、広域的ないしは局所的な範囲で災害等が起こる蓋然性を解析し、その診断・予測情報を発信することで、圃場運営者のみならず国、地方自治体、消防組織、医療機関等、並びに一般住民に対して、予防的な災害対応を促すことができる。
以上、本発明の水田の水門管理システム並びにそれを応用した災害等対応システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態における水門、水門付近の各種機器,制御システム等の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
本発明の水田の水門管理システムは、主に農業用機械器具の分野において利用することができるものである。本発明の水田の水門管理システムを応用した災害等対応システムは、コンピュータ産業の分野において利用することができるものである。

Claims (10)

  1. 水田の入水口又は出水口に設けられる水門の開閉を制御し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視する水門管理システムであって、
    水門の開閉を制御する水門開閉制御手段と、
    水田の水温を検知する水温センサと、
    水田の水位を検知する水位センサと、
    水門を撮像する広角撮像手段と、
    水田から遠隔地に設置された制御システムと無線通信する無線通信手段と、
    撮像手段を備えた無人飛行機と
    からなり、
    前記水温センサにより検知した水温データ、前記水位センサにより検知した水位データ及び前記広角撮像手段により水門を撮像した撮像データを前記制御システムに送信し、
    前記制御システムは、
    受信した水温データ及び水位データに基づいて、水田が所定の水温及び水位を保つよう前記水門開閉制御手段に水門の開閉の指令を送信し、
    受信した撮像データに基づいて、水門にごみ又は砂利が溜まっているか否かを判定し、その結果を出力し、
    前記制御システムはさらに、
    水門にごみ又は砂利が溜まっていると判定した場合に、前記無人飛行機を遠隔操作して、前記無人飛行機の撮像手段により水門を撮像し、撮像データを前記制御システムに送信させる
    ことを特徴とする水田の水門管理システム。
  2. 水田の入水口又は出水口に設けられる水門の開閉を制御し、かつ、水門周辺の状態を遠隔監視する水門管理システムであって、
    水門の開閉を制御する水門開閉制御手段と、
    水田の水温を検知する水温センサと、
    水田の水位を検知する水位センサと、
    水門を撮像する広角撮像手段と、
    水田から遠隔地に設置された制御システムと無線通信する無線通信手段と、
    撮像手段を備えた無人飛行機と
    からなり、
    前記水温センサにより検知した水温データ、前記水位センサにより検知した水位データ及び前記広角撮像手段により水門を撮像した撮像データを前記制御システムに送信し、
    前記制御システムは、
    受信した水温データ及び水位データに基づいて、水田が所定の水温及び水位を保つよう前記水門開閉制御手段に水門の開閉の指令を送信し、
    受信した撮像データに基づいて、水門にごみ又は砂利が溜まっているか否かを判定し、その結果を出力し、
    前記制御システムはさらに、
    前記水門開閉制御手段による水門の開閉を行っても水田が所定の水温及び水位を保つよう制御できない場合に、前記無人飛行機を遠隔操作して、前記無人飛行機の撮像手段により水門を撮像し、撮像データを前記制御システムに送信させる
    ことを特徴とする水田の水門管理システム。
  3. 水田の入水口付近において、液状の肥料又は農薬を入水に注入する肥料農薬注入手段をさらに有しており、
    前記制御システムは、前記肥料農薬注入手段を遠隔操作して、所定のタイミングで液状の肥料又は農薬を入水に注入させることを特徴とする請求項1又は2に記載の水田の水門管理システム。
  4. 前記無人飛行機は、蓄電手段及び給電手段を有しており、
    前記水門開閉制御手段、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段のうち1以上に対し、接触式又は非接触式で給電を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水田の水門管理システム。
  5. 前記水門開閉制御手段、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段のうち1以上は、自機の充電残量データを前記制御システムに送信し、
    前記制御システムは、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段のうち、充電残量が一定レベル以下になったものに対し、前記無人飛行機の給電手段によって給電を行わせることを特徴とする請求項4に記載の水田の水門管理システム。
  6. 前記水門開閉制御手段、前記水温センサ、前記水位センサ、前記広角撮像手段、前記無線通信手段及び前記肥料農薬注入手段のうち1以上に対し給電する水門側蓄電手段をさらに有しており、
    前記無人飛行機は、蓄電手段及び給電手段を有しており、前記水門側蓄電手段に対し、接触式又は非接触式で給電を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の水田の水門管理システム。
  7. 入水口の水門付近において、入水を磁化する手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の水田の水門管理システム。
  8. 複数地点の水田に配置された請求項1から7のいずれか1項に記載の水田の水門管理システムを利用した環境データ解析システムであって、
    各地点の水田の付近に設けられる環境データ取得部と、当該環境データ取得部と通信可能な環境データ管理サーバとを有しており、
    前記環境データ取得部は、気温、湿度、地温、風向風速、日照度のうち1以上を含む環境データを測定する手段を有しており、
    前記環境データ管理サーバは、各地点の前記環境データ取得部から取得される環境データを蓄積する環境データ蓄積データベースと、蓄積された各地点における環境データを解析する環境データ解析部と、当該解析結果に基づいて当該地点の環境に関するレポートを作成するレポート/アラート作成部と、当該作成されたレポートを発信する情報発信部とを有していることを特徴とする環境データ解析システム。
  9. 前記環境データ管理サーバは、外部から発生した災害等の情報を受信する災害等情報受信部と、当該受信した災害等の情報を分析する災害等情報分析部と、当該分析結果を蓄積する災害等パターン蓄積データベースとを有しており、
    前記環境データ解析部は、前記環境データ蓄積データベースに蓄積された各地点における環境データと、前記災害等パターン蓄積データベースに蓄積された災害等パターンの情報とを用いて、当該地点における災害等が起こる蓋然性を解析し、
    前記レポート/アラート作成部は、当該解析結果に基づいて当該地点の災害等が起こる蓋然性に関するアラートを作成し、
    前記情報発信部は、当該作成されたアラートを発信することを特徴とする請求項8に記載の環境データ解析システム。
  10. 前記環境データ管理サーバは、各地点の水田に配置された水門管理システムの制御システムから、水温データ、水位データ、広角撮像手段による撮像データ、無人飛行機の撮像手段による撮像データのうち1以上のデータを取得して前記環境データ蓄積データベースに蓄積し、
    前記環境データ解析部は、当該蓄積データを解析に利用することを特徴とする請求項8又は9に記載の環境データ解析システム。
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