JP2020031497A - ロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置 - Google Patents

ロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁鋼板を積層して樹脂モールドされたロータコアのシャフト嵌合穴の形状を矯正する。【解決手段】表面にロータコア2が電磁鋼板1を積み重ねる向きに置かれる基準板31と、基準板31の表面から垂直方向に延びる、少なくとも2つのガイド32と、基準板31の表面に置かれたロータコア2の積層方向の上面25に載せられて上面25の全体を覆い、ガイド32により水平を保ちながら基準板31に対して垂直方向に移動する上蓋33と、上蓋33を基準板31に向かって押圧するクランパ34と、を備え、シャフトをシャフト嵌合穴21に圧入する際に、ロータコア2の上面25に載せた上蓋33をクランパ34で水平に押圧することによって、電磁鋼板1のシャフト穴11の相対的な位置ずれ量を矯正する。【選択図】図5

Description

本発明は、電磁鋼板を積層して樹脂モールドしたロータコアのシャフト嵌合穴を矯正する矯正装置の構成に関する。
ロータコアは電磁鋼板を積層しているため、シャフトを嵌合するためのシャフト嵌合穴の円筒度及び寸法精度が悪く、シャフトを嵌合する際にシャフトがシャフト嵌合穴に入りにくいという不具合が生じる場合があった。このため、ネジとナット等あるいはキーとキー溝とでロータコアの内径にパイプを機械的に固定し、このパイプの内径にシャフトを焼き嵌めで嵌合固定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−020825号公報
ところで、電磁鋼板を積層して樹脂で固める際に、電磁鋼板の積層方向に荷重をかけた状態で樹脂モールドすることが行われている。この場合、モールド後に積層方向の荷重を解放すると、スプリングバックによりロータコアが変形する場合がある。この状態でロータコアにシャフトを嵌合しようとすると、ロータコアを構成する各電磁鋼板の穴の位置がばらついているため、ロータコアにシャフトを圧入する際の締め代が拡大し、圧入荷重が大きくなるおそれがある。
そこで、本発明は、電磁鋼板を積層して樹脂モールドされたロータコアの電磁鋼板の穴の相対的な位置ずれ量を低減することにより、シャフトを圧入する際の締め代を減少させて圧入荷重を低減するロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置を提供することを目的とする。
本発明に係るロータコアのシャフト嵌合穴の形状の矯正装置は、シャフト穴が中心に設けられた円形の電磁鋼板を積層し、中心にシャフトが嵌合するシャフト嵌合穴が形成され、各電磁鋼板が樹脂でモールドされた、円筒形状のロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置であって、表面にロータコアが電磁鋼板を積み重ねる向きに置かれる基準板と、基準板の表面から垂直方向に延びる、少なくとも2つのガイドと、基準板の表面に置かれたロータコアの積層方向の上面に載せられて上面の全体を覆い、ガイドにより水平を保ちながら基準板に対して垂直方向に移動する上蓋と、上蓋を基準板に向かって押圧するクランパと、を備え、シャフトをシャフト嵌合穴に圧入する際に、ロータコアの上面に載せた上蓋をクランパで水平に押圧することによって、電磁鋼板のシャフト穴の相対的な位置ずれ量を矯正することを特徴とする。
本発明は、電磁鋼板の積層方向にロータコアを水平に押圧することにより、ロータコアを構成する電磁鋼板の穴の相対的な位置ずれ量を矯正し、ロータコアにシャフトを圧入する際の締め代を縮小し圧入荷重を低減することができる。
電磁鋼板を示す平面図である。 荷重をかけながら樹脂モールドする際のロータコアの断面図である。 樹脂モールド後に荷重を解放した状態のロータコアの断面図である。 本実施形態のロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置を示す側面図である。 本実施形態のロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置でロータコアに荷重をかけた状態を示すロータコア及び矯正装置の図である。 比較例1のロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置でロータコアに荷重をかけた状態を示すロータコア及び矯正装置の図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態のロータコア2のシャフト嵌合穴21の矯正装置3について説明する。まず、電磁鋼板1を積層して樹脂24でモールドしたロータコア2について説明する。
<ロータコアの構成>
図1に示すように、電磁鋼板1は中心にシャフト穴11が形成され、シャフト穴11と外周との間に四角い磁石穴12が形成された円板の形状をしている。図2に示すように、電磁鋼板1を積層すると、中心にシャフト嵌合穴21が形成され、シャフト嵌合穴21と外周面との間に磁石スロット22が形成される。磁石23を磁石スロット22の中に差し込み、積層方向に荷重をかけた状態で樹脂24を流し込んでモールドすることによって、ロータコア2が形成される。ロータコア2は、不図示のシャフトを嵌合するためのシャフト嵌合穴21が中心に形成された円筒形状をしている。
図2に示すように樹脂モールドする際には電磁鋼板1の積層方向に荷重をかけている。しかし、樹脂モールドした後に荷重を解放しているため、スプリングバックにより電磁鋼板1が変形して、図3に示すようにロータコア2において各電磁鋼板1が傾斜したり横にずれたりすることがある。その影響で、電磁鋼板1のシャフト穴11の位置がばらついており、ロータコア2のシャフト嵌合穴21の幾何公差が悪くなっている。
<矯正装置の構成>
図4に示すように、ロータコア2のシャフト嵌合穴21の矯正装置3は、基準板31、ガイド32、上蓋33、及びクランパ34を備えている。矯正の対象となるロータコア2は、基準板31の表面35に電磁鋼板1を積み重ねる向きに置かれる。ロータコア2は、図4では一点鎖線で記載されている。2つのガイド32は、いずれも表面35から垂直方向に延びている。上蓋33は、ガイド32により水平を保ちながら基準板31に対して垂直方向に移動する。上蓋33は、基準板31の表面35に置かれたロータコア2の積層方向の上面25に載せられて上面25全体を覆う。クランパ34は上蓋33を基準板31に向かって水平を保ちながら押し下げる。図4にはクランパ34は2個しか図示されていないが、上蓋33の周囲に不図示の4個のクランパ34と合わせて6個のクランパ34が搭載されている。6個のクランパ34は上蓋33を周方向に均等に押圧する。
<ロータコアの矯正処理>
次に図5を参照しながら、スプリングバックにより、電磁鋼板1の中央部が上向きに反り返った状態になった場合のロータコア2のシャフト嵌合穴21の矯正処理について述べる。先に説明したように、図2に示すように積層方向に荷重をかけて樹脂24で各電磁鋼板1をモールドした後に、積層方向の荷重を解放すると、スプリングバックにより、図3に示すように中央部が上向きに反り返った状態に電磁鋼板1が変形する場合がある。この場合、シャフト嵌合穴21が変形しているが、主に直角度が変化しており、真直度には大きな変化はない。
図5では、シャフト嵌合穴21の形状が見えるようにロータコア2は断面図として記載され、矯正装置3は側面図として記載されている。図5に示すように、シャフト嵌合穴21が変形したロータコア2を矯正装置3の基準板31の表面35に電磁鋼板1を積み重ねる向きに置いて、ロータコア2の上面25に上蓋33を載せる。そして、クランパ34で上蓋33を基準板31に向かって押圧すると、上蓋33はガイド32により水平を保ちながら基準板31に対して垂直方向に移動する。これにより、上向きに反り返った状態の電磁鋼板1の中央部が垂直下向きに移動する。この際、上部の電磁鋼板1は矢印Aの方向に向かって斜め下方向に移動するので、上部の電磁鋼板1のシャフト穴11と下部の電磁鋼板1のシャフト穴11との半径方向の相対的な位置ずれ量が矯正される。その結果、ロータコア2に不図示のシャフトを圧入する際の締め代を縮小し、圧入荷重を低減することができる。なお、このようにシャフト嵌合穴21が変形したロータコア2を矯正装置3で矯正する場合、荷重の当て方によって電磁鋼板1の動く方向が変わる。荷重の向きの精度はガイド32の精度によって決まるため、矢印Aの方向に電磁鋼板1が移動する荷重がかかるようにガイド32の精度を確保する必要がある。そして、電磁鋼板1が動く量をクランパ34による荷重の大きさで制御する。
シャフト嵌合穴21にシャフトを圧入する際、圧入荷重はロータコア2にダメージを与えない数値以下とする必要がある。そして、シャフト圧入時に必要な要件として、この圧入荷重の数値に対応した締め代の最大値を決める。締め代の最大値として、シャフト嵌合穴21の中心軸の直角度の最大値と、シャフト嵌合穴21の真直度の最大値を定める。シャフト嵌合穴21の中心軸の直角度は、ロータコア2の下面を基準としたものである。締め代に支配的な項目として、シャフト嵌合穴21の真直度よりも、シャフト嵌合穴21の中心軸の直角度の方が大きい傾向があることが分かっている。これらの締め代の最大値よりも小さくなるように、ガイド32の精度の値と、クランパ34のクランプ荷重の値とを定めて、矯正装置3でシャフト嵌合穴21の形状を矯正する。
<比較例の矯正装置の構成>
次に、ガイド32が存在しない比較例1の矯正装置13によりロータコア2のシャフト嵌合穴21を矯正した場合について説明する。図6も、図5と同様にシャフト嵌合穴21の形状が見えるようにロータコア2は断面図として記載され、矯正装置3は側面図として記載されている。矯正装置13は、基準板131、上蓋133及びクランパ134を備えているが、ガイド32を備えていない。図6に示すように、比較例1の矯正装置13では、ガイド32が存在しないため、荷重の向きを制御できず、ロータコア2のシャフト嵌合穴21の上端の傾斜に沿って上蓋133が傾斜する。このように上蓋133が傾斜した状態でクランパ134により上蓋133を押圧しても、矢印Bの方向へ荷重がかかり、本実施形態の矯正装置3と比較して、電磁鋼板1のシャフト穴11の相対的な位置ずれ量を十分に低減できず、シャフト嵌合穴21の中心軸の直角度も十分に改善できない。
<実施形態の補足>
本開示のロータコア2のシャフト嵌合穴21の形状の矯正装置3は、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、ガイド32が2つでなく、2つ以上のガイド32を備えていてもよい。また、上蓋33を基準板31に向かって水平を保ちながら押圧できれば、クランパ34の数が6個でなくてもよい。また、磁石穴12の数や形状が異なっていても、本実施形態の構成を適用できる。
1 電磁鋼板、2 ロータコア、3、13 矯正装置、11 シャフト穴、12 磁石穴、21 シャフト嵌合穴、22 磁石スロット、23 磁石、24 樹脂、25 上面、31、131 基準板、32 ガイド、33、133 上蓋、34、134 クランパ、35 表面。

Claims (1)

  1. シャフト穴が中心に設けられた円形の電磁鋼板を積層し、前記中心にシャフトが嵌合するシャフト嵌合穴が形成され、各前記電磁鋼板が樹脂でモールドされた、円筒形状のロータコアの前記シャフト嵌合穴の矯正装置であって、
    表面に前記ロータコアが前記電磁鋼板を積み重ねる向きに置かれる基準板と、
    前記基準板の前記表面から垂直方向に延びる、少なくとも2つのガイドと、
    前記基準板の前記表面に置かれた前記ロータコアの積層方向の上面に載せられて前記上面の全体を覆い、前記ガイドにより水平を保ちながら前記基準板に対して垂直方向に移動する上蓋と、
    前記上蓋を前記基準板に向かって押圧するクランパと、を備え、
    前記シャフトを前記シャフト嵌合穴に圧入する際に、前記ロータコアの前記上面に載せた前記上蓋を前記クランパで水平に押圧することによって、前記電磁鋼板の前記シャフト穴の相対的な位置ずれ量を矯正することを特徴とするロータコアのシャフト嵌合穴の矯正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022095405A1 (zh) * 2020-11-05 2022-05-12 上海电气风电集团股份有限公司 磁钢片的插装设备

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