JP2020031454A - 直流整流子電動機の回転に関する情報を取得する装置及び方法 - Google Patents

直流整流子電動機の回転に関する情報を取得する装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧がPWM制御される直流整流子電動機の端子間の電圧に基づいてその回転に関する情報を取得できる装置を提供すること。【解決手段】整流子を備えた電動機10の回転に関する情報を取得する装置100は、駆動電圧がPWM制御される電動機10の端子間の電圧Vから得られる正味電圧と電動機10を流れる電流Imとに基づいて電動機10の回転角速度ωを算出する回転角速度算出部31を含む。正味電圧の信号波形は、電圧Vの信号波形を脈流化し或いは平滑化することで生成される。正味電圧は、電圧Vにデューティ比を乗じて算出されてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、直流整流子電動機の回転に関する情報を取得する装置及び方法に関する。
従来、駆動電圧がPWM制御される電動機の回転数計測装置が知られている(特許文献1参照。)。この装置は、PWM制御されている駆動電圧がオン状態のときに周波数カウンタが所期の回転パルスを計測できるようにPWM周期を設定する。この構成によって、電動機の駆動電圧をPWM制御しながら電動機の回転数を正確に計測できるようにしている。
特開2005−204441号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は周波数カウンタを必要とする。そのため、周波数カウンタを用いずに、駆動電圧がPWM制御される電動機の端子間電圧に基づいてその回転量を取得することはできない。
上述の点に鑑み、駆動電圧がPWM制御される直流整流子電動機の端子間電圧に基づいてその回転に関する情報を取得できる装置を提供することが望まれる。
本発明の実施例に従った装置は、整流子を備えた電動機の回転に関する情報を取得する装置であって、駆動電圧がPWM制御される前記電動機の端子間の電圧から得られる正味電圧と前記電動機を流れる電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出する算出部を含む。
上述の手段により、駆動電圧がPWM制御される直流整流子電動機の端子間電圧に基づいてその回転に関する情報を取得できる装置を提供できる。
本発明の実施例に係る装置の構成例を示す概略図である。 整流子の概略図である。 第1信号生成部が第1パルス信号を生成するタイミングの一例を示す図である。 第2信号生成部が第2パルス信号を生成するタイミングの一例を示す図である。 回転量算出処理のフローチャートである。 合成パルス信号及びホールパルス信号のそれぞれの推移を示す図である。 本発明の実施例に係る装置の別の構成例の一部を示す概略図である。 電圧フィルタ部の構成例を示す概略図である。 複数の電圧信号の波形を示す図である。
以下、図を参照し、本発明の実施例に係る装置100について説明する。図1は、本発明の実施例に係る装置100の構成例を示す概略図である。
装置100は、電動機10の回転に関する情報(以下、「回転情報」とする。)を取得する装置である。図1の例では、装置100は、電動機10の端子間の電圧Vと電動機10を流れる電流Imとに基づいて電動機10の回転情報を取得する。装置100は、例えば、ホールセンサ等の回転センサを用いずに、取得した回転情報に基づいて電動機10の回転軸の回転位置を制御してもよい。
電動機10は、整流子を備えた直流整流子電動機である。電動機10は、例えば、自動車のウィンドウの昇降、ドアミラーの角度の調整、空調装置における送風量の調整、ヘッドライトの光軸の調整等で使用される。
図2は整流子20の概略図である。図2に示すように、整流子20は、スリット20sによって互いに隔てられた8つの整流子片20aで構成されている。各整流子片20aの円弧の中心角であるスリット間角度θcは約45度である。
電動機10は、4つのスイッチSW1〜SW4を介して電源に接続されている。そして、スイッチSW1とスイッチSW3とが閉状態となったときに時計回りに順回転し、スイッチSW2とスイッチSW4とが閉状態となったときに反時計回りに逆回転するように構成されている。電源に接続されている図1の例では、順回転する電動機10を流れる電流が正値を有し、逆回転する電動機10を流れる電流が負値を有する。惰性回転中は、スイッチSW2とスイッチSW3とが閉状態となり、順回転する電動機10を流れる電流は負値を有し、逆回転する電動機10を流れる電流は正値を有する。
電圧検出部10aは、電動機10の端子間の電圧Vを検出する。電流検出部10bは、電動機10を流れる電流Imを検出する。
装置100は、主に、電圧フィルタ部30、回転角速度算出部31、回転角度算出部32、電流フィルタ部33、第1信号生成部34、第2信号生成部35、回転情報算出部36等の機能要素を含む。各機能要素は、電気回路で構成されていてもよく、ソフトウェアで構成されていてもよい。
電圧フィルタ部30は、電圧検出部10aが出力する電圧Vを調整する機能要素である。電圧フィルタ部30は、例えば、回転角速度算出部31が電動機10の回転角速度を適切に算出できるように電圧Vを調整する。図1の例では、電圧フィルタ部30は、ローパスフィルタであり、電圧検出部10aが出力する電圧Vの波形のうちの高周波成分をノイズとして除去する。
回転角速度算出部31は、電動機10の端子間の電圧Vと電動機10を流れる電流Imとに基づいて電動機10の回転角速度を算出する機能要素である。図1の例では、回転角速度算出部31は、式(1)に基づいて回転角速度ωを算出する。
Figure 2020031454
Keは逆起電圧定数であり、Rmは電動機10の内部抵抗であり、Lmは電動機10のインダクタンスであり、dIm/dtは電流Imの一回微分である。電流Imの一回微分は、例えば、前回の電流Imの値と今回の電流Imの値との差である。
回転角速度算出部31は、例えば、所定の制御周期毎に電動機10の回転角速度ωを算出し、算出した回転角速度ωを回転角度算出部32に対して出力する。
回転角度算出部32は、電動機10の回転角度θを算出する機能要素である。図1の例では、回転角度算出部32は、式(2)に基づいて回転角度θを算出する。
Figure 2020031454
回転角度算出部32は、例えば、回転角速度算出部31が所定の制御周期毎に出力する回転角速度ωを積算して回転角度θを算出し、算出した回転角度θを第2信号生成部35に対して出力する。
また、回転角度算出部32は、第2信号生成部35からの同期指令に応じて回転角度θをゼロにリセットする。
電流フィルタ部33は、電流検出部10bが出力する電流Imを調整する機能要素である。電流フィルタ部33は、例えば、第1信号生成部34が電流Imのリップル成分Irを適切に検出できるように電流Imを調整する。図1の例では、電流フィルタ部33は、バンドパスフィルタであり、電流検出部10bが出力する電流Imの波形のうちのリップル成分Ir以外の成分を除去する。リップル成分Irは、電流Imに含まれる周期的な成分であり、主に、整流子片20aとブラシとの接触・分離に起因して生成される。そのため、リップル成分Irの1周期の間に電動機10が回転する角度はスリット間角度θcに等しい。
第1信号生成部34は、電動機10が所定角度だけ回転したことを表す信号を生成する機能要素である。第1信号生成部34は、例えば、電流フィルタ部33が出力するリップル成分Irの波形に基づいてリップル検出信号(第1パルス信号Pa)を生成する。
図3は、第1信号生成部34が第1パルス信号Paを生成するタイミングの一例を示す図である。第1信号生成部34は、例えば、リップル成分Irが基準電流値Ibを超える度に第1パルス信号Paを生成する。図3の例では、時刻t1、t2、t3、・・・、tn等で第1パルス信号Paを生成している。T1、T2、T3、・・・、Tn等は、リップル成分の周期を示し、θ1、θ2、θ3、・・・、θn等は、第1信号生成部34が第1パルス信号を生成したときの回転角度θを示す。回転角度θは、回転角度算出部32が算出した値である。このように、第1信号生成部34は、典型的には、回転角度θの大きさが所定角度(例えばスリット間角度θc)にほぼ等しくなったときに第1パルス信号Paを生成する。
但し、第1信号生成部34は、例えば、電動機10の電源オフ後の惰性回転期間において電流Im及びそのリップル成分Irが小さくなった場合、リップル成分Irの波形に基づいて第1パルス信号Paを生成できないことがある。また、第1信号生成部34は、例えば、電動機10の電源オン直後に突入電流が発生した場合、その突入電流に応じて第1パルス信号Paを誤って生成してしまうことがある。このような第1パルス信号Paの生成漏れ又は誤生成は、装置100が出力する電動機10の回転情報の信頼性を低下させてしまう。
そこで、装置100は、第2信号生成部35により、電動機10が所定角度だけ回転したことを表す信号をより高精度に生成できるようにしている。
第2信号生成部35は、電動機10が所定角度だけ回転したことを表す信号を生成する機能要素である。第2信号生成部35は、例えば、回転角度算出部32が出力する回転角度θと第1信号生成部34が出力する第1パルス信号Paとに基づいて疑似リップル信号(第2パルス信号Pb)を生成する。
図4は、第2信号生成部35が第2パルス信号Pbを生成するタイミングの一例を示す図である。
第2信号生成部35は、回転角度θの大きさが所定角度に達したときに第2パルス信号Pbを生成する。所定角度は、例えば、スリット間角度θcである。図4の例では、時刻t3、t7、t9において回転角度θ3、7、9の絶対値がスリット間角度θcに達したときに第2パルス信号Pb3、Pb5、Pb6を生成している。第2パルス信号Pbを生成すると、第2信号生成部35は、回転角度算出部32に対して同期指令を出力する。回転角度算出部32は、同期指令を受けると回転角度θをゼロにリセットする。
すなわち、第2信号生成部35は、例えば、時刻t2において、第2パルス信号Pb2を生成した後で第1パルス信号Paを受け取ることがない状態のまま、回転角度θ3の絶対値がスリット間角度θcに達したときに第2パルス信号Pb3を生成する。
このように、第2信号生成部35は、何らかの理由で第1パルス信号Paが生成されなかった場合であっても、回転角度算出部32によって算出された回転角度θの絶対値がスリット間角度θcに達しさえすれば、第2パルス信号Pbを生成する。そのため、第1パルス信号Paの生成漏れを確実に防止できる。
また、第2信号生成部35は、第1信号生成部34が第1パルス信号Paを生成したときの回転角度θが第1閾値θu以上で且つスリット間角度θc未満の場合に第2パルス信号Pbを生成する。第1閾値θuは、予め設定される値であってもよく、動的に設定される値であってもよい。図4の例では、第1信号生成部34が第1パルス信号Pa1、Pa2、Pa4を生成したときの回転角度θ1、θ2、θ5が第1閾値θu以上で且つスリット間角度θc未満である。すなわち、回転角度θ1、θ2、θ5のそれぞれがスリット間角度θcに達するまでの残りの角度が角度α未満である。この場合、第2信号生成部35は、時刻t1、t2、t5において第1信号生成部34が生成した第1パルス信号Pa1、Pa2、Pa5がノイズでないと判定できる。そのため、第2信号生成部35は、時刻t1、t2、t5において第2パルス信号Pb1、Pb2、Pb4を生成する。第2パルス信号Pbを生成すると、第2信号生成部35は、回転角度算出部32に対して同期指令を出力する。
一方、第2信号生成部35は、第1信号生成部34が第1パルス信号Paを生成したときの回転角度θが第2閾値θd未満の場合、第2パルス信号Pbを生成しない。第2閾値θdは、予め設定される値であってもよく、動的に設定される値であってもよい。このような状況は、典型的には、回転角度θの大きさが所定角度に達したことで第2パルス信号Pbが生成された後に発生する。図4の例では、時刻t3で回転角度θ3の絶対値がスリット間角度θcに達したことで第2パルス信号Pb3が生成された後の時刻t4において、第1信号生成部34が第1パルス信号Pa3を生成している。このときの回転角度θ4は、第2閾値θd未満である。すなわち、時刻t3でリセットされた後に積算された回転角度θ4は未だ角度β未満である。この場合、第2信号生成部35は、時刻t4で第1信号生成部34が生成した第1パルス信号Pa3を、時刻t3で生成した第2パルス信号Pb3に統合可能と判定できる。具体的には、第2信号生成部35は、第1パルス信号Pa3が生成されたときに第2パルス信号Pb3を生成するはずであった。しかし、第1パルス信号Pa3が生成される前に回転角度θの絶対値がスリット間角度θcに達したために、パルス信号の生成漏れを確実に防止すべく、第1パルス信号Pa3が生成される前に第2パルス信号Pb3を生成した。そのため、第2信号生成部35は、第2パルス信号Pb3を生成した直後に生成された第1パルス信号Pa3を、第2パルス信号Pb3と同時に生成されるはずであった第1パルス信号Paと見なすことができる。この場合、第2信号生成部35は、時刻t4では第2パルス信号Pbを生成せずに、回転角度算出部32に対して同期指令を出力する。図4の「×」に向かう破線矢印は、第1パルス信号Pa3に基づいて第2パルス信号Pbが生成されなかったことを表す。他の「×」に向かう破線矢印についても同様である。
また、第2信号生成部35は、第1信号生成部34が第1パルス信号Paを生成したときの回転角度θが第2閾値θd以上で且つ第1閾値θu未満の場合、第2パルス信号Pbを生成することはなく、回転角度算出部32に対して同期指令を出力することもない。図4の例では、時刻t6において第1信号生成部34が第1パルス信号Pa5を生成したときの回転角度θ6は、第2閾値θd以上で且つ第1閾値θu未満である。すなわち、回転角度θ6がスリット間角度θcに達するまでの残りの角度が角度αより大きく、時刻t5でリセットされた後に積算された回転角度θ6が角度β以上である。この場合、第2信号生成部35は、第1パルス信号Pa5がノイズに基づくものと判定できる。そのため、第2信号生成部35は、時刻t6では第2パルス信号Pbを生成することはなく、回転角度算出部32に対して同期指令を出力することもない。すなわち、ノイズに基づく第1パルス信号Pa5による影響を完全に排除できる。
以上の構成により、第2信号生成部35は、例えば、電動機10の電源オフ後の惰性回転期間において電流Im及びそのリップル成分Irが小さくなり、第1信号生成部34がリップル成分Irの波形に基づいて第1パルス信号Paを生成できない場合であっても、第2パルス信号Pbを生成できる。
また、第2信号生成部35は、例えば、電動機10の電源オン直後に突入電流が発生し、第1信号生成部34がその突入電流に応じて第1パルス信号Paを誤って生成してしまった場合であっても、その第1パルス信号Paに対応する第2パルス信号Pbを生成しない。すなわち、その第1パルス信号Paによる影響を完全に排除できる。
そのため、装置100は、第1パルス信号Paではなく第2パルス信号Pbに基づいて電動機10の回転情報を算出することで、電動機10の回転情報の信頼性を向上させることができる。
また、第2信号生成部35は、電動機10の回転方向を表す方向信号を出力する。例えば、第2信号生成部35は、回転角度θが正値であれば順回転方向を表す信号を出力し、回転角度θが負値であれば逆回転方向を表す信号を出力する。回転速度θは、電動機10を流れる電流が正値のときに正値を有し、電動機10を流れる電流が負値のときに負値を有する。但し、惰性回転中は、回転角度θは、電動機10を流れる電流が負値のときに正値を有し、電動機10を流れる電流が正値のときに負値を有する。
回転情報算出部36は、電動機10の回転情報を算出する機能要素である。電動機10の回転情報は、例えば、基準回転位置からの回転量(回転角度)、基準回転位置からの回転数等を含む。電動機10が自動車のウィンドウの昇降に使用される場合には、電動機10の回転情報は、基準位置に対するウィンドウの上縁の相対位置、ウィンドウの開き量等を含んでいてもよい。また、ある期間における回転角速度ωの平均値、最大値、最小値、中間値等の統計値を含んでいてもよい。図1の例では、回転情報算出部36は、第2信号生成部35の出力に基づいて電動機10の回転情報を算出する。例えば、電動機10の回転が開始した後に生成された第2パルス信号Pbの数にスリット間角度θcを乗ずることで、電動機10の回転が開始した後の回転量を算出する。その際、回転情報算出部36は、第2信号生成部35が第2パルス信号Pbと共に出力する方向信号に基づいて第2パルス信号Pbの数をインクリメントするかデクリメントするかを決定する。或いは、回転情報算出部36は、順回転方向を表す方向信号と共に受けた第2パルス信号Pbの数と、逆回転方向を表す方向信号と共に受けた第2パルス信号Pbの数とを別々に計数し、それらの差に基づいて電動機10の回転量を算出してもよい。
次に、図5を参照し、装置100が電動機の回転量を算出する処理(以下、「回転量算出処理」とする。)の流れについて説明する。図5は、回転量算出処理のフローチャートである。装置100は、電動機10の駆動中にこの回転量算出処理を実行する。
最初に、装置100は、電圧V及び電流Imを取得する(ステップST1)。図1の例では、装置100は、電圧検出部10aが出力する電圧V、及び、電流検出部10bが出力する電流Imを所定の制御周期毎に取得する。
その後、装置100は、回転角速度ω及び回転角度θを算出する(ステップST2)。図1の例では、装置100の回転角速度算出部31は、電圧Vと電流Imを式(1)に代入して回転角速度ωを所定の制御周期毎に算出する。そして、装置100の回転角度算出部32は、制御周期毎に算出される回転角速度ωを積算して回転角度θを算出する。
その後、装置100は、回転角度θが所定角度未満であるか否かを判定する(ステップST3)。図1の例では、装置100の第2信号生成部35は、回転角度θがスリット間角度θc未満であるか否かを判定する。
回転角度θがスリット間角度θc以上であると判定した場合(ステップST3のNO)、第2信号生成部35は、所期のタイミングで第1パルス信号Paが生成されなかったと判定する。そして、第2パルス信号Pbを生成し(ステップST10)、且つ、回転角度θをリセットする(ステップST11)。これは、第1パルス信号Paが生成される前に回転角度θがスリット間角度θcに達した場合であり、図4の例において時刻t3、t7、t9で回転角度θの絶対値が回転角度θ3、θ7、θ9に達した場合に対応する。
一方、回転角度θがスリット間角度θc未満であると判定した場合(ステップST3のYES)、第2信号生成部35は、第1パルス信号Paが生成されたか否かを判定する(ステップST4)。図1の例では、第1信号生成部34によって第1パルス信号Paが生成されたか否かを判定する。
回転角度θがスリット間角度θc未満の段階で第1パルス信号Paが未だ生成されていないと判定した場合(ステップST4のNO)、第2信号生成部35は、第2パルス信号Pbを生成することはなく、回転角度θをリセットすることもない。そして、回転情報算出部36は、第2信号生成部35の出力に基づいて電動機10の回転量を算出する。この場合、算出される回転量に変化はない。これは、図4の例において時刻t0で回転角度θが回転角度θ0になっている場合に対応する。
第1パルス信号Paが生成されたと判定した場合(ステップST4のYES)、第2信号生成部35は、回転角度θが第1閾値θu未満であるか否かを判定する(ステップST5)。
所期のタイミングより早期に生成された第1パルス信号Paがノイズに基づくものであるか否かを判定するためである。
回転角度θが第1閾値θu以上であると判定した場合(ステップST5のNO)、第2信号生成部35は、あたかも所期のタイミングで第1パルス信号Paが生成されたときと同様に動作する。すなわち、第2パルス信号Pbを生成し(ステップST10)、且つ、回転角度θをリセットする(ステップST11)。所期のタイミングより早期に生成された第1パルス信号Paがノイズに基づくものではないと判定できるためである。これは、図4の例において時刻t1、t2、t5で第1パルス信号Pa1、Pa2、Pa4が生成された場合に対応する。
回転角度θが第1閾値θu未満であると判定した場合(ステップST5のYES)、第2信号生成部35は、現時点では、第1パルス信号Paがノイズに基づくものでないとは判定できない。この第1パルス信号Paは、所期のタイミングより早期に生成されたものではなく、所期のタイミングより遅れて生成された可能性があるためである。そこで、第2信号生成部35は、回転角度θが第2閾値θd未満であるか否かを判定する(ステップST6)。所期のタイミングより遅れて生成された第1パルス信号Paがノイズに基づくものであるか否かを判定するためである。
回転角度θが第2閾値θd未満であると判定した場合(ステップST6のYES)、第2信号生成部35は、第2パルス信号Pbを生成することなく、回転角度θをゼロにリセットする(ステップST11)。所期のタイミングより遅れて生成された第1パルス信号Paがノイズに基づくものではないと判定できるためである。すなわち、所期のタイミングより遅れて生成された第1パルス信号Paが、直前に生成した第2パルス信号Pbに対応すると判定できるためである。これは、図4の例において時刻t4、t8で第1パルス信号Pa3、Pa6が生成された場合に対応する。すなわち、第1パルス信号Pa3、Pa6が第2パルス信号Pb3、Pb5に対応すると判定できる。
回転角度θが第2閾値θd以上であると判定した場合(ステップST6のNO)、第2信号生成部35は、その第1パルス信号Paがノイズに基づくものであると判定する。この場合、第2信号生成部35は、第2パルス信号Pbを生成することはなく、回転角度θをリセットすることもない。そして、回転情報算出部36は、第2パルス信号Pbを生成しない第2信号生成部35の出力に基づいて電動機10の回転量を算出する。これは、図4の例において時刻t6で第1パルス信号Pa5が生成されたときに対応する。すなわち、第2信号生成部35は、第1パルス信号Pa5をノイズに基づくものと判定している。
その後、装置100は、電動機10の回転量を算出する(ステップST7)。図1の例では、装置100の回転情報算出部36は、電動機10の回転が開始した後に生成された第2パルス信号Pbの数にスリット間角度θcを乗ずることで、電動機10の回転が開始した後の回転量を算出する。
次に、図6を参照し、装置100が算出した電動機10の回転量の信頼性に関する実験結果について説明する。図6は、合成パルス信号及びホールパルス信号のそれぞれの推移を示す図である。
合成パルス信号は、第2パルス信号Pbの複数パルスを1パルスに合成することで得られる信号である。図6の例では、スリット間角度θcは90度である。第1パルス信号Pa及び第2パルス信号Pbは、基本的に、電動機10の回転軸が90度回転する度に生成されている。そして、合成パルス信号は、第2パルス信号Pbの2パルスを1パルスに合成して生成されている。すなわち、装置100は、電動機10の回転軸が180度回転する度に合成パルス信号を1つ生成するように構成されている。
ホールパルス信号は、ホールセンサが出力したパルス信号である。ホールセンサは、第2パルス信号Pbとホールパルス信号との比較のために電動機10の回転軸に取り付けられた磁石が作る磁束を検出する。図6の例では、装置100は、電動機10の回転軸が180度回転する度にホールパルス信号を1つ生成するように構成されている。
図6の「×」に向かう破線矢印は、第1パルス信号Paに基づいて第2パルス信号Pbが生成されなかったことを表す。すなわち、第1パルス信号Paがノイズとして無視されたことを表す。また、図6の8つの実線矢印は、第1パルス信号Paの生成漏れの際に第2パルス信号Pbが追加されたことを表す。
図6の例では、電動機10の順回転を開始させてからその順回転を停止させるまでの期間に生成された合成パルス信号及びホールパルス信号のそれぞれの数が等しいことが確認された。すなわち、第2パルス信号Pbに基づいて算出される電動機10の回転量が、ホールセンサによって検出される電動機10の回転量に等しいことが確認された。
上述の通り、整流子20を備えた電動機10の回転情報を取得する装置100は、電圧Vと電流Imとに基づいて回転角度θを算出する回転角度算出部32と、電流Imに含まれるリップル成分Irに基づいて第1パルス信号Paを生成する第1信号生成部34と、第1パルス信号Paと回転角度θとに基づいて電動機10が所定角度だけ回転したことを表す第2パルス信号Pbを生成する第2信号生成部35と、第2信号生成部35の出力に基づいて回転情報を算出する回転情報算出部36とを含む。そのため、電動機10の回転情報を従来よりも高い信頼性で取得できる。また、ホールセンサ等の回転センサを省略できる。これは、センサインタフェース回路、ハーネス等の回転センサを利用するために必要な部品を省略できることを意味する。そのため、軽量化、低コスト化、小型化等を実現できる。
また、装置100は、電流Imのリップル成分Irに基づいて生成される第1パルス信号Paと、電圧V及び電流Imに基づいて算出される回転角度θとを用いて第2パルス信号Pbを生成する。すなわち、別々の方法で導き出される2つのパラメータである第1パルス信号Paと回転角度θとを用いて第2パルス信号Pbを生成する。そのため、一方のパラメータが適切に導出されなかった場合であっても他方のパラメータでその不具合を補うことができる。その結果、電動機10の回転情報をより高い信頼性で取得できる。
回転角度算出部32は、例えば、電圧Vと電流Imとに基づいて算出される電動機10の回転角速度ωを積算して回転角度θを算出するように構成される。そのため、回転角度算出部32は、電動機10の起動直後の期間、惰性回転期間等を含めた全期間に亘って回転角度θを安定的且つ継続的に算出できる。そして、第2信号生成部35は、例えば、回転角度θが所定角度に達したときに、第2パルス信号Pbを即時に生成するように構成される。そのため、第2信号生成部35は、第1パルス信号Paの生成漏れが発生した場合であっても、安定的且つ継続的に算出される回転角度θに基づき、所定角度だけ回転したことを表す第2パルス信号Pbをリアルタイムに生成できる。そのため、装置100は、電動機10の回転情報を遅延なく算出できる。
第2信号生成部35は、例えば、回転角度θが所定角度に達したときに、回転角度θをゼロにリセットする指令を回転角度算出部32に出力するように構成される。そのため、装置100は、回転角度算出部32が算出する回転角度θの累積誤差の最大値が所定角度を超えて増大してしまうのを回避できる。
所定角度は、例えば、整流子片20aの円弧の中心角、すなわちスリット間角度θcである。そのため、装置100は、回転角度算出部32が算出する回転角度θの累積誤差の最大値をスリット間角度θcとすることができる。
第2信号生成部35は、例えば、第1パルス信号Paを受けたときに、回転角度θが第1閾値θu以上であれば、第2パルス信号Pbを生成するように構成される。第1閾値θuは、例えば、所定角度(スリット間角度θc)より小さい値として予め設定されている。この構成により、第2信号生成部35は、所期のタイミングより早期に生成された第1パルス信号Paをノイズに基づくものではないと判定できる。そして、第1パルス信号Paの生成漏れの発生に先立って第2パルス信号Pbを生成できる。そのため、第1パルス信号Paの生成漏れによる回転情報の算出結果への影響を早期に且つ確実に排除できる。
また、第2信号生成部35は、例えば、第1パルス信号Paを受けたときに、回転角度θが第1閾値θu未満であれば、第2パルス信号Pbを生成しないように構成される。この構成により、第2信号生成部35は、所期のタイミングからずれたタイミングで生成された第1パルス信号Paをノイズに基づくものであると判定できる。そして、ノイズに基づいて生成された第1パルス信号Paに対応する第2パルス信号Pbが生成されてしまうのを防止できる。そのため、ノイズに基づいて生成された第1パルス信号Paによる回転情報の算出結果への影響を早期に且つ確実に排除できる。
また、第2信号生成部35は、例えば、第1パルス信号Paを受けたときに、回転角度θが第2閾値θdより小さければ、回転角度θをゼロにリセットする指令を回転角度算出部32に出力するように構成される。第2閾値θdは、例えば、第1閾値θuより小さい値として予め設定されている。この構成により、第2信号生成部35は、第1パルス信号Paの生成漏れの発生に先立って第2パルス信号Pbを生成した直後に第1パルス信号Paを受けた場合、その第1パルス信号Paをノイズに基づくものではないと判定できる。そして、その第1パルス信号Paを、直前に生成した第2パルス信号Pbに対応付けることができる。そのため、第1パルス信号Paの生成タイミングのずれによる回転情報の算出結果への影響を早期に且つ確実に排除できる。
次に、図7を参照し、電圧フィルタ部30の詳細について説明する。図7は、装置100の別の構成例の一部の概略図である。図7は、図1の構成と共通する部分、すなわち、装置100における電圧フィルタ部30以外の他の機能要素の図示を省略している。
図7の電動機10は、図1の電動機10と同様に、4つのスイッチSW1〜SW4を介して電源に接続されている。スイッチSW1〜SW4は、例えば、Hブリッジ回路を構成する半導体スイッチング素子である。図7の例では、MOSFETが採用されている。そして、スイッチSW1とスイッチSW3とが閉状態となったときに時計回りに順回転し、スイッチSW2とスイッチSW4とが閉状態となったときに反時計回りに逆回転するように構成されている。
図7の例では、電動機10の駆動電圧はPWM制御される。そのため、電圧検出部10aは、電動機10の端子間の電圧Vとして、ハイレベル(例えば13[V])及びローレベル(例えば[0V])の何れかを出力する。
電圧フィルタ部30の後段にある回転角速度算出部31(図1参照。)は、電圧Vと電流Imを式(1)に代入して回転角速度ωを所定の制御周期毎に算出する。そのため、電圧フィルタ部30が電圧検出部10aの出力をそのまま回転角速度算出部31に出力した場合、回転角速度算出部31は、電動機10の回転角速度ωを正確に算出できない。
回転角速度算出部31は、PWM制御のデューティ比に応じて変化する回転角速度ωを算出すべきであるが、ローレベルの電圧Vをサンプリングした場合、デューティ比にかかわらず、回転角速度ωの値としてゼロを算出してしまうためである。また、ハイレベルの電圧Vをサンプリングした場合、デューティ比にかかわらず、回転角速度ωの値として最大角速度を算出してしまうためである。
そこで、電圧フィルタ部30は、電圧検出部10aが出力する電圧Vを適切に調整することで、PWM制御のデューティ比に応じて変化する回転角速度ωを回転角速度算出部31が適切に算出できるようにする。
例えば、電圧フィルタ部30は、電圧検出部10aが出力する電圧Vの減衰、脈流化、平滑化等によって電圧Vを正味電圧に近づける。回転角速度算出部31が正味電圧に基づいて回転角速度ωを算出できるようにするためである。
「正味電圧」は、PWM制御される電動機10の回転角速度ωと同じ回転角速度ωを印加電圧制御方式で実現するために必要な電圧を意味する。印加電圧制御方式は、印加電圧の大きさを変化させて電動機10の回転角速度ωを変化させる方式である。この方式では、電動機10の回転角速度ωは、印加電圧が大きいほど大きくなる。
図7の例では、電圧フィルタ部30は、電圧検出部10aが出力する電圧Vを減衰させ、且つ、脈流化或いは平滑化して電圧V'を出力する。そのため、電圧フィルタ部30は、主に、減衰部30a及びフィルタ部30bを有する。
減衰部30aは、電圧検出部10aが出力する電圧Vをマイクロコンピュータ等の他の電子機器での利用に適したレベルに減衰させる機能要素である。図7の例では、減衰部30aは、抵抗のみで構成された減衰器である。但し、減衰部30aは省略されてもよい。
フィルタ部30bは、減衰部30aが出力する電圧信号を脈流化し或いは平滑化する機能要素である。フィルタ部30bは、例えば、1又は複数のフィルタ回路で構成される。フィルタ部30bは、ソフトウェアで構成されていてもよい。図7の例では、フィルタ部30bは、直列に接続された複数段のフィルタ回路で構成されている。直列に接続された複数段のフィルタ回路では、フィルタ回路の段数が多いほど電圧Vの波形の平滑化が進む。すなわち、回転角速度算出部31によってサンプリングされる電圧V'の値のばらつきが小さくなり、サンプリングされる電圧V'の値は正味電圧の値に近づく。
或いは、電圧フィルタ部30は、減衰部30a及びフィルタ部30bを用いずに、電圧Vにデューティ比を乗じて正味電圧を算出し、その正味電圧を電圧V'として出力してもよい。正味電圧は、デューティ比が大きいほど大きくなるように算出される。例えば、デューティ比が80%、端子間の電圧Vが10[V]であれば、算出される正味電圧は8[V]である。この場合、減衰部30a及びフィルタ部30bは省略されてもよい。
以上の構成により、電圧フィルタ部30は、電圧検出部10aが出力する電圧Vから得られる電圧V'を正味電圧として出力することで、PWM制御のデューティ比に応じて変化する回転角速度ωを回転角速度算出部31が適切に算出できるようにする。
次に、図8を参照し、電圧フィルタ部30の別の構成例について説明する。図8は、電圧フィルタ部30の別の構成例を示す概略図である。図8の電圧フィルタ部30は、主に、信号選択部30cを備える点で、図7の電圧フィルタ部30と相違するが、その他の点で共通する。そのため、共通部分の説明を省略し、相違部分を詳細に説明する。
図7の例では、フィルタ部30bは、直列に接続された複数段のフィルタ回路で構成されている。直列に接続された複数段のフィルタ回路では、各フィルタ回路が出力する電圧の波形は、フィルタ回路の位置が下流になるほど平滑化が進む。しかしながら、各フィルタ回路の出力タイミングは、フィルタ回路の位置が下流になるほど遅くなる。
これに対し、回転角速度算出部31は、電圧V'の波形の平滑化が進んでいるほど、PWM制御のデューティ比に応じて変化する回転角速度ωを適切に算出できる。サンプリングされる電圧V'が正味電圧に近づくためである。しかしながら、例えば電圧V'のサンプリング間隔を短くする必要がある場合には、フィルタ回路の出力タイミングが遅いと電圧V'を適切にサンプリングできないおそれがある。
そこで、図8の電圧フィルタ部30は、信号選択部30cによって、減衰部30a及び複数段のフィルタ回路のそれぞれが出力する電圧のうちの1つを電圧V'として選択できるようにしている。
信号選択部30cは、入力された複数の信号のうちの1つを選択して出力する機能要素である。信号選択部30cは、電気回路で構成されていてもよく、ソフトウェアで構成されていてもよい。図8の例では、信号選択部30cはアナログスイッチである。アナログスイッチの出力は、マイクロコンピュータで構成される回転角速度算出部31のAD入力ポートに接続されている。そして、回転角速度算出部31からの選択信号に応じ、入力された複数の信号のうちの1つを選択して出力する。具体的には、信号選択部30cは、減衰部30aが出力する電圧信号、及び、直列に接続された複数段のフィルタ回路30b1、30b2、・・・、30bnのそれぞれが出力する電圧信号のうちの1つを電圧V'の電圧信号として出力する。回転角速度算出部31は、信号選択部30cから電圧V'の電圧信号のみを受信するように構成されている。
但し、回転角速度算出部31は、減衰部30aが出力する電圧信号、及び、直列に接続された複数段のフィルタ回路30b1、30b2、・・・、30bnのそれぞれが出力する電圧信号の全てを受信するように構成されてもよい。この場合、信号選択部30cは省略される。回転角速度算出部31は、受信した複数の電圧信号のうちの1つを電圧V'の電圧信号として選択できるためである。
図9は、複数の電圧信号の波形を示す図である。図9(A)は、電圧検出部10aが出力する電圧Vの波形を示す。図9(B)は、減衰部30aが出力する電圧信号SG(0)の波形を示す。図9(C)は、第1フィルタ回路30b1が出力する電圧信号SG(1)の波形を示す。図9(D)は、第nフィルタ回路30bnが出力する電圧信号SG(n)の波形を示す。
図9の例では、電動機10の端子間の電圧Vのハイレベルである約13[V]が減衰部30aによって約3.4[V]まで減衰されている。そのため、回転角速度算出部31は、3.4[V]の値をサンプリングした場合、式(1)における電圧Vには3.4[V]ではなく13[V]を代入して回転角速度ωを算出する。
信号選択部30cは、例えば、PWM制御のデューティ比に応じてどの電圧信号を電圧V'の電圧信号として選択するかを決定する。例えば、デューティ比が小さいほど、すなわち、電動機10の回転角速度ωが小さいほど、下流側にあるフィルタ回路が出力する電圧信号を選択する。具体的には、デューティ比が比較的大きい場合、すなわち、電動機10の回転角速度ωが比較的大きい場合、信号選択部30cは、第1フィルタ回路30b1が出力する電圧信号SG(1)を電圧V'の電圧信号として選択する。また、デューティ比が比較的小さい場合、すなわち、電動機10の回転角速度ωが比較的小さい場合、信号選択部30cは、第nフィルタ回路30bnが出力する電圧信号SG(n)を電圧V'の電圧信号として選択する。
第1フィルタ回路30b1が出力する電圧信号SG(1)が信号選択部30cによって選択された場合、電圧フィルタ部30が出力する電圧V'は、図9(C)に示すように約1.0[V]〜約2.0[V]の範囲内を変動する。しかしながら、電圧フィルタ部30は、第nフィルタ回路30bnが出力する電圧信号SG(n)を選択した場合よりも短い遅延で電圧V'を出力できる。そのため、回転角速度算出部31は、サンプリング間隔が短い場合であっても出力電圧を遅延なくサンプリングできる。
一方、第nフィルタ回路30bnが出力する電圧信号SG(n)が信号選択部30cによって選択された場合、電圧フィルタ部30が出力する電圧V'は、図9(D)に示すように約1.5[V]でほとんど変動しない。そのため、回転角速度算出部31は、正味電圧に近い出力電圧をサンプリングできる。
また、電圧フィルタ部30は、デューティ比に基づく電圧V'の算出と、信号選択部30cによる電圧信号の選択とを組み合わせてもよい。例えば、電圧フィルタ部30は、デューティ比が所定値以上の場合、電圧Vにデューティ比を乗じて算出した電圧V'の電圧信号を出力し、デューティ比が所定値未満の場合、信号選択部30cが選択した電圧信号を電圧V'の電圧信号として出力してもよい。この構成により、回転角速度算出部31は、電動機10の回転角速度ωが大きくサンプリング間隔を短くする必要がある場合であっても電圧V'を適切にサンプリングできる。すなわち、正味電圧に近い電圧V'を遅延なくサンプリングできる。また、電動機10の回転角速度ωが小さくサンプリング間隔を比較的大きくできる場合には正味電圧にほぼ等しい電圧V'を遅延なくサンプリングできる。
また、電圧フィルタ部30は、電動機10の温度、内部抵抗等を各種センサで検出し、電動機10の温度、内部抵抗等に基づき、デューティ比に基づく電圧V'の算出と、信号選択部30cによる電圧信号の選択とを切り替えてもよい。また、信号選択部30cは、電動機10の温度、内部抵抗等に基づき、入力された複数の電圧信号のうちのどの電圧信号を電圧V'の電圧信号として出力するかを決定してもよい。
上述の構成により、装置100は、電動機10の駆動電圧がPWM制御される場合であっても、算出部を用いて電動機10の回転情報を適切に算出できる。具体的には、算出部としての回転角速度算出部31、回転角度算出部32、回転情報算出部36等により、電圧Vから得られる正味電圧としての電圧V'と電流Imとに基づいて回転角速度ω、回転角度θ、回転量等を算出できる。
電圧Vの信号波形は、例えば、1又は複数のフィルタで構成されるフィルタ部30bを通じて脈流化され或いは平滑化される。そして、算出部は、脈流化され或いは平滑化された信号波形を有する正味電圧としての電圧V'と電流Imとに基づいて電動機10の回転情報を算出する。この構成により、算出部は、バラツキが小さい状態で正味電圧としての電圧V'をサンプリングすることができ、電動機10の回転情報を高精度に算出できる。
また、算出部は、複数のフィルタのそれぞれが出力する信号波形から選択される1つの信号波形を有する正味電圧としての電圧V'と電流Imとに基づいて電動機10の回転情報を算出してもよい。この構成により、算出部は、できるだけバラツキが小さい状態で正味電圧としての電圧V'を遅延なくサンプリングすることができる。例えば、サンプリング間隔が小さい場合には、比較的上流にあるフィルタが出力する信号波形を電圧V'の信号波形として選択することで、信号生成の遅延に起因する不適切な電圧V'の取得を防止できる。一方で、サンプリング間隔が大きい場合には、比較的下流にあるフィルタが出力する信号波形を電圧V'の信号波形として選択することで、バラツキ(脈流化或いは平滑化が十分でない電圧信号)に起因する不適切な電圧V'の取得を防止できる。
また、算出部は、電圧Vにデューティ比を乗じて算出される正味電圧と電流Imとに基づいて電動機10の回転情報を算出してもよい。この構成により、算出部は、正味電圧を遅延なくサンプリングすることができる。また、フィルタによる信号生成の遅延に起因する不適切な正味電圧の取得を防止できる。
また、算出部は、1又は複数のフィルタを通じて電圧Vの信号波形を脈流化し或いは平滑化することで生成される信号波形を有する正味電圧、及び、電圧Vにデューティ比を乗じて算出される正味電圧のうちの一方を選択し、選択した正味電圧と電流Imとに基づいて電動機10の回転情報を算出してもよい。この構成により、算出部は、フィルタを用いて生成される信号波形を有する正味電圧と、電圧Vにデューティ比を乗じて算出される正味電圧とを、必要に応じて使い分けることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
10・・・電動機 10a・・・電圧検出部 10b・・・電流検出部 20・・・整流子 20a・・・整流子片 20s・・・スリット 30・・・電圧フィルタ部 30a・・・減衰部 30b・・・フィルタ部 30b1・・・第1フィルタ回路 30b2・・・第2フィルタ回路 30bn・・・第nフィルタ回路 30c・・・信号選択部 31・・・回転角速度算出部 32・・・回転角度算出部 33・・・電流フィルタ部 34・・・第1信号生成部 35・・・第2信号生成部 36・・・回転情報算出部 100・・・装置 SW1〜SW4・・・スイッチ

Claims (6)

  1. 整流子を備えた電動機の回転に関する情報を取得する装置であって、
    駆動電圧がPWM制御される前記電動機の端子間の電圧から得られる正味電圧と前記電動機を流れる電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出する算出部を含む、
    装置。
  2. 前記算出部は、1又は複数のフィルタを通じて前記電圧の信号波形を脈流化し或いは平滑化することで生成される信号波形を有する正味電圧と前記電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出するように構成されている、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記算出部は、前記複数のフィルタのそれぞれが出力する信号波形から選択される1つの信号波形を有する正味電圧と前記電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出するように構成されている、
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記算出部は、前記電圧にデューティ比を乗じて算出される正味電圧と前記電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出するように構成されている、
    請求項1に記載の装置。
  5. 前記算出部は、1又は複数のフィルタを通じて前記電圧の信号波形を脈流化し或いは平滑化することで生成される信号波形を有する正味電圧、及び、前記電圧にデューティ比を乗じて算出される正味電圧のうちの一方を選択し、選択した正味電圧と前記電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出するように構成されている、
    請求項1に記載の装置。
  6. 整流子を備えた電動機の回転に関する情報を取得する方法であって、
    駆動電圧がPWM制御される前記電動機の端子間の電圧から正味電圧を取得する工程と、
    前記正味電圧と前記電動機を流れる電流とに基づいて前記電動機の回転に関する情報を算出する工程と、を含む、
    方法。
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