JP2020031104A - 半導体素子、および、半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズの損傷の発生を抑制し、かつ、当該レンズにほこりが付着することを抑制する。【解決手段】半導体基板10の面S1aには、レンズ11と、複数の突起部12とが設けられている。複数の突起部12は、間隔をあけて設けられている。面S1aと直交する方向Dr1における当該面S1aからレンズ11の頂点までの距離は、当該方向Dr1における当該面S1aから各突起部12の頂点までの距離より短い。【選択図】図1
Description
本発明は、レンズに関連する構成を有する半導体素子、および、半導体素子の製造方法に関する。
レンズを有する様々な半導体素子が存在する。このような半導体素子では、レンズの損傷を抑制することが要求される。特許文献1では、レンズの損傷を抑制する構成(以下、「関連構成A」ともいう)が開示されている。具体的には、関連構成Aでは、レンズ部(レンズ)の周囲を、当該レンズ部の頂点より高くする。関連構成Aでは、レンズ部の周囲に2層レジスト、または、酸化膜、窒化膜マスクが設けられ、ドライエッチングによりレンズ部が形成される。
しかしながら、関連構成Aでは、レンズの頂点より高い部分は一続きに設けられている。すなわち、レンズは、くぼみの底に設けられている。したがって、くぼみの内部にほこりが滞留しやすいため、レンズに当該ほこりが付着しやすいという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、レンズの損傷の発生を抑制し、かつ、当該レンズにほこりが付着することを抑制することが可能な半導体素子等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る半導体素子は、第1面を有する半導体基板を備え、前記半導体基板の前記第1面には、レンズと、複数の突起部とが設けられており、前記複数の突起部は、間隔をあけて設けられており、前記第1面と直交する方向における当該第1面から前記レンズの頂点までの距離は、当該方向における当該第1面から各前記突起部の頂点までの距離より短い。
本発明によれば、前記半導体基板の前記第1面には、レンズと、複数の突起部とが設けられている。前記複数の突起部は、間隔をあけて設けられている。前記第1面と直交する方向における当該第1面から前記レンズの頂点までの距離は、当該方向における当該第1面から各前記突起部の頂点までの距離より短い。
すなわち、レンズの頂点は、各突起部の頂点より低い。また、前記複数の突起部は、間隔をあけて設けられている。そのため、レンズの損傷の発生を抑制し、かつ、当該レンズにほこりが付着することを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。以下の図面では、同一の各構成要素には同一の符号を付してある。同一の符号が付されている各構成要素の名称および機能は同じである。したがって、同一の符号が付されている各構成要素の一部についての詳細な説明を省略する場合がある。
なお、実施の形態において例示される各構成要素の寸法、材質、形状、当該各構成要素の相対配置などは、本発明が適用される装置の構成、各種条件等により適宜変更されてもよい。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る半導体素子100の構成を示す図である。図1(a)は、半導体素子100の平面図である。半導体素子100は、例えば、受光素子である。なお、当該受光素子は、例えば、フォトダイオードである。なお、半導体素子100は、受光素子に限定されず、他の機能を有する素子であってもよい。
図1は、実施の形態1に係る半導体素子100の構成を示す図である。図1(a)は、半導体素子100の平面図である。半導体素子100は、例えば、受光素子である。なお、当該受光素子は、例えば、フォトダイオードである。なお、半導体素子100は、受光素子に限定されず、他の機能を有する素子であってもよい。
図1(a)において、X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向も、互いに直交する。以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向(−X方向)とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向(−Y方向)とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向(−Z方向)とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
また、以下においては、X軸方向およびY軸方向を含む平面を、「XY面」ともいう。また、以下においては、X軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「XZ面」ともいう。また、以下においては、Y軸方向およびZ軸方向を含む平面を、「YZ面」ともいう。
図1(b)は、図1(a)のA−B線に沿った、半導体素子100の断面図である。図1(a)および図1(b)を参照して、半導体素子100は、半導体基板10と、透光部7と、電極9とを備える。
半導体基板10は、例えば、n型InP基板である。半導体基板10は、透光性を有する。半導体基板10は、レンズ11と、複数の突起部12とを含む。すなわち、レンズ11は、半導体基板10の一部である。また、複数の突起部12の各々は、半導体基板10の別の一部である。
半導体基板10は、面S1a,S1bを有する。面S1bは、半導体基板10のうち、面S1aと反対側の面である。面S1a,S1bの各々は、平面である。面S1bには、透光部7が設けられている。透光部7は、透光性を有する。また、透光部7は、受光部8を含む。受光部8は、光を受けるための領域である。平面視(XY面)において、レンズ11は受光部8と重なる。
次に、透光部7の構成について説明する。透光部7は、増倍層3と、電界制御層4と、光吸収層5と、窓層6とから構成される半導体積層部である。増倍層3は、AlInAsにより構成される。電界制御層4は、p型InPにより構成される。光吸収層5は、InGaAsにより構成される。窓層6は、InPにより構成される。窓層6は、面6sを有する。また、窓層6は、p型領域で構成される受光部8を含む。電極9は、受光部8(面6s)と接触する。
なお、電界制御層4は、AlInAsにより構成されてもよい。また、光吸収層5は、入射光に対してバンドギャップの小さい材料であれば、InGaAs以外の材料(例えば、InGaAsP)により構成されてもよい。なお、光吸収層5の上下の層には、バンド不連続の緩和のために、InGaAsP、AlGaInAs等が含まれていても良い。
また、窓層6は、入射光に対してバンドギャップの大きい材料であれば、InP以外の材料(例えば、AlInAs、AlGaInAs、InGaAsP等)で構成されてもよい。また、受光部8と電極9との間には、コンタクト抵抗を下げるために、AlGaInAs、InGaAsP、InGaAs等が設けられてもよい。
なお、透光部7の側面、および、窓層6の面6sは、SiNなどのパッシベーション膜で覆われていても良い。
(特徴的な構成)
次に、本実施の形態の特徴的な構成について説明する。半導体基板10の面S1aには、レンズ11と、複数の突起部12とが設けられている。レンズ11は、透光性を有する。また、レンズ11に照射された光が受光部8に向かうように、当該レンズ11は構成されている。平面視(XY面)におけるレンズ11の形状は、円である。また、レンズ11の断面の形状は、一例として、円弧または楕円弧である。
次に、本実施の形態の特徴的な構成について説明する。半導体基板10の面S1aには、レンズ11と、複数の突起部12とが設けられている。レンズ11は、透光性を有する。また、レンズ11に照射された光が受光部8に向かうように、当該レンズ11は構成されている。平面視(XY面)におけるレンズ11の形状は、円である。また、レンズ11の断面の形状は、一例として、円弧または楕円弧である。
なお、本実施の形態では、面S1aに設けられている突起部12の数は、一例として、4である。なお、面S1aに設けられている突起部12の数は、2、3、または、5以上であってもよい。
突起部12は、Z方向に突出している構成要素である。複数の突起部12は、間隔をあけて設けられている。すなわち、複数の突起部12は、互いに独立している。複数の突起部12の各々は、同じまたは同等の形状を有している。
平面視(XY面)における各突起部12の面積は、平面視(XY面)におけるレンズ11の面積より大きい。また、平面視(XY面)において複数の突起部12がレンズ11を囲むように、当該複数の突起部12は設けられている。平面視(XY面)における各突起部12の形状は、円である。なお、平面視(XY面)における各突起部12の形状は、円以外の形状(例えば、楕円、矩形等)であってもよい。
以下においては、面S1aと直交する方向を、「方向Dr1」または「Dr1」ともいう。方向Dr1における面S1aからレンズ11の頂点までの距離は、方向Dr1における当該面S1aから各突起部12の頂点までの距離より短い。すなわち、レンズ11の頂点は、各突起部12の頂点よりも、面S1aに近い。つまり、レンズ11の頂点は、各突起部12の頂点より低い。
なお、レンズ11の表面は、反射防止膜により被覆されていても良い。また、突起部12の表面は、反射防止膜、金属膜等により被覆されていても良い。
以下においては、半導体素子100の製造方法を、「製造方法Pr」ともいう。次に、製造方法Prについて説明する。図2は、実施の形態1に係る製造方法Prのフローチャートである。図2では、製造方法Prに含まれる主要な工程のみを示している。
以下においては、半導体基板10を得るために使用される基板を、「基板10N」ともいう。すなわち、基板10Nは、半導体基板10の元の基板である。基板10Nは、未加工の基板である。なお、図1の半導体基板10は、基板10Nを加工したものである。基板10Nは、例えば、後述の図3(b)に示される基板10Nである。
基板10Nは、主面S1nと、前述の面S1bとを有する。主面S1nは、平面である。面S1bは、基板10Nのうち、主面S1nと反対側の面である。
以下においては、レンズ11および突起部12が形成される前の半導体素子を、「半導体素子100N」ともいう。半導体素子100Nは、製造途中の半導体素子である。半導体素子100Nは、半導体素子100と比較して、半導体基板10の代わりに基板10Nを備える点が異なる。半導体素子100Nのそれ以外の構成は、半導体素子100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
製造方法Prでは、まず、準備工程(S10)が行われる。準備工程は、透光部7が形成されている基板10Nを準備する工程である。準備工程は、形成工程Aを含む。形成工程Aは、前述の受光部8を有し、かつ、透光性を有する透光部7を、基板10Nの面S1bに形成する工程である。なお、形成工程Aは一般的な工程であるので、詳細な説明は省略する。
次に、形成工程B(S100)が行われる。形成工程Bは、基板10Nを加工して、半導体基板10、レンズ11および複数の突起部12を形成する工程である。
形成工程Bは、転写工程(S110)、熱処理工程(S120)およびエッチング工程(S130)を含む。形成工程Bでは、ステップS110,S120,S130の順で、当該ステップS110,S120,S130が行われる。
図3は、転写工程を説明するための図である。なお、図3には、一例として、隣接する2つの半導体素子100Nが示される。図3(a)は、転写工程により、フォトレジストパターンが形成された半導体素子100Nの平面図である。図3(b)は、図3(a)のA−B線に沿った、半導体素子100Nの断面図である。
図3(a)には、各半導体素子100Nに対応する、フォトレジストパターン13、および、複数のフォトレジストパターン14が示される。フォトレジストパターン13は、図1のレンズ11を形成するために使用される。すなわち、フォトレジストパターン13は、レンズ11に対応するパターンである。各フォトレジストパターン14は、図1の各突起部12を形成するために使用される。すなわち、各フォトレジストパターン14は、突起部12に対応するパターンである。
なお、平面視(XY面)における各フォトレジストパターン14の面積は、平面視(XY面)におけるフォトレジストパターン13の面積より大きい。以下においては、図3(a)の各半導体素子100Nに対応する、フォトレジストパターン13および複数のフォトレジストパターン14を形成するためのフォトマスクを、「フォトマスクMk1」ともいう。フォトマスクMk1は、各半導体素子100Nに対応する、フォトレジストパターン13および複数のフォトレジストパターン14を形成するためのパターンを有する。
以下においては、図1のレンズ11の形状を、「形状Sh1」ともいう。レンズ11は、形状Sh1を有する。また、以下においては、図1の各突起部12の形状を、「形状Sh2」ともいう。各突起部12は、形状Sh2を有する。
詳細は後述するが、転写工程は、基板10Nの主面S1nに、各半導体素子100Nに対応する、フォトレジストパターン13、および、複数のフォトレジストパターン14を形成する工程である。転写工程では、複数のフォトレジストパターン14が間隔をあけて配置されるように、当該複数のフォトレジストパターン14が形成される。また、転写工程では、平面視(XY面)において複数のフォトレジストパターン14がフォトレジストパターン13を囲むように、当該複数のフォトレジストパターン14が形成される。
また、転写工程では、平面視(XY面)における各フォトレジストパターン14の面積が、平面視におけるフォトレジストパターン13の面積より大きくなるように、当該各フォトレジストパターン14が形成される。また、転写工程では、平面視(XY面)におけるフォトレジストパターン13の形状が円である当該フォトレジストパターン13が形成され、かつ、平面視(XY面)における各フォトレジストパターン14の形状が円である当該各フォトレジストパターン14が形成される。また、転写工程では、平面視(XY面)において、フォトレジストパターン13が受光部8と重なるように、当該フォトレジストパターン13が形成される。
具体的には、転写工程では、まず、基板10Nの主面S1nに、フォトレジスト(感光性樹脂)が塗布される。フォトレジストの塗布は、例えば、スピンコート法により行われる。
次に、フォトマスクMk1のパターンが、塗布されたフォトレジストに転写されるように、当該フォトマスクMk1を使用したフォトリソグラフィ法が行われる。フォトリソグラフィ法は、周知な技術であるため、説明は省略する。これにより、各半導体素子100Nにおいて、フォトレジストパターン13、および、複数のフォトレジストパターン14が基板10Nの主面S1nに形成される(図3(a)および図3(b)参照)。
転写工程により、各半導体素子100Nにおいて、複数のフォトレジストパターン14が間隔をあけて配置される。また、当該複数のフォトレジストパターン14は、フォトレジストパターン13を囲むように設けられる。また、平面視(XY面)における各フォトレジストパターン14の面積は、平面視(XY面)におけるフォトレジストパターン13の面積より大きい。
なお、この時点では、各半導体素子100Nにおける、フォトレジストパターン13の高さ、および、各フォトレジストパターン14の高さは、同一または同等である。また、各半導体素子100Nに含まれる、平面視(XY面)における、フォトレジストパターン13の形状、および、各フォトレジストパターン14の形状は、円である。なお、平面視(XY面)における、フォトレジストパターン13の形状、および、各フォトレジストパターン14の形状は、円に限定されず、楕円、矩形等であってもよい。
次に、熱処理工程(S120)が行われる。図4は、熱処理工程を説明するための図である。図4(a)は、熱処理工程を説明するための半導体素子100Nの平面図である。図4(b)は、図4(a)のA−B線に沿った、半導体素子100Nの断面図である。
詳細は後述するが、熱処理工程は、フォトレジストパターン13の形状が形状Sh1となり、かつ、各フォトレジストパターン14の形状が形状Sh2となるように、当該フォトレジストパターン13および当該各フォトレジストパターン14を溶融させる工程である。
以下においては、フォトレジストパターン13,14の各々を、「フォトレジストパターンPt」ともいう。また、以下においては、フォトレジストパターンPtが溶融する温度を、「温度T1」または「T1」ともいう。
具体的には、熱処理工程では、各フォトレジストパターンPtの温度が温度T1以上になるように、当該各フォトレジストパターンPtと、基板10Nとが加熱される。熱処理工程により、溶融した各フォトレジストパターンPtには表面張力が発生する。これにより、図3(b)の矩形状の各フォトレジストパターンPtの断面形状は、矩形状から、図4(b)の凸レンズ形状(形状Sh1または形状Sh2)に変化する。
すなわち、熱処理工程により、各半導体素子100Nにおいて、フォトレジストパターン13の形状が形状Sh1となり、かつ、各フォトレジストパターン14の形状が形状Sh2となる。
以下においては、形状Sh1を有するフォトレジストパターン13を、「フォトレジストパターン13a」ともいう。また、以下においては、形状Sh2を有するフォトレジストパターン14を、「フォトレジストパターン14a」ともいう。方向Dr1における各フォトレジストパターン14aの高さは、方向Dr1におけるフォトレジストパターン13aの高さより大きい。
次に、エッチング工程(S130)が行われる。図5は、エッチング工程を説明するための図である。図5(a)は、エッチング工程を説明するための半導体素子100の平面図である。図5(b)は、図5(a)のA−B線に沿った、半導体素子100の断面図である。
エッチング工程は、各半導体素子100Nに対応する基板10Nが形状Sh1および形状Sh2を有するように、当該基板10Nをエッチングする工程である。具体的には、エッチング工程は、各半導体素子100Nにおいてレンズ11および複数の突起部12が形成されるように、形状Sh1を有するフォトレジストパターン13aと、形状Sh2を有する各フォトレジストパターン14aとを使用して、基板10Nの主面S1n側をエッチングする工程である。以下においては、フォトレジストパターン13a,14aの各々を、「フォトレジストパターンPta」ともいう。
具体的には、エッチング工程では、各半導体素子100Nに対応する基板10Nが形状Sh1および形状Sh2を有するように、フォトレジストパターンPtaが完全になくなるまで、基板10NおよびフォトレジストパターンPtaに対し、選択的に、ドライエッチングが行われる。当該ドライエッチングは、例えば、反応性イオンエッチング、イオンミリング等である。
ドライエッチングにより得られる基板10Nの形状は、フォトレジストパターンPtaの形状と、当該フォトレジストパターンPtaおよび基板10Nの相対的なエッチング速度とで決まる。
例えば、フォトレジストパターンPtaのエッチング速度が1μm/minであり、基板10Nのエッチング速度が2μm/minであり、フォトレジストパターンPtaの高さが5μmであると仮定する。この場合、基板10Nに形成されるレンズ11の高さは10μmとなる。なお、フォトレジストパターンPtaおよび基板10Nの相対的なエッチング速度は、エッチング工程における各種のパラメータにより、制御できる。
エッチング工程により、各半導体素子100Nに対応する、図4の基板10Nの形状が、図5(図1)の半導体基板10の形状になる。すなわち、各半導体素子100Nにおいてレンズ11および複数の突起部12が形成される。つまり、エッチング工程により、各半導体素子100Nが、半導体素子100になる。以上により、半導体素子100の製造方法Prは終了する。
(まとめ)
以上説明したように、本実施の形態によれば、半導体基板10の面S1aには、レンズ11と、複数の突起部12とが設けられている。複数の突起部12は、間隔をあけて設けられている。面S1aと直交する方向Dr1における当該面S1aからレンズ11の頂点までの距離は、当該方向Dr1における当該面S1aから各突起部12の頂点までの距離より短い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、半導体基板10の面S1aには、レンズ11と、複数の突起部12とが設けられている。複数の突起部12は、間隔をあけて設けられている。面S1aと直交する方向Dr1における当該面S1aからレンズ11の頂点までの距離は、当該方向Dr1における当該面S1aから各突起部12の頂点までの距離より短い。
すなわち、レンズ11の頂点は、各突起部12の頂点より低い。また、複数の突起部12は、間隔をあけて設けられている。そのため、レンズの損傷の発生を抑制し、かつ、当該レンズにほこりが付着することを抑制することができる。
また、本実施の形態では、面S1aからレンズ11の頂点までの距離は、当該面S1aから各突起部12の頂点までの距離より短い。すなわち、レンズ11の頂点は、各突起部12の頂点よりも、面S1aに近い。すなわち、レンズ11の頂点は、各突起部12の頂点より低い。そのため、レンズ11の損傷の発生を抑制できる。
ここで、半導体素子100のうち、各突起部12が存在する部分が粘着シートに貼りつけられている状況において、当該半導体素子100がピックアップされると仮定する。なお、本実施の形態の半導体素子100の構成によれば、粘着シートに対する各突起部12(半導体素子100)の接着面積が小さい。そのため、半導体素子100をピックアップするために必要な力を小さくすることができる。したがって、半導体素子100の損傷の発生を抑制できる。
また、本実施の形態の製造方法Prでは、転写工程において、複数の突起部12にそれぞれ対応する複数のフォトレジストパターン14が間隔をあけて配置される。なお、平面視(XY面)における各フォトレジストパターン14の面積は、平面視(XY面)におけるフォトレジストパターン13の面積より大きい。そのため、熱処理工程後において、突起部12に対応する各フォトレジストパターン14aの高さを、レンズ11に対応するフォトレジストパターン13aの高さより大きくすることができる。したがって、エッチング工程により、面S1aからレンズ11の頂点までの距離を、当該面S1aから各突起部12の頂点までの距離より短くできる。すなわち、レンズ11の頂点を、各突起部12の頂点より低くすることができる。したがって、レンズ11の損傷の発生を抑制できる。
また、本実施の形態では、基板10Nの主面S1n(平面)に、レンズ11に対応するフォトレジストパターン13、および、突起部12に対応するフォトレジストパターン14が同時に形成される。そのため、フォトレジストパターン13の厚みにばらつきが生じることを抑制できる。したがって、レンズ11の高さにばらつきが生じることを抑制できる。その結果、目標となる形状を有するレンズ11を、安定的に得ることができる。
ここで、本実施の形態の比較の対象となる比較構成(以下、「比較構成Ctn」ともいう)について説明する。比較構成Ctnでは、基板10Nの主面S1nに、フォトレジストパターン14が一続きに設けられる。
図7は、比較構成Ctnを説明するための図である。図7(a)は、比較構成Ctnを説明するための平面図である。比較構成Ctnでは、転写工程により、図7(a)のように、基板10Nの主面S1nに、各半導体素子100Nのフォトレジストパターン14が一続きに設けられる。
比較構成Ctnにおいて、各半導体素子100Nのフォトレジストパターン13,14に対し、熱処理が行われた場合、各半導体素子100Nのフォトレジストパターン13,14の平面形状は、図7(a)に示される形状である。なお、各半導体素子100Nのフォトレジストパターン13,14の断面形状は、図7(b)のようになる。図7(b)は、図7(a)のA−B線に沿った、比較構成Ctnの断面図である。
比較構成Ctnでは、各半導体素子100Nのフォトレジストパターン14は、熱処理により、水平方向に広がる。例えば、各半導体素子100Nのフォトレジストパターン14の高さは数μmであり、当該フォトレジストパターン14の水平方向の長さは、数ミリである。
比較構成Ctnでは、熱処理工程により、フォトレジストパターン14のエッジ部分のみ変形する。そのため、熱処理工程後のフォトレジストパターン14の高さを、熱処理工程前のフォトレジストパターン14の高さより大きくすることは困難である。
一方、本実施の形態では、各半導体素子100Nにおいて、複数のフォトレジストパターン14が間隔をあけて配置される。また、平面視(XY面)における各フォトレジストパターン14の面積は、平面視(XY面)におけるフォトレジストパターン13の面積より大きい。そのため、熱処理工程後において、各フォトレジストパターン14aの高さを、フォトレジストパターン13aの高さより大きくすることができる。
次に、本実施の形態の比較の対象となる比較例について説明する。以下においては、比較例における半導体素子を、「半導体素子J1」ともいう。
図8は、比較例に係る半導体素子J1の構成を簡略的に示す図である。なお、図8には、一例として、隣接する2つの半導体素子J1が示される。図8(a)は、半導体素子J1の平面図である。図8(b)は、図8(a)のA−B線に沿った、半導体素子J1の断面図である。以下の説明では、2つの半導体素子J1のうち、右側の半導体素子J1について主に説明する。
図8(a)および図8(b)を参照して、半導体素子J1は、半導体素子100と比較して、突起部12の代わりに、周辺部12Nを含む点が異なる。半導体素子J1のそれ以外の構成は、半導体素子100と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
周辺部12Nは、レンズ11の周辺に設けられている。周辺部12Nは、一続きの部材である。周辺部12Nの上面は、レンズ11の頂点より高い。そのため、レンズ11の損傷を抑制することができる。
以下においては、半導体素子J1の製造方法を、「製造方法Prn」ともいう。また、以下においては、レンズ11および周辺部12Nが形成される前の半導体素子を、「半導体素子J1n」ともいう。半導体素子J1nは、半導体素子100Nと同様な構成を有する。図9、図10、図11および図12は、比較例に係る製造方法Prnを説明するための図である。
製造方法Prnでは、転写工程Nが行われる。転写工程Nでは、フォトレジスト法により、各半導体素子J1に対応する基板10Nの主面S1nに、フォトレジストパターン15が形成される(図9参照)。図9(a)は、基板10Nに形成されたフォトレジストパターン15を示す平面図である。図9(a)には、一例として、隣接する2つの半導体素子J1nが示される。以下の説明では、2つの半導体素子J1nのうち、右側の半導体素子J1nについて主に説明する。図9(b)は、図9(a)のA−B線に沿った、半導体素子J1nの断面図である。
次に、フォトレジスト16が、基板10Nの主面S1n側に塗布される(図10参照)。図10(a)は、フォトレジスト16を示す平面図である。図10(b)は、図10(a)のA−B線に沿った、半導体素子J1nの断面図である。フォトレジスト16の塗布により、当該フォトレジスト16が、フォトレジストパターン15、および、基板10Nの主面S1nの一部を覆う。
次に、フォトレジスト法により、フォトレジスト16がエッチングされることにより、フォトレジストパターン15の上面にフォトレジストパターン17が形成され、基板10Nの主面S1nにフォトレジストパターン18が形成される(図11参照)。フォトレジストパターン17,18は、フォトレジスト16の一部である。図11(a)は、フォトレジストパターン17,18を示す平面図である。図11(b)は、図11(a)のA−B線に沿った、半導体素子J1nの断面図である。
なお、基板10Nの全ての領域において、フォトレジストパターン15の厚みとフォトレジストパターン17の厚みの和は、フォトレジストパターン18の厚みより大きい。
次に、熱処理工程Nが行われる。熱処理工程Nにより、フォトレジストパターン17,18が溶融する(図12参照)。図12(a)は、熱処理工程が行われた半導体素子J1nの状態を示す平面図である。図12(b)は、図12(a)のA−B線に沿った、半導体素子J1nの断面図である。熱処理工程により、フォトレジストパターン18の断面形状は、レンズ形状になる。
次に、エッチング工程Nが行われる。エッチング工程Nでは、各半導体素子J1nに対応する基板10Nの形状が、図8の半導体基板10の形状になるように、フォトレジストパターン15,17,18が完全になくなるまで、基板10NおよびフォトレジストパターンPtaに対し、選択的に、ドライエッチングが行われる。
エッチング工程Nにより、各半導体素子J1nに対応する、図12の基板10Nの形状が、図8の半導体基板10の形状になる。すなわち、各半導体素子J1nにおいてレンズ11および周辺部12Nが形成される。前述したように、周辺部12Nの上面は、レンズ11の頂点より高い。
比較例に係る製造方法Prnでは、図9(b)のように、基板10Nの主面S1n(平面)に、フォトレジストパターン15が形成される。そのため、フォトレジストパターン15が存在する領域と、フォトレジストパターン15が存在しない領域が発生する。そのため、基板10Nの主面S1nにおいて、フォトレジストパターン15の厚みに対応する凹凸が生じる。この凹凸における段差の大きさは、フォトレジストパターン15の厚みのばらつきにより、ばらつく。
その結果、フォトレジストパターン17,18を形成するためにフォトレジスト16を塗布した際、当該凹凸により、フォトレジスト16の一部であるフォトレジストパターン18の厚みにばらつきが生じやすくなる。そのため、製造方法Prnでは、フォトレジストパターン18を使用して形成されるレンズ11の形状のばらつきが大きいという問題点がある。
なお、本実施の形態では、基板10Nの主面S1nに、レンズ11の形成に使用されるフォトレジストパターン13、および、突起部12の形成に使用されるフォトレジストパターン14が同時に形成される。そのため、フォトレジストパターン13の厚みにばらつきが生じることを抑制できる。したがって、レンズ11の高さにばらつきが生じることを抑制できる。その結果、形状のばらつきが小さいレンズ11を安定的に得ることができる。したがって、本実施の形態では、比較例に係る製造方法Prnにおける問題点を解決することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば、本実施の形態と同様の効果が得られるなら、どのような材料、製造方法を使用しても良い。そのため、例えば、製造方法Pr、半導体素子100に使用される材料等は、本実施の形態に記載した内容に限定されるものではない。
また、例えば、受光部8のサイズは、図1(b)に示される受光部8のサイズに限定されない。図6のように、受光部8のサイズは、レンズ11のサイズよりも小さい構成としてもよい。なお、レンズ11に照射された光が受光部8に向かうように、当該レンズ11は構成されている。当該構成によれば、レンズ11が受光部8に集光するため、受光部8に照射される光の強度を強くすることができる。
また、例えば、平面視(XY面)において、レンズ11が受光部8と重なっていない構成としてもよい。当該構成では、レンズ11に入射された光が受光部8に到達するように、当該レンズ11に入射される当該光の角度が設定される。また、当該構成における製造方法Prの転写工程では、平面視(XY面)において、フォトレジストパターン13が受光部8と重ならないように、当該フォトレジストパターン13が形成される。
7 透光部、10 半導体基板、10N 基板、11 レンズ、12 突起部、13,13a,14,14a,15,17,18 フォトレジストパターン、100,J1,J1n 半導体素子。
Claims (11)
- 第1面を有する半導体基板を備え、
前記半導体基板の前記第1面には、レンズと、複数の突起部とが設けられており、
前記複数の突起部は、間隔をあけて設けられており、
前記第1面と直交する方向における当該第1面から前記レンズの頂点までの距離は、当該方向における当該第1面から各前記突起部の頂点までの距離より短い
半導体素子。 - 平面視における前記各突起部の面積は、平面視における前記レンズの面積より大きい
請求項1に記載の半導体素子。 - 平面視において前記複数の突起部が前記レンズを囲むように、当該複数の突起部は設けられている
請求項1または2に記載の半導体素子。 - 前記レンズは、透光性を有し、
前記半導体素子は、さらに、
透光性を有する透光部を備え、
前記半導体基板は、さらに、第2面を有し、
前記第2面は、前記半導体基板のうち、前記第1面と反対側の面であり、
前記透光部は、前記第2面に設けられており、
前記透光部は、光を受けるための受光部を含み、
前記レンズに照射された光が前記受光部に向かうように、当該レンズは構成されている
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体素子。 - 平面視において、前記レンズは前記受光部と重なる
請求項4に記載の半導体素子。 - 平面視における前記レンズの形状は、円であり、
平面視における前記各突起部の形状は、円である
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体素子。 - 半導体素子の製造方法であって、
前記半導体素子は、
第1面を有する半導体基板を備え、
前記半導体基板の前記第1面には、レンズと、複数の突起部とが設けられており、
前記複数の突起部は、間隔をあけて設けられており、
前記第1面と直交する方向における当該第1面から前記レンズの頂点までの距離は、当該方向における当該第1面から各前記突起部の頂点までの距離より短く、
前記製造方法は、
前記半導体基板の元の基板を準備する工程(a)と、
前記元の基板を加工して、前記半導体基板、前記レンズおよび前記複数の突起部を形成する工程(b)とを含む
半導体素子の製造方法。 - 前記元の基板は、主面を有し、
前記工程(b)は、
前記元の基板の前記主面に、第1のフォトレジストパターン、および、複数の第2のフォトレジストパターンを形成する転写工程を含み、
前記転写工程では、前記複数の第2のフォトレジストパターンが間隔をあけて配置されるように、当該複数の第2のフォトレジストパターンが形成され、
平面視における各前記第2のフォトレジストパターンの面積は、平面視における前記第1のフォトレジストパターンの面積より大きく、
前記レンズは、当該レンズの形状である第1形状を有し、
前記各突起部は、当該突起部の形状である第2形状を有し、
前記工程(b)は、さらに、
前記第1のフォトレジストパターンの形状が前記第1形状となり、かつ、前記各第2のフォトレジストパターンの形状が前記第2形状となるように、当該第1のフォトレジストパターンおよび当該各第2のフォトレジストパターンを溶融させる熱処理工程を含み、
前記レンズは、前記元の基板の一部であり、
前記複数の突起部の各々は、前記元の基板の別の一部であり、
前記工程(b)は、さらに、
前記レンズおよび前記複数の突起部が形成されるように、前記第1形状を有する前記第1のフォトレジストパターンと、前記第2形状を有する前記各第2のフォトレジストパターンとを使用して、前記元の基板の前記主面側をエッチングするエッチング工程を含む
請求項7に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記転写工程では、平面視における前記第1のフォトレジストパターンの形状が円である当該第1のフォトレジストパターンが形成され、かつ、平面視における前記各第2のフォトレジストパターンの形状が円である当該各第2のフォトレジストパターンが形成される
請求項8に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記転写工程では、平面視において前記複数の第2のフォトレジストパターンが前記第1のフォトレジストパターンを囲むように、当該複数の第2のフォトレジストパターンが形成される
請求項8または9に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記元の基板は、さらに、第2面を有し、
前記第2面は、前記元の基板のうち、前記主面と反対側の面であり、
前記工程(a)は、光を受けるための受光部を有し、かつ、透光性を有する透光部を前記第2面に形成する工程(a1)を含み、
前記転写工程では、平面視において、前記第1のフォトレジストパターンが前記受光部と重なるように、当該第1のフォトレジストパターンが形成される
請求項8から10のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018154732A JP2020031104A (ja) | 2018-08-21 | 2018-08-21 | 半導体素子、および、半導体素子の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114256278A (zh) * | 2020-09-25 | 2022-03-29 | 株式会社日本显示器 | 检测装置、显示装置及检测装置的制造方法 |
US12002830B2 (en) | 2020-09-25 | 2024-06-04 | Japan Display Inc. | Detection device and method for manufacturing the same |
-
2018
- 2018-08-21 JP JP2018154732A patent/JP2020031104A/ja active Pending
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