JP2020030884A - パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びタッチ検出方法 - Google Patents

パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びタッチ検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、発光機能とタッチ検出機能を兼ね備えた電極構成の有機EL素子と、特定の制御回路構成を有し、スモールフォーマット化及び薄膜化を達成し、工程の簡素化が達成することができる有機ELディスプレイと、それを具備したスマートデバイス及び照明装置を提供することである。【解決手段】本発明の有機ELディスプレイは、タッチ検出機能を有し、タッチ検出回路ユニットと有機ELパネルを駆動する発光素子駆動回路ユニットとを有し、前記有機ELパネルは、内部の対向する位置に一対の電極を有し、一対の電極が発光素子駆動回路ユニットに接続され、かつ一対の電極のいずれか一方がタッチ検出電極であり、当該タッチ検出電極がタッチ検出回路ユニットに接続され、タッチ検出回路ユニットと発光素子駆動回路ユニットとが、それぞれ独立したグランドに接続されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイと、それを用いたタッチ検出方法に関する。
従来、平面状の光源体としては、導光板を用いた発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、「LED」と略記する。)や、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下、「有機エレクトロルミネッセンス素子」、「有機EL素子」又は「OLED」と略記する。)等が挙げられる。
有機材料のエレクトロルミネッセンスを利用した有機エレクトロルミネッセンス素子は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能な薄膜型の完全固体素子であり、面発光体として注目されている。また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、その材料技術、製造技術及び駆動回路技術等の進歩により、フラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)の一つである有機ELディスプレイとして実用化されている。
2008年ごろから、世界的にスマートデバイス(スマートフォン、タブレット等)の生産量が飛躍的に伸長してきている。これらのスマートデバイスには、その操作性の観点から、フラットな面を有するキーが使われている。例えば、スマートデバイスの下部に設けられている共通機能キーボタンであるアイコン部がそれに相当する。この共通機能キーボタンには、例えば、「ホーム」(四角形などのマークで表示)、「戻る」(矢印マークなどで表示)、「検索」(虫眼鏡マークなどで表示)を示す3種類のマークが設けられている場合がある。
このような共通機能キーボタンは、視認性向上の観点から、表示するマークのパターン形状に応じて、例えば、LED等を使用する場合には、あらかじめLED導光板などの平面発光デバイスをスマートデバイスの内部に設置して利用する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、LED光源を用いた静電容量式情報入力ユニットとしては、例えば、センサー電極が形成されたフレキシブルプリント回路基板と、表面パネルとの間に、アイコン部を回避する位置に同形状の空気層よりも誘電率の高い接着剤層を設けた構成が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この構成では、センサー電極の感度を高めることにより使用者の入力操作を安定して処理し、検出電極での静電容量の検出精度を向上させることができる。
また、近年では、アイコン部の表示方法として、低消費電力化及び発光輝度の均一性向上の観点から、面発光型の有機エレクトロルミネッセンスデバイスを利用する方法が注目されている。有機エレクトロルミネッセンスデバイスを用いた構成では、アイコン部を構成しているカバーガラス側へマーク等をあらかじめ形成し、その該当形成部分の裏側に有機エレクトロルミネッセンスデバイスを配置することで、表示機能を発現させることができる。
一方、スマートデバイス等の情報処理装置では、ディスプレイ部及び上述したアイコン部において、タッチ検出のための静電容量方式の検出型デバイスをカバーガラスの下面側に配置し、タッチ検出機能を有する構成とすることが知られている。
このタッチ検出機能を有するデバイスでは、フィルム/フィルム型のタッチセンサーを、カバーガラスと同等のサイズまで拡大させてラミネートしたものを使うことが多い。特に、厚さに制約がないような機種の場合には、ガラス/ガラスタイプのものが用いられることもある。
また、タッチ検出方式としては、近年は静電容量方式が採用されることが多く、例えば、メインディスプレイ向けには、「投影型静電容量方式」と呼ばれる、x軸、y軸方向それぞれに精細な電極パターンを有する方式が採用されることが多い。この方式では、いわゆる「マルチタッチ検出」と呼ばれる2点以上のタッチ検出が可能となる。
このようなタッチセンサーが利用されるため、これまでは共通機能キーの部分には、タッチ機能を持たない発光デバイスが使用されていた。しかしながら、近年、いわゆる「インセル」型、又は「オンセル」型のディスプレイが登場したことにより、発光デバイスに、独自にタッチ検出機能を設けることが強く求められてきた。
特に、面発光型の有機エレクトロルミネッセンスデバイスの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成している陽極、陰極、又は保護のために利用されるメタルホイル層が上記の表面型静電容量方式の静電容量の変化の検出に悪影響を与えるため、有機エレクトロルミネッセンスデバイスに静電タッチ機能を付与する場合は、有機エレクトロルミネッセンスパネルとともに、その発光面側上に、アセンブリとして、フレキシブル基板上に静電容量方式の検出回路と配線部を設けた電気接続ユニット、例えば、フレキシブルプリント回路(略称:FPC)により構成されるタッチ機能検出用のタッチ検出電極を別構成で配置させる必要があり、その構成には大きな制約があった。このようなアセンブリを設ける方法では、タッチ機能検出用のデバイス(例えば、FPC)を追加調達する必要があり、経済的な負荷を負うこと、デバイスが厚くなること、製造工程における工数が増加する等の問題を抱えている。
したがって、発光デバイスである有機エレクトロルミネッセンス素子と、その駆動を制御する配線材料が効率的に配置され、高いタッチ検出精度を備え、かつ小型化及び薄型化を達成し、スマートデバイスへの適性を備えたパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの開発が求められている。
特開2012−194291号公報 特開2013−065429号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、発光機能とタッチ検出機能を兼ね備えた複数本の電極を有する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、その駆動を制御する配線材料が効率的に配置され、高いタッチ検出精度を達成でき、かつ小型化及び薄型化と、工程の簡素化によるコストダウンを達成した有機エレクトロルミネッセンスディスプレイと、そのタッチ検出方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を進めた結果、発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型方式の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、1本以上のカソードと、1本以上のアノードを有し、カソードとアノードがいずれもタッチ検出電極として機能し、発光期間とタッチ検出期間が時間的に分離され、タッチ検出期間中は、アノードとカソード間の寄生容量の影響が排除されているパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにより、上記課題を解決することができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
M本(Mは、1以上の整数。)のカソードと、
N本(Nは、1以上の整数。)のアノードを有し、
前記カソードとアノードがタッチ検出電極として機能し、
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光期間と、前記タッチ検出電極によるタッチ検出期間が時間的に分離され、
前記タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響が排除されている
ことを特徴とするパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
2.前記M本のカソードと前記N本のアノードが、それぞれの対向する面間で直交配置されていることを特徴とする第1項に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
3.前記タッチ検出期間中は、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除するため、前記アノードとカソードに同一検出波形の電圧が印加されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
4.前記タッチ検出期間中は、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除するため、タッチ検出する電極と、それに交差する全電極に同一検出波形の電圧が印加されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
5.前記カソードと前記アノードが、それぞれ2本以上で構成されていることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
6.発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを用いたタッチ検出方法であって、
前記パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、M本(Mは、1以上の整数。)のカソードと、N本(Nは、1以上の整数。)のアノードを有し、
前記カソードとアノードがタッチ検出電極として機能し、
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光期間と、前記タッチ検出電極によるタッチ検出期間を時間的に分離し、
前記タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響を排除してタッチ検出することを特徴とするタッチ検出方法。
7.前記M本のカソードと前記N本のアノードを直交配置していることを特徴とする第6項に記載のタッチ検出方法。
8.前記タッチ検出期間中において、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除する方法が、前記アノードとカソードに同一検出波形の電圧を印加する方法であることを特徴とする第6項又は第7項に記載のタッチ検出方法。
9.前記タッチ検出期間中において、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除する方法が、タッチ検出する電極とそれに交差する全電極に同一検出波形の電圧を印加する方法であることを特徴とする第6項又は第7項に記載のタッチ検出方法。
10.前記パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを構成する前記カソードと前記アノードが、それぞれ2本以上で構成されていることを特徴とする第6項から第9項までのいずれか一項に記載のタッチ検出方法。
本発明の上記手段により、発光機能とタッチ検出機能を兼ね備えた複数本の電極を有する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、その駆動を制御する配線材料が効率的に配置され、高いタッチ検出精度を達成でき、かつ小型化及び薄型化と、工程の簡素化によるコストダウンを達成した有機エレクトロルミネッセンスディスプレイと、そのタッチ検出方法を提供することができる。
本発明で規定する構成からなる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの技術的特徴とその効果の発現機構は、以下のとおりである。
従来、スマートメディアに具備されているパッシブマトリックス型マトリックス駆動方式のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにタッチ検出機能を付与する場合には、図1でその構成を示すように、アウトセル方式では、有機エレクトロルミネッセンスパネルを構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動用(発光用)として配置されている一対の電極ユニットと、それとは分離した位置に、別層のタッチ検出用のタッチ検出電極を設けた構成であり、それぞれ発光機能とタッチ検出機能とが分離したアセンブリにより構成する必要があった。また、その他の構成としては、図2で示すように、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ内に、有機エレクトロルミネッセンス素子とともに、タッチ電極を別電極として有しているインセル方式が知られている。図1及び図2で示すような構成の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいては、タッチ検出精度が低く、加えて構成層の増加や駆動用ICのピン数の増加等により、製造工程数の増加や複雑化により、コストアップと厚型化が生じ、スモールフォーマット化、低価格化に対し、障害となっていた。
上記問題に対し、本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、「有機ELディスプレイ」と略記する。)では、後述の図3にその代表的な構成を示すように、有機EL素子を構成するアノード及びカソードをタッチ検出電極として使用するパッシブマトリックス型インセル型の有機ELディスプレイであり、それぞれの電極に対し、タッチ検出回路ユニットと、発光素子駆動回路ユニットとが接続されている構成である。
本発明の有機ELディスプレイでは、発光素子駆動回路ユニットと、タッチ検出回路ユニットを独立して設け、タッチ検出期間と発光期間とを、時分割(時系列)にて分離されている構成とし、タッチ検出時には、M本のアノードとN本のカソード間の寄生容量を排除するため、M本のアノードとN本のカソードに同一検出波形の電圧を印加する方法、又はタッチ検出期間中は、M本のアノードとN本のカソード間の寄生容量を排除するため、タッチ検出する電極と、それに交差する全電極に同一検出波形の電圧を印加する方法とすることにより、細分化された領域にて、高い精度でタッチ検出することが可能となった。
比較例のアウトセル方式の有機ELディスプレイの構成の一例を示す概略断面図 比較例のインセル方式の有機ELディスプレイの構成の一例を示す概略断面図 本発明のパッシブマトリックス型インセル方式の有機ELディスプレイの構成の一例を示す概略断面図 本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出の原理を説明するための模式図 本発明に係る有機EL素子における複数本のアノードと複数本のカソードの配置の一例を示す概略斜視図 複数のカソードとアノードより構成されている有機ELディスプレイの概略構成を示すブロック図 図6に示すブロック図における発光期間とタッチ検出期間の一例を示す全体タイミングチャート 本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出方法の一例(実施態様1)を示すタッチ検出期間のタイミングチャート 本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出方法の一例(実施態様2)を示すタッチ検出期間のタイミングチャート 実施態様2のタッチ検出における制御方法と波形例の一例を示す模式図 本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出方法の一例(実施態様3)を示すタッチ検出期間のタイミングチャート 本発明の有機ELディスプレイ全体のタイミングチャートの構成を示す概略図
本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、M本(Mは、1以上の整数。)のカソードと、N本(Nは、1以上の整数。)のアノードを有し、前記カソードとアノードがタッチ検出電極として機能し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光期間と、前記タッチ検出電極によるタッチ検出期間が時間的に分離され、前記タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響が排除されていることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明でいう「タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響が排除されている」とは、タッチ検出期間中に、アノードに印加された電位変動量が、カソードに印加された電位変動量と等しい状態となり、両電極間には変位電流が流れない状態をいう。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、後述の図5で示すように、M本のカソードとN本のアノードとが直交配置されている構成であることが、より高い精度でタッチ検出を実現することができる点で好ましい。
また、タッチ検出期間中においては、アノードとカソード間の寄生容量を排除する方法として、アノードとカソードに同一検出波形の電圧を印加する方法を用いることが、タッチ検出精度をより高めることができる点で好ましい。
また、タッチ検出期間中においては、アノードとカソード間の寄生容量を排除する方法として、タッチ検出する電極と、それに交差する全電極に同一検出波形の電圧を印加する方法を用いることが、タッチ検出精度をより高めることができる点で好ましい。
また、カソードとアノードが、それぞれ2本以上で構成されていることが、より高い精度でタッチ検出することができる点で好ましい。
また、本発明のタッチ検出方法としては、発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを用いたタッチ検出方法であって、前記パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、M本(Mは、1以上の整数。)のカソードと、N本(Nは、1以上の整数。)のアノードを有し、前記カソードとアノードがタッチ検出電極として機能し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光期間と、前記タッチ検出電極によるタッチ検出期間を時間的に分離し、前記タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響を排除してタッチ検出することを特徴とする。
本発明において、「有機EL素子」とは、一対のアノードとカソード及び有機機能層ユニットにより構成されているものをいい、「有機ELパネル」とは、有機EL素子に対し、封止用接着剤及び封止部材により封止した構成をいい、「有機ELディスプレイ」とは、有機ELパネルに、タッチ検出回路ユニットと発光素子駆動回路ユニットとが電気接続部材により接続され、発光機能とタッチ検出機能を併せ持つ構成をいう。
また、「発光エリア」とは、同一平面上に、少なくともアノードと、発光層を含む有機機能層ユニットと、カソードを有する領域をいう。
以下、本発明の構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について、図を交えて詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。なお、各図の説明において、構成要素の末尾に括弧内で記載した数字は、各図における符号を表す。
《有機ELディスプレイ》
本発明の有機ELディスプレイは、有機ELパネルに電気接続部材を接合した有機ELディスプレイであって、前記電気接続部材は、タッチ検出回路ユニットと、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルを駆動する発光素子駆動回路ユニットとを有し、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルは、内部の対向する位置に面状の一対の電極として、カソード及アノードを有し、前記一対の電極が、発光素子駆動回路ユニットに接続され、前記一対の電極のいずれか一方がタッチ検出電極であり、当該タッチ検出電極が、前記タッチ検出回路ユニットに接続されている。
本発明の有機ELディスプレイの全体構成を説明する前に、従来型の比較例の有機ELディスプレイの概略構成について説明する。
図1は、比較例の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイで、アウトセル方式の有機ELディスプレイの構成の一例を示す概略断面図である。
ここでいう「アウトセル方式」とは、有機ELパネルとは離間した位置に、タッチ検出用電極を配置する構成をいう。
図1に示す有機ELディスプレイ(1)では、透明基材(3)上に、アノード(4、陽極)と、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等から構成される有機機能層ユニット(5)が積層されて、有機機能層ユニット(5)の上部にカソード(6、陰極)が積層されて、有機EL素子を構成している。この有機EL素子の外周部を封止用接着剤(7)で封止され、その表面に、外部環境からの有害ガス(酸素、水分等)の発光部への浸透を防止することを目的として封止部材(8)が配置され、有機ELパネル(2)を構成している。
図1の記載の構成においては、一対の電極であるアノード(4)とカソード(6)間には、発光を制御する発光素子駆動回路ユニット(11)が接続されている。また、透明基材(3)の有機ELパネル(2)を形成した面とは反対側の面には、例えば、フレキシブル基板上に静電容量方式のタッチ検出回路と配線部を設けた電気接続ユニット(フレキシブルプリント回路)により構成されるタッチ検出電極(10)が設けられ、このタッチ検出電極(10)には、タッチ(指触)を検出するためのタッチ検出回路ユニット(12)が設けられ、タッチ検出部(9)を構成している。
このような「アウトセル方式」の有機ELディスプレイでは、構成部品の増加に伴い、製造工程が複雑化し、コストアップと厚型化が生じ、スモールフォーマット化、低価格化に対し、障害となっている。
図2は、比較例のインセル方式の有機ELディスプレイで、タッチ検出電極を別層として設けた構成を示す概略断面図である。
ここでいう「インセル方式」とは、有機ELパネル(2)の内部に、タッチ検出電極を設けた構成をいう。
図2で示すインセル方式は、有機ELパネル(2)内に、アノードとカソードとは別に、タッチ検出電極(10)を別層として設けた構成で、絶縁層(13)を介して、アノード(4)とは電気的に分離されている状態である。その他の構成は、上記図1で説明したのと同様の構成である。
図2で示す構成でも、新たにタッチ検出電極(10)と絶縁層(13)を設けるため、層数の増加に伴い、製造工程が複雑化し、コストアップと厚型化が生じ、スモールフォーマット化、低価格化に対し、障害となっている。
次いで、本発明の有機ELディスプレイの基本構成について説明する。
図3は、本発明のパッシブマトリックス型インセル方式の有機ELディスプレイの構成の一例を示す概略断面図である。
ここでいう「パッシブマトリックス型」とは、「パッシブマトリックス型マトリックス駆動」とも呼ばれ、図6で示すように、複数本のカラム(列、アノード)とロー(行、カソード)の電極に分けて構成し、電極の端から信号電極と走査電極にバイアス電圧を同時に印加し、電極間にある有機EL素子の発光層を発光させる方法である。この「パッシブマトリックス型方式」では、製造が簡略でコスト低減を行うことができる。
図3に示す有機ELディスプレイ(1)では、透明基材(3)上に、アノード(4)と、図1と同様の有機機能層ユニット(5)が積層されて、有機機能層ユニット(5)の上部にカソード(6)が積層されて、有機EL素子を構成している。この有機EL素子の外周部を封止用接着剤(7)で封止され、その表面に、封止部材(8)が配置され、有機ELパネル(2)を構成している。
図3の構成においては、アノード(4)、カソード(6)が、有機EL素子の発光させる対向電極として機能するとともに、タッチ検出電極としての機能を付与する構成であることが特徴である。図3に記載の構成では、アノード(4)とカソード(6)間に、発光を制御する発光素子駆動回路ユニット(11)が接続されている。
一例として、アノード(4)は、更に、タッチ検出電極として機能し、タッチ(指触)を検出するためのタッチ検出回路ユニット(12)が接続されている。
図3においては、アノード(4)をタッチ検出電極として兼ねる構成を示したが、カソード(6)がタッチ検出電極として機能させてもよい。
図3に記載の光を制御する発光素子駆動回路ユニット(11)としては、その構成に特に制限はなく、従来の公知の発光素子駆動回路部(有機EL素子駆動回路)を適用することができる。一般に、発光素子駆動回路は、例えば、あらかじめ設定した発光素子の発光パターンに応じて、アノードとカソードとの間に、発光素子である有機EL素子の発光光量に応じて電流を印加する機能を有するものである。この光素子駆動回路としては、昇圧型又は降圧型のDC−DCコンバーター回路、電流値のフィードバック回路、DC−DCコンバーターのスイッチ制御回路等からなる定電流回路が知られており、また、特開2002−156944号公報、特開2005−265937号公報、特開2010−040246号公報等に記載されている発光素子駆動回路を参照することができる。
また、図3に記載のタッチ検出回路ユニット(12)としては、その構成に特に制限はなく、従来の公知のタッチ検出回路部を適用することができる。一般に、タッチ検出回路は、増幅器、フィルター、AD変換器、整流平滑回路、比較器等で構成され、代表例としては、自己容量検出方式、直列容量分圧比較方式(オムロン方式)等を挙げることができ、また、特開2012−073783号公報、特開2013−088932号公報、特開2014−053000号公報等に記載されているタッチ検出回路を参照することができる。
以降の各図を用いた実施態様の説明においては、発光素子駆動回路ユニット(11)及びタッチ検出回路ユニット(12)の記載及び説明は省略する。
以下、本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出と、その具体的な構成について、説明する。
〔本発明の有機ELディスプレイの基本構成とタッチ検出の原理〕
図4に、本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出電極の基本構成とタッチ検出の原理について説明するための模式図を示す。
(有機ELディスプレイにおけるタッチ検出電極の基本構成)
図4の(a)で示すように、本発明の有機ELディスプレイを構成する有機EL素子においては、M本(Mは、1以上の整数。)のアノードとN本(Nは、1以上の整数。)のカソードを交差する等に配置させ、これらの電極が、発光用電極とともに、タッチ検出電極としても機能させることを特徴としている。図4の(a)においては、カソードとアノードに配線のみを表示している。
図4の(a)で示すように、横に配置されているN行のカソードと、縦に配置されているアノードが重複して存在している領域が、一つの「発光・検出ユニット(発光・検出領域)」を構成している。
本発明においては、このような機能を有する有機ELディスプレイの特徴点は、前記カソードとアノードがタッチ検出電極としても機能し、タッチ検出期間と発光期間とが時分割により分離されていることであり、このタッチ検出期間においては、詳細は後述するが、同一検出波形の電圧が全てのカソード及びアノードに印加されていることが特徴の一つである。このとき、複数本のアノード、又はカソードが存在している場合は、それらを束ねて検出する方法であってもよい。
(タッチ検出の原理)
本発明におけるタッチ検出方法において、タッチ検出期間における検出波形の印加方法としては、以下に示す二つの方法が挙げられる。
1)検出したい電極と、それに交差する全電極には、同一検出波形の電圧を印加する。
2)検出対象の電極と、それに平行な電極には、同一検出波形の電圧、若しくはHi−Zとする。
例えば、タッチ検出回路ユニットが一つの場合、
1行目検出→2行目検出→・・・→N行目検出→1列目検出→2列目検出→・・・→M列目検出となる。1行目検出時には、1〜M列目には同一検出波形、2〜N行目は、同一検出波形又はHi−Zとなる。
ここでいう「Hi−Z」とは、ハイ・インピーダンス(高抵抗値)状態ともいい、インピーダンスをZで表示するため、Hi−Zと表示する。
デジタル回路の場合には、電気的に絶縁された状態で、H(ハイ、オン)でも、L(ロー、オフ)でもない第3の状態(スリーステート)といわれている。
すなわち、デジタルの場合、信号としてはLとH(0と1)しかないのが通常であるが、スリーステートバッファーの場合には三つの状態が存在し、その三つ目の状態が、ハイ・インピーダンス(Hi−Z)である。
このハイ・インピーダンスは、回路が解放(オープン)されている状態、つまり断線している状態である。本発明においては、タッチ検出電極と同一行、又は同一列の複数のタッチ電極配線が同時に機能していては、正常なタッチ検出を行うことができないため、アクセスする以外のタッチ電極配線の接続を切断する必要があり、このような目的で、切断対象の電極配線をハイ・インピーダンス状態とすることにより、正確なタッチ検出を行うことができる。
次いで、図4の(b)を用いて、本発明におけるタッチ検出の基本的原理について説明する。
指とタッチ検出電極(ここではアノード)との接触容量をCf、カソード1、カソード2、カソード3との寄生容量をそれぞれCelとする。従来は、Cel>Cfのため、アノードの容量は、指有りの時は、「3Cel+Cf≒3Cel」となり、指無しの時は、「3Cel」となり差が生じず、指の接触を検出できない。しかし、カソード1、カソード2、カソード3にアノードと同一な検出波形を印加することで、指有りの時は「Cf」、指無しの時は「0」とすることで可能となり、指の接触が検出できるようになる。
〔複数の電極を有する有機EL素子の構成〕
タッチ検出方法を説明する前に、本発明に係る有機EL素子の具体的な構成について、図5を交えて説明する。
図5は、本発明に係る有機EL素子における複数本のアノードと複数本のカソードの配置の一例を示す概略斜視図である。
透明基材(不図示)上に、1列〜M列までのM本のアノード(4)がストライプ状に配置され、その全面に、発光層を含む有機機能層ユニット(5)が形成され、その上に、アノード(4)と直交する配置で、1行〜N行までのN本のカソード(6)がストライプ状に配置され、有機EL素子(EL)を構成している。
ここで、同一平面上に、アノード(4)、有機機能層ユニット(5)及びカソード(6)の全てが存在する領域Uが、「発光・タッチ検出領域」である。
〔有機ELディスプレイの構成〕
図6は、複数のカソードとアノードより構成されている有機ELディスプレイの概略構成を示すブロック図である。
図6に示す有機ELディスプレイ(1)では、発光及びタッチ検出を行う領域(21)は、マトリックス状に配置されている有機EL素子(EL)とコンデンサー(24)により構成されている複数の有機ELパネル(2)、各有機EL素子(EL)のカソード(6)に接続している1行〜N行の複数のカソード配線(6A)、各有機EL素子(EL)のアノード(4)に接続している1列〜M列の複数のアノード配線(4A)が形成されている。
1行〜N行の複数のカソード配線(6A)はロー・ドライバー(22)に接続されていて、1列〜M列の複数のアノード配線(4A)はカラム・ドライバー(21)に接続され、それぞれの指定されている電極配線に、所定の電圧を印加する。更に、ロー・ドライバー(22)及びカラム・ドライバー(21)は、制御部(23)に接続されていて、各ドライバーに対する電圧の印加を制御する。
ここで、1本のカソード配線(6A)とアノード配線(4A)に接続されている1組の有機EL素子(EL)とコンデンサー(24)を含む領域(U)が、一つの発光・タッチ検出ユニット(1発光素子単位)である。
〔有機ELディスプレイにおける発光期間とタッチ検出期間の全体のタイミングチャート〕
本発明の有機ELディスプレイにおいては、発光素子駆動回路ユニット(11)により制御する有機ELパネルが発光している発光期間(LT)と、タッチ検出回路ユニット(12)により制御するタッチ検出期間(ST)とを分離して駆動させることを特徴とする。本発明では、発光期間(LT)及びタッチ検出期間(ST)で構成される期間を、1フレーム期間(1FT)と称す。
図7は、図6で示したブロック図における発光期間とタッチ検出期間の一例を示す全体タイミングチャートである。
初めに、発光期間(LT)では、発光素子駆動回路ユニット(11)で制御しながら、各行単位で、順次電圧を印加しながら、1本のカソード配線(6A)とアノード配線(4A)に接続されている1組の有機EL素子(EL)を発光させていく。
マトリックス状に配置されている有機EL素子の発光が完了した後、タッチ検出回路ユニット(12)で制御しながら、タッチ検出期間(ST)に移行する。タッチ検出期間における詳細な制御方法については、後述する。
本発明の有機ELディスプレイにおける発光期間(LT)、タッチ検出期間(ST)及び1フレーム期間(1FT)としては、特に制限はなく、適用する環境に適した条件を適宜選択することができるが、一例としては、OLEDの発光期間(LT)としては、1行あたりの発光期間としては、1/Ndutyとなる。1フレーム期間(1FT)としては、16.67msec以下の範囲内とすることが好ましい。また、1フレーム期間(1FT)としては、フリッカ低減の目的からは、60Hz以上とすることが好ましい。
次いで、本発明におけるタッチ検出期間における制御方法について、図を交えて説明する。
〔実施態様1:スキャンなし、全タッチ電極に同一検出波形の電圧を印加する方式〕
図8は、本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出方法の一例(実施態様1)を示すタッチ検出期間のタイミングチャートで、スキャンは行わずに、一括して全タッチ電極に同一検出波形の電圧を印加してタッチ検出する方法である。この実施態様1で示す方法では、タッチ検出領域(U)ごとに、タッチ検出回路ユニット(12)を具備させることが必要となる。すなわち、図6のブロック図に示すような構成では、N+M個のタッチ検出回路ユニット(12)をそれぞれ接続し、検出領域(U)ごとにタッチ検出を行う。
すなわち、実施態様1においては、タッチ検出回路ユニット(12)数が増加するという課題は有しているが、1行〜N行、1列〜M列の全ての電極について、スキャンなしに一括してタッチ検出を行うことができるという利点を有している。すなわち、1フレーム期間(1FT)におけるタッチ検出期間(ST)を短く設定することができる。
〔実施態様2:スキャンあり、全タッチ電極に同一検出波形の電圧を印加し順次タッチ検出する方法〕
本発明においては、タッチ検出期間中に、アノードとカソード間の寄生容量を排除するため、アノードとカソードに同一検出波形の電圧を印加して、タッチ検出を行う方法が好ましい態様である。
図9は、本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出方法の一例(実施態様2)を示すタッチ検出期間を示すタイミングチャートである。
実施態様2においては、全タッチ電極(M本のアノードとN本のカソード)に同一検出波形の電圧を印加した状態で、順次スキャンを行ってタッチ検出する。スキャン回数は、組み込まれているタッチ検出回路ユニット数による。
図9に示すタッチ検出期間タイミングチャートでは、左側より、1行目、2行目、・・・N行目、続いて、1列名、2列目、・・・、M列目と、順次タッチ検出を行う。この時、各タッチ電極には同一検出波形の電圧を印加し、検出回路に接続されるタッチ電極をスイッチにより切り替えを行う。
実施態様2における全タッチ電極に同一検出波形の電圧を印加した状態で、順次タッチ検出を行う具体的な方法について、図10を用いて説明する。
図10は、実施態様2のタッチ検出における制御方法と検出期間における波形の一例を示す模式図である。
各タッチ電極(1行〜N行、1列〜M列)は一つの検出回路に接続されており、各タッチ電極と検出回路間には、タッチ検出を制御するためのスイッチ(Sw1行〜SwN行、Sw1列〜SwM列)が配置されている。
対象となるタッチ電極に接続されているスイッチをオンとすることにより、タッチ電極とタッチ検出回路ユニットとを接続して、タッチ検出を行う。例えば、全スイッチをオフにした状態で、第1ステップとして、カソードの1行目のスイッチSw1行を「オン」にして、タッチ検出回路ユニットと接続してタッチ検出を行う。第2ステップとしては、スイッチSw1行を「オフ」にして、カソードの2行目のスイッチSw2行を「オン」にして、タッチ検出回路ユニットと接続してタッチ検出を行う。このような操作を、カソードの3行目からアノードのM列まで、各スイッチを介して順次検出回路ユニットと接続して、タッチ検出を行う。
この時、タッチ検出中は、全タッチ電極にはタッチ検出回路ユニットに接続されていない期間中でも、検出波形と同電位の波形が印加されている。
〔実施態様3:スキャンあり、タッチ検出をしている電極と、それに交差する電極に同一検出波形の電圧を印加してタッチ検出する方法〕
本発明の有機ELディスプレイを用いたタッチ検出方法として、タッチ検出期間中においては、アノードとカソード間の寄生容量を排除するため、タッチ検出する電極と、それに交差する全電極に同一検出波形の電圧を印加する方法が好ましい態様(実施態様3)である。
実施態様3におけるタッチ検出方法としては、タッチ検出を行っているタッチ電極と、その電極に直交する電極群には同一の検出波形の電圧を印加し、検出対象のタッチ電極に平行なその他の電極群には、同一検出波形(フローティング電位)、若しくはHi−Z状態にして、スキャンしながらタッチ検出を行う方法である。
図11は、本発明の有機ELディスプレイにおけるタッチ検出方法の一例(実施態様3)を示すタッチ検出期間のタイミングチャートである。
図11に示す方法では、検出対象のタッチ電極に平行なその他の電極群をHi−Z状態にして、タッチ検出を行う方法の一例を示してある。
Hi−Z状態とは、前述のように、ハイ・インピーダンス(高抵抗値)状態ともいい、インピーダンスをZで表示するため、Hi−Zと表示する。このハイ・インピーダンスは、回路が解放(オープン)されている状態、つまり断線している状態である。本発明においては、タッチ検出電極と同一行、又は同一列の複数のタッチ電極配線が同時に機能していては、正常なタッチ検出を行うことができないため、アクセスする以外のタッチ電極配線の接続を切断する必要があり、このような目的で、切断対象の電極配線をハイ・インピーダンス状態とすることにより、正確なタッチ検出を行うことができる。
図11に示すタイミングチャートに従って説明すると、第1ステップとして、アノードの1列目を検出する場合には、1列目のアノードと、図6で示すように当該1列目のアノードと直交するカソード群である1行目〜N行目のカソードに同一検出波形の電圧を印加する。このとき、1列目と平行なアノードである2列名〜M列目まではHi−Z状態として、タッチ検出に関与しない状態にする。次いで、第2ステップとして、アノードである2列目を検出する場合には、2列目のアノードと、当該2列目のアノードと直交するカソード群である1行目〜N行目のカソードに同一検出波形の電圧を印加する。このとき、2列目と平行なアノードである1列目、3列目〜M列目までは、Hi−Z状態として、タッチ検出に関与しない状態にする。このような操作を、M列目まで行う。
次いで、1行〜N行のカソードによるタッチ検出を行う。第1ステップとして、カソードである1行目を検出する場合には、1行目のカソードと、当該1行目のカソードと直交するアノード群である1列目〜M列目のアノードに同一検出波形の電圧を印加する。この時、1行目と平行なカソードである2行名〜N行目までは、Hi−Z状態として、タッチ検出に関与しない状態にする。以降、2行目〜N行目も同様の操作を行って、スキャン方式でタッチ検出を行う。
〔タイミングチャートの総括〕
図12は、本発明の有機ELディスプレイ全体のタイミングチャートの時間構成を示す概略図である。
上記説明した実施態様1〜3におけるタイミングチャート全体の時間構成について、まとめて説明する。
図12に示す(1)は、実施態様1における時間構成である。実施態様1は、前述のとおり全電極に同一検出波形の電圧を印加し、スキャンなしにタッチ検出する方法で、それぞれのタッチ検出領域(U)ごとに、N+M個のタッチ検出回路ユニット(12)を配置することにより、スキャンなしに一括検出することができる方法である。
このような実施態様1においては、1フレーム期間(1FT)内に占めるタッチ検出期間(ST)を短く設定することができ、より長い発光期間(LT)を確保することができる。
このとき、1フレーム期間(FT)としては、60Hz以上で、16.67msec.となる。
図12の(2)に示すタイミングチャートの時間構成は、実施態様2及び実施態様3の例を示しており、一つのタッチ検出回路ユニットを用い、各行(カソード)及び列(アノード)をスキャンして、タッチ検出する方法であり、(1)の方法に比較すると、タッチ検出期間(ST)が長くなり、その影響で、発光期間(LT)は短くなる。しかしながら、(1)の実施態様1に記載の方法に比較し、タッチ検出回路ユニットを一つで対応が可能であるため、回路設計上は極めて簡単な構成となり、製造上のコストを低く抑えることができる。
《有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成》
有機ELディスプレイ(1)を構成する有機ELパネル(2)は、例えば、前記図2で例示したように、透明基材(3)上に、アノード(4、陽極)と、有機機能層ユニット(5)が積層されて、発光領域を構成している。有機機能層ユニット(5)の上部には、カソード(6、陰極)が積層されて、有機EL素子を構成している。この有機EL素子の外周部を封止用接着剤(7)で封止され、その表面に、封止部材(8)が配置され、有機ELパネル(2)を構成している。
以下に、有機EL素子の構成の代表例を示す。
(i)アノード/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/カソード
(ii)アノード/正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/カソード
(iii)アノード/正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/カソード
(iv)アノード/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/カソード
(v)アノード/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/カソード
(vi)アノード/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/カソード
更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。中間層は電荷発生層であってもよく、マルチフォトンユニット構成であってもよい。
更に、有機EL素子を構成する構成部材及び構成層の詳細について説明する。
〔透明基材〕
本発明に係る有機EL素子に適用可能な透明基材(3)としては、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を挙げることができる。好ましく用いられる透明基材(3)としては、ガラス、石英、樹脂フィルムを挙げることができる。本発明でいう透明とは、可視光領域における平均光透過率が60%で以上であることをいい、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。
ガラス材料としては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、隣接する層との密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜を形成することができる。
樹脂フィルムを構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)及びアペル(商品名三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
有機EL素子においては、上記説明した透明基材(3)上に、必要に応じて、ガスバリアー層を設ける構成であってもよい。
ガスバリアー層を形成する材料としては、水分や酸素など、有機EL素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機物を用いることができる。更に、ガスバリアー層の脆弱性を改良するため、これら無機層と有機材料からなる有機層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
〔アノード、中間電極〕
有機EL素子を構成するアノード及び中間電極としては、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)、SnO及びZnO等の金属酸化物を挙げることができるが、金属又は金属を主成分とする合金であることが好ましく、更に好ましくは、銀又は銀を主成分とする合金である。
また、本実施態様の有機ELディスプレイでは、少なくともアノードから発光光を取り出す構成であるため、アノード及び中間電極は透明電極である。
透明電極を、銀を主成分として構成する場合、銀の純度としては、99%以上であることが好ましい。また、銀の安定性を確保するためにパラジウム(Pd)、銅(Cu)及び金(Au)等が添加されていてもよい。
透明電極は銀を主成分として構成されている層であるが、具体的には、銀単独で形成しても又は銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀・マグネシウム(Ag・Mg)、銀・銅(Ag・Cu)、銀・パラジウム(Ag・Pd)、銀・パラジウム・銅(Ag・Pd・Cu)、銀・インジウム(Ag・In)などが挙げられる。
上記電極を構成する各構成材料の中でも、本発明に係る有機EL素子を構成する陽極としては、銀を主成分として構成し、厚さが2〜20nmの範囲内にある透明陽極であることが好ましいが、更に好ましくは厚さが4〜12nmの範囲内である。厚さが20nm以下であれば、透明陽極の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、高い光透過率が維持されるため好ましい。
本発明でいう銀を主成分として構成されている層とは、透明陽極中の銀の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは銀の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは銀の含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは銀の含有量が98質量%以上である。また、本発明に係る透明陽極でいう「透明」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
透明陽極においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
また、本発明においては、電極が、銀を主成分として構成する透明陽極である場合には、形成する透明陽極の銀膜の均一性を高める観点から、その下部に、下地層を設けることが好ましい。下地層としては、特に制限はないが、窒素原子又は硫黄原子を有する有機化合物を含有する層であることが好ましく、当該下地層上に、透明陽極を形成する方法が好ましい態様である。
〔発光層〕
有機EL素子を構成する発光層は、発光材料が含有されている構成であることが好ましく、更には発光材料が、リン光発光化合物又は蛍光発光性化合物であることが好ましい。
この発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の厚さの総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
以上のような発光層は、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)及びインクジェット法等の公知の方法により形成することができる。
また発光層は、複数の発光材料を混合してもよく、リン光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)とを同一発光層中に混合して用いてもよい。発光層の構成としては、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう。)及び発光材料(発光ドーパント化合物ともいう。)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
〈ホスト化合物〉
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらにリン光量子収率が0.01未満であることが好ましい。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、又は複数種のホスト化合物を用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
発光層に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
〈発光材料〉
本発明で用いることのできる発光材料としては、リン光発光性化合物(リン光性化合物、リン光発光材料又はリン光発光ドーパントともいう。)及び蛍光発光性化合物(蛍光性化合物又は蛍光発光材料ともいう。)が挙げられる。
〈リン光発光性化合物〉
リン光発光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)でリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明においてリン光発光性化合物を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて、上記リン光量子収率として0.01以上が達成されればよい。
リン光発光性化合物は、一般的な有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)又は希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、少なくとも一つの発光層に、2種以上のリン光発光性化合物が含有されていてもよく、発光層におけるリン光発光性化合物の濃度比が発光層の厚さ方向で変化している態様であってもよい。
本発明においては、好ましいリン光発光性化合物としてはIrを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含む錯体が好ましい。
〈蛍光発光性化合物〉
蛍光発光性化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
〔発光層を除く有機機能層群〕
次いで、有機機能層ユニットを構成する発光層以外の各層について、電荷注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
(電荷注入層)
電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層としては、一般には、正孔注入層であれば、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、電子注入層であれば陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させることができるが、本発明においては、透明電極に隣接して電荷注入層を配置させることを特徴とする。また、中間電極で用いられる場合は、隣接する電子注入層及び正孔注入層の少なくとも一方が、本発明の要件を満たしていれば良い。
正孔注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、透明電極である陽極に隣接して配置される層である。
正孔注入層に用いられる材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン):PSS(ポリスチレンスルホン酸)、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)に代表されるベンジジン型や、MTDATA(4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン)に代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
ヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰極と発光層との間に設けられる層のことであり、陰極が本発明に係る透明電極で構成されている場合には、当該透明電極に隣接して設けられる。
電子注入層に好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデン、酸化アルミニウム等に代表される金属酸化物、リチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、本発明における透明電極が陰極の場合は、金属錯体等の有機材料が特に好適に用いられる。電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は1nm〜10μmの範囲が好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層の機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー及びチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(略称:TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン及びN−フェニルカルバゾール等が挙げられる。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲である。この正孔輸送層は、上記材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよい。
また、正孔輸送層の材料に不純物をドープすることにより、p性を高くすることもできる。
このように、正孔輸送層のp性を高くすると、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料から構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
単層構造の電子輸送層及び積層構造の電子輸送層において、発光層に隣接する層部分を構成する電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、カソードより注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれば良い。このような材料としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体及びオキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送層の材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した高分子材料又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(略称:Znq)等及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送層の材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法等の公知の方法により、薄膜化することで形成することができる。電子輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲内である。電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる単一構造であってもよい。
(阻止層)
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明した有機機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。例えば、正孔阻止(ホールブロック)層等を挙げることができる。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有する。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ、電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に適用する正孔阻止層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲である。
〔カソード〕
カソードは、有機機能層群や発光層に正孔を供給するために機能する電極膜であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO及びSnO等の酸化物半導体などが挙げられる。
カソードは、これらの導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させて作製することができる。また、第2電極としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましく、膜厚は通常5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、有機EL素子が、がソード電極側からも発光光Lを取り出す、両面発光型の場合には、光透過性の良好な陰極を選択して構成すればよい。
〔封止部材〕
有機EL素子を封止するのに用いられる封止手段としては、例えば、外周部に設けられた封止膜と、当該封止膜の上部に設けられた封止部材によって封止する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また透明性及び電気絶縁性は特に限定されない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板、フィルム、金属板、フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金が挙げられる。
封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、ポリマーフィルム及び金属フィルムを好ましく使用することができる。さらに、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3mL/m・24h・atm(1atmは、1.01325×10Paである)以下であって、温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましい。
封止用接着剤としては、例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の封止用接着剤を挙げることができる。また、封止用接着剤としては、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)の接着剤、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等のホットメルト型接着剤及びカチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域(発光領域)との間隙には、封止用接着剤の他には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
〔有機ELディスプレイの製造方法〕
有機ELディスプレイの製造方法としては、透明基材上に、複数列のアノード、中間電極を介して積層された複数の有機EL発光ユニット、複数列のカソードを積層して形成することができる。
以下で説明する有機ELディスプレイの製造方法を説明する。
まず、透明基材を準備し、該透明基材上に、所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲内の膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、M本のアノードを形成する。アノードは、各図に示すように、縦方向に複数の列となるように形成する。
次に、アノードが形成された透明基材上に、有機EL発光ユニットとして、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等を順に積層する。
有機EL発光ユニットを構成する各層の形成は、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法等があるが、均質な層が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法又はスピンコート法が特に好ましい。更に、層ごとに異なる形成方法を適用しても良い。これらの各層の形成に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度1×10−6〜1×10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、層厚0.1〜5μmの範囲内で、各条件を適宜選択することが望ましい。
次に、上述したアノードの形成方法及び有機EL発光ユニットと同様の方法で、上述した有機EL発光ユニット上に、横方向でN本のカソードを形成する。この時、M本のアノードと、N本のカソードは、それぞれ、平面視した際に重なる位置になるように形成する(図5)。
カソードの形成後、外周部に封止用接着剤を塗布して封止膜を形成し、上部に封止部材を設けることによって封止する。
ここで、封止膜による外周部の封止では、各電極の端子部分を露出させた状態で、透明基材上に、少なくとも各有機EL発光ユニットを覆うようにして封止する。
また、有機ELディスプレイの製造において、例えば、有機EL素子の各電極と、カラム・ドライバー又はロー・ドライバーとを電気的に接続するが、その際に用いることのできる電気的な接続部材としては、導電性を備えた部材であれば特に制限はないが、例えば、異方性導電膜(ACF)であることが好ましい態様である。
異方性導電膜(ACF)としては、例えば、熱硬化性樹脂に混ぜ合わせた導電性を持つ微細な導電性粒子を有する層を挙げることができる。本発明に用いることができる導電性粒子含有層としては、異方性導電部材としての導電性粒子を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明に係る異方性導電部材として用いることができる導電性粒子としては、特に制限はなく、例えば、金属粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。市販されているACFとしては、例えば、MF−331(日立化成製)などの、樹脂フィルムにも適用可能な低温硬化型のACFを挙げることができる。
金属粒子としては、例えば、ニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどが挙げられ、金属被覆樹脂粒子としては、例えば、樹脂コアの表面をニッケル、銅、金及びパラジウムのいずれかの金属を被覆した粒子が挙げられる。
《有機ELディスプレイの適用分野》
本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、スモールフォーマット化及び薄型化を達成し、工程の簡素化を達成することができる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであり、スマートフォンやタブレット等の各種スマートデバイスの他に、照明装置に好適に利用できる。
〔照明装置〕
本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、照明装置にも適用が可能である。本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを具備した照明装置としては、家庭用照明、車内照明、液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、スモールフォーマット化及び薄膜化を達成し、工程の簡素化を達成することができる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであり、スマートフォンやタブレット等の各種スマートデバイス及び照明装置に好適に利用できる。
1 有機ELディスプレイ
2 有機ELパネル
3 透明基材
4 アノード
4A タッチ検出電極を兼ねたアノード
5 有機機能層ユニット
6 カソード
6A タッチ検出電極を兼ねたカソード
7 封止用接着剤
8 封止部材
9 タッチ検出部
10 タッチ検出電極
11 発光素子駆動回路ユニット
12 タッチ検出回路ユニット
21 カラム・ドライバー
22 ロー・ドライバー
23 制御部
EL 有機EL素子
1FT 1フレーム期間
Cf 指触時の静電容量
LT 発光期間
ST タッチ検出期間
Sw1行〜SwN行 カソード用スイッチ
Sw1列〜SwM列 アノード用スイッチ

Claims (10)

  1. 発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
    M本(Mは、1以上の整数。)のカソードと、
    N本(Nは、1以上の整数。)のアノードを有し、
    前記カソードとアノードがタッチ検出電極として機能し、
    有機エレクトロルミネッセンス素子の発光期間と、前記タッチ検出電極によるタッチ検出期間が時間的に分離され、
    前記タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響が排除されている
    ことを特徴とするパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  2. 前記M本のカソードと前記N本のアノードが、それぞれの対向する面間で直交配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  3. 前記タッチ検出期間中は、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除するため、前記アノードとカソードに同一検出波形の電圧が印加されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  4. 前記タッチ検出期間中は、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除するため、タッチ検出する電極と、それに交差する全電極に同一検出波形の電圧が印加されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  5. 前記カソードと前記アノードが、それぞれ2本以上で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  6. 発光機能とタッチ検出機能を有するパッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを用いたタッチ検出方法であって、
    前記パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、M本(Mは、1以上の整数。)のカソードと、N本(Nは、1以上の整数。)のアノードを有し、
    前記カソードとアノードがタッチ検出電極として機能し、
    有機エレクトロルミネッセンス素子の発光期間と、前記タッチ検出電極によるタッチ検出期間を時間的に分離し、
    前記タッチ検出期間中は、前記アノードとカソード間の寄生容量の影響を排除してタッチ検出することを特徴とするタッチ検出方法。
  7. 前記M本のカソードと前記N本のアノードを直交配置していることを特徴とする請求項6に記載のタッチ検出方法。
  8. 前記タッチ検出期間中において、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除する方法が、前記アノードとカソードに同一検出波形の電圧を印加する方法であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のタッチ検出方法。
  9. 前記タッチ検出期間中において、アノードとカソード間の前記寄生容量を排除する方法が、タッチ検出する電極とそれに交差する全電極に同一検出波形の電圧を印加する方法であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のタッチ検出方法。
  10. 前記パッシブマトリックス型有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを構成する前記カソードと前記アノードが、それぞれ2本以上で構成されていることを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか一項に記載のタッチ検出方法。
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