JP2020027088A - 炉心溶融物保持装置およびその設置方法ならびに原子炉施設 - Google Patents

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Daiki Takeyama
大基 竹山
佐藤 正幸
Masayuki Sato
正幸 佐藤
智香子 岩城
Chikako Iwaki
智香子 岩城
洋一 鬼塚
Yoichi Onizuka
洋一 鬼塚
美香 田原
Mika Tawara
美香 田原
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Abstract

【課題】原子炉格納容器内に炉心溶融物保持装置を設置する場合に、各部品の運搬や、組立てが簡易かつ短時間で確実に行えるようにする。【解決手段】実施形態に係る炉心溶融物保持装置は、内部に複数の底部流路33,34が形成されて炉心溶融物の下部を保持する底部構造体30と、底部流路33,34と連通する複数の側部流路36,37が内部に形成されて炉心溶融物の側部を保持する側部構造体31と、を有する。底部構造体30よび側部構造体31は、それぞれに部分流路133,134,136,137が形成された複数の構造体部品130,131が嵌め合い構造によって互いに連結されて構成され、複数の構造体部品130,131が互いに連結されたときに部分流路133,134,136,137が互いに連通するように構成されている。【選択図】図2

Description

この発明の実施形態は、炉心溶融物保持装置およびその設置方法ならびに原子炉施設に関する。
従来の水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断により冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐように設計されている。
しかしながら、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。このような事態に至った場合、高温の炉心溶融物が原子炉圧力容器の下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器下鏡を溶融貫通して、原子炉格納容器内の床上に落下するに至る。
炉心溶融物は、原子炉格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素や水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。発生した非凝縮性ガスは、原子炉格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器を破損させる可能性がある。また、コンクリートの溶融浸食により、原子炉格納容器のバウンダリが破損したり、原子炉格納容器の構造強度が低下したりする可能性がある。結果的に、炉心溶融物とコンクリートの反応が継続すると、原子炉格納容器の破損に至り、原子炉格納容器内の放射性物質が外部環境へ放出する恐れがある。
このような事象進展を防止する対策として、炉心溶融物保持装置を原子炉格納容器下部に設置する技術が知られている。炉心溶融物保持装置は、原子炉圧力容器下鏡を溶融貫通して落下した溶融炉心物を受け止めて保持する機能を持つ。炉心溶融物から発生する崩壊熱は、炉心溶融物保持装置内で受け止められた炉心溶融物の上面からの水による冷却と、炉心溶融物保持装置部に設けられた冷却流路において、ライザとダウンカマの間で発生する水と蒸気の密度差を駆動力として形成される水の自然循環により除熱される。この構造であれば、炉心溶融物保持装置の上部で炉心溶融物を保持することが可能となる。
特許第5306257号公報
従来知られた技術の炉心溶融物保持装置は、寸法上、圧力容器下部(新設炉では格納容器床の上、既設炉では円筒状のペデスタルで囲まれた空間内)に設置可能な大きさである。しかし、炉心溶融物保持装置を構成する冷却水流路は、複数流路がそれぞれ独立して設置されているか、取水口から排水口にかけて多数に分岐・集合している複雑構造であり、組立てが困難になると予想される。
特に、既に建設が完了し稼働している原子力発電所(以下、既設炉)では、圧力容器と炉心溶融物保持装置の間にはほとんど余分なスペースがないため、狭小なスペースで組み立て作業を行わなければならない。また、組立て時間が長くなると、作業員の被ばく量増加にもつながりかねない。さらに、炉心溶融物保持装置を構成する部材を、一般的な建屋内の通路や、点検用通路を経由して、主に人力で運び込まなければならないという課題もある。
この発明の実施形態は、原子炉格納容器内に炉心溶融物保持装置を設置する場合に、各部品の運搬や、組立てが簡易かつ短時間で確実に行えるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、実施形態に係る炉心溶融物保持装置は、原子炉格納容器内において、原子炉圧力容器の下方かつ前記原子炉格納容器の底部の上方で、前記原子炉圧力容器を支持する筒状のペデスタルの側壁で囲まれたペデスタル空間内に設置され、炉心溶融事故時に前記原子炉圧力容器から落下した炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置であって、内部に複数の底部流路が形成されて前記炉心溶融物の下部を保持する底部構造体と、前記底部流路と連通する複数の側部流路が内部に形成されて前記炉心溶融物の側部を保持する側部構造体と、を有し、前記底部構造体または前記側部構造体の少なくとも一方は、それぞれに部分流路が形成された複数の構造体部品が嵌め合い構造によって互いに連結されて構成され、前記複数の構造体部品が互いに連結されたときに前記部分流路が互いに連通するように構成されていること、を特徴とする。
また、実施形態に係る原子炉施設は、炉心と、前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器内に配置されて、前記原子炉圧力容器の下方かつ前記原子炉格納容器の底部の上方で、前記原子炉圧力容器を支持する筒状の側壁を有するペデスタルと、前記原子炉格納容器内で、前記ペデスタルの側壁で囲まれたペデスタル空間内に設置され、炉心溶融事故時に前記原子炉圧力容器から落下した炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置と、前記炉心溶融事故時に前記炉心溶融物保持装置に冷却水を供給する注水装置と、を有する原子炉施設であって、前記炉心溶融物保持装置は、内部に複数の底部流路が形成されて前記炉心溶融物の下部を保持する底部構造体と、前記底部流路と連通する複数の側部流路が内部に形成されて前記炉心溶融物の側部を保持する側部構造体と、を有し、前記底部構造体または前記側部構造体の少なくとも一方は、それぞれに部分流路が形成された複数の構造体部品が嵌め合い構造によって互いに連結されて構成され、前記複数の構造体部品が互いに連結されたときに前記部分流路が互いに連通するように構成されていること、を特徴とする。
また、実施形態に係る炉心溶融物保持装置設置方法は、原子炉格納容器内で、原子炉圧力容器の下方かつ前記原子炉格納容器の底部の上方で、前記原子炉圧力容器を支持する筒状のペデスタルの側壁で囲まれたペデスタル空間内に、炉心溶融事故時に前記原子炉圧力容器から落下した炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置を設置する方法であって、前記ペデスタル空間内に、内部に部分流路が形成された複数の構造体部品を搬入する搬入ステップと、前記搬入ステップの後に、前記部分流路同士が互いに連通するように、前記複数の構造体部品同士を、当該複数の構造体部品に設けられた嵌め合い構造を用いて互いに連結する連結ステップと、を有することを特徴とする。
この発明の実施形態によれば、原子炉格納容器内に炉心溶融物保持装置を設置する場合に、各部品の運搬や、組立てが簡易かつ短時間で確実に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る原子炉施設を示す立断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置を示す立断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体における構造体部品の配列の一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体の組み立て手順を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体の組み立て手順を示す平面図であって、図7の次の手順を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す平面図であって連結前の状態を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す平面図であって連結完了の状態を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の横方向の連結状態を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る炉心溶融物保持装置におけるキーを示す斜視図である。 本発明の第7の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を模式的に示す斜視図である。 本発明の第8の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を模式的に示す斜視図である。 本発明の第9の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体における構造体部品の配列を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置を備えた原子力施設の模式的立断面図である。
図1に示す原子力施設100は沸騰水型原子力施設であって、原子炉格納容器12内に原子炉圧力容器10が配置されている。原子炉圧力容器10内に炉心11が収容されている。原子炉格納容器12内空間は、原子炉圧力容器10を収容するドライウェル13と、圧力抑制プール14を収容するウェットウェル15とを含む。ドライウェル13と圧力抑制プール14はベント管16で連絡している。
原子炉圧力容器10は、上部が開放された円筒状のペデスタル17によって支持されている。ペデスタル底部25は、原子炉格納容器底部18で支持されている。原子炉圧力容器10の下方でペデスタル17によって囲まれた空間をペデスタル空間19と呼ぶ。ペデスタル17、ペデスタル底部25、および原子炉格納容器底部18はコンクリート製である。
ペデスタル空間19内に炉心溶融物保持装置21が配置されている。炉心溶融物保持装置21は、後述するように、炉心溶融事故時に、原子炉圧力容器10の底部を突き破って落下する炉心溶融物を保持し、冷却できる構造となっている。
事故時に原子炉格納容器12の外側から炉心溶融物保持装置21の上方に冷却水を供給するための注水装置22が設けられている。注水装置22は、注水配管23と注水弁24を含む。注水弁24は、注水配管23の途中でペデスタル空間19内に設けられている。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置を示す立断面図である。図3は、第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体における構造体部品の配列の一部を示す平面図である。
炉心溶融物保持装置21は、ペデスタル底部25の上に配置されてほぼ円形に広がる底部構造体30と、底部構造体30の外周に接続されてペデスタル17の側壁内面に沿って立ち上がる円筒状の側部構造体31とを有する。底部構造体30の上面および側部構造体31の内面に沿って耐熱層32が形成されている。底部構造体30および側部構造体31は、たとえばステンレス鋼などの耐熱金属材料からなる。耐熱層32は、底部構造体30および側部構造体31よりもさらに融点が高い耐熱材料からなり、たとえば耐熱レンガなどのセラミックス製である。
底部構造体30内には、底部流路として、給水流路33と冷却流路34と給水チャンバ35が形成されている。給水流路33および冷却流路34は、それぞれが水平面内で放射状に延びている。給水流路33は下側に配置され、その上方に冷却流路34が配置されている。給水チャンバ35は底部構造体30の径方向中央に配置され、給水流路33および冷却流路34と連通している。
側部構造体31内には、側部流路として、ダウンカマ36とライザ37とが形成されている。ダウンカマ36およびライザ37は鉛直方向に延びている。ダウンカマ36はペデスタル17の側壁内面に沿って外側に配置され、ライザ37はダウンカマ36の内側に配置されている。ダウンカマ36の下端部は給水流路33の外周端部と連通し、ライザ37の下端部は冷却流路34の外周端部と連通している。ダウンカマ36およびライザ37の上端部は、ペデスタル空間19に開放している。
底部構造体30は、複数の底部構造体部品(単に「構造体部品」とも呼ぶ)130を嵌め合い構造によって互いに結合することにより構成されている。図3に示すように、各底部構造体部品130は上から見ると台形であって、互いに平行な2辺が周方向を向き、それら2辺のうちの短い辺が径方向内側になるように互いに隣接して配列され、径方向に並べられた底部構造体部品130の径方向列が全体で径方向に長い台形をなすように配列されている。この台形の複数の径方向列が互いに周方向に隣接して配列されて、全体でほぼ円形の底部構造体30が構成されている。
底部構造体部品130は上下に2段に重ねられている。下段の底部構造体部品130それぞれには径方向に延びる部分給水流路133が形成され、部分給水流路133が互いに連通して各給水流路33が形成されている。上段の底部構造体部品130それぞれには径方向に延びる部分冷却流路134が形成され、部分冷却流路134が互いに連通して各冷却流路34が形成されている。なお、給水流路33と冷却流路34とを合わせて底部流路とも呼ぶ。また、部分給水流路133と部分冷却流路134とを合わせて部分底部流路とも呼ぶ。
側部構造体31は、複数の側部構造体部品(単に「構造体部品」とも呼ぶ)131を、互いに隣接して円筒状に並べて、嵌め合い構造によって互いに結合することにより構成されている。複数の側部構造体部品131は、ペデスタル17の側壁内面に沿って円筒状に配列された外側とその内側の2重に配列されている。外側の側部構造体部品131それぞれには上下方向に延びる部分ダウンカマ136が形成され、部分ダウンカマ136が互いに連通してダウンカマ36が形成されている。内側の側部構造体部品131それぞれには上下方向に延びる部分ライザ137が形成され、部分ライザ137が互いに連通してライザ37が形成されている。
なお、ダウンカマ36とライザ37とを合わせて側部流路とも呼ぶ。また、部分ダウンカマ136と部分ライザ137とを合わせて部分側部流路とも呼ぶ。さらに、部分側部流路(部分ダウンカマ136および部分ライザ137)と、部分底部流路(部分給水流路133および部分冷却流路134)とを合わせて部分流路とも呼ぶ。
炉心溶融物保持装置21内の冷却水は、図2の直線矢印で示すように、初めにダウンカマ36の上端から下向きに流下し、つぎに給水流路33の径方向外側から内側に向かって流れ、つぎに給水チャンバ35内を上昇し、つぎに冷却流路34内を径方向内側から外側に向かって流れ、最後にライザ37内をその上端まで上昇する。
この実施形態で、炉心溶融事故が発生し、炉心溶融物が原子炉圧力容器10の底部を突き破って下降する場合について説明する。その場合、炉心溶融物は、炉心溶融物保持装置21の上方から落下して、底部構造体30の上の耐熱層32の上に堆積することが想定される。そのとき、注水弁24が開かれ、注水配管23を通じて、冷却水がペデスタル空間19内に注入される。冷却水は、前述のように、ダウンカマ36内を流下し、給水流路33、給水チャンバ35を経て冷却流路34を通り、ライザ37内をその上端まで上昇する。これにより、循環流路が形成される。
冷却水が冷却流路34およびライザ37を通るときに炉心溶融物からの熱によって加熱されて沸騰すると考えられる。そのため、冷却流路34およびライザ37の部分の冷却水の密度は、給水流路33およびダウンカマ36の部分の冷却水の密度よりも小さくなる。これにより、自然循環流路として上述の循環流路が形成される。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を示す斜視図である。図5は、第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。図6は、第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。
ここで、図4ないし図6を参照しながら、底部構造体部品130の構成について説明する。底部構造体部品130は、上述のように、上から見た形状がほぼ台形(図3参照)であるが、ここでは、説明の簡素化のために、上から見た形状がほぼ長方形であるとして示す。
底部構造体部品130は、水平に広がる天板70および底板71と、互いに平行な鉛直に広がる二つの側板68とを有する筒状であって、内部に、たとえば部分冷却流路134が形成されている。
なお、前述のように、底部構造体部品130のうちの上段をなすものには部分冷却流路134が形成され、下段をなすものには部分給水流路133が形成されている。
部分冷却流路134の一方の開口部に部分冷却流路134の方向に突出する流路方向突出部40が形成されている。さらに、流路方向突出部40から部分冷却流路134の方向に垂直に外側に向かって突出する横方向突出部41が形成されている。横方向突出部41は、流路方向外側に向かって幅が狭くなるように傾斜が設けられている。
部分冷却流路134の他方の開口部に部分冷却流路134の方向にくぼむ流路方向くぼみ部42が形成されている。さらに、流路方向くぼみ部42から部分冷却流路134の方向に垂直に外側に向かって横方向くぼみ部43が形成されている。
部分冷却流路134の方向に互いに隣接する第1および第2の底部構造体部品130を連結するときに、第1の底部構造体部品130の流路方向くぼみ部42は第2の底部構造体部品130の流路方向突出部40と嵌まり合う。また、第1の底部構造体部品130の横方向くぼみ部43は第2の底部構造体部品130の横方向突出部41と嵌まり合う。
第1および第2の底部構造体部品130を互いに連結するに当たっては、第1および第2の底部構造体部品130を部分冷却流路134の方向に互いに押し付ける。これにより、第1および第2の底部構造体部品130が弾性変形を起こす。そして、横方向くぼみ部43と横方向突出部41とが係合したときに、第1および第2の底部構造体部品130の復元力によって、図6に示すように、横方向くぼみ部43と横方向突出部41の係合が確定する。その後、部分冷却流路134の方向の押し付け力を解除しても、第1および第2の底部構造体部品130は結合したままとなる。このとき、第1および第2の底部構造体部品130の部分冷却流路134は互いに連通する。
以上、図4ないし図6を参照して、底部構造体部品130の構成およびそれらの結合構造(嵌め合い構造)について説明したが、側部構造体部品131の構成およびそれらの結合構造も同様である。
ここで、横方向突出部41および横方向くぼみ部43の「横方向」は、流路方向に交差する方向であれば、流路方向に垂直な方向である必要はない。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体の組み立て手順を示す平面図である。図8は、第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体の組み立て手順を示す平面図であって、図7の次の手順を示す図である。
ここでは、図7および図8を参照して、第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体30の組み立て手順について説明する。
初めに、図7に示すように、底部構造体部品130を外側から内側に順次嵌め合いながら組み立てて、径方向に結合された径方向の列を形成し、結合された径方向の列の周方向に隣接させて次の径方向の列を径方向外側から形成していく(外・内配列ステップ)。図7は、底部構造体部品130の径方向列を順次組み立てて最後から2番目の径方向列の外側から3個目までの底部構造体部品130を並べた状態を示している。
底部構造体部品130を径方向外側から内側に順次嵌め合いながら組み立てるに当たっては、たとえば、内側にジャッキを配置して、内側の底部構造体部品130をその径方向外側の底部構造体部品130に押し付けて嵌め合いを行う。このとき、最外周の底部構造体部品130は、たとえば、ペデスタル17の側壁内側で固定する。あるいは、外周を固定するためのストッパ(図示せず)をペデスタル底部25に固定してもよい。
上述のように、底部構造体部品130の径方向列を順次並べて最後から2番目の径方向列までは、径方向列の外側から内側に向かって順次組み立てていく。
つぎに、最後の径方向列の組み立てに当たっては、図8に示すように、径方向列の内側から外側に向かって順次組み立てる(内・外配列ステップ)。このとき、順次、新しい底部構造体部品130を径方向外側から内側に向かって押し付けて嵌め合いを行う。この最後の径方向列の径方向最も内側の底部構造体部品130は、たとえばスットッパ(図示せず)によってペデスタル底部25に固定する。図8は、最後の径方向列の内側から3個目までの底部構造体部品130を組み立てた状態を示している。最後の径方向列の組み立てを内側から外側に向かって進める理由は、各底部構造体部品130が径方向内側に向かって幅が狭くなっているため、各底部構造体部品130を水平に移動するためには、外側から移動する必要があるからである。
前述のように底部構造体30では、複数の底部構造体部品130が、上下2段に配置され、上段に給水流路33が形成され、下段に給水流路33が形成される。底部構造体30の組み立てに当たっては、たとえば、初めに下段の底部構造体部品130をすべて組み立てて、その次に上段の底部構造体部品130を組み立てることができる。また、他の手順として、下段の1個の底部構造体部品130とその上に載置される上段の1個の底部構造体部品130を1組にしてこれら2個ずつを順次組み立てていくという手順でもよい。
以上説明したように、この実施形態によれば、底部構造体30および側部構造体31は、複数の底部構造体部品130、側部構造体部品131などを組み合わせることによって構成されている。そのため、個々の構造体部品130、131などを十分に小さく軽いものとすることができ、それによって、既設の原子力施設100に炉心溶融物保持装置21を追加設置する作業を容易に行うことができる。
より具体的には、底部構造体部品130、側部構造体部品131などを、建屋の通路や階段、ドアなどを通じて、たとえば人力によって、ペデスタル空間19内に搬入することができる。
さらに、互いに隣接する底部構造体部品130同士、および側部構造体部品131同士が嵌め合いによって結合されるので、組み立てが容易であり、しかも、耐震性にも優れている。
なお、第1の実施形態の変形例として、構造体部品130、131に横方向突出部41と横方向くぼみ部43を形成しない構成とすることも可能である。その場合は横方向突出部41と横方向くぼみ部43の係合がないので、構造体部品130、131の流路方向の相対的な動きを止めることができず、耐震効果が限定的であるが、流路方向に垂直な方向の相対的な動きを止めることができる。また、その場合は、結合にあたって、構造体部品130、131を弾性変形させる必要がないので、これらを流路方向に押し付ける必要ななく、作業が容易になる。
[第2の実施形態]
図9は、本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を示す斜視図である。図10は、第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。図11は、第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。
この第2の実施形態は、第1の実施形態の変形であって、図1ないし図3、図7および図8に示す構成は第1の実施形態と共通である。
この第2の実施形態では、各底部構造体部品130のたとえば部分冷却流路134の方向の一端に流路方向突出部50が形成され、他端に流路方向くぼみ部60が形成されている。部分冷却流路134の方向に互いに隣接する第1および第2の底部構造体部品130を連結するときに、第1の底部構造体部品130の流路方向くぼみ部60は第2の底部構造体部品130の流路方向突出部50と嵌まり合う。
流路方向突出部50の先端には、先端に向かって細くなる先端テーパ部51が形成されている。また、先端テーパ部51の根元側には根元側に向かって細くなる中間テーパ部52が形成され、さらに中間テーパ部52の根元側には根元側に向かって太くなる根元側テーパ部53が形成されている。
流路方向くぼみ部60は、隣接する他の底部構造体部品130の流路方向突出部50と嵌め合う形状となっている。すなわち、流路方向くぼみ部60の奥部には、流路方向突出部50の先端テーパ部51に適合するように奥部に向かって狭くなるテーパ状の最奥縮小部61が形成されている。また、流路方向くぼみ部60の最奥縮小部61の開口部側には、流路方向突出部50の中間テーパ部52に適合するように奥に向かって広がる中間テーパ部62が形成され、中間テーパ部62の開口側には、流路方向突出部50の根元側テーパ部53に適合するように開口部に向かって広がる開口テーパ部63が形成されている。
この第2の実施形態で、部分冷却流路134の方向に隣接する2個の底部構造体部品130を結合するに当たっては、これらの底部構造体部品130をその流路方向に互いに押し付ける。はじめに先端テーパ部51と開口テーパ部63とが当接し、さらに押し付けると、底部構造体部品130が弾性変形して、流路方向突出部50と流路方向くぼみ部60との嵌め合いが進み、最終的には、図11に示すように、流路方向突出部50の先端テーパ部51、中間テーパ部52、根元側テーパ部53がそれぞれ、流路方向くぼみ部60の最奥縮小部61、中間テーパ部62、開口テーパ部63と面同士で接触する。
嵌め合い完了後に押し付け力を解除しても、嵌め合いにより、流路方向およびその垂直な方向への構造体部品130同士の相対的な動きが拘束される。また、これらの底部構造体部品130の部分冷却流路134は互いに連通する。
以上、図9ないし図11を参照して、底部構造体部品130の構成およびそれらの結合構造(嵌め合い構造)について説明したが、側部構造体部品131の構成およびそれらの結合構造も同様である。
この第2の実施形態によれば、簡単な構造で、構造体部品130、131同士の結合を行うことができ、高い耐震性も得られる。
[第3の実施形態]
図12は、本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を示す斜視図である。図13は、第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す平面図であって連結前の状態を示す図である。図14は、第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す平面図であって連結完了の状態を示す図である。
この第3の実施形態は、第1の実施形態の変形であって、図1ないし図3、図7および図8に示す構成は第1の実施形態と共通である。
この第3の実施形態では、各底部構造体部品130のたとえば部分冷却流路134の天板70と底板71それぞれの部分冷却流路134方向の一端に流路方向突出部72が形成され、他端に流路方向くぼみ部73が形成されている。部分冷却流路134の方向に互いに隣接する第1および第2の底部構造体部品130を連結するときに、図14に示すように、第1の底部構造体部品130の流路方向くぼみ部73は第2の底部構造体部品130の流路方向突出部72と嵌まり合う。
流路方向突出部72は、幅広先端部74と、幅狭根元部75とからなり、流路方向くぼみ部73は、幅広奥部76と、幅狭開口部77とからなる。幅広先端部74は幅広奥部76と適合し、幅狭根元部75は幅狭開口部77と適合する。
第1および第2の底部構造体部品130を連結するに当たっては、初めに第1の底部構造体部品130を水平な床の上に設置し、つぎに、第2の底部構造体部品130が第1の底部構造体部品130と嵌まり合う位置の上方から第2の底部構造体部品130を下して第1および第2の底部構造体部品130が同じ高さになるように並べればよい。この第3の実施形態では、構造体部品130同士を流路方向に押し付ける必要はない。
以上、図12ないし図14を参照して、底部構造体部品130の構成およびそれらの結合構造(嵌め合い構造)について説明したが、側部構造体部品131の構成およびそれらの結合構造も同様である。
以上の説明では、天板70および底板71に流路方向突出部72および流路方向くぼみ部73を形成するものとしたが、変形例として、側板68に流路方向突出部72および流路方向くぼみ部73を形成してもよい。その場合は流路方向突出部72と流路方向くぼみ部73を嵌め合わせるために、流路方向に隣接する構造体部品130,131同士を相対的に上下に移動させる代わりに横方向に移動させればよい。
さらに、上記説明では流路方向に隣接する構造体部品130,131同士を組み合わせるために、それらの構造体部品130,131を流路方向に垂直な方向に移動させるものとしたが、必ずしも垂直方向に移動させる構造とする必要はなく、流路方向に対して斜めの方向に移動させて組み合わせる構造としてもよい。
[第4の実施形態]
図15は、本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。図16は、第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。
この第4の実施形態は、第1の実施形態の変形であって、図1ないし図4、図7および図8に示す構成は第1の実施形態と共通である。さらに、流路方向突出部40、横方向突出部41、流路方向くぼみ部42、横方向くぼみ部43の構成も第1の実施形態とほぼ同様である。
この第4の実施形態では、流路方向突出部40の先端と流路方向くぼみ部42の最奥部とが対向する位置に環状のガスケット80が挟み込まれている。ガスケット80は、構造体部品130、131よりも熱膨張率が大きい材料からなる。
流路方向突出部40と流路方向くぼみ部42とが互いに押し付けられて嵌め合わされるときにガスケット80は流路方向に圧縮されて弾性変形する。流路方向突出部40と流路方向くぼみ部42との結合が完了するとこれらへの流路方向の押圧力は解除される。そのとき、ガスケット80にかかった押圧力は軽減されるが、ガスケット80の復元力によって流路方向に伸びるので、ある程度の圧縮応力を維持し、それによってシール性を保つことができる。
さらに、炉心溶融事故時に、構造体部品130、131およびガスケット80が通常時よりも高温になると、熱膨張率の違いによってガスケット80が構造体部品130、131よりも大幅に膨らむので、炉心溶融事故時のシール性を高めることができる。
上記説明では、流路方向突出部40の先端と流路方向くぼみ部42の最奥部とが対向する位置に環状のガスケット80が挟み込まれているとしたが、構造体部品130、131同士の連結部の面同士で互いに対向する位置であれば、ガスケット80の位置は変更してもよい。
以上の説明では、第1の実施形態の変形としてガスケット80を追加するものとしたが、第2または第3の実施形態の変形として、ガスケット80を追加することも可能である。その場合も、構造体部品130、131同士の連結部の面同士で互いに対向する位置にガスケット80を配置すればよい。
[第5の実施形態]
図17は、本発明の第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結前の状態を示す図である。図18は、第5の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の連結部を示す縦断面図であって連結完了の状態を示す図である。
この第5の実施形態は、第1の実施形態の変形であって、図1ないし図4、図7および図8に示す構成は第1の実施形態と共通である。さらに、流路方向突出部40および流路方向くぼみ部42の構成も第1の実施形態とほぼ同様である。
この第5の実施形態では、流路方向突出部40に横方向突出部41(図4〜図6)が形成されておらず、これに代えて、流路方向くぼみ部42内で部分冷却流路134の方向に垂直に内側に向かって突出する横方向突出部85が形成されている。また、流路方向くぼみ部42内に横方向くぼみ部43(図5、図6)が形成されておらず、これに代えて、流路方向突出部40に横方向くぼみ部86が形成されている。横方向突出部85には、流路方向くぼみ部42の奥に向かって突出高さが高くなるような傾斜が設けられている。
このような構成であっても、第1の実施形態と同様に、流路方向に互いに隣接する2個の構造体部品130を流路方向に押し付けることによって、横方向突出部85を横方向くぼみ部86内に入れて係合させて、押しつけ力を解除した後も係合を維持することができる。
[第6の実施形態]
図19は、本発明の第6の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品同士の横方向の連結状態を示す斜視図である。ただし、構造体部品同士の流路方向の連結構造の図示は省略する。図20は、第6の実施形態に係る炉心溶融物保持装置におけるキーを示す斜視図である。
この第6の実施形態は、上述の第1ないし第5の実施形態のいずれかの変形であって、図1ないし図3、図7および図8に示す構成は第1ないし第5の実施形態と共通である。構造体部品130、131の各流路方向の連結構造は、第1ないし第5の実施形態と共通であるが、ここでは図示も説明も省略する。
図19に示す例では、構造体部品130それぞれに部分冷却流路134が形成されている。各構造体部品130の側板68の外側に流路方向に延びるキー溝90が形成されている。横方向(流路方向に垂直な方向)に互いに隣接する2個の構造体部品130の対向する側板68のキー溝90に共通のキー91を挿入することにより、それら2個の構造体部品130が互いに結合される構造になっている。
この第6の実施形態によれば、第1ないし第5の実施形態の効果を得られるとともに、構造体部品130,131同士が横方向に連結されるので、さらに耐震性に優れた構造を実現することができる。
[第7の実施形態]
図21は、本発明の第7の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を模式的に示す斜視図である。ただし、図21では構造体部品の連結構造の図示を省略している。
この第7の実施形態は、上記第1ないし第6の実施形態のいずれかの変形である。第1ないし第6の実施形態では各構造体部品130、131に一つの部分流路が形成されているものとしたが、この第7の実施形態では、一つ構造体部品130、131に、互いに平行な二つの部分流路が形成されている。たとえば、図21に示すように、一つの底部構造体部品130に、部分冷却流路134と部分給水流路133が形成されている。同様に、図示は省略するが、一つの側部構造体部品131に、部分ダウンカマ136と部分ライザ137(図2参照)が形成されている。
この実施形態によれば、構造体部品130、131の数を少なくし、組み立て作業の時間短縮を図ることができる。また、炉心溶融物保持装置の全体強度を高めることができる。ただし、各構造体部品130、131が大きく、重くなるので、設置場所への搬入や組み立て時の各構造体部品130、131の取り扱いの便宜を考慮して、各構造体部品130、131の大きさや重さを決める必要がある。
[第8の実施形態]
図22は、本発明の第8の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の構造体部品を模式的に示す斜視図である。ただし、図22では、図21と同様に、構造体部品の連結構造の図示を省略している。
この第8の実施形態は第7の実施形態の変形である。この第8の実施形態では、第7の実施形態とほぼ同様に、一つ構造体部品130、131に、互いに平行な二つの部分流路が形成される。ただし、たとえば、図22に示すように、一つの底部構造体部品130に、あらかじめ部分冷却流路134が形成されているが、部分給水流路が形成されるべき位置には部分給水流路溝140が形成されている。この底部構造体部品130をペデスタル底部25に沿って並べて配置することにより、部分給水流路溝140とペデスタル底部25とによって部分給水流路が形成されることになる。
同様に、図示は省略するが、一つの側部構造体部品131に、部分ダウンカマ136と、部分ライザ137(図2参照)に対応する溝が形成されている。この溝がペデスタル17の側壁内面に対向するように側部構造体部品131をペデスタル17の側壁内面に接して配置することにより、部分ライザ137が形成される。
これにより、第7の実施形態と同様に、冷却流路34、給水流路33、ダウンカマ36、ライザ37を形成することができる。また、構造体部品130、131の数を少なくし、組み立て作業の時間短縮を図ることができる。また、炉心溶融物保持装置の全体強度を高めることができる。
[第9の実施形態]
図23は、本発明の第9の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の底部構造体における構造体部品の配列を示す平面図である。
上記各実施形態では、図3、図7、図8に示すように、底部構造体30では、上から見てほぼ台形の底部構造体部品130が放射状(径方向)に並べられ、各冷却流路34および各給水流路33が径方向に延びるものとした。
この第9の実施形態では、底部構造体30の水平面内の中央を通って水平方向に直線的に延びる給水チャンバ95が形成されている。各冷却流路34および各給水流路33(図2参照)は、給水チャンバ95に垂直に交差する方向に、互いに平行に水平に延びている。各底部構造体部品130は、上から見てほぼ同じ形状で同じ大きさの長方形であって、給水チャンバ95が延びる方向およびそれに垂直な方向に格子状に並んでいる。
その他の構造は、第1ないし第8の実施形態と同様である。
この第9の実施形態では、各底部構造体部品130を同じ大きさ同じ形状とすることができるので、部品の種類を少なくでき、組み立て作業の効率化を図ることができる。
また、上述の第1ないし第8の実施形態の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
上記第1ないし第5の実施形態で、各底部構造体部品130の流路方向の一端に流路方向突出部40が形成され、他端に流路方向くぼみ部42が形成されているものとした。これらの変形例として、たとえば、両端に流路方向突出部40が形成された底部構造体部品130と、両端に流路方向くぼみ部42が形成された底部構造体部品130とを交互に連結することもできる。
上記実施形態の説明では、底部構造体30は水平に広がる円板状であるとしたが、他の例として、給水チャンバ35,95を最も低い位置として、外側ほど高い位置となるような傾斜を設けてもよい。それにより、冷却水の流路の自然循環を促進する効果も得られる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…原子炉圧力容器、 11…炉心、 12…原子炉格納容器、 13…ドライウェル、 14…圧力抑制プール、 15…ウェットウェル、 16…ベント管、 17…ペデスタル、 18…原子炉格納容器底部、 19…ペデスタル空間、 21…炉心溶融物保持装置、 22…注水装置、 23…注水配管、 24…注水弁、 25…ペデスタル底部、 30…底部構造体、 31…側部構造体、 32…耐熱層、 33…給水流路(底部流路)、 34…冷却流路(底部流路)、 35…給水チャンバ、 36…ダウンカマ(側部流路)、 37…ライザ(側部流路)、 40…流路方向突出部、 41…横方向突出部、 42…流路方向くぼみ部、 43…横方向くぼみ部、 50…流路方向突出部、 51…先端テーパ部、 52…中間テーパ部、 53…根元側テーパ部、 60…流路方向くぼみ部、 61…最奥縮小部、 62…中間テーパ部、 63…開口テーパ部、 68…側板、 70…天板、 71…底板、 72…流路方向突出部、 73…流路方向くぼみ部、 74…幅広先端部、 75…幅狭根元部、 76…幅広奥部、 77…幅狭開口部、 80…ガスケット、 85…横方向突出部、 86…横方向くぼみ部、 90…キー溝、 91…キー、 95…給水チャンバ、 100…原子力施設(沸騰水型原子力施設)、 130…底部構造体部品(構造体部品)、 131…側部構造体部品(構造体部品)、 133…部分給水流路(部分流路、部分底部流路)、 134…部分冷却流路(部分流路、部分底部流路)、 136…部分ダウンカマ(部分流路、部分側部流路)、 137…部分ライザ(部分流路、部分側部流路)、 140…部分給水流路溝

Claims (13)

  1. 原子炉格納容器内において、原子炉圧力容器の下方かつ前記原子炉格納容器の底部の上方で、前記原子炉圧力容器を支持する筒状のペデスタルの側壁で囲まれたペデスタル空間内に設置され、炉心溶融事故時に前記原子炉圧力容器から落下した炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置であって、
    内部に複数の底部流路が形成されて前記炉心溶融物の下部を保持する底部構造体と、
    前記底部流路と連通する複数の側部流路が内部に形成されて前記炉心溶融物の側部を保持する側部構造体と、
    を有し、
    前記底部構造体または前記側部構造体の少なくとも一方は、それぞれに部分流路が形成された複数の構造体部品が嵌め合い構造によって互いに連結されて構成され、前記複数の構造体部品が互いに連結されたときに前記部分流路が互いに連通するように構成されていること、
    を特徴とする炉心溶融物保持装置。
  2. 前記複数の構造体部品のうちの少なくとも一部の複数の構造体部品のそれぞれが、
    前記部分流路の方向に突出する流路方向突出部と、
    前記部分流路の方向にくぼんで、隣接する他の前記構造体部品の前記流路方向突出部が嵌まる流路方向くぼみ部と、
    の少なくとも一方を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の炉心溶融物保持装置。
  3. 前記複数の構造体部品のうちの少なくとも一部の複数の構造体部品それぞれが、
    前記部分流路の方向に交差する方向に突出する横方向突出部と、
    前記流路方向突出部の反対側で前記部分流路の方向と交差する方向にくぼんで、隣接する前記構造体部品の前記横方向突出部が嵌まる横方向くぼみ部と、
    の少なくとも一方を有すること、
    を特徴とする請求項2に記載の炉心溶融物保持装置。
  4. 前記嵌め合い構造は、前記部分流路の方向に互いに隣接する前記構造体部品同士が押し付けられることにより当該嵌め合い構造が弾性変形することによって互いに連結されるように構成されていること、
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の炉心溶融物保持装置。
  5. 前記嵌め合い構造は、前記部分流路の方向に垂直な方向に互いに隣接する前記構造体部品同士を互いに前記部分流路の方向に交差する方向に相対的に移動することにより当該構造体部品同士が嵌め合わされて互いに連結されるように構成されていること、
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の炉心溶融物保持装置。
  6. 前記嵌め合い構造は、前記互いに隣接する前記構造体部品同士の間にはさまれて、前記部分流路が連通する部分を囲んで配置され、前記構造体部品よりも熱膨張率が大きい材料で構成されたガスケット、をさらに有し、
    当該炉心溶融物保持装置の雰囲気温度が通常時よりも高まったときに前記ガスケットにより前記部分流路が連通する部分がその外部に対するシール性が増すように構成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の炉心溶融物保持装置。
  7. 前記部分流路の方向に垂直な方向に互いに隣接する前記構造体部品同士が互いに対向する位置の前記構造体部品の側面にキー溝が形成されており、
    前記部分流路の方向に垂直な方向に互いに隣接する前記構造体部品同士が互いに対向する位置の前記構造体部品の前記キー溝に差し込まれて前記部分流路の方向に垂直な方向に互いに隣接する前記構造体部品同士の相対的な移動を規制するキーを有すること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の炉心溶融物保持装置。
  8. 前記複数の底部流路は、外周側から径方向中央に向かう複数の給水流路と、前記給水流路の上方に形成されて径方向中央から外周側に向かう複数の冷却流路と、前記複数の給水流路の下流側と前記複数の冷却流路の上流側とを連通する給水チャンバと、を含み、
    前記複数の側部流路は、前記複数の冷却流路それぞれの下流側と連通して上方に向かう複数のライザと、前記複数のライザの外周側に配置されて下端部で前記複数の給水流路それぞれの上流側と連通する複数のダウンカマとを含むこと、
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の炉心溶融物保持装置。
  9. 前記底部構造体を構成する前記複数の構造体部品のうちの少なくとも一部の複数の構造体部品それぞれに、前記給水流路の一部を構成する部分給水流路と、前記冷却流路の一部を構成する部分冷却流路との両方が前記部分流路として形成され、
    前記部分流路の方向に互いに隣接する前記複数の構造体部品同士が連結されたときに、これらの構造体部品の前記部分給水流路同士が互いに連通するとともに、前記部分冷却流路同士が互いに連通するように構成されていること、
    を特徴とする請求項8に記載の炉心溶融物保持装置。
  10. 前記側部構造体を構成する前記複数の構造体部品のうちの少なくとも一部の複数の構造体部品それぞれに、前記ライザの一部を構成する部分ライザと、前記ダウンカマの一部を構成する部分ダウンカマとの両方が前記部分流路として形成され、
    前記部分流路の方向に互いに隣接する前記複数の構造体部品同士が連結されたときに、これらの構造体部品の前記部分ライザ同士が互いに連通するとともに、前記部分ダウンカマ同士が互いに連通するように構成されていること、
    を特徴とする請求項8または請求項9に記載の炉心溶融物保持装置。
  11. 炉心と、
    前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器と、
    前記原子炉格納容器内に配置されて、前記原子炉圧力容器の下方かつ前記原子炉格納容器の底部の上方で、前記原子炉圧力容器を支持する筒状の側壁を有するペデスタルと、
    前記原子炉格納容器内で、前記ペデスタルの側壁で囲まれたペデスタル空間内に設置され、炉心溶融事故時に前記原子炉圧力容器から落下した炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置と、
    前記炉心溶融事故時に前記炉心溶融物保持装置に冷却水を供給する注水装置と、
    を有する原子炉施設であって、
    前記炉心溶融物保持装置は、
    内部に複数の底部流路が形成されて前記炉心溶融物の下部を保持する底部構造体と、
    前記底部流路と連通する複数の側部流路が内部に形成されて前記炉心溶融物の側部を保持する側部構造体と、
    を有し、
    前記底部構造体または前記側部構造体の少なくとも一方は、それぞれに部分流路が形成された複数の構造体部品が嵌め合い構造によって互いに連結されて構成され、前記複数の構造体部品が互いに連結されたときに前記部分流路が互いに連通するように構成されていること、
    を特徴とする原子炉施設。
  12. 原子炉格納容器内で、原子炉圧力容器の下方かつ前記原子炉格納容器の底部の上方で、前記原子炉圧力容器を支持する筒状のペデスタルの側壁で囲まれたペデスタル空間内に、炉心溶融事故時に前記原子炉圧力容器から落下した炉心溶融物を保持して冷却する炉心溶融物保持装置を設置する方法であって、
    前記ペデスタル空間内に、内部に部分流路が形成された複数の構造体部品を搬入する搬入ステップと、
    前記搬入ステップの後に、前記部分流路同士が互いに連通するように、前記複数の構造体部品同士を、当該複数の構造体部品に設けられた嵌め合い構造を用いて互いに連結する連結ステップと、
    を有することを特徴とする炉心溶融物保持装置設置方法。
  13. 前記炉心溶融物保持装置は、前記炉心溶融物の下部を保持し、ほぼ水平方向にほぼ円形に広がる底部構造体を有し、
    前記複数の構造体部品は複数の台形構造体部品を含み、
    前記底部構造体は、前記複数の台形構造体部品同士が互いに隣接して径方向に並べられた複数の径方向列が、周方向に複数配置されて構成され、
    前記複数の径方向列それぞれの内部を径方向に延びる前記部分流路が形成されており、
    前記連結ステップは、
    前記複数の台形構造体部品を、径方向外側から内側に向かって順次配列して結合し、前記複数の径方向列のうちの互いに周方向に隣接する一部の複数の径方向列を形成する外・内配列ステップと、
    前記外・内配列ステップの後に、前記複数の台形構造体部品を、径方向内側から外側に向かって順次配列して結合し、前記複数の径方向列のうちの少なくとも一つの径方向列を形成する内・外配列ステップと、
    を有することを特徴とする請求項12に記載の炉心溶融物保持装置設置方法。
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