JP2020024865A - 有機elパネル製造装置、有機elパネルの製造方法及び有機elパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりを向上させることができる有機ELパネル製造装置、有機ELパネルの製造方法及び有機ELパネルを提供する。【解決手段】有機ELパネル製造装置1は、側面10cが曲面となる柱体形状を有する回転ドラム10と、回転ドラム10の側面10cに設けられた開口部121内を搬送路120とし、搬送路120に沿って、湾曲した基板3を搬送する搬送部と、搬送路120の上方であって回転ドラム10の側面10cに取り付けられたマスクと、マスクの位置まで搬送され、回転ドラム10の回転に応じて回転する基板3に、マスクを介して有機ELパネル9の材料を蒸着させる蒸着部20と、を備えて概略構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、有機ELパネル製造装置、有機ELパネルの製造方法及び有機ELパネルに関する。
従来の技術として、第1の基板、第1の基板上に形成された第1の電極、第1の電極上に形成された有機EL(Electro Luminescence)層、及び有機EL層上に形成された第2の電極を有する有機EL素子と、有機EL素子上に形成され、有機EL層を封止する第1の無機絶縁膜と、第1の無機絶縁膜上に形成された第2の基板と、を備えた表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この表示装置は、曲げ応力を加えたときの中立軸が第1の無機絶縁膜と第2の基板との界面近傍に位置するように、第1の基板及び第2の基板の材料及び厚さが設定されている。この第1の基板及び第2の基板は、樹脂フィルムで形成されている。
この従来の表示装置の第1の基板及び第2の基板がガラス基板であった場合、湾曲させる際の応力で割れて歩留まりが低下する可能性がある。
従って本発明の目的は、歩留まりを向上させることができる有機ELパネル製造装置、有機ELパネルの製造方法及び有機ELパネルを提供することにある。
本発明の一態様は、側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムと、回転ドラムの側面に設けられた開口部内を搬送路とし、搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送する搬送部と、搬送路の上方であって回転ドラムの側面に取り付けられたマスクと、マスクの位置まで搬送され、回転ドラムの回転に応じて回転する基板に、マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる蒸着部と、を備えた有機ELパネル製造装置を提供する。
本発明の他の態様は、側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムの側面に設けられた開口部内を搬送路とし、搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送し、搬送路の上方であって回転ドラムの側面に取り付けられたマスクの位置まで搬送され、回転ドラムの回転に応じて回転する基板に、マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる有機ELパネルの製造方法を提供する。
本発明の他の態様は、上記に記載の有機ELパネル製造装置によって製造された、又は上記に記載の有機ELパネルの製造方法によって製造された有機ELパネルを提供する。
本発明によれば、歩留まりを向上させることができる。
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る有機ELパネル製造装置は、側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムと、回転ドラムの側面に設けられた開口部内を搬送路とし、搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送する搬送部と、搬送路の上方であって回転ドラムの側面に取り付けられたマスクと、マスクの位置まで搬送され、回転ドラムの回転に応じて回転する基板に、マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる蒸着部と、を備えて概略構成されている。
実施の形態に係る有機ELパネル製造装置は、側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムと、回転ドラムの側面に設けられた開口部内を搬送路とし、搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送する搬送部と、搬送路の上方であって回転ドラムの側面に取り付けられたマスクと、マスクの位置まで搬送され、回転ドラムの回転に応じて回転する基板に、マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる蒸着部と、を備えて概略構成されている。
この有機ELパネル製造装置は、予め湾曲した基板を用いて有機ELパネルを製造するので、有機発光層などを形成してから湾曲させる場合と比べて、湾曲させる応力で基板が破壊されることがなく、歩留まりを向上させることができる。
[実施の形態]
(有機ELパネル製造装置1の概要)
図1(a)は、実施の形態に係る有機ELパネル製造装置の一例を示す概略図であり、図1(b)は、有機ELパネル製造装置の一例を示すブロック図である。図2(a)は、実施の形態に係る有機ELパネル製造装置の一例を示す要部断面図であり、図2(b)は、基板と搬送部に設けられたテーパー形状の一例について説明するための概略図であり、図2(c)は、有機ELパネル製造装置で製造された有機ELパネルの一例を示す要部断面図である。図2(c)は、有機ELパネル9の一部を図示している。
(有機ELパネル製造装置1の概要)
図1(a)は、実施の形態に係る有機ELパネル製造装置の一例を示す概略図であり、図1(b)は、有機ELパネル製造装置の一例を示すブロック図である。図2(a)は、実施の形態に係る有機ELパネル製造装置の一例を示す要部断面図であり、図2(b)は、基板と搬送部に設けられたテーパー形状の一例について説明するための概略図であり、図2(c)は、有機ELパネル製造装置で製造された有機ELパネルの一例を示す要部断面図である。図2(c)は、有機ELパネル9の一部を図示している。
なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図1(b)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
有機ELパネル製造装置1は、例えば、湾曲した有機ELパネル9を製造するように構成されている。なお変形例として有機ELパネル製造装置1は、例えば、蒸着面がフラットな基板や複数の曲率を有する基板などを用いて有機ELパネル9を製造しても良い。
具体的には、有機ELパネル製造装置1は、例えば、図1(a)〜図2(a)に示すように、側面10cが曲面となる柱体形状を有する回転ドラム10と、回転ドラム10の側面10cに設けられた開口部121内を搬送路120とし、搬送路120に沿って、湾曲した基板3を搬送する搬送部と、搬送路120の上方であって回転ドラム10の側面10cに取り付けられたマスクと、マスクの位置まで搬送され、回転ドラム10の回転に応じて回転する基板3に、マスクを介して有機ELパネル9の材料を蒸着させる蒸着部20と、を備えて概略構成されている。
搬送部は、搬送路120に沿って並ぶ複数の搬送用ローラ122を有する。本実施の形態の有機ELパネル製造装置1は、一例として、搬送部として第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cを備えているがこれに限定されず、さらに多くても少なくても良い。また第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cは、例えば、搬送用ローラ122が搬送路120に沿って三列に等間隔で並んでいる。
この第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cは、例えば、図2(a)に示すように、120°間隔で設けられている。なお以下では、第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cは、配置される位置が異なるだけで構成が同じであるので、共通となる搬送路120、開口部121、搬送用ローラ122、後述する側面124及び側面125を同じ符号としている。
また本実施の形態の有機ELパネル製造装置1は、一例として、マスクとしてマスク4a〜マスク4cを備えているがこれに限定されず、さらに多くても少なくても良い。この有機ELパネル製造装置1は、径方向に同じ種類のマスクが配置されている。言い換えるならマスクは、蒸着源に応じて種類が変わるように回転ドラム10に配置されている。
そして蒸着部20は、マスク4a〜マスク4cに応じて第1の蒸着源21〜第3の蒸着源23を備えて構成されている。
また有機ELパネル製造装置1は、一例として、図1(b)に示すように、基板位置検出部14と、回転ドラム駆動部16と、ローラ駆動部18と、制御部25と、を備えている。
基板位置検出部14は、基板3の位置を検出する。そして基板位置検出部14は、例えば、図1(b)に示すように、検出した基板3の位置を示す基板位置情報S1を生成して制御部25に出力する。
回転ドラム駆動部16は、回転ドラム10を駆動する。この回転ドラム10は、例えば、図1(a)及び図2(a)の紙面において時計回りに回転する。回転ドラム駆動部16は、例えば、図1(a)及び図2(a)に示すように、制御部25から出力される駆動信号S2に基づいて回転ドラム10を回転軸Pの周りに回転させる。なお回転ドラム駆動部16は、例えば、回転角を検出しながら回転ドラム10を回転させるものとする。
ローラ駆動部18は、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように、制御部25から出力される駆動信号S3に基づいて基板3を回転ドラム10の後面10a側から前面10b側に向けて搬送する。なお図1(a)に示す矢印は、後面10a側から前面10b側に向かう搬送方向を示している。
制御部25は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部25が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
制御部25は、例えば、基板3の位置に応じて回転ドラム駆動部16、ローラ駆動部18及び蒸着部20を制御して基板3と蒸着源とを対向させ、有機発光層6の材料を基板3に蒸着させる。
有機ELパネル9は、有機ELパネル製造装置1によって製造された、又は後述する有機ELパネルの製造方法によって製造されたものである。この有機ELパネル9は、例えば、図2(c)に示すように、湾曲した2つの基板(基板3と基板8)によって有機発光層6などを挟む構成を有している。
(基板3及び基板8の構成)
基板3及び基板8は、一例として、予め湾曲させてあるガラス基板である。基板8は、例えば、有機ELパネル製造装置1ではなく他の製造装置にセットされて有機発光層6などが形成された基板3と接着される。
基板3及び基板8は、一例として、予め湾曲させてあるガラス基板である。基板8は、例えば、有機ELパネル製造装置1ではなく他の製造装置にセットされて有機発光層6などが形成された基板3と接着される。
基板3は、遠心力で撓まない厚みを有している。この基板3の厚みは、一例として、1〜2mmである。なお基板3及び基板8は、例えば、ガラス基板に限定されず、透明樹脂を用いて湾曲するように形成された樹脂基板であっても良い。この樹脂基板は、ガラス基板と同様に重力によって撓まない厚みを有している。
基板3は、例えば、図1(a)及び図2(a)に示すように、回転ドラム10の側面10cの形状に応じて湾曲している。この湾曲の曲率は、回転ドラム10の中心から最下点に位置する基板3までの距離を半径とする円の曲率となっている。また基板3は、回転ドラム10の側面10cを径方向、及び径方向と直交する方向に沿って切り取ったような形状を有している。
(マスク4a〜マスク4cの構成)
マスク4a〜マスク4cは、形成する層の形状に抜かれたパターンを有している。この層の材料は、マスクを透過して基板3にパターンを形成する。このマスク4a〜マスク4cは、例えば、有機発光層6を構成する層ごとに設けられる。なお陰極5や陽極7などを蒸着によって形成する場合、この陰極5や陽極7などのパターンに応じたマスクが配置される。
マスク4a〜マスク4cは、形成する層の形状に抜かれたパターンを有している。この層の材料は、マスクを透過して基板3にパターンを形成する。このマスク4a〜マスク4cは、例えば、有機発光層6を構成する層ごとに設けられる。なお陰極5や陽極7などを蒸着によって形成する場合、この陰極5や陽極7などのパターンに応じたマスクが配置される。
(有機ELパネル9の構成)
有機ELパネル9は、一例として、図2(c)に示すように、基板3と、陰極5と、有機発光層6と、陽極7と、基板8と、を備えて概略構成されている。また有機ELパネル9は、例えば、有機発光層6などが形成された基板3と基板8とを接着する接着層、陰極5や陽極7などを絶縁するため、ポリイミドや酸化シリコンなどを用いて形成された層間絶縁層、及び有機発光層6を液体や気体による浸食を抑制するための酸化カルシウムなどの乾燥剤層などを備えている。
有機ELパネル9は、一例として、図2(c)に示すように、基板3と、陰極5と、有機発光層6と、陽極7と、基板8と、を備えて概略構成されている。また有機ELパネル9は、例えば、有機発光層6などが形成された基板3と基板8とを接着する接着層、陰極5や陽極7などを絶縁するため、ポリイミドや酸化シリコンなどを用いて形成された層間絶縁層、及び有機発光層6を液体や気体による浸食を抑制するための酸化カルシウムなどの乾燥剤層などを備えている。
陰極5は、有機発光層6から出力される光の取り出し効率を高めるため、当該光を反射する材料で形成される。陰極5は、例えば、蒸着法などにより、Al、AgやMgなどの金属材料やその合金材料を用いて形成される。なお陰極5は、例えば、透明電極であるITO(スズドープ酸化インジウム:Indium Tin Oxide)であっても良い。
有機発光層6は、例えば、陽極7側から順に少なくとも正孔輸送層、発光層及び電子輸送層が積層される。正孔輸送層は、例えば、α−NPD(ジフェニルナフチルジアミン)やTPD(Triphenyl Diamine)などを用いて形成される。発光層は、例えば、アルミキノリノール錯体(Alq3)やベリリウムキノリノール錯体(BeBq2)などを用いて形成される。電子輸送層は、例えば、アルミキノリノール錯体などを用いて形成される。
陽極7は、光を透過する透明電極として構成されている。従って有機発光層6によって生成された光は、図2(c)の紙面上方、つまり陽極7及び基板8を介して外に出力される。この陽極7は、有機発光層6に正孔を注入するためのものである。また陰極5は、有機発光層6に電子を注入するためのものである。
陽極7は、例えば、蒸着法やスパッタリング法などにより、有機発光層6から出力される光を透過するITOなどにより形成される。
陰極5、有機発光層6及び陽極7などが形成された基板3は、例えば、基板8と接着剤などによって一体とされる。この接着剤は、例えば、エポキシ系やアクリル系などの接着剤である。
(回転ドラム10の構成)
図3(a)及び図3(b)は、変形例に係る有機ELパネル製造装置の回転ドラムの前面の形状の一例を示す概略図であり、図3(c)は、搬送部のテーパー面に設けられた位置決めのための凸部の一例を示す概略図である。
図3(a)及び図3(b)は、変形例に係る有機ELパネル製造装置の回転ドラムの前面の形状の一例を示す概略図であり、図3(c)は、搬送部のテーパー面に設けられた位置決めのための凸部の一例を示す概略図である。
回転ドラム10は、例えば、図1(a)及び図2(a)に示すように、円筒形や円柱形を有している。柱体である回転ドラム10の2つの底面となる後面10aと前面10bは、真円であるがこれに限定されない。
例えば、変形例として回転ドラム10は、図3(a)及び図3(b)に示すように、後面10a及び前面10bが、複数の曲線を組み合わせて形成されても良い。図3(a)は、後面10a及び前面10bが、4つの曲線を組み合わせて形成された面となっている。また図3(b)は、後面10a及び前面10bが、3つの曲線を組み合わせて形成された面となっている。
これらの変形例では、側面10cは、一定の曲率を有する曲面とならず、後面10aと前面10bの曲線に応じた複数の曲面から構成される。搬送部は、この曲面部分に配置される。従って基板3は、後面10aと前面10bの曲線に応じた曲面を有する。言い換えるなら回転ドラム10は、基板3の曲面に応じた側面10cとなるように構成される。
回転ドラム10は、基板3の曲面に応じて後面10a及び前面10bを真円にする場合、後面10a及び前面10bが大きくなったり小さくなったり、真円にできなかったりする可能性がある。例えば、後面10a及び前面10bが小さい場合では、基板3が所望の数、加工できない可能性がある。しかし変形例のように回転ドラム10の後面10a及び前面10bが基板3の形状に応じた曲線の組み合わせで形成される場合、回転ドラム10の体格の大小を抑制しつつ所望の数の基板3を加工することが可能となる。従って有機ELパネル製造装置1は、回転ドラム10の側面10cを基板3の曲率に応じた形状とすることによって、後面10a及び前面10bが真円である場合とは異なる曲率の有機ELパネル9を製造することができる。
(第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cの構成)
第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cは、後面10a側から前面10b側に向かって基板3を搬送するように構成されている。この搬送に使用される搬送用ローラ122は、例えば、リング形状のゴムを備えて構成されている。
第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cは、後面10a側から前面10b側に向かって基板3を搬送するように構成されている。この搬送に使用される搬送用ローラ122は、例えば、リング形状のゴムを備えて構成されている。
搬送路120の搬送方向に交差する開口部121の両側面(側面124及び側面125)は、例えば、図2(a)に示すように、回転ドラム10の回転中心P側より側面10c側の方が、間隔が狭くなるテーパー形状を有する。
そして基板3は、例えば、図2(a)及び図2(b)に示すように、回転ドラム10の側面10cに応じた形状に湾曲すると共に、搬送方向と交差する方向の両端面(端面32及び端面33)に開口部121のテーパー形状に応じた逆テーパー形状を有している。そして開口部121の両側面(側面124及び側面125)は、回転ドラム10の回転に伴う遠心力や基板3に作用する重力による基板3の側面10c側への移動において、基板3の両端面(端面32及び端面33)と接触して抜け止めとなると共に蒸着の際の位置決めとなる。なお側面124と端面32、及び側面125と端面33とが対向した場合、間の距離が等しい、つまり側面124、側面125、端面32及び端面33のテーパー量が等しくされている。
基板3は、例えば、図2(a)に示すように、搬送部が最下点に位置する場合、重力によって下方に落下する。側面124及び側面125がテーパー形状となっているので、開口部121の幅が径方向に短くなって基板3の幅よりも短くなるので、基板3が側面124及び側面125に接触し、回転ドラム10から落下することはない。
また基板3は、例えば、図2(a)に示すように、回転ドラム10が回転して最下点に位置した搬送部が上に向かって移動すると、開口部121内を落下する。そして基板3は、やがて搬送用ローラ122上に落下する。この落下は、最下点を基準として回転角を0°とした場合、少なくとも90°より大きい回転によって生じる。この落下によって基板3の裏面31が搬送用ローラ122と接触して搬送が可能となるので、基板3は、搬送用ローラ122によって次の蒸着源と対向する位置まで搬送される。
本実施の形態では、例えば、図2(a)の紙面において第1の搬送部12aが最下点に位置する場合、第2の搬送部12bにおいて搬送が行われる。有機ELパネル製造装置1は、搬送及び蒸着が終了した後、回転ドラム10を120°回転させ、第2の搬送部12bが最下点に位置すると回転を停止し、第3の搬送部12cにおいて基板3をマスクの位置まで搬送する。
ここで変形例として、例えば、図3(c)に示すように、開口部121の側面124及び側面125から周方向に突出する凸部126が形成されても良い。この凸部126は、基板3の表面30と接触して基板3の落下を防止すると共に蒸着源に対する位置決めとなる。
(蒸着部20の構成)
蒸着部20は、例えば、図1(a)に示すように、回転ドラム10の下方であって有機ELパネル9の材料ごとに、基板3の搬送方向に沿って複数並んで配置されている。
蒸着部20は、例えば、図1(a)に示すように、回転ドラム10の下方であって有機ELパネル9の材料ごとに、基板3の搬送方向に沿って複数並んで配置されている。
蒸着部20は、例えば、有機発光層6を形成する材料を、マスクを介して基板3に蒸着させる。図1(a)では、一例として、第2の蒸着源22からマスク4bを介して基板3の表面30側に材料を蒸着しているところを示している。本実施の形態では、蒸着部20として第1の蒸着源21〜第3の蒸着源23を記載しているが一例であってこれに限定されない。また蒸着部20は、例えば、有機発光層6だけではなく、陰極5や陽極7を形成するように構成されても良い。
蒸着部20は、制御部25から出力される制御信号S4〜制御信号S6に基づいて第1の蒸着源21〜第3の蒸着源23が制御される。
以下に本実施の形態の有機ELパネル製造装置1の動作の一例について図4のフローチャートに従って説明する。ここでは、有機発光層6を蒸着によって形成する場合について説明する。
(動作)
まず陰極5が形成された基板3を有機ELパネル製造装置1の回転ドラム10にセットする(Step1)。本実施の形態の有機ELパネル製造装置1の場合、3枚の基板3が第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cに順次セットされる。なお基板3は、例えば、同じ搬送部に対して適切なタイミングで連続的にセットされる。
まず陰極5が形成された基板3を有機ELパネル製造装置1の回転ドラム10にセットする(Step1)。本実施の形態の有機ELパネル製造装置1の場合、3枚の基板3が第1の搬送部12a〜第3の搬送部12cに順次セットされる。なお基板3は、例えば、同じ搬送部に対して適切なタイミングで連続的にセットされる。
次に制御部25は、蒸着対象の基板3をマスクの位置まで搬送する(Step2)。具体的には、有機ELパネル製造装置1の制御部25は、基板位置検出部14から取得した基板位置情報S1に基づいて駆動信号S3を生成して出力し、ローラ駆動部18を制御して所望のマスクの位置まで基板3を搬送する。
次に制御部25は、蒸着対象の基板3が蒸着源と対向するように回転ドラム10を回転させる(Step3)。具体的には、制御部25は、回転ドラム10の回転角に基づいて駆動信号S2を生成して回転ドラム駆動部16に出力し、蒸着対象の基板3と蒸着部20の蒸着源とが対向するように回転ドラム10を回転させる。制御部25は、蒸着対象の基板3と蒸着源とが対向すると、回転ドラム10の回転を停止させる。
次に制御部25は、蒸着対象の基板3に有機発光層6の材料を蒸着させる(Step4)。具体的には、制御部25は、制御信号を生成して蒸着源に出力し、蒸着対象の基板3に有機発光層6の材料を蒸着させる。この際、制御部25は、回転ドラム駆動部16を制御し、回転ドラム10を回転させながら蒸着を行う。
次に制御部25は、蒸着対象の基板3に対する蒸着が全て終了したか確認する。制御部25は、蒸着対象の基板3に対する蒸着が全て終了していない場合(Step5:No)、ステップ2に処理を進める。具体的には、制御部25は、同じ蒸着源によって材料を蒸着させる基板3をマスクの位置まで搬送し(Step2)、そして回転ドラム10を回転させ(Step3)、次の蒸着を行う。
ここでステップ5において制御部25は、蒸着対象の基板3に対する全ての蒸着が終了した場合(Step5:Yes)、当該基板3の搬送が可能となったタイミングで、次の工程を行う装置まで搬送する(Step6)。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る有機ELパネル製造装置1は、歩留まりを向上させることができる。具体的には、有機ELパネル製造装置1は、予め湾曲した基板3を用いて有機ELパネル9を製造するので、有機発光層などを形成してから湾曲させる場合と比べて、湾曲させる応力で基板3が破壊されることがなく、歩留まりを向上させることができる。またこの有機ELパネル製造装置1によって製造された有機ELパネル9は、予め湾曲した基板3から製造されているので、湾曲させるための応力に起因して破壊されることがないので、歩留まりが向上する。
本実施の形態に係る有機ELパネル製造装置1は、歩留まりを向上させることができる。具体的には、有機ELパネル製造装置1は、予め湾曲した基板3を用いて有機ELパネル9を製造するので、有機発光層などを形成してから湾曲させる場合と比べて、湾曲させる応力で基板3が破壊されることがなく、歩留まりを向上させることができる。またこの有機ELパネル製造装置1によって製造された有機ELパネル9は、予め湾曲した基板3から製造されているので、湾曲させるための応力に起因して破壊されることがないので、歩留まりが向上する。
有機ELパネル製造装置1は、湾曲したガラス基板を用いて有機ELパネル9を製造することができるので、樹脂フィルムで有機ELパネルを製造する場合と比べて、基板3の硬度が高く、異物が刺さることが抑制されると共に異物に起因するショートやダークスポットなどの不具合が抑制され、歩留まりが向上する。またこの有機ELパネル製造装置1によって製造された有機ELパネル9は、ガラス基板から製造されるので、樹脂フィルムで有機ELパネルを製造する場合と比べて、硬度が高く、上記の不具合を抑制して歩留まりが向上する。
有機ELパネル製造装置1は、有機発光層6などが形成された基板3を湾曲させる工程が必要ないので、この工程が必要な場合と比べて、リードタイムが短縮されると共に製造された有機ELパネル9を湾曲させたことによる残留応力がなく、歩留まりが向上する。またこの有機ELパネル製造装置1によって製造された有機ELパネル9は、湾曲したガラス基板から製造されているので、製造後に湾曲させることで生じる残留応力がなく、歩留まりが向上する。
有機ELパネル製造装置1は、回転ドラム10を回転させながら蒸着を行うので、静止した湾曲した基板に蒸着を行う場合と比べて、蒸着源との距離を一定に保ちながら蒸着ができ、均一な蒸着膜が生成され、発光ムラが低減する。またこの有機ELパネル製造装置1によって製造された有機ELパネル9は、有機発光層6などが均一な蒸着膜に基づいて形成されるので、発光ムラが低減される。
有機ELパネル製造装置1は、重力と、搬送部のテーパー形状を有する側面124及び側面125と基板3の逆テーパー形状を有する端面32及び端面33との接触と、によって蒸着源に対する位置決めが行われ、またこれらの形状が回転ドラム10からの抜け止めとなるので、この構成を採用しない場合と比べて、位置合わせの工程が必要ないため、リードタイムが短縮されると共に位置合わせ精度が向上する。またこの有機ELパネル製造装置1によって製造された有機ELパネル9は、位置合わせ精度が高い状態で蒸着が行われるので、発光ムラなどが低減された高い性能を有する。
なお他の実施の形態としては、側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムの側面に設けられた開口部内を搬送路とし、搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送し、搬送路の上方であって回転ドラムの側面に取り付けられたマスクの位置まで搬送され、回転ドラムの回転に応じて回転する基板に、マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる有機ELパネルの製造方法を用いて有機ELパネルを製造しても良い。この製造方法によって製造された有機ELパネルは、歩留まりが向上する。
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…有機ELパネル製造装置、3…基板、4a〜4c…マスク、5…陰極、6…有機発光層、7…陽極、8…基板、9…有機ELパネル、10…回転ドラム、10a…後面、10b…前面、10c…側面、12a〜12c…第1の搬送部〜第3の搬送部、14…基板位置検出部、16…回転ドラム駆動部、18…ローラ駆動部、20…蒸着部、21〜23…第1の蒸着源〜第3の蒸着源、25…制御部、30…表面、31…裏面、32…端面、33…端面、120…搬送路、121…開口部、122…搬送用ローラ、124…側面、125…側面、126…凸部
Claims (8)
- 側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムと、
前記回転ドラムの前記側面に設けられた開口部内を搬送路とし、前記搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送する搬送部と、
前記搬送路の上方であって前記回転ドラムの前記側面に取り付けられたマスクと、
前記マスクの位置まで搬送され、前記回転ドラムの回転に応じて回転する前記基板に、前記マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる蒸着部と、
を備えた有機ELパネル製造装置。 - 前記搬送部は、前記搬送路に沿って並ぶ複数の搬送用ローラを有する、
請求項1に記載の有機ELパネル製造装置。 - 前記搬送路の搬送方向に交差する前記開口部の両側面は、前記回転ドラムの回転中心側より前記側面側の方が、間隔が狭くなるテーパー形状を有する、
請求項1又は2に記載の有機ELパネル製造装置。 - 前記基板は、前記回転ドラムの前記側面に応じた形状に湾曲すると共に、前記搬送方向と交差する方向の両端面が前記開口部の前記テーパー形状に応じた逆テーパー形状を有し、
前記開口部の前記両側面は、前記回転ドラムの回転に伴う遠心力や前記基板に作用する重力による前記基板の前記側面側への移動において、前記基板の前記両端面と接触して抜け止めとなると共に蒸着の際の位置決めとなる、
請求項3に記載の有機ELパネル製造装置。 - 前記蒸着部は、前記回転ドラムの下方であって前記有機ELパネルの材料ごとに、前記基板の搬送方向に沿って複数並んで配置される、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機ELパネル製造装置。 - 側面が曲面となる柱体形状を有する回転ドラムの前記側面に設けられた開口部内を搬送路とし、前記搬送路に沿って、湾曲した基板を搬送し、
前記搬送路の上方であって前記回転ドラムの前記側面に取り付けられたマスクの位置まで搬送され、前記回転ドラムの回転に応じて回転する前記基板に、前記マスクを介して有機ELパネルの材料を蒸着させる、
有機ELパネルの製造方法。 - 前記基板は、前記搬送方向と交差する方向の端部に前記開口部の前記テーパー形状に応じた逆テーパー形状を有し、
前記開口部は、前記回転ドラムの遠心力によって前記両側面が前記基板の前記端部と接触して抜け止めとなる、
請求項6に記載の有機ELパネルの製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機ELパネル製造装置によって製造された、又は請求項6もしくは請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法によって製造された有機ELパネル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018149118A JP2020024865A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 有機elパネル製造装置、有機elパネルの製造方法及び有機elパネル |
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2018
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