JP2020021565A - Flow battery - Google Patents
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Abstract
Description
開示の実施形態は、フロー電池に関する。 The disclosed embodiments relate to a flow battery.
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)4]2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。 2. Description of the Related Art Conventionally, there is known a flow battery in which an electrolytic solution containing tetrahydroxyzinc acid ion ([Zn (OH) 4 ] 2− ) is circulated between a positive electrode and a negative electrode (for example, see Non-Patent Document 1). .
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン電導性を有するイオン電導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 Further, a technique has been proposed in which a negative electrode containing an active material such as a zinc species is covered with an ion conductive layer having selective ion conductivity to suppress the growth of dendrites (for example, see Patent Document 1).
しかしながら、上記に記載の電池では、電極表面に生成した活物質が充放電に寄与しない状態で脱落し、滞留することで電池性能が劣化する懸念があった。 However, in the battery described above, there is a concern that the active material generated on the electrode surface falls off in a state not contributing to charge and discharge and stays there, thereby deteriorating the battery performance.
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能劣化を低減することができるフロー電池を提供することを目的とする。 An aspect of the embodiment has been made in view of the above, and has as its object to provide a flow battery that can reduce performance deterioration.
実施形態の一態様に係るフロー電池は、正極および負極と、電解液と、発生部とを備える。電解液は、前記正極および前記負極に接触する。発生部は、溝部と吐出口とを有し、前記正極および前記負極より下方に配置される。溝部は、前記負極の幅方向に延びる。吐出口は、前記溝部の底面から前記電解液中に気体を吐出して気泡を発生させる。 A flow battery according to one aspect of an embodiment includes a positive electrode, a negative electrode, an electrolyte, and a generator. The electrolyte contacts the positive electrode and the negative electrode. The generator has a groove and a discharge port, and is arranged below the positive electrode and the negative electrode. The groove extends in the width direction of the negative electrode. The discharge port discharges gas into the electrolytic solution from the bottom surface of the groove to generate bubbles.
実施形態の一態様のフロー電池によれば、性能劣化を低減することができる。 According to the flow battery of one embodiment of the present invention, performance deterioration can be reduced.
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。 Hereinafter, embodiments of the flow battery disclosed in the present application will be described in detail with reference to the accompanying drawings. The present invention is not limited by the embodiments described below.
<実施形態に係るフロー電池>
図1は、実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、筐体17に収容された反応部10および発生部9と、供給部14とを備える。反応部10は、正極2と、負極3と、隔膜4,5と、電解液6と、粉末7とを備える。フロー電池1は、発生部9で発生した気泡8を電解液6中で浮上させることにより反応部10内に収容された電解液6を流動させる装置である。
<Flow battery according to embodiment>
FIG. 1 is a diagram schematically illustrating a flow battery according to an embodiment. The
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。 In order to make the description easy to understand, FIG. 1 illustrates a three-dimensional orthogonal coordinate system including a Z-axis having a vertically upward direction as a positive direction and a vertically downward direction as a negative direction. Such an orthogonal coordinate system may be shown in other drawings used in the following description.
正極2は、例えば、ニッケル化合物、マンガン化合物またはコバルト化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。コバルト化合物は、例えば、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト等が使用できる。また、正極2は、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液6が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有してもよい。また、正極2は、ニッケル金属、コバルト金属またはマンガン金属、あるいはそれらの合金であってもよい。
The
また、正極2は、例えば、上記した正極活物質や導電体その他の添加剤を複数の粒状体として含む。具体的には、正極2は、例えば、予め定められた割合で配合された粒状の活物質および導電体を、保形性に寄与するバインダとともに含有するペースト状の正極材料を発泡ニッケルなどの導電性を有する発泡金属へ圧入し、所望の形状に成形し、乾燥させたものを使用することができる。
The
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。 The negative electrode 3 contains a negative electrode active material as a metal. As the negative electrode 3, for example, a metal plate such as stainless steel or copper, or a material obtained by plating the surface of a stainless steel or copper plate with nickel, tin, or zinc can be used. Alternatively, a partially oxidized surface of the plated surface may be used as the negative electrode 3.
負極3は、正極2を挟んで互いに向かい合うように配置された負極3aおよび負極3bを含む。正極2および負極3は、負極3aと、正極2と、負極3bとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。このように隣り合う正極2と負極3との間隔をそれぞれ設けることにより、正極2と負極3との間における電解液6および気泡8の流通経路が確保される。なお、負極3a,負極3bを区別なく説明する場合、図示にかかわらず単に負極3として説明する場合がある。
The negative electrode 3 includes a
隔膜4,5は、正極2の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜4,5は、電解液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜4,5の材料として、例えば、隔膜4,5が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
The
隔膜4,5は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)4]2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
The
この場合には、充電の際に、負極3a,3bにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜4,5を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間の導通を低減することができる。
In this case, it is possible to reduce the possibility that zinc deposited on the
電解液6は、6mol・dm−3以上のアルカリ金属を含有するアルカリ水溶液である。アルカリ金属は、例えばカリウムである。具体的には、例えば、6〜6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を電解液6として使用することができる。また、酸素発生抑制を目的に、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属を水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム)として添加してもよい。
The
また、電解液6は、亜鉛成分を含有する。亜鉛成分は、[Zn(OH)4]2−として電解液6中に溶存している。亜鉛成分としては、例えば酸化亜鉛または水酸化亜鉛を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、0.5molの割合でZnOを添加し、必要に応じて後述する粉末7を追加することにより電解液6を調製することができる。未使用、あるいは放電終了後の電解液6は、例えば1×10−4mol・dm−3以上5×10−2mol・dm−3以下、好ましくは1×10−3mol・dm−3以上2.5×10−2mol・dm−3以下の亜鉛成分を含有することができる。
Further, the
粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化亜鉛、水酸化亜鉛等である。粉末7は、アルカリ水溶液中には容易に溶解するが、亜鉛種の飽和した電解液6中には溶解せずに分散または浮遊し、一部が沈降した状態で電解液6中に混在する。電解液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7が、電解液6の中で沈降した状態になることもあるが、電解液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、電解液6に分散または浮遊した状態になる。つまり、粉末7は、電解液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、電解液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外の電解液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていることや、筐体17内に存在する電解液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。電解液6中に溶存する[Zn(OH)4]2−が消費されると、電解液6中に混在する粉末7は、粉末7および電解液6が互いに平衡状態を維持するよう電解液6中に溶存する[Zn(OH)4]2−が飽和濃度に近づくように溶解する。粉末7は、電解液6中の亜鉛濃度を調整するとともに、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。
気泡8は、例えば正極2、負極3および電解液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、電解液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液6の劣化を低減し、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、気体は空気を含有してもよい。
The
発生部9から電解液6中に供給された気体により発生した気泡8は、所定の間隔で配置された電極間、より具体的には、負極3aと正極2との間、正極2と負極3bとの間において、それぞれ電解液6中を浮上する。電解液6中を気泡8として浮上した気体は、電解液6の液面6aで消滅し、上板18と電解液6の液面6aとの間に気体層13を構成する。
The
ここで、フロー電池1における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
Here, the electrode reaction in the
正極:Ni(OH)2 + OH− → NiOOH + H2O + e−
負極:[Zn(OH)4]2− + 2e− → Zn +4OH−
The positive electrode: Ni (OH) 2 + OH - → NiOOH + H 2 O + e -
Negative electrode: [Zn (OH) 4 ] 2− + 2e − → Zn + 4OH −
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)4]2−の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)4]2−の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費される電解液6中の[Zn(OH)4]2−を補給することにより、電解液6中の亜鉛種である[Zn(OH)4]2−の濃度が高い状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3とが導通する可能性が低減される。
Generally, there is a concern that dendrite generated in the negative electrode 3 accompanying this reaction grows toward the
フロー電池1では、電解液6中に亜鉛を含む粉末7を混在させるとともに、発生部9の吐出口9aから電解液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、負極3aと正極2との間、正極2と負極3bとの間のそれぞれにおいて筐体17の下方から上方に向かって電解液6中を浮上する。
In the
また、電極間における上記した気泡8の浮上に伴い、電解液6には上昇液流が発生し、負極3aと正極2との間、正極2と負極3bとの間では反応部10の内底10e側から上方に向かって電解液6が流動する。そして、電解液6の上昇液流に伴い、主に反応部10の内壁10aと負極3aとの間、および内壁10bと負極3bとの間で下降液流が発生し、電解液6が反応部10の内部を上方から下方に向かって流動する。
In addition, as the
これにより、充電によって電解液6中の[Zn(OH)4]2−が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで高濃度の[Zn(OH)4]2−を含有する電解液6が負極3の近傍に補給される。このため、電解液6中の[Zn(OH)4]2−を濃度が高い状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通の可能性を低減することができる。
Thus, when in the electrolytic solution 6 [Zn (OH) 4] 2- is consumed by charging, a high concentration by
なお、粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、酸化亜鉛および水酸化亜鉛が好ましい。
The
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)4]2−を生成するが、電解液6はすでに飽和状態であるため、電解液6中では、過剰となった[Zn(OH)4]2−からZnOが析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、電解液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)4]2−から析出するのは、Zn(OH)2や、ZnOとZn(OH)2とが混合したものになる。
Further, in the negative electrode 3, Zn is consumed by the discharge and generates [Zn (OH) 4 ] 2− , but since the
実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。発生部9は、反応部10の下方に配置されている。発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっている。また、反応部10の内底10eは、発生部9の中空部分を覆うように配置されており、発生部9の天板20を兼ねている。
The
発生部9は、天板20に形成された溝部11と、吐出口9aとを有する。溝部11および吐出口9aは、平面視で負極3aと正極2との間、正極2と負極3bとの間にそれぞれ配置されている。ここで、天板20が有する溝部11および吐出口9aについて、図2〜図4を用いて説明する。図2は、実施形態に係るフロー電池が備える天板の概略を示す図である。また、図3は、図2のI−I断面図、図4は、図2のII−II断面図である。図2は、図1に示すフロー電池1が有する発生部9の天板20を、内底10e側から平面視したものに相当する。なお、図2では、説明の簡略化を目的として、隔膜4,5、電解液6および粉末7等の図示を省略している。また、後述の説明に用いる他の図面でも図示を省略する場合がある。
The
溝部11は、X軸方向に沿うように所定の間隔で複数配置されている。吐出口9aは、溝部11の底面11eに開口している。供給部14(図1参照)から供給された気体は、吐出口9aから溝部11を経由して内底10e側に吐出される。
A plurality of
天板20が溝部11を有しない場合、例えば、負極3aから脱落した金属亜鉛、および凝集あるいは大きく粒成長した粉末7等の異物が、吐出口9aを塞ぐように内底10e上に滞留すると、吐出口9aからの気体の吐出が妨げられる。これにより、電解液6の円滑な循環が阻害されると、例えば充電時にデンドライトが成長しやすくなるなど、性能劣化につながる懸念がある。
When the
これに対し、図2、図3に示すように、平面視で吐出口9aを覆うように内底10e上に異物30が滞留した場合であっても、吐出口9aと異物30との間にはX軸方向に延びる溝部11が介在する。かかる場合、吐出口9aから吐出された気体により発生した気泡8(図1参照)は、異物30と溝部11との隙間を通り、内底10e側に収容された電解液6中を浮上する。このため、電解液6の円滑な循環が確保され、例えば吐出口9aの目詰まりに伴う性能劣化を低減することができる。
On the other hand, as shown in FIGS. 2 and 3, even when the
ここで、図3を参照し、吐出口9aの中心線CLと吐出口9aの内周面との間隔、すなわち吐出口9aの半径Aは、例えば0.025mm以上0.25mm以下、さらに0.05mm以上0.1mm以下とすることができる。半径Aをこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部に電解液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。一方、半径Aが0.025mm未満だと、電解液6が反応部10内を適切に循環できる程度に流動しない可能性がある。また、半径Aが0.25mmを超えると、単位時間あたりに吐出口9aに吐出される気体の量が多くなり、供給部14(図1参照)での電力消費が増大する可能性がある。
Here, referring to FIG. 3, the distance between the center line CL of the
また、中心線CLと溝部11のY軸方向の端部11aとの間隔Bは、例えば、負極3aと中心線CLとの間隔Cよりも小さい。より具体的には、B≦2/3×Cとすることにより、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8をより確実に正極2と負極3との間に誘導することができる。さらに、B≦1/2×Cとすることにより、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8をさらに確実に正極2と負極3との間に誘導することができ、また、気泡8を挟んで正極2側および負極3側における電解液6の流動がより円滑となる。
The distance B between the center line CL and the end 11a of the
また、溝部11のY軸方向の幅が吐出口9aの直径よりも大きいことにより、溝部11の幅程度より大きい異物30により、吐出口9aが塞がりにくくなる。なお、異物30は不定形状であることが多いので、大きな異物30により、溝部11全体が塞がれてしまうことも起きにくい。
In addition, since the width of the
また、図2を参照し、溝部11のうち、負極3の幅方向の両端間の距離は、負極3の幅よりも小さい。具体的には、負極3のX軸負方向側の一端3eは、X軸負方向側の端部に位置する溝部11の一端11bよりも幅Dだけ反応部10のX軸負方向側の内壁(図示せず)に近い。例えば、幅D≧半径A、より具体的には、D≧2mm、さらにD≧5mmとすることができる。これにより、電極間を上昇した電解液6が下降する経路をより確実に確保することができ、電解液6の流動がより円滑となる。なお、図2に示した例では、正極2と負極3a,3bとのX軸方向の幅が同じであるとして図示したが、これに限らず、異なっていてもよい。かかる場合、正極2および負極3a,3bのうち、X軸方向の幅が最も小さいものを基準として幅Dを規定してもよい。
Referring to FIG. 2, the distance between both ends in the width direction of negative electrode 3 in
また、溝部11の深さEは、少なくとも吐出口9aが配置されている部分において0.5mm以上であれば、吐出口9aの上方に異物30があった場合に、吐出口9aから溝部11に気泡8が入り易くできる。また、深さEは、天板20の強度および加工の難易の程度に応じて設定することができる。具体的には、深さEを0.5mm以上2mm以下、例えば1mmとすることができるが、これに限らず、例えば0.5mm未満であってもよく、または2mmを超えてもよい。
Further, if the depth E of the
また、図4を参照し、X軸方向に隣り合う吐出口9aの中心間距離Fは、例えば、2.5mm以上50mm以下であり、さらに10mm以下にしてもよい。
Referring to FIG. 4, the distance F between the centers of the
また、中心線CLと溝部11のX軸方向の端部11cとの間隔Gは、例えば、G≦5×A、より具体的には2mm以下とすることができる。これにより、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8のX軸方向の位置精度が高まり、電解液6の流動がより円滑となる。特に、G≦1/5×Fとすることで、例えば吐出口9a等に滞留した異物を迂回して溝部11から浮上するまでの、気泡8の吐出口9aからのX軸方向の移動可能範囲に上限を設けることになる。これにより、吐出口9aに対する気泡8の浮上位置のずれが小さくなるので、電極間を浮上する電解液6の流動がより円滑となる。
The distance G between the center line CL and the
また、X軸方向に隣り合う溝部11同士の間隔Hは、気泡8が隣り合う溝部11にまで移動しにくいようにするという観点では、大きさに特に制限はない。間隔Hを、例えば、6mm以上とすれば、X軸方向の全体にわたり気泡8を均等に浮上させることができ、電解液6の流動がより円滑となる。
In addition, the distance H between the
なお、溝部11および吐出口9aは、天板20の研削加工により形成することができるが、加工方法は特に制限されず、例えば射出成型など、上記した溝部11を適切に形成できるものであればいかなる手法で加工されてもよい。
In addition, the
図1に戻り、実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。供給部14は、配管16を介して筐体17の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体や電解液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。
Returning to FIG. 1, the
天板20を含む筐体17および上板18は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。筐体17および上板18は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。また、天板20は、筐体17と一体に成形されてもよく、たとえば接合などの後工程によって天板20と筐体17とを一体化させてもよい。
The
次に、フロー電池1における電極間の接続について説明する。図5は、実施形態に係るフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
Next, connection between the electrodes in the
図2に示すように、負極3aおよび負極3bは並列接続されている。このように負極3を並列に接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であってもフロー電池1の各電極間を適切に接続し、使用することができる。
As shown in FIG. 2, the
また、第1の実施形態に係るフロー電池1では、正極2を挟んで互いに向かい合うように配置された負極3a,3bを備える。このように1つの正極2に対して2つの負極3a,3bが対応したフロー電池1では、正極2と負極3とが1:1で対応するフロー電池と比較して負極1つ当たりの電流密度が低下する。このため、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3a,3bでのデンドライトの生成がさらに低減されるため、負極3a,3bと正極2との導通をさらに低減することができる。
Further, the
なお、図1に示すフロー電池1では、合計3枚の電極が、負極3および正極2が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、図1に示すフロー電池1では、両端がともに負極3となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極2となるように構成してもよい。
In the
<第1変形例>
図6は、実施形態の第1変形例に係るフロー電池が備える天板の構成の概略を示す図である。図6に示す天板20は、Y軸方向の幅が吐出口9aの直径以下の溝部11を有することを除き、図2に示す天板20と同様の構成を有している。別の表現をすれば、溝部11は、Y軸方向に関して、吐出口9aの存在する範囲内に収まっている。溝部11のY軸方向の幅は、吐出口9aの直径の2/3倍以下にしてもよく、さらに、1/2倍以下にしてもよい。このように、溝部11の軸方向の幅を制限することにより、図2に示した溝部11と比較して吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8のY軸方向の位置精度がさらに高まり、より確実に正極2と負極3との間に気泡8を誘導することができる。
<First Modification>
FIG. 6 is a diagram schematically illustrating a configuration of a top plate included in a flow battery according to a first modification of the embodiment. The
<第2変形例、第3変形例>
図7、図8は、それぞれ、実施形態の第2変形例、第3変形例に係るフロー電池が備える天板の構成の概略を示す図である。図7、図8に示す天板20は、X軸方向に沿うように所定の間隔で配置された複数の吐出口9aが、X軸方向に延在する1つの溝部11に配置されていることを除き、図2、図6に示す天板20とそれぞれ同様の構成を有している。このようにX軸方向に延在する溝部11であっても、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8を正極2と負極3との間に誘導することができる。
<Second Modification, Third Modification>
FIGS. 7 and 8 are diagrams schematically illustrating the configuration of a top plate included in a flow battery according to a second modification and a third modification of the embodiment, respectively. In the
<第4変形例>
図9は、実施形態の第4変形例に係るフロー電池が備える天板の構成の概略を示す図である。図9に示す天板20は、平面視で正極2と負極3との間に配置された溝部11が、負極3寄りに配置された第1溝部111と正極2寄りに配置された第2溝部112とを含む。また、図9に示す天板20は、溝部11ごとにそれぞれ形成された吐出口9aが、第1溝部111に形成された第1吐出口9a1と、第2溝部112に形成された第2吐出口9a2とを含む。このようにY軸方向に複数の吐出口9aを配置する場合であっても、X軸方向に延びる溝部11をそれぞれ配置することにより、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8を正極2と負極3との間に誘導することができる。また、第1吐出口9a1および第2吐出口9a2からそれぞれ吐出された気泡8を精度よく正極2と負極3との間に誘導することで、気泡8が一体化して電解液6の流動が不均一になる不具合を低減することができる。なお、図9では、図2に示す天板20が備える溝部11および吐出口9aをY軸方向に複数配置した例について図示したが、第1変形例〜第3変形例に係る天板20が備える溝部11および吐出口9aをY軸方向に複数配置してもよい。
<Fourth modification>
FIG. 9 is a diagram schematically illustrating a configuration of a top plate included in a flow battery according to a fourth modification of the embodiment. The
<第5変形例>
図10、図11は、実施形態の第5変形例に係るフロー電池が備える天板の構成の概略を示す断面図である。図10、図11に示す天板20は、溝部11のX軸方向の端部11dがXY平面に沿うように延在する内底10eに対して傾斜していることを除き、図6に示す溝部11と同様の構成を有している。別の表現をすれば、溝部11は、X軸方向の端部11dにおいて、X軸方向の端に向かって深さが浅くなるように傾斜している。傾斜は、X軸方向の正側あるいは負側の一端だけにあってもよいし、両端にあってもよい。また、傾斜は溝部11の全体になくてもよく、溝部11のX軸方向の中央部において、溝部11の底面は、内底10eと実質的に平行であってもよい。
<Fifth modification>
FIGS. 10 and 11 are cross-sectional views schematically illustrating a configuration of a top plate included in a flow battery according to a fifth modification of the embodiment. The
また、図7あるいは図8に示した実施形態において、溝部11が次のようになっていてもよい。すなわち、溝部11の中に複数配置されている吐出口9aのうち、X軸方向の最も端にある吐出口9aよりもX軸方向の端の部分において、端部11dが傾斜していてもよい。そして、X軸方向において、吐出口9aが存在する範囲内の溝部11の底面は、内底10eと実質的に平行であってもよい。
Further, in the embodiment shown in FIG. 7 or FIG. 8, the
また、図10に示した例では、端部11dの傾斜は、X軸方向の端に向かって、深さが漸近的に0になるように浅くなっている。他の態様として、端部11dの傾斜は、X軸方向の端に向かって、深さが所定の値になるように浅くなっていてもよい。
Further, in the example shown in FIG. 10, the inclination of the
吐出口9aの上部に滞留した異物30により、浮上できずに溝部11内を端部11dに向かった気泡8には、溝部11の深さが浅くなることで溝部11から外に出すように働く力が大きくなり、溝部11が存在しなくなる部分に到達する前に、溝部11より出る可能性が高くなる。つまり、上述のように溝部11の端部11dを傾斜させることにより、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8のX軸方向の位置精度がさらに向上する。
Due to the
ここで、内底10eに開口した溝部11のX軸方向の幅Nは、例えば、吐出口9aの直径M(=A×2)の3倍以上50倍以下とすることができる。また、溝部11のY軸方向の幅Pは、例えば、幅Nの0.01倍以上0.1倍以下とすることができる。このように溝部11のX軸方向およびY軸方向の幅を規定することにより、吐出口9aから溝部11を経由して浮上する気泡8のX軸方向およびY軸方向の位置精度がさらに高まり、より確実に正極2と負極3との間に気泡8を誘導することができる。
Here, the width N in the X-axis direction of the
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記した実施形態では、電解液6中に粉末7が混在されているとして説明したが、これに限らず、粉末7を有しなくてもよい。かかる場合、負極3が含有する負極活物質を増量するとよい。
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above embodiments, and various changes can be made without departing from the gist of the present invention. For example, in the above-described embodiment, the description has been made assuming that the
また、上記した実施形態では、隔膜4,5は正極2の厚み方向の両側を挟むように配置されるとして説明したが、これに限らず、正極2を被覆していてもよい。また、隔膜4,5は、必ずしも配置されなくともよい。
In the above-described embodiment, the
なお、供給部14は、吐出口9aの目詰まり防止の観点から常時動作させることが好ましいが、電力消費を低減する観点から、放電時には充電時よりも気体の供給レートを低下させてもよい。
The
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。 Further effects and modifications can be easily derived by those skilled in the art. Thus, the broader aspects of the present invention are not limited to the specific details and representative embodiments shown and described above. Accordingly, various modifications may be made without departing from the spirit or scope of the general inventive concept as defined by the appended claims and equivalents thereof.
1 フロー電池
2 正極
3,3a,3b 負極
4,5 隔膜
6 電解液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a 吐出口
10 反応部
11 溝部
14 供給部
17 筐体
18 上板
20 天板
DESCRIPTION OF
Claims (12)
前記正極および前記負極に接触する電解液と、
前記負極の幅方向に延びる溝部と、前記溝部の底面から前記電解液中に気体を吐出して気泡を発生させる吐出口とを有し、前記正極および前記負極より下方に配置された発生部と
を備えることを特徴とするフロー電池。 A positive electrode and a negative electrode,
An electrolyte that contacts the positive electrode and the negative electrode,
A groove extending in the width direction of the negative electrode, having a discharge port for discharging a gas into the electrolytic solution from the bottom surface of the groove to generate bubbles, and a generating unit disposed below the positive electrode and the negative electrode; A flow battery comprising:
前記吐出口は、前記溝部ごとにそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のフロー電池。 The plurality of grooves are arranged along the width direction of the negative electrode,
The flow battery according to any one of claims 1 to 6, wherein the discharge port is arranged for each of the grooves.
前記吐出口は、前記溝部ごとにそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のフロー電池。 The plurality of grooves are arranged in the thickness direction of the negative electrode,
The flow battery according to any one of claims 1 to 7, wherein the discharge port is arranged for each of the grooves.
前記気泡は、前記第1負極と前記正極との間、および前記正極と前記第2負極との間を浮上することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のフロー電池。 The negative electrode includes a first negative electrode and a second negative electrode that face each other across the positive electrode,
The flow cell according to any one of claims 1 to 10, wherein the air bubbles float between the first negative electrode and the positive electrode and between the positive electrode and the second negative electrode.
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のフロー電池。 The flow battery according to any one of claims 1 to 11, further comprising a powder containing zinc and movably mixed in the electrolytic solution.
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