JP2020021093A - 光学系及びこの光学系を有する光学機器 - Google Patents

光学系及びこの光学系を有する光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2020021093A
JP2020021093A JP2019187588A JP2019187588A JP2020021093A JP 2020021093 A JP2020021093 A JP 2020021093A JP 2019187588 A JP2019187588 A JP 2019187588A JP 2019187588 A JP2019187588 A JP 2019187588A JP 2020021093 A JP2020021093 A JP 2020021093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens group
lens
optical system
focal length
refractive power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019187588A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6780758B2 (ja
Inventor
雅史 山下
Masafumi Yamashita
雅史 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2019187588A priority Critical patent/JP6780758B2/ja
Publication of JP2020021093A publication Critical patent/JP2020021093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6780758B2 publication Critical patent/JP6780758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】色収差をはじめとした諸収差が良好に補正された光学系を提供する。【解決手段】光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3との実質的に3個のレンズ群からなり、合焦に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が変化し、無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、第2レンズ群G2が光軸に沿って移動し、第1レンズ群G1は少なくとも1つの接合レンズを有し、以下の条件式を満足する。1.00<f/(−f2)<2.40、0.80<f1/(−f2)<1.45、1.40<TL/f1<2.05、ただし、f:光学系の無限遠合焦時の焦点距離、f2:第2レンズ群G2の焦点距離、f1:第1レンズ群G1の焦点距離、TL:光学系の全長。【選択図】図1

Description

本発明は、光学系及びこの光学系を有する光学機器に関する。
従来、写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等に適した光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−033178号公報
近年の撮像素子の高画素化に伴い、色収差をはじめとした諸収差が良好に補正された光学系が望まれている。
本発明においては、
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
前記第1レンズ群は少なくとも1つの接合レンズを有し、
以下の条件式を満足する光学系とした。
1.00<f/(−f2)<2.40
0.80<f1/(−f2)<1.45
1.40<TL/f1<2.05
ただし、
f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
TL:前記光学系の全長
また、本発明においては、
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
前記第3レンズ群は、最も物体側から順に正レンズと負レンズとを有し、
以下の条件式を満足する光学系とした。
1.00<f/(−f2)<2.40
0.80<f1/(−f2)<1.45
1.11<f1/f3<1.40
ただし、
f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
また、本発明においては、
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
開口絞りを有し、前記開口絞りの物体側に隣り合うレンズ面は物体側に凸の形状をしたレンズ面であり、前記開口絞りの像側に隣り合うレンズ面は像側に凸の形状をしたレンズ面であり、
以下の条件式を満足する光学系とした。
1.00<f/(−f2)<2.40
70.00<νp
ただし、
f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
νp:前記第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値
また、本発明においては、
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
前記第1レンズ群は少なくとも1つの接合レンズを有し、
以下の条件式を満足する光学系とした。
0.80<f/f1<1.60
0.80<f1/(−f2)<1.45
1.40<TL/f<2.05
ただし、
f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
TL:前記光学系の全長
また、本発明においては、
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
前記第3レンズ群は、最も物体側から順に正レンズと負レンズとを有し、
以下の条件式を満足する光学系。
0.80<f/f1<1.60
0.80<f1/(−f2)<1.45
1.11<f1/f3<1.40
ただし、
f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
また、本発明においては、
光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
開口絞りを有し、前記開口絞りの物体側に隣り合うレンズ面は物体側に凸の形状をしたレンズ面であり、前記開口絞りの像側に隣り合うレンズ面は像側に凸の形状をしたレンズ面であり、
以下の条件式を満足する光学系とした。
0.80<f/f1<1.60
70.00<νp
ただし、
f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
νp:前記第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値
また、本発明においては、上記光学系を備えた光学機器とした。
本願の第1実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図である。 本願の第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 本願の第1実施例に係る光学系の至近撮影距離状態における諸収差図である。 本願の第2実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図である。 本願の第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 本願の第2実施例に係る光学系の至近撮影距離状態における諸収差図である。 本願の第3実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図である。 本願の第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 本願の第3実施例に係る光学系の至近撮影距離状態における諸収差図である。 本願の光学系を搭載した一眼レフカメラの断面図である。 本願の光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本願の光学系の他の製造方法を説明するためのフローチャートである。 反射防止膜の層構造の一例を示す説明図である。 反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性の入射角度依存性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性の入射角度依存性を示すグラフである。
以下、本願の実施形態に係る光学系、光学機器、光学系の製造方法について説明する。本実施形態の光学系は光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動する。
上述のように本実施形態の光学系は、第2レンズ群を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させて無限遠物体から近距離物体への合焦を行うことにより、合焦時の収差変動を小さくすることができる。また、合焦レンズ群の軽量化を図ることができ、これによって高速な合焦を行うことが可能となる。
本実施形態の光学系は、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
1.00<f/(−f2)<2.40 (1)
但し、
f :前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
上記条件式(1)は、本実施形態の光学系の無限遠合焦時の焦点距離と、第2レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(1)を満足することにより、球面収差や像面湾曲を良好に補正し、光学系の全長が大きくなるのを防止することができる。
条件式(1)の下限を下回ると、第2レンズ群の屈折力が小さくなるため、球面収差が補正不足になり、像面湾曲も十分に補正することが困難になり好ましくない。また、合焦レンズ群である第2レンズ群の合焦の際の移動量が大きくなり、光学系の全長が大きくなってしまうため好ましくない。なお、条件式(1)の下限値を1.15に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(1)の下限値を1.30に設定することで、本願の効果を更に確実なものとすることができる。
一方、条件式(1)の上限を上回ると、第2レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差が補正過剰になり、像面湾曲も補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(1)の上限値を2.20に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(1)の上限値を2.00に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
以上の構成により、比較的焦点距離が長くFナンバーの小さい光学系において、無限遠から近距離物点まで優れた光学性能を実現することができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.80<f/f1<1.60 (2)
但し、
f :前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
上記条件式(2)は、本実施形態の光学系全体の焦点距離と第1レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(2)を満足することにより、光学系の全長が大きくなることを防止し、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することができる。
条件式(2)の下限を下回ると、第1レンズ群の屈折力が小さくなるため、光学系の全長が増大し、さらに、周辺光量を確保することが困難になってしまい好ましくない。また、光学系の全長を短縮するために第3レンズ群の屈折力を大きくすれば、球面収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまうため好ましくない。なお、条件式(2)の下限値を0.90に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(2)の下限値を1.00に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
一方、条件式(2)の上限を上回ると、第1レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差やコマ収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(2)の上限値を1.50に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(2)の上限値を1.35に設定することで、本願の効果を更に確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
0.80<f1/(−f2)<1.45 (3)
但し、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
上記条件式(3)は、本実施形態の第1レンズ群の焦点距離と第2レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(3)を満足することにより、球面収差や像面湾曲を良好に補正し、光学系の全長が大きくなるのを防止することができる。
条件式(3)の下限を下回ると、第2レンズ群の屈折力が小さくなるため、球面収差が補正不足になり、像面湾曲も十分に補正することが困難となってしまい好ましくない。また、合焦レンズ群である第2レンズ群の合焦時の移動量が大きくなり、光学系の全長が大きくなってしまうため好ましくない。なお、条件式(3)の下限値を0.90に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(3)の下限値を1.00に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
一方、条件式(3)の上限を上回ると、第2レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差が補正過剰になり、像面湾曲も補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(3)の上限値を1.44に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(3)の上限値を1.42に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
1.11<f1/f3<1.50 (4)
但し、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
上記条件式(4)は、本実施形態の第1レンズ群の焦点距離と第3レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(4)を満足することにより、光学系の全長が大きくなるのを防止し、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することができる。
条件式(4)の上限を上回ると、第1レンズ群の屈折力が小さくなるため、光学系の全長が増大し、さらに周辺光量を確保することが困難になってしまい好ましくない。また、光学系の全長を短縮するために第3レンズ群の屈折力を大きくすれば、球面収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまうため好ましくない。なお、条件式(4)の上限値を1.40に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(4)の上限値を1.30に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
条件式(4)の下限を下回ると、第1レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差やコマ収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(4)の下限値を1.115に設定することで、本願の効果をより確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.70<(−f2)/f3<1.50 (5)
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
上記条件式(5)は、本願の第2レンズ群の焦点距離と第3レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(5)を満足することにより、球面収差や像面湾曲を良好に補正し、光学系の全長が大きくなることを防止することができる。
条件式(5)の上限を上回ると、第2レンズ群の屈折力が小さくなるため、球面収差が補正不足になり、像面湾曲も十分に補正することが困難となってしまい好ましくない。また、合焦レンズ群である第2レンズ群の合焦時の移動量が大きくなり、光学系の全長が大きくなってしまうため好ましくない。なお、条件式(5)の上限値を1.35に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(5)の上限値を1.20に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
一方、条件式(5)の下限を下回ると、第2レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差が補正過剰になり、像面湾曲も補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(5)の下限値を0.75に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(5)の下限値を0.80に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
1.20<TL/f1<2.05 (6)
但し、
TL:前記光学系の全長
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
上記条件式(6)は、本実施形態の光学系の全長と第1レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(6)を満足することにより、光学系の全長が大きくなることを防止し、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することができる。
条件式(6)の下限を下回ると、第1レンズ群の屈折力が小さくなるため、光学系の全長が増大し、さらに、周辺光量を確保することが困難になってしまい好ましくない。また、光学系の全長を短縮するために第3レンズ群の屈折力を大きくすれば、球面収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまうため好ましくない。なお、条件式(6)の下限値を1.40に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(6)の下限値を1.60に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
一方、条件式(6)の上限を上回ると、第1レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差やコマ収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(6)の上限値を2.03に設定することで、本願の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(6)の上限値を2.00に設定することで、本願の効果を更に確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
1.50<TL/(−f2)<3.10 (7)
但し、
TL:前記光学系の全長
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
上記条件式(7)は、本実施形態の光学系の全長と第2レンズ群の焦点距離を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(7)を満足することにより、光学系の全長が大きくなることを防止し、像面湾曲やコマ収差を良好に補正することができる。
条件式(7)の下限を下回ると、第2レンズ群の屈折力が小さくなるため、光学系の全長が増大し、さらに、周辺光量を確保することが困難になってしまうため好ましくない。また、光学系の全長を短縮するために第3レンズ群の屈折力を大きくすれば、球面収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまうため好ましくない。なお、条件式(7)の下限値を1.70に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(7)の下限値を1.90に設定することで、本願の効果を更に確実なものとすることができる。
一方、条件式(7)の上限を上回ると、第2レンズ群の屈折力が大きくなるため、球面収差やコマ収差や像面湾曲を補正することが困難になってしまい好ましくない。なお、条件式(7)の上限値を3.00に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(7)の上限値を2.90に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
63.00<νp (8)
但し、
νp:前記第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値
上記条件式(8)は、本実施形態の第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値を規定するものである。本実施形態の光学系は、条件式(8)を満足することにより、軸上色収差を良好に補正することができる。
条件式(8)の下限を下回ると、軸上色収差を良好に補正することが困難となってしまうため好ましくない。なお、条件式(8)の下限値を65.00に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。また、条件式(8)の下限値を70.0に設定することで、本実施形態の効果を更に確実なものとすることができる。
また、本実施形態の光学系は、無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第1レンズ群が、固定であることが望ましい。この構成により、第1レンズ群と第2レンズ群の両方が移動する場合と比べて合焦レンズ群の小型化が図れ、また、多くの合焦レンズ群が移動する際の誤差によって生じるコマ収差等の諸収差の発生を少なくすることができる。
また、本実施形態の光学系は、無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第3レンズ群が、固定であることが望ましい。この構成により、第2レンズ群と第3レンズ群の両方が移動する場合と比べて合焦レンズ群の小型化が図れ、また、多くの合焦レンズ群が移動する際の誤差によって生じるコマ収差等の諸収差の発生を少なくすることができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第1レンズ群が、接合レンズを有し、前記接合レンズが、物体側から順に、正レンズと負レンズからなることが望ましい。この構成により、球面収差並びに軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第3レンズ群中に開口絞りを有することが望ましい。この構成により、像面湾曲や非点収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の光学系は、開口絞りを有し、前記開口絞りの物体側に隣り合うレンズ面は物体側に凸の形状をしたレンズ面であり、前記開口絞りの像側に隣り合うレンズ面は像側に凸の形状をしたレンズ面であることが望ましい。この構成により、球面収差や像面湾曲や非点収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第3レンズ群が、最も物体側から順に隣り合って配置された正レンズと負レンズとを有することが望ましい。この構成により、球面収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第2レンズ群が、接合レンズを有し、前記接合レンズは、物体側から順に、正レンズと負レンズからなり、前記第2レンズ群は、前記接合レンズで構成されている、又は、物体側から順に、負レンズと前記接合レンズとで構成されていることが望ましい。この構成により、小型で軸上色収差を良好に補正した光学系を実現することができる。また、この構成により、合焦時の球面収差の変動を小さくすることができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第3レンズ群が、少なくとも一つの非球面を有することが望ましい。この構成により、コマ収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第3レンズ群の少なくとも一部が光軸と直交する方向の成分を含むように移動することが望ましい。この構成により、手ぶれ等によって生じる像ぶれの補正(防振)を行うことができる。そして、像ぶれ補正時の収差変動を小さくすることができる。
また、本実施形態の光学系は、前記第1レンズ群から前記第3レンズ群における光学面のうちの少なくとも1面に反射防止膜が設けられており、前記反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含むことが望ましい。この構成により、本実施形態の光学系は、物体からの光が光学面で反射されることによって生じるゴーストやフレアをより低減させることができ、高い結像性能を達成することができる。
また、本実施形態の光学系は、前記ウェットプロセスを用いて形成された層のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率をndとしたとき、ndが1.30以下であることが望ましい。この構成により、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
なお、本実施形態の光学系における反射防止膜は、ウェットプロセスに限られず、ドライプロセス等によって形成してもよい。この場合、反射防止膜は屈折率が1.30以下となる層を少なくとも1層含むようにすることが好ましい。この構成により、反射防止膜をドライプロセス等によって形成した場合でも、反射防止膜をウェットプロセスによって形成した場合と同様の効果を得ることができる。なお、屈折率が1.30以下となる層は、多層膜を構成する層のうちの最も表面側の層であることが好ましい。
本実施形態の光学機器は、上述した構成の光学系を備えている。これにより、ゴーストやフレアをより低減させ、像ぶれ補正時の収差変動を良好に抑えた光学機器を実現することができる。
本実施形態の光学系の製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する光学系の製造方法であって、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動するようにし、
以下の条件式(1)を満足するようにする。
1.00<f/(−f2)<2.40 (1)
但し、
f :前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
斯かる本実施形態の光学系の製造方法により、無限遠物点から近距離物点まで優れた光学性能を有する光学系を製造することができる。
また、本願の別の実施形態の光学系の製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する光学系の製造方法であって、
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動するようにし、
以下の条件式(2)を満足するようにする。
0.80<f/f1<1.60 (2)
但し、
f :前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
斯かる本実施形態の光学系の製造方法により、無限遠物点から近距離物点まで優れた光学性能を有する光学系を製造することができる。
以下、本願の数値実施例に係る光学系を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は、本願の第1実施例に係る光学系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る光学系は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。
正の屈折力を有する第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と、両凸形状の正レンズL13と両凹形状の負レンズL14とを接合してなる接合レンズからなる。
負の屈折力を有する第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と両凹形状の負レンズL22とを接合してなる接合レンズからなる。
正の屈折力を有する第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と、開口絞りSと、両凹形状の負レンズL33と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL34との接合レンズと、両凸形状の正レンズL35と両凹形状の負レンズL36と両凸形状の正レンズL37とを接合してなる接合レンズとからなる。
本実施例に係る光学系では、第3レンズ群G3の最も像側面(面番号22)が非球面である。
本実施例に係る光学系では、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が像面に対して固定され、第2レンズ群G2全体が光軸に沿って像側へ移動し、これによって無限遠物体から近距離物体への合焦が行われる。
本実施例に係る光学系では、負レンズL33と正メニスカスレンズL34からなり、開口絞りSの像側に隣り合って配置された接合レンズが、防振レンズ群として光軸と直交する方向の成分を含む様に移動し、これによって像ぶれの補正を行うことができる。
本実施例に係る光学系では、正レンズL35と負レンズL36と正レンズL37とからなり最も像側に配置された接合レンズのうち最も物体側レンズ面(面番号19)にウエットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含むように構成された反射防止膜が形成されている。
下記の表1に、本第1実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
この表1の[全体諸元]において、「f」は焦点距離、「FNO」はFナンバー、「2ω」は画角(単位:「°」)、「Y」は像高、「TL」は光学系の全長、「Bf」はバックフォーカスを表している。なお、全長TLは、この光学系の最も物体側のレンズ面(第1面)から像面までの光軸上の距離を示し、バックフォーカスBfは、この光学系の最も像側のレンズ面(第22面)から像面までの光軸上の距離を表している。
また、[面データ]において、「面番号」は光軸に沿った物体側から数えた光学面の順序、「r」は各光学面の曲率半径、「d」は面間隔(第n面(nは整数)と第n+1面との間隔)、「nd」はd線に対する屈折率、「νd」はd線(波長λ=587.6nm)に対するアッべ数を示している。また、「物面」は物体面、「(絞りS)」は開口絞りS、「可変」は可変の面間隔を示している。曲率半径r=∞は平面を示し、空気の屈折率nd=1.00000は省略してある。非球面には面番号の右側に「*」を付している。
また、[レンズ群焦点距離]には、各レンズ群のうち最も物体側の面の面番号(始面)および各レンズ群の焦点距離を示している。
[非球面データ]には、[面データ]に示した非球面について、その形状を次式で表した場合の円錐定数と非球面係数を示す。なお、「E−n」は「×10−n」を示し、例えば、「1.234E−05」は、「1.234×10−5」を示す。2次の非球面係数A2は0である。
X(y)=(y/r)/[1+[1−κ(y/r)]1/2]
+A4×y+A6×y+A8×y+A10×y10
ここで、光軸に垂直な方向の高さを「y」とし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)を「S(y)」とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を「r」とし、円錐定数を「κ」とし、n次の非球面係数を「An」とする。
[可変間隔データ]において、「f」は全系の焦点距離を、「β」は物体と像間の結像倍率を、「Di」(但し、iは整数)は、第i面の可変の面間隔を示している。また、「無限遠」は無限遠合焦状態を、「至近」は至近撮影距離状態を示している。なお、D0は物体から第1面までの距離を示している。
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
(表1)
[全体諸元]
f = 102.128
FNO= 1.449
2ω = 23.891
Y = 21.60
TL = 146.818
Bf = 41.301

[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 176.41170 7.081 1.59349 67.00
2 -997.05190 0.100
3 96.85690 9.766 1.49782 82.57
4 -2499.53100 0.100
5 64.16290 13.758 1.49782 82.57
6 -222.06850 3.500 1.73800 32.26
7 171.04680 可変
8 -136.08080 4.000 1.80809 22.74
9 -85.91600 2.500 1.48749 70.32
10 40.41360 可変
11 121.43430 5.687 1.72916 54.61
12 -106.55980 0.100
13 97.96380 1.800 1.61505 35.73
14 33.61330 6.326
15(絞りS) ∞ 6.526
16 -52.40880 1.600 1.59238 35.86
17 71.14860 3.733 1.72916 54.61
18 478.61380 0.100
19 80.79100 8.330 1.75596 49.76
20 -33.83920 1.600 1.58128 37.40
21 61.41580 4.724 1.89799 34.84
22* -225.35840 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
群 始面 焦点距離
1 1 81.118
2 8 -69.336
3 11 72.558

[非球面データ]
κ A4 A6 A8 A10
第22面 1 9.931E-07 -1.978E-09 8.134E-12 -1.116E-14

[可変間隔データ]
無限遠 至近
f又はβ 102.128 -0.136倍
D7 8.522 18.522
D10 15.664 5.664

[条件式対応値]
(1) f/(−f2)=1.47
(2) f/f1=1.26
(3) f1/(−f2)=1.17
(4) f1/f3=1.12
(5) (−f2)/f3=0.96
(6) TL/f1=1.81
(7) TL/(−f2)=2.12
(8) νP=77.38
このように、第1実施例に係る光学系は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
図2に、第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。また、図3に、撮影倍率β=−0.136で近距離合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。各収差図において、「FNO」はFナンバーを、「Y」は像高を、それぞれ示している。また、各収差図において、「d」はd線(波長λ=587.6nm)、及び、「g」はg線(波長λ=435.8nm)に対する収差を表している。また、非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリジオナル像面を示している。なお、この収差図の説明は以降の実施例においても同様である。
この図2、図3に示す各収差図から明らかなように、第1実施例に係る光学系では諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
(第2実施例)
図4は、本願の第2実施例に係る光学系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る光学系は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。
正の屈折力を有する第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と、両凸形状の正レンズL13と両凹形状の負レンズL14とを接合してなる接合レンズからなる。
負の屈折力を有する第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と両凹形状の負レンズL22とを接合してなる接合レンズからなる。
正の屈折力を有する第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と、開口絞りSと、両凹形状の負レンズL33と両凸形状の正レンズL34とを接合してなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL35と両凹形状の負レンズとを接合してなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL37からなる。
本実施例に係る光学系では、第3レンズ群G3の最も像側面(面番号23)が非球面である。
本実施例に係る光学系では、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が像面に対して固定され、第2レンズ群G2全体が光軸に沿って像側へ移動し、これによって無限遠物体から近距離物体への合焦が行われる。
本実施例に係る光学系では、負レンズL33と正レンズL34からなり、開口絞りSの像側に隣り合って配置された接合レンズが、防振レンズ群として光軸と直交する方向の成分を含む様に移動し、これによって像ぶれの補正を行うことができる。
本実施例に係る光学系では、最も像側の正レンズL37の物体側レンズ面(面番号22)と正レンズL37の物体側に隣り合って配置された負レンズL36の像側レンズ面(面番号21)とにウエットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含むように構成された反射防止膜が形成されている。
以下の表2に、本第2実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表2)
[全体諸元]
f = 102.643
FNO= 1.441
2ω = 23.836
Y = 21.60
TL = 156.819
Bf = 44.626

[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 232.74460 5.460 1.59349 67.00
2 -941.72040 0.100
3 99.95980 9.402 1.49782 82.57
4 -635.59410 0.100
5 67.81170 13.106 1.49782 82.57
6 -170.83160 3.500 1.64769 33.72
7 136.65740 可変
8 -132.42720 4.400 1.80809 22.74
9 -82.87930 2.500 1.48749 70.32
10 43.90050 可変
11 76.67630 6.700 1.74397 44.85
12 -145.75050 0.100
13 365.29930 1.800 1.51742 52.20
14 35.15610 7.500
15(絞りS) ∞ 5.022
16 -52.41160 1.800 1.60482 34.33
17 48.32170 8.500 1.76457 48.44
18 -99.22310 0.100
19 302.91470 7.000 1.72916 54.61
20 -46.57540 1.800 1.61532 33.18
21 63.20750 2.000
22 63.50280 6.000 1.90265 35.72
23* -264.53160 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
群 始面 焦点距離
1 1 87.792
2 8 -74.149
3 11 72.509

[非球面データ]
κ A4 A6 A8 A10
第23面 1 2.199E-07 -4.073E-11 -2.713E-13 4.702E-16

[可変間隔データ]
無限遠 至近
f又はβ 102.643 -0.141倍
D7 8.654 20.317
D10 16.649 4.986

[条件式対応値]
(1) f/(−f2)=1.38
(2) f/f1=1.17
(3) f1/(−f2)=1.18
(4) f1/f3=1.21
(5) (−f2)/f3=1.02
(6) TL/f1=1.79
(7) TL/(−f2)=2.11
(8) νP=77.38
このように、第2実施例に係る光学系は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
図5に、第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。また、図6に、撮影倍率β=−0.141で近距離合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この図5、図6に示す各収差図から明らかなように、この第2実施例に係る光学系では、諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
(第3実施例)
図7は、本願の第3実施例に係る光学系のレンズ構成を示す図である。
本実施例に係る光学系は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成される。
正の屈折力を有する第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13とを接合してなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14からなる。
負の屈折力を有する第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL22と両凹形状の負レンズL23とを接合してなる接合レンズからなる。
正の屈折力を有する第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と両凹形状の負レンズL32とを接合してなる接合レンズと、開口絞りSと、両凹形状の負レンズL33と両凸形状の正レンズL34とを接合してなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL35と両凸形状の正レンズL36とを接合してなる接合レンズからなる。
本実施例に係る光学系では、第3レンズ群G3の最も像側面(面番号22)が非球面である。
本実施例に係る光学系では、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が像面に対して固定され、第2レンズ群G2全体が光軸に沿って像側へ移動し、これによって無限遠物体から近距離物体への合焦が行われる。
本実施例に係る光学系では、負レンズL33と正レンズL34からなり、開口絞りSの像側に隣り合って配置された接合レンズが防振レンズ群として光軸と直交する方向の成分を含む様に移動し、これによって像ぶれの補正を行うことができる。
本実施例に係る光学系では、負レンズL35と正レンズL36とからなり最も像側に配置された接合レンズの最も物体側レンズ面(面番号20)にウエットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含むように構成された反射防止膜が形成されている。
以下の表3に、本第3実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表3)
[全体諸元]
f = 102.618
FNO= 1.440
2ω = 23.596
Y = 21.60
TL = 164.819
Bf = 47.774

[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 198.29690 7.671 1.59349 67.00
2 -268.67610 0.100
3 91.70170 13.288 1.49782 82.57
4 -128.83920 3.500 1.64769 33.72
5 203.55460 0.100
6 79.79810 8.164 1.49782 82.57
7 1937.33200 可変
8 -194.71540 2.500 1.71999 50.27
9 117.67630 3.032
10 -1433.39560 5.200 1.80809 22.74
11 -76.31750 2.500 1.51742 52.20
12 53.75550 可変
13 49.94100 11.096 1.88462 36.82
14 -83.51650 1.800 1.63199 34.05
15 37.73780 7.500
16(絞りS) ∞ 7.600
17 -40.81280 1.800 1.69044 27.44
18 99.54650 8.500 1.72916 54.61
19 -55.04360 0.100
20 285.10750 1.800 1.55390 42.19
21 41.90420 8.500 1.80733 43.13
22* -158.99830 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
群 始面 焦点距離
1 1 83.797
2 8 -59.773
3 11 69.892

[非球面データ]
κ A4 A6 A8 A10
第22面 1 9.463E-07 3.760E-10 -7.363E-13 1.038E-15

[可変間隔データ]
無限遠 至近
f又はβ 102.643 -0.144倍
D7 7.857 17.857
D12 14.437 4.437

[条件式対応値]
(1) f/(−f2)=1.72
(2) f/f1=1.22
(3) f1/(−f2)=1.40
(4) f1/f3=1.20
(5) (−f2)/f3=0.86
(6) TL/f1=1.97
(7) TL/(−f2)=2.76
(8) νP=77.38
このように、第3実施例に係る光学系は、上記条件式(1)〜(8)を全て満たしている。
図8に、第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。また、図9に、撮影倍率β=−0.144で近距離合焦した状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この図8、図9に示す各収差図から明らかなように、この第3実施例に係る光学系では、諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
以上に示した第1実施例から第3実施例までの各実施例の条件式対応値を、参照のため、以下の表4に示す。
(表4)
条件式 第1実施例 第2実施例 第3実施例
(1)f/(−f2) 1.47 1.38 1.72
(2)f/f1 1.26 1.17 1.22
(3)f1/(−f2) 1.17 1.18 1.40
(4)f1/f3 1.12 1.21 1.20
(5)(−f2)/f3 0.96 1.02 0.86
(6)TL/f1 1.81 1.79 1.97
(7)TL/(−f2) 2.12 2.11 2.76
(8)νP 77.38 77.38 77.38
ここで、本願の実施形態に係る光学系に用いられる反射防止膜(多層広帯域反射防止膜とも言う)について説明する。図13は、反射防止膜の膜構成の一例を示す図である。この反射防止膜101は7層からなり、レンズ等の光学部材102の光学面に形成される。第1層101aは真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムで形成されている。また、この第1層101aの上に更に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第2層101bが形成される。さらに、この第2層101bの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第3層101cが形成され、この第3層101cの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第4層101dが形成される。またさらに、この第4層101dの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第5層101eが形成され、この第5層101eの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第6層101fが形成される。
そして、このようにして形成された第6層101fの上に、ウェットプロセスによりフッ化マグネシウムとシリカの混合物からなる第7層101gが形成されて本実施形態の反射防止膜101が形成される。第7層101gの形成には、ウェットプロセスの一種であるゾル−ゲル法を用いている。ゾル−ゲル法とは、原料を混合することにより得られたゾルを、加水分解・重縮合反応などにより流動性のないゲルとし、このゲルを加熱・分解して生成物を得る方法であり、光学薄膜の作製においては、光学部材の光学面上に光学薄膜材料ゾルを塗布し、乾燥固化によりゲル膜とすることで膜を生成することができる。なお、ウェットプロセスとして、ゾル−ゲル法に限らず、ゲル状態を経ないで固体膜を得る方法を用いるようにしてもよい。
このように、この反射防止膜101の第1層101a〜第6層101fまではドライプロセスである電子ビーム蒸着により形成され、最上層である第7層101gは、フッ酸/酢酸マグネシウム法で調製したゾル液を用いるウェットプロセスにより以下の手順で形成されている。まず、予めレンズ成膜面(上述の光学部材102の光学面)に真空蒸着装置を用いて第1層101aとなる酸化アルミニウム層、第2層101bとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第3層101cとなる酸化アルミニウム層、第4層101dとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第5層101eとなる酸化アルミニウム層、第6層101fとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層を順に形成する。そして、蒸着装置より光学部材102を取り出した後、フッ酸/酢酸マグネシウム法により調製したゾル液にシリコンアルコキシドを加えたものをスピンコート法により塗布することにより、第7層101gとなるフッ化マグネシウムとシリカの混合物からなる層を形成する。フッ酸/酢酸マグネシウム法によって調製される際の反応式を以下の式(b)に示す。
2HF+Mg(CH3COO)2→MgF2+2CH3COOH (b)
この成膜に用いたゾル液は、原料混合後、オートクレーブで140℃、24時間高温加圧熟成処理を施した後、成膜に用いられる。この光学部材102は、第7層101gの成膜終了後、大気中で160℃、1時間加熱処理して完成される。このようなゾル−ゲル法を用いることにより、大きさが数nmから数十nmの粒子が空隙を残して堆積することにより第7層101gが形成される。
このようにして形成された反射防止膜101を有する光学部材の光学的性能について図14に示す分光特性を用いて説明する。
本実施形態に係る反射防止膜を有する光学部材(レンズ)は、以下の表5に示す条件で形成されている。ここで表5は、基準波長をλとし、基板(光学部材)の屈折率が1.62、1.74及び1.85について反射防止膜101の各層101a(第1層)〜101g(第7層)の光学膜厚をそれぞれ求めたものである。なお、表5では、酸化アルミニウムをAl2O3、酸化チタンと酸化ジルコニウム混合物をZrO2+TiO2、フッ化マグネシウムとシリカの混合物をMgF2+SiO2とそれぞれ表している。
(表5)
物質 屈折率 光学膜厚 光学膜厚 光学膜厚
媒質 空気 1
第7層 MgF2+SiO2 1.26 0.268λ 0.271λ 0.269λ
第6層 ZrO2+TiO2 2.12 0.057λ 0.054λ 0.059λ
第5層 Al2O3 1.65 0.171λ 0.178λ 0.162λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.127λ 0.13λ 0.158λ
第3層 Al2O3 1.65 0.122λ 0.107λ 0.08λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0.059λ 0.075λ 0.105λ
第1層 Al2O3 1.65 0.257λ 0.03λ 0.03λ
基板の屈折率 1.62 1.74 1.85
図14は、表5において基準波長λを550nmとして反射防止膜101の各層の光学膜厚を設計した光学部材に光線が垂直入射する時の分光特性を表している。
図14から、基準波長λを550nmで設計した反射防止膜101を有する光学部材は、光線の波長が420nm〜720nmの全域で反射率を0.2%以下に抑えられることが判る。また、表5において基準波長λをd線(波長587.6nm)として各光学膜厚を設計した反射防止膜101を有する光学部材でも、その分光特性にはほとんど影響せず、図14に示す基準波長λが550nmの場合とほぼ同等の分光特性を有する。
次に、本反射防止膜の変形例について説明する。この反射防止膜は5層からなり、表5と同様、以下の表6で示される条件で基準波長λに対する各層の光学膜厚が設計される。本変形例では、第5層の形成に前述のゾル−ゲル法を用いている。
(表6)
物質 屈折率 光学膜厚 光学膜厚
媒質 空気 1
第5層 MgF2+SiO2 1.26 0.275λ 0.269λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.045λ 0.043λ
第3層 Al2O3 1.65 0. 212λ 0.217λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0.077λ 0.066λ
第1層 Al2O3 1.65 0.288λ 0.290λ
基板の屈折率 1.46 1.52
図15は、表6において、基板の屈折率が1.52及び基準波長λを550nmとして各光学膜厚を設計した反射防止膜を有する光学部材に光線が垂直入射する時の分光特性を示している。図15から本変形例の反射防止膜は、光線の波長が420nm〜720nmの全域で反射率が0.2%以下に抑えられることがわかる。なお、表6において基準波長λをd線(波長587.6nm)として各光学膜厚を設計した反射防止膜を有する光学部材でも、その分光特性にはほとんど影響せず、図15に示す分光特性とほぼ同等の特性を有する。
図16は、図15に示す分光特性を有する光学部材への光線の入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性をそれぞれ示す。なお、図15、図16には表6に示す基板の屈折率が1.46の反射防止膜を有する光学部材の分光特性が図示されていないが、基板の屈折率が1.52とほぼ同等の分光特性を有していることは言うまでもない。
また比較のため、図17に、従来の真空蒸着法などのドライプロセスのみで成膜した反射防止膜の一例を示す。図17は、表6と同じ基板の屈折率1.52に以下の表7で示される条件で構成される反射防止膜を設計した光学部材に光線が垂直入射する時の分光特性を示す。また、図18は、図17に示す分光特性を有する光学部材への光線の入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性をそれぞれ示す。
(表7)
物質 屈折率 光学膜厚
媒質 空気 1
第7層 MgF2 1.39 0.243λ
第6層 ZrO2+TiO2 2.12 0.119λ
第5層 Al2O3 1.65 0.057λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.220λ
第3層 Al2O3 1.65 0.064λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0.057λ
第1層 Al2O3 1.65 0.193λ
基板の屈折率 1.52
図14〜図16で示される本実施形態に係る反射防止膜を有する光学部材の分光特性を、図17および図18で示される従来例の分光特性と比較すると、本実施形態に係る反射防止膜はいずれの入射角においてもより低い反射率を有し、しかもより広い帯域で低い反射率を有することが良くわかる。
次に、本願の第1実施例から第3実施例に、上記表5および表6に示す反射防止膜を適用した例について説明する。
本第1実施例の光学系において、第3レンズ群G3の正レンズL35の屈折率は、表1に示すように、nd=1.75596であるため、正レンズL35における物体側のレンズ面に基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜101(表5参照)を用いることでレンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
本第2実施例の光学系において、第3レンズ群G3の負レンズL36の屈折率は、表1に示すように、nd=1.61532であり、第3レンズ群G3の正レンズL37の屈折率は、nd=1.90265あるため、負レンズL36における像面側のレンズ面に基板の屈折率が1.62に対応する反射防止膜101(表5参照)を用い、正レンズL37における物体側のレンズ面に、基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜101(表5参照)を用いることで各レンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
本第3実施例の光学系において、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズL35の屈折率は、表7に示すように、nd=1.55390であるため、負メニスカスレンズL35における物体側のレンズ面に基板の屈折率が1.52に対応する反射防止膜(表6参照)を用いることでレンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
なお、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
実施例では、3群構成の光学系を示したが、4群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
単独又は複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。前記合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等を用いた)モータ駆動にも適している。特に第2レンズ群を合焦レンズ群とするのが好ましい。
開口絞りは第3レンズ群中に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ぶれによって生じる像ぶれを補正する防振レンズ群としても良い。特に、第3レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とするのが好ましい。更に、開口絞りの像側に隣り合って配置されるレンズ成分を防振レンズ群とするのが好ましい。
レンズ面は、球面または平面としても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモ−ルド非球面、又はガラスの表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減しコントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
図10に、上述の光学系を備える光学機器の一例として、一眼レフカメラ1(以後、単にカメラと記す)の略断面図を示す。このカメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2(光学系)で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を、接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の物体(被写体)の光は撮像素子7上に被写体像を形成する。これにより、物体(被写体)からの光は、当該撮像素子7により撮像され、物体(被写体)画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者は本カメラ1による物体(被写体)の撮影を行うことができる。なお、図10に記載のカメラ1は、撮影レンズ2を着脱可能に保持するものでも良く、撮影レンズ2と一体に成形されるものでも良い。また、カメラ1は、いわゆる一眼レフカメラでも良く、クイックリターンミラー等を有さないコンパクトカメラ若しくはミラーレスの一眼レフカメラでも良い。
ここで、本カメラ1の撮影レンズ2として上述した光学系は、その特徴的なレンズ構成によって、ゴーストやフレアをより低減させ、像ぶれ補正時の収差変動を良好に抑えている。これにより本カメラ1は、ゴーストやフレアをより低減させ、像ぶれ補正時の収差変動を良好に抑えた撮影を実現している。
以下、本実施形態の光学系の製造方法の概略を、図11を参照して説明する。この光学系の製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する光学系の製造方法であって、以下のステップS1とS2を含むものである。
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動するようにする(ステップS1)。
以下の条件式(1)を満足するようにする(ステップS2)。
1.00<f/(−f2)<2.40 (1)
但し、
f :前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
以上の製造方法によれば、無限遠物点から近距離物点まで優れた光学性能を有する光学系を製造することができる。
以下、本実施形態に係る光学系の他の製造方法の概略を、図12を参照して説明する。この光学系の製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する光学系の製造方法であって、以下のステップS1とS2を含むものである。
無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動するようにする(ステップS1)。
以下の条件式(2)を満足するようにする(ステップS2)。
0.80<f/f1<1.60 (2)
但し、
f :前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
以上の製造方法によれば、無限遠から近距離物点まで優れた光学性能を有する光学系を製造することができる。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
S 開口絞り
I 像面
1 一眼レフカメラ
2 撮影レンズ
3 クイックリターンミラー
4 焦点板
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 撮像素子

Claims (22)

  1. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
    合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
    前記第1レンズ群は少なくとも1つの接合レンズを有し、
    以下の条件式を満足する光学系。
    1.00<f/(−f2)<2.40
    0.80<f1/(−f2)<1.45
    1.40<TL/f1<2.05
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    TL:前記光学系の全長
  2. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
    合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
    前記第3レンズ群は、最も物体側から順に正レンズと負レンズとを有し、
    以下の条件式を満足する光学系。
    1.00<f/(−f2)<2.40
    0.80<f1/(−f2)<1.45
    1.11<f1/f3<1.40
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
  3. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
    合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
    開口絞りを有し、前記開口絞りの物体側に隣り合うレンズ面は物体側に凸の形状をしたレンズ面であり、前記開口絞りの像側に隣り合うレンズ面は像側に凸の形状をしたレンズ面であり、
    以下の条件式を満足する光学系。
    1.00<f/(−f2)<2.40
    70.00<νp
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    νp:前記第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値
  4. 以下の条件式を満足する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光学系。
    0.80<f/f1<1.60
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
  5. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
    合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
    前記第1レンズ群は少なくとも1つの接合レンズを有し、
    以下の条件式を満足する光学系。
    0.80<f/f1<1.60
    0.80<f1/(−f2)<1.45
    1.40<TL/f<2.05
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    TL:前記光学系の全長
  6. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
    合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
    前記第3レンズ群は、最も物体側から順に正レンズと負レンズとを有し、
    以下の条件式を満足する光学系。
    0.80<f/f1<1.60
    0.80<f1/(−f2)<1.45
    1.11<f1/f3<1.40
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
  7. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、
    合焦に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、
    開口絞りを有し、前記開口絞りの物体側に隣り合うレンズ面は物体側に凸の形状をしたレンズ面であり、前記開口絞りの像側に隣り合うレンズ面は像側に凸の形状をしたレンズ面であり、
    以下の条件式を満足する光学系。
    0.80<f/f1<1.60
    70.00<νp
    ただし、
    f:前記光学系の無限遠合焦時の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    νp:前記第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値
  8. 以下の条件式を満足する請求項1、2、5、6のいずれか一項に記載の光学系。
    63.00<νp
    ただし、
    νp:前記第1レンズ群に含まれる全ての正レンズのアッベ数の平均値
  9. 開口絞りを有し、前記開口絞りの物体側に隣り合うレンズ面は物体側に凸の形状をしたレンズ面であり、前記開口絞りの像側に隣り合うレンズ面は像側に凸の形状をしたレンズ面である請求項1、2、5、6のいずれか一項に記載の光学系。
  10. 前記第1レンズ群は、接合レンズを有し、前記接合レンズは、物体側から順に、正レンズと負レンズとからなる請求項2、3、6、7のいずれか一項に記載の光学系。
  11. 前記第3レンズ群は、最も物体側から順に隣り合って配置された正レンズと負レンズとを有する請求項1、3、5、7のいずれか一項に記載の光学系。
  12. 以下の条件式を満足する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光学系。
    0.70<(−f2)/f3<1.50
    ただし、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
  13. 以下の条件式を満足する請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学系。
    1.50<TL/(−f2)<3.10
    ただし、
    TL:前記光学系の全長
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
  14. 無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第1レンズ群は、固定である請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光学系。
  15. 無限遠物体から近距離物体への合焦に際し、前記第3レンズ群は、固定である請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の光学系。
  16. 前記第3レンズ群中に開口絞りを有する請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の光学系。
  17. 前記第2レンズ群は、接合レンズを有し、前記接合レンズは、物体側から順に、正レンズと負レンズからなり、前記第2レンズ群は、前記接合レンズで構成されている、又は、物体側から順に、負レンズと前記接合レンズとで構成されている請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の光学系。
  18. 前記第3レンズ群は、少なくとも一つの非球面を有する請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の光学系。
  19. 前記第3レンズ群の少なくとも一部が光軸と直交する方向の成分を含むように移動する請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の光学系。
  20. 前記第1レンズ群から前記第3レンズ群における光学面のうちの少なくとも1面に反射防止膜が設けられており、前記反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含む請求項1から請求項19の何れか一項に記載の光学系。
  21. 前記ウェットプロセスを用いて形成された層のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率をndとしたとき、ndが1.30以下である請求項20に記載の光学系。
  22. 請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の光学系を備えた光学機器。
JP2019187588A 2019-10-11 2019-10-11 光学系及びこの光学系を有する光学機器 Active JP6780758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019187588A JP6780758B2 (ja) 2019-10-11 2019-10-11 光学系及びこの光学系を有する光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019187588A JP6780758B2 (ja) 2019-10-11 2019-10-11 光学系及びこの光学系を有する光学機器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015011654A Division JP2016136213A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 光学系、この光学系を有する光学機器、及び、光学系の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020021093A true JP2020021093A (ja) 2020-02-06
JP6780758B2 JP6780758B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=69589840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019187588A Active JP6780758B2 (ja) 2019-10-11 2019-10-11 光学系及びこの光学系を有する光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6780758B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003043348A (ja) * 2001-08-03 2003-02-13 Canon Inc 防振機能を有した光学系
WO2006030848A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Nikon Corporation 非晶質酸化珪素バインダを有するMgF2光学薄膜、及びそれを備える光学素子、並びにそのMgF2光学薄膜の製造方法
US20090262439A1 (en) * 2008-04-21 2009-10-22 Samsung Digital Imaging Co., Ltd. Telephoto lens system
JP2013161076A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Sigma Corp インナーフォーカス式望遠レンズ
JP2016136213A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 株式会社ニコン 光学系、この光学系を有する光学機器、及び、光学系の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003043348A (ja) * 2001-08-03 2003-02-13 Canon Inc 防振機能を有した光学系
WO2006030848A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Nikon Corporation 非晶質酸化珪素バインダを有するMgF2光学薄膜、及びそれを備える光学素子、並びにそのMgF2光学薄膜の製造方法
US20090262439A1 (en) * 2008-04-21 2009-10-22 Samsung Digital Imaging Co., Ltd. Telephoto lens system
JP2013161076A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Sigma Corp インナーフォーカス式望遠レンズ
JP2016136213A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 株式会社ニコン 光学系、この光学系を有する光学機器、及び、光学系の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6780758B2 (ja) 2020-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5636668B2 (ja) レンズ系及び光学装置
JP5429244B2 (ja) 光学系、光学装置
WO2016117652A1 (ja) 光学系、この光学系を有する光学機器、及び、光学系の製造方法
JP5564959B2 (ja) 広角レンズ、撮像装置、広角レンズの製造方法
US10302905B2 (en) Optical system, image-capturing device comprising optical system and method for manufacturing optical system
JP5403411B2 (ja) コンバータレンズ及びこれを有する光学装置
JP5207121B2 (ja) 広角レンズ及びこれを有する撮像装置
JP5311200B2 (ja) 広角レンズ、光学装置
WO2014115565A1 (ja) 変倍光学系、光学装置、及び、変倍光学系の製造方法
JP2009192996A (ja) レンズ系及びこれを有する光学装置
JP5093657B2 (ja) レトロフォーカスレンズ、撮像装置、およびレトロフォーカスレンズの合焦方法
JP2013145337A (ja) 光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法
JP6531402B2 (ja) 光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法
JP2012247687A (ja) 撮影レンズ、この撮影レンズを備えた光学機器、及び、撮影レンズの製造方法
JP6146021B2 (ja) 変倍光学系、光学装置、及び、変倍光学系の製造方法
JP5440560B2 (ja) 変倍光学系、光学装置、変倍光学系の製造方法
JP5712749B2 (ja) ズームレンズ、撮像装置、ズームレンズの製造方法
JP2009198854A (ja) 広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法
JP2015084037A (ja) 変倍光学系、光学装置、変倍光学系の製造方法
JP5218902B2 (ja) 広角レンズおよび撮像装置
JP2012088619A (ja) 撮影レンズ、光学機器、撮影レンズの製造方法
JP2013083780A (ja) 光学系、光学装置、および光学系の製造方法
JP6780758B2 (ja) 光学系及びこの光学系を有する光学機器
JP2015212822A (ja) 光学系、該光学系を備えた撮像装置、光学系の製造方法
JP6435635B2 (ja) 光学系、光学装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6780758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250