JP2020020724A - イムノクロマト用試験片及びイムノクロマト検出キット - Google Patents
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Abstract
Description
イムノクロマト検出法用の試験片(以下単にイムノクロマト試験片ということがある)は、一般に、サンプル供給部、展開部、検出部とを備えた多孔質体からなるメンブレンであって、検出対象物と複合体を形成する標識抗体が、検体(サンプル)との接触後に展開部を通過して検出部に到達できるよう、展開部の展開開始部位に溶出可能に保持され、さらに固定化抗体が展開部の下流側の一部に固定化され検出部を構成する構造となっている。ここで、検体がサンプル供給部に滴下されると、検体中に検出対象物が含まれていた場合、検体中の検出対象物が標識抗体と特異的に結合して複合体を形成し、該複合体は、展開部を下流方向に向かって展開して行き、さらに固定化抗体に結合する。したがって、抗体固定化部分において、標識抗体、検出対象物及び固定化抗体によるサンドイッチ型複合体を検出することで、検出対象物を定性または定量分析することが可能である。標識抗体などの検出試薬(コンジュゲート)を構成する標識物の一例は金コロイド粒子であり、金コロイド粒子による呈色反応によって定性的な検出が可能となる。さらに、その呈色度合いに基づいて、検体中における検出対象物を定量的に検出することも可能である。
特許文献1には、イムノクロマト試験片が格納されるプラスチック基材から溶出される疎水成分により展開液供給部における展開液の浸透性が低下することを防止するために、展開液供給部の表面に糖、界面活性剤等からなる親水性成分層を設けた検体分析用具が開示されている。しかし、サンプル供給に関するするバラツキや、プラスチック基材からの疎水成分の溶出が無い場合についての検討はされておらず、また、実施例で具体的に試験がされているのは、スクロース、N−メチルグルコースアミン、SDS、PVPのみである。
(1)少なくともサンプル供給部、展開部、検出部とを備えたイムノクロマト試験片であって、前記サンプル供給部に分子量15,000〜700,000のポリエチレングリコールが含まれていることを特徴とするイムノクロマト試験片。
(2)前記イムノクロマト試験片は、サンプル供給部を担うサンプルパッドを含む(1)に記載イムノクロマトの試験片。
(3)前記サンプル供給部に供給される検体が血漿または全血である(1)又は(2)に記載のイムノクロマト試験片。
(4)前記サンプル供給部に供給される検体が全血である(1)〜(3)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
(5)前記展開部に金コロイドで標識された抗検出対象物抗体が溶出可能に保持されている(1)〜(4)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
(6)前記イムノクロマト試験片は、金コロイドで標識された抗検出対象物抗体が溶出可能に保持されているコンジュゲートパッドを含む(5)に記載イムノクロマトの試験片。
(7)前記サンプル供給部に赤血球凝集剤又は赤血球結合成分がさらに含まれる(1)〜(6)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
(8)前記赤血球凝集剤がポリブレンである(7)に記載のイムノクロマト試験片。
(9)血球分離用の3rdPadが前記コンジュゲートパッドと前記検出部の間に配置されている(6)〜(8)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
(10)前記ポリエチレングリコールのサンプル供給部の面積あたりの含量は、0.00630〜0.473mg/cm2である(1)〜(9)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
(11)(1)〜(10)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片を含むイムノクロマト検出キット。
(12)少なくともサンプル供給部、展開部、検出部とを備えたイムノクロマト試験片の作製方法であって、サンプル供給部に分子量15,000〜700,000のポリエチレングリコールを含む溶液を含浸した後に乾燥する工程、
を含む前記作製方法。
(13)前記イムノクロマト試験片は、サンプル供給部を担うサンプルパッドを含む(12)に記載の作製方法。
(14)前記分子量15,000〜700,000のポリエチレングリコールを含む溶液は、サンプルパッドの面積あたりの当該ポリエチレングリコールの保持量が0.00630〜0.473mg/cm2となるように、当該ポリエチレングリコールの濃度が調整された溶液である(13)に記載の作製方法。
(15)(1)〜(10)のいずれかに記載のイムノクロマト試験片、(11)に記載のイムノクロマト検出キット、または、(12)〜(14)のいずれかに記載の作製方法によって作製されたイムノクロマト試験片を用いて、前記イムノクロマト試験片のサンプル供給部に検体を滴下し、所定の時間経過後に、前記イムノクロマト試験片の検出部の呈色を検出する、イムノクロマト試験方法。
本発明のイムノクロマト試験片は、少なくとも「サンプル供給部」、「展開部」、「検出部」とを備えた多孔性のメンブレンを含み、検出対象物と複合体を形成する標識抗体が、検体との接触後に展開部を通過して下流側の検出部に到達できるよう、展開部に溶出可能に保持され、さらに検出用の抗体が展開部の一部に固定化され検出部を構成している。
これらを具現化する一例として、サンプル供給部を担うサンプルパッド、検出対象物に対する標識抗体が溶出可能に保持され、展開部の一部を担うコンジュゲートパッド、検出用抗体が一部に固定化され展開部および検出部を担う多孔性のメンブレン、を含む試験片が挙げられる。すなわち、本発明の典型的なイムノクロマト試験片は以下の構成を有する。
(1)検体が供給されるサンプルパッド
(2)サンプルパッドと展開部を含むメンブレンとの間に接触するように配置され、金コロイド表面に第一の抗体が感作されたコンジュゲートが溶出可能に保持されたコンジュゲートパッド
(3)コンジュゲートパッドに接触するように配置され、コンジュゲートと検出対象物との複合体と結合する第二の抗体が展開方向の下流側に固定化された多孔性のメンブレン
ここで、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、多孔性のメンブレンはそれぞれが別々の担体を構成する場合、あるいは2つが1つの担体を構成する場合もあり、展開方向の上流から下流に向かって、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、多孔性のメンブレンの順序で構成され、検体を含む液体が展開されるものであればいずれの態様も含まれる。
イムノクロマト試験片は、上記構成のほかに、吸収パッド、3rdパッドのいずれか一以上をさらに配置装着されたものも含む。該試験片は、通常、プラスチック製粘着シートのような固相支持体上に配置させることもできる。なお、抗体が固定化された多孔性のメンブレンの機械的強度を上げ、かつアッセイ中の水分の蒸発(乾燥)を防ぐ目的でポリエステルフィルムなどを試験片の表面にラミネート加工することも可能である。
本発明のイムノクロマト試験片を用いて、検体中の検出対象物を検出する方法は、少なくとも以下の工程を有する;
サンプル供給部に検体を滴下する工程、
検体中の検出対象物をコンジュゲートと接触させて複合体を形成する工程、及び
検体中の検出対象物とコンジュゲートの複合体を検出部において検出する工程。
そして、本発明のイムノクロマト試験片のサンプル供給部は、特定のPEGにより前処理されていることから、検体がサンプル供給部から速やかに浸透し、展開部へと移動できる。したがって、所定の時間内に一定程度の反応を進行させ、検出値のバラツキを抑えることができる。
本発明において、サンプル供給部は、分子量が15,000〜700,000のポリエチレングリコール(以下、PEGということがある)で前処理されていることを特徴とする。前処理とは、サンプル供給部に前記PEGを含ませることを言い、溶出可能な保持、担持、または溶出しない固定化のいずれの態様も含まれる。特定分子量のPEGを含ませることで、検体(サンプルということもあるが同義である)の試験片への浸透を速やかにし、測定値のバラツキを改善するという作用効果を奏する。
分子量15,000未満では、検体を試験片に浸透させる能力に乏しく、また、700,000より大きいと、PEG自体の水溶性が低くなることからやはり検体を試験片に浸透させる能力に乏しく、展開のバラツキを抑制することができないからである。本発明のPEGの分子量はさらに好ましくは15,000〜500,000であり、15,000〜100,000がさらにいっそう好ましい。
また、サンプルパッドを有さず、同一の不溶性メンブレン上にサンプル供給部を有する場合には、不溶性メンブレンのうち、少なくともサンプル供給部に本発明のPEGを含ませる必要がある。また、サンプル供給部だけではなく、その下流側にも含ませることもできる。
0.00630mg/cm2未満では検体を試験片に浸透させる能力に乏しく、また、0.473mg/cm2より多いと、検出試薬との不要な相互作用が生じてコンジュゲートの過凝集や検出部におけるブランク反応などが発生するからである。更に好ましくは、0.0630〜0.473mg/cm2であり、0.0630〜0.315mg/cm2がよりいっそう好ましく、0.0945〜0.189mg/cm2が最も好ましい。
本発明の特定分子量のPEGを塗布する方法としては、PEGを所定の濃度で含有する液を調製し、ノズルから液を一定の速度で吐出しながら水平方向に移動させることのできる機構を有する装置などを用いて、上記液をライン状等にサンプルパッドや不溶性メンブレン担体に塗布し、乾燥させることにより溶出可能に含ませることができる。また、所定濃度のPEG溶液をピペットなどで一定量採取し、サンプルパッドの一部あるいは全面に塗布してもよい。全面に塗布する場合には、所定濃度のPEG溶液の入った容器にサンプルパッドを浸漬して全面に塗布することもできる。
上記PEG溶液の濃度は、上記の好ましい保持量となるように溶液濃度を調整すればよく、標準的なサンプル供給部の面積を0.96cm2、塗布量を60.5μLと仮定すると、下記式より、Cは0.01%〜0.75%である。更に好ましくは、0.1〜0.75%であり、0.1〜0.5%がよりいっそう好ましく、0.15〜0.3%が最も好ましい。
A(mg/cm2)=BμL×(C%/100)/Dcm2
A:サンプル供給部単位面積あたりのPEGの保持量
B:サンプル供給部に浸み込ませるPEG含有溶液の液量
C:PEG含有溶液中のPEGの%濃度(w/v)
D:サンプル供給部の面積
本発明において、「サンプルパッド」とは、サンプルを受け入れるサンプル供給部を担う部位であり、パッドに成型された状態で液体のサンプルを吸収し、液体と検出対象物の成分とが通り抜けることができる物質及び形態であればいずれのものをも含む。
本発明のサンプルパッドは、上述のとおり、分子量が15,000〜700,000のポリエチレングリコール(PEG)により前処理されたものが用いられる。
PEGによるサンプルパッドの前処理は、サンプルパッドのうち少なくともサンプルが滴下されるサンプル供給部に施されていればよく、サンプル供給部より展開方向に広く施されていてもよく、サンプルパッド全体に施されていることが望ましい。
また、本発明のサンプルパッドには、赤血球凝集剤を含ませておくこともできる。この場合、サンプルパッドの少なくとも一部に含まれていればよく、全体に含ませておくこともできる。
サンプルパッドに適した材料の具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。該サンプルパッドには、後述するコンジュゲートパッドの機能を併せ持たせることも出来る。また、サンプルパッドには、本発明の目的を逸脱せず、反応系に影響のない範囲において、必要に応じ通常使用されるブロッキング試薬を含ませることもできる。
本発明においてコンジュゲートとは、標識体に検出対象物に対する抗体又はコントロール用抗体(あるいは抗原)が固定化されたものをいう。
本発明に用いる標識体は、抗体を感作(固定化)させてコンジュゲートを構成することができ、サンプルと接触させてサンプル中の対象物(抗原)を検出する方法において標識体としての役割を担うことができるようなものであればいずれでもよく、そのうちでも金コロイドが望ましい。
金コロイド粒子の粒径は、20〜100nmが好ましく、より好ましくは30〜100nmであり、特に60nmが好ましい。
本発明のコンジュゲートは、金コロイド等の表面において抗体が結合していない領域をブロッキング剤によりブロッキングすることもできる。
本発明において、「検出試薬」とは具体的には少なくともコンジュゲートを含有する溶液である。
検出試薬は、コンジュゲートを安定な状態に保ち、サンプルと混合されたときにコンジュゲートに固定化された抗体が検出対象物と特異的に反応するのを促進する、あるいはコンジュゲートを迅速かつ効果的に溶解、流動化する目的で、例えば1種類以上の安定化剤、溶解補助剤等を含み得る。該安定化剤、溶解補助剤等としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、スクロース、カゼイン、アミノ酸類などをあげることができる。
また、検出試薬は、検出感度の向上を目的とし必要に応じて公知の増感剤やキレート剤であるEDTAやEGTAなども含み得る。
なお、本明細書において、「検出」又は「測定」という用語は、検出対象の存在の証明及び/又は定量などを含めて最も広義に解釈する必要があり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
本発明において、検体中の検出対象物の濃度に応じて、検体の希釈が必要な場合は、希釈液を用いることがある。希釈液は、抗原抗体反応を著しく阻害したり、または反対に著しく反応を促進して標識体が過凝集するために毛細管現象における展開不良を起こしたり、抗原濃度に応じた抗原抗体反応のシグナル検出が不可能にさえならなければ、いずれの組成の希釈液を用いても良い。
本発明において、「コンジュゲートパッド」とは、検出対象物と特異的に反応する検出試薬を後述のコンジュゲートパッドに適した材料に含浸させて乾燥させたものである。コンジュゲートパッドは、サンプルが該コンジュゲートパッドを通過する際、検出試薬と検出対象物とが複合体を形成する機能を有する。該コンジュゲートパッドは、それ単独で抗体固定化メンブレンに接するように配置されていてもよい。あるいは、前記サンプルパッドと接触して配置され、毛細管流によってサンプルパッドを通過した検体を受入れ、引き続き該検体を毛細管流によって前記サンプルパッドとの接触面とは異なる面で接触する3rd Padに移送するように配置してもよい。なお、サンプルパッド、コンジュゲートパッドの一種以上の部位の選択や、選択された部位を抗体固定化メンブレンにどのように配置するかは、適宜に変更可能である。
該コンジュゲートパッドに適した材料として、紙、セルロース混合物、ニトロセルロース、ポリエステル、アクリロニトリルコポリマー、ガラス繊維またはレーヨンのような不織繊維が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。
該コンジュゲートパッドには、必要に応じて、イムノクロマト検出法による検出結果の信頼性を担保するための「コントロール試薬」、例えば、標識体で標識された検体成分とは反応しない抗体や標識体で標識されたKLH(スカシ貝ヘモシアニン)などの高抗原性タンパク質などを含み得る。これらのコントロール試薬は、サンプル中に存在する可能性が考えられない成分(物質)であり、適宜に選択可能である。
本発明において、3rd Padとは、検体と検出試薬との反応成分のうち、検出対象物の検出に不要な成分を除去し、反応に必要な成分が、抗体が固定化された不溶性メンブレンをスムーズに展開できるようにすることを目的としてサンプルパッドと不溶性メンブレンの間に配置させることができる。例えば、血球や不溶性の血球破砕物などは、検出に不要な成分として除去されることが望ましい。また、この3rd Padには、抗原抗体反応により生成する凝集体のうち、抗体固定化メンブレンに移動し、スムーズに展開できない位に大きくなった凝集体をあらかじめ除去するという付加的な効果を併せ持たせることも可能である。3rd Padとしては、液体と検出対象の成分、および検出試薬とが通り抜けることができるどんな物質及び形態をも含む。具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。3rd Padは、血球を分離する目的で使用される場合は、血球分離膜と呼ばれることもある。本発明において、全血を検体とする場合は、サンプルパッドのみでは除去しきれなかった血球をより確実に分離除去するため、血球分離膜を用いることが望ましい。
本発明において、全血を検体とする場合は、上記3rd Padの使用以外に、赤血球凝集剤や赤血球結合成分を併用することが望ましい。併用する赤血球凝集剤や赤血球結合成分は特に限定されないが、公知の例示としてレクチン、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の他に、ポリカチオン性の赤血球凝集剤が使用できる。公知のポリカチオン性の赤血球凝集剤としてはポリブレンやポリリジン、ポリアクリルアミン、ポリアラニンなどが例示できるが、なかでもポリブレンが好ましい。ポリブレンは、その化学名を臭化ヘキサジメトリンといい、CAS番号28728−55−4が付与されたカチオン性ポリマーの1種である。
赤血球凝集剤や赤血球結合成分の使用態様としては、検体を希釈する希釈液に添加したり、検体に直接添加する態様のほか、イムノクロマト試験片のサンプル供給部(サンプルパッド)に含ませておくことができる。このような使用態様により、全血中の赤血球が凝集される。
ところで、本発明の特定分子量のPEGの利用により、サンプルがサンプル供給部から速やかに浸透して不溶性メンブレンを展開することになる。ここで、検体が全血の場合には、血球成分のメンブレンへの溶出やメンブレン上での目詰まりが起こりがちであるが、本発明のPEGの利用によりこれらの現象が促進されるおそれがある。しかし、3rdPadや赤血球凝集剤等を利用することで血球成分の溶出や目詰まりが効果的に妨げられる。したがって、本発明において、全血を検体とする場合には、特定分子量のPEGの利用のほかに、3rdPadや赤血球凝集剤等も利用することで、全血検体の浸透はすみやかに行われ、かつ、血球成分の溶出や目詰まりの起こらない、効率的なイムノクロマト試験片を提供できる。
本発明のイムノクロマト試験片における検出対象物に対する抗体の不溶性メンブレンへの固定化は、一般に周知の方法で実施することができる。例えば、フロースルー式の場合、上記の抗体を所定の濃度に調製し、その液を一定量、点あるいは+など特定のシンボル状に、不溶性メンブレンに塗布する。またこの際、イムノクロマト検出法による検出結果の信頼性を担保するため、コンジュゲートと結合できるタンパク質あるいは化合物を、検出対象物に対する抗体とは異なる位置に固定化して「コントロール検出部」とすることが一般的である。また、前記のコントロール試薬に対する抗体を検出対象物に対する抗体とは異なる位置に固定化して「コントロール検出部」とすることもできる。
また、抗体の不溶性メンブレンへの固定化量は、フロースルー式の場合には不溶性メンブレンに滴下する塗付量を調節することによって最適化でき、ラテラルフロー式の場合には上記の装置のノズルからの吐出速度を調節することによって最適化できる。特に、ラテラルフロー式の場合、0.5〜2μL/cmが好適である。なお、本発明において、「フロースルー式メンブレンアッセイ」という場合は、検体液等が不溶性メンブレンに対して垂直に通過するように展開する方式を指し、「ラテラルフロー式メンブレンアッセイ」という場合は、検体液等が不溶性メンブレンに対して並行方向に移動するように展開する方式を指す。
本発明において、不溶性メンブレン(以下、単にメンブレンと記載することがある)としては、任意の材質のものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン類、ガラス、セルロースやセルロース誘導体などの多糖類あるいはセラミックス等が挙げられるがこれらに限定されない。具体的には、メルクミリポア社、東洋濾紙社、GEヘルスケア社などより販売されているガラス繊維ろ紙やニトロセルロースメンブレンなどをあげることができる。また、この不溶性メンブレンの孔径と構造を適宜選択することにより、金コロイド標識抗体と検出対象物との免疫複合体がメンブレン中を流れる速度を制御することが可能である。メンブレン中を流れる速度の制御により、メンブレンに固定化された上記抗体に結合する標識抗体量を調節することができるため、メンブレンの孔径と構造は、本発明のイムノクロマト試験片のほかの構成材料との組み合わせを考慮して最適化することが望ましい。
本発明において、吸収パッドとは、不溶性メンブレンを移動・通過した検体を吸収することにより、検体の展開を制御する液体吸収性を有する部位である。ラテラルフロー式においては、試験片の最下流に設ければよく、フロースルー式においては、例えば抗体固定化メンブレンの下部に設ければよい。該吸収パッドとしては、例えば、ろ紙を用いることができるが、これに限定されない。
本発明のイムノクロマト試験片は、試験片の大きさや、検体の添加方法・位置、抗体固定化メンブレンにおける抗体の固定化位置、シグナルの検出方法などを考慮した適当な容器(ハウジング)に格納・搭載して使用することができ、このように格納・搭載された状態を「デバイス」という。
本発明の検出デバイスは、サンプル供給部のほかに、展開液を別途供給する展開液供給部をサンプル供給部の上流側に設けることができる。展開液供給部を設けて展開液を供給することにより、サンプル供給部から供給された検体の展開を促進させることができる。しかし、本発明の試験片はサンプル供給部が特定のPEGにより前処理されていることから、検体をサンプル供給部より供給するだけで検出対象物を速やかに展開部、検出部へと移行させることができることから、あえて展開液供給部をサンプル供給部の他に設けて検体の展開を促さなくても、所定の時間内にイムノクロマト試験片の個体差なく一定程度の反応を進行させることが可能であり、また検出値のばらつきを抑えることが可能である。特に、全血を検体とする場合に展開のばらつきを効果的に抑えることができる。なお、検体と展開液を別々に計2回供給する煩雑さや簡易な構造という点からも本発明の検出デバイスとしては展開液供給部を設けないデバイスがより望ましい。
本明細書において、「不溶性メンブレン」を「固相」、抗原や抗体を不溶性メンブレンに物理的あるいは化学的に担持させることあるいは担持させた状態を「固定」、「固定化」、「固相化」、「感作」、「吸着」と表現することがある。
本発明の検出方法において検出対象物を含む「検体」とは、血液、尿、痰、唾液、鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、その他の体液、糞便等の生体試料等をいう。生体試料は、そのまま検体として用いてもよく、適宜希釈液によって希釈したり、抽出および/または濾過したものも本発明の検体に含まれる。血液検体は、全血のほか、赤血球、血漿、血清等が挙げられる。
また、血液検体には、採血時にEDTAやヘパリンなどの抗凝固剤を添加した採血管により採血した検体も含まれる。
本発明によればイムノクロマト法において全血検体の測定値が血漿検体よりも低値化するという問題も解消され検体の種類を問わずに正確な測定ができるという効果も奏する。
本発明の検出対象物としては、血液(全血)、赤血球、血清、血漿、尿、唾液又は喀痰などの生物検体中に存在する物質で、例えば、CRP(C反応性タンパク)、IgA、IgG、IgMなどの炎症関係マーカー、フィブリン分解産物(例えばDダイマー)、可溶性フィブリン、TAT(トロンビン−アンチトロンビン複合体)、PIC(プラスミン−プラスミンインヒビター複合体)などの凝固・線溶マーカー、酸化LDL、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、H−FABP(心臓型脂肪酸結合タンパク)、心筋トロポニンI(cTnI)などの循環関連マーカー、アディポネクチンなどの代謝関連マーカー、CEA(癌胎児性抗原)、AFP(α−フェトプロテイン)、CA19−9、CA125、PSA(前立腺特異抗原)などの腫瘍マーカー、HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、クラミジアトラコマティス、淋菌などの感染症関連マーカー、アレルゲン特異IgE(免疫グロブリンE)、ホルモン、薬物などが例示される。これらの中でも、検体として全血を使用したいとする要望が高い、Dダイマー、CRP、BNP、H−FABP、cTnIなどがより好ましい。
本発明に用いられる検出対象物に対する抗体は、検出対象物に対して特異的に反応する抗体であれば、作製する方法によって何ら限定されるものではなく、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。一般的に当該抗体を産生するハイブリドーマは、KohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975年)参照)に準じ、検出対象物を免疫原として免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを細胞融合して作製することができる。
ここで、いわゆるサンドイッチの形成により検出対象物を検出する測定法において用いられる抗体がモノクローナル抗体の場合、標識体固定化用抗体(第一の抗体)と不溶性メンブレン固定化用抗体(第二の抗体)の関係は、第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるものが用いられ、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
本発明のイムノクロマト検出法を利用した検出キットは、少なくとも多孔性メンブレンを含み、サンプル供給部、展開部、抗体が固定化された検出部を有するイムノクロマト試験片であって、サンプル供給部が、特定分子量のPEGで処理されていることを特徴とする前記試験片を含むものであればよい。
本検出キットは、他に検出に必要な試薬(例えばコンジュゲートを含む検出試薬)、検体の希釈液、試験用チューブ、濾過フィルター、検体採取用の綿棒、取扱い説明書、試験片格納用のハウジングなどを含んでもよい。
以下、本発明の具体的な実施例を記載するが例示にすぎず本発明はこれらに限定されるものではない。
1.本発明の検出デバイスの作製
1)金コロイド標識抗cTnIモノクローナル抗体(抗cTnI抗体コンジュゲート)の調製
(i)金コロイド溶液の調製
93℃に加温した500mLの精製水に対し、7%(w/v)クエン酸三アンモニウム水溶液を1mL添加して攪拌混合した。続いて、5%(w/v)テトラクロロ金(III)水溶液を1mL添加し、攪拌しながら10分間反応させた後、反応液を沸騰させた。この後、氷水中で冷却し、平均粒子径が60nmの金コロイドの溶液を調製した。この平均粒子径が60nmの金コロイドの溶液を、精製水にて、金コロイドの極大吸収波長での吸光度で1 OD/mLに調整した。
上記1 OD/mLの金コロイド溶液(pH8.0)に対し、2mM Tris−塩酸緩衝液(pH7.0)で20μg/mLに希釈した抗cTnIモノクローナル抗体を添加し、室温で10分間撹拌した。当該金コロイドと抗体との混合液に対し、0.5%(w/v)のNeoProteinSaver(東洋紡社、No.NPS−301)を含む精製水を添加し、室温で5分間攪拌した。その後、10℃にて、11900×gで45分間遠心した。上清を除去した後、得られた沈渣に、0.2%(w/v)のNeoProteinSaver水溶液を1mL添加してコンジュゲートを懸濁し、抗cTnI抗体コンジュゲートを得た。
上記1 OD/mLの金コロイド溶液20mLに対し、2mmol/Lリン酸緩衝液で620μg/mLとなるよう溶解したKLH(シグマ社製)を1mL添加し、室温で10分間撹拌した。当該金コロイドとKLHとの混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を1mL添加し、室温で5分間攪拌した。その後、10℃にて、45分間遠心し、上清を除去した後、得られた沈渣に、コンジュゲート希釈液を1mL添加してコンジュゲートを懸濁し、KLHコンジュゲートを得た。
抗cTnI抗体コンジュゲートを3OD、KLHコンジュゲートを0.75OD、0.5% LipidureBL−1301、0.25mg/mL Heteroblock、2.4% ラクトース、2.0% NPS、20mM MOPS(pH7.2)を混合してコンジュゲート溶液を作製し、一定体積のグラスファイバー製パッド(メルクミリポア社)に該パッド体積の1.2倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、45分間加温することにより乾燥させ、コンジュゲートパッドとした。
テストライン用に0.09% NaN3を含む10mM PB pH8.0に終濃度が2.5%および3mg/mLとなるようにスクロースおよび抗cTnIモノクローナル抗体を添加した溶液を調整した。
また、コントロールライン用に、ウサギ抗KLHポリクローナル抗体(Bethyl社製)を前記と同様に希釈調製した。
ニトロセルロースメンブレン(Hi−Flow plus HF180、メルクミリポア社)の短辺の一端の内側の位置に上記抗cTnIモノクローナル抗体をイムノクロマト用ディスペンサー「XYZ3050」(BIO DOT社)を用いて1μL/cmとなるよう設定し、ライン状に塗布し、テストラインを形成した。テストラインの位置から約4mmの間隔をあけて抗KLHポリクローナル抗体を同様に塗布し、コントロールラインを形成した。ドライオーブン内で70℃、45分乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。
(i)本発明のサンプルパッド前処理溶液
0.5%グルコース、2%ポリブレン、PEG(分子量20,000)0.25%を含む20mM MOPS(pH7.2)を調整し、本発明のサンプルパッド前処理溶液とした(サンプルパッド面積あたりの保持量は0.158mg/cm2)。
(ii)比較例のサンプルパッド前処理溶液
0.5%グルコース、2%ポリブレン、を含む20mM MOPS(pH7.2)を調整し、比較例のサンプルパッド前処理溶液とした。
プラスチック製粘着シート(a)に上記抗体固定化メンブレン(b)を貼り、展開上流部側に抗cTnI抗体(c)、次いで抗KLH抗体(d)の順になるように塗布部が配置されており、さらにメンブレンの上に血球分離膜(3rd Pad)(e)を装着した。次いで、上記2)で作製したコンジュゲートパッド(f)を配置装着し、さらにこのコンジュゲートパッドに重なるように上記4)で作製したサンプルパッド(g)を配置装着し、反対側の端には吸収パッド(h)を配置装着した。このように各構成要素を重ね合わせた構造物を切断してイムノクロマト試験片を作製した。該試験片は、アッセイの際、プラスチック性の専用のハウジング(サンプル添加窓部及び検出窓部を有する、図5中図示せず)に格納・搭載し、検出デバイスの形態にしてもよい。図5にイムノクロマト試験片の模式構成図を示した。
700pg/mLの心筋トロポニンI(cTnI)を含む血漿検体液120μLを上記で作製した検出デバイスのサンプル添加窓部に添加し、15分後にイムノクロマトリーダーラピッドピア(積水メディカル社)を用いてテストラインの呈色量(吸光度)を測定し、それらのCV値(バラツキ)をそれぞれ算出した。CVは変動係数(Coefficient of Variation)のことであり、標準偏差を平均値で割ることにより求めることができる。結果を図1に示す。
血漿検体を0.25%のPEG20K(分子量20,000)で前処理したサンプルパッドを含むイムノクロマト試験片によりトロポニンの測定を行った場合には、PEGを含まない溶液で前処理した場合に比べてCV値が減少し、測定の再現性が向上した。
実施例1においてサンプルパッドの前処理はPEG20Kを用いたが、他にPEG6K(分子量6,000)、2K(分子量2,000)についても試験を行い、低分子量側のPEGとCV低減効果の関係について調べた。前処理のPEG濃度は、それぞれ0.5%と1.0%で行った。他は実施例1と同様に行った。結果を図2に示す。
本結果によれば、PEGを添加しない溶液により前処理を行った場合に比べてCV値低減効果のあったのは、分子量20,000のPEG20Kのみであり、分子量6,000(6K)、2,000(2K)では濃度を1%と高くしてもCV低減効果はみられなかった。
PEGの高分子量側について効果を確認した。すなわち、実施例1においてサンプルパッドの前処理はPEG20Kを用いたが、他にPEG70K(分子量70,000)、500K(分子量500,000)についても試験を行い、高分子量側のPEGとCV低減効果の関係について調べた。検体は、300pg/mLの心筋トロポニンI(cTnI)を含む血漿検体液を用い、PEGの前処理の濃度は、0.25%で行った。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
本結果によれば、高分子量側は、いずれもすでに効果の確認されている分子量20,000のPEG20Kと同等あるいはそれ以上にCV低減効果があることがわかった。
PEG20Kのサンプルパッド保持量について効果を確認した。すなわち、実施例1においてサンプルパッドの前処理はPEG20Kの0.25%溶液を用いたが、他に0.5%(サンプルパッド面積あたりの保持量は0.315mg/cm2)、0.75%(同0.473mg/cm2)についても試験を行い、PEG保持量とCV低減効果の関係について調べた。検体は、60pg/mLの心筋トロポニンI(cTnI)を含む血漿検体液を用い、それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
また、検体液をサンプルパッドに滴下した直後、2秒後、5秒後のパッドへの浸透具合を、非添加およびPEG20K0.25%前処理のサンプルパッドで目視により比較観察した。観察結果を写真として図6に示す。
本結果によれば、いずれの保持量の範囲でもCV低減効果があることがわかった。また、検体液の速やかな試験片への浸透も確認できた。
検体を血漿検体から全血に代えた場合にも同様の効果があるか試験を行った。検体は、300pg/mLのcTnIを含む全血検体3種(ヘマトクリット値20%、39%、54%)を用いた。サンプルパッドの前処理には、濃度0.15%のPEG20Kを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
参考のために、ヘマトクリット値が0%(血漿)の検体についても同様に試験を行った。結果を図3に示す。
本結果によれば、いずれのヘマトクリット値の全血検体についても、本発明の効果が確認された。すなわち、ヘマトクリット値20%、39%、54%の全血検体いずれも、0.15%のPEG20Kでサンプルパッドを前処理することでCV値が改善された。特にヘマトクリット値54%という高粘度の検体であっても、メンブレンへの速やかな浸透が実現された。
全血検体についてもPEGの高分子量側の効果を確認した。すなわち、実施例3の検体を、300pg/mLの心筋トロポニンI(cTnI)を含むヘマトクリット値55%の全血検体液に代えて、同様に行った。結果を表3に示す。
本結果によれば、高分子量側は、いずれもすでに効果の確認されている分子量20,000のPEG20Kに対してはるかに高いCV低減効果があることがわかった。
すなわち、本発明の特定分子量のPEGでサンプルパッドを前処理することにより、イムノクロマト検出法における測定値のばらつきが改善されることがわかった。
実施例5で得られた全血の測定値について、血漿(ヘマトクリット値0%)の測定値に対する比を算出し、ヘマトクリット値と測定感度の関係を調べた。算出結果を図4に示す。
本図によれば、本発明であるサンプルパッドの前処理を行わない場合、ヘマトクリット値が高くなるにつれて全血検体で得られる感度が血漿検体で得られる感度と比較して相対的に低下するところ、本発明の前処理を行うことで感度の低下を抑制できることがわかった。したがって、全血を測定する場合でも、測定値のバラツキを抑え、かつ、感度良く測定できることがわかった。
(b)抗体固定化メンブレン
(c)抗cTnI抗体(テストライン)
(d)抗KLH抗体(コントロールライン)
(e)血球分離膜(3rd Pad)
(f)コンジュゲートパッド
(g)サンプルパッド
(h)吸収パッド
Claims (15)
- 少なくともサンプル供給部、展開部、検出部とを備えたイムノクロマト試験片であって、
前記サンプル供給部に分子量15,000〜700,000のポリエチレングリコールが含まれていることを特徴とするイムノクロマト試験片。 - 前記イムノクロマト試験片は、サンプル供給部を担うサンプルパッドを含む請求項1に記載イムノクロマトの試験片。
- 前記サンプル供給部に供給される検体が血漿または全血である請求項1又は2に記載のイムノクロマト試験片。
- 前記サンプル供給部に供給される検体が全血である請求項1〜3のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
- 前記展開部に金コロイドで標識された抗検出対象物抗体が溶出可能に保持されている請求項1〜4のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
- 前記イムノクロマト試験片は、金コロイドで標識された抗検出対象物抗体が溶出可能に保持されているコンジュゲートパッドを含む請求項5に記載イムノクロマトの試験片。
- 前記サンプル供給部に赤血球凝集剤又は赤血球結合成分がさらに含まれる請求項1〜6のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
- 前記赤血球凝集剤がポリブレンである請求項7に記載のイムノクロマト試験片。
- 血球分離用の3rdPadが前記コンジュゲートパッドと前記検出部の間に配置されている請求項6〜8のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
- 前記ポリエチレングリコールのサンプル供給部の面積あたりの含量は、0.00630〜0.473mg/cm2である請求項1〜9のいずれかに記載のイムノクロマト試験片。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のイムノクロマト試験片を含むイムノクロマト検出キット。
- 少なくともサンプル供給部、展開部、検出部とを備えたイムノクロマト試験片の作製方法であって、サンプル供給部に分子量15,000〜700,000のポリエチレングリコールを含む溶液を含浸した後に乾燥する工程、
を含む前記作製方法。 - 前記イムノクロマト試験片は、サンプル供給部を担うサンプルパッドを含む請求項12に記載の作製方法。
- 前記分子量15,000〜700,000のポリエチレングリコールを含む溶液は、サンプルパッドの面積あたりの当該ポリエチレングリコールの保持量が0.00630〜0.473mg/cm2となるように、当該ポリエチレングリコールの濃度が調整された溶液である請求項13に記載の作製方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のイムノクロマト試験片、請求項11に記載のイムノクロマト検出キット、または、請求項12〜請求項14のいずれかに記載の作製方法によって作製されたイムノクロマト試験片を用いて、前記イムノクロマト試験片のサンプル供給部に検体を滴下し、所定の時間経過後に、前記イムノクロマト試験片の検出部の呈色を検出する、イムノクロマト試験方法。
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