JP2020015775A - 冷媒組成物、冷却装置および冷却方法 - Google Patents

冷媒組成物、冷却装置および冷却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020015775A
JP2020015775A JP2018122985A JP2018122985A JP2020015775A JP 2020015775 A JP2020015775 A JP 2020015775A JP 2018122985 A JP2018122985 A JP 2018122985A JP 2018122985 A JP2018122985 A JP 2018122985A JP 2020015775 A JP2020015775 A JP 2020015775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
refrigerant composition
odorant
composition
cooling device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018122985A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6841796B2 (ja
Inventor
橋本 敏明
Toshiaki Hashimoto
敏明 橋本
新一 八下田
Shinichi Yageta
新一 八下田
佐藤 賢
Masaru Sato
賢 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwatani Industrial Gases Corp
Mayekawa Manufacturing Co
Nishi Nippon Iwatani Gas Corp
Original Assignee
Iwatani Industrial Gases Corp
Mayekawa Manufacturing Co
Nishi Nippon Iwatani Gas Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iwatani Industrial Gases Corp, Mayekawa Manufacturing Co, Nishi Nippon Iwatani Gas Corp filed Critical Iwatani Industrial Gases Corp
Priority to JP2018122985A priority Critical patent/JP6841796B2/ja
Publication of JP2020015775A publication Critical patent/JP2020015775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6841796B2 publication Critical patent/JP6841796B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】作業者の安全性を確保するとともに、冷却装置のメンテナンス性を良好にすることができる冷媒組成物を提供する。【解決手段】冷媒組成物11は、冷媒と、付臭剤と、を含む冷媒組成物であって、冷媒は、二酸化炭化であり、付臭剤は、シクロヘキセンであり、冷媒に対する付臭剤の添加量は、0.15g/m3以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒組成物、冷却装置および冷却方法に関するものである。
例えば、冷凍室といった室内を冷却するために、冷媒を循環させて熱交換する冷却装置が用いられる。このような冷却装置において用いられる冷媒として、環境性の観点から炭化水素系の化合物や二酸化炭素といった自然冷媒が用いられる傾向が強くなっている。例えば、自然冷媒としての炭化水素系の化合物を冷媒として用いた冷却装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開平9−316439号公報
このような冷却装置は、長期間使用できるように、部品交換を行うまでの期間が長い等のメンテナンス性が良好であることが好ましい。また、自然冷媒の中でも二酸化炭素は安価であるため、冷却装置の冷媒として用いられている。冷媒として用いられる二酸化炭素は無臭である。このため、室内で作業者が作業を行っている時に、冷却装置から二酸化炭素が室内に漏れて高濃度になったとしても、作業者は気付かない。このため、作業者の安全性の観点から、二酸化炭素が室内に漏れたことを嗅覚によって把握できるようにするために、冷媒に付臭剤を添加することが考えられる。
付臭剤として、特許文献1では、硫黄化合物、アンモニアおよびアクリル酸エステル等が開示されている。しかしながら、付臭剤として硫黄化合物およびアンモニアを用いると、水分と反応して腐食性を有する物質が生成され、冷却装置における金属製の部材の腐食が促進する。そうすると、冷媒の外部への漏れが顕著になり、清掃や部品交換の頻度が高くなり、メンテナンス性が低下する。また、アクリル酸エステルは、比較的臭いが弱いため、アクリル酸エステルを付臭剤として用いると、冷媒に多量に添加する必要がある。このように多量の付臭剤を添加することで、相対的に二酸化炭素の含有割合が減ることとなり、冷媒効果が低下してしまう。
そこで、作業者の安全性をより適切に確保するとともに、冷却装置のメンテナンス性を良好にすることができる冷媒組成物を提供することを目的の1つとする。
本願の冷媒組成物は、冷媒と、付臭剤と、を含む冷媒組成物であって、冷媒は、二酸化炭化であり、付臭剤は、シクロヘキセンであり、冷媒に対する付臭剤の添加量は、0.15g/m以上である。
本願の冷媒組成物は、付臭剤としてのシクロヘキセンを含む。冷媒に対する付臭剤の添加量は、0.15g/m以上である。付臭剤としてシクロヘキセンを用い、その添加量を0.15g/m以上とすることで、冷媒組成物に十分な臭いを付けることができ、例えば臭気を感じにくい−20℃程度の低温環境下であっても、作業者は臭気を把握することができる。このため、例えば冷凍室のような低温環境下に二酸化炭素が漏れて高濃度になったとしても、作業者は嗅覚によって二酸化炭素が高濃度となっている状況を把握することができる。また、シクロヘキセンは、分子構造において腐食の原因となる硫黄(S)成分を含まない。このため、冷却装置を構成する金属部材に対して、付臭剤の含有に基づく腐食の進行を抑制することができる。
以上から、本願の冷媒組成物によれば、作業者の安全性をより適切に確保するとともに、冷却装置のメンテナンス性を良好にすることができる。
上記冷媒組成物においては、冷媒に対する付臭剤の添加量は、20g/m以下であるようにしてもよい。冷媒に対する付臭剤の添加量の上限を20g/mとすることで、冷媒効果を有する二酸化炭素の含有量の低減を抑え、コストの増加を抑制することができる。
本願の冷却装置は、上記冷媒組成物を循環させる冷媒循環部を備え、室内を冷却する冷却装置である。冷媒循環部は、冷媒貯留部と、蒸発器と、圧縮器と、凝縮器と、配管とを含む。冷媒貯留部は、液状の冷媒組成物が溜められる。蒸発器は、冷媒貯留部から供給される液状の冷媒組成物を用いて室内の空気から熱を吸収して、冷媒組成物を気化させる。凝縮器は、蒸発器において気化された冷媒組成物の熱を外部に放出し、冷媒組成物を液化させる。配管は、冷媒貯留部と、蒸発器と、凝縮器との間を循環させるように接続される。冷媒貯留部、蒸発器、圧縮器、凝縮器および配管は金属製である。
本願の冷却装置は、蒸発器において冷媒貯留部から供給される液状の冷媒組成物が、室内の空気から熱を吸収して、気化する。この際に、冷気が形成され、室内に供給される。室内は、例えば−20℃程度に冷却される。このような低温環境下では、作業者は臭気を感じにくくなる。付臭剤としてシクロヘキセンを用い、その添加量を0.15g/m以上とすることで、冷媒組成物に十分な臭いを付けることができ、低温環境下であっても、作業者は臭気を把握することができる。このため、室内に二酸化炭素が漏れて高濃度になったとしても、作業者は嗅覚によって二酸化炭素が高濃度となっている状況を把握することができる。また、シクロヘキセンは、分子構造において腐食の原因となる硫黄(S)成分を含まない。このため、冷却装置における金属製の部材において、付臭剤の含有に基づいた腐食の進行は抑制される。その結果、冷却装置の清掃や部品交換の頻度は少なくなり、メンテナンス性は向上する。以上から、本願の冷却装置によれば、作業者の安全性をより適切に確保するとともに、メンテナンス性を良好にすることができる。
本願の冷却方法は、上記冷媒組成物を循環させて、室内を冷却する冷却方法である。冷却方法は、液状の冷媒組成物を供給し、冷媒組成物を用いて室内の空気から熱を吸収して、冷媒組成物を気化させる工程と、気化された冷媒組成物の熱を外部に放出し、冷媒組成物を液化させる工程と、液化された冷媒組成物を所定の箇所に溜めておく工程と、を備える。
本願の冷却方法では、液状の冷媒組成物を用いて室内から熱を吸収し、冷媒組成物を気化させる。この時に、冷気が形成され、室内に供給される。そして、室内は、例えば−20℃程度に冷却される。このような低温環境下では、作業者は臭気を感じにくくなる。付臭剤としてシクロヘキセンを用い、その添加量を0.15g/m以上とすることで、冷媒組成物に十分な臭いを付けることができ、低温環境下であっても、作業者は臭気を把握することができる。このため、室内に二酸化炭素が漏れて高濃度になったとしても、作業者は嗅覚によって二酸化炭素が高濃度となっている状況を把握することができる。このため、作業者の安全性をより適切に確保しながら、冷却することができる。
上記冷媒組成物によれば、作業者の安全性をより適切に確保するとともに、冷却装置のメンテナンス性を良好にすることができる。
冷却装置の一例を示す概略図である。 冷媒循環部に冷媒組成物を供給するために冷媒供給部が接続された状態を示す図である。 冷却方法を示すフローチャートである。
次に、本願の冷媒組成物の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
冷媒組成物は、冷却装置において循環される動作流体である。冷媒組成物は、冷媒と、付臭剤と、を含む。本実施の形態において、冷媒は、自然冷媒である二酸化炭素である。
付臭剤は、冷媒に臭いを付けて、人の嗅覚で冷媒の漏洩を把握することができるようにする物質である。本実施の形態において、付臭剤はシクロヘキセンである。シクロヘキセンは、特有の強い臭いを有する。シクロヘキセンは、分子構造において腐食の原因となる硫黄(S)成分を含まない。このため、冷却装置を構成する金属部材に対して、付臭剤の含有に基づく腐食の進行を抑制することができる。微量の二酸化炭素を含む冷媒組成物の漏れを検知することは困難であるものの、シクロヘキセンを付臭剤として用いることで、人の嗅覚のみならず、シクロヘキセンの検出感度が高い検知器によって冷媒組成物の微量の漏れを検知できるようになる。また、このような検知器によって、冷媒組成物の漏れ箇所を特定することもできる。
冷媒組成物における付臭剤の冷媒に対する添加量の下限値は、0.15g/mである。付臭剤の添加量を0.15g/m以上とすることで、冷媒組成物に十分な臭いを付けることができ、例えば臭気を感じにくい−20℃程度の低温環境下であっても、作業者は臭気を把握することができる。このため、例えば冷凍室のような低温環境下に二酸化炭素が漏れたとしても、作業者は嗅覚によって二酸化炭素が高濃度となっている状況を把握することができる。なお、付臭剤の冷媒に対する添加量の下限は、好ましくは0.18g/mであり、より好ましくは0.2g/mである。
本実施の形態における冷媒組成物における付臭剤の冷媒に対する添加量の上限値は、20g/mである。付臭剤の冷媒に対する添加量の上限値を20g/mとすることで、冷媒効果を有する二酸化炭素の含有量の低減を抑え、コストの増加を抑制することができる。また、冷却装置が設置される冷凍室に保管される物に臭いが付いてしまうことを抑制することができる。なお、付臭剤の冷媒に対する添加量の上限値は、好ましくは10g/mであり、より好ましくは5g/mであり、さらに好ましくは1g/mである。
以上から、本実施の形態における冷媒組成物によれば、作業者の安全性をより適切に確保するとともに、冷却装置のメンテナンス性を良好にすることができる。
次に、本願の冷媒組成物を用いる冷却装置について説明する。図1は、冷却装置の一例を示す概略図である。図1を参照して、冷却装置1は冷凍室といった室内S、Sを冷却する。冷却装置1は、冷媒組成物が循環される冷媒循環部3を含む。なお、図1において、上下方向はY軸方向であり、左右方向はX軸方向である。
冷媒循環部3は、液状の冷媒組成物11が溜められた金属製の冷媒貯留部61と、金属製の蒸発器62、63と、金属製の凝縮器64と、ポンプ65と、流路の開閉を行う開閉弁66と、金属製の配管71〜79と、を含む。冷媒貯留部61は、外方側に膨出した筒状の側壁611と、側壁611の一方の開口を覆うように配置される上壁613と、側壁611の他方の開口を覆うように配置される下壁612と、を含む。上壁613と、下壁612は、Y軸方向に間隔をあけて対向するように配置されている。ポンプ65は、冷媒貯留部61から蒸発器62、63に液状の冷媒組成物11を供給する。蒸発器62、63において、冷媒貯留部61から供給される液状の冷媒組成物11は室内S、Sから気化熱を吸熱し、気化する。凝縮器64において、気化された冷媒組成物11は外部に放熱して液化する。蒸発器62、63は、冷媒組成物11が循環し、室内S、Sの空気の熱を奪って冷気とする第一の熱交換器621、631と、冷気を室内S、Sに送るファン622、632とを含む。凝縮器64は、冷媒組成物11が循環し、外部に熱を放出する第二の熱交換器641を含む。
冷媒組成物11は、冷媒貯留部61からそれぞれの蒸発器62、63に流入し、蒸発器62、63から再び冷媒貯留部61に流入する。そして、冷媒貯留部61から凝縮器64に流入し、凝縮器64から再び冷媒貯留部61に流入する。このように冷媒組成物11を循環させるために、金属製の配管71〜79が配置されている。
冷媒貯留部61と、ポンプ65との間には、配管71が設けられている。配管71は、冷媒貯留部61の下壁612の一部を開口して接続されている。ポンプ65と、開閉弁66との間には、配管72が設けられている。開閉弁66と、冷媒貯留部61との間には、配管77が設けられている。配管77は、冷媒貯留部61の上壁613の一部を開口して接続されている。配管72は、2箇所で分岐している。配管72の分岐部81から延びる配管73は、室内Sに配置される蒸発器62に接続されている。分岐部81よりも開閉弁66側に位置する分岐部82から延びる配管74は、室内Sに配置される蒸発器63に接続されている。なお、配管73および配管74には、流路の開閉を行う開閉弁67、68が配置されている。配管77も同様に、2箇所で分岐している。蒸発器63から延びる配管76は、配管77の分岐部84に接続されている。蒸発器62から延びる配管75は、分岐部84よりも冷媒貯留部61側に位置する分岐部83に接続されている。冷媒貯留部61と、凝縮器64との間には、配管78、79が設けられている。配管78は、冷媒貯留部61の上壁613の一部を開口して接続されている。配管79は、冷媒貯留部61の上壁613の一部を開口して冷媒貯留部61の内部に供給口791が配置されるように設けられている。供給口791は、下壁612の近傍に位置するように設けられている。このように配管78、79を設けることで、第二の熱交換器641において液化した冷媒組成物11を冷媒貯留部61に流入し易くすることができる。
開閉弁66を閉じた状態で、開閉弁67、68を開き、ポンプ65を駆動させることで、冷媒貯留部61から液状の冷媒組成物11は、蒸発器62、63に供給される。蒸発器62、63の第一の熱交換器621、631において液状の冷媒組成物11は気化する。気化された冷媒組成物11は冷媒貯留部61に供給される。そして、気化された冷媒組成物11は、冷媒貯留部61から凝縮器64に供給される。凝縮器64の第二の熱交換器641において、冷媒組成物11は液化する。液化した冷媒組成物11は冷媒貯留部61に供給される。そして、冷媒貯留部61から再度蒸発器62に冷媒組成物11は供給される。このようにして、冷媒組成物11は、冷媒循環部3を循環する。
本実施の形態の形態における冷却装置1は、間接冷却方式による冷却装置である。より具体的には、二酸化炭素を冷媒とした冷媒循環部3の他に、冷媒循環部3と熱交換するためにアンモニアを冷媒とした冷媒循環部(図示せず)が別途設けられている。本実施の形態における冷媒循環部3には圧縮器が設けられていない。このような構成とすることで、冷媒組成物11に含まれるシクロヘキセンの含有量の低下を抑制することができる。
図2は、冷媒循環部に冷媒組成物を供給するために冷媒供給部が接続された状態を示す図である。図2を参照して、冷媒貯留部61に溜められる冷媒組成物11の量を目視で確認し、規定量よりも減っていると判断される場合には、冷媒貯留部61に冷媒供給部2が接続される。冷媒供給部2は、冷媒としての二酸化炭素を収容する冷媒容器10と、付臭剤としてのシクロヘキセンを収容する付臭剤容器20と、冷媒を冷媒容器10から冷媒循環部3に供給する流路が設けられた第一配管41と、冷媒を冷媒容器10から付臭剤容器20に供給する流路が設けられた第二配管43と、冷媒と、付臭剤とを含む冷媒組成物を付臭剤容器20から冷媒循環部3に供給する流路が設けられた第三配管44と、を含む。付臭剤容器20の容積は、例えば150mlである。
冷媒容器10と、冷媒貯留部61との間には、第一配管41が配置されている。第一配管41には、第一配管41の流路の開閉を行う開閉弁31が設けられている。第一配管41には、冷媒容器10と、開閉弁31との間に設けられた分岐部51で第二配管43に分岐する。第二配管43は、分岐部51と、付臭剤容器20とを接続する。第二配管43には、第二配管43の流路の開閉を行う開閉弁32が設けられている。第一配管41は、開閉弁31と、冷媒貯留部61との間に設けられた分岐部52で第三配管44と接続される。第三配管44は、分岐部52と、付臭剤容器20とを接続する。第三配管44には、第三配管44の流路の開閉を行う開閉弁33が設けられている。開閉弁31を開き、開閉弁32、33を閉じることで、冷媒容器10から冷媒貯留部61に冷媒が供給される。開閉弁31を閉じて、開閉弁32、33を開くことで、冷媒容器10から二酸化炭素が付臭剤容器20に供給され、冷媒と、付臭剤とを含む冷媒組成物11が形成され、冷媒貯留部61に供給される。
冷媒供給部2から冷媒組成物を供給する方法としては、最初に冷媒を供給する工程が実施される。より具体的には、開閉弁31を開き、開閉弁32、33が閉じられる。その結果、冷媒容器10から冷媒貯留部61に液状の二酸化炭素が供給される。次に、冷媒と、付臭剤とを含む冷媒組成物を供給する工程が実施される。より具体的には、開閉弁31を閉じて、開閉弁32、33が開けられる。その結果、冷媒容器10から付臭剤容器20に二酸化炭素が供給され、二酸化炭素とシクロヘキセンとを含む液状の冷媒組成物が形成される。そして形成された冷媒組成物は、冷媒貯留部61に供給される。このようにして、冷媒貯留部61に所定量のシクロヘキセンが添加された新たな冷媒組成物11が溜められる。
本実施の形態における冷却装置1は、蒸発器62、63において冷媒貯留部61から供給される液状の冷媒組成物11が室内S、Sの空気から熱を吸収し、気化する。この際に、冷気が形成され、室内S、Sに供給される。室内は、例えば−20℃程度に冷却される。このような低温環境下では、作業者は臭気を感じにくくなる。付臭剤としてシクロヘキセンを用い、その添加量を0.15g/m以上とすることで、冷媒組成物11に十分な臭いを付けることができ、低温環境下であっても、作業者は臭気を把握することができる。このため、室内S、Sに二酸化炭素が漏れて高濃度になったとしても、作業者は嗅覚によって二酸化炭素が高濃度となっている状況を把握することができる。また、シクロヘキセンは、分子構造において腐食の原因となる硫黄(S)成分を含まない。このため、冷却装置1における金属製の部材において、付臭剤の含有に基づいた腐食の進行は抑制される。その結果、冷却装置1の清掃や部品交換の頻度は少なくなり、メンテナンス性は向上する。以上から、本実施の形態における冷却装置1によれば、作業者の安全性をより適切に確保するとともに、メンテナンス性を良好にすることができる。
次に、本願の冷媒組成物を循環させて冷却する冷却方法について説明する。図2は、冷却方法を示すフローチャートである。
図1および図2を参照して、本実施の形態における冷媒組成物11を用いた冷却方法では、まず工程(S10)として、液状の冷媒組成物11を供給し、冷媒組成物11を用いて室内Sの空気から熱を吸収して、冷媒組成物11を気化させる工程が実施される。より具体的には、蒸発器62、63における第一の熱交換器621、631において、液状の冷媒組成物11が、室内Sから気化熱を吸熱して、気化する。次に、工程(S20)として、気化された冷媒組成物11の熱を外部に放出し、冷媒組成物を液化させる工程が実施される。より具体的には、凝縮器64における第二の熱交換器641において、気化された冷媒組成物11は、外部に熱を放熱し、液化する。次に、工程(S30)として、液化された冷媒組成物11を所定の箇所に溜めておく工程が実施される。より具体的には、液状の冷媒組成物11は、冷媒貯留部61に溜められる。そして、室内Sの冷却の終了を検知したか否かが判断される(S40)。室内Sの冷却の終了を検知すれば(S40においてYES)、冷却を終了する。
なお、工程(S40)において、室内Sの冷却の終了が検知されなければ(S40においてNO)、再度液状の冷媒組成物11を供給し、冷媒組成物11を用いて室内Sの空気から熱を吸収して、冷媒組成物11を気化させる工程が実施される(S10)。
上記本願の冷媒組成物を作製し、臭気性と腐食性を確認する実施の内容について説明する。実験の手順は以下の通りである。
冷媒組成物11として、冷媒としての二酸化炭素に対して付臭剤としてのシクロヘキセンを添加した冷媒組成物(実施例1)を作製した。二酸化炭素に対するシクロヘキセンの添加量は、0.15g/mである。同様に、付臭剤としてジメチルスルフィドを用いた以外は、実施例1と同様にして冷媒組成物(比較例1)を作製した。付臭剤としてアンモニアを用いた以外は、実施例1と同様にして冷媒組成物(比較例2)を作製した。付臭剤としてアクリル酸メチルを用いた以外は、実施例1と同様にして冷媒組成物(比較例3)を作製した。
図1に示す冷却装置1を準備して、実施例1および比較例1〜比較例3の冷媒組成物を冷媒循環部3における冷媒貯留部61にそれぞれ充填した。そして、実施例1および比較例1〜比較例3の冷媒組成物を冷媒循環部3から室内S、Sに漏らしてみて、臭気を感じるか否かの試験(臭気性)を行った。また、実施例1および比較例1〜比較例3の冷媒組成物を冷媒循環部3に循環させて、冷媒循環部3が腐食するか否かの試験(腐食性)を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2020015775
表1の評価結果から分かるように、シクロヘキセンを付臭剤として用いた実施例1では、臭気を強く感じるとともに、冷媒循環部3で腐食は生じなかった。ジメチルスルフィド、またはアンモニアを付臭剤として用いた比較例1、2では、臭気を強く感じるものの、冷媒循環部3で腐食が生じた。より具体的には、蒸発器62において冷媒組成物が漏れる程度の腐食が生じた。アクリル酸メチルを付臭剤として用いた比較例3では、冷媒循環部3で腐食は生じないものの、臭気を弱く感じる程度であった。このように、本願の冷媒組成物は、作業者の安全性を確保することができるとともに、冷却装置の部材に腐食が生じ難い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願の冷媒組成物は、作業者の安全性を確保するとともに、冷却装置のメンテナンス性
を良好にすることが求められる冷媒組成物において特に有利に適用される。
1 冷却装置、2 冷媒供給部、3 冷媒循環部、10 冷媒容器、11 冷媒組成物、20 付臭剤容器、31,32,33,66,67,68 開閉弁、41 第一配管、43 第二配管、44 第三配管、51,52,81,82,83,84 分岐部、61 冷媒貯留部、62,63 蒸発器、64 凝縮器、65 ポンプ、71,72,73,74,75,76,77,78,79 配管、611 側壁、612 下壁、613 上壁、621,631 第一の熱交換器、622,632 ファン、641 第二の熱交換器、791 供給口。

Claims (4)

  1. 冷媒と、付臭剤と、を含む冷媒組成物であって、
    前記冷媒は、二酸化炭素であり、
    前記付臭剤は、シクロヘキセンであり、
    前記冷媒に対する前記付臭剤の添加量は、0.15g/m以上である、冷媒組成物。
  2. 前記冷媒に対する前記付臭剤の添加量は、20g/m以下である、請求項1に記載の冷媒組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の冷媒組成物を循環させる冷媒循環部を備え、室内を冷却する冷却装置であって、
    前記冷媒循環部は、
    液状の前記冷媒組成物が溜められる冷媒貯留部と、
    前記冷媒貯留部から供給される液状の前記冷媒組成物を用いて前記室内の空気から熱を吸収して、前記冷媒組成物を気化させる蒸発器と、
    前記蒸発器において気化された前記冷媒組成物の熱を外部に放出し、前記冷媒組成物を液化させる凝縮器と、
    前記冷媒貯留部と、前記蒸発器と、前記凝縮器との間を循環させるように接続された配管と、を含み、
    前記冷媒貯留部、前記蒸発器、前記圧縮器、前記凝縮器および前記配管は金属製である、冷却装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の冷媒組成物を循環させて、室内を冷却する冷却方法であって、
    液状の前記冷媒組成物を供給し、前記冷媒組成物を用いて室内の空気から熱を吸収して、前記冷媒組成物を気化させる工程と、
    気化された前記冷媒組成物の熱を外部に放出し、前記冷媒組成物を液化させる工程と、
    液化された前記冷媒組成物を所定の箇所に溜めておく工程と、を備える、冷却方法。
JP2018122985A 2018-06-28 2018-06-28 冷媒組成物、冷却装置および冷却方法 Active JP6841796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018122985A JP6841796B2 (ja) 2018-06-28 2018-06-28 冷媒組成物、冷却装置および冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018122985A JP6841796B2 (ja) 2018-06-28 2018-06-28 冷媒組成物、冷却装置および冷却方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020015775A true JP2020015775A (ja) 2020-01-30
JP6841796B2 JP6841796B2 (ja) 2021-03-10

Family

ID=69580004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018122985A Active JP6841796B2 (ja) 2018-06-28 2018-06-28 冷媒組成物、冷却装置および冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6841796B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021166028A1 (ja) * 2020-02-17 2021-08-26 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021166028A1 (ja) * 2020-02-17 2021-08-26 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置
JPWO2021166028A1 (ja) * 2020-02-17 2021-08-26

Also Published As

Publication number Publication date
JP6841796B2 (ja) 2021-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101881532B (zh) 空调装置及其清洗方法
CN108779941A (zh) 测试室
JPH04350471A (ja) 冷凍装置
US10655039B2 (en) Lower GWP refrigerant compositions
JP2021504526A (ja) 低gwp冷媒ブレンド
CN204063283U (zh) 空气调节装置
JP6841796B2 (ja) 冷媒組成物、冷却装置および冷却方法
JP5407052B2 (ja) 冷媒組成物
CN105814165A (zh) 制冷剂
KR101586368B1 (ko) 흡수식 냉동 시스템
JP6137263B2 (ja) 収納庫用の冷凍システム
JPH0959612A (ja) トリフルオロイオドメタンを含む混合作動流体およびそれを用いた冷凍サイクル装置
US11220620B2 (en) Lower GWP refrigerant compositions
JP2006241221A (ja) カーエアコン用冷媒組成物
CN109073284A (zh) 多级低gwp空气调节系统
WO2007060771A1 (ja) 冷媒組成物
KR100869081B1 (ko) 이원 냉매 강제 순환식 냉동장치
JP2002277117A (ja) 冷凍空調装置
JP7005855B2 (ja) 冷却システム及び冷却システムの改造方法
EP1431683A2 (en) Refrigerating device
US10400149B2 (en) Improving glide in refrigerant blends and/or azeotopic blends, alternatives to R123 refrigerant, and refrigerant compositions, methods, and systems thereof
JP2003287293A (ja) 冷凍装置及び冷蔵庫
JPH09111231A (ja) トリフルオロイオドメタンを含む混合作動流体およびそれを用いた冷凍サイクル装置
JP4667659B2 (ja) タンク温度保持システム
Gambo et al. Development of a laboratory-scale corrosion rig for testing pipeline steel materials in seawater

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191216

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20191216

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20200107

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200127

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200128

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200207

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200218

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200428

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200630

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20200714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200907

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20201215

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210126

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6841796

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250