JP2020014452A - 濃縮発酵乳の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】筋肉合成促進のための濃縮発酵乳の製造方法等の提供。【解決手段】無脂乳固形分含量が1〜30質量%に調製された調製発酵乳ミックスを、乳酸菌の存在下で発酵させることにより発酵乳を得て、その発酵乳を濃縮する濃縮発酵乳の製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、調製された調製発酵乳ミックスを、乳酸菌の存在下で発酵させることにより発酵乳を得て、その発酵乳を濃縮する濃縮発酵乳の製造方法に関する。
サルコペニアなどに伴う筋肉の低下は、近年注目を集めている。筋肉の萎縮は、要介護および要支援のリスクを増加させ、高齢者のQOLや健康寿命を低下させる大きな要因といわれている。従って、サルコペニアなどに伴う筋肉の低下の予防は超高齢社会を迎えた日本の大きな課題である。
骨格筋などのたんぱく質合成は、一定レベルまでは摂取するたんぱく質量依存的に増大することが知られているが(非特許文献1参照)、例えば、食の細い高齢者などでは大量に摂取できないため、少ない量でより多くのたんぱく質を摂取できる食品が求められている。
Yang Y et al. Br J Nutr 2012, 108, 1780-8, Daniel R Moore et al. Am J Clin Nutr 2009, 89, 161-8
少ない量でより多くのたんぱく質を摂取できる発酵乳を得るために、例えば、遠心分離濃縮を行うと、遊離のアミノ酸やペプチドなどは水溶性低分子であるものが多く、それらが減少してしまうことから筋肉の合成促進作用が低下してしまう懸念があった。
しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、特定の製造方法により製造した濃縮発酵乳を対象へ摂取させることにより、対象の筋肉の合成を顕著に促進できることを見出した。また、本発明者らは、驚くべきことに、遊離必須アミノ酸の割合が低い濃縮発酵乳を対象へ摂取させることにより、対象の筋肉の合成を顕著に促進できることも見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明は、筋肉の合成を促進できる濃縮発酵乳の製造方法または濃縮発酵乳などを提供することを一つの目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]無脂乳固形分含量が1〜30質量%に調製された調製発酵乳ミックスを、乳酸菌の存在下で発酵させることにより発酵乳を得て、その発酵乳を濃縮する、濃縮発酵乳の製造方法。
[2]下記の工程を含んでなる、濃縮発酵乳の製造方法:
(1)発酵乳ミックスを調製して調製発酵乳ミックスとする工程、ここで、調製された調製発酵乳ミックス中の無脂乳固形分含量が1〜30質量%であり、
(2)前記調製発酵乳ミックスを殺菌処理に供する工程、
(3)前記殺菌処理後の調製発酵乳ミックスに乳酸菌スターターを添加して発酵させる工程、および
(4)前記発酵後の発酵乳を濃縮する工程。
[3]調製された調製発酵乳ミックス中のたんぱく質量が0.5〜11質量%である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]乳酸菌または乳酸菌スターターが、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusおよび/またはStreptococcus thermophilusである、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]発酵乳を濃縮する工程が、発酵乳を遠心分離により濃縮する工程である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]製造された濃縮発酵乳が筋肉合成促進用である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により製造された、濃縮発酵乳。
[8]たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である、筋肉合成促進用濃縮発酵乳。
[9]たんぱく質総量に対する、分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量以下である、[8]に記載の筋肉合成促進用濃縮発酵乳。
[10][8]または[9]に記載の濃縮発酵乳を含む、筋肉合成促進用食品。
[11]たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である、血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳。
[12]たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である、血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳。
[13]たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、筋肉合成促進方法。
[14]たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸量増加方法。
[15]対象への濃縮発酵乳の一日摂取量が50〜600gである、[14]に記載の血中アミノ酸量増加方法。
[16]たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸濃度上昇促進方法。
[17]対象への濃縮発酵乳の一日摂取量が50〜600gである、[16]に記載の血中アミノ酸濃度上昇促進方法。
本発明の製造方法を用いることにより、筋肉合成促進のための濃縮発酵乳を提供できる点で有利である。
図1は、各試験溶液中の遊離アミノ酸濃度を表す。各サンプルは3回測定し、mean±SDで表示される。 図2は、各試験溶液投与後の門脈血中のTAA(総アミノ酸)(A)、EAA(必須アミノ酸)(B)、BCAA(分岐鎖アミノ酸)(C)、Leu(ロイシン)(D)の濃度推移を表す。横軸は時間(分)を表す。また、異なる文字間(a、b、c)で単純主効果検定(各時点での輪切り検定、Tukey-Kramer test)に有意差(P<0.05)がある。同じ文字の大文字、小文字間で有意傾向(P<0.1)がある。 図3は、投与前および投与後の経過時間(分)に対する骨格筋合成速度の指標であるFSR(Fractional Synthesis Rate(%/日))を表す。 図4は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の経時的な血中総アミノ酸変化濃度(nmol/mL)を表す。横軸は時間(分)を表す。「**」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.01)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。血中総アミノ酸変化濃度は、摂食前(0分)に採血した血中総アミノ酸濃度と、摂食後(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)のそれぞれの血中総アミノ酸濃度との差を求め、その差を血中総アミノ酸変化濃度とした。下記の図5および6についても図4と同様に、血中総アミノ酸変化濃度を算出して、AUCおよびCmaxを求めた。 図5は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の血中総アミノ酸変化濃度のAUC(Area under the blood concentration−time curve)(nmol・min/mL)を表す。このAUCは摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中アミノ酸変化濃度の曲線下面積を求めて算出した。 図6は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中総アミノ酸変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)(nmol/mL)を表す。「†」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意傾向(P<0.1)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。 図7は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の経時的な血中必須アミノ酸変化濃度(nmol/mL)を表す。横軸は時間(分)を表す。「**」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.01)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。血中必須アミノ酸変化濃度は、摂食前(0分)に採血した血中必須アミノ酸濃度と、摂食後(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)のそれぞれの血中必須アミノ酸濃度との差を求め、その差を血中必須アミノ酸変化濃度とした。下記の図8および9についても図7と同様に、血中必須アミノ酸変化濃度を算出して、AUCおよびCmaxを求めた。 図8は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の血中必須アミノ酸変化濃度のAUC(nmol・min/mL)を表す。このAUCは摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中アミノ酸変化濃度の曲線下面積を求めて算出した。「†」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意傾向(P<0.1)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。 図9は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中必須アミノ酸変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)(nmol/mL)を表す。「*」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.05)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。 図10は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の経時的な血中BCAA変化濃度(nmol/mL)を表す。横軸は時間(分)を表す。「**」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.01)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。血中BCAA変化濃度は、摂食前(0分)に採血した血中BCAA濃度と、摂食後(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)のそれぞれの血中BCAA濃度との差を求め、その差を血中BCAA変化濃度とした。下記の図11および12についても図10と同様に、血中BCAA変化濃度を算出して、AUCおよびCmaxを求めた。 図11は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の血中BCAA変化濃度のAUC(nmol・min/mL)を表す。このAUCは摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中アミノ酸変化濃度の曲線下面積を求めて算出した。「*」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.05)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。 図12は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中BCAA変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)(nmol/mL)を表す。「*」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.05)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。 図13は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の経時的な血中ロイシン変化濃度(nmol/mL)を表す。横軸は時間(分)を表す。「**」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.01)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。血中ロイシン変化濃度は、摂食前(0分)に採血した血中ロイシン濃度と、摂食後(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)のそれぞれの血中ロイシン濃度との差を求め、その差を血中ロイシン変化濃度とした。下記の図14および15についても図13と同様に、血中ロイシン変化濃度を算出して、AUCおよびCmaxを求めた。 図14は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の血中ロイシン変化濃度のAUC(nmol・min/mL)を表す。このAUCは摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中アミノ酸変化濃度の曲線下面積を求めて算出した。「**」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.01)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。 図15は、試験発酵乳または調製発酵乳ミックスを摂食した被験者の摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中ロイシン変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)(nmol/mL)を表す。「*」は試験発酵乳摂食群と調製発酵乳ミックス摂食群との間に有意差(P<0.05)があることを示す。統計解析は対応のあるt検定で行った。
発明の具体的説明
[微生物の寄託]
Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL205013株は、2017年2月3日付け(原寄託日)で独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、受託番号NITE BP−02411の下でブダペスト条約に基づき国際寄託されている。
Streptococcus thermophilus OLS3290株は、2004年1月19日付け(原寄託日)で独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室)に、受託番号FERM BP−19638の下でブダペスト条約に基づき国際寄託されている。なお、本寄託菌株は2013年9月30日(発行日)(移管請求は2013年9月6日に受領された)に、国内寄託(原寄託)からブダペスト条約に基づく国際寄託に移管された。
[発酵乳の製造方法]
本発明において、「発酵乳」とは、例えば、日本の食品衛生法に基づく省令である「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令、昭和26年12月27日厚生省令第52号)で定義されている「発酵乳」等が挙げられる。この省令において、「発酵乳」は、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう」と定義されている。したがって、本発明において、「発酵乳」には、例えば、ヨーグルト等の固形状発酵乳(セットタイプヨーグルト)、糊状発酵乳(ソフトタイプヨーグルト)、液状発酵乳(ドリンクタイプヨーグルト)等が含まれる。
本発明において、「発酵乳ミックス」とは、発酵乳の原材料の混合物をいうものとする。発酵乳ミックスは、少なくとも原料乳を含む。
本発明において、原料乳としては、牛乳、殺菌乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、クリーム、バター、バターミルク、乳清、乳たんぱく質濃縮物(MPC)、乳清たんぱく質濃縮物(WPC)、乳清たんぱく質単離物(WPI)、α−ラクトアルブミン(α−La)、β−ラクトグロブリン(β−Lg)等が挙げられる。
本発明において、発酵乳ミックスを調製するための他の材料は、当技術分野において既知の任意の材料を使用できるが、例えば、砂糖、甘味料、糖類、香料、水等が挙げられる。また、必要に応じて、ゼラチン、寒天、ペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のゲル化剤、増粘剤、安定剤等を使用してもよい。
本発明の製造方法において、調製された調製発酵乳ミックス中の無脂乳固形分(SNF)含量は、1〜30質量%であり、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%であり、さらに好ましくは11〜20質量%であり、特に好ましくは12〜16質量%である。調製された調製発酵乳ミックス中の無脂乳固形分(SNF)含量が5〜25質量%である場合には、さらに筋肉の合成を促進でき、また血中アミノ酸量を増加させることができ、血中アミノ酸濃度の上昇を促進することができる。
本発明の製造方法において、調製された調製発酵乳ミックス中のたんぱく質量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5〜11質量%であり、より好ましくは1.5〜9質量%であり、さらに好ましくは3〜7質量%であり、特に好ましくは4〜6質量%である。
本明細書において、たんぱく質には、カゼインたんぱく質と乳清たんぱく質が含まれるものとする。カゼインたんぱく質としては、例えば、α−カゼインや、β−カゼイン等が挙げられ、乳清たんぱく質としては、例えば、α−ラクトアルブミンや、β−ラクトグロブリン、血清アルブミン等が挙げられる。
本発明の一つの態様によれば、下記の工程を含んでなる、濃縮発酵乳の製造方法が提供される:
(1)発酵乳ミックスを調製して調製発酵乳ミックスとする工程、ここで、調製された調製発酵乳ミックス中の無脂乳固形分含量が1〜30質量%であり、
(2)前記調製発酵乳ミックスを殺菌処理に供する工程、
(3)前記殺菌処理後の調製発酵乳ミックスに乳酸菌スターターを添加して発酵させる工程、および
(4)前記発酵後の発酵乳を濃縮する工程。
本発明の一つの態様によれば、本発明の製造方法は、(1)発酵乳ミックスを調製して調製発酵乳ミックスとする工程を含む方法である。調製発酵乳ミックスは、発酵乳ミックスと他の材料とを混合することにより調製できる。混合条件は、特に限定されず、任意に決定すればよい。調製した調製発酵乳ミックスは、必要に応じて、均質化処理に供してもよい。均質化処理の条件は、特に限定されず、任意に決定すればよい。
本発明の製造方法は、(2)前記調製発酵乳ミックスを殺菌処理に供する工程を含む方法である。殺菌処理は、特に限定されないが、通常、加熱処理により殺菌する。加熱処理の条件は、調製発酵乳ミックスが熱により過剰に変性しないことを条件として、特に限定されず、当技術分野において通常選択される条件を使用できる。
本発明の製造方法は、(3)前記殺菌処理後の調製発酵乳ミックスに乳酸菌スターターを添加して発酵させる工程を含む方法である。
本発明の製造方法に用いられる乳酸菌スターターとしては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)の他に、ラクトバチルス・アシドフィルス(L. acidophilus)、ラクトバチルス・アミロボラス(L. amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L. buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L. casei)、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・ラムノーサス(L. casei subsp. rhamnosus)、ラクトバチルス・クリスパタス(L. crispatus)、ラクトバチルス・デルブリュッキー・サブスピーシーズ・ラクティス(L. delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(L. fermentum)、ラクトバチルス・ガリナラム(L. gallinarum)、ラクトバチルス・ガセリ(L. gasseri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L. helveticus)、ラクトバチルス・ヘルベチカス・サブスピーシーズ・ユーグルティ(L. helveticus subsp. jugurti)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(L. johnsonii)、ラクトバチルス・ケフィア(L. kefir)、ラクトバチルス・オリス(L. oris)、バチルラクトス・パラカゼイ・サブスピーシーズ・パラカゼイ(L. paracasei subsp. paracasei)、ラクトバチルス・パラプランタラム(L. paraplantarum)、ラクトバチルス・ペントサス(L. pentosus)ラクトバチルス・プランタラム(L. plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリ(L. reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス(L. salivalius)、ラクトバチルス・ゼアエ(L. zeae)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(B. adolescentis)、ビフィドバクテリウム・アニマーリス(B. animalis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(B. catenulatum)、ビフィドバクテリウム・グロボサム(B. globosum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B. infantis)、ビフィドバクテリウム・ラクチス(B. lactis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム(B. pseudocatenulatum)、ビフィドバクテリウム・ズイス(B. suis)等、発酵乳の製造に一般的に用いられる乳酸菌や酵母から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。本発明の製造方法に用いられる乳酸菌スターターとしては、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusおよび/またはStreptococcus thermophilusを用いることが好ましく、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusとStreptococcus thermophilusとを組み合わせて用いることがより好ましい。さらに好ましくは、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL205013株(受託番号:NITE BP−02411)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)OLS3290株(受託番号:FERM BP−19638)の組み合わせを用いることができる。
スターターは、バルクスターターを調製して調製発酵乳ミックスに添加することができ、バルクスターターの添加量は、0.5〜5%とすることができ、1〜3%が好ましい。
バルクスターターは、脱脂粉乳を殺菌後、スターターに使用する菌体を添加し、発酵することにより、調製することができる。この発酵温度は37〜47℃が好ましく、40〜45℃が特に好ましい。この発酵は、発酵終了時のpHが4.0〜4.7となるまで行うことが好ましく、発酵終了時のpHが4.2〜4.5となるまで行うことがより好ましい。
本発明の製造方法は、(4)前記発酵後の発酵乳を濃縮する工程を含む方法である。発酵乳を濃縮する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、UF(Ultrafiltration Membrane)膜を使用するUF膜濃縮法、圧縮によるホエイ排出法、遠心分離法などが挙げられ、これらの中でも遠心分離法により発酵乳を濃縮することが好ましい。
遠心分離法における遠心分離条件は、特に限定されるものではないが、800G〜10000G、好ましくは3000G〜8000Gで、軽液と重液に分離後、軽液を除去して濃縮することにより行うことができる。工業的にはクワルクセパレーター(例えば、GEA Westfalia Separator社製)などが好適に用いられる。重液は目的の商品設計にあわせて適宜、均質化される。脂肪ゼロヨーグルトの場合には、この均質化条件は高圧式ホモジナイザー(例えば三和エンジニアリング社製)を使用した場合、8〜20MPa、好ましくは12〜17MPaであり、超音波式やポリトロン式ホモジナイザーを利用する場合においても同等の均質化が得られる条件で実施できる。
得られた発酵乳カードは、フィルターによる破砕や均質機による均質化によって、液状発酵乳とすることもできる。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、製造される濃縮発酵乳は筋肉合成促進用濃縮発酵乳であり、好ましくは骨格筋合成促進用濃縮発酵乳である。ここで、「筋肉(骨格筋)合成促進」とは、本発明の筋肉(骨格筋)合成促進用濃縮発酵乳を対象が摂取しない場合と比較して、本発明の筋肉(骨格筋)合成促進用濃縮発酵乳を対象が摂取した場合に僅かでも多く筋肉(骨格筋)の合成がみられれば、筋肉(骨格筋)合成促進効果を有するとする。また、本発明のより好ましい態様によれば、「筋肉(骨格筋)合成促進」とは、同じ乳タンパク質濃度を有する発酵していない乳を摂取した場合と比較して、本発明の発酵乳を摂取した場合の方が、骨格筋合成速度の指標であるFSR(Fractional Synthesis Rate)が高まった場合に、筋肉(骨格筋)合成促進効果をより顕著に有するとする。骨格筋とは、筋肉の中で骨格に付着し、関節の可動や姿勢制御などの役割を持つものであり、心筋以外の横紋筋を意味する。
本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、製造される濃縮発酵乳は血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳である。また、本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、製造される濃縮発酵乳は血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳である。血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳は、好ましくは血中必須アミノ酸量増加用濃縮発酵乳であり、より好ましくは血中分岐鎖アミノ酸量増加用濃縮発酵乳であり、さらに好ましくは血中ロイシン量増加用濃縮発酵乳である。また、血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳は、好ましくは血中必須アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳であり、より好ましくは血中分岐鎖アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳であり、さらに好ましくは血中ロイシン濃度上昇促進用濃縮発酵乳である。
[発酵乳]
本発明の一つ態様によれば、上記の本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳が提供できる。
本発明の一つの態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である筋肉合成促進用濃縮発酵乳(好ましくは、骨格筋合成促進用)が提供できる。遊離必須アミノ酸の種類は特に限定されるものではないが、好ましくは分岐鎖アミノ酸(BCAA、Branched Chain Amino Acid)であり、より好ましくはロイシンである。ここで、遊離必須アミノ酸とは、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、リジン、およびヒスチジンをいい、分岐鎖アミノ酸とはバリン、ロイシン、イソロイシンをいう。また、ここで、アミノ酸とは、L−アミノ酸(L体)を意味するが、D−アミノ酸(D体)やDL−アミノ酸(DL体)が含まれていてもよい。「筋肉(骨格筋)合成促進」の定義等は、上記の本発明の製造方法と同様である。
本発明の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)であり、かつ分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量%以下(好ましくは、0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以下)である筋肉合成促進用濃縮発酵乳(好ましくは、骨格筋合成促進用)が提供できる。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)であり、分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量以下(好ましくは0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以下)であり、かつロイシンの割合が0.05質量%以下(好ましくは0.025質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下)である、筋肉合成促進用濃縮発酵乳(好ましくは、骨格筋合成促進用)が提供できる。
本発明の他の態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳が提供できる。
本発明の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)であり、かつ分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量%以下(好ましくは、0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以下)である血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳が提供できる。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)であり、分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量以下(好ましくは0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以下)であり、かつロイシンの割合が0.05質量%以下(好ましくは0.025質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下)である、血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳が提供できる。
本発明の他の態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳が提供できる。
本発明の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)であり、かつ分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量%以下(好ましくは、0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以下)である血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳が提供できる。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)であり、分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量以下(好ましくは0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以下)であり、かつロイシンの割合が0.05質量%以下(好ましくは0.025質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下)である、血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳が提供できる。
[食品]
本発明の一つ態様によれば、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である筋肉合成促進用濃縮発酵乳を含む筋肉合成促進用食品が提供される。ここで、食品とは、本発明の濃縮発酵乳を含有できる食品であればどのような形態のものであってもよく、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、ペースト、半固体成形物、固体成形物など、経口摂取可能な形態であればよく特に限定されず、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品などの即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、アルコール飲料などの飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、パン粉などの小麦粉製品;飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、バー、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、ムース、デザート菓子などの菓子類;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類などの調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズなどの油脂類;乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類などの乳製品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、シリアルなどの農産加工品;冷凍食品、流動食などが挙げられる。ここで、筋肉合成促進用食品は、筋肉合成促進用食品組成物であってもよい。
本発明の別の態様によれば、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳を含む血中アミノ酸量増加用食品が提供される。また、本発明の別の態様によれば、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳を含む血中アミノ酸濃度上昇促進用食品が提供される。ここで、血中アミノ酸量増加用食品または血中アミノ酸濃度上昇促進用食品は、それぞれ血中アミノ酸量増加用食品組成物または血中アミノ酸濃度上昇促進用食品組成物であってもよい。
また、食品には、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用食品、乳幼児用調製粉乳、妊産婦もしくは授乳婦用粉乳、または筋肉合成促進、血中アミノ酸量増加、もしくは血中アミノ酸濃度上昇促進のために用いられる物である旨の表示を付した食品のような分類のものも包含される。また、本発明において、食品とは飲料を含む概念である。
本発明の別の態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、筋肉合成促進方法(好ましくは、骨格筋合成促進方法)が提供される。本発明の別の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、筋肉合成促進方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)が提供される。ここで、「ヒトに対する医療行為」とは、医師等の処方を必要として、ヒトに対して医薬品を摂取させる(投与する)行為などを意味する。また、上記実施態様において、対象は、好ましくは、スポーツ選手、スポーツ愛好者(アスリート)、生活習慣病の改善のために運動を必要とする者、高齢者などの健康増進のために運動を必要とする者、乳幼児及び/又は子供などの発育/成長の過程で筋肉を作っていく必要のある者、又は筋肉低下疾患(例えば、サルコペニア)を患い、運動により筋肉合成の促進を必要とする患者やそのような疾患を予防するために運動を必要とする者が挙げられる。本発明の筋肉合成促進方法は、本発明の発酵乳の製造方法について、本願明細書に記載された内容に従って実施することができる。
ここで、対象とは、筋肉の合成促進を必要とする対象であることが好ましく、筋肉合成促進効果、筋肉分解抑制効果、抗疲労・疲労回復効果、筋肉痛抑制効果、予備能力向上効果を期待または必要とする対象がより好ましい。例えば、健康増進、運動能力向上、潜在的もしくは顕在的な疲労の回復を目的として、高齢者、栄養失調者、病中・病後者、運動者などが挙げられる。また、この対象はヒト以外の動物(馬、牛などの家畜、犬、猫などの愛玩動物、動物園などで飼育されている鑑賞動物など)であってもよいが、ヒトであることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸量増加方法が提供される。本発明の別の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸量増加方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)が提供される。ここで、「ヒトに対する医療行為」とは、上記と同様の意味で用いられる。また、この実施態様において、対象は、上記の筋肉合成促進方法と同様の対象が挙げられ、ヒト以外の動物(馬、牛などの家畜、犬、猫などの愛玩動物、動物園などで飼育されている鑑賞動物など)であってもよいが、ヒトであることが好ましい。本発明の血中アミノ酸量増加方法は、本発明の発酵乳の製造方法について、本願明細書に記載された内容に従って実施することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中総アミノ酸変化濃度の曲線下面積(AUC)が82000nmol・min/mL以上(好ましくは、82000〜120000nmol・min/mLとなる血中アミノ酸量増加方法が提供される。ここで、AUCは、例えば、下記の実施例の記載と同様に、対象から経時的に採血を行って血中アミノ酸濃度を算出して求めることができる。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中必須アミノ酸変化濃度の曲線下面積(AUC)が45000nmol・min/mL以上(好ましくは、45000〜65000nmol・min/mLとなる血中アミノ酸量増加方法が提供される。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中BCAA(分岐鎖アミノ酸)変化濃度の曲線下面積(AUC)が25000nmol・min/mL以上(好ましくは、25000〜35000nmol・min/mLとなる血中アミノ酸量増加方法が提供される。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中ロイシン変化濃度の曲線下面積(AUC)が9000nmol・min/mL以上(好ましくは、9000〜14000nmol・min/mLとなる血中アミノ酸量増加方法が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸濃度上昇促進方法が提供される。本発明の別の好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸濃度上昇促進方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)が提供される。ここで、「ヒトに対する医療行為」とは、上記と同様の意味で用いられる。また、この実施態様において、対象は、上記の筋肉合成促進方法と同様の対象が挙げられ、ヒト以外の動物(馬、牛などの家畜、犬、猫などの愛玩動物、動物園などで飼育されている鑑賞動物など)であってもよいが、ヒトであることが好ましい。本発明の血中アミノ酸濃度上昇促進方法は、本発明の発酵乳の製造方法について、本願明細書に記載された内容に従って実施することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取対象の該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中総アミノ酸変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)が1200nmol/mL以上(好ましくは、1200〜1700nmol/mL)となる血中アミノ酸濃度上昇促進方法が提供される。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取対象の該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中必須アミノ酸変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)が600nmol/mL以上(好ましくは、600〜1000nmol/mL)となる血中アミノ酸濃度上昇促進方法が提供される。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取対象の該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中BCAA(分岐鎖アミノ酸)変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)が350nmol/mL以上(好ましくは、350〜500nmol/mL)となる血中アミノ酸濃度上昇促進方法が提供される。
本発明のより好ましい態様によれば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなり、該濃縮発酵乳摂取対象の該濃縮発酵乳摂取直後から180分までの血中ロイシン変化濃度のCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)が130nmol/mL以上(好ましくは、130〜200nmol/mL)となる血中アミノ酸濃度上昇促進方法が提供される。
上記の血中アミノ酸濃度上昇促進方法は、筋肉合成促進方法(好ましくは、骨格筋合成促進方法)であってもよい。
本発明の筋肉合成促進方法、血中アミノ酸量増加方法、または血中アミノ酸濃度上昇促進方法において、対象に本発明の濃縮発酵乳(例えば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳)を摂取させる量は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されるものではないが、一食あたり50〜200g摂取することが好ましく、一食あたり80〜150g摂取することがより好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の濃縮発酵乳は一食あたりの単位包装形態からなり、該単位包装形態中に、濃縮発酵乳が50〜200g(好ましくは、80〜150g)含まれる。ここで、「一食あたりの単位包装形態」からなるとは、一食あたりの摂取量があらかじめ定められた形態のものであり、例えば、特定量を経口摂取し得る食品として、一般食品のみならず、飲料(ドリンク剤など)、健康補助食品、保健機能食品、サプリメントなどの形態を意味する。「一食あたりの単位包装形態」では、例えば、液状の飲料、ゲル状、糊状、若しくはペースト状のゼリー、粉末状、顆粒状、カプセル状、若しくはブロック状の固体状の食品などの場合には、金属缶、ガラスビン(ボトルなど)、プラスティック容器(ペットボトルなど)、パック、パウチ、フィルム容器、紙箱などの包装容器で特定量(用量)を規定できる形態、あるいは、一食あたりの摂取量(用法、用量)を包装容器やホームページなどに表示することで特定量を規定できる形態が挙げられる。あるいは、一食当たりの摂取量を量りとれるスプーン等の計量器具を添付する形態が挙げられる。
本発明の筋肉合成促進方法、血中アミノ酸量増加方法、または血中アミノ酸濃度上昇促進方法において、対象(好ましくは、ヒト)への本発明の濃縮発酵乳(例えば、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以下)である濃縮発酵乳)のヒトの一日摂取量は、本発明の濃縮発酵乳が50〜600gであることが好ましく、80〜450gであることがより好ましい。
本発明の濃縮発酵乳を対象に摂取させる(投与する)時期は、特に限定されないが、血液中のアミノ酸濃度が低くなっている状態での摂取がとくに有効であると考えられ、朝、昼、晩の食事の際や、食間、また運動後に好適に用いることができる。
本発明の別の態様によれば、筋肉合成促進(好ましくは骨格筋合成促進)のための、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である筋肉合成促進用濃縮発酵乳の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、血中アミノ酸量増加のための、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、血中アミノ酸濃度上昇促進のための、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳の使用が提供される。
これらの使用において、本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明の使用は、非治療的使用である。
本発明の別の態様によれば、筋肉(骨格筋)合成を促進するための、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である筋肉合成促進用濃縮発酵乳が提供される。
本発明の別の態様によれば、血中のアミノ酸量を増加させるための、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳が提供される。
本発明の別の態様によれば、血中のアミノ酸濃度の上昇を促進するための、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳またはたんぱく質総量に対する遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳が提供される。
本発明の筋肉合成促進方法等に用いられる濃縮発酵乳等や、本発明の食品に含まれる濃縮発酵乳等などは、上記の本発明の製造方法と同じであってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1:各試験溶液(試験乳)の調製および各アミノ酸濃度の測定
試験溶液は「脱脂粉乳マルQ」(株式会社 明治社製)を原材料(発酵乳ミックス)として、たんぱく質濃度が約6.0〜6.4質量%、比重を加味したとき、約6.4容量%となるよう以下の手順で作成されたものを用いた。調製後の各試験乳の性状を表1に示した。また、各サンプル中の遊離総アミノ酸(TAA)、非必須アミノ酸(NEAA)、必須アミノ酸(EAA)、分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度をLC−MSMS法にて測定した結果を図1に示した。
(1)脱脂乳:SNF(無脂乳固形分)含量が16質量%となるように水と混合して調製した。調製後、95℃達温にて殺菌し、均質化(15MPa)後、65℃で30分間加温した。
(2)対照発酵乳:SNF含量が15.7質量%となるように水と混合して調製発酵乳ミックスを調製した。調製後、95℃達温にて殺菌し、発酵スターター(ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL205013株(受託番号:NITE BP−02411)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)OLS3290株(受託番号:FERM BP−19638)の組み合わせ)を0.3%添加して、42℃で発酵(発酵終了時pHは4.4〜4.3)した。冷却および均質化(15MPa)し、殺菌(65℃、30分)した。
(3)試験発酵乳:SNF含量が15.7質量%となるように水と混合して調製発酵乳ミックスを調製した。調製後、95℃達温にて殺菌し、発酵スターターを添加し、42℃で発酵(発酵終了時pHは4.4〜4.3)した。冷却および均質化(15MPa)後、遠心分離(HITACHI社製)によりたんぱく質濃度12質量%(調製発酵乳ミックス時のおよそ2倍)まで濃縮した。その後、たんぱく質濃度が6.4容量%となるよう水で希釈し、殺菌(65℃、30分)した。
各試験溶液(試験乳)は、調製後、−20℃で保存し、投与の直前に解凍して常温にしたものを用いた。
図1によれば、対照発酵乳では遊離アミノ酸が原材料の脱脂乳(発酵乳ミックス)より増加する。しかし、遠心分離工程により濃縮した試験発酵乳(本発明の試験発酵乳)では、取り除いた軽液(試験発酵乳の製造過程で遠心分離により取り除いた部分)に遊離必須アミノ酸が移行しており、対照発酵乳より遊離必須アミノ酸量が低い。ただし、たんぱく質投与用量が約6.4容量%となるように設計していることから、試験発酵乳中のたんぱく質含量が減っている訳ではなく、たんぱく質総量に占める、遊離必須アミノ酸の割合が低い(本発明の試験発酵乳では、たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合は約0.1質量%であり、分岐鎖アミノ酸の割合は約0.05質量%であり、ロイシンの割合は約0.02質量%である)ことを意味するものである。
実施例2:ラットによる各試験溶液の筋合成亢進作用の評価(FSR評価)
本実施例で用いる各試験溶液は、上記実施例1で調製した脱脂乳、対照発酵乳、および試験発酵乳を用いた。
実験の内容を以下に詳述する。
日本クレアから7週齢の雄性SDラットを計136匹購入し、馴化飼育終了後、全ての試験に供するラットを約18時間絶食させた。FSR評価試験当日、体重が全体の平均より大きく外れた4例を除外したあと、ラットを8匹ずつ以下の16群に分ける(投与物が「なし」の群のみ12匹で実施した)。除外したラットは二酸化炭素吸入により安楽死させた。
1群:投与物:なし、解剖時間:約18時間絶食させた後(0分)
2群:投与物:脱脂乳、解剖時間:投与30分後
3群:投与物:脱脂乳、解剖時間:投与60分後
4群:投与物:脱脂乳、解剖時間:投与90分後
5群:投与物:脱脂乳、解剖時間:投与120分後
6群:投与物:脱脂乳、解剖時間:投与240分後
7群:投与物:対照発酵乳、解剖時間:投与30分後
8群:投与物:対照発酵乳、解剖時間:投与60分後
9群:投与物:対照発酵乳、剖時間:投与90分後
10群:投与物:対照発酵乳、解剖時間:投与120分後
11群:投与物:対照発酵乳、解剖時間:投与240分後
12群:投与物:試験発酵乳、解剖時間:投与30分後
13群:投与物:試験発酵乳、解剖時間:投与60分後
14群:投与物:試験発酵乳、解剖時間:投与90分後
15群:投与物:試験発酵乳、解剖時間:投与120分後
16群:投与物:試験発酵乳、解剖時間:投与240分後
第1群以外のラットに上記の試験溶液を経口投与し、全てのラットについて上記のタイミング(解剖時間)で解剖を実施した。解剖の15分前には、骨格筋合成速度測定のトレーサーである重水素ラベルフェニルアラニン(D−Phe)(CIL社製)を尾静脈より注射した(45mg/kgBW)。解剖はイソフルラン麻酔下で行い、門脈血を部分採血後、腹部大静脈より全採血し、安楽死させた。下腿三頭筋を摘出後、直ちに液体窒素で凍結させた。
評価項目
門脈血アミノ酸濃度および足底筋FSR(時間と群を要因とする二元配置分散分析により統計解析を行った)
血中アミノ酸および試験乳中の遊離アミノ酸濃度は、各サンプルを3%スルホサリチル酸処理によって、たんぱく質を除いた後、Intrada Amino Acidカラム(Intact社製)を使用したLC/MS/MSにより20種のアミノ酸を外部標準法にて定量した。
FSR分析方法
(1)骨格筋のホモジナイズ
凍結保存した右足底筋全量(約250〜300mg)をビーズ入りホモジナイズチューブ(CK Mix Kit Tube 7mL)に移し、氷冷した3mLの0.3M過塩素酸溶液を加え、Cryolys(M&S社製、液体窒素、ドライアイスを利用した気流冷却装置)による空冷下で高速細胞破砕装置Precellys Evolution(M&S社製)を用いてホモジナイズした。破砕条件は以下のとおり行った。
・4500rpm 20sec→7500rpm 20sec×2→8500rpm 20sec×2
各破砕プロセス間に30秒間の空冷時間を設けた。
(2)上清の分離と筋ホモジナイズサンプルの洗浄
筋ホモジナイズサンプル1mLを遠心分離(4℃、8000g、15min)した後、上清を分離した。上清は0.2μmフィルターでろ過し、「(5)LC/MS/MSによるフェニルアラニンの定量」に用いた(筋上清定量用サンプル)。
上清を分離した筋ホモジナイズサンプルは、milliQ1mLで洗浄を2回行った後、0.1N HCl1mLに懸濁した。
(3)筋ホモジナイズサンプルのたんぱく質加水分解
900μLの6NHCl(1%フェノール)に洗浄後の筋ホモジナイズサンプル100μLを添加し、PICO−TAGワークステーション(日本ウォーターズ株式会社製)を用いて、窒素置換後、減圧密封した。ヒートブロックを用いて150℃で1時間加熱し、筋たんぱく質の加水分解を行った(筋加水分解物)。
(4)筋加水分解物定量用サンプルの調製
筋加水分解物200μLを遠心エバポレータ―を用いて濃縮した。濃縮物を25uM内部標準含有10%アセトニトリル80μLに溶解させ(原液)、また25uM内部標準含有10%アセトニトリルを用いて20倍希釈した(20倍希釈液)。原液、20倍希釈液それぞれを0.2μmフィルターでろ過し、筋加水分解物定量用サンプル(原液、20倍希釈液)とした。
内部標準には13C9,15N,α,β1,β2,2,3,4,5,6−D8−Phe(IC−Pheとする、Sigma社製)を用いた。
(5)LC/MS/MSによるフェニルアラニンの定量
LC/MS/MS(Waters社製)を用いて、筋上清定量用サンプルおよび筋加水分解物定量用サンプル(原液、20倍希釈液)について、フェニルアラニン(Phe)および重水素ラベルフェニルアラニン(Phe(Ring−D5))のエンリッチメントを計測した。分析条件は以下の通りとした。
<LC条件>
・LC用カラム:ACQUITYUPLCBEHC181.7um
・移動相A:0.05%TFA/milliQ
・移動相B:0.05%TFA/アセトニトリル
・移動相流速:0.3mL/min
・カラム温度:40℃
・サンプル注入量:3μL
・移動相比率
0~3.4min:A100%→A85%B15%(グラジエント)
3.4~4.5min:A70% B30%
4.5~6.0min:A50% B50%
6.0~8.0min:A20% B80%
8.0~10.5min:A100%(Total running time:10.5min)
<MS/MS条件>
・フラグメントイオン
Phe:m/z166.19 > 120.10
Phe(Ring-D5):m/z171.19 > 125.10
IC-Phe:mz184.17 > 137.17
・CapillaryVoltage:3000V
・SourceTemperature:120℃
・DesolvationTemperature:400℃
・DesolvationGasFlow:849L/h
・ConeGasFlow:48L/h
・ConeVoltage:25V
・ConeEnergy:15eV
・エンリッチメント測定
D5-Pheのエンリッチメント=Res(D5-Phe) / (Res(D5-Phe)+Res(Phe))
Res(D5-Phe) = IC-Pheに対するD5-Pheの相対ピーク強度
Res(Phe) = IC-Pheに対するPheの相対ピーク強度
(6)骨格筋合成速度(FSR)の算出
LC/MS/MSによって算出した足底筋のたんぱく質中および遊離のPhe(Ring-D5)のエンリッチメントを基に、次式によって骨格筋合成速度(FSR)を算出した(A. Kanda et al., Br J Nutr, Feb. 7, 1-7, 2013)。
FSR(%/day)=(Eb×100)/(Ea×T)
Ea:骨格筋中に遊離状態で存在するフェニルアラニンのエンリッチメント
(=筋上清定量用サンプル中のエンリッチメント)
Eb:骨格筋中にたんぱく質に同化して存在するフェニルアラニンのエンリッチメント
(=筋加水分解物定量用サンプル中のエンリッチメント)
T:Phe(Ring−D5)を尾静脈投与してから、摘出した骨格筋を凍結保存するまでの時間(日)
エンリッチメント=Phe(Ring−D5)/(Phe+Phe(Ring−D5))
<統計解析手法>
統計手法は、階層的な解析を実施した。つまり、まず脱脂乳、対照発酵乳、試験発酵乳群(Food)と投与後時間(Time:反復計測ではない)およびFood×Timeによる2元配置分散分析を実施し、Foodの主効果、またはFood×Timeの交互作用が有意であった場合、次のような手順で群間の対比較を実施した。まず、Foodの主効果が有意でかつFood×Timeの交互作用が有意でなかった場合は、FoodとTimeでの分散分析モデルを再度構築して対比較を実施した。Food×Timeの交互作用が有意であった場合は、単純主効果検定を実施し、有意差が認められた時間での対比較を実施した。対比較はTukey−Kramerの多重比較を実施し、P値が0.05未満の場合を有意とした。更に、各群でどのTimeポイントで投与なしの場合(ベースライン)との差異があるのかを検討するために、投与なし群と脱脂乳、対照発酵乳、および試験発酵乳群ごとのDunnett検定を実施した。統計解析にはJMP11(SAS Institute Inc.)を用いた。
門脈血アミノ酸濃度推移の結果を図2に示す。図2によれば、対照発酵乳群では投与後30分の時点で脱脂乳群より有意にアミノ酸吸収量が多く、軽液を除去した試験発酵乳群(本発明の濃縮発酵乳)の場合、さらに30分時点でのアミノ酸吸収量が脱脂乳群および対照発酵乳群に比べて増加することが分かった。すなわち、本発明の濃縮発酵乳は、原材料の脱脂乳(脱脂乳群)のみならず、濃縮していない通常の発酵乳(対照発酵乳群)と比較して、血中のアミノ酸濃度上昇ピークを上げるのに適していることが分かった。
足底筋FSRの結果を図3に示す。図3によれば、対照発酵乳群および試験発酵乳群では投与後早い時点で足底筋のFSRを増加させる。さらに、軽液を除去した試験発酵乳の場合、FSRが高まるタイミングが速いだけでなく、高まっている時間が長く(例えば240分後でも投与なしより有意に高い)脱脂乳群だけでなく対照発酵乳群と比較しても、FSRが有意に高く推移することが明らかとなった。つまり、発酵させた後、濃縮工程(例えば、遠心分離工程)を経た本発明の濃縮発酵乳は、たんぱく質含量を均一とした場合、原材料の脱脂乳や濃縮していない通常の発酵乳と比較して、筋肉合成促進、特に骨格筋合成促進の観点から優れることが分かった。
実施例3:ヒトのたんぱく質吸収効果評価試験
試験発酵乳は、脱脂濃縮乳および乳たんぱく質を原材料(発酵乳ミックス)としてたんぱく質濃度が約10.2質量%となるよう以下の手順で作成されたものを用いた。
試験発酵乳:たんぱく質含量が約5.1質量%となるように原材料(発酵乳ミックス)を水と混合して調製発酵乳ミックス(無脂乳固形分含量:11.2質量%)を調製した。調製後、95℃達温にて殺菌し、発酵スターター(ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL205013株(受託番号:NITE BP−02411)およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)OLS3290株(受託番号:FERM BP−19638)の組み合わせ)を3%添加して、42℃で発酵した。冷却後、遠心分離(HITACHI社製)によりたんぱく質濃度10.2質量%(調製発酵乳ミックス時のおよそ2倍)まで濃縮した。
比較対照として、試験発酵乳の原材料として使用した上記と同じ調製発酵乳ミックス(無脂乳固形分含量:11.2質量%)を殺菌後、発酵や濃縮工程を経ていないものを用いた。
下記の表2に記載の試験発酵乳と、調製発酵乳ミックスを、BMIが18.5以上25.0kg/m未満である20歳以上30歳未満の男性12名(平均年齢:23.6歳、平均BMI:20.6)の被験者に対して摂取させた。
試験デザインは、ランダム化クロスオーバー試験により行った。具体的には、被験者をランダムに2群(A群とB群)に分け、A群に試験発酵乳を摂取させ、B群に比較対照の調製発酵乳ミックスを摂取させる。摂取後、7日間のウォッシュアウト期間を設け、その後A群に比較対照の調製発酵乳ミックスを摂取させ、B群に試験発酵乳を摂取させることにより行う。上記ウォッシュアウト期間は、先に摂取した試験発酵乳または調製発酵乳ミックスの影響がなくなるのに十分な期間として、7日間とした。ウォッシュアウト期間中は、通常通りの生活を送ることとし、食事は日常範囲を大きく逸脱する過度な節食や過食を禁止し、さらに本試験に影響を及ぼす可能性がある医薬品(H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬、消化酵素製剤)、医薬部外品(健胃薬、消化薬)、たんぱく質やアミノ酸含有のサプリメント、および健康食品の使用や摂取は禁止した。
試験は、試験発酵乳または比較対照の調製発酵乳ミックスの摂食前(0分)および摂食後(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)に腕静脈から採血を行って、以下の主要評価項目および副次評価項目について分析した。また、血中アミノ酸濃度の測定は以下の通り行った。
血中アミノ酸濃度を、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(LC/MS)(型式:LC20シリーズLC−MS2020、島津製作所製)により測定した。血漿を徐蛋白処理し測定試料とした。下記の反応式の通り、HPLC内部で反応試薬(APDS:3−Aminopyridyl−N−hydroxysuccinimidyl Carbamate)と混合・加温し、目的成分である遊離アミノ酸を誘導化した。誘導化した試料をODSカラム(イナートシルODS−3 2.1×100mm(GLサイエンス製))で分離し、MSで各アミノ酸の質量電荷比を検出することにより測定を行った。なお、測定試薬としては、APDSタグワコー用 アミノ酸自動分析用、APDSタグワコー用 溶離液、APDSタグワコー用 ホウ酸緩衝液、およびアセトニトリル(LC/MS用)を使用した(全て、富士フィルム和光純薬株式会社製)。
(1)主要評価項目
AUC(血中アミノ酸変化濃度の曲線下面積):摂食前(0分)から摂食後180分の間の血中アミノ酸変化濃度の曲線下面積を求めて算出した。
ここで、血中アミノ酸変化濃度は、摂食前(0分)に採血した血中アミノ酸濃度と、摂食後(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)のそれぞれの血中アミノ酸濃度との差を求め、その差を血中アミノ酸変化濃度とした。下記の副次評価項目の血中アミノ酸変化濃度および最高血中アミノ酸変化濃度も同様に算出した。
(2)副次評価項目
経過時間ごと(15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後)の血中アミノ酸変化濃度およびそのCmax(最高血中アミノ酸変化濃度)を算出した。
上記の主要評価項目および副次評価項目の結果を図4〜15に示す。これらの結果から、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳(試験発酵乳)の摂取は、同じ乳タンパク質を同量含む「調製発酵乳ミックス」(比較対照)を摂取した場合と比較して、若年男性における血中の総アミノ酸濃度、必須アミノ酸濃度、BCAA濃度およびロイシン濃度をより上昇させることが分かった(図6、9、12、および15のCmaxの結果参照)。また、摂食前(0分)から摂食後180分の間のAUCは、BCAAおよびロイシンにおいて、本発明の発酵乳(試験発酵乳)の方が調製発酵乳ミックスと比較して有意に高い値を示すことが分かった(図11および図14のAUCの結果参照)。また、摂食前(0分)から摂食後180分の間のAUCは、必須アミノ酸についても同様の高い傾向が見られた(図8のAUCの結果参照)。
上記の結果から、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳(試験発酵乳)は、発酵や濃縮工程を経ていない比較対照の調製発酵乳ミックスと比較して、血中のアミノ酸量を増加させることができ、かつ血中のアミノ酸濃度の上昇を促進させることができることが分かった。よって、本発明の製造方法により製造された濃縮発酵乳は、ヒトで「吸収されやすい」ことから、筋肉合成促進、特に骨格筋合成促進に寄与すると考えられる。
NITE BP−02411
FERM BP−19638

Claims (17)

  1. 無脂乳固形分含量が1〜30質量%に調製された調製発酵乳ミックスを、乳酸菌の存在下で発酵させることにより発酵乳を得て、その発酵乳を濃縮する、濃縮発酵乳の製造方法。
  2. 下記の工程を含んでなる、濃縮発酵乳の製造方法:
    (1)発酵乳ミックスを調製して調製発酵乳ミックスとする工程、ここで、調製された調製発酵乳ミックス中の無脂乳固形分含量が1〜30質量%であり、
    (2)前記調製発酵乳ミックスを殺菌処理に供する工程、
    (3)前記殺菌処理後の調製発酵乳ミックスに乳酸菌スターターを添加して発酵させる工程、および
    (4)前記発酵後の発酵乳を濃縮する工程。
  3. 調製された調製発酵乳ミックス中のたんぱく質量が0.5〜11質量%である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 乳酸菌または乳酸菌スターターが、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusおよび/またはStreptococcus thermophilusである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 発酵乳を濃縮する工程が、発酵乳を遠心分離により濃縮する工程である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 製造された濃縮発酵乳が筋肉合成促進用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された、濃縮発酵乳。
  8. たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である、筋肉合成促進用濃縮発酵乳。
  9. たんぱく質総量に対する、分岐鎖アミノ酸の割合がさらに0.1質量%以下である、請求項8に記載の筋肉合成促進用濃縮発酵乳。
  10. 請求項8または9に記載の濃縮発酵乳を含む、筋肉合成促進用食品。
  11. たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である、血中アミノ酸量増加用濃縮発酵乳。
  12. たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である、血中アミノ酸濃度上昇促進用濃縮発酵乳。
  13. たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、筋肉合成促進方法。
  14. たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸量増加方法。
  15. 対象への濃縮発酵乳の一日摂取量が50〜600gである、請求項14に記載の血中アミノ酸量増加方法。
  16. たんぱく質総量に対する、遊離必須アミノ酸の割合が0.2質量%以下である濃縮発酵乳を、対象に摂取させることを含んでなる、血中アミノ酸濃度上昇促進方法。
  17. 対象への濃縮発酵乳の一日摂取量が50〜600gである、請求項16に記載の血中アミノ酸濃度上昇促進方法。
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