JP2020014280A - モータ制御装置、統合弁装置及び熱交換器 - Google Patents

モータ制御装置、統合弁装置及び熱交換器 Download PDF

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新 鍬田
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Abstract

【課題】低電圧時における出力トルクの低下を抑制できるモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置は、単一のモータと、前記モータの駆動に基づいて自身の軸方向に移動する軸部及び該軸部との軸方向への係合により開閉される複数の弁を有する弁本体部と、を備えた統合弁装置の内の前記モータを制御する制御部を有するモータ制御装置であって、前記モータは、前記複数の弁の開閉時に必要となる通常電圧値に基づいて巻線が巻回されるものであり、前記制御部は、電源電圧が前記通常電圧値よりも低い第1の規定値を下回った際に、前記通常電圧値における前記モータの回転数よりも低下させる。【選択図】図7

Description

本発明は、モータ制御装置、統合弁装置及び熱交換器に関する。
車両用の冷凍サイクル装置に設けられる統合弁装置として、例えば特許文献1に開示されるものは、単一のモータと該モータの回転駆動力に基づいて開閉される複数の弁とを備えている。複数の弁は、モータの駆動に基づいて自身の軸方向に移動する軸部との軸方向への係合により開閉されるようになっている。そして、複数の弁の開閉によって、冷凍サイクル装置の暖房モードと冷房モードとで冷媒の流れを切り替えるようになっている。
特開2017−187255号公報
ところで、上記のような統合弁装置では、複数の弁を有するため、単一の弁を動作させる場合とくらべて弁開閉のために必要となる軸力が増加する。これにより、モータの出力トルクも必要となる。しかしながら、例えば電源電圧が低い状態となるとモータの出力トルクが低下する虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低電圧時における出力トルクの低下を抑制できるモータ制御装置、統合弁装置及び熱交換器を提供することにある。
上記課題を解決するモータ制御装置は、単一のモータと、前記モータの駆動に基づいて自身の軸方向に移動する軸部及び該軸部との軸方向への係合により開閉される複数の弁を有する弁本体部と、を備えた統合弁装置の内の前記モータを制御する制御部を有するモータ制御装置であって、前記モータは、前記複数の弁の開閉時に必要となる通常電圧値に基づいて巻線が巻回されるものであり、前記制御部は、電源電圧が前記通常電圧値よりも低い第1の規定値を下回った際に、前記通常電圧値における前記モータの回転数よりも低下させる。
上記態様によれば、電源電圧が通常電圧値よりも低い第1の規定値を下回った際に、モータの回転数を通常電圧値におけるモータの回転数よりも低下させることでモータの出力トルクを高めることができる。これにより、軸部を確実に動作させることが可能となる。
上記モータ制御装置において、前記制御部は、前記電源電圧が前記第1の規定値よりもさらに低い第2の規定値を下回った際に、前記モータの駆動を停止させることが好ましい。
上記態様によれば、電源電圧が第1の規定値よりもさらに低い第2の規定値を下回った際にモータの駆動を停止させることで、出力トルク不足に伴う予期しない動作を抑えることができる。
上記モータ制御装置において、前記制御部は、前記モータの回転数を低下させる際に段階的に行うことが好ましい。
上記態様によれば、制御部は、前記モータの回転数を低下させる際に段階的に行うことで回転数の急峻な変化を抑えることができる。これにより、例えばモータをステッピングモータで構成した場合の脱調をおさえることができる。
上記モータ制御装置において、前記制御部は、前記電源電圧が前記第1の規定値を下回った際に、前記電源電圧の電圧値に応じて前記モータの回転数を決定することが好ましい。
上記態様によれば、電源電圧が第1の規定値を下回った際に、電源電圧の電圧値に応じてモータの回転数を決定することで、電源電圧に見合ったモータの回転数とすることができる。
上記課題を解決する統合弁装置は、車両用の冷凍サイクル装置に設けられる統合弁装置であって、モータと、前記モータの駆動に基づいて自身の軸方向に移動する軸部及び該軸部との軸方向への係合により開閉される複数の弁を有する弁本体部と、上記のモータ制御装置と、を一体に備える。
上記態様によれば、モータ制御装置を一体に備えた統合弁装置において、モータの脱調を抑制できる。
上記課題を解決する熱交換器は、車両用の冷凍サイクル装置の一部を構成する熱交換器であって、上記の統合弁装置を一体に備える。
上記態様によれば、モータ制御装置を含む統合弁装置を一体に備えた熱交換器において、モータの脱調を抑制できる。
本発明のモータ制御装置、統合弁装置及び熱交換器によれば、モータの脱調を抑制できる。
実施形態における熱交換器を備える冷凍サイクル装置を示す概略構成図。 同形態の統合弁装置を示す模式断面図。 (a)同形態の冷凍サイクル装置における暖房モード時の挙動を説明するための説明図、(b)暖房モード時の統合弁装置の動作を説明するための模式断面図。 (a)同形態の冷凍サイクル装置における冷房モード時の挙動を説明するための説明図、(b)冷房モード時の統合弁装置の動作を説明するための模式断面図。 軸部の軸方向位置(パルス数)に応じた各流路の開口面積を示すグラフ。 (a)(b)同形態における冷房モードから暖房モードへの切り替え時の制御部の制御態様を説明するためのグラフ。 (a)(b)(c)同形態の低電圧時処理における制御部の制御態様を説明するためのグラフ。
以下、モータ制御装置、統合弁装置及び熱交換器の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
図1に示すように、本実施形態の熱交換器10は、電動車両(ハイブリッド車、EV車など)の空調用の冷凍サイクル装置D(ヒートポンプサイクル装置)に用いられる。冷凍サイクル装置Dを備えた車両空調装置は、エバポレータ14によって冷やした空気を車室内に送風する冷房モードと、ヒータコア(図示略)によって温めた空気を車室内に送風する暖房モードとを切り替え可能に構成されている。また、冷凍サイクル装置Dの冷媒循環回路Daは、冷房モードに対応した循環回路と、暖房モードに対応した循環回路とに切り替え可能に構成されている。なお、冷凍サイクル装置Dの冷媒循環回路Daに流通される冷媒としては、例えばHFC系冷媒やHFO系冷媒を用いることができる。また、冷媒には、コンプレッサ11を潤滑するためのオイルが含まれることが好ましい。
冷凍サイクル装置Dは、冷媒循環回路Daにおいて、コンプレッサ11と、水冷コンデンサ12と、熱交換器10と、膨張弁13と、エバポレータ14(蒸発器)とを備えている。
コンプレッサ11は、車室外のエンジンルームに配置される電動式圧縮機であって、気相冷媒を吸引して圧縮し、それにより過熱状態(高温高圧)となった気相冷媒を水冷コンデンサ12側に吐出する。コンプレッサ11から吐出された高温高圧の気相冷媒は、水冷コンデンサ12内に流入する。なお、コンプレッサ11の圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構やベーン型圧縮機構などの各種圧縮機構を用いることができる。また、コンプレッサ11はその駆動源としてのモータの制御によって、冷媒吐出能力が制御されるようになっている。
水冷コンデンサ12は周知の熱交換器であって、冷媒循環回路Da上に設けられた第1熱交換部12aと、冷却水循環装置における冷却水の循環回路C上に設けられた第2熱交換部12bとを備える。なお、当該循環回路C上には、前記ヒータコアが設けられている。水冷コンデンサ12は、第1熱交換部12a内を流れる気相冷媒と第2熱交換部12b内を流れる冷却水との間で熱交換させる。すなわち、水冷コンデンサ12では、第1熱交換部12a内の気相冷媒の熱によって第2熱交換部12b内の冷却水が加熱される一方、第1熱交換部12a内の気相冷媒が冷却されるようになっている。従って、水冷コンデンサ12は、コンプレッサ11から吐出され第1熱交換部12aに流入した冷媒が持つ熱を、冷却水とヒータコアとを介して間接的に車両空調装置の送風空気に放熱させる放熱器として機能する。
水冷コンデンサ12の第1熱交換部12aを通過した気相冷媒は、後述の統合弁装置24を介して熱交換器10に流入する。熱交換器10は、車室外のエンジンルーム内における車両前方側に配置される室外熱交換器であり、熱交換器10の内部を流通する冷媒と、図示しない送風ファンにより送風された車室外空気(外気)との間で熱交換させるものである。
膨張弁13は、熱交換器10から供給された液相冷媒を減圧膨張させる温度感応型の機械式膨張弁である。膨張弁13は、低温高圧状態の液相冷媒を減圧してエバポレータ14に供給する。
エバポレータ14は、冷房モード時において送風空気を冷却する冷却用熱交換器(蒸発器)である。膨張弁13からエバポレータ14に供給された液相冷媒は、エバポレータ14周辺(車両空調装置のダクト内)の空気と熱交換する。この熱交換によって、液相冷媒が気化し、エバポレータ14周辺の空気が冷却される。その後、エバポレータ14内の冷媒はコンプレッサ11に向けて流出され、該コンプレッサ11で再び圧縮される。
[熱交換器の構成]
熱交換器10は、第1熱交換部21と、過冷却器として機能する第2熱交換部22とを備える。さらに、熱交換器10は、第1及び第2熱交換部21,22と連結された貯液器23と、貯液器23に設けられた統合弁装置24とが一体に構成されてなる。第1熱交換部21の流入路21a及び流出路21bは、統合弁装置24と連通されている。また、第2熱交換部22の流入路22aは、貯液器23及び統合弁装置24と連通されている。
第1熱交換部21は、内部に流通する冷媒の温度に応じて凝縮器又は蒸発器として機能する。貯液器23は気相冷媒と液相冷媒とを分離し、その分離した液相冷媒が貯液器23内に貯まるように構成されている。第2熱交換部22は、貯液器23から流入した液相冷媒と外気との間で熱交換させることで、該液相冷媒を更に冷却して該冷媒の過冷却度を高め、その熱交換後の冷媒を膨張弁13へと流す。なお、第1熱交換部21、第2熱交換部22及び貯液器23は、例えばボルト締結にて相互に連結されることで一体的に構成されている。
[統合弁装置の構成]
図2に示すように、統合弁装置24は、貯液器23内に配置される弁本体部25と、弁本体部25を駆動させるための単一のモータ26と、モータ26を通じて弁本体部25を制御する統合弁ECU27(モータ制御装置)と、一対の圧力センサ(第1及び第2圧力センサ28,29)とを備えている。なお、統合弁ECU27を構成する回路基板は、モータ26に一体に設けられている。また、モータ26には、例えばステッピングモータなどが用いられる。モータ26は、複数の弁の開閉時に必要となる通常電圧値VBに基づいて巻線が巻回されるものである。
弁本体部25は、内部に冷媒が流通可能に構成されたハウジング30と、ハウジング30内に設けられた第1〜第3弁31〜33とを備えている。ハウジング30には、モータ26が一体に設けられている。
ハウジング30には、第1流入口41a及び第1流出口41bを有する第1流路41(高圧流路)と、第2流入口42aから第2流出口42bまでの流路である第2流路42と、前記第2流入口42aから第3流出口43bまでの流路である第3流路43(図4(b)参照)とが形成されている。
第1流路41の第1流入口41aは、水冷コンデンサ12(第1熱交換部12a)の吐出側と接続され、第1流路41の第1流出口41bは、第1熱交換部21(熱交換器10)の流入路21aと接続されている。すなわち、第1流路41は、コンプレッサ11から吐出される高圧冷媒を通す高圧流路として構成されている。
第2流入口42aは、第1熱交換部21の流出路21bと接続されている。第2流出口42bは、コンプレッサ11の流入側と接続されている。そして、第3流出口43bは、貯液器23の内部を通じて第2熱交換部22(熱交換器10)の流入路22aと連通されている。
第1弁31(高圧弁)は第1流路41に設けられ、第1流路41の開閉を行う。また、第2弁32は第2流路42に設けられ、第2流路42の開閉を行う。そして、第3弁33は第3流路43に設けられ、第3流路43の開閉を行う。
弁本体部25は、第1〜第3弁31〜33を駆動させるための軸部44をハウジング30内に備えている。軸部44はモータ26と同軸をなして駆動連結され、モータ26の駆動力に基づいて軸方向に進退するように構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、軸部44における軸方向のモータ26側(軸方向基端側)を上側とし、軸部44における軸方向の反モータ側(軸方向先端側)を下側として説明する。
第1弁31は、軸部44と軸方向に係合可能とされた第1弁体51と、ハウジング30に固定された第1弁座52とを備えている。第1弁体51は、軸部44が挿通される貫通孔51aを有している。また、第1弁体51は、第1付勢部材53(圧縮コイルばね)によって軸方向の第1弁座52側に付勢されている。
第1弁体51は可変絞り弁54を有している。可変絞り弁54は、軸部44に設けられて軸部44と一体に動作するフランジ状の可変絞り弁体55と、該可変絞り弁体55にて開閉される弁座としての前記貫通孔51aとからなる。
第1弁体51は、可変絞り弁体55と軸方向に係合可能に構成されている。詳しくは、第1弁体51の上側端面には、可変絞り弁体55が内部に配置される筒部51bが一体に設けられ、その筒部51bには、可変絞り弁体55の上側に位置する係合部51cが設けられている。係合部51cは、軸部44が上側に移動したときに可変絞り弁体55と当接するように構成されている。また、筒部51bの周壁には、複数の流路51dが形成されている。
可変絞り弁体55は、第1弁体51の貫通孔51aの上側端部(開口)を開閉可能に構成されている。すなわち、可変絞り弁体55は、軸部44が下側に移動したときに貫通孔51aと当接して該貫通孔51aを閉塞する。なお、貫通孔51aの開口径は第1弁座52の開口径よりも小さい。
上記のように構成された第1弁31では、軸部44が上方に駆動されると、可変絞り弁体55の上端面が係合部51cに対して軸方向に当接し、第1弁体51が第1付勢部材53の付勢力に抗して上方に押し上げられ、第1弁座52から離隔する(図4(b)参照)。一方、軸部44が下方に駆動されると、第1弁体51は第1付勢部材53の付勢力によって押し下げられ、第1弁座52に当接して該第1弁座52の開口を閉塞する(図2及び図3(b)参照)。
また、第1弁体51が第1弁座52を閉塞する状態においては、筒部51b内の可変絞り弁体55の軸方向位置を調節することで、貫通孔51aに流れる冷媒の量の調節が可能となっている(図3(b)参照)。これにより、第1流路41に流れる冷媒の量の微調整が可能となっている。また、第1弁体51が第1弁座52を閉塞する状態では、第1流入口41aから流入した高圧冷媒は、貫通孔51aを通って減圧され、低圧の冷媒となって第1流出口41bから第1熱交換部21側に流れる。なお、第1弁座52及び貫通孔51aが共に閉塞されると、第1流路41が閉止される(第1流路41の開口面積がゼロとなる)。
図2及び図4(b)に示すように、第2弁32は、第2弁体61と、ハウジング30に固定された第2弁座62とを備えている。また、第3弁33は、第3弁体71と、ハウジング30に設けられた第3弁座72とを備えている。
第2及び第3弁体61,71は、1つの弁体部材80に一体的に設けられている。弁体部材80は、軸部44の軸方向に互いに対向する第2弁座62と第3弁座72との間に配置され、軸部44と軸方向に係合可能に構成されている。なお、第3弁座72は、第2弁座62よりも下側に配置されている。そして、第2弁体61は弁体部材80の上端面に、第3弁体71は弁体部材80の下端面にそれぞれ設けられている。また、弁体部材80は、第2付勢部材81(圧縮コイルばね)によって軸方向の第3弁座72側に付勢されている。第2弁体61及び第3弁体71を有する弁体部材80と、第2及び第3弁座62,72とは三方弁を構成している。なお、上記第1付勢部材53の第1弁体51に対する付勢力は、第2付勢部材81の弁体部材80に対する付勢力よりも大きく設定されている。
図4(b)に示すように、軸部44が上方に駆動されると、弁体部材80は、該弁体部材80の下側に位置し軸部44の外周面から突出する係合凸部82との係合によって、第2付勢部材81の付勢力に抗して上方に押し上げられ、弁体部材80の第3弁体71が第3弁座72から離隔する。その後、弁体部材80が更に上方に押し上げられると、弁体部材80の第2弁体61が第2弁座62に当接して該第2弁座62の開口を閉塞する。
一方、図2に示すように、軸部44が下方に駆動されると、弁体部材80は第2付勢部材81の付勢力によって押し下げられ、第3弁座72に当接して該第3弁座72の開口を閉塞する。なお、軸部44は、軸部44の下方駆動時において、弁体部材80の上端面と軸方向に当接可能な当接部83を有している。
統合弁ECU27は、モータ26に供給する駆動電流(モータ駆動電流)を制御する制御部27aを備えている。以下には、オープンループ制御によって位置決めが可能なステッピングモータをモータ26に用いた場合における制御部27aの制御について説明する。制御部27aは、モータ26に入力する駆動パルスの数によってモータ26の回転角度を管理する。本例の制御部27aは、電源電圧(バッテリ電圧)を監視し、電源電圧に応じた処理を行うようになっている。
また、制御部27aは、モータ駆動電流の周波数を変えることでモータ26の回転数を調整する。具体的には、制御部27aはPWM制御によりモータ駆動電流を調整し、該PWM制御の制御周波数(PWM周波数)を変えることによりモータ26の回転数を調整する。すなわち、PWM制御の制御周波数を高くすることでモータ26の回転数を大きく、PWM制御の制御周波数を低くすることでモータ26の回転数を小さく制御する。
また、制御部27aは、モータ駆動電流の電流値を調整する。制御部27aにてモータ駆動電流の電流値を可変する方法としては、PWM制御のデューティ比を変化させずに基準電流を可変する方法や、デューティ比自体を可変する方法などが挙げられる。また、制御部27aは、予め設定されたマップや計算式に基づいて、軸部44の軸方向位置に応じたモータ26の回転数(駆動電流の周波数)の指令値及び電流値の指令値を設定する。
第1圧力センサ28は、第1弁31の上流側(第1流入口41a側)の流路に設けられ、該上流側の圧力を検出して、その情報を統合弁ECU27に出力する。第2圧力センサ29は、第1弁31の下流側(第1流出口41b側)の流路に設けられ、該下流側の圧力を検出して、その情報を統合弁ECU27に出力する。
暖房モード時における冷凍サイクル装置D及び統合弁装置24の挙動を、図3(a)(b)及び図5に示す。なお、図5は、軸部44の軸方向位置(パルス数)に応じた第1〜第3流路41〜43の各々の開口面積(流路断面積)を示すグラフであり、第1流路41の開口面積を実線、第2流路42の開口面積を破線、第3流路43の開口面積を1点鎖線で示している。
暖房モードでは、軸部44は、第1弁体51の開動作が開始される位置P1(第1弁体51が第1弁座52から離れる位置)よりもゼロ位置側(下側)に位置する。すなわち、暖房モードでは、第1弁31(第1弁座52)は閉止されており、第1流路41の冷媒流量は可変絞り弁54によって調節される。このとき、コンプレッサ11で圧縮され水冷コンデンサ12(第1熱交換部12a)を介して第1流入口41aに供給される高圧冷媒は、可変絞り弁54の貫通孔51aを通って減圧され、低圧冷媒となって第1流出口41bから第1熱交換部21側に流れる。また、このとき、第3弁33が閉止され、第2弁32が開放される。
統合弁装置24の第1流出口41bから流入路21aを介して第1熱交換部21に流入した冷媒は、第1熱交換部21の内部を通った後、流出路21bを介して統合弁装置24の第2流入口42aに流入する。このとき、第3流路43(第3弁33)が閉止されるとともに、第2流路42(第2弁32)が開放されているため、第2流入口42aから流入した冷媒は、第2流路42の第2流出口42bから吐出される。そして、第2流出口42bから吐出された冷媒は、コンプレッサ11に吸引されて再度圧縮され、水冷コンデンサ12側に吐出される。
暖房モードから冷房モードへの切り替え時には、モータ26の駆動によって軸部44が上方駆動される。このとき、位置P1で第1弁31が開放された後、位置P2で第3弁33(第3流路43)が開放され、その後、上限位置P3(冷房モード位置)で第2弁32(第2流路42)が閉止される。
冷房モード時における冷凍サイクル装置D及び統合弁装置24の挙動を、図4(a)(b)及び図5に示す。
冷房モードでは、第1弁31(第1弁座52)が開放される。また、第3弁33(第3流路43)が開放されるとともに、第2弁32(第2流路42)が閉止される。
コンプレッサ11で圧縮され第1流入口41aに流入する高圧の気相冷媒は、第1弁座52の開口を通じて、減圧されずにそのまま第1流出口41bを介して第1熱交換部21に流入する。冷房モードにおいて、第1熱交換部21は凝縮器として機能する。すなわち、第1熱交換部21を通る冷媒は外気と熱交換し、その一部が液相に変化する。
第1熱交換部21を通った後、流出路21bを介して第2流入口42aに流入した冷媒は、第3流路43を通って第3流出口43bから吐出される。第3流出口43bから吐出された冷媒は、貯液器23及び流入路22aを介して第2熱交換部22に流入する。第2熱交換部22を通った後、該第2熱交換部22から吐出された冷媒は、膨張弁13を介してエバポレータ14に供給される。冷媒は、エバポレータ14での熱交換(送風空気の冷却)後、コンプレッサ11に向けて流出され、コンプレッサ11で再び圧縮される。
冷房モードから暖房モードへの切り替え時には、モータ26の駆動によって軸部44が上限位置P3から下方駆動される。このとき、第2弁32(第2流路42)が開放された後、位置P2で第3弁33(第3流路43)が閉止され、その後、位置P1で第1弁座52第1弁体51にて閉止される。
ここで、冷房モードから暖房モードへの切り替え時(すなわち、軸部44の下方駆動時)における統合弁ECU27の通常動作における制御態様について説明する。
図6(a)(b)に示すように、統合弁ECU27の制御部27aは、モータ26の起動指令を受けると、モータ26の回転数(駆動電流の周波数)を第1の回転数r1とし、モータ駆動電流の電流値を第1の値A1とする。なお、このとき、制御部27aは、モータ26の回転数を第1の回転数r1まで段階的に増加させる。
その後、軸部44が、第1弁座52が第1弁体51にて閉止される前記位置P1を通過する前に、制御部27aは、モータ26の回転数を第1の回転数r1から第2の回転数r2まで下げ、軸部44が位置P1を通過した後まで第2の回転数r2で一定とする。つまり、位置P1前後の期間において制御部27aは第2の回転数r2とする。そして、制御部27aは、軸部44が位置P1を通過する前に、モータ駆動電流の電流値を第1の値A1から第2の値A2まで上げ、軸部44が位置P1を通過した後まで第2の値A2で一定とする。つまり、位置P1前後の期間において制御部27aはモータ駆動電流の電流値を第2の値A2とする。これにより、軸部44が位置P1を通過するときに、モータ26が高トルクで駆動される。そして、軸部44が位置P1を通過した後、制御部27aは、モータ26の回転数を第1の回転数r1に戻し、モータ駆動電流を第1の値A1に戻す。
次に、低電圧時処理における制御部27aの制御態様について、図7(a)(b)(c)に従って説明する。図7(a)には電源電圧(バッテリ電圧)の変化の一例を示し、図7(b)にはモータの出力トルクの変化を示し、図7(c)にはモータの回転数の変化を示す。なお、図7(a)では、理解し易いように電圧の状態を段階的な変化で示している。
図7(a)に示すように、制御部27aは高トルクが必要となるタイミングT1において電源電圧が通常電圧値VBよりも低い第1の規定値V1未満となった場合に、回転数r2よりも低い回転数r3となるように制御してモータ駆動電流の電流値を第2の値A2として出力トルクを維持する。また、制御部27aは高トルクが不要となるタイミングT2において電源電圧が通常電圧値VBとなった場合に、回転数r1となるように制御してモータ駆動電流の電流値を第1の値A1とする。
また、制御部27aは、あるタイミングT5において、電源電圧が第1の規定値V1よりも低い第2の規定値V2未満となった場合に、モータ26の出力トルクを維持することが難しいため、制御部27aはモータ26の駆動を停止させる。
また、制御部27aは、電源電圧が第1の規定値V1未満であって第2の規定値V2以上となった場合にモータ26の回転数を電源電圧に応じて決定する。より具体的には、制御部27aは、タイミングT3において第1の規定値V1未満の電源電圧Vaとなった場合、モータ26を回転数r4で回転させる。制御部27aは、タイミングT4において第1の規定値V1未満の電源電圧Vbとなった場合、モータ26を回転数r5で回転させる。ここで、電源電圧Va,Vbはいずれも第1の規定値V1未満であって第2の規定値V2以上となっている。そして、電源電圧Vaは電源電圧Vbよりも高くなっているため、電源電圧Va時におけるモータ26の回転数r4は、電源電圧Vb時におけるモータ26の回転数r5よりも高くなっている。なお、上記の回転数の変更の際には、段階的に回転数を変更させることで急峻な変化が抑えられている。
本実施形態の効果を記載する。
(1)電源電圧が通常電圧値VBよりも低い第1の規定値V1を下回った際に、モータ26の回転数を通常電圧値VBにおけるモータ26の回転数よりも低下させることでモータ26の出力トルクを高めることができる。これにより、軸部44を確実に動作させることが可能となる。
(2)電源電圧が第1の規定値V1よりもさらに低い第2の規定値V2を下回った際にモータ26の駆動を停止させることで、出力トルク不足に伴う予期しない動作を抑えることができる。
(3)制御部27aは、モータ26の回転数を低下させる際に段階的に行うことで回転数の急峻な変化を抑えることができる。これにより、例えばモータ26をステッピングモータで構成した場合の脱調をおさえることができる。
(4)電源電圧が第1の規定値V1を下回った際に、電源電圧の電圧値に応じてモータ26の回転数を決定することで、電源電圧に見合ったモータ26の回転数とすることができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、電源電圧が第1の規定値V1未満であって第2の規定値V2以上である場合に電電電圧の電圧値に応じてモータ26の回転数を変更するようにしたが、これに限らない。モータ26の出力トルクが確保されていれば、第1の規定値V1未満であって第2の規定値V2以上である場合で一定の回転数を設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、電源電圧が第2の規定値V2を下回った際に、モータ26の駆動を停止させるようにしたが、第2の規定値V2を下回った場合であってもモータ26の駆動を停止させないようにしてもよい。また、第2の規定値V2自体を省略するようにしてもよい。
・上記実施形態の冷房モードから暖房モードへの切り替え時では、モータ26の回転トルクを上げた状態(すなわち、モータ26の回転数が第2の回転数r2とされ、電流値が第2の値A2とされた状態)で、第1弁座52が第1弁体51にて閉止される位置P1を通過するように電流制御される。しかしながら、これに限らず、モータ26の回転数を第1の回転数r1とし、電流値を第1の値A1として回転トルクを変えずに、軸部44が位置P1を通過するように電流制御してもよい。
・モータ26にはステッピングモータ以外にブラシレスの同期モータやブラシ付きモータなどを用いることも可能である。
・上記実施形態では、制御部27aの機能を、統合弁装置24に一体に設けられる統合弁ECU27に備えたが、これに特に限定されるものではなく、例えば、統合弁ECU27の上位のECU(エアコンECUなど)に備えてもよい。
・上記実施形態の統合弁装置24における複数の弁(第1〜第3弁31〜33)の開閉機構などの構成は例示であり、冷凍サイクル装置Dの構成などに応じて、上記実施形態以外の構成に変更してもよい。
D…冷凍サイクル装置、10…熱交換器、24…統合弁装置、25…弁本体部、26…モータ、27…統合弁ECU(モータ制御装置)、27a…制御部、31…第1弁、32…第2弁、33…第3弁、44…軸部、VB…通常電圧値、V1…第1の規定値、V2…第2の規定値。

Claims (6)

  1. 単一のモータと、前記モータの駆動に基づいて自身の軸方向に移動する軸部及び該軸部との軸方向への係合により開閉される複数の弁を有する弁本体部と、を備えた統合弁装置の内の前記モータを制御する制御部を有するモータ制御装置であって、
    前記モータは、前記複数の弁の開閉時に必要となる通常電圧値に基づいて巻線が巻回されるものであり、
    前記制御部は、電源電圧が前記通常電圧値よりも低い第1の規定値を下回った際に、前記通常電圧値における前記モータの回転数よりも低下させることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記電源電圧が前記第1の規定値よりもさらに低い第2の規定値を下回った際に、前記モータの駆動を停止させる、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御部は、前記モータの回転数を低下させる際に段階的に行う、請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御部は、前記電源電圧が前記第1の規定値を下回った際に、前記電源電圧の電圧値に応じて前記モータの回転数を決定する、請求項1〜3の何れか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 車両用の冷凍サイクル装置に設けられる統合弁装置であって、
    モータと、前記モータの駆動に基づいて自身の軸方向に移動する軸部及び該軸部との軸方向への係合により開閉される複数の弁を有する弁本体部と、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、を一体に備えた統合弁装置。
  6. 車両用の冷凍サイクル装置の一部を構成する熱交換器であって、請求項5に記載の統合弁装置を一体に備えたことを特徴とする熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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