JP2020014013A - 太陽電池、太陽電池モジュール、及び太陽光発電システム - Google Patents

太陽電池、太陽電池モジュール、及び太陽光発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体膜を部分的に除去した領域に沿って形成された電極の位置ずれを低減し、太陽電池の製造歩留りを向上させる太陽電池の製造方法の提供。【解決手段】第一主表面に誘電体膜303を有する半導体基板202を準備する工程(a)〜(b)と、該半導体基板の誘電体膜を部分的に除去する工程(c)〜(e)、除去領域に沿って電極を形成する工程(f)〜(h)とを有する太陽電池の製造方法であって、誘電体膜が部分的に除去された領域の位置と形成した電極の位置の相対的な位置関係を測定する工程を有し、位置関係に基づいて誘電体膜を部分的に除去する領域の位置を調整した後に誘電体膜を部分的に除去する太陽電池の製造方法である。【選択図】図3

Description

本発明は、高光電変換効率太陽電池の製造方法及び高光電変換効率太陽電池に関する。
単結晶や多結晶半導体基板を用いた比較的高い光電変換効率を有する太陽電池構造の一つとして、正負の電極をすべて非受光面(裏面)に設けた裏面電極型太陽電池がある。裏面電極型太陽電池の裏面の概観を図1に示す。エミッタ層102およびベース層101が交互に配列され、それぞれの層に沿って層上に電極(103、104)が設けられている。エミッタ層幅は数mm〜数百μm、ベース層幅は数百μm〜数十μmである。また、電極幅は数百〜数十μm程度が一般的であり、その電極はフィンガー電極と呼ばれることが多い。
裏面電極型太陽電池の断面構造の模式図を図2に示す。基板202の裏面の最表層近傍にエミッタ層102及びベース層101が形成されている。各層の厚さは高々1μm程度である。各層上にはフィンガー電極(205、206)が設けられ、非電極領域の表面は窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等の裏面保護膜207で覆われる。受光面側には反射損失を低減する目的で、反射防止膜201が設けられる。
特開2006−332273号公報
裏面電極型の太陽電池の製法上の問題点の一つに、ベース層とベース電極のずれがある。電極を印刷法で形成する場合には版の伸びが経時や製版ごとに変化するため、上記のような幅数百μm〜数十μmのベース層に沿って幅数百〜数十μmの電極を安定して形成するのは極めて困難であった。このずれを緩和するにはベース層幅を広くするのが製法上は最も簡単であるが、ベース層幅を広くすると変換効率が低下してしまうことは、例えば特許文献1で公知となっている。製造コストを勘案すれば印刷法が最も有効であり、ベース層幅は維持したまま印刷法で歩留りよく電極形成する方法を確立する必要があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ベース層とベース電極のずれを低減し、太陽電池の製造歩留りを向上させることができる高光電変換効率太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ベース層とベース電極のずれが小さく、特性の良い高光電変換効率太陽電池を提供することを目的とする。さらに本発明は、ベース層とベース電極のずれを小さくして、太陽電池の製造歩留りを向上させることができる太陽電池の製造システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも第一主表面に誘電体膜を有する半導体基板を準備する工程と、
該半導体基板の前記誘電体膜を部分的に除去する工程と、
前記誘電体膜が部分的に除去された領域に沿って電極を形成する工程と
を有する太陽電池の製造方法であって、
前記誘電体膜を部分的に除去する工程と前記電極を形成する工程を実施した後の半導体基板に対して、前記誘電体膜が部分的に除去された領域の位置と前記形成した電極の位置の相対的な位置関係を測定する工程を有し、
前記測定された位置関係に基づいて、新たに準備した少なくとも第一主表面に誘電体膜を有する半導体基板に対して、前記誘電体膜を部分的に除去する領域の位置を調整した後に前記誘電体膜を部分的に除去することを特徴とする太陽電池の製造方法を提供する。
このように、形成する電極の位置ずれを面内で補正するよりも、誘電体膜が部分的に除去された領域の位置と電極の位置の相対的な位置関係に基づいて、誘電体膜を除去する領域の位置を電極に合わせて補正する方が、相対的な位置関係のずれ、すなわち、位置ずれを簡便に低減させることができ、生産性を向上しつつ太陽電池の歩留りを向上できる。また、位置の調整は電極及び誘電体膜が除去された領域のそれぞれで別々に測定しておいて実施するのではなく、実際に誘電体膜が除去された領域に電極が形成されたものを観察して実施した方が、ばらつきの要因を減らすことができる。
このとき、前記相対的な位置関係の測定を、前記半導体基板の面内において選択した座標ごとに行い、かつ、前記誘電体膜を部分的に除去する領域の位置の調整を該選択した座標ごとに行うことが好ましい。
誘電体膜が除去された領域に電極を形成する際の位置ずれは面内で再現性を持って高確率で発生することから、位置ずれが発生する箇所の座標を求め、この座標ごとに誘電体膜を部分的に除去する領域の位置の調整を行うことで、位置ずれを簡便かつ効果的に小さくすることができる。
また、前記半導体基板の面内を複数の領域に分割し、該分割された領域ごとに該領域を代表する座標を割り当て、前記相対的な位置関係の測定を前記分割された領域に割り当てられた座標ごとに行い、かつ、前記誘電体膜を部分的に除去する領域の位置の調整を該割り当てられた座標ごとに行うことが好ましい。
このように、半導体基板の面内を複数の領域に分割し、それらの領域ごとに代表する座標を割り当て、それらの座標で相対的な位置関係の測定と誘電体膜を部分的に除去する領域の位置の調整を行うことで、測定する点の数をある程度間引くことができる。それにより、生産性が高まり、効率的に太陽電池を製造することができる。尚、誘電体膜が除去された領域に電極を形成する際の系統的な位置ずれは面内で連続的に変化すると考えられるので、位置関係の測定については、必ずしもすべての電極を観察して行う必要はない。
また、前記相対的な位置関係の測定を、前記電極の長手方向に直交する方向についてのみ行うことが好ましい。
誘電体膜を部分的に除去する領域の位置と電極の位置のずれが問題となるのは、電極の長手方向に直交する方向であることが多い。このため、電極の長手方向に直交する方向に位置関係を測定すれば、位置ずれを十分に小さくしつつ、位置関係の測定に要する時間を短縮することができる。
また、前記電極の形成を、スクリーン印刷法を用いて行うことが好ましい。
このように、スクリーン印刷法であれば、最も安価に電極を形成することができ、太陽電池を安価に製造することができる。
また、前記誘電体膜の部分的な除去を、レーザーを用いて行うことが好ましい。
このように、レーザーを用いて誘電体膜を除去することにより、太陽電池を安価に製造できる。また、レーザーによる加工は加工精度がよく、誘電体膜を部分的に除去する領域の位置の調整が比較的容易である。
また、本発明の太陽電池の製造方法では、前記誘電体膜を部分的に除去する工程の後、前記電極を形成する工程の前に、前記誘電体膜が部分的に除去された領域に不純物を拡散し拡散層を形成することができる。
このように、誘電体膜が部分的に除去された領域に拡散層を形成することにより、形成された拡散層と拡散層上の電極の位置ずれを十分に小さくすることができる。
また、本発明の太陽電池の製造方法では、前記半導体基板として、前記第一主表面に拡散層を有するものを準備することができる。
このような第一主表面に拡散層を有する半導体基板を用いることにより、電極の位置ずれを低減しつつ、電極と拡散層の接触を容易に形成することができる。
また、本発明の太陽電池の製造方法では、前記誘電体膜を部分的に除去することにより、該誘電体膜を除去した領域における単位面積当たりの誘電体膜量を前記誘電体を除去していない領域の単位面積当たりの誘電体膜量の1/10以下にすることが好ましい。
このような単位面積当たりの誘電体膜量とすることにより、誘電体膜の除去の効果を十分に得られる。すなわち、残りの誘電体膜をマスクとした拡散の場合は十分に拡散を行うことができる。また、誘電体膜を貫通して電極を形成する場合は、電極とその下にある半導体基板との接触を形成する際にファイアースルーの必要がなくなるため、電極の低温焼成が可能となり、太陽電池の製造工程の自由度を広げることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板の第一主表面に、ベース層と該ベース層に隣接するエミッタ層を有し、前記ベース層上に電極が配置されている太陽電池であって、
前記ベース層は前記第一主表面上において長さと幅を有する線状の領域を有しており、該線状の領域は前記線状の領域の長さより短い直線状の領域を有しており、該直線状の領域は前記線状の領域の他の直線状の領域の延長上からずれた位置に配置されたものを含むものであることを特徴とする太陽電池を提供する。
このように、直線状の領域が他の直線状の領域の延長上からずれた位置に配置されたものを含む太陽電池であれば、第一主表面の面内で見たときに、ベース層と電極の位置ずれを小さくすることができ、特性が良く、特性のばらつきの小さい太陽電池とすることができる。
このとき、前記ベース層の幅は50μm以上250μm以下であり、前記電極の幅は30μm以上200μm以下であることが好ましい。
このようなベース層及び電極の幅であれば、ベース層と電極の位置ずれがより効果的に低減され、より特性の良い太陽電池とすることができる。
このとき、前記エミッタ層は、前記ベース層と該ベース層に隣接する前記エミッタ層の境界において、前記エミッタ層側から凸となるくさび状の領域を有しており、前記くさび状の領域の底辺部の長さが1μm以上20μm以下であり、該くさび状の領域の頂部の角度が70°以上110°以下であることが好ましい。
ベース層とエミッタ層の境界がこのような形状であれば、境界近傍に電極が形成された場合、くさび状の領域がない場合と比べてベース層と電極との接触面積が増加するため、相対的にコンタクト抵抗が低減され、また、電極の接着強度も相対的に大きくなる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板の第一主表面に拡散層を有し、該拡散層上に所定の膜厚の誘電体膜を有する第1の領域と前記所定の膜厚よりも薄い誘電体膜を備えているか又は前記誘電体膜を備えていない第2の領域を有しており、前記第2の領域の少なくとも一部に電極が配置されている太陽電池であって、
前記第2の領域は前記第一主表面上において長さと幅を有する線状の領域を有しており、該線状の領域は前記線状の領域の長さより短い直線状の領域を有しており、該直線状の領域は前記線状の領域の他の直線状の領域の延長上からずれた位置に配置されたものを含むものであり、
前記第2の領域において前記電極が形成されていない領域の単位面積当たりの誘電体膜量が前記第1の領域の単位面積当たりの誘電体膜量の1/10以下であることを特徴とする太陽電池を提供する。
このように、直線状の領域が他の直線状の領域の延長上からずれた位置に配置されたものを含む太陽電池であれば、第一主表面の面内で見たときに、第2の領域と電極の位置ずれを小さくすることができる。また、第2の領域において電極が形成されていない領域の単位面積当たりの誘電体膜量が第1の領域の単位面積当たりの誘電体膜量の1/10以下であることにより、このような太陽電池は、製造する際に電極とその下にある半導体基板との接触を形成する際にファイアースルーの必要がない。そのため、製造する際に、電極の低温焼成が可能となるため、このような太陽電池は、製造する際の工程の自由度が広いものである。
このとき、前記第2の領域の幅は50μm以上250μm以下であり、前記電極の幅は30μm以上200μm以下であることが好ましい。
このような第2の領域及び電極の幅であれば、第2の領域と電極の位置ずれがより効果的に低減された太陽電池とすることができる。
このとき、前記第1の領域は、前記第2の領域と該第2の領域に隣接する前記第1の領域の境界において、前記第1の領域側から凸となるくさび状の領域を有しており、前記くさび状の領域の底辺部の長さが1μm以上20μm以下であり、該くさび状の領域の頂部の角度が70°以上110°以下であることが好ましい。
第1の領域と第2の領域の境界がこのような形状であれば、境界近傍に電極が形成された場合、電極にアンカー効果が発現し、くさび状の領域がない場合と比べて電極の接着強度が相対的に大きくなる。
また、本発明は、上記の太陽電池が内蔵されていることを特徴とする太陽電池モジュールを提供する。
このように、本発明の太陽電池は太陽電池モジュールに内蔵することができる。
また、本発明は上記の太陽電池モジュールを有することを特徴とする太陽光発電システムを提供する。
このように、本発明の太陽電池を内蔵した太陽電池モジュールは、太陽光発電システムに用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、半導体基板の第一主表面の誘電体膜を部分的に除去する誘電体膜除去装置と、
前記誘電体膜が部分的に除去された領域に沿って電極を形成する電極形成装置と、
前記電極形成装置で電極が形成された後の前記半導体基板の第一主表面を検査して、前記誘電体膜が部分的に除去された領域の位置と前記形成された電極の位置の相対的な位置関係のデータを取得する外観検査装置と、
前記取得したデータに基づいて、前記誘電体膜を部分的に除去する領域の位置を調整する補正値を決定し、該補正値を前記誘電体膜除去装置にフィードバックするデータ解析装置と
を有するものであることを特徴とする太陽電池の製造システムを提供する。
このように、太陽電池の製造システムが誘電体膜除去装置、電極形成装置、外観検査装置及びデータ解析装置を備え、それらを連携させることにより、誘電体膜を部分的に除去した領域と電極との位置ずれを効率的に低減し、太陽電池の製造歩留りを向上させることができる。それにより、製造した太陽電池を安価なものとすることができる。
このとき、前記外観検査装置は、前記半導体基板の面内を複数の領域に分割し、該分割された領域ごとに該領域を代表する座標を割り当て、前記相対的な位置関係のデータを前記分割された領域に割り当てられた座標ごとに取得する機能を有するものであることが好ましい。
このように、半導体基板の面内を複数の領域に分割し、それらの領域ごとに代表する座標を割り当て、それらの座標で位置関係の測定と誘電体膜を部分的に除去する領域の位置の調整を行うことで、測定の点数をある程度間引くことができる。それにより、生産性が高まり、効率的に太陽電池を製造することができる。尚、誘電体膜が除去された領域に電極を形成する際の系統的な位置ずれは面内で連続的に変化すると考えられるので、位置関係の測定については、必ずしもすべての電極を観察して行う必要はない。
このとき、前記誘電体膜除去装置はレーザー加工装置であり、前記電極形成装置はスクリーン印刷装置であることが好ましい。
このように、レーザー加工装置とスクリーン印刷装置を用いることにより、安価に位置ずれを低減することができ、安価な太陽電池を製造することができる。
本発明の太陽電池の製造方法によれば、誘電体膜を部分的に除去した領域とその領域に沿って形成された電極の位置ずれを低減し、太陽電池の製造歩留りを向上させることができる。また、本発明の太陽電池であれば、電極の位置ずれが小さく、特性の良い高光電変換効率太陽電池とすることができる。さらに、本発明の太陽電池の製造システムによれば、電極の位置ずれを小さくして、太陽電池の製造歩留りを向上させることができる。
本発明を適用することができる、一般的な裏面電極型太陽電池を裏面側から見た概観図である。 本発明を適用することができる、一般的な裏面電極型太陽電池の断面模式図である。 本発明に係る裏面電極型太陽電池の製造方法の一例を示す工程フロー図である。 本発明に係る、レーザー加工により形成したベース層の形状を示す上面模式図である。 本発明に係る、ベース層とベース電極の相対位置を示す上面模式図である。 本発明に係るベース層の形状の一例を示す上面模式図である。 本発明に係る太陽電池の断面模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの概観図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの裏面内部模式図である。 本発明に係る太陽電池モジュールの断面模式図である。 本発明に係る太陽光発電システムの模式図である。 本発明に係る太陽電池の製造システムの構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る、ベース層とベース電極の位置ずれ頻度の面内分布を示した図である。 本発明に係る、ベース層とベース電極間隙間の面内分布を示した図である。
上記のように、近年、太陽電池のベース層とベース電極の位置ずれが問題となっていた。本発明者らは、このような位置ずれを低減させる対策について鋭意検討して、本発明を完成させた。
以下、本発明について、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下で、本発明の太陽電池の製造方法について、半導体基板としてN型基板を用いた場合を例に取り、図3を用いて説明する。
図3は、本発明を適用した裏面電極型太陽電池の製造方法の一例を示す工程フロー図である。
まず、少なくとも第一主表面に誘電体膜を有する半導体基板を準備する。例えば、以下のようにして半導体基板の準備をすることができる。高純度シリコンにリンあるいはヒ素、アンチモンのようなV価元素をドープし、比抵抗0.1〜5Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}N型シリコン基板202を用意し(工程(a))、表面のスライスダメージを、濃度5〜60%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリ、もしくは、ふっ酸と硝酸の混酸などを用いてエッチングする。単結晶シリコン基板は、CZ(Czochralski)法、FZ(Floating zone)法のいずれの方法によって作製されたものでもよい。基板202は必ずしも単結晶シリコン基板である必要はなく、多結晶シリコン基板でもよい。
続いて、基板202の表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸形成を行う。テクスチャは太陽電池の反射率を低下させるための有効な方法である。テクスチャは、加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10%、温度60〜100℃)中に、基板202を10分から30分程度浸漬することで作製される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させてもよい。
テクスチャ形成後、塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸等、もしくはこれらの混合液の酸性水溶液中で洗浄する。過酸化水素を混合し清浄度を向上させてもよい。
この基板202の第一主表面に、エミッタ層102を形成する(工程(b))。エミッタ層102は基板202と逆の導電型(この場合P型)で厚みが0.05〜1μm程度である。エミッタ層102はBBr等を用いた気相拡散によって形成できる。具体的には、基板202を2枚一組として重ね合わせた状態で熱処理炉に戴置し、BBrと酸素の混合ガスを導入して950〜1050℃で熱処理する。キャリアガスとしては窒素やアルゴンが好適である。また、ホウ素源を含有させた塗布剤を第一主表面全面に塗布し、950〜1050℃で熱処理する方法でもエミッタ層102の形成が可能である。塗布剤としては、例えば、ホウ素源としてホウ酸1〜4%、増粘剤としてポリビニルアルコール0.1〜4%を含有させた水溶液が使用できる。
エミッタ層102を形成したら、次工程であるベース層形成のためのマスク303を基板202の両主表面上に形成する(工程(c))。マスク303としては誘電体膜である酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜等を用いることができる。CVD法を用いれば、導入するガス種を適宜選択することにより、いずれの膜も形成可能である。酸化シリコン膜の場合は、基板202を熱酸化して形成することもできる。その場合、基板202を酸素雰囲気中950〜1100℃、30分〜4時間熱処理することで、100nm程度のシリコン熱酸化膜が形成される。温度、時間、ガス等を適宜選択することで膜厚は任意に変更可能であるが、マスク機能及び次工程の部分開口の容易性を兼ねるためには30〜300nmの膜厚とすることが好ましい。この熱処理は上記のエミッタ層102の形成のための熱処理に引き続いて同一バッチ内で実施してもよい。このようにして、少なくとも第一主表面に誘電体膜を有する半導体基板を準備する。
次いで、このようにして準備した半導体基板の誘電体膜を部分的に除去する。例えば、ベース層101の領域となる部分のマスクを部分的に除去(開口)して、開口部304を形成する(工程(d))。具体的には、開口部304の開口幅が50μm以上250μm以下、開口部304の間の間隔が0.6mm以上2.0mm以下程度で平行線状に開口することができる。マスク303の開口にはフォトリソグラフィー法やエッチングペーストが使用できるが、レーザーでの開口が簡便で好ましい。レーザー源としては、YAG系、YVO系、GdVO系等の第二次高調波が使用できるが、波長が500〜700nm程度であればいかなるレーザー源を用いてもよい。将来的にはさらに短波長のレーザーも利用できると考えられる。レーザーの条件は適宜決定可能であるが、例えば、出力が4〜20W、周波数が10000〜100000Hz、フルエンスが1〜5J/cm、ガルボヘッドを備え、スキャン速度が100〜5000mm/秒、などとすることができる。パソコン等を用いCAD(Computer−aided design)データと連携させることで、加工位置は容易に指定することができる。
マスク303に開口部304を形成した後、50〜90℃に加熱したKOH、NaOH等のアルカリ水溶液中に基板202を浸漬し、開口部304の不要なエミッタ層102を除去(エッチング)する(工程(e))。これにより、エミッタ層が除去された開口部305が形成される。
続いてベース層101を形成する(工程(f))。ベース層101の形成にはオキシ塩化リンを用いた気相拡散法が使用できる。830〜950℃、オキシ塩化リンと窒素及び酸素混合ガス雰囲気下で基板202を熱処理することで、ベース層101となるリン拡散層(N層)が形成される。気相拡散法の他、リンを含有する材料をスピン塗布したり、印刷したりしてから熱処理する方法でもベース層101を形成可能である。ベース層101の形成後、マスク303及び表面に形成されたガラスをふっ酸等で除去する。
前述のようなレーザー加工を施してベース層となる領域をマスクに形成すると、レーザースポットが矩形でないため、ベース層101とエミッタ層102の境界に特有の模様(形状)が形成される。レーザー加工により形成したベース層101の上面模式図を図4に示す。図4に示したように、ベース層101と、そのベース層101に隣接するエミッタ層102の境界において、エミッタ層102側から凸となるくさび状の領域407を生じる。このくさび状の領域407は、特にエッチング後に顕在化する。くさび状の領域407の頂角409は70°以上110°以下であり、くさび状の領域407の底辺部の長さ408は1μm以上20μm以下程度である。
次いで、第一主表面と反対の主表面である第二主表面に反射防止膜307の形成を行う(工程(g))。反射防止膜307としては、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等が利用できる。窒化シリコン膜の場合はプラズマCVD装置を用いて、約100nmの膜厚で製膜する。反応ガスとして、モノシラン(SiH)及びアンモニア(NH)を混合して用いることが多いが、NHの代わりに窒素を用いることも可能である。また、プロセス圧力の調整、反応ガスの希釈、さらには、基板に多結晶シリコンを用いた場合に基板のバルクパッシベーション効果を促進するため、反応ガスに水素を混合することもある。一方、酸化シリコン膜の場合は、CVD法でも形成できるが、熱酸化法により得られる膜の方が高い特性が得られる。また、表面の保護効果を高めるため、あらかじめ基板表面に酸化アルミニウム膜を形成してから、反射防止膜307を形成してもよい。
第一主表面においても、裏面保護膜207として窒化シリコン膜や酸化シリコン膜が利用できる。裏面保護膜207の膜厚は50〜250nmとするのが好適である。第二主表面(受光面)側と同様に窒化シリコン膜の場合はCVD法で、酸化シリコン膜の場合は熱酸化法やCVD法で裏面保護膜207の形成が可能である。また、表面の保護効果を高めるため、あらかじめ基板表面に酸化アルミニウム膜を形成してから、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等を形成してもよい。
次いで、上記の誘電体膜(マスク303)が部分的に除去された領域に沿って電極を形成する。この電極形成は以下のようにして行うことができる。ベース電極103を、例えばスクリーン印刷法で形成する(工程(h))。例えば、開口幅が30μm以上200μm以下、0.6〜2.0mm間隔の平行線パターンを有する製版を用意しておき、Ag粉末とガラスフリットを有機物バインダと混合したAgペーストをベース層101に沿って印刷する。誘電体膜(マスク303)自体は全て除去されているが、ベース層101の存在する領域は工程(d)で半導体基板の誘電体膜を部分的に除去した部分である。同様にして、エミッタ電極104としてAgペーストを印刷する。ベース電極103用Agペーストとエミッタ電極104用Agペーストは同じでもよいし、違うものを使用してもよい。以上の電極印刷の後、熱処理により窒化シリコン膜等にAg粉末を貫通させ(ファイアースルー)、電極とその下にあるシリコンを導通させる。なお、ベース電極103及びエミッタ電極104の焼成は別々に行うことも可能である。焼成は、通常700℃以上850℃以下の温度で5〜30分間処理することで行われる。
上記ベース層101とベース電極103の数は、80〜260本にも及ぶため、その位置合わせは容易ではない。レーザー加工時の位置ずれ、電極印刷時の位置ずれ、版の伸び等のずれ要因が複合されて電極が形成されるためである。あらかじめ測長機等でレーザーの位置、電極の位置をそれぞれ測定しておく方法も考えられるが、ずれの要因は唯一ではないため、有効ではない。
本発明の太陽電池の製造方法では、誘電体膜を部分的に除去する工程と電極を形成する工程を実施した後の半導体基板に対して、誘電体膜が部分的に除去された領域の位置と形成した電極の位置の相対的な位置関係を測定する工程を有する。この例の場合、具体的には、ベース層101とベース電極103の相対的な位置関係を、例えば顕微鏡などを用いて実際にベース層101とベース電極103が形成された基板を観察し、測定する。そして、この測定された位置関係に基づいて、新たに準備した少なくとも第一主表面にマスク(誘電体膜)303を有する半導体基板202に対して、そのマスク303を部分的に除去する領域の位置を調整した後に、そのマスク303を部分的に除去する。すなわち、本発明では、測定された相対的な位置関係が、レーザーの加工位置にフィードバックされ、その後、別の基板の誘電体膜がレーザーにより部分的に除去される。観察及び測定を行う箇所はベース電極全部でもよいし、基板の面内を例えば3×3や6×7等の領域に分割して各領域を1点ずつ観察してもよい。
相対的な位置関係を測定するために観察する基板202は複数枚が好ましいが、1枚でもよい。印刷された基板202の全数を観察してもよいし、抜き取り検査で数枚〜数百枚に1度の頻度で観察してもよく、製造の規模と観察に要する時間から適宜決定されてよい。また、必ずしも製品である必要はなく、少なくとも誘電体膜が部分的に除去されたベース層領域形成工程と電極形成工程を経たダミー基板であってもよい。
相対的な位置関係の測定の具体的な方法としては、ベース電極端とベース領域(ベース層)端の距離を測定する方法がある。主にずれが問題となるのは電極の長手方向に直交する方向であるから、この方向についてのみ測定を行ってもよい。図5にベース層101とベース電極103の相対位置を示す上面模式図を示す。ベース電極端とベース層端の距離は上側の距離504、下側の距離505の2つの距離で定義できる。図5(a)のように、ベース電極103がベース層101内に完全に収まっていれば、距離504、505のいずれも有限の(0でない)値が得られる。一方で、図5(b)のように、ズレが発生していると、上側の距離504は0と測定される。換言すれば、距離504、505のいずれかが0であれば、ずれが発生していると判断される。ずれ量の決定方法としては、距離504、505の値の大きい方を用いる方法、電極幅及びベース領域幅を同時に測定し加減算によりはみ出し量を推算する方法等がある。
ずれ量が決定されたら、ベース層形成位置の補正量を決定する。ベース電極103をベース層101の中央に配置させるためには、基板面内の選択した座標ごとに、距離504、505の値が同じになるように補正するのがよい。はみ出し量を負の値として距離504、505を定義し直してから補正量を決定する方が収束は早くなる。
また、ずれの具体的な量を求めるのでなく、ずれの頻度を求める方法でもよい。すなわち、ベース層101内にベース電極103が収まっているか否かを複数の基板に対して観察(測定)し、ずれの頻度(確率)を算出する。より具体的には、距離504、505のいずれかが0である座標データを蓄積し、基板内の座標ごとに、上側へのずれ(距離504が0)、下側へのずれ(距離505が0)のそれぞれの場合について、ずれ発生頻度として、ずれ発生枚数÷観察枚数×100(%)を算出する。ずれ量の大きい座標(位置)であるほどずれ発生頻度は大きくなる。この場合のベース層形成位置の補正量は1回あたり1〜50μmであることが好ましい。一度に大きく調整すると、全体のバランスが狂ってくるためである。
以上のような、基板内の領域ごとにベース層形成位置を調整する操作を繰り返すと、図6に示すように、ベース層101の中心線606が不連続となる箇所607が発生し、ベース層101が一直線上に形成されなくなる。ベース層101がこのような構造をとることで、ベース層101とベース電極103の位置ずれを減少させることができる。
次に、本発明の太陽電池の第一の実施態様について図6等を参照して説明する。本発明の第一の実施態様の太陽電池は、半導体基板の第一主表面に、ベース層101とそのベース層101に隣接するエミッタ層102を有し、ベース層101上にベース電極103が配置されている太陽電池であって、ベース層101が第一主表面上において長さと幅を有する線状の領域612を有しており、線状の領域612はその線状の領域612の長さより短い直線状の領域614を有しており、その直線状の領域614は線状の領域612の他の直線状の領域614の延長上からずれた位置に配置されたものを含む。
このように、直線状の領域614が他の直線状の領域614の延長上からずれた位置に配置されたものを含む太陽電池であれば、第一主表面の面内で見たときに、ベース層101とベース電極103の位置ずれを小さくすることができ、特性が良く、特性のばらつきの小さい太陽電池とすることができる。
また、ベース層101の幅は50μm以上250μm以下であり、ベース電極103の幅は30μm以上200μm以下であることが好ましい。このようなベース層101及びベース電極103の幅であれば、ベース層101とベース電極103の位置ずれがより効果的に低減され、より特性の良い太陽電池とすることができる。
また、エミッタ層102は、図4に示すように、ベース層101とそのベース層101に隣接するエミッタ層102の境界において、エミッタ層102側から凸となるくさび状の領域407を有しており、くさび状の領域407の底辺部の長さ408が1μm以上20μm以下であり、くさび状の領域407の頂部の角度409が70°以上110°以下であることが好ましい。ベース層101とエミッタ層102の境界がこのような形状であれば、境界近傍に電極が形成された場合、くさび状の領域407がない場合と比べてベース層101とベース電極103との接触面積が増加するため、相対的にコンタクト抵抗が低減され、また、電極の接着強度も相対的に大きくなる。
以上では、裏面電極型太陽電池への本発明の適用例について述べた。しかしながら、本発明はこれには限定されずに、レーザーで基板表面の保護膜(誘電体膜)を除去し、該保護膜除去箇所に直接電極を形成する太陽電池の製造方法にも適用することができる。すなわち、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等の誘電体膜で基板表面を保護した基板に対し、レーザーを局所的にパターン状に照射して、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜に電極接触のための開口を設けるものである。レーザー処理により保護膜量(=保護膜の厚さ×面積)は1/10以下にまで除去することができる。これによりファイアースルーの必要がなくなり、電極の低温焼成が可能となって、太陽電池の製造工程の自由度を広げることができる。
上述した本発明の太陽電池の製造方法に対応した、本発明の太陽電池の第二の実施態様について、図7(a)及び図7(b)を参照して説明する。本発明の第二の実施態様の太陽電池は図7(a)に示すように、半導体基板702の第一主表面に拡散層720を有し、その拡散層720上に所定の膜厚の誘電体膜(パッシベーション膜)722を有する第1の領域724と所定の膜厚よりも薄い誘電体膜を備えているか又は誘電体膜を備えていない第2の領域726を有しており、第2の領域726の少なくとも一部に電極728が配置されている太陽電池である。第2の領域726は図7(b)に示すように第一主表面上において長さと幅を有する線状の領域712を有しており、線状の領域712はその線状の領域712の長さより短い直線状の領域714を有しており、その直線状の領域714は線状の領域712の他の直線状の領域714の延長上からずれた位置に配置されたものを含むものであり、第2の領域726において電極728が形成されていない領域の単位面積当たりの誘電体膜量が第1の領域724の単位面積当たりの誘電体膜量の1/10以下である。
このように、直線状の領域714が他の直線状の領域714の延長上からずれた位置に配置されたものを含む太陽電池であれば、上述したように、第一主表面の面内で見たときに、第2の領域726と電極728の位置ずれを小さくすることができる。また、第2の領域726において電極728が形成されていない領域の単位面積当たりの誘電体膜量が第1の領域の単位面積当たりの誘電体膜量の1/10以下であることにより、上述したように、電極728とその下にある基板との接触を形成する際にファイアースルーの必要がなくなるため、電極728の低温焼成が可能となり、太陽電池の製造工程の自由度を広げることができる。
また、第2の領域726の幅は50μm以上250μm以下であり、電極728の幅は30μm以上200μm以下であることが好ましい。このような第2の領域726及び電極728の幅であれば、第2の領域726と電極728の位置ずれがより効果的に低減された太陽電池とすることができる。
また、第1の領域724は、第2の領域724とその第2の領域724に隣接する第1の領域724の境界において、第1の領域724側から凸となるくさび状の領域を有しており、くさび状の領域の底辺部の長さが1μm以上20μm以下であり、くさび状の領域の頂部の角度が70°以上110°以下であることが好ましい。第1の領域724と第2の領域726の境界がこのような形状であれば、境界近傍に電極が形成された場合、電極にアンカー効果が発現し、くさび状の領域がない場合と比べて電極の接着強度が相対的に大きくなる。
上述した本発明の太陽電池は、太陽電池モジュールに内蔵することができる。本発明の太陽電池が内蔵された太陽電池モジュールの一例の概観を図8に示す。図8には、裏面電極型の太陽電池を内蔵した太陽電池モジュールの例を示しているが、これに限定されず、本発明の他の型の太陽電池を内蔵した太陽電池モジュールとすることもできる。上述した本発明の太陽電池800は、太陽電池モジュール860内ではタイル状に敷き詰められた構造をなす。
太陽電池モジュール860内では、隣接する太陽電池800同士が数枚〜数10枚電気的に直列に接続され、ストリングと呼ばれる直列回路を構成している。ストリングの概観を図9に示す。図9は、通常人目に触れることのないモジュール内部裏面側の模式図に相当する。また、フィンガー電極やバスバーは図示されていない。直列接続にするため、図9に示したように、隣接する太陽電池800のPバスバー(基板のP型層に接合したフィンガー電極に接続されているバスバー電極)とNバスバー(基板のN型層に接合したフィンガー電極に接続されているバスバー電極)同士がタブリード線861などで接続されている。
太陽電池モジュール860の断面模式図を図10に示す。上述のようにストリングは、複数の太陽電池800を、バスバー電極822にリード線861を接続することで構成される。該ストリングは、通常EVA(エチレンビニルアセテート)などの透光性の充填剤872で封止され、非受光面側はPET(ポリエチレンテレフタラート)などの耐候性樹脂フィルム873、受光面はソーダライムガラスなどの透光性で機械的強度が強い受光面保護材料871で覆われている。充填剤872としては、上記EVAの他、ポリオレフィン、シリコーンなどが使用できる。
さらにこのモジュールを用いて太陽光発電システムを製造すること、及び構成することもできる。図11は本発明のモジュールを連結した太陽光発電システムの基本構成を示したものである。複数の太陽電モジュール16が配線15で直列に連結され、インバータ17を経由して外部負荷回路18に発電電力を供給する。図11には示していないが、当該システムは発電した電力を蓄電する2次電池をさらに備えていて良い。
以上では、N型基板の場合を例に述べたが、P型基板の場合はエミッタ層形成にリン、ヒ素、アンチモン等を拡散させ、ベース層形成にはホウ素、Al等を拡散させればよく、P型基板を本発明の太陽電池の製造方法及び太陽電池に適用可能であることは自明である。
次に、本発明の太陽電池の製造システムについて、図12を参照して説明する。図12は、本発明に係る太陽電池の製造システムの構成の一例を示す概略図である。太陽電池の製造システム900は、少なくとも、半導体基板の第一主表面の誘電体膜を部分的に除去する誘電体膜除去装置902と、誘電体膜が部分的に除去された領域に沿って電極を形成する電極形成装置904と、電極形成装置904で電極が形成された後の半導体基板の第一主表面を検査して、誘電体膜が部分的に除去された領域の位置と形成された電極の位置の相対的な位置関係のデータを取得する外観検査装置906と、取得したデータに基づいて、誘電体膜を部分的に除去する領域の位置を調整する補正値を決定し、該補正値を誘電体膜除去装置902にフィードバックするデータ解析装置908とを有するものである。このように、太陽電池の製造システムが誘電体膜除去装置902、電極形成装置904、外観検査装置906及びデータ解析装置908を備え、それらを連携させることにより、誘電体膜を部分的に除去した領域と電極との位置ずれを効率的に低減し、太陽電池の製造歩留りを向上させることができる。それにより、製造した太陽電池を安価なものとすることができる。
誘電体膜除去装置902はレーザー加工装置であってもよく、電極形成装置904はスクリーン印刷装置であってもよい。例えば、スクリーン印刷装置(電極形成装置904)でスクリーン印刷後に、外観検査装置906で外観検査し、得られたデータを用いデータ解析装置908でレーザー加工位置の調整を行い、レーザー加工装置(誘電体膜除去装置902)のレーザー加工レシピにフィードバックするものである。このように、レーザー加工装置とスクリーン印刷装置を用いることにより、安価に位置ずれを低減することができ、安価な太陽電池を製造することができる。また、データ解析装置908は単独で設けてもよいし、外観検査装置906やレーザー加工装置902と一体化させてもよい。CCDカメラ等を用いて画像データを電気信号に変換し、外観検査装置906、データ解析装置908、レーザー加工装置902をネットワーク接続すれば、一連の動作をすべて自動で行うことも可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の太陽電池の製造方法を用い太陽電池の作製を行った。まず、厚さ200μm、比抵抗1Ω・cmの、リンドープ{100}N型アズカットシリコン基板20枚を用意した。次に、熱濃水酸化カリウム水溶液により該シリコン基板のダメージ層を除去した。その後、72℃の水酸化カリウム/2−プロパノール水溶液中に浸漬しテクスチャ形成を行い、引き続き75℃に加熱した塩酸/過酸化水素混合溶液中で洗浄を行った。
次いで、基板にP型拡散層(エミッタ層)を形成した。基板を2枚一組として重ね合わせた状態で熱処理炉に戴置し、BBrと酸素とアルゴンの混合ガスを導入して1000℃で10分熱処理を行った。基板に形成したP型拡散層を四探針法で測定した結果、シート抵抗は50Ωとなった。
この基板を1000℃、3時間酸素雰囲気中で熱酸化して基板表面にマスク(誘電体膜)を形成した。基板の裏面のマスクをレーザーで開口した。レーザー源はNd:YVOの第二次高調波を用いた。開口パターンは、間隔が1.2mmの平行線状とした。出力は18W、スキャン速度は600mm/秒とした。開口部が形成された基板を、80℃のKOHに浸漬してその開口部のエミッタ層を除去した。
次に、オキシ塩化リン雰囲気下で、870℃で基板の受光面同士を重ね合わせた状態で40分間熱処理し、開口部にリン拡散層(ベース層)を形成した。この後、その基板を濃度12%のふっ酸に浸漬することでマスク及び表面ガラスを除去した。
以上の処理の後、プラズマCVD装置を用いて窒化シリコン膜を基板の両面に形成した。窒化シリコン膜の膜厚は表裏面とも100nmとした。この時点で、顕微鏡を用いベース層幅を測定したところ、複数基板において概ね190μmであった。
次に、Agペーストをベース層上及びエミッタ層上にそれぞれ印刷してベース電極を形成し、乾燥した。これを780℃の空気雰囲気下で焼成した。以上で、ベース層とベース電極の相対的な位置関係を測定するための基板(第1サイクルの基板)を作製した。
完成した第1サイクルの基板20枚について、顕微鏡を用いてベース電極近傍の観察を行いベース層とベース電極の位置ずれの判定を行った。基板面内を6×7の42の領域に分割し、各領域で1点ずつ観察した。第1サイクルの基板のずれ発生頻度を基板面内でマッピングした結果を図13(a)及び(b)に示す。ベース層に対し、ベース電極が上側にずれた場合が(a)、下側にずれた場合が(b)である。図13(a)と(b)を比較すると、この第1サイクルの基板ではベース層に対しベース電極が上側にずれている頻度が高く、特に基板の右下側でずれが多く発生していることがわかる。印刷製版の伸び量が面内で異なるため、ベース電極が完全な平行線とはならず、ベース層と完全に一致できなかったものと考えられる。
この測定結果を受け、1回目のレーザー加工位置の調整を行った。具体的には、基板の右下を30μm、左下部を2μm、それぞれ図中上側に修正した。この位置でレーザー加工を行い、KOHエッチング工程以降は上述したのと同様の工程で20枚のセル作製を行った(第2サイクルの基板)。完成した基板20枚の電極近傍の観察を行い、位置ずれの判定を行った。前述したのと同様に、ベース層に対し、ベース電極が上側にずれた場合が図13(c)、下側にずれた場合が図13(d)である。図13(a)及び(b)に比べ、基板の右側のずれ頻度は改善されているのがわかるが、依然上側へのずれ頻度がやや高い。
この測定結果を受け、2回目のレーザー加工位置の調整を行った。具体的には、基板の下部のずれ頻度の大きい領域をそれぞれ20μm、図中の上側に修正した。この位置でレーザー加工を行い、KOHエッチング工程以降は上述したのと同様の工程でセル作製を行った(第3のサイクルの基板)。完成した基板20枚の電極近傍の観察を行い、位置ずれの判定を行った。ベース層に対し、ベース電極が上側にずれた場合が図13(e)、下側にずれた場合が図13(f)である。位置ずれは面内でほとんど見られなくなった。
(実施例2)
実施例1で作製した第1サイクルの基板1枚を抜き取り、ベース層端とベース電極端間の距離(すなわち、ベース層端と電極端の間の隙間の量、図5における距離504、505に相当)の測定を行った。基板面内を6×7の42の領域に分割し、各領域で1点ずつ測定した。この際、同時に電極幅も測定した。電極がベース層からはみ出している箇所においては、次式を用いて、ベース層端とベース電極端間の距離の値を負数まで拡張して求めた。
(電極がベース層からはみ出している箇所におけるベース層端とベース電極端間の距離)
=(ベース層幅)−(電極端とベース層端間の距離)−(電極幅)
・・・式(1)
隙間の量を基板面内でマッピングした結果を図14(a)及び(b)に示す。上側隙間(図5の上側の距離504に相当)が(a)、下側隙間(図5の下側の距離505に相当)が(b)である。負数はベース電極がベース層からはみ出していることを示している。負数の箇所に注目すると、基板の左下および右下でベース電極が上側にずれ、基板の右上の方でわずかに下側にずれているのがわかる。
この測定結果を受け、レーザー加工位置を、基板の左下で15μm上に、右下で25μm上に、右上で5μm下に、それぞれ調整した。調整後の位置でレーザー加工を行い、KOHエッチング工程以降は上述したのと同様の工程でセル作製を行った。再度完成した基板から1枚抜き取り、隙間の測定を行った。前述したのと同様にベース層に対し、上側隙間を図14(c)、下側隙間を図14(d)に示している。図14(a)及び(b)に比べ値(隙間)のばらつきが減少して30μmを中心に安定化し、さらに、負数の(すなわち、電極がはみ出している)箇所がほとんど見られなくなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. 半導体基板の第一主表面に拡散層を有し、該拡散層上に所定の膜厚の誘電体膜を有する第1の領域と前記所定の膜厚よりも薄い誘電体膜を備えているか又は前記誘電体膜を備えていない第2の領域を有しており、前記第2の領域の少なくとも一部に電極が配置されている太陽電池であって、
    前記第2の領域は前記第一主表面上において長さと幅を有する線状の領域を有しており、該線状の領域は前記線状の領域の長さより短い直線状の領域を有しており、該直線状の領域は前記線状の領域の他の直線状の領域の延長上からずれた位置に配置されたものを含むものであり、
    前記第2の領域において前記電極が形成されていない領域の単位面積当たりの誘電体膜量が前記第1の領域の単位面積当たりの誘電体膜量の1/10以下であり、
    前記第1の領域は、前記第2の領域と該第2の領域に隣接する前記第1の領域の境界において、前記第1の領域側から凸となるくさび状の領域を有しており、前記くさび状の領域の底辺部の長さが1μm以上20μm以下であり、該くさび状の領域の頂部の角度が70°以上110°以下であることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記第2の領域の幅は50μm以上250μm以下であり、前記電極の幅は30μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の太陽電池が内蔵されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  4. 請求項3に記載の太陽電池モジュールを有することを特徴とする太陽光発電システム。
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