JP2020012723A - 免震建築物の加速度記録システムならびに地震変位監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】地震による免震装置の歪み量や建物に加わった外力の計算を正確に行うことが可能な免震建築物の加速度記録システムを提供する。【解決手段】免震装置Xまたはその近傍の地盤Gに取り付けられ、且つ、インターネット16に接続され、地震発生時の揺れによって免震装置Xに加わる加速度を検出し、これを免震装置側加速度データとして送信する免震装置側加速度検出器10と、建物Bに取り付けられ、且つ、インターネット16に接続され、地震発生時の揺れによって建物Bに加わる加速度を検出し、これを建物側加速度データとして送信する建物側加速度検出器12と、インターネット16に接続され、免震装置側加速度データおよび建物側加速度データを受信し、これを記録するサーバ14とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、地震発生時に免震建築物(建物や免震装置)に加わる加速度を記録する加速度記録システムおよび免震建築物に生じる歪み(変位)を監視する地震変位監視システムに関する。
日本は、非常に多くの地震が発生する地震大国であり、毎日、日本のどこかで地震が起こっている。震度6を超える大地震も、2000年以降で限ってみても鳥取県西部地震、芸予地震、十勝沖地震、能登半島地震、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震、東北地方太平洋沖地震、熊本地震など多数発生している。
このような大地震がひとたび起こると、建物は大きく揺れ、家具が転倒したり窓ガラスが飛散し、柱、梁、壁、床などに被害が生じ、酷い場合には建物が倒壊する。不意打ちで生じる地震に対する建物の備えは、地震大国日本に住む我々にとって重大関心事である。
地震に対する建物の備えとしては、「耐震」「制震」「免震」の3つの手法が知られている。「耐震」は、建物に筋交いなどを取り付けることによって建物の強度を高める技術であり、大半の住宅で採用されている。「制震」は、揺れを吸収する制震部材(重錘など)を建物の内部に組み込むことによって建物の揺れを抑える技術であり、主に高層建築物に採用されている。そして、3つめの「免震」は、地盤と建物との間に、揺れを吸収する免震装置を介装し、建物を地盤と切り離すことで地震の揺れを建物に伝えないようにする技術であり、地震が起きても建物が揺れにくいことから、建物の免震化(免震建築物)は近年大きな注目を集めている。
免震建築物について簡単に説明すると、免震建築物は、地盤と建物との間に、揺れを吸収する免震装置が介装された構造となっている。免震装置が地震による揺れのエネルギーを受けて変形する(歪む)ことにより、建物の揺れが最小限に抑えられる。免震装置の一例としては、例えば、積層ゴムと鋼板とを複数枚、交互に積層したものが挙げられ、現在、広く採用されている。
免震建築物では、上述したように、免震装置が歪んで地震による揺れのエネルギーを吸収することで建物の揺れが抑えられる。免震装置は、その歪み量が設計範囲内であれば、繰り返しの使用にも耐えられるが、歪み量が設計の最大値(最大歪み量)を超えると、免震機能が劣化して正常に機能することができなくなるため、免震装置を新しいものに交換することが必要となる。
このように、免震建築物では、地震の揺れによって免震装置がどの程度歪んだか(変位したか)を確認する必要があり、そのために、免震装置の歪み量(変位量)を記録する変位記録計(ケガキ針式変位記録計)が一般に取り付けられている(非特許文献1〜2参照)。
ケガキ針式変位記録計について簡単に説明すると、ケガキ針式変位記録計は、けがき板と検針とで大略構成されており、地盤側(より詳しく説明すると、地盤に据え付けられた基礎梁の上面)にけがき板が取り付けられ、建物側に検針が取り付けられる。地震が起こり地盤が大きく揺れると、地盤側に取り付けられたけがき板と、建物側に取り付けられた検針との間で相対的な位置ずれが生じ、検針の先端がけがき板の上面を引っ掻いて傷を付けることにより、位置ずれの軌跡が記録される。地震後、検査員は、けがき板表面に残された軌跡から、地盤と建物とが水平方向にどの程度ずれたか(免震装置がどの程度歪んだか(変位したか))の解析を行い、その変位量が設計値(最大歪み量)を超えていると判断された場合には、免震装置が新しいものに交換される。また、上記変位量に基づいて建物の変形量が計算され、その計算結果に基づき、必要に応じて建物の補強が行われる。
インターネット<URL:http://menshin-techno.co.jp/orbiter/> 「JSSI免震構造施工標準2017」、一般社団法人日本免震構造協会編、一般在団法人経済調査会発行、2017年、p.19」
免震建築物は、上述したように地震による地盤の揺れを免震装置が吸収することによって建物に揺れが伝わりにくい構造となっていることから、小規模の地震では、地盤側は揺れたとしても建物は殆ど揺れない。したがって、建物側に取り付けられた検針もその場に留まって殆ど動かず、地盤側のけがき板だけが主として動くので、ケガキ針式変位記録計には、地盤に取り付けられた免震装置の歪みによる軌跡が主として記録されることとなる。
ところが、地震の規模が大きくなると、周期の長いゆっくりとした揺れ(長周期地震動)が発生することが知られており、このような長周期地震動が起きると、建物は、周期の長いゆっくりとした地盤の揺れと共振して大きく揺れ始める。建物が大きく揺れると、建物に取り付けられた検針もこれに追随して動くため、ケガキ針式変位記録計には、免震装置の歪みによる軌跡に加えて、建物自身の揺れによる軌跡も記録されることとなる。
ケガキ針式変位記録計のけがき板表面に免震装置の歪みによる軌跡と建物の揺れによる軌跡の両方が記録されると両者を区別することはできず、地震後に検査員が免震装置や建物の歪みの解析を行おうとしても、どの軌跡が免震装置の歪みによるものかを判断することができない。
そのため、免震装置の歪みの解析を行う際には、けがき板の上面に設けられたケガキ針の軌跡の全てが免震装置の歪みに起因するものとみなして解析を行わざるを得ず、正確な解析・判断を行うことができないという問題があった。
すなわち、例えば免震装置側では設計範囲内の歪みしか生じていなかったとしても、建物の揺れが大きかったためにけがき板の上面に大きな軌跡が残った場合には、免震装置が最大歪み量を超えて歪んだと解析・判断されることとなり、実際には免震機能が低下していないにもかかわらず免震装置を新しいものに交換する必要が生じてしまう。反対に、免震装置の歪みと建物の揺れとが同調した場合は、けがき板とケガキ針との相対的な変位が相殺されて小さくなり、けがき板の上面につく軌跡は小さなものとなる。そうすると、実際には免震装置が最大歪み量を超えて歪んでいたり、建物の揺れが大きかったにもかかわらず、過小評価されて問題なしと判断されてしまう。
また、上述した地震後の免震装置の点検は、対象となる免震建築物の所在地において、例えば気象庁から震度5以上の揺れが観測されたとの発表があったときに行われるが、気象庁により発表される震度情報は市区町村における広域データであり、必ずしも免震建築物の所在地において実際に観測される震度とは一致しない。同じ市区町村内であっても、場所によって地盤構造は異なり、異なる地盤構造では揺れ方も異なるためである。
したがって、免震建築物が所在している市区町村において震度5の地震が発生したとの発表があった場合でも、免震建築物の実際の所在地では、地盤構造の違いによってそれよりも低い震度の揺れしか観測しないことがあり、このような場合にまで一律に点検をしたのでは点検のための費用や労力が無駄である。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、地震による免震装置の歪み量や建物に加わった外力の計算を正確に行うことが可能な免震建築物の加速度記録システムを提供することである。また、他の目的は、免震建築物の地震後の点検の要・不要を、気象庁から発表される震度情報ではなく、免震建築物が実際に受けた揺れに基づいて判断することが可能な免震建築物の地震変位監視システムを提供することである。
請求項1に記載した発明は、「地盤Gと建物Bとの間に免震装置Xが介装されている免震建築物Aにおいて、
免震装置Xまたはその近傍の地盤Gに取り付けられ、且つ、インターネット16に接続され、地震発生時の揺れによって免震装置Xに加わる加速度を検出し、これを免震装置側加速度データとして送信する免震装置側加速度検出器10と、
建物Bに取り付けられ、且つ、インターネット16に接続され、地震発生時の揺れによって建物Bに加わる加速度を検出し、これを建物側加速度データとして送信する建物側加速度検出器12と、
インターネット16に接続され、免震装置側加速度データおよび建物側加速度データを受信し、これを記録するサーバ14とを備える」ことを特徴とする免震装置の加速度記録システムである。
請求項2に記載した発明は、「免震装置側加速度検出器10ならびに建物側加速度検出器12のインターネット16への接続が無線通信手段を介して行われる」ことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、「免震装置側加速度検出器10ならびに建物側加速度検出器12を稼動させるための電力が電池或いは非常用バッテリーにより供給される」ことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、「免震装置側加速度検出器10ならびに建物側加速度検出器12には、検出した免震装置側加速度データならびに建物側加速度データを記録する記録手段がそれぞれ設けられている」ことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、「請求項1〜4の何れかに記載の免震装置の加速度記録システムと、インターネット16を介してサーバ14に接続された監視用端末50とを有し、
監視用端末50は、
免震装置側加速度データに基づいて免震装置Xの歪みによる免震装置Xの変位量を算出する免震装置変位量算出手段52と、
建物側加速度データに基づいて建物Bの揺れによる建物Bの変位量を算出する建物変位量算出手段54と、
免震装置変位量算出手段52と建物変位量算出手段54とでそれぞれ算出された各変位量を表示させる表示手段56とを備える」ことを特徴とする免震建築物の変位監視システムである。
請求項6に記載した発明は、「インターネット16に接続され、免震建築物Aの様子を動画データとして送信する撮像装置60をさらに有し、
監視用端末50では、撮像装置60から送信された動画データが表示手段56に表示される」ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、免震装置と建物とに加速度検出器(免震装置側加速度検出器と建物側加速度検出器)をそれぞれ別個に取り付けることにより、免震装置に加わる加速度と、建物に加わる加速度とを別個独立して検出でき、検出された加速度が加速度データ(免震装置側加速度データと建物側加速度データ)としてサーバにそれぞれ個別に記録される。したがって、この別個独立して検出された加速度データを個別に解析することにより、免震装置の歪み量と、建物が受けた荷重の大きさとをそれぞれ正確に算出することが可能となり、地震後の免震建築物の被害を正確に解析・判断することができるようになった。
請求項2に記載した発明によれば、地震によって有線通信網が打撃を受けた場合でも無線通信手段によってインターネットへのアクセスが可能となり、サーバに対して免震装置側加速度データや建物側加速度データを送信することができる。
請求項3に記載の発明によれば、地震によって外部電源からの電力供給が遮断された場合でも、電池あるいは非常用バッテリーによる電力供給が行われることで、免震装置側加速度検出器ならびに建物側加速度検出器を継続して稼動させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、地震によってサーバがダメージを受けた場合でも、検出された加速度データが免震装置側加速度検出器ならびに建物側加速度検出器にそれぞれ記録されることで、地震後の免震建築物の被害を正確に解析・判断することができる。
請求項5に記載した発明によれば、免震装置の変位量および建物が受けた荷重の大きさ監視用端末に表示させることができるので、地震後における免震建築物の点検の要・不要を、免震装置や建物の実際の変位量に基づいて判断できる。
請求項6に記載した発明によれば、地震が起きたときや地震後の免震装置の状況を遠隔地で確認することができる。
この発明にかかる免震建築物の変位記録システムを示す概略図である。 免震装置側加速度検出器(建物側加速度検出器)を示す斜視図である。 免震装置側加速度検出器(建物側加速度検出器)の内部構造を示したブロック図である。 地震により地盤が揺れている状態を示す図である。 長周期地震動の発生により建物が揺れている状態を示す図である。 この発明にかかる免震建築物の変位監視システムを示す概略図である。 監視用端末の内部構造を示したブロック図である。
以下、本発明を図面に従って説明する。図1は、本発明にかかる免震建築物の加速度記録システム(以下、単に「記録システム」という。)を示す概略図である。
本発明に係る記録システムは、地盤Gと建物Bとの間に免震装置Xが介装されている免震建築物Aにおいて、地震発生時の揺れによって建物Bに加わる加速度と免震装置Xに加わる加速度とを別個独立して個別に記録するためのものであり、免震装置側加速度検出器10、建物側加速度検出器12、サーバ14およびこれらを接続するインターネット16により大略構成されている。
なお、後述するように、免震装置側加速度検出器10と建物側加速度検出器12とは、説明の便宜上異なる名称を用いているが、その構成は実質的に同一である。したがって、建物側加速度検出器12の説明において、免震装置側加速度検出器10の説明と共通する部分については、免震装置側加速度検出器10でした説明を援用する。
免震装置側加速度検出器10は、免震装置X或いは免震装置Xの設置箇所近傍の地盤Gに取り付けられ、地震発生時の地盤Gの揺れによって免震装置Xに加わる3次元方向の加速度を検出するものであり、図2〜図3に示すように、加速度センサー18、通信部20、電源部22および筐体24により大略構成されている。
なお、本明細書において「免震装置X設置箇所近傍の地盤G」とは、対象となる免震建築物Aの敷地内が想定されており、この敷地内であれば、地盤Gの揺れにより生じる加速度と、当該揺れにより免震装置Xに与えられる加速度とが同視できる。本実施例においては、免震建築物Aの敷地内の中心近くに設けられた免震装置Xの近傍に1箇所、免震装置側加速度検出器10が取り付けられているが、その取付個数や取付位置は、免震建築物Aの大きさに応じて適宜設定すればよい。
加速度センサー18は、免震装置Xに加わる加速度を3次元方向の加速度のアナログデータとして計測・数値化(センシング)するもので、本実施例では、アナログ・デバイセズ株式会社製の3軸MEMS加速度センサー(品番:ADXL355)が使用されている。
通信部20は、インターネット16を介して後述するサーバ14に通信接続して、加速度センサー18でセンシングされた加速度の情報を「免震装置側加速度データ」として所定の周期で送信するものである。なお、免震装置側加速度データにおいては、加速度センサー18で計測された加速度と、当該加速度が計測された時刻とが紐付けされている。
通信部20とインターネット16との間の通信手段としては、たとえばLANなどの有線通信システム、無線LANや3G(第3世代移動通信システム)或いは4G(第4世代移動通信システム)などの無線通信システムといった周知の情報通信技術を利用することが可能であり、本実施例では、有線通信システム(LAN)が採用されている(したがって、通信部20には、LANケーブル装着用のLAN端子20aが設けられている)。
電源部22は、加速度センサー18および通信部20に対して電力を供給する部分で、本実施例では、外部商用電源から電力が供給される(したがって、電源部22には、給電ケーブル装着用の給電端子22aが設けられている)。
筐体24は、加速度センサー18、通信部20および電源部22を収容するもので、角筒状の筐体本体24aと、筐体本体24aの開口端部に取り付けられる左右一対の取付部材24b,24bとを有し、これらが固定ネジ26で連結されることにより箱状の部材として構成されている。各取付部材24bの下端部には、取付片24cが外方に向けて延設されており、取付片24cの両端部には、切欠溝24dが形成されている。切欠溝24dには図示しないネジが挿入され、その挿入端を測定対象物(ここでは、免震装置Xの設置箇所近傍の地盤G)に設けられたネジ孔に捩じ込むことで免震装置側加速度検出器10が測定対象物に取り付けられる。また、一方の取付部材24bには、形状の異なる2個の開口部24e,24fがそれぞれ形成されており、各開口部24e,24fからLAN端子20aおよび給電端子22aがそれぞれ臨まされている。
建物側加速度検出器12は、免震建築物Aの建物Bに取り付けられ、地震によって建物Bが受けた3次元方向の加速度を検出するものであり、加速度センサー18、通信部20、電源部22および筐体24により大略構成されている。
本実施例においては、3つの建物側加速度検出器12(12a、12b、12c)が、建物Bの一階部分、中層階部分、最上階部分の合計3箇所にそれぞれ取り付けられているが、その取付位置や取付個数は、測定対象となる建物Bの大きさに応じて適宜設定すればよい。
なお、建物側加速度検出器12では、加速度センサー18によって建物Bに加わる3次元方向の加速度がセンシングされ、通信部20によって加速度センサー18でセンシングされた加速度情報が「建物側加速度データ」として所定の周期で送信される。
サーバ14は、インターネット16に接続され、免震装置側加速度検出器10から送信された免震装置側加速度データおよび建物側加速度検出器12から送信された建物側加速度データをそれぞれ記録するためのものである。サーバ14は、測定対象となる免震建築物Aの近傍に設置してもよいが、遠隔地に設置しておけば、免震建築物Aの所在地付近で大きな地震が発生しても、サーバ14への被害を免れることができる。
以上のように構成されている記録システムが適用された免震建築物Aの所在地付近で大地震が起こり、地盤Gが水平方向或いは垂直方向に大きく揺れると、先ず、免震建築物Aの免震装置Xが地盤Gの揺れに合わせて歪む(図4参照)。
このとき、免震装置Xに加わる加速度が免震装置側加速度検出器10により検出され、検出された加速度の情報が免震装置側加速度データとして、通信部20からインターネット16を介してサーバ14に送信される。サーバ14では、免震装置側加速度検出器10から送信された免震装置側加速度データが、加速度が検出された時刻とともに順次記録される。
一方、建物B側では、地震が起こってすぐは、免震装置Xが振動を吸収することにより揺れが生じることはないが、暫くすると、長周期地震動との共振によって建物Bが大きく揺れ始める(図5参照)。すると、建物Bの揺れにより生じる加速度が建物側加速度検出器12(12a、12b、12c)によりそれぞれ検出され、検出された加速度の情報が建物側加速度データとして、通信部20からインターネット16を介してサーバ14に対して送信される。
サーバ14では、各建物側加速度検出器12(12a、12b、12c)から送信された建物側加速度データが、それぞれの加速度が検出された時刻とともに順次記録される。
地震がおさまると、検査員は、サーバ14にアクセスし、サーバ14に記録された加速度データ(免震装置側加速度データおよび建物側加速度データ)を取り込み、所定の演算を行う。これにより免震装置Xの歪み量や建物Bの変形量が算出される。そして、これらの情報をもとに、免震装置Xの交換の要・不要や建物Bの補強の要・不要が判断されることになる。
本実施例によれば、免震装置Xと建物Bに加わった加速度をそれぞれ別個独立して計測し、これを記録できるので、この記録データを元にして免震装置Xの歪み量や建物Bの変形量を算出することで免震装置Xの交換の要・不要や建物Bの補強の要・不要をそれぞれ正確に判断することができるようになった。
上述実施例では、地震後、検査員がサーバ14にアクセスし、サーバ14に記録された加速度データを取り込み、所定の計算により免震装置Xの歪み量や建物Bの変形量を計算するようにしていたが、図6に示すように、加速度記録システムに監視用端末50を追加し、この監視用端末50から免震装置Xの歪み量や建物Bの変形量を常時モニタリングできるようなシステム、すなわち、免震建築物の変位監視システム(以下、単に「監視システム」という。)を構築するようにしてもよい。以下、説明する。
監視システムは、地震発生時の揺れによって免震装置Xの歪み量と建物Bに加わる変形量とを監視するためのものであり、免震装置側加速度検出器10、建物側加速度検出器12、サーバ14、監視用端末50およびこれらを接続するインターネット16により大略構成されている。なお、監視システムは、上述したように、上記加速度記録システムに監視用端末50を追加することによって構築可能であり、加速度記録システムと重複する部分については、上述の記載を援用する。監視用端末50を設置する数は1台でもよいし、複数台であってもよい。
監視用端末50は、図6〜7に示すように、免震装置変位量算出手段52、建物変位量算出手段54および表示手段56とを有する。
免震装置変位量算出手段52は、サーバ14にアクセスして、サーバ14に記録されている免震装置側加速度データを取得し、免震装置側加速度データに基づいて所定の演算処理を行い、免震装置Xの歪み量を演算するものである。
建物変位量算出手段54は、サーバ14にアクセスして、サーバ14に記録されている建物側加速度データを取得し、建物側加速度データに基づいて所定の演算処理を行い、建物Bの変形量を演算するものである。
そして、免震装置変位量算出手段52により演算された免震装置Xの歪み量ならびに建物変位量算出手段54により演算された建物Bの変形量とが表示手段56に表示されることにより、地震が起きたときの免震装置Xの歪み量と建物Bの変形量とをリアルタイムで監視することができ、検査員による免震建築物Aの検査の要否を迅速に判断することが可能となる。
なお、上述実施例のように、免震装置側加速度検出器10や建物側加速度検出器12のインターネット16への接続が有線通信システムにより行われている場合、地震の影響で断線が起こるなどして通信が遮断される可能性があり、このような場合には、サーバ14への加速度データの記録が行われなくなる。このような場合に備え、免震装置側加速度検出器10および建物側加速度検出器12のインターネット16への接続が無線通信システムにより行われるようにしておけば、上述した不測の事態にも対応することができる。
また、免震装置側加速度検出器10や建物側加速度検出器12に記録手段(図示省略)をそれぞれ設け、この記録手段に加速度データを記録するようにしてもよい。このようにすることで、何等かの理由でサーバ14への加速度データ(免震装置側加速度データと建物側加速度データ)の記録が行われなかったとしても、両加速度データの記録を残すことができる。
また、上述実施例では、加速度センサー18および通信部20への電力供給が外部電源により行われているが、地震によって外部電源が遮断される可能性もある。このような場合に備えて、免震装置側加速度検出器10や建物側加速度検出器12に電池や非常用バッテリーを搭載し、これにより電力供給を行うようにしてもよい。
さらに、監視システムに免震建築物Aを撮像するための撮像装置60をさらに設け、撮像装置60にて撮像された動画データを監視用端末50に送信し、表示手段56に表示させるようにしてもよい(図6参照)。撮像装置60を免震装置Xや建物Bの近傍に設置しておけば、地震発生後、現地に赴くことなく免震装置Xや建物Bの様子を確認することが可能となる。
10:免震装置側加速度検出器、12(12a、12b、12c):建物側加速度検出器、14:サーバ、16:インターネット、18:加速度センサー、20:通信部、20a:LAN端子、22:電源部、22a:給電端子、24:筐体、24a:筐体本体、24b:取付部材、24c:取付片、24d:切欠溝、24e:開口部、24f:開口部、26:固定ネジ、50:監視用端末、52:免震装置変位量算出手段、54:建物変位量算出手段、56:表示手段、60:撮像装置、A:免震建築物、B:建物、G:地盤、X:免震装置


Claims (6)

  1. 地盤と建物との間に免震装置が介装されている免震建築物において、
    前記免震装置またはその近傍の地盤に取り付けられ、且つ、インターネットに接続され、地震発生時の揺れによって前記免震装置に加わる加速度を検出し、これを免震装置側加速度データとして送信する免震装置側加速度検出器と、
    前記建物に取り付けられ、且つ、インターネットに接続され、地震発生時の揺れによって前記建物に加わる加速度を検出し、これを建物側加速度データとして送信する建物側加速度検出器と、
    インターネットに接続され、前記免震装置側加速度データおよび前記建物側加速度データを受信し、これを記録するサーバとを備えることを特徴とする免震装置の加速度記録システム。
  2. 前記免震装置側加速度検出器ならびに前記建物側加速度検出器のインターネットへの接続が無線通信手段を介して行われることを特徴とする請求項1に記載の免震装置の加速度記録システム。
  3. 前記免震装置側加速度検出器ならびに前記建物側加速度検出器を稼動させるための電力が電池或いは非常用バッテリーにより供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置の加速度記録システム。
  4. 前記免震装置側加速度検出器ならびに前記建物側加速度検出器には、検出した前記免震装置側加速度データならびに前記建物側加速度データを記録する記録手段がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の免震装置の加速度記録システム。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の免震装置の加速度記録システムと、インターネットを介して前記サーバに接続された監視用端末とを有し、
    前記監視用端末は、
    前記免震装置側加速度データに基づいて前記免震装置の歪みによる前記免震装置の変位量を算出する免震装置変位量算出手段と、
    前記建物側加速度データに基づいて前記建物の揺れによる前記建物の変位量を算出する建物変位量算出手段と、
    前記免震装置変位量算出手段と前記建物変位量算出手段とでそれぞれ算出された各変位量を表示させる表示手段とを備えることを特徴とする免震建築物の変位監視システム。
  6. インターネットに接続され、前記免震建築物の様子を動画データとして送信する撮像装置をさらに有し、
    前記監視用端末では、前記撮像装置から送信された動画データが前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項5に記載の免震建築物の変位監視システム。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115325940A (zh) * 2022-08-09 2022-11-11 哈尔滨工业大学 一种高层建筑地震位移监测系统及方法

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CN115325940A (zh) * 2022-08-09 2022-11-11 哈尔滨工业大学 一种高层建筑地震位移监测系统及方法
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