JP2020009866A - インダクタ、回路基板、及び電源装置 - Google Patents

インダクタ、回路基板、及び電源装置 Download PDF

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Kohaku Yamada
幸伯 山田
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Abstract

【課題】磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽できるインダクタを提供する。【解決手段】コイル2と、コイルの内外に配置されてコイルの励磁により閉磁路を形成する磁性コア3とを備えるインダクタであって、コイルと磁性コアとの間に介在されて磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽する磁気シールド部4を備える。磁気シールド部は、長軸及び短軸を有する扁平形状の磁性粉末40aと樹脂40bとを含む混合材料で構成され、磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2との比μ1/μ2が1.5以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタ、回路基板、及び電源装置に関するものである。
コイルと磁性コアとを備えるインダクタとして、特許文献1のリアクトルが知られている。このリアクトルは、コイルと一体化されてコイルの周囲を覆う磁気シールド部を有する。磁気シールド部は、球形状の磁性粉末と樹脂とを含む混合材料で構成されている。この磁気シールド部により、磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽している。
特開2016−100397号公報
磁性コアからコイルへの磁束の更なる遮蔽が望まれている。
そこで、磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽できるインダクタを提供することを目的の一つとする。
また、上記インダクタを備える回路基板、及び電源装置を提供することを目的の一つとする。
本開示に係るインダクタは、
コイルと、前記コイルの内外に配置されて前記コイルの励磁により閉磁路を形成する磁性コアとを備えるインダクタであって、
前記コイルと前記磁性コアとの間に介在されて前記磁性コアから前記コイルへの磁束を遮蔽する磁気シールド部を備え、
前記磁気シールド部は、
長軸及び短軸を有する扁平形状の磁性粉末と樹脂とを含む混合材料で構成され、
磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2との比μ1/μ2が1.5以上である。
本開示に係る回路基板は、本開示に係るインダクタを備える。
本開示に係る電源装置は、本開示に係る回路基板を備える。
本開示に係るインダクタは、磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽できる。
本開示に係る回路基板、及び本開示に係る電源装置は、ノイズが少なく発熱し難い。
実施形態1に係るインダクタの概略を示す斜視図である。 図1に示すインダクタの(II)−(II)切断線で切断した状態を示す縦断面図である。 実施形態1に係るインダクタに備わる磁気シールド部の縦断面の概略を示す拡大図である。 実施形態2に係るインダクタの概略を示す縦断面図である。 実施形態3に係るインダクタの概略を示す縦断面図である。 実施形態3に係るインダクタの別の例の概略を示す縦断面図である。 実施形態4に係る回路基板、及び実施形態5に係る電源装置の概略を示す平面図である。 試料No.101のインダクタに備わる磁気シールド部の縦断面の概略を示す拡大図である。 試料No.102のインダクタに備わる樹脂成形体の縦断面の概略を示す拡大図である。 試料No.1の磁束密度の分布状態を示す分布図である。 試料No.101の磁束密度の分布状態を示す分布図である。 試料No.102の磁束密度の分布状態を示す分布図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るインダクタは、
コイルと、前記コイルの内外に配置されて前記コイルの励磁により閉磁路を形成する磁性コアとを備えるインダクタであって、
前記コイルと前記磁性コアとの間に介在されて前記磁性コアから前記コイルへの磁束を遮蔽する磁気シールド部を備え、
前記磁気シールド部は、
長軸及び短軸を有する扁平形状の磁性粉末と樹脂とを含む混合材料で構成され、
磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2との比μ1/μ2が1.5以上である。
上記の構成によれば、磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽し易い。磁気シールド部の上記比μ1/μ2が高いことで、磁束が磁気シールド部における磁路に沿った方向に通過し易くて磁路に直交する方向に通過し難いからである。その上、磁性粉末の形状が扁平形状であり、その長軸が磁路と平行に近い方向に向いていることで、磁性粉末の形状が球形状である場合に比較して、磁束により磁性粉末に生じる渦電流を大きくし易く、磁束を打ち消す効果が高いからである。そのため、コイルでのジュール損を低減し易く、インダクタの磁気特性を向上し易い。また、磁気シールド部により、磁束がインダクタの外部への漏れを抑制できるため、周辺部品のノイズの発生や発熱を抑制できる。
(2)上記インダクタの一形態として、
前記磁気シールド部の厚さtと前記磁性粉末の長軸の平均長さL1との比L1/tが0.005以上1未満であることが挙げられる。
上記比L1/tが0.005以上であれば、磁気シールド部の厚さtに対して磁性粉末の長軸の平均長さL1がある程度長いため、磁性粉末の長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。そのため、上記比μ1/μ2を高め易い。上記比L1/tが1未満であれば、磁気シールド部の厚さtに対して磁性粉末の長軸の平均長さL1が長過ぎないため、磁性粉末の長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。
(3)上記インダクタの一形態として、
前記磁性粉末の長軸の平均長さL1が10μm以上500μm以下であり、
前記磁性粉末の長軸の平均長さL1と短軸の平均長さL2とのアスペクト比L1/L2が、1.1以上100以下であることが挙げられる。
上記平均長さL1が10μm以上であれば、磁性粉末の長軸の平均長さL1がある程度長いため、磁性粉末の長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。上記平均長さL1が500μm以下であれば、磁性粉末の長軸の平均長さL1が過度に長過ぎないため、磁性粉末の長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。アスペクト比L1/L2が1.1以上であれば、磁気シールド部の磁路に沿った方向の比透磁率μ1を高め易くて、磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2を低くし易いため、上記比μ1/μ2を高め易い。アスペクト比L1/L2が100以下であれば、アスペクト比が過度に高過ぎないため、磁性粉末の長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。
(4)上記インダクタの一形態として、
前記磁気シールド部における前記磁性粉末の含有量は、20体積%以上80体積%以下であることが挙げられる。
磁性粉末の含有量が20体積%以上であれば、磁気シールド部における磁性成分の割合が十分に高いため、磁束を遮蔽し易い。その上、磁性粉末の長軸を磁路に沿って配向させ易い。磁性粉末の含有量が80体積%以下であれば、磁性成分の割合が過度に高過ぎないため、磁性粉末と樹脂との混合物の流動性に優れる。そのため、磁性粉末の長軸を磁路に沿って配向させ易い上に、磁気シールド部の製造性に優れる。
(5)上記インダクタの一形態として、
前記磁気シールド部における磁路に沿った方向の比透磁率μ1は、前記磁性コアの比透磁率μcよりも小さいことが挙げられる。
上記の構成によれば、磁性コアからコイルへの磁束を遮蔽しつつも、磁性コアを通る磁束が、磁気シールド部へ振られ難いため、磁束密度の偏在を抑制できる。
(6)上記インダクタの一形態として、
前記磁気シールド部は、前記コイル及び前記磁性コアとは独立した別部材であることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁気シールド部をコイルや磁性コアと一体化する場合に比較して、磁気シールド部の形状の自由度を高め易い。その上に、磁気シールド部を作製し易い。
(7)上記インダクタの一形態として、
前記磁性コアは、前記コイルの少なくとも一部が配置され、直列に配置される一対のコイル内脚片と前記一対のコイル内脚片の間に介在されるコイル内ギャップとを有するコイル内脚部を有し、
前記磁気シールド部は、前記コイルの内周面と前記コイル内脚部との間に介在される内側被覆部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、コイル内ギャップを有することにより、大電流用途のインダクタに利用されても磁気飽和を抑制し易い。また、コイル内ギャップを有することで、コイル内ギャップから磁束が漏れることがあるが、内側被覆部を有することにより、コイル内ギャップからコイルへの漏れ磁束を遮蔽できる。
(8)上記インダクタの一形態として、
前記磁性コアは、前記コイルの外側で前記コイルと並列に配置され、直列に配置される一対のコイル外脚片と前記一対のコイル外脚片の間に介在されるコイル外ギャップとを有するコイル外脚部を有し、
前記磁気シールド部は、前記コイルの外周面と前記コイル外脚部との間に介在される外側被覆部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、コイル外ギャップを有することにより、コイル内ギャップを有する場合と同様、大電流用途のインダクタに利用されても磁気飽和を抑制し易い。また、外側被覆部により、内側被覆部を有する場合と同様、コイル外ギャップからコイルへの漏れ磁束を遮蔽できる。
(9)上記インダクタの一形態として、
前記磁性コアは、前記コイルの端面の少なくとも一部を覆う端面対向部を有し、
前記磁気シールド部は、前記コイルの端面と前記端面対向部との間に介在される介在被覆部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、介在被覆部により、磁性コアからコイルの端面への磁束を遮蔽し易い。
(10)上記インダクタの一形態として、
前記磁性コアは、前記コイルの端面の一部を覆う端面対向部を有し、
前記磁気シールド部は、前記コイルの端面のうち前記端面対向部から露出する露出領域の少なくとも一部を覆う露出被覆部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、露出被覆部により、磁性コアからコイルの端面への磁束を遮蔽し易い。
(11)本発明の一態様に係る回路基板は、
上記(1)から上記(10)のいずれか1つのインダクタを備える。
上記の構成によれば、漏れ磁束を遮蔽できて外部に磁束が漏れ難い上記インダクタを備えるため、ノイズが少なく発熱し難い。
(12)本発明の一態様に係る電源装置は、
上記(11)の回路基板を備える。
上記の構成によれば、上記回路基板を備えるため、多相のトランス結合型昇降圧コンバータといったコンバータに用いれば、ノイズが少なく発熱し難い。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。以下の説明は、インダクタ、インダクタを備える回路基板、回路基板を備える電源装置、の順に行う。
《実施形態1》
〔インダクタ〕
図1〜図3(適宜、図7)を参照して、実施形態1に係るインダクタ1を説明する。実施形態1に係るインダクタ1は、コイル2と、コイル2の内外に配置されてコイル2の励磁により閉磁路を形成する磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に介在されて磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽する磁気シールド部4とを備える(図1、図2)。このインダクタ1の特徴の1つは、磁気シールド部4が、特定形状の磁性粉末40aと樹脂40bとを含む混合材料で構成され(図3)、特定の比透磁率の関係を満たす点にある。以下、各構成を詳細に説明する。本例では、インダクタ1は、多相のトランス結合に利用されるもので、複数の独立したコイル2と1つ以上の磁性コア3とを備える場合を例に説明する(図1、図7)。具体的には、インダクタ1は、二相のトランス結合に利用されるもので、2つの独立したコイル2と1つの磁性コア3とを備える。図1〜図3では、説明の便宜上、コイル2は個々のターンを示さずに簡略して示している。この点は、後述の実施形態2以降で参照する図4〜図7でも同様である。図3では、図2の破線の四角内を拡大して示しており、説明の便宜上、磁性粉末40aの長軸の向きを全て揃えて示し、磁束を二点鎖線で示している。
[コイル]
各コイル2は、巻線を螺旋状に巻回してなる筒状の巻回部21と、巻回部21から延びる巻線の一対の引出部22(図1、図7)とを有する。コイル2の数は、磁性コア3の数や形状などに応じて適宜選択でき、本例では2つとしているが、3つ以上とすることができる。
各巻回部21は、後述の磁性コア3の各コイル内脚部31の外側に嵌め込まれる(図1,図2)。即ち、各巻回部21の内周面は、その全周に亘って各コイル内脚部31に対向する。各巻回部21の外周面は、後述の磁性コア3のコイル外脚部32に対向する領域を有する。各巻回部21の端面は、後述の磁性コア3の端面対向部33に対向する対向領域と、磁性コア3(端面対向部33)から露出する露出領域とを有する。各引出部22は、回路基板5の配線パターン52などに接続される(図7)。各コイル2には、配線パターン52を介して、電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。本例では、各コイル2は、通電した際、各コイル2に流れる電流が作る磁束が同一方向に向いて互いに打ち消されるように配置する。即ち、各コイル2には、このような磁束の流れとなるように電流が流される。
各巻線は、導体線の外周に絶縁被覆を有する被覆線を好適に利用できる。その他、各巻線は、リッツ線を用いてもよい。導体線の種類は、平角線や丸線が挙げられる。導体線が平角線であれば、占積率を高め易く、小型なコイル2とし易い。導体線が平角線からなるコイル2は、リッツ線よりも保形性に優れ、磁性コア3と独立して作製しても筒形状を保持できる。導体線の構成材料は、例えば銅やアルミニウム、その合金が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、例えばエナメルと呼ばれるポリアミドイミドなどの樹脂が挙げられる。各巻線は、本例では被覆平角線を用いている。各巻線の仕様(構成材料、サイズ(幅や厚さ)、断面積など)は、適宜選択でき、本例では互いに同じとしている。
各巻回部21の形状は、本例では円筒状としているが、角筒状としてもよい。各巻回部21の仕様(巻径、巻き数、自然長など)は、適宜選択でき、本例では互いに同じとしている。各コイル2は、被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルとしている。このように円筒状のエッジワイズコイルであれば、巻径が比較的小さい場合でも製造し易い。
[磁性コア]
磁性コア3は、軟磁性材料を含み、閉磁路を形成する(図1,図2)。磁性コア3は、本例では、一対のE字状のコア片を、その間にギャップを介するように組み合わせて構成されている(図2)。磁性コア3は、複数のコイル内脚部31と、1つのコイル外脚部32と、一対の端面対向部33とを備える。
(コイル内脚部)
各コイル内脚部31は、コイル2(巻回部21)の少なくとも一部が配置される。本例では、各コイル内脚部31は、各コイル2(巻回部21)内に配置されている。コイル内脚部31の数は、コイル2と磁性コア3の数の組み合わせに応じて適宜選択でき、本例ではコイル2の数と同数の2つであるが、コイル2よりも多く(例えばコイル数の2倍)できる。コイル内脚部31の数をコイル数の2倍とする場合、1つの巻回部内に2つのコイル内脚部を配置することが挙げられる。各コイル内脚部31の形状は、各巻回部21の内周形状に沿った形状であり、本例では円柱状である。各コイル内脚部31のサイズは、互いに同一である。
本例の各コイル内脚部31は、直列に配置される一対のコイル内脚片311と、一対のコイル内脚片311の間に介在されるコイル内ギャップ312とを有する(図2)。各コイル内ギャップ312は、コイル2内に位置する。各コイル内ギャップ312を有することにより、大電流用途のインダクタに利用されても磁気飽和を抑制し易い。また、コイル内ギャップ312を有することで、コイル内ギャップ312から磁束が漏れることがあるが、磁気シールド部4(内側被覆部41)を有することにより、コイル2への漏れ磁束を遮蔽できる。そのため、コイル2でのジュール損を低減できて、インダクタ1の磁気特性を向上できる。
各コイル内脚部31における一対のコイル内脚片311は、互いに同じ形状かつ同じサイズである。本例では、各コイル内脚部31の一対のコイル内脚片311の一方は、後述する一対の端面対向部33の一方と一体成形されており、一対のコイル内脚片311の他方は、一対の端面対向部33の他方と一体成形されている。
各コイル内ギャップ312のギャップ長は、互いに異ならせることもできるが、本例では互いに同一としている。各コイル内ギャップ312のギャップ長は、後述のコイル外脚部32におけるコイル外ギャップ322のギャップ長よりも小さくできる。ギャップ長は、各ギャップ312,322をエアギャップとする場合、磁気シールド部4の長さで調整できる。また、ギャップ長は、各ギャップ312,322をギャップ材(後述)で構成する場合、そのギャップ材の厚さで調整できる。
(コイル外脚部)
コイル外脚部32は、任意の2つのコイル内脚部31の間に配置される部分を有する。コイル外脚部32は、コイル2内に配置されず、コイル2の外側でコイル2と並列に配置されている。
コイル外脚部32の形状は、2つのコイル2同士の間の空間であって、2つのコイル2の外形で挟まれる空間に沿った部分を有する柱状であることが好ましい(図7)。このコイル外脚部32の各コイル2との対向面(両側面)は、各コイル2の外形に略沿った面を有することが好ましい。そうすれば、コイル外脚部32とコイル2との間の間隔を小さくかつ均一にし易く、インダクタ1を小型化し易い。コイル外脚部32の形状(断面形状)は、本例では略I字の柱状であり、コイル外脚部32の両側面は、コイル2の外形に沿った湾曲状の面を有する。
本例のコイル外脚部32は、コイル内脚部31と同様、直列に配置される一対のコイル外脚片321と一対のコイル外脚片321の間に介在されるコイル外ギャップ322とを有する(図2)。各コイル外ギャップ322は、コイル2同士の間に位置する。コイル外ギャップ322を有することにより、大電流用途のインダクタに利用されても磁気飽和を抑制し易い。また、コイル外ギャップ322を有することで、コイル外ギャップ322から磁束が漏れることがあるが、磁気シールド部4(外側被覆部42)を有することにより、コイル2への漏れ磁束を遮蔽できる。そのため、コイル2でのジュール損を低減できて、インダクタ1の磁気特性を向上できる。
コイル外脚部32における一対のコイル外脚片321は、互いに同じ形状かつ同じサイズである。本例では、コイル外脚部32の一対のコイル外脚片321の一方は、後述する一対の端面対向部33の一方と一体成形されており、一対のコイル外脚片321の他方は、一対の端面対向部33の他方と一体成形されている。一体成形された一対の成形体(本例ではE字状の成形体)を組み合わせることで磁性コア3を構築している。そのため、部品点数を低減できるので、磁性コア3の組立作業性を向上し易く、延いてはインダクタ1の組立作業性を向上し易い。
(端面対向部)
各端面対向部33は、コイル2の端面の少なくとも一部(本例では一部)を覆い、複数のコイル内脚部31とコイル外脚部32とを並列状態で連結する。各端面対向部33の形状とサイズは、所定の磁路断面積を有する範囲で適宜選択でき、本例では、互いに同一形状で同一サイズである。各端面対向部33の形状は、横長の略八角形の平板状であり、その横方向の両側が外側に凸となるように湾曲している。
(構成材料)
コイル内脚片311、コイル外脚片321、及び端面対向部33の構成材料は、軟磁性材料を主体とする成形体である。軟磁性材料は、鉄や鉄合金(例、Fe−Si合金、Fe−Ni合金など)といった金属、フェライトなどの非金属、などが挙げられる。成形体は、フェライトコアなどの焼結体、軟磁性粉末や更に絶縁被覆を備える被覆粉末などが圧縮成形されてなる圧粉成形体、軟磁性粉末と樹脂とを含む流動性の混合体が固化されてなる複合材料の成形体などが挙げられる。コイル内脚片311、コイル外脚片321、及び端面対向部33の構成材料(軟磁性材料の種類や含有量など)は、磁性コア3の比透磁率μcが、後述する磁気シールド部4における磁路に沿った方向の比透磁率μ1よりも大きくなるように適宜選択することが好ましい。ここでは、コイル内脚片311、コイル外脚片321、及び端面対向部33の構成材料は、互いに同一である。
各コイル内ギャップ312やコイル外ギャップ322は、エアギャップの他、コイル内脚片311やコイル外脚片321よりも比透磁率が低い材料から構成されるギャップ材が挙げられる。ギャップ材の構成材料は、例えば、アルミナなどのセラミックスや、樹脂(例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂)などの非磁性材料、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料などが挙げられる。
(比透磁率)
磁性コア3の比透磁率μcは、インダクタ1の用途に応じて適宜選択できる。この比透磁率μcは、例えば、500以上5000以下が挙げられ、更には800以上4500以下が挙げられ、特に1000以上4000以下が挙げられる。
[磁気シールド部]
磁気シールド部4は、コイル2と磁性コア3との間に介在されて磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽する(図1、図2)。それにより、コイル2でのジュール損を低減でき、インダクタ1の磁気特性を向上できる。その上、磁束がインダクタ1の外部に漏れ難い。そのため、インダクタ1の周辺部品のノイズや発熱を抑制し易い。磁気シールド部4は、本例では、コイル2、及び磁性コア3とは独立した別部材で構成している。それにより、磁気シールド部4の形状の自由度が高い。その上、磁気シールド部4を作製し易い。なお、磁気シールド部4は、コイル2、及び磁性コア3の少なくとも一方と一体化されていてもよい。
(数・構成)
磁気シールド部4の数は、磁気シールド部4の構成にもよるが、本例では2つである。2つの磁気シールド部4の構成は、互いに同一である。磁気シールド部4は、内側被覆部41、外側被覆部42、及び一対の端面被覆部43の少なくとも一つの部材を備える。本例の磁気シールド部4は、内側被覆部41、外側被覆部42、及び一対の端面被覆部43の全てを備える(図2)。各部材41〜43は、連結されて構成されている。各部材41〜43の連結は、係合や嵌合などの機械的連結や、接着剤などの物理的・化学的連結などで行える。磁気シールド部4(各部材41〜43)の連結・分離形態は、後述する。
(内側被覆部)
内側被覆部41は、コイル内脚部31からコイル2への磁束を遮蔽する。この内側被覆部41は、コイル2の内周面とコイル内脚部31との間に介在される。内側被覆部41の形状は、コイル2の内周面とコイル内脚部31の外周面との間の空間に沿った筒状であり、本例では円筒状である。この内側被覆部41の両開口端は、各端面被覆部43の貫通孔(後述)の開口に連結されている。内側被覆部41の長さ(コイル2の軸方向に沿った長さ)は、巻回部21(コイル2)の長さよりも長いことが好ましい。そうすれば、コイル内脚部31からコイル2への磁束をコイル2の全長に亘って遮蔽し易い。その上、コイル内ギャップ312をエアギャップとする場合、内側被覆部41の長さでギャップ長を調整し易い。内側被覆部41の長さは、コイル内脚部31の長さ(コイル内ギャップ312を含む)と実質的に同じである。
(外側被覆部)
外側被覆部42は、コイル外脚部32からコイル2への磁束を遮蔽する。この外側被覆部42は、コイル2の外周面とコイル外脚部32との間に介在される。外側被覆部42の形状は、コイル2の外周面とコイル外脚部32の側面(湾曲状の面)との間の空間に沿った板状であり、本例では湾曲板状である。外側被覆部42は、各端面被覆部43の一端側同士を連結している。外側被覆部42の長さは、内側被覆部41と同様、コイル2の長さよりも長いことが好ましい。その上、コイル外ギャップ322をエアギャップとする場合、外側被覆部42の長さでギャップ長を調整し易い。外側被覆部42の長さは、コイル外脚部32の長さ(コイル外ギャップ322を含む)と実質的に同じである。
(端面被覆部)
各端面被覆部43は、端面対向部33からコイル2への磁束を遮蔽する。各端面被覆部43は、コイル2の端面を覆うもので、本例では、コイル2の端面と端面対向部33との間に介在される介在被覆部431と、コイル2の端面のうち、磁性コア3から露出する露出領域の少なくとも一部を覆う露出被覆部432とを有する。介在被覆部431と露出被覆部432とは一体成形されている。各端面被覆部43には、コイル内脚部31が挿通される貫通孔(円孔)が形成されている。各端面被覆部43の形状は、適宜選択でき、本例では矩形枠状である。
(連結・分離形態)
磁気シールド部4(各部材41〜43)の連結・分離形態は、適宜選択できる。磁気シールド部4は、例えば、内側被覆部41の一部と外側被覆部42の一部と一方の端面被覆部43とを一体成形した一対の一体成形物を互いに連結することで構成することが挙げられる。その他、内側被覆部41と外側被覆部42と一対の端面被覆部43とをそれぞれ別体とし、各部材41〜43を互いに連結することで構成することが挙げられる。内側被覆部41と外側被覆部42と一方の端面被覆部43とを一体成形した一体成形物と、その一体成形物と別体の他方の端面被覆部43との組み合わせとし、一体成形物と他方の端面被覆部43とを連結することで構成することが挙げられる。外側被覆部42と一対の端面被覆部43とを一体成形した一体成形物と、その一体成形物と別体の内側被覆部41との組み合わせとし、一体成形物と内側被覆部41とを連結することで構成することが挙げられる。
(厚さ)
磁気シールド部4(各部材41〜43)の厚さtは、後述する磁性粉末40aの含有量などにもよるが、例えば、0.5mm以上2.0mm以下が好ましい(図3)。上記厚さtとは、磁路と直交する方向の長さを言う。上記厚さtは、磁気シールド部4(各部材41〜43)における磁路に沿った方向に3箇所以上の厚さと、磁路に沿った方向と厚さ方向の両方に直交する方向に3箇所以上の厚さとを測定し、その平均とする。各測定箇所同士の間の間隔は等間隔とすることが挙げられる。内側被覆部41における磁路に沿った方向は、コイル内脚部31(コイル2)の軸方向であり、外側被覆部42における磁路に沿った方向は、コイル外脚部32の軸方向であり、端面被覆部43における磁路に沿った方向とは、コイル内脚部31、及びコイル外脚部32の並列方向である。例えば、図3では、紙面上下方向が磁路に沿った方向である。
上記厚さtが0.5mm以上であれば、磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽し易い。上記厚さtが2.0mm以下であれば、インダクタ1のサイズを同じとする場合、磁性コア3の磁路面積の縮小化を抑制し易い。磁性コア3のサイズを同じとする場合、コイル2と磁性コア3との間の間隔が過度に大き過ぎないため、インダクタ1の大型化を抑制できる。磁性コア3の磁路面積は、磁路方向と直交する断面積である。厚さtは、更に0.75mm以上1.5mm以下が好ましく、特に1.0mm以上1.25mm以下が好ましい。
(構成材料)
磁気シールド部4(各部材41〜43)の構成材料は、長軸及び短軸を有する扁平形状の磁性粉末40aと樹脂40bとを含む混合材料である(図3)。磁性粉末40aの長軸は、磁路に沿った方向に配向している。配向とは、磁性粉末40aの長軸が、磁気シールド部4(各部材41〜43)における磁路に沿った方向に略揃っていることをいう。具体的には、磁気シールド部4(各部材41〜43)における磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2との比μ1/μ2が1.5以上を満たすことを言う。
上記比μ1/μ2が1.5以上を満たすことで、磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽し易い。磁束が磁気シールド部4における磁路に沿った方向に通過し易く、磁路に直交する方向に通過し難いからである。特に、磁性粉末40aの形状が扁平形状であり、その長軸が磁路と平行に近い方向に向いていることで、磁性粉末40aの形状が球形状である場合に比較して、磁束により磁性粉末40aに生じる渦電流を大きくし易く、磁束を打ち消す効果が高い。磁性粉末40aの長軸は磁化容易軸であり、短軸は磁化困難軸であることが好ましい。そうすれば、上記比μ1/μ2をより一層高め易い。上記比μ1/μ2は、更に2以上が好ましく、特に3以上が好ましい。上記比μ1/μ2の上限は、特に限定されないが、例えば、20以下が好ましい。
上記比透磁率μ1は、磁性コア3の比透磁率μcよりも小さいことが好ましい。そうすれば、磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽しつつも、磁性コア3を通る磁束が、磁気シールド部4へ振られ難いため、磁束密度の偏在を抑制し易い。上記比透磁率μ1は、μc×(1/3)以下が好ましい。そうすれば、磁束の遮蔽効果を得易い。上記比透磁率μ1は、μc×(1/200)以上が好ましい。そうすれば、磁束密度の偏在を一層抑制し易い。
上記比透磁率μ1は、例えば、30以上100以下が好ましく、更に35以上75以下が好ましく、特に40以上50以下が好ましい。上記比透磁率μ2は、例えば、5以上20以下が好ましく、更に6以上15以下が好ましく、特に10以上13以下が好ましい。
磁気シールド部4における磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2とは、次のようにして求める。2mm×2mm×2mmの成形体を試作し、振動試料型磁力計(理研電子株式会社製)を用いて、3方向の比透磁率を測定する。各方向は、成形体の面に直交すると共に、互いに直交する方向とする。最も比透磁率の高い方向の比透磁率を磁路に沿った方向の比透磁率μ1とし、最も比透磁率の小さい方向の比透磁率を磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2とする。
磁性粉末40aの長軸の平均長さL1は、後述する磁気シールド部4の製造方法などにもよるが、磁気シールド部4の厚さtとの比L1/tが、0.005以上1未満を満たすことが好ましい。上記比L1/tが0.005以上であれば、磁気シールド部4の厚さtに対して磁性粉末40aの長軸の平均長さL1がある程度長いため、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。そのため、上記比μ1/μ2を高め易い。上記比L1/tが1未満であれば、磁気シールド部4の厚さtに対して磁性粉末40aの長軸の平均長さL1が長過ぎないため、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。上記比L1/tは、更に0.006以上0.5以下が好ましく、特に0.007以上0.1以下が好ましい。
磁性粉末40aの長軸の平均長さL1は、例えば、10μm以上500μm以下が好ましい。上記平均長さL1が10μm以上であれば、磁性粉末40aの長軸の平均長さL1がある程度長いため、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。上記平均長さL1が500μm以下であれば、磁性粉末40aの長軸の平均長さL1が過度に長過ぎないため、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。上記平均長さL1は、更に10μm以上200μm以下が好ましく、特に10μm以上100μm以下が好ましい。
磁性粉末40aの長軸の平均長さL1と短軸の平均長さL2とのアスペクト比L1/L2は、例えば1.1以上100以下を満たすことが好ましい。アスペクト比L1/L2が1.1以上であれば、磁気シールド部4の磁路に沿った方向の比透磁率μ1を高め易くて、磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2を低くし易いため、上記比μ1/μ2を高め易い。アスペクト比L1/L2が100以下であれば、アスペクト比が過度に高過ぎないため、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿った方向に揃え易い。アスペクト比L1/L2は、更に2以上75以下が好ましく、特に3以上50以下が好ましい。
磁性粉末40aの長軸の平均長さL1及び短軸の平均長さL2は、次のようにして求める。磁気シールド部4の磁路に沿った方向の断面をとる。この断面において、2以上の観察視野をとる。各視野の倍率を100倍、視野サイズを5mm×5mmとする。各視野内の各磁性粒子の最大長さを長軸の長さとし、その長軸の中心を通り、長軸に直交する方向の長さを短軸の長さとする。全視野内の全磁性粒子の長軸の長さと短軸の長さとを求め、それぞれ平均した値を磁性粉末40aの長軸の平均長さL1と短軸の平均長さL2とする。
磁性粉末40aの含有量は、磁気シールド部4を100体積%とするとき、20体積%以上80体積%以下が好ましい。磁性粉末40aの含有量が20体積%以上であれば、磁気シールド部4における磁性成分の割合が十分に高いため、磁束を遮蔽し易い。その上、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿って配向させ易い。磁性粉末40aの含有量が80体積%以下であれば、磁性成分の割合が過度に高過ぎないため、磁性粉末40aと樹脂40bとの混合物の流動性に優れる。そのため、磁性粉末40aの長軸を磁路に沿って配向させ易い上に、磁気シールド部4の製造性に優れる。磁性粉末40aの含有量は、50体積%以上が挙げられ、更に60体積%以上が挙げられる。磁性粉末40aの含有量は、75体積%以下が挙げられ、更に70体積%以下が挙げられる。
磁性粉末40aの含有量(体積%)は、磁気シールド部4の断面における磁性粉末40aの面積割合と等価と見做す。磁性粉末40aの面積割合とは、後述の各観察画像において磁性粒子の面積割合を算出し、その面積割合の平均値とする。即ち、その平均値を磁性粉末40aの含有量(体積%)と見做す。磁性粉末40aの面積割合は、観察画像における磁気シールド部4の輪郭内の面積を100%とする。磁性粉末40aの含有量の測定は、光学顕微鏡や電子顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡(SEM))を用いて、磁気シールド部4の断面を観察することで行う。磁気シールド部4の断面は、適宜な切断工具で切断した後、研磨加工を施すことで得られる。磁気シールド部4の断面の数は、単数でも複数でもよい。取得した断面の観察画像を画像処理(例えば、二値化処理)して磁性粒子の輪郭を抽出する。SEMで断面を観察して観察画像を取得する場合には、SEMの倍率を100倍以上500倍以下、観察画像の取得数を10個以上、総断面積を15.0mm以上とすることが挙げられる。
磁性粉末40aの種類は、コイル内脚片311などの構成材料と同様の軟磁性材料が挙げられる。樹脂40bの種類は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9T)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。その他、常温硬化性樹脂、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなどを用いることもできる。
(その他)
磁気シールド部4は、更に、回転規制部45、及び切欠46の少なくとも一方を備えることができる(図1)。また、磁気シールド部4は、図示は省略するが、更に、コイル2の外周面のうち磁性コア3から露出する箇所を覆っていてもよい。
〈回転規制部〉
回転規制部45は、コイル2の周方向に沿った回転を規制する。磁気シールド部4とコイル2とが互いに独立した別部材で構成される場合、磁気シールド部4とコイル2との間にはクリアランスが形成されてコイル2が周方向に回転し易くなる。回転規制部45によりコイル2の上記回転を規制することで、引出部22の位置ずれを抑制できる。
回転規制部45の数は、本例では2つである。各回転規制部45の形成箇所は、磁気シールド部4の構成にもよるが、本例では、各露出被覆部432における互いの対向面の角のうち、互いに斜向かいとなる位置としている。この回転規制部45により引出部22の内側が当止めされる。回転規制部45は、各露出被覆部432の上記対向面から互いに対向する方向に突出する柱状の突起で構成されている。
〈切欠〉
切欠46は、コイル2の引出部22をコイル2の軸方向に引き出す場合、引出部22と磁気シールド部4とが互いに干渉することを防止する。切欠46の形成箇所は、各端面被覆部43の両方の角としている。切欠46の形状は、本例では台形状(直角台形状)であるが(図7)、矩形状など適宜選択できる。
(磁気シールド部の製造)
磁気シールド部4の製造は、代表的には、射出成形などで行える。コイル2及び磁性コア3とは独立する別部材の磁気シールド部4を製造する場合、磁気シールド部4の形状に対応した金型内に磁気シールド部4の構成材料を充填して固化することで行える。このとき、金型内にはコイル2及び磁性コア3を配置しない。一方、コイル2及び磁性コア3の少なくとも一方の部材と一体化する磁気シールド部4を製造する場合、インサート成形することで行える。即ち、金型内に少なくとも一方の部材を配置し、磁気シールド部4の構成材料を充填して固化することで行える。
この成形の際、以下の条件(a)及び(b)の少なくとも一方を満たすことが挙げられる。
(a)磁場を印加する。
(b)磁気シールド部4の厚さtと磁性粉末40aの長軸の平均長さL1との比L1/tが上述の範囲を満たすように調整する。
磁場を印加する場合、各部材41〜43を個々に作製する。そうすれば、各部材41〜43において、磁性粉末40aの長軸を所望の方向に配向させ易い。各部材41〜43が板材の場合、磁性粉末40aの長軸は、板材の沿面方向に配向させることが好ましい。筒材の場合、磁性粉末40aの長軸は、筒材の軸方向に配向させることが好ましい。印加する磁場の大きさは、大きいほど磁性粉末40aの長軸を配向させ易い。磁場の印加方向は、磁気シールド部4を備えるインダクタ1を構築した際、磁気シールド部4における磁路に沿った方向とする。比L1/tが上述の範囲を満たすように調整する場合、各部材41〜43を個々に作製してもよいし、上述の連結・分離形態で説明したように、例えば、内側被覆部41と外側被覆部42と一方の端面被覆部43とを一体成形してもよい。
[インダクタの製造]
インダクタ1の製造は、例えば、次のようにして行える。コイル2、磁性コア3、及び磁気シールド部4の各部材41〜43を準備する。準備する磁気シールド部4の各部材41〜43は、連結前の分離した状態とする。次に、コイル2と磁気シールド部4とを組み合わあせた組物を作製する。このとき、巻回部21の内側に、内側被覆部41を配置し、各部材41〜43を連結する。次に、組物と磁性コア3とを組み合わせる。
[用途]
実施形態1に係るインダクタ1は、多相のトランス結合を行う回路基板の構成部品の1つに利用できる。
[作用効果]
実施形態1に係るインダクタ1は、磁気シールド部4により、磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽できる。そのため、コイル2でのジュール損を低減でき、磁気特性を向上できる。その上、磁気シールド部4により、磁束がインダクタ1の外部への漏れを抑制できる。そのため、周辺部品のノイズの発生や発熱を抑制できる。
《実施形態2》
〔インダクタ〕
図4を参照して、実施形態2に係るインダクタ1を説明する。実施形態2に係るインダクタ1は、実施形態1に係るインダクタ1と同じコイル2と磁性コア3を有する。実施形態2に係るインダクタ1は、磁気シールド部4の数と各磁気シールド部4の構成とが、実施形態1に係るインダクタ1と相違する。以下、実施形態1との相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成、及び同様の効果については説明を省略する。この点は、後述する実施形態3でも同様である。
[磁気シールド部]
磁気シールド部4の数は、本例では3つである。3つの磁気シールド部4のうち、2つの磁気シールド部4の構成と残り1つの磁気シールド部4の構成とは、互いに異なる。2つの磁気シールド部4は、互いに同一の構成であり、本例では内側被覆部41のみで構成されている。残り1つの磁気シールド部4は、本例では外側被覆部42のみで構成されている。即ち、3つの磁気シールド部4はいずれも、端面被覆部43(介在被覆部431及び露出被覆部432:図2)を備えていない。
(内側被覆部)
内側被覆部41の形状は、実施形態1の内側被覆部41と同様、円筒状である。この内側被覆部41は、磁性コア3から露出するコイル2の内周を覆う露出側円弧片(図4の紙面左右)と、磁性コア3に覆われるコイル2の内周を覆う被覆側円弧片との両円弧片を一体成形して構成されている。各円弧片の周長は、端面対向部33の大きさにもよるが、本例では内側被覆部41の周方向の略半周程度の長さである。この内側被覆部41の両開口端は、実施形態1とは異なり、端面被覆部43と連結されていない。露出側円弧片の長さ(コイル2の軸方向に沿った長さ)は、被覆側円弧片よりも長い。露出側円弧片の長さは、実施形態1の内側被覆部41に比較して長くて、磁性コア3の長さ(コイル2の軸方向に沿った長さ)と同等である。それにより、磁気シールド部4が露出被覆部432(図2)を有していなくても、磁性コア3からコイル2の端面への磁束を効果的に遮蔽し易い。
(外側被覆部)
外側被覆部42の形状は、実施形態1の板状の外側被覆部42とは異なり、コイル外脚部32の外周面をその全周に亘って覆う筒状であり、本例ではコイル外脚部32の外周形状に沿った角筒状である。外側被覆部42におけるコイル2の外周面とコイル外脚部32の側面(湾曲状の面)との間の面は、コイル2の外周面とコイル外脚部32の側面(湾曲状の面)とに沿って湾曲している。
《実施形態3》
〔インダクタ〕
図5、図6を参照して、実施形態3に係るインダクタ1を説明する。実施形態3に係るインダクタ1は、実施形態2と同様、実施形態1に係るインダクタ1と同じコイル2と磁性コア3を有する。実施形態3に係るインダクタ1は、磁気シールド部4の数は実施形態1に係るインダクタ1と同じ2つであるが、各磁気シールド部4の構成が、実施形態1に係るインダクタ1と相違する。
[磁気シールド部]
2つの磁気シールド部4は、互いに同一の構成であり、本例では内側被覆部41と外側被覆部42と介在被覆部431とで構成されている。即ち、各磁気シールド部4は、露出被覆部432(図2)を備えていない。内側被覆部41の露出側円弧片(図5,図6の紙面左右)の長さ(コイル内脚部31の軸方向に沿った長さ)は、実施形態1と同様、図5に示すように、巻回部21(コイル2)の長さよりも長いことが好ましい。そうすれば、磁気シールド部4が露出被覆部432を有していなくても、磁性コア3からコイル2の端面への磁束を遮蔽し易い。露出側円弧片の長さは、更に、実施形態2と同様、図6に示すように、磁性コア3の長さと同等の長さ(コイル2の軸方向に沿った長さ)とすることが好ましい。そうすれば、磁性コア3からコイル2の端面への磁束をより一層遮蔽し易い。
《実施形態4》
〔回路基板〕
図7を参照して、実施形態4に係る回路基板5を説明する。この回路基板5は、本例では実施形態1に係るインダクタ1を備えるが、実施形態2や実施形態3のインダクタ1を備えていてもよい。図7では、回路基板5の一部が電源装置6のケースに収納された状態を部分的に示す。
回路基板5は、インダクタ1と、インダクタ1などが載置される一面を有する基板本体51と、基板本体51上に形成されて各コイル2の一対の引出部22がそれぞれ接続される複数の配線パターン52とを備える。
配線パターン52は、各コイル2に所定の電力供給を行う。配線パターン52の形状、配置状態などは、各コイル2の引出部22を接続可能であれば、適宜選択できる。図7では、各配線パターン52が直線状に形成されて、実質的に平行に配置されている。複数の配線パターン52が並列配置される場合、配線パターン52を形成し易く、回路基板5の製造性に優れる。
基板本体51の構成材料は、各種の絶縁材料が挙げられる。配線パターン52は、例えば、銅箔や、銅板といった金属板などで形成することが挙げられる。回路基板5におけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。各引出部22と各配線パターン52との接続には、半田付けやねじ結合など公知の方法が利用できる。
[用途]
実施形態4に係る回路基板5は、多相のトランス結合を行う電源装置6の構成部品の1つに利用できる。実施形態に係る回路基板5は、DC−DCコンバータであって、マルチフェーズ方式トランスリンク型昇圧チョッパ回路などに利用できる。
[作用効果]
実施形態4に係る回路基板5は、漏れ磁束を遮蔽できて外部に磁束が漏れ難いインダクタ1を備えるため、ノイズが少なく発熱し難い。
《実施形態5》
〔電源装置〕
図7を参照して、実施形態5に係る電源装置6を説明する。電源装置6は、本例では実施形態4に係る回路基板5を備える。図7では、回路基板5に備わるインダクタ1が実施形態1に係るインダクタ1の場合を例示している。電源装置6におけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。
[用途]
実施形態5の電源装置6は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるコンバータなどに利用できる。
[作用効果]
実施形態5に係る電源装置6は、インダクタ1が設けられた回路基板5を備えるため、多相のトランス結合型昇降圧コンバータといったコンバータに用いれば、ノイズが少なく発熱し難い。
《試作例1》
磁性粉末と樹脂との混合物を準備し、混合物を金型に充填し固化して磁気シールド部を作製した。
〔試料A〕
試料Aの磁性粉末には、長軸の平均長さが80μm、短軸の平均長さが、4μmの扁平形状のFe−6.5Si合金の粉末を用意し、樹脂には、PPS樹脂を用意した。磁気シールド部における磁性粉末の含有量が、60体積%となるように磁性粉末と樹脂と混合して混合物を作製した。所定の形状の金型を用いて混合物を射出成形し、厚さ0.8mmの板状の磁気シールド部4を作製した。この成形の際、厚さと直交する方向に磁場を印加した。
〔試料B〕
試料Bは、磁気シールド部の厚さを5.0mmとした点と、成形時に磁場を印加しなかった点とを除き、試料Aと同様とした。
〔断面観察〕
各試料の断面を観察した。試料Aの断面観察は、磁気シールド部における磁場を印加した方向に沿った断面に対して行った。試料Bの断面観察は、試料Aと同じ断面に対して行った。この断面において、2以上の観察視野をとった。各視野の倍率を100倍、視野サイズを5mm×5mmとした。各視野内の磁性粉末の最大長さを長軸の長さとし、その長軸の中心を通り、長軸に直交する方向の長さを短軸の長さとした。全視野内の全磁性粉末の長軸の長さと短軸の長さとを求め、それぞれ平均した値を長軸の平均長さL1と短軸の平均長さL2とした。
その結果、試料Aの磁気シールド部における磁性粉末の長軸の平均長さL1は、80μmであり、短軸の平均長さL2は、4μmであった。試料Bの磁気シールド部における磁性粉末の長軸の平均長さL1は、80μmであり、短軸の平均長さL2は、15μmであった。
〔比透磁率の評価〕
各試料の磁場を印加した方向に沿った方向の比透磁率αと、その方向と直交する方向の比透磁率βとを求めた。この比透磁率α、βは、次のようにして求めた。各試料の磁気シールド部と同じ構成材料からなる2mm×2mm×2mmの成形体を用意し、振動試料型磁力計を用いて、3方向の比透磁率を測定した。各方向は、成形体の面に直交すると共に、互いに直交する方向、即ち、成形体の幅方向、奥行方向、高さ方向とした。最も比透磁率の高い方向の比透磁率を磁路に沿った方向の比透磁率αとし、最も比透磁率の小さい方向の比透磁率を磁路と直交する方向に沿った比透磁率βとした。その結果、試料Aの比透磁率αは40であり、比透磁率βは12であった。試料Bの比透磁率αは33であり、比透磁率βは25であった。
《試験例1》
インダクタにおける漏れ磁束の多寡とコイルでのジュール損とをシミュレーションにより調べた。
〔試料No.1〕
試料No.1のインダクタは、図4を参照して実施形態2で説明したインダクタ1と同様である。即ち、試料No.1のインダクタは、2つの独立したコイル2と、1つの磁性コア3と、3つの磁気シールド部4(2つの内側被覆部41と1つ外側被覆部42)とを備える。試料No.1のインダクタは、各磁気シールド部4における磁性粉末40aの形状を長軸及び短軸を有する扁平形状とし、各磁気シールド部4における磁路に沿った方向の比透磁率μ1を40、磁路に直交する方向の比透磁率μ2を12、比透磁率μ1、μ2の比μ1/μ2を3.3とした。
〔試料No.101〕
試料No.101のインダクタは、図8に示すように、磁気シールド部401(外側被覆部421)の磁性粉末401aの形状を球形状とした点を除き、試料No.1と同じとした。試料No.101のインダクタは、磁気シールド部401における磁路に沿った方向の比透磁率μ1を30、磁路に直交する方向の比透磁率μ2を30、比透磁率μ1、μ2の比μ1/μ2を1とした。
〔試料No.102〕
試料No.102のインダクタは、図9に示すように、磁性粉末と樹脂との混合材料で構成される磁気シールド部の代わりに、磁性粉末を含まず樹脂40bのみで構成される樹脂成形体402(外側被覆部422)を備える点を除き、試料No.1と同じとした。試料No.102のインダクタは、樹脂成形体402における磁路に沿った方向の比透磁率μ1を1、磁路に直交する方向の比透磁率μ2を1、比透磁率μ1、μ2の比μ1/μ2を1とした。
〔漏れ磁束の評価〕
試料No.1、No.101、No.102のインダクタの磁束密度の分布状態(磁束密度の大きさ)を色別(磁束密度が大きい順に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)で表すことが可能な公知のシミュレーションソフト(株式会社JSOL 電磁界解析ソフトJMAG)を用いて求めた。そのシミュレーションによる磁束密度の分布状態をそれぞれ図10〜図12に示す。図10〜図12はグレースケールで示すが、実際には上記色別がある。図10は、図4のインダクタ1の(X)−(X)切断線で切断した断面における磁束密度の分布状態を示す。図11、図12は、試料No.1と同様の位置で試料No.101、No.102のインダクタを切断した断面における磁束密度の分布状態を示す。
試料No.1のインダクタ1は、図10に示すように、コイル外脚部32の周辺には実質的に赤色の範囲がない。試料No.1のインダクタ1は、コイル外脚部32の周辺のうち、コイル外ギャップ322の外側は黄色であり、その外側のコイル外脚片321の側面の周辺は緑色である。この黄色の範囲は、図10におけるコイル外ギャップ322の紙面左右を小さな半円状に囲む白色領域である。緑色の範囲は、黄色の範囲の外側で、図10におけるコイル外脚片321の紙面左右を楕円状に囲む薄い灰色領域である。この黄色の範囲、及び緑色の範囲は、非常に小さいことが分かる。
試料No.101のインダクタは、図11に示すように、コイル外ギャップ322の外側からコイル外脚片321の角部にまで亘っていないものの、コイル外ギャップ322の外側周辺の広範囲に亘って赤色である。この赤色の領域の外側は、黄色、緑色の順に広がっている。赤色の範囲は、図11のコイル外ギャップ322の紙面左右を半円状に囲む濃い灰色領域である。黄色の範囲は、赤色の領域の外側を厚さの薄い半楕円環状に囲む白色領域である。緑色の範囲は、図10と同様であり、黄色の外側を厚さの厚い半楕円環状に囲む薄い灰色領域である。
試料No.102のインダクタは、図12に示すように、コイル外ギャップ322の外側からコイル外脚片321の角部にまで亘って赤色であり、試料No.101に比較して、赤色の範囲が広範囲に亘っている。この赤色の領域の外側は、黄色、緑色の順に広がっている。各色の範囲は、図11と同様である。即ち、赤色の範囲は、図12のコイル外ギャップ322の紙面左右を半楕円状に囲む濃い灰色領域である。黄色の範囲は、赤色の領域の外側を厚さの薄い半楕円環状に囲む白色領域である。緑色の範囲は、黄色の外側を厚さの厚い半楕円環状に囲む薄い灰色領域である。
以上の結果から、長軸及び短軸を有する扁平形状の磁性粉末と樹脂との混合材料で構成され、磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2との比μ1/μ2が1.5以上である磁気シールド部4を、コイル2と磁性コア3との間に介在することで、磁気シールド部4の磁性コア3側から磁気シールド部4を挟んで反対側への磁束を遮蔽できることが分かる。即ち、この磁気シールド部4により、磁性コア3からコイル2への磁束を遮蔽できることが分かる。一方、球形状の磁性粉末を含む磁気シールド部を備えることで、磁性粉末を含まない樹脂のみの樹脂成形体を備える場合に比較して、磁束の遮蔽効果が得られるものの、球形状の磁性粉末では、扁平形状の磁性粉末に比較して、磁束の遮蔽効果が低いことが分かる。
〔ジュール損の評価〕
各試料のインダクタにおけるコイルでのジュール損を求めた。その結果、試料No.1のインダクタにおけるコイルでのジュール損は5.0Wであった。一方、試料No.101、No.102のインダクタにおけるコイルでのジュール損は、互いに略同等であり、いずれも5.4Wであった。試料No.1のインダクタは、試料No.101、No.102のインダクタに比較して、ジュール損を7%以上低減できることが分かった。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述の実施形態1のインダクタは、多相のトランス結合に利用されるインダクタとして、二相のトランス結合に利用されるインダクタを例に説明したが、例えば、三相以上のトランス結合に利用されるインダクタとすることもできる。インダクタは、3つ以上の独立したコイルと1つの磁性コアとを備える形態や、3つ以上の独立したコイルとコイルと同数の磁性コアとを備える形態とすることができる。
前者の形態の場合、磁性コアは、コイルと同数で各コイルが配置されるコイル内脚部と、1つのコイル外脚部と、一対の端面対向部とを有する。後者の形態の場合、各磁性コアは、2つのコイル内脚部と、1つのコイル外脚部と、一対の端面対向部とを有する。後者の場合、各磁性コアは、コイルによって繋がれて環状に配置されている。各コイルは、隣接する磁性コアのうち、一方の磁性コアの一方のコイル内脚部と、他方の磁性コアの一方のコイル内脚部とを一括して内部に収納する。即ち、各磁性コアの各コイル内脚部は、コイルの一部が配置される。
1 インダクタ
2 コイル
21 巻回部
22 引出部
3 磁性コア
31 コイル内脚部
311 コイル内脚片
312 コイル内ギャップ
32 コイル外脚部
321 コイル外脚片
322 コイル外ギャップ
33 端面対向部
4 磁気シールド部
40a 磁性粉末
40b 樹脂
41 内側被覆部
42 外側被覆部
43 端面被覆部
431 介在被覆部
432 露出被覆部
45 回転規制部
46 切欠
5 回路基板
51 基板本体
52 配線パターン
6 電源装置
401 磁気シールド部
401a 磁性粉末
421 外側被覆部
402 樹脂成形体
422 外側被覆部

Claims (12)

  1. コイルと、前記コイルの内外に配置されて前記コイルの励磁により閉磁路を形成する磁性コアとを備えるインダクタであって、
    前記コイルと前記磁性コアとの間に介在されて前記磁性コアから前記コイルへの磁束を遮蔽する磁気シールド部を備え、
    前記磁気シールド部は、
    長軸及び短軸を有する扁平形状の磁性粉末と樹脂とを含む混合材料で構成され、
    磁路に沿った方向の比透磁率μ1と磁路と直交する方向に沿った比透磁率μ2との比μ1/μ2が1.5以上であるインダクタ。
  2. 前記磁気シールド部の厚さtと前記磁性粉末の長軸の平均長さL1との比L1/tが0.005以上1未満である請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記磁性粉末の長軸の平均長さL1が10μm以上500μm以下であり、
    前記磁性粉末の長軸の平均長さL1と短軸の平均長さL2とのアスペクト比L1/L2が、1.1以上100以下である請求項1又は請求項2に記載のインダクタ。
  4. 前記磁気シールド部における前記磁性粉末の含有量は、20体積%以上80体積%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインダクタ。
  5. 前記磁気シールド部における磁路に沿った方向の比透磁率μ1は、前記磁性コアの比透磁率μcよりも小さい請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインダクタ。
  6. 前記磁気シールド部は、前記コイル及び前記磁性コアとは独立した別部材である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインダクタ。
  7. 前記磁性コアは、前記コイルの少なくとも一部が配置され、直列に配置される一対のコイル内脚片と前記一対のコイル内脚片の間に介在されるコイル内ギャップとを有するコイル内脚部を有し、
    前記磁気シールド部は、前記コイルの内周面と前記コイル内脚部との間に介在される内側被覆部を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインダクタ。
  8. 前記磁性コアは、前記コイルの外側で前記コイルと並列に配置され、直列に配置される一対のコイル外脚片と前記一対のコイル外脚片の間に介在されるコイル外ギャップとを有するコイル外脚部を有し、
    前記磁気シールド部は、前記コイルの外周面と前記コイル外脚部との間に介在される外側被覆部を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインダクタ。
  9. 前記磁性コアは、前記コイルの端面の少なくとも一部を覆う端面対向部を有し、
    前記磁気シールド部は、前記コイルの端面と前記端面対向部との間に介在される介在被覆部を有する請求項7又は請求項8に記載のインダクタ。
  10. 前記磁性コアは、前記コイルの端面の一部を覆う端面対向部を有し、
    前記磁気シールド部は、前記コイルの端面のうち前記端面対向部から露出する露出領域の少なくとも一部を覆う露出被覆部を有する請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のインダクタ。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインダクタを備える回路基板。
  12. 請求項11に記載の回路基板を備える電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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