以下、実施形態に係るBIMシステム及び方法を図面に基づいて説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称で特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によって説明され得る。
BIMによる設計方法では、各業者にて建物全体のデータである建築物の3次元モデル(すなわち、建築物のBIMモデル)を共有することができる。このため、各業者は、共通のデータ上でそれらの関連性及び整合性を確認することができる。以下では、このBIMを使用した昇降機客先提案システムについて説明する。
以下、実施形態の構成及び処理について、第1の実施形態(機能分散型のBIMシステム)、第2の実施形態(サーバ主導の機能分散型のBIMシステム)、第3の実施形態(スタンドアロン型のBIM装置)の順に、詳細に説明する。なお、以下では、原則として、単に「パーツ」と称する場合は建築物を構成する現実の構成部品を指し、「BIMパーツ」と称する場合はパーツに対応するBIMの仮想的な構成部品を指すものとする。しかしながら、説明の便宜上、「パーツ」が「BIMパーツ」を指す場合や、「BIMパーツ」が「パーツ」を指す場合もあるものとする。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図9を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係るBIMシステム1の構成の一例を示した例示的なブロック図である。なお、第1の実施形態において実現される各機能モジュールは、以下で例示する構成に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で、論理的又は物理的に分散又は統合して構成され得る。また、第1の実施形態において実現される各機能モジュールは、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されても良いし、ハードウェアのみによって実現されても良い。
図1に示すように、第1の実施形態のBIMシステム1は、昇降機の3次元モデル(すなわち、昇降機のBIMパーツ)などの情報を提供可能なサーバ装置200と、単数又は複数のBIMアプリケーションなどが搭載された端末装置100と、を備える。
サーバ装置200は、制御部202と、記憶部206と、を少なくとも備える。また、端末装置100は、出力部としての表示部114及び音声出力部116と、入力部118と、制御部102と、記憶部106と、を少なくとも備える。
まず、サーバ装置200の構成についてより具体的に説明する。サーバ装置200は、端末装置100から送信される作成条件に対応する建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを、記憶部206に記憶されたパーツ情報を用いて作成する機能を有する。また、サーバ装置200は、作成されたBIMパーツを端末装置100へ送信する等の機能を有する。
サーバ装置200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300に接続されており、端末装置100は、通信制御インターフェース部104を介してネットワーク300に接続されている。これにより、サーバ装置200と端末装置100とは、ネットワーク300経由で相互に通信可能に接続されている。なお、ここで行われる通信は、有線又は無線による遠隔通信などを含む。
サーバ装置200の制御部202は、各種の演算処理などを実行する制御手段である。また、サーバ装置200の通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線などに接続されるアンテナやルータなどの通信装置に接続可能なインターフェースであり、サーバ装置200とネットワーク300との間で実行される通信の制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、ネットワーク300に接続された装置(図1の例では、端末装置100)とデータ通信を行う機能を有する。
また、サーバ装置200の記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)などの固定ディスク装置又はSSD(Solid State Drive)などのストレージ手段であり、データベースやテーブルなどの各種情報(図1の例では、パーツ情報データベース206a、標準条件データベース206b、注意情報データベース206c、及びオプション情報データベース206d)を格納する。
パーツ情報データベース206aは、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段である。なお、ここで言及する昇降機は、エレベータ及び乗客コンベアを含む概念であり、乗客コンベアは、エスカレータ及び動く歩道を含む。また、ここで言及するパーツ情報は、利用者が建築物のBIMモデルに組み込む昇降機のBIMパーツを設計する上で必要となるあらゆる情報を含む。パーツ情報としては、例えば、用途、定員、積載量、動作速度、色、機種などといった昇降機の仕様や、昇降機を建築物に設置する際に必要とされるスペース、寸法、各種付属設備、各種配線配管に関する情報が挙げられる。さらに、パーツ情報としては、例えば、昇降機を構成する機械部品や昇降機の周りに配置される鉄骨部品の、部材強度、価格、寸法、質量、色、素材、材料、固有振動数といった情報の他、納期、在庫状況、据付時間、仕上げ材、耐用年数、メーカ情報、品番型番などが挙げられるが、これら以外の情報も、パーツ情報に含まれ得る。
より具体的に、第1の実施形態によるパーツ情報は、例えば、端末装置100の制御部102によりBIMパーツをBIMモデルに組み込む際に参照されるBIMパーツのサイズ情報を含む。ここで、BIMパーツのサイズ情報は、BIMパーツを構成する各ユニット、構成部品のサイズ情報も含む。BIMパーツを構成する各ユニットとしては、例えば、昇降機がエレベータである場合には、昇降路、乗りかご、カウンタウェイト、メインロープ、巻上機、ガイドレール、乗り場ホール関連品、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管などが挙げられる。また、BIMパーツを構成する各ユニットとしては、例えば、昇降機がエスカレータである場合には、トラス、踏段、踏段チェーン、移動手摺、乗降板、欄干、駆動装置、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管などが挙げられる。また、パーツ情報は、例えば、端末装置100の制御部102によりBIMパーツが変更される際に用いられる設定パラメータを含む。ここで、設定パラメータは、BIMパーツを構成する各ユニットのサイズ、色、材質や、上記の各種配線配管などを規定するパラメータを含む。また、パーツ情報は、予め利用者により指定された点検対象物であることを示す情報も含む。なお、BIMパーツは、典型的なBIMモデルと同様に、このBIMパーツ自体に対象の昇降機に関連するパーツ情報などの属性情報を含んでいる。
なお、サーバ装置200の記憶部206には、上記のパーツ情報データベース206aの他にも、標準条件データベース206b、注意情報データベース206c、及びオプション情報データベース206dが記憶されているが、これらの標準条件データベース206b、注意情報データベース206c、及びオプション情報データベース206dについては、後で詳細に説明するため、ここでは説明を省略する。
次に、サーバ装置200の制御部202についてより具体的に説明する。サーバ装置200の制御部202は、OS(Operating System)などの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム、所要データを格納するための内部メモリなどを有する。そして、制御部202は、これらのプログラムなどを用いて、各種の演算処理などを実行する。
ここで、第1の実施形態におけるサーバ装置200の制御部202は、機能モジュールとして、作成条件受信部202aと、昇降機モデリング部202bと、情報送信部202cと、モデル情報受信部202dと、標準条件抽出部202eと、注意情報抽出部202fと、オプション情報抽出部202gと、を備える。なお、モデル情報受信部202d、標準条件抽出部202e、注意情報抽出部202f、及びオプション情報抽出部202gについては、後で詳細に説明するため、ここでは、作成条件受信部202a、昇降機モデリング部202b、及び情報送信部202cについてのみ説明する。
作成条件受信部202aは、端末装置100から送信される作成条件を受信する作成条件受信手段である。ここで、作成条件は、利用者が所望する昇降機の仕様を示す条件である。つまり、作成条件は、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するための条件を指定する。作成条件としては、例えば、機種、色、素材、希望の価格、納期、利用者の嗜好性などが挙げられる。作成条件は、基本的に客先仕様条件を満たした仕様を備えている。
また、昇降機モデリング部202bは、作成条件受信部202aにより受信された作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段である。昇降機モデリング部202bは、例えば、エレベータに関する次のような3次元のBIMパーツを作成する。
図2は、第1の実施形態によるBIMパーツの具体例を示した例示的な図である。図2の左側に、昇降路、乗りかご、ガイドレールなどのユニットから構成されるBIMパーツが例示される。図2の右側に、乗り場ホーム関連品の一例としての乗降口のドアユニットなどから構成されるBIMパーツが例示される。
昇降機モデリング部202bは、例えば、作成条件受信部202aにより受信される作成条件としてのBIMモデルの構造情報などに基づいて、建築物の概要、規模、設置位置、電源設備容量などから当該建築物に設置可能な昇降機のBIMパーツを単数又は複数作成する。ここで、昇降機モデリング部202bは、作成条件が納期、価格、又は嗜好性に関する情報を含む場合、当該情報に応じてBIMパーツを最適化して作成するようにしても良い。例えば、昇降機モデリング部202bは、利用者によって昇降機の設置に際し納期優先の選択がなされている場合には、設置可能な昇降機のBIMパーツのうち納期が早いものから順に自動で複数作成するようにしても良い。同様に、昇降機モデリング部202bは、利用者によって価格優先の選択がなされている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち価格が安いものから順に自動で複数作成するようにしても良い。昇降機モデリング部202bは、利用者によって利用者の嗜好性が設定されている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち嗜好性にあったものから順に自動で複数作成するようにしても良い。作成されるBIMパーツは、基本的に客先仕様条件を満たした仕様を備える。なお、昇降機モデリング部202bは、作成した昇降機のBIMパーツを記憶部206に格納し、BIMパーツデータベースを構築しても良い。
図1に戻り、情報送信部202cは、昇降機モデリング部202bにより作成された昇降機のBIMパーツを端末装置100へ送信するパーツ送信手段である。ここで、情報送信部202cは、複数のBIMパーツを含む計算結果を端末装置100へ送信しても良い。
次に、端末装置100の構成についてより具体的に説明する。端末装置100は、サーバ装置200から受信された昇降機のBIMパーツを、端末装置100の記憶部106に記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する機能を有する。また、端末装置100は、統合BIMモデルを作成した場合、当該統合BIMモデルの特徴を示すモデル情報をサーバ装置200に送信する機能を有する。そして、端末装置100は、統合BIMモデルを評価する機能を有する。さらに、端末装置100は、サーバ装置200から受信される注意情報を表示部114に表示する機能を有する。さらに、端末装置100は、サーバ装置200から受信されるオプション情報を表示部114に表示する機能を有する。
端末装置100は、例えば、パーソナルコンピュータなどの一般的な情報処理装置や、スマートフォンなどの携帯端末装置などである。なお、端末装置100は、表示部114と音声出力部116とを少なくとも含む出力部を備えていても良いし、利用者の操作入力などを受け付ける入力部118を備えていても良い。
表示部114は、アプリケーションなどにより生成される表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶又は有機ELなどから構成されるディスプレイ、モニタ、及び、タッチパネルなど)である。また、音声出力部116は、音声を出力する音声出力手段(例えば、スピーカなど)である。また、入力部118は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、及び、ゲームパッドなど)、マウス、キーボード、及び、マイクなどである。これら表示部114、音声出力部116、及び入力部118に対する入出力は、端末装置100の入出力制御インターフェース部108によって制御される。
端末装置100の通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線などに接続されるアンテナやルータなどの通信装置に接続可能なインターフェースであり、端末装置100とネットワーク300との間で実行される通信の制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、ネットワーク300に接続された装置(図1の例では、サーバ装置200)とデータ通信を行う機能を有する。
また、端末装置100の記憶部106は、HDDやSSDなどの大容量のストレージ手段、及び/又は、SRAM(Static Random Access Memory)などを用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)などのストレージ手段である。記憶部106は、データベースやファイルやテーブルなどの各種情報(図1の例では、BIMモデルデータベース106a)を格納する。
BIMモデルデータベース106aは、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段である。第1の実施形態におけるBIMモデルデータベース106aには、予め設計者により設計された建築物のBIMモデルが格納されている。BIMモデルは、例えば、建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性、部材強度、固有振動数、耐用年数、各種付属設備、各種配線配管などの構造情報を含む。構造情報は、建物用途、建物規模、躯体情報、階床数、階床名、階高、各階の使用用途、フロア人員、占有面積などから算出可能な昇降機の利用人数などの情報を含んでいても良いし、対象の建築物を構成する各構造ユニットに関する寸法、位置などを示す情報を含んでいても良い。ここで、BIMモデルを構成する各構造ユニットとしては、例えば、建築物に配置される部屋、壁、通路、非常階段、避難経路、ガス管、水道管、火災報知機、スプリンクラー、梁、防犯カメラ、安全対策品などが挙げられる。
次に、端末装置100の制御部102について、より具体的に説明する。端末装置100の制御部102は、OSなどの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム、所要データを格納するための内部メモリなどを有する。そして、制御部102は、これらのプログラムなどを用いて、各種の演算処理などを実行する。
ここで、第1の実施形態における端末装置100の制御部102は、機能モジュールとして、作成条件送信部102aと、統合モデリング部102bと、モデル情報送信部102cと、コスト算出部102dと、予測情報取得部102eと、モデル評価部102fと、判定部102gと、修正モデリング部102hと、表示制御部102iと、を備える。
作成条件送信部102aは、利用者により入力される作成条件をサーバ装置200へ送信する作成条件送信手段である。前述したように、作成条件は、利用者が所望する昇降機の仕様と、客先要求の仕様と、を示す条件などである。つまり、利用者は、入力部118などを用いて作成条件を入力することで、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するための条件を指定する。なお、作成条件は、予め作成条件が記憶された外部記憶装置から読み込まれたものであっても良い。
また、統合モデリング部102bは、サーバ装置200から受信した昇降機のBIMパーツを、BIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段である。統合モデリング部102bは、例えば、次のような統合BIMモデルを作成する。
図3は、第1の実施形態の統合BIMモデルの具体例を示す例示的な図である。図3に示される統合BIMモデルは、図2に例示されたようなBIMパーツに対応するエレベータが設置された昇降機組込建築物の完成像(3次元像)を示している。
上述のように、BIMパーツは、利用者により入力される作成条件に基づき作成される。すなわち、BIMパーツの設計結果は、同じBIMモデルに組み込まれ、同じ仕様に従うとしても、利用者の思想により異なるものになり得る。
図4は、第1の実施形態において設計された統合BIMモデルの一例を模式的に示す例示的な図である。図4に示される統合BIMモデルの一例には、昇降路10を形成する建築物の躯体11と、昇降路に配置される昇降機の乗りかご12と、乗りかご12をガイドするガイドレール13と、二つのガイドレール13を支持する複数の部材14とが含まれる。昇降路10及び躯体11は、建築物のBIMモデルに含まれる。乗りかご12及びガイドレール13は、BIMパーツに含まれる。部材14は、BIMパーツに含まれるが、BIMモデルに含まれても良い。
ガイドレール13は、ブラケットである部材14を介して躯体11の壁に固定される。すなわち、部材14は、躯体11とBIMパーツ(乗りかご12及びガイドレール13)との相対的な位置を定めるために用いられる。乗りかご12は、移動可能であるが、部材14により固定されたガイドレール13に沿って移動するため、部材14により軌道を規定されている。
図4の例では、躯体11の壁とガイドレール13との間の距離が比較的長いため、特注品(非標準品)であるブラケットが部材14として採用されている。特注品を採用することで、昇降機の据付における建築物の追加コストを抑えることができるが、昇降機のコストが高くなってしまう。このように、設計者によっては、コストが高い統合BIMモデルが設計されることがある。また、設計者によって、昇降機の据付作業及び保守作業のための注意情報のリスト化がされなかったり、好ましいオプションの追加がされなかったりすることもある。
本実施形態のBIMシステム1は、所定の評価条件に基づき、BIMパーツが組み込まれた統合BIMモデルを評価及び修正することで、より評価条件に適した統合BIMモデルの設計を提案し、統合BIMモデルの設計方法を統一化することが可能となる。そこで、BIMシステム1は、以下のような構成により、統合BIMモデルの設計方法の統一化を実現している。
図1に戻り、より具体的に説明すると、第1の実施形態では、サーバ装置200の記憶部206に、標準条件データベース206bが記憶されている。標準条件データベース206bは、BIMモデルに含まれるとともに建築物の躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための部材(例えば図4の部材14)を標準品と判定する範囲の寸法情報(閾値)を記憶する標準条件記憶手段である。
第1の実施形態では、サーバ装置200の記憶部206に、注意情報データベース206cが記憶されている。注意情報データベース206cは、配置条件と注意情報とを対応付けて記憶する注意情報記憶手段である。配置条件は、建築物の躯体と、BIMパーツと、躯体及びBIMパーツの相対的な位置を定めるために用いられる部材と、の配置態様を示す。注意情報は、当該配置条件に従って作成される、統合BIMモデル及び後述の修正BIMモデルのうち少なくとも一方に対応した昇降機の、据付作業及び保守作業のうち少なくとも一方における注意点を示す。配置条件は、躯体、BIMパーツ、及び部材の位置や寸法、及びスペースの広さのような条件を少なくとも含む。
そして、第1の実施形態では、サーバ装置200の記憶部206に、オプション情報データベース206dが記憶されている。オプション情報データベース206dは、BIMモデルに関する建屋条件と、当該建屋条件に応じた少なくとも一つのオプション情報と、を対応付けて記憶するオプション情報記憶手段である。建屋条件は、BIMモデルの建築物がマンション構造かどうか、エレベータドア付近に建築物の非常用扉があるか、エレベータまでの通路に死角があるか、等の種々の条件を含む。
第1実施形態による端末装置100のモデル情報送信部102cは、統合モデリング部102bにより統合BIMモデルが作成された場合に、当該統合BIMモデルの特徴を示すモデル情報を、ネットワーク300を介してサーバ装置200に送信するモデル情報送信手段である。モデル情報は、統合モデリング部102bにより作成された統合BIMモデルにおける、躯体及びBIMパーツの配置の情報や、部材(例えば部材14)に関する情報の他、当該統合BIMモデルに他のBIMパーツを組み込む余裕の有無など、統合BIMモデルの特徴に関する様々な情報を含む。
サーバ装置200のモデル情報受信部202dは、上記のモデル情報を端末装置100から受信するモデル情報受信手段である。また、サーバ装置200の標準条件抽出部202eは、部材を標準品と判定する範囲の寸法情報を標準条件データベース206bから抽出する標準条件抽出手段である。注意情報抽出部202fは、モデル情報受信部202dによりモデル情報が受信された場合に、当該モデル情報に含まれる配置条件に対応した注意情報を注意情報データベース206cから抽出する注意情報抽出手段である。オプション情報抽出部202gは、モデル情報受信部202dによりモデル情報が受信された場合に、当該モデル情報に含まれる建屋条件に対応したオプション情報をオプション情報データベース206dから抽出するオプション情報抽出手段である。
標準条件抽出部202eにより抽出された寸法情報、注意情報抽出部202fにより抽出された注意情報、及びオプション情報抽出部202gにより抽出されたオプション情報は、情報送信部202cなどにより、端末装置100に送信される。
端末装置100のコスト算出部102dは、統合モデリング部102bにより作成された統合BIMモデルに関するコストと、後述する修正BIMモデルに関するコストと、を算出するコスト算出手段である。具体的には、コスト算出部102dは、統合BIMモデルに含まれる、昇降機を構成するユニットや構成部品の価格に関する情報から、統合BIMモデルに関するコストを算出する。本実施形態では、建築側で発生するコストと、昇降機メーカ側で発生するコストとが分けて算出されるが、総額のみが算出されても良い。
端末装置100の予測情報取得部102eは、部材の調達時における予測コストに関する情報を取得する予測情報取得手段である。例えば、予測情報取得部102eは、サーバ装置200の記憶部206に蓄積された部材の価格変動履歴、社会情勢、紛争状況、及び為替相場等、種々の情報を取得し、所定のアルゴリズムを用いて部材の調達時における予測コストを算出する。予測情報取得部102eは、この例に限らず、例えばネットワーク300を経由して、外部情報機関やウェブサイトから、上述の情報、又は部材の調達時における予測コストを直接取得しても良い。
端末装置100のモデル評価部102fは、統合BIMモデルに含まれる建築物の躯体及びBIMパーツの配置の情報と、統合BIMモデルに含まれるとともに躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための少なくとも一つの部材に関する情報と、BIMモデルに関する評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価するモデル評価手段である。
具体的には、モデル評価部102fは、建築側で発生するコスト(第1条件)、昇降機メーカ側で発生するコスト(第2条件)、昇降機の据付期間(第3条件)、昇降機の据付時の安全性(第4条件)、及び昇降機の耐震性(第5条件)という五つの評価条件に基づき、統合BIMモデルを点数化する。評価条件は、五つより少なくても多くても良いし、例えば利用者により選択的に増加又は減少させられても良い。例えば、利用者による設定により、モデル評価部102fは、昇降機メーカ側で発生するコストのみに基づいて統合BIMモデルを評価しても良い。
建築側で発生するコストは、例えば、建築物の施工や、昇降機の据付のために建築側が設ける部材等のコストである。昇降機メーカ側で発生するコストは、例えば、昇降機、周辺装置、及び昇降機の据付のために昇降機メーカ側が設ける部材等のコストである。モデル評価部102fは、躯体及びBIMパーツの配置に関する情報と、部材に関する情報である部材のコストに関する情報と、建築側で発生するコスト又は昇降機メーカ側で発生するコストという評価条件と、に基づき、統合BIMモデルを評価する。
昇降機の据付期間は、例えば、昇降機の据付作業のための期間である。昇降機の据付時の安全性は、例えば、据付作業のためのスペースの配置状況や、注意情報の数等であり、作業員が余裕を持って作業を行うスペースが確保されているか否か等の条件に基づき点数化される。なお、昇降機の保守時の安全性が評価条件であっても良い。昇降機の耐震性は、例えば、建築物に組み込まれた昇降機の耐震性である。
モデル評価部102fは、評価条件としての建築側で発生するコスト及び昇降機メーカ側で発生するコストについて、現在のコストの代わりに予測コストを採用しても良い。この場合、コスト算出部102dは、予測情報取得部102eにより算出された予測コストに基づき、統合モデリング部102bにより作成された統合BIMモデルに関する予測コストと、後述する修正BIMモデルに関する予測コストとを算出する。モデル評価部102fは、コスト算出部102dが算出した統合BIMモデルの予測コストを用い、躯体及びBIMパーツの配置に関する情報と、部材に関する情報である部材の調達時における予測コストに関する情報と、建築側で発生する予測コスト又は昇降機メーカ側で発生する予測コストという評価条件と、に基づき、統合BIMモデルを評価する。モデル評価部102fの評価において現在のコストと予測コストとのどちらを用いるかは、例えば利用者により選択される。
端末装置100の判定部102gは、標準条件データベース206bから抽出された寸法情報に基づき、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための部材が標準品であるか否か判定する判定手段である。
以下、判定の一例について説明する。判定部102gは、サーバ装置200から送信された寸法情報に基づき、図4の例の統合BIMモデルにおける部材14が標準品か否かを判定する。部材14は特注品であるため、標準品と判定する範囲から外れている。このため、判定部102gは、部材14が特注品(非標準品)であると判定する。
図1に戻り、端末装置100の修正モデリング部102hは、モデル評価部102fによる統合BIMモデルの評価結果よりも高い評価結果が得られるように、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、が統合BIMモデルから修正された少なくとも一つの修正BIMモデルを作成する修正モデリング手段である。
修正モデリング部102hは、判定部102gにより部材が標準品でないと判定されると、所定のアルゴリズムを用いて、躯体及びBIMパーツの配置を変更したり、部材の種類、寸法、配置、数量等を変更したりすることで、上述の五つの評価条件のうち少なくとも一つにおいて統合BIMモデルの評価よりも高い評価結果を得られるような修正BIMモデルを作成する。例えば、部材14の代わりに標準品を採用することで、昇降機メーカ側で発生するコスト(第2条件)において統合BIMモデルよりも高い評価結果を得ることが可能な修正BIMモデルを作成する。
図5は、第1の実施形態における修正BIMモデルの一例を模式的に示す例示的な図である。図5に示すように、修正BIMモデルの一例には、図4の例の部材14の代わりに、部材21と複数の部材22とが含まれる。部材21及び部材22は、部材14と同じく、躯体11とBIMパーツ(乗りかご12及びガイドレール13)との相対的な位置を定めるために用いられる。
部材21は、躯体11の対向する二つの壁の間で延びるビームである。部材21は、建築側のBIMモデルに含まれる。複数の部材22は、躯体11の壁に一つのガイドレール13を固定し、ビームである部材21に他のガイドレール13を固定する、ブラケットである。部材22は、BIMパーツに含まれる。
部材22は、標準品である。図5の例では、建築側がビームである部材21を設けることで、特注品である部材14よりも小さい標準品である部材22を採用することが可能となっている。
躯体11とBIMパーツ(乗りかご12及びガイドレール13)との相対的な位置を定めるために用いられる部材は、ブラケットやビームに限定されない。例えば、当該部材は、H型鋼のような他の部材であっても良い。
図1に戻り、修正モデリング部102hは、例えば、作成条件送信部102aを介して、所定のアルゴリズムにより得られた作成条件をサーバ装置200へ送信する。そして、修正モデリング部102hは、サーバ装置200から受信した標準品である部材21,22を含むBIMパーツを、BIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の修正BIMモデルを作成する。
以上の例において、修正モデリング部102hは、昇降機メーカ側で発生するコスト(第2条件)に基づいてモデル評価部102fによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、修正BIMモデル(第1修正モデル)を作成した。修正モデリング部102hはさらに、他の評価条件に基づいてモデル評価部102fの評価結果よりも高い評価結果を得ることが可能な修正BIMモデルを作成する。例えば、修正モデリング部102hは、部材14の代わりに、より強度が高い部材を採用することで、昇降機の耐震性(第5条件)に基づいてモデル評価部102fの評価結果よりも高い評価結果が得られるように、修正BIMモデル(第2修正モデル)を作成する。修正BIMモデルにおける部材は、当該修正BIMモデルがモデル評価部102fによる評価結果よりも高い評価結果を得られれば、特注品(非標準品)であっても良い。
なお、修正BIMモデルにおける躯体及びBIMパーツは、統合BIMモデル躯体及びBIMパーツのままである。このため、修正BIMモデルにおけるBIMパーツは、客先仕様条件を満たした仕様を備えている。修正BIMモデルにおける躯体及びBIMパーツは、統合BIMモデル躯体及びBIMパーツから変更されても良い。
モデル評価部102fは、修正モデリング部102hにより作成された少なくとも一つの修正BIMモデルを、統合BIMモデルと同じく五つの評価条件に基づいて評価する。このとき、コスト算出部102dは、修正BIMモデルに関するコスト又は予測コストを算出する。修正BIMモデルは、少なくとも一つの評価条件に基づき、統合BIMモデルの評価結果よりも高い評価結果を得る。しかし、他の評価条件において、修正BIMモデルの評価結果は、統合BIMモデルの評価結果より低くなっても良い。
端末装置100の表示制御部102iは、モデル評価部102fの評価結果を表示部114に表示させる表示制御手段である。具体的には、表示制御部102iは、モデル評価部102fの評価結果や、修正モデリング部102hが作成した修正BIMモデル等の各種情報を含む操作画面を表示部114に表示させる。
図6は、第1の実施形態の操作画面の一例を示す例示的な図である。表示制御部102iは、例えば図6のような操作画面50を表示部114に表示させる。図6の例において、操作画面50は、モデル表示部51と、ファイル参照フォーム52と、出力ボタン53と、決定ボタン54とを含む。
モデル表示部51には、統合BIMモデル及び修正BIMモデルの各種情報が表示される。ファイル参照フォーム52は、統合BIMモデルが保存されたデータファイルを読み出すためのフォームである。出力ボタン53は、統合BIMモデルの判定及び修正BIMモデルの作成を行うためのボタンである。決定ボタン54は、採用する統合BIMモデル又は修正BIMモデルを決定するためのボタンである。
例えば、ファイル参照フォーム52に統合BIMモデルが保存されたデータファイルのアドレスが入力されると、モデル評価部102fによる統合BIMモデルの評価が行われ、モデル表示部51に統合BIMモデルの各種情報が表示される。本実施形態においては、統合モデリング部102bにより統合BIMモデルが作成されると、自動的に統合BIMモデルの評価が行われるが、ファイル参照フォーム52を用いて作成済みの統合BIMモデルの評価が行われても良い。
出力ボタン53に対する入力が検出されると、判定部102gによる判定、修正モデリング部102hによる少なくとも一つの修正BIMモデルの作成、モデル評価部102fによる修正BIMモデルの評価が行われ、モデル表示部51に修正BIMモデルの各種情報が表示される。利用者は、モデル表示部51に表示された統合BIMモデルと少なくとも一つの修正BIMモデルとを比較することができる。
判定部102gにより部材が標準品でないと判定され、修正モデリング部102hにより修正BIMモデルが作成されると、表示制御部102iは、モデル表示部51に修正BIMモデルを表示する。一方、判定部102gにより部材が標準品であると判定された場合、又は修正モデリング部102hによる修正BIMモデルの作成ができなかった場合、表示制御部102iは、統合BIMモデルに問題が無いことを示すメッセージを表示部114に表示させる。
モデル表示部51では、統合BIMモデル及び修正BIMモデル毎に、ラジオボタン51a、属性表51b、注意情報リストボタン51c、オプションリストボタン51d、グラフ51e、及びサムネイル画像51fが表示される。
ラジオボタン51aは、統合BIMモデル及び修正BIMモデルのうち一つを選択するために用いられる。ラジオボタン51aにより修正BIMモデルが選択された状態で、決定ボタン54に対する入力が検出されると、選択された修正BIMモデルが採用され、以降の工程が選択された修正BIMモデルに基づいて進行する。ラジオボタン51aにより統合BIMモデルが選択された状態で、決定ボタン54に対する入力が検出されると、以降の工程が統合BIMモデルに基づいて進行する。
属性表51bは、統合BIMモデル及び修正BIMモデルに関する種々の属性を表示する表である。図6の例では、属性表51bは、統合BIMモデル及び修正BIMモデルに関する、コスト総額、統合BIMモデルとの差額、建築側で発生するコスト、昇降機メーカ側で発生するコスト、特注品の採用の有無等を表示する。このように、表示制御部102iは、統合BIMモデルに関するコスト又は予測コストと、修正BIMモデルに関するコスト又は予測コストと、の差額を表示部114に表示させる。このため、利用者は、修正BIMモデルによりコストがどの程度下がるか一目で確認する事ができる。
図7は、第1の実施形態の注意情報リスト画面の一例を示す例示的な図である。注意情報リストボタン51cに対する入力が検出されると、表示制御部102iは、サーバ装置200から送信された注意情報に基づき、図7のような注意情報リスト画面60(注意情報表示画面)を表示部114に表示させる。
注意情報リスト画面60は、統合BIMモデル又は修正BIMモデルにおける躯体と、BIMパーツと、部材との配置条件に対応する注意情報61を表示する。注意情報リスト画面60は、据付作業における注意情報61と、保守作業における注意情報61とをそれぞれ表示する。注意情報リスト画面60は、据付シート及び保守シートとして利用可能である。
図8は、第1の実施形態のオプション情報リスト画面の一例を示す例示的な図である。オプションリストボタン51dに対する入力が検出されると、表示制御部102iは、サーバ装置200から送信されたオプション情報に基づき、図8のようなオプションリスト画面70(オプション情報表示画面)を表示部114に表示させる。
オプションリスト画面70は、BIMモデルに関する建屋条件に対応するオプション情報71を表示する。このように、表示制御部102iは、サーバ装置200のオプション情報抽出部202gが抽出したオプション情報を表示部114に表示させる。
オプション情報71に対応する詳細ボタン72に対する入力が検出されると、表示制御部102iは、当該オプション情報71に関し、提案される理由、追加又は変更される装置の価格、プレビューなどの詳細を表示部114に表示させる。オプション情報71に対応する実行ボタン73に対する入力が検出されると、統合モデリング部102b又は修正モデリング部102hは、オプションが適用された統合BIMモデル又は修正BIMモデルを再作成する。
モデル情報送信部102cは、修正モデリング部102hにより修正BIMモデルが作成された場合に、当該修正BIMモデルの特徴を示すモデル情報をサーバ装置200に送信する。注意情報抽出部202fは、修正BIMモデルのモデル情報に含まれる配置条件に対応した注意情報を注意情報データベース206cから抽出する。オプション情報抽出部202gは、修正BIMモデルのモデル情報に含まれる建屋条件に対応したオプション情報をオプション情報データベース206dから抽出する。表示制御部102iは、サーバ装置200から受信した修正BIMモデルの注意情報及びオプション情報を表示部114に表示することができる。
図6に戻り、グラフ51eは、統合BIMモデル又は修正BIMモデルの評価結果を示すグラフである。具体的には、グラフ51eは、建築側で発生するコスト(第1条件)、昇降機メーカ側で発生するコスト(第2条件)、昇降機の据付期間(第3条件)、昇降機の据付時の安全性(第4条件)、及び昇降機の耐震性(第5条件)という五つの評価条件における統合BIMモデル又は修正BIMモデルの評価結果を示すレーダチャートである。以上のように、表示制御部102iは、モデル評価部102fの統合BIMモデル及び修正BIMモデルの評価結果として、属性表51b及びグラフ51eを、表示部114に表示させる。
サムネイル画像51fは、統合BIMモデル又は修正BIMモデルを示す画像である。モデル表示部51が以上の属性表51b、グラフ51e、及びサムネイル画像51fを表示することで、利用者は統合BIMモデル及び修正BIMモデルを容易に比較することができる。
次に、第1の実施形態によるBIMシステム1の動作について説明する。図9は、第1の実施形態のBIMシステム1において実行される処理の具体例を示した例示的なフローチャートである。
図9に示すように、第1の実施形態では、まず、端末装置100が、BIMパーツの作成条件をサーバ装置200に送信する(S1)。そして、サーバ装置200は、S1で端末装置100により送信された作成条件を受信する(S2)。
サーバ装置200は、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて、S2で受信された作成条件に対応するBIMパーツを作成する(S3)。そして、サーバ装置200は、S3で作成したBIMパーツを端末装置100に送信する(S4)。
端末装置100は、S4でサーバ装置200により送信されたBIMパーツを受信する(S5)。そして、端末装置100は、S5で受信されたBIMパーツを、BIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込み、統合BIMモデルを作成する(S6)。そして、端末装置100は、S6で作成された統合BIMモデルの特徴を示すモデル情報をサーバ装置200に送信する(S7)。
サーバ装置200は、S7で端末装置100により送信されたモデル情報を受信する(S8)。そして、サーバ装置200は、標準条件データベース206b、注意情報データベース206c、及びオプション情報データベース206dを参照し、モデル情報に対応した、寸法情報、注意情報、及びオプション情報を抽出する(S9)。
サーバ装置200は、S9で抽出された寸法情報、注意情報、及びオプション情報を端末装置100に送信する(S10)。そして、端末装置100は、S10でサーバ装置200により送信された寸法情報、注意情報、及びオプション情報を受信する(S11)。
端末装置100は、S6で作成された統合BIMモデルのコストを算出する(S12)。そして、端末装置100は、統合BIMモデルにおける躯体及びBIMパーツの配置の情報と、部材に関する情報と、評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価する(S13)。そして、端末装置100は、統合BIMモデルの評価結果がモデル表示部51に表示された操作画面を、表示部114に表示させる(S14)。
端末装置100は、S14で表示された操作画面における出力ボタン53に対する入力が検出されたか否かを判定する(S15)。端末装置100は、出力ボタン53に対する入力が検出されると(S15でYes)、サーバ装置200により送信された寸法情報に基づき、統合BIMモデルにおける、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための部材が、標準品か否か判定する(S16)。
端末装置100は、部材が標準品でないと判定された場合(S16でNo)、モデル評価部102fによる統合BIMモデルの評価結果よりも高い評価結果が得られるように、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、を修正可能か否か判定する(S17)。端末装置100は、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、が修正可能と判定された場合(S17でYes)、モデル評価部102fによる統合BIMモデルの評価結果よりも高い評価結果が得られるように、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、が統合BIMモデルから修正された少なくとも一つの修正BIMモデルを作成する(S18)。
端末装置100は、必要に応じてS1〜S5と同じく、作成条件をサーバ装置200に送信し、BIMパーツをサーバ装置200から受信して、修正BIMモデルを作成する。そして、端末装置100は、S18で作成された修正BIMモデルの特徴を示すモデル情報をサーバ装置200に送信する(S19)。
サーバ装置200は、S19で端末装置100により送信された修正BIMモデルのモデル情報を受信する(S20)。そして、サーバ装置200は、標準条件データベース206b、注意情報データベース206c、及びオプション情報データベース206dを参照し、修正BIMモデルのモデル情報に対応した、寸法情報、注意情報、及びオプション情報を抽出する(S21)。
サーバ装置200は、S21で抽出された寸法情報、注意情報、及びオプション情報を端末装置100に送信する(S22)。そして、端末装置100は、S22でサーバ装置200により送信された寸法情報、注意情報、及びオプション情報を受信する(S23)。
端末装置100は、S18で作成された修正BIMモデルのコストを算出する(S24)。そして、端末装置100は、修正BIMモデルにおける躯体及びBIMパーツの配置の情報と、部材に関する情報と、評価条件と、に基づき修正BIMモデルを評価する(S25)。そして、端末装置100は、修正BIMモデルの評価結果がモデル表示部51に表示された操作画面を、表示部114に表示させる(S26)。
端末装置100は、S26で修正BIMモデルの表示結果が操作画面に表示されると、統合BIMモデル及び修正BIMモデルのうちいずれか一つに対する選択操作を受け付ける(S27)。利用者は、モデル表示部51のラジオボタン51aを用いて、統合BIMモデル及び修正BIMモデルのうちいずれか一つを選択することができる。
端末装置100は、決定ボタン54に対する入力が検出されたか否かを判定する(S28)。端末装置100は、決定ボタン54に対する入力が検出されていないと判定すると(S28でNo)、S15に戻り、出力ボタン53に対する入力が検出されたか否かを判定する。例えば、利用者が評価条件を変更して、再び修正BIMモデルの作成を行っても良い。
端末装置100は、決定ボタン54に対する入力が検出されたと判定すると(S28でYes)、以上の処理を終了し、以降の工程が選択された統合BIMモデル又は修正BIMモデルに基づいて進行する。
S15で出力ボタン53に対する入力が検出されていないと判定された場合(S15でNo)、S16で部材が標準品だと判定された場合(S16でYes)、又はS17で統合BIMモデルが修正不可だと判定された場合(S17でNo)、端末装置100は、S28に移行し、決定ボタン54に対する入力が検出されたか否かを判定する。そこで決定ボタン54に対する入力が検出されると(S28でYes)、端末装置100は、以上の処理を終了し、以降の工程が統合BIMモデルに基づいて進行する。
以上説明したように、第1の実施形態によるBIMシステム1では、モデル評価部102fは、建築物の躯体及びBIMパーツの配置の情報と、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための部材に関する情報と、統合BIMモデルに関する評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価する。表示制御部102iは、モデル評価部102fの評価結果を表示部114に表示させる。これにより、モデル評価部102fの評価結果により、評価条件に沿った設計へ統合BIMモデルを誘導できる。従って、設計者によらず、設計方法を統一化することができる。
以上の説明においては、部材が標準品であることによって低減可能なコストを評価条件として扱った。しかし、部材が標準品であるか否かという条件も、評価条件の一つである。例えば、判定部102gは、部材の寸法の情報と、部材が標準品であるか否かという評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価(判定)する。表示制御部102iは、特注品の採用の有無、すなわち部材が標準品であるか否かを示す属性表51bを含む、操作画面50を表示部114に表示させる。
修正モデリング部102hは、モデル評価部102fによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、が統合BIMモデルから修正された少なくとも一つの修正BIMモデルを作成する。これにより、例えば、設計者が修正BIMモデルを統合BIMモデルに置き換えるだけで、容易に設計方法が統一化された統合BIMモデルを得ることができる。
部材に関する情報は、部材のコストに関する情報を含む。評価条件は、コストに関する条件を含む。すなわち、躯体及びBIMパーツの配置の変更、及び部材の変更により変わるコストを評価条件として、統合BIMモデルの評価及び修正BIMモデルの作成が行われる。さらに、表示制御部102iは、統合BIMモデルに関するコストと修正BIMモデルに関するコストとの差額を表示部114に表示させる。これにより、コストが低減された統合BIMモデルを得ることができると共に、設計者に低減されたコストを把握させ、低コストの設計を学習させることができる。
部材に関する情報は、部材の調達予定時における予測コストに関する情報を含む。予測情報取得部102eは、部材の予測コストに関する情報を取得する。評価条件は、予測コストに関する条件を含む。すなわち、予測コストを評価条件として、統合BIMモデルの評価及び修正BIMモデルの作成が行われる。これにより、評価時から部材の調達予定時までの期間が長かったとしても、最終的なコストが低減される統合BIMモデルを得ることができる。さらに、設計者が予測コストを計算したり調査したりする手間を軽減できる。
修正モデリング部102hは、ある第1条件(例えば昇降機メーカ側で発生するコスト)に基づいて、モデル評価部102fによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、第1修正BIMモデルを作成するとともに、第2条件(例えば建築側で発生するコスト)に基づいて、モデル評価部102fによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、第2修正BIMモデルを作成する。これにより、例えば、建築側のコスト及び昇降機メーカのコストのような、複数の評価条件のバランスを考慮した統合BIMモデルを得ることができる。
評価条件は、統合BIMモデルにおける、据付作業及び保守作業のうち少なくとも一方のためのスペースの配置状況に関する条件を含む。すなわち、据付作業及び保守作業のためのスペースを評価条件として、統合BIMモデルの評価や修正BIMモデルの作成が行われる。れにより、据付作業及び保守作業がしやすい統合BIMモデルを得ることができる。
注意情報抽出部202fは、躯体と、BIMパーツと、部材との配置条件に対応した注意情報を注意情報データベース206cから抽出する。これにより、据付作業及び保守作業におけるトラブルを回避するための設計を設計者に促したり、据付作業及び保守作業のためのシートを容易に作成したりすることができる。
オプション情報抽出部202gは、BIMモデルにおける建屋条件に対応したオプション情報をオプション情報データベース206dから抽出する。これにより、BIMモデルによる建屋条件に従って自動的に抽出されるオプション情報により、より付加価値の高い設計へ統合BIMモデルを誘導できる。従って、設計者によらず、設計方法を統一化することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態(サーバ主導の機能分散型のBIMシステム)について説明する。この第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、統合BIMモデルの作成、コスト算出、統合BIMモデルの評価、統合BIMモデルの修正可否の判定、修正BIMモデルの作成、判定結果の表示制御などが、サーバ装置1200側で行われる。以下では、第1の実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図10は、第2の実施形態に係るBIMシステム1の構成を示した例示的なブロック図である。図10に示すように、第2の実施形態によるBIMシステム1は、端末装置1100と、サーバ装置1200と、を備える。端末装置1100とサーバ装置1200とは、ネットワーク300を介して通信可能に接続されている。
端末装置1100は、制御部1102と、記憶部1106と、を少なくとも備える。また、サーバ装置1200は、制御部1202と、記憶部1206と、を少なくとも備える。
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、統合BIMモデルを作成する統合モデリング部1202cが、サーバ装置1200に設けられている。なお、統合BIMモデルの作成に必要なBIMモデルは、端末装置1100の記憶部1106のBIMモデルデータベース106aから予めサーバ装置1200に転送され、サーバ装置1200の記憶部1206に、BIMモデルファイル1206eとして予め一時的に記憶されているものとする。統合モデリング部1202cは、昇降機モデリング部202bにより作成されたBIMパーツが、BIMモデルファイル1206eに記憶されたBIMモデルに組み込まれた状態の統合BIMモデルを作成する。
第2の実施形態では、コスト算出部1202h、予測情報取得部1202i、モデル評価部1202j、判定部1202k、修正モデリング部1202l、及び表示制御部1202mが、サーバ装置1200に設けられている。
サーバ装置1200のコスト算出部1202hは、統合モデリング部1202cにより作成された統合BIMモデルに関するコスト又は予測コストと、後述の修正モデリング部1202lにより作成された修正BIMモデルに関するコスト又は予測コストと、を算出する。そして、予測情報取得部1202iは、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための少なくとも一つの部材の、調達時における予測コストに関する情報を取得する。
サーバ装置1200のモデル評価部1202jは、統合モデリング部1202cにより作成された統合BIMモデルに含まれる建築物の躯体及びBIMパーツの配置の情報と、統合BIMモデルに含まれるとともに躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための少なくとも一つの部材に関する情報と、統合BIMモデルに関する評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価する。そして、判定部1202kは、標準条件抽出部202eが標準条件データベース206bから抽出した寸法情報に基づき、部材が標準品であるか否か判定する。
サーバ装置1200の修正モデリング部1202lは、判定部1202kにより部材が標準品でないと判定された場合、モデル評価部1202jによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、が統合BIMモデルから修正された少なくとも一つの修正BIMモデルを作成する。修正モデリング部1202lは、第1の実施形態と同じく、建築側で発生するコスト(第1条件)、昇降機メーカ側で発生するコスト(第2条件)、昇降機の据付期間(第3条件)、昇降機の据付時の安全性(第4条件)、及び昇降機の耐震性(第5条件)という五つの評価条件に基づいて、モデル評価部1202jによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、複数の修正BIMモデルを作成する。
サーバ装置1200の表示制御部1202mは、モデル評価部1202jの評価結果を表示部114に表示させる。表示制御部1202mは、端末装置1100に、モデル評価部1202jの評価結果としての操作画面50を表示部114に表示するように指示する。表示制御部1202mは、統合BIMモデルに関するコスト又は予測コストと修正BIMモデルに関するコスト又は予測コストとの差額等も表示部114に表示させる。表示制御部1202mはさらに、注意情報抽出部202fが注意情報データベース206cから抽出した注意情報や、オプション情報抽出部202gがオプション情報データベース206dから抽出したオプション情報を、表示部114に表示させる。
なお、第2の実施形態のその他の構成、及び動作は、第1の実施形態と実質的に同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、第2の実施形態によるBIMシステムにおいても、第1の実施形態によるBIMシステムと同様に、モデル評価部1202jは、建築物の躯体及びBIMパーツの配置の情報と、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための部材に関する情報と、統合BIMモデルに関する評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価する。表示制御部1202mは、モデル評価部1202jの評価結果を表示部114に表示させる。これにより、モデル評価部1202jの評価結果により、評価条件に沿った設計へ統合BIMモデルを誘導できる。従って、設計者によらず、設計方法を統一化することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態(スタンドアロン型のBIM装置)について説明する。この第3の実施形態では、BIMなどに関する種々の機能がネットワーク300を介して接続された2つの装置に分散して設けられた第1の実施形態及び第2の実施形態と異なり、BIMなどに関する種々の機能が単一の装置に設けられる。以下では、第1の実施形態及び第2の実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図11は、第3の実施形態に係るBIM装置400の構成を示した例示的なブロック図である。図11に示すように、第3の実施形態によるBIM装置400は、制御部402と、記憶部406と、を少なくとも備える。制御部402は、入出力制御インターフェース部408を介して、表示部414及び音声出力部416を備えた出力部と、入力部418と、に接続されている。また、制御部402は、通信制御インターフェース部404を介してネットワーク300に接続されている。
第3の実施形態によるBIM装置400は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同等の機能を、単独で実現する。つまり、第3の実施形態によるBIM装置400の記憶部406は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同等の五種類のデータベース(パーツ情報データベース406a、BIMモデルデータベース406b、標準条件データベース406c、注意情報データベース406d、オプション情報データベース406e)を備える。また、第3の実施形態によるBIM装置400の制御部402は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同等の機能モジュール(作成条件設定部402a、昇降機モデリング部402b、統合モデリング部402c、標準条件抽出部402d、注意情報抽出部402e、オプション情報抽出部402f、コスト算出部402g、予測情報取得部402h、モデル評価部402i、判定部402j、修正モデリング部402k、及び表示制御部402l)を備える。
より具体的に、作成条件設定部402aは、利用者による入力などに応じて、BIMパーツの作成条件を設定する。そして、昇降機モデリング部402bは、作成条件設定部402aで利用者により設定された作成条件に対応するBIMパーツを、パーツ情報データベース406aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する。そして、統合モデリング部402cは、昇降機モデリング部402bにより作成されたBIMパーツが、BIMモデルデータベース406bに記憶されたBIMモデルに組み込まれた状態の統合BIMモデルを作成する。
標準条件抽出部402dは、標準条件データベース406cから、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための少なくとも一つの部材について、標準品と判定する範囲の寸法情報を抽出する。注意情報抽出部402eは、躯体、BIMパーツ、及び部材の配置態様を示す配置条件に対応した注意情報を、注意情報データベース406dから抽出する。オプション情報抽出部402fは、BIMモデルにおける建屋条件に対応したオプション条件をオプション情報データベース406eから抽出する。
コスト算出部402gは、統合BIMモデルに関するコスト又は予測コストと、修正BIMモデルに関するコスト又は予測コストと、を算出する。予測情報取得部402hは、部材の調達予定時における予測コストに関する情報を取得する。予測情報取得部402hは、通信制御インターフェース部404を介して、ネットワーク300上から部材の調達予定時における予測コストに関する情報を取得可能である。
モデル評価部402iは、統合BIMモデルに含まれる躯体及びBIMパーツの配置の情報と、統合BIMモデルに含まれるとともに躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための少なくとも一つの部材に関する情報と、統合BIMモデルに関する評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価する。判定部402jは、標準条件抽出部402dが標準条件データベース406cから抽出した寸法情報に基づき、部材が標準品であるか否か判定する。
修正モデリング部402kは、判定部402jにより部材が標準品でないと判定された場合、モデル評価部402iによる評価結果よりも高い評価結果が得られるように、躯体及びBIMパーツの配置と、部材と、が統合BIMモデルから修正された少なくとも一つの修正BIMモデルを作成する。表示制御部402lは、モデル評価部402iの評価結果を表示部414に表示させる。
以上説明したように、第3の実施形態によるBIM装置400でも、第1の実施形態及び第2の実施形態によるBIMシステムと同様に、モデル評価部402iは、建築物の躯体及びBIMパーツの配置の情報と、躯体とBIMパーツとの相対的な位置を定めるための部材に関する情報と、統合BIMモデルに関する評価条件と、に基づき統合BIMモデルを評価する。表示制御部402lは、モデル評価部402iの評価結果を表示部414に表示させる。これにより、判定部402jの判定結果により、評価条件に沿った設計へ統合BIMモデルを誘導できる。従って、設計者によらず、設計方法を統一化することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態は、昇降機としてエレベータの例について説明したが、エスカレータ、動く歩道などの乗客コンベアについても同様に適用できる。
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上述の説明で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件などのパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、上述した実施形態の各装置に関して、図に例示した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、実施形態の各装置が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、後述するような記録媒体に記録されており、必要に応じてCPUにより機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDDなどの記憶部には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
上記のコンピュータプログラムは、端末装置、サーバ装置、及びBIM装置に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
また、上記のコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよく、また、コンピュータプログラムプロダクトとして構成することもできる。ここで、記録媒体とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、及び、Blu−ray(登録商標) Discなどといった、任意の可搬用の物理媒体を含むものとする。
ここで、コンピュータプログラムとは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコードなどの形式を問わない。ここでいうコンピュータプログラムは、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態の各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順などについては、周知の構成や手順を用いることができる。
上述した実施形態の記憶部に格納される各種のデータベースは、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイルなどを格納可能な、RAM、ROMなどのメモリ装置、ハードディスクなどの固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスクなどのストレージ手段であってもよい。
また、実施形態の各装置は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置として構成してもよく、また、当該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、実施形態の各装置は、上記の情報処理装置に、対応する実施形態の方法を実現させるソフトウェア(コンピュータプログラムやデータなどを含む)を実装することにより実現してもよい。
さらに、実施形態の各機能の分散・統合の具体的形態は、図で例示したものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加などに応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態は、任意に組み合わせて実施することも可能であるし、選択的に実施することも可能である。
一つの実施形態に係るBIMシステムは、制御部と記憶部と表示部とを少なくとも備える。前記記憶部は、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段と、前記BIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、を備える。前記制御部は、利用者により入力される作成条件に対応する前記BIMパーツを、前記パーツ情報記憶手段に記憶された前記パーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段と、前記昇降機モデリング手段により作成された前記BIMパーツが、前記BIMモデル記憶手段に記憶された前記BIMモデルに組み込まれた状態の統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段と、前記統合BIMモデルに含まれる前記建築物の躯体及び前記BIMパーツの配置の情報と、前記統合BIMモデルに含まれるとともに前記躯体と前記BIMパーツとの相対的な位置を定めるための少なくとも一つの部材に関する情報と、前記統合BIMモデルに関する評価条件と、に基づき前記統合BIMモデルを評価するモデル評価手段と、前記モデル評価手段の評価結果を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記モデル評価手段による評価結果よりも高い評価結果が得られるように、前記躯体及び前記BIMパーツの配置と、前記部材と、が前記統合BIMモデルから修正された少なくとも一つの修正BIMモデルを作成する修正モデリング手段と、を備える。